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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】エアゾールスプレー毛髪化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20241028BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20241028BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/81
A61K8/891
A61K8/34
A61K8/33
A61Q5/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020153803
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047811
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 淳史
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-536949(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K31/33-33/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
Japio-GPG/FX
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾールスプレー容器と、毛髪化粧料組成物と、噴射剤とを備え、
前記エアゾールスプレー容器内に、前記毛髪化粧料組成物と前記噴射剤とが充填されており、
前記毛髪化粧料組成物が、下記成分Aと、下記成分Bと、下記成分Cとを含み、
前記毛髪化粧料組成物100質量%中、前記成分Aの含有量が、0.5質量%以上、7.0質量%以下であり、
前記毛髪化粧料組成物100質量%中、前記成分Aと前記成分Bとの合計の含有量が、1.5質量%以上、12.0質量%以下であり、
前記毛髪化粧料組成物100質量%中、前記成分Cの含有量が、70.0質量%以上であり、
前記毛髪化粧料組成物において、前記成分Bの含有量の、前記成分Aの含有量に対する質量比が、0.30以上、6.50以下であり、
前記噴射剤が、下記成分Xを含む、エアゾールスプレー毛髪化粧料。
成分A:アニオン性皮膜形成ポリマー及び/又は両性皮膜形成ポリマーであって、前記アニオン性皮膜形成ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMP、及び(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMPからなる群より選ばれるアニオン性皮膜形成ポリマーであり、前記両性皮膜形成ポリマーは、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマーである
成分B:シリコーン変性アクリル樹脂
成分C:エタノール
成分X:ジメチルエーテル
【請求項2】
記毛髪化粧料組成物100質量%中、前記成分Bの含有量が、1.0質量%以上、9.0質量%以下である、請求項1に記載のエアゾールスプレー毛髪化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器内に、毛髪化粧料組成物が充填されているエアゾールスプレー毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
エアゾール容器内に整髪剤組成物が充填されているエアゾール整髪剤が市販されている。エアゾール整髪剤に用いられる整髪剤組成物には、一般に、整髪成分として、皮膜形成ポリマーが配合されている。また、皮膜形成ポリマーが配合された整髪剤組成物を用いることで、毛髪に皮膜が形成されて光の反射が強まり、毛髪にツヤを付与することができる。
【0003】
一方、近年、ツヤが抑えられた自然な仕上がりを有する髪型が好まれつつある。
【0004】
下記の特許文献1には、整髪料原液及び噴射剤を含み、上記整髪料原液が、整髪料原液100質量%中に、(A)メチラールを1~70質量%と、(B)皮膜形成樹脂を0.1~20質量%とを含み、整髪料原液と噴射剤との割合(質量比)が80:20~20:80である非泡状ヘアスプレー用組成物が開示されている。
【0005】
下記の特許文献2には、(A)メチルフェニルポリシロキサンと、(B)ジペンタエリトリット脂肪酸エステルとを含有するスタイリング化粧料が開示されている。このスタイリング化粧料は、エアゾール式のヘアスプレー用組成物として用いることができる。
【0006】
下記の特許文献3には、粘土鉱物(A)と、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス)コポリマー(B)と、ロウ類(C)と、液状油(D)と、被膜形成性樹脂(E)と、25℃で液状のノニオン界面活性剤(F)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(G)とを、特定の配合量で含む整髪料が開示されている。特許文献3の明細書には、上記整髪料の性状として、ミルク状、クリーム状、ジェル状、ローション状、ワックス状、フォーム状が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-30812号公報
【文献】特開2014-162727号公報
【文献】特開2019-194167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1,2に記載のヘアスプレーでは、整髪後の毛髪に自然なツヤを付与することができ、従来のヘアスプレーと比較してツヤを抑えることができる。しかしながら、特許文献1,2に記載のヘアスプレーであっても、ツヤの抑制効果は十分ではなく、マットな質感を毛髪に付与することは困難である。
【0009】
特許文献3に記載の整髪料では、配合されている粘土鉱物によって、ツヤをある程度抑えることができる。しかしながら、特許文献3に記載の整髪料であっても、ツヤの抑制効果は十分ではなく、マットな質感を毛髪に付与することは困難である。さらに、粘土鉱物が配合された整髪料では、整髪後の毛髪の手触りが悪化する。また、粘土鉱物が配合された整髪料を、エアゾールスプレー用の組成物として用いた場合には、目詰まりが生じ、エアゾール容器内から該組成物を良好に吐出できないことがある。
【0010】
また、従来のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、エアゾールスプレー毛髪化粧料の作製直後に、析出物が発生することがある。析出物が発生すると、目詰まりが生じたり、製剤安定性が低下したりすることがある。
【0011】
本発明の目的は、ツヤがかなり抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができ、かつ作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生を抑えることができるエアゾールスプレー毛髪化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、エアゾールスプレー容器と、毛髪化粧料組成物と、噴射剤とを備え、前記エアゾールスプレー容器内に、前記毛髪化粧料組成物と前記噴射剤とが充填されており、前記毛髪化粧料組成物が、下記成分(A)と、下記成分(B)と、下記成分(C)とを含み、前記毛髪化粧料組成物100質量%中、前記成分(A)と前記成分(B)との合計の含有量が、1.5質量%以上、12.0質量%以下であり、前記毛髪化粧料組成物において、前記成分(B)の含有量の、前記成分(A)の含有量に対する質量比が、0.30以上、6.50以下であり、前記噴射剤が、下記成分(X)を含む、エアゾールスプレー毛髪化粧料を提供する。
【0013】
成分(A):アニオン性皮膜形成ポリマー及び/又は両性皮膜形成ポリマー
成分(B):シリコーン変性アクリル樹脂
成分(C):エタノール
成分(X):ジメチルエーテル
【0014】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料は、前記毛髪化粧料組成物100質量%中、前記成分(A)の含有量が、0.5質量%以上、7.0質量%以下であり、前記毛髪化粧料組成物100質量%中、前記成分(B)の含有量が、1.0質量%以上、9.0質量%以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料は、ツヤがかなり抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができ、かつ作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料は、エアゾールスプレー容器と、毛髪化粧料組成物と、噴射剤とを備える。本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記エアゾールスプレー容器内に、上記毛髪化粧料組成物と上記噴射剤とが充填されている。本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記毛髪化粧料組成物を、上記エアゾールスプレー容器内より霧状に吐出可能である。
【0018】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記毛髪化粧料組成物が、アニオン性皮膜形成ポリマー及び/又は両性皮膜形成ポリマーと、シリコーン変性アクリル樹脂と、エタノールとを含む。
【0019】
本明細書においては、上記「アニオン性皮膜形成ポリマー及び/又は両性皮膜形成ポリマー」を「成分(A)」と称する場合がある。
【0020】
本明細書においては、上記「シリコーン変性アクリル樹脂」を「成分(B)」と称する場合がある。
【0021】
本明細書においては、上記「エタノール」を「成分(C)」と称する場合がある。
【0022】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記毛髪化粧料組成物100質量%中、成分(A)と成分(B)との合計の含有量が、1.5質量%以上、12.0質量%以下であり、上記毛髪化粧料組成物において、成分(B)の含有量の、成分(A)の含有量に対する質量比が、0.30以上、6.50以下である。
【0023】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記噴射剤が、ジメチルエーテルを含む。
【0024】
本明細書においては、上記「ジメチルエーテル」を「成分(X)」と称する場合がある。
【0025】
上記のように、本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料は、上記毛髪化粧料組成物として、成分(A)と成分(B)と成分(C)とを少なくとも含み、上記噴射剤として、成分(X)を少なくとも含む。上記毛髪化粧料組成物は、成分(A)~(C)以外の他の成分を含んでいてもよい。上記噴射剤は、成分(X)以外の他の成分を含んでいてもよい。
【0026】
上記の成分、例えば、成分(A)、成分(B)、成分(C)や他の成分は、それぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0027】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、ツヤがかなり抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができ、かつ作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生を抑えることができる。
【0028】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、成分(X)に対する溶解性が異なる成分(A)と成分(B)とが特定の配合量で用いられているので、毛髪化粧料組成物が毛髪に塗布された後、成分(B)等の溶媒が揮発したときに、毛髪上に凹凸表面が形成される。このため、ツヤがほとんどない又は全くないマットな質感を毛髪に付与することができる。
【0029】
また、本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性を高めることができるので、作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生を抑えることができる。そのため、製剤安定性を高めることができ、また、目詰まりが生じ難く、吐出安定性を高めることができる。
【0030】
[毛髪化粧料組成物(エアゾールスプレー毛髪化粧料組成物)]
(成分(A))
成分(A)は、アニオン性皮膜形成ポリマー及び/又は両性皮膜形成ポリマーである。成分(A)は、アニオン性皮膜形成ポリマーであってもよく、両性皮膜形成ポリマーであってもよく、アニオン性皮膜形成ポリマーと両性皮膜形成ポリマーとの双方であってもよい。成分(A)は、整髪成分として機能する。成分(A)を用いることにより、整髪力を高めることができる。成分(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0031】
上記アニオン性皮膜形成ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMP、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP、メチルビニルエーテル/マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸モノブチルエステル/イソボロリルアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、(スチレン/アクリル酸アルキル)共重合体、(スチレン/アクリル酸アミド)共重合体、ウレタン-アクリル系共重合体、及びポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」と「メタクリル」との双方を意味する。
【0032】
上記両性皮膜形成ポリマーとしては、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、N,Nジメチル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)アミン=N-オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体、ジアルキルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のモノクロル酢酸両性化物、及び(イソブチレン/ジエチルアミノプロピルマレイミド/マレイン酸)共重合体等が挙げられる。
【0033】
上記毛髪化粧料組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上、好ましくは7.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下である。成分(A)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、より一層マットな質感を毛髪に付与することができる。また、成分(A)の含有量が上記下限以上であると、整髪力をより一層高めることができる。成分(A)の含有量が上記上限以下であると、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性をより一層高めることができ、作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生を効果的に抑えることができる。
【0034】
(成分(B))
成分(B)は、シリコーン変性アクリル樹脂である。成分(B)は、整髪成分として機能する。成分(A)と成分(B)とを併用することにより、ツヤがかなり抑えられたマットな質感を毛髪に付与することができる。成分(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0035】
成分(B)としては、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアミド/アモジメチコン)コポリマーAMP、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、及び(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー等が挙げられる。
【0036】
ツヤがかなり抑えられたマットな質感を毛髪に付与する観点から、上記毛髪化粧料組成物において、成分(B)の含有量の、成分(A)の含有量に対する質量比(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)は、0.30以上、6.50以下である。
【0037】
上記毛髪化粧料組成物において、成分(B)の含有量の、成分(A)の含有量に対する質量比(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)は、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.80以上、好ましくは6.00以下、より好ましくは5.50以下である。上記質量比(成分(B)の含有量/成分(A)の含有量)が上記下限以上及び上記上限以下であると、より一層マットな質感を毛髪に付与することができる。
【0038】
上記毛髪化粧料組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上、好ましくは9.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下である。成分(B)の含有量が上記下限以上であると、より一層マットな質感を毛髪に付与することができ、また、整髪力をより一層高めることができる。成分(B)の含有量が上記上限以下であると、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性をより一層高めることができ、製剤安定性をより一層高めることができる。また、毛髪上での白浮きを効果的に抑えることができる。
【0039】
上記毛髪化粧料組成物100質量%中、成分(A)と成分(B)との合計の含有量は、1.5質量%以上、12.0質量%以下である。上記合計の含有量が1.5質量%未満であると、ツヤが生じやすく、マットな質感を毛髪に付与することは困難である。上記合計の含有量が12.0質量%を超えると、毛髪上での白浮きが生じやすく、マットな質感を毛髪に付与することは困難である。また、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性が低下し、製剤安定性が低下しやすい。
【0040】
上記毛髪化粧料組成物100質量%中、成分(A)と成分(B)との合計の含有量は、好ましくは3.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上、好ましくは11.5質量%以下、より好ましくは10.5質量%以下である。上記合計の含有量が上記下限以上であると、より一層マットな質感を毛髪に付与することができ、また、整髪力をより一層高めることができる。上記合計の含有量が上記上限以下であると、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性をより一層高めることができ、製剤安定性をより一層高めることができる。また、毛髪上での白浮きを効果的に抑えることができる。
【0041】
(成分(C))
成分(C)は、エタノールである。成分(C)は溶媒としての役割を果たす。また、成分(C)を用いることにより、非水系の毛髪化粧料組成物又は水の含有量が少ない毛髪化粧料組成物にすることができるため、整髪力及び速乾性をより一層高めることができる。
【0042】
上記毛髪化粧料組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、好ましくは65.0質量%以上、より好ましくは70.0質量%以上、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは85.0質量%以下である。成分(C)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、整髪力及び速乾性をより一層高めることができる。
【0043】
(他の成分)
上記毛髪化粧料組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、成分(A)~(C)以外の成分を含んでいてもよい。成分(A)~(C)以外の成分としては、特に限定されないが、例えば、水、カチオン性皮膜形成ポリマー、ノニオン性皮膜形成ポリマー、増粘剤、油性成分、多価アルコール、高級アルコール、界面活性剤、清涼剤、pH調整剤、防腐剤、抗酸化剤、金属封鎖剤、ビタミン類、動植物抽出エキス、パール化剤、着色剤、及び香料等が挙げられる。上記他の成分は、それぞれ1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0044】
上記毛髪化粧料組成物では、実質的に水を含まないことが好ましい。ただし、上記毛髪化粧料組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、水を含んでいてもよい。上記毛髪化粧料組成物は、非水系毛髪化粧料組成物であることが好ましい。実質的に水を含まない毛髪化粧料組成物は、非水系毛髪化粧料組成物である。なお、「実質的に水を含まない」とは、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、必要に応じて配合される他の成分(水を除く)とは別に、水を含ませない(添加しない)ことを意味し、配合原料に含有される水に由来して上記毛髪化粧料組成物に水が含まれることは除外されないことを意味する。
【0045】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記毛髪化粧料組成物がスプレー塗布に用いられるために、揮発性が低い水の含有量は少ないほど速乾性が高くなる。
【0046】
上記毛髪化粧料組成物は、水を含まないか、又は、水を5.0質量%以下で含むことが好ましい。上記毛髪化粧料組成物が水を含む場合に、上記毛髪化粧料組成物100質量%中、水の含有量は、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは3.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。
【0047】
上記カチオン性皮膜形成ポリマーとしては、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、及び(ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)共重合体等が挙げられる。
【0048】
上記ノニオン性皮膜形成ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体、及びポリビニルカプロラクタム等が挙げられる。
【0049】
上記増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)クロスポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマー及び(アクリレーツ/ネオデカン酸ビニル)クロスポリマー等のアクリル系増粘剤;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系増粘剤;キサンタンガム、ゼラチン、グアガム、カラギーナン、ペクチン及びローカストビーンガム等の天然ガム系増粘剤等が挙げられる。
【0050】
上記油性成分としては、シリコーン油、25℃で固体の炭化水素油、25℃で固体のエステル油、25℃で液状の炭化水素油、25℃で液状のエステル油、及び油脂等が挙げられる。
【0051】
上記25℃で固体の炭化水素油としては、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、及びポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0052】
上記25℃で固体のエステル油としては、モノステアリン酸プロピレングリコール、及びジステアリン酸エチレングリコール等が挙げられる。
【0053】
上記25℃で液状の炭化水素油としては、流動パラフィン、流動イソパラフィン、及びスクワラン等が挙げられる。
【0054】
上記25℃で液状のエステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、及び2-エチルヘキサン酸セチル等が挙げられる。
【0055】
上記油脂としては、オリーブ油、コメヌカ油、ヒマシ油、ヤシ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、及びアボカド油等が挙げられる。
【0056】
上記多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、ポリエチレングリコール、及びポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。
【0057】
上記高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、及びオレイルアルコール等が挙げられる。
【0058】
上記界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びノニオン界面活性剤等が挙げられる。
【0059】
上記カチオン界面活性剤としては、モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩、アルキルアミン、及び脂肪酸アミドアミン等が挙げられる。
【0060】
上記アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、及びセチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム等のα-オレフィンスルホン酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のN-アシルメチルタウリン塩;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、及びスルホコハク酸ラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸アルキル塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウム等のスルホコハク酸ポリオキシエチレンアルキル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ナトリウム、及びセチルリン酸ジエタノールアミン等のモノアルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、及びヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム等のN-アシル-N-メチル-β-アラニン塩;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン等のN-アシルグルタミン酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、及びヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム等のN-アシルグリシン塩;ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(ドデカン-1,2-ジオール酢酸ナトリウム)、ラウリルグリコール酢酸カリウム、ミリスチルグリコール酢酸ナトリウム、ミリスチルグリコール酢酸カリウム、パルミチルグリコール酢酸ナトリウム、パルミチルグリコール酢酸カリウム、ステアリルグリコール酢酸ナトリウム、ステアリルグリコール酢酸カリウム、ベヘニルグリコール酢酸ナトリウム、及びベヘニルグリコール酢酸カリウム等のアルキルエーテルグリコール酢酸塩等が挙げられる。
【0061】
上記両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等のアルキルアミドベタイン型両性界面活性剤;アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、及びN-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸塩、及びアルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、及びアルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤;アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリニウム型両性界面活性剤;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-プロピルスルホン酸塩;N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩;N-脂肪酸アミドプロピル-N,N-ジメチルアンモニウム-N-(2-ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等が挙げられる。
【0062】
上記ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン(硬化)ヒマシ油、及び脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。
【0063】
上記清涼剤としては、l-メントール、1,8-シネオール、及びカンファ等が挙げられる。
【0064】
上記防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、及びフェノキシエタノール等が挙げられる。
【0065】
上記毛髪化粧料組成物は、公知慣用のエアゾールスプレー毛髪化粧料組成物の製造方法により、製造することができる。上記毛髪化粧料組成物は、特に限定されないが、例えば、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、必要に応じて配合される他の成分とを混合することにより製造することができる。
【0066】
[噴射剤]
(成分(X))
成分(X)は、ジメチルエーテル(DME)である。成分(X)を用いることにより、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性を高めることができ、その結果、作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生を抑えることができ、さらに、製剤安定性を高めることができる。
【0067】
上記噴射剤100質量%中、成分(X)の含有量は、好ましくは30.0質量%以上、より好ましくは50.0質量%以上、更に好ましくは70.0質量%以上、特に好ましくは90.0質量%以上、最も好ましくは100質量%(全量)である。成分(X)の含有量が上記下限以上であると、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性をより一層高めることができ、その結果、作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生をより一層効果的に抑えることができ、さらに、製剤安定性をより一層高めることができる。
【0068】
(成分(X)以外の噴射剤)
上記噴射剤は、成分(X)以外の噴射剤を含んでいてもよい。成分(X)以外の噴射剤としては、液化石油ガス(LPG)、イソブタン、及び窒素ガス等が挙げられる。成分(X)以外の噴射剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0069】
[エアゾールスプレー毛髪化粧料]
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料は、エアゾールスプレー容器と、上述した毛髪化粧料組成物と、上述した噴射剤とを備える。上記エアゾールスプレー容器は、スプレーノズルを有する。上記エアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記エアゾールスプレー容器内に、上記毛髪化粧料組成物と上記噴射剤とが充填されている。上記毛髪化粧料組成物は、上記エアゾールスプレー毛髪化粧料において、上記エアゾールスプレー容器内に充填されている充填物のうち、上記噴射剤を除く配合物である。
【0070】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料は、スプレー塗布されるエアゾールスプレー毛髪化粧料である。本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記毛髪化粧料組成物がエアゾールスプレー容器内より霧状に吐出されることが好ましい。本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料では、上記毛髪化粧料組成物がエアゾールスプレー容器内より霧状に噴霧されることが好ましい。
【0071】
上記毛髪化粧料組成物と上記噴射剤との合計100質量%中、上記毛髪化粧料組成物の含有量は、好ましくは25.0質量%以上、より好ましくは35.0質量%以上、更に好ましくは45.0質量%以上、特に好ましくは50.0質量%以上、好ましくは80.0質量%以下、より好ましくは75.0質量%以下、更に好ましくは65.0質量%以下である。上記毛髪化粧料組成物の含有量が上記下限以上であると、毛髪化粧料組成物と噴射剤との相溶性をより一層高めることができ、その結果、作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料において、析出物の発生をより一層効果的に抑えることができ、さらに、製剤安定性をより一層高めることができる。上記毛髪化粧料組成物の含有量が上記上限以下であると、噴射安定性をより一層高めることができる。
【0072】
上記毛髪化粧料組成物と上記噴射剤との合計100質量%中、上記噴射剤の含有量は、好ましくは20.0質量%以上、より好ましくは25.0質量%以上、更に好ましくは35.0質量%以上、好ましくは75.0質量%以下、より好ましくは65.0質量%以下、更に好ましくは55.0質量%以下、特に好ましくは50.0質量%以下である。
【0073】
本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料は、整髪されていない毛髪に対して塗布されて用いられてもよく、整髪された毛髪に対して塗布されて用いられてもよい。整髪されていない毛髪に対して本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料を用いることで、毛髪を良好に整髪することができ、かつ整髪後の毛髪にマットな質感を付与することができる。また、整髪剤組成物によりツヤが付与された毛髪(整髪された毛髪)に対して本発明のエアゾールスプレー毛髪化粧料を用いることで、上記整髪剤組成物により付与されたツヤを抑えたり、消したりすることができ、毛髪にマットな質感を付与することができる。
【0074】
上記エアゾールスプレー毛髪化粧料は、既知の方法により作製することができる。上記エアゾールスプレー毛髪化粧料の作製方法としては、上記毛髪化粧料組成物又は上記毛髪化粧料組成物に含有される各配合成分をエアゾールスプレー容器内に充填して、エアゾール用バルブによりエアゾールスプレー容器をクリンチした後、噴射剤をステムより充填し、ステムに適した噴射ボタンを装着する方法等が挙げられる。
【実施例
【0075】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0076】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0077】
(成分(A))
両性皮膜形成ポリマー:
(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー:商品名「ユカフォーマーシリーズ」、三菱化学社製
アニオン性皮膜形成ポリマー:
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMP:商品名「プラスサイズ L-9909B」、互応化学工業社製
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP:商品名「プラスサイズ L-6330」、互応化学工業社製
【0078】
(成分(B))
(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー1:商品名「DOWSIL FA 4002 ID SILICONE ACRYLATE」、ダウ・ケミカル日本社製
(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー2:商品名「DOWSIL FA 4003 DM SILICONE ACRYLATE」、ダウ・ケミカル日本社製
(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー1:商品名「KP-545L」、信越化学工業社製
(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー2:商品名「KP-550」、信越化学工業社製
【0079】
(成分(C))
エタノール
【0080】
(成分(A)に相当しない成分)
ノニオン性皮膜形成ポリマー:
ポリビニルピロリドン:商品名「クリージャスK-90」、第一工業製薬社製
ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体:商品名「PVA-6450」、大阪有機化学工業社製
カチオン性皮膜形成ポリマー:
ポリクオタニウム-11(ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩):商品名「H.C.ポリマー1N」、大阪有機化学工業社製
【0081】
(噴射剤)
ジメチルエーテル(DME)
液化石油ガス(LPG):商品名「LPG20℃ 0.29MPa」、小池化学社製
【0082】
(実施例1~23及び比較例1~16)
下記の表1~7に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、下記の表1~7に示す組成を有する毛髪化粧料組成物(原液)を調製した。得られた毛髪化粧料組成物(原液)をエアゾールスプレー容器(透明耐圧ビン、容量95mL)に充填した。次いで、エアゾール用バルブをエアゾールスプレー容器にクリンチした後、下記の表1~7に示す噴射剤をステムより充填し、ステムに適したボタンを装着して、エアゾールスプレー毛髪化粧料を作製した。表中の配合量(毛髪化粧料組成物100質量%中の配合量及び噴射剤100質量%中の配合量)は、純分の配合量(単位:質量%)で示した。表中、イソドデカン、ジメチコン及び水は、成分(A)又は成分(B)を含む上記の商品に由来して含まれている。
【0083】
(評価)
得られたエアゾールスプレー毛髪化粧料について、以下の評価を行った。評価結果は表1~7中に示した。なお、評価は専門パネル5名で行い、協議して評価結果を決定した。
【0084】
(試験例1:マット感)
ショートヘアにカットしたウィッグ(商品名「A-386」:ユーカリジャパン社製)を用意した。また、ジェル状整髪剤組成物(商品名「マンダム ロングキープジェル ウェット&ハード」)を用意した。ジェル状整髪剤組成物1.0gをウィッグの左半頭及び右半頭それぞれの毛髪上に塗布し、乾燥させた。次いで、得られたエアゾールスプレー毛髪化粧料を、15~20cm離れた位置からウィッグの右半頭の毛髪上に3秒間均一に噴霧した。ウィッグの毛髪を目視にて観察し、左半頭のツヤを標準とする以下の基準に従い、マット感を評価した。なお、ジェル状整髪剤組成物が塗布されただけの左半頭の毛髪では、ツヤがはっきりと確認できた。判定結果が「A」又は「B」の場合に、ツヤがかなり抑えられたマットな質感を有する毛髪が得られている。
【0085】
<マット感の評価基準>
A:標準と比較して、ツヤが全くなく、マット感にかなり優れる
B:標準と比較して、ツヤがほとんどなく、マット感に優れる
C:標準と比較して、ツヤが低減できているが、マット感に劣る
D1:標準と同程度のツヤがはっきりと確認できる
D2:白浮きが発生している
【0086】
(試験例2:作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料の性状)
作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料について、エアゾールスプレー容器内を目視にて観察し、以下の基準に従い、評価した。
【0087】
<作製直後のエアゾールスプレー毛髪化粧料の性状の評価基準>
A:析出物が発生しておらず、無色透明である
B:析出物は発生していないものの、わずかに白濁している
C:析出物が発生しており、わずかに白濁している
D:析出物が発生しており、白濁している
【0088】
組成及び結果を下記の表1~7に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】