(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】内部的に超音波支援された治療薬の局所的送達
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20241028BHJP
A61M 25/14 20060101ALI20241028BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
A61M25/00 540
A61M25/14 512
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2020572424
(86)(22)【出願日】2019-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2019066574
(87)【国際公開番号】W WO2020002177
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-06-23
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】スティガル ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ペダーセン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ヨンカン
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06726677(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0094532(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00 - 25/18
A61B 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
遠位部分及び近位部分、
前記カテーテルの前記遠位部分に配置され
るイメージング装置サポート、
前記イメージング装置サポートに配置され、血管構造の外部に配置されている対象者の軟組織内のロケーションをイメージングし、画像信号を生成するイメージング装置、並びに
前記
イメージング装置サポートに配置された第1の出口ポートを備え、長手方向軸を有する第1のルーメンであって、ガイドワイヤを受け入れる第1のルーメン、
を備えるカテーテルと、
前記カテーテル
及び前記イメージング装置サポート内にスライド可能に配置され、長手方向軸を有する第2のルーメンおよび第2の出口ポートを備える針と、
前記画像信号を受信するためのコントローラと
を備える、血管内処置システムであって、
前記
イメージング装置サポート内で、前記第1のルーメンの長手方向軸と前記第2のルーメンの長手方向軸とが平行であり、
前記コントローラは、実行されると1つ又は複数のプロセッサに、
前記画像信号を使用して前記血管構造の外部に配置されている前記対象者の軟組織をイメージングすることと、
前記対象者の軟組織内の対象領域を識別することと、
前記針を前記カテーテルに対して並進させ、前記針を、前記血管構造を通じて前記対象領域へと挿入させることと、
前記針を通じて前記対象領域に治療薬を送達することと
を行わせる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体を備える、
血管内処置システム。
【請求項2】
前記非一時的コンピュータ可読媒体の、前記対象領域を識別するための前記命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、前記対象領域内の組織のタイプを決定することを行わせる命令を含む、請求項1に記載の血管内処置システム。
【請求項3】
前記非一時的コンピュータ可読媒体の、前記対象領域を識別するための前記命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、前記対象者の軟組織内の前記対象領域のロケーション又は位置を決定することを行わせる命令を含む、請求項1に記載の血管内処置システム。
【請求項4】
前記対象領域の前記ロケーション又は位置は距離を含む、請求項3に記載の血管内処置システム。
【請求項5】
前記距離は前記対象者の軟組織の別の部分に対するものである、請求項4に記載の血管内処置システム。
【請求項6】
前記非一時的コンピュータ可読媒体の、前記対象領域を識別するための前記命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、前記対象領域のサイズを識別することを行わせる命令を含む、請求項1に記載の血管内処置システム。
【請求項7】
前記非一時的コンピュータ可読媒体の、前記対象領域を識別するための前記命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、前記対象領域の密度を識別することを行わせる命令を含む、請求項1に記載の血管内処置システム。
【請求項8】
前記針を通じて前記対象領域に前記治療薬を送達するための前記命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、前記対象領域のサイズ及び前記対象領域の密度のうちの少なくとも1つに基づく量の治療薬を送達することを行わせる命令を含む、請求項1に記載の血管内処置システム。
【請求項9】
前記画像信号は、500キロヘルツ(KHz)~30メガヘルツ(MHz)の間のエネルギーを生成するトランスデューサから生成される、請求項1に記載の血管内処置システム。
【請求項10】
前記針は、前記カテーテルの前記第1のルーメンの少なくとも一部分に実質的に平行である、請求項1に記載の血管内処置システム。
【請求項11】
カテーテルと針とコントローラとを備える血管内処置システムの制御を前記コントローラのプロセッサに実行させるためのプログラムであって、
前記患者は、皮膚の下且つ血管構造の外部に配置されている組織を含み、
前記カテーテルは、遠位部分及び近位部分、前記カテーテルの前記遠位部分に配置され
るイメージング装置サポート、前記イメージング装置サポートに配置され、前記血管構造の外部に配置されている前記患者の軟組織内のロケーションをイメージングし、画像信号を生成するイメージング装置、並びに前記
イメージング装置サポートに配置された第1の出口ポートを備え、長手方向軸を有する第1のルーメンであって、ガイドワイヤを受け入れる第1のルーメンを備え、
前記針は、前記カテーテル
及び前記イメージング装置サポート内でスライド可能に配置され、長手方向軸を有する第2のルーメン及び第2の出口ポートを備え、
前記コントローラは、前記画像信号を受信し、
前記血管内処置システムは、前記
イメージング装置サポート内で、前記第1のルーメンの長手方向軸と前記第2のルーメンの長手方向軸とが平行であり、
前記プログラムは、
前記画像信号を受信するステップと、
前記画像信号を使用して血管構造の外部に配置されている前記患者の軟組織をイメージングするステップと、
前記患者の軟組織内の対象領域を識別するステップと、
前記針を前記カテーテルに対して並進させ、前記針を、前記血管構造を通じて前記対象領域へと挿入するステップと、
前記針を通じて前記対象領域に治療薬を送達するステップと、を前記プロセッサに実行させる、プログラム。
【請求項12】
前記対象領域を識別するステップは、前記対象領域内の組織のタイプを決定するステップを含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記対象領域を識別するステップは、前記患者の軟組織内の前記対象領域のロケーション又は位置を決定するステップを含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記対象領域の前記ロケーション又は位置は距離を含む、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記距離は前記患者の軟組織の別の部分に対するものである、請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記対象領域を識別するステップは、前記対象領域のサイズを識別するステップを含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項17】
前記対象領域を識別するステップは、前記対象領域の密度を識別するステップを含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項18】
前記針を通じて前記対象領域に前記治療薬を送達するステップは、前記対象領域のサイズ及び前記対象領域の密度のうちの少なくとも1つに基づく量の治療薬を送達するステップを含む、請求項11に記載のプログラム。
【請求項19】
前記イメージング装置は、500キロヘルツ(KHz)~30メガヘルツ(MHz)の間のエネルギーを生成するトランスデューサである、請求項11に記載のプログラム。
【請求項20】
前記針は、前記カテーテルの前記第1のルーメンの少なくとも一部分に実質的に平行である、請求項11に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 関連出願の相互参照はない。
【0002】
[0002] 本開示は、概して、血管内デバイスを介して軟組織を処置するための超音波及び治療薬の局所的送達と関連付けられるデバイス、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 血管内カテーテルは、慢性完全閉塞、血栓症、高血圧、及びアテローム性動脈硬化症を含む様々な医療的問題を首尾よく処置するために使用される。これらのカテーテルには、効果的且つ効率的に使用されるときに、生命を救う可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 特に蛇行した血管構造におけるカテーテルを介した血管内処置は、高い精度を必要とする。現在のデバイスは不正確であることを示し得、結果として、処置対象物をとらえ損なうこと、又は、血管壁の外傷若しくは穿孔などの合併症を引き起こすことによって、処置が効果的でなくなる。したがって、カテーテルを用いた安全な処置は、血管内イメージング、ステアリング、及び処置などの作業のための複数の別個のデバイスを使用し、交換することを必要とし得る。これらの個々のデバイスの各々は、血管構造を通じて前進され、除去され、次のデバイスに置き換えなければならない。一部の手技は、処置前のナビゲーション及び処置後の検証のために、イメージングデバイスの挿入及び除去などの複数回の交換を必要とする。デバイスを交換する度に、血管外傷及び他の合併症のさらなる機会が導入されるため、患者リスクが増大する。さらに、多くの外部イメージング技法は、X線及び他の有害である可能性がある放射線への暴露を必要とし、手技が長引くと、同様に暴露も長引く。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] したがって、軟組織のサイズ及び他の特性に基づいて、軟組織に対応する量の治療薬を正確、効果的且つ比例的に送達するように、軟組織のサイズ及び他の特性を決定する、検出、モニタリング及び/又は処置のためのデバイス、方法及び/又はシステムが必要とされている。本開示は、そのような検出、モニタリング及び/又は処置デバイス、方法及び/又はシステムを論じる。本開示による血管内処置システムの一例は、遠位部分及び近位部分、前記カテーテルの前記遠位部分に配置され、血管構造の外部に配置されている対象者の軟組織内のロケーションをイメージングし、画像信号を生成するイメージング装置、並びに前記カテーテルの前記遠位部分に配置された第1の出口ポートを備える第1のルーメンであって、ガイドワイヤを受け入れるように構成されている第1のルーメンを備えるカテーテルと、カテーテル内にスライド可能に配置されており、カテーテルの第1のルーメンの少なくとも一部分に実質的に平行である、第2のルーメン及び第2の出口ポートを備える針と、画像信号を受信するためのコントローラであって、コントローラは、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、画像信号を使用して血管構造の外部に配置されている対象者の軟組織をイメージングすることと、対象者の軟組織内の対象領域を識別することと、針をカテーテルに関して並進させ、針を、血管構造を通じて対象領域へと挿入することと、針を通じて対象領域に治療薬を送達することとを行わせる命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コントローラとを含む。
【0006】
[0007] 上記処置システムにおいて、非一時的コンピュータ可読媒体の、対象領域を識別するための命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、対象領域内の組織のタイプを決定することを行わせる命令を含む。
【0007】
[0008] 上記処置システムにおいて、非一時的コンピュータ可読媒体の、対象領域を識別するための命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、対象者の軟組織内の対象領域のロケーション又は位置を決定することを行わせる命令を含む。
【0008】
[0009] 上記処置システムにおいて、対象領域のロケーション又は位置は距離を含む。
【0009】
[0010] 上記処置システムにおいて、距離は対象者の軟組織の別の部分に対するものである。
【0010】
[0011] 上記処置システムにおいて、イメージング装置は複数の画像信号を生成する。
【0011】
[0012] 上記処置システムにおいて、距離は、エコー信号の飛行時間を決定することによって決定され、エコー信号は、画像信号のうちの1つの画像信号の派生信号である。
【0012】
[0013] 上記処置システムにおいて、距離は、別のエコー信号の飛行時間を決定することによって決定され、他のエコー信号は、画像信号のうちの2つめの画像信号の派生信号である。
【0013】
[0014] 上記処置システムにおいて、非一時的コンピュータ可読媒体の、対象領域を識別するための命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、軟組織の厚さを決定することを行わせる命令を含む。
【0014】
[0015] 上記処置システムにおいて、非一時的コンピュータ可読媒体の、対象領域を識別するための命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、第1のエコー信号と第2のエコー信号との間の飛行時間の差を使用して軟組織の厚さを決定することを行わせる命令を含む。
【0015】
[0016] 上記処置システムにおいて、非一時的コンピュータ可読媒体の、対象領域を識別するための命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、対象領域のサイズを識別することを行わせる命令を含む。
【0016】
[0017] 上記処置システムにおいて、非一時的コンピュータ可読媒体の、対象領域を識別するための命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、対象領域の密度を識別することを行わせる命令を含む。
【0017】
[0018] 上記処置システムにおいて、針を通じて対象領域に治療薬を送達するための命令は、実行されると、1つ又は複数のプロセッサに、対象領域のサイズ及び対象領域の密度のうちの少なくとも1つに基づく量の治療薬を送達することを行わせる命令を含む。
【0018】
[0019] 上記処置システムにおいて、画像信号はトランスデューサから生成される。
【0019】
[0020] 上記処置システムにおいて、トランスデューサは500キロヘルツ(KHz)~30メガヘルツ(MHz)のエネルギーを生成する。
【0020】
[0021] 本開示は、概して、少なくとも1つのルーメンの遠位出口ポート付近でイメージング機能を有するデュアルガイドワイヤルーメンによる血管内処置を提供するための医療デバイス、システム、及び方法に関する。血管内イメージング機能をルーメン出口ポートに直接的に提供することによって、イメージングカテーテルと処置カテーテルとを交換する必要性が回避される。付加的に、2つのルーメンは、別のガイドワイヤが他方のルーメン内で前進されている間に、一方のガイドワイヤ及びルーメンが支持に使用されるため、容易なガイドワイヤ交換を可能にする。2つのルーメンはまた、側枝アクセス及び分岐のナビゲーションのために成形されたワイヤを使用することを可能にすることによって、ステアリング機能も改善する。付加的に、カテーテルの遠位部分において2つのルーメンが実質的に平行に向いていることによって、使用中にカテーテル本体のセンタリングを改善することが可能になる。本発明のカテーテルの要素は、処置中に処置部位のリアルタイムのイメージングを可能にすることができ、別個のデバイスを交換する必要性を低減し、血管外傷の関連するリスクを最小限に抑え、手技時間を低減する。
【0021】
[0022] 両方のルーメンの遠位出口をイメージング装置のロケーション付近に設定することによって、カテーテルは、ユーザが、送達ロケーションから得られる画像を参照してナビゲーション及び治療送達の決定を行うことを可能にする。デュアルルーメンカテーテルの出口ポートのうちの1つ又は複数をイメージング装置付近に配置することによって、適切な処置を、最小限の調整で対象領域に正確に送達することを可能にすることができる。遠位に配置されているイメージング装置はまた、送達中及び送達後に処置の有効性をモニタリングし、検証するためにも使用される。
【0022】
[0023] ガイドワイヤルーメンは、ガイドワイヤの容易な交換を可能にするオーバーザワイヤ(OTW)、又は、より迅速に通すことができ、より短いガイドワイヤを必要とし得るラピッドエクスチェンジ(RX)などの、任意の適切なタイプのものである。特定の実施形態において、本開示のカテーテルは、1つのOTWガイドワイヤルーメン及び1つのRXガイドワイヤルーメンを含み、両方のタイプの利点を活かす。ガイドワイヤルーメンは、カテーテルの遠位部分上で、且つ、イメージング装置からの短距離内に、出口ポートを有する。様々な実施形態において、一方又は両方のルーメンが、イメージング装置を通過する。ルーメン出口ポートは、イメージング装置に対して近位又は遠位にあり、互いに隣接し、又はオフセットされる。出口ポートは、平坦であり、又は、カテーテル本体の遠位部分と角度を形成するために斜め切りにされ、カテーテルが血管構造をより容易に通過することを可能にする。
【0023】
[0024] イメージング装置は、血管内超音波(IVUS)アセンブリの一部としての超音波トランスデューサを含む。いくつかの実施形態において、イメージング装置は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)イメージング装置である。任意選択的に、カテーテルの遠位部分は、圧力、速度、又はドップラー速度などのパラメータを検知するように構成されている機能的測定センサを含む。遠位部分は、様々なイメージングアセンブリを支持するように構成されているトランスデューササポートを含む。特定の実施形態において、イメージングアセンブリは、トランスデューササポートに相互交換可能に固定される。
【0024】
[0025] 本体の遠位部分及び出口ポートの血管構造内での視覚化及び方向付けを支援するために、カテーテル本体の遠位部分は、放射線不透過性のパターン、又は、例えばX線によって外部からモニタリングされる他のマーカを含む。カテーテル本体は、カテーテルの近位端において加えられる軸トルクをカテーテルの遠位端に効率的に伝達し、ナビゲーション又は処置送達中に遠位端の操作を容易にする様々な特徴を含む。本開示のカテーテルは、Volcano Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)製のVH(登録商標)IVUSなどの自動体腔測定ソフトウェア、Volcano Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)製のChromaFlo(登録商標)などの血液、疫病(plague)、及び異物を区別するための画像強調ソフトウェア、及び、Volcano Corporation(カリフォルニア州サンディエゴ)製のSyncVision(商標)などのIVUSからの単一のビューと血管造影画像とを相関付けるためのソフトウェアと互換性がある。
【0025】
[0026] 本開示のカテーテルは、慢性完全閉塞の横断、組織切除、血栓溶解、薬剤放散、吸引、エコー発生物の注入(echogenic injection)、分岐を通じたナビゲーション、又は側枝アクセスのために使用される。2つのガイドワイヤルーメン、外部からの向き追跡、効率的な軸トルク伝達、及びルーメン出口ポートにおける局所化された血管内イメージングの組合せは、現在のカテーテルにより提供されるものより迅速、安全、より正確且つ効果的なカテーテルベースの処置の送達を可能にする。本開示のカテーテルは、カテーテルの遠位端並びに第1の出口ポート及び/又は第2の出口ポート付近に配置された様々な形状及びサイズの膨張可能バルーン又は折り畳み可能な部材(例えば、鞘覆い可能なニチノールバスケット)を含むセンタリング機構を含む。センタリング機構は、第1の出口ポート及び/又は第2の出口ポートを血管、動脈又は他の管腔の断面内でセンタリングするために、管腔壁と相互作用するように構成することができる。本開示のカテーテルは灌流孔を含む。
【0026】
[0027] 特定の態様において、本開示は遠位部分及び近位部分を有する細長い本体を有する血管内処置カテーテルに関する。カテーテルは、本体の遠位部分に、血管構造内のロケーションをイメージングするように構成されたイメージング装置を有する。カテーテル本体は、本体の遠位部分に配置された第1の出口ポートを有する第1のガイドワイヤルーメンと、少なくとも本体の遠位部分において第1のガイドワイヤルーメンと実質的に平行であり、同じく本体の遠位部分に配置された第2の出口ポートを有する第2のガイドワイヤルーメンとを含む。
【0027】
[0028] イメージング装置は、微細加工超音波トランスデューサを有する血管内超音波(IVUS)イメージング装置である超音波トランスデューサを含むことができる。いくつかの実施形態において、当該イメージング装置は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)イメージング装置を含む。カテーテルはまた、本体の遠位部分に、圧力センサ、速度センサ、ドップラー速度センサ、又は光センサなどの機能的測定センサを含む。
【0028】
[0029] 様々な実施形態において、カテーテルの第1のガイドワイヤルーメンはオーバーザワイヤガイドワイヤルーメンであり、第2のガイドワイヤルーメンはラピッドエクスチェンジガイドワイヤルーメンである。第1の出口ポート及び第2の出口ポートは互いにオフセットされ、いずれか一方又は両方を、イメージング装置から5cm以内に配置される。特定の実施形態において、第1の出口ポート及び第2の出口ポートのうちの少なくとも一方は、細長い本体の遠位部分の接線に対して鈍角を形成する。
【0029】
[0030] イメージング装置は第1の出口ポートに対して遠位に配置される。いくつかの構成において、カテーテルは、シャフト、編組材料若しくはコイル巻き材料を含むか、又は、他の様態で、本体の近位部分に加えられる軸トルクを本体の遠位部分に伝達するように構成される。
【0030】
[0031] 特定の実施形態において、イメージング装置は第2のガイドワイヤルーメンの周囲に配置される。カテーテル本体の遠位部分は、X線イメージングの下で本体の遠位部分の向きを示すように構成されたパターンを含む。カテーテルは、第3のルーメン及び第3のルーメン内のマイクロケーブルを含み、マイクロケーブルは、イメージング装置からカテーテルの近位部分まで延在し、イメージング装置と電子的に通信する。
【0031】
[0032] 特定の態様において、本開示は血管内処置を送達する方法を提供する。方法は、第1のガイドワイヤを実質的に血管の処置されるべき部分まで前進させるステップと、第1のガイドワイヤ上で血管内処置カテーテルを前進させるステップと、血管の処置されるべき部分をイメージングするステップと、処置を送達するステップとを含む。血管内処置カテーテルは、遠位部分及び近位部分を有する細長い本体と、遠位部分にあるイメージング装置とを含む。イメージング装置は、血管の処置されるべき部分をイメージングするように構成される。血管内処置カテーテルは、第1の出口ポートを有する第1のガイドワイヤルーメンと、少なくとも本体の遠位部分において第1のガイドワイヤルーメンと実質的に平行であり、第2の出口ポートを有する第2のガイドワイヤルーメンとを含む。第1の出口ポートと第2の出口ポートの両方が、カテーテル本体の遠位部分にある。
【0032】
[0033] 本開示の方法は、血管内処置カテーテルを血管構造内の分岐の1つの選択された枝路を通じてステアリングするステップを含む。カテーテルをステアリングするステップは、第1のガイドワイヤを分岐まで前進させるステップと、カテーテルを第1のガイドワイヤ上で分岐まで前進させるステップと、分岐をイメージングするステップと、次いで分岐の所望の枝路に入るように構成された成形ガイドワイヤを選択するステップとによって達成される。成形ガイドワイヤは、第2のガイドワイヤルーメンを通じて分岐の所望の枝路内へと前進され、その後、カテーテルは成形ガイドワイヤ上で所望の枝路内へと前進される。
【0033】
[0034] いくつかの実施態様において、方法は、カテーテルを第1のガイドワイヤに沿って慢性完全閉塞まで前進させることにより慢性完全閉塞を処置するステップを含むことができる。好ましくは、カテーテルは、圧力を検知するように構成されると共に本体の遠位部分に配置された機能的測定センサを含む。機能的測定センサは、圧力の変化を検知することにより慢性完全閉塞における本体の遠位部分の位置を検証するために使用される。本開示の方法は、第2のガイドワイヤルーメンを通じて前進される第2のガイドワイヤにより慢性完全閉塞を横切る間に第1のガイドワイヤを支持のために使用するステップと、慢性完全閉塞に治療を送達するステップとを含む。
【0034】
[0035] 「少なくとも1つ」、「1つ又は複数」、及び「及び/又は」という語句は、機能上、接続的と離接的の両方である制限のない表現である。例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ」、「A、B、及びCのうちの1つ又は複数」、「A、B、又はCのうちの1つ又は複数」及び「A、B、及び/又はC」という表現の各々は、A単独、B単独、C単独、A及びBの組合せ、A及びCの組合せ、B及びCの組合せ、又は、A、B及びCの組合せを意味する。上記表現におけるA、B、及びCの各々は、X、Y、及びZなどの要素、又は、X1~Xn、Y1~Ym、及びZ1~Zoなどの要素のクラスを参照する場合、この語句は、X、Y、及びZから選択される単一の要素、同じクラスから選択される要素の組合せ(例えば、X1及びX2)、並びに、2つ以上のクラスから選択される要素の組合せ(例えば、Y1及びZo)を参照するように意図されている。
【0035】
[0036] 「1つの」エンティティという用語は、そのエンティティのうちの1つ又は複数を参照する。そのため、「1つの」、「1つ又は複数」及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において交換可能に使用される。また、「備える」、「含む」、及び「有する」という用語も、交換可能に使用されることにも留意されたい。
【0036】
[0037] 「論理」又は「制御論理」という用語は、本明細書において使用される場合、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、配線論理、又はそれらの組合せの上で実行するソフトウェア及び/又はファームウェアを含む。したがって、実施形態によれば、様々な論理は、コンピュータ可読媒体上で任意の適切な様式で、及び/又は、コンピュータ可読媒体とともに実施され、本明細書において開示されている実施形態に従ったままである。
【0037】
[0038] 「手段」という用語は、本明細書において使用される場合、米国特許法第112条(f)項による可能なその最も広い解釈を与えられるものとする。したがって、「手段」という用語を組み込んでいる請求項は、本明細書において記載されているすべての構造、材料、又は動作、及びその均等物のすべてをカバーするものとする。さらに、上記構造、材料、又は動作、及びその均等物は、発明の概要、図面の簡単な説明、発明を実施するための形態、要約書、及び特許請求の範囲自体に記載されているすべてのものを含むものとする。
【0038】
[0039] 本開示全体を通じて与えられているすべての最大の数値限定は、代替として、あらゆるより低い数値限定を、そのようなより低い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように、含むものとみなされることを理解されたい。本開示全体を通じて与えられているすべての最小の数値限定は、代替として、あらゆるより高い数値限定を、そのようなより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように、含むものとみなされる。本開示全体を通じて与えられているすべての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲があたかも本明細書にすべて明示的に記載されているかのように、含むものとみなされる。
【0039】
[0040] 上記の記載は、本開示のいくつかの態様の理解を与えるための、本開示の単純化された概要である。この概要は、本開示並びにその様々な態様、実施形態、及び構成の広範な概説でも、網羅的な概説でもない。本開示の主要な又は重要な要素を識別することも、本開示の範囲を区切ることも意図されておらず、本開示の選択されている概念を、下記に提示するより詳細な説明への導入として、単純化された形式で提示することが意図されている。諒解されるように、上記に記載した又は下記に詳細に説明する特徴のうちの1つ又は複数を単独で又は組み合わせて利用して、本開示の他の態様、実施形態、及び構成が可能である。
【0040】
[0041] 添付の図面は、本開示のいくつかの例を例示するために、本明細書に組み込まれ、その一部を形成する。これらの図面は、本明細書とともに、本開示の原理を説明する。図面は単純に、本開示をどのように作製し、使用されるかの、好ましい、代替的な例を示しており、本開示を、図示及び記載されている例のみに限定するものとして解釈されるべきではない。さらなる特徴及び利点が、下記に参照される図面によって示されているものとしての、本開示の様々な態様、実施形態、及び構成の以下のより詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】[0042] デュアルルーメンカテーテルアセンブリを示す図である。
【
図2】[0043] デュアルルーメンカテーテルアセンブリの遠位部分を示す図である。
【
図3】[0044] イメージング装置サポートを有するデュアルルーメン追跡先端部を示す図である。
【
図4】[0045] 拡張イメージング装置サポート及びイメージング装置のイメージング平面にある切り欠きを有するデュアルルーメン追跡先端部を示す図である。
【
図5】[0046] 機能的測定センサを有するデュアルルーメンイメージング装置サポートを示す図である。
【
図6】[0047] オフセットされた出口ポート及び2つの出口ポートの近位の後ろにある平坦化された表面を有するデュアルルーメンイメージング装置サポートを示す図である。
【
図7】[0048] オフセットされた出口ポート、斜めに切られた出口ポート及び接着剤ポート孔を有するデュアルルーメンイメージング装置サポートを示す図である。
【
図8】[0049] オフセットされた出口ポート及び丸みを帯びた出口ポート並びに機能的測定センサを有するデュアルルーメンイメージング装置サポートを示す図である。
【
図9】[0050] 貫通するガイドワイヤ及び単一ルーメン短先端部を有するデュアルルーメンイメージング装置サポートを示す図である。
【
図10】[0051] 貫通するガイドワイヤ及びデュアルルーメン拡張先端部を有するデュアルルーメンイメージング装置サポートを示す図である。
【
図11A-11D】[0052] イメージング装置に対して様々な構成を有する第1の出口ポートを有するデュアルルーメンイメージング装置を示す図である。
【
図12】[0053] 灌流孔及びマルチバルーンセンタリング機構を有するデュアルルーメンイメージング装置を示す図である。
【
図13】[0054] マルチバルーンセンタリング機構を有するデュアルルーメンイメージング装置の遠位端の正面図である。
【
図14】[0055] 灌流孔を有するデュアルルーメンイメージング装置サポートを示す図である。
【
図15】[0056] 灌流孔及びらせん形バルーンセンタリング機構を有するデュアルルーメンイメージング装置を示す図である。
【
図16】[0057] 灌流孔、及び、複数の開放区画を有するセグメント化円の断面形状を有するバルーンセンタリング機構を有するデュアルルーメンイメージング装置を示す図である。
【
図17】[0058] 複数の開放区画を有するセグメント化円の断面形状を有するバルーンセンタリング機構を有するデュアルルーメンイメージング装置の遠位端の正面図である。
【
図18】[0059] コントローラと、トランスデューサを有する血管内超音波(IVUS)カテーテルと、トランスデューサを有する外部超音波デバイスと、単独で又はIVUSカテーテルとともに使用することができる血管内治療針とを含む、データ取得システム、患者モニタリングシステム、及び/又は治療・制御システムを示す図である。
【
図19】[0060] 本開示の様々な実施形態による、例示的なコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【
図20】[0061] 本開示の実施形態による、データ取得システム、患者モニタリングシステム、及び/又は治療・制御システムを示すブロック図である。
【
図21】[0062] コントローラと、患者の血管構造内に挿入されるトランスデューサを有する血管内超音波(IVUS)カテーテルと、トランスデューサを有する外部超音波デバイスと、患者の血管構造内に挿入される血管内治療針とを含む、データ取得システム、患者モニタリングシステム、及び/又は治療・制御システムを示す図である。
【
図22】[0063] 患者の血管構造の内部のトランスデューサを有する血管内超音波(IVUS)カテーテルを示す図である。
【
図23】[0064] 患者の血管構造の内部のトランスデューサを有し、血管組織から後方散乱される超音波データを受信する血管内超音波(IVUS)カテーテルを示す図である。
【
図24】[0065] 患者の血管構造の内部のトランスデューサを有し、血管構造の外部且つ血管組織の外部にある患者内の軟組織から後方散乱される超音波データを受信する血管内超音波(IVUS)カテーテルを示す図である。
【
図25】[0066] 患者の外部に配置されるトランスデューサを有し、血管構造の外部且つ血管組織の外部にある患者内の軟組織から後方散乱される超音波データを受信する外部イメージング装置を示す図である。
【
図26】[0067] 第1の出口ポートから血管構造を通じて血管構造の外部且つ血管組織の外部にある患者の軟組織へと延伸し、軟組織内の対象物内へと治療薬を送達する針を有する第1の出口ポートを有するデュアルルーメンイメージング装置を示す図である。
【
図27】[0068] 外部イメージング装置、及び、第1の出口ポートから血管構造を通じて血管構造の外部且つ血管組織の外部にある患者の軟組織内へと延伸し、軟組織内の対象物内へと治療薬を送達する針を有する第1の出口ポートを有するデュアルルーメンイメージング装置を示す図である。
【
図28】[0069]
図26に示すデバイスなどの、本明細書において論じられているデバイスの動作及び/又は使用のブロック図又はフローチャートである。
【
図29】[0070]
図27に示すデバイスなどの、本明細書において論じられているデバイスの動作及び/又は使用のブロック図又はフローチャートである。
【
図30】[0071]
図26及び
図27に示すデバイスなどの、本明細書において論じられているデバイスの動作及び/又は使用のブロック図又はフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
[0072] 図面は必ずしも原寸比例とは限らないことを理解されたい。特定の事例において、本開示の理解のために必要ではない、又は、他の詳細を把握しづらくする詳細は省かれている。無論、本開示は本明細書に示されている特定の実施形態に必ずしも限定されるものではないことを理解されたい。
【0043】
[0073] 本開示の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本開示はその応用において、以下の説明に記載されており、又は、以下の図面に示されている構成要素の構造及び構成の詳細には限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な手法で実践又は実行されることが可能である。また、本明細書において使用されている語法及び専門用語は説明を目的とするものであり、限定するものとして考えられるべきではないことを理解されたい。本明細書において、「含む」、「備える」、又は「有する」及びそれらの語の変化形が使用されている場合、これは、それらの語の後にリストされている項目及びそれらの項目の均等物並びに追加の項目を包含するように意図されている。
【0044】
[0074] 本開示は、概して、ユーザが、ルーメン出口からの直接的なイメージングに基づいてステアリング及び処置決定を行い、ごく最小限の調整で適切な処置を対象領域に正確に送達することを可能にする、両方のルーメンの遠位出口付近にイメージング装置を有するデュアルルーメン血管内処置カテーテルに関する。2つのルーメンが存在することによって、様々な形状のガイドワイヤを使用し、容易に交換することを通じて、支持を増大し、カテーテルのセンタリングを改善し、ステアリングを改善することが可能である。カテーテルの追加の特徴は、カテーテルの遠位端への軸トルク伝達をより良好にするために、ねじり剛性を増大させる様々な手段を含む。本開示のカテーテルはまた、放射線不透過性マーカのパターン、又は、遠位部分におけるカテーテルの向きを外部決定するための他の手段も含む。特定の事例において、カテーテルの遠位部分は、ナビゲーション及び処置の正確な送達を支援するための追加の機能的測定センサを含む。
【0045】
[0075] カテーテル本体
[0076]
図1は、細長い本体109内にて、それぞれ第1のガイドワイヤルーメン及び第2のガイドワイヤルーメン(図示せず)内に配置され、それぞれ第1の出口ポート105及び第2の出口ポート205を通って出るOTWガイドワイヤ201及びRXガイドワイヤ203を有する、細長い本体109を有するカテーテル101を示す。カテーテル101は、概して、遠位部分111へと延在する近位部分103を含む。超音波トランスデューサなどのイメージング装置107は、遠位部分111に配置される。
【0046】
[0077] 血管内カテーテルは、対象体腔に腔内導入するように構成されている。カテーテル本体の寸法及び他の物理特性は、アクセスされるべき体腔に応じて大幅に変化する。本開示のカテーテルは2つ以上のルーメンを含む。ルーメンは、ガイドワイヤチャネルがカテーテル本体全体を通じて延在する「オーバーザワイヤ」(OTW)、又は、ガイドワイヤチャネルがカテーテル本体の遠位部分のみを通じて延在する「ラピッドエクスチェンジ」(RX)を含む、様々なタイプのものである。例示的な実施形態において、
図1に示すように、本開示のカテーテルは、各タイプのガイドワイヤルーメンの固有の利点を活用するために、少なくとも1つのRX及び少なくとも1つのOTWルーメンを含む。
【0047】
[0078] カテーテルは、イメージング装置と電子的に通信するマイクロケーブル、支持若しくはねじり部材、駆動シャフト若しくはケーブルを収容するための、又は、他の目的のための追加のルーメンを含む。カテーテルはまた、針によって標的組織部位に送達するために治療薬をカテーテルに導入するための追加のルーメン並びにルアー及び/又はアダプタも含んでもよい。
【0048】
[0079] デュアルルーメンは、カテーテル本体の延伸範囲全体にわたって実質的に平行である。特定の実施形態において、ルーメンは、カテーテルの遠位部分及び/又はそれらのそれぞれの出口ポートのみにおいて実質的に平行である。
【0049】
[0080] 血管内導入のために意図されているカテーテル本体は、典型的には、50cm~200cmの範囲内の長さ、及び1フレンチ~12フレンチ(1フレンチは0.33mm)、通常は3フレンチ~9フレンチの範囲内の外径を有する。カテーテル本体は、典型的には、従来の押し出し技法によって作製される有機ポリマーから構成される。適切なポリマーは、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーンゴム、天然ゴムなどを含む。任意選択的に、カテーテル本体は、回転強度、コラム強さ、堅牢性、又は押しやすさなどの品質を増大させるために、編組、ヘリカルワイヤ、コイル、軸フィラメントなどによって強化される。適切なカテーテル本体は押し出しによって形成され、1つ又は複数のチャネルが、所望されるときに提供される。カテーテル直径は、従来の技法を使用して熱膨張及び収縮によって変更することができる。したがって、結果もたらされるカテーテルは、従来の技法によって、冠状動脈であることが多い血管系に導入するのに適する。
【0050】
[0081] 記載のように、特定の態様において、カテーテル本体は、本体の近位部分から遠位部分への軸トルク伝達を増大させるために、ねじり剛性を強化される。ねじり剛性は、ワイヤ、スパイン、シャフト、編組若しくはコイル巻き材料、又はそれらの組合せを含む様々なねじり部材を通じて増強される。これらの部材は、カテーテル本体の何らかの部分の周り、上、又は中に配置される。ねじり剛性を増大させるための様々な部材が提示される。軸トルク伝達シャフトは、押し出し単一ルーメン、押し出しデュアルルーメン、又は、2本のシャフトが延伸する押し出し単一ルーメンである。これらのルーメンは、カテーテル本体の近位端と遠位端との間で自由に動くか又は固定され、ただし、ほとんどの実施形態では、本体の遠位部分においてガイドワイヤルーメンの1つ又は複数に固定されるべきである。固定は、熱溶融、粘着性物質、又は当該技術分野において知られている他の手段を通じたものである。特定の実施形態において、軸トルク伝達機構は、シャフトがその中を貫通して延伸する別個のルーメンを含む(実施例#1)。デュアルガイドワイヤルーメンに加えて、別個のルーメンが、カテーテル本体の長さにわたって延在し、少なくとも遠位部分において、第1の出口ポート及び第2の出口ポート並びにイメージング装置付近でカテーテル本体に固定される。別個のルーメンは、別個のルーメンに対するシャフトの軸方向運動に抵抗するために、シャフトにわたって緊密な嵌合を形成すべきである。シャフトは、軸トルクを伝達するためのスパインとして作用することができ、金属、繊維、複合材、及びプラスチック又は他のポリマーを含む様々な材料から構築される。
【0051】
[0082] 特定の態様において、カテーテルは、編組又はコイル巻き材料から作製されるシャフトを含み(実施例#2)、ここで、編組又はコイル巻き材料は、周方向バンド内で遠位端及び近位端において終端する。シャフトは、小さいバンドを用いて近位端及び遠位端の両方において切断編組を結合すること、又は、コイルが実質的に接触するまで両方の端部においてコイルのピッチを低減することによって、終端される。シャフトは、一方若しくは両方のガイドワイヤルーメンに結合され、又は、他の構成では、少なくとも遠位部分においてカテーテル本体に接合される。トーションシャフトを、カテーテルの構築に組み込まれる。特定の態様において、カテーテル本体の内径は高分子ライナによって裏打ちされ、シャフトをカテーテル本体に一体化するために、アセンブリ全体がリフローされる。いくつかの実施形態において、シャフトの遠位端及び近位端において切断編組を結合する小さいバンドは、ポリマーから構築され、製造中にカテーテル本体に、より容易に接着する表面を提供することができる。
【0052】
[0083] いくつかの事例において、カテーテルは、ガイドワイヤ又はマイクロケーブルルーメンに挿入されるハイポチューブを含む(実施例#3)。ハイポチューブは、実施例#1の別個のルーメンと同様に、シャフトの周りに緊密に嵌合し、スパインのような支持を提供するために、少なくとも遠位部分においてカテーテル本体に固定される。特定の態様において、近位部分が2つのルーメンを備える一方で、第3のルーメンをカテーテルの遠位部分内に構築される(実施例#4)。第3のルーメンは、カテーテルの遠位部分において追加のねじり剛性を与え、実施例#1に記載されているように、シャフトを緊密に包含する。いくつかの実施形態において、例えば、ポリマーから構築される編組シャフトが、互換性のあるポリマージャケットに挿入され、熱又は化学プロセスによってRXルーメン、又は、OTWルーメンの遠位部分に融合される(実施例#5)。
【0053】
[0084] 本体の遠位部分、イメージング装置サポート、及び/又は追跡先端部は、本体の遠位部分、イメージング装置サポート、及び/又は追跡先端部の向きを示し、カテーテルのナビゲーション及び/又は処置送達を支援するように位置決めされているマーキングのパターンを含む。マーキングは、X線を使用して本体の外部から観察可能であるように、放射線不透過性である。マーカは、デバイスの本体内部に埋め込まれ、IVUSからの単一のビューと血管造影画像とを相関付けるためのソフトウェア(例えば、カリフォルニア州サンディエゴのVolcano Corporation製のSyncVision(商標))などの様々なモニタリングソフトウェアと互換性があるような寸法にすることができる。
【0054】
[0085] 本体の遠位部分及び出口ポートの血管構造内での視覚化及び方向付けを支援するために、本体の遠位部分は、放射線不透過性のパターン、又は、例えばX線を介して外部からモニタリングする他のマーカを含む。
【0055】
[0086] 特定の実施形態において、本開示のカテーテルは、カテーテル本体、カテーテル先端部、又はイメージング装置サポート上に配置される1つ又は複数のセンタリング機構を含む。センタリング機構は、カテーテル本体の長さに沿った任意の適切なロケーションに配置される。好ましい実施形態において、センタリング機構は、カテーテルの遠位端並びに/又は第1の出口ポート及び/若しくは第2の出口ポート付近に配置され、結果、第1の出口ポート及び/又は第2の出口ポートは、センタリング機構によって血管内でセンタリングされる。センタリング機構は、例えば、膨張可能バルーン、又は、鞘覆い可能なニチノールバスケットなどの折り畳み可能な構造、又は、形状記憶材料を含む他の構造を含む。センタリング機構は、カテーテル本体に近いままの非拡張状態と、センタリング機構が、第1の出口ポート及び/又は第2の出口ポートを血管、動脈又は他の体腔の断面内でセンタリングするために、管腔壁と相互作用するために、カテーテル本体の表面から半径方向に拡張する拡張状態とを有する。バルーンセンタリング機構は、1つ又は複数のバルーンを膨張させるために流体又は気体を加えることを通じて、非拡張状態と拡張状態との間で遷移する。カテーテル本体は、バルーンセンタリング機構を空気又は流体源に接続する空気又は流体ラインを含む。センタリングバルーンを拡張するために空気又は流体をセンタリングバルーン内に強制的に押し込むために、ポンプが使用される。バルーンセンタリング機構は、任意の適切な形状又はサイズである。
【0056】
[0087]
図12は、3つの別個のセンタリング機構165が、イメージング装置サポート303付近でカテーテル本体に沿って離間されている、例示的なカテーテル構成を示す。イメージング装置サポート303は、イメージング装置107と、複数の灌流孔167と、第1の出口ポート105を有する第1のガイドワイヤルーメン301と、第2の出口ポート205を有し、第2のガイドワイヤ203を包含する第2のガイドワイヤルーメン302とを備える。センタリング機構165は、膨張すると、C字状の断面を含み、カテーテル本体の周囲の一部分を包囲するバルーンである。3つのセンタリング機構165は、C字状の断面の間隙が、
図13に示すようなカテーテル断面の周囲に沿って互いからオフセットされるように、互いに対して位置決めされる。間隙をオフセットすることによって、バルーンカテーテルは、体腔内の血液又は他の流体のためのオープンな流路を維持しながら、カテーテル表面の全周にわたって、管腔壁に対するカテーテルにセンタリング力を提供する。これは、センタリング機構が、処置されている管腔内の血流を妨げることなく処置中に使用されることを可能にし、以て、組織への血流の欠如によって引き起こされる問題が回避され、カテーテル上のセンサが、例えば、閉塞の除去などの処置の有効性を決定するために、管腔内の圧力又は流れを正確に追跡することを可能にする。バルーンセンタリング機構は、カテーテルの遠位端上の第1の出口ポート105の近位の任意の箇所においてデバイスに沿って互いにオフセットされて配置される。バルーンセンタリング機構は、血流が通ることを可能にするための開放区画を有するセグメント化円である。複数のバルーンの間のヘリカル状の開放区画の向きが、センタリング効率及び血流速度を最適化する。カテーテルのプロファイルビューは、これらのバルーンが、カテーテル本体の周囲にわたり360°からデバイスをセンタリングすべきであることを示している。
図12及び
図13に示す複数のセンタリング機構165は、必要なセンタリング機構のみを展開する必要があるように、個々の膨張又は拡張を可能にする。特定の実施形態において、複数のセンタリング機構165は、1つ又は複数のセンタリング機構165が、それらが展開されている体腔のサイズ及び形状に基づいて選択的に拡張されるように、様々なサイズ及び形状を有する。
【0057】
[0088]
図15は、イメージング装置107並びに第1の出口ポート105及び第2の出口ポート205の近位において、カテーテルの遠位端及びイメージング装置サポート303付近で、カテーテル本体の周囲にわたってらせん状になっているらせん形バルーンセンタリング機構165を示す。イメージング装置サポート303は、イメージング装置107と、複数の灌流孔167と、第1の出口ポート105を有する第1のガイドワイヤルーメン301と、第2の出口ポート205を有し、第2のガイドワイヤ203を包含する第2のガイドワイヤルーメン302とを備える。らせん形センタリング機構165は、特に拡張されたときに、カテーテル本体の、他の設計よりも大きい柔軟性を可能にする。らせん形センタリング機構165は、管腔内の血液又は他の流体のオープンな流路を維持しながら、カテーテル外面の全周にわたってセンタリング力を提供する。
【0058】
[0089]
図16及び
図17は、イメージング装置サポート303、イメージング装置107並びに第1の出口ポート105及び第2の出口ポート205のすぐ近位に配置されるバルーンを含むセンタリング機構165を示しており、第1のガイドワイヤ(図示せず)又は第2のガイドワイヤ203が、センタリング機構165に対するいかなる損傷も防止しながら、センタリング機構165の中心において出ることを可能にする。イメージング装置サポート303は、イメージング装置107と、複数の灌流孔167と、第1の出口ポート105を有する第1のガイドワイヤルーメン301と、第2の出口ポート205を有し、第2のガイドワイヤ203を包含する第2のガイドワイヤルーメン302とを備える。第1の出口ポート105又は第2の出口ポート205付近にセンタリング機構165を配置することによって、センタリング機構165が距離をおいて配置されている場合よりも有効な、それらのポートのセンタリングを可能にする。
図16及び
図17に示すセンタリング機構165は、複数の開放区画を有する単一セグメント化円バルーンである。単一セグメント化円は、複数の開放区画を通じて血液又は流体の流路を維持しながら、体腔壁に対するカテーテルの周方向センタリング力を提供する。
【0059】
[0090] 様々な実施形態において、センタリング機構は、シースが機構をカテーテル本体に近い折り畳まれた非拡張状態に維持し、シースが除去されると、機構が拡張する、ニチノールバスケットなどの折り畳み可能な構造を含む。シースは、カテーテルの近位端から操作されるように、解放機構に結合される。特定の態様において、シースは、血管構造から容易に除去するためにセンタリング機構を処置後に折り畳まれるように、除去及び置き換えられるように構成される。
【0060】
[0091] 特定の実施形態において、センタリング機構を有するカテーテルは、血管構造を通じて所望の処置ロケーションへと前進され、その時点において、カテーテル及び/又はその1つ若しくは複数の出口ポートを血管構造内でセンタリングするために、センタリング機構が拡張又は展開される。その後、処置を施すことができ、センタリング機構は、カテーテルを血管構造から除去する前に折り畳まれる。
【0061】
[0092] デュアルルーメントランスデューササポート
[0093] 特定の実施形態において、カテーテル本体の遠位部分は、イメージング装置並びに第1の出口ポート及び/又は第2の出口ポートを収容するように構成されているイメージング装置サポート又はトランスデューササポートを備える。トランスデューササポートは、一体型先端部を含み、又は、用途に基づいて選択される様々な相互交換可能な先端部に結合可能である。トランスデューササポートは、カテーテル構築を支援するための接着剤ポート孔などの特徴部、並びに/又は、圧力、流量、及び速度などのパラメータの機能的測定センサを含み、パラメータを測定するために、例えば、光センサ、微細加工微小電気機械(MEMS)圧力センサ、又は、ドップラー速度センサを含む超音波トランスデューサを含む。
【0062】
[0094]
図2は、第1のガイドワイヤ201を包含するOTWタイプの第1のガイドワイヤルーメン301を有するイメージング装置サポート303を示す。イメージング装置サポート303は、別個の短い単一のルーメン先端部305を有するイメージング装置107と、イメージング装置107及び先端部305を通じて配置されており、それらを通じて出るRXタイプの第2のガイドワイヤルーメン302とを含む。第2のガイドワイヤ203が、イメージング装置107に接続されているマイクロケーブル307とともに、第2のガイドワイヤルーメン302内に配置されている。
【0063】
[0095] いくつかの態様において、トランスデューササポートは、第1の出口ポート及び第2の出口ポート、イメージング装置、並びに場合によっては機能的測定センサの間の相対的な向きを維持するために、剛性である。ほとんどの実施形態において、イメージング装置サポートは、カテーテル本体の近位部分にほぼ一致する直径を有するが、他の実施形態において、遠位部分は、カテーテルの近位部分よりも大きく、又は、小さい。イメージング装置サポートは、窒化チタン、タンタル、ME-92(抗菌コーティング材料)又はダイヤモンドなどのコーティングを有する鋼、金属、硬質プラスチック、複合材料、NiTiなどの、剛性であり、又は柔軟性が非常に低い材料から形成することができる。最も一般的には、カテーテル本体の遠位端はステンレス鋼又は白金/イリジウムから形成される。
【0064】
[0096] イメージング装置サポート及び/又は追跡先端部は、1つ又は複数のルーメンによって構築され、原料から押し出され、又は、例えば、3D印刷技法を使用して付加製造される。イメージング装置サポート及び/又は追跡先端部はまた、成型鋳造、又は、当該技術分野において知られており、構成要素が構築される材料に適している、他の適切な構築技法を通じて作製される。
図7は、第2の出口ポート205からオフセットされている第1の出口ポート105を含み、またカテーテル構築を支援するための接着剤ポート501も含むイメージング装置サポート303の断面図である。イメージング装置サポート及び/又は追跡先端部は、内部ルーメン内に段差607を含む。内部ルーメンは、段差607の近位において第1のガイドワイヤルーメン又は第2のガイドワイヤルーメンよりも大きい直径を有し、段差607の遠位において第1のガイドワイヤルーメン又は第2のガイドワイヤルーメンよりも小さい直径を有する。特定の実施形態において、イメージング装置サポート又は追跡先端部の内部ルーメンは、それらの遠位端に向かって又は段差607に向かって狭くなり、テーパ状となる。イメージング装置サポート又は追跡先端部の内部ルーメン及び/又は段差607は、イメージング装置サポート又は追跡先端部に挿入され、完全に挿入されたことを示すためのストッパを提供するため、ガイドワイヤルーメンをセンタリングすることによってカテーテルの構築中に補助する。イメージング装置サポート又は追跡先端部はまた、1つ又は複数の接着剤ポート501も含み、ガイドワイヤルーメンが中に挿入された後、ガイドワイヤルーメンをイメージング装置サポート又は追跡先端部に固定するために、接着剤ポートを通じて粘着性物質が導入される。イメージング装置サポート又は追跡先端部は、複数の遠位内部ルーメンに分離する単一の近位内部ルーメン609を含む。別個の遠位内部ルーメンは、イメージング装置及び/又は出口ポートのちょうど近位に、両方のガイドワイヤルーメンを強制的に互いに平行に再整列させる局所化されたジョイントを提供する。イメージング装置及び/又は出口ポート付近の平行なルーメンは、OTWルーメンを通じて処置を送達するときにRXガイドワイヤの、又は、RXガイドワイヤを通じて処置を送達するときにOTWルーメンの、センタリング強度を増大させる。
【0065】
[0097] 特定の事例において、イメージング装置サポートは、カテーテル本体及び/又は単一若しくはデュアルルーメン先端部と一体的に形成される。デュアルルーメン先端部を有する実施形態において、1つのルーメンの出口ポートは、イメージング装置サポート又はカテーテル本体の遠位部分上に配置することができる。好ましい実施形態において、第1の出口ポート及び第2の出口ポートは、イメージング装置付近に配置され、イメージング装置サポートを含む実施形態においては、サポート付近に配置される。第1の出口ポート、第2の出口ポート、又はその両方は、イメージング装置又はイメージング装置サポートの1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、又は10cm以内に配置される。第1の出口ポートは、カテーテル上で、イメージング装置サポート又はイメージング装置の遠位又は近位に配置される。第2の出口ポートは、カテーテル上で、イメージング装置サポート又はイメージング装置の遠位又は近位に配置される。2つの出口ポートは、イメージング装置の同じ側に配置され、又は、配置されない。
【0066】
[0098] 出口ポートは、カテーテル、イメージング装置サポート、若しくはデュアルルーメン追跡先端部に沿って同じロケーションに配置され、又は、オフセットされ、若しくは、カテーテル本体上の別個の構成要素上に配置される。
図5~
図9は、イメージング装置サポートの様々な実施形態を示す。
図5は、第1のガイドワイヤ201及び第2のガイドワイヤ203が内部に配置されている第1のガイドワイヤルーメン301及び第2のガイドワイヤルーメン302を有するデュアルルーメンイメージング装置サポート303を示す。イメージング装置サポート303は、第2のガイドワイヤ203及びガイドワイヤルーメン302が中を通過するイメージング装置107を含む。第1の出口ポート105は、第2の出口ポート205からオフセットされ、イメージング装置107の近位にあり、一方、第2の出口ポートは、イメージング装置107の遠位にある。イメージング装置サポート303は、機能的測定センサ401をさらに備える。
【0067】
[0099]
図6は、第2の出口ポート205からオフセットされており、その近位にある第1の出口ポート105を有するデュアルルーメンイメージング装置サポート303を示す。付加的に、イメージング装置サポート303の表面は、第1の出口ポート105の後ろで平坦化されている(507)。イメージング装置サポート303は、機能的測定センサ401をさらに備える。出口ポートがカテーテル、先端部、又はトランスデューササポートの端部の近位に位置する特定の実施形態では、出口ポートの遠位のカテーテル、先端部、又はトランスデューササポートの表面は、
図6のように平坦化される。平坦な表面507は、ガイドワイヤ若しくはカテーテルの屈曲に対する構造的支持を提供し、及び/又は、トランスデューサ若しくはイメージング装置の取り付け点を提供する。イメージング装置は、例えば、柔軟な脚部及び粘着性物質又は機械的締結具を使用して取り付けられる。平坦化取り付け面507は、パディングのための追加の空間を提供する。イメージング装置取り付け面におけるパディングによって、画像不具合が物理的に誘発される危険性を軽減することができる。
【0068】
[0100]
図7は、第2の出口ポート205からオフセットされており、その近位にある第1の出口ポート105を有するイメージング装置サポート303を示す。付加的に、イメージング装置サポート303の表面は、第1の出口ポート105の後ろで平坦化されている(507)。イメージング装置サポート303は、機能的測定センサ401をさらに備える。
【0069】
[00101] 本開示の出口ポートは、平坦であり、又は、
図8の第2の出口ポート205によって示すように、当該出口ポートが終端させるガイドワイヤルーメンに垂直である。出口ポートは、代替的に、
図8の第1の出口ポート105によって示すように丸みを帯びており、又は、
図7の第1の出口ポート105によって示すように、カテーテル、ガイドワイヤルーメン、追跡先端部、若しくはイメージング装置サポートに対して斜めにされる。斜めの又は丸みを帯びた出口ポートは、カテーテルを体腔に通すのを容易にする。出口ポートは、細長い本体の遠位部分、イメージング装置サポート、又は追跡先端部の接線に対して鈍角を形成する。
【0070】
[00102] 別個のデュアルルーメン追跡先端部403の例示的な実施形態が、
図3及び
図4に示されている。
図3は、第1の出口ポート105及び第2の出口ポート205が上に配置されているデュアルルーメン追跡先端部403を示す。第1の出口ポート105は、第2の出口ポート205に対して斜めになっており、結果、先端部は、抵抗が軽減した前面を呈する。
図4は、前面領域が丸みを帯びている第1の出口ポート105及び第2の出口ポート205が上に配置されているデュアルルーメン追跡先端部403を示す。デュアルルーメン追跡先端部403は、イメージング装置を完全に封入するように構成されており、イメージング装置のイメージング平面のための切り欠き405を含み、結果、追跡先端部は、腔内イメージングと干渉しない。様々な実施形態において、デュアルルーメン追跡先端部は、デュアルルーメンイメージング装置サポートとともに使用され、又は、イメージング装置は、デュアルルーメン追跡先端部のすぐ近位若しくは遠位に結合される。
【0071】
[00103] デュアルルーメンカテーテルの例が、
図9及び
図10に示されている。
図9は、イメージング装置サポート303内に収容されているイメージング装置107及び別個の先端部205を有するデュアルルーメンカテーテル101を示す。第2のガイドワイヤ203は、イメージング装置107を通じて進み、第1のガイドワイヤ201に対して遠位方向に出る。
図10は、イメージング装置サポート303内に収容されているイメージング装置107及び延長された一体型の先端部205を有するデュアルルーメンカテーテル101を示す。第2のガイドワイヤ203は、イメージング装置107を通じて進み、第1のガイドワイヤ201に対して遠位方向に出る。
【0072】
[00104] カテーテルの近位部分は、例えば、第1のカテーテル及び第2のカテーテルの入口ポートを有する、Yアームなどのハブにおいて終端する。カテーテルの遠位部分においてイメージング装置に結合されているマイクロケーブルが、カテーテルの近位端において専用又は共用ルーメンから現れ、コンピュータ、モニタリングシステム、又は、イメージング装置からの情報を解釈し、伝達するように構成されている他の機器に結合される。
【0073】
[00105] 特定の態様において、イメージング装置は、イメージング装置を制御するために、及び/又は、イメージング装置からのデータを記録するために、マイクロケーブルを通じて又は他の様態で、プロセッサを含むコントローラに、又はプロセッサに結合される。コントローラは、典型的には、多くの場合、本明細書に記載されている方法のうちの1つ又は複数の一部又はすべてを実施するための機械可読プログラム命令又はコードを実行する1つ又は複数のプログラム可能プロセッサユニットを含む、コンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアを含む。コードは、多くの場合、メモリなどの有形媒体(任意選択的に、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、不揮発性メモリなど)及び/又は記録媒体(フロッピーディスク、ハードドライブ、CD、DVD、不揮発性ソリッドステートメモリカードなどのような)において具現化される。コード並びに/又は関連するデータ及び信号はまた、ネットワーク接続を介してプロセッサへと又はプロセッサから送信することもでき、コードの一部又はすべてはまた、カテーテルシステムの構成要素の間及びコントローラ内で送信することもできる。
【0074】
[00106] 特定の実施形態において、コントローラは、イメージング装置の、カテーテル本体又は駆動ケーブルに対する回転又は長手方向運動を指示する。コントローラは、イメージング装置からのイメージングデータを受信及び表示し、データを受信している間にイメージング装置の腔内運動を整合する(例えば、プルバックIVUS又はプルバックOCTにおいて)ように構成することができる。さらに、コントローラはまた、対象組織に関する脱神経アセンブリの配置及び対象組織に対する脱神経治療の送達を容易にするために、脱神経アセンブリの運動及び起動を制御する。特定の実施形態において、コントローラは、取り付けられている脱神経アセンブリを管腔壁上で対象組織と接触させるために、拡張可能部材の展開を制御する(例えば、腎動脈の腎臓脱神経)。
【0075】
[00107] 他の実施形態において、イメージング装置は、カテーテル本体内の駆動ケーブルを使用して回転又は並進する。回転及び並進するイメージングアセンブリを有するカテーテルは、一般的に「プルバック」カテーテルとして知られている。プルバックOCTの原理は、米国特許第7,813,609号及び米国特許出願公開第20090043191号に詳細に記載されており、これらの文献は両方とも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。駆動シャフト、回転インターフェース、窓、及び継手を含む機械的構成要素は、様々な形態のプルバックイメージングの間で同様である。
【0076】
[00108] 様々な実施形態において、イメージング装置は、カテーテルの本体内に統合され、カテーテルに外接し、カテーテルの遠位端面上に配置され、及び/又は、カテーテルの本体に沿って延在する。カテーテルはまた、イメージング装置を囲む外部支持構造又はコーティングをも含む。
【0077】
[00109] デュアルルーメンイメージング装置のガイドワイヤルーメンは、互いに対して、及び、イメージング装置に対して固定される。代替的に、1つ又は複数のガイドワイヤルーメンは、イメージング装置に対して、互いに対して、又はその両方で可動であり、結果、第1の出口ポート及び/又は第2の出口ポートの、イメージング装置に対する相対位置が、ガイドワイヤルーメンをカテーテル本体から引き出すか又はカテーテル本体内へと引き込むことによって変更される。
【0078】
[00110] 特定の態様において、第1のガイドワイヤルーメンは、OTWルーメンを形成するばね荷重針を備える。ルーメンを有するばね荷重針は、ステンレス鋼又はニチノールなどの材料から構築される。ばね荷重針はデバイスの近位端から制御可能である。
図11A~
図11Dに示す第1の出口ポート105の構成のいずれかは、独立して又は組み合わせてデュアルルーメンイメージング装置に組み込まれる。例えば、ばね荷重された第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、デュアルルーメンイメージング装置サポート303に対して可動であり、結果、第1の出口ポート105の位置は、第1のガイドワイヤルーメン又は針301をイメージング装置サポート303に対して前進させる又は引き下げることによって、イメージング装置107に対して変化する。第1のガイドワイヤルーメン又は針301が針ルーメンを含む場合、第1の出口ポート105は、組織又は閉塞物に挿入することを可能にするために鋭利に及び/又は斜めにされる。
【0079】
[00111] 特定の実施形態において、針ルーメンの全体又はその部分の柔軟性を改善し、体腔を通じてカテーテルが前進するのを容易にするために、均一に又は可変にレーザ切断又は編組される。特定の実施形態において、第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、例えば、ニチノールなどの形状記憶材料を使用することを通じて達成される、予め屈曲された部分153を含む。予め屈曲された部分153は、1度未満、又は1度、5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、70度、80度、90度、又はより大きい角度などの様々な角度を含む。好ましい実施形態において、予め屈曲された部分153は、使用後、及び、カテーテルを体腔から引き下げる前に、第1のガイドワイヤルーメン又は針をイメージング装置サポート303に引き込むのを容易にするために、90°以下の角度を含む。
【0080】
[00112] 様々な実施形態において、カテーテル本体は、第1のガイドワイヤルーメン又は針301よりも剛性の高い材料を含むことができ、結果、イメージング装置サポート303及びカテーテル本体内へと引き下げられるとき、第1のガイドワイヤルーメン又は針は、
図11A~
図11Cに示すようにカテーテル本体及び第2のガイドワイヤルーメン303にほぼ平行なままであり、ただし、第1のガイドワイヤルーメン又は針301が延伸され、結果、予め屈曲された部分153がイメージング装置サポート303を越えると、第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、
図11Dに示すように予め屈曲された部分153の角度をとる。予め屈曲された部分153の遠位におけるガイドワイヤルーメン又は針301の長さは、予め屈曲された部分153の角度とともに、イメージング装置サポート303に対する第1の出口ポート105の様々な向きを達成するように構成される。特定の態様において、カテーテル本体に対する第1のガイドワイヤルーメン又は針301の角度が、1つ又は複数の予め屈曲された部分153をイメージング装置サポート303の遠位端を越えて前進させることによって段階的に増大されるように、第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、第1のガイドワイヤルーメン又は針301の遠位端に沿って様々な長さで離間された複数の予め屈曲された部分153を有する。複数の個別の予め屈曲された部分153はまた、使用後、及び、カテーテルを体腔から引き下げる前に、第1のガイドワイヤルーメン又は針301をイメージング装置サポート303に引き込むのに伴う問題を導入することなく、90度を超える累積的な角度を達成するためにも使用される。特定の実施形態において、第1の出口ポート105のロケーションは、予め屈曲された部分153がイメージング装置サポート303の遠位開口を越えて延伸された後に第1のガイドワイヤルーメン又は針301の軸回転を通じてさらに変更される。
【0081】
[00113]
図11Aは、第2のガイドワイヤルーメン302が中を通過する、イメージング装置107を有するデュアルルーメンイメージング装置サポート303を示す。RXガイドワイヤ203が、イメージング装置107の遠位において、第2の出口ポート205から現れる。第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、一定の距離をおいてイメージング装置303の近位に配置されている第1の出口ポート105を備える。第1の出口ポート105の後ろのイメージング装置サポート303の表面は平坦化されている(507)。
【0082】
[00114]
図11Bは、第2のガイドワイヤルーメン302が中を通過する、イメージング装置107を有するデュアルルーメンイメージング装置サポート303を示す。RXガイドワイヤ203が、イメージング装置107の遠位において、第2の出口ポート205から現れる。第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、イメージング装置303の近位縁部に配置されている第1の出口ポート105を備える。
【0083】
[00115]
図11Cは、第2のガイドワイヤルーメン302が中を通過する、イメージング装置107を有するデュアルルーメンイメージング装置サポート303を示す。RXガイドワイヤ203が、イメージング装置107の遠位において、第2の出口ポート205から現れる。第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、イメージング装置107の遠位に、且つ、先端部305及び第2の出口ポート205において又はそのちょうど遠位に配置されている第1の出口ポート105を備える。
【0084】
[00116]
図11Dは、第2のガイドワイヤルーメン302が中を通過する、イメージング装置107を有するデュアルルーメンイメージング装置サポート303を示す。RXガイドワイヤ203が、イメージング装置107の遠位において、第2の出口ポート205から現れる。第1のガイドワイヤルーメン又は針301は、予め屈曲された部分153によってイメージング装置107から斜めになっている。
【0085】
[00117] 特定の実施形態において、本開示のデバイスは、デバイスに沿って配置されている1つ又は複数の灌流孔を含む。灌流孔は、OTWルーメンに沿って配置される。灌流孔は、OTWルーメンに垂直にするか、又は、斜めにすることができる。灌流孔167は、
図12又は
図14~
図16に示すように、カテーテル先端部上に、カテーテル本体に沿って、又は、デュアルルーメンイメージング装置サポート303上に配置される。灌流孔167は、イメージング装置107並び第1の出口ポート105及び第2の出口ポート205の近位に配置され、イメージング装置サポート303のカテーテルの一側面上に配置され、又は、イメージング装置サポート303のカテーテルの外面に沿った複数の側面上に配置される。
【0086】
[00118] イメージング装置
[00119] 特定の実施形態において、本開示のイメージング及び処置デバイスは、イメージング装置を含む。イメージング装置は、利用されているイメージング技術に応じて、カテーテル本体、カテーテル本体の遠位端にあるイメージング装置サポート、又は、駆動ケーブル上に配置される。光-音響イメージング装置、血管内超音波(IVUS)又は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)などの、任意のイメージング装置が、本開示のデバイス及び方法とともに使用される。イメージング装置は、イメージングデータを形成する信号を、イメージング表面に送信し、イメージング表面から受信するために使用される。
【0087】
[00120] いくつかの実施形態において、イメージング装置はIVUSイメージング装置である。イメージング装置は、フェーズドアレイIVUSイメージング装置、回転IVUSイメージングアセンブリを含むプルバックタイプIVUSイメージング装置、又は、診断のために診断超音波を生成し、及び/若しくは、反射超音波を受信するために光-音響材料を使用するIVUSイメージング装置とすることができる。IVUSイメージングアセンブリ及びIVUSデータの処理は、例えば、Yockの米国特許第4,794,931号、米国特許第5,000,185号、及び米国特許第5,313,949号、Siebenらの米国特許第5,243,988号、及び米国特許第5,353,798号、Crowleyらの米国特許第4,951,677号、Pomeranzの米国特許第5,095,911号、Griffithらの米国特許第4,841,977号、Maroneyらの米国特許第5,373,849号、Bornらの米国特許第5,176,141号、Lanceeらの米国特許第5,240,003号、Lanceeらの米国特許第5,375,602号、Gardineerらの米国特許第5,373,845号、Eberleらの米国特許第5,453,575号、Eberleらの米国特許第5,368,037号、Eberleらの米国特許第5,183,048号、Eberleらの米国特許第5,167,233号、Eberleらの米国特許第4,917,097号、Eberleらの米国特許第5,135,486号、並びに、腔内超音波デバイス及びモダリティに関係する技術分野においてよく知られた他の参考文献に記載されている。これらの参考文献のすべては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
[00121] IVUSイメージングは、処置の必要性を決定し、介入を案内し、及び/又はその有効性を評価するために、人体内の、動脈などの病変血管を評価するための診断ツールとして広く使用されている。1つ又は複数の超音波トランスデューサを含むIVUSデバイスが、血管に導入され、イメージングされるべき領域に案内される。トランスデューサは、関心血管の画像を作製するために、超音波エネルギーを放出し、次いで、後方散乱した超音波エネルギーを受信する。超音波は、組織構造(血管壁の様々な層など)、赤血球、及び他の関心特徴から生じる不連続性によって部分的に反射される。反射波からのエコーが、トランスデューサによって受信され、IVUSイメージングシステムに伝えられる。イメージングシステムは、デバイスが配置されている血管の360度の断面画像を生成するために、受信した超音波エコーを処理する。
【0089】
[00122] 今日、回転及びソリッドステート(合成開口フェーズドアレイとしても知られている)の2つの一般的なタイプのIVUSデバイスが使用されている。典型的な回転IVUSデバイスについて、単一の超音波トランスデューサアセンブリが、関心血管に挿入されるプラスチックシースの内部で回転する可撓性駆動シャフトの先端部に配置される。トランスデューサアセンブリは、超音波ビームが概してデバイスの軸に垂直に伝搬するように方向付けられる。流体充填シースが、超音波信号がトランスデューサから組織へと伝搬し、戻ることを可能にしながら、血管組織を回転するトランスデューサ及び駆動シャフトから保護する。駆動シャフトが回転するとき、トランスデューサは、短い超音波バーストを放出するように、高電圧パルスによって定期的に励起される。同じトランスデューサがその後、様々な組織構造から反射されて返されるエコーをリスンする。IVUSイメージングシステムは、トランスデューサが一回転する間に生じる一連のパルス/取得サイクルから、血管断面の二次元表示を構築する。適切な回転IVUSカテーテルは、例えば、REVOLUTION 45MHzカテーテル(Volcano Corporationによって提供される)を含む。
【0090】
[00123] 対照的に、ソリッドステートIVUSデバイスは、トランスデューサコントローラのセットに接続されているデバイスの周囲にわたって分散された超音波トランスデューサのアレイを含むトランスデューサ複合体を担持する。トランスデューサコントローラは、超音波パルスを送信するための、及び、エコー信号を受信するためのトランスデューサセットを選択する。一連の送信-受信セットをステップスルーすることによって、ソリッドステートIVUSシステムは、可動部品なしで、機械的に走査されたトランスデューサ素子の効果を統合できる。同じトランスデューサ素子を、異なるタイプの血管内データを取得するために使用できる。異なるタイプの血管内データは、トランスデューサ素子の異なる動作様式に基づいて取得される。ソリッドステートスキャナは、単純な電気ケーブル及び標準的な着脱可能電気コネクタを用いてイメージングシステムに直接的に有線接続できる。
【0091】
[00124] トランスデューササブアセンブリは、単一のトランスデューサ又はアレイのいずれかを含む。トランスデューサ素子は、フローデータ、モーションデータ及び構造画像データなど、異なるタイプの血管内データを取得するために使用できる。例えば、異なるタイプの血管内データは、トランスデューサ素子の異なる動作様式に基づいて取得される。例えば、グレースケールイメージングモードにおいて、トランスデューサ素子は、特定のシーケンスにおいて、1つのグレースケールIVUS画像を送信する。IVUS画像を構築するための方法は、当該技術分野においてよく知られており、例えば、Hancockら(米国特許第8,187,191号)、Nairら(米国特許第7,074,188号)、及びVinceら(米国特許第6,200,268号)に記載されており、それら文献の各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。フローイメージングモードにおいて、トランスデューサ素子は、モーション又はフローに関する情報を収集するために異なる様式で動作される。このプロセスは、フローデータの1つの画像(又はフレーム)が取得されることを可能にする。本開示と一致する種々のモード(例えば、グレースケールイメージングモード、フローイメージングモードなど)におけるトランスデューサ素子の動作を含む、種々のタイプの血管内データを取得するための特定の方法及びプロセスは、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/037,683号にさらに記載されている。
【0092】
[00125] 各フローデータフレームの取得は、IVUSグレースケールデータフレームとインターレースされる。フローデータを取得するためにIVUSカテーテルを動作させること、及び、そのデータの画像を構築することは、その各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、O’Donnellら(米国特許第5,921,931号)、米国仮特許出願第61/587,834号、及び米国仮特許出願第61/646,080号にさらに記載されている。フローモードにおいてIVUSカテーテルを動作させ、フローデータを表示するための市販の流体フロー表示ソフトウェアは、ChromaFlo(登録商標)(Volcano Corporationによって提供されるIVUS流体フロー表示ソフトウェア)である。適切なフェーズドアレイイメージングアセンブリが、Volcano CorporationのEAGLE EYE Platinum Catheter、EAGLE EYE Platinum Short-Tip Catheter、及びEAGLE EYE Gold Catheterに見出される。本開示のカテーテル及びイメージング装置は、VH(登録商標)IVUS(Volcano Corporation、カリフォルニア州サンディエゴ)などの自動体腔測定ソフトウェア、血液、疫病のための画像強調ソフトウェア、及びSyncVision(商標)(Volcano Corporation、カリフォルニア州サンディエゴ)などのIVUSからの単一のビューと血管造影画像とを相関付けるためのソフトウェアと互換性がある。
【0093】
[00126] IVUSに加えて、他の腔内イメージング技術が、状態を診断し、適切な処置を決定するために血管アクセス部位を評価及び特性化するための本開示の方法における使用に適する。例えば、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)カテーテルが、本開示に従って腔内画像を得るために使用される。OCTは、小型近赤外線発光プローブを使用した医療イメージング方法論である。光信号取得及び処理方法として、OCTは、光散乱媒質(例えば、生物組織)内からマイクロメートル解像度の三次元画像をキャプチャする。近年、OCTはまた、冠状動脈疾患を診断するのを助けるために介入心臓学においても使用され始めた。OCTは、例えば、血管を内部から見るために干渉技術を適用することを可能にし、生体内の血管の内皮(内壁)を視覚化する。
【0094】
[00127] OCTシステム及び方法は、概して、その各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Castellaらの米国特許第8,108,030号、Milnerらの米国特許出願公開第2011/0152771号、Conditらの米国特許出願公開第2010/0220334号、Castellaらの米国特許出願公開第2009/0043191号、Milnerらの米国特許出願公開第2008/0291463号、及びKemp,N.の米国特許出願公開第2008/0180683号に記載されている。
【0095】
[00128] OCTにおいて、光源が、対象組織をイメージングするためにイメージングデバイスに光ビームを送達する。光源は、パルス光源若しくはレーザ、連続波光源若しくはレーザ、波長可変レーザ、広帯域光源、又は複数の波長可変レーザを含むことができる。光源内には、光増幅器、及び、ユーザが増幅する光波長を選択することを可能にするチューナブルフィルタがある。医療用途に通例使用される波長は、例えば、約800nm~約1700nmの間の近赤外光を含む。
【0096】
[00129] 本開示の態様は、時間ドメイン又は周波数(高解像度)ドメインのいずれかにおいて動作するOCTシステムを含む、OCTシステムからイメージングデータを得る。時間ドメインOCTと周波数ドメインOCTとの間の基本的な差は、時間ドメインOCTにおいては、走査機構が、画像取得中に時間の関数として走査される可動ミラーであることである。一方、周波数ドメインOCTにおいては、可動部品はなく、画像は、周波数又は波長の関数として走査される。
【0097】
[00130] 時間ドメインOCTシステムにおいては、参照経路を変化させ、サンプル中の反射に起因する複数の光路を照合するために、参照ミラーなどの走査機構を長手方向に動かすことによって、干渉スペクトルが得られる。反射性を与える信号が、経時的にサンプリングされ、特定の距離を進行する光が、検出器において干渉を生成する。走査機構をサンプルにわたって横方向に(又は回転的に)動かすことによって、二次元画像及び三次元画像が生成される。
【0098】
[00131] 周波数ドメインOCTにおいては、一定範囲の光周波数を放出することが可能な光源が、干渉計を励起し、干渉計は、サンプルから返される光を、同じ光源からの参照光ビームと合成し、合成光の強度が、光周波数の関数として記録されて、干渉スペクトルが形成される。干渉スペクトルをフーリエ変換することによって、サンプル中の深さに沿った反射率分布が提供される。
【0099】
[00132] 周波数ドメインOCTのいくつかの方法が、文献に記載されている。「スペクトルレーダ(Spectral Radar)」(Optics letters、Vol.21、No.14(1996)1087-1089)と呼ばれることもあるスペクトルドメインOCT(SD-OCT)においては、干渉計の出力をその光周波数構成要素に分光するために、格子若しくはプリズム又は他の手段が使用される。これらの分離された構成要素の強度が、光検出器のアレイを使用して測定され、各検出器が、光周波数、又は、複数の光周波数の部分範囲を受信する。これらの光検出器からの測定値のセットが、干渉スペクトルを形成し(Smith,L.M.及びC.C.Dobson、Applied Optics 28:3339-3342)、散乱体までの距離が、パワースペクトル内の波長に依存する縞間隔によって決定される。SD-OCTは、光検出器のアレイの暴露を分析することによって、照射軸に沿って存在する複数の散乱体の距離及び散乱強度を決定することを可能にしており、結果、深さ方向における走査は必要ない。典型的には、光源は、広範囲の光周波数を同時に放出する。
【0100】
[00133] 代替的に、掃引光源OCTにおいて、干渉スペクトルは、調整可能な光周波数を有する光源を使用することであって、光源の光周波数は、一定範囲の光周波数を通じて掃引される、使用すること、及び、掃引中に干渉した光の強度を時間の関数として記録することによって、記録される。掃引光源OCTの一例が、米国特許第5,321,501号に記載されている。
【0101】
[00134] 概して、時間ドメインシステム及び周波数ドメインシステムにはさらに、共通ビーム経路システム及び差動ビーム経路システムなど、システムの光学レイアウトに基づいて様々なタイプがあり得る。共通ビーム経路システムは、参照信号及びサンプル信号を発生させるために生成されたすべての光を単一の光ファイバを通じて送信し、一方、差動ビーム経路システムは、光の一部分がサンプルに向けられ、他方の部分が参照面に向けられるように、生成された光を分割する。共通ビーム経路システムは、米国特許第7,999,938号、米国特許第7,995,210号、及び米国特許第7,787,127号に記載されており、差動ビーム経路システムは、米国特許第7,783,337号、米国特許第6,134,003号、及び米国特許第6,421,164号に記載されており、それらの文献の各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
[00135] 特定の実施形態において、血管造影画像データが、本開示のイメージング装置及び/又はイメージングガイドワイヤから得られるイメージングデータと同時に得られる。そのような実施形態において、カテーテル及び/又はガイドワイヤは、画像データを、血管造影によって発生される血管構造マップ上の特定の位置と同一場所に配置することを可能にする1つ又は複数の放射線不透過性ラベルを含む。腔内画像データ及び血管造影画像データを同一場所に配置することは、当該技術分野において知られており、米国特許出願公開第2012/0230565号、米国特許出願公開第2011/0319752号、及び米国特許出願公開第2013/0030295号に記載されている。
【0103】
[00136] 特定の実施形態において、イメージング装置は、光-音響イメージング装置である。光-音響イメージング装置は、イメージング信号を送信及び受信するための少なくとも1つのイメージング素子を含む。1つの実施形態において、イメージング装置は、少なくとも1つの音響-光トランスデューサを含む。特定の実施形態において、音響-光トランスデューサは、光ファイバ内のファイバブラッググレーティングである。加えて、イメージングアセンブリは、1つ又は複数のファイバブラッググレーティング(音響-光トランスデューサ)及び1つ又は複数の他のトランスデューサを有する光ファイバを含む。少なくとも1つの他のトランスデューサは、イメージングのための音響エネルギーを発生させるために使用される。音響発生トランスデューサは、電気-音響トランスデューサ又は光-音響トランスデューサであってもよい。本開示のデバイスに使用するのに適したイメージングアセンブリは、下記により詳細に説明されている。
【0104】
[00137] イメージングのためのファイバブラッググレーティングは、光ビームがとる2つの経路の間の干渉を測定するための手段を提供する。部分反射ファイバブラッググレーティングが、入射光ビームを2つの部分に分割するために使用され、ビームの一方の部分は、一定に維持される経路(一定経路)に沿って進行し、もう一方の部分は、変化を検出するための経路(変化経路)を進行する。経路はその後、ビーム内の任意の干渉を検出するために合成される。経路が同一である場合、2つの経路は、元のビームを形成するために合成される。経路が異なる場合、2つの経路は互いに加算又は減算して、干渉を形成する。したがって、ファイバブラッググレーティング素子は、受信される超音波又は音響エネルギーに基づいて、一定経路と変化経路との間の変化波長を検知することが可能である。検出された光信号干渉は、任意の従来の手段を使用して画像を発生させるために使用できる。
【0105】
[00138] 特定の実施形態において、イメージング装置は、音響又は超音波エネルギーを発生するための圧電素子を含む。そのような態様において、イメージング装置の光ファイバは、圧電素子によってコーティングされる。圧電素子は、任意の適切な圧電又は圧電セラミック材料を含む。1つの実施形態において、圧電素子は、分極ポリフッ化ビニリデン又はポリフッ化ビニリデン材料である。圧電素子は、電気パルスを電極に送信する発電器に接続されている1つ又は複数の電極に接続される。電気パルスは、圧電素子内の機械的振動を引き起こし、これによって、音響信号が発生される。したがって、圧電素子は電気-音響トランスデューサである。一次パルス及び反射パルス(すなわち、イメージング媒質から反射される)は、ブラッググレーティング素子によって受信され、イメージングを発生させるための電子機器に送信される。
【0106】
[00139] いくつかの実施形態において、イメージング装置は、ファイバブラッググレーティング及び圧電素子を有する光ファイバを含む。この実施形態において、発電器が、ファイバブラッググレーティングと、デバイスが配置されている外側媒体の両方に超音波インパルスを送信するために、圧電素子(電気-音響トランスデューサ)を刺激する。例えば、外側媒体は、血管をイメージングするときは血液を含む。一次及び反射インパルスが、ファイバブラッググレーティング(音響-光トランスデューサとして作用する)によって受信される。機械的インパルスが、ブラッググレーティングを変形させ、ファイバブラッググレーティングに、光ファイバ内で反射される光を変調させ、これによって、干渉信号が発生される。干渉信号は、従来の方法を使用して電子検出機器によって記録される。電子機器は、光検出器及びオシロスコープを含む。これらの記録信号から、画像を発生させることができる。電子機器は機械的変形に起因して光ファイバから後方に反射される光を変調する。本明細書に記載されているブラッググレーティングを有する光ファイバ、本明細書に記載されているイメージング装置、及び他の様々な実施形態は、米国特許第6,659,957号及び米国特許第7,527,594号並びに米国特許出願公開第2008/0119739号に記載されている。
【0107】
[00140] 別の態様において、イメージング装置は、音響/超音波信号を発生させるために電気-音響トランスデューサを必要としない。代わりに、イメージング装置は、光ファイバの1つ又は複数のファイバブラッググレーティング素子を、光-音響トランスデューサ材料と組み合わせて利用して、光エネルギーから音響エネルギーを発生させる。この態様において、音響-光トランスデューサ(信号レシーバ)はまた、光-音響トランスデューサ(信号発生器)としても作用する。
【0108】
[00141] 音響エネルギーを発生させるために、イメージング装置は、ブレーズドファイバブラッググレーティングと非ブレーズドファイバブラッググレーティングとの組合せを含む。非ブレーズドブラッググレーティングは、典型的には、光ファイバのファイバコアの長手方向軸に実質的に垂直である印加屈折率変化を含む。非ブレーズドブラッググレーティングは、光ファイバの長手方向に沿って特定の波長の光エネルギーを反射する。ブレーズドブラッググレーティングは、典型的には、光ファイバの長手方向軸に非垂直な角度にある傾斜印加屈折率変化を含む。ブレーズドブラッググレーティングは、光ファイバの長手方向軸から外方に向かって光エネルギーを反射する。
【0109】
[00142] オペレータが管腔表面をイメージングすることを可能にするために、1つ又は複数のイメージングアセンブリがイメージングガイドワイヤ又はカテーテルに組み込まれる。イメージングガイドワイヤ又はカテーテルの1つ又は複数のイメージングアセンブリは、概してイメージング装置として参照される。いくつかの実施形態において、解剖学的構造の1つの2Dスライスを提示する代わりに、システムは、患者の解剖学的構造又は他のイメージング関心領域の所望のボリュームを見ることを可能にする3D視覚画像を提供するように動作される。これによって、医師が、他の解剖学的構造に対する、病変などの構造の詳細な空間配置を迅速に確認することが可能になる。
【0110】
[00143] いくつかの態様において、トランスデューサは、静電容量型マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)を含んでもよい。マイクロマシニング技術を使用するCMUTは、デバイス寸法を小型化することを可能にし、圧電トランスデューサと同等に機能する静電容量型トランスデューサをもたらす。CMUTは、本質的には、1つの可動電極を有するキャパシタである。交流電圧がデバイスに印加されると、可動電極が振動し始め、したがって、超音波が発生させられる。CMUTがレシーバとして使用される場合、超音波に由来するものなどの圧力の変化が、可動電極を偏向させ、したがって、測定可能な静電容量の変化を生成する。CMUTアレイは、フォトリソグラフィ技法及び標準的な微細加工プロセスを使用して、非常に小さい寸法を有する任意の幾何学的形状に作製することができる。
【0111】
[00144] いくつかの態様において、トランスデューサは、圧電薄膜と結合された薄膜の屈曲モーションに基づく、圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)を含む。pMUTは、優れた帯域幅を呈し、相当の設計柔軟性を提供し、動作周波数及び音響インピーダンスが多数の用途に向けて調節されることを可能にすることに留意されたい。
【0112】
[00145] 方法
[00146] 本開示のカテーテルは、様々な健常な及び病変のある体腔、特に血管構造の管腔にアクセスするために使用される。得られるリアルタイム画像は、体腔内の関心領域又はロケーションを位置特定し、様々な処置の送達を案内し、その後遺症を観察するために使用される。関心領域は、欠陥又は処置を必要とする組織を含む典型的な領域である。しかしながら、デバイス及び方法はまた、体腔の狭窄、並びに、尿管、胆管、気道、膵管、リンパ管などのような他の体腔内の過形成性及び腫瘍性の状態を処置するのにも適している。加えて、関心領域は、例えば、ステントを配置するためのロケーション、或いは、プラーク又は除去若しくは処置を必要とする病変組織を含むロケーションを含み得る。いくつかの事例において、関心領域は、腎動脈を含み、この場合、内部の求心性及び遠心性神経に腎臓脱神経治療が適用される。
【0113】
[00147] 本開示のカテーテルは、様々な血管の問題を処置するために様々な処置方法と組み合わせて使用される。特定の態様において、カテーテルは、腔内手技を実施するための送達カテーテル、アブレーションカテーテル、抽出カテーテル又は活性化カテーテルとしての役割を果たす。カテーテルは、腔内手技を実施するための脱神経アセンブリを含む。OTWガイドワイヤルーメンは、ユーティリティルーメンとして作用し、一方、追加のRXルーメンが、送達ルーメンとして作用し、又は逆になる。いくつかの実施形態において、方法は、慢性完全閉塞を処置するステップを含む。機能的測定センサを含むカテーテルにおいて、センサは、イメージング装置と組み合わせて又はイメージング装置から独立して、例えば圧力の変化を検知することにより慢性完全閉塞における本体の遠位部分の位置を検証するために使用される。第1のガイドワイヤは、慢性完全閉塞を横切る間に支持のために使用され、イメージング装置からの第1の出口ポート及び第2の出口ポートに対してローカルなイメージングが手技を通知している間に、第2のガイドワイヤルーメンを通じて慢性完全閉塞に治療が送達される。
【0114】
[00148] 手技中、イメージング装置は、管腔表面の断面をイメージングし、1つ又は複数の出口ポートの位置を視覚化するために使用される。加えて、カテーテルはまた、管腔空間及び/又はカテーテルの正面若しくはカテーテルの遠位の任意の手技をイメージングするための、前方又は遠位に面するイメージングアセンブリを含む。例えば、イメージング装置は、処置を正確に標的化して送達するために求心性及び遠心性神経を含むことが疑われる関心領域を位置特定し、選択するために、管腔表面を軸方向にイメージングできる。これによって、オペレータが、血管壁のリアルタイム画像を、カテーテルの脱神経アセンブリが血管壁のその部分と係合している間に得ることを可能にすることによって、手技中の視覚化が大幅に改善する。処置手技の後、カテーテルのイメージング装置を使用して、カテーテルが患者から取り除かれる前の管腔表面の最後の視覚化を実施できる。
【0115】
[00149] 本開示のデバイスは、カテーテル本体に対して動かない静止イメージングアセンブリ、又は、可動イメージングアセンブリを含む。例えば、イメージング装置は、IVUSイメージングのための超音波トランスデューサのフェーズドアレイ、又は、CCDアレイの集合である。アセンブリのアレイは、典型的には、管腔の360°ビューを提供するために、カテーテルの周囲をカバーする。
【0116】
[00150] 本開示のカテーテルは、血管内処置を送達するために使用される。特定の実施形態において、1つのガイドワイヤルーメンが安定性のために又は支持を提供するために使用され、この一方では、別のガイドワイヤが他方のガイドワイヤルーメンを通じて除去されているか、又は、前進されている。例えば、カテーテルは、第1のガイドワイヤルーメン内の第1のガイドワイヤに沿って、カテーテルの遠位部分上のイメージング装置を介して観察可能な、血管構造内の分岐に達する。分岐を観察し、所望のルートを決定した後、ユーザは、分岐の所望の分枝へのアクセスを保証するために、第1のガイドワイヤよりも剛性の低い成型ガイドワイヤを選択する。成形ガイドワイヤは、第1のガイドワイヤがカテーテルの支持を維持している間に第2のガイドワイヤルーメンを通じて、第2の出口ポートを出て所望の分枝内へと前進され、その時点において、第1のガイドワイヤはわずかに引き込まれ、カテーテルが第2の成形ガイドワイヤの形状に従うことが可能になり、カテーテルは所望の分枝内へと前進する。
【0117】
[00151] 本明細書に開示されていない、カテーテル及びそれを使用するシステムの他の実施形態は当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲によってカバーされることが意図されている。
【0118】
[00152] 参照による組み込み
[00153] 特許、特許出願、特許出願公開、定期刊行物、書籍、論文、ウェブコンテンツなどの他の文献に対する参照及び引用が、本開示全体を通じて行われている。そのようなすべての文献は、本明細書において、すべての目的のためのその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
[00154] 均等物
[00155] 本明細書において記載されているものに加えて、本開示及びその多くのさらなる実施形態の様々な修正が、本明細書において引用されている科学文献及び特許文献の参照を含む、本明細書の全内容から当業者には明らかであろう。本明細書における主題は、その様々な実施形態及びその均等物において本開示を実践するように適合することができる重要な情報、例示及び助言を含む。
【0120】
[00156] 上述したように、本開示は、血管内組織構造をイメージング及び処置することを含む。
図18及び
図21を参照すると、本明細書において論じられている1つ又は複数のデバイス(又はその変形形態)を使用して患者の軟組織構造をイメージング及び処置するための、データ取得システム、患者モニタリングシステム、及び/又は治療・制御システム400が示されている。データ取得システムは、データを取得し、患者モニタリングシステムは、データを取得し、データ及び/若しくは追加の情報をユーザに提供し、並びに/又は、治療・制御システムは、上記のすべてを実施する。患者モニタリングシステム400は、本明細書において上述されているカテーテル101と同様であり、脈管構造(例えば血管など)からRF後方散乱データを取得するために使用されるカテーテル101’に電気的に接続されているモニタリングシステム404を含む。カテーテル101’が挿入されている脈管構造からRF後方散乱データを取得する能力を有するカテーテル101に代えて又はそれに加えて、カテーテル101’は、その領域又は隣接する血管構造内の軟組織からRF後方散乱データを取得する能力を有する。本開示はまたトランスデューサ416を有する超音波デバイス412などの、外部から適用されるイメージングデバイスを使用することも企図する。外部から適用される超音波デバイス412は、カテーテル101’に代えて又はそれとともに使用することができ、標的関心軟組織を位置特定し、識別するために使用することができる。すなわち、
図21を参照すると、外部から適用される超音波デバイス412及び/又はカテーテル101’の両方を使用して、標的関心軟組織を位置特定し、識別することができ、外部から適用される超音波デバイス412は、患者424の外部から標的軟組織を識別し、カテーテル101’が患者の血管構造に挿入されると、カテーテル101’は、標的軟組織を識別する。外部から適用される超音波デバイス412とカテーテル101’の両方が使用される場合、これは標的軟組織のロケーションを識別し、針301’の送達を支援する正確さを増大させるのに有益であるが、超音波デバイス412及びカテーテル101’は順次又は同時に使用できる。
【0121】
[00157] データ取得システム、患者モニタリングシステム、及び/又は治療・制御システム400は、超音波デバイス412及びカテーテル101’とともに、標的組織を位置特定し、そのサイズ、密度及び場合によってはタイプを決定する能力を有する。モニタリングシステム404とともにトランスデューサ107’、416のうちのいずれか一方又は両方を使用して標的組織の位置、サイズ、密度及び/又はタイプが識別されると、針301’は患者の血管構造に正確に挿入される。針301’は、血管構造に直接的に、又は、トランスデューサ107’を含むカテーテル101’若しくはトランスデューサを有しない別のタイプのカテーテルを通じて挿入される。患者の血管構造の所望のロケーション内に針301’が配置された後、針301’はカテーテル101’を越えて延伸され、脈管構造420を穿刺してこれを通り過ぎ、患者424の軟組織に入る。トランスデューサ107’、416のうちの1つ又は複数の正確さに起因して、軟組織内の対象物の位置、サイズ、密度及び/又はタイプが、モニタリングシステム404によって、ディスプレイ408を介して臨床医に提供される。モニタリングシステム404及び/又は臨床医は、この情報を使用して、針のポートを標的軟組織に正確に挿入し、針301’を通じて厳密に必要な量の治療薬を標的軟組織に送達できる。
【0122】
[00158] ディスプレイ408は、モニタリングシステム404上で動作するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)(図示せず)を使用して、標的組織の位置、サイズ及び密度とともに、標的組織の画像を表示する。本明細書に示されているモニタリングシステム404又はコンピューティングデバイス(例えば404など)は、限定ではないが、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、PDA、並びに、医療デバイス(例えば、超音波デバイス、サーモグラフィデバイス、光学デバイス、MRIデバイスなど)及び非医療デバイスを含むすべての他のコンピューティングデバイスを含むことを諒解されたい。それに関連して、モニタリングシステム404は、画像を表示する受動的モニタリングシステムであり、又は、データを解釈し、針301’、デバイス412及びカテーテル101’を動作させるための臨床医の提案を提供し、又は、さらには臨床医が針301’、デバイス412及びカテーテル101’を部分的に又は自動的に制御するのを支援する、能動的な対話型若しくはスマートモニタリングシステム又はコンピューティングデバイスである。
【0123】
[00159] 開示されている主題の様々な実施形態によれば、モニタリングシステム404、カテーテル101’、超音波デバイス412、及び針カテーテル301’を含む、
図18に示す任意の数の構成要素が、1つ又は複数のコンピューティングデバイス上に実装される。
【0124】
[00160]
図19を参照すると、本開示の様々な実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス600を示すブロック図が示されている。コンピューティングデバイス600は、開示されている主題の実施形態の態様を実施するのに適した任意のタイプのコンピューティングデバイスを含む。コンピューティングデバイスの例は、「ワークステーション」、「サーバ」、「ラップトップ」、「デスクトップ」、「タブレットコンピュータ」、「ハンドヘルドデバイス」「汎用グラフィックスプロセッシングユニット(GPGPU)」などのような、特殊化したコンピューティングデバイス600又は汎用コンピューティングデバイスを含み、それらすべてが本開示の範囲内で企図されている。
【0125】
[00161] 実施形態において、コンピューティングデバイス600は、以下のデバイス、すなわち、プロセッサ620、メモリ630、入出力(I/O)ポート640、I/O構成要素650、及び電力供給源660を直接的及び/又は間接的に結合するバス610を含む。任意の数の追加の構成要素、異なる構成要素、及び/又は、構成要素の組合せも、コンピューティングデバイス600に含まれる。I/O構成要素650は、例えば、ディスプレイデバイス、スピーカ、印刷デバイスなどのような、ユーザに情報を提示するように構成されている提示構成要素、及び/又は、例えば、マイクロフォン、ジョイスティック、サテライトディッシュ、スキャナ、プリンタ、ワイヤレスデバイス、キーボード、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイス、タッチスクリーンデバイス、対話型ディスプレイデバイス、マウスなどのような、入力構成要素を含む。
【0126】
[00162] バス610は、1つ又は複数のバス(例えば、アドレスバス、データバス、又はそれらの組合せなど)であるものを表す。同様に、実施形態において、コンピューティングデバイス600は、複数のプロセッサ620、複数のメモリ構成要素630、複数のI/Oポート640、複数のI/O構成要素650、及び/又は複数の電力供給源660を含む。付加的に、任意の数のこれらの構成要素,又はそれらの組合せが、複数のコンピューティングデバイスにわたって分散し及び/又は重複する。
【0127】
[00163] 実施形態において、メモリ630は、揮発性及び/又は不揮発性メモリの形態のコンピュータ可読媒体を含み、取り外し可能、非取り外し可能、又はそれらの組合せである。コンピュータ可読媒体は、命令を実行のためにプロセッサに提供するのに関与する記憶媒体及び/又は伝送媒体である。媒体は、通例有形で非過渡的であり、限定ではないが、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含む多くの形態をとることができる。不揮発性媒体は、例えば、NVRAM、又は磁気若しくは光ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリのようなダイナミックメモリを含む。一般的な形態のコンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク(限定ではないが、ベルヌーイカートリッジ、ZIPドライブ、及びJAZドライブを含む)、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ若しくはカセット、又は任意の他の磁気媒体、磁気光媒体、デジタルビデオディスク(CD-ROMなど)、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、メモリカードなどのソリッドステート媒体、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、以降に記載されるような搬送波、又は、コンピュータがそこから読み出すことができる任意の他の媒体を含む。電子メールに対するデジタルファイル添付又は他の内蔵型の情報アーカイブ若しくはアーカイブのセットは、有形記憶媒体と同等の配布媒体とみなされる。コンピュータ可読媒体がデータベースとして構成されるとき、データベースは、関係型、階層型、オブジェクト指向型などの任意のタイプであることを理解されたい。したがって、本開示は、有形記憶媒体又は配布媒体並びに従来技術において認識されている均等物及び後続の媒体を含むと考えられ、その中に本開示のソフトウェア実施態様が記憶される。コンピュータ可読記憶媒体は、通例、過渡的記憶媒体、特に、電気信号、磁気信号、電磁信号、光信号、磁気光信号を除外する。実施形態において、メモリ630は、プロセッサ620に、本明細書において論じられているシステム構成要素の実施形態の態様を実施させ、及び/又は、本明細書において論じられている方法及び手技の実施形態の態様を実施させるためのコンピュータ実行可能命令670を記憶する。
【0128】
[00164] コンピュータ実行可能命令670は、例えば、例としてコンピューティングデバイス600と関連付けられる1つ又は複数のプロセッサ620によって実行されることが可能なプログラムコンポーネントなどの、コンピュータコード、機械使用可能命令などを含む。プログラムコンポーネントは、様々な言語、開発キット、フレームワークなどを含む、任意の数の異なるプログラミング環境を使用してプログラムされる。本明細書において企図されている機能性の一部又はすべては、付加的に又は代替的に、ハードウェア及び/又はファームウェアにおいて実施される。
【0129】
[00165]
図19に示す例示的なコンピューティングデバイス600は、本開示の実施形態の使用又は機能性の範囲に関するいかなる限定を示唆するように意図されるものではない。例示的なコンピューティングデバイス600は、その中に示されている任意の単一の構成要素又は構成要素の組合せに関していかなる依存性も要件も有するものとして解釈されるべきではない。付加的に、
図19に示す様々な構成要素は、実施形態において、そこに示される様々な個々の他の構成要素(及び/又は示されていない構成要素)と統合され、それらすべてが、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0130】
[00166]
図20を参照すると、本開示の実施形態による、例示的なモニタリングシステム404、並びに、カテーテル101’、超音波デバイス412、針カテーテル301’及び/又は上記のいずれかの組合せであってもよい医療デバイスを有するシステム400を示すブロック図が示されている。医療デバイス(例えば、101、301、412)は、コントローラ705、記憶デバイス710、検知構成要素715(例えば、トランスデューサ)、通信構成要素720、電源725、及びトリガ構成要素730を含む。コントローラ705は、例えば、処理ユニット、パルス発生器などを含む。コントローラ705は、イメージング、標的組織のタイプを決定するための分類アルゴリズム、標的組織のロケーション(他の組織又は生理学的構造からの距離を含む)を決定するためのアルゴリズム、標的組織サイズのサイズを決定するためのアルゴリズム、及び、標的組織の密度を決定し、検知構成要素715によって得られる生理学的データを記憶するためのアルゴリズム、医療デバイスを動かし、その動きを制御するためのアルゴリズムなどを実施するように、医療デバイス(例えば、101’、412、301’)の他の機能構成要素の動作を指示するためのプログラミング命令を記憶及び/又は実行するように構成されている電子回路、電子構成要素、プロセッサ、プログラムコンポーネントなどの任意の構成であり、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せの形態で実施される。
【0131】
[00167] 実施形態において、コントローラ705は、プログラム可能マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサであり、1つ又は複数のプラグラム可能論理デバイス(PLD)又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。いくつかの実施態様において、コントローラ705はまた、メモリを含む。本システム400の実施形態は、マイクロプロセッサベースのアーキテクチャを有する医療デバイス400とともに説明されているが、医療デバイス(又は他のデバイス)は、所望に応じて、任意の論理ベースの集積回路アーキテクチャにおいて実施されることが理解されよう。コントローラ705は、デジタル-アナログ(D/A)変換器、アナログ-デジタル(A/D)変換器、タイマ、カウンタ、フィルタ、スイッチなどを含む。コントローラ705は、命令を実行し、命令によって指定される所望のタスクを実施する。
【0132】
[00168] コントローラ705はまた、記憶デバイス710に情報を記憶し、及び/又は、記憶デバイス710からの情報にアクセスするように構成される。記憶デバイス710は、
図19に示す記憶デバイス630と同様であるか、記憶デバイス630を含み、又はその中に含まれる。すなわち、例えば、記憶デバイス710は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み、コントローラ705によって実行されると、方法及びプロセスが医療デバイスによって実施されるようにする命令を記憶する。実施形態において、コントローラ705は、記憶デバイス710に記憶されている命令及び/又はデータを処理して、医療デバイスによる電気刺激治療の送達を制御し、医療デバイスによって実施される検知動作を制御し、医療デバイスによって実施される通信を制御する等する。
【0133】
[00169] 医療デバイスは、例えば、1つ又は複数のトランスデューサ107’、416及び/若しくは1つ又は複数のセンサ(図示せず)、又はこれらの組合せを含む検知構成要素715(又は複数の検知構成要素)を使用して、イメージング信号を検知する。記憶デバイス710は、いくつかの実施態様に従って、検知された情報を記憶するために使用される。検知構成要素715に含まれる検知回路からの情報は、治療、検知、及び/又は通信パラメータを調整するために使用される。
【0134】
[00170] 通信構成要素720は、例えば、回路、プログラムコンポーネント、並びに、例えばモニタリングシステム404などの1つ又は複数の他のデバイスとワイヤレス通信するための1つ又は複数のトランスミッタ及び/又はレシーバを含む。様々な実施形態によれば、通信構成要素720は、1つ又は複数のトランスミッタ、レシーバ、トランシーバ、トランスデューサなどを含み、例えば、無線周波数(RF)通信、マイクロ波通信、赤外線通信、音響通信、誘導通信、伝導通信などのような任意の数の異なるタイプのワイヤレス通信を容易にするように構成される。通信構成要素720は、任意の数の通信リンクを確立、維持、及び使用することを容易にするように構成されているハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せを含む。実施形態において、医療デバイスの通信構成要素720は、モニタリングシステム404とのワイヤレス通信を容易にする。実施形態において、通信構成要素720はまた、例えば、医療デバイス間の整合された動作を容易にするなど、他の医療デバイスとの通信を容易にする。
【0135】
[00171] 電源725は、他の動作構成要素(例えば、コントローラ705、検知構成要素715、記憶デバイス710、及び通信構成要素720)に電力を提供し、医療デバイスの所望の性能及び/又は寿命要件を提供するのに適した任意のタイプの電源である。様々な実施形態において、電源725は、(例えば、外部エネルギー源を使用して)再充電可能である1つ又は複数の電池を含む。電源725は、1つ又は複数のキャパシタ、エネルギー変換機構などを含む。上記医療デバイスなどの医療デバイスのための電源はよく知られており、したがって、本明細書においてはより詳細には論じられない。
【0136】
[00172] 引き続き
図20を参照すると、医療デバイスは、トリガ構成要素730を含む。実施形態において、トリガ構成要素730は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せにおいて実施され、少なくとも部分的に、医療デバイスのコントローラ705によって実施される。トリガ構成要素730は、トリガイベントを検出するように構成されている。実施形態によれば、トリガ構成要素730は、トリガイベントを検出するために任意の数の異なる裁決アルゴリズムを実施するように構成される。トリガ構成要素730は、任意の数の他の構成要素、デバイスなどから受信される情報に基づいてトリガイベントを検出する。例えば、トリガ構成要素730は、検知構成要素730からイメージング信号を得、その生理学的パラメータ信号を使用して、トリガイベントを検出する。トリガイベントは、ユーザ定義である、システム定義である、静的に定義される、動的に定義される、などである。トリガ構成要素730は、メモリ(例えば、記憶デバイス710)に記憶されているトリガ基準を参照して、トリガイベントが生じたか否かを判定する。トリガ基準は、臨床医、患者、アルゴリズムなどによって確立される。
【0137】
[00173] 例えば、カテーテル101’、超音波デバイス412、及び/又は針カテーテル301’は、トリガ構成要素730に通信可能に結合される。カテーテル101’及び/又は超音波デバイス412に結合されているトリガ構成要素730は、それらの医療デバイスのそれぞれのトランスデューサ107’、416を始動する。針カテーテル301’は、トリガ414(
図18に示す)として示されているトリガ構成要素730を含む。この図においては、針のトリガ414が針カテーテル301’上に又は針カテーテル301’に結合されて示されているが、カテーテル101’が針301’を含み又は針301’に結合されている場合、トリガ414はカテーテル101’上にある。針のトリガ414は、臨床医によって始動され、又は、針のトリガ414は、トリガ構成要素730が、第1のトリガイベントが生じたか否かを判定するための第1のトリガ基準セット、第2のトリガイベントが生じたか否かを判定するための第2のトリガ基準セットなどを参照するときに実施される。第1のトリガイベントは、例えば、針カテーテル301’及び/又はカテーテル101’が血管構造内の特定のロケーション内及び/又は前記標的組織からの特定の距離以内にあるものとして検出されるときである。第1のトリガイベントが始動されると、針は、血管構造を通じて患者の軟組織内へと延伸する。第2のトリガイベントは、例えば、
図27に示すように、針が患者の標的軟組織内にあるものとして検出されるときである。第2のトリガイベントが始動されると、針は、治療薬の標的軟組織への注入及び送達を開始する。治療薬は、針カテーテル301’に含められ、又は、
図18に示すようにアダプタ418(例えば、ルアーアダプタ)を介して針カテーテル301’に付着される。第3のトリガイベントが、一定の量又は用量の1つ又は複数の治療薬を標的軟組織に注入したことを含む。第3のトリガイベントが始動されると、針は、治療薬の標的軟組織への注入及び送達を中断し、針は、標的軟組織、すなわち患者の軟組織から、血管構造を通じて針カテーテル301’内へと引き込まれる。第4のトリガイベントが、針の針カテーテル301’内への引き戻しの完了を含む。第4のトリガイベントが始動されると、針カテーテル301’及び/又はカテーテル101’が、血管構造から引き抜かれる。
【0138】
[00174] 再び
図20を参照すると、モニタリングシステム404は、分析構成要素735、記憶デバイス740、及び通信構成要素745を含む。実施形態において、分析構成要素735は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せにおいて実施され、少なくとも部分的に、医療デバイスのコントローラ705と同一又は類似のものであるコントローラ(図示せず)によって実施される。付加的に、記憶デバイス740及び通信構成要素745はそれぞれ、医療デバイスの記憶デバイス710及び通信構成要素720と同一又は類似のものである。モニタリングシステム404は、例えば、検知構成要素、治療構成要素などを含む、任意の数の他の構成要素又は構成要素の組合せを含む。分析構成要素735は、医療デバイスからモニタリングシステム404に通信されている情報が受信されると、トリガ構成要素730よりも正確な(それゆえ、計算コストがより高い可能性がある)分析を実施又は適用する。
【0139】
[00175]
図18、
図21及び
図22並びに
図23を参照すると、トランスデューサ107’は、カテーテル101’の端部又は遠位部分に付着され、患者424の脈管構造420を通じて関心点へと操作される。トランスデューサ107’はその後、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,449,465号に示し、論じられているように、脈管構造420の組織から反射されるエコー又は後方散乱データ422を取得するために、パルスを発する(例えば、428を参照されたい)。異なるタイプ及び密度の組織が超音波データを別様に吸収及び反射するため、反射データ(すなわち、後方散乱データ)422は、血管目的物をイメージングするために使用することができる。言い換えれば、後方散乱データ422は、(例えば、モニタリングシステム404によって)血管組織の画像(例えば、IVUS画像、組織特性化画像など)を作製するために使用することができる。例えば、後方散乱データの第1の部分422aは、血管組織の内側部分を表し、後方散乱データの第2の部分422bは、血管組織の中間部分を表し、後方散乱データの第3の部分422cは、血管組織の外側部分を表す。内部の閉塞及び石灰化を含む、血管組織の異なる層を区別するために、トランスデューサ107’は、500キロヘルツ(KHz)~25メガヘルツ(MHz)の周波数範囲内で駆動される。
【0140】
[00176]
図24を参照すると、患者の血管構造420の内部のトランスデューサ107’を有し、後方散乱データとしての超音波データを受信する血管内超音波(IVUS)カテーテル101’が示されている。血管組織の内側部分を表す後方散乱データの第1の部分422a、血管組織の中間部分を表す後方散乱データの第2の部分422b、及び血管組織の外側部分を表す後方散乱データの第3の部分422cを区別するために後方散乱日付を受信するように構成されているトランスデューサ107’(モニタリングシステム404と併せて)に加えて又はこれに代えて、
図22に関して説明されるものと同様に、トランスデューサ107’(モニタリングシステム404と併せて)はまた、患者内の軟組織430を患者の血管構造から区別するために後方散乱データを受信するように構成され、軟組織430は血管構造420の外部且つ血管組織の外部にある。組織の異なるタイプの音響インピータンスは異なる。そのため、組織タイプ間の変化が、パルス信号の少なくとも部分的な反射を反射させる。すなわち、組織又は媒体内の不連続性が、トランスデューサによって放出される信号(例えば、音声ビーム)を反射させる。反射されたビーム又はデータは、トランスデューサによって収集され、これはエコーと呼ばれる。エコーから、音声の速度に、ダブルループ飛行時間の半分などのエコー飛行時間を乗算することによって、パルス時間を計算することができる。組織の厚さもまた、異なるエコーの飛行時間の間の差を計算することによって決定することができる。例えば、エコー422cは、軟組織430の内側部分(血管構造420の外側部分)からトランスデューサ107’へと進行するのに時間(t
1)がかかり、エコー422aは、軟組織430の内面からトランスデューサ107’へと進行するのに時間(t
2)がかかる。t
2とt
1との間の差は、血管構造の厚さに相関付けられる。
【0141】
[00177] トランスデューサ107’(モニタリングシステム404と併せて)はまた、異なるタイプの軟組織(例えば、腱、靭帯、筋膜、皮膚、線維組織、脂肪、膜、筋肉、神経など)を互いから区別するために、後方散乱日付を受信するように構成される。トランスデューサ107’(モニタリングシステム404と併せて)はまた、軟組織を、患者の体内の、骨及び神経などの他の構造から区別するために、後方散乱データを受信するように構成される。患者の体内の他の構造又は軟組織を含む、軟組織の異なる層を区別するために、トランスデューサ107’は、500KHz~25MHzの間、500KHz~20MHzの間、500KHz~15MHzの間、500KHz~10MHzの間、500KHz~9MHzの間、500KHz~8MHzの間、500KHz~7MHzの間、500KHz~6MHzの間、1MHz~5MHzの間、1MHz~4MHzの間、1MHz~4MHzの間、1MHz~3MHzの間、1MHz~2MHzの間、及びそのような範囲内の任意の値などの、500キロヘルツ(KHz)~30メガヘルツ(MHz)の周波数範囲内で駆動される。
【0142】
[00178]
図24及び
図25を参照すると、超音波トランスデューサ107’、416はそれぞれ、血管内に挿入され、又は、患者の外部から適用される。その上、超音波トランスデューサ107’、416は、血管内に挿入されるのと、患者の外部から適用されるのとの両方がされ、結果、針の挿入中に正確さが増大する可能性がある。超音波トランスデューサ107’、416は、軟組織の内側部分を表す後方散乱データの第4の部分422d、軟組織の中間部分を表す後方散乱データの第5の部分422e、及び、軟組織の外側部分を表す後方散乱データの第6の部分422fを受信する。例えば、項目430は、心筋を表し、後方散乱データの第4の部分422dは、心内膜(又は心内膜と血管構造との間の層)から反射し、後方散乱データの第5の部分422eは、心筋内の特定の層から反射し、後方散乱データの第6の部分422fは、漿膜性心膜(又は心筋と心膜との間の層)から反射する。エコー422f及び422dの各々の飛行時間を計算することができ、心筋の厚さはエコー422fと422dとの間の飛行時間の差に依存し、相関するため、飛行時間の間の差は、心筋の厚さが決定されることを可能にする。心筋の壁厚に基づいて、心筋に適用される治療薬の量を適応的に決定及び/又は調整することができ、結果、心筋の厚さに基づいて心筋へのインテリジェントな薬剤送達が達成される。治療薬は、活性薬剤、天然抽出又は組み換え技術(成長因子、細胞シグナル分子など)、免疫細胞、自己若しくは同種幹細胞混合物、充填剤、粘着性物質、又は変性化学物質である。
【0143】
[00179] 超音波トランスデューサ107’、416はまた、回避されるべきである、軟組織又は生理学的構造436の様々な部分を表す後方散乱データの追加の部分422g、422h、422iも受信する。超音波トランスデューサ107’、416は、治療薬を使用して処置するのに望ましい、標的軟組織432の様々な部分を表す後方散乱データのさらなる部分422j、422k、422lを受信する。ここでも、後方散乱データは、インピーダンスの変化があるときに反射される。インピーダンス差は、イメージングシステムを用いて又は用いずに特性化され得る。トランスデューサによって発生される音波は、異なる音響インピーダンスを有する組織間の(又は組織と生理学的構造との間の)境界から反射し戻される。この信号は、トランスデューサによって再び受信され得、パルスエコー時間応答からのさらなるピークを示す。このエコー試験は、イメージング試験と組み合わされ得るが、これはまた独立して行われてもよい。オシロスコープなど、受信パルス応答を示す任意の画面が、異なる音響インピーダンスを有する組織間の境界からの反射信号を示し得る。
【0144】
[00180] トランスデューサ107’及びモニタ404が、異なるタイプの軟組織の間で、及び、生理学的構造から区別する能力によって、臨床医に、針と非標的組織又は生理学的構造との間の接触の可能性を回避しながら、効率的に針を標的組織へと案内し、針を標的組織へと挿入及び送達する能力及び正確さを増大しながら治療薬を送達する能力を提供する。付加的に、カテーテル101’及び超音波デバイス412などの超音波デバイスを使用することによって、臨床医に、標的組織のタイプ、ロケーション、サイズ及び密度などの情報が提供される。この情報は、潜在的に、臨床医が、臨床的に有効な量及びタイプの治療薬を送達することによって患者をより上首尾に処置することを可能にし、結果、患者の転帰が改善する可能性が増大する。
【0145】
[00181]
図26を参照すると、針挿入中に非標的物436を回避しながら、第1の出口ポートから血管構造420を通じて延伸し、血管構造420の外部且つ血管組織の外部にある患者の軟組織430内の対象物432へと治療薬を送達する針301を有する第1の出口ポートを有するデュアルルーメンイメージング装置(
図11A~
図11Dに関連して上述したものと同様の)が示されている。
図11A~
図11Dはデュアルルーメンイメージング装置を示しているが、デュアルルーメン装置が、ガイドワイヤ203のための一方のルーメン、及び、治療薬を送達するための針301のための一方のルーメンを維持するように、装置の他の構造を保持しながら、装置は、イメージング構成要素又はトランスデューサ107を省く。
図27を参照すると、外部イメージング装置412、及び、針挿入中に非標的組織又は生理学的構造436を回避しながら、第1の出口ポートから血管構造420を通じて延伸し、血管構造420の外部且つ血管組織の外部にある患者の軟組織430内の対象物432へと治療薬を送達する針301を有する第1の出口ポートを有するデュアルルーメンイメージング装置が示されている。
【0146】
[00182]
図28を参照すると、
図26に示すデバイスなどの、本明細書において論じられているデバイスの動作及び/又は使用のブロック図又はフローチャートが示されている。イメージングカテーテル101’などのデュアルルーメンイメージングデバイスは、治療薬を送達するためのルーメンに加えて、ガイドワイヤルーメンの、両方も含む。そうである場合、
図28のステップ805に示すように、最初に対象者の血管構造にガイドワイヤを挿入することが望ましい。ステップ810は、ガイドワイヤルーメン302にガイドワイヤ203を挿入し、ガイドワイヤ203にわたってイメージングカテーテル101’をスライドさせることによって、対象者の血管構造にイメージングカテーテル101’を挿入することを含む。ステップ815は、イメージングカテーテル101’を使用して、血管構造の外部且つ血管組織の外部に位置する軟組織をイメージングすることを含む。ステップ820は、軟組織内の対象領域を識別することを含む。このステップは、イメージング装置107’から収集されるイメージングデータを記憶することと、標的組織のタイプ、標的組織のロケーション(他の組織又は生理学的構造からの距離を含む)、標的組織のサイズ、及び標的組織の密度を決定するために、記憶されているイメージングデータ及び1つ又は複数のアルゴリズムを使用することとを含む。イメージングデータはまた、針挿入中に回避するための、他の組織タイプ及び/又は生理学的構造などの他の生理学的データを記憶するために使用される。イメージングカテーテル101’を動かし、その動きを制御するために、追加のアルゴリズムが使用される。
【0147】
[00183] 引き続き
図28を参照して、イメージングカテーテル101’の遠位部分が対象組織に隣接する血管構造内の望ましい位置に配置されると、ステップ825に示すように、針301’が血管構造に挿入される。例えば、針301’は、イメージングカテーテル101’を通じて血管構造に挿入され、針301’は、イメージングカテーテル101’から延伸する。すなわち、針301’は、線形的及び/又は非線形的に、イメージングカテーテル101’の遠位部分に対してを含め、イメージングカテーテル101’に対して軸方向及び/又は半径方向に並進し、結果、針301’は、イメージングカテーテル101’の遠位部分から血管構造に向かって延伸する。ステップ830を参照すると、針301’は、血管構造壁を通じて血管構造の外部に配置される軟組織内へ、及び軟組織の対象領域へと並進する。ステップ835を参照して、針301’の開放ポートが標的軟組織内に配置されると、治療薬が針301’を通じて注入され、標的軟組織へと送達される。望ましい又は所定の量の治療薬が標的軟組織に送達された後、針301’は軟組織及び血管構造からイメージングカテーテル101’へと引き込むことができ、ステップ840に示すように、イメージングカテーテル101’及び/又は針カテーテル301’は、血管構造から除去され、又は、先行するステップのいずれかが繰り返される。
【0148】
[00184]
図29を参照すると、
図27に示すデバイスなどの、本明細書において論じられているデバイスの動作及び/又は使用のブロック図又はフローチャートが示されている。
図29に示す方法は、
図28に示し、上述した方法と同様であるが、
図29の方法は、軟組織をイメージングし、対象領域を識別するために、
図26に示すイメージングカテーテル101’の代わりに、
図27に示すものなどの外部イメージングデバイス412を使用する。
【0149】
[00185]
図30を参照すると、
図26及び
図27に示すデバイスなどの、本明細書において論じられているデバイスの動作及び/又は使用のブロック図又はフローチャートが示されている。
図30に示す方法は、
図28及び
図29に示した方法と同様であるが、
図30の方法は、軟組織をイメージングし、対象領域を識別するために、イメージングカテーテル101’と外部イメージングデバイス412の両方を使用する。
【0150】
[00186] 上記の論述は、例示及び説明の目的で提示されてきた。上記は、本開示を本明細書において開示された1つ又は複数の形態に限定するようには意図されていない。例えば、上記概要において、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で、1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は構成にともにグループ化されている。本開示の態様、実施形態、及び/又は構成の特徴は、上記で論じたもの以外の代替の態様、実施形態、及び/又は構成に組み合わされてもよい。本開示方法は、特許請求の範囲が、各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、添付の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、単一の上記の開示されている態様、実施形態、及び/又は構成のすべての特徴未満に存する。したがって、添付の特許請求の範囲は、本明細書において詳細な説明に組み込まれ、各特許請求項は、本開示の別個の好ましい実施形態として独立している。
【0151】
[00187] さらに、本明細書は1つ又は複数の態様、実施形態、及び/又は構成並びに特定の変形形態及び修正形態の記述を含んでいるが、例えば、本開示を理解した後の当業者の技能及び知識の範疇にあるような、他の変形形態、組合せ、及び修正形態は、本開示の範囲内にある。特許請求されているものに対する代替の、相互交換可能な及び/又は均等な構造、機能、範囲又はステップを含む、許可される範囲に対する代替的な態様、実施形態、及び/又は構成を含む権利を得ることが、そのような代替の、相互交換可能な及び/又は均等な構造、機能、範囲又はステップが本明細書において開示されているか否かにかかわらず、且つ、いかなる特許可能な主題も公に開放することを意図することなく、意図されている。