(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】一体的に積層されたフィラー要素を有する複合積層板をレイアップするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B29C 70/38 20060101AFI20241028BHJP
B29C 70/06 20060101ALI20241028BHJP
B64F 5/10 20170101ALI20241028BHJP
B29K 105/04 20060101ALN20241028BHJP
B29L 31/30 20060101ALN20241028BHJP
【FI】
B29C70/38
B29C70/06
B64F5/10
B29K105:04
B29L31:30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020113743
(22)【出願日】2020-07-01
【審査請求日】2023-06-28
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ナットソン, サミュエル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】スリヤアラッチ, ラビエンドラ エス.
(72)【発明者】
【氏名】スミス, カーラ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ベラスケス ルイス エフ.
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-151648(JP,A)
【文献】特開2004-175116(JP,A)
【文献】特開2018-109601(JP,A)
【文献】特開2011-177939(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03378633(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0093432(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/38
B29C 70/00
B32B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリンガ積層板(300)をレイアップするための製造システム(100)であって、
積層面(120)、並びに
分配方向(254)に沿って複合材料(240)を分配し、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿った、前記積層面(120)と積層ヘッド(200)との間の相対運動の間、前記積層面(120)及び先に形成されたプライにプライを積層するように構成された複数の積層ヘッド(200)であって、
前記積層面(120)に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライ(350)を積層し、複数のフレームフィラー位置(342)を画定するように構成された少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)と、
各フレームフィラー底部プライ(350)の重なり部分(354)が、各フレームフィラー位置(342)においてフレームフィラー内側プライ(355)によって覆われないように、各フレームフィラー位置(342)において前記フレームフィラー底部プライ(350)の突出部(352)の上に1つ又は複数の前記フレームフィラー内側プライ(355)を積層するように構成された少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)と、
前記積層面(120)に沿って延在しかつ各フレームフィラー位置(342)において前記重なり部分(354)と重なり合うストリンガ本体部分(320)を画定する1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層し、各ストリンガ本体プライ(325)をフレームフィラー内側プライ(355)と横並び配置にするように構成された少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)と、
各フレームフィラー位置(342)における前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)が、フレームフィラー底部プライ(350)とフレームフィラー上部プライ(348)との間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板(300)が、前記ストリンガ本体部分(320)から側方に突出する複数のフレームフィラー部分(340)を有するように、各フレームフィラー位置(342)において前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)の上に前記フレームフィラー上部プライ(348)を積層するように構成された前記フレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)と
を含む複数の積層ヘッド(200)
を備えている製造システム(100)。
【請求項2】
前記複数の積層ヘッド(200)が、互いにエンドツーエンド関係で位置付けされ、前記フレームフィラー底部プライ(350)、前記フレームフィラー内側プライ(355)、前記ストリンガ本体プライ(325)、及び前記フレームフィラー上部プライ(348)を積層し、前記複数の積層ヘッド(200)の互いに対する位置によって画定された所望のプライ積層シーケンスで前記ストリンガ積層板(300)を生成するように構成されている、請求項1に記載の製造システム(100)。
【請求項3】
前記複数の積層ヘッド(200)が静止しており、前記積層面(120)が、前記ストリンガ積層板(300)の積層の間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層ヘッド(200)の下方を移動するように構成されている、請求項1又は2に記載の製造システム(100)。
【請求項4】
前記積層面(120)が静止しており、前記複数の積層ヘッド(200)が、前記ストリンガ積層板(300)の積層の間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層面(120)の上方を移動するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)は、各フレームフィラー底部プライ(350)の前記突出部(352)が、前記ストリンガ本体部分(320)の両側のストリンガ本体側縁(324)のうちの単一の側縁から突出するように、前記ストリンガ本体部分(320)を積層するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)は、各フレームフィラー底部プライ(350)の突出部(352)が、前記ストリンガ本体部分(320)の両側のストリンガ本体側縁(324)のそれぞれから突出するように、前記ストリンガ本体部分(320)を積層するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)は、両側のストリンガ本体側縁(324)のうちの少なくとも1つが斜角縁(382)として形成されるように、前記ストリンガ本体プライ(325)を積層するように構成され、
前記フレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)は、前記ストリンガ本体部分(320)の前記斜角縁(382)を補完する斜面隅角(380)を画定するように、各フレームフィラー位置(342)において前記フレームフィラー内側プライ(355)を積層するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項8】
前記複数の積層ヘッド(200)が、各フレームフィラー位置(342)において前記フレームフィラー底部プライ(350)を積層する前に、前記フレームフィラー位置(342)の1つ又は複数において前記積層面(120)の上に少なくとも1つのフレームフィラー外部プライ(362)を積層するように構成されたフレームフィラー外部プライ積層ヘッド(200)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【請求項9】
ストリンガ積層板(300)をレイアップする方法であって、
少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)を使用して、積層面(120)に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライ(350)を積層し、複数のフレームフィラー位置(342)を画定することと、
少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)を使用して、各フレームフィラー底部プライ(350)の重なり部分(354)が、各フレームフィラー位置(342)においてフレームフィラー内側プライ(355)によって覆われないように、各フレームフィラー底部プライ(350)の突出部(352)の上に1つ又は複数の前記フレームフィラー内側プライ(355)を積層することと、
少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)を使用して、前記積層面(120)に沿って延在しかつ各フレームフィラー位置(342)において前記重なり部分(354)と重なり合うストリンガ本体部分(320)を画定するように、1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層して、各ストリンガ本体プライ(325)をフレームフィラー内側プライ(355)と横並び配置とすることと、
前記フレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)を使用して、各フレームフィラー位置(342)における前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)が、フレームフィラー底部プライ(350)とフレームフィラー上部プライ(348)との間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板(300)が、前記ストリンガ本体部分(320)から側方に突出する複数のフレームフィラー部分(340)を有するように、各フレームフィラー位置(342)において前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)の上に前記フレームフィラー上部プライ(348)を積層することと、
複数のプライを積層する間
、積層ヘッド(200)の分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層ヘッド(200)又は前記積層面(120)のいずれかを移動させることと
を含む方法。
【請求項10】
前記複数のプライを積層するステップが、互いにエンドツーエンド関係で配置され
た複数の
前記積層ヘッド(200)によって順次実施され
、複数の
前記積層ヘッド(200)の互いに対する位置によって画定された所望のプライ積層シーケンスを有するストリンガ積層板(300)が積層される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記積層ヘッド(200)又は前記積層面(120)のいずれかを移動させることは、
複数の
前記積層ヘッド(200)が静止している間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層面(120)を前記積層ヘッド(200)の下方で移動させることを含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記積層ヘッド(200)又は前記積層面(120)のいずれかを移動させることは、
前記積層面(120)が静止している間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層ヘッド(200)を前記積層面(120)の上方で移動させることを含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ストリンガ本体部分(320)を画定するように、前記1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層することが、
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)を前記フレームフィラー底部プライ(350)に対して側方に位置付けし、各フレームフィラー位置(342)において前記ストリンガ本体部分(320)が、前記フレームフィラー底部プライ(350)と重なり合うようにし、その結果、各フレームフィラー底部プライ(350)の前記突出部(352)が、前記ストリンガ本体
部分(320)の両側のストリンガ本体側縁(324)のうちの単一の側縁から突出することを含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ストリンガ本体部分(320)を画定するように、前記1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層することが、
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)を前記フレームフィラー底部プライ(350)に対して側方に位置付けし、各フレームフィラー位置(342)において前記ストリンガ本体部分(320)が、前記フレームフィラー底部プライ(350)と重なり合うようにし、その結果、各フレームフィラー底部プライ(350)の前記突出部(352)が、前記ストリンガ本体
部分(320)の両側のストリンガ本体側縁(324)のそれぞれから突出することを含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つの処理材料(240)積層ヘッド(200)を使用して、処理材料(240)を前記積層面(120)及び前記ストリンガ積層板(300)のうちの少なくとも1つに施すことをさらに含み、
前記処理材料(240)が、接着材料(240)、保護材料(240)、及び剥離材料(240)のうちの少なくとも1つを含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、複合材の製造に関し、より具体的には、一体的に積層されたフィラー要素を有する複合積層板を製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複合構造体は、高い強度重量比、良好な耐食性、及びその他の好適な特性のために、幅広い用途において使用されている。航空機を構築するにあたって、翼、水平尾翼及び垂直尾翼、胴体、並びにその他の構成要素を製造するために、複合材を使用する量は増大している。例えば、航空機の胴体は、複数の複合材バレル部を端から端まで組み立てることによって製造され得る。
【0003】
複数の成形済みストリンガを製造することにより、胴体バレル部は作製され得る。各々の成形済みストリンガは、複合積層板(例えば、ストリンガ積層板)をレイアップし、成形することによって製造され得る。複数の成形済みストリンガを回転可能レイアップマンドレルに取り付けることができる。これに複合材料が重ね合わされ、外板パネルが形成される。外板パネルと成形済みのストリンガが共硬化又は共接合され、外周フレームなどの接合構造体が、バレル部の中で外板パネルに機械的に固定される。機械的ファスナを取り付けする前に、外周フレームと外板パネルの内側表面との間の間隙を充填しなければならない。間隙を充填する従来の方法には、複合フレームフィラーを作製することが伴ったが、それぞれのフレームフィラーを設置することは、労力を要しかつ時間のかかる工程であり、生産率に著しい影響を与える。
【0004】
以上から明らかなように、当該技術分野では、個々のフレームフィラーを手作業で作製かつ設置することに関連して、時間及び費用の増大を回避するシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
フレームフィラーの製造に関わる上述の必要性は、特に、ストリンガ積層板をレイアップする製造システムを提供する本開示によって対処かつ緩和される。製造システムは、積層面を含む。さらに、製造システムは、分配方向に沿って複合材料を分配し、分配方向と概して整列した方向に沿った、積層面と積層ヘッドとの間の相対運動の間、積層面及び先に形成されたプライにプライを積層するように構成された複数の積層ヘッドを含む。複数の積層ヘッドは、積層面に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライを積層し、複数のフレームフィラー位置を画定するように構成された少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッドを含む。さらに、積層ヘッドは、各フレームフィラー底部プライの重なり部分が、各フレームフィラー位置においてフレームフィラー内側プライによって覆われないように、各フレームフィラー位置においてフレームフィラー底部プライの突出部の上に1つ又は複数のフレームフィラー内側プライを積層するように構成された少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッドを含む。さらに、積層ヘッドは、積層面に沿って延在しかつ各フレームフィラー位置において重なり部分と重なり合うストリンガ本体部分を画定する1つ又は複数のストリンガ本体プライを積層し、各ストリンガ本体プライをフレームフィラー内側プライと横並び配置にするように構成された少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッドを含む。さらに、積層ヘッドは、各フレームフィラー位置における1つ又は複数のフレームフィラー内側プライが、フレームフィラー底部プライとフレームフィラー上部プライとの間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板が、ストリンガ本体部分から側方に突出する複数のフレームフィラー部分を有するように、各フレームフィラー位置において1つ又は複数のフレームフィラー内側プライの上にフレームフィラー上部プライを積層するように構成されたフレームフィラー外側プライ積層ヘッドを含む。
【0006】
さらに、ストリンガ積層板をレイアップする方法が開示される。当該方法は、少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッドを使用して、積層面に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライを積層し、複数のフレームフィラー位置を画定することを含む。さらに、当該方法は、少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッドを使用して、各フレームフィラー底部プライの重なり部分が、各フレームフィラー位置においてフレームフィラー内側プライによって覆われないように、各フレームフィラー底部プライの突出部の上に1つ又は複数のフレームフィラー内側プライを積層することを含む。さらに、当該方法は、少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッドを使用して、積層面に沿って延在しかつ各フレームフィラー位置において重なり部分と重なり合う1つ又は複数のストリンガ本体部分を画定するように、1つ又は複数のストリンガ本体プライを積層して、各ストリンガ本体プライをフレームフィラー内側プライと横並び配置とすることを含む。当該方法は、フレームフィラー外側プライ積層ヘッドを使用して、各フレームフィラー位置における1つ又は複数のフレームフィラー内側プライが、フレームフィラー底部プライとフレームフィラー上部プライとの間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板が、ストリンガ本体部分から側方に突出する複数のフレームフィラー部分を有するように、各フレームフィラー位置において1つ又は複数のフレームフィラー内側プライの上にフレームフィラー上部プライを積層することをさらに含む。幾つかの実施例では、上述の方法は、フレームフィラー外部プライ積層ヘッドを使用して、複数の離間されたフレームフィラー位置の1つ又は複数において積層面の上に少なくとも1つのフレームフィラー外部プライを積層することを含み得る。
【0007】
さらに、積層面に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライを積層し、複数のフレームフィラー位置を画定することを含む、ストリンガ積層板をレイアップする方法が開示されている。当該方法は、フレームフィラー底部プライうちの少なくとも1つの重なり部分が、フレームフィラー内側プライによって覆われないように、フレームフィラー底部プライの1つ又は複数の突出部の上に少なくとも1つのフレームフィラー内側プライを積層することを含む。さらに、当該方法は、積層面に沿って延在しかつフレームフィラー位置の1つ又は複数において重なり部分と重なり合うストリンガ本体部分を画定するように、少なくとも1つのストリンガ本体プライを積層することを含む。当該方法は、フレームフィラー位置の少なくとも1つにおける少なくとも1つのフレームフィラー内側プライが、フレームフィラー底部プライとフレームフィラー上部プライとの間で捕捉されるように、フレームフィラー位置の1つ又は複数において少なくとも1つのフレームフィラー内側プライの上にフレームフィラー上部プライを積層することをさらに含む。
【0008】
上述の特徴、機能、および利点は、本開示の様々な実施形態において単独で達成することができるか、又は、さらなる別の実施形態において組み合わせることができ、そのさらなる詳細は、以下の説明及び図面を参照して確認することができる。
【0009】
本開示のこれらの特徴及び他の特徴は、図面を参照することにより明確となり、全体を通して類似の参照番号は類似の部分を指す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一体的なフレームフィラーを有する複合積層板(例えば、ストリンガ積層板)をレイアップするための製造システムの一実施例の上面図である。
【
図2】
図1のライン2-2に沿って切り取られた製造システムの側面図である。
【
図3】
図1の参照番号3によって特定された円で囲まれた領域の拡大上面図であり、複合プライをレイアップ(例えば、積層)するための積層テーブル上に支持され、一体的なフレームフィラーを有するストリンガ積層板を生成する複数の積層ヘッドを例示する。
【
図4】
図3のライン4-4に沿って切り取られた製造システムの側面図であり、ストリンガ積層板の積層の間、右から左へと移動する積層テーブル上に支持された、端と端が接続した配置の複数の積層ヘッドを例示する。
【
図5】
図3のライン5-5に沿って切り取られた製造システムの断面図であり、両端が垂直ポストのペアに取り付けられたクロスビームによって支持された積層ヘッドを例示する。
【
図6】
図5のライン6-6に沿って切り取られた積層ヘッドの一実施例の側面図である。
【
図7】ストリンガ積層板をレイアップするための複数の積層ヘッドのうちの1つとしてのフレームフィラー外側プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図であり、フレームフィラー外側プライ積層ヘッドは、積層テーブルに沿って間隔を空けてフレームフィラー底部プライを積層し、複数のフレームフィラー位置を画定する。
【
図8】
図7のライン8-8に沿って切り取られた断面図であり、積層テーブル上で支持されたフレームフィラー底部プライを例示する。
【
図9】ストリンガ積層板をレイアップするための複数の積層ヘッドのうちの追加のものとしての第1のフレームフィラー内側プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図であり、第1のフレームフィラー内側プライ積層ヘッドは、各フレームフィラー位置においてフレームフィラー底部プライの突出部の上に第1のフレームフィラー内側プライを積層する。
【
図10】
図9のライン10-10に沿って切り取られた断面図であり、フレームフィラー底部プライの上にレイアップされた第1のフレームフィラー内側プライを例示する。
【
図11】ストリンガ積層板をレイアップするための複数の積層ヘッドのうちの追加のものとしての第2のフレームフィラー内側プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図であり、第2のフレームフィラー内側プライ積層ヘッドは、各フレームフィラー位置において第1のフレームフィラー内側プライの上に第2のフレームフィラー内側プライを積層する。
【
図12】
図11のライン12-12に沿って切り取られた断面図であり、第1のフレームフィラー内側プライの上にレイアップされた第2のフレームフィラー内側プライを例示する。
【
図13】ストリンガ積層板をレイアップするための複数の積層ヘッドのうちの追加のものとしての第3のフレームフィラー内側プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図であり、第3のフレームフィラー内側プライ積層ヘッドは、各フレームフィラー位置において第2のフレームフィラー内側プライの上に第3のフレームフィラー内側プライを積層する。
【
図14】
図13のライン14-14に沿って切り取られた断面図であり、第2のフレームフィラー内側プライの上にレイアップされた第3のフレームフィラー内側プライを例示する。
【
図15】ストリンガ積層板をレイアップするための複数の積層ヘッドのうちの追加のものとしての第1のストリンガ本体プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図であり、第1のストリンガ本体プライ積層ヘッドは、積層面に沿って連続的に延在しかつ各フレームフィラー位置においてフレームフィラー底部プライの重なり部分と重なり合う第1のストリンガ本体プライを積層する。
【
図16】
図15のライン16-16に沿って切り取られた断面図であり、フレームフィラー底部プライの重なり部分の上にレイアップされた第1のストリンガ本体プライを例示する。
【
図17】ストリンガ積層板をレイアップするための複数の積層ヘッドのうちの追加のものとしての第2のストリンガ本体プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図であり、第2のストリンガ本体プライ積層ヘッドは、第1のストリンガ本体プライの上で連続的に延在する第2のストリンガ本体プライを積層する。
【
図18】
図17のライン18-18に沿って切り取られた断面図であり、第1のストリンガ本体プライの上にレイアップされた第2のストリンガ本体プライを例示する。
【
図19】ストリンガ積層板をレイアップするための複数の積層ヘッドのうちの追加のものとしての第3のストリンガ本体プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図であり、第3のストリンガ本体プライ積層ヘッドは、第2のストリンガ本体プライの上で連続的に延在する第3のストリンガ本体プライを積層する。
【
図20】
図19のライン20-20に沿って切り取られた断面図であり、第2のストリンガ本体プライの上にレイアップされた第3のストリンガ本体プライを例示する。
【
図21】各フレームフィラー位置において第3のフレームフィラー内側プライ及びストリンガ本体部分の上にフレームフィラー上部プライをレイアップするフレームフィラー外側プライ積層ヘッドの一実施例の斜視図である。
【
図22】
図21のライン22-22に沿って切り取られた断面図であり、第3のフレームフィラー内側プライの上にレイアップされ、第3のストリンガ本体プライの幅にわたって延在するフレームフィラー上部プライを例示する。
【
図23】ストリンガ本体部分と、ストリンガ本体部分のストリンガ本体側縁のうちの一方から側方に突出する複数のフレームフィラー部分とを有するストリンガ積層板の一実施例の斜視図である。
【
図25】
図24のストリンガ積層板の一実施例の上面図である。
【
図26】
図25のライン26-26に沿って切り取られた断面図であり、ストリンガ本体部分を構成するストリンガ本体プライを例示し、それぞれ斜角縁として形成された両側のストリンガ本体側縁をさらに例示する。
【
図27】
図25のライン27-27に沿って切り取られたストリンガ積層板の断面図であり、ストリンガ本体部分の斜角縁を補完する斜面隅角を画定するフレームフィラー内側プライのうちの対応するプライと横並び配置のストリンガ本体プライを例示し、フレームフィラー底部プライとフレームフィラー上部プライとの間で捕捉されたフレームフィラー内側プライをさらに例示する。
【
図28】
図25のライン28-28に沿って切り取られた断面図であり、斜角縁を画定する、フレームフィラー底部プライ、フレームフィラー内側プライ、及びフレームフィラー上部プライの両側の端縁を例示する。
【
図29】ストリンガ本体部分のストリンガ本体側縁のうちの一方から突出するフレームフィラー部分を有するストリンガ積層板を成形かつ硬化した後に台形断面形状を有する成形済みストリンガの一実施例の斜視図である。
【
図30】
図29のライン30-30に沿って切り取られた成形済みストリンガの断面図であり、それぞれ斜角縁として形成された両側のストリンガ本体側縁を有する成形済みストリンガの両側のフランジ部分を例示する。
【
図31】
図29のライン31-31に沿って切り取られた成形済みストリンガの断面図であり、成形済みストリンガの一方の側のフランジ部分から突出するフレームフィラー部分を例示する。
【
図32】複数の成形済みストリンガが組み付けられた外板パネルを有する複合構造体の一実施例の斜視図である。複数の成形済みストリンガは、それぞれそのストリンガ本体側縁のうちの一方から突出するフレームフィラー部分を有している。
【
図33】外板パネルに連結された複数の成形済みストリンガを有するパネルアセンブリとして構成された複合構造体の一実施例の斜視図であり、複合構造体への連結のための一対のフレームをさらに例示しており、最前方のフレームは、ストリンガ積層板のフランジ部分及びフレームフィラー部分によって集合的に画定された接合面に連結されているように示されており、最後方のフレームは、フレームフィラー部分及びフランジ部分によって画定された接合面から離間されているように示されている。
【
図34】
図33のライン34-34に沿って切り取られた複合構造体の断面図であり、フランジ部分及びフレームフィラー部分によって集合的に画定された接合面に取り付けられたフレームのフレームフランジを例示し、フレームフランジを外板パネルに連結する機械的ファスナをさらに例示する。
【
図35】
図34のライン35-35に沿って切り取られた複合構造体の断面図であり、フレームフィラー部分上で支持され、外板パネルに機械的に固定されたフレームのフレームフランジを例示する。
【
図36】
図34の参照番号36によって特定された円で囲まれた領域の拡大図であり、外板パネルにわたって隣接する成形済みストリンガのストリンガ本体側縁まで延在する成形済みストリンガのうちの1つのフレームフィラー部分を明瞭に例示するために、フレーム及び機械的ファスナが除外されている。
【
図37】概して長手方向に配向された複数の成形済みストリンガを有し、外側外板パネルによって覆われた複数の軸方向に離間した外周フレームを有する胴体バレル部として構成された複合構造体の一実施例の斜視図である。外側外板パネルは、成形済みストリンガ及び外周フレームの周りで360度延在する。
【
図38】
図37の参照番号38によって特定された胴体バレル部の円で囲まれた領域の拡大図であり、成形済みストリンガのフランジ部分及びフレームフィラー部分に機械的に固定された外周フレームを例示する。
【
図39】隣接する成形済みストリンガのフランジ部分の厚さの差異に適応するために、フレームフィラー底部プライのうちの1つの外側に積層されるようにレイアップされたフレームフィラー外部プライを有するストリンガ積層板のさらなる実施例の分解斜視図である。
【
図40】
図39のライン40-40に沿って切り取られたストリンガ積層体の断面図であり、フレームフィラー底部プライの下方に位置するフレームフィラー外側プライを例示する。
【
図41】
図39及び
図40と同様に構成されたストリンガ積層板を成形かつ硬化した後の成形済みストリンガの一実施例の斜視図であり、フレームフィラー部分のうちの1つの上にあるフレームフィラー外部プライをさらに例示する。
【
図42】ストリンガ本体部分の両側のストリンガ本体側縁のそれぞれから突出するフレームフィラー部分を有するストリンガ積層板の一実施例の上面図である。
【
図43】
図42のライン43-43に沿って切り取られたストリンガ積層板の断面図であり、ストリンガ本体部分の両側のフレームフィラー内側プライのうちの対応するプライと横並び配置であり、かつストリンガ本体部分の両側の斜角縁を補完する斜面隅角を画定するストリンガ本体プライを例示する。
【
図44】両側のストリンガ本体側縁のそれぞれから突出するフレームフィラー部分を有するストリンガ積層板を成形かつ硬化した後の成形済みストリンガの一実施例の斜視図である。
【
図45】外板パネルに連結された複数の成形済みストリンガを有するパネルアセンブリとして構成された複合構造体の一実施例の斜視図であり、両側のストリンガ本体側縁のそれぞれから突出するフレームフィラー部分を有する成形済みストリンガのうちの1つを示す。
【
図46】フレームフィラー積層ヘッドのうちの1つが、互いに対して離間され平行な関係のフレームフィラー内側プライのペアを同時に積層するためのデュアルスピンドル型積層ヘッドとして構成された製造システムの一実施例の斜視図である。
【
図47】
図46のライン47-47に沿って切り取られた断面図であり、フレームフィラー底部プライの上に形成されたフレームフィラー内側プライの離間されたペアを例示する。
【
図48】静止状態の複数の積層ヘッドの下方で移動可能な連続ループ積層ベルトを有する製造システムの一実施例の上面図である。
【
図49】
図48のライン49-49に沿って切り取られた製造システムの側面図であり、複数の積層ヘッドの下方で移動可能な積層ベルト上で支持されたストリンガ積層板を例示する。
【
図50】デュアルスピンドル型積層ヘッドとして構成された積層ヘッドを例示する製造システムの断面図である。
【
図51】静止状態の積層面、及びストリンガ積層板の製造の間、積層面の上を移動するように構成された複数の積層ヘッドを有する製造システムの一実施例の上面図である。
【
図52】
図51のライン52-52に沿って切り取られた製造システムの側面図である。
【
図53】
図52のライン53-53に沿って切り取られた製造システムの断面図である。
【
図54】ストリンガ積層板をレイアップする方法の工程を含むフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
これより、本開示の様々な実施例を例示する図面を参照する。
図1では、複合積層板298と一体である一体型延在部398(例えば、フレームフィラー部分340)を備えた、未硬化の複合積層板298(例えば、ストリンガ積層板300)をレイアップするための製造システム100の実施例の上面図が示されている。
図2は、
図1の製造システム100の側面図である。製造システム100の本開示の実施例は、一体化されたフレームフィラー部分340(すなわち、一体型延在部398)を有するストリンガ積層板300(例えば、
図23)をレイアップすることに関連して説明されている。ストリンガ積層板300は、所望の断面形状の成形済みストリンガ400(例えば、
図29)に形成され得る。
【0012】
ストリンガ積層板300は、本開示の製造システム100を使用してレイアップされ得る様々な複合積層板298のうちの1つを表す。一実装形態では、ストリンガ積層板300を所望の断面プロファイルの成形済みストリンガ400に形成することができ、外板パネルを補強するために、複数の成形済みストリンガ400を、外板パネルと共に組み付け、共硬化又は共接合することができる。一実施例では、複数の成形済みストリンガ400が、回転可能なレイアップマンドレル(図示せず)上に位置付けされてもよく、外側外板パネル456(
図37-38)が、成形済みストリンガ400及びレイアップマンドレルの上にレイアップされ得る。外側外板パネル456と成形済みストリンガ400を共硬化することができ、以下でより詳細に説明するように、外周フレーム420(例えば、
図37-38)などの接合構造体を外板パネル456の内表面に機械的に固定し、胴体バレル部452(例えば、
図37-38)を作ることができる。ストリンガ積層板300のフレームフィラー部分340は、外周フレーム420と外板パネル456の内表面との間に存在する上述の間隙(図示せず)を充填する。
【0013】
有利には、フレームフィラー部分340をストリンガ積層板300と一体化することにより、フレーム420と外板パネル456との間の間隙を充填するという、労力を要しかつ時間のかかる従来の方法に比べ、バレル部452の組み立てにおいて著しい改善が可能になる。例えば、かような一従来方法には、複合プライを固有の形状のストリップに切断し、そのストリップを指定された折り線に沿って折り、適切な長さ、幅、及び厚さを有するフレームフィラーを作ることにより、手作業で個々のフレームフィラー(図示せず)を製作することが伴っていた。一旦切断及び折りの工程が完了すると、外板パネルをレイアップする前に、手作業で各フレームフィラーをレイアップマンドレル(図示せず)の適切な位置に設置しなければならない。隣接するストリンガのフランジの厚さの差異に適応するため、胴体バレル部の特定の位置では追加の複合プライパッチ(図示せず)が必要とされる場合がある。かようなプライパッチも、手作業で複合材料から切り出し、レイアップマンドレルの適切な位置に取り付ける必要がある。個々のフレームフィラーを手作業で切断し、折り、かつ胴体バレル部の複数の位置に設置することは、労力を要しかつ/又は費用のかかる工程であり、生産率に著しい影響を与える。
【0014】
フレームフィラーを制作する別の従来方法には、互いに隣接する成形済みストリンガ(例えば、
図37)間の湾部の幅に適応する幅で各ストリンガ積層板(図示せず)をレイアップすることが伴う。一旦ストリンガ積層板のレイアップが完了すると、ストリンガ積層板がトリム加工されて、各外周フレームが順次設置されるストリンガの長さに沿った位置においてストリンガ積層板の側部のうちの少なくとも1つから突出する突出タブ(tab out)(すなわち、フレームフィラー)が作られる。各ストリンガ積層板をトリム加工して、ストリンガの長さに沿って複数の突出タブを作ることは、ストリンガの生産時間を著しく増大させる。さらに、トリム加工されたストリンガ積層板の部分があるということは、未使用の複合材料が比較的大量にあることを示し、ストリンガ生産の総コストを増大させる。
【0015】
有利には、製造システム100の本開示の実施例は、時宜に適った、費用効率の高い方法で、一体型延在部398(
図1)を有する複合積層板298(例えば、
図1-2)の様々な異なる構成のうちの任意の1つをレイアップすることを可能にする。上述のように、製造システム100の実施例は、連続して複合ストリンガ(
図29)へと形成するために、フレームフィラー部分340を有するストリンガ積層板300をレイアップすることに限定されない。
【0016】
図1から
図2の実施例では、製造システム100は、ストリンガ本体部分320の長さに沿って離間された複数のフレームフィラー位置342のそれぞれにおいて、フレームフィラー部分340(
図23)を積層するために複合プライ302を同時にレイアップしながら、ストリンガ積層板300のストリンガ本体部分320(
図23)の複合プライ302(例えば、
図7から
図22)をレイアップするように構成された複数の積層ヘッド200を含む。有利には、本開示の製造システム100及び方法500(
図54)は、複合ストリンガの製作、及び個々のフレームフィラーを製作するという労力のかかる別個の工程の必要性を回避する。さらに、本開示の製造システム100及び方法500は、複合構造体450(例えば、
図37)のフレームの取り付け位置において個々のフレームフィラー(図示せず)を位置付けするという時間のかかる工程を回避する。そのため、本開示の製造システム100及び方法500を使用して製作されたストリンガ積層板300により、結果的に、複合構造体450を作るために組み立てなければならない部品の総量が減少し、複合ストリンガによって補強された複合構造体450の製作の生産スループットの向上が可能になる。
【0017】
図1から
図4を参照すると、製造システム100は、積層面120、及び複数の積層ヘッド200を含む。積層ヘッド200は、分配方向254と概して整列した方向に沿った、積層面120と積層ヘッド200との間の相対運動の間、分配方向254(
図6)に沿って、複合材料238の複合プライ302(例えば、
図7から
図22)を積層面120及び/又は先に加えられた複合プライ302にレイアップするように構成されている。積層ヘッド200は、分配方向254に沿って、複合プライ302をレイアップするように構成され得る。複数の積層ヘッド200は、少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド202(例えば、
図7及び
図21)、少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204(例えば、
図9、
図11、及び
図13)、及び少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド210(例えば、
図15、
図17、及び
図19)を含む。
【0018】
図1から
図4に示す実施例では、製造システム100は、それぞれのフレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350を積層するためのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド202(
図7)を含む。例示的な製造システム100は、ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214(
図15、
図17、
図19)から側方にオフセットされた3つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208(
図9、
図11、及び
図13)をさらに有する。フレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208は、それぞれ、各フレームフィラー位置342において、フレームフィラー内側プライ355をフレームフィラー底部プライ350の上に又は先に加えられたフレームフィラー内側プライ355の上に積層するように構成されている。以下でより詳細に説明されているように、フレームフィラー内側プライ355は、各フレームフィラー位置342において、積み重なった形でレイアップされる。本開示の例示的な製造システム100は、3つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッドを有するが、製造システム100の他の実施例は、各フレームフィラー位置342において対応する数量のフレームフィラー内側プライ355を積層するために任意の数のフレームフィラー内側プライ積層ヘッドを含んでもよい。
【0019】
図示の実施例では、製造システム100は、上述のように、フレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208から側方にオフセットされた3つのストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214(
図15、
図17、及び
図19)をさらに含む。ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214は、それぞれ、ストリンガ本体プライ325(
図15、
図17、
図19)をレイアップするように構成され得る。各ストリンガ本体プライ325は、積層面120に沿って延在し、各フレームフィラー位置342に位置するフレームフィラー底部プライ350と重なり合うか、又は先に加えられたストリンガ本体プライ325と重なり合う。以下でより詳細に説明されているように、ストリンガ本体プライ325は、重なり合った形となり、ストリンガ積層板300のストリンガ本体部分320を集合的に画定する。各ストリンガ本体プライ325は、フレームフィラー内側プライ355(
図22)と横並び配置になる。幾つかの実施例では、ストリンガ本体プライ325の数量がフレームフィラー内側プライ355の数量と等しくなるように、ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214の数量は、フレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208の数量と等しくてもよい。本開示の製造システム100の実施例は、3つのストリンガ本体プライ積層ヘッドを有するが、製造システム100の他の実施例は、任意の数のストリンガ本体プライ積層ヘッドを含んでもよい。
【0020】
図1から
図4に示す実施例では、製造システム100は、それぞれのフレームフィラー位置342においてフレームフィラー上部プライ348を積層するためのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド202(
図21)を含む。代替的に、フレームフィラー底部プライ350のレイアップに使用されるフレームフィラー外側プライ積層ヘッド202が、フレームフィラー上部プライ348のレイアップに使用されてもよい。フレームフィラー上部プライ348は、各フレームフィラー位置342において、ストリンガ本体部分320とフレームフィラー内側プライ355との組み合わされた幅にわたって延在する。各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー内側プライ355は、フレームフィラー底部プライ350とフレームフィラー上部プライ348との間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板300は、ストリンガ本体部分320の少なくとも1つのストリンガ本体側縁324から側方に突出する複数のフレームフィラー部分340を有する。フレームフィラー底部プライ350、フレームフィラー内側プライ355、ストリンガ本体プライ325、及びフレームフィラー上部プライ348は、すべて一定の幅の複合材料238から形成され得、それにより、レイアップが完了した後にストリンガ積層板300をトリム加工する必要性がなくなる。
【0021】
図1から
図4では、積層ヘッド200は、静止しており、製造システム100の積層ステーション198を画定する。複数の積層ヘッド200は、支持フレーム104によって支持され、互いにエンドツーエンド関係(end-to-end relation)で位置付けされ、一連の積層ヘッド200を画定し得る。複数の積層ヘッド200は、互いから均一に離間されているように示されているが、複数の積層ヘッド200は、不均一に離間されてもよい。複数の積層ヘッド200は、互いに近接しているように示されているが、複数の積層ヘッド200の間に間隙があるように配置されてもよい。フレームフィラー底部プライ350(
図7)、フレームフィラー内側プライ355(
図9から
図14)、ストリンガ本体プライ325(
図15から
図20)、及びフレームフィラー上部プライ348(
図21から
図22)を順次レイアップするように一連の積層ヘッド200を配置することができ、それにより、積層ヘッド200の互いに対する位置によって画定された所望のプライ積層シーケンスでストリンガ本体部分320及びフレームフィラー部分340が積層される。一連の積層ヘッド200は、線形配置で示されているが、積層ヘッド200は、非線形(例えば、円弧形状(図示せず))に配置されてもよい。したがって、複数の積層ヘッド200が端から端へと連続することによって集合的に画定される分配方向254は、線形であってもよく、又は非線形であってもよい。
【0022】
図1から
図4では、積層面120は、ストリンガ積層板300のレイアップの間、分配方向254(
図6)と概して整列した方向に沿って、積層ヘッド200の下方を移動するように構成されている。
図1から
図4の積層ヘッド200は、製造システム100の少なくとも長さ方向に沿って移動不可であるが、任意の1つ又は複数の積層ヘッド200は、(長さ方向に対して直交する)横断方向に沿って移動可能であり得る。さらに、任意の1つ又は複数の積層ヘッド200は、以下でより詳細に説明されるように、積層面120に対して垂直に移動可能であってもよい。
【0023】
図1から
図4では、積層面120は、製造システム100の基部部材102上に支持された静止状態の剛性積層テーブル122の外表面又は上面を含む。積層テーブル122は、分配方向254に対して平行な方向に沿って、積層ヘッド200の下方で移動可能な、概して剛性の構造体であり得る。積層テーブル122は、基部部材102の長さ方向に沿って延在する長手方向レール124上で支持され得る。製造システム100は、長手方向レール124に沿って積層テーブル122を移動させるための駆動モータに連結されたスクリュードライバなどの線形作動機構(図示せず)を含み得る。
【0024】
図1及び
図2では、積層テーブル122は、積層面ホーム位置130から移動可能であり、積層面後方位置132に到着する前に積層ステーション198を通過し得る。幾つかの実施例では、積層テーブル122が積層ステーション198を一回通過する際に、積層テーブル122は、ストリンガ積層板300をレイアップするために単一方向に沿った移動に制限され得る。しかしながら、他の実施例では、積層テーブル122は、ストリンガ積層板300をレイアップするために、積層ヘッド200の下方で前後に移動するように構成されてもよい。例えば、積層テーブル122は、ストリンガ積層板300をレイアップするために、積層ステーション198を両方向に2度通過し得る。ストリンガ積層板300のレイアップが完了すると、積層テーブル122は、積層面オフローディング位置(図示せず)まで移動可能であり得る。
【0025】
図5及び
図6を参照すると、
図5では、積層テーブル122に対して静止状態の積層ヘッド200を示す製造システム100の断面図が示されている。積層テーブル122は、基部部材102に取り付けられた長手方向レール124上で支持されているように示されている。各積層ヘッド200は、上述の支持フレーム104によって支持され得る。支持フレーム104は、基部部材102から上方に延在する垂直ポスト106のペアに両端がそれぞれ取り付けられたクロスビーム108を含み得る。複数の積層ヘッド200を互いに対して側方に位置付けするために、積層ヘッド200は、線形作動機構(図示せず)を介して、クロスビーム108に沿って水平に(例えば、側方に)移動可能であり得る。積層ヘッド200は、クロスビーム108に沿って単独で側方に移動可能であり、これにより、積層ヘッド200の側方の位置付けが可能となり、ストリンガ本体部分320及びフレームフィラー部分340(
図1)のために種々の幅の要件を有するストリンガ積層板300の様々な構成のうちの1つをレイアップすることが可能になり得る。
【0026】
クロスビーム108に沿った側方運動能力に加えて、各々の積層ヘッド200は、積層ヘッド200からのレイアップ材料236の分配の開始及び停止に対応するように垂直に移動可能であり得る。例えば、クロスビーム108の両端は、線形作動機構(図示せず)を介して、ポスト106に対して垂直移動が可能であり得る。本明細書に開示された実施例(例えば、
図1から
図21、及び
図48から
図53)のいずれかでは、積層面120(例えば、積層テーブル122)の運動、積層ヘッド200の運動(例えば、長さに沿った運動、側方の位置付け、垂直運動)、及び各積層ヘッド200の後述の構成要素の動作は、演算可能であり読み取り可能なプログラム指令(例えば、数値制御プログラム)を実行するコントローラ116(
図5)によって制御され得る。例えば、
図1から
図21に示す製造システム100では、コントローラ116は、積層ヘッド200に対する積層テーブル122の長さに沿った運動を制御しながら、静止状態の積層ヘッド200の側方位置付け及び垂直運動を制御することができる。
図48から
図50に示す例示的な製造システム100では、コントローラ116は、移動可能な積層ベルト126に対する静止状態の積層ヘッド200の側方位置付け及び垂直運動を制御することができる。
図51から
図53に示す例示的な製造システム100では、コントローラ116は、積層ヘッド200の長さに沿った運動を制御しながら、さらに静止状態の積層面120に対する積層ヘッド200の側方位置付け及び垂直運動を制御することができる。
【0027】
図6は、積層ヘッド200の実施例の側面図である。各積層ヘッド200は、分配方向254に沿って、レイアップ材料236(例えば、複合材料238)を分配するように構成されている。積層ヘッド200の構成要素は、支持フレーム104のクロスビーム(例えば、
図5)又はガントリ110(例えば、
図53)に連結され得る取り付けフレーム230に取り付けられ得る。図示の実施例では、積層ヘッド200は、レイアップ材料236の材料ロール234を支持するように構成された少なくとも1つの材料供給ドラム232を含み得る。レイアップ材料236は、裏打ちされた材料240又は裏打ちされていない材料(図示せず)であってもよい。裏打ちされた材料240は、裏打ち層242によって裏打ちされ得る。裏打ち層242は、レイアップ材料236が、材料ロール234上の隣接する巻かれたレイアップ材料236付着することを防止する。
【0028】
上述のように、レイアップ材料236は、ストリンガ積層板300(
図1)を形成するために、複合プライ302をレイアップ(すなわち、積層)するための複合材料238であり得る。複合材料238は、予め含浸された繊維強化ポリマー材料若しくは樹脂であってもよく、又は、複合材料238は、ストリンガ積層板300の積層が完了し、ストリンガ積層板が所望の断面形状に形成された後、樹脂(例えば、ポリマー材料)が注入される乾燥繊維材料であってもよい。樹脂又はポリマー材料は、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂であってもよい。当該繊維は、ガラス繊維(例えば、繊維ガラス)、炭素繊維、ケブラー繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、金属繊維、セラミック繊維、及び/又はその他の繊維材料であってもよい。複合材料238は、一方向テープ、布、織物、又はその他の構成で提供され得る。複合材料238を分配することに加えて、積層ヘッド200は、ストリンガ積層板300のレイアップの間、非複合材料(例えば、金属箔又は金属メッシュ)を分配するようにさらに構成されてもよい。レイアップ材料236は、ストリンガ積層板300の処理に使用される処理材料をさらに含み得る。かような処理材料は、ストリンガ積層板300の積層、形成、強化、デバルキング、及び/若しくは硬化を容易にすることができ、又は、ストリンガ積層板300と他の複合材部品(例えば、外板パネル456(
図32))又は非複合構造体(図示せず)との接合及び/若しくは組み立てを容易にすることができる。
【0029】
例えば、ストリンガ積層板300をレイアップする前、積層ヘッド(図示せず)の1つ又は複数は、積層面120に保護材料(例えば、ピールプライ)を分配するように構成され得る。この保護材料は、ストリンガ積層板300の表面の汚染を防止する保護層306(
図7及び
図8)として機能し、成形済みストリンガ(例えば、
図32)と別の複合部品(例えば、上述の外板パネル456)との接合を容易にする。ストリンガ積層板300の複合プライ302のレイアップの完了時、積層ヘッド(図示せず)は、ストリンガ積層板300の上部に保護層(図示せず)を施し、ストリンガ積層板300のその後のハンドリング(例えば、ストリンガ積層板300を所望の断面形状の成形済みストリンガ400(例えば、
図29)に形成することなど)の間の汚染を防止するようにさらに構成され得る。別の実施例では、積層ヘッド200の1つ又は複数は、ストリンガ積層板300と積層面120との間の接着を向上させるために、及び/又はストリンガ積層板300と他の複合部品との組み立てを容易にするために、ストリンガ積層板300の両面の一方又は両方に接着層をレイアップ(例えば、積層)するための接着材料(例えば、粘着膜(図示せず)を分配するように構成され得る。さらに別の実施例では、積層ヘッド200の1つ又は複数は、ストリンガ積層板300と別の表面(例えば、成形マンドレル(図示せず)及び/又は硬化マンドレル(図示せず))との接着を防止するために、ストリンガ積層板300の両面の一方又は両方に剥離層をレイアップ(例えば、積層)するための剥離材料(例えば、フッ素化エチレンプロピレン)を分配するように構成され得る。
【0030】
さらに
図6を参照すると、積層ヘッド200は、レイアップ材料236を積層ヘッド200の構成要素を通して誘導するための1つ又は複数の再方向付けローラ244を含み得る。積層ヘッド200は、各フレームフィラー位置342において、フレームフィラー底部プライ(例えば、
図7)、フレームフィラー内側プライ(例えば、
図9、
図11、及び
図13)、及びフレームフィラー上部プライ(例えば、
図15、
図17、及び
図19)をレイアップするときなどに、レイアップ材料236の分配を開始かつ停止する間、レイアップ材料236を切削するためのカッターアセンブリ246をさらに含み得る。複合材料238などの裏打ちされた材料240に対しては、カッターアセンブリ246は、裏打ち層242を損傷せずに複合材料238を切削するように構成され得る。積層ヘッド200は、レイアップ材料236を積層面120上に又は先に加えられたレイアップ材料236の上に加え、圧縮するための圧縮デバイス250(例えば、圧縮ローラ又は圧縮シュー(compaction shoe))を含み得る。さらに、積層ヘッド200は、レイアップ材料236を裏打ち層242から分離するための裏打ち層セパレータ248、及びレイアップ材料236から分離された後に裏打ち層242を取り込むように構成された裏打ち層回収ドラム252を含み得る。
【0031】
図7から
図22を参照すると、ストリンガ積層板300(
図21及び
図22)を積層するための、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202(
図7及び
図21)、フレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208(
図9、
図11、及び
図13)、及びストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214(
図15、
図17、及び
図19)による、複合プライ302の連続レイアップが示されている。上述のように、本開示の製造システム100の実施例は、複合積層板298と一体である一体型延在部398(例えば、フレームフィラー部分340)を備えた、未硬化の複合積層板298(例えば、ストリンガ積層板300)をレイアップするように構成されている。
図7から
図22は、製造システム100によってレイアップされ得る複合積層板298(
図1及び
図2)の様々な構成のうちの任意の1つの一実施例としてのストリンガ積層板300をレイアップすることを例示する。したがって、
図7から
図22の積層ヘッド200は、一体型フレームフィラー部分340を有するストリンガ積層板300として構成された複合積層板298をレイアップするように構成されている。フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202は、一体型延在外側プライ積層ヘッドと記載されてもよい。同様に、フレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208は、一体型延在内側プライ積層ヘッド記載されてもよい。ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214は、積層板本体プライ積層ヘッドと記載されてもよい。
【0032】
図7は、積層テーブル122に沿って離間された各フレームフィラー位置342において、フレームフィラー底部プライ350をレイアップするフレームフィラー外側プライ積層ヘッド202の一実施例を示す。図示の実施例では、積層テーブル122は、静止状態であり得る積層ヘッド200に対して移動可能であり得る。しかしながら、製造システム100は、
図51から
図53に示された後述の実施例のように、静止状態の積層面120に対して移動可能である積層ヘッド200を含み得る。
図8は、
図7のフレームフィラー位置342のうちの1つを切り取り、積層テーブル122上の保護層306で支持されたフレームフィラー底部プライ350を示す製造システム100の概略断面図である。フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202は、各フレームフィラー底部プライ350を共通の幅で積層するために、複合材料238を分配するよう構成され得る。フレームフィラー底部プライ350は、積層面120(例えば、積層テーブル122)に直接レイアップされてもよい。代替的に、フレームフィラー底部プライ350は、処理材料積層ヘッド(図示せず)によって積層面120に先に施された処理層304の上にレイアップされてもよい。上述のように、保護層306は、ストリンガ積層板300の底面の汚染を防止し得る。さらに、ストリンガ積層板300の複合材料238内の樹脂が、保護層306に軽く接着し、レイアップ処理中にストリンガ積層板300がシフトすることを防止し得る。本開示の製造システム100の実施例のいずれかでは、積層面120は、任意選択的に、レイアップ中にストリンガ積層板300の移動を防止するために複合プライ302上に真空圧力を引くための真空圧力源(図示せず)に連結された複数の開孔(図示せず)を含み得る。
【0033】
図9から
図14を参照すると、ストリンガ積層板300のフレームフィラー内側プライ355をレイアップする、上述のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208の実施例が示されている。
図9は、製造システム100の斜視図であり、各フレームフィラー底部プライ350の重なり部分354(
図24)が、各フレームフィラー位置342において第1のフレームフィラー内側プライ356によって覆われないように、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350の突出部352(
図24)の上に第1のフレームフィラー内側プライ356をレイアップするための第1のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204を示す。フレームフィラー底部プライ350が積層テーブル122の上にレイアップされた直後に、第1のフレームフィラー内側プライ356が、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350の上にレイアップされ得る。
図10は、
図9のフレームフィラー位置342を切り取り、フレームフィラー底部プライ350上にレイアップされた第1のフレームフィラー内側プライ356を示す製造システム100の概略断面図である。
図9では、第1のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204は、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202から側方にオフセットされ得る。さらに、第1のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204は、後述のように、フレームフィラー内側プライがフレームフィラー底部プライ350の突出部352のみを覆って、第1のストリンガ本体プライ326(
図15)がレイアップされる前に、重なり部分354が一時的に露出されたままになるように、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202によって分配された複合材料238の幅より狭い幅を有する複合材料238を分配するように構成され得る。
【0034】
図11は、ストリンガ積層板300をレイアップするための複数の積層ヘッド200の追加の1つとして第2のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド206を示す製造システム100の斜視図である。製造システム100は、第1のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204のよる第1のフレームフィラー内側プライ356のレイアップの直後に、第2のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド206が、各フレームフィラー位置342において第1のフレームフィラー内側プライ356の上に第2のフレームフィラー内側プライ358をレイアップするように構成され得る。
図12は、
図11のフレームフィラー位置342を切り取り、第1のフレームフィラー内側プライ356の上にレイアップされた第2のフレームフィラー内側プライ358を示す製造システム100の概略断面図である。幾つかの実施例では、フレームフィラー部分340の少なくとも1つのフレームフィラー側縁346(
図14)に斜角縁382(
図14)を作り出す手段として、第2のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド206によって分配された複合材料238は、第1のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204によって分配された複合材料238より狭い幅を有し得る。後述のように、ストリンガ本体プライ325(
図22)も、フレームフィラー内側プライ355の斜角縁382を補完する斜角縁382を結果として得ることができるように、漸進的に狭くなる幅でレイアップされ得る。
【0035】
図13は、ストリンガ積層板300をレイアップするための複数の積層ヘッド200の追加の1つとして第3のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド208を示す製造システム100の斜視図である。第3のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド208は、各フレームフィラー位置342において第2のフレームフィラー内側プライ358の上に第3のフレームフィラー内側プライ360をレイアップするように構成されている。第2のフレームフィラー内側プライ358のレイアップの直後に、第3のフレームフィラー内側プライ360がレイアップされ得る。
図14は、
図13のフレームフィラー位置342を切り取り、第2のフレームフィラー内側プライ358の上にレイアップされた第3のフレームフィラー内側プライ360を示す製造システム100の概略断面図である。第1のフレームフィラー内側プライ356と第2のフレームフィラー内側プライ358との間の上述の複合材料238の幅の差と同じように、第3のフレームフィラー内側プライ360は、フレームフィラー部分340のフレームフィラー側縁346に斜角縁382(
図14)を作り出すために、第2のフレームフィラー内側プライ358より狭い幅を有し得る。
【0036】
図15から
図20を参照すると、フレームフィラー内側プライ355に隣接してストリンガ本体プライ325をレイアップするストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214の実施例が示されている。上述のように、ストリンガ本体プライ325は、ストリンガ本体部分320を画定する。ストリンガ本体プライ325の1つ又は複数が、ストリンガ積層板300の長さに沿って連続的に延在し得る。しかしながら、図示されていない他の実施例では、ストリンガ積層板300は、ストリンガ本体プライ325の1つ又は複数をストリンガ積層板300の長さに沿って結果的に非連続的にする、1つ又は複数のスプライス又は他の態様(例えば、プライドロップ及び/又はプライ付加物(ply adds))を含み得る。
図15は、ストリンガ本体部分320の第1のストリンガ本体プライ326をレイアップする第1のストリンガ本体プライ積層ヘッド210の一実施例を示す製造システム100の斜視図である。第1のストリンガ本体プライ326は、積層面120に沿って連続的に延在し、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350の重なり部分354と重なり合うように示されている。しかしながら、上述のように、第1のストリンガ本体プライ326は、結果的に第1のストリンガ本体プライ326がストリンガ積層板300の長さに沿って非連続的であるように、1つ又は複数のスプライスを含み得る。例えば、第1のストリンガ本体プライ326は、終端が互いに重なり合う2つ以上のストリンガ本体プライセグメント(図示せず)から構成されてもよい。代替的に又は追加的に、第1のストリンガ本体プライ326がストリンガ積層板300においてプライドロップ(図示せず)を画定するように、第1のストリンガ本体プライ326はストリンガ積層板300の全長より短い長さを有し得る。第1のストリンガ本体プライ326は、第1のフレームフィラー内側プライ356と横並び配置(例えば、突き合わせ接合)しているように示されている。しかしながら、図示されていない他の実施例では、第1のストリンガ本体プライ326は、第1のフレームフィラー内側プライ356の一部と重なり合ってもよい。
図16は、フレームフィラー位置342のうちの1つを切り取り、第1のストリンガ本体プライ326が、フレームフィラー底部プライ350の重なり部分354の上にレイアップされ、第1のフレームフィラー内側プライ356と横並び配置であるように示した製造システム100の概略断面図である。第1のストリンガ本体プライ326の幅は、フレームフィラー底部プライ350の幅と第1のフレームフィラー内側プライ356の幅との間の差におよそ均等であり得る。幾つかの実施例では、ストリンガ本体プライの縁は、第1のフレームフィラー内側プライ356の縁と当接し、重複せずに接触し得る。しかしながら、幾つかの実施例では、比較的小さなプライ間隙370(例えば、0.030インチ未満)が、第1のストリンガ本体プライ326の縁とフレームフィラー内側プライの縁との間に存在してもよい。
【0037】
図17は、第1のストリンガ本体プライ326の上を連続的に延在しているように示される第2のストリンガ本体プライ328をレイアップするための第2のストリンガ本体プライ積層ヘッド212の一実施例を示す製造システム100の斜視図である。しかしながら、第1のストリンガ本体プライ326に関連して上述されているように、第2のストリンガ本体プライ328が、1つ又は複数のスプライス又は他の態様を含み得ることにより、第2のストリンガ本体プライ328は、結果的にストリンガ積層板300の長さに沿って非連続であり得る。
図18は、フレームフィラー位置342のうちの1つを切り取り、第1のストリンガ本体プライ326の上にレイアップされた第2のストリンガ本体プライ328を示す製造システム100の概略断面図である。フレームフィラー内側プライ355の斜面隅角380(
図22)を補完する斜角縁382をストリンガ本体プライ325において作り出す手段として、第2のストリンガ本体プライ積層ヘッド212によって分配された複合材料238は、第1のストリンガ本体プライ積層ヘッド210によって分配された複合材料238より大きな幅を有し得る。さらに、第2のストリンガ本体プライ328は、ストリンガ本体側縁324が、結果的に斜角縁382(
図22)を有するようになる幅を有し得る。
図16に示す上述の配置と同様に、
図18の第2のストリンガ本体プライ328は、プライ間隙370を最小化するように第2のフレームフィラー内側プライ358と横並び配置であり得る。
【0038】
図19は、第2のストリンガ本体プライ328の上を連続的に延在しているように示される第3のストリンガ本体プライ330をレイアップするための第3のストリンガ本体プライ積層ヘッド214の一実施例を示す製造システム100の斜視図である。しかしながら、第1のストリンガ本体プライ326及び第2のストリンガ本体プライ328に関して上述されているように、第3のストリンガ本体プライ330は、任意選択的に、ストリンガ積層板300の長さに沿って非連続であり得る。
図20は、フレームフィラー位置342のうちの1つを切り取り、第2のストリンガ本体プライ328の上にレイアップされた第3のストリンガ本体プライ330を示す製造システム100の概略断面図である。
図15から
図18に示す上述の配置と同様に、フレームフィラー内側プライ355の斜面隅角380を補完する斜角縁382を作り出すために、第3のストリンガ本体プライ積層ヘッド214によって分配された複合材料238は、第2のストリンガ本体プライ積層ヘッド212によって分配された複合材料238より大きな幅を有し得る。
【0039】
図21は、各フレームフィラー位置342において第3のフレームフィラー内側プライ360及びストリンガ本体部分320の上にフレームフィラー上部プライ348をレイアップするフレームフィラー外側プライ積層ヘッド202の一実施例を示す製造システム100の斜視図である。
図22は、フレームフィラー位置342のうちの1つを切り取り、第3のフレームフィラー内側プライ360の上にレイアップされたフレームフィラー上部プライ348を示す製造システム100の概略断面図である。各フレームフィラー位置342において、第1、第2、及び第3のフレームフィラー内側プライ356、358、360が、フレームフィラー底部プライ350とフレームフィラー上部プライ348との間に捕捉されるように、各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー上部プライ348は、第3のストリンガ本体プライ330と第3のフレームフィラー内側プライ360との組み合わされた幅にわたって延在する。
図22では示されていないが、フレームフィラー上部プライ348及びフレームフィラー底部プライ350は、それぞれ、フレームフィラー内側プライ355及びストリンガ本体プライ325の斜面隅角380を補完する(例えば、実質的に適合する)幅でレイアップされ得る。上述のように、第1、第2、及び第3のストリンガ本体プライ326、328、330は、それぞれ、第1、第2、及び第3のフレームフィラー内側プライ356、358、360のうちの対応するプライと横並び配置にある。しかしながら、ストリンガ積層体300は、第1、第2、及び/又は第3のストリンガ本体プライ326、328、330が、第1、第2、及び第3のフレームフィラー内側プライ356、358、360のうちの対応するプライと重なり合う関係で配置される構成でレイアップされてもよい。ストリンガ本体側縁324が斜角縁382であるストリンガ積層板300の実施例では、フレームフィラー内側プライ355は、ストリンガ本体プライ325の前にレイアップされ得る。ストリンガ本体側縁324が斜角ではない、図示されていないストリンガ積層板300の他の実施例では、ストリンガ本体プライ325は、フレームフィラー内側プライ355のレイアップの前か後にレイアップされてもよい。
図22では、フレームフィラー側縁346は斜角ではないように示されているが、
図36に示すように、フレームフィラー側縁346は、フレームフィラー部分340の斜角縁382が、別の成形済みストリンガ400のフランジ部分406の斜角縁382に近接して位置付けされるように、隣接する成形済みストリンガ400のストリンガ本体側縁324の斜面隅角380を補完する斜面隅角380で斜角にされてもよい。さらに、
図22のストリンガ積層板300は、接合構造体(例えば、
図33)を受け容れるための一貫した表面(例えば、一定の高さ)を設けるために、均等な数のストリンガ本体プライとフレームフィラー内側プライを有するが、ストリンガ積層板300は、フレームフィラー内側プライの数がストリンガ本体プライの数と異なる構成(図示せず)でレイアップされてもよい。さらに、ストリンガ積層板300は、任意のフレームフィラー位置342におけるフレームフィラー内側プライの数が、残りのフレームフィラー位置342の1つ又は複数におけるフレームフィラー内側プライの数と異なる構成(図示せず)でレイアップされてもよい。
【0040】
図23から
図28を参照すると、
図7から
図22に例示された上述の工程でレイアップされたストリンガ積層板300の実施例が示されている。上述のように、ストリンガ積層板300は、本開示の製造システム100の実施例のいずれかによってレイアップされ得る、様々な異なる複合積層板298(
図1及び
図2)の構成の一実施例を表す。
図23は、ストリンガ本体部分320と、対応する複数のフレームフィラー位置342においてストリンガ本体部分320のストリンガ本体側縁324のうちの1つから側方に突出する複数のフレームフィラー部分340とからなるストリンガ積層板300の斜視図である。
図24は、
図23のストリンガ積層板300の分解斜視図を示す。上述のように、フレームフィラー底部プライ350はそれぞれ、突出部352及び重なり部分354を含む、フレームフィラー内側プライ355は、突出部352の上にレイアップされ、ストリンガ本体プライ325は、重なり部分354の上にレイアップされる。
図23から
図28は、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202(
図21)に対して側方に位置付けされた、第1、第2、及び第3のストリンガ本体プライ積層プライヘッド210、212、214(
図21)を使用して形成され、結果的に、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350の突出部352が、ストリンガ本体部分320のストリンガ本体側縁324の単一の側縁から突出するストリンガ積層板300の実施例を示す。しかしながら、後述の他の実施例(
図42及び
図43)では、ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214は、結果的に各フレームフィラー位置342における突出部352がストリンガ本体部分320の両側のストリンガ本体側縁324のそれぞれから突出するように、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202に対して位置付けされてもよい。
【0041】
図25から
図28を参照すると、
図25では、複数のフレームフィラー部分340が、ストリンガ本体部分320のストリンガ本体側縁324から突出するストリンガ積層板300の一実施例の上面図が示されている。上述のように、ストリンガ本体部分320は、各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー上部プライ348、ストリンガ積層板300の長さ方向に沿って延在する1つ又は複数のストリンガ本体プライ325、及び各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー底部プライ350から構成される。幾つかの実施例では、ストリンガ本体部分320は、長さと幅のアスペクト比が2以上となるように形成され得る。上述のように、ストリンガ本体部分320は、ストリンガ本体の長さを画定するストリンガ本体縁端322を有する。さらに、ストリンガ本体部分320は、ストリンガ本体部分320の幅を画定する両側のストリンガ本体側縁324を有する。さらに、上述のように、ストリンガ積層板300は、各フレームフィラー位置342において、フレームフィラー上部プライ348、1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ356、及びフレームフィラー底部プライ350からそれぞれ構成された複数のフレームフィラー部分340を含む。
【0042】
上述のように、ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214は、種々の幅を有する複合材料238を分配し、結果的に、両側のストリンガ本体側縁324のうちの少なくとも1つが斜角縁382として形成され得る。例えば、
図26は、
図25のストリンガ本体部分320の断面図であり、斜角縁382として形成された両側のストリンガ本体側縁324の両方を示す。
図27は、
図25のフレームフィラー位置342のうちの1つで切り取られた、ストリンガ積層板300の断面図である。ストリンガ積層板300は、
図22のストリンガ積層板300から反転した配向で示されており、
図27では、フレームフィラー底部プライ350がストリンガ積層板300の上部にあり、フレームフィラー上部プライ348が底部にある。ストリンガ本体プライ325は、対応するフレームフィラー内側プライ355と横並び配置にある。ストリンガ本体側縁324の斜面隅角380は、フレームフィラー内側プライ355の斜面隅角380を補完する。
図28は、フレームフィラー部分340のうちの1つの長さ方向に沿って切り取った断面図であり、フレームフィラープライの両側のフレームフィラー縁端344が斜面隅角380を画定するところを示す。本明細書に開示された実施例のいずれかでは、斜角縁382を有するストリンガ本体部分320及び/又はフレームフィラー部分340を積層することにより、応力集中が低減し得る。応力集中は、他の状況下では、ストリンガ積層板300に組み付けられる外板パネル456(
図32)又は他の複合部品で生じ得る。
【0043】
図29から
図35を参照すると、本開示の製造システム100及び方法を使用して製造されたストリンガ積層板300(
図25)を形成することから結果的に生じた成形済みストリンガ400の実施例を示す。図示の実施例では、成形済みストリンガ400は、ストリンガ本体部分320のストリンガ本体側縁324のうちの一方からフレームフィラー部分340が突出するストリンガ積層板300を成形かつ硬化した後に台形断面形状を有する。ストリンガ積層板300は、上述の台形形状、若しくは円形断面形状、四角断面形状、三角断面形状、又はその他の断面形状を含む、様々な代替的な形状のうちのいずれかに形成され得るが、これらに限定されない。
【0044】
図29から
図32では、成形済みストリンガ400は、フランジ部分406のペア、及びキャップ部分402によって相互接続されたウエブ部分404のペアを有する。
図30は、ストリンガ本体部分320に沿って切り取られた成形済みのストリンガ400の断面図である。成形済みストリンガ400のフランジ部分406は、それぞれ、斜角縁382として形成されたストリンガ本体側縁324を有する。
図31は、フレームフィラー部分340のうちの1つに沿って切り取られた成形済みのストリンガ400の断面図である。フレームフィラー部分340は、成形済みストリンガ400の一側部のフランジ部分406から突出しているように示されている。
図32は、(例えば、硬化済み又は未硬化の)複数の成形済みストリンガ400が組み付けられた(例えば、硬化済み又は未硬化の)外板パネル456を有する複合構造体450の一実施例の斜視図である。複数の成形済みストリンガ400は、それぞれそのストリンガ本体側縁324のうちの一方から突出するフレームフィラー部分340を有している。各成形済みストリンガ400から突出するフレームフィラー部分340は、隣接する成形済みストリンガ400のストリンガ本体側縁324まで延在する。成形済みストリンガ400は、外板パネル456と共接合又は共硬化され得る。フレームフィラー部分340及びフランジ部分406は、フレーム420(
図33)などの他の構造対を取り付けることができる同一面上の接合面408を設け得る。
【0045】
例えば、
図33は、外板パネル456に共接合又は共硬化された複数の成形済みストリンガ400を有するパネルアセンブリ454として構成され、外板パネル456に機械的に固定され得るフレーム420のペアをさらに含む複合構造体450を示す。外板パネル456は、平坦な形状を有するように示されているが、外板パネル456は、非平坦な形状を有してもよく、成形済みストリンガ400は、外板パネル456の非平坦形状を補完するように形成されてもよい。例えば、成形済みストリンガ400は、それぞれ、長さ方向に沿って微妙に湾曲して、外板パネル456の対応する湾曲に適合し得る。各フレーム420は、共に組み立てられたフレームウエブ424及びフレームフランジ422を含み得る。しかしながら、図示されていない他の実施例では、各フレーム420が一体構造になるように、フレームウエブ424及びフレームフランジ422が一体化され得る。各フレーム420のフレームウエブ424及びフレームフランジ422は、外板パネル456上の成形済みストリンガ400のサイズ及び間隔を補完するように寸法形成かつ構成されたストリンガ切り欠き部426を含み得る。
図33では、フレーム420のうちの1つが、ストリンガ積層板300のフランジ部分406及びフレームフィラー部分340によって集合的に画定された接合面408に取り付けられているように示されている。フランジ部分406及びフレームフィラー部分340によって集合的に画定された接合面408を示すために、残りのフレーム420が、成形済みストリンガ400及び外板パネル456から離されているように示されている。
【0046】
図34は、
図33の複合構造体450の断面図であり、フランジ部分406とフレームフィラー部分340との組み合わせによって画定された接合面408に取り付けられたフレーム420のフレームフランジ422を示す。フレームフランジ422を外板パネル456に連結する機械的ファスナ428も示されている。図示されているように、フレームフィラー部分340及びフランジ部分406は、フレームフランジ422のための同一面上の接合面408を設ける。
図35は、複合構造体450の断面図であり、フレームフィラー部分340上で支持され、かつ外板パネル456に固定された、フレーム420のフレームフランジ422を示す。
図36は、外板パネル456に連結された成形済みストリンガ400を示す。フレーム420及び機械的ファスナ428が
図36で省略されることにより、隣接する成形済みストリンガ400のフランジ部分406と(例えば、0.010インチの範囲内で)実質的に同一面である成形済みストリンガ400のフランジ部分406及びフレームフィラー部分340によって画定された接合面408が例示されている。
【0047】
図37及び
図38を参照すると、概して長手方向に配向された複数の成形済みストリンガ400を有する胴体バレル部452として構成された複合構造体450の実施例が示されている。さらに、胴体バレル部452は、複数の軸方向に離間した外周フレーム420、並びに成形済みストリンガ400及び外周フレームの周りで360度延在する外側外板パネル456を含む。フレームの少なくとも一部は、概して円形(例えば、楕円)の断面形状を有し得る。外周フレーム420は、成形済みストリンガ400のフランジ部分406及びフレームフィラー部分340によって画定された接合面408に連結され得る。
図34から
図36に示す上述の配置と同様に、胴体バレル部452の外周フレーム420は、外板パネル466、成形済みストリンガ400のフランジ部分406及びフレームフィラー部分340に機械的に固定され得る。
【0048】
図39から
図41を参照すると、
図39では、フレームフィラー部分340のうちの1つと共に含まれるフレームフィラー外部プライ362を有するストリンガ積層板300の一実施例の分解斜視図が示されている。
図40に示すように、フレームフィラー外部プライ362が、ストリンガ積層板300のフレームフィラー上部プライ348、フレームフィラー内側プライ355、及びフレームフィラー底部プライ350に追加されている。
図39から
図41のストリンガ積層板300を製造するために、製造システム100は、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350をレイアップする前に、フレームフィラー位置342の1つ又は複数において1つ又は複数のフレームフィラー外部プライ362(例えば、プライパッチ)を積層面120上にレイアップするように構成されたフレームフィラー外部プライ積層ヘッド(図示せず)を含み得る。ストリンガ積層板300をレイアップした後、ストリンガ積層板300は、
図41に示すように、フレームフィラー外部プライ362がフレームフィラー突出部352の上側に位置し、成形済みストリンガ400のフランジ部分406にわたって延在するように形成されてもよい。複合構造体450の隣接する成形済みストリンガ400のフランジ部分406のより大きな厚さに適応するために、ストリンガ積層板300は、1つ又は複数のフレームフィラー位置342でフレームフィラー外部プライ362の1つ又は複数を含むようにレイアップされ得る。
【0049】
図42は、ストリンガ本体部分320の両側のストリンガ本体側縁324のそれぞれから突出するフレームフィラー部分340を有するストリンガ積層板300の一実施例の上面図である。
図43は、フレームフィラー位置342のうちの1つで切り取られたストリンガ積層板300の断面図であり、ストリンガ本体部分320の両側の対応するフレームフィラー内側プライ355と横並び配置のストリンガ本体プライ325を示す。フレームフィラー内側プライ355及びストリンガ本体プライ325は、ストリンガ本体部分320の両側の斜面隅角380を画定するような幅でレイアップされ得る。かようなストリンガ積層板300を製造するために、ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214(
図15、17、19)は、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350がストリンガ本体部分320の両側のストリンガ本体側縁324のそれぞれから延在するように、ストリンガ本体プライ325をレイアップするよう構成され得る。製造システム100は、ストリンガ本体部分320の両側にフレームフィラー内側プライ355をレイアップするための追加のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド(図示せず)を含み得る。
【0050】
一実施例では、製造システム100は、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350の両側のそれぞれにおいてフレームフィラー内側プライ355を同時にレイアップするために、後述のように、少なくとも1つのデュアルスピンドル型積層ヘッド216(例えば、
図46)を含み得る。さらに、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202(
図46)は、フレームフィラー上部プライ348が、ストリンガ本体部分320の両側のストリンガ本体側縁324からそれぞれ突出し、各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー底部プライ350の突出部352を補完する両側の突出部352を有するように、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー上部プライ348(
図43)をレイアップするように構成され得る。このようにして、ストリンガ本体部分320の両側のフレームフィラー内側プライ355は、各フレームフィラー位置342において、フレームフィラー底部プライ350とフレームフィラー上部プライ348との間に捕捉される。
【0051】
図44及び
図45を参照すると、
図44では、両側のストリンガ本体側縁324のそれぞれから突出するフレームフィラー部分340を有するストリンガ積層板300を成形した結果として得られた成形済みストリンガ400の一実施例が示されている。
図45は、外板パネル456に連結された複数の成形済みストリンガ400を有するパネルアセンブリ454の一実施例を示す。成形済みストリンガ400のうちの2つが、フレームフィラー部分340のない状態で製造されている。残りの成形済みストリンガ400は、両側のストリンガ本体側縁324のそれぞれから突出するフレームフィラー部分340を有する。フレームフィラー部分340は、隣接する成形済みストリンガ400のストリンガ本体側縁324まで延在するように寸法形成かつ構成されており、別の構成要素(例えば、フレーム420のフレームフランジ422)(
図34から
図36)を受け容れるための同一面上の接合面408を設ける。
【0052】
図46及び
図47を参照すると、
図46では、デュアルスピンドル型積層ヘッド216を有する製造システム100の一実施例が示されている。上述のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208(
図9、
図11、
図13)のうちの少なくとも1つが、デュアルスピンドル型積層ヘッド216として構成されてもよい。上述のように、デュアルスピンドル型積層ヘッド216は、
図47に示すように、各フレームフィラー位置342において、離間されたフレームフィラー内側プライ355のペアを同時に積層することができる。代替的に又は追加的に、上述のストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214(
図15、
図17、
図19)のうちの少なくとも1つは、デュアルスピンドル型積層ヘッド216として構成され得、これにより、2つの平行なストリンガ本体プライ325を互いに対して横並び配置で積層することが可能になる。各デュアルスピンドル型積層ヘッド216は、デュアル材料ロール234を含み得る。デュアル材料ロール234は、レイアップ材料236の2つのストリームをそれぞれデュアルカッターアセンブリ246に供給し得る。材料ロール234が裏打ちされた材料240を含む実施例では、デュアルスピンドル型積層ヘッド216は、デュアル裏打ち層セパレータ248及びデュアル裏打ち層回収ドラム252を含み得る。
【0053】
図48から
図50を参照すると、
図48では、積層面120が連続ループ積層ベルト126である製造システム100の実施例の上面図が示されている。積層面120は、積層ヘッド200の分配方向254(
図6)に対して概して平行な方向に沿って移動可能な積層ベルト126の外表面を含む。
図49は、積層ヘッド200の下方で移動可能な積層ベルト126上に支持されたストリンガ積層板300を示す製造システム100の側面図である。
図50は、連続ループ積層ベルト126の上方で支持されているように示された積層ヘッド200の実施例を示す。積層ヘッド200は、上述のように、デュアルスピンドル型積層ヘッド216として構成される。しかしながら、
図48から
図50の製造システム100は、上述のように、積層ヘッド200の1つ又は複数のシングルスピンドル構成を含み得る。積層ヘッド200は、静止しており、ビーム支持体112によって支持され得る。例えば、1つ又は複数の積層ヘッド200のための支持構造体は、1つ又は複数のポスト106によって支持された1つ又は複数のクロスビーム108を含み得る。
【0054】
図48から
図50の積層ベルト126は、上述の製造システム100のうちのいずれかに適用可能である。例えば、
図48から
図50の積層ヘッド200は、
図9から
図22に示す構成のような上述の実施例のいずれかに類似する態様で、構成かつ操作されてもよい。積層ベルト126は、弾性的に屈曲可能な材料(例えば、ゴム、プラスチック、又は他の可撓性材料)から作られてもよい。可撓性材料の代わりに、積層ベルト126は、一連のヒンジ付き金属メッシュ、又は端から端まで接続された比較的短い剛性プレートから作られてよい。積層ベルト126は、複数のローラ128によって支持されてもよく、ローラのうちの少なくとも1つが、駆動モータ(図示せず)によって駆動され得る。さらに、ローラ128は、レイアップ材料236が施される積層上面の歪みを防止するために、剛性をもたらす。
【0055】
図51から
図53を参照すると、
図51では、静止状態の積層面120、及びストリンガ積層板300の製造の間、積層面120の上を移動するように構成された複数の積層ヘッド200を有する製造システム100の一実施例の上面図が示されている。
図51から
図53の積層ヘッド200は、上述の配置のいずれかに類似する態様で、構成かつ操作されてもよい。例えば、
図51から
図53の積層ヘッド200は、
図9から
図22に示す上述の構成と同様に構成されてもよい。
図52は、
図51の製造システム100の側面図であり、
図53は、製造システム100の断面図である。上述のように、積層面120は静止しており、積層ヘッド200は、ストリンガ積層板300のレイアップの間、分配方向254(
図6)と概して整列した方向に沿って、積層面120の上を移動するように構成されている。図示の実施例では、積層ヘッド200は、基部部材102に沿って移動可能なガントリ110によって支持され得る。例えば、ガントリ110は、ビーム支持体112のペアに両側がそれぞれ連結されたクロスビーム108を含み得る。クロスビーム108は、ビーム支持体112に対して垂直に移動可能であり得る。各ビーム支持体112は、基部部材102に組み込まれ得るガントリトラック114に沿ってそれぞれ水平に移動可能であり得る。ガントリ110によって支持されているように示されているが、積層ヘッド200は、限定しないが、1つ又は複数のロボットデバイス、片持ち支持システム、又はその他の構成を含む様々な構成のうちにいずれかによって支持されてもよい。
【0056】
図54を参照すると、ストリンガ積層板300をレイアップする方法500の工程を含むフロー図が示されている。ストリンガ積層板300をレイアップする前に、当該方法は、積層面120及びストリンガ積層板300のうちの少なくとも1つに処理層304を施すことを含み得る。上述のように、製造システム100は、任意選択的に、ストリンガ積層板300をレイアップする前、途中、又は後に様々な処理材料のうちのいずれかを施すための1つ又は複数の処理材料積層ヘッド(図示せず)を含み得る。かような処理材料には、接着材料、保護材料、又は剥離材料が含まれ得る。一部の処理材料は、レイアップ後のストリンガ積層板300の処理を助けることができる。例えば、
図7から
図22は、ストリンガ積層板300の外表面の汚染を防止するために施された保護層306を示す。
【0057】
図7及び
図8を参照すると、方法500のステップ502は、少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド202を使用して、積層面120に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライ350を積層し、複数のフレームフィラー位置342を画定することを含む。図示の実施例では、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202は、
図7に示すように、一定の幅を有する複合材料238を分配して、複数のフレームフィラー底部プライ350を、移動する積層テーブル122又は積層テーブル122に先に加えられた処理層304(例えば、保護層306)の上に積層する。
【0058】
図9から
図14を参照すると、方法500のステップ504は、少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204を使用して、各フレームフィラー底部プライ350の重なり部分354が、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー内側プライ355によって覆われないように、各フレームフィラー底部プライ350の突出部352の上に1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ355を積層することを含む。例えば、第1、第2、及び第3のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208は、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350の突出部352の上に、積み重なった形で第1、第2、及び第3のフレームフィラー内側プライ356、358、360を連続的にレイアップし得る。
一連の積層ヘッド(例えば、
図7から
図21)の中では、第1、第2、及び第3のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208は、互いに対して概して整列し、1つ又は複数のフレームフィラー外側プライ積層ヘッドに対して側方にオフセットされ得る。さらに、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー内側プライ355の幅は、フレームフィラー底部プライ350の幅より小さく、結果的に、フレームフィラー内側プライ355は、フレームフィラー底部プライ350の突出部352のみを覆い、フレームフィラー底部プライ350の重なり部分354が一時的に露出する。幾つかの実施例では、フレームフィラー内側プライ355を積層するステップ504は、デュアルスピンドル型積層ヘッド216(
図46及び
図47)を使用して実行することができ、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー内側プライ355のペアが、互いに対して離間された平行関係で同時にレイアップされる。
【0059】
図15から
図20を参照すると、方法500のステップ506は、少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド210、212、214を使用して、積層面120に沿って延在しかつ各フレームフィラー位置342において重なり部分354と重なり合うストリンガ本体部分320を画定するように、1つ又は複数のストリンガ本体プライ325を積層して、各ストリンガ本体プライ325をフレームフィラー内側プライ355と横並び配置とすることを含む。例えば、第1、第2、及び第3のストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214は、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350の重なり部分354の上に、積み重なった形で第1、第2、及び第3のストリンガ本体プライ326、328、330を連続的にレイアップし得る。第1、第2、及び第3のストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214は、互いに対して概して整列し、第1、第2、及び第3のフレームフィラー内側プライ積層ヘッド204、206、208に対して側方にオフセットされ得る。ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214によって分配される複合材料238は、フレームフィラー底部プライ350とフレームフィラー内側プライ355との幅の違いにおよそ均等な幅を有し得る。以上で説明され、
図20に示されるように、各ストリンガ本体プライ325は、フレームフィラー内側プライ355と横並び配置であってもよい。ストリンガ本体部分320が比較的大きな幅を有する実施例では、デュアルスピンドル型積層ヘッド216(
図50)を使用してストリンガ本体プライ325を積層するステップ506を実行してもよく、これにより、ストリンガ本体プライ325のペアが、互いに対して離間された平行関係で積層される。
【0060】
図7から
図22を参照すると、ストリンガ本体プライ325を積層するステップ506は、ストリンガ本体部分320が、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350と重なり合い、結果的に、各フレームフィラー底部プライ350の突出部352が、ストリンガ本体部分320のストリンガ本体側縁324の一方のみから突出するように、ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214をフレームフィラー底部プライ350に対して側方に位置付けすることを含み得る。例えば、
図23から
図25の上述のストリンガ積層板300は、ストリンガ本体部分320のストリンガ本体側縁324の一方のみから突出する、各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー部分340を有する。
図32に示すように、各成形済みストリンガ400では、(ストリンガ本体側縁324から突出する)フレームフィラー部分304は、隣接する成形済みストリンガ400のフランジ部分406まで延在し、それにより、他の構成要素(例えば、
図33のパネルアセンブリ454のフレーム)が取り付けられ得る接合面408が設けられる。
【0061】
図42から
図45に示す代替的な実施例では、ストリンガ本体プライ325を積層するステップ506は、ストリンガ本体部分320が、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー底部プライ350と重なり合い、結果的に、各フレームフィラー底部プライ350の突出部352が、ストリンガ本体部分320の両側のストリンガ本体側縁324のそれぞれから突出するように、ストリンガ本体プライ積層ヘッド210、212、214をフレームフィラー底部プライ350に対して側方に位置付けすることを含み得る。例えば、
図42から
図45のストリンガ積層板300は、ストリンガ本体部分320の両方のストリンガ本体側縁324から突出する、各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー部分340を有する。
図45に示すように、成形済みストリンガ400のうちの1つの両方のストリンガ本体側縁324から突出するフレームフィラー部分340は、成形済みストリンガ400の両側の隣接するストリンガのフランジ部分406まで延在する。
【0062】
図27を参照すると、ストリンガ本体プライ325を積層するステップ506は、両側のストリンガ本体側縁324のうちの少なくとも1つが、斜角縁382として形成されるように、ストリンガ本体プライ325を積層することを含み得る。このようなシナリオでは、フレームフィラー内側プライ355を積層するステップ504は、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー内側プライ355を積層して、ストリンガ本体部分320の斜角縁382を補完する斜面隅角380を画定することを含み得る。
図27では、両方のストリンガ本体側縁324が斜角縁382を有しているように示されている。
図28を参照すると、フレームフィラー内側プライ355を積層するステップ504は、両側のフレームフィラー側縁344のうちの少なくとも1つが斜角縁382として形成されるように、フレームフィラー内側プライ355を積層することを含み得る。
図28では、両方のフレームフィラー縁端344が、非垂直な斜面隅角380で形成される。
【0063】
図21及び
図22を参照すると、方法500のステップ508は、フレームフィラー外側プライ積層ヘッド202を使用して、各フレームフィラー位置342におけるフレームフィラー内側プライ355が、フレームフィラー底部プライ350とフレームフィラー上部プライ348との間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板300が、各フレームフィラー位置342においてストリンガ本体部分320のストリンガ本体側縁324のうちの少なくとも1つから側方に突出するフレームフィラー部分340を有するように、各フレームフィラー位置342においてフレームフィラー内側プライ355の上にフレームフィラー上部プライ348を積層することを含む。上述のように、各フレームフィラー上部プライ348は、各フレームフィラー位置342において、ストリンガ本体プライ325及びフレームフィラー内側プライ355の幅にわたって延在する。
【0064】
本開示の方法500では、フレームフィラー底部プライ350、フレームフィラー内側プライ355、ストリンガ本体プライ325、及びフレームフィラー上部プライ348をそれぞれ積層するステップ502、504、506、508は、互いにエンドツーエンド関係で配置された複数の積層ヘッド200によって順次実施され、ストリンガ本体部分320及びフレームフィラー部分340において所望のプライ積層シーケンスを有するストリンガ積層板300が生成され得る。プライ積層シーケンスは、一連の積層ヘッド200において積層ヘッド200の互いに対する位置によって画定され得る。
【0065】
図39及び
図40を参照すると、方法500は、任意選択的に、フレームフィラー底部プライ350を積層する前に、フレームフィラー外部プライ積層ヘッド200(図示せず)を使用して、各フレームフィラー位置342において積層面120の上に少なくとも1つのフレームフィラー外部プライ362を積層することを含み得る。
図41に示しかつ以上で説明されているように、成形済みストリンガ400において、フレームフィラー外部プライ362が、成形済みストリンガ400のフランジ部分406と重なり合うように、フレームフィラー外部プライ362は、フレームフィラー内側プライ355と少なくとも同じ幅であり、かつ好ましくはストリンガ本体部分320内へ延在する幅を有し得る。
【0066】
方法500は、プライを積層するとき、積層ヘッド200の分配方向254(
図6)と概して整列した方向に沿って、積層ヘッド200又は積層面120のいずれかを移動させることを含み得る。
図1から
図4に示された製造システム100の実施例を参照すると、当該方法は、分配方向254と概して整列した方向に沿って、積層ヘッド200の下方で積層面120を移動させることを含む。
図1から
図4の実施例では、積層ヘッド200は、ストリンガ積層板300のレイアップの間、少なくとも分配方向254に沿って静止状態であり得る。
図1から
図4及び
図7から
図21の実施例では、当該方法は、積層テーブル122の外表面の上及び/又は積層ヘッド200によって先にレイアップされたプライの上にプライをレイアップする間、少なくとも1つの方向に沿って、剛性積層テーブル122を積層ステーション198へと移動させることを含む。このような構成では、当該方法は、積層テーブル122が積層ステーション198を1回又は複数回にわたって通過する間、ストリンガ積層板300をレイアップすることを含み得る。
図48から
図50に示す製造システム100の実施例では、積層ヘッド200の下方で積層面120を移動させることは、積層ベルト126の外表面の上及び/又は積層ヘッド200によって先に形成された複合プライ302の上に複合プライ302を積層する間、積層ヘッド200の下方で少なくとも1つの連続ループ積層ベルト126を移動させることを含み得る。
【0067】
図51から
図53に示すさらに別の実施例では、当該方法は、ストリンガ積層板300のレイアップ中に積層面120が静止している間、分配方向254(
図6)と概して整列する方向に沿って、積層面120の上方で積層ヘッド200を移動させることを含み得る。かような実施例では、積層ヘッド200は、上述のように、ガントリトラック114に沿って移動可能であるガントリ110を介して、積層面120の上で移動可能であり得る。
【0068】
さらに、本開示は、以下に列挙した条項に記載された実施例を含む。
【0069】
条項A1
ストストリンガ積層板(300)をレイアップするための製造システム(100)であって、積層面(120)、並びに分配方向(254)に沿って複合材料(240)を分配し、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿った、前記積層面(120)と積層ヘッド(200)との間の相対運動の間、前記積層面(120)及び先に形成されたプライにプライを積層するように構成された複数の積層ヘッド(200)であって、前記積層面(120)に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライ(350)を積層し、複数のフレームフィラー位置(342)を画定するように構成された少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)と、各フレームフィラー底部プライ(350)の重なり部分(354)が、各フレームフィラー位置(342)においてフレームフィラー内側プライ(355)によって覆われないように、各フレームフィラー位置(342)において前記フレームフィラー底部プライ(350)の突出部(352)の上に1つ又は複数の前記フレームフィラー内側プライ(355)を積層するように構成された少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)と、前記積層面(120)に沿って延在しかつ各フレームフィラー位置(342)において前記重なり部分(354)と重なり合うストリンガ本体部分(320)を画定する1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層し、各ストリンガ本体プライ(325)をフレームフィラー内側プライ(355)と横並び配置にするように構成された少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)と、各フレームフィラー位置(342)における前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)が、フレームフィラー底部プライ(350)とフレームフィラー上部プライ(348)との間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板(300)が、前記ストリンガ本体部分(320)から側方に突出する複数のフレームフィラー部分(340)を有するように、各フレームフィラー位置(342)において前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)の上に前記フレームフィラー上部プライ(348)を積層するように構成された前記フレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)とを含む複数の積層ヘッド(200)を備えている製造システム(100)。
【0070】
条項A2
前記複数の積層ヘッド(200)が、互いにエンドツーエンド関係で位置付けされ、前記フレームフィラー底部プライ(350)、前記フレームフィラー内側プライ(355)、前記ストリンガ本体プライ(325)、及び前記フレームフィラー上部プライ(348)を積層し、前記複数の積層ヘッド(200)の互いに対する位置によって画定された所望のプライ積層シーケンスで前記ストリンガ積層板(300)を生成するように構成されている、条項A1に記載の製造システム(100)。
【0071】
条項A3
前記複数の積層ヘッド(200)が静止しており、前記積層面(120)が、前記ストリンガ積層板(300)の積層の間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層ヘッド(200)の下方を移動するように構成されている、条項1又は2に記載の製造システム(100)。
【0072】
条項A4
前記積層面(120)が、前記積層ヘッド(200)の下方で移動可能な少なくとも1つの剛性積層テーブル(122)の外表面、前記積層ヘッド(200)の下方で移動可能な連続ループ積層ベルト(126)の外表面のうちの一つを含む、条項A3に記載の製造システム(100)。
【0073】
条項A5
前記積層面(120)が静止しており、前記複数の積層ヘッド(200)が、前記ストリンガ積層板(300)の積層の間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層面(120)の上方を移動するように構成されている、条項A1からA4のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0074】
条項A6
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)は、各フレームフィラー底部プライ(350)の前記突出部(352)が、前記ストリンガ本体部分(320)の両側のストリンガ本体側縁(324)のうちの単一の側縁から突出するように、前記ストリンガ本体部分(320)を積層するように構成されている、条項A1からA5のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0075】
条項A7
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)は、各フレームフィラー底部プライ(350)の前記突出部(352)が、前記ストリンガ本体部分(320)の両側のストリンガ本体側縁(324)のそれぞれから突出するように、前記ストリンガ本体部分(320)を積層するように構成されている、条項A1からA6のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0076】
条項A8
少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)及び/又は少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)が、離間され平行なストリンガ本体プライ(325)のペア、及び離間され平行なフレームフィラー内側プライ(355)のペアをそれぞれ同時に積層するように構成されたデュアルスピンドル型積層ヘッド(200)として構成されている、条項A7に記載の製造システム(100)。
【0077】
条項A9
前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)は、両側のストリンガ本体側縁(324)のうちの少なくとも1つが斜角縁(382)として形成されるように、前記ストリンガ本体プライ(325)を積層するように構成され、前記フレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)は、前記ストリンガ本体部分(320)の前記斜角縁(382)を補完する斜面隅角(380)を画定するように、各フレームフィラー位置(342)において前記フレームフィラー内側プライ(355)を積層するように構成されている、条項A1からA8のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0078】
条項A10
前記複数の積層ヘッド(200)が、各フレームフィラー位置(342)において前記フレームフィラー底部プライ(350)を積層する前に、前記フレームフィラー位置(342)の1つ又は複数において前記積層面(120)の上に少なくとも1つのフレームフィラー外部プライ(362)を積層するように構成されたフレームフィラー外部プライ積層ヘッド(200)を含む、条項A1からA9のいずれか一項に記載の製造システム(100)。
【0079】
条項B1
ストリンガ積層板(300)をレイアップする方法であって、少なくとも1つのフレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)を使用して、積層面(120)に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライ(350)を積層し、複数のフレームフィラー位置(342)を画定することと、少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)を使用して、各フレームフィラー底部プライ(350)の重なり部分(354)が、各フレームフィラー位置(342)においてフレームフィラー内側プライ(355)によって覆われないように、各フレームフィラー底部プライ(350)の突出部(352)の上に1つ又は複数の前記フレームフィラー内側プライ(355)を積層することと、少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)を使用して、前記積層面(120)に沿って延在しかつ各フレームフィラー位置(342)において前記重なり部分(354)と重なり合うストリンガ本体部分(320)を画定するように、1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層して、各ストリンガ本体プライ(325)をフレームフィラー内側プライ(355)と横並び配置とすることと、前記フレームフィラー外側プライ積層ヘッド(202)を使用して、各フレームフィラー位置(342)における前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)が、フレームフィラー底部プライ(350)とフレームフィラー上部プライ(348)との間で捕捉され、その結果、未硬化のストリンガ積層板(300)が、前記ストリンガ本体部分(320)から側方に突出する複数のフレームフィラー部分(340)を有するように、各フレームフィラー位置(342)において前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)の上に前記フレームフィラー上部プライ(348)を積層することと、前記複数のプライを積層する間、前記積層ヘッド(200)の分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層ヘッド(200)又は前記積層面(120)のいずれかを移動させることとを含む方法。
【0080】
条項B2
前記複数のプライを積層するステップが、互いにエンドツーエンド関係で配置された前記複数の積層ヘッド(200)によって順次実施され、前記複数の積層ヘッド(200)の互いに対する位置によって画定された所望のプライ積層シーケンスを有するストリンガ積層板(300)が積層される、条項B1に記載の方法。
【0081】
条項B3
前記積層ヘッド(200)又は前記積層面(120)のいずれかを移動させることは、前記複数の積層ヘッド(200)が静止している間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層面(120)を前記積層ヘッド(200)の下方で移動させることを含む、条項B1又はB2に記載の方法。
【0082】
条項B4
前記積層面(120)を前記積層ヘッド(200)の下方で移動させることが、前記プライを、プライ積層テーブル(122)の外表面、及び前記積層ヘッド(200)によって先に形成されたプライの上に積層する間、剛性積層テーブル(122)を前記積層ヘッド(200)の下方で移動させることと、前記プライを、前記積層ベルト(126)の外表面、及び前記積層ヘッド(200)によって先に形成されたプライの上に積層する間、少なくとも1つの連続ループ積層ベルト(126)を前記積層ヘッド(200)の下方で移動させることとのうちの1つを含む、条項B3に記載の方法。
【0083】
条項B5
前記積層ヘッド(200)又は前記積層面(120)のいずれかを移動させることは、前記積層面(120)が静止している間、前記分配方向(254)と概して整列した方向に沿って、前記積層ヘッド(200)を前記積層面(120)の上方で移動させることを含む、条項B1からB4のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
条項B6
前記ストリンガ本体部分(320)を画定するように、前記1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層することが、前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)を前記フレームフィラー底部プライ(350)に対して側方に位置付けし、各フレームフィラー位置(342)において前記ストリンガ本体部分(320)が、前記フレームフィラー底部プライ(350)と重なり合うようにし、その結果、各フレームフィラー底部プライ(350)の前記突出部(352)が、前記ストリンガ本体の両側のストリンガ本体側縁(324)のうちの単一の側縁から突出することを含む、請求項B1からB5のいずれか一項に記載の方法。
【0085】
条項B7
前記ストリンガ本体部分(320)を画定するように、前記1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層することが、前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)を前記フレームフィラー底部プライ(350)に対して側方に位置付けし、各フレームフィラー位置(342)において前記ストリンガ本体部分(320)が、前記フレームフィラー底部プライ(350)と重なり合うようにし、その結果、各フレームフィラー底部プライ(350)の前記突出部(352)が、前記ストリンガ本体の両側のストリンガ本体側縁(324)のそれぞれから突出することを含む、請求項B1からB6のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
条項B8
前記1つ又は複数のストリンガ本体プライ(325)を積層することと、前記1つ又は複数のフレームフィラー内側プライ(355)を積層することとが、それぞれ、前記少なくとも1つのストリンガ本体積層ヘッド(210、212、214)を使用して、両側のストリンガ本体側縁(324)のうちの少なくとも1つが斜角縁(382)として形成されるように、前記ストリンガ本体プライ(325)を積層することと、前記フレームフィラー内側プライ積層ヘッド(206)を使用して、前記ストリンガ本体部分の前記斜角縁(382)を補完する斜面隅角(380)を画定するように、各フレームフィラー位置(342)において前記フレームフィラー内側プライ(355)を積層することとを含む、条項B1からB7のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
条項B9
少なくとも1つの処理材料(240)積層ヘッド(200)を使用して、処理材料(240)を前記積層面(120)及び前記ストリンガ積層板(300)のうちの少なくとも1つに施すことをさらに含み、前記処理材料(240)が、接着材料(240)、保護材料(240)、及び剥離材料(240)のうちの少なくとも1つを含む、条項B1からB8のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
条項C1
ストリンガ積層板(300)をレイアップする方法であって、積層面(120)に沿って間隔を空けて複数のフレームフィラー底部プライ(350)を積層し、複数のフレームフィラー位置(342)を画定することと、前記フレームフィラー底部プライ(350)のうちの少なくとも1つの重なり部分(354)が、フレームフィラー内側プライ(355)によって覆われないように、前記フレームフィラー底部プライ(350)の1つ又は複数の突出部(352)の上に少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ(355)を積層することと、前記積層面(120)に沿って延在しかつ前記フレームフィラー位置(342)の1つ又は複数において前記重なり部分(354)と重なり合うストリンガ本体部分(320)を画定するように、少なくとも1つのストリンガ本体プライ(325)を積層することと、前記フレームフィラー位置(342)の少なくとも1つにおける前記少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ(355)が、前記フレームフィラー底部プライ(350)とフレームフィラー上部プライ(348)との間で捕捉されるように、前記フレームフィラー位置(342)の1つ又は複数において前記少なくとも1つのフレームフィラー内側プライ(355)の上に前記フレームフィラー上部プライ(348)を積層することを含む方法。
【0089】
本開示の追加的な修正及び改善は、当業者には明白であり得る。したがって、本明細書に記載され且つ示される部分の特定の組み合わせは、本開示のある特定の実施形態を表すことを意図するのみであり、本開示の精神及び範囲内にある代替的な実施形態又は装置を限定するものではない。