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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20241028BHJP
【FI】
G07B15/00 510
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020194329
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083078
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】弓倉 陽介
(72)【発明者】
【氏名】竹原 潤
(72)【発明者】
【氏名】高仲 徹
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-86731(JP,A)
【文献】特開2016-181156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
外部装置から開始信号を受信する機能と、
前記開始信号を受信すると、自身の位置を示す位置情報を取得する機能と、
前記位置情報を前記外部装置に送信する機能と、
前記開始信号を受信すると、位置情報提供装置をスキャンする機能と、
前記位置情報提供装置を識別するデバイス識別情報を含む近接デバイス情報を前記外部装置に送信する機能と、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記近接デバイス情報は、自身と所定の距離内に存在する前記位置情報提供装置を識別する前記デバイス識別情報を含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記近接デバイス情報は、自身と前記位置情報提供装置との距離を示す距離情報を含む、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記デバイス識別情報は、MACアドレスである、
請求項1乃至3の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記位置情報提供装置をスキャンすることは、Bluetooth接続によって前記位置情報提供装置をスキャンすることである、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記デバイス識別情報を送信することは、キャリア回線を通じて前記デバイス識別情報を前記外部装置に送信することである、
請求項1乃至5の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記位置情報提供装置をスキャンすることは、所定の間隔で前記位置情報提供装置をスキャンすることである、
請求項1乃至6の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記外部装置から終了信号を受信すると、前記位置情報提供装置のスキャンを終了する機能を実現させる、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
有料道路を走行する車両に存在する位置情報提供装置とデータを送受信する通信部と、
前記通信部を通じて、前記位置情報提供装置がスキャンした他の位置情報提供装置を識別するデバイス識別情報を含む近接デバイス情報を取得し、
前記近接デバイス情報に基づいて、不正利用されている他の位置情報提供装置を特定する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記位置情報提供装置と同一の車両内に存在する他の位置情報提供装置を不正利用されている他の位置情報提供装置として特定する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、検知領域内に存在する他の位置情報提供装置を不正利用されている他の位置情報提供装置として特定する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記検知領域内に所定の期間存在する他の位置情報提供装置を不正利用されている他の位置情報提供装置として特定する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記通信部は、キャリア回線を通じて前記位置情報提供装置とデータを送受信する、
請求項9乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記通信部を通じて前記位置情報提供装置の位置を示す位置情報を取得し、
前記位置情報に基づいて前記車両が通行した通行経路を特定する、
請求項9乃至13の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、
前記有料道路に設定される仮想領域に基づいて前記通行経路を特定する、
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
有料道路を走行する車両に存在する位置情報提供装置と情報処理装置とを含むシステムであって、
前記位置情報提供装置は、
前記情報処理装置とデータを送受信する第1の通信部と、
他の位置情報提供装置とデータを送受信するデバイス通信部と、
自身の位置を取得する位置取得部と、
前記第1の通信部を通じて前記情報処理装置から開始信号を受信し、
前記開始信号を受信すると、前記位置取得部を用いて自身の位置を示す位置情報を取得し、
前記位置情報を前記情報処理装置に送信し、
前記開始信号を受信すると、前記デバイス通信部を通じて他の位置情報提供装置をスキャンし、
前記他の位置情報提供装置を識別するデバイス識別情報を含む近接デバイス情報を前記情報処理装置に送信する、
第1のプロセッサと、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記位置情報提供装置とデータを送受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部を通じて開始信号を前記位置情報提供装置に送信し、
前記第2の通信部を通じて前記位置情報及び近接デバイス情報を取得し、
前記位置情報に基づいて前記車両が通行する通行経路を特定し、
前記近接デバイス情報に基づいて不正利用されている他の位置情報提供装置を特定する、
第2のプロセッサと、
を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラム、情報処理装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの有料道路において利用者が所持するスマートフォンなどの携帯端末(位置情報提供装置)から位置情報を取得して利用者の車両の通行経路を特定するシステムが提供されている。そのようなシステムは、通行経路に応じた料金を利用者から収受する。
【0003】
従来、システムは、携帯端末が他の経路を走行する車両に不正に積載されると適切に経路を特定することができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-130932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、不正利用されている位置情報提供装置を特定することができるプログラム、情報処理装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、プロセッサによって実行されるプログラムは、前記プロセッサに、外部装置から開始信号を受信する機能と、前記開始信号を受信すると、自身の位置を示す位置情報を取得する機能と、前記位置情報を前記外部装置に送信する機能と、前記開始信号を受信すると、位置情報提供装置をスキャンする機能と、前記位置情報提供装置を識別するデバイス識別情報を含む近接デバイス情報を前記外部装置に送信する機能と、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るETCシステムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る経路別料金処理システムの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る入口路側装置及び出口路側装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る車載通信装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係る車両管理テーブルの例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る経路の例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る経路判定テーブルの例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る検知領域の例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るETCシステムの動作例を示すシーケンス図である。
図10図10は、実施形態に係る位置情報提供装置の動作例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る経路判定装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施形態に係るETCシステムは、高速道路などの有料道路を通過する車両の利用者から通行料金を収受する。ETCシステムは、車両に積載されている位置情報提供装置を用いて車両の通行経路を特定する。ETCシステムは、特定された通行経路に応じた通行料金を利用者から収受する。
【0009】
図1は、実施形態に係るETCシステムの構成例を概略的に示す図である。
図1に示すETC(Electronic Toll Collection、登録商標)システムは、経路別料金処理システムの一例である。ETCシステムでは、入口に設置される入口路側装置は、車載器アンテナを介して有料道路の入口を通行する車両の車載器と無線通信する。また、出口に設置される出口路側装置は、入口を経て出口を通行する車両の車載器と無線通信する。ETCシステムは、このように、入口及び出口での無線通信により、入口及び出口にて車両を停止させずにノンストップでの料金収受を実現している。
【0010】
本実施形態で説明するETCシステムは、中央装置である経路別料金処理システム1と、路側装置である、入口路側装置2及び出口路側装置3とを備える。
【0011】
中央装置である経路別料金処理システム1は、1又は複数のコンピュータにより構成することができる。例えば、経路別料金処理システム1は、経路判定装置11及び料金計算装置12を備える。
【0012】
経路判定装置11(情報処理装置)は、第1の周波数帯(例えば700MHz帯)の電波を利用し、移動体通信事業者により提供されるキャリア回線を介して、各車両の車載通信装置5(位置情報提供装置52)と通信する。経路判定装置11は、各車両の車載通信装置5から定期的に送信される車両位置情報、つまり複数回にわたり送信される車両位置情報を受信する。また、経路判定装置11は、各車両から送信される車両位置情報等に基づき、各車両の通行経路を特定する。経路判定装置11の構成及び経路判定装置11による通行経路の特定については後に詳しく説明する。
【0013】
料金計算装置12は、各車両の入場記録、出場記録、及び通行経路に基づき通行料金を計算する。料金計算装置12の構成及び料金計算装置12による通行料金の計算についても後に詳しく説明する。
【0014】
車両位置情報は、車両識別情報及び位置情報を含み、加えて日時情報を含むようにしてもよい。入場記録は、車両識別情報及び入口識別情報を含み、加えて入場日時を含むようにしてもよい。また、入場記録は、車両の車種を示す車種情報を含んでもよい。出場記録は、車両識別情報及び出口識別情報を含み、加えて出場日時を含むようにしてもよい。また、出場記録は、車両情報を含んでもよい。さらに、出場記録は、入場記録の一部又は全部を含んでもよい。
【0015】
次に、路側通信装置としての入口路側装置2及び出口路側装置3について、説明する。
入口路側装置2は、有料道路の各入口に設置される。入口路側装置2は、車両通信部25を備える。車両通信部25は、第1の周波数帯と周波数帯が異なる第2の周波数帯(例えば5.8GHz帯)の電波を利用し、DSRC用アンテナにより各車両の車載通信装置5(ETC車載器51)と通信し、入口処理を実行する。例えば、車両通信部25は、車載通信装置5から車両識別情報を受信し、車載通信装置5に対して入口識別情報などを含む入口情報を送信する。更に、入口路側装置2は、車両から受信した車両識別情報、入口識別情報、入場日時等を含む入口利用明細情報を作成し、経路別料金処理システム1の料金計算装置12に送信する。なお、車両通信部25は、RFID(radio frequency identifier)用のアンテナを備え、RFID通信により車載通信装置5と通信するものであってもよい。また、車両通信部25は、セルラー回線(5Gなど)を通じて車載通信装置5を通信するものであってもよい。
【0016】
出口路側装置3は、有料道路の各出口に設置される。出口路側装置3は、車両通信部35を備える。車両通信部35は、DSRC用アンテナにより各車両の車載通信装置5(ETC車載器51)と通信し、出口処理を実行する。例えば、車両通信部35は、車載通信装置5から車両識別情報を受信し、車載通信装置5に対して出口識別情報などを含む出口情報を送信する。更に、出口路側装置3は、車両から受信した車両識別情報、出口識別情報、出場日時等を含む出口利用明細を作成し、経路別料金処理システム1の料金計算装置12に送信する。なお、車両通信部35は、RFID用のアンテナを備え、RFID通信により車載通信装置5と通信するものであってもよい。また、車両通信部35は、セルラー回線(5Gなど)の基地局を通じて車載通信装置5を通信するものであってもよい。
【0017】
入口路側装置2の構成及び入口処理、並びに出口路側装置3の構成及び出口処理については後に詳しく説明する。
【0018】
本システムを利用する各車両は、車載通信装置5を備える。車載通信装置5は、ETC車載器51及び位置情報提供装置52を備える。なお、ETC車載器51及び位置情報提供装置52のそれぞれは独立した機器であってもよい。例えば、位置情報提供装置52は、スマートフォン等のモバイル端末装置である。ETC車載器51は、第2の周波数帯の電波を利用した近距離通信により、入口路側装置2及び出口路側装置3に対して情報を送信し、また、情報を受信する。なお、ETC車載器51は、RFIDタグ又はSIMを読み取るものであってもよい。また、ETC車載器51は、セルラー回線(5Gなど)の基地局と通信するものであってもよい。
【0019】
一方の位置情報提供装置52は、第1の周波数帯の電波を利用した遠距離通信により、移動体通信事業者により設置される基地局を介して、経路判定装置11に対して情報を送信する。
【0020】
また、図1に示すように、有料道路の入口と出口の間の一部区間を含む仮想領域VAが定義される。仮想領域VAは、ジオフェンス(Geo-fence)等と呼ばれ、仮想的な物理的境界線により形成される多角形の領域(閉構造)、自由曲線で囲われた領域(閉曲線)又はそれらの合成による領域である。仮想領域VAは、各頂点を示す経度及び緯度の座標値と必要に応じて頂点での曲率とで特定される。
【0021】
仮想領域VAは、経路判定装置11の記憶部に記憶される領域情報により定義される。領域情報の変更(追加、削除、又はサイズ変更)により、容易に仮想領域VAは、変更可能(追加、削除、又はサイズ変更)である。本システムを利用する各車両(移動体)は、位置情報を発信する車載通信装置5ととともに移動する。経路判定装置11は、車載通信装置5(移動体)から発信される位置情報と、仮想領域VAとを比較することにより、移動体が仮想領域VAに入ったこと及び仮想領域VAから出たことを検知する。本実施形態では、ETCシステムは、有料道路の入口と出口の間の一部区間に、複数の仮想領域VAを定義し、各車両がどの仮想領域VAを通過したかを検知することを利用し、各車両の経路を判定する。
【0022】
次に、経路別料金処理システム1について説明する。
図2は、実施形態に係る経路別料金処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、経路別料金処理システム1は、経路判定装置11及び料金計算装置12を備える。
先に、経路判定装置11について説明する。経路判定装置11は、制御部111(第2のプロセッサ)、記憶部112、機器通信部113、及びキャリア回線通信部114(第2の通信部)を備える。
【0023】
制御部111は、コンピュータの中枢に相当し、経路特定等に関するデータ処理を司る制御部であり、経路特定部として機能する。制御部111は、CPU(central processing unit)等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して経路判定装置11を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部111は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより経路特定等に関するデータ処理を実行する。
【0024】
記憶部112は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、HDD或はSSDなどの大容量の記憶装置を含む。記憶部112は、制御部111のCPUが実行するプログラムを記憶する。また、記憶部112は、入口から出口に繋がる道路の一部区間を含む仮想領域VAを示す領域情報を記憶する。記憶部112が複数の仮想領域VAを示す領域情報を記憶することにより、制御部111は、任意の複数の仮想領域VAを定義することができる。また、記憶部112は、1以上の仮想領域VA及び所定通行経路を関連付けた経路判定テーブルを記憶する。さらに、記憶部112は、各車両の位置及び通行履歴等を管理する車両管理テーブルを記憶する。例えば、通行履歴は、所定の車両が有料道路に入場したことを示す入場履歴を含む。
【0025】
このように、所定の車両が有料道路の入口を通過した場合に、通行履歴は、少なくとも有料道路に入場したことを示す入場履歴を含めばよいが、通行履歴が、より詳しい履歴を含んでもよい。例えば、通行履歴が、入場日時、及び出場日時を含んでもよい。制御部111は、記憶部112に記憶される経路判定テーブル及び車両管理テーブルに基づき、有料道路の入口を通過し所定の仮想領域VAを通過した車両の通行経路を特定することができる。通行経路の特定については後に詳しく説明する。
【0026】
機器通信部113は、入場記録受信部として機能し、料金計算装置12と通信する通信インターフェースである。機器通信部113は、入口路側装置2から受信した入口利用明細に基づく入場記録情報を料金計算装置12から受信する。ここで、経路判定装置11は、どの車両が高速道路に入場したかを把握すれば十分であるため、経路判定装置11で受信する入場記録は、入口利用明細に含まれる情報の内、車両特定情報が含まれていれば良い。しかしながら、入場記録は、入口利用明細に含まれる入口識別情報、入場日時又は車種情報等も更に含んでいてもよい。また、機器通信部113は、入場記録の他に出場記録も受信するようにしてもよい。そして、機器通信部113は、料金計算装置12に対して通行経路情報を送信する。
【0027】
ここで、機器通信部113は、入場記録を料金計算装置12から転送を受けるのではなく、入口料金所から料金計算装置12に送信される入口利用明細を、入口料金所から直接、受信してもよい。
【0028】
キャリア回線通信部114は、位置情報受信部として機能し、第1の周波数帯の電波を利用し、移動体通信事業者により提供されるキャリア回線を介して、各車両の車載通信装置5と通信する。キャリア回線通信部114は、車両の車載通信装置5から、車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を受信する。
【0029】
次に、料金計算装置12について説明する。料金計算装置12は、制御部121、記憶部122、機器通信部123、及び路側通信部124を備える。
制御部121は、コンピュータの中枢に相当し、料金計算等に関するデータ処理を司る制御部であり、料金計算部として機能する。制御部121は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して料金計算装置12を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部121は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより料金計算等に関するデータ処理を実行する。
【0030】
記憶部122は、メインメモリ等の読み出しや書込みが高速に行える記憶媒体を含み、また、HDD或はSSDなどの大容量の記憶装置を含む。記憶部122は、制御部121のCPUが実行するプログラムを記憶する。また、記憶部122は、基本料金テーブルと変動料金テーブルとを記憶する。
【0031】
基本料金テーブルは、入口と出口とに応じた通行料金(基本料金)を示す情報を格納する。例えば、基本料金テーブルは、道路網全体における各入口と各出口との組み合わせに対して同一発着で同一料金となるような基本料金を示す情報を格納する。
【0032】
変動料金テーブルは、経路と通過時間などの条件に応じて変動させる課金額(変動額又は割引額)を示す情報を格納する。例えば、変動料金テーブルは、各経路の混雑状況又は混雑予想に応じて各経路に適用される変動額を格納する。なお、各経路の混雑状況又は混雑予想は、外部サーバから取得されるものであってもよいし、係員端末から手動で入力される情報であってもよい。
【0033】
機器通信部123は、経路判定装置11と通信する通信インターフェースである。機器通信部123は、経路判定装置11に対して、入口路側装置2から送信された入口利用明細に基づく入場記録を送信する。ここで、経路判定装置11ではどの車両が高速道路に入場したかを把握すれば十分であるため、経路判定装置11に送信する入場記録は、入口利用明細の車両識別情報、入口識別情報及び車種情報を含む。なお、入場記録は、入口利用明細に含まれる場時間等を含んでもよい。更に、出口路側装置3から受信した出口利用明細に基づく出場記録を、経路判定装置11に送信してもよい。また、機器通信部123は、経路判定装置11で経路特定が行われた後、通行経路を示す通行経路情報を受信する。
【0034】
路側通信部124は、通信ネットワーク等を介して、各入口路側装置2及び各出口路側装置3と通信する通信インターフェースである。路側通信部124は、入口路側装置2から入口利用明細を受信し、出口路側装置3から出口利用明細を受信する。
【0035】
次に、入口路側装置2及び出口路側装置3について説明する。図3は、実施形態に係る入口路側装置及び出口路側装置の構成例を示す図である。
先に、入口路側装置2について説明する。入口路側装置2は、上位通信部21、制御部22、記憶部23、路側表示器24、及び車両通信部25を備える。
【0036】
上位通信部21は、上位にあたる経路別料金処理システム1(料金計算装置12)と通信する通信インターフェースである。上位通信部21は、車両の通行に対応して取得される入口利用明細を料金計算装置12へ送信する。
【0037】
制御部22は、コンピュータの中枢に相当し、入口路側装置2全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部22は、CPU、メモリおよびインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して入口路側装置2を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
【0038】
路側表示器24は、入口を通行する車両に向けて設置される。路側表示器24は、入口を通行する車両に乗車する利用者に対して案内などを表示する。
【0039】
車両通信部25は、DSRC用アンテナを備え、このDSRC用アンテナを介して、車両の車載通信装置5(ETC車載器51)との無線通信に対応する通信インターフェースである。車両通信部25は、ETC車載器51から車両識別情報を受信する。車両通信部25は、受信した車両識別情報と車両の入場日時とを制御部22に出力する。例えば、入場日時は、車両通信部25と車両のETC車載器51との通信日時である。
【0040】
記憶部23は、入口路側装置2に対応する入口を示す入口識別情報を記憶する。入口識別情報は、各入口に対して一意に定まる情報である。入口識別情報は、経路判定装置11による経路特定で利用され、また、料金計算装置12による料金計算において通行区間の起点として利用される。また、記憶部23は、ETC車載器51との無線通信で取得される車両識別情報と入場日時と車種情報とを記憶する。
【0041】
次に、出口路側装置3について説明する。出口路側装置3は、上位通信部31、制御部32、記憶部33、路側表示器34、及び車両通信部35を備える。
上位通信部31は、上位にあたる経路別料金処理システム1(料金計算装置12)と通信する通信インターフェースである。上位通信部31は、車両の通行に対応して取得される出口利用明細を料金計算装置12へ送信する。
【0042】
制御部32は、コンピュータの中枢に相当し、出口路側装置3全体の制御及びデータ処理などを行う制御部である。制御部32は、CPU、メモリおよびインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して出口路側装置3を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、一時的にデータを保持する揮発性メモリ、及び設定データなどを保存する書換え可能な不揮発性メモリなどの各種のメモリを含む。
【0043】
路側表示器34は、出口を通行する車両に向けて設置される。路側表示器34は、出口を通行する車両に乗車する利用者に対して案内(例えば通行料金)などを表示する。
【0044】
車両通信部35は、DSRC用アンテナを備え、このDSRC用アンテナを介して、車両の車載通信装置5(ETC車載器51)との無線通信に対応する通信インターフェースである。車両通信部35は、ETC車載器51から車両識別情報及び入口情報を受信する。車両通信部35は、受信した車両識別情報と車両の出場日時とを制御部32に出力する。例えば、出場日時は、車両通信部25と車両のETC車載器51との通信日時である。
【0045】
記憶部33は、出口路側装置3に対応する出口を示す出口識別情報を記憶する。出口識別情報は、各出口に対して一意に定まる情報である。出口識別情報は、料金計算装置12による料金計算において通行区間の終点として利用される。また、記憶部33は、ETC車載器51との無線通信で取得される車両識別情報と出場日時とを記憶する。
【0046】
次に、車載通信装置5について説明する。
図4は、実施形態に係る通信装置の構成例を示す図である。図4に示すように、車載通信装置5は、ETC車載器51及び位置情報提供装置52を備える。
先に、ETC車載器51について説明する。ETC車載器51は、制御部511、記憶部512、入出口通信部513、及びカード処理部514を備える。
【0047】
制御部511は、コンピュータの中枢に相当し、入口路側装置2及び出口路側装置3との通信制御を司り、また、通行料金を決済するためのICカードの一種であるETCカードの処理を司る制御部である。制御部511は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介してETC車載器51を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部511は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。また、記憶部512は、各ETC車載器51に一意に定まる車載器識別情報を記憶する。また、記憶部512は、制御部511のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0048】
入出口通信部513は、入口路側装置2及び出口路側装置3と無線通信する通信インターフェースである。入出口通信部513は、入口路側装置2に対して、車載器識別情報及びカード識別情報を含む車両識別情報を送信し、入口路側装置2から入口情報を受信する。また、入出口通信部513は、出口路側装置3に対して、車両識別情報及び入口情報を送信し、出口路側装置3から出口情報などを受信する。
【0049】
本実施形態では、車両識別情報が、車載器識別情報及びカード識別情報を含むことを想定するが、料金計算装置12により課金対象を特定することができる情報であればよく、これに限定されるものではない。例えば、車両識別情報が、少なくともカード識別情報を含めば、課金対象を特定することができる。また、車載器識別情報は、ETC車載器51を識別するIDなどである。また、車載器識別情報は、車両のナンバープレート情報を含むものであってもよい。料金計算装置12は、車載器識別情報に基づき車両の車種を判別することができ、車種に応じた課金を採用する場合には、この車載器識別情報を利用することができる。また、カード識別情報は、カード処理部514に挿入されたETCカードを識別するための情報である。カード識別情報は、決済に用いられる情報であってもよい。
【0050】
カード処理部514は、ETCカードを受け入れ、入口路側装置2へ送信するカード識別情報をETCカードから読み出し、入口路側装置から送信される入口情報をETCカードへ書き込む。また、カード処理部514は、出口路側装置3へ送信するカード識別情報及び入口情報をETCカードから読み出し、出口路側装置3から送信される出口情報をETCカードへ書き込む。
【0051】
次に、位置情報提供装置52について説明する。位置情報提供装置52は、GNSS(Global Navigation Satellite System、全球測位衛星システム)を利用することで自身の位置を示す位置情報を取得する。位置情報提供装置52は、上位へ位置情報を提供するGNSSデバイスである。位置情報提供装置52は、制御部521(第1のプロセッサ)、記憶部522、キャリア回線通信部523(第1の通信部)、位置情報取得部524(位置取得部)、利用者インターフェース525、及びデバイス通信部526などを備える。
【0052】
制御部521は、コンピュータの中枢に相当し、位置情報提供装置52全体の制御を司り、移動体通信事業者により設置される基地局との通信を制御し、また、GNSSを利用した位置情報の取得を制御する。制御部521は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びインターフェースなどを有する。CPUは、プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現するプロセッサである。CPUは、インターフェースなどを介して位置情報提供装置52を構成する各部に接続される。メモリは、CPUが実行するプログラムを記憶する不揮発性メモリ、及び一時的にデータを記憶する揮発性メモリ等を含む。すなわち、制御部521は、CPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することによりデータ処理を実行する。また、記憶部522は、予め登録される車両識別情報を記憶し、位置情報取得部524により取得される位置情報を記憶する。また、記憶部522は、制御部521のCPUが実行するプログラムを記憶する。
【0053】
キャリア回線通信部523は、第1の周波数帯の電波を利用し、移動体通信事業者により設置される基地局と無線通信する通信インターフェースである。即ち、キャリア回線通信部523は、キャリア回線を通じて外部装置とデータを送受信する。キャリア回線通信部523は、経路判定装置11に対して、定期的に車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を送信する。
【0054】
位置情報取得部524は、定期的に現在の自身の位置を示す位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部524は、定期的にGNSSの複数の衛星からのデータを受信し、受信したデータに基づいて自身の位置を示す位置情報を生成する。なお、位置情報取得部524は、車両に搭載された外部機器(例えばナビゲーションシステム)と接続するインターフェースを備え、ナビゲーションシステムから提供される車両の現在位置を取得してもよい。
【0055】
利用者インターフェース525は、タッチパネル等の表示部及び入力部である。利用者は、利用者インターフェース525を介して車両識別情報等を登録することができる。記憶部522は、登録される車両識別情報等を記憶する。
【0056】
デバイス通信部526は、他の位置情報提供装置52(近接デバイス)と無線でデータを送受信するインターフェースである。デバイス通信部526は、所定の距離(たとえば、数から数十メートル)の範囲にある近接デバイスに無線で接続する。デバイス通信部526は、近接デバイスからデバイス識別情報を取得する。また、デバイス通信部526は、自身と近接デバイスとの距離を示す距離情報を取得する。なお、デバイス通信部526は、近接デバイスが存在する方向などを取得するものであってもよい。
たとえば、デバイス通信部526は、Bluetooth(登録商標)接続をサポートするインターフェースであってもよい。
【0057】
次に、経路判定装置11が格納する車両管理テーブルについて説明する。
図5は、実施形態に係る車両管理テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、車両管理テーブルは、車両識別情報、デバイス識別情報、車両位置情報、近接デバイス情報、入場情報、及び出場情報を対応付けたレコードを格納する。
【0058】
デバイス識別情報は、車両の利用者が所持する位置情報提供装置52を識別する識別子である。たとえば、デバイス識別情報は、位置情報提供装置52のMACアドレスなどである。
【0059】
近接デバイス情報は、車両が有料道路を通過している間において位置情報提供装置52に近接した位置情報提供装置52(近接デバイス)に関連する情報である。近接デバイス情報は、デバイス識別情報、距離情報及び日時情報から構成される。
【0060】
近接デバイス情報のデバイス識別情報は、近接デバイスのデバイス識別情報である。
【0061】
距離情報は、近接デバイスとの距離を示す。
【0062】
日時情報は、デバイス通信部526が近接デバイスからデバイス識別情報を取得した日時である。
【0063】
入場情報は、車両が入場した入口を識別する入口識別情報及び車両が入場した入場日時を含む。
また、出場情報は、車両が出場した出口を識別する出口識別情報及び車両が出場した出場日時を含む。
【0064】
制御部111は、車両管理テーブルに基づき、各車両の状態を判定することができる。つまり、制御部111は、各車両について、有料道路に入場中且つ出場前の条件を満たすか否か、及びどの仮想領域VAに入場したか否かを判定することができる。
【0065】
次に、経路判定装置11が格納する経路判定テーブルについて説明する。
ここでは、車両が通行し得る通行経路は、図6の通りであるものとする。図6が示す例では、上流側の入口から下流側の出口に向かって通行することが定められた有料道路において、入口(入口識別情報IN11)、分岐B、通行経路X、Y、Z、合流M、及び出口を仮定する。さらに、分岐Bより下流(分岐Bと合流Mの間)の通行経路Xにおける一部区間を含む仮想領域VAx、分岐Bより下流(分岐Bと合流Mの間)の通行経路Yにおける一部区間を含む仮想領域VAy、及び分岐Bより下流(分岐Bと合流Mの間)の通行経路Zにおける一部区間を含む仮想領域VAzを仮定する。
【0066】
図7は、実施形態に係る経路判定テーブルの一例を示す図である。
図7に示すように、経路判定テーブルは、通行経路と仮想領域VAとを対応付けて格納する。判定経路テーブルは、図6が示す通行経路の通り、通行経路Xと仮想領域VAxと、通行経路Yと仮想領域VAyと、通行経路Zと仮想領域VAzとをそれぞれ対応付けて格納する。
【0067】
制御部111は、経路判定テーブルに基づき、各車両の通行経路を判定することができる。
【0068】
次に、入口路側装置2が実現する機能について説明する。入口路側装置2が実現する機能は、制御部22が内部メモリ又は記憶部23などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0069】
まず、制御部22は、入口利用明細を料金計算装置12に送信する機能を有する。
制御部22は、車両通信部25を通じて、所定の間隔で、入口から入場しようとする車両のETC車載器51から車両識別情報を取得するためのコマンドを送信する。
【0070】
入口から車両が入場しようとすると、制御部22は、車両通信部25を通じて、車両識別情報を含むレスポンスをETC車載器51から受信する。車両識別情報を含むレスポンスをETC車載器51から受信すると、制御部22は、受信した車両識別情報、記憶部23が格納する入口識別情報、及び入場日時などを含む入口利用明細を生成する。入口利用明細を生成すると、制御部22は、上位通信部21を通じて、生成した入口利用明細を料金計算装置12に送信する。
【0071】
また、制御部22は、入口情報を車両に送信する機能を有する。
車両識別情報を含むレスポンスをETC車載器51から受信すると、制御部22は、入口識別情報及び入場日時などを含む入口情報を生成する。入口情報を生成すると、制御部22は、車両通信部25を通じて、生成した入口情報をETC車載器51に送信する。
【0072】
次に、出口路側装置3が実現する機能について説明する。出口路側装置3が実現する機能は、制御部32が内部メモリ又は記憶部33などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0073】
また、制御部32は、出口利用明細を料金計算装置12に送信する機能を有する。
制御部32は、車両通信部35を通じて、所定の間隔で、出口から出場しようとする車両のETC車載器51から車両識別情報を取得するためのコマンドを送信する。
【0074】
出口から車両が出場しようとすると、制御部32は、車両通信部35を通じて、車両識別情報を含むレスポンスをETC車載器51から受信する。車両識別情報を含むレスポンスをETC車載器51から受信すると、制御部32は、受信した車両識別情報、記憶部33が格納する出口識別情報、及び出場日時などを含む出口利用明細を生成する。出口利用明細を生成すると、制御部32は、上位通信部31を通じて、生成した出口利用明細を料金計算装置12に送信する。
【0075】
また、制御部32は、通行料金を車両の利用者に提示する機能を有する。
制御部32は、上位通信部31を通じて、通行料金を示す通行料金情報を料金計算装置12から受信する。通行料金情報を取得すると、制御部32は、路側表示器34を通じて通行料金情報が示す通行料金を表示する。
【0076】
また、制御部32は、出口情報を車両に送信する機能を有する。
通行料金情報を料金計算装置12から受信すると、制御部32は、出口識別情報及び出場日時などを含む出口情報を生成する。なお、出口情報は、通行料金を含むものであってもよい。出口情報を生成すると、制御部22は、車両通信部25を通じて、生成した出口情報をETC車載器51に送信する。
【0077】
次に、料金計算装置12が実現する機能について説明する。料金計算装置12が実現する機能は、制御部121が内部メモリ又は記憶部122などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0078】
まず、制御部121は、入場記録を経路判定装置11に送信する機能を有する。
制御部121は、路側通信部124を通じて、入口利用明細を入口路側装置2から受信する。入口利用明細を受信すると、制御部121は、入口利用明細に基づいて入場記録を生成する。入場記録は、入口利用明細の車両識別情報及び入口識別情報を含む。ここでは、入場記録は、さらに入場日時を含む。
【0079】
入場記録を生成すると、制御部121は、機器通信部123を通じて入場記録を経路判定装置11に送信する。
【0080】
また、制御部121は、車両の通行料金を算出する機能を有する。
【0081】
制御部121は、機器通信部123を通じて車両の通行経路を示す通行経路情報を経路判定装置11から予め受信し記憶部122に格納する。
【0082】
制御部121は、路側通信部124を通じて、出口利用明細を出口路側装置3から受信する。出口利用明細を受信すると、制御部121は、基本料金テーブル、変動料金テーブル、出口利用明細が含む出口識別情報及び通行経路情報が示す通行経路などに基づいて通行料金を算出する。
【0083】
料金を算出すると、制御部121は、路側通信部124を通じて、算出した通行料金を示す通行料金情報を出口路側装置3に送信する。
【0084】
また、制御部121は、利用者のカード識別情報などに基づいて通行料金を収受してもよい。また、制御部121は、料金を収受するための装置に通行料金情報を送信してもよい。また、制御部121は、事前に登録されたメールアドレスに通行料金情報を送信してもよい。また、制御部121は、料金を収受するためのアプリに通行料金情報をプッシュ通知してもよい。また、制御部121は、Webサーバなどに通行料金情報をアップロードすることで、通行料金情報をWebアプリに表示可能な状態にしてもよい。
【0085】
また、制御部121は、出場記録を経路判定装置11に送信する機能を有する。
出口利用明細を受信すると、制御部121は、出口利用明細に基づいて出場記録を生成する。出場記録は、出口利用明細の車両識別情報及び出口識別情報を含む。ここでは、出場記録は、さらに出場日時を含む。
【0086】
出場記録を生成すると、制御部121は、機器通信部123を通じて出場記録を経路判定装置11に送信する。
【0087】
次に、位置情報提供装置52が実現する機能について説明する。位置情報提供装置52が実現する機能は、制御部521が内部メモリ又は記憶部522などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0088】
ここでは、位置情報提供装置52は、以下の機能を実現するアプリケーション(経路把握アプリケーション)をインストールしているものとする。また、車両が有料道路に入場する時点で、制御部521は、利用者の操作によって経路把握アプリケーションを起動しているものとする。たとえば、経路把握アプリケーションが起動していない場合には、経路別料金処理システムは、経路による割引を行わないものとしてもよい。
【0089】
まず、制御部521は、車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を経路判定装置11に送信する機能を有する。
【0090】
制御部521は、経路把握アプリケーションが起動した時点では、車両位置情報を送信しない。
【0091】
制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて開始信号を経路判定装置11から受信すると、車両位置情報の送信を開始する。たとえば、制御部521は、経路判定装置11からプッシュ通知で開始信号を受信する。
【0092】
制御部521は、所定のタイミング(たとえば、所定の間隔)で位置情報取得部524を通じて自身の位置を示す位置情報を取得する。位置情報を取得すると、制御部521は、取得した位置情報と記憶部522が格納する車両識別情報とを含む車両位置情報を生成する。車両位置情報を生成すると、制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて車両位置情報を経路判定装置11に送信する。制御部521は、所定の間隔で車両位置情報を経路判定装置11に送信する。
【0093】
なお、制御部521は、利用者からの操作(所定のアイコン又はボタンの押下など)に従って車両位置情報の送信を開始するものであってもよい。
【0094】
また、制御部521は、近接デバイス情報を経路判定装置11に送信する機能を有する。
制御部521は、経路把握アプリケーションが起動した時点では、近接デバイス情報を送信しない。
【0095】
制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて開始信号を経路判定装置11から受信すると、デバイス通信部526を用いて近接デバイス情報の送信を開始する。
【0096】
制御部521は、所定のタイミング(たとえば、所定の間隔)で近接デバイスをスキャンする。即ち、制御部521は、デバイス通信部526によるBluetooth接続を用いて近接デバイスをスキャンする。
【0097】
近接デバイスがデバイス通信部526と所定の距離内に存在すると、制御部521は、デバイス通信部526を通じて近接デバイスからデバイス識別情報を取得する。また、制御部521は、デバイス通信部526を通じて近接デバイスとの距離を示す距離情報を取得する。また、制御部521は、近接デバイスと通信を行った日時を示す日時情報を取得する。
【0098】
デバイス識別情報などを取得すると、制御部521は、距離情報に基づいて自身との距離が所定の閾値以下である近接デバイスを抽出する。近接デバイスを抽出すると、制御部521は、抽出した近接デバイスのデバイス識別情報、距離情報、及び日時情報を含む近接デバイス情報を生成する。近接デバイス情報を生成すると、制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて近接デバイス情報を経路判定装置11に送信する。
【0099】
制御部521は、近接デバイスからデバイス識別情報を取得する度に近接デバイス情報を経路判定装置11に送信してもよい。また、制御部521は、所定の間隔で近接デバイス情報を経路判定装置11に送信してもよい。
【0100】
なお、制御部521は、自身との距離に関係なく近接デバイス情報を経路判定装置11に送信してもよい。
また、近接デバイス情報は、近接デバイスが存在する方向をさらに示すものであってもよい。
【0101】
また、制御部521は、利用者からの操作(所定のアイコン又はボタンの押下など)に従って近接デバイス情報の送信を開始するものであってもよい。
【0102】
なお、制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて終了信号を経路判定装置11から受信すると、車両位置情報の送信及び近接デバイス情報の送信を終了する。たとえば、制御部521は、経路判定装置11からプッシュ通知で終了信号を受信する。
【0103】
次に、経路判定装置11が実現する機能について説明する。経路判定装置11が実現する機能は、制御部111が内部メモリ又は記憶部112などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0104】
まず、制御部111は、入場記録に基づいて入場情報を登録する機能を有する。
制御部111は、機器通信部113を通じて入場記録を料金計算装置12から受信する。
【0105】
入場記録を取得すると、制御部111は、車両管理テーブルにおいて入場記録の車両識別情報を含むレコードに入場情報を追記する。入場情報は、入場記録が含む入口識別情報及び入場日時から構成される。
【0106】
また、制御部111は、位置情報提供装置52からの車両位置情報に基づいて車両の通行経路を特定する機能を有する。
【0107】
制御部111は、キャリア回線通信部523を通じて車両位置情報を位置情報提供装置52から取得する。車両位置情報を取得すると、制御部111は、車両管理テーブルに車両位置情報を追加する。
【0108】
また、車両位置情報を取得すると、制御部111は、車両位置情報から位置情報を取得する。位置情報を取得すると、制御部111は、車両位置情報の車両識別情報に対応する車両が何れの仮想領域VAを通過したかを判定する。制御部111は、経路判定テーブルを参照して、通過したと判定された仮想領域VAに対応する経路を、車両が通過した通行経路として特定する。
【0109】
なお、制御部111は、車両が何れの仮想領域VAも通過していないと判定すると、経路を未確定としてもよい。
【0110】
制御部111は、車両位置情報を取得する度に、通行経路を特定してもよい。また、制御部111は、一旦通行経路を特定した場合には、車両位置情報を取得しても通行経路を特定しなくともよい。
【0111】
通行経路を特定すると、制御部111は、機器通信部113を通じて、特定した通行経路を示す通行経路情報を料金計算装置12に送信する。
【0112】
また、制御部111は、近接デバイス情報に基づいて不正利用されている近接デバイスを特定する機能を有する。
制御部111は、所定のタイミングで近接デバイス情報に基づいて不正利用されている近接デバイスを特定する。たとえば、制御部111は、所定の期間(たとえば、数週間から数ヶ月)ごとに、不正利用されている近接デバイスを特定する。また、制御部111は、オペレータの操作に従って不正利用されている近接デバイスを特定してもよい。また、制御部111は、車両が有料道路を走行している間に当該車両に関して不正利用されている近接デバイスを特定してもよい。
【0113】
制御部111は、車両管理テーブルから1つのレコードを設定する。1つのレコードを設定すると、制御部111は、当該レコードの車両識別情報に対応する車両に存在する近接デバイスを抽出する。
【0114】
たとえば、制御部111は、以下のように車両に存在する近接デバイスを抽出する。
【0115】
制御部111は、当該レコードから近接デバイス情報を取得する。近接デバイス情報を取得すると、制御部111は、各近接デバイス情報の距離情報に基づいて、所定の領域(検知領域)内に存在する近接デバイス(近接デバイスのデバイス識別情報)を抽出する。
【0116】
図8は、検知領域の例を示す。
たとえば、制御部111は、検知領域61を設定する。検知領域61は、位置情報提供装置52(車両)から所定の距離内の領域である。即ち、検知領域61は、円型である。
【0117】
また、制御部111は、検知領域62を設定してもよい。検知領域62は、位置情報提供装置52(車両)から車両の進行方向に延びる楕円である。
【0118】
また、制御部111は、車両の車種などに応じて検知領域を設定してもよい。
制御部111が設定する検知領域は、特定の構成に限定されるものではない。
【0119】
検知領域内に存在する近接デバイスを抽出すると、制御部111は、検知領域に所定の期間存在する近接デバイス(近接デバイスのデバイス識別情報)を、車両に存在する近接デバイスとして抽出する。即ち、制御部111は、所定の期間連続して検知されている近接デバイスを抽出する。
【0120】
なお、制御部111は、検知領域に間欠的に存在する近接デバイスを、車両に存在する近接デバイスとして抽出してもよい。
また、制御部111は、連続して検知されなくとも検知領域に存在する近接デバイスを、車両に存在する近接デバイスとして抽出してもよい。
制御部111が車両に存在する近接デバイスを抽出する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0121】
検知領域に所定の期間存在する近接デバイスを抽出した場合、制御部111は、抽出した近接デバイスを不正利用されている(又は、おそれがある)近接デバイスとして登録する。たとえば、制御部111は、抽出した近接デバイスのデバイス識別情報を記憶部112に格納する。
【0122】
また、制御部111は、機器通信部113などを通じて、抽出した近接デバイスのデバイス識別情報を外部装置に出力してもよい。また、制御部111は、警告などを出力してもよい。
【0123】
制御部111は、各レコードにおいて同様に不正利用されている近接デバイスを登録する。
【0124】
次に、ETCシステムの動作例について説明する。
図9は、ETCシステムの動作例について説明するためのシーケンス図である。
【0125】
ここでは、車両は、入口路側装置2が設置されている入口から有料道路に入場するものとする。
【0126】
まず、車両のETC車載器51は、車両識別情報を入口路側装置2に送信する(S101)。
【0127】
入口路側装置2は、車両識別情報をETC車載器51から受信する。車両識別情報を受信すると、入口路側装置2は、入口情報をETC車載器51に送信する(S102)。ETC車載器51は、入口情報をETC車載器51から受信する。
【0128】
入口情報をETC車載器51に送信すると、入口路側装置2は、入口利用明細を料金計算装置12に送信する(S103)。
【0129】
料金計算装置12は、入口利用明細を入口路側装置2から受信する。入口利用明細を受信すると、料金計算装置12は、入口利用明細に基づく入場記録を経路判定装置11に送信する(S104)。
【0130】
経路判定装置11は、入場記録を料金計算装置12から受信する。入場記録を受信すると、経路判定装置11は、車両管理テーブルに入場記録を追記する(S105)。車両管理テーブルに入場記録を追記すると、経路判定装置11は、開始信号を位置情報提供装置52に送信する(S106)。
【0131】
位置情報提供装置52は、開始信号を経路判定装置11から受信する。開始信号を受信すると、位置情報提供装置52は、車両位置情報を経路判定装置11に送信する(S107)。
【0132】
経路判定装置11は、車両位置情報を位置情報提供装置52から受信する。車両位置情報を受信すると、経路判定装置11は、車両位置情報などに基づいて通行経路を特定する(S108)。また、経路判定装置11は、車両管理テーブルに車両位置情報を追記する。通行経路を特定すると、経路判定装置11は、特定した通行経路を示す通行経路情報を料金計算装置12に送信する(S109)。
【0133】
料金計算装置12は、通行経路情報を受信する。
ETCシステムは、S107乃至S109を所定の間隔で繰り返す。
【0134】
また、位置情報提供装置52は、近接デバイスからデバイス識別情報を取得すると、近接デバイス情報を経路判定装置11に送信する(S110)。
経路判定装置11は、近接デバイス情報を位置情報提供装置52から受信する。近接デバイス情報を受信すると、経路判定装置11は、車両管理テーブルに近接デバイス情報を追記する(S111)。
【0135】
ETCシステムは、所定の間隔でS110及びS111を繰り返してもよい。また、ETCシステムは、位置情報提供装置52が近接デバイスからデバイス識別情報を受信する度に、S110及びS111を実行してもよい。
【0136】
ここで、車両は、出口路側装置3が設置されている出口から出場するものとする。
【0137】
車両のETC車載器51は、車両識別情報を出口路側装置3に送信する(S112)。
【0138】
出口路側装置3は、車両識別情報をETC車載器51から受信する。車両識別情報を受信すると、出口路側装置3は、出口利用明細を料金計算装置12に送信する(S113)。
【0139】
料金計算装置12は、出口利用明細を出口路側装置3から受信する。出口利用明細を受信すると、料金計算装置12は、通行経路情報などに基づいて通行料金を算出する(S114)。通行料金を算出すると、料金計算装置12は、通行料金を示す通行料金情報を出口路側装置3に送信する(S115)。
【0140】
出口路側装置3は、通行料金情報を料金計算装置12から受信する。通行料金情報を受信すると、出口路側装置3は、出口情報をETC車載器51に送信する(S116)。ETC車載器51は、入口情報をETC車載器51から受信する。
【0141】
出口情報を送信すると、出口路側装置3は、通行料金情報が示す通行料金を車両の利用者に向けて表示する(S117)。通行料金を表示すると、出口路側装置3は、表示された通行料金を示す通行料金情報を料金計算装置12に送信する(S118)。
【0142】
料金計算装置12は、出口路側装置から通行料金情報を受信する。通行料金情報を受信すると、料金計算装置12は、受信された通行料金情報を含む出場記録を経路判定装置11に送信する(S119)。
【0143】
経路判定装置11は、出場記録を出口路側装置3から受信する。出場記録を受信すると、経路判定装置11は、車両管理テーブルに出場記録を追記する(S120)。車両管理テーブルに出場記録を追記すると、経路判定装置11は、終了信号を位置情報提供装置52に送信する(S121)。
【0144】
位置情報提供装置52は、終了信号を経路判定装置11から受信する。終了信号を受信すると、位置情報提供装置52は、車両位置情報の送信及び近接デバイス情報の送信を終了する。
【0145】
位置情報提供装置52が終了信号を受信すると、ETCシステムは、動作を終了する。
【0146】
次に、位置情報提供装置52の動作例について説明する。
図10は、位置情報提供装置52の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0147】
まず、位置情報提供装置52の制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて経路判定装置11から開始信号を受信したかを判定する(S11)。開始信号を受信していないと判定すると(S11、NO)、制御部521は、S11に戻る。
【0148】
開始信号を受信したと判定すると(S11、YES)、制御部521は、車両位置情報を送信するタイミングであるかを判定する(S12)。車両位置情報を送信するタイミングであると判定すると(S12、YES)、制御部521は、位置情報取得部524を用いて自身の位置を示す位置情報を取得する(S13)。
【0149】
位置情報を取得すると、制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて、車両識別情報及び位置情報を含む車両位置情報を経路判定装置11に送信する(S14)。
【0150】
車両位置情報を送信するタイミングでないと判定した場合(S12、NO)、又は、車両位置情報を経路判定装置11に送信した場合(S14、S107に対応)、制御部521は、近接デバイスをスキャンするタイミングであるかを判定する(S15)。
【0151】
近接デバイスをスキャンするタイミングであると判定すると(S15、YES)、制御部521は、デバイス通信部526を用いて近接デバイスをスキャンする(S16)。近接デバイスをスキャンすると、制御部521は、デバイス通信部526を通じて近接デバイスからデバイス識別情報を受信したかを判定する(S17)。
【0152】
デバイス識別情報を受信したと判定すると(S17、YES)、制御部521は、自身との距離が所定の閾値以下である近接デバイスがあるかを判定する(S18)。自身との距離が所定の閾値以下である近接デバイスがあると判定すると(S18、YES)、制御部521は、キャリア回線通信部523を通じて、自身との距離が所定の閾値以下である近接デバイスの近接デバイス情報を経路判定装置11に送信する(S19、S110に対応)。
【0153】
近接デバイスをスキャンするタイミングでないと判定した場合(S15、NO)、近接デバイスからデバイス識別情報を受信していないと判定した場合(S17、NO)、自身との距離が所定の閾値以下である近接デバイスがないと判定した場合(S18、NO)、近接デバイス情報を経路判定装置11に送信した場合(S19)、キャリア回線通信部523を通じて経路判定装置11から終了信号を受信したかを判定する(S20)。
【0154】
終了信号を受信していないと判定すると(S20、NO)、制御部521は、S12に戻る。
終了信号を受信したと判定すると(S20、YES)、制御部521は、S11に戻る。
【0155】
次に、経路判定装置11が不正利用されている近接デバイスを特定する動作例について説明する。
図11は、経路判定装置11が不正利用されている近接デバイスを特定する動作例について説明するフローチャートである。
【0156】
まず、経路判定装置11の制御部111は、車両管理テーブルから1つのレコードを設定する(S21)。レコードを設定すると、制御部111は、設定したレコードから近接デバイス情報を取得する(S22)。
【0157】
近接デバイス情報を取得すると、制御部111は、近接デバイス情報に基づいて検知領域内に存在する近接デバイスを抽出する(S23)。検知領域内に存在する近接デバイスを抽出すると、制御部111は、抽出した近接デバイスから所定の期間連続して検知領域内に存在する近接デバイスを抽出する(S24)。
【0158】
連続して検知領域内に存在する近接デバイスが存在すると(S25、YES)、制御部111は、当該近接デバイスを不正利用されている近接デバイスとして登録する(S26)。
【0159】
連続して検知領域内に存在する近接デバイスが存在しない場合(S25、NO)、又は、不正利用されている近接デバイスを登録した場合(S26)、制御部111は、他にレコードがあるかを判定する(S27)。
【0160】
他にレコードがあると判定すると(S27、YES)、制御部111は、S21に戻る。
他にレコードがないと判定すると(S27、NO)、制御部111は、動作を終了する。
【0161】
なお、制御部111は、オペレータなどの操作に従って所定のレコードについて不正利用されている近接デバイスを特定してもよい。
【0162】
また、位置情報提供装置52の制御部521は、近接デバイスが検知領域内に存在するかを判定するものであってもよい。制御部521は、検知領域内に存在する近接デバイスの近接デバイス情報を経路判定装置11に送信してもよい。この場合、経路判定装置11の制御部111は、S23を実行しなくともよい。
【0163】
また、経路判定装置11と料金計算装置12とは、一体的に形成されるものであってもよい。
【0164】
以上のように構成されたETCシステムは、位置情報提供装置に近接する他の位置情報提供装置をスキャンする。ETCシステムは、スキャン結果に基づいて、同一の車両に存在する他の位置情報提供装置を特定する。その結果、ETCシステムは、特定した位置情報提供装置を不正利用されている位置情報提供装置として特定することができる。
【0165】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0166】
1…経路別料金処理システム、2…入口路側装置、3…出口路側装置、5…車載通信装置、11…経路判定装置、12…料金計算装置、21…上位通信部、22…制御部、23…記憶部、24…路側表示器、25…車両通信部、31…上位通信部、32…制御部、33…記憶部、34…路側表示器、35…車両通信部、51…ETC車載器、52…位置情報提供装置、61…検知領域、62…検知領域、111…制御部、112…記憶部、113…機器通信部、114…キャリア回線通信部、121…制御部、122…記憶部、123…機器通信部、124…路側通信部、511…制御部、512…記憶部、513…入出口通信部、514…カード処理部、521…制御部、522…記憶部、523…キャリア回線通信部、524…位置情報取得部、525…利用者インターフェース、526…デバイス通信部。
図1
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図11