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特許7577370クリーニング力増強のプローブクリーニングシートおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】クリーニング力増強のプローブクリーニングシートおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B24D 3/00 20060101AFI20241028BHJP
   B24D 3/22 20060101ALI20241028BHJP
   B24D 3/34 20060101ALI20241028BHJP
   B24D 15/04 20060101ALI20241028BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
B24D3/00 330A
B24D3/00 340
B24D3/00 320A
B24D3/22
B24D3/34 A
B24D15/04 Z
H01L21/66 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023113124
(22)【出願日】2023-07-10
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】523162731
【氏名又は名称】神興科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CKT TEK CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 21-1, Ln. 340, Sec. 2, Zhongshan Rd., Zhonghe Dist., New Taipei City 235, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】許▲リィ▼文
(72)【発明者】
【氏名】陳俊良
(72)【発明者】
【氏名】李志唐
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-136382(JP,A)
【文献】特開2012-233811(JP,A)
【文献】特開2008-070280(JP,A)
【文献】特開2005-326250(JP,A)
【文献】特開平11-345846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 3/00
B24D 3/22
B24B 3/34
B24D 15/04
G01R 1/06
G01R 31/26 - 31/28
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーナー層と、研磨層と、離型層と、基材層とを含むクリーニング力増強のプローブクリーニングシートにおいて、
前記クリーナー層は、内部に複数個の研磨洗浄粒が混合されており、且つ各研磨洗浄粒は複数個の洗浄分子粒からそれぞれ構成され、前記クリーナー層はシリコンゴムであり、
前記研磨層は、前記クリーナー層の一側に設置され、前記研磨層の中には複数個の砥粒が混合され、
前記離型層は、前記研磨層の一側に着脱可能で貼着され、且つ前記離型層は前記クリーナー層とは反対側に配置され、
前記基材層は、前記クリーナー層の一側に設置され、且つ前記研磨層とは反対側に配置され、
記離型層が研磨層から剥がされると、プローブは、研磨層の元々離型層が貼着されていた一側から挿入され、前記研磨層内の各砥粒によってプローブに対して第一回洗浄が実施され、またプローブが更にクリーナー層へ深く入ると、プローブは前記クリーナー層の各研磨洗浄粒に深く進入して洗浄され、プローブの汚れ掻き出されて落とされ、クリーナー層のシリコンゴムが帯電しており親油性を有し、プローブ上の汚れをクリーナー層上に転移させることを特徴とするクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項2】
前記基材層は基板もしくは裏打ちゴムであり、また前記基材層が基板である時、更に上述基板の材質はガラス繊維板、プラスチック板、無鉛ボード、もしくは金属板のうちの任意の一つであることを特徴とする請求項1記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項3】
前記各洗浄分子粒は表面処理を施されたものであることを特徴とする請求項1記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項4】
前記各洗浄分子粒の粒径の長さは、1μmから5μmの研磨粉粒であることを特徴とする請求項3記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項5】
前記各洗浄分子粒は、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、二酸化ケイ素および金剛石のうちの任意の一つからなる無機微粒であることを特徴とする請求項4記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項6】
前記クリーナー層内のシリコンゴムは、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂もしくはアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項7】
前記クリーナー層のシリコンゴムは汎用型、高反撥型、高強度型、汎用型と高寿命型の混合、もしくは汎用型、高寿命型および高強度型のうちの任意の一つであることを特徴とする請求項6記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項8】
前記クリーナー層のシリコンゴムが汎用型と高寿命型の混合である時、その汎用型と高寿命型の混合の比率は0:1から1:1であることを特徴とする請求項7記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート。
【請求項9】
一次混練ステップと、一次加工ステップと、二次混練ステップと、塑像成形ステップと、研磨加工ステップと、上フィルム加工ステップとを含む、クリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法において、
前記一次混練ステップでは、シリコンゴムと研磨粉を専用機械で混練し混練ゴムを成形し、前記混練ゴムを型打ちで高密度洗浄ブロックに成形し、
前記一次加工ステップでは、前記高密度洗浄ブロックを専用機械で粉碎および研磨して複数個の研磨洗浄粒を形成し、
前記二次混練ステップでは、各研磨洗浄粒を再度シリコンゴムと専用機械で混練して混練ゴム材に成形し、
前記塑像成形ステップでは、前記混練ゴム材を等分に仕分け、一つの混練ゴム材を取って直接金型に入れてクリーナー層を成形し、
前記研磨加工ステップでは、他に液状シリコンインクと複数個の砥粒を撹拌して混合し、前記クリーナー層最上面にプリントして研磨層に成形し、前記研磨層はプリント方式で前記クリーナー層に設置し、
前記上フィルム加工ステップでは、前記研磨層の最上面に離型層を着脱可能で貼着し前記研磨層を保護することを特徴とするクリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項10】
前記研磨加工ステップの後には、更に第一回焼成ステップ、第一回冷却ステップ、第二次焼成ステップおよび第二次冷却ステップを続けることを特徴とする請求項9記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項11】
前記シリコンインクはシリコンゴム材質であり、各砥粒は球形酸化アルミニウムであり、且つ各砥粒の粒直径は1~5umであり、前記研磨層のシリコンインクと砥粒の重量比は1:0.8~1:1.55であることを特徴とする請求項9記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項12】
前記研磨加工ステップ完成後には、更に裏打ちゴムを接着するステップを続け、研磨層の設置が完了した後、前記クリーナー層の研磨層が設けられている側とは反対側に裏打ちゴムを接着することを特徴とする請求項9記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項13】
前記塑像成形ステップにおいて、任意の一つの混練ゴム材を取って基板に置き、前記混練ゴム材を基板上で前記クリーナー層に成形することを特徴とする請求項9記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法。
【請求項14】
前記基板は混練ゴム材と共に金型に入れる前、前記基板に対して表面処理を実施し、その表面処理の方法は物理性処理もしくは化学性処理であり、物理性処理方法はプラズマ処理を例とし、化学性処理方法はスミア処理剤を例とすることを特徴とする請求項13記載のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング力増強のプローブクリーニングシートおよびその製造方法に関し、特に電子機械領域に対する応用技術であり、主にプローブのクリーニングに用いることを指す。
【背景技術】
【0002】
電子部材のテスト(例として、最終テスト(final test;FT)、もしくはチッププロービング(chip probing;CP)、但し上述に制限されない)において、通常プローブ(probe pin)で電気測定する。その時、仮にプローブ上に異物もしくは引っかき傷(scratch)があると、電子部材のテスト結果に影響を与える。
【0003】
ところでプローブ先端に付着した異物を除去するクリーニングシートがあるが、それは、基板および基板上のクリーナー層から構成される弾性基材含む。そのうち、クリーナー層はシロキサン構造を有するポリシロキサンが架橋されて得られたシリコン樹脂と/もしくはシリコンエラストマー、およびその中に添加した複数個の砥粒が含まれる。また研磨顆粒は親粒子と親粒子周囲に付着もしくは結合した多個の子粒子から構成される複合粒子であり、親粒子の平均粒径は1umから20umの間であり、子粒子の平均粒径は親粒子の平均粒径の1/10以上で且つ1/1000以下の範囲内で、母粒子は弾力のある有機粒子で、子粒子は無機粒子である。(例として特許文献1を参照)。
【0004】
また、上述のプローブクリーニングシートの母粒子は弾力のある有機粒子で、子粒子は母粒子の円周囲表面に結合される。そのため、プローブを穿刺する過程において、プローブ表面に接触している研磨顆粒が減り、研磨行程において研磨粒径および、圧力かけた時の圧縮の変形量が制限されるため、研磨効果は針先表面だけで、針先側辺に対しては有効に研磨されない。プローブの汚れは針先表面だけではないので、プローブを効率的にクリーニングすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本 特許 JP5437667公開 プローブ先端を洗浄するクリーニングシート
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プローブの先端位置の表面および側辺面を確実に洗浄できるようにし、公知技術の洗浄効果およびプローブに対する洗浄位置の制限により洗浄効果が悪い問題が改善されることを本発明の主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は前述の目的と効果を達成するため、本発明では二つの部分に分ける。先ずは本発明のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートは、以下が含まれる。
クリーナー層の内部には複数個の研磨洗浄粒が混合されており、且つ各研磨洗浄粒は複数個の洗浄分子粒からそれぞれ構成される。また該クリーナー層はシリコンゴムである。
研磨層は、該クリーナー層の一側に設置され、該研磨層の中は複数個の砥粒が混合される。
離型層は、該研磨層の一側に着脱可能で貼着され、且つ該離型層は該クリーナー層の反対側に成形される。
基材層は、該クリーナー層の一側に設置され、且つ該研磨層と反対側に成形される。
そのうち、該離型層が研磨層から剥がされると、先ず該研磨層内の各砥粒によってプローブに対して第一回洗浄が実施され、またプローブが更にクリーナー層へ深く入ると、プローブは該クリーナー層の各研磨洗浄粒に深く進入して洗浄され、汚れを掻き出して落とし、クリーナー層のシリコンゴムが静電性および親油性を有し、プローブ上の汚れをクリーナー層上に転移させる。
【0008】
本発明の別の主な技術は製造工程部分であり、本発明ではクリーニング力増強のプローブクリーニングシートの製造方法である。そのステップは以下を含む。
一次混練ステップは、シリコンゴムと研磨粉を専用機械で混練し混練ゴムを成形し、該混練ゴムを型打ちで高密度洗浄ブロックに成形する。
一次加工ステップは、該高密度洗浄ブロックを専用機械で粉碎および研磨して複数個の研磨洗浄粒を成形する。
二次混練ステップは、各研磨洗浄粒を再度シリコンゴムと専用機械で混練し、混練ゴム材に成形する。
塑像成形ステップは、該混練ゴム材を等分に仕分け、任意の一つの混練ゴム材を取り分けて基板に置き、混練ゴム材を基板と共に金型内に入れ、該混練ゴム材をクリーナー層に成形する。
研磨加工ステップは、他のシリコンインクと複数個の砥粒を撹拌して混合し、該クリーナー層最上面にプリントして研磨層を成形する。該研磨層はプリント方式で該クリーナー層に設置する。
上フィルム加工ステップは、該研磨層の最上面に離型層を着脱可能で貼着し該研磨層を保護する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートおよびその製造方法は、以下の利点がある。
該クリーナー層内の各研磨洗浄粒の設置により、プローブ先端が挿入された後、プローブ先端および側辺が各研磨洗浄粒に含まれる各洗浄分子粒によって汚れを取り除き、クリーナー層のシリコンゴム上に転写される。それによって確実且つ徹底的にプローブ先端表面および側辺の表面をしっかりと洗浄する。故に本発明は実用性および進歩性を有すると言え、産業界で推進され、一般に公開されるべきものであると言える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の立体指示図である。
図2図1のII-II線断面指示図である。
図3図2の局部拡大指示図である。
図4】本発明のステップブロックダイアグラム図である。
図5】本発明のステップフローチャート図である。
図6】本発明のプローブがクリーナー層に挿入された後の使用状態指示図である。
図7】本発明プローブが抜けた後の使用状態指示図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(一実施形態)
本発明の上述の目的および効果達成を明らかに説明するため、図式を示しながら、実施例を挙げて特徴と効果を詳細に説明する。図1から図7に示すとおり、先ず、本発明には二つの主要技術がある。先ずは構造部分について説明する。本発明のクリーニング力増強のプローブクリーニングシートは、クリーニング機械領域で一般に用いられるプローブ100とする。該プローブクリーニングシート10は、以下を含む。
クリーナー層20は、内部に複数個の研磨洗浄粒201が混合されており、各研磨洗浄粒201の間は不均等距離方式で配列され、且つ各研磨洗浄粒201は複数個の洗浄分子粒202からそれぞれ構成される。各洗浄分子粒202は分散して配列される。また、該クリーナー層20はシリコンゴム30である。
研磨層40は、該クリーナー層20の一側に設置され、該研磨層40の中は複数個の砥粒401が混合され、各砥粒401の研磨層40内の密度は、各研磨洗浄粒201内の複数個の洗浄分子粒202の密度よりも大きい。
離型層50は該研磨層40の一側に着脱可能で貼着され、且つ該離型層50は該クリーナー層20に相対し、該離型層50は主に該プローブクリーニングシート10の使用前に研磨層40を保護し、汚れが付着して洗浄に影響するのを回避する。
基材層60は該クリーナー層20の一側に設置され、且つ該研磨層40と反対側に成形される。
そのうち、該離型層50が研磨層40から剥がされると、先ず該研磨層40内の各砥粒401によってプローブ100に対して第一回洗浄が実施され、またプローブ100が更にクリーナー層20へ深く入ると、プローブ100は該クリーナー層20の各研磨洗浄粒201に深く進入して洗浄され、汚れを掻き出して落とし、クリーナー層20のシリコンゴムが静電性および親油性を有し、プローブ100上の汚れをクリーナー層20上に転移させる(例として図7のプローブ100を離した後、底に形成された凹陥箇所の中空円形を汚れとして表す)。
【0012】
クリーニング力増強のプローブクリーニングシート10の製造方法について説明する。そのステップは以下を含む。
一次混練ステップS1は、シリコンゴム30と研磨粉1を専用機械で混練して混練ゴム2を成形し、該混練ゴム2を型打ちで高密度洗浄ブロック3に成形する。
一次加工ステップS2は、該高密度洗浄ブロック3を専用機械で粉碎および研磨して複数個の研磨洗浄粒201を形成する。
二次混練ステップS3は、各研磨洗浄粒201を再度シリコンゴム30と専用機械で混練し、混練ゴム材4に成形する。
塑像成形ステップS4は、該混練ゴム材4を等分に仕分け(図5ではA~Gに等分する)、任意の一つの混練ゴム材4を取り分けて基板5に置き(この基板5は即ち基材層60であり、製造工程では各々別物件であるため、製造工程と構造を区別して基板5、基材層60と命名する。図5では各混練ゴム材4から基板5へ、更に金型への実線過程を主としている)、そして混練ゴム材4を基板5と共に金型内へ入れ、該混練ゴム材4をクリーナー層20に成形する(基板5が混練ゴム材4と成形する場合、先ず基板5上に表面処理する必要がある。処理の方法は二種あり、プラズマ処理のような物理性処理、もしくはスミア処理剤のような化学性処理がある)。
研磨加工ステップS5は、他にシリコンインク6と複数個の砥粒401を撹拌して混合し、該クリーナー層20最上面にプリントして研磨層40を形成する。該研磨層40はプリント方式で該クリーナー層20に設置する。
上フィルム加工ステップS6は、該研磨層40の最上面に離型層50を着脱可能で貼着し、該研磨層40を保護する。(上述の該クリーナー層20の成形方式は混練ゴム材4を金型内に入れ、該混練ゴム材4を直接クリーナー層20に成形しても良い。研磨加工ステップS5完成後、点線工程のように各混練ゴム材4を直接金型へ送るため、研磨層40と反対の別側に裏打ちゴム7を接着する。この裏打ちゴム7と基板5は基材層60と同じであるとみなし、ただ該混練ゴム材4成形の違いに応じ、基板5に置いても置かなくても成形できる)。
【0013】
上述は本発明の構造と製造方法の基づく説明において、それは主にクリーナー層20内部に各研磨洗浄粒201が設置され、各研磨洗浄粒201内は複数個の洗浄分子粒202から構成される。図2から分かるとおり、各研磨洗浄粒201内の各洗浄分子粒202は被覆され、各研磨洗浄粒201内で不規則に配列されている。そのため、プローブ100先端が研磨層によって一次洗浄を行った後、次にクリーナー層20内へ進入して各研磨洗浄粒201内へ挿入される。そのため、プローブ100の穿刺行程において、プローブが接触できる砥粒401が多くなり、
更にシリコンゴム30で形成された研磨洗浄粒201の外表の良好な包囲性、更に研磨層40の一次洗浄も加わるため、汚れが激しく堆積し、深い層まで入る必要があるプローブ100は、洗浄効果が良好となる。従前技術で挙げた日本案の図2で示された型態と比較した時、それは洗浄力が優れるが、従前の母粒子の弾性圧縮はプローブ穿刺力より大きいため、プローブは子粒子で停止する。仮に複合された母粒子周囲の材料が低弾性圧縮に属する場合、プローブは複合母粒子を下に押し、研磨はプローブ表層に形成されたくぼみだけに限られ穿刺できず、研磨の深さも足りない。故に本発明は従前と比較して更に良好な洗浄力を有する。以上は図6図7で示される。
【0014】
続いて、本発明のその他技術的特徴の説明として、先ず、該プローブクリーニングシート10の使用を研磨層40から始めることを確実にするため、該基材層60は基板もしくは裏打ちゴムであり、また該基材層60が基板である時、且つ上述基板の材質はガラス繊維板、プラスチック板、無鉛ボード、もしくは金属板のうちの任意の一つであり、該基材層60が裏打ちゴムの時(図未提示)、該プローブクリーニングシート10を機台上に接着できるようにする。
【0015】
また、各洗浄分子粒202の設置において、本発明は主に各洗浄分子粒202の表面を処理してシリコンゴム30の架橋力を高め、更にプローブ100表面上の汚れに対し有効に洗浄する。また、各洗浄分子粒202粒径の長さは1μmから5μmの砥粒であり、且つ各洗浄分子粒202は酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、二酸化ケイ素および金剛石のうちの任意の一つの無機微粒である。
また該クリーナー層20で使用されるシリコンゴム30はエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂もしくはアクリル樹脂であり、それにより、各研磨洗浄粒201との間の付着性を高める。
また該クリーナー層20のシリコンゴムは汎用型、高反発型、高強度型、汎用型と高寿命型の混合であるか、もしくは汎用型、高寿命型および高強度型のうちの任意の一つである。そのうち、高密度洗浄ブロック3のシリコンゴムは汎用型と高寿命型が混合された時、その汎用型と高寿命型の混合比率は0:1から1:1である。以上は図2図3で示す。
【0016】
該プローブクリーニングシート10の製造方法過程において、該研磨加工ステップS5の後、更に第一回焼成ステップS7、第一回冷却ステップS8、第二次焼成ステップS9および第二次冷却ステップS10へと続く。複数回の焼成、冷却加工によって、研磨層40とクリーナー層20の間の接続性が更に強化される。その他該シリコンインク6はシリコンゴム材質であり、各砥粒401は酸化アルミニウムである。更に各砥粒401の粒直径は1~5umであり、該研磨層40のシリコンインク6と砥粒401の重量比は1:0.8~1:1.55である。総合すると、本発明は確かに洗浄力が向上し、各研磨洗浄粒201の設置によってプローブ100に対する包囲性は向上する。
その他、クリーナー層20の厚みが減り、粉落ちのリスクも減ることから、本発明のクリーニング力増強のプローブクリーニングシート10および該プローブクリーニングシート10の製造方法は未見の革新的構造であり、如何なる刊行物にも掲載されておらず、且つ市場においても如何なる類似の製品がないことから、新規性を有することは間違いない。その他、本発明が有する独自の特徴と機能は従来とは遥かに超えているため、それは公知よりも進歩性を有し、台湾特許法の特許出願要件の規定に合致することから、法に基づき出願する。
【0017】
以上で述べたものは、本発明の最良の具体的実施例に過ぎず、本発明の構造的特徴を制限するものではなく、当領域において習熟する者が、本発明の領域内において、簡単に考えられる変化や修飾について、それらはすべて本発明の請求範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0018】
100 プローブ
10 プローブクリーニングシート
20 クリーナー層
201 研磨洗浄粒
202 洗浄分子粒
30 シリコンゴム
40 研磨層
401 砥粒
50 離型層
60 基材層
S1 一次混練ステップ
S2 一次加工ステップ
S3 二次混練ステップ
S4 塑像成形ステップ
S5 研磨加工ステップ
S6 上フィルム加工ステップ
S7 第一回焼成ステップ
S8 第一回冷却ステップ
S9 第二次焼成ステップ
S10 第二次冷却ステップ
1 研磨粉
2 混練ゴム
3 高密度洗浄ブロック
4 混練ゴム材
5 基板
6 シリコンインク
7 裏打ちゴム
【要約】      (修正有)
【課題】確実且つ徹底的にプローブ先端表面および側辺の表面をしっかりと洗浄するクリーニング力増強のプローブクリーニングシートおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】プローブクリーニングシート10は、クリーナー層20、研磨層40、離型層50および基材層60を含み、クリーナー層20内部には複数個の研磨洗浄粒が混合されており、研磨層40の中は複数個の砥粒が混合される。製造方法は一次混練ステップS1、一次加工ステップS2、二次混練ステップS3、塑像成形ステップS4、研磨加工ステップS5および上フィルム加工ステップS6が含まれる。プローブクリーニングシート10は、離型層50を研磨層40から剥がした後、研磨層40で一次洗浄と徹底洗浄を行い、汚れを掻き出して落とし、クリーナー層20のシリコンゴムが静電性および親油性を有し、プローブ上の汚れをクリーナー層20上に転移させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7