IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社神鋼環境ソリューションの特許一覧

特許7577576沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法
<>
  • 特許-沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法 図1
  • 特許-沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法 図2
  • 特許-沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法 図3
  • 特許-沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法 図4
  • 特許-沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法 図5
  • 特許-沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法 図6
  • 特許-沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 21/00 20060101AFI20241028BHJP
   B01D 21/18 20060101ALI20241028BHJP
   B01D 21/24 20060101ALI20241028BHJP
   C02F 3/06 20230101ALI20241028BHJP
【FI】
B01D21/00 D
B01D21/18 G
B01D21/24 Q
B01D21/24 T
C02F3/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021039022
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022138893
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】吉田 忠広
(72)【発明者】
【氏名】井尻 智之
(72)【発明者】
【氏名】石山 明
(72)【発明者】
【氏名】三浦 雅彦
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-030141(JP,A)
【文献】特開2020-028835(JP,A)
【文献】欧州特許第02222608(EP,B1)
【文献】特開2018-008220(JP,A)
【文献】特開2003-211185(JP,A)
【文献】特開2019-126781(JP,A)
【文献】特開2020-151625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00-21/01
B01D 21/02-21/34
B01D 53/22
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
C02F 1/52- 1/56
C02F 3/00
C02F 3/02- 3/10
C02F 3/28- 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水を生物処理する生物処理槽の上流側に設置される沈殿池であって、
前記被処理水が流入する流入口と前記生物処理槽に前記被処理水を流出させる流出口とを有し、前記被処理水に含まれる汚濁物を沈降させる沈降槽と、
前記沈降槽の内部に配置され、前記汚濁物を掻き寄せて集積させる掻寄機と、
前記沈降槽の内部のうち少なくとも前記流出口の側に設けられ、酸素を透過する酸素透過膜を含む酸素透過膜ユニットと、を備え、
前記酸素透過膜ユニットは、前記汚濁物の沈降方向に向かうほど前記流入口よりも前記流出口に近付くように傾斜しており、
前記酸素透過膜ユニットは、前記汚濁物を落下させると共に、前記酸素透過膜の内側から酸素含有気体を供給することにより、前記被処理水に対して生物処理を行う沈殿池。
【請求項2】
前記酸素透過膜ユニットは、内部に前記酸素含有気体を流通させる酸素供給体を含んでおり、
前記酸素透過膜は、当該酸素供給体の外面に配置された平膜状に形成されている請求項1に記載の沈殿池。
【請求項3】
前記酸素透過膜は、前記酸素供給体の表面及び裏面の両方の外面に配置されている請求項2に記載の沈殿池
【請求項4】
前記酸素透過膜ユニットの傾斜角が0度より大きく60度以下である請求項1から3の何れか一項に記載の沈殿池
【請求項5】
前記酸素透過膜ユニットは、側方視で前記掻寄機よりも前記汚濁物の沈降方向と反対方向にある上部領域に配置されている請求項1からの何れか一項に記載の沈殿池。
【請求項6】
前記沈降槽には、少なくとも前記流出口の側の両側壁に前記被処理水を越流させる一対のトラフが設けられており、
前記酸素透過膜ユニットは、一対の前記トラフの間の流路に亘って配置されている請求項1からの何れか一項に記載の沈殿池。
【請求項7】
前記沈降槽には、前記掻寄機により掻き寄せて集積させた前記汚濁物をメタン発酵槽に排出する排出口が設けられている請求項1からの何れか一項に記載の沈殿池。
【請求項8】
被処理水を生物処理する生物処理槽の上流側に設置される沈殿池の内部のうち少なくとも下流側に浸漬される酸素透過膜ユニットであって、
内部に酸素含有気体を流通させる酸素供給体と、当該酸素供給体の外面に配置され、酸素を透過する平膜状の酸素透過膜とを備え、
被処理水中の汚濁物の沈降方向に向かうほど前記沈殿池における被処理水の流入口よりも流出口に近付くように傾斜しており、
前記汚濁物を落下させると共に、前記酸素透過膜の内側に前記酸素含有気体を供給することにより、前記被処理水に対して生物処理を行う酸素透過膜ユニット。
【請求項9】
請求項1からの何れか一項に記載の沈殿池の運転方法であって、
前記流入口から前記流出口に向かって前記被処理水を流通させ、
前記掻寄機を作動させることにより、沈降した前記汚濁物を掻き寄せて集積させ、
前記酸素透過膜の内側から前記酸素含有気体を供給することにより、前記被処理水に対して生物処理を行う沈殿池の運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、汚濁物を含む濁水(被処理水)を処理する沈殿池が知られている(例えば、特許文献1~2参照)。この沈殿池では、濁水に含まれる汚濁物を自重により沈降させて集積させる。
【0003】
特許文献1に記載の沈殿池は、水流に対して対向して展張した複数の水中膜を備え、これらシート膜の間を濁水が通過することによって整流されると共に、汚濁物を沈降させる。
【0004】
特許文献2に記載の沈殿池は、沈殿槽の内部に複数の傾斜板を備え、この傾斜板の開口に濁水を濾過するための網状態から成る平膜が固定されている。平膜を透過した透過水が傾斜板の内部空間を通過して外部に排出されると共に汚濁物が沈降し、沈降しなかった汚濁物は、平膜の表面に付着する。この平膜に付着した汚濁物は、エアーにより剥離除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-151297号公報
【文献】特開平7-275610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の沈殿池を、下水処理場において生物処理槽の上流側に設置される最初沈殿池に適用した場合、最初沈殿池では単に汚濁物が沈降除去されるのみであるため、生物処理槽において生物処理する上での負荷が大きい。また、特許文献2に記載の沈殿池を最初沈殿池に適用したとしても、エアーは、平膜に付着した汚濁物を剥離除去することしかできず、好気的な環境を作り出すまでには至らない。
【0007】
そこで、生物処理槽の負荷を低減できる沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る沈殿池の特徴構成は、被処理水を生物処理する生物処理槽の上流側に設置される沈殿池であって、前記被処理水が流入する流入口と前記生物処理槽に前記被処理水を流出させる流出口とを有し、前記被処理水に含まれる汚濁物を沈降させる沈降槽と、前記沈降槽の内部に配置され、前記汚濁物を掻き寄せて集積させる掻寄機と、前記沈降槽の内部のうち少なくとも前記流出口の側に設けられ、酸素を透過する酸素透過膜を含む酸素透過膜ユニットと、を備え、前記酸素透過膜ユニットは、前記汚濁物の沈降方向に向かうほど前記流入口よりも前記流出口に近付くように傾斜しており、前記酸素透過膜ユニットは、前記汚濁物を落下させると共に、前記酸素透過膜の内側から酸素含有気体を供給することにより、前記被処理水に対して生物処理を行う点にある。
【0009】
被処理水を生物処理する生物処理槽の上流側に設置される沈殿池のように、窒素含有化合物や有機物等の処理対象物濃度が高い被処理水が流通する場合、酸素含有気体を供給しても溶存酸素濃度が高まらず、生物処理を行う意味がないと考えられていた。しかしながら、本発明者らは、沈殿池で生物処理を行うという新しい知見に基づき、本発明に至った。
【0010】
本構成における酸素透過膜ユニットでは、酸素透過膜の内側から供給される酸素が酸素透過膜を透過し、酸素透過膜の表面で被処理水中の窒素成分を硝化する硝化菌等の生物膜が形成され、窒素成分の硝化が行われて硝酸態窒素が生成される。この硝酸態窒素は、被処理水中の脱窒菌と脱窒菌の栄養となる有機物とにより還元されて窒素ガスが生成される。このように、酸素透過膜ユニットでは、硝化及び脱窒により、被処理水の窒素含有化合物が分解除去されて浄化される。
【0011】
つまり本構成では、酸素含有気体を被処理水内に吹き込む形態ではなく、酸素透過膜の内側に酸素含有気体を供給するため、生物処理槽の上流側に設置される沈殿池のように、窒素含有化合物等の処理対象物濃度が高い被処理水であっても、被処理水に大量の酸素含有気体を吹き込む必要がなく、生物処理を効率よく行うことができる。また、この酸素透過膜ユニットは、沈降槽の内部のうち少なくとも流出口の側に設けられているため、生物処理槽ヘと流出される被処理水の処理対象物濃度を下げることが可能となり、生物処理槽の負荷の低減、消費エネルギー量の削減をすることができる。さらに、被処理水に大量の酸素含有気体を吹き込まずに生物処理を行うため、沈降槽の底に沈降した汚泥を水中にまきあげるおそれもない。
また本構成のように、酸素透過膜ユニットを汚濁物の沈降方向に向かうほど流入口よりも流出口に近付くように傾斜させれば、酸素透過膜ユニットに衝突した汚濁物を円滑に落下させることができる。しかも、酸素透過膜ユニットを傾斜させることにより、被処理水に含まれる浮遊性の汚濁物が酸素透過膜に捕捉されやすくなるため、生物処理を効率的に進行させることができる。
【0012】
他の特徴構成は、前記酸素透過膜ユニットは、内部に前記酸素含有気体を流通させる酸素供給体を含んでおり、前記酸素透過膜は、当該酸素供給体の外面に配置された平膜状に形成されている点にある。
【0013】
本構成のように、平膜状の酸素透過膜を用いれば、酸素透過膜により生物処理を行い、被処理水を浄化することができると共に、沈降せずに下流側まで流通する浮遊性の汚濁物を酸素透過膜に衝突させて沈降させるので、沈降槽の沈降汚泥量が増大し、それをメタン発酵処理等に利用することでバイオガス量の増大効果が期待できる。また、平膜状の酸素透過膜を耐久性の高い酸素供給体の外面に配置すれば、耐久性も高めることができる。
【0014】
他の特徴構成は、前記酸素透過膜は、前記酸素供給体の表面及び裏面の両方の外面に配置されている点にある。
【0015】
他の特徴構成は、前記酸素透過膜ユニットの傾斜角が0度より大きく60度以下である点にある。
【0016】
他の特徴構成は、前記酸素透過膜ユニットは、側方視で前記掻寄機よりも前記汚濁物の沈降方向と反対方向にある上部領域に配置されている点にある。
【0017】
本構成のように、掻寄機よりも汚濁物の沈降方向と反対方向にある上部領域を活用すれば、沈殿池を改良せずに酸素透過膜ユニットを配置することができる。
【0018】
他の特徴構成は、前記沈降槽には、少なくとも前記流出口の側の両側壁に前記被処理水を越流させる一対のトラフが設けられており、前記酸素透過膜ユニットは、一対の前記トラフの間の流路に亘って配置されている点にある。
【0019】
本構成のように、一対のトラフ間の流路に亘って酸素透過膜ユニットを配置すれば、酸素透過膜ユニットにより被処理水が整流され、汚濁物の分離と生物処理を円滑に進行させることができる。その結果、沈降槽内の被処理水に乱流が発生して、汚濁物が越流してしまうといった不都合を防止することができる。
【0020】
他の特徴構成は、前記沈降槽には、前記掻寄機により掻き寄せて集積させた前記汚濁物をメタン発酵槽に排出する排出口が設けられている点にある。
【0021】
本構成のように、メタン発酵槽に汚濁物を排出すれば、増大した沈降汚泥量を、メタン発酵処理に利用することができる。
【0022】
本発明に係る酸素透過膜ユニットの特徴構成は、被処理水を生物処理する生物処理槽の上流側に設置される沈殿池の内部のうち少なくとも下流側に浸漬される酸素透過膜ユニットであって、内部に酸素含有気体を流通させる酸素供給体と、当該酸素供給体の外面に配置され、酸素を透過する平膜状の酸素透過膜とを備え、被処理水中の汚濁物の沈降方向に向かうほど前記沈殿池における被処理水の流入口よりも流出口に近付くように傾斜しており、前記汚濁物を落下させると共に、前記酸素透過膜の内側に前記酸素含有気体を供給することにより、前記被処理水に対して生物処理を行う点にある。
【0023】
本構成の酸素透過膜ユニットは、酸素含有気体を被処理水内に吹き込む形態ではなく、酸素透過膜の内側に酸素含有気体を供給するため、生物処理槽の上流側に設置される沈殿池のように、窒素含有化合物等の処理対象物濃度が高い被処理水であっても、被処理水に大量の酸素含有気体を吹き込む必要がなく、生物処理を効率よく行うことができる。また、この酸素透過膜ユニットは、沈降槽の内部のうち少なくとも流出口の側に設けられており、被処理水に含まれる浮遊性の汚濁物を生物処理槽に排出される前に衝突させて沈降させることにより、効率的に除去できる。本構成の酸素透過膜ユニットにより、生物処理槽ヘと流出される被処理水の処理対象物濃度を下げることが可能となり、生物処理槽の負荷を低減することができる。
【0024】
上記何れかの沈殿池の運転方法における特徴は、前記流入口から前記流出口に向かって前記被処理水を流通させ、前記掻寄機を作動させることにより、沈降した前記汚濁物を掻き寄せて集積させ、前記酸素透過膜の内側から前記酸素含有気体を供給することにより、前記被処理水に対して生物処理を行う点にある。
【0025】
本方法では、上述したように、生物処理槽ヘと流出される被処理水の処理対象物濃度を下げることが可能となり、生物処理槽の負荷を低減することができる。また、汚濁物を掻き寄せて集積させることにより、メタン発酵の原料となる汚泥量を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】排水処理システムにおける処理系列の説明図である。
図2】最初沈殿池の概略側面図である。
図3図2のIII-III線断面図である。
図4】酸素透過膜ユニットの概略斜視図である。
図5図4に示す酸素透過膜ユニットの詳細を示す概略斜視図である。
図6】変形例における酸素透過膜ユニットの概略斜視図である。
図7】酸素透過膜及び生物膜の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明に係る沈殿池、酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態における沈殿池は、排水処理システム100の一部を構成する最初沈殿池Xを一例として説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0028】
〔全体構成〕
図1には、流入する排水(被処理水の一例)を浄化する排水処理システム100の概略構成を図示している。この排水処理システム100は、下水処理場等に設けられている。排水処理システム100は、上流から連続的に流入する排水を生物処理する生物処理槽Rを備えている。生物処理槽Rは、嫌気処理装置1と、嫌気処理装置1よりも下流側の好気処理装置2とを有する。
【0029】
本実施形態においては、生物処理槽Rに流入する排水は、少なくともアンモニア性窒素などの窒素含有化合物(以下、「窒素成分」と記載する)と、有機物とを含んでいる。生物処理槽Rでは、窒素成分を亜硝酸態窒素や硝酸態窒素に酸化する硝化(好気性処理)や、亜硝酸態窒素や硝酸態窒素を還元して窒素ガスに還元する脱窒(嫌気性処理)が行われる。以下では、亜硝酸態窒素と硝酸態窒素とを包括して、単に「硝酸態窒素」と記載する。
【0030】
本実施形態の排水処理システム100は、生物処理槽Rの上流に最初沈殿池X(沈殿池の一例)、生物処理槽Rの下流に最終沈殿池99を含んでいる。排水処理システム100は、最初沈殿池X、生物処理槽R及び最終沈殿池99を有する複数の処理系列N1,N2,N3等を有する場合がある。これら処理系列N1,N2,N3は、いずれも等価である。以下では、処理系列N1について説明するが、処理系列N2,N3についても同様である。なお、本実施形態において生物処理槽Rに貯留されている排水の概念には、活性汚泥としての硝化菌や脱窒菌を含む浮遊物質(SS)が懸濁状態で存在している、いわゆる混合液の概念を含む。
【0031】
〔各部の説明〕
最初沈殿池Xは、流入した排水に含まれる土砂や夾雑物、汚泥の一部を沈降させて除去するための槽である。最初沈殿池Xで除去されなかった窒素成分と有機物とを含む排水が生物処理槽R(嫌気処理装置1)へ流入する。最初沈殿池Xの詳細は、後述する。
【0032】
生物処理槽Rは、少なくとも1つの嫌気処理装置1と、嫌気処理装置1よりも下流に直列的に接続された少なくとも1つの好気処理装置2とを有する。嫌気処理装置1に流入した排水は、嫌気処理装置1で所定時間だけ滞留して好気処理装置2に流入する。好気処理装置2に流入した排水は、好気処理装置2で所定時間だけ滞留して流出する。好気処理装置2では、主として硝化が進行する。嫌気処理装置1では、主として脱窒が進行し、併せて硝化も進行する。好気処理装置2から流出した排水の一部は、返送流路9を介してポンプ(図示せず)などで送液されて嫌気処理装置1に返送(供給)される。以下では、返送流路9により嫌気処理装置1に返送される処理水を硝化液と記載する。
【0033】
生物処理槽Rは上記構成に限定されるものでなく、好気槽から流出した排水の一部を無酸素槽へ返送して脱窒を行う嫌気無酸素好気法を行うような嫌気処理槽、無酸素処理槽、好気処理槽を有する構成としても良いし、ステップ流入式多段硝化脱窒法で嫌気無酸素好気法を行うような嫌気処理槽、第一無酸素槽、第一好気槽、第二無酸素槽、第二好気槽、・・・第N無酸素槽、第N好気槽を有する構成としても良いし、ステップ流入式多段硝化脱窒法を行うような第一無酸素槽、第一好気槽、第二無酸素槽、第二好気槽、・・・第N無酸素槽、第N好気槽を有する構成としても良いし、嫌気槽及び好気槽別々に設けるのではなく、1つの槽内で上流側を嫌気,無酸素領域、下流側を好気領域とする単一の生物反応槽としても良い。脱窒は何れの構成においても嫌気処理槽や無酸素槽で進行する。
【0034】
嫌気処理装置1は、排水が嫌気的な環境(溶存酸素の乏しい環境)に保たれた槽である。嫌気処理装置1では、主として脱窒を行い、併せて硝化も行う。嫌気処理装置1では、酸素透過膜(不図示)を介して排水に酸素が供給されており、酸素透過膜の表面近傍で硝化が進行する。嫌気処理装置1における酸素透過膜の表面近傍以外の領域は嫌気的な環境に保たれており、脱窒菌により脱窒が進行する。
【0035】
好気処理装置2は、排水が好気的な環境(溶存酸素に富む環境)に保たれた槽である。好気処理装置2には、気泡発生部(不図示)が浸漬されている。好気処理装置2では、気泡発生部からバブリングにより空気が供給(散気)されており、気泡からの酸素の溶解により、排水に酸素が供給されている(いわゆる曝気)。これにより、好気処理装置2は好気的な環境に保たれる。好気処理装置2では、気泡発生部により供給される酸素を利用した硝化や有機物の分解が進行する。好気処理装置2から最終沈殿池99に排出される排水の一部、つまり、好気処理装置2で好気処理された排水の一部は硝化液として嫌気処理装置1に返送される。
【0036】
最終沈殿池99は、好気処理装置2から流出した排水を受け入れて、排水中の活性汚泥などを沈降させる槽である。本実施形態では、最終沈殿池99において沈殿した汚泥が、返送流路9により嫌気処理装置1に返送される。
【0037】
〔最初沈殿池〕
図2図3に示すように、最初沈殿池Xは、排水が流入する流入口51と、生物処理槽R(嫌気処理装置1)に排水を流出される流出口52とを有し、排水に含まれる土砂や夾雑物、汚泥(汚濁物の一例)を沈降させる沈降槽5を備えている。本実施形態における沈降槽5の内部には、汚泥を掻き寄せて集積される掻寄機4と、酸素を透過する酸素透過膜30を含む複数の酸素透過膜ユニット3とが配置されている。
【0038】
沈降槽5は、直方体状の槽であり、上流側の底部には、掻寄機4により集積された汚泥を排出する排出ピット53がすり鉢状に傾斜して形成されている。この排出ピット53には、ポンプ(不図示)の動力により汚泥を排出するための排出口53aが設けられている。沈降槽5は、少なくとも流出口52側(下流側の上部)の両側壁に、排水を越流させる一対のトラフ54が設けられている。このトラフ54は、沈降槽5の流出口52側(上流側の上部)で、沈降槽5の3分の1程度の領域に亘って配置されている。汚泥が沈降して除去された排水は、トラフ54を越流して流出口52から流出する。
【0039】
掻寄機4は、沈降槽5の両側方に配置された一対のチェーン41と、夫々のチェーン41を回転支持する複数(図2では4つ)のスプロケット42とを備えている。一対のチェーン41に亘って、汚泥等の堆積物を掻き寄せる細長い板状のスクレーパ(不図示)が設けられており、スクレーパの両端が一対のチェーン41に固定されている。スプロケット42をモータ等の動力により回転駆動させることにより、スクレーパが取り付けられたチェーン41が回転し、沈降した堆積物をスクレーパが掻き寄せて排出ピット53に集積させる。排出口53aは、掻寄機4により掻き寄せて集積させた汚泥等の堆積物をメタン発酵槽(不図示)に排出する。そして、この汚泥等の堆積物は、メタン発酵槽にてメタン発酵処理の原料として用いられる。なお、この汚泥等の堆積物は、特に処理することなくメタン発酵槽(不図示)に排出しても良いし、公知の濃縮処理や脱水処理にて固液分離処理した後、メタン発酵槽(不図示)へ排出しても良い。
【0040】
掻寄機4のチェーン41に固定されたスクレーパは、側方視で沈降槽5の底部の略全域に亘って配置されており、沈降槽5の流出口52側の上部において沈降槽5の半分以下の領域に亘って配置されている。これにより、沈降槽5の内部のうち少なくとも下流側の上部領域は、掻寄機4が存在しない空きスペースとなっている。換言すると、この空きスペースは、側方視で掻寄機4よりも汚泥等の汚濁物の沈降方向と反対方向にある上部領域となっている。
【0041】
複数の酸素透過膜ユニット3は、沈降槽5の内部のうち少なくとも流出口52の側に設けられている。これら酸素透過膜ユニット3は、掻寄機4が存在しない空きスペースに配置されている。これら酸素透過膜ユニット3は、重力方向に沿った直立状態でも良いが、傾斜している方が好ましく、その場合の傾斜角は、汚泥等の汚濁物の沈降方向(下方向)に向かうほど流入口51よりも流出口52に近付くように、0度よりも大きく60度以下で構成されている。酸素透過膜ユニット3の傾斜角が60度を超えると、酸素透過膜ユニット3の上側に位置する酸素透過膜30の上面に汚濁物が堆積するため、好ましくない。
【0042】
また、酸素透過膜ユニット3は、一対のトラフ54の間の流路に亘って(流路を閉塞するように全体的に)配置されており、沈降槽5の流出口52側(下流側の上部)で、沈降槽5の3分の1程度の領域に亘って配置されている。複数の酸素透過膜ユニット3は、平面視において重複するように所定の間隔を空けて配置されている。なお、「酸素透過膜ユニット3を一対のトラフ54の間の流路に亘って配置する」とは、酸素透過膜ユニット3が、一対のトラフ54の間の流路の9割以上の幅を有していることを意味する。
【0043】
このように、掻寄機4よりも汚濁物の沈降方向と反対方向にある空きスペースを活用すれば、最初沈殿池Xを改良せずに(既存の最初沈殿池Xを活用して)酸素透過膜ユニット3を配置することができる。また、一対のトラフ54間の流路に亘って酸素透過膜ユニット3を配置すれば、酸素透過膜ユニット3により排水が整流され、汚濁物の分離と生物処理を円滑に進行させることができる。その結果、沈降槽5内の被処理水に乱流が発生して、汚濁物が越流してしまうといった不都合を防止することができる。
【0044】
本実施形態のように、酸素透過膜ユニット3を汚濁物の沈降方向に向かうほど流入口51よりも流出口52に近付くように傾斜させれば、酸素透過膜ユニット3に衝突した汚濁物を円滑に落下させることができる。また、酸素透過膜ユニット3を傾斜させることにより、排水に含まれる浮遊性の汚濁物が酸素透過膜30に捕捉されやすくなるため、生物処理を効率的に進行させることができる。しかも、複数の酸素透過膜ユニット3は、平面視において重複するように所定の間隔を空けて配置されているので、浮遊性の汚濁物を酸素透過膜30で効果的に捕捉され、浮遊性の汚濁物が除去された排水がトラフ54の方に誘導される。
【0045】
この酸素透過膜ユニット3には、ファンやブロワなどで構成される送風機31bから20kPa以下の小さな送風圧力で空気(酸素含有気体の一例)が供給されている。沈降槽5には、送風機31bを介して酸素透過膜ユニット3に空気を供給する供給管31と、酸素透過膜ユニット3から空気に含まれる酸素濃度が減少した気体を外部(大気)に排出する排出管32とが設けられている。供給管31から供給された空気は、合流管31aで貯留され、合流管31aから夫々の酸素透過膜ユニット3に分岐する複数の分配管31cを介して、酸素透過膜ユニット3に供給される。夫々の酸素透過膜ユニット3から排出される気体は、複数の分配管32bから合流管32aを介して、排出される。
【0046】
酸素透過膜ユニット3は、酸素透過膜30の内側から空気を供給することにより、排水に対して生物処理を行う。図4図5に示すように、酸素透過膜ユニット3は、内部に空気を流通させる支持体35(酸素供給体の一例)と、支持体35を包囲するように配置され、酸素を透過する平膜状に形成された一対の酸素透過膜30と、を有し、複数の酸素透過膜ユニット3が、フレーム体37に固定された複数の支持柱36に吊り下げられて、モジュールを構成している。これら複数の酸素透過膜ユニット3は、夫々がスペーサ38により傾斜させた状態で所定の間隔で並んでいる。他の例として、図6に示すように、酸素透過膜ユニット3は、内部に空気を流通させる筐体33(酸素供給体の一例)と、筐体33の一対の側面(外面)に配置(固定)され、酸素を透過する平膜状に形成された一対の酸素透過膜30と、を有し、複数の酸素透過膜ユニット3が、連結板34により一体化されてモジュールを構成している。
【0047】
図4図5に示す支持体35は、内部に重力方向に沿った複数の気体流路Afを有しており、一対の酸素透過膜30が密着する一対の側面全体に多数の微細孔部(不図示)を有する樹脂や不織布等で形成されている。また、一対の酸素透過膜30には、内部に支持体35を収容した状態で、夫々の気体流路Afに空気を均等に分配する上方空間35aを形成するように、周囲が溶着等で固定された密封部30aが形成されている。図6に示す筐体33は、上下方向に配置された複数の仕切板33aで区画されることにより蛇行した気体流路Afを内部に有する金属材料や樹脂材料で構成されている。また、筐体33のうち酸素透過膜30が固定される一対の側面全体には、多数の微細孔部(不図示)が形成されており、これら微細孔部から空気を酸素透過膜30に向けて均等に放出する。
【0048】
酸素透過膜30は、筐体33の内部を流通する空気に含まれる酸素を透過させて酸素透過膜30外側の排水に供給する、酸素透過能を有する平膜材料で構成されている。この平膜材料は、内側から酸素を透過させると共に外側から内側に排水を透過させない特性を有する樹脂等で形成される微細多孔シートを含んでおり、この微細多孔シートの外側には微生物を保持する生物膜層が排水処理により形成される。本実施形態における支持体35又は筐体33に設けられた酸素透過膜30の平膜面は、沈降槽5内の排水の流通方向に対して傾斜して設けられている。
【0049】
このように、平膜状の酸素透過膜30を用いることにより、沈降せずに下流側まで流通する浮遊性の汚濁物を酸素透過膜30に衝突させて沈降させると共に、酸素透過膜30により生物処理を行い、排水を浄化することができる。また、平膜状の酸素透過膜30を筐体33に固定すれば、耐久性も高めることができる。
【0050】
酸素透過膜ユニット3は、供給された空気に含まれる酸素を、複数の酸素透過膜30を介して排水に供給するように、全体が排水に浸漬されている。このため、酸素透過膜30が破損したときに排水が逆流しないように、複数の酸素透過膜30に空気を供給するための複数の分配管31cには、空気の流通を許容すると共に排水の浸入により流体の流通を遮断する止水弁Vaが設けられている。同様に、複数の酸素透過膜30から空気を排出するための複数の分配管32bには、空気の流通を許容すると共に排水の浸入により流体の流通を遮断する止水弁Vbが設けられている。換言すると、複数の分配管31c,32bの夫々には、供給管31から酸素透過膜ユニット3への空気の流通及び酸素透過膜ユニット3から排出管32への気体の流通を許容すると共に、酸素透過膜ユニット3から供給管31及び排出管32への排水の浸入を遮断する止水弁Va,Vbが設けられている。
【0051】
供給管31に連通する分配管31cに設けられる止水弁Vaは、空気の背圧を受けて開弁し、空気の流通方向とは反対方向の排水の流体圧を受けて閉弁する公知の逆止弁等で構成されている。排出管32に連通する分配管32bに設けられる止水弁Vbは、水位が低下したときには開弁し、水位が上昇したときにはフロートが浮き上がって閉弁する公知の空気抜き弁等で構成されている。
【0052】
酸素透過膜30の膜表面上には、図7に示すように、生物膜Lが形成される。本実施形態における生物膜Lは、酸素透過膜30の膜表面(外表面)に隣接して成長し、硝化菌を主として含む第一生物膜Laと、生物膜Lの外表面側で成長し、脱窒菌を主として含む第二生物膜Lbとを含んでいる。
【0053】
第一生物膜Laでは、硝化菌が、酸素透過膜30から供給される酸素により排水中の窒素成分(例えば、NH )を酸化(硝化)して、硝酸態窒素(NO )を生成する。第一生物膜Laでは、酸素透過膜30から供給される酸素は消費し尽くされる。なお、嫌気処理装置1では、第一生物膜Laにより、排水中の窒素成分の一部が硝化される。
【0054】
第二生物膜Lb及び第二生物膜Lbの外部領域(酸素透過膜ユニット3及び生物膜L以外の排水中)では、脱窒菌が、排水中の有機物(BOD)を栄養源として硝酸態窒素(NO )を還元(脱窒)して窒素(N)ガスを放出する。なお、酸素透過膜30に付着した生物膜Lを洗浄するために、気泡噴射や機械的振動や超音波照射によりシェイキング等による洗浄機構を別途設けても良い。
【0055】
このように、酸素透過膜30の内側から供給される酸素が酸素透過膜30を透過し、酸素透過膜30の表面で排水の窒素成分を硝化する硝化菌等の生物膜Lが形成され、窒素成分の硝化が行われて硝酸態窒素が生成される。この硝酸態窒素は、排水中の脱窒菌と脱窒菌の栄養となる有機物とにより還元されて窒素ガスが生成される。この硝化及び脱窒により、排水の窒素含有化合物が分解除去されて浄化される。
【0056】
本実施形態では、空気を排水内に吹き込む形態ではなく、酸素透過膜30の内側に空気を供給するため、生物処理槽Rの上流側に設置される最初沈殿池Xのように、窒素含有化合物等の処理対象物濃度が高い排水であっても、排水に大量の空気を吹き込む必要がなく、生物処理を効率よく行うことができる。効率よく生物処理することにより初沈汚泥量が増大し、メタン発酵処理等に利用することでバイオガス量の増大効果が期待できる。また、この酸素透過膜ユニット3は、沈降槽5の内部のうち少なくとも流出口52の側に設けられているため、排水に含まれる浮遊性の汚濁物を生物処理槽Rに排出される前に衝突させて沈降させることにより、効率的に除去できる。その結果、生物処理槽Rヘと流出される排水の処理対象物濃度を下げることが可能となり、生物処理槽Rの負荷の低減、消費エネルギー量の削減をすることができる。さらに、排水に大量の酸素含有気体を吹き込まずに生物処理を行うため、沈降槽5の底に沈降した汚泥等を水中にまきあげるおそれもない。
【0057】
〔最初沈殿池の運転方法〕
図2に示すように、上述した最初沈殿池Xの運転方法は、沈降槽5の流入口51から流出口52に向かって排水を流通させる流通手順と、掻寄機4を作動させることにより、沈降した汚泥等の汚濁物を掻き寄せて集積させる集積手順と、酸素透過膜30の内側から空気を供給することにより、排水に対して生物処理を行う処理手順と、を含んでいる。
【0058】
流通手順では、流入口51から流出口52に向かって排水を流通させることにより、塊状の汚濁物が自重により沈降すると共に、平膜状の酸素透過膜30に衝突した浮遊性の汚濁物が沈降する。集積手順では、この沈降した汚濁物を排出ピット53に掻き寄せて集積させ、排出口53aから汚濁物を排出することにより、排水から汚濁物を除去する。処理手順では、酸素透過膜30の内側から供給される酸素が酸素透過膜30を透過し、排水中に含まれる窒素成分を亜硝酸態窒素や硝酸態窒素に酸化する硝化(好気性処理)や、亜硝酸態窒素や硝酸態窒素を還元して窒素ガスに還元する脱窒(嫌気性処理)が行われる。その結果、生物処理槽Rヘと流出される排水の処理対象物濃度を下げることが可能となる。
【0059】
[その他の実施形態]
(1)複数の酸素透過膜ユニット3は、傾斜させずに重力方向に沿って配置しても良いし、汚濁物の沈降方向に向かうほど流入口51よりも流出口52から遠ざかるように傾斜させても良い。
(2)最終沈殿池99は、最終沈殿池99において沈殿した汚泥が、返送流路9により嫌気処理装置1に返送されることから、最終沈殿池99(沈殿池の一例)の内部のうち少なくとも流出口の側に酸素透過膜ユニット3を設けても良い。
(3)酸素透過膜ユニット3は、分配管31c,32bを含む酸素透過膜ユニット3の一部を水面より上側に配置して、止水弁Va,Vbを省略しても良い。この場合、図4に示す酸素透過膜30の上端は、開口していても良い。
【0060】
(4)図6に示す筐体33は、仕切板33aにより蛇行した気体流路Afを内部に形成したが、供給管31及び排出管32に夫々合流する合流管31a,32aから分岐した分配管31c,32bに連通する平行な直線状の複数の気体流路を内部に形成しても良い。この場合、供給管31に合流する合流管31aが酸素透過膜ユニット3の上側、排出管32に合流する合流管32aが酸素透過膜ユニット3の下側に設けられる。
(5)上述した実施形態では、複数の酸素透過膜ユニット3を支持柱36又は連結板34で連結してモジュールを形成したが、1つの酸素透過膜ユニット3でも良いし、複数の酸素透過膜ユニット3を連結することなく個別に設置しても良い。
(6)上述した実施形態における酸素透過膜ユニット3は、上下方向、左右方向に複数設けても良い。この場合、複数の酸素透過膜ユニット3を上下左右に整列して配置させても良いし、千鳥配置する等しても良い。
【0061】
(7)掻寄機4を沈降槽5の底部のみに設けて、沈降槽5の上部領域に形成された空きスペースに複数の酸素透過膜ユニット3を配置しても良い。
(8)酸素透過膜ユニット3は、一対のトラフ54の間の流路を閉塞するように配置せずに、例えば、一対のトラフ54の間の流路の半分の幅で配置しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、生物処理槽の上流側に設置される沈殿池、沈殿池に設置される酸素透過膜ユニット及び沈殿池の運転方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
3 :酸素透過膜ユニット
4 :掻寄機
5 :沈降槽
30 :酸素透過膜
33 :筐体(酸素供給体)
35 :支持体(酸素供給体)
51 :流入口
52 :流出口
54 :トラフ
R :生物処理槽
X :最初沈殿池(沈殿池)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7