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特許7577556水素ガス製造装置および水素ガス製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】水素ガス製造装置および水素ガス製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/38 20060101AFI20241028BHJP
   C10J 3/00 20060101ALI20241028BHJP
   B01D 53/22 20060101ALI20241028BHJP
   B01D 53/047 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
C01B3/38
C10J3/00 Z
B01D53/22
B01D53/047
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021019927
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122588
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】井土 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】早川 諒
(72)【発明者】
【氏名】福富 裕太
(72)【発明者】
【氏名】皆川 公司
【審査官】玉井 一輝
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-048793(JP,A)
【文献】特開2003-183006(JP,A)
【文献】特開2007-138900(JP,A)
【文献】特開2007-277479(JP,A)
【文献】特表2007-523218(JP,A)
【文献】特開2006-224885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0233290(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0058771(US,A1)
【文献】特表2007-529594(JP,A)
【文献】特開2019-200985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/00 - 6/34
C10J 1/00 - 3/86
B01D 53/22
61/00 -71/82
C02F 1/44 - 1/44
B01D 53/02 -53/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素を含む廃棄物をガス化するガス化炉と、
前記ガス化によって得られる可燃性ガスから該可燃性ガスに含まれている水素ガスを分離する分離装置と、
前記分離装置で前記水素ガスが分離された後の残りの前記可燃性ガスを用いて回転するタービンを備えたガスタービンと、
前記タービンと機械的に接続され、該タービンの前記回転によって駆動して前記分離装置で分離された前記水素ガスを10MPa以上の圧力となるように圧縮するガス圧縮機と、を備えた水素ガス製造装置。
【請求項2】
前記分離装置で分離する前に前記可燃性ガスを改質して該可燃性ガスにおける水素ガス濃度を向上させる改質器を備えている請求項1記載の水素ガス製造装置。
【請求項3】
前記分離装置が、圧力スイング吸着装置又は膜分離装置である請求項1又は2記載の水素ガス製造装置。
【請求項4】
前記ガス化炉が、流動床炉、シャフト炉、固定床炉、又は、溶融炉である請求項1乃至3の何れか1項に記載の水素ガス製造装置。
【請求項5】
前記可燃性ガスの燃焼によって発電可能なガス発電機を更に備えている請求項1乃至4の何れか1項に記載の水素ガス製造装置。
【請求項6】
水素ガス製造装置を用いて加圧状態の水素ガスを製造する水素ガス製造方法であって、
炭化水素を含む廃棄物をガス化炉でガス化することと、
前記ガス化によって得られる可燃性ガスから該可燃性ガスに含まれている水素ガスを分離することと、
前記水素ガスが分離された後の残りの前記可燃性ガスをガスタービンに供給して該ガスタービンのタービンを回転させることと、
前記タービンの回転をガス圧縮機に伝えて該ガス圧縮機を駆動し、該ガス圧縮機で水素ガスを圧縮して10MPa以上の加圧状態にすることと、が実施される水素ガス製造方法。
【請求項7】
前記水素ガスを分離することを行う前に前記可燃性ガスを改質して該可燃性ガスにおける水素ガス濃度を向上させる請求項6記載の水素ガス製造方法。
【請求項8】
前記水素ガス製造装置は、ガス発電機を更に備え、
前記可燃性ガスを燃焼させて該ガス発電機で発電することを更に実施する請求項6又は7記載の水素ガス製造方法。
【請求項9】
前記水素ガス製造装置が前記ガス圧縮機で加圧状態にされた前記水素ガスを貯留するガス貯留部を有し、
前記ガス発電機での前記発電は、該ガス発電機に単位時間あたりに供給する前記可燃性ガスの量を変更して実施され、
該可燃性ガスの量の変更が、前記廃棄物の保有量、又は、前記ガス貯留部での前記水素ガスの貯留量に基づいて実施される請求項8記載の水素ガス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素ガス製造装置および水素ガス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のクリーンなエネルギーに対する需要の高まりからエネルギー源として水素ガスを用いる機会が増えている。水素ガスを貯留するタンク等の省スペース化などの目的から、水素ガスを貯留するガスタンクでは、通常、数気圧以上の加圧状態で水素ガスが収容されている。
【0003】
ところで、下記特許文献1には、廃棄物をガス化炉で熱分解し、水素ガスを含む可燃性ガスを得て、この可燃性ガスでガスエンジンを運転して電力を得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-76008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているようなガス化炉で発生するガスから加圧状態の水素ガスを効率良く製造することができれば、環境負荷の低い水素ガスが得られることにもなり、大きな利得を生じる。しかしながら、そのような検討は十分されていない。そこで本発明は、ガス化炉で発生するガスから加圧状態の水素ガスを効率良く製造することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、
炭化水素を含む廃棄物をガス化するガス化炉と、
前記ガス化によって得られる可燃性ガスから該可燃性ガスに含まれている水素ガスを分離する分離装置と、
前記分離装置で前記水素ガスが分離された後の残りの前記可燃性ガスを用いて回転するタービンを備えたガスタービンと、
前記タービンと機械的に接続され、該タービンの前記回転によって駆動して前記水素ガスを圧縮するガス圧縮機と、を備えた水素ガス製造装置、を提供する。
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、
水素ガス製造装置を用いて加圧状態の水素ガスを製造する水素ガス製造方法であって、
炭化水素を含む廃棄物をガス化炉でガス化することと、
前記ガス化によって得られる可燃性ガスから該可燃性ガスに含まれている水素ガスを分離することと、
前記水素ガスが分離された後の残りの前記可燃性ガスを用いてタービンを回転させることと、
前記タービンの回転を圧縮機に伝えて該圧縮機を駆動し、該圧縮機で水素ガスを圧縮して加圧状態にすることと、が実施される水素ガス製造方法、を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ガス化炉で発生するガスから加圧状態の水素ガスを効率良く製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態での水素ガス製造装置の概略構成図。
図2】水素ガスが2段階で圧縮される水素ガス製造装置の一部分を示した概略構成図。
図3】第2実施形態での水素ガス製造装置の概略構成図。
図4】第2実施形態の水素ガス製造装置でガス発電を実施する様子を示した概略図。
図5】第2実施形態の水素ガス製造装置で水素ガスの製造とともにガス発電を実施する様子を示した概略図。
図6】第2実施形態の水素ガス製造装置でガス発電を実施する様子を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。
本発明では、廃棄物を処理しつつ水素ガスが製造される。
以下においては、水素ガスの製造を主体とした実施形態(第1実施形態)と、水素ガスの製造のみならず可燃性ガスによる発電も行う実施の形態(第2実施形態)とについて説明する。
まず、図1図2を参照しつつ本発明の第1実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態での水素ガス製造装置は、廃プラスチックなどの炭化水素を含む廃棄物から水素ガスを製造し得るように構成されている。
図1に示すように本実施形態での水素ガス製造装置1は、炭化水素を含んだ廃棄物のストックヤードとなる廃棄物貯留部10と、水素ガスを貯留するガス貯留部90とを備えている。
【0012】
水素ガス製造装置1は、前記廃棄物貯留部10から供給される廃棄物をガス化するガス化炉20と、前記ガス化によって得られる可燃性ガスから該可燃性ガスに含まれている水素ガスを分離する分離装置30と、前記分離装置30で前記水素ガスが分離された後の残りの前記可燃性ガスを用いて回転するタービン41を備えたガスタービン40と、前記タービン41と機械的に接続され、該タービン41の前記回転によって駆動して前記水素ガスを圧縮するガス圧縮機50とを備え、該ガス圧縮機50で加圧状態にされた水素ガスを前記ガス貯留部90に貯留し得るように構成されている。
【0013】
本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記分離装置30で分離する前に前記可燃性ガスを改質して該可燃性ガスにおける水素ガス濃度を向上させる改質器60を備えている。
【0014】
本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記ガス貯留部90での水素ガスの貯留状況(現貯留量、今後の消費量予測等)に関する情報(以後、「ガス量情報I1」ともいう)と、前記廃棄物貯留部10での廃棄物の貯留状況(現貯留量、今後の受入れ量予測等)に関する情報(以後、「廃棄物量情報I2」ともいう)とを受信可能で、これらの情報(I1,I2)に基づいてガス化炉20への廃棄物の供給量(廃棄物の単位時間当たりの処理量)に関する信号(以後、「処理量信号C1」ともいう)を発信する制御装置100をさらに備えている。
【0015】
前記廃棄物貯留部10に貯留される廃棄物に含まれる炭化水素は、ゴム、プラスチック、紙、繊維製品、草木、食品、汚泥などの状態で含まれていてもよい。廃棄物には金属、セラミック、ガラスなどの不燃物(例えば、800℃程度の温度では熱分解しないもの)が混在していてもよい。廃棄物での不燃物の割合は、質量で5割以下であることが好ましい。不燃物の割合は、4割以下であってもよく、3割以下であってもよい。ガス化炉20で分解される可燃物の内、ゴム、プラスチックは、紙や食品などに比べて水分含有量が低く、ガス化炉20から排出されるガスに含まれる可燃性成分が水蒸気で希釈され難い点において本実施形態でガス化される廃棄物として好ましい。ガス化炉20に供給される廃棄物の質量と、ガス化炉20で熱分解されずにガス化炉20から排出される分解残渣の質量との差をガス化炉20でガス化される可燃物の質量とし、該質量を10割とした場合、ガス化炉20に供給される廃棄物の2割以上がゴム、又は、プラスチックであることが好ましく、3割以上がゴム、又は、プラスチックであることがより好ましい。ゴム、又は、プラスチックの割合は、4割以上であってもよく5割以上であってもよい。
【0016】
前記廃棄物貯留部10は、制御装置100へ伝達する廃棄物量情報I2を得るための計量器(図示せず)を備えていてもよい。
【0017】
前記ガス化炉20は、前記廃棄物に含まれるゴム(例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、EPDM、クロロプレンゴム、ウレタンゴム・・・)、又は、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、熱可塑性エラストマー・・・)などの高分子量の固形炭化水素を炉内部で熱分解してメタン、エタン、プロパン、ブタンなどの低分子量の炭化水素ガス、水素ガス、一酸化炭素ガスなどの可燃性成分を含む可燃性ガスを排出するように構成されている。前記ガス化炉20は、流動床炉、シャフト炉、固定床炉、又は、溶融炉であることが好ましい。プラスチックのように100~200℃といった比較的低温で溶融状態になってしまうようなものや汚泥のように不定形な形状のものを多く含む廃棄物をガス化する場合、前記ガス化炉20は、流動床炉であることが好ましい。
【0018】
本実施形態の水素ガス製造装置1では、該ガス化炉20から排出される可燃性ガスは、前記分離装置30に導入される前に改質器60によって改質される。この改質前の可燃性ガス(以下「非改質ガス」ともいう)は、水素ガスの含有割合が少なく、有機可燃性成分(CH、COなど)を多く含む。
【0019】
本実施形態の改質器60では、炭化水素ガスの分解により水素ガスが生成され、改質器60を通過後、且つ、前記分離装置30での分離前の可燃性ガス(以下「未分離ガス」ともいう)の水素ガス濃度が非改質ガスよりも増大するような反応が行われる。該改質器60では、例えば、炭化水素と水蒸気とが金属触媒の存在のもとで下記のような反応を起こす。
2n+2+nHO → nCO+(2n+1)H
【0020】
上記反応に利用する水蒸気は、改質器60に導入して可燃性ガスと反応させるようにしてもよく、改質器60よりも上流側で可燃性ガスと混合してもよい。さらには、前記水蒸気は、前記ガス化炉20から排出される可燃性ガスに予め存在させるようにしていもよい。前記ガス化炉20から排出される時点での可燃性ガスにおける水蒸気量は、例えば、草木や食料品などといった水分の多い廃棄物の割合などによって調整することができる。前記ガス化炉20が流動床炉である場合、流動化ガスの一部又は全部を水蒸気として当該ガス化炉20から排出される非改質ガスの水蒸気含有量を調整することができる。
【0021】
前記改質器60では、改質器60を通過後の可燃性ガス(未分離ガス)の炭化水素ガス濃度が非改質ガスよりも低く、水素ガス濃度が非改質ガスより高くなるような改質が行われることが好ましい。前記改質器60での改質では、水素ガスの体積割合が、例えば、1.2倍以上に増大される。前記改質器60を通過した後の可燃性ガス(未分離ガス)での水素ガスの体積割合は、非改質ガスの1.5倍以上であってもよい。改質器60を通過後の可燃性ガスは、水素ガスを10体積%以上含有していることが好ましく、20体積%以上水素ガスを含有していることが好ましい。尚、未分離ガスでの水素ガス濃度は、通常、80体積%以下である。
【0022】
前記分離装置30は、前記改質器60で改質された可燃性ガス(未分離ガス)から水素ガスを分離するように構成されている。本実施形態の水素ガス製造装置1は、分離された水素ガスを前記分離装置30から排出するための第1の経路(以下「水素ガス経路HL」ともいう)と、水素ガスが取り除かれた後の可燃性ガス(以下、「残ガス」ともいう)を前記分離装置30から排出するための第2の経路(以下、「残ガス経路GL」ともいう)とを備えている。
【0023】
前記分離装置30は、圧力スイング吸着装置(PSA)、温度スイング吸着装置(TSA)、膜分離装置などであってもよい。前記分離装置30は、圧力スイング吸着装置(PSA)又は膜分離装置であることが好ましい。
【0024】
本実施形態の前記ガスタービン40は、前記残ガス経路GLを通じて前記分離装置30に接続されており、前記残ガスを燃料に用いて運転可能な内燃機関である。本実施形態の前記ガスタービン40は、前記残ガスのみを燃料としてもよく、補助燃料として、例えば、化石燃料を用いることが可能なものであってもよい。本実施形態の前記ガスタービン40は、回転軸42の一端部に固定されたタービン41を有し、前記残ガスの燃焼によって前記タービン41が前記回転軸42とともに軸周りに回転するように構成されている。
【0025】
本実施形態の前記ガス圧縮機50は、前記水素ガス経路HLを通じて前記分離装置30に接続されており、該分離装置30で分離された前記水素ガスが供給され得るようになっている。前記ガス圧縮機50は、この水素ガスが当該ガス圧縮機50に導入される前よりも加圧された状態になるように構成されている。
【0026】
該ガス圧縮機50は、ガスタービンから伝わる回転力をそのまま回転力として利用してガスを圧縮するものであっても回転力を往復動作に転化してガスを圧縮するものであってもよい。該ガス圧縮機50は、遠心式圧縮機や軸流式圧縮機のようなターボ圧縮機であってもレシプロ式圧縮機、ダイヤフラム式圧縮機、スクロール圧縮機、ロータリー圧縮機のような容積圧縮機であってもよい。
【0027】
該ガス圧縮機50は、回転軸51を有し、該回転軸51が前記ガスタービン40の回転軸42によって回転するように構成され、該回転軸42より伝達される回転動力を水素ガスの圧縮動力に転化可能な構成を有している。前記ガスタービン40の回転軸42と前記ガス圧縮機50の回転軸51は、共通する1本の軸となって機械的に接続されていてもよく、変速機Gを介して機械的に接続されていてもよい。
【0028】
前記ガス圧縮機50は、1段階の昇圧のみで水素ガスを圧縮して加圧状態にする方式のものであってもよい。本実施形態のガス圧縮機50は、水素ガスをより高圧にできる点で多段階での昇圧が可能な多段圧縮方式のものを採用してもよい。多段圧縮方式のガス圧縮機50は、複数の圧縮段階の内の一つの圧縮段階と該圧縮段階の次の圧縮段階との間でガス冷却(中間冷却)が実施される方式のものであってもよい。
【0029】
該ガス圧縮機50は、水素ガスを1MPa以上の圧力(ゲージ圧)に加圧可能であることが好ましく、10MPa以上の圧力に水素ガスを加圧可能であることが好ましい。該ガス圧縮機50での水素ガスの圧縮は、通常、100MPa以下である。
【0030】
本実施形態の水素ガス製造装置1は、図1の破線Aで示した部分を図2に示すように変更することもできる。本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記ガスタービン40で駆動される前記ガス圧縮機50の他に必要に応じて別のガス圧縮機(以下「第2ガス圧縮機501」ともいう)を設け、前記ガス圧縮機50(以下「第1ガス圧縮機50」ともいう)で加圧状態にされた水素ガスをさらに高圧となるように加圧してもよい。
【0031】
前記第2ガス圧縮機501は、第1ガス圧縮機50がガスタービン40(以下「第1ガスタービン40」ともいう)で駆動可能であるのと同様に別のガスタービン(以下「第2ガスタービン401」ともいう)で駆動可能であってもよい。即ち、前記第2ガス圧縮機501は、回転軸511を有し、該回転軸511が前記第2ガスタービン401の回転軸421によって回転するように構成され、該第2ガスタービン401でのタービン411の回転動力を水素ガスの圧縮動力に転化可能な構成を有するものであってもよい。この場合、図2に示すように、残ガス経路GLを分岐して残ガスを第1ガス圧縮機50と第2ガス圧縮機501との両方に分配して供給し、第1ガス圧縮機50で高圧状態にされた水素ガスを第2ガス圧縮機501で更に高圧となるように加圧してもよい。
【0032】
上記の通り、本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記分離装置30で前記水素ガスが分離された後の残りの前記可燃性ガスを用いて回転するタービンを備えたガスタービンとして、第1ガスタービン40と、第2ガスタービン401とを含む複数のガスタービンを備え、前記分離装置30で分離された後の残りの前記可燃性ガスを前記第1ガスタービン40と、前記第2ガスタービン401とに分配可能で、前記第1ガスタービン40のタービン41と機械的に接続され、該タービン41の前記回転によって駆動して前記水素ガスを圧縮する第1ガス圧縮機50と、前記第2ガスタービン401のタービン411と機械的に接続され、該タービン411の前記回転によって駆動して前記第1ガス圧縮機50で圧縮された前記水素ガスを更に圧縮する第2ガス圧縮機501とを備えていてもよい。この場合、前記第1ガスタービン40と前記第2ガスタービン401とへの前記分離装置30からの残ガスの分配割合を調整することで第1ガス圧縮機50での水素ガスの圧縮度合いと第2ガス圧縮機501での水素ガスの圧縮度合いとが調整可能となり得る。
【0033】
該第2ガス圧縮機501は、第2ガスタービン401で駆動されるようなものではなく系統電力などにより運転可能なものであってもよい。この場合、残ガス経路GLを分岐する必要性がなくなるため装置の構造がシンプルになり得る。第1ガス圧縮機50と第2ガス圧縮機501との間には、前記水素ガス経路HLを流れる水素ガスを冷却するための冷却装置Cを設けてもよい。
【0034】
本実施形態では、加圧された水素ガスは、例えば、70MPa以上100MPa以下の圧力となって前記ガス貯留部90に貯留される。該ガス貯留部90は、水素ガスタンクなどによって構成され得る。ガス貯留部90は、前記制御装置100がガス量情報I1を取得可能とすべく、貯留する水素ガスの圧力を検知する圧力センサーを有していてもよい。
【0035】
本実施形態においては、上記のような水素ガス製造装置1を用いて加圧状態の水素ガスが製造される。この水素ガス製造装置1を用いた水素ガスの製造方法では、炭化水素を含む廃棄物をガス化炉20でガス化することと、前記ガス化によって得られる可燃性ガスから該可燃性ガスに含まれている水素ガスを分離することと、前記水素ガスが分離された後の残りの可燃性ガスを用いてタービン41を回転させることと、前記タービン41の回転を前記第1ガス圧縮機50に伝えて該第1ガス圧縮機50を駆動し、該第1ガス圧縮機50で水素ガスを圧縮して加圧状態にすることと、が実施される。
【0036】
前記ガスタービン40で発電し、タービン41の回転による運動エネルギーを、一旦、電気エネルギーに変換して、該電気エネルギーで前記第1ガス圧縮機50を駆動させる場合と違い、本実施形態ではエネルギー変換に伴うエネルギーロスが生じることを抑制できる。そのため、本実施形態においては水素ガスを効率良く加圧することができるという効果が発揮される。
【0037】
本実施形態での好ましい態様においては、前記水素ガスを分離することを行う前に前記可燃性ガスを改質して該可燃性ガスにおける水素ガス濃度を向上させている。従って、このような態様においては、廃棄物からより多くの水素ガスが製造可能になるという効果が発揮される。
【0038】
本実施形態での好ましい態様においては、制御装置100を有することから、前記ガス貯留部90への水素ガスの供給が過剰になる場合に前記ガス化炉20への廃棄物の供給量を減少するように処理量信号C1を発信することができる。従って、このような態様においては、前記ガス貯留部90で水素ガスを貯留しきれなくなったり、前記ガス化炉20の運転を休止しなければならなくなったりすることを回避し得る。
以上のような効果は、以下に説明する第2実施形態においても同じく発揮され得る。
【0039】
(第2実施形態)
図3図6は、第2実施形態での水素ガス製造装置1と、その運転方法とを示した図である。
これらの図では、第1実施形態と同様の構成に関しては同じ符号を付している。
以下においては第1実施形態と同様の構成に関しては詳細な説明を繰り返さない。例えば、第1実施形態での図2に示したような態様をこの第2実施形態においても採用可能ではあるが、以下においてはその点に関して詳細な説明を繰り返してはいない。
【0040】
図3に示されているように、本実施形態の水素ガス製造装置1は、可燃性ガスの燃焼によって発電可能なガス発電機80を更に備えている。
【0041】
本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記ガス化炉20から排出される非改質ガスの一部又は全部を前記改質器60や前記分離装置30に供給せずに当該ガス発電機80に供給すべく非改質ガスの供給経路を切り替える切替装置(以下「第1切替装置71」ともいう)を備えている。また、本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記残ガス経路GLを通じて前記ガスタービン40に供給される残ガスの一部又は全部を前記ガスタービン40に供給せずに前記ガス発電機80に供給すべく経路を切り替える切替装置(以下「第2切替装置72」ともいう)を備えている。さらに、本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記水素ガス経路HLを通じて前記ガス圧縮機50に供給される水素ガスの一部又は全部を前記ガス圧縮機50に供給せずに前記ガス発電機80に供給すべく経路を切り替える切替装置(以下「第3切替装置73」ともいう)を備えている。
【0042】
本実施形態の水素ガス製造装置1は、第1切替装置71、第2切替装置72、及び、第3切替装置73によるガスの経路の切り替えが制御装置100によって行われるように構成されている。本実施形態の水素ガス製造装置1は、このような構成を有することで、廃棄物の処理量や前記ガス貯留部90での水素ガスの貯留量を安定化させ易くなっている。
【0043】
前記ガス化炉20から排出される非改質ガスの質は、ガス化の開始後、一定以上の時間が経過した通常運転時にはある程度安定するもののガス化炉20を起動してガス化を開始した時点では可燃性成分の割合や含まれる可燃性成分の具体的な物質が大きく変化する。そのため、前記廃棄物のガス化の開始時には、図4に示すように、非改質ガスで水素ガスを製造することは行わずに非改質ガスで前記ガス発電機80を運転することが好ましい。
【0044】
本実施形態においては、ガス化の開始後、一定以上の時間経過により非改質ガスの性状が安定した時点で図3に示すような形で水素ガスの製造を開始することができ、それまでの間、前記ガス発電機80での前記発電により電力の形でエネルギー回収を行うことができる。なお、非改質ガスの質は、ガス化の開始時だけでなくガス化炉20に投じられる廃棄物の質が大きく変化した場合なども不安定になり得る。本実施形態においては、そのような場合も第1切替装置71によって非改質ガスの供給先を前記改質器60や前記分離装置30から前記ガス発電機80に切り替えることができる。
【0045】
前記第1切替装置71による非改質ガスの供給先の切り替えは、前記ガス化炉20から発生する全ての量の可燃性ガスの供給先を切り替える必要はなく、可燃性ガスの一部でガス発電機80を運転しつつ残部で水素ガスを製造するようにしてもよい。即ち、本実施形態の水素ガス製造装置1は、前記ガス化炉20から発生する可燃性ガスを前記改質器60(分離装置30)と前記ガス発電機80とに分配可能であるだけでなく分配割合が可変であってもよい。このことにより、水素ガスの製造や廃棄物の処理が安定して実施可能となる。
【0046】
本実施形態においては、図5に示すように前記ガス化炉20から発生する可燃性ガスを前記改質器60を通じて分離装置30に供給しつつ同時に前記可燃性ガスを前記ガス発電機80にも供給することができる。そのため、例えば、分離装置30に単位時間あたりに供給する可燃性ガスの量を一定させ、残量を前記ガス発電機80に供給すれば、単位時間あたりに処理が必要となる廃棄物の量に時間変動が生じたとしても水素ガスの単位時間当たりの製造量を一定させることができる。逆に水素ガスの消費量が大きく変化するなどして水素ガスの製造量に時間変動を生じさせる必要があるような場面でも、本実施形態では、水素ガスの必要製造量に対応して可燃性ガスの分配割合を変動させることができるので単位時間当たりの廃棄物の処理量を一定させることができる。
【0047】
上記のような運転を可能にするために、本実施形態での前記第1切替装置71による非改質ガスの供給先の切り替えは、ガス量情報I1や廃棄物量情報I2などによっても実施可能であることが好ましい。即ち、前記ガス発電機80での発電は、該ガス発電機80に単位時間あたりに供給する可燃性ガスの量を変更して実施され、該可燃性ガスの量の変更が、前記廃棄物貯留部10での廃棄物の保有量、又は、前記ガス貯留部90での前記水素ガスの貯留量に基づいて実施されることが好ましい。
【0048】
例えば廃棄物貯留部10での廃棄物保有量に基づいて運転を行う場合、廃棄物の処理が必要かどうか判断するために廃棄物保有量についての所定の基準値(Xws)を設けるとともに現時点での廃棄物貯留部10での廃棄物保有量又は一定時間後の廃棄物保有量の予測値を対照値(Xwr)として設定する。そして、前記対照値が前記基準値以上(Xws≦Xwr)となった場合に水素ガス貯留量に関わらず廃棄物の処理量を増大すべきと判断し、ガス化炉20への廃棄物の供給量を増やす。即ち、それまでガス化炉20への廃棄物の供給がストップしていたのであれば、そのタイミングでガス化炉20への廃棄物の供給を開始し、それまでも廃棄物の供給が行われていたのであればそのタイミングでガス化炉20への廃棄物の単位時間当たりの供給量を増やす。この際に水素ガス貯留量が十分である場合は改質を行わずにガス発電機80で発電することによって廃棄物を処理しつつ発電を行うことができる。
【0049】
上記のごとく廃棄物保有量について予め基準値(Xws)を設定し、現時点での廃棄物貯留部10での廃棄物保有量又は一定時間後の廃棄物貯留部10での廃棄物保有量の予測値の何れかを対照値(Xwr)とし、前記対照値が前記基準値以上(Xws≦Xwr)となった場合にガス化を行う廃棄物の単位時間当たりの量を増大させるようにすることで廃棄物貯留部10での廃棄物保有量が過多となることを防ぐことができる。前記基準値(Xws)としては、第1基準値(Xws1)と該第1基準値(Xws1)よりも値の大きな第2基準値(Xws2)とを含む複数の基準値を設定してもよい。その場合、前記対照値(Xwr)が第1基準値(Xws1)以上、第2基準値(Xws2)未満となる第1の場合(Xws1≦Xwr<Xws2)と、前記対照値(Xwr)が第2基準値(Xws2)以上となる第2の場合(Xws2≦Xwr)とでガス化を行う廃棄物の増加割合を変えるようにしてもよく、第2の場合の方が第1の場合に比べてガス化を行う廃棄物の増加割合が高くなるようにしてもよい。このようにガス化を行う廃棄物の割合を増大させると、ガス化炉20でのガス化で得られる可燃性ガスの質(成分割合)が大きく変化することもあり得るため、前記改質器60での改質や前記分離装置30での水素ガスの分離を止めて前記ガス貯留部90への水素ガスの供給を停止してもよい。その場合、例えば、第1の場合では前記ガス貯留部90への水素ガスの供給を実施し、第2の場合では前記ガス貯留部90への水素ガスの供給を停止するようにしてもよい。
【0050】
また、水素ガス貯留量に基づいて運転を行う場合、水素ガスの需要を予測し又は水素ガス貯留量が所定の基準値以下となった場合に廃棄物供給量を増加させると共に発電を停止して水素ガスの製造を優先的に行う運転とすることができる。即ち、ガス貯留部90でも水素ガスの保有量の下限について予め基準値(Xhls)を設定し、現時点でのガス貯留部90での水素ガス保有量又は一定時間後のガス貯留部90での水素ガス保有量量の予測値の何れかを対照値(Xhr)とし、前記対照値が前記基準値以下(Xhr≦Xhls)となった場合にガス貯留部90への水素ガスの単位時間当たりの供給量を増大させるようにすることでガス貯留部90での水素ガスの保有量不足となることを防ぐことができる。さらには、ガス貯留部90での水素ガスの保有量の上限についても予め基準値(Xhhs(Xhls<Xhhs))を設定し、前記対照値が前記基準値以上(Xhhs≦Xhr)となった場合にガス貯留部90への水素ガスの単位時間当たりの供給量を減少させるようにすることでガス貯留部90での水素ガスの保有量過多となることを防ぐことができる。
【0051】
水素ガスの保有量の上限となる基準値(Xhhs)については、廃棄物保有量の基準値(Xws)と同様に、第1基準値(Xhhs1)と該第1基準値(Xhhs1)よりも値の大きな第2基準値(Xhhs2)とを含む複数の基準値を設定してもよい。そして、前記対照値(Xhr)が第1基準値(Xhhs1)以上、第2基準値(Xhhs2)未満となる第1の場合(Xhhs1≦Xhr<Xhhs2)と、前記対照値(Xhr)が第2基準値(Xhhs2)以上となる第2の場合(Xhhs2≦Xhr)とでガス貯留部90への水素ガスの供給量の減少割合を変えるようにしてもよく、第2の場合の方が第1の場合に比べて減少割合が高くなるようにしてもよい。その場合、例えば、第1の場合では前記ガス貯留部90への水素ガスの供給を量を減らしつつも継続し、第2の場合では前記ガス貯留部90への水素ガスの供給を停止するようにしてもよい。
【0052】
水素ガスの保有量の下限となる基準値(Xhls)についても、第1基準値(Xhls1)と該第1基準値(Xhls1)よりも値の小さな第2基準値(Xhls2)とを含む複数の基準値を設定してもよい。そして、前記対照値(Xhr)が第2基準値(Xhhs2)を超え第1基準値(Xhls1)以下となる第1の場合(Xhls2<Xhr≦Xhls1)と、前記対照値(Xhr)が第2基準値(Xhls2)以下となる第2の場合(Xhr≦Xhls2)とでガス貯留部90への水素ガスの供給量の増大割合を変えるようにしてもよく、第2の場合の方が第1の場合に比べて増大割合が高くなるようにしてもよい。
【0053】
ガス貯留部90への水素ガスの供給量の増減は、ガス発電機80への可燃性ガスの分配が行われている場合、その分配量によって調整できる。また、ガス貯留部90への水素ガスの供給量の増減は、ガス化炉20への単位時間当たりの廃棄物の供給量(ガス化炉での可燃性ガス発生量)によっても調整可能である。
【0054】
前記改質器60や前記分離装置30は、頻繁に運転を停止したり再開したりしない方がよい場合がある。本実施形態の水素ガス製造装置1は、第2切替装置72、及び、第3切替装置73を有し、分離後の水素ガスや残ガスをガス貯留部90に供給可能であるため、図6に示すように前記改質器60や前記分離装置30の運転を継続しつつガス貯留部90への水素ガスの供給を停止できる。
【0055】
また、ガス化炉20も頻繁に運転を停止したり再開したりしない方が良い場合がある。本実施形態の水素ガス製造装置1は第1切替装置71及びガス発電機80を有し、可燃ガスをガス発電機80に供給できるため、ガス化炉20を停止することなくガス貯留部90への水素ガスの供給を停止できる。この場合、ガス化炉20への廃棄物供給量は特に制限されないがガス化炉20が機能を維持できる最低量としてもよい。
【0056】
本実施形態の水素ガス製造装置1は、上記のような構成を有することで、一日の内で主としてガス貯留部90に水素ガスを供給する時間帯と、主としてガス発電機80を運転する時間帯とを分けて設定し易くなる。例えば、本実施形態においては、一日の内で比較的電力需要の高い7時から23時までの間は、ガス発電機80での発電を主体にし、23時から翌7時までの間はガス貯留部90への水素ガスの供給を主体とするような場合、22時頃までは原則的に前記改質器60や前記分離装置30を休転し、22時過ぎ頃より図6に示すような形で前記改質器60や前記分離装置30の運転を開始しつつ分離した水素ガスや残ガスをガス発電機80に供給してガス発電機80での発電を実施し、その後、23時になった時点で発電を休止(図3)するか、或いは、引き続き一部の可燃性ガスで発電を実施しつつガス貯留部90への水素ガスの供給を開始(図5)させるような運転方法を採用することができる。また、電力需要の高い時間帯であっても図5のように水素ガス貯留量に応じてガス貯留部90への水素ガスの供給を行うような運転方法を採用することができる。
【0057】
本実施形態では、上記のようにガス化炉20で発生した可燃性ガスを分離装置30に供給せずに分離装置30の運転を停止する分離停止期間と、分離装置30の運転を開始して可燃性ガスから水素ガスを分離することを実施しつつも水素ガスをガス貯留部90に供給しない分離開始期間と、分離装置30で分離した水素ガスのガス貯留部90への供給を開始するガス供給開始期間とを順に実施することができるため分離装置30や改質器60を運転させるために無駄なエネルギー消費が生じることを抑制することができる。
【0058】
本実施形態では、上記のように電力需要の高い7時から23時までの間は、ガス化炉20で発生した可燃性ガスのガス発電機80側への分配割合を分離装置30側よりも多くし、電力需要の低い23時から翌7時までの間は分離装置30側への分配割合をガス発電機80側よりも多くすることができる。7時から23時までの間での可燃性ガスのガス発電機80側への分配割合は、例えば、一週間の平均値で6割以上とすることができる。該分配割合は、7割以上であってもよく、8割以上であってもよく、要すれば全量(10割)であってもよい。即ち、本実施形態においては夜間に水素ガスを作り溜めしておいて昼間は専ら発電を主体に装置を運転することもできる。
【0059】
ガス発電機80で得られた電力は、地域の電力会社に販売しても、装置で利用してもよい。例えば、前記タービン41によって駆動される前記第1ガス圧縮機50で圧縮された水素ガスをさらに圧縮して高圧化するための前記第2ガス圧縮機を利用する場合、前記ガス発電機80で得られた電力は、当該第2ガス圧縮機を駆動するためのエネルギー源として利用してもよい。また、そのような用途に限らず得られた電力は各種用途に利用可能である。
【0060】
上記においては、水素ガス製造装置1や水素ガス製造方法に関して上記のような特定の例示をして本実施形態に係る発明を具体的に説明しているが、本発明では上記例示の各技術事項を適宜変更可能であり、上記に直接的に記載されていない事項でも従来公知の事項を適宜付加可能である。
即ち、本発明は、上記例示に何等限定されるものではない。
【符号の説明】
【0061】
1:水素ガス製造装置、10:廃棄物貯留部、20:ガス化炉、30:分離装置、40:ガスタービン、41:タービン、42:回転軸、50:ガス圧縮機(第1ガス圧縮機)、501:ガス圧縮機(第2ガス圧縮機)、60:改質器、80:ガス発電機、90:ガス貯留部、100:制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6