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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】超音波接合装置、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 20/10 20060101AFI20241028BHJP
【FI】
B23K20/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020169683
(22)【出願日】2020-10-07
(65)【公開番号】P2022061631
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 隆博
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宜司
(72)【発明者】
【氏名】田辺 成俊
(72)【発明者】
【氏名】山本 悠
【審査官】杉田 隼一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-119374(JP,A)
【文献】特開2001-105159(JP,A)
【文献】特開2012-161767(JP,A)
【文献】特開2000-137026(JP,A)
【文献】特開2007-142049(JP,A)
【文献】特開平05-206224(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0271669(US,A1)
【文献】国際公開第2020/067198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向の上側に被接合部材を配置可能なステージと、
前記被接合部材に対して前記高さ方向の上側に配置され、前記被接合部材を加圧力により前記高さ方向の下側に押圧し、かつ、前記高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を前記被接合部材に伝達する状態に駆動されることにより、前記被接合部材を接合する接合ツールと、
前記超音波振動により振動する前記被接合部材における前記高さ方向に沿う振動を検出するセンサと、
前記高さ方向に沿う振動の振幅を含む前記センサにより検出された前記高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、前記接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを調整するとともに、前記高さ方向に沿う振動の前記振幅が第1の規定値より大きい場合、前記高さ方向と交差する方向への前記被接合部材の振動状態に関係なく、前記制御パラメータのうち少なくとも1つを変更する制御装置と、
を備える、超音波接合装置。
【請求項2】
記制御パラメータは、前記加圧力の目標値、前記超音波振動の振幅の目標値及び前記超音波振動を発振する時間の目標値を含む、請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記高さ方向に沿う振動の前記振幅が第2の規定値より大きい場合、前記接合ツールの駆動を停止させる、
請求項2に記載の超音波接合装置。
【請求項4】
被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、前記高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を前記被接合部材に伝達する状態に駆動されることにより、前記被接合部材を接合する接合ツールとともに用いられる制御装置であって、
前記高さ方向に沿う振動の振幅を含む前記被接合部材における前記高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、前記接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを調整するとともに、前記高さ方向に沿う振動の前記振幅が規定値より大きい場合、前記高さ方向と交差する方向への前記被接合部材の振動状態に関係なく、前記制御パラメータのうち少なくとも1つを変更するプロセッサを備える、
制御装置。
【請求項5】
被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、前記高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を前記被接合部材に伝達する状態に接合ツールを駆動することにより、前記被接合部材を接合することと、
前記被接合部材を接合している状態において、前記被接合部材における前記高さ方向に沿う振動を検出することと、
前記高さ方向に沿う振動の振幅を含む前記被接合部材の前記高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、前記接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを調整するとともに、前記高さ方向に沿う振動の前記振幅が規定値より大きい場合、前記高さ方向と交差する方向への前記被接合部材の振動状態に関係なく、前記制御パラメータのうち少なくとも1つを変更することと、
を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波接合装置、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波接合では、ステージと接合ツールとの間に被接合部材を配置し、接合ツールが被接合部材を押圧した状態で接合ツールから被接合部材に超音波振動を伝達することにより、被接合部材を接合する。超音波接合では、例えば使用する被接合部材に形状のばらつき等があっても、超音波接合による接合において被接合部材の接合強度が低下しないことが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-250261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、超音波接合による接合において、被接合部材の接合強度の低下を抑制できる超音波接合装置、制御装置及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、超音波接合装置は、ステージ、接合ツール、センサ及び制御装置を備える。ステージは、高さ方向の上側に被接合部材を配置可能である。接合ツールは、被接合部材に対して高さ方向の上側に配置され、被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を被接合部材に伝達する状態に駆動されることにより、被接合部材を接合する。センサは、超音波振動により振動する被接合部材における高さ方向に沿う振動を検出する。制御装置は、高さ方向に沿う振動の振幅を含むセンサにより検出された高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを調整するとともに、高さ方向に沿う振動の振幅が第1の規定値より大きい場合、高さ方向と交差する方向への被接合部材の振動状態に関係なく、制御パラメータのうち少なくとも1つを変更する
【0006】
実施形態によれば、制御装置は、被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を被接合部材に伝達する状態に駆動されることにより、被接合部材を接合する接合ツールとともに用いられる。制御装置は、高さ方向に沿う振動の振幅を含む被接合部材における高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを調整するとともに、高さ方向に沿う振動の振幅が規定値より大きい場合、高さ方向と交差する方向への被接合部材の振動状態に関係なく、制御パラメータのうち少なくとも1つを変更するプロセッサを備える。
【0007】
実施形態によれば、制御方法では、被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を被接合部材に伝達する状態に接合ツールを駆動することにより、被接合部材を接合する。制御方法では、被接合部材を接合している状態において、被接合部材における高さ方向に沿う振動を検出する。制御方法では、高さ方向に沿う振動の振幅を含む被接合部材の高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを調整するとともに、高さ方向に沿う振動の振幅が規定値より大きい場合、高さ方向と交差する方向への被接合部材の振動状態に関係なく、制御パラメータのうち少なくとも1つを変更する
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る超音波接合装置の一例を示す概略図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る超音波接合装置により超音波接合される被接合部材の一例を示す概略図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る超音波接合装置の一例を概略的に示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る超音波接合装置を用いて被接合部材を超音波接合した場合において、好調品及び不調品の接合強度の一例を示す概略図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る超音波接合装置を用いて被接合部材を超音波接合する場合において、好調品又は不調品の被接合部材の高さ方向に沿う振動の振幅の経時的な変化の一例を示す概略図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る超音波接合装置において、制御装置により実行される処理を示すフローチャートの一例である。
図7図7は、第1の実施形態に係る超音波接合装置の変形例を示す概略図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る超音波接合装置の図7とは別の変形例を示す概略図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る超音波接合装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る超音波接合装置の一例を示す。図1に示すように、超音波接合装置1では、高さ方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)、高さ方向に交差する(垂直又は略垂直な)第1の方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、及び、高さ方向及び第1の方向の両方に交差する(垂直又は略垂直な)第2の方向が規定される。ある一例では、高さ方向は、鉛直方向と一致又は略一致する。この場合、第1の方向は、鉛直方向に交差する(垂直又は略垂直な)第1の水平方向と一致又は略一致し、第2の方向は、鉛直方向及び第1の水平方向の両方に交差する(垂直又は略垂直な)第2の水平方向と一致又は略一致する。
【0011】
超音波接合装置1において、被接合部材2,3は、高さ方向についてステージ4の上面に配置可能である。ステージ4は、高さ方向について下側から被接合部材2,3を支持する。超音波接合装置1を用いて被接合部材2,3が超音波接合される場合、被接合部材2,3は、ステージ4の上面に互いに対して重ねられた状態で配置される。
【0012】
超音波発振器5は、入力された電気信号を高周波数(例えば20kHz又は40kHz)かつ高電圧(例えば1000V程度)の電気信号に変換し、変換された電気信号を振動子6に伝達する。振動子6は、超音波発振器5から伝達された電気信号を振動に変換し、超音波を発生させる。振動子6から発せられた振動は、超音波ホーン7に伝達される。超音波ホーン7は、振動子6から伝達された超音波振動を接合ツール8に伝達する。接合ツール8は、超音波ホーン7から伝達された超音波振動を被接合部材2,3に伝達する。本実施形態では、接合ツール8は、第1の方向に振動する。加圧機構9は、超音波ホーン7及び接合ツール8に対して加圧力を加えることにより、接合ツール8を被接合部材2,3に対して押圧する。これにより、被接合部材2,3が第1の方向に振動するとともに、被接合部材2,3が接合される。
【0013】
接合ツール8から被接合部材2,3への振動の伝達方向は、接合ツール8の振動方向に対して、垂直又は略垂直である。前述のような構成であるため、接合ツール8は、被接合部材2,3を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、高さ方向と交差する第1の方向に振動する超音波振動を被接合部材2,3に伝達する状態に、駆動される。そして、接合ツール8が駆動されることにより、被接合部材2,3が接合される。なお、接合ツール8から被接合部材2,3には、第1の方向に振動する超音波振動が伝達されるが、被接合部材2,3の形状等によっては、高さ方向に沿う振動等の振動方向が第1の方向とは異なる振動が被接合部材2,3において発生し得る。高さ方向に沿う振動は、振動の伝達方向と振動方向とが一致又は略一致する振動である。
【0014】
制御装置30は、超音波発振器5及び加圧機構9を制御する。また、制御装置30には、荷重センサ10及びセンサ11が接続される。本実施形態では、荷重センサ10は、加圧機構9から超音波ホーン7及び接合ツール8に加えられる加圧力を計測パラメータとして計測する。センサ11は、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動に関する情報を検出する。本実施形態では、センサ11は、高さ方向に沿う振動の振幅及び/又は変位を計測パラメータとして計測する。荷重センサ10及びセンサ11では、所定のタイミングで定期的に、前述の計測パラメータ等が検出される。本実施形態では、センサ11は、高さ方向について被接合部材2,3の上側に配置される。
【0015】
ある一例では、センサ11は、渦電流式変位センサである。渦電流式変位センサは、センサの測定対象物(本実施形態では被接合部材2,3)が導電体である場合に用いられる。導電体は、例えば金属である。渦電流式変位センサは、センサ内部のコイルにより高周波磁界を発生させる。この高周波磁界内に測定対象物が存在すると、電磁誘導作用により、測定対象物に渦電流が発生する。渦電流式変位センサは、この渦電流によるコイルのインピーダンスの変化を利用して、センサと対象物との距離を測定する。本実施形態の超音波接合装置1では、渦電流式変位センサが、高さ方向に沿って設置される。すなわち、渦電流式変位センサは、被接合部材2と被接合部材3とが高さ方向について接する面(接合面)に対して垂直又は略垂直に設置される。これにより、渦電流式変位センサと被接合部材2,3とが接近又は離間する方向の振動、言い換えれば、接合面に対して垂直又は略垂直な方向(高さ方向)に振動する振動を検出できる。
【0016】
別のある一例では、センサ11は、レーザ変位センサである。レーザ変位センサは、センサヘッドから測定対象物にレーザ光を照射し、対象物から反射した光をセンサヘッドで受光する。レーザ変位センサは、反射光の状態の変化及び/又はレーザ光の照射から受光までの時間変化に基づいて、センサヘッドに対する測定対象物の距離を測定する。本実施形態の超音波接合装置1では、レーザ変位センサが、高さ方向に沿って設置される。すなわち、レーザ変位センサは、センサヘッドから照射されるレーザ光が、被接合部材2,3の接合面に対して垂直又は略垂直になる状態で設置される。これにより、レーザ変位センサと被接合部材2,3とが接近又は離間する方向の振動、言い換えれば、接合面に対して垂直又は略垂直な方向(高さ方向)に振動する振動を検出できる。
【0017】
なお、振動子6、超音波ホーン7及び接合ツール8は、すべてが別体であってもよく、振動子6及び超音波ホーン7が一体であってもよく、超音波ホーン7及び接合ツール8が一体であってもよい。また、振動子6、超音波ホーン7及び接合ツール8のすべてが一体であってもよい。
【0018】
超音波接合装置1を用いて被接合部材2,3が超音波接合される場合、接合ツール8が超音波振動を被接合部材2,3に伝達するとともに、加圧機構9の加圧力により接合ツール8が被接合部材3を被接合部材2に対して押圧することで、被接合部材2,3が超音波接合される。図2に示す一例では、超音波接合装置1は、電池20のリード21の接合に用いられる。電池20では、集電タブ22が、電極群23から突出する。クリップ板24は、複数の集電タブ22をクリップ板24の間に挟み込む。超音波接合装置1を用いてクリップ板24、集電タブ22及びリード21が超音波接合される場合、接合ツール8が超音波振動をクリップ板24、集電タブ22及びリード21に伝達するとともに、加圧機構9の加圧力によりクリップ板24をリード21に対して押圧する。これにより、クリップ板24、集電タブ22及びリード21が超音波接合される。なお、図2では集電タブ22が電極群23から突出する方向が第1の方向と一致しているが、これに限るものではない。例えば、集電タブ22が電極群23から突出する方向が、第2の方向と一致していてもよい。
【0019】
本実施形態の超音波接合装置1では、ユーザーインターフェースが設けられてもよい。ユーザーインターフェースは、操作部材を備える。操作部材では、超音波接合装置1の作動に関連する指令が、作業者等によって入力される。操作部材としては、ボタン、ダイヤル、ディスプレイ及びタッチパネル等が挙げられる。また、ユーザーインターフェースは、作業者等に情報を告知する告知部を備えていてもよい。告知部は、画面表示、音の発信及びライトの点灯等によって、告知する。告知部では、例えば、作業者によって認識されることが必要な情報、及び、作業者への警告情報等が、告知される。
【0020】
図3は、制御装置30のブロック図の一例を示す。制御装置30は、例えば、コンピュータである。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を含むプロセッサ又は集積回路(制御回路)、及び、メモリ等の記憶媒体を備える。制御装置30に設けられるプロセッサ又は集積回路は、1つであってもよく、複数であってもよい。制御装置30は、記憶媒体等に記憶されるプログラム等を実行することにより、処理を実行する。
【0021】
制御装置30は、中央処理部31、圧力制御部32、超音波発振制御部33及び振幅算出部34を備える。中央処理部31は、制御装置30を管理する。圧力制御部32は、加圧機構9を制御することにより、加圧機構9から被接合部材2,3に加えられる加圧力の大きさを調整する。超音波発振制御部33は、超音波発振器5の超音波発振を制御する。振幅算出部34は、センサ11の測定値に基づいて、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅を算出する。中央処理部31は、荷重センサ10から加圧機構9により加えられる荷重を取得する。中央処理部31は、荷重センサ10及び振幅算出部34から取得した情報に基づいて、圧力制御部32及び超音波発振制御部33を介して、加圧機構9及び超音波発振器5を制御可能である。また、中央処理部31は、外部の上位装置35と通信可能である。上位装置35から制御指令を受信可能である。中央処理部31は、外部の上位装置35からの要求に基づいて、超音波接合装置1に関する情報を上位装置35に送信可能である。上位装置35は、例えば、電池を製造する設備全体を制御する制御装置である。
【0022】
前述のような超音波接合装置1では、接合ツール8が第1の方向に振動する。被接合部材2,3は、接合ツール8により押圧されることで、第1の方向に振動するとともに互いに対して押し付けられるため、超音波接合される。この場合、被接合部材2,3は、第1の方向に振動するだけでなく、前述のように高さ方向に振動する可能性がある。超音波接合装置1を用いた超音波接合では、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅が大きくなるにつれて、被接合部材2,3の接合強度が小さくなる。このため、超音波接合装置1では、超音波接合時における被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅が抑制されることが、重要となる。本実施形態では、制御装置30が超音波発振器5及び加圧機構9を制御することにより、超音波接合時における被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅が抑制される。
【0023】
制御装置30が超音波発振器5及び加圧機構9を制御する際には、超音波接合装置1が被接合部材2,3を超音波接合し、荷重センサ10及びセンサ11が、前述した計測パラメータ(加圧力、及び、高さ方向に沿う振動の振幅及び/又は変位)を検出する。そして、制御装置30は、計測パラメータの荷重センサ10及びセンサ11での計測値を取得する。このため、計測パラメータが、制御装置30によって取得される。制御装置30は、計測パラメータの計測値を、所定のタイミングで定期的に取得する。このため、制御装置30は、計測パラメータの計測値に加えて、計測パラメータの時間変化(時間履歴)も、計測データとして取得する。したがって、制御装置30が取得する計測データには、加圧機構9の加圧力の時間変化(時間履歴)、及び、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅及び/又は変位の時間変化(時間履歴)等が含まれる。
【0024】
ここで、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅の閾値について説明する。被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の閾値は、超音波接合が良好に実施された好調品における計測パラメータの計測結果に基づいて、設定される。図4は、好調品及び不調品の接合強度を示す概略図である。縦軸は、接合強度(N)を示す。また、接合強度の基準値を破線σで示す。接合強度の基準値は、例えば、超音波接合後の製品の使用において要求される耐振動性を満足するような接合部の強度として設定される。本実施形態では、超音波接合により前述の接合強度の基準値を超える接合強度が得られた場合を好調品と称し、超音波接合により前述の接合強度の基準値以下の接合強度が得られた場合を不調品と称す。
【0025】
図5は、好調品又は不調品における被接合部材の高さ方向に沿う振動の経時的な変化をセンサ11で検出した際の概略図である。縦軸は振幅(μm)を示し、横軸は時間(ms)を示す。前述したように、好調品(線αで示す)は、不調品(破線βで示す)と比べて、高さ方向に沿う振動の振幅が小さい。被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の閾値は、好調品の高さ方向に沿う振動の振幅A0に基づいて設定される。好調品の高さ方向に沿う振動の振幅A0は、これに限るものではないが、例えば、被接合部材の高さ方向に沿う振動の経時的な変化において、好調品における高さ方向に沿う振動の振幅の複数の測定値を平均した値である。本実施形態では、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の閾値として、第1の規定値A1及び第2の規定値A2が設定される。第1の規定値A1は、超音波接合が好調であることを示す基準値である。第2の規定値A2は、超音波接合が不調であることを示す基準値である。第2の規定値A2は、第1の規定値A1より大きい。ある一例では、第1の規定値A1は、好調品の振幅A0を1.5倍した値、すなわち1.5×A0である。第2の規定値A2は、好調品の振幅A0を2.0倍した値、すなわち2.0×A0である。なお、第1の規定値A1及び第2の規定値A2は、振幅A0に基づいて設定された値であれば、これらに限定されるものではない。
【0026】
図6は、実施形態の超音波接合装置において被接合部材を超音波接合する場合に、制御装置によって実行される処理の一例を示す。図6の処理は、超音波接合装置1において被接合部材2,3の超音波接合作業がされるたびに、制御装置30によって実行される。したがって、図6の処理は、制御装置30の1回の超音波接合において実行される処理を示す。図3に示すように、本実施形態では、制御装置30の中央処理部31によって、図6の処理が実行される。なお、以下の説明では、時間の変数として時間tを規定する。そして、時間tにおける加圧力F(t)、高さ方向に沿う振動の振幅A(t)、超音波振動の第1の方向についての振幅B(t)を規定する。また、超音波接合装置1では、荷重センサ10によって定期的に加圧力F(t)が検出され、センサ11によって定期的に高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が検出される。中央処理部31では、加圧力F(t)及び高さ方向に沿う振動の振幅A(t)を定期的に取得する。加圧力F(t)を検出する時間間隔は、1ms以下であることが好ましい。また、高さ方向に沿う振動の振幅A(t)を検出する時間間隔は、超音波振動の1周期の10分の1以下であることが好ましい。例えば、超音波振動の周波数が20kHzである場合、振幅A(t)を検出する時間間隔は、5μs以下であることが好ましい。以下では、中央処理部31が超音波発振制御部33と協働して超音波発振器5の発振を調整し、かつ、中央処理部31が圧力制御部32と協働して加圧機構9の加圧を調整する場合を説明する。例えば、超音波発振器5は、中央処理部31から入力された制御指令に基づいて、超音波発振制御部33によって制御される。そして、加圧機構9は、中央処理部31から入力された制御指令に基づいて、圧力制御部32によって制御される。
【0027】
超音波接合装置1では、被接合部材2,3が、高さ方向についてステージ4の上面に設置される。被接合部材2,3は、高さ方向について互いに対して重ねられる。また、接合ツール8は、高さ方向について被接合部材2、3よりも上側に位置する。図6に示すように、中央処理部31では、好調品の振幅A0、第1の規定値A1、第2の規定値A2が、例えば、図3に示す上位装置35を介して入力された指令に基づいて設定される(S101)。ある一例では、上位装置35に設けられるユーザーインターフェースを介して、中央処理部31に指令が入力されてもよい。
【0028】
中央処理部31は、加圧力の目標値(制御目標値)Fsの初期値Fsi、超音波振動の第1の方向についての振幅の目標値(制御目標値)Bsの初期値Bsi、超音波を発振する時間の目標値(制御目標値)Tsの初期値Tsiを設定する(S102)。目標値Fsが設定される加圧力、目標値Bsが設定される超音波振動の第1の方向についての振幅、及び、目標値Tsが設定される発振する時間は、接合ツール8の駆動に関連する制御パラメータとなる。中央処理部31は、超音波振動の第1の方向についての振幅B(t)が振幅の目標値Bsと一致又は略一致するように、超音波発振制御部33と協働して、超音波発振器5の発振を調整する。また、中央処理部31は、加圧力F(t)が加圧力の目標値Fsと一致又は略一致するように、圧力制御部32と協働して、加圧機構9の加圧を調整する。ある一例では、加圧力の目標値Fsの初期値Fsiは500Nであり、振幅の目標値Bsの初期値Bsiは10μmであり、時間の目標値Tsの初期値Tsiは0.5秒である。なお、Fsの初期値Fsi、Bsの初期値Bsi、及び、Tsの初期値Tsiは、これに限定されるものではない。
【0029】
好調品の高さ方向に沿う振動の振幅A0、第1の規定値A1、第2の規定値A2、制御パラメータの目標値Fs,Bs,Tsの設定が完了した後、中央処理部31は、圧力制御部32を制御して、加圧機構9による被接合部材2,3の加圧を開始する(S103)。加圧機構9が被接合部材2,3を加圧すると、加圧力F(t)が変動する。図6に示すように、中央処理部31は、加圧力F(t)と加圧力の目標値Fsの初期値Fsiとを比較する(S104)。加圧力F(t)が加圧力の目標値Fsの初期値Fsi以下の場合(S104-No)、処理はS104に戻り、S104以降の処理が順次行われる。加圧力F(t)が目標値Fsの初期値Fsiより大きい場合(S104-Yes)、中央処理部31は、超音波発振制御部33と協働して、超音波発振器5から被接合部材2,3に対して超音波の発振を開始させる(S105)。
【0030】
超音波発振器5が超音波を発振すると、高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が変動する。図6に示すように、振幅算出部34は、センサ11が検出した高さ方向に沿う振動の振幅A(t)を算出する。中央処理部31は、振幅算出部34から高さ方向に沿う振動の振幅A(t)を取得する。中央処理部31は、高さ方向に沿う振動の振幅A(t)と第2の規定値A2とを比較する(S107)。高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が第2の規定値A2より大きい場合(S107-No)、中央処理部31は、例えば、上位装置35に設けられるユーザーインターフェースに、不良品の発生を告知させる(S108)。そして、中央処理部31は、超音波発振制御部33と協働して、超音波発振器5からの超音波発振を停止させる(S112)。中央処理部31は、圧力制御部32と協働して、加圧機構9による被接合部材2,3の加圧を停止させる(S113)。すなわち、処理がS107-Noに進んだ場合、超音波接合装置1が停止されるため、接合ツール8の駆動が停止される。そして、超音波接合装置1による被接合部材2,3の超音波接合が中止される。
【0031】
高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が振幅の第2の規定値A2以下の場合(S107-Yes)、中央処理部31は、高さ方向に沿う振動の振幅A(t)と第1の規定値A1とを比較する(S109)。高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が第1の規定値A1より大きい場合(S109-No)、中央処理部31は、目標値Fs,Bs,Tsの少なくとも1つの値を変更する(S110)。例えば、中央処理部31は、目標値Fsの値を変更する。前述のように、中央処理部31は、加圧力F(t)が目標値Fsに一致又は略一致するように、超音波発振制御部33と協働して超音波発振器5の発振を調整する。そのため、目標値Fsが変更されることにより、加圧力F(t)の値が変更される。Bs,Tsが変更される場合についても、Fsが変更される場合と同様である。目標値Fs,Bs,Tsのそれぞれが変更される大きさは、被接合部材2,3の組み合わせ等によって適宜設定される。S110の処理後、処理はS111に進む。
【0032】
高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が第1の規定値A1以下の場合(S109-Yes)、S110の処理を行うことなく、処理はS111に進む。S111では、中央処理部31は、時間tと時間の目標値Tsとを比較する(S111)。時間tが時間の目標値Ts以下の場合(S111-No)、処理はS106に戻り、S106以降の処理が順次実行される。時間tが時間の目標値Tsより長い場合(S111-Yes)、中央処理部31は、超音波発振制御部33と協働して、超音波発振器5からの超音波発振を停止させる(S112)。中央処理部31は、圧力制御部32と協働して、加圧機構9による被接合部材2,3の加圧を停止させる(S113)。すなわち、接合ツール8の駆動を停止させる。これにより、超音波接合装置1による被接合部材2,3の超音波接合が完了する。
【0033】
本実施形態の超音波接合装置1では、センサ11が、超音波振動により振動する被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動を検出する。制御装置30は、センサ11により検出された被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、制御パラメータ(Fs,Bs,Ts)を変更する。これにより、被接合部材2,3が高さ方向に沿って振動しても、超音波接合装置1において、制御装置30が制御パラメータを適切に変更する。よって、超音波接合装置1では、超音波接合に被接合部材2,3の接合強度の低下が抑制される。すなわち、被接合部材2,3の接合強度が維持される。
【0034】
本実施形態の超音波接合装置1では、制御パラメータは、加圧力の目標値Fs、超音波振動の第1の方向についての振幅の目標値Bs、超音波振動を発振する時間の目標値Tsを含む。制御装置30は、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が第1の規定値A1より大きい場合、制御パラメータのうち少なくとも1つを変更する。これにより、被接合部材2,3が高さ方向に沿って振動しても、超音波接合装置1において、制御装置30が制御パラメータをより適切に変更する。よって、超音波接合装置1では、超音波接合に被接合部材2,3の接合強度の低下がより抑制される。すなわち、被接合部材2,3の接合強度がさらに維持される。
【0035】
本実施形態の超音波接合装置1では、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動の振幅A(t)が第2の規定値A2より大きい場合、超音波接合装置1を停止させる。これにより、被接合部材2,3が好調に接合されていない場合、超音波接合装置1による超音波接合が継続されない。よって、超音波接合装置1では、不要な超音波接合時間を短縮することができる。
【0036】
(変形例)
ある変形例では、図7に示すように、センサ11は、高さ方向について被接合部材2,3の下側に設けられてもよい。また、図8に示すように、空洞Vがステージ4の内部に形成され、センサ11が空洞Vに配置されてもよい。この場合、センサ11は、空洞Vの内面において、高さ方向について被接合部材2,3に近い部位に配置されることが好ましい。本変形例においても、超音波接合装置1では前述と同様の制御が実行されるため、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏することに加えて、以下の作用及び効果を奏する。すなわち、本変形例では、前述のような構成を備えるため、例えば、被接合部材2,3の形状の制約等によりセンサ11の配置が制限される場合であっても、適切に被接合部材2,3を超音波接合できる。よって、超音波接合装置1では、被接合部材2,3の形状が、より自由に選択可能である。
【0037】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、第1の実施形態のセンサ11として、センサ11A,11Bの二つが設けられること以外は、第1の実施形態と同様の構成である。センサ11Aは、高さ方向について被接合部材2,3の上側に設けられる。センサ11Bは、高さ方向について被接合部材2,3の下側に設けられる。センサ11A,11Bの位置は、第1の方向及び第2の方向について、ずれていない又はほとんどずれていないことが好ましい。
【0038】
センサ11A,11Bのそれぞれでは、対応する閾値(第1の規定値及び第2の規定値)が規定される。センサ11A,11Bのそれぞれに対応する閾値は、被接合部材2,3の組み合わせ等によって適宜設定される。したがって、センサ11Aの第1の規定値及びセンサ11Bの第1の規定値は、同一であってもよく、異なっていてもよい。センサ11Aの第2の規定値及びセンサ11Bの第2の規定値は、同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、センサ11Aにおける第1の規定値及び第2の規定値、センサ11Bにおける第1の規定値及び第2の規定値の設定方法は、第1の実施形態と同様である。すなわち、好調品の振幅A0に基づいて設定される。
【0039】
制御装置30は、センサ11A,11Bのそれぞれに対応する閾値に基づいて、超音波接合装置1を制御する。本実施形態では、図6において、制御装置30が、S106,S107,S109における処理を、センサ11A,11Bのそれぞれの測定値に基づいて実行する。ある一例では、振幅算出部34は、センサ11Aの測定値に基づいて高さ方向に沿う振動の振幅Aa(t)を算出し、センサ11Bの測定値に基づいて高さ方向に沿う振動の振幅Ab(t)を算出する。S107において、中央処理部31は、高さ方向に沿う振動の振幅Aa(t)及びセンサ11Aの第2の規定値A2aを比較するとともに、高さ方向に沿う振動の振幅Ab(t)及びセンサ11Bの第2の規定値A2bを比較する。Aa(t)がA2aより大きい、又は、Ab(t)がA2bより大きい場合、中央処理部31は、第1の実施形態と同様にS108以降の処理を進め、超音波接合装置1による超音波接合が停止される。Aa(t)がA2a以下であり、かつ、Ab(t)がA2b以下である場合、処理はS109に進む。S109において、中央処理部31は、高さ方向に沿う振動の振幅Aa(t)及びセンサ11Aの第1の規定値A1aを比較するとともに、高さ方向に沿う振動の振幅Ab(t)及びセンサ11Bの第1の規定値A1bを比較する。Aa(t)がA1aより大きい、又は、Ab(t)がA1bより大きい場合、中央処理部31はS110以降の処理を進める。Aa(t)がA1a以下であり、かつ、Ab(t)がA1b以下である場合、中央処理部31はS111以降の処理を進める。なお、第2実施形態における中央処理部31により処理は、上述の処理に限るものではない。すなわち、中央処理部31による処理は、センサ11A,11Bのそれぞれの測定値に基づいて実行されるものであればよい。
【0040】
本実施形態では、上述のようにセンサ11A,11Bが高さ方向について被接合部材2,3の両側に設けられる。そのため、被接合部材2,3の高さ方向に沿う振動をより精緻に検出することができる。よって、超音波接合装置1では、超音波接合による被接合部材2,3の接合強度の低下が、より一層抑制される。なお、本実施形態においても、上述したこと以外については、前述の実施形態等と同様の構成及び処理であるため、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
【0041】
これらの少なくとも一つの実施形態では、超音波接合装置は、ステージ、接合ツール、センサ及び制御装置を備える。ステージは、高さ方向の上側に被接合部材を配置可能である。接合ツールは、被接合部材に対して高さ方向の上側に配置され、被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を被接合部材に伝達する状態に駆動されることにより、被接合部材を接合する。センサは、超音波振動により振動する被接合部材における高さ方向に沿う振動を検出する。制御装置は、センサにより検出された高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを変更する。これにより、超音波接合装置1では、超音波接合に被接合部材2,3の接合強度の低下が抑制される。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、付記を記載する。
[1]高さ方向の上側に被接合部材を配置可能なステージと、
前記被接合部材に対して前記高さ方向の上側に配置され、前記被接合部材を加圧力により前記高さ方向の下側に押圧し、かつ、前記高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を前記被接合部材に伝達する状態に駆動されることにより、前記被接合部材を接合する接合ツールと、
前記超音波振動により振動する前記被接合部材における前記高さ方向に沿う振動を検出するセンサと、
前記センサにより検出された前記高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、前記接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを変更する制御装置と、
を備える、超音波接合装置。
[2]前記高さ方向に沿う振動に関する情報は、前記高さ方向に沿う振動の振幅を含み、
前記制御パラメータは、前記加圧力の目標値、前記超音波振動の振幅の目標値及び前記超音波振動を発振する時間の目標値を含み、
前記制御装置は、前記高さ方向に沿う振動の前記振幅が第1の規定値より大きい場合、前記制御パラメータのうち少なくとも1つを変更する、
[1]に記載の超音波接合装置。
[3]前記制御装置は、前記振幅が第2の規定値より大きい場合、前記接合ツールの駆動を停止させる、
[2]に記載の超音波接合装置。
[4]被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、前記高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を前記被接合部材に伝達する状態に駆動されることにより、前記被接合部材を接合する接合ツールとともに用いられる制御装置であって、
前記被接合部材における前記高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、前記接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを変更するプロセッサを備える、
制御装置。
[5]被接合部材を加圧力により高さ方向の下側に押圧し、かつ、前記高さ方向と交差する方向に振動する超音波振動を前記被接合部材に伝達する状態に接合ツールを駆動することにより、前記被接合部材を接合することと、
前記被接合部材を接合している状態において、前記被接合部材における前記高さ方向に沿う振動を検出することと、
前記被接合部材の前記高さ方向に沿う振動に関する情報に基づいて、前記接合ツールの駆動に関連する制御パラメータを変更することと、
を含む、制御方法。
【符号の説明】
【0043】
1…超音波接合装置、4…ステージ、8…接合ツール、11…センサ、30…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9