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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】情報提供装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241028BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20241028BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0241
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020081232
(22)【出願日】2020-05-01
(65)【公開番号】P2021176041
(43)【公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-03-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519207882
【氏名又は名称】株式会社DeNA SOMPO Mobility
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 光
(72)【発明者】
【氏名】内津 基治
(72)【発明者】
【氏名】松井 崇幸
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185619(JP,A)
【文献】特開2010-277583(JP,A)
【文献】特開2019-034684(JP,A)
【文献】特開2003-008491(JP,A)
【文献】特開2003-016590(JP,A)
【文献】特開2018-028850(JP,A)
【文献】特開2018-120596(JP,A)
【文献】特開2012-168810(JP,A)
【文献】特開2019-185136(JP,A)
【文献】特開2019-168826(JP,A)
【文献】特開2019-164468(JP,A)
【文献】特開2017-076262(JP,A)
【文献】国際公開第2012/108004(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェアリング用車両に関する情報を情報端末に提供する情報提供装置であって、
シェアリング可能な車両として登録された、複数の個人それぞれが保有する個人車両を特定するための複数の個人車両情報と、複数の法人それぞれが保有する法人車両を特定するための複数の法人車両情報とを記憶部に記憶させる車両管理部と、
前記記憶部に記憶された前記複数の個人車両情報に対応する複数の前記個人車両及び前記複数の法人車両情報に対応する複数の前記法人車両から、シェアリングに使用するシェアリング用車両を選択するための選択画面を前記情報端末に表示させる表示制御部と、
前記選択画面に前記法人車両を選択するための情報を表示させることに対する費用を前記法人に請求し、前記法人車両が前記シェアリング用車両として選択された場合に、選択された前記法人車両を使用するユーザから徴収した車両使用料の一部を選択された前記法人車両を保有する前記法人に支払う費用処理部と、
を有し、
前記費用処理部は、選択された前記法人車両を保有する前記法人がシェアリング可能な前記法人車両として前記記憶部に前記法人車両情報が記憶されている前記法人車両の台数に基づいて、前記車両使用料のうち選択された前記法人車両を保有する前記法人に支払う割合を決定する情報提供装置。
【請求項2】
前記車両管理部は、前記選択画面において前記法人車両が検索された履歴である検索履歴、前記法人車両が前記シェアリング用車両として選択された履歴である選択履歴、又は前記法人車両を前記シェアリング用車両として使用したユーザの満足度の少なくともいずれかを前記法人車両情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、前記検索履歴、前記選択履歴又は前記満足度の少なくともいずれかを示す情報を前記法人に提供する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記法人車両を使用したユーザの情報端末に、当該ユーザが使用した前記法人車両に関する広告を表示させる、
請求項1又は2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記選択画面において前記法人車両を検索したユーザの情報端末に、当該法人車両を保有する前記法人に関連する広告を表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記費用処理部は、前記選択画面に表示された前記広告をユーザが閲覧した場合に、当該ユーザが閲覧した前記広告に関連する前記法人が保有する前記法人車両の使用料を、当該ユーザが前記法人に関連する前記広告を閲覧しなかった場合の車両使用料よりも安く算出する、
請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、シェアリング可能な前記法人車両の台数に基づいて、前記法人車両を保有する前記法人に関連する前記広告の表示方法を変化させる、
請求項5に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、シェアリング可能な前記法人車両の台数が多い場合に、シェアリング可能な前記法人車両の台数が少ない場合よりも前記広告の表示頻度を高くする、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、ユーザが前記個人車両を検索するための個人車両検索画面と、ユーザが前記法人車両を検索するための法人車両検索画面とを切り替え可能に表示させる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する、シェアリング用車両に関する情報を情報端末に提供するための情報提供方法であって、
シェアリング可能な車両として登録された、複数の個人それぞれが保有する個人車両を特定するための複数の個人車両情報と、複数の法人それぞれが保有する法人車両を特定するための複数の法人車両情報とを記憶部に記憶させるステップと、
前記記憶部に記憶された前記複数の個人車両情報に対応する複数の前記個人車両及び前記複数の法人車両情報に対応する複数の前記法人車両から、シェアリングに使用するシェアリング用車両を選択するための選択画面を前記情報端末に表示させるステップと、
前記選択画面に前記法人車両を選択するための情報を表示させることに対する費用を前記法人に請求するステップと、
前記法人車両が前記シェアリング用車両として選択されたことに応じて、選択された前記法人車両を使用するユーザから徴収した車両使用料の一部を選択された前記法人車両を保有する前記法人に支払うステップと、
を有し、
前記法人に支払うステップにおいて、選択された前記法人車両を保有する前記法人がシェアリング可能な前記法人車両として前記記憶部に前記法人車両情報が記憶されている前記法人車両の台数に基づいて、前記車両使用料のうち選択された前記法人車両を保有する前記法人に支払う割合を決定する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェアリング可能な車両に関する情報を提供する情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を個人間で共同使用するためのシェアリングサービスが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-102079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシェアリングサービスにおいてシェアリングできる車両は、個人が所有する車両のみであった。したがって、最新の車両をシェアリングすることは困難であり、最新の車両に乗ってみたいユーザは、新車を販売するディーラーの店舗に行く必要があった。そこで、個人が保有する車両、ディーラー等の法人が保有する車両によらず、ユーザが乗りたい車両に手軽に乗れるようにすることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一例として、ユーザがさまざまな車両に手軽に乗れるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報提供装置は、シェアリング用車両に関する情報を情報端末に提供する情報提供装置であって、個人が保有する個人車両を特定するための複数の個人車両情報と、法人が保有する法人車両を特定するための複数の法人車両情報とを記憶部に記憶させる車両管理部と、前記記憶部に記憶された前記複数の個人車両情報に対応する複数の前記個人車両及び前記複数の法人車両情報に対応する複数の前記法人車両から、シェアリングに使用するシェアリング用車両を選択するための選択画面を前記情報端末に表示させる表示制御部と、前記選択画面に前記法人車両を選択するための情報を表示させることに対する費用を前記法人に請求する費用処理部と、を有する。
【0007】
前記費用処理部は、前記法人車両が前記シェアリング用車両として選択された場合に、前記法人車両を使用するユーザから徴収した車両使用料の一部を前記法人に支払ってもよい。
【0008】
前記車両管理部は、前記選択画面において前記法人車両が検索された履歴である検索履歴、前記法人車両が前記シェアリング用車両として選択された履歴である選択履歴、又は前記法人車両を前記シェアリング用車両として使用したユーザの満足度の少なくともいずれかを前記法人車両情報に関連付けて前記記憶部に記憶させ、前記検索履歴、前記選択履歴又は前記満足度の少なくともいずれかを示す情報を前記法人に提供してもよい。
【0009】
前記表示制御部は、前記法人車両を使用したユーザの情報端末に、当該ユーザが使用した前記法人車両に関する広告を表示させてもよい。
【0010】
前記表示制御部は、前記選択画面において前記法人車両を検索したユーザの情報端末に、当該法人車両を保有する前記法人に関連する広告を表示させてもよい。
【0011】
前記費用処理部は、前記選択画面に表示された前記広告をユーザが閲覧した場合に、当該ユーザが閲覧した前記広告に関連する前記法人が保有する前記法人車両の使用料を、当該ユーザが前記法人に関連する前記広告を閲覧しなかった場合の車両使用料よりも安く算出してもよい。
【0012】
前記表示制御部は、シェアリング可能な前記法人車両の台数に基づいて、前記法人車両を保有する前記法人に関連する前記広告の表示方法を変化させてもよい。
【0013】
前記表示制御部は、シェアリング可能な前記法人車両の台数が多い場合に、シェアリング可能な前記法人車両の台数が少ない場合よりも前記広告の表示頻度を高くしてもよい。
【0014】
前記表示制御部は、ユーザが前記個人車両を検索するための個人車両検索画面と、ユーザが前記法人車両を検索するための法人車両検索画面とを切り替え可能に表示させてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報提供方法は、コンピュータが実行する、シェアリング用車両に関する情報を情報端末に提供するための情報提供方法であって、個人が保有する個人車両を特定するための複数の個人車両情報と、法人が保有する法人車両を特定するための複数の法人車両情報とを記憶部に記憶させるステップと、前記記憶部に記憶された前記複数の個人車両情報に対応する複数の前記個人車両及び前記複数の法人車両情報に対応する複数の前記法人車両から、シェアリングに使用するシェアリング用車両を選択するための選択画面を前記情報端末に表示させるステップと、前記選択画面に前記法人車両を選択するための情報を表示させることに対する費用を前記法人に請求するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、一例として、ユーザがさまざまな車両に手軽に乗れるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】シェアリング情報提供システムの概要を示す図である。
図2】情報提供装置の機能構成を示す図である。
図3】表示制御部が情報端末に表示させる選択画面の一例を示す図である。
図4】ユーザが車両を選択した後に表示される画面の一例である。
図5】情報提供装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[シェアリング情報提供システムSの概要]
図1は、シェアリング情報提供システムSの概要を示す図である。シェアリング情報提供システムSは、車両のシェアリングサービスを提供するためのシステムである。シェアリング情報提供システムSは、車両のオーナーからシェアリング用車両の登録を受け付け、シェアリング用車両の使用を希望するユーザUが、使用する車両を選択できるようにする。
【0019】
シェアリング情報提供システムSは、情報提供装置1及び情報端末2により構成される。情報提供装置1は、シェアリング用車両に関する情報を情報端末2に提供するためのコンピュータであり、例えば、シェアリングサービスを提供する事業者が管理する。情報提供装置1は、シェアリングサービスを提供するための各種の情報をシェアリング用車両のオーナー及びユーザUに提供する。
【0020】
情報端末2は、シェアリング用車両を使用するユーザUが使用する端末であり、通信ネットワークを介して情報提供装置1にアクセスすることにより、使用するシェアリング用車両を予約することができる。情報端末2は、例えばスマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータである。図1においては1台の情報端末2が示されているが、シェアリング情報提供システムSにおいては、多数のユーザUの多数の情報端末2が情報提供装置1にアクセスすることが想定されている。
【0021】
図1に示すように、シェアリング用車両を所有している個人オーナーH1は、自身が所有している個人車両をシェアリング用車両として情報提供装置1に登録することができる。シェアリング用車両を所有している法人車両提供者H2は、法人が管理している法人車両をシェアリング用車両として情報提供装置1に登録することができる。法人車両提供者H2は、例えば車両を販売しているディーラー又はメーカーである。
【0022】
情報提供装置1は、シェアリング用車両を選択するためのサイトにアクセスしてきた情報端末2に対して、使用する車両を選択するための選択画面を提供する。ユーザUが、選択画面において使用する車両を選択する操作をすると、情報端末2は、ユーザUが選択したシェアリング用車両を特定するための情報を情報提供装置1に送信する処理を実行する。
【0023】
シェアリング情報提供システムSにおいて、情報提供装置1は、法人車両提供者H2が法人車両を情報提供装置1に登録し、選択画面に法人車両を選択するための情報を表示させることに対する費用を法人車両提供者H2に請求する処理を実行する。情報提供装置1は、ユーザUが法人車両を選択した場合に、法人車両提供者H2の広告を情報端末2に提供する。広告には、ユーザUが選択した法人車両に関連する車種の紹介、ユーザUの近隣の販売店からの販売提案、又はキャンペーン情報等が含まれる。
【0024】
また、情報提供装置1は、選択画面において法人車両が検索された履歴、法人車両がシェアリング用車両として選択された履歴、又は法人車両をシェアリング用車両として使用したユーザUの満足度等の情報を法人車両提供者H2に提供する。情報提供装置1は、法人車両を検索したユーザUの年齢、性別、居住地等の属性を含む履歴を法人車両提供者H2に提供してもよい。
【0025】
以上のようにシェアリング情報提供システムSにおいては個人車両とともに法人車両がシェアリングの対象となるため、ユーザUにとってみると、車両のディーラー等の法人車両提供者H2が所有する最新の車両に手軽に乗る機会を得ることが可能になる。一方、法人車両提供者H2にとっては、自社が販売する車両に試乗してもらう機会を増やしたり、潜在顧客となるユーザUに関する情報を取得して販売戦略に活かしたり、自社の車両に関心を持っているユーザUに広告を提供して宣伝効果を高めたりすることができる。
以下、情報提供装置1の構成及び動作を詳細に説明する。
【0026】
[情報提供装置1の構成]
図2は、情報提供装置1の機能構成を示す図である。情報提供装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。制御部13は、車両管理部131と、表示制御部132と、費用処理部133と、を有する。
【0027】
通信部11は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、情報端末2との間でデータを送受信する。通信部11は、情報端末2から受信したデータを制御部13に通知し、制御部13から入力されたデータを情報端末2に送信する。
【0028】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部12は、シェアリング用車両として登録された車両の情報を記憶する。また、記憶部12は、選択画面において法人車両が検索された履歴である検索履歴、法人車両がシェアリング用車両として選択された履歴である選択履歴、又は法人車両をシェアリング用車両として使用したユーザUの満足度の少なくともいずれかを法人車両情報に関連付けて記憶する。さらに、記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶する。
【0029】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、車両管理部131、表示制御部132及び費用処理部133として機能する。
【0030】
車両管理部131は、例えば表示制御部132を介して、シェアリング用車両を登録するための画面を個人オーナーH1及び法人車両提供者H2のコンピュータに表示させ、個人オーナーH1及び法人車両提供者H2による車両の登録を受け付ける。車両管理部131は、登録を受け付けた場合に、個人オーナーH1が保有する個人車両を特定するための複数の個人車両情報と、法人車両提供者H2が保有する法人車両を特定するための複数の法人車両情報とを記憶部12に記憶させる。
【0031】
また、車両管理部131は、車両をシェアリングするスケジュールを管理する。具体的には、車両管理部131は、車両を特定するための識別情報に関連付けて、シェアリングされる予定の日時、及びシェアリングをするユーザUを識別するためのユーザ識別情報を記憶部12に記憶させる。
【0032】
さらに、車両管理部131は、ユーザUがシェアリングする車両を選択するための画面において検索された履歴を管理する。具体的には、車両管理部131は、法人車両が検索された履歴である検索履歴、法人車両がシェアリング用車両として選択された履歴である選択履歴、又は法人車両をシェアリング用車両として使用したユーザの満足度の少なくともいずれかを法人車両情報に関連付けて記憶部12に記憶させる。そして、車両管理部131は、検索履歴、選択履歴又は満足度の少なくともいずれかを示す情報を法人車両提供者H2に提供する。法人車両提供者H2は、これらの情報を取得することにより、シェアリング用車両として登録している車両に関するフィードバックを得て、販売戦略に活用することができる。
【0033】
表示制御部132は、通信部11を介して、各種の情報を情報端末2に表示させる。表示制御部132は、例えば、記憶部12に記憶された複数の個人車両情報に対応する複数の個人車両及び複数の法人車両情報に対応する複数の法人車両から、シェアリングに使用するシェアリング用車両を選択するための選択画面を情報端末2に表示させる。
【0034】
図3は、表示制御部132が情報端末2に表示させる選択画面の一例を示す図である。図3(a)は、情報端末2を使用するユーザUがシェアリングサービスを利用するためのサイトにアクセスした際に表示される選択画面である。表示制御部132は、ユーザが個人車両を検索するための個人車両検索画面と、ユーザが法人車両を検索するための法人車両検索画面とを切り替え可能に表示させる。
【0035】
図3(a)に示す選択画面においては、シェアリング用車両を検索するための複数の方法として、「場所から探す」、「メーカーから探す」、「オーナー種別から探す」が表示されており、「オーナー種別から探す」が選択された状態になっている。この状態で、ユーザUは、個人オーナーH1のシェアリング用車両を使用するか法人車両提供者H2のシェアリング用車両を使用するかを選択することができる。表示制御部132が、このように個人車両検索画面と法人車両検索画面とを切り替え可能に表示させることで、法人車両提供者H2が登録している最新の車種に試乗したいユーザUが、容易に法人車両を選択することが可能になる。
【0036】
図3(b)は、図3(a)の画面において「法人」が選択された後に表示される画面の一例である。図3(b)においては、シェアリング用車両を登録している複数の法人の名称が表示されている。ユーザUは、表示されている複数の法人から所望の法人を選択することができる。
【0037】
図3(c)は、図3(b)の画面において「ABC車両販売」が選択された後に表示される画面の一例である。図3(c)においては、「ABC車両販売」がシェアリング用車両として登録している車両名が表示されている。また、図3(c)においては、「ABC車両販売」が提供している広告Aも表示されている。このように、表示制御部132は、選択画面において法人車両を検索したユーザUの情報端末2に、当該法人車両を保有する法人に関連する広告を表示させ、個人車両を検索したユーザUの情報端末2に広告を表示させないようにしてもよい。
【0038】
表示制御部132は、法人車両を使用したユーザUの情報端末2に、当該ユーザUが使用した法人車両に関する広告を表示させてもよい。表示制御部132は、例えば、ユーザUが法人車両提供者H2の車両を使用してから所定の期間が経過した後に、ユーザUが使用した車両に関する広告を情報端末2に表示させる。表示制御部132がこのような広告を情報端末2に表示させることで、法人車両提供者H2の車両に試乗したユーザUが、試乗した車両を購入する意欲を向上させることが可能になる。ユーザUは、試乗した車両に関心を持っている可能性があるので、このようなユーザUの情報端末2にユーザUが試乗した車両に関する広告を表示させることで、法人車両提供者H2は、高い宣伝広告効果を得ることができる。
【0039】
表示制御部132は、シェアリング可能な法人車両の台数に基づいて、法人車両を保有する法人に関連する広告の表示方法を変化させてもよい。表示制御部132は、例えば、シェアリング可能な法人車両の台数が多い場合に、シェアリング可能な法人車両の台数が少ない場合よりも広告の表示頻度を高くする。表示制御部132は、シェアリング可能な法人車両の台数が多い場合に、台数が少ない場合よりも広告を目立つようにしてもよい。表示制御部132がこのように動作することで、法人車両提供者H2が、シェアリング可能な法人車両の登録台数を増やすように動機づけられるので、ユーザUが選択可能な車両の数を増やすことができる。
【0040】
図4は、ユーザUが車両を選択した後に表示される画面の一例である。図4には、シェアリング料、車両のメーカー名、車種名、車両を所有する法人の評価、車両を所有する法人からのメッセージが表示されている。ユーザUが「シェアリングする」と表示されたアイコンをクリックすると、表示制御部132は、シェアリングする車両が選択されたことを車両管理部131に通知する。
【0041】
費用処理部133は、シェアリングサービスにおいて発生する各種の費用を管理する。一例として、費用処理部133は、選択画面に法人車両を選択するための情報を表示させることに対する費用を法人車両提供者H2に請求する。費用処理部133は、例えば、法人車両提供者H2に対して定期的に請求書を発行する。
【0042】
また、費用処理部133は、法人車両がシェアリング用車両として選択された場合に、法人車両を使用するユーザUから徴収した車両使用料の一部を法人車両提供者H2に支払うように処理する。費用処理部133は、例えば車両使用料の一部を法人車両提供者H2の口座に振り込むための処理を実行する。車両使用料の一部は、法人車両提供者H2が法人車両をシェアリング用に登録したことへの対価であり、費用処理部133は、法人車両の種別、又はシェアリング用の車両を登録している台数に基づいて車両使用料に対する割合を決定してもよい。
【0043】
また、費用処理部133は、選択画面に表示された広告をユーザUが閲覧した場合に、当該ユーザUが閲覧した広告に関連する法人が保有する法人車両の使用料を、当該ユーザUが法人に関連する広告を閲覧しなかった場合の車両使用料よりも安く算出してもよい。費用処理部133は、例えば図3(c)に示した画面又は図4に示した画面においてユーザUが広告Aをクリックしたという通知を表示制御部132から受けた場合に、ユーザUの車両使用料を標準料金(例えば図4に表示された料金)よりも安くしてユーザUに請求してもよい。
【0044】
[情報提供装置1の処理の流れ]
図5は、情報提供装置1が実行する処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、法人車両提供者H2がシェアリング用車両の登録手続きを行った時点から開始している。
【0045】
費用処理部133は、シェアリング用車両を登録するために必要な基本料を法人車両提供者H2から取得するための処理を実行する(S1)。その後、ユーザUが、情報端末2によりシェアリングサービスを利用するためのサイトにアクセスすると、表示制御部132は、ユーザUが使用する車両を選択するための画面を情報端末2に表示させる(S2)。表示制御部132は、選択画面を情報端末2に表示させた後に、法人車両が選択されるか否かを監視する(S3)。
【0046】
ユーザUが法人車両を選択すると(S3においてYES)、車両管理部131は、選択された法人車両を識別するための車両識別情報とともに、車両が予約されたことを法人車両提供者H2に通知し(S4)、法人車両の使用料の一部を法人車両提供者H2に支払うための処理を実行する(S5)。その後、表示制御部132は、法人車両を予約したユーザUの情報端末2に対して法人車両提供者H2が提供する広告を表示させる(S6)。さらに、車両管理部131は、法人車両提供者H2が登録した車両を使用したユーザUの満足度等を示すフィードバック情報を法人車両提供者H2に提供する(S7)。
【0047】
ステップS3においてユーザUが法人車両を選択せず個人車両を選択した場合(S3においてNO)、車両管理部131は、選択された個人車両を登録した個人オーナーH1に対して、車両が予約されたことを通知する(S8)。この場合、表示制御部132は、個人オーナーH1に広告を表示させない。
【0048】
[変形例]
図3に示した選択画面においては、表示制御部132が個人車両を検索する画面と法人車両を検索する画面とを選択可能な態様で情報端末2に表示させる場合を例示したが、選択画面の態様はこれに限らない。表示制御部132は、個人車両を検索する画面と法人車両を検索する画面とを分けることなく、一つの検索画面において個人車両又は法人車両を選択できるようにしてもよい。
【0049】
[シェアリング情報提供システムSによる効果]
以上説明したように、シェアリング情報提供システムSによれば、個人オーナーH1だけでなく法人車両提供者H2がシェアリング用の車両を登録することができるので、ユーザUは、例えば個人車両として提供されていない販売開始直後の新車を使用することが可能になり、ユーザUがさまざまな車両に手軽に乗れるようになる。
【0050】
法人車両提供者H2にとってみれば、法人車両提供者H2が販売をしている車両に試乗してもらいやすくなり、車両を使用したユーザUに広告を提供することで、ユーザUが試乗した車両を購入するように動機づけやすくなる。そして、シェアリングサービスを提供する事業者にとっては、法人車両提供者H2がシェアリング用の車両を登録することによって利益を上げることが可能になり、シェアリング情報提供システムSによって、ユーザU、法人車両提供者H2及び事業者の三者が利益を享受することが可能になる。
【0051】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0052】
1 情報提供装置
2 情報端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 車両管理部
132 表示制御部
133 費用処理部
図1
図2
図3
図4
図5