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特許75773782D/3D画像整合方法及びこれを行う手術用ロボットシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】2D/3D画像整合方法及びこれを行う手術用ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20241028BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241028BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20241028BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20241028BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20241028BHJP
【FI】
A61B6/03 571
G06T7/00 612
A61B34/10
A61B34/30
A61B34/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023186147
(22)【出願日】2023-10-31
(65)【公開番号】P2024067006
(43)【公開日】2024-05-16
【審査請求日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】10-2022-0144585
(32)【優先日】2022-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517402229
【氏名又は名称】キュレクソ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUREXO, INC.
【住所又は居所原語表記】3rd & 4th Floor, 480, Wiryesunhwan-ro, Songpa-gu, Seoul, 05814, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウ、ドン・ギ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、スン・タク
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-079304(JP,A)
【文献】特表2022-524607(JP,A)
【文献】特表2019-514547(JP,A)
【文献】特表2022-523587(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2017-0030687(KR,A)
【文献】韓国公開特許第2021-0123912(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58、34/00-34/20、34/30-34/37、42/00-90/98
G06T 7/00-7/90
G06V 10/00-20/90、30/418、40/16、40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ステップがプロセッサを含む画像整合装置によって実行される画像整合方法において、
手術前の3D画像装置から患者の手術部位の3D画像を得るステップと、
前記3D画像からAP方向及びLL方向のDRR画像を抽出するステップと、
手術中の2D画像装置から前記患者の手術部位のAP画像とLL画像の2D画像を得るステップと、
前記DRR画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第1法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第1原点を過ぎる第1回転軸を基準として、あらかじめ決められた前記AP画像または前記LL画像の第1基準位置に対応する前記患者の手術部位の参照位置と前記第1基準位置との間の第1回転角度を決めるステップと、
前記2D画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第2法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第2原点を過ぎる第2回転軸を基準として、前記参照位置に対応する前記AP画像または前記LL画像の第2基準位置と前記参照位置との間の第2回転角度を決めるステップと、
前記DRR画像及び前記2D画像のそれぞれの前記ソース及びディテクタに対する幾何空間関係から、前記第1回転角度及び第2回転角度を基にして前記2D画像及び前記DRR画像との間の変換関係を決めるステップと、含むことを特徴とする画像整合方法。
【請求項2】
前記第1基準位置及び前記第2基準位置は、前記2D画像及び前記DRR画像のそれぞれに対する前記AP画像または前記LL画像の中心または前記中心を含む線または面であることを特徴とする請求項1に記載の画像整合方法。
【請求項3】
前記画像整合装置は、前記3D画像を基にして手術プランニングを行うステップをさらに含み、
前記DRR画像に対する前記第1原点は、手術プランニングに適用されたインプラントの取り付け位置または前記インプラントの取り付けのための手術具の軌道の相対関係を介して決められることを特徴とする請求項1に記載の画像整合方法。
【請求項4】
前記DRR画像または前記2D画像に対する前記参照位置は、ユーザの入力によって決められることを特徴とする請求項1に記載の画像整合方法。
【請求項5】
前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの幾何空間関係は、正投影(orthogonal projection)関係であり、
前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの幾何空間関係は、遠近投影(perspective projection)関係であることを特徴とする請求項1に記載の画像整合方法。
【請求項6】
前記画像整合装置が、前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係から、前記第1法線ベクトルの方向に前記AP画像平面及び前記LL画像平面を移動するのに伴って平面が交差する第1関心ボリュームを決めるステップと、
前記画像整合装置が、前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係は遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記第2法線ベクトルの方向に前記AP画像平面及び前記LL画像平面を移動するのに伴って平面が交差する第2関心ボリュームを決めるステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の画像整合方法。
【請求項7】
前記第1原点は前記第1関心ボリュームの中心点であり、前記第2原点は前記第2関心ボリュームの中心点であることを特徴とする請求項6に記載の画像整合方法。
【請求項8】
前記画像整合装置が、前記DRR画像のAP画像及び前記LL画像のそれぞれに対する第1関心領域を決めるステップと、
前記画像整合装置が、前記第1関心領域に対応する第2関心領域を、前記2D画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対して決めるステップと、をさらに含み、
前記第1基準位置は前記第1関心領域の内に位置し、
前記第2基準位置は前記第2関心領域の内に位置することを特徴とする請求項1に記載の画像整合方法。
【請求項9】
前記画像整合装置が、前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係から、前記第1法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するのに伴って平面が交差する第1関心ボリュームを決めるステップと、
前記画像整合装置が前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係は遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記第2法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するのに伴って平面が交差する第2関心ボリュームを決めるステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の画像整合方法。
【請求項10】
前記第1原点は前記第1関心ボリュームの中心点であり、前記第2原点は前記第2関心ボリュームの中心点であることを特徴とする請求項9に記載の画像整合方法。
【請求項11】
前記第1原点は、患者の脊椎ペディクルスクリューのターゲット位置間の中点であることを特徴とする請求項9に記載の画像整合方法。
【請求項12】
前記第1回転角度は前記第1原点を中心として、ペディクルスクリュー進入点(entry point)間の中点と前記第1原点とを結ぶ線分と、
前記第1関心ボリュームの中心点を過ぎる前記第1法線ベクトルがなす角度であることを特徴とする請求項11に記載の画像整合方法。
【請求項13】
前記DRR画像の前記AP画像及び前記LL画像に対する前記第1関心領域のそれぞれは長方形であり、
前記DRR画像について、
前記画像整合装置が、前記AP画像の関心領域の各頂点に対する前記LL画像上のエピポーラライン(epipolar line)と、前記LL画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第1交差点を算出する第1ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1交差点を前記AP画像の関心領域の各頂点から前AP画像の法線方向に延びる法線ベクトルにそれぞれ正射影して4つの復元点を得る第2ステップと、
前記画像整合装置が、前記LL画像の関心領域の各頂点に対する前記AP画像上のエピポーララインとの前記AP画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第2交差点を求める第3ステップと、
前記画像整合装置が、前記第2交差点を前記LL画像上の関心領域の各頂点から前LL画像の法線方向に延びる法線ベクトルにそれぞれ正射影して4つの復元点を得る第4ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1乃至第4ステップを介して得られた8つの復元点を基にして形成される六面体の第1関心ボリュームを算出する第5ステップと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の画像整合方法。
【請求項14】
前記第2関心ボリュームを決めるステップは、前記2D画像に対して、
前記画像整合装置が、前記AP画像の関心領域の各頂点に対する前記LL画像上のエピポーラライン(epipolar line)と、前記LL画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第1交差点を算出する第1ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1交差点を前記AP画像の関心領域の各頂点から前記ソースへ向かう遠近投影ベクトルに遠近投影して4つの復元点を得る第2ステップと、
前記画像整合装置が、前記LL画像の関心領域の各頂点に対する前記AP画像上のエピポーララインと、前記AP画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第2交差点を求める第3ステップと、
前記画像整合装置が、前記第2交差点を前記LL画像上の関心領域の各頂点からソースへ向かう遠近投影ベクトルにそれぞれ遠近投影して4つの復元点を得る第4ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1乃至第4ステップで得られた8つの復元点を基にして六面体の第2関心ボリュームを決める第5ステップと、を含むことを特徴とする請求項に記載の画像整合方法。
【請求項15】
各ステップがプロセッサを含む画像整合装置によって実行される画像整合方法において、
手術前の3D画像装置から患者の手術部位の3D画像を得るステップと、
前記3D画像からAP方向及びLL方向のDRR画像を抽出するステップと、
手術中の2D画像装置から前記患者の手術部位のAP画像とLL画像の2D画像を得るステップと、
前記DRR画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対する第1関心領域を決めるステップと、
前記第1関心領域に対応する第2関心領域を、前記2D画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対して決めるステップと、
前記DRR画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第1法線ベクトルの方向に、前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を平行移動するときに平面が交差して形成される第1関心ボリュームを決めるステップと、
前記2D画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係は、遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記2D画像のAP画像及びLL画像に対する第2法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するときに平面が交差して形成される第2関心ボリュームを決めるステップと、
前記第1関心領域内のあらかじめ決められた第1基準位置に対応する前記第1関心ボリューム内の第1基準位置と前記第1基準位置に対応するあらかじめ決められた参照位置の第1変位を決めるステップと、
前記参照位置に対応する前記第2関心領域内のあらかじめ決められた第2基準位置に対する前記第2関心ボリューム内の第2基準位置と前記参照位置との間の第2変位を決めるステップと、
前記第1変位と前記第2変位に基にして、前記DRR画像及び前記2D画像それぞれの前記ソース及びディテクタに対する幾何空間関係から前記2D画像及び前記DRR画像との間の変換関係を決めるステップであって、前記変換関係に従って、前記第1関心領域の頂点と前記第2関心領域の頂点との間のユークリディアン距離が最小となるようにする変換関係を決めるステップと、を含むことを特徴とする画像整合方法。
【請求項16】
前記第1変位を決めるステップは、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する前記第1法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第1原点を過ぎる第1回転軸を基準として、前記参照位置と前記第1基準位置との間の角度を第1回転角度であると決めるステップと、
前記第2変位を決めるステップは、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する前記第2法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第2原点を過ぎる第2回転軸を基準として、前記参照位置と第2基準位置との間の角度を第2回転角度であると決めるステップと、を含むことを特徴とする請求項15に記載の画像整合方法。
【請求項17】
前記第1及び第2関心ボリュームを決めるステップは、前記第1及び第2関心領域の頂点のエピポーララインを前記第1及び第2法線ベクトルに投影して多面体を形成するステップをそれぞれ含むことを特徴とする請求項15に記載の画像整合方法。
【請求項18】
画像整合装置において、
請求項1乃至請求項17の中のいずれか一項に記載の画像整合方法を実行するためのプロセッサを含む画像整合装置。
【請求項19】
手術用ロボットシステムにおいて、
手術中の患者の手術部位の2D画像を得るための2D画像装置と、
手術具が着脱可能なエンドエフェクタを含むロボットアームと、
前記手術具または前記エンドエフェクタのリアルタイム位置をセンシングするための位置センサと、
あらかじめ決められた手術プランニングに応じて前記ロボットアームを制御するコントローラと、
ディスプレイと、
請求項1乃至請求項17の中のいずれか一項の画像整合方法を行って、前記ディスプレイを介して手術具またはインプラントに対するプランニング情報を手術中に得られる2D画像に表示したり、前記手術具またはインプラントの前記リアルタイム位置を前記2D画像または手術前に得られる3D画像に表示するナビゲーションシステムを含むことを特徴とする手術用ロボットシステム。
【請求項20】
請求項1乃至請求項17の中のいずれか一項に記載の画像整合方法を行うためのソフトウェアを格納するコンピュータプログラム媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像整合に関して、より詳細には、手術前の3D画像と手術中の2D画像との間の整合を介して手術プランニング及びナビゲーション情報を望む画像に表示することができる画像整合方法及びこれを行う手術用ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像整合に基づく手術ナビゲーションの技術は、医師の手術を支援するために使用されてきた。
【0003】
医師は、手術に入る前に、手術部位を撮影したCTの3D画像を基にして、最適なインプラント製品、インプラントの手術位置、または手術具の軌道などを決める手術プランニングを確立する。そして手術中には、手術プランニングの通りに手術がうまく行っているかを確認するために、手術の現況に該当する手術具、インプラントなどのリアルタイム位置を手術プランニングと対比、確認しながら手術具を操作する。
【0004】
手術プランニングは、手術前に主に活用されているCTの3D画像を基にして確立される反面、手術の現況は手術中に主に活用されている画像機器であるC-armの2D画像を基にして提供され、これは手術中の手術具とC-armが同じ座標系に整合されるのである。
【0005】
したがって、手術プランニング及び手術の現状に対する統合的な情報を提供するためには、3D/2D画像が整合されるべきであり、手術を成功させるためには、画像整合の精度を高め、画像整合の処理時間を短縮しなければならない。
【0006】
しかしながら、患者の動きに応じて脊椎の回転、左右の骨盤の非対称性などが発生し、画像を得るたびに一定でない画像を得ることとなる。したがって、患者の動き、特に位置の移動はないが、関節の回転などにより発生するポーズの微細な変化を迅速に処理して画像整合を行うべきであるが、従来のナビゲーション技術分野では、このような関節の回転に伴うポーズの変化を反映する画像整合の技術は活用されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国登録特許第2203544号
【文献】韓国登録特許第2394901号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、迅速な画像整合の処理が可能で関節の回転に起因する動きの補償が可能な画像整合方法及びこれを行う手術用ロボットシステム、画像整合装置、及びコンピュータプログラム媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る画像整合方法において、手術前の3D画像装置から患者の手術部位の3D画像を得るステップと、前記3D画像からAP方向及びLL方向のDRR画像を抽出するステップと、手術中の2D画像装置から前記患者の手術部位のAP画像とLL画像の2D画像を得るステップと、前記DRR画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第1法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第1原点を過ぎる第1回転軸を基準として、あらかじめ決められた前記AP画像または前記LL画像の第1基準位置に対応する前記患者の手術部位の参照位置と前記第1基準位置との間の第1回転角度を決めるステップと、前記2D画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第2法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた前記第2原点を過ぎる第2回転軸を基準として、前記参照位置に対応する前記AP画像または前記LL画像の第2基準位置と前記参照位置との間の第2回転角度を決めるステップと、前記DRR画像及び前記2D画像のそれぞれの前記ソース及びディテクタに対する幾何空間関係から、前記第1回転角度及び第2回転角度を基にして前記2D画像及び前記DRR画像との間の変換関係を決めるステップと、含むことを特徴とする画像整合方法によって達成することができる。
【0010】
ここで、前記第1基準位置及び前記第2基準位置は、前記2D画像及び前記DRR画像のそれぞれに対する前記AP画像または前記LL画像の中心または前記中心を含む線または面であり得る。
【0011】
前記画像整合方法は、前記3D画像を基にして手術プランニングを行うステップをさらに含み、前記DRR画像に対する前記第1原点は、手術プランニングに適用されたインプラントの取り付け位置または前記インプラントの取り付けのための手術具の軌道の相対関係を介して決められることができる。そして、前記DRR画像または前記2D画像に対する前記参照位置はユーザの入力によって決められることができる。
【0012】
前記画像整合方法において、前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの幾何空間関係は、正投影(orthogonal projection)関係であり、前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの幾何空間関係は、遠近投影(perspective projection)関係であり得る。
【0013】
そして、前記画像整合方法は、前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係から、前記第1法線ベクトルの方向に前記AP画像平面及び前記LL画像平面を移動するのに伴って平面が交差する第1関心ボリュームを決めるステップと、前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係は遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記第2法線ベクトルの方向に前記AP画像平面及び前記LL画像平面を移動するのに伴って平面が交差する第2関心ボリュームを決めるステップと、をさらに含むことできる。ここで、前記第1原点は前記第1関心ボリュームの中心点であり、前記第2原点は前記第2関心ボリュームの中心点であり得る。
【0014】
そして、前記画像整合方法は、前記DRR画像のAP画像及び前記LL画像のそれぞれに対する第1関心領域を決めるステップと、前記第1関心領域に対応する第2関心領域を、前記2D画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対して決めるステップと、をさらに含み、前記第1基準位置は前記第1関心領域の内に位置し、前記第2基準位置は前記第2関心領域の内に位置することができる。また、前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係から、前記第1法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するのに伴って平面が交差する第1関心ボリュームを決めるステップと、前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係は遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記第2法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するのに伴って平面が交差する第2関心ボリュームを決めるステップと、をさらに含むことができ、ここで、前記第1原点は前記第1関心ボリュームの中心点であり、前記第2原点は前記第2関心ボリュームの中心点とすることができる。
【0015】
そして、前記画像整合方法は、前記第1原点は、患者の脊椎ペディクルスクリューのターゲット位置間の中点であり得て、前記第1回転角度は前記第1原点を中心として、前記ペディクルスクリュー進入点(entry point)間の中点と前記第1原点とを結ぶ線分と、前記関心ボリュームの中心点を過ぎる前記第1法線ベクトルがなす角度であり得る。
【0016】
そして、前記画像整合方法は、前記DRR画像の前記AP画像及び前記LL画像に対する前記第1関心領域のそれぞれは長方形であり、前記DRR画像について、前記AP画像の関心領域の各頂点に対する前記LL画像上のエピポーラライン(epipolar line)と、前記LL画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第1交差点を算出する第1ステップと、前記第1交差点を前記AP画像の関心領域の各頂点からの前記法線ベクトルにそれぞれ正射影(orthogonal projection)して4つの復元点を得る第2ステップと、前記LL画像の関心領域の各頂点に対する前記AP画像上のエピポーララインとの前記AP画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第2交差点を求める第3ステップと、前記第2交差点を前記LL画像上の関心領域の各頂点からの前記法線ベクトルにそれぞれ正射影して4つの復元点を得る第4ステップと、前記第1乃至第4ステップを介して得られた8つの復元点を基にして形成される六面体の第1関心ボリュームを算出する第5ステップと、を含むことができる。
【0017】
そして、前記画像整合方法は、前記第2関心ボリュームを決めるステップは、前記2D画像に対して、前記AP画像の関心領域の各頂点に対する前記LL画像上のエピポーラライン(epipolar line)と、前記LL画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第1交差点を算出する第1ステップと、前記第1交差点を前記AP画像の関心領域の各頂点から前記ソースへ向かう遠近投影ベクトルに遠近投影して4つの復元点を得る第2ステップと、前記LL画像の関心領域の各頂点に対する前記AP画像上のエピポーララインとの前記AP画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第2交差点を求める第3ステップと、前記第2交差点を前記LL画像上の関心領域の各頂点からソースへ向かう遠近投影ベクトルにそれぞれ遠近投影して4つの復元点を得る第4ステップと、前記第1乃至第4ステップで得られた8つの復元点を基にして六面体の第2関心ボリュームを決める第5ステップと、を含むことができる。
【0018】
さらに、前記目的は、本発明の別の態様に係る画像整合方法において、手術前の3D画像装置から患者の手術部位の3D画像を得るステップと、前記3D画像からAP方向及びLL方向のDRR画像を抽出するステップと、手術中の2D画像装置から前記患者の手術部位のAP画像とLL画像の2D画像を得るステップと、前記DRR画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対する第1関心領域を決めるステップと、前記第1関心領域に対応する第2関心領域を、前記2D画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対して決めるステップと、前記DRR画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第1法線ベクトルの方向に、前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を平行移動するときに平面が交差して形成される第1関心ボリュームを決めるステップと、前記2D画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係は、遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記2D画像のAP画像及びLL画像に対する第2法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するときに平面が交差して形成される第2関心ボリュームを決めるステップと、前記第1関心領域内のあらかじめ決められた第1基準位置に対応する前記第1関心ボリューム内の第1基準位置と前記第1基準位置に対応するあらかじめ決められた参照位置の第1変位を決めるステップと、前記参照位置に対応する前記第2関心領域内のあらかじめ決められた第2基準位置に対する前記第2関心ボリューム内の第2基準位置と前記参照位置との間の第2変位を決めるステップと、前記第1変位と前記第2変位に基にして、前記DRR画像及び前記2D画像それぞれの前記ソース及びディテクタに対する幾何空間関係から前記2D画像及び前記DRR画像との間の変換関係を決めるステップであって、前記変換関係に従って、前記第1関心領域の頂点と前記第2関心領域の頂点との間のユークリディアン距離が最小となるようにする変換関係を決めるステップと、を含むことを特徴とする画像整合方法によって達成することができる。
【0019】
ここで、前記第1変位を決めるステップは、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する前記第1法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第1原点を過ぎる第1回転軸を基準として、前記参照位置と前記第1基準位置との間の角度を第1回転角度であると決めるステップを含み、前記第2変位を決めるステップは、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する前記第2法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第2原点を過ぎる第2回転軸を基準として、前記参照位置と第2基準位置との間の角度を第2回転角度であると決めるステップと、を含むことができる。
【0020】
そして、前記第1及び第2関心ボリュームを決めるステップは、前記第1及び第2関心領域の頂点のエピポーララインを前記第1及び第2法線ベクトルに投影して多面体を形成するステップをそれぞれ含むことができる。
【0021】
また、前記目的は、本発明の別の態様に係る画像整合装置において、請求項1乃至請求項17の中のいずれか一項に記載の画像整合方法を実行するためのプロセッサを含む画像整合装置によって達成することができる。
【0022】
さらに、前記目的は、本発明の別の態様に係る手術用ロボットシステムにおいて、手術中の患者の手術部位の2D画像を得るための2D画像装置と、手術具が着脱可能なエンドエフェクタを含むロボットアームと、前記手術具または前記エンドエフェクタのリアルタイム位置をセンシングするための位置センサと、あらかじめ決められた手術プランニングに応じて前記ロボットアームを制御するコントローラと、ディスプレイと、請求項1乃至請求項17の中のいずれか一項に記載の画像整合方法を行って、前記ディスプレイを介して手術具またはインプラントに対する前記プランニング情報を手術中に得られる2D画像に表示したり、前記手術具またはインプラントの前記リアルタイム位置を前記2D画像または手術前に得られる3D画像に表示するナビゲーションシステムを含むことを特徴とする手術用ロボットシステムによって達成することができる。
【0023】
さらに、上記目的は、本発明の一態様に係る請求項1乃至請求項17の中のいずれか一項に記載の画像整合方法を行うためのソフトウェアを格納するコンピュータプログラム媒体によって達成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、患者の身体の一部に対する回転時に動きの補償が可能な正確かつ迅速な画像整合処理を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る画像整合装置のブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像整合方法のフローチャートである。
図3a】CT画像に手術プランニングを確立し、そこから関心ボリュームを抽出する過程を説明するための例示図である。
図3b】CT画像に手術プランニングを確立し、そこから関心ボリュームを抽出する過程を説明するための例示図である。
図4】CT画像から正射影(orthogonal projection)に基づいてDRR画像を生成することを説明するための例示図である。
図5】AP画像における機械学習を通じてラベル付けされた後に関心領域を自動的に生成する過程を説明するための例示図である。
図6a】DRR画像として、AP画像及びLL画像における第1関心領域が生成された結果の例を示す図である。
図6b】DRR画像として、AP画像及びLL画像における第1関心領域が生成された結果の例を示す図である。
図7a】C-arm画像として、AP画像及びLL画像における第2関心領域が生成された結果の例を示す図である。
図7b】C-arm画像として、AP画像及びLL画像における第2関心領域が生成された結果の例を示す図である。
図8】関心領域のサイズ調整、位置移動、回転移動、SP設定などを可能にするユーザインターフェースの例を示す図である。
図9a】第1関心領域の頂点がCTボリューム内に復元される過程を説明するための図である。
図9b】第1関心領域の頂点がCTボリューム内に復元される過程を説明するための図である。
図9c】第1関心領域の頂点がCTボリューム内に復元される過程を説明するための図である。
図9d】第1関心領域の頂点がCTボリューム内に復元される過程を説明するための図である。
図10】第1関心領域の頂点8つがCTボリューム内に復元された結果を説明するための例示図である。
図11】第2関心領域の頂点がC-armボリューム内に復元される過程を説明するための図である。
図12】第2関心領域の頂点8つがC-armボリューム内に復元された結果を説明するための図である。
図13a】第1関心ボリュームの軸方向と棘突起の先端ラインとが一致する場合と不一致して回転した場合を説明するための図である。
図13b】第1関心ボリュームの軸方向と棘突起の先端ラインとが一致する場合と不一致して回転した場合を説明するための図である。
図14】手術前に手術プランニングされたプランニングオブジェクト位置に基づく第1回転角度を決定する方法を説明するための例示図である。
図15】C-armAP画像において棘突起の先端線をユーザが設定するためのユーザインターフェースを説明するための例示図である。
図16】C-armAP画像ベースの第2回転角度を算出する過程を説明するための例示図である。
図17】C-armAP画像ベースの第2回転角度を算出する過程を説明するための例示図である。
図18】第1関心ボリュームの中央を原点とするローカル座標系Vを説明するための図である。
図19】本発明の一実施形態に係る手術ロボットシステムの概略的な構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像整合を行うための画像整合装置10の構成を概略的に示すブロック図である。画像整合装置10は、画像整合を行なえる電子機器であり、コンピュータ、ノートパソコン、ラップトップ・コンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PMP(Personal Media Player)、PDA(Personal Digital Assistants)などのコンピューティングデバイスを意味する。本発明の一実施形態に係る画像整合方法は、医療用ナビゲーションソフトウェアをはじめとする医療画像処理ソフトウェアなどに適用可能である。本発明の一実施形態に係る画像整合装置10は、医療用ナビゲーションソフトウェアの以外に、手術プランニングやプランニング等の画像処理ソフトウェアを実行することもできる。
【0028】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る画像整合装置10は、データ及びプログラムコードが格納されたメモリ11と、それを実行するプロセッサ13とを含む。
【0029】
メモリ11は、コンピューティング装置で読み取り可能な記録媒体であり、プロセッサ13により実行される少なくとも1つのコンピュータプログラムコードを格納することができる。このようなコンピュータプログラムコードは、メモリ11とは別のフロッピードライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどからメモリ11にロードすることができる。メモリ11は、画像整合のためのソフトウェア、患者の医療画像やデータなどを格納することができる。
【0030】
プロセッサ13は、基本的なロジック、算出、演算などを実行してコンピュータプログラムの命令語を実行及び処理するためのものであり、メモリ11に格納されたコンピュータプログラムコードがプロセッサ13にロードされて実行される。プロセッサ13は、メモリ11に格納されたアルゴリズムを実行して一連の2D/3D画像整合を行う。
【0031】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る画像整合装置10は、データ及び画像を表示するためのディスプレイ15と、ユーザの入力を受けるためのユーザインターフェース17と、外部との連動のための通信インターフェース19をさらに含むことができる。ユーザインターフェース17は、例えば、マイク、キーボード、マウス、または足パッドなどの入力装置を含むことができる。
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る画像整合装置10(またはプロセッサ13)により行われる画像整合方法について後述する。
【0033】
図2は本発明の一実施形態に係る画像整合方法のフローチャートであり、図3乃至図14図2のフローチャートのステップを示す模式図である。
【0034】
図2を参照すると、本発明の実施形態に係る画像整合方法は手術前のステップのプランニングステップを含む。
【0035】
まず、画像装置を介して手術前の患者の手術部位に対するCT画像を撮影して3D画像を得る(S1)。ここで、CT以外に3D画像を得る画像装置、例えばMRIなども使用することができ、本発明は特定の画像装置に限定されない。
【0036】
医師は手術プランニングソフトウェアを使用して患者の3D画像に対して手術プランニングを確立する(S2)。例えば、脊椎手術中にペディクルにスクリューを挿入して固定する手術の場合、スクリューの直径、長さ、材質等を基準としたスクリュー製品の選択、スクリューのペディクルの進入点、スクリューの末端の定着位置のターゲットなどを設定して3D画像に表示することができる。このようなプランニングソフトウェアは、さまざまな手術分野で多くの企業が提供している。
【0037】
次に、画像整合装置10は、手術プランニングを確立した手術部位に対する関心ボリュームを抽出する(S3)。このような抽出は、3D画像上に表示されたプランニングオブジェクト、例えばスクリューの位置を基準として自動化されたアルゴリズムを介して自動抽出されるか、または医師が直接提供されるボリューム境界を調整して、そのサイズだけ抽出することができる。
【0038】
図3aを参照すると、医師は左側の3D画像上に提供される白いボックスを制御して関心ボリュームを設定したり調整することができ、図3bを参照すると、図3aと比較して、例えばプランニングオブジェクトであるスクリューを基準として左右マージン(a,b)の大きさをデフォルトで与え、自動的に抽出されるようにすることができる。
【0039】
このようにして抽出された関心ボリュームからDRR(Digitally Reconstructed Radiograph)画像として、AP画像(Anterior-Posterior image)とLL画像(Lateral-Lateral image)を生成する(S4)。すなわち、図4に示すように、AP画像とLL画像は、CT装置が提供するCT座標系を基準とした仮想のC-arm画像であり、正射影(orthogonal projection)によるAPソースとディテクタからAP画像を生成し、LLソース及びディテクタからLL画像を生成する。
【0040】
次に、手術中にC-arm装置を介して手術部位のAP画像とLL画像を得て(S5)、患者の身体の一部に取付けたマーカー(以下「PMマーカー」という)又は他の手術空間内で参照することができるマーカーを基準とした空間座標系にC-arm装置を整合させる(S6)。本出願人の韓国登録特許第2203544号はC-arm装置を3D空間に整合するか、2D画像を3D空間に整合する技術を開示しており、本出願は、544’号を全て参照として含む。C-arm装置を空間整合する技術は、参照された544’号の特許以外に多数知られており、本発明は特定の空間整合技術に限定されない。
【0041】
画像整合装置10は、DRR画像とC-arm画像について第1関心領域ROI及び第2関心領域ROIをそれぞれ決める(S7、S8)。各関心領域は、ペディクルスクリュー固定手術の場合、脊椎骨の単位に設定することができ、図5に示すように、機械学習を通じて脊椎骨の単位で抽出されてラベル付けされ、関心領域は各脊椎骨を含む長方形として定義することができる。
【0042】
図6a及び図6bは、ラベル付けされたDRR画像のAP画像及びLL画像に第1関心領域が抽出された結果を示し、図7a及び図7bはラベル付けされたC-armのAP画像及びLL画像に第2関心領域が抽出された結果を示す。
【0043】
ここで注意すべき点は、DRR画像に対する第1関心領域とC-arm画像に対する第2関心領域が互いに等しく抽出されることである。少なくとも、関心領域の長方形の頂点は、互いに対応する同等性がある点として選択される。同等性は完全な一致点を意味するものではなく、例えば、脊椎骨の画像特徴と選択される関心領域の4つの頂点との間の関係が一定に維持されるように、第1関心領域と第2関心領域が抽出または選択されることを意味する。
【0044】
本実施形態においては、例えば、脊椎骨に対して、棘突起の先端がAP画像に対する関心領域の中央にくるように第1関心領域及び第2関心領域が選択され、AP/LL画像のそれぞれにおいて脊椎骨の外側マージンが第1及び第2関心領域に対して一定に適用されるように選択される。
【0045】
図8を参照すると、医師は提供されたユーザインターフェースを介して抽出された関心領域のサイズ、位置、回転などが可能であり、特定の身体部位、例えば棘突起の先端を指すラインを生成するか、または中心線と一致するように関心領域を調整することもできる。
【0046】
次に、画像整合装置10は、DRR画像に対してAP画像とLL画像に表示された第1関心領域を空間上に復元する、すなわち関心ボリュームで復元するようにする(S9)。これは直観的に、AP画像が仮想のディテクタ位置にあると仮定し、法線ベクトルに平行移動させるとともに、LL画像が仮想のディテクタ位置にあると仮定し、LL画像の法線ベクトルに平行移動させるとき、2つの平面が交差する空間、すなわち、2つの平面上の第1関心領域が互いに交差する空間で第1関心ボリュームと言うことにする。
【0047】
第1関心ボリュームを座標系に基づいて算出する過程を図9乃至図13を参照して説明する。
【0048】
図9を参照すると、L3とラベル付けされた脊椎骨に対する第1関心領域に対して、AP画像上の第1関心領域の第1頂点A1と、CT座標系上のAP画像が位置する仮想のディテクタ平面が定義される。また、LL画像が位置する仮想のディテクタ平面も定義され、LL画像上の第1関心領域も表示されている。直観的に、AP画像及びLL画像の平面が空間で交差して形成されるボリュームをCTボリュームというとき、CTボリュームは六面体で6つの境界面を有し、3軸のCT座標系を有する。
【0049】
DRR画像は正投影または直交投影であるので、このような六面体のCTボリュームが形成され、Aを過ぎる法線ベクトルはCTボリュームの上下境界面を交差して任意の高さのA’に達する。
【0050】
したがって、A’と上下の境界面との交差点I及びIは、次のように求めることができる。
【0051】
【数1】
【0052】
【数2】
【0053】
【数3】
【0054】
ここで、λは任意の数であり、NAPはAP平面の法線ベクトルであり、finterは入力変数として2つの点と1つの平面で表され、2つの点を結ぶ線分と平面との間の交差点を求める関数を表す。
【0055】
したがって、Iは次のように求められる。
【0056】
【数4】
【0057】
ここで、PTopはπTopを表し、IはIと同じ方式で求められる。
【0058】
図9bを参照すると、I及びIからLL画像平面に垂直に下がって通じる任意の法線上の任意の点をそれぞれI’及びI’というとき、I’及びI’は、次のように表現できる。
【0059】
【数5】
【0060】
【数6】
【0061】
ここで、λは任意の数であり、NLLはLL平面の法線ベクトルである。
【0062】
次の図9cを参照すると、I及びIからI’及びI’に至る線分とLL画像平面と交差点を結ぶと、頂点A1のエピポーララインを求めることができる。このエピポーララインをLL画像上の関心領域の任意の位置との交差点を求めることができる。図9cでは、第1関心領域の左右側辺の中点C、Cを結ぶ線分との交差点Cを求めた。
【0063】
このように求めたエピポーララインと関心領域との間の交差点Cを再び頂点Aからの法線AーA’に投影すれば、図9dに見られるように、Pを求めることができる。ここで、エピポーララインと交差する関心領域の位置を上辺とした場合、PはLL画像の第1関心領域の上辺と平行な位置にあるので、Aに対応するCTボリューム内の点であるPはAからの法線上でも、LL画像上の関心領域の上辺及び下辺と平行な位置内で任意の位置で選択することができることに注意する。
【0064】
残りの3つの頂点に対してAと同様に適用すると、AP画像上の第1関心領域の平面がCTボリュームに移されて復元されることがわかり、同様にLL画像上の頂点がCTボリュームに移されて復元されることがわかる。
【0065】
図10は、第1関心領域を定義する8つの頂点A~AがCTボリューム内の8つの点(CTCT,....CT)に復元された一例を示す。
【0066】
図11は、C-arm画像の第2関心領域を定義する一頂点AがC-armボリュームに復元される関係を示す。
【0067】
図9a乃至図9dと比較すると、C-arm画像は遠近投影に従って得られるので、互いに直交するCT座標系上の単位ベクトルを用いて定義する代わりに、PMマーカーベースのPM座標系を基にしてソースとディテクタとの間のベクトルを方向ベクトルとして定義される。
【0068】
したがって、図11において、I、I、I’、I’、C、Pは次のように求められる。
【0069】
【数7】
【0070】
【数8】
【0071】
【数9】
【0072】
【数10】
【0073】
【数11】
【0074】
【数12】
【0075】
ここで、SLLはLL画像のソース位置を表し、λは任意の数であり、
【数13】

及びCはLL画像上の関心領域の左右の辺の中点である。
【0076】
同じ手順を8つの頂点A~Aに繰り返すときに、図12に示すように、8つの点(PMPM,....PM)がC-armボリュームに復元される。
【0077】
図10及び図12を参照すると、CTボリューム内に復元された8つの点とC-armボリューム内に復元された8つの点は、AP画像上の関心領域とLL画像上の関心領域が相互中心で交差して配置されたように見える。これら8つの点が六面体の中線となり、1つの関心ボリュームを形成できることが理解できるであろう。
【0078】
ここで再び図2のフローチャートを参照すると、画像整合装置10は、CTボリュームとC-armボリュームにそれぞれ8つの点または第1及び第2関心ボリュームを復元した後、あらかじめ決められた軸を中心に患者の手術部位の参照位置とそれに対応する基準位置との間の回転角度を算出する(S10)。
【0079】
本実施形態では、参照位置は棘突起の先端とし、これに対応する第1基準位置は、AP画像平面の法線ベクトル及びLL画像平面の法線ベクトルの外積のベクトルと同じ方向に定義されるAXIAL画像の法線ベクトルに対応する。ただし、回転軸の位置を決定する第1原点は、椎骨の回転の中心を反映するのが理想的であるが、これを定義することが困難であるので、後述するように、2つのうちの1つを選択するようにする。
【0080】
まず、図13aを見ると、SPで示された棘突起の先端と、図10を参照すると、CT及びCTとの間の線分が高さが異なるだけで左右の偏差がないので、この場合、回転がないことがわかる。
【0081】
一方、図13bでは、SPで示された棘突起の先端と、CT及びCTとの間の線分が左右側偏差があり、第1関心ボリュームの中心を過ぎるaxial軸との間の角度θが歪んでいることがわかる。
【0082】
これにより、歪んでいる回転角度θ(以下、「第1回転角度」という)を求めるために、図14のように医師が手術前に行ったプランニングオブジェクトを用いることができる。図14を参照すると、一対のスクリューがaxial軸を基準として左右ペディクルに進入する進入路E、Eとの間の中点Eと、最終的にスクリューの末端が取り付けられる位置T、T( 以下、「ターゲット」という)の中点Tを結ぶ線E-Tと第1関心ボリュームのaxial平面の中心を過ぎる縦線分、すなわち、PTPTとの間の線分間の角度を第1回転角度θDRRで求める。
【0083】
この場合、第1回転軸が過ぎる第1原点は左右ターゲットT、Tの中点Tとして選択され、第1関心ボリュームの中心との高さはdだけの差があることが分かる。これは、医師の手術プランニングによる回転値を容易に算出することができ、迅速な整合処理を行うのに役立つ。C-arm画像の回転について説明するように、第1回転原点をターゲット重点の代わりに第1関心ボリュームの中心を用いることができる。
【0084】
一方、図15に示すように、C-arm画像のtrueのAP及びLL画像を得ることができるので、AP画像の第2関心領域の中心を棘突起の先端と一致することが多いが、医師は現ステップで棘突起の先端を直接設定するために、AP画像上の第2関心領域の中心線を棘突起の先端と一致するように移動させることができるようにユーザインターフェースを提供することができる。これはDRR画像にも同様に適用できる。
【0085】
図16に示すように、ユーザが設定した棘突起の先端がP12を過ぎてP-Pと平行である場合、C-arm画像の第2回転角度は、P~Pが形成する平面とP~Pが形成する平面の交差線を中心に、Pの高さに投影された入力端の棘突起の先端のラインP-P10とP-P線分とがなす角度を第2回転角度で求めることができる。
【0086】
【数14】
【0087】
【数15】
【0088】
【数16】
【0089】
【数17】
【0090】
ここで、P~Pは第2関心領域の頂点8つが復元された点をそれぞれ示し、P~P10はユーザが指定した棘突起の先端線である。
【0091】
図16は、P~Pが構成する水平面とP~Pが構成する垂直面とが交差線以外に交差しない面がある場合を例示したことに注意する。
【0092】
図17は、CTボリュームに復元された8つの点CTCT図14で算出された第1回転角度θDRRだけ回転したCTP’CTP’の点の関係を示す。これは、CT座標系の第1関心領域をCTボリュームに復元した後、棘突起の先端を基準にして脊椎の回転を反映した点の位置を示すものであり、同様にC-arm画像の第2関心領域も同じ方式で手術中に患者の脊椎回転を反映して算出される点の位置(PMP’PMP’)を求めることができる。
【0093】
PM座標系とCT座標系の間の変換関係を回転点、即ちPMP’PMP’及びCTP’CTP’に適用するときに、理想的にはそれらのユークリディアン距離はゼロでなければならない。最適の解としては、相互対応する8つの点間のユークリディアン距離の和又は平均が最も小さいときに最適な整合を行ったと言え、これを満たす変換行列を求めることを初期整合の目的とする(S11)。
【0094】
【数18】
【0095】
【数19】
【0096】
図18を参照すると、CT座標系からVローカル座標系の変換関係を説明する。ここで、Vローカル座標系の原点は、水平面及び垂直面の交線の中点として以下のように定義される。
【0097】
【数20】
【0098】
【数21】
【0099】
したがって、Vローカル座標系の3軸であるX、Y、Zは次のように定義される。
【0100】
【数22】
【0101】
【数23】
【0102】
【数24】
【0103】
【数25】
【0104】
Vローカル座標系におけるPの位置であるは、次のように定義される。
【0105】
【数26】
【0106】
【数27】
【0107】
そして、それを回転させたVローカル座標系の点は次のように求められる。
【0108】
【数28】
【0109】
ここで、Rodrigues関数は、入力される回転軸を中心に入力された回転角度だけ対象を回転させる関数として定義される。
【0110】
これにより、CT座標系の回転点 CTP’は次のように定義される。
【0111】
【数29】
【0112】
したがって、前記の手順を8つの点について進め、PM座標系のPMの回転したPMP’を算出することにより、次の式に入力することができる。
【0113】
【数30】
【0114】
最適の変換行列を探すことによって初期の整合が終了すると、画像整合装置10は、DRR画像の探索範囲を調整しながら最適の変換行列を導出して整合の最適化過程を実行することにより画像整合を終了する(S12)。最適化過程は全域探索により知られている技術なので、これに関する詳細な説明は省略する。
【0115】
以上説明したような画像整合方法は、身体の回転に対応して画像整合の精度を高め、このような画像整合処理を迅速に進めることができる利点を有している。
【0116】
本発明は、このような画像整合方法をコンピュータ上で実行するためのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータプログラム記録媒体で具現することができる。
【0117】
さらに、本発明は、上述の画像整合方法に基づく手術用ロボットシステムによっても具現することができる。
【0118】
図19を参照すると、本発明の一実施形態に係る手術用ロボットシステム1は、C-arm画像装置100、手術ロボット200、位置センサ300、及びナビゲーションシステム400を含み、手術ロボット200は、本体201、エンドエフェクタ203aを備えたロボットアーム203、及びロボットコントローラ205を含む。
【0119】
C-arm画像装置100は、手術中に患者の手術部位のAP画像及びLL画像を得るために使用される。
【0120】
ロボットアーム203はロボット本体201に固定設置され、手術具が着脱可能なエンドエフェクタ203aが末端に設けられている。位置センサ300は、マーカーの認識を介した手術具またはエンドエフェクタ203aのリアルタイム位置を追跡するOTSとして具現される。コントローラ205は、ロボット本体201に設けられ、あらかじめ決められた手術プランニング及び制御ソフトウェアに従ってロボットアーム203を制御する。
【0121】
ナビゲーションシステム400は、上述の画像整合方法を実行し、ディスプレイを介して手術具またはインプラントに対するプランニング情報を手術中に得られるC-arm画像に表示したり、手術具またはインプラントのリアルタイム位置をC-arm画像または手術前に得られた3D画像に表示して、医師の手術行為を支援する。このために、手術中に医師が視覚的に手術プランニング及び手術現象として手術具などのリアルタイム位置を対比して見ることができるディスプレイがナビゲーションシステム400に接続してさらに含むことができる。図19のナビゲーションシステム400を除いて、他の構成要素は、手術用ロボットシステムで一般的に使用されているものであることを、当技術分野の通常の知識を有する者は容易に理解することができる。
【0122】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で本発明の実施形態を全部又は一部を変形又は置換することができることを理解することができる。
【0123】
したがって、前述の実施形態は本発明の例示に過ぎず、本発明の保護範囲は特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶものと見なすべきである。
以下に、本願出願時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
各ステップがプロセッサを含む画像整合装置によって実行される画像整合方法において、
手術前の3D画像装置から患者の手術部位の3D画像を得るステップと、
前記3D画像からAP方向及びLL方向のDRR画像を抽出するステップと、
手術中の2D画像装置から前記患者の手術部位のAP画像とLL画像の2D画像を得るステップと、
前記DRR画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第1法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第1原点を過ぎる第1回転軸を基準として、あらかじめ決められた前記AP画像または前記LL画像の第1基準位置に対応する前記患者の手術部位の参照位置と前記第1基準位置との間の第1回転角度を決めるステップと、
前記2D画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第2法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた前記第2原点を過ぎる第2回転軸を基準として、前記参照位置に対応する前記AP画像または前記LL画像の第2基準位置と前記参照位置との間の第2回転角度を決めるステップと、
前記DRR画像及び前記2D画像のそれぞれの前記ソース及びディテクタに対する幾何空間関係から、前記第1回転角度及び第2回転角度を基にして前記2D画像及び前記DRR画像との間の変換関係を決めるステップと、含むことを特徴とする画像整合方法。
[2]
前記第1基準位置及び前記第2基準位置は、前記2D画像及び前記DRR画像のそれぞれに対する前記AP画像または前記LL画像の中心または前記中心を含む線または面であることを特徴とする[1]に記載の画像整合方法。
[3]
前記画像整合装置は、前記3D画像を基にして手術プランニングを行うステップをさらに含み、
前記DRR画像に対する前記第1原点は、手術プランニングに適用されたインプラントの取り付け位置または前記インプラントの取り付けのための手術具の軌道の相対関係を介して決められることを特徴とする[1]に記載の画像整合方法。
[4]
前記DRR画像または前記2D画像に対する前記参照位置は、ユーザの入力によって決められることを特徴とする[1]に記載の画像整合方法。
[5]
前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの幾何空間関係は、正投影(orthogonal projection)関係であり、
前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの幾何空間関係は、遠近投影(perspective projection)関係であることを特徴とする[1]に記載の画像整合方法。
[6]
前記画像整合装置が、前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係から、前記第1法線ベクトルの方向に前記AP画像平面及び前記LL画像平面を移動するのに伴って平面が交差する第1関心ボリュームを決めるステップと、
前記画像整合装置が、前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係は遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記第2法線ベクトルの方向に前記AP画像平面及び前記LL画像平面を移動するのに伴って平面が交差する第2関心ボリュームを決めるステップと、をさらに含むことを特徴とする[1]に記載の画像整合方法。
[7]
前記第1原点は前記第1関心ボリュームの中心点であり、前記第2原点は前記第2関心ボリュームの中心点であることを特徴とする[6]に記載の画像整合方法。
[8]
前記画像整合装置が、前記DRR画像のAP画像及び前記LL画像のそれぞれに対する第1関心領域を決めるステップと、
前記画像整合装置が、前記第1関心領域に対応する第2関心領域を、前記2D画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対して決めるステップと、をさらに含み、
前記第1基準位置は前記第1関心領域の内に位置し、
前記第2基準位置は前記第2関心領域の内に位置することを特徴とする[1]に記載の画像整合方法。
[9]
前記画像整合装置が、前記DRR画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係から、前記第1法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するのに伴って平面が交差する第1関心ボリュームを決めるステップと、
前記画像整合装置が前記2D画像に対する前記ソース及び前記ディテクタの前記幾何空間関係は遠近投影関係であり、遠近投影範囲内で前記第2法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するのに伴って平面が交差する第2関心ボリュームを決めるステップと、をさらに含むことを特徴とする[8]に記載の画像整合方法。
[10]
前記第1原点は前記第1関心ボリュームの中心点であり、前記第2原点は前記第2関心ボリュームの中心点であることを特徴とする[9]に記載の画像整合方法。
[11]
前記第1原点は、患者の脊椎ペディクルスクリューのターゲット位置間の中点であることを特徴とする[9]に記載の画像整合方法。
[12]
前記第1回転角度は前記第1原点を中心として、前記ペディクルスクリュー進入点(entry point)間の中点と前記第1原点とを結ぶ線分と、
前記第1関心ボリュームの中心点を過ぎる前記第1法線ベクトルがなす角度であることを特徴とする[11]に記載の画像整合方法。
[13]
前記DRR画像の前記AP画像及び前記LL画像に対する前記第1関心領域のそれぞれは長方形であり、
前記DRR画像について、
前記画像整合装置が、前記AP画像の関心領域の各頂点に対する前記LL画像上のエピポーラライン(epipolar line)と、前記LL画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第1交差点を算出する第1ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1交差点を前記AP画像の関心領域の各頂点からの前記法線ベクトルにそれぞれ正射影して4つの復元点を得る第2ステップと、
前記画像整合装置が、前記LL画像の関心領域の各頂点に対する前記AP画像上のエピポーララインとの前記AP画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第2交差点を求める第3ステップと、
前記画像整合装置が、前記第2交差点を前記LL画像上の関心領域の各頂点からの前記法線ベクトルにそれぞれ正射影して4つの復元点を得る第4ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1乃至第4ステップを介して得られた8つの復元点を基にして形成される六面体の第1関心ボリュームを算出する第5ステップと、を含むことを特徴とする[8]に記載の画像整合方法。
[14]
前記第2関心ボリュームを決めるステップは、前記2D画像に対して、
前記画像整合装置が、前記AP画像の関心領域の各頂点に対する前記LL画像上のエピポーラライン(epipolar line)と、前記LL画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第1交差点を算出する第1ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1交差点を前記AP画像の関心領域の各頂点から前記ソースへ向かう遠近投影ベクトルに遠近投影して4つの復元点を得る第2ステップと、
前記画像整合装置が、前記LL画像の関心領域の各頂点に対する前記AP画像上のエピポーララインと、前記AP画像の関心領域の外周辺または側辺の中点との間を結ぶ中線との第2交差点を求める第3ステップと、
前記画像整合装置が、前記第2交差点を前記LL画像上の関心領域の各頂点からソースへ向かう遠近投影ベクトルにそれぞれ遠近投影して4つの復元点を得る第4ステップと、
前記画像整合装置が、前記第1乃至第4ステップで得られた8つの復元点を基にして六面体の第2関心ボリュームを決める第5ステップと、を含むことを特徴とする[8]に記載の画像整合方法。
[15]
各ステップがプロセッサを含む画像整合装置によって実行される画像整合方法において、
手術前の3D画像装置から患者の手術部位の3D画像を得るステップと、
前記3D画像からAP方向及びLL方向のDRR画像を抽出するステップと、
手術中の2D画像装置から前記患者の手術部位のAP画像とLL画像の2D画像を得るステップと、
前記DRR画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対する第1関心領域を決めるステップと、
前記第1関心領域に対応する第2関心領域を、前記2D画像の前記AP画像及び前記LL画像のそれぞれに対して決めるステップと、
前記DRR画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係から、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する第1法線ベクトルの方向に、前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を平行移動するときに平面が交差して形成される第1関心ボリュームを決めるステップと、
前記2D画像に対するソース及びディテクタの幾何空間関係は、遠近投影関係であり、前記遠近投影範囲内で前記2D画像のAP画像及びLL画像に対する第2法線ベクトルの方向に前記AP画像の関心領域及び前記LL画像の関心領域を移動するときに平面が交差して形成される第2関心ボリュームを決めるステップと、
前記第1関心領域内のあらかじめ決められた第1基準位置に対応する前記第1関心ボリューム内の第1基準位置と前記第1基準位置に対応するあらかじめ決められた参照位置の第1変位を決めるステップと、
前記参照位置に対応する前記第2関心領域内のあらかじめ決められた第2基準位置に対する前記第2関心ボリューム内の第2基準位置と前記参照位置との間の第2変位を決めるステップと、
前記第1変位と前記第2変位に基にして、前記DRR画像及び前記2D画像それぞれの前記ソース及びディテクタに対する幾何空間関係から前記2D画像及び前記DRR画像との間の変換関係を決めるステップであって、前記変換関係に従って、前記第1関心領域の頂点と前記第2関心領域の頂点との間のユークリディアン距離が最小となるようにする変換関係を決めるステップと、を含むことを特徴とする画像整合方法。
[16]
前記第1変位を決めるステップは、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する前記第1法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第1原点を過ぎる第1回転軸を基準として、前記参照位置と前記第1基準位置との間の角度を第1回転角度であると決めるステップと、
前記第2変位を決めるステップは、前記AP画像及び前記LL画像の平面に対する前記第2法線ベクトルの外積ベクトルと平行であり、あらかじめ決められた第2原点を過ぎる第2回転軸を基準として、前記参照位置と第2基準位置との間の角度を第2回転角度であると決めるステップと、を含むことを特徴とする[15]に記載の画像整合方法。
[17]
前記第1及び第2関心ボリュームを決めるステップは、前記第1及び第2関心領域の頂点のエピポーララインを前記第1及び第2法線ベクトルに投影して多面体を形成するステップをそれぞれ含むことを特徴とする[15]に記載の画像整合方法。
[18]
画像整合装置において、
[1]乃至[17]の中のいずれか一項に記載の画像整合方法を実行するためのプロセッサを含む画像整合装置。
[19]
手術用ロボットシステムにおいて、
手術中の患者の手術部位の2D画像を得るための2D画像装置と、
手術具が着脱可能なエンドエフェクタを含むロボットアームと、
前記手術具または前記エンドエフェクタのリアルタイム位置をセンシングするための位置センサと、
あらかじめ決められた手術プランニングに応じて前記ロボットアームを制御するコントローラと、
ディスプレイと、
請求項1乃至請求項17の中のいずれか一項の画像整合方法を行って、前記ディスプレイを介して手術具またはインプラントに対する前記プランニング情報を手術中に得られる2D画像に表示したり、前記手術具またはインプラントの前記リアルタイム位置を前記2D画像または手術前に得られる3D画像に表示するナビゲーションシステムを含むことを特徴とする手術用ロボットシステム。
[20]
[1]乃至[17]の中のいずれか一項に記載の画像整合方法を行うためのソフトウェアを格納するコンピュータプログラム媒体。
【符号の説明】
【0124】
10:画像整合装置
11:メモリ
13:プロセッサ
15:ディスプレイ
17:ユーザインターフェース
19:通信インターフェース
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14
図15
図16
図17
図18
図19