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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】金属緻密層の形成方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 24/04 20060101AFI20241028BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20241028BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20241028BHJP
   B05D 1/02 20060101ALI20241028BHJP
   F01D 25/00 20060101ALN20241028BHJP
【FI】
C23C24/04
B05D3/00 D
B05D7/24 303C
B05D7/24 301A
B05D1/02 F
F01D25/00 X
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020182512
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072849
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-03-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111121
【弁理士】
【氏名又は名称】原 拓実
(74)【代理人】
【識別番号】100118474
【弁理士】
【氏名又は名称】寺脇 秀▲徳▼
(74)【代理人】
【識別番号】100141911
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 譲
(74)【代理人】
【識別番号】100234305
【弁理士】
【氏名又は名称】合瀬 恵
(72)【発明者】
【氏名】柳生 里紗
(72)【発明者】
【氏名】幡野 浩
(72)【発明者】
【氏名】高根沢 真
【審査官】菅原 愛
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-050888(JP,A)
【文献】特開2012-181026(JP,A)
【文献】特開2019-006627(JP,A)
【文献】特開2008-214702(JP,A)
【文献】特開2002-020878(JP,A)
【文献】特開2005-095886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 24/04
B05D 3/00
B05D 7/24
B05D 1/02
F01D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水あるいは蒸気と接する環境下で使用される銅(Cu)で形成された基材の水あるいは
蒸気と接する基材表面に、基材と同じ材質である銅、あるいは、銅合金、亜鉛(Zn)、
錫(Sn)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)のいずれかまたはこれらの
2つ以上を含む金属粉末粒子を衝突させて金属緻密層を形成する金属緻密層の形成方法で
あって、
金属粉末粒子供給部、金属粉末粒子貯留槽、ガス加熱部、および噴射部を有するコール
ドスプレー装置を準備する準備ステップと、
前記コールドスプレー装置による前記基材表面への施工ガスおよび前記金属粉末粒子を
含む噴流の吹き付け方向を、前記噴流の中心線と前記基材表面上の直線とのなす角度であ
り前記吹き付け方向の前記基材表面への射影である直線と前記吹き付け方向とのなす2つ
の角度のうちの小さい方の角度である前記噴流の相対角度Θが30度以上かつ80度以下
の所定の角度範囲となるように設定する角度設定ステップと、
前記コールドスプレー装置から前記噴流を前記基材表面に吹き付ける吹き付けステップ
と、
を有し、
前記噴射部から噴射される前記施工ガスの温度は、前記金属粉末粒子の強度または硬さが
室温での強度または硬さの半分の値となる温度である前記金属粉末粒子の軟化温度である
ことを特徴とする金属緻密層の形成方法。
【請求項2】
前記基材は、水直接冷却タービン発電機におけるステータコイルのコイル導体部の両端
に接続され冷却配管から冷却水を供給するクリップを構成し、銅で形成される基材である
ことを特徴とする請求項1に記載の金属緻密層の形成方法。
【請求項3】
前記金属粉末粒子の材質は、銅(Cu)または、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn
)、錫(Sn)またはリン(P)の少なくとも一つを含む銅合金であることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の金属緻密層の形成方法。
【請求項4】
前記金属粉末粒子の平均粒径は、1μmないし20μmの範囲であることを特徴とする
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の金属緻密層の形成方法。
【請求項5】
前記噴射部から噴射される前記施工ガスの温度は、250℃ないし750℃の範囲であ
ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の金属緻密層の形成方
法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、金属緻密層の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラ等から蒸気タービンへの蒸気の供給、復水器からボイラ等への給水、およびこれらの系統からの排水等のために使用される配管および機器の多くは、水を始めとする液体あるいは水蒸気に代表される気体に接する環境で使用される。また、大容量発電機に用いられる水直接冷却タービン発電機では、水によりシステムを冷却しており、その構成部材の一部は、水を始めとする冷却媒体等に接している。これらの系統構成部材の多くは、金属部材で構成されており、水あるいは蒸気と接する環境下で使用されることにより、各種の腐食が生ずるリスクを有している。
【0003】
系統構成部材の腐食に起因する水や蒸気の漏洩は、プラントの停止に直結し、発生原因の調査、対策の実施、対策の有効性の検証等、復旧までに多くのプロセスを必要とする。従って、一つの部品や系統における腐食の発生であっても、プラントの安定的な運転に対する大きな障害となる。このため、水環境あるいは蒸気環境に接する構成部材の劣化に対する対策技術は、各系統構成部材のみならずプラントシステム全体の信頼性を向上させる上で重要である。
【0004】
例えば水直接冷却タービン発電機のステータコイルにおける導電部分であるコイル導体部は、中実素線(銅線)と、冷却水が流れる孔が形成された中空素線(中空銅線)とから構成される。コイル導体の両端には、冷却配管に接続されて冷却水を供給するクリップがろう付される。クリップにおいて複数の素線を一体化し、さらに、複数の素線が一体化した素線束とクリップを結合するろう付は、電気的接続機能とともに、素線束の端面部分における冷却水のシール機能を担っている。従来、この端面部分が腐食し、水漏れを引き起こすトラブルが経験されたことから、種々の対策がなされている。
【0005】
また、異材間の接合部を始めとする異材同士の複合部を有し、かつ接液するような環境で使用される部材では、異材接合部特有の劣化要因を有している。
【0006】
例えば、前述のステータコイルのクリップ部において、クリップの材質を銅系以外の金属とする場合、この異材間の接合部については、従来、腐食加速因子を低減するために、環境のpH値を低下させる元素を含まない部材を採用する、あるいは、異材が同じ液に接液する状況に対し部品を分離することでリスクを回避するなどの対策が採られている。
【0007】
その他の対策としては、対象部を溶射で被覆し、耐食性の高い部材で表面を処理して劣化を抑制する方法の開発も進められている。溶射の技術としては、通常の高温施工による溶射の他、300℃から700℃程度の比較的低温での施工を実施する低温溶射等がある。
【0008】
発電プラント等、大型発電機器を安定して運転し、機器の信頼性を高め、円滑なエネルギー供給を実現するためには、金属部品の腐食に起因する損傷のリスクを回避できる手段が必要である。
【0009】
上述の金属部品の腐食対策である溶射では、基材部への入熱が大きく、施工対象となる基材への熱影響や応力の残留が懸念されることから、下地となる基材が限定される。これに対し、比較的施工温度が低く、施工対象である基材に対する影響が低いといわれる手法として、低温溶射法の手段の一つであるコールドスプレー法を使用して、基材の上に金属層を形成する方法がある。
【0010】
コールドスプレー法は、基材に衝突させる粉末粒子を溶かした状態で吹き付ける従来の溶射法とは異なり、基材に衝突させる粉末粒子の融点、あるいは硬度軟化する軟化温度よりも低い温度のガスを超音速に加速させ、このガスで粉末粒子を移送し、固相状態のまま基材に衝突させて被膜を形成する技術である。ここで、粉末粒子の材料としては、金属、合金、金属間化合物、セラミックス等が選定される。粉末粒子の軟化温度とは、粉末粒子の強度又は硬さが室温での強度または硬さの半分の値となる温度である。このコールドスプレー法は、例えば、溶融や溶解での作成が難しい金属、或いは、作成後の成型が難しい組成の金属に対して適用される他、基材よりも融点の高い材料を基材に成膜する際に適用を検討されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特許第4310251号公報
【文献】特許第5171125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
コールドスプレー法については、近年、各種検討が進められている。例えば、ノズルの入り口部の径しぼり部の寸法、粉末投入口とスロート間の距離を所定の範囲とし、必要に応じて異種の金属粉末粒子を混合させ、粉末粒子を過剰に加熱せずに衝突エネルギーにより基材と粒子を塑性変形させることにより、大面積の成膜を可能とする技術が知られている。この方法は、溶射の一般的な課題である、酸化物層の形成による形成層の導電性の低下を回避するために、超音速ノズルにより施工ガスを加速し、酸化物層の少ない成膜を実現する方法である。
【0013】
また、低温溶射の効率を確保するために、コールドスプレー用のノズルとして、圧縮部がノズル入口側の予熱領域と圧縮領域とを備えることを特徴とするノズルを使用することによって、粉末粒子をより効果的に加熱する技術が提案されている。
【0014】
一方、低温溶射でも成膜が難しい材料系や、コーティング層の施工時に、施工条件によっては、溶射される粒子によるエロージョンが発生して成膜できない等、成膜性への課題もあり、緻密性が確保できない材料系も少なくない。
【0015】
さらに、低融点、低軟化点、あるいはブレージングが生じる様な材料からなる部品に関しては、入熱を抑制しためっきを実施する方法等も検討されているが、基材の形状や施工箇所、施工場所等が大きく限定されるという状況がある。
【0016】
発電プラントを始めとする接液環境で使用される部材に対する対策技術として低温溶射を選択した場合に、以上に述べた先行技術には、次の2つの課題がある。
第1には、特殊な構成の装置あるいは取り付け部を必要とする点である。
第2には、一般的なストレートノズルと比較して特殊な圧縮部形状を有するノズルの使用を必要とする点である。
【0017】
そこで、本発明の実施形態は、複雑な構成によることなく、安定した金属緻密層の形成を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
実施形態に係る金属緻密層の形成方法は、水あるいは蒸気と接する環境下で使用される
銅(Cu)で形成された基材の水あるいは蒸気と接する基材表面に、基材と同じ材質であ
る銅、あるいは、銅合金、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、銀(Ag)、アルミニウム(Al
)、金(Au)のいずれかまたはこれらの2つ以上を含む金属粉末粒子を衝突させて金属
緻密層を形成する金属緻密層の形成方法であって、金属粉末粒子供給部、金属粉末粒子貯
留槽、ガス加熱部、および噴射部を有するコールドスプレー装置を準備する準備ステップ
と、前記コールドスプレー装置による前記基材表面への施工ガスおよび前記金属粉末粒子
を含む噴流の吹き付け方向を、前記噴流の中心線と前記基材表面上の直線とのなす角度で
あり前記吹き付け方向の前記基材表面への射影である直線と前記吹き付け方向とのなす2
つの角度のうちの小さい方の角度である前記噴流の相対角度Θが30度以上かつ80度以
下の所定の角度範囲となるように設定する角度設定ステップと、前記コールドスプレー装
置から前記噴流を前記基材表面に吹き付ける吹き付けステップと、を有し、前記噴射部か
ら噴射される前記施工ガスの温度は、前記金属粉末粒子の強度または硬さが室温での強度
または硬さの半分の値となる温度である前記金属粉末粒子の軟化温度であることを特徴と
する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態による金属緻密層の形成方法で用いるコールドスプレー装置の例を示す概念的なブロック図である。
図2】実施形態による金属緻密層の形成方法における相対角度を説明する概念図である。
図3】実施形態による金属緻密層の形成方法で用いるコールドスプレー装置の噴射部の噴射口の円形以外の例を示す概念図であり、(a)は楕円形、(b)は滑らかな角を有する長方形、(c)は三角形、(d)は多角形の場合を示す。
図4】実施形態による金属緻密層の形成方法を説明するための噴流の流れ方向と基材表面との相対角度が第1の角度の場合の状態を示す第1の概念図である。
図5】実施形態による金属緻密層の形成方法を説明するための噴流の流れ方向と基材表面との相対角度が第2の角度の場合の状態を示す第2の概念図である。
図6】実施形態による金属緻密層の形成方法を説明するための基材表面の緻密性の相対角度への依存性の例を示すグラフである。
図7】実施形態による金属緻密層の形成方法において、基材表面と噴流の流れ方向との相対角度による基材表面の金属緻密層の形成効率を説明するための概念図である。
図8】実施形態による金属緻密層の形成方法における基材表面の形成層の形成効率の基材表面と噴流の流れ方向との相対角度への依存性の例を示すグラフである。
図9】実施形態による金属緻密層の形成方法における基材表面の金属緻密層の形成指標の基材表面と噴流の流れ方向との相対角度への依存性の例を示すグラフである。
図10】実施形態による金属緻密層の形成方法の手順を示すフロー図である。
図11】実施例における第1のサンプルの表面の外観写真である。
図12】実施例における第2のサンプルの表面の外観写真である。
図13】実施例における第3のサンプルの表面の外観写真である。
図14】実施例における試験結果による評価結果を示す評価表である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る金属緻密層の形成方法について説明す
る。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重畳する説明は省
略する。
【0021】
図1は、実施形態による金属緻密層の形成方法で用いるコールドスプレー装置30の例を示す概念的なブロック図である。
【0022】
コールドスプレー装置30は、施工対象である基材1の基材表面1aに形成層20を形成するための装置であり、金属粉末粒子供給部31、ガス供給部32、ガス加熱部33、および噴射部34を有する。
【0023】
金属粉末粒子供給部31は、金属粉末粒子10を貯留する金属粉末粒子貯留槽31aおよび金属粉末粒子10を金属粉末粒子貯留槽31aから噴射部34に移送する移送管31bを有する。
【0024】
ここで、金属粉末粒子10としては、固体状態での硬度が低く、かつ、比較的溶融しやすい金属が好ましい。具体的には、金属粉末粒子10は、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)のいずれかまたはこれらの2つ以上を含むものとする。あるいは、銅合金の場合は、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)またはリン(P)の少なくとも一つを含むものとする。
【0025】
また、金属粉末粒子10の平均粒径は、1μmないし20μmの範囲が好ましい。ここで、平均粒径は、粒子径分布測定装置:МT3300(LOW-WET MT3000II Mode)を用いた、D50の粒径を言うものとする。金属粉末粒子10の粒径が1μmより小さいと、形成層20の形成効率が低下する。また、粒形が20μmより大きいと形成層20の緻密性が低下する。
【0026】
ガス供給部32は、ヘリウムあるいは空気などのガスを噴射部34に供給する。ガス加熱部33は、ガス供給部32から供給されるガスを、噴射部34に流入する前に加熱する。ガス加熱部33は、たとえば、電気ヒータ、あるいは高温のガスによる加熱装置などである。
【0027】
加熱温度は、金属粉末粒子10の融点よりは低い温度であり、かつ、コールドスプレー法に有効な温度であり、金属粉末粒子10の金属の種類に応じて適切に選定する。たとえば、銅は入熱による脆化温度域を持つことから、施工対象の基材1についても、使用する金属粉末粒子10についても、温度条件の選定が重要である。また、亜鉛、錫は融点が低く、高温での溶射よりも低温溶射が好ましい。
【0028】
このように、加熱温度は、金属粉末粒子10の種類によって異なり、さらに、金属粉末粒子10の粒径によっても異なるが、たとえば、金属粉末粒子10の強度または硬さが室温での強度または硬さの半分の値となる温度である金属粉末粒子10の軟化温度を用いてもよく、噴射部34から噴射される噴流14の温度が250℃ないし750℃となるような加熱温度である。温度が低すぎると、基材表面1aに衝突しても溶融しなくなり形成層20の形成に寄与しない。また、温度が高くなると、コールドスプレー法のメリットが確保できなくなる。
【0029】
噴射部34は、金属粉末粒子供給部31から供給される金属粉末粒子10を、ガス供給部32から供給されるガスにより加速して噴射する。
【0030】
加速され噴射される噴流14の流速、すなわち、施工ガス15および施工ガス15とともに噴射される金属粉末粒子10の流速は、たとえば、500m/秒程度である。
【0031】
以上のような状態で噴射された噴流14中の金属粉末粒子10は、基材1の基材表面1aに衝突し、形成層20が順次形成される。
【0032】
なお、コールドスプレー装置30は、図1に示すものに限定されず、施工ガス15および施工ガス15とともに噴射される金属粉末粒子10を含む噴流14を、対象とする基材表面1aに吹き付けることができれば、別の構成の装置であってもよい。
【0033】
図2は、実施形態による金属緻密層の形成方法における相対角度を説明する概念図である。コールドスプレー装置30の噴射部34の先端に形成された円形の噴射口35から噴射された噴流14の拡がる様子を概念的に示している。
【0034】
以下、図1および図2を引用しながら、噴流14の流れ方向と基材表面1aとの相対角度Θを以下のように定義する。
【0035】
まず、噴流14の中心線14aについて定義する。図2において、噴射口35の周囲に囲まれた円形の仮想平面を平面S1とする。また、噴射口35から基材表面1aに至る途中においての噴流を、平面S1に平行な仮想平面で切断した平面S2を考える。平面S2は、円形の平面S1を通過して均一に拡がる噴流14を切断した断面であり、平面S1と同様に円形とみなせる。平面S1の中心となる点を中心点P1、平面S2の中心となる点を中心点P2とする。中心線14aは、中心点P1から出て中心点P2を通る直線と定義する。
【0036】
次に、相対角度Θを定義する。図1に示すように、噴流14は、対象とする基材1の基材表面1aに衝突するが、噴射された噴流14の中心線14aが、基材表面1aとなす角度を相対角度Θと呼ぶこととする。ここで、相対角度Θは、中心線14aの基材表面1aとの交点1pを通る基材表面1a上の直線と中心線14aとのなす角度のうちの最小の角度をいうものとする。言い換えれば、中心線14aが基材表面1aに垂直な場合以外には中心線14aの基材表面1aへの射影である直線と中心線14aとのなす2つの角度のうちの小さい方の角度である。このようにして得られた相対角度Θは、基材表面1aへの中心線14aの入射角との合計値が90度となる角度でもある。
【0037】
図3は、実施形態による金属緻密層の形成方法で用いるコールドスプレー装置の噴射部の噴射口の円形以外の例を示す概念図であり、(a)は楕円形、(b)は滑らかな角を有する長方形、(c)は三角形、(d)は多角形の場合を示す。対象とする基材1の基材表面1aの形状に応じて、これらの円形以外の形状の噴射口を適宜用いることにより、効率的な金属緻密層の形成が可能である。それぞれの場合の中心点、すなわち、噴射口35aの中心点Pa、噴射口35bの中心点Pb、噴射口35cの中心点Pc、噴射口35dの中心点Pdは、それぞれのたとえば、重心にあたる点としてよい。
【0038】
次に、本実施形態に係る金属緻密層の形成方法において、コールドスプレー装置30を用いて、対象とする基材1の基材表面1aに噴流14を噴射する場合に、その中心線14aが基材表面1aとなす相対角度Θとして選択すべき角度の根拠について説明する。
【0039】
図4は、実施形態による金属緻密層の形成方法を説明するための噴流14の流れ方向と基材表面1aとの相対角度Θが第1の角度Θの場合の状態を示す第1の概念図である。ここで、第1の角度Θは90度である。
【0040】
噴流14は、施工対象である基材1の基材表面1aに衝突する。この結果、施工ガス15の流れと反対方向の流れである跳ね返りガス16が生ずる。
【0041】
図4に示す場合は、噴流14が基材表面1aに対して90度の角度を成して衝突することから、跳ね返りガス16の主たる方向は、太い矢印で示すように、噴流14とは逆方向、すなわち、施工ガス15への対向流となる方向となる。
【0042】
対向流の存在により、施工ガス15の流速が低下する。また、対向流の存在により、跳ね返りガス16自体も、その一部が形成層20へ巻き込まれ、形成層20に気泡、空隙、空孔等の形で取り込まれることになる。
【0043】
さらには、一旦、基材表面1aあるいは形成層20に衝突した施工ガス15が跳ね返りガス16となる際には、跳ね返りガス16は、基材1に熱を与えたことにより温度が低下する。このため、跳ね返りガス16が、進行してくる噴流14の施工ガス15および金属粉末粒子10の温度低下をもたらす。
【0044】
また、基材表面1aの近傍で、施工ガス15と跳ね返りガス16との衝突による不要な流れが生じ、基材1への過剰入熱を引き起こすリスクを生ずることになる。
【0045】
以上のように、噴流14の流れ方向と基材表面1aとの相対角度Θが90度の場合、形成層20による金属緻密層の形成が著しく阻害される。
【0046】
図5は、実施形態による金属緻密層の形成方法を説明するための噴流14の流れ方向と基材表面1aとの相対角度Θが第2の角度Θの場合の状態を示す第2の概念図である。ここで、第2の角度Θは、90度より小さい角度である。
【0047】
この場合、跳ね返りガス16の主たる方向は、噴流の入射角Φにほぼ等しい反射角Φの方向となる。したがって、跳ね返りガス16が噴流14に対する対向流となる程度は、図4に示した第1の角度の場合に比べて軽減され、形成層20に関する問題が低減し、形成層20による金属緻密層の形成が改善される。
【0048】
図6は、実施形態による金属緻密層の形成方法を説明するための基材表面の緻密性の相対角度への依存性の例を示すグラフである。横軸は相対角度Θ、縦軸は、相対角度Θの関数F(Θ)としての形成層20の緻密性である。
【0049】
ここで、形成層20の緻密性とは、形成層20が金属緻密層となる程度を表わすものとする。すなわち、金属粉末粒子10が基材表面1aで完全に溶着することにより金属緻密層が形成され、かつ気泡、空隙、空孔等を含まない形成層20を、緻密性が高いとする。
【0050】
形成層20の緻密性の確認は、詳細には、たとえば、光学的顕微鏡、電子顕微鏡等による微視的な観察や形成層20の密度測定によってもよい。あるいは、目視により行ってもよい。
【0051】
ここで、目視による場合は、たとえば、所定の期間、水あるいは蒸気などに晒した腐食環境に置いた後に、表面状態を確認し、形成層20表面の変色、酸化の有無、凹凸の有無により、緻密性を評価する方法がある。判定は、たとえば、形成層20表面に変色、酸化、凹凸も見られない場合は「〇(良好)」、変色の兆候がある場合は「△(十分でない)」、明らかな変色、酸化、あるいは凹凸がある場合は「×(不可)」などのレベルでの判定方法となる。
【0052】
前述のように、相対角度Θが0度に近い角度領域および相対角度Θが90度に近い角度領域においては、形成層20の緻密性は低いが、90度未満の領域、たとえば80度以下の領域においては、十分な緻密性が得られる。
【0053】
一方、噴流14および噴流14中の金属粉末粒子10の流速V0の基材表面1aに垂直な方向の成分は、流速V0の(sinΘ)であり、相対角Θが小さい領域では、金属粉末粒子10の基材表面1aへの付着力が低下し、形成層20の緻密性は、図6に示すように低下する。
【0054】
したがって、形成層20の緻密性を表す相対角度Θの関数F(Θ)は、Θが小さい領域および90度に近い領域では低下する特性を示す。
【0055】
図7は、実施形態による金属緻密層の形成方法において、基材表面1aと噴流14の流れ方向との相対角度Θによる基材表面1aの金属緻密層の形成効率を説明するための概念図である。
【0056】
噴流14中の金属粉末粒子10による形成層20の形成速度は、基材1の基材表面1aの単位面積当たりに吹き付けられる金属粉末粒子10の量に比例する。なお、相対角度Θが小さい領域では、基材表面1aに垂直な方向の速度成分が極端に小さくなることから、基材表面1aへの付着力が低下し、金属粉末粒子10の量に比例する形成速度からさらに下回る。
【0057】
今、図7に示すように、基材表面1aのSの大きさの部分に吹き付けられる噴流14を考える。相対角度が90度の場合は、面積Sの噴流14が吹き付けられるのに対して、相対角度がΘの場合は、図7に示すように、基材表面1aのSの大きさの部分に吹き付けられるのは面積Sの噴流である。ここで、Sは、S・cos(90-Θ)、すなわち、S・sinΘである。形成層20の形成速度が、基材1の基材表面1aの単位面積当たりに吹き付けられる金属粉末粒子の量に比例する場合、形成層20の形成速度は、sinΘに比例することになる。
【0058】
図8は、実施形態による金属緻密層の形成方法における基材表面1aの形成層20の形成効率の基材表面1aと噴流14の流れ方向との相対角度Θへの依存性の例を示すグラフである。横軸は、相対角度Θ、縦軸は、相対角度Θの関数F(Θ)としての形成層20の形成効率である。
【0059】
形成効率は、形成層20の形成速度に比例することから、図7に示すように、相対角度Θの関数F(Θ)である基材表面1aの形成層20の形成効率は、相対角度Θの正弦の値、すなわちsinΘに比例する。したがって、形成層20の形成効率を表す相対角度Θの関数F(Θ)は、Θが小さくなるほど小さくなる。
【0060】
たとえば、形成効率として、最大効率の50%を確保するためには、30度以上の相対角度Θが必要なケースが多い。但し、本実施形態が対象とする形成層20については、形成効率以上に緻密性が求められる場合も多く、形成効率は達成目安としてもよい。あるいは、形成効率の低下は施工時に発生する被形成粉末の割合を増加させる傾向があることから、要求事項に合わせて優先順位を定めてもよい。
【0061】
次に、図6に示した形成層20の緻密性と、図8に示した形成層20の形成効率とに基づいて、形成層20による金属緻密層の形成に係る質的な面と量的な面とを考慮した総合的な金属緻密層の形成指標を考える。
【0062】
図9は、実施形態による金属緻密層の形成方法における基材表面1aの金属緻密層の形成指標の基材表面1aと噴流14の流れ方向との相対角度Θへの依存性の例を示すグラフである。横軸は、相対角度Θ、縦軸は、相対角度Θの関数G(Θ)としての金属緻密層の形成指標である。
【0063】
ここで、金属緻密層の形成指標を示す関数G(Θ)は、次の式(1)により得られる。
G(Θ)=F(Θ)・F(Θ) ・・・(1)
なお、関数G(Θ)は、式(1)に限定されない。たとえば、関数F(Θ)および関数F(Θ)のそれぞれの値を重み付けのべき乗をした上で、両者の積をとってもよい。あるいは、関数F(Θ)および関数F(Θ)のそれぞれの値に重み付けした上で両者の和をとってもよい。
【0064】
図9に示すように、金属緻密層の形成指標を示す関数G(Θ)は、相対角度Θが、0度近傍および90度近傍で小さい値であり、中間領域で大きな値を示す。
【0065】
たとえば、質的な面と量的な面とを考慮してのG(Θ)の値の最小レベルをgthとすると、図9に示すように、相対角度Θは、Θ以上でΘ以下の角度とする必要がある。
【0066】
以上に述べた背景に基づいて、本実施形態に係る金属緻密層の形成方法の手順を説明する。
【0067】
図10は、実施形態による金属緻密層の形成方法の手順を示すフロー図である。
【0068】
まず、コールドスプレー装置30を準備する(ステップS01)。すなわち、たとえば、図1に示したコールドスプレー装置30を準備する。
【0069】
次に、対象とする基材表面1aに対する相対角度Θが所定の角度範囲となるように設定する(ステップS02)。すなわち、上述の内容を背景に、対象とする基材表面1aに対する噴流14の吹き付け方向の相対角度Θが、Θ以上でΘ以下の角度となるように、コールドスプレー装置30と基材1の基材表面1aとの相対関係を調整する。
【0070】
次に、コールドスプレー装置30から基材表面1aに噴流14を吹き付ける(ステップS03)。
【0071】
次に、基材表面1aに形成された形成層20の異常がないか否かを確認する(ステップS04)。確認は、基本的に目視で行うことでよい。
【0072】
基材表面1aに形成された形成層20の異常がないと確認されなかった場合(ステップS04 NO)には、原因調査を行う(ステップS06)
【0073】
基材表面1aに形成された形成層20の異常がないと確認された場合(ステップS04 YES)には、形成層20の形成が必要範囲について終了したか否かを判定する(ステップS05)。形成層20の形成が必要範囲について終了したと判定されなかった場合(ステップS05 NO)は、ステップS03移行を繰り返す。形成層20の形成が必要範囲について終了したと判定された場合(ステップS05 YES)は、形成層20の形成を終了とする。
【0074】
以上のように、本実施形態に係る金属緻密層の形成方法においては、特別なノズルや特殊な構成の装置などの複雑な構成によることなく、通常のコールドスプレー装置30を用いて、安定した金属緻密層の形成が可能である。
【0075】
以上のように形成された金属緻密層を、水を始めとする液体あるいは水蒸気に代表される気体に接する部分に有する発電プラント構成部材は、その腐食に起因する損傷のリスクを回避でき、発電プラントの安定運転に寄与することができる。
(金属緻密層の形成方法の評価)
【0076】
次に、本実施形態による金属緻密層の形成方法により、安定した金属緻密層の形成が可能であることについて説明する。
【0077】
試験片を用いて、金属緻密層を形成するための確認を行った。ここで試験片としては、水直接冷却タービン発電機におけるステータコイルのコイル導体部の両端に接続され冷却配管から冷却水を供給するクリップを想定して材料を選定した。
【0078】
試験片の基材は、クリップと同様に無酸素銅である。
【0079】
吹き付けられる金属粉末粒子は、基材と同じ材質である銅、あるいは、銅合金、亜鉛、錫、アルミニウム等であり、平均粒子径(D50)は、例えばφ2.5μm、5μm、20μm、20μm等である。なお粒子径は、粒子径分布測定装置で測定した粒子径で記載している。噴流の速度は、約VCr m/sec以下であり、VCrは以下の式で表される(引用:新しい溶射法 コールドスプレーの現状と課題(Vol.63,No9,2012))。なお実際の成膜には、基材の物性、温度、表面状態を考慮した上で速度を決定し、多くは温度、圧力、粉体の供給速度で制御する。
cr=667-14ρ+0.08T+0.1σ-0.4T
cr:臨界速度(m/sec)
ρ:粒子の密度(g/m
:粒子の融点(℃)
σu:粒子の引っ張り強さ(МPa)
:粒子の衝突温度(℃)
【0080】
噴射口と試験片の表面との間隔は、約0.5mmないし30mm程度であり、噴流の中心線と試験片の表面との相対角度Θが90度およびその近傍の角度、60度、45度、30度、20度、15度の場合について、吹き付けを行った。
【0081】
形成層の形成後、試験片は、1か月間、曝気環境に置いた後に、表面状態を観察した。
【0082】
図11ないし図13に確認結果の例を示す。図11は、実施例における第1のサンプル、図12は第2のサンプル、図13は、第3のサンプルの、それぞれの表面の外観写真である。それぞれの写真において、左右の端部の色の濃い部分は基材の表面であり、端部を除く色の明るい部分が形成層の部分である。
【0083】
図11に示す第1のサンプルは、相対角度Θが90度の場合である。表面には、形成層が形成された後に、ごく僅かだが、特に写真中央のA部に示す範囲において表面の微細な凹凸により褐色を帯びた銅色となっている部分があり、表面粗度が高いことが肉眼で確認できた。また、ごく一部であるが、写真左上のB部に示す濃い部分のような気泡が確認できた。したがって、表面に形成された形成層が、十分な金属緻密層を形成するに至っていないことが示されており、判定レベルは「△(十分でない)」と判定される。
【0084】
相対角度Θが90度の場合では、施工状態によっては、良好な形成層が形成される場合もあるが、施工状態を少し変更すると良好でない形成層となるというように、施工状態あるいは施工条件に対してロバスト性が小さいことが確認された。
【0085】
なお、相対角度Θが90度に近い角度領域においても90度から離れた角度、たとえば、80度で確認した結果では、形成層の形成は急激に安定する。すなわち、相対角度Θが80度においては、形成層20の表面に、変色、酸化、凹凸も見られず、表面状態は滑らかである。したがって、緻密性について、判定レベルは「〇(良好)」と判定される。
【0086】
図11に示す第2のサンプルは、相対角度Θが60度の場合である。形成層20の表面に変色、酸化、凹凸も見られず、表面状態は滑らかである。したがって、緻密性について、判定レベルは「〇(良好)」と判定される。
【0087】
図12に示す第3のサンプルは、相対角度Θが45度の場合である。形成層20表面に変色、酸化、凹凸も見られず、表面状態は滑らかである。したがって、緻密性について、判定レベルは「〇(良好)」と判定される。
【0088】
相対角度Θが30度および20度の場合の観察結果では、相対角度Θが60度および45度の場合と同様に、形成層20表面に変色、酸化、凹凸も見られず、表面状態は滑らかである。したがって、緻密性について、判定レベルは「〇(良好)」と判定される。
【0089】
相対角度Θが15度の場合の観察結果では、表面の微細な凹凸が肉眼で確認でき、表面に形成された形成層が、十分な金属緻密層を形成するに至っていないことが示されており、判定レベルは「△(十分でない)」と判定される。
【0090】
これらの結果から、形成層の形成が金属緻密層を形成している場合には、表面の凹凸の低減による表面改質の効果も有することが示されている。
【0091】
図14は、実施例における試験結果による評価結果を示す評価表である。
【0092】
第1行は相対角度(度)、第2行は外観写真による緻密性、第3行は形成層の形成効率、第4行は金属緻密層の形成指標である。
【0093】
第2行は、質的な面に関する第1の指標である形成層の緻密性の確認結果である。上述のように、相対角度Θが20度ないし80度の場合には〇(良好)、すなわち良好な結果、相対角度Θが15度および90度の場合には△(十分でない)、すなわち緻密性不足という結果である。
【0094】
第3行は、量的な面に関する第2の指標である形成層の形成効率であり、図8に示した結果に基づいて、相対角度Θが、20度の場合は△(不十分)、30度以上の場合は〇(良好)としている。
【0095】
第4行は、質的な面に関する第1の指標と量的な面に関する第2の指標の総合的な指標である金属緻密層の形成指標である。第1の指標および第2の指標の両者が〇(良好)の場合にのみ、金属緻密層の形成指標を〇(良好)とし、第1の指標および第2の指標の少なくともいずれかが△(十分でない)または×(不可)の場合は、金属緻密層の形成指標は第1の指標および第2の指標の低い側の評価としている。
【0096】
以上のように、相対角度Θが、30度ないし80度の各角度において、総合的に安定した金属緻密層の形成が可能であることが確認された。
[その他の実施形態]
【0097】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1…基材、1a…基材表面、10…金属粉末粒子、14…噴流、15…施工ガス、16…跳ね返りガス、20…形成層、30…コールドスプレー装置、31…金属粉末粒子供給部、31a…金属粉末粒子貯留槽、31b…移送管、32…ガス供給部、33…ガス加熱部、34…噴射部、35…噴射口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14