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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/16 20150101AFI20241028BHJP
   H04B 17/18 20150101ALI20241028BHJP
   H04B 1/04 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
H04B17/16
H04B17/18
H04B1/04 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020181167
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022071994
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(72)【発明者】
【氏名】荒山 修男
(72)【発明者】
【氏名】小野田 政秀
(72)【発明者】
【氏名】辻 陽介
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-260428(JP,A)
【文献】特開昭53-142112(JP,A)
【文献】特開2000-341145(JP,A)
【文献】特開平10-267978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/60
H04B 3/46-3/493
H04B 17/00-17/40
H04B 1/02-1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号が入力されるRF入力端子と、
該RF入力端子から入力された高周波信号を出力するRF出力端子と、
前記RF入力端子と前記RF出力端子との間に挿入され、前記RF出力端子からの反射波成分を検出して出力する第1端子と、前記RF入力端子からの進行波成分を検出して出力する第2端子とを有するRF結合器と、
少なくとも、前記RF結合器の第1端子から出力された反射波成分を整流する整流回路と、該整流回路からの整流出力が供給されるフォトリレーからなるスイッチ回路から構成され、前記RF結合器の第2端子から出力された進行波成分を電源として動作する制御回路と、
該制御回路からのアラーム出力を出力する信号出力端子とを備え
前記RF結合器の第1端子から出力された反射波成分のレベルが有意なレベルの時に前記フォトリレーがオフからオンに遷移して、前記信号出力端子から前記フォトリレーのオンの接点信号がアラーム出力として出力され、前記RF結合器の第1端子から出力された反射波成分のレベルが有意なレベルに達しない時は、前記フォトリレーはオフを維持して、前記信号出力端子から前記フォトリレーのオフの接点信号が出力されることを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記RF出力端子には、パッシブ機器が接続されて、該パッシブ機器の動作状態を前記パッシブ機器の反射波の大きさにより監視することを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記RF入力端子には、送信機から出力される高周波信号が入力されることを特徴とする請求項1または2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記RF結合器と前記整流回路との間に、整合回路が挿入されていることを特徴とする請求項に記載の監視装置。
【請求項5】
前記整流回路と前記スイッチ回路との間に、電流および電圧の大きさを調整する制限回路が挿入されて、前記フォトリレーに過大な電流が流れることを防止すると共に、前記フォトリレーの検知感度を調整していることを特徴とする請求項に記載の監視装置。
【請求項6】
さらに、前記RF結合器は、前記RF入力端子から入力された高周波信号の進行波成分を検出して出力する第2の端子を備えており、該第2の端子から出力された進行波成分により表示手段を点灯させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項7】
さらに、前記第2端子から出力された進行波成分に基づいて生成された基準電圧と、前記第1端子から出力された反射波成分のレベルとを比較する比較回路を備え、
前記基準電圧を前記第1端子から出力された反射波成分のレベルが上回ったことを前記比較回路が検出した際に、前記RF結合器の第1端子から出力された反射波成分が有意なレベルに達したとして、アラーム出力を前記信号出力端子から出力することを特徴とする請求項に記載の監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッシブ機器を監視する電源を必要としない監視装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空中線監視装置が特許文献1に開示されており、特許文献1の従来の空中線監視装置100の構成を示す機能ブロック図を図13に示す。
図13に示す従来の空中線監視装置100は、無線送信機101から空中線103へ送出する進行波電力および空中線103から反射してくる反射波電力の両方を検出する方向性結合器102と、進行波電力を基準値と比較増幅する差動増幅器(AMP)111と、方向性結合器102によって検出した反射波電力を基準値と比較増幅する差動増幅器(AMP)112と、この2つのAMP111とAMP112との論理積をとり、両信号が存在し、かつ、基準値を超えている場合にアラームを発生するアンド回路(AND)113から構成されている。すなわち、AND113は、進行波電力と反射波電力とがある時のみアラーム出力を出力し、それ以外の条件では、アラーム出力を発しないようになる。したがって、間欠送信の送信波がない場合に同期して、そのタイムスロットを検出すれば、他の空中線104からの干渉波が混入して見かけ上反射電力として検出されるので、干渉波の検出としての機能に利用することも可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-136747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の空中線監視装置100では、AMP111およびAMP112とAND113を動作させるための電源が必要とされ、電源の確保や配線の取り回しを行う必要があった。しかしながら、監視される空中線103はパッシブ機器であり、電源を有していないことから空中線監視装置100に別電源を準備しなければならないという問題点があった。この場合、多くの監視装置では、接点出力を設けて、監視する電子機器の動作状態を接点信号として取り出すことが行われているが、接点信号で監視を行う場合は、別電源を準備して接点信号を出力しなければならないという問題点があった。
そこで、本発明はパッシブ機器を監視する電源を必要としない監視装置を提供することを目的としている。また、本発明は、パッシブ機器の動作状態を接点信号として取り出すことができる電源を必要としない監視装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる監視装置は、高周波信号が入力されるRF入力端子と、RF入力端子から入力された高周波信号を出力するRF出力端子と、RF入力端子とRF出力端子との間に挿入され、RF出力端子からの反射波成分を検出して出力する第1端子を有するRF結合器と、RF結合器の第1端子から出力された反射波成分が有意なレベルの時にアラーム出力を出力すると共に、RF結合器の第1端子から出力された反射波成分を電源として動作する制御回路と、制御回路からのアラーム出力を出力する信号出力端子とを備えることを最も主要な特徴としている。
また、本発明にかかる他の監視装置は、高周波信号が入力されるRF入力端子と、該RF入力端子から入力された高周波信号を出力するRF出力端子と、前記RF入力端子と前記RF出力端子との間に挿入され、前記RF出力端子からの反射波成分を検出して出力する第1端子と、前記RF入力端子からの進行波成分を検出して出力する第2端子とを有するRF結合器と、該RF結合器の第1端子から出力された反射波成分が有意なレベルの時にアラーム出力を出力すると共に、前記RF結合器の第2端子から出力された進行波成分を電源として動作する制御回路と、該制御回路からのアラーム出力を出力する信号出力端子とを備えることを最も主要な特徴としている。
さらに、本発明にかかる監視装置において、前記RF結合器の第1端子から出力された反射波成分が有意なレベルの時に前記制御回路が出力するアラーム信号はオンの接点信号とされ、前記RF結合器の第1端子から出力された反射波成分が有意なレベルに達しない時は、前記制御回路からはオフの接点信号が出力されるようにしている。
さらにまた、本発明にかかる監視装置において、前記RF出力端子には、パッシブ機器が接続されて、該パッシブ機器の動作状態を前記パッシブ機器の反射波の大きさにより監視するようにしている。
さらにまた、本発明にかかる監視装置において、前記RF入力端子には、送信機から出力される高周波信号が入力されるようにしている。
さらにまた、本発明にかかる監視装置において、前記制御回路は、少なくとも、整流回路と、該整流回路からの整流出力が供給されるスイッチ回路から構成されており、前記整流出力のレベルが有意なレベルの時に前記スイッチ回路がオフからオンに遷移するようにしている。
さらにまた、本発明にかかる監視装置において、前記RF結合器と前記整流回路との間に、整合回路が挿入されている。
さらにまた、本発明にかかる監視装置において、前記整流回路と前記スイッチ回路との間に、電流および電圧の大きさを調整する制限回路が挿入されて、前記スイッチ回路に過大な電流が流れることを防止すると共に、前記スイッチ回路の検知感度を調整している。
さらにまた、本発明にかかる監視装置において、さらに、前記RF結合器は、前記RF入力端子から入力された高周波信号の進行波成分を検出して出力する第2の端子を備えており、該第2の端子から出力された進行波成分により表示手段を点灯させるようにしている。
さらにまた、本発明にかかる監視装置において、さらに、前記第2の端子から出力された進行波成分に基づいて生成された基準電圧と、前記第1の端子から出力された反射波成分のレベルとを比較する比較回路を備え、前記基準電圧を前記第1の端子から出力された反射波成分のレベルが上回ったことを前記比較回路が検出した際に、前記RF結合器の第1端子から出力された反射波成分が有意なレベルに達したとして、アラーム出力を前記信号出力端子から出力するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明の監視装置は、RF出力端子からの反射波成分を検出して出力するRF結合器と、RF結合器で検出された反射波成分や進行波成分を電源としてアラーム出力を出力する制御回路とを備えているので、電源を必要としない監視装置とすることができる。また、制御回路は、オン/オフの接点信号でアラーム信号を出力しているので、パッシブ機器の動作状態を接点信号として取り出すことができる電源を必要としない監視装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施例の監視装置を備える監視システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2】本発明の第1実施例の監視装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の第1実施例の監視装置の回路構成を示す回路図である。
図4】本発明の第2実施例の監視装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5】本発明の第2実施例の監視装置の回路構成を示す回路図である。
図6】本発明の第2実施例の監視装置の回路構成の変形例を示す回路図である。
図7】本発明の第3実施例の監視装置の構成を示す機能ブロック図である。
図8】本発明の第3実施例の監視装置の回路構成を示す回路図である。
図9】本発明の第4実施例の監視装置の構成を示す機能ブロック図である。
図10】本発明の第4実施例の監視装置の回路構成を示す回路図である。
図11】本発明の第5実施例の監視装置の構成を示す機能ブロック図である。
図12】本発明の第5実施例の監視装置の回路構成を示す回路図である。
図13】従来の空中線監視装置の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<監視システム>
本発明の実施例の監視装置を備える監視システム1の構成を示す機能ブロック図を図1に示す。
図1に示す監視システム1は、本発明の実施例の監視装置10を備えている。本発明の実施例の監視装置10は、高周波信号が入力されるRF入力端子11と、RF入力端子11から入力された高周波信号を出力するRF出力端子13と、RF入力端子11と前記RF出力端子13との間に挿入され、RF出力端子13からの反射波成分を検出して出力する端子を有するRF結合器12と、RF結合器12で検出された反射波成分に基づいてアラーム出力を出力する反射波成分を電源として動作する制御回路14と、制御回路14からのアラーム出力を出力する信号出力端子15とから構成されている。監視装置10は、電源を備えておらず、RF結合器12で検出された反射波成分を電源としてアラーム出力を生成している。すなわち、電源を必要としない監視装置とされている。
【0009】
本発明の実施例の監視装置10のRF入力端子11には、無線機20からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子13には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子11に入力された無線機20からの送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。なお、無線機20は送信機と受信機とを備えており、送信機から送信出力信号が出力されている。また、パッシブ機器21からの受信信号がRF出力端子13に入力されてRF結合器12を介してRF入力端子11から出力されて、無線機20の受信機に入力されている。
そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子13に入力されるようになる。RF結合器12は方向性結合器とされており、RF出力端子13からのパッシブ機器21の反射波成分が検出される。検出された反射波成分が有意なレベルの時に制御回路14はアラーム出力を生成し、信号出力端子15からアラーム出力が出力される。「有意なレベル」とは、パッシブ機器21とされるアンテナが断線したりフィルタに異常が生じる等のパッシブ機器21に異常が生じた際の反射波のレベルとされる。制御回路14で生成されて信号出力端子15から出力されるアラーム出力は接点信号とされており、この接点信号は、信号出力端子15に接続された接点監視部22で読み取られる。接点監視部22は、例えばテスターとされ接点信号がハイインピーダンス状態かローインピーダンス状態かを読み取ることができる。この場合、アラーム出力はローインピーダンス状態として信号出力端子15から出力され、接点監視部22で読み取られたインピーダンス状態が、ローインピーダンスの時にパッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。フィルタの異常とは、振動、衝撃、温度などの外部環境変化によって部品性能が変化し、特性が劣化することをいう。
接点監視部22で検知されたパッシブ機器21の動作状態を示す信号は、インターネット等の公衆回線23を通じて公衆回線に接続された状態監視部24が受け取って、動作状態を示す信号に基づいてパッシブ機器21の動作状態をディスプレイ等に表示することができる。このように、監視システム1では、電源を有していないパッシブ機器21の動作状態を、電源を持たない本発明の実施例の監視装置10により監視することができるようになる。
【0010】
<第1実施例の監視装置>
本発明の監視装置10における第1実施例の監視装置10-1の構成を示す機能ブロック図を図2に、本発明の第1実施例の監視装置10-1の回路構成を示す回路図を図3に示す。
図2に示す第1実施例の監視装置10-1は、高周波信号が入力されるRF入力端子11と、RF入力端子11から入力された高周波信号を出力するRF出力端子13と、RF入力端子11と前記RF出力端子13との間に挿入され、RF出力端子13からの反射波成分を検出して出力するRF結合器12と、RF結合器12で検出された反射波成分を整流する整流回路14aと、整流回路14aから出力される直流(DC)信号のレベルに応じてスイッチングされるスイッチ(SW)回路14bと、SW回路14bの接点信号をアラーム出力として出力する信号出力端子15とから構成されている。この場合、整流回路14aとSW回路14bとが制御回路14を構成している。監視装置10-1は、電源を備えておらず、RF結合器12で検出された反射波成分を電源として制御回路14がアラーム出力を生成している。すなわち、電源を必要としない監視装置とされている。
【0011】
本発明の第1実施例の監視装置10-1のRF入力端子11には、無線機20等からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子13には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子11に入力された送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子13に入力されるようになる。RF結合器12は方向性結合器とされており、RF出力端子13からのパッシブ機器21の反射波成分が検出される。検出された反射波成分は、制御回路14の整流回路14aに入力されて整流され、整流回路14aで整流されたDC信号はSW回路14bに供給される。このDC信号のレベルが有意なレベルの時にSW回路14bがオフからオンに遷移して、信号出力端子15から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が生成される。信号出力端子15のインピーダンス状態をテスターなどの接点監視部22で読み取ることにより、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、SW回路14bがオンされて信号出力端子15のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、SW回路14bがオフを維持して信号出力端子15のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
【0012】
図2に示す本発明の第1実施例の監視装置10-1を実現した回路構成が図3に示されている。
図3に示す本発明の第1実施例の監視装置10-1において、J1は高周波信号が入力されるRF入力端子11とされ、J2はRF入力端子J1から入力された高周波信号を出力するRF出力端子13とされ、U1は方向性結合器とされRF入力端子J1に接続された端子1とRF出力端子J2に接続された端子2と、RF出力端子J2からの反射波成分を検出して出力する端子3を有するRF結合器12とされている。方向性結合器U1の端子3にコンデンサC1の一端が接続され、コンデンサC1の他端はダイオードD1のアノードとダイオードD2のカソードに接続されている。ダイオードD1のカソードは、他端がアースされたコンデンサC2の一端およびフォトリレーPR1の端子1に接続され、ダイオードD2のアノードはアースされている。コンデンサC1,C2とダイオードD1,D2とにより倍電圧検波回路が構成されており、フォトリレーPR1の端子1には方向性結合器U1の端子3から出力される反射波成分のレベルに応じたDC信号が供給される。倍電圧検波回路は整流回路14aを構成し、フォトリレーPR1はSW回路14bを構成して制御回路14が構成されている。
【0013】
フォトリレーPR1は、LED等の発光素子とMOSFET等の受光素子で構成される半導体リレーであり、フォトリレーPR1の端子2はアースされ、端子3および端子4が接点出力とされている。この場合、フォトリレーPR1の端子1に供給されるDC信号のレベルが有意なレベルとされた時に発光素子が発光して受光素子がオフからオンに遷移するため、フォトリレーPR1の端子3および端子4の間のインピーダンス状態はローインピーダンス状態となる。また、フォトリレーPR1の端子1に供給されるDC信号のレベルが有意なレベルに達しない場合は発光素子が発光せず受光素子はオフを維持するため、フォトリレーPR1の端子3および端子4の間のインピーダンス状態はハイインピーダンス状態となる。CN1はコネクタとされフォトリレーPR1の接点3および接点4の接点信号を出力する信号出力端子14とされている。コネクタCN1にはテスター等の接点監視部22を接続することができる。このように、監視装置10-1は、電源を備えておらず、方向性結合器U1で検出された反射波成分でオン/オフされるフォトリレーPR1を備えている。すなわち、電源を必要としない監視装置とされている。
【0014】
図3に示す回路構成とされた第1実施例の監視装置10-1のRF入力端子J1には、無線機20等からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子J2には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子J1に入力された送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子J2に入力されるようになる。方向性結合器U1では、RF出力端子J2からのパッシブ機器21の反射波成分が検出されて端子3から検出される。検出された反射波成分は、コンデンサC1,C2とダイオードD1,D2とにより倍電圧検波回路で整流(検波)され、検波されたDC信号がフォトリレーPR1の端子1に供給される。このDC信号のレベルが有意なレベルの時にフォトリレーPR1がオフからオンに遷移して、コネクタCN1から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が生成される。コネクタCN1にテスターなどの接点監視部22を接続することで、コネクタCN1のインピーダンス状態を読み取ることができ、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、フォトリレーPR1がオンされてコネクタCN1のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、フォトリレーPR1がオフを維持してコネクタCN1のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
【0015】
<第2実施例の監視装置>
本発明の第2実施例の監視装置10-2の構成を示す機能ブロック図を図4に、本発明の第2実施例の監視装置10-2の回路構成を示す回路図を図5に示す。
図4に示す第2実施例の監視装置10-2は、図2に示す第1実施例の監視装置10-1の制御回路14において、整合回路14cとV/A制限回路14dとをさらに備えさせた構成とされている。整合回路14cは、RF結合器12と整流回路14aとの間に挿入されて、RF結合器12と整流回路14aとのインピーダンス整合を図っている。また、V/A制限回路14dは整流回路14aとSW回路14bとの間に挿入されて、SW回路14bに供給される電流の大きさを制限してSW回路14bに過大電流が流れて破壊されることを防止していると共に、整流回路14aから出力されるDC信号のレベルを調整して、SW回路14bの検知感度を調整している。他の構成は、第1実施例の監視装置10-1と同様とされているので、その説明は省略する。なお、第2実施例の監視装置10-2においても電源を必要としない監視装置とされている。
【0016】
本発明の第2実施例の監視装置10-2のRF入力端子11には、無線機20等からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子13には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子11に入力された送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子13に入力されるようになる。RF結合器12は方向性結合器とされており、RF出力端子13からのパッシブ機器21の反射波成分が検出される。検出された反射波成分は整合回路14cを介して整流回路14aに入力され、整流回路14aで整流されたDC信号はV/A制限回路14dを介してSW回路14bに供給され、DC信号のレベルが有意なレベルの時にSW回路14bがオフからオンに遷移して、信号出力端子15から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が出力される。DC信号のレベルが大きすぎる時はV/A制限回路14dによりSW回路14bに流れる電流が制限される。信号出力端子15のインピーダンス状態をテスターなどの接点監視部22で読み取ることにより、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、SW回路14bがオンされて信号出力端子15のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、SW回路14bがオフを維持して信号出力端子15のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
【0017】
図4に示す本発明の第2実施例の監視装置10-2を実現した回路構成が図5に示されている。
図5に示す本発明の第2実施例の監視装置10-2において、方向性結合器U1の端子3とコンデンサC1との間に直列接続されたインダクタンスL1とコンデンサC3とで整合回路14cが構成されている。また、ダイオードD1のカソードとアースとの間に接続された抵抗R1と、ダイオードD1のカソードとフォトリレーPR1の端子1との間に直列接続された抵抗R2とでV/A制限回路14dが構成されている。他の構成は、第1実施例の監視装置10-1と同様とされているので、その説明は省略する。
【0018】
第2実施例の監視装置10-2においても、フォトリレーPR1の端子1に供給されるDC信号のレベルが有意なレベルとされた時に発光素子が発光して受光素子がオフからオンに遷移するため、フォトリレーPR1の端子3および端子4の間のインピーダンス状態はローインピーダンス状態となる。また、フォトリレーPR1の端子1に供給されるDC信号のレベルが有意なレベルに達しない場合は発光素子が発光せず受光素子はオフを維持するため、フォトリレーPR1の端子3および端子4の間のインピーダンス状態はハイインピーダンス状態となる。なお、第2実施例の監視装置10-2も、電源を備えておらず、方向性結合器U1で検出された反射波成分でオン/オフされるフォトリレーPR1を備えている。すなわち、電源を必要としない監視装置とされている。
【0019】
図5に示す回路構成とされた第2実施例の監視装置10-2のRF入力端子J1には、無線機20等からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子J2には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子J1に入力された送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子J2に入力されるようになる。方向性結合器U1では、RF出力端子J2からのパッシブ機器21の反射波成分が検出されて端子3から検出される。検出された反射波成分は、インダクタンスL1とコンデンサC3との整合回路14cを介して倍電圧検波回路に入力されて整流(検波)され、検波されたDC信号がフォトリレーPR1の端子1に供給される。このDC信号のレベルが有意なレベルの時にフォトリレーPR1がオフからオンに遷移して、コネクタCN1から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が生成される。コネクタCN1にテスターなどの接点監視部22を接続することで、コネクタCN1のインピーダンス状態を読み取ることができ、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、フォトリレーPR1がオンされてコネクタCN1のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、フォトリレーPR1がオフを維持してコネクタCN1のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
なお、検波されたDC信号が大きすぎる場合は、一部の電流が抵抗R1を介してアースへ分流すると共に、フォトリレーPR1の端子1に供給される電流が抵抗R2により制限されるようになる。また、整流回路14aから出力されるDC信号が抵抗R1に流れて抵抗R1の両端に電圧が生じ、この電圧がフォトリレーPR1の端子1に供給されることから、抵抗R1によりフォトリレーPR1の検知感度を調整できるようになる。
【0020】
<第2実施例の監視装置の変形例>
本発明の第2実施例の監視装置10-2の回路構成の変形例を示す監視装置10-2’の回路図を図6に示す。
図6に示す第2実施例の変形例の監視装置10-2’の回路構成は、図5に示す第2実施例の監視装置10-2の回路構成において、方向性結合器U1がRF出力端子J2からのパッシブ機器21の反射波成分を検出して出力する端子3に加えて、RF入力端子J1に入力された送信出力信号を検出して出力する端子4を備えている回路構成とされている。他の構成は、第2実施例の監視装置10-2と同様とされているので、その説明は省略する。なお、方向性結合器U1の端子4は終端用の抵抗R5の一端に接続され、抵抗R5の他端はアースされており、第2実施例の変形例の監視装置10-2’においても電源を必要としない監視装置とされている。
【0021】
<第3実施例の監視装置>
本発明の第3実施例の監視装置10-3の構成を示す機能ブロック図を図7に、本発明の第3実施例の監視装置10-3の回路構成を示す回路図を図8に示す。
図7に示す第3実施例の監視装置10-3は、図4に示す第2実施例の監視装置10-2において、RF結合器12がRF出力端子13からのパッシブ機器21の反射波成分を検出して出力する端子に加えて、RF入力端子11に入力された送信出力信号を進行波成分として検出して出力する第2の端子を備えている構成とされ、第2の端子に整流回路41と表示手段とされるパイロットランプ(PL)42とが直列に接続された構成とされている。整流回路41では、第2の端子から出力された送信出力信号が整流されてDC信号とされ、このDC信号によりPL42が点灯される。これにより、RF入力端子11に送信出力信号が入力されている時は、PL42が点灯して第3実施例の監視装置10-3に送信出力信号が入力されていることが分かる。他の構成は、第2実施例の監視装置10-2と同様とされているので、その説明は省略する。なお、第3実施例の監視装置10-3においても電源を必要としない監視装置とされている。
【0022】
RF結合器12において検出されたRF出力端子13からの反射波成分を整流したDC信号のレベルが有意なレベルの時にSW回路14bがオフからオンに遷移して、信号出力端子15から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が出力される。信号出力端子15のインピーダンス状態をテスターなどの接点監視部22で読み取ることにより、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、SW回路14bがオンされて信号出力端子15のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、SW回路14bがオフを維持して信号出力端子15のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
【0023】
図7に示す本発明の第3実施例の監視装置10-3を実現した回路構成が図8に示されている。
図8に示す本発明の第3実施例の監視装置10-3において、RF入力端子J1に入力された送信出力信号を検出して進行波成分として出力する方向性結合器U1の端子4にはコンデンサC4の一端が接続され、コンデンサC4の他端はダイオードD3のアノードとダイオードD4のカソードに接続されている。ダイオードD3のカソードは、他端がアースされたコンデンサC5の一端およびLED(light emitting diode)1のアノードに接続され、LED1のカソードはアースされている。コンデンサC4,C5とダイオードD3,D4とにより倍電圧検波回路が構成されており、LED1のアノードには方向性結合器U1の端子4から出力される送信出力信号を整流したDC信号が供給される。これにより、RF入力端子J1に無線機20からの送信出力信号が入力されている時は、LED1が点灯してLED1はRF入力端子J1に無線機20からの送信出力信号が入力されていることを示すパイロットランプとして機能する。
【0024】
図8に示す回路構成とされた第3実施例の監視装置10-3のRF入力端子J1には、無線機20等からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子J2には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子J1に入力された送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子J2に入力されるようになる。方向性結合器U1では、RF出力端子J2からのパッシブ機器21の反射波成分が検出されて端子3から検出される。検出された反射波成分は、インダクタンスL1とコンデンサC3との直列回路を介して倍電圧検波回路に入力されて整流(検波)され、検波されたDC信号がフォトリレーPR1の端子1に供給される。このDC信号のレベルが有意なレベルの時にフォトリレーPR1がオフからオンに遷移して、コネクタCN1から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が出力される。コネクタCN1にテスターなどの接点監視部22を接続することで、コネクタCN1のインピーダンス状態を読み取ることができ、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、フォトリレーPR1がオンされてコネクタCN1のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、フォトリレーPR1がオフを維持してコネクタCN1のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
なお、第3実施例の監視装置10-3も、電源を備えておらず、方向性結合器U1で検出された反射波成分でオン/オフされるフォトリレーPR1を備えている。また、PL42とされるLED1は方向性結合器U1で検出された送信出力信号で点灯される。すなわち、電源を必要としない監視装置とされている。
【0025】
<第4実施例の監視装置>
本発明の第4実施例の監視装置10-4の構成を示す機能ブロック図を図9に、本発明の第4実施例の監視装置10-4の回路構成を示す回路図を図10に示す。
図9に示す第4実施例の監視装置10-4は、図1に示す第1実施例の監視装置10-1において、RF結合器12がRF出力端子13からのパッシブ機器21の反射波成分を検出して出力する第1の端子に加えて、RF入力端子11に入力された送信出力信号を進行波成分として検出して出力する第2の端子を備えている構成とされ、第2の端子から出力された進行波成分を整流する整流回路41と、RF結合器12により検出された反射波成分と整流回路41からの進行波成分とのレベルを比較する比較回路14eを備えている。比較回路14eは、RF結合器12の第2の端子から出力される進行波成分を整流する整流回路41から出力されるDC信号のDC電圧に基づいて生成された基準値と、RF結合器12の第1の端子から出力される反射波成分を整流する整流回路14aから出力されるDC信号のレベルとを比較している。反射波成分のレベルが有意なレベルに達して基準値を超えた際に、比較回路14eの出力が反転してSW回路14bがオフからオンに遷移する。他の構成は、第1実施例の監視装置10-1と同様とされているので、その説明は省略する。なお、第4実施例の監視装置10-4においても電源を必要としない監視装置とされている。
【0026】
第4実施例の監視装置10-4において、SW回路14bがオフからオンに遷移すると、信号出力端子15から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が出力される。信号出力端子15のインピーダンス状態をテスターなどの接点監視部22で読み取ることにより、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、SW回路14bがオンされて信号出力端子15のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知される。また、反射波成分のレベルが有意なレベルに達しておらず反射波成分のレベルが基準値を超えない場合は、比較回路14eの出力は反転せずSW回路14bがオフを維持して、信号出力端子15のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られ、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
【0027】
図9に示す本発明の第4実施例の監視装置10-4を実現した回路構成が図10に示されている。
図10に示す本発明の第4実施例の監視装置10-4において、RF入力端子J1に入力された送信出力信号を検出して進行波成分として出力する方向性結合器U1の端子4にはコンデンサC4の一端が接続され、コンデンサC4の他端はダイオードD3のアノードとダイオードD4のカソードに接続されている。ダイオードD3のカソードは、他端がアースされたコンデンサC5の一端および抵抗R3の一端に接続され、抵抗R3の他端は他端がアースされた抵抗R4の一端に接続されて、抵抗R3と抵抗R4とは直列に接続されている。コンデンサC4,C5とダイオードD3,D4とにより倍電圧検波回路が構成されており、倍電圧検波回路から進行波成分のレベルに応じたDC信号が出力されている。このDC信号のDC電圧は、比較回路14eを構成するコンパレータ(COMP)の動作電源としてCOMPに供給される。また、抵抗R3と抵抗R4との接続点がCOMPの反転入力端子(-)とされる端子4に接続されて、抵抗R3と抵抗R4とで分圧されて生成された進行波成分のレベルに応じた基準電圧がCOMPの端子4に入力されている。また、コンデンサC1,C2とダイオードD1,D2とにより構成された倍電圧検波回路から出力される反射波成分のレベルに応じたDC信号が、COMPの非反転入力端子(+)とされる端子3に入力されている。COMPは、端子3に入力された電圧が端子4に入力された電圧より低い際には端子1とされる出力端子の出力レベルはローレベルとなっているが、端子3に入力された電圧が端子4に入力された電圧を上回った際に、端子1の出力信号がハイレベルとなる。COMPの出力端子である端子1はフォトリレーPR1の端子1に接続されており、COMPの端子1とされる出力端子の出力レベルがハイレベルとなった際に、フォトリレーPR1はオフからオンに遷移される。
【0028】
図10に示す回路構成とされた第4実施例の監視装置10-4のRF入力端子J1には、無線機20等からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子J2には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子J1に入力された送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子J2に入力されるようになる。方向性結合器U1では、RF入力端子J1から入力された送信出力信号が検出されて進行波成分として端子4から出力されると共に、RF出力端子J2からのパッシブ機器21の反射波成分が検出されて端子3から出力される。方向性結合器U1の端子4から出力された進行波成分は、コンデンサC4,C5とダイオードD3,D4とからなる倍電圧検波回路に入力されて整流(検波)され、検波されたDC信号は抵抗R3と抵抗R4により分圧されて基準電圧が生成され、基準電圧はCOMPの端子4に入力される。また、方向性結合器U1の端子3から出力された反射波成分は、コンデンサC1,C2とダイオードD1,D2とからなる倍電圧検波回路に入力されて整流(検波)され、検波されたDC信号がCOMPの端子3に入力される。COMPにおいて、端子3に入力された電圧が端子4に入力された電圧を上回った際、すなわち、反射波成分のレベルに基づくDC信号のレベルが有意なレベルに達した際に、端子1の出力信号がハイレベルとなる。これにより、フォトリレーPR1がオフからオンに遷移して、コネクタCN1から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が出力される。コネクタCN1にテスターなどの接点監視部22を接続することで、コネクタCN1のインピーダンス状態を読み取ることができ、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、フォトリレーPR1がオンされてコネクタCN1のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、フォトリレーPR1がオフを維持してコネクタCN1のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
なお、第4実施例の監視装置10-4も、電源を備えておらず、方向性結合器U1で検出された進行波成分または反射波成分を電源として動作する制御回路14およびオン/オフされるフォトリレーPR1を備えている。すなわち、電源を必要としない監視装置とされている。
さらに、第4実施例の監視装置10-4において、抵抗R3と抵抗R4とにより生成される基準電圧の値は、反射波成分のレベルが有意なレベルに達した際に、COMPが遷移する値に設定される。
さらにまた、フォトリレーPR1の端子1のレベルがローレベルの時にオンし、ハイレベルの時にオフするタイプのフォトリレーPR1とされている場合は、COMPの端子3(非反転入力端子)に基準電圧を入力し、COMPの端子4(反転入力端子)に反射波成分を検波したDC信号を入力するようにする。
【0029】
<第5実施例の監視装置>
本発明の第5実施例の監視装置10-5の構成を示す機能ブロック図を図11に、本発明の第5実施例の監視装置10-5の回路構成を示す回路図を図12に示す。
図11に示す第5実施例の監視装置10-5は、図9に示す第4実施例の監視装置10-4において、整合回路14cと、整合回路14fおよび安定化回路14gと、V/A制限回路14dとをさらに備えさせた構成とされている。整合回路14cは、RF結合器12の第1の端子と整流回路14aとの間に挿入されて、RF結合器12の第1の端子と整流回路14aとのインピーダンス整合を図っており、整合回路14fは、RF結合器12の第2の端子と整流回路41との間に挿入されて、RF結合器12の第2の端子と整流回路41とのインピーダンス整合を図っている。また、安定化回路14gは整流回路41と比較回路14eとの間に挿入されて、整流回路41から出力されるDC信号のDC電圧の安定化を図っており、比較回路14eに安定した基準電圧および動作電源を供給できるようにしている。V/A制限回路14dは比較回路14eとSW回路14bとの間に挿入されて、SW回路14bに供給される電流の大きさを制限してSW回路14bに過大電流が流れて破壊されることを防止していると共に、比較回路14eから出力されるDC信号のレベルを調整して、SW回路14bの検知感度を調整している。他の構成は、第4実施例の監視装置10-4と同様とされているので、その説明は省略する。なお、第5実施例の監視装置10-5においても電源を必要としない監視装置とされている。
【0030】
第5実施例の監視装置10-5において、反射波成分のレベルが有意なレベルとされて基準値を超えた際に、比較回路14eの出力が反転してSW回路14bがオフからオンに遷移する。SW回路14bがオフからオンに遷移すると、信号出力端子15から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が出力される。信号出力端子15のインピーダンス状態をテスターなどの接点監視部22で読み取ることにより、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、SW回路14bがオンされて信号出力端子15のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知される。また、反射波成分のレベルが低くて反射波成分のレベルが基準値を超えない場合は、比較回路14eの出力は反転せずSW回路14bがオフを維持して、信号出力端子15のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られ、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
【0031】
図11に示す本発明の第5実施例の監視装置10-5を実現した回路構成が図12に示されている。
図12に示す本発明の第5実施例の監視装置10-5において、方向性結合器U1の第1の端子とされる端子3とコンデンサC1との間に直列接続されたインダクタンスL1とコンデンサC3とで構成された整合回路14cが接続されている。また、方向性結合器U1の第2の端子とされる端子4とコンデンサC4との間に直列接続されたインダクタンスL2とコンデンサC6とで構成された整合回路14fが接続されている。さらに、コンデンサC5の一端と抵抗R3の一端との間に安定化回路14gとされるREGとコンデンサC7とが接続されている。具体的には、REGの入力端子(In)はコンデンサC5の一端に接続され、REGの出力端子(Out)は他端がアースされたコンデンサC7の一端および抵抗R3の一端に接続され、REGのGND端子はアースされている。REGは、例えば定電圧素子とされて、コンデンサC4,C5とダイオードD3,D4からなる倍電圧検波回路から出力される進行波成分に基づくDC信号のDC電圧を安定化している。これにより、RF入力端子J1に、無線機20等からの送信出力信号が入力されている時は、COMPの端子4に入力される基準電圧は定電圧化されるようになる。また、COMPには定電圧化された動作電源が供給され安定に動作するようになる。さらにまた、COMPの端子1とアースとの間に接続された抵抗R1と、COMPの端子1とフォトリレーPR1の端子1との間に直列接続された抵抗R2とでV/A制限回路14dが構成されている。他の構成は、第4実施例の監視装置10-4と同様とされているので、その説明は省略する。
【0032】
図12に示す回路構成とされた第5実施例の監視装置10-5のRF入力端子J1には、無線機20等からの送信出力信号が高周波信号として入力され、RF出力端子J2には、アンテナやフィルタ等のパッシブ機器21が接続されて、RF入力端子J1に入力された送信出力信号がパッシブ機器21に供給される。そして、パッシブ機器21に供給された送信出力信号のパッシブ機器21による反射波はRF出力端子J2に入力されるようになる。方向性結合器U1では、RF入力端子J1から入力された送信出力信号が検出されて進行波成分として端子4から出力されると共に、RF出力端子J2からのパッシブ機器21の反射波成分が検出されて端子3から出力される。方向性結合器U1の端子4から出力された進行波成分は、インダクタンスL2とコンデンサC6との整合回路14fを介してコンデンサC4,C5とダイオードD3,D4とからなる倍電圧検波回路に入力されて整流(検波)され、検波されたDC信号はREGのInに入力されて、Outから安定化されたDC電圧とされたDC信号が出力される。安定化されたDC信号は、抵抗R3と抵抗R4により分圧されて基準電圧が生成され、基準電圧はCOMPの端子4に入力される。また、方向性結合器U1の端子3から出力された反射波成分は、インダクタンスL1とコンデンサC3との整合回路14cを介してコンデンサC1,C2とダイオードD1,D2とからなる倍電圧検波回路に入力されて整流(検波)され、検波されたDC信号がCOMPの端子3に入力される。
【0033】
COMPにおいて、端子3に入力された電圧が端子4に入力された電圧を上回った際、すなわち、反射波成分のレベルが有意なレベルに達した際に、端子1の出力信号がハイレベルとなる。これにより、フォトリレーPR1がオフからオンに遷移して、コネクタCN1から接点信号がオン、すなわちローインピーダンス状態のアラーム出力が出力される。コネクタCN1にテスターなどの接点監視部22を接続することで、コネクタCN1のインピーダンス状態を読み取ることができ、パッシブ機器21とされるアンテナの断線やフィルタの異常を検知することができる。この場合、フォトリレーPR1がオンされてコネクタCN1のインピーダンス状態がローインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナの断線あるいはフィルタの異常との動作状態が検知され、フォトリレーPR1がオフを維持してコネクタCN1のインピーダンス状態がハイインピーダンス状態と読み取られた場合は、パッシブ機器21とされるアンテナやフィルタの動作状態は正常と検知される。
なお、COMPの端子1から出力されるDC信号が大きすぎる場合は、一部の電流が抵抗R1を介してアースへ分流すると共に、フォトリレーPR1の端子1に供給される電流が抵抗R2により制限されるようになる。また、整流回路14aから出力されるDC信号が抵抗R1に流れて抵抗R1の両端に電圧が生じ、この電圧がフォトリレーPR1の端子1に供給されることから、抵抗R1によりフォトリレーPR1の検知感度を調整できるようになる。また、第5実施例の監視装置10-5も、電源を備えておらず、方向性結合器U1で検出された進行波成分または反射波成分を電源として動作する制御回路14およびオン/オフされるフォトリレーPR1を備えている。すなわち、電源を必要としない監視装置とされている。
さらに、第5実施例の監視装置10-5において、抵抗R3と抵抗R4とにより生成される基準電圧の値は、反射波成分のレベルが有意なレベルとされた際に、COMPが遷移する値に設定される。
さらにまた、フォトリレーPR1の端子1のレベルがローレベルの時にオンし、ハイレベルの時にオフするタイプのフォトリレーPR1とされている場合は、COMPの端子3(非反転入力端子)に基準電圧を入力し、COMPの端子4(反転入力端子)に反射波成分を検波したDC信号を入力するようにする。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の実施例にかかる監視装置は、無線機の出力からアンテナの入力までのフィルタ・避雷器・アンテナ等のパッシブ機器の前段に配置することができる。
本発明の実施例にかかる監視装置は、無線機からの送信出力信号の反射波を整流し、反射波を整流したDC信号をパッシブ機器の状態監視や警報出力回路の電力として活用している。なお、本明細書においては、「整流」と「検波」を同義語として扱っている。また、パッシブ機器を監視した情報の出力端子を有し、その出力端子の状態を監視することで、パッシブ機器の動作状態を知ることができるようになる。このように、外部電源を必要としないことから、現状のシステムに本発明の実施例にかかる監視装置を追加することで、監視装置の後段のパッシブ機器の監視を簡単に行うことができるようになる。
以上説明した本発明の実施例の監視装置は、SW回路としてフォトリレーを用いていたが、これに限ることはなくトランジスタやFETの半導体スイッチを用いてもよい。また、整流回路として倍電圧検波回路を採用していたが、これに限ることはなく半波整流回路や全波整流回路としてもよい。また、倍電圧検波回路における出力側のコンデンサ(C2,C5)を省略するようにしてもよい。さらに、反射波を整流したDC信号で点灯するLED等の別の表示手段を設けることにより、パッシブ機器に異常がある時に別の表示手段が点灯することから、別の表示手段によりパッシブ機器の異常を表示することができるようになる。
【0035】
以上説明した本発明の実施例の監視装置は、検出された反射波成分が有意なレベルに達した際にSW回路がオフからオンに遷移して接点がローインピーダンスのアラーム出力を信号出力し、有意なレベルに達しない時は正常時としてSW回路はオフを維持して接点がハイインピーダンスの信号出力を出力するようにしたが、これに限ることはなく、検出された反射波成分が有意なレベルの時にSW回路がオフからオンに遷移して接点がハイインピーダンスのアラーム出力を信号出力し、有意なレベルに達しない時は正常時としてSW回路はオフを維持して接点がローインピーダンスの信号出力を出力するようにしてもよい。この場合は、接点監視部で読み取られたインピーダンス状態がハイインピーダンスの時に、パッシブ機器が異常であることを検知することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 監視システム、10,10-1,10-2,10-2’,10-3 監視装置、11,J1 RF入力端子、12 RF結合器、13,J2 RF出力端子、14 制御回路、14a 整流回路、14b SW回路、14c 整合回路、14d V/A制限回路、14g 安定化回路、15 信号出力端子、20 無線機、21 パッシブ機器、22 接点監視部、23 公衆回線、24 状態監視部、41 整流回路、42 PL、CN1 コネクタ、U1 方向性結合器、PR1 フォトリレー、COMP 比較回路、REG 安定化回路、100 空中線監視装置、101 無線送信機、102 方向性結合器、103 空中線、104 空中線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13