(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、推定方法、プログラム、記憶媒体および体調管理支援システム。
(51)【国際特許分類】
G16H 50/80 20180101AFI20241028BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20241028BHJP
G08B 31/00 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
G16H50/80
G08B25/00 510M
G08B31/00 Z
(21)【出願番号】P 2020172665
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2023-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】加山 和也
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/239813(WO,A1)
【文献】特開2017-207877(JP,A)
【文献】特開2019-087932(JP,A)
【文献】特開2018-201176(JP,A)
【文献】特開2008-178042(JP,A)
【文献】特開2010-128976(JP,A)
【文献】特開2017-162214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 50/00 - 50/80
G08B 25/00
G08B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域を撮影する撮像装置によって撮影された撮像画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される撮像画像のうち、感染者を含む撮像画像の画像データから、前記感染者と接触した接触者を含む撮像画像の画像データを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段
から出力される
撮像画像の画像データに基づいて、感染症の感染リスクがある人物を特定する特定手段と、を有し、
前記抽出手段は
、
前記感染者と接触した接触者を含む撮像画像の画像データから、さらに、前記感染者の口の形状に関する情報に基づいて、前記感染者が大声を出していると判断した画像データを抽出し、
前記感染者が大声を出していると判断した画像データから、さらに、前記接触者がマスクをしている場合を除き、対面している前記感染者と前記接触者の口の距離が規定以内である撮像画像の画像データを抽出
し、
前記接触者がマスクをしている場合を除き、対面している前記感染者と前記接触者の口の距離が規定以内である撮像画像の画像データを、前記特定手段に出力し、
前記特定手段は、
対面している前記感染者と前記接触者の口の距離が規定以内である撮像画像の画像データに含まれる前記接触者を、感染症の感染リスクがある人物として特定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段により特定される前記感染症の感染リスクがある人物の情報を外部に出力する出力手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記感染者に関する情報は、外部に接続される装置から取得されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定手段により特定される前記感染症の感染リスクがある人物の感染リスクまたは度合いを推定する推定手段を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記抽出手段は、前記感染者が発症した感染症の潜伏期間に基づく期間の前記撮像画像の画像データを抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染リスク保持者を推定する情報処理装置、推定方法、プログラム、記憶媒体および体調管理支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人々が集団生活する施設において、例年、感染性胃腸炎やインフルエンザなどの集団発生が少なからず起きている。一般的な感染は、感染源(感染した人または動物、およびその排泄物や環境)、感染経路(道すじ)、感染の受けやすさ(特に、抵抗力が弱い人、高齢者、乳幼児等)の3要素が揃ったときに生じることが多い。そのため、感染源の除去、感染経路の遮断、ひとの抵抗力向上(栄養、休養、予防接種等)といった対策が有効となる。具体的には、手洗い・消毒、マスク・エプロンの着用、定期的な玩具の除菌などが挙げられる。しかしながら、上記対策で感染を防ぎきることは難しい。その場合はできる限り早く感染源を除去する、感染経路を遮断するなどといった対応を求められる。その際の有効技術として、バイタルセンサなどを活用して一度に多くの人数を精度よくモニタリングし健康状態を判断する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、感染しているが発症まで至っていない人物(潜在的な感染者)に対しては、当該人物やその家族は感染していることを把握できないため、発症時の準備を十分に行うことができない。それ故、予め潜在的な感染者からの感染経路を封じる、風邪薬などを調達しておくといった対策を講じることが困難である。
【0005】
本発明は、感染症の感染リスクを把握し、感染拡大を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、所定の領域を撮影する撮像装置によって撮影された撮像画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される撮像画像のうち、感染者を含む撮像画像の画像データから、前記感染者と接触した接触者を含む撮像画像の画像データを抽出する抽出手段と、前記抽出手段から出力される撮像画像の画像データに基づいて、感染症の感染リスクがある人物を特定する特定手段と、を有し、前記抽出手段は、前記感染者と接触した接触者を含む撮像画像の画像データから、さらに、前記感染者の口の形状に関する情報に基づいて、前記感染者が大声を出していると判断した画像データを抽出し、前記感染者が大声を出していると判断した画像データから、さらに、前記接触者がマスクをしている場合を除き、対面している前記感染者と前記接触者の口の距離が規定以内である撮像画像の画像データを抽出し、前記接触者がマスクをしている場合を除き、対面している前記感染者と前記接触者の口の距離が規定以内である撮像画像の画像データを、前記特定手段に出力し、前記特定手段は、対面している前記感染者と前記接触者の口の距離が規定以内である撮像画像の画像データに含まれる前記接触者を、感染症の感染リスクがある人物として特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、感染症の感染リスクを把握し、感染拡大を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一の実施形態に係る体調管理支援システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】第一の実施形態に係る推定部の構成示すブロック図である。
【
図3】推定処理の選択に用いる指標を示すテーブルデータの一例を示す図である。
【
図5】体調管理支援システムの動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】第一の実施形態に係る推定処理部とその周辺構成を示すブロック図である。
【
図7】第一の実施形態に係る記憶部の構成を示す図である。
【
図8】第一の実施形態に係る第二の抽出データ記憶部の構成を示すブロック図である。
【
図9】第一の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】第一の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】第二の実施形態に係る推定処理部とその周辺構成を示すブロック図である。
【
図12】第二の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第三の実施形態に係る推定処理部とその周辺構成を示すブロック図である。
【
図14】第三の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図15】第四の実施形態に係る推定処理部とその周辺構成を示すブロック図である。
【
図16】第五の実施形態に係る推定処理部とその周辺構成を示すブロック図である。
【
図17】判定指標格納部に格納されているスコアテーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を用いて、本発明の実施形態について説明する。その際、図において同一の機能を有するものは同一の数字を付け、その繰り返しの説明は省略する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は、図示された構成に限定されるものではない。
【0010】
<第一の実施形態>
図1は、第一の実施形態に係る体調管理支援システム1000の全体構成を示すブロック図である。以下、各ブロックに関して簡潔に説明する。ここでは、一例として体調管理支援システム1000を保育施設で使用する場合を例に説明する。
【0011】
体調管理支援システム1000は、推定システム101、管理端末106、およびユーザ端末107を含む。推定システム101と管理端末106とは、例えば、ネットワークを介して接続されている。また、管理端末106とユーザ端末107とは、例えば、ネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えば、WiFiなどの無線通信を用いても良いし有線LANを用いたネットワーク形態でも構わない。なお、ユーザ端末107と推定システム101とを接続し、推定システム101、管理端末106、およびユーザ端末107のそれぞれが通信可能であってもよい。
【0012】
管理端末106は、推定システム101を操作する人物である管理者が有し、管理者によって操作される端末である。管理者は、例えば、施設の職員などが該当する。ユーザ端末107は、例えば、保育施設に通う園児またはその家族などのユーザが有し、ユーザによって操作される端末である。なお、本明細書において、端末とは、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、デスクトップPC、携帯電話機等を含む。
【0013】
管理端末106は、ユーザ端末107からの感染者の関する情報を受け取り、該感染者に関する情報を推定システム101に送信(出力)する。感染者に関する情報には、例えば、感染者の氏名、病状、および発症日などが含まれる。なお、このとき、管理者がユーザから連絡を受け、管理者が管理端末106端末に感染者に関する情報を入力することで、感染者に関する情報を推定システム101に送信しても良い。そして、管理端末106は、推定システム101による推定処理の結果(処理結果)をユーザ端末107に通知する。なお、管理端末106は、すべてのユーザ端末107に処理結果を通知しても良いし、感染リスク保持者と推定されたユーザなどの一部のユーザのみに処理結果を通知してもよい。
【0014】
推定システム101は、データ制御部102、推定部103、見守り部104、および撮像データ格納部105を備える。
【0015】
見守り部104は、1以上の撮像装置を含む。撮像装置は、例えば、保育施設内の所定の領域(対象領域)を撮影し、対象領域に位置する人物や物を撮影する。
【0016】
データ制御部102は、見守り部104で撮影されたデータ(撮像画像)を撮像データ格納部105にアップロードまたは送信する。あるいは推定部103からの要求に基づいて、撮像データ格納部105から指定された撮像データをダウンロードまたは受信し、推定部103に転送する。
【0017】
撮像データ格納部105は、見守り部104で撮影されたデータを格納(記憶)する。撮像データ格納部105は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やNAS(Network Attached Storage)等により実現されうる。
【0018】
推定部103は、管理端末106からの指示(入力)をトリガーとして推定処理を開始し、処理結果を管理端末106に通知(出力)する。なお、本実施形態においては、処理結果を管理端末106に通知する設定にしているが、例えば、ユーザ端末107等、管理端末106以外に処理結果を通知するシステム構成を採ってもよい。
【0019】
以降、本実施形態の推定部103について、具体的に説明していく。
図2は、第一の実施形態に係る推定部103の構成示すブロック図である。推定部103は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC、デスクトップPC、サーバ装置、クラウドコンピューティング等の情報処理装置である。推定部103は、通知部201、選択部202、選択指標格納部203、送受信部204、推定処理部205、および記憶部206を備える。
【0020】
通知部201は、前述した管理端末106からの指示および感染者に関する情報を受け取る。あるいは、管理端末106に処理結果を通知する。
【0021】
選択部202は、通知部201からの入力情報、即ち、感染者に関する情報を確認し、推定処理部205における適正な推定方法を選択する。また、選択部202は、感染者に関する情報に基づいて、撮像データ格納部105からダウンロードする撮像データの期間を選択する。
【0022】
選択指標格納部203は、選択部202が推定処理の選択に用いる指標として参照するテーブルデータが格納されている。
図3は、推定処理の選択に用いる指標を示すテーブルデータの一例を示す図である。テーブルデータには、少なくとも1つの感染症に関する情報が含まれる。テーブルデータは、感染症名が含まれ、感染症名に対してその感染経路、潜伏期間の日数、症状の特徴(咳がでる、手から感染するなど)といった情報が紐づけされている。選択部202は、感染者に関する情報および推定処理の選択に用いる指標に基づいて、実行する推定処理および撮像データ格納部105からダウンロードする撮像データの期間を選択する。
【0023】
推定処理部205は、選択部202から指示された推定方法、言い換えると、選択部202によって選択された推定処理に則り、推定処理を進める。推定処理の詳細については後述する。また、推定処理部205は、選択部202によって選択された撮像データの期間を送受信部204に転送する。
【0024】
送受信部204は、推定処理部205から指定された日時の撮像データをデータ制御部102に対して要求する。その後、データ制御部102から転送されてきたデータを記憶部206に格納する。
【0025】
記憶部206は、データ制御部102からの転送データを格納する用途以外に、推定処理部205が使用する作業用メモリとしても機能する。
【0026】
図4は、推定部103のハードウェア構成図である。推定部103は、記憶部206と、RAM(Random Access Memory)21、ROM(Read Only Memory)22と、CPU(Central Processing Unit)23と、通信部24とを備えうる。
【0027】
CPU23は、ROM22又は記憶部206に格納されたプログラムに基づいて動作し、推定処理部205の各部の制御を行う。ROM22は、推定処理部205の起動時にCPU23によって実行されるブートプログラムや、推定処理部205のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。CPU23は、例えば、RAM21上にロードされたプログラムを実行することにより、推定処理等のフローを実現する。なお、CPU23が、これらのプログラムを他の装置から、例えば、ネットワークを介して取得して、実行してもよい。通信部24は、例えば、ネットワークを介した外部の装置との通信に利用される。
【0028】
なお、推定部103は、キーボードやマウスなどの入力部25と、ディスプレイなどの表示部26とを備えていてもよい。
【0029】
図5は、体調管理支援システム1000の動作の流れを示すフローチャートである。S601~S602では、推定部103の動作開始前の周辺ブロックの動作を記載している。まず、S601では、ユーザ端末107から、管理端末106に対して、児童Aの休園と病状について連絡が送信される。続いて、S602では、連絡を受信した管理端末106から、推定システム101へ児童Aの氏名、病状、発症日などを含む感染者に関する情報が送信される。
【0030】
以降、S603~S608では、推定部103の具体的な動作を記載している。S603では、通知部201がS602の送信データを受信する。通知部201はデータを正常に受信できた場合(Yes)は、選択部202に対して受信したデータ、即ち、感染者に関する情報を転送する。また、S603においてデータを正常に受信できなかった場合(No)は、再送要求フラグを管理端末106に通知し、S602からやり直す。
【0031】
S604では、選択部202が受信したデータを確認し、撮像データ格納部105からダウンロードする撮像データの撮影日/時間、および実行する推定処理を選択(決定)し、推定処理部205に入力する。なお、ダウンロードする撮像データの撮影日時および実行する推定処理の選択の際、選択部202は、選択指標格納部203に格納されているテーブルデータを参照する。前述したとおり、テーブルデータには
図3に示すような情報が含まれており、病状に対して、接触感染か飛沫感染か空気感染か、潜伏期間の日数、症状の特徴といった情報が紐づけされている。選択部202は、例えば、テーブルデータに含まれる感染経路および症状の特徴の少なくとも一方に基づいて、実行する推定処理を選択する。また、選択部202は、テーブルデータに含まれる潜伏期間に基づいて、撮像データ格納部105からダウンロードする撮像データの期間を選択する。
【0032】
S605では、推定処理部205は、指定された日時の撮像データを撮像データ格納部105からダウンロードするように送受信部204に指示する。送受信部204は、推定処理部205の指示を受けて、データ制御部102を介して撮像データをダウンロードする。S606では、送受信部204は、データ制御部102から転送されてきた撮像データを記憶部206に格納する。S607では、推定処理部205が、選択部202から指示された推定処理方法に則り推定処理を行う。推定処理の詳細な動作は後述する。
【0033】
S608~S609では、推定部103の動作後の周辺ブロックの動作を記載している。S608では、推定処理部205による推定処理の結果を管理端末に送信する。具体的には、推定部103は感染リスクありと推定された児童の氏名とそのリスク度を、通知部201から管理端末106に通知する。S609では、通知を受けた管理端末106が、感染リスクのある児童の家族のユーザ端末107に対してその旨を通知する。なお、以上、推定部103の動作の流れとなる。
【0034】
次に、推定部103の推定処理部205について、具体的な構成と詳細な動作を説明する。
図6は、第一の実施形態に係る推定処理部205とその周辺構成を示すブロック図である。推定処理部205は、第一の抽出部301、第二の抽出部302、第三の抽出部303、リスク度判定部304および判定指標格納部305を含む。
図7は、第一の実施形態に係る記憶部206の構成を示す図である。記憶部206は、撮像データ記憶部401、第一の抽出データ記憶部402、第二の抽出データ記憶部403、および第三の抽出データ格納部404を含む。
図8は、第一の実施形態に係る第二の抽出データ記憶部403の構成を示すブロック図である。第二の抽出データ記憶部403は、人物データ記憶部501、および物データ記憶部502を含む。
【0035】
第一の抽出部301は、撮像データ記憶部401から撮像データを取り出し、感染者である児童Aが映った画像データを抽出する。続いて、第一の抽出部301は、抽出した画像データを第一の抽出データ記憶部402に書き込み、記憶させる。
【0036】
第二の抽出部302は、第一の抽出部301の抽出結果を用いて、感染者と接触した人物である第一の接触者または感染者と接触した物である接触物の画像データを抽出する。具体的には、第二の抽出部302は、第一の抽出データ記憶部402から児童Aを含む画像データを取り出す。そして、児童Aと接触のあった児童(第一の接触者)と物(接触物)が映った画像データを抽出し、第二の抽出データ記憶部403に画像データを書き込み、記憶させる。なお、本実施形態の第二の抽出データ記憶部403は、一例として、接触者を含む画像データを記憶する人物データ記憶部501と、接触物を含む画像データを記憶する物データ記憶部502と、を分ける構成をとっている。
【0037】
第三の抽出部303は、第二の抽出部302の抽出結果を用いて、接触物と接触した人物である第二の接触者の画像データを抽出する。具体的には、第三の抽出部303は、物データ記憶部502から画像データを取り出し、接触物に触れた児童(第二の接触者)の画像データを抽出し、第三の抽出データ格納部404に画像データを書き込み、記憶させる。
【0038】
リスク度判定部304は、人物データ記憶部501と、第三の抽出データ格納部404から画像データを取り出す。そして、児童Aと接触のあった児童、即ち、第一の接触者の名前を確認し、その児童が児童Aと接触した回数をカウントする。また、接触物と接触のあった児童、即ち、第二の接触者の名前を確認し、その児童が接触物と接触した回数をカウントする。その後、リスク度判定部304は、判定指標格納部305に格納されているリスク判定指標に従い、接触が確認された児童に対して感染リスクの有無の判定を行う。例えば、判定指標の接触回数が5回に設定されているケースにおいて、児童Bが児童Aと接触した回数は10回、児童Cが児童Aと接触した回数は3回であったとする。この場合、リスク度判定部304は、接触回数が5回を超える児童Bを感染リスクあり、5回以下である児童Cを感染リスクなしと判定する。即ち、児童Bを感染リスク保持者と推定する。
【0039】
なお、リスク度判定部304は、感染リスクの有無の代わりに、例えば、接触回数に基づいて感染症に感染しているリスク(感染リスク)の度合を判定してもよい。具体的には、判定指標の接触回数が5回に設定されているケースにおいて、接触回数が5回を超える場合には「感染リスクが高い」と判定する。一方、接触回数が5回以下である場合には「感染リスクが低い」と判定する。判定指標として複数の閾値を設けることで、例えば、「高」、「中」、「低」など感染リスクの度合をより細かく判定することも可能である。
【0040】
図9は、第一の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、CPU23による各部の制御によって実行されうる。まず、S704において、第一の抽出部301は、撮像データ記憶部401から撮像データを取り出し、感染者が映った画像データを抽出する。そして、第一の抽出部301は、抽出した画像データを第一の抽出データ記憶部402に書き込み、記憶させる。
【0041】
S705において、第二の抽出部302は、第一の抽出データ記憶部402から感染者を含む画像データを取り出し、感染者と接触のあった人物(第一の接触者)と物(接触物)が映った画像データ抽出する。そして、第二の抽出部302は、抽出した画像データを第二の抽出データ記憶部403に書き込み、記憶させる。
【0042】
S706において、第三の抽出部303は、物データ記憶部502から接触物を含む画像データを取り出し、接触物に触れた人物(第二の接触者)の画像データを抽出する。そして、第三の抽出部303は、抽出した画像データを第三の抽出データ格納部404に書き込み、記憶させる。
【0043】
S707において、リスク度判定部304は、人物データ記憶部501から画像データを取り出し、感染者と接触のあった人物、即ち、第一の接触者の名前と各第一の接触者が感染者と接触した回数をカウントする。そして、S708において、リスク度判定部304は、判定指標格納部305に格納されているリスク判定指標を読み出す。そして、リスク判定指標の接触回数と、各第一の接触者のカウント値とを比較し、第一の接触者それぞれの感染リスクの有無を判定する。
【0044】
S709において、リスク度判定部304は第一の接触者それぞれの処理結果を通知部201に送信する。なお、このとき、感染リスクありと判定された第一の接触者のリスク度のみを送信するようにしてもよい。
【0045】
本フローでは、第一の接触者の感染リスクの有無を判定するフローについて説明したが、第二の接触者についても同様のフローとすることができる。第二の接触者の感染リスクの有無を判定する場合は、S707において、リスク度判定部304は、第三の抽出データ格納部404から画像データを取り出す。そして、接触物と接触のあった人物、即ち、第二の接触者の名前と各第二の接触者が接触物と接触した回数をカウントする。次に、S708において、リスク度判定部304は、判定指標格納部305に格納されているリスク判定指標を読み出す。そして、リスク判定指標の接触回数と、各第二の接触者のカウント値とを比較し、第二の接触者それぞれのリスク度を判定する。
【0046】
なお、第一の接触者と第二の接触者が重複する場合は、感染者と接触した回数と、接触物と接触した回数の合計数をリスク判定指標の接触回数と比較し、リスク度を判定する。
【0047】
また、感染者との接触と、接触物との接触とカウント値の重みづけを変更してもよい。具体的には、例えば、判定指標の接触回数が5回に設定されているケースにおいて、感染者との接触の重みを1、接触物との接触の重みを0.5に設定するとする。児童Dが感染者である児童Aと接触した回数は3回、児童Dが接触物と接触した回数は3回であったとする。この場合、接触回数のカウント値は、4.5回となる。このため、リスク度判定部304は、児童Dを感染リスクなしと判定する。なお、接触時間に応じて重みづけを変更してもよい。
【0048】
さらに、リスク判定指標は、過去の実績を反映させて判定指標を動的に変えていってもよい。これにより、推定制度を向上することが可能となる。また、リスク判定指標は、第一の接触者と第二の接触者で異なる回数としてもよい。
【0049】
さらに、リスク判定指標は必ずしも接触した回数でなくてもよい。例えば、接触した時間などでもよい。
図10は、第一の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。例として
図10にリスク判定指標として接触した時間を設けた時の動作フローを示す。このフローチャートで示す各動作(ステップ)は、CPU23による各部の制御によって実行されうる。なお、
図10のS704~S706は、
図9と同じ動作となるため説明を省略する。
【0050】
S801では、リスク度判定部304は、第一の接触者が感染者と接触した時間を取得する。接触した時間の取得に関しては、例えば、撮像データのコマ数から換算する。例えば、5コマ/秒の撮像画像において、20コマ接触している画像が続いている場合は、接触時間は4秒となる。なお、時間の算出は、別の方法であってもよい。S802では、リスク度判定部304は、判定指標格納部305に格納されているリスク判定指標を読み出す。そして、リスク判定指標の接触時間と、取得された各第一の接触者と感染者との接触時間を比較し、第一の接触者それぞれの感染リスクの有無を判定する。判定指標格納部305に格納されている判定指標の接触時間に対して、それを超えていれば感染リスクあり、それ以下であれば感染リスクなしと判定する。
【0051】
例えば、判定指標の接触時間が60秒のケースにおいて、児童Eが児童Aと接触した時間が10分、児童Fが児童Aと接触した時間が30秒であった場合、リスク度判定部304は、児童Eを感染リスクあり、児童Fを感染リスクなしと判定する。即ち、児童Eを感染リスク保持者と推定する。なお接触回数の時と同様、リスク判定指標は、過去の実績を反映させて判定指標を動的に変えていってもよい。
【0052】
以上が第一の実施形態の構成と動作の説明となる。本実施形態によれば予め感染リスクを把握することが可能となり、発症前に発症時の準備を講じることができる。そして、その結果感染症の感染拡大を低減できる。
【0053】
<第二の実施形態>
感染者が発症した感染症の感染経路が、接触感染や飛沫感染による場合は、感染者がその他の人物に対して、どのような仕草、態勢、または状態で接触したかがポイントとなる。第二の実施形態では感染者が感染を引き起こすような仕草、態勢、状態で他の人物に接した場合に限り、接触と判断する。本構成をとることで、第一の実施形態と同等の推定精度で、より推定処理負荷を軽減することが可能となる。また、推定処理で使用する記憶部206の容量も抑制することができる。
【0054】
以下、第二の実施形態の構成と動作を具体的に説明する。なお、第一の実施形態と同等の機能を有するブロックには同一の符号を付している。
図11は、第二の実施形態に係る推定処理部205とその周辺構成を示すブロック図である。第二の実施形態では、推定処理部205は、第一の検出部901を含む。そして、記憶部206は、第一の検出データ記憶部902を含む。
【0055】
第一の検出部901は、記憶部206に格納されている撮像データから、感染者の所定の動作を検出し、そのときの画像データを抽出する。そして、第一の検出データ記憶部902に書き込む。第一の検出データ記憶部902は、第一の検出部901によって抽出された画像データを記憶する。
【0056】
図12は、第二の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。S1001において、第一の検出部901は、撮像データ記憶部401に格納されている撮像データから、発症した児童(感染者)が所定の動作をしたときの画像データを抽出し、第一の検出データ記憶部902に書き込む。ここでいう感染者の所定の動作とは、他の児童に向かって大声を出している、ものを口にいれたなどを指す。なお、これらの所定の動作の抽出は画像データを解析することで行う。例えば、第一の検出部901は、感染者の顔の向きまたは感染者の口の形状に関する情報を用いて接触があったか否かの判断を行う。具体的には、例えば、画像データから感染者の開いた口の面積を計算し、その面積が予め決めておいた所定の面積以上であれば大声出していると判別するといった処理を行う。ただし、感染者がマスクをしている姿が検出されたときは、飛沫感染のリスクは無くなるため、他の児童に向かって大声を出している場面においても画像データを抽出しない。
【0057】
続いて、S1002において、第二の抽出部302は、第一の検出データ記憶部902から所定の動作をしている感染者を含む画像データを読み出し、その中から感染者と接触のあった人物(第一の感染者)と物(接触物)が映った画像データを抽出する。これ以降の動作であるS706~S709は第一の実施形態の
図9とほぼ同じとなるため説明を省略する。
【0058】
以上、第二の実施形態では感染した児童が感染を引き起こす仕草、態勢、状態で接触したときの画像データを抽出することで、推定処理の効率をさらに向上させることができる。
【0059】
<第三の実施形態>
第三の実施形態は、感染者または接触物と接触した人物が、どのような仕草、態勢、または状態で感染者または接触物と接触したかを推定処理に加えた構成となる。第二の実施形態の構成に本構成を加えることでさらに効率的な推定処理を行うことが可能となる。
【0060】
以下、第三の実施形態の構成と動作を説明する。なお、第一の実施形態、及び第二の実施形態と同等の機能を有するブロックには同一の符号を付している。
図13は、第三の実施形態に係る推定処理部205とその周辺構成を示すブロック図である。なお、本図において、記憶部206内の一部の構成を省略している。第三の実施形態では、推定処理部205は、第二の検出部1101および第三の検出部1103をさらに含む。そして、記憶部206は、第二の検出記憶部1102および第三の検出記憶部1104をさらに含む。
【0061】
図14は、第三の実施形態に係る推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。S1201は、第一の実施形態の
図9のS704とほぼ同じ内容のため説明を省略する。S1202は、第二の実施形態の
図12のS1001とほぼ同じ内容となるが、S1202では、第一の検出部901は、第一の抽出データ記憶部402から感染者を含む画像データを取り出す。そして、感染者が所定の動作をしたときの画像データを抽出し、第一の検出データ記憶部902に書き込む。なお、第二の実施形態と同様にS1201を省略してもよい。
【0062】
S1203において、第二の抽出部302は、第一の検出データ記憶部902から感染者が所定の動作をしたときの画像データを取り出し、感染者と接触のあった人物(第一の接触者)と物(接触物)が映った画像データを抽出する。そして、第二の抽出部302は、抽出した画像データを第二の抽出データ記憶部403に書き込み、記憶させる。
【0063】
S1204において、第二の検出部1101は、S1202で抽出された第一の接触者の画像データから、第一の接触者の所定の動作を検出し、そのときの画像データを抽出する。そして、第二の検出記憶部1102に書き込む。ここでいう第一の接触者の所定の動作とは、顔の向きが感染者の方向を向いている、感染者の手が第一の接触者の顔に触れている、感染者と手をつないでいるなどを指す。なお、所定の動作であるかの判定は、第二の実施形態と同様、画像データを解析することで行う。つまり、第一の接触者の、感染者に対する動作に関する情報を用いて、接触があったか否かの判定を行う。具体的には、例えば、対面している感染者と第一の接触者の口の距離を画像分析により算出し、その距離が規定以内(例えば1m以内)であれば所定の動作と判別するといった処理を行う。ただし、第一の接触者がマスクをしている姿(状態)のときは、飛沫感染のリスクは無くなるため、第一の接触者の顔が感染者の方向を向いている場面においても画像データを抽出しない。
【0064】
S1205において、第三の抽出部303は、物データ記憶部502から接触物を含む画像データを取り出し、接触物に触れた人物(第二の接触者)の画像データを抽出する。そして、第三の抽出部303は、抽出した画像データを第三の抽出データ格納部404に書き込み、記憶させる。
【0065】
S1206において、第三の検出部1103は、S1205で抽出した画像データを読み出し、第二の接触者の所定の動作を検出し、そのときの画像データを抽出する。そして、第三の検出記憶部1104に書き込む。ここでいう第二の接触者の所定の動作とは、接触物に手が触れた、接触物に口や鼻が触れたなどを指す。
【0066】
S1206完了後、第一の実施形態の
図9のS707へと処理を進める。これ以降の動作であるS707~S709は第一の実施形態の
図9とほぼ同じとなるため説明を省略する。
【0067】
以上、本実施形態によれば、推定処理の効率をさらに向上させることができる。
【0068】
<第四の実施形態>
上述の実施形態では、感染者からの感染を推定する構成であったが、第四の実施形態は、上述の実施形態において感染リスクがある、または、感染リスクの度合いが高いと判定された人物からのさらなる2次感染がないかないかを推定できる構成を採る。
図15は、第四の実施形態に係る推定処理部205とその周辺構成を示すブロック図である。
【0069】
第四の実施形態では、第一の実施形態の構成に、フィードバック手段1301を設けた構成となる。本実施形態において、第一の抽出部301は、フィードバック手段1301によって、リスク度判定部304にコマンドを送信可能である。
【0070】
まず、発症した児童を感染者と設定し、第一の実施形態で説明した推定処理を実施する。続いて、リスク度判定部304は、フィードバック手段1301を用いて、第一の抽出部301に対して、感染リスクありと判断された人物を感染者に設定する。以降、第一の実施形態で説明した推定処理を実施する。これにより、二次感染リスク保持者を推定することが可能となる。
【0071】
また、以降も同様のことを繰り返すことで、三次感染リスク保持者、四次感染リスク保持者、を推定することも可能となる。推定処理をどこまで繰り返すかは任意となる。
【0072】
本実施形態によれば、2次、3次感染リスクのある人物を推定することができる。
【0073】
<第五の実施形態>
第一の実施形態~第四の実施形態では発症した児童と直接的/間接的に接触のあった児童を抽出し、当該児童のリスク度を推定する構成を採っていた。それに対して、第五の実施形態は、発症した児童を除く全児童に対してリスク度を推定する構成を採る。本実施形態は、飛沫感染や肌などの接触感染などではなく、空気感染による病気を発症した児童がいたときに特に有効となる。以降、第五の実施形態の構成・動作について説明する。なお、第一の実施形態~第四の実施形態と同様の処理を行うブロックには同一の符号を付している。
【0074】
図16は、第五の実施形態に係る推定処理部205とその周辺構成を示すブロック図である。第五の実施形態に係る推定処理部205は、人物抽出部1401を有する。人物抽出部1401は、撮像データ格納部105からダウンロードした撮像データから、人物の画像データを抽出する。言い換えると、人物抽出部1401は、選択部202によって選択された期間内に撮像装置が撮影する対象領域にいた人物の画像データを抽出する。
【0075】
まず、選択部202は、不図示の通知部201から得られた発症した児童(感染者であり、ここでは児童Aと呼ぶ)の病状から、感染者である児童Aを除くすべての児童、即ち、に撮像画像に含まれるすべての人物に対して推定処理を行うという選択をする。具体的には、病状が麻しんや水痘といった空気感染する類であったときに、選択部202は、全児童に対して推定処理を行う決定をする。本実施形態では麻しんを患った児童がいた場合を想定する。
【0076】
人物抽出部1401は、選択部202の指示を受けた後、感染者である児童Aを除く全児童の推定処理を開始する。まず、不図示の送受信部204を介して、発症日の2日前からの撮像データをダウンロードし、記憶部206に格納する。なお、本実施形態では、麻しんの潜伏期間が2日と設定されているため(
図3参照)、発症日の2日前からの撮像データをダウンロードすることとしている。ダウンロードする撮像データの期間は、潜伏期間に従って決定されることが好ましい。なお、潜伏期間の情報は、選択指標格納部203に格納されている。
【0077】
続いて、人物抽出部1401は、記憶部に格納した撮像データから推定処理対象の人物である児童Bが所定の動作をしたとき画像データを抽出し、記憶部206に格納していく。ここでいう所定の動作とは、手洗い、手で顔を触った、マスクしている、ぐずっているという動作を指す。なお、ここでの所定の動作か否かの判別は、第二の実施形態および第三の実施形態と同様、画像データを解析することで行う。次に、リスク度判定部304は、記憶部206から抽出された児童Bが所定の動作をしたときの画像データを読み出すと共に、判定指標格納部305に格納されている各所定の動作のスコアテーブルを使用して、リスク度を算出していく。
【0078】
図17は、判定指標格納部305に格納されているスコアテーブルの一例を示す図である。スコアテーブルには、各所定の動作に対してスコア値が設定されている。リスク度判定部304は、各所定の動作に対応するスコア値を加算または減算することで感染リスク度を算出する。リスク度判定部304は、算出された感染リスク度を児童Bの処理結果として、外部に送信してもよいし、感染リスク度が閾値を超えた場合に児童Bは感染リスク保持者であると判定し、該判定結果を処理結果として外部へ送信してもよい。
【0079】
児童Bのリスク推定処理を完了したら、完了通知手段1403を介して、児童Bの推定処理が完了した旨を人物抽出部1401に通知する。通知を受けた人物抽出部1401は、次の推定処理対象の人物である児童Cの推定処理を開始する。以降の処理は前述した内容と同一となる。以上を繰り返すことで全児童に対してリスク推定処理を実施する。以上、第五の実施形態の構成と動作の説明となる。
【0080】
本実施形態によれば、感染経路が空気感染である感染症についても予め感染リスクを把握することが可能となり、感染拡大を低減できる。
【0081】
<その他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内において様々な変更が可能である。例えば、発症した感染症の感染経路や症状の特徴に基づいて、第一の実施形態~第五の実施形態の推定処理を選択可能な構成としてもよい。
【0082】
また、上述の実施形態では、体調管理支援システム1000を保育施設で使用する例について説明したが、これに限られるものではない。老人福祉施設などを含む福祉施設、学校、病院などで使用することも可能である。
【0083】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。さらに、見守り部104に含まれる撮像装置のROMに本発明の処理を記憶させることで、撮像装置が本発明の機能を実行することも可能である。この場合、撮像装置のCPUがROMに記憶されたプログラムに基づき処理を実行することによって、撮像装置による上述のフローチャートの処理が実現される。また、この場合、撮像装置は、処理結果を通信制御部等によって、外部装置へと出力する。
【符号の説明】
【0084】
101 推定システム
103 推定部
106 管理端末
107 ユーザ端末
201 通知部
202 選択部
203 選択指標格納部
205 推定処理部
301 第一の抽出部
302 第二の抽出部
303 第三の抽出部
304 リスク度判定部