IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スキオー テクノロジー ゲーエムベーハーの特許一覧

特許7577381電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール
<>
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図1
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図2
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図3
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図4
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図5a
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図5b
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図6a
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図6b
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図7
  • 特許-電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/505 20210101AFI20241028BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20241028BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20241028BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20241028BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20241028BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241028BHJP
【FI】
H01M50/505
H01M50/213
H01M50/548 201
H01M50/507
H01M50/262 P
H01M50/262 E
H01M50/271 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023501463
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 DE2020100617
(87)【国際公開番号】W WO2022012704
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521313946
【氏名又は名称】スキオー テクノロジー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイス,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ノル,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゼーガー,アレキサンダー
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-041633(JP,A)
【文献】特開2000-223160(JP,A)
【文献】特開2019-008885(JP,A)
【文献】特表2021-503157(JP,A)
【文献】特開2016-091959(JP,A)
【文献】特開2008-198435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側(4)と、下側(5)と、長方形の外周とを有するエネルギー貯蔵装置(3)を備え、前記エネルギー貯蔵装置(3)は、複数のエネルギー貯蔵ユニット(7)を含み、前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の各々が、前記エネルギー貯蔵装置(3)の前記上側(4)および前記下側(5)に位置合わせされた極(9、10)を有する少なくとも2つの隣接するエネルギー貯蔵セル(8)を有し、各々の前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の正極(9)は導電性の第1のセルコネクタ(11a)を介して相互接続され、負極(10)は導電性の第2のセルコネクタ(11b)を介して相互接続されており、前記第1のセルコネクタ(11a)は第1の接続ラグ(12a)に電気的に接続され、前記第2のセルコネクタ(11b)は第2の接続ラグ(12b)に電気的に接続され、これらの接続ラグ(12a、12b)は、前記エネルギー貯蔵装置(3)の前記長方形の外周の第1の側面(29a)に面した前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の外側に配置され、それぞれの前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の前記第1の接続ラグ(12a)は、導電性の接続要素(13)を介して、前記第1の側面(29a)の長手方向に隣接するそれぞれの前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の前記第2の接続ラグ(12b)に接続される、電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール(1)であって、前記エネルギー貯蔵モジュール(1)が、前記第1の側面(29a)にあてがわれた側壁(17a)を有するハウジング(2)をさらに備え、このハウジング(2)に、前記接続要素(13)が、それらに対応する前記接続ラグ(12a、12b)に固定され得るように固定される、エネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項2】
前記側壁(17a)が、前記接続ラグ(12a、12b)とそれぞれ対応して位置合わせされ、それを介して前記接続要素(13)を前記ハウジングの外側から前記接続ラグ(12a、12b)に固定できる固定用窓(27)を有する、請求項1に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項3】
前記側壁(17a)は、前記固定用窓(27)に対応する前記接続要素(13)を固定するために、前記固定用窓(27)に隣接する前記固定用窓(27)ごとに少なくとも1つのラッチ要素(25)を有する、請求項2に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項4】
前記側壁(17a)は、前記側壁(17a)の組み立てられた状態において、前記側壁(17a)と前記エネルギー貯蔵装置(3)との間に付勢を生成するための、複数のばね要素(24)をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項5】
前記ハウジング(2)が、底部(15)および/または蓋部(16)をさらに備え、前記側壁(17a)が、その上縁および/または下縁(30、31)に、前記底部(15)および/または前記蓋部(16)を垂直方向に支持し、横方向に固定するための長手方向に延びる角凹部(28)を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項6】
前記側壁(17a)は、前記上縁および/または前記下縁(30、31)に面する複数の締結要素受け部(23)をさらに備え、その手段によって、前記底部(15)および/または前記蓋部(16)を、対応する前記角凹部(28)上に固定することができる、請求項5に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項7】
前記側壁(17a)は、前記エネルギー貯蔵装置(3)から離れて面する側に、前記側壁(17a)の長手方向に延び、前記固定用窓(27)に位置合わせされた複数の開口部(21)を有する補強部材(20)を有する、請求項2に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項8】
前記ハウジング(2)は、前記エネルギー貯蔵装置(3)の前記長方形の外周の端面(32a、32b)の少なくとも一方に、隣接する前記エネルギー貯蔵ユニット(7)を覆うヘッド部(18、19)を備え、このヘッド部(18、19)の上縁および/または下縁に向けて複数の締結要素受け部(23)を有し、その手段によって底部(15)および/または蓋(16)が前記ヘッド部(18、19)に固定できるようになっている、請求項1~7のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項9】
前記ヘッド部(18、19)は、少なくとも1つの導電性の端子要素(14)を介して、隣接する前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の接続されていない前記接続ラグ(12a、12b、12c、12d)に接続されている、請求項8に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項10】
前記第1のセルコネクタ(11a)は第3の接続ラグ(12c)に電気的に接続され、前記第2のセルコネクタ(11b)は第4の接続ラグ(12d)に電気的に接続されており、これらの接続ラグ(12c、12d)は、前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の第1の側面(29a)に面する前記長方形の外周の第2の側面(29b)に配置されており、前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の前記第3の接続ラグ(12c)は、前記第の側面(29)の長手方向にそれぞれ隣接する前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の前記第4の接続ラグ(12d)に導電性の前記接続要素(13)を介してそれぞれ接続されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項11】
前記ハウジング(2)は、前記第2の側面(29b)にあてがわれて、対向する第1の前記側壁(17a)と同じ特徴を有する側壁(17b)をさらに備える、請求項10に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項12】
前記側壁(17a)の長手方向に並んで配置された7個、10個または13個の前記エネルギー貯蔵ユニット(7)を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項13】
前記エネルギー貯蔵ユニット(7)の少なくとも2つのエネルギー貯蔵セル(8)は、前記側壁(17a、17b)の長手方向に隣接し、前記エネルギー貯蔵ユニット(7)は、前記側壁(17a、17b)の長手方向にそれぞれ隣接するさらなる複数のエネルギー貯蔵セルの組をさらに備え、前記複数のエネルギー貯蔵セルの組は前記側壁(17a、17b)と直角方向に延在している、請求項1~12のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【請求項14】
記エネルギー貯蔵セル(8)のすべての前記正極およびすべての前記負極(9、10)はそれぞれ、前記エネルギー貯蔵装置(3)の前記上側(4)または前記下側(5)に位置合わせされ、前記接続要素(13)はそれぞれ、隣接する前記エネルギー貯蔵ユニット(7)を斜めに接続するようにする、請求項1~13のいずれか1項に記載のエネルギー貯蔵モジュール(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーを貯蔵するためのエネルギー貯蔵モジュール(蓄電モジュール)に関し、エネルギー貯蔵モジュールは、上面と、底面と、実質的に長方形の外周とを有するエネルギー貯蔵装置を備え、エネルギー貯蔵装置は、複数のエネルギー貯蔵ユニットを備え、エネルギー貯蔵ユニットの各々は、エネルギー貯蔵装置の上面および底面に位置合わせされた極を有する少なくとも2つの隣接するエネルギー貯蔵セルを備え、各々のエネルギー貯蔵ユニットの正極は導電性の第1のセルコネクタを介して相互接続され、負極は導電性の第2のセルコネクタを介して相互接続されており、第1のセルコネクタは第1の接続ラグ(タブ、突出部または耳部)に電気的に接続され、第2のセルコネクタは第2の接続ラグに電気的に接続され、これらの接続ラグは、エネルギー貯蔵ユニットの長方形の外周の第1の側面に面したエネルギー貯蔵ユニットの外側に配置され、各々のエネルギー貯蔵ユニットの第1の接続ラグは、導電性の接続要素を介して、第1の側面の長手方向に隣接する各々のエネルギー貯蔵ユニットの第2の接続ラグに接続される。このタイプのエネルギー貯蔵モジュールは、例えば、JP 2016-91959 Aから公知である。さらに、エネルギー貯蔵モジュールは、WO 2020/071642、FR 3 077 431、および、US 2015/0 180 093 A1からも公知である。
【背景技術】
【0002】
エネルギー貯蔵モジュールの問題点の一つは、動作時、特に高負荷時にモジュールが強く発熱し、その結果膨脹することである。このような温度による体積変化、特にエネルギー貯蔵セルの外周部の体積変化は、その結果として圧力によってエネルギー貯蔵セルとその周囲のインフラ、あるいはエネルギー貯蔵モジュール全体が破壊される危険性があるので、エネルギー貯蔵セルを直接隣り合わせに配置できないことを意味する。そのため、エネルギー貯蔵モジュールの製造時には、エネルギー貯蔵セルの熱膨張の予想値に基づいて、エネルギー貯蔵セル間に所定の距離を確保する必要がある。同時に、一方では性能要件またはエネルギー貯蔵容量に対する需要が着実に増加し、他方では利用可能なスペースが限られているため、例えば電気自動車などでは、高い電力密度を達成するために、小さなスペースにできるだけ多くのセルを収容することが必要である。さらに、エネルギー貯蔵モジュールの分野では、エネルギー効率の面でより大きなコスト削減を達成するために、材料費と重量を削減することが常に開発目標となっている。
【0003】
ここでの欠点は、エネルギー貯蔵モジュールの製造、特にエネルギー貯蔵セルを位置決めするため、および、セルを互いに空間的に分離するための両方で、エネルギー貯蔵セルを互いに分離するための追加要素が必要となることであり、これはモジュールを不必要に複雑にして製造コストの増加につながり、同時にエネルギー貯蔵セルの可能充填密度にマイナスの影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明は、従来技術の欠点を克服し、特にコンパクトで材料を節約した設計で特に容易に製造することができ、高い安定性を有するようにエネルギー貯蔵モジュールを特に改良することを目的とする。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有するエネルギー貯蔵モジュールによって解決される。従属請求項はそれぞれ、本発明の有利な実施形態に関するものである。
【0006】
したがって、エネルギー貯蔵モジュールが、第1の側面に関連する側壁を有するハウジングをさらに備え、このハウジングに、接続要素が、それらに関連する接続ラグに固定され得るように固定される。
【0007】
その長方形の外周のために、エネルギー貯蔵ユニットは、側部表面に沿って長手方向(縦方向)の寸法で、端部表面に沿って横方向の寸法で、延びることができる。特に、エネルギー貯蔵ユニットの幅は、エネルギー貯蔵セルの直径の2倍に、与えられた膨脹ギャップを加えたものに対応することができる。したがって、長手方向の寸法は、特に、エネルギー貯蔵ユニットの幅にエネルギー貯蔵ユニットの数を掛け、エネルギー貯蔵ユニットの間に設けられた膨脹ギャップの数を加えたものに対応することができる。与えられた膨脹ギャップは、それによって、2つの隣接するセルの最大予想半径方向膨脹に対応してもよく、予想半径方向膨脹は、最大予想動作温度に依存する場合がある。予想される最大動作温度は、使用の種類または使用の場所にも依存する場合がある。隣接するエネルギー貯蔵セルの軸は、それぞれの間に正三角形が形成されるように配置されてもよい。このような配置により、可能な限り低いエネルギー貯蔵セル密度を達成することができる。エネルギー貯蔵ユニットは、特に正三角形に配置されていることに起因して、その横方向の寸法においてジグザグに互いにオフセットした複数のエネルギー貯蔵セルの組を有していてもよい。その結果、2つの組のエネルギー貯蔵セルの間の間隔は、エネルギー貯蔵セルの直径に与えられた伸長間隔を加えたものに、√3/2の係数を乗じたものとすることができる。したがって、エネルギー貯蔵ユニットの横方向の寸法は、横方向に並んで配置されたエネルギー貯蔵セルの組の数から値1を引いたものに、上述した2つのエネルギー貯蔵セルの組の間隔を乗じたものとすることができる。エネルギー貯蔵セルは、円筒形であり、非導電性の円筒形のシェルを有することができる。特に円筒形セルの軸は、互いに平行に配置することができる。エネルギー貯蔵セルは、例えば、電池セルまたはコンデンサセルとすることができる。意図された膨脹ギャップに対するエネルギー貯蔵ユニットのセルの互いに対する間隔は、特に、一方では正極を、他方では負極を接続するセルコネクタによって実現することができる。このように、セルコネクタは、エネルギー貯蔵ユニットのセルを並列回路で接続する。セルコネクタは、例えば、セルに溶接することができる。そのため、セル間の追加のスペーサは必要ない。接続要素は、一方でエネルギー貯蔵ユニット同士を接触させ、他方で隣接するエネルギー貯蔵ユニットの直接隣接するセルを意図された膨脹ギャップに維持する目的を果たすものである。接続要素をエネルギー貯蔵ユニットの側面またはエネルギー貯蔵セルの非導電性表面に配置することによって、一方ではエネルギー貯蔵ユニットの相互の接続が単純化され、他方ではエネルギー貯蔵ユニットのねじり剛性が増加する。接続要素がエネルギー貯蔵ユニット間の上側と下側に交互に設けられているため、それぞれの場合に接続されていない上側または下側で必要なクレームが確実に保証されないエネルギー貯蔵ユニットの接続方法と比較して、本発明による接続方法は、横方向の接続がエネルギー貯蔵ユニットの増加した安定性を実現するという利点を有する。接続要素は、エネルギー貯蔵ユニットを互いに直列に接続する。接続ラグは、セルコネクタに一体的に接続され、エネルギー貯蔵ユニットの側面でエネルギー貯蔵セルの外面上にそれぞれ折り曲げられることを提供することができる。接続ラグは、任意に、エネルギー貯蔵ユニットの2つのエネルギー貯蔵セルの間で中央に曲げられるか、または、1つのエネルギー貯蔵セルの上にのみ曲げられる。その結果、接続ラグは、エネルギー貯蔵ユニットの側面の上側および下側で互いに向かい合うことができ、特に、互いに間隔を空けて配置されることができる。接続ラグは、特に、シートメタル部であり、長方形または半円形の形状を有することができる。接続要素は、例えば、接続シートまたはワイヤであってもよい。接続シートは、例えば、それぞれの場合において、その端部を関連する接続ラグに固定することができる。
【0008】
エネルギー貯蔵モジュールが、第1の側面に関連付けられた側壁を有するハウジングを備え、このハウジングに、接続要素が、それらに関連付けられた端子ラグに固定され得るように固定されるので、接続要素と関連する接続ラグとの位置合わせは、側壁の形状によって予め決定することができる。接続ラグと接続要素との接触は、側壁をエネルギー貯蔵モジュールに固定することによって達成されることが想定され得る。この目的のために、接続要素は、例えば、プリテンション要素を介して、側板に対してプリテンションをかけることができる。
【0009】
さらに、側板は、接続ラグに関連してこれらに位置合わせされた固定用窓を有することができ、固定用窓を介して、ハウジングの外側から接続要素を接続ラグに固定することができる。固定用窓は、側壁に作られた開口部とすることができる。固定用窓は、接続ラグの形状に対応させることができる。固定用窓を利用して、側板が組み立てられた後に、接続要素を接続ラグに溶接することができる。このように、予め位置合わせされた接続要素により、接続ラグ上で接続要素を別途調整する必要がなくなるので、エネルギー貯蔵モジュールを迅速かつコスト効率よく製造することができる。
【0010】
また、側壁は、固定用窓に割り当てられた接続要素を固定するために、固定用窓に隣接して、固定用窓ごとに少なくとも1つ、特に2つのラッチ要素を有することができる。ラッチ要素は、特に、エネルギー貯蔵部に面する側壁の側に設けることができる。ラッチ要素は、特に、接触面およびラッチ突起を有することができる。各接触面に対して、接続要素の自由度を制限することができる。例えば、接続要素は、長方形の形状を有することができ、それぞれの外側側面に関連する接触面を有するラッチ要素は、接続要素の外側側面の各々に設けられることができる。これにより、接続要素は、側壁に固定されることができる。特に、互いに垂直に整列して互いに向かい合う接触面を有する2つのラッチ要素を、各固定用窓に対して設けることができる。接続要素の他端が固定されるべき隣接する固定用窓も同様に、接触面が互いに垂直に整列し、互いにまたは関連する隣接する固定用窓の接触面に対向する2つのラッチ要素を有する。ラッチ突起は、接触面がラッチ突起の背後にアンダーカット方式で位置するように、接触面に隣接している。このようにして、接続要素は、組立のために割り当てられた位置に合わせられ、ラッチ突起に収まることができる。その後、組み立てられた接続要素とともに側板をエネルギー貯蔵モジュールに固定し、接続要素を関連する接続ラグに溶接することができる。接触面は、例えば0.8mmの厚さの接続要素(ファスナー)を収容できる幅を有することができる。
【0011】
また、側板は、側板が取付けられたときに側板とエネルギー貯蔵装置との間に予荷重を発生させるための、複数のばね要素、特にエネルギー貯蔵セルの数に対応する数のばね要素を有することもできる。この目的のために、例えば、側壁にクランプウェブを形成することができ、これらのクランプウェブは、それらの反対側の端部と角度をつけて側壁から離れるように延びる。クランプウェブは、例えば、2mmのばね移動量を有することができる。ばね要素は、側壁の上縁近傍と下縁近傍の両方に配置することができる。上縁のクランプウェブは、上縁の方向に延びることができ、下縁のクランプウェブは、下縁の方向に延びることができる。
【0012】
さらに、ハウジングは、底部および/または蓋部を備えてもよく、側壁は、底部および/または蓋部を垂直に支持して横方向に固定するために、その上縁および/または下縁に長手方向に延びる角凹部を有していてもよい。蓋部および底部は、少なくともエネルギー貯蔵装置の長手方向の寸法および横方向の寸法を有し、さらに、側壁の角凹部上に載るように寸法決めされてもよい。
【0013】
また、側板は、上縁および/または下縁に面する複数の締結要素受け部を有することもでき、それを介して、底部および/または蓋部を関連する角凹部に固定することができる。締結要素受け部は、それぞれ、角凹部の平面上にある支持面を有することができる。締結要素受け部は、側壁に一体的に形成することができる。締結要素受け部は、孔を有するねじ接続点であることができる。ねじ接続点は、皿孔を有することができる。上縁の締結要素受け部と下縁の締結要素受け部との間、および、上下の固定用窓の間には、長手方向に延びる自由空間が設けられてもよい。自由空間の領域では、長手方向に走る溝が側板に設けられることができる。この溝は、例えば、ケーブルダクトとすることができる。溝の領域において、側壁は、ケーブルの通過のための少なくとも1つの開口部を有することができる。例えば、上側ねじ接続点と下側ねじ接続点との間に開口部を設けることができる。
【0014】
さらに、側壁は、エネルギー貯蔵装置から離れる方向に面する側で側壁の長手方向に実質的に延びる補強部材を有してよく、補強部材は、固定用窓と位置合わせされた複数の開口部を有する。補強部材は、金属製であってもよい。側壁は、その外面に、補強部材が受容される長手方向の溝を有していてもよい。補強部材は、ケーブル通過開口部と位置合わせされた複数の開口部をさらに含んでもよい。補強部材は、側壁を隣接するハウジング壁に接続するために、側壁を越えて長手方向および横方向に突出する締結タブをさらに有していてもよい。
【0015】
さらに、エネルギー貯蔵ユニットの長方形の外周の少なくとも1つの端面上に、ハウジングは、隣接するエネルギー貯蔵ユニットを覆うヘッド部を備えることができ、このヘッド部は、ヘッド部の上縁および/または下縁に向かって向けられた複数の締結要素受け部を有し、これを介して、底部および/または蓋部をヘッド部バーに固定することができる。締結要素受け部は、側板の締結要素受け部に対応することができる。ヘッド部は、ヘッド部の組み立てられた状態において、ヘッド部とエネルギー貯蔵装置との間にプリテンションを発生させるための複数のばね要素をさらに有することができる。ばね要素は、側壁のものに対応するように設計することができる。
【0016】
さらに、ヘッド部は、少なくとも1つの導電性の端子要素を介して、隣接するエネルギー貯蔵ユニットの接続されていない接続ラグに接続されてもよい。導電性の端子要素は、ヘッド部から離れるようにして実質的に垂直に延びる第1の部分を有してもよい。接続要素は、ヘッド部に平行に配置されてそれによって接続要素がヘッド部に取付けられる第2の部分をさらに含んでもよい。接続要素は、例えば、導電性のシートであってもよい。第2の部分は、第1の部分から、特に直角に折り曲げられていてもよい。
【0017】
また、第1のセルコネクタは第3の接続ラグに電気的に接続され、第2のセルコネクタは第4の接続ラグに電気的に接続され、これらの接続ラグは、エネルギー貯蔵ユニットの長方形の外周の第2の側面(この側面は第1の側面と反対側にある)に配置されて、各場合においてエネルギー貯蔵ユニットの第3の接続ラグは、各場合において第1の側面の長手方向に隣接するエネルギー貯蔵ユニットの第4の接続ラグに、導電性の接続要素を介して接続されていてもよい。エネルギー貯蔵ユニットの両側面に接続要素を接続することにより、エネルギー貯蔵ユニットの安定性が増し、特に、エネルギー貯蔵セルの互いの間隔を確実に確保することができる。
【0018】
特に、ハウジングは、第2の側面に関連する側壁をさらに備えてもよく、この側壁は、反対側の第1の側壁と同じ特徴を有していてもよい。特に、これらの側壁は、同一部品であってもよい。
【0019】
エネルギー貯蔵モジュールは、例えば、側壁の長手方向に隣り合って配置された、7個、10個、13個、場合によってはそれ以上のエネルギー貯蔵ユニットを備えることができる。また、エネルギー貯蔵モジュールは、エネルギー貯蔵ユニットごとのエネルギー貯蔵セルを変えることによって、任意の所望の電流強度に拡張することができ、また、エネルギー貯蔵ユニットの数を変えることによって、任意の電圧に拡張することができる。
【0020】
エネルギー貯蔵ユニットの少なくとも2つのエネルギー貯蔵セルは、側壁の長手方向に隣接し、エネルギー貯蔵ユニットは、側壁の長手方向にそれぞれ隣接するさらなる複数のエネルギー貯蔵セルの組をさらに備え、複数のエネルギー貯蔵セルの組は、側壁に対して横方向に延在することを提供することができる。
【0021】
また、エネルギー貯蔵セルのすべての正極およびすべての負極がエネルギー貯蔵ユニットの上側または下側に位置合わせされ、接続要素が隣接するエネルギー貯蔵ユニットを斜めに接続するようにすることを提供することができる。斜めの接続は、エネルギー貯蔵ユニットが互いに相対的に傾くことを防止する最も効果的な方法であるため、モジュールの特に高い安定性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の例示的な実施形態について、以下の図を参照しながら説明する。
図1】エネルギー貯蔵モジュールの一実施形態の分解斜視図である。
図2】組み立てられた状態のエネルギー貯蔵モジュールの一実施形態の透視図である。
図3】組み立てられた状態のエネルギー貯蔵モジュールの一実施形態の上面図である。
図4】エネルギー貯蔵モジュールの側壁の一実施形態の透視図である。
図5a】前側ヘッド部の一実施形態の正面透視図である。
図5b】前側ヘッド部の一実施形態の背面透視図である。
図6a】後側ヘッド部の一実施形態の正面透視図である。
図6b】後側ヘッド部の一実施形態の背面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すエネルギー貯蔵モジュール1は、長手方向に隣り合って配置された13個のエネルギー貯蔵ユニット7を備えるエネルギー貯蔵装置3を有し、各エネルギー貯蔵ユニット7は、横方向に隣り合って配置された11組のエネルギー貯蔵セルを有し、すなわち22個のエネルギー貯蔵セル8をそれぞれ有している。エネルギー貯蔵セル8は、それぞれ円筒形であり、軸が互いに平行になるように配置されている。エネルギー貯蔵セルの組は、ジグザグ状に隣り合って配置されているので、すべてのエネルギー貯蔵セル8間の距離は、その軸が互いに正三角形を形成するようになっている。それにより、すべてのエネルギー貯蔵セル8の間に所定の膨脹距離が設けられ、エネルギー貯蔵モジュール1の動作中のエネルギー貯蔵セル8の膨張が補償される。
【0024】
エネルギー貯蔵装置3の上側4には、各場合において、各エネルギー貯蔵ユニット7に第1のセルコネクタ11aが配置されており、このコネクタは、エネルギー貯蔵セル8の上向き正極9を互いに電気的に接続すると同時に、エネルギー貯蔵セル8を互いに所定の距離に保持する。同様に、エネルギー貯蔵装置3の下側5の各エネルギー貯蔵ユニット7には、第2のセルコネクタ11bが配置されており、このコネクタは、それぞれのエネルギー貯蔵ユニット7のすべてのエネルギー貯蔵セル8の負極を互いに接続すると同時に、エネルギー貯蔵セル8を下側において互いに所定の距離に保持する。
【0025】
エネルギー貯蔵装置3がエネルギー貯蔵モジュール1の長手方向に延びる側面29a、29bを有するように、エネルギー貯蔵ユニット7が互いに相対的に配置されている。セルコネクタ11a、11bは、それぞれ、各エネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ(タブ、突出部または耳部)12a、12bがそれぞれ側面29a上で互いに向き合い、各エネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12c、12dがそれぞれ反対側の側面29b上で互いに向き合うように、側面29aおよび側面29b上にそれぞれ折り曲げられる接続ラグ12a、12b、12c、12dを有している。
【0026】
エネルギー貯蔵モジュール1は、側壁17a、17bと、前側ヘッド部18と、後側ヘッド部19と、底部15と、蓋部16とを有するハウジング2をさらに備えている。蓋部16がエネルギー貯蔵モジュール1の上側4を覆い、底部15がエネルギー貯蔵モジュール1の下側5を覆う一方、側壁17a、17bはそれぞれエネルギー貯蔵モジュール3の側面29a、29bに沿って配置され、ヘッド部18、19はそれぞれエネルギー貯蔵モジュール1の端面32a、32bの前側に配置されている。側壁17a、17bはそれぞれラッチ要素25を有し、このラッチ要素25を介して、電気接続要素13がそれぞれ斜めに、エネルギー貯蔵装置3に面して側壁17a、17bに固定されている。その結果、接続要素13は、それらが対応する接続ラグ12A~12に接続されるか、または接続できるように側壁を側面に配置することによって、既に位置合わせされている。各接続タブ12a~12dに対して2つのラッチ要素25が設けられており、そのそれぞれに接続要素13の端部が保持されていることが分かる。接続要素13はそれぞれ、エネルギー貯蔵モジュール1の左から右へ、第1のエネルギー貯蔵ユニット7の下側接続ラグ12bまたは12dを、第1のエネルギー貯蔵ユニット7の右側に配置された第2のエネルギー貯蔵ユニット7の上側接続ラグ12aまたは12cに接続することが分かる。残りの接続されていない接続ラグは、それぞれヘッド部に取付けられた端子要素14を介して接続される。これは、図1では、前側ヘッド部18に隣接するエネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12aおよび12cと、後側ヘッド部19に隣接するエネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12bおよび12dに関係するものである。接続要素13は、例えば、側板がエネルギー貯蔵モジュール1上に配置されたときに、接続ラグ12a~12dとそれぞれの接続要素13との間で電気接続が既に確立されるように、ばね要素を介してプリテンションされることができる。側板17a、17bは、補強部材20をさらに備え、その各々は、側板17a、17bの長手方向に延びる凹部26に受容されて、側板17a、17bの曲げ剛性を増加させる。側壁17a、17bは、さらに、接続タブ12a~12dと、側壁に取付けられた接続要素13の端部とにそれぞれ位置合わせされた固定用窓27を有している。側壁17a、17bに取付けられた補強部材20は、固定用窓27と位置合わせされた対応する開口部21を有しているので、接続要素13のそれぞれの接続ラグ12a~12dとの接続は、側壁17a、17bの組み立てられた状態で、ハウジングの外側から、例えば溶接によって行うことができる。
【0027】
底部15および蓋部16は、外側ハウジング要素に接続されている。この目的のため、側壁17a、17bおよびヘッド部18、19はそれぞれ、外側ハウジング要素の上縁30および下縁31に沿って配置され、蓋部16または底部15の方向を向く、規則正しい間隔の複数の締結要素受け部23を有している。図1に示すように、締結要素受け部23は、皿ねじのためのねじ接続点として設計されており、蓋部16および底部15を外側ハウジング要素にねじ止めすることができるようになっている。さらに、外側ハウジング要素には、複数のばね要素24が配置されており、これらは図示のようにクランプウェブとして設計することができる。これらは、ハウジング要素上に2列に一定の間隔で形成され、ハウジング要素からエネルギー貯蔵装置3の方向へ鋭角に延びている。クランプウェブは、例えば、2mmのばね移動量を有することができる。ばね要素24は、ハウジング2内のエネルギー貯蔵装置3の中心位置決めを達成し、エネルギー貯蔵装置3を衝撃から保護するために、それぞれのハウジング壁とエネルギー貯蔵装置との間に予荷重を生じさせるという目的に役立つ。
【0028】
図2は、組立状態のエネルギー貯蔵モジュール1、すなわちエネルギー貯蔵装置3をハウジング2に収容した状態を示しており、側壁17a、17bがそれぞれ前側ヘッド部18、後側ヘッド部19に連結され、蓋部16および底部15がそれぞれハウジング外殻に螺合されている。特に、接続タブ12a~12dが接続要素13にどのように連結されるかが示されている。この点、前側ヘッド部18に隣接するエネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12aは、前側ヘッド部18に取付けられた端子要素14に電気的に接続されている。後側ヘッド部19に隣接するエネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12bは、後側ヘッド部19に取付けられた端子要素14に電気的に接続されている。この場合、端子要素14はそれぞれ、ヘッド要素18、19に対して中心に接続され、さらなる接続要素13に対して平行に角度がつけられている。接続要素13はそれぞれ、左側のエネルギー貯蔵ユニット7の下側接続ラグ12bから、右側に隣接して配置された右側のエネルギー貯蔵ユニット7の上側接続ラグ12aに至るように、隣接するエネルギー貯蔵ユニット7を互いに接続する。接続要素13とそれぞれの接続ラグ12a~12dとの間の接続点はそれぞれ、補強部材20の開口部21および側壁17a、17bの固定用窓27を通してハウジングの外側からアクセスできることが分かる。これにより、側壁を取付けた後、接続ラグを接続要素13のそれぞれの端部に溶接することができる。エネルギー貯蔵モジュール1の図示しない反対側の側面は、図示する側面に対して対称に形成されており、そこでは、連結要素13が、左側のエネルギー貯蔵ユニット7の下側接続タブ12dから右側に隣接して配置された右側のエネルギー貯蔵ユニット7の上側接続タブ12cに至るように、隣接するエネルギー貯蔵ユニット7を互いに接続するようになっている。
【0029】
図3に示すエネルギー貯蔵モジュール1の上面図は、特に、エネルギー貯蔵モジュール3の上側4の蓋部16に対する側面要素17a、17bの接続を示す。外側ハウジング要素の底部15への接続も、同様に行われる。この目的のため、側壁17a、17bおよびヘッド部18、19には、一定の間隔でねじ接続点23が設けられており、これを介して蓋部16がそれぞれの要素にねじ止めされる。さらに、エネルギー貯蔵モジュール1の組立状態において、ハウジング2内に収容されたエネルギー貯蔵装置3と側壁17a、17bとの間にプリテンションを発生させるばね要素24を見ることができる。側壁17a、17bはそれぞれ、2つのねじ接続点23の間に2つのばね要素24を有し、ばね要素24はそれぞれ、固定用窓27の右側と左側に配置されている。ヘッド部18、19はそれぞれ、ねじ接続点23の間にばね要素24を有している。
【0030】
図4は、側壁17a、17bの詳細な断面を示す。側板17a、17bおよびヘッド部18、19は、それぞれ射出成形されたプラスチック部品である。ばね要素24、締結要素受け部23およびラッチ勝訴25は、それぞれ側壁17a、17bに成形されている。固定用窓27は、それぞれ長方形の開口部として形成されている。ケーブル貫通部33も長方形の開口部である。各場合において、各固定用窓27の間と各締結要素受け部23の間で側壁の長手方向において中央に自由空間が形成され、この自由空間は、例えば、ケーブルダクト22として使用でき、各場合において、開口部33はケーブル貫通のために役立つことができることが分かる。自由空間はまた、接続要素13を締結要素受け部23の間に斜めに通して案内することができるようにする役割を果たす。ばね要素24は、下縁31において、鋭角に形成され下方を向いたクランプウェブとして形成され、2mmの距離まで側壁から離れるように延びている。対称的な方法で、ばね要素24は、上方を向いて上縁30に形成されている。各固定用窓27の左右に2つのラッチ要素25が設けられ、各ラッチ要素25は軸受面とラッチ突起を有し、固定用窓27に割り当てられた両ラッチ要素25の軸受面は互いに直角で、互いに向き合っている。その結果、接続要素13の端面を一方のラッチ要素25に保持させ、接続要素13の長手方向の側面を他方のラッチ要素25に保持させることができる。それによって、同じ接続要素13の反対側の端面および他方の長手方向の側面は、斜めに配置された固定用窓27のラッチ要素25に保持される。接続要素13は、ラッチ突起の上で所望の位置に収まることができる。側壁17a、17bはそれぞれ、上縁30に沿って、および、下縁31に沿って、蓋部16と底部15のための支持面および横方向の境界として機能する、角凹部28を有する。側壁17a、17bは、エネルギー貯蔵装置3に面する側とは反対側に、補強部材20が収容可能な凹部26を有する。
【0031】
図5および図6は、ハウジング2のヘッド部を示しており、これらも射出成型により製造され、これらはエネルギー貯蔵ユニット7の形状により同一部品とはならない。エネルギー貯蔵ユニット7のエネルギー貯蔵セル8は、それぞれ側壁17a、17bに沿った方向に一直線に並んでいる。これに対し、エネルギー貯蔵セル8は、エネルギー貯蔵モジュール1の横方向においてジグザグ形状を有している。さらに、隣接する11組のエネルギー貯蔵セルを通して、前側ヘッド部18の方向には6個のエネルギー貯蔵セル8が存在し、後側ヘッド部19の方向には5個のエネルギー貯蔵セル8のみが存在する。このため、後側ヘッド部19は、したがって、外側に2つの屈曲部35を有し、それによって、それぞれの場合に、後側ヘッド部19に寄り掛かるエネルギー貯蔵ユニット7の外側のエネルギー貯蔵セル8が、ヘッド部のばね要素24によって支持されることができるようになっている。ヘッド部18、19は、同様に、それぞれねじ接続点の形態の締結要素受け部23を有するが、これらは、上述のエネルギー貯蔵ユニット7の幾何学的形状により、側壁の締結要素受け部23よりも横方向により突き出ている。ヘッド部18、19のばね要素24も側壁17a、17bのものよりもより突き出ており、この目的のため、一方ではヘッド部上でより中央に形成され、他方では側壁のばね要素24よりも大きな長さを有している。前側ヘッド部はまた、接続要素を固定するための複数の孔34を有する。
【0032】
図7および図8は、図7および図8に示すエネルギー貯蔵装置3のすべての要素が最初に互いに接続および固定され、その後、初めてハウジング部品が組み立てられるという特別な特徴を有するエネルギー貯蔵装置3の実施形態を示している。
【0033】
図示の実施形態では、13個のエネルギー貯蔵ユニット7が並んで配置されている。エネルギー貯蔵ユニット7はそれぞれ、エネルギー貯蔵装置3の横方向に隣接する11個のエネルギー貯蔵セルの組を有し、これらはジグザグ状に互いにオフセットして配置されている。エネルギー貯蔵セルの組はそれぞれ、エネルギー貯蔵装置3の長手方向に隣接する2つのエネルギー貯蔵セル8によって形成されている。エネルギー貯蔵ユニット7のエネルギー貯蔵セル8のすべての正極9は、エネルギー貯蔵装置3の上側4に面し、第1のセルコネクタ11a、特に一体型のセルコネクタを介して互いに機械的および電気的に接続されている。これに対応して、エネルギー貯蔵ユニット7のエネルギー貯蔵セル8のすべての負極10は、エネルギー貯蔵装置3の下側5に面し、特に一体型の第2のセルコネクタ11bを介して互いに機械的および電気的に接続されている。セルコネクタはそれぞれ、エネルギー貯蔵ユニットに溶接またははんだ付けされている。エネルギー貯蔵セル8は、第1および第2のセルコネクタ11a、11bを介して、直接隣接するすべてのエネルギー貯蔵セル8の間に同一の所定の距離が存在するように、互いに固定される。セルコネクタ11a、11bはそれぞれ、その対向する端面のそれぞれに接続ラグ12a、12cおよび12b、12dを有し、これらはそれぞれ、エネルギー貯蔵装置3の第1および第2の側面29a、29b上に折り曲げられている。斜めに隣接する接続ラグは、接続要素を介して互いに接続される。例えば、図7が示すように、ヘッド側のエネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12bは、隣接するエネルギー貯蔵ユニット7の斜め方向に隣接する接続ラグ12aに接続要素13を介して接続される。したがって、すべての接続要素13は、第1の側面29a上に互いに平行に配置されている。同時に、図に示すように、ヘッド側のエネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12dは、その斜めに配置された隣接するエネルギー貯蔵ユニット7の接続ラグ12cと接続要素13を介して接続されている。したがって、第2の側面29b上のすべての接続要素13も、互いに平行に配置されている。このように、エネルギー貯蔵装置3の横方向に配置された接続要素13も、互いに平行に配置されている。隣接するエネルギー貯蔵ユニット7は、各場合において、横方向に互いに対向する接続要素13を介して、隣接するエネルギー貯蔵ユニット7の直接隣接するエネルギー貯蔵セル8間に同一の所定の距離が存在するように、互いにそれぞれ固定される。接続要素13はそれぞれ、接続ラグ12a~dに溶接またははんだ付けされている。隣接するエネルギー貯蔵ユニット7のエネルギー貯蔵セル8の間隔は、エネルギー貯蔵ユニット7内のエネルギー貯蔵セル8の間隔に対応する。接続要素13の記載された配置により、エネルギー貯蔵装置3の前側の対向する第1および第3の接続タブ12a、12cと、エネルギー貯蔵装置3の後側の対向する第2および第4の接続タブ12b、12dは、それぞれの接続要素13に接続されない。その代わりに、これらの接続ラグには、前側および後側で、それぞれ端子要素14が接続されている。前側の端部には正電源が、後側の端部には負電源がつけられている。端子要素14はそれぞれ、エネルギー貯蔵装置3の横方向に互いに対向する接触部を有し、これらの接触部は、側面29a29bに折り返されて、それぞれの接続ラグ12a、12cまたは12b、12dに接続される。それにより、接触部は、接続要素13と平行に走る。接触部は、各場合において、端面に沿って横方向に走るタッピング要素によって、前側と後側とで互いに接続されている。後側端子要素14はまた、接触部とタッピング要素との間に、各場合において、内側に縁どられた角凹部を有し、この角凹部は、後側端面32bに位置するエネルギー貯蔵ユニット7の外郭に適合され、したがって、エネルギー貯蔵装置3の最もコンパクトな設計が保証される。記載された実施形態は、セルコネクタ11a、11bまたは接続要素13または端子要素14のような、それに溶接された電気接触要素のためにそれ自体が既に安定しているエネルギー貯蔵ユニットを提供し、電気接触要素によって接続されたエネルギー貯蔵セル8またはエネルギー貯蔵ユニット7は、エネルギー貯蔵ユニットなしで熱的にまたは経年変化によって膨張し得て、他方、セルとセルコネクタ間の溶接接続がそれによって損傷するような方法でそれらの間に配置されたスペーサを有することなく、互いに間隔を置いているという利点を有している。
【0034】
前述の説明、図および特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、単独でも任意の組み合わせでも、本発明の実現に不可欠である場合がある。
【符号の説明】
【0035】
1 エネルギー貯蔵モジュール
2 ハウジング
3 エネルギー貯蔵装置
4 エネルギー貯蔵装置の上側
5 エネルギー貯蔵装置の下側
7 エネルギー貯蔵ユニット
8 エネルギー貯蔵セル
9 正極
10 負極
11a 第1のセルコネクタ
11b 第2のセルコネクタ
12a 第1の接続ラグ
12b 第2の接続ラグ
12c 第3の接続ラグ
12d 第4の接続ラグ
13 接続要素
14 取付ブラケット
15 底部
16 蓋部
17a 第1の側壁
17b 第2の側壁
18 ヘッド部前面
19 ヘッド部背面
20 補強部材
21 開口部
22 ケーブルダクト
23 締結要素受け部
24 ばね要素
25 ラッチ要素
26 補強部材用凹部
27 固定用窓
28 角凹部
29a 第1の側面
29b 第2の側面
30 上縁
31 下縁
32a 前側端面
32b 後側端面
33 ケーブルグランド
34 孔
35 屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8