(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 19/04 20060101AFI20241028BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
B25J19/04
B25J5/00 A
(21)【出願番号】P 2021045516
(22)【出願日】2021-03-19
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】高橋 泰史
(72)【発明者】
【氏名】輿石 健
(72)【発明者】
【氏名】上山 雅樹
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-307628(JP,A)
【文献】実公昭46-013423(JP,Y1)
【文献】特開2017-054108(JP,A)
【文献】国際公開第2019/009555(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走可能な駆動部と、
前記駆動部に搭載される胴部と、
前記胴部の上方に設けられ、撮像部を有する頭部と、を備え、
前記駆動部、前記胴部又は前記頭部は、前記撮像部が撮影した映像を信号としてユーザ端末に送信する送信部を有するロボットであって、
前記胴部との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が開口して上端及び下端が前記胴部と接触しない状態が保たれるように前記胴部を覆うカバーを備え、
前記頭部は、前記カバーの上端よりも上方に配置され、
前記胴部は、前記カバーを支持する支持部を有し、
前記カバーは、該カバーの重心よりも上方の位置に設けられ、前記支持部に載せられることで該カバーの支点として該カバーを揺動可能とする被支持部を有する、ロボット。
【請求項2】
前記カバーは、該カバーの重心よりも下方の位置に設けられるバランスウエイトを有する、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記胴部は、上下一対の縦軸と、前記上下一対の縦軸の間に空間を有するように該上下一対の縦軸を連結する連結部材と、を有し、
前記支持部及び前記被支持部は、前記上下一対の縦軸の間に、該上下一対の縦軸と同軸に位置する、請求項1に記載のロボット。
【請求項4】
前記カバーの上端と前記胴部との間の隙間を隠す隠蔽部材を備える、請求項1~3のいずれかに記載のロボット。
【請求項5】
前記駆動部は、タイヤが装着された車輪を左右に備え、
前記タイヤは、外周、形状、及び回転中心の位置のうち、少なくとも一つが左右で異なる、請求項1から4いずれかに記載のロボット。
【請求項6】
自走可能な駆動部と、
前記駆動部に搭載される胴部と、
前記胴部の上方に設けられ、撮像部を有する頭部と、を備え、
前記駆動部、前記胴部又は前記頭部は、前記撮像部が撮影した映像を信号としてユーザ端末に送信する送信部を有するロボットであって、
前記胴部との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が開口して上端及び下端が前記胴部と接触しない状態が保たれるように前記胴部を覆うカバーを備え、
前記胴部は、前記カバーを支持する支持部を有し、
前記カバーは、該カバーの重心よりも上方の位置に設けられ、前記支持部に載せられることで該カバーの支点として該カバーを揺動可能とする被支持部を有し、
前記カバーは、該カバーの重心よりも下方の位置に設けられるバランスウエイトを有する、ロボット。
【請求項7】
自走可能な駆動部と、
前記駆動部に搭載される胴部と、
前記胴部の上方に設けられ、撮像部を有する頭部と、を備え、
前記駆動部、前記胴部又は前記頭部は、前記撮像部が撮影した映像を信号としてユーザ端末に送信する送信部を有するロボットであって、
前記胴部との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が開口して上端及び下端が前記胴部と接触しない状態が保たれるように前記胴部を覆うカバーを備え、
前記胴部は、前記カバーを支持する支持部を有し、
前記カバーは、該カバーの重心よりも上方の位置に設けられ、前記支持部に載せられることで該カバーの支点として該カバーを揺動可能とする被支持部を有し、
前記胴部は、上下一対の縦軸と、前記上下一対の縦軸の間に空間を有するように該上下一対の縦軸を連結する連結部材と、を有し、
前記支持部及び前記被支持部は、前記上下一対の縦軸の間に、該上下一対の縦軸と同軸に位置する、ロボット。
【請求項8】
自走可能な駆動部と、
前記駆動部に搭載される胴部と、
前記胴部の上方に設けられ、撮像部を有する頭部と、を備え、
前記駆動部、前記胴部又は前記頭部は、前記撮像部が撮影した映像を信号としてユーザ端末に送信する送信部を有するロボットであって、
前記胴部との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が開口して上端及び下端が前記胴部と接触しない状態が保たれるように前記胴部を覆うカバーを備え、
前記胴部は、前記カバーを支持する支持部を有し、
前記カバーは、該カバーの重心よりも上方の位置に設けられ、前記支持部に載せられることで該カバーの支点として該カバーを揺動可能とする被支持部を有し、
前記カバーの上端と前記胴部との間の隙間を隠す隠蔽部材を備える、ロボット。
【請求項9】
自走可能な駆動部と、
前記駆動部に搭載される胴部と、
前記胴部の上方に設けられ、撮像部を有する頭部と、を備え、
前記駆動部、前記胴部又は前記頭部は、前記撮像部が撮影した映像を信号としてユーザ端末に送信する送信部を有するロボットであって、
前記胴部との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が開口して上端及び下端が前記胴部と接触しない状態が保たれるように前記胴部を覆うカバーを備え、
前記胴部は、前記カバーを支持する支持部を有し、
前記カバーは、該カバーの重心よりも上方の位置に設けられ、前記支持部に載せられることで該カバーの支点として該カバーを揺動可能とする被支持部を有し、
前記駆動部は、タイヤが装着された車輪を左右に備え、
前記タイヤは、外周、形状、及び回転中心の位置のうち、少なくとも一つが左右で異なる、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ端末による遠隔操作によって動作し、テレビ会議等を実現するロボットとして、テレプレゼンスロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。このテレプレゼンスロボットは、自走可能な駆動部と、駆動部に搭載された胴部と、胴部の上方に設けられて撮像部を有する頭部と、を備え、撮像部で撮影した映像を信号としてユーザ端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のテレプレゼンスロボットは、完全に静止する場合もある等、無機質で冷たい印象がある。人はたえず身体の様々な部分を動かすことによって、言葉を用いるのとは異なる手段で意思をまわりに伝えていることが多い。この身体の動きを使った意思表現がないとまわりと十分に意思疎通が行えない場合があるため、まわりの者が不安や恐怖を感じたりすることがあり、人と共存する環境で使われるロボットとしては望ましいことではなかった。従って、人間らしい動きを実現可能なロボットが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、人間らしい動きを実現するロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係るロボット(例えば、後述するロボット5,6,10)は、自走可能な駆動部(例えば、後述する駆動部11)と、前記駆動部に搭載される胴部(例えば、後述する胴部12)と、前記胴部の上方に設けられ、撮像部(例えば、後述する撮像部142)を有する頭部(例えば、後述する頭部14)と、を備え、前記駆動部、前記胴部又は前記頭部は、前記撮像部が撮影した映像を信号としてユーザ端末に送信する送信部(例えば、後述する送信部146)を有するロボットであって、前記胴部との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が開口して上端及び下端が前記胴部と接触しない状態が保たれるように前記胴部を覆うカバー(例えば、後述するカバー55,65,105)を備え、前記胴部は、前記カバーを支持する支持部(例えば、後述する支持部122a,122b,1223)を有し、前記カバーは、該カバーの重心よりも上方の位置に設けられ、前記支持部に載せられることで該カバーの支点として該カバーを揺動可能とする被支持部(例えば、後述する被支持部55a,65a,105a)を有する。
【0007】
(1)のロボットによれば、カバーを揺動させることで人間を模した動きが可能となる。従って、(1)のロボットによれば、人間らしい動きを実現できる。
【0008】
(2) (1)のロボットにおいて、前記カバーは、該カバーの重心よりも下方の位置に設けられるバランスウエイト(例えば、後述するバランスウエイト652)を有してよい。
【0009】
(2)のロボットによれば、カバーがバランスウエイトを有しているので、基本姿勢においてカバーが傾くことを防止できる。
【0010】
(3) (1)のロボットにおいて、前記胴部は、上下一対の縦軸(例えば、後述する上下一対の縦軸1221,1222)と、前記上下一対の縦軸の間に空間を有するように該上下一対の縦軸を連結する連結部材(例えば、後述する連結部材1224)と、を有し、前記支持部及び前記被支持部は、前記上下一対の縦軸の間に、該上下一対の縦軸と同軸に位置してよい。
【0011】
(3)のロボットによれば、支持部及び被支持部が上下一対の縦軸と同軸に位置しているので、基本姿勢においてカバーが傾くことを防止できる。
【0012】
(4) (1)~(3)いずれかのロボットにおいて、前記カバーの上端と前記胴部との間の隙間を隠す隠蔽部材(例えば、後述する隠蔽部材51)を備えてよい。
【0013】
(4)のロボットによれば、隠蔽部材を備えているので、カバーの上端と胴部との間の隙間を隠すことができる。従って、(4)のロボットによれば、意匠性を高めることができる。
【0014】
(5) (1)から(4)いずれかのロボットにおいて、前記駆動部は、タイヤが装着された車輪を左右に備え、前記タイヤは、外周、形状、及び回転中心の位置のうち、少なくとも一つが左右で異なってもよい。
【0015】
(5)のロボットによれば、駆動部が備えるタイヤの外周、形状、及び回転中心の位置のうち少なくとも一つが左右で異なるため、走行するだけでカバーを揺動させることができる。従って、(5)のロボットによれば、より人間らしい動きを実現できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来よりも人間らしい動きを実現できるロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るロボットの正面側から視た外観斜視図である。
【
図2】
図1に示すロボットの背面側から視た外観斜視図である。
【
図3】
図1に示すロボットの正面側から視た分解斜視図であり、一部分を拡大して示す。
【
図4】
図1に示すロボットの内部を側面側から視た拡大斜視図であり、左カバーを外した状態を示す。
【
図6】
図1に示すロボットの側面図であり、(A)は基本姿勢を示し、(B)はカバーの下端が後方に傾くように当該カバーを揺動させた姿勢を示し、(C)はカバーの下端が前方に傾くように当該カバーを揺動させた姿勢を示す。
【
図7】
図1に示すロボットの正面図であり、(A)は基本姿勢を示し、(B)はカバーの下端が右方に傾くように当該カバーを揺動させた姿勢を示し、(C)はカバーの下端が左方に傾くように当該カバーを揺動させた姿勢を示す。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るロボットの上面図であり、頭部を省略して示す。
【
図9】本発明の第3実施形態に係るロボットの一部分を示す側面図であり、左カバーを外した状態を示す。
【
図10】本発明の第4実施形態に係るロボットの要部を示す拡大斜視図である。
【
図11】本発明の第5実施形態に係るロボットの一部分を示す側面図であり、左カバーを外した状態を示す。
【
図12】本発明の第6実施形態に係るロボットを示す拡大斜視図である。
【
図13】本発明の第7実施形態に係るロボットの一部分を示す側面図であり、左カバーを外した状態を示す。
【
図15】本発明の第8実施形態に係るロボットの一部分を示す側面図であり、左カバーを外した状態を示す。
【
図16】
図15に示すロボットの一部分を示す正面図であり、カバーの前方半分を省略して示す。
【
図17】本発明の第9実施形態に係るロボットの一部分を示す外観斜視図である。
【
図18】本発明の第10実施形態に係るロボットの内部を示す斜視図である。
【
図19】本発明の第11実施形態に係るロボットを示す拡大斜視図である。
【
図20】本発明の第12実施形態に係るロボットを示す拡大斜視図である。
【
図21】本発明の第13実施形態に係るロボットを示す拡大斜視図である。
【
図22】本発明の第14実施形態に係るロボットを示す拡大斜視図である。
【
図23】本発明の第15実施形態に係るロボットを示す拡大斜視図である。
【
図24】本発明の第16実施形態に係るロボットを示す拡大斜視図である。
【
図25】本発明の第1実施形態に係るロボットの変形例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面中の矢印Xは進行方向を向いた場合の左右方向を示し、矢印Yは進行方向を向いた場合の前後方向を示す。また、第2実施形態以降の各実施形態の説明において、他の実施形態と共通する構成、作用及び効果については同一の符号を付す等して、その説明を適宜省略する。
【0019】
[第1実施形態]
まず、
図1~
図5を用いて、本発明の第1実施形態に係るロボット1の構成について説明する。
図1は、ロボット1の正面側から視た外観斜視図である。
図2は、ロボット1の背面側から視た外観斜視図である。
図3は、ロボット1の正面側から視た分解斜視図であり、一部分を拡大して示す。
図4は、ロボット1の内部を側面側から視た拡大斜視図であり、左カバー151を外した状態を示す。
図5は、ロボット1のブロック図である。
【0020】
本実施形態に係るロボット1には、インターネットを介して接続されているユーザ端末による遠隔操作によって動作して、ユーザがその場にいるかのようにテレビ会議等や移動等ができるテレプレゼンスロボットや、遠隔操作する作業機等が含まれる。すなわち、ロボット1は、遠隔地に居るユーザの分身として活動するロボットであり、屋内だけでなく、屋外で活動することも可能である。例えば、ユーザは、動物園等に配置されているロボット1を自宅から遠隔操作することで、実際に動物園に足を運ぶことなく、自宅に居ながら擬似的に動物園で遊ぶことができる。このロボット1は、胴部12のカバー15を揺動させることで人間を模した動きが可能となり、結果として人間らしい動きを実現できる。
【0021】
ユーザ端末は、インターネットを介してロボット1に接続される端末であり、画像、音及び文字等の情報を入力する入力機能、並びに、画像、音及び文字等の情報を出力する出力機能を有している。ユーザ端末としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等の汎用機が採用される。
【0022】
具体的に、ロボット1は、駆動部11と、胴部12と、首部13と、頭部14と、カバー15と、第1揺動機構16と、第2揺動機構17と、等を備えている。このロボット1は、制御部141によって統括的に制御される。すなわち、ロボット1は、制御部141の制御下において動作する。
【0023】
駆動部11は、人間における足に相当する部位である。具体的に、駆動部11は、台座111と、駆動輪112と、操舵輪113と、等を備えている。この駆動部11は、駆動輪112及び操舵輪113を有することで自走可能であり、ロボット1の前進、後退及び旋回を行う。なお、本実施形態では、駆動輪112及び操舵輪113の数を2輪ずつとして図示したが、これらの数は2輪ずつに限定されるものではない。例えば、駆動部11は、駆動輪112が2輪であって、操舵輪113が1輪であってもよい。
【0024】
左右一対の駆動輪112及び左右一対の操舵輪113は、いずれもタイヤが装着されている。ここで、左右一対の駆動輪112に装着されたタイヤは、その外周、形状、及び回転中心の位置のうち、少なくとも一つが左右で異なるように設定されている。例えば偏肉タイヤを用いることにより、左右のタイヤの外周や形状を異なるものとすることが可能である。また、回転中心の位置が左右で異なるということは、回転中心の位置が左右対称の位置にないことを意味する。このような場合には、ロボット1は走行するだけで振動してカバー15を揺動可能となる。同様に、左右一対の操舵輪113に装着されたタイヤは、その外周、形状、及び回転中心の位置のうち、少なくとも一つが左右で異なるように設定されている。このような場合にも、ロボット1は走行するだけで振動してカバー15を揺動可能となる。
【0025】
胴部12は、人間における胴に相当する部位である。この胴部12は、駆動部11の台座111に搭載されていて、カバー15で覆われている。具体的に、胴部12は、胴部下部121と、胴部上部122と、等を備えている。胴部下部121は、略円錐台状となるように駆動部11の台座111と一体に形成され、胴部上部122を支持する。胴部上部122は、例えば金属製の円管状の支柱であり、胴部下部121に支持されることで、鉛直方向に沿って配置される縦軸として機能する。
【0026】
首部13は、人間における首に相当する部位である。この首部13は、球状に形成されていて、胴部12と頭部14との間に設けられている。すなわち、首部13は、頭部14を胴部12に繋いでいる。
【0027】
頭部14は、人間における頭に相当する部位である。この頭部14は、首部13を介して、胴部12の上方に傾斜可能に設けられている。具体的に、頭部14は、制御部141と、撮像部142と、マイク143と、ディスプレイ144と、スピーカ145と、送信部146と、受信部147と、傾斜機構148と、等を備えている。
【0028】
制御部141は、プログラムを実行することによって、ロボット1を統括的に制御する。
【0029】
例えば、制御部141は、受信部147で受信した音声の信号を識別して、当該信号に基づいて第1モータ162及び第2モータ172を回転させ、第1コイルばね161及び第2コイルばね171を振動させる。具体的に、制御部141は、受信部147で受信した音声の信号が、ユーザが話した時の音声の信号である場合に、第1コイルばね161及び第2コイルばね171を第1の周期でゆっくりと振動させるように、第1モータ162及び第2モータ172を制御する。この制御部141は、受信部147で受信した音声の信号が、ユーザが笑った時の音声の信号である場合に、第1コイルばね161及び第2コイルばね171を、ユーザが話した時の音声の信号である場合とは異なる振幅、周波数、又は向きの振動となるように、第1モータ162及び第2モータ172を制御する。具体的に、制御部141は、受信部147で受信した音声の信号が、ユーザが笑った時の音声の信号である場合に、第1コイルばね161及び第2コイルばね171を、第1の周期よりも短い第2の周期で小刻みに振動させるように、第1モータ162及び第2モータ172を制御する。
【0030】
あるいは、制御部141は、駆動部11の進行方向又は旋回方向に基づいて第1モータ162及び第2モータ172を回転させ、カバー15を揺動させる。具体的に、制御部141は、駆動部11が進行し又は旋回する前にカバー15の揺動を開始させるように、第1モータ162及び第2モータ172を制御する。この制御部141は、カバー15の下端が、駆動部11の進行方向又は旋回方向と逆の方向に傾くように、第1モータ162及び第2モータ172を制御してカバー15を揺動させる。あるいは、制御部141は、第1モータ162及び第2モータ172を制御してカバー15を揺動させる場合に、傾斜機構148を動作させ、頭部14を傾斜させてもよい。さらに、制御部141は、駆動部11の速度又は加速度に基づく傾きとなるように、第1モータ162及び第2モータ172を制御してカバー15を揺動させる。
【0031】
撮像部142は、画像の入力手段である。この撮像部142は、ロボット1の前方を撮影する。撮像部142で撮影された映像は、送信部146によってユーザ端末に即時に信号として送信される。
【0032】
マイク143は、音の入力手段である。このマイク143は、ロボット1の周囲で生じた音声等の音を信号に変換する。マイク143で変換された音の信号は、送信部146によってユーザ端末に即時に送信される。
【0033】
ディスプレイ144は、画像の出力手段である。このディスプレイ144は、ユーザ端末で撮影されたユーザの顔等の映像を即時に表示する。
【0034】
スピーカ145は、音の出力手段である。このスピーカ145は、ユーザ端末の周囲で生じた音声等の音を即時に出力する。
【0035】
送信部146は、ユーザ端末との通信手段である。この送信部146は、ロボット1に入力された画像及び音等の情報を信号としてユーザ端末に即時に送信する。例えば、送信部146は、撮像部142が撮影した映像を信号としてユーザ端末に即時に送信する。
【0036】
受信部147は、ユーザ端末との通信手段である。この受信部147は、ユーザ端末に入力された画像、音及び文字等の情報を信号として即時に受信する。
【0037】
傾斜機構148は、頭部14を傾斜させる機構であり、図示を省略するモータ等によって構成されている。
【0038】
カバー15は、人間における胴に相当する部位であり、また、意匠性を有していると共に着脱可能で交換可能であることから着衣に相当する部位でもある。このカバー15は、例えば樹脂製であり、胴部12との間に空間を有するように胴部12を覆うと共に、当該カバー15の上端で首部13に支持されていることで、首部13を支点として揺動可能である。
【0039】
カバー15は、その上端が首部13に当接した状態で支持されており、その上端側内周面と首部13との間には、隙間が無い状態である。また、カバー15の下端部は、支持されておらず、これにより、より揺動し易くなっている。
【0040】
また、カバー15は、上端が下端よりも細くなるように上端及び下端が開口しているテーパ状(傘形)であり、首部13に被せられている。さらに、カバー15は、左右で分割可能である。具体的に、カバー15は、左カバー151と、右カバー152とを備えている。
【0041】
左カバー151は、カバー15の左半分を構成している。この左カバー151は、右カバー152と当接する端縁に沿って、互いに間隔を空けて複数の穴1511を有しており、当該穴1511の中にマグネット1512を配置している。
【0042】
右カバー152は、カバー15の右半分を構成している。この右カバー152は、左カバー151と当接する端縁に沿って、互いに間隔を空けて複数の穴1521を有しており、当該穴1511の中から突出するようにマグネット1522を配置している。
【0043】
このように、左カバー151はマグネットダボ凹を有しており、また、右カバー152はマグネットダボ凸を有している。このような構成により、右カバー152のマグネット1522を左カバー151の穴1511に嵌入させてマグネット1512に貼り付かせることで、左カバー151及び右カバー152が合体し、カバー15を構成する。結果として、カバー15は、センター分割、及び強力マグネットによる着脱が可能となる。
【0044】
第1揺動機構16は、カバー15を左右方向に揺動させる機構である。具体的に、第1揺動機構16は、第1コイルばね161と、第1モータ162と、第1リンク機構163と、一対のマグネット164と、等を備えている。
【0045】
第1コイルばね161は、胴部12とカバー15との間に配置される弾性部材である。例えば
図4に示されるように、第1コイルばね161は、胴部12とカバー15とを接続する接続部材として機能させることができ、一端が第1リンク機構163の先端に接続されていると共に他端がカバー15に対して着脱可能に接続される。より詳しくは、第1コイルばね161の両端に設けられたフック状の係合部161aが、第1リンク機構163の先端に突出して形成された被係合部163aと、カバー15の内壁から内側に突出する取付部15aに形成された孔部15bのそれぞれに対して係合/分離されることにより、着脱自在となっている。この第1コイルばね161は、第1リンク機構163に引っ張られること等によって、水平なX軸方向(左右方向、第1軸方向)に振動する。
【0046】
第1モータ162は、カバー15を振動させる動力源となる。この第1モータ162は、胴部12における胴部上部122に固定されている。
【0047】
第1リンク機構163は、第1コイルばね161を介して第1モータ162の動力をカバー15に伝達する動力伝達機構であり、第1モータ162の回転動力を並進動力に変換する。この第1リンク機構163は、基端が第1モータ162の軸162aに取り付けられていると共に、先端が第1コイルばね161に取り付けられている。
【0048】
一対のマグネット164は、カバー15の第1コイルばね取付部の先端と、胴部12の第1リンク機構163の先端とに取り付けられている。これら一対のマグネット164は、ネオジ・鉄・ボロン系焼結磁石、サマリウムコバルト磁石等の強力な磁石であり、S極とS極、あるいはN極とN極が対向するように配置されていることで、その反発力で胴部12とカバー15との接触を防止する。具体的に、一対のマグネット164は、互いに離れている状態では反発力は小さく、その小さい力の影響を受けつつ互いに動く。一方、一対のマグネット164は、カバー15が揺動して互いに近づいた状態では、反発力は大きくなり、その大きい力の影響を受けて互いにそれ以上近づかない。
【0049】
第2揺動機構17は、カバー15を前後方向に揺動させる機構である。具体的に、第2揺動機構17は、第2コイルばね171と、第2モータ172と、第2リンク機構173と、一対のマグネット174と、等を備えている。
【0050】
第2コイルばね171は、胴部12とカバー15との間に配置される弾性部材である。例えば
図4に示されるように、第2コイルばね171は、胴部12とカバー15とを接続する接続部材として機能させることができ、一端が第2リンク機構173の先端に接続されていると共に他端がカバー15に対して着脱可能に接続される。より詳しくは、第2コイルばね171の両端に設けられたフック状の係合部171aが、第2リンク機構173の先端に突出して形成された被係合部173aと、カバー15の内壁から内側に突出する取付部15cに形成された孔部15dのそれぞれに対して係合/分離されることにより、着脱自在となっている。この第2コイルばね171は、第2リンク機構173に引っ張られること等によって、X軸方向に直交する水平なY軸方向(前後方向、第2軸方向)に振動する。
【0051】
第2モータ172は、カバー15を振動させる動力源となる。この第2モータ172は、胴部12における胴部上部122に固定されている。
【0052】
第2リンク機構173は、第2コイルばね171を介して第2モータ172の動力をカバー15に伝達する動力伝達機構であり、第2モータ172の回転動力を並進動力に変換する。この第2リンク機構173は、基端が第2モータ172の軸172aに取り付けられていると共に、先端が第2コイルばね171に取り付けられている。
【0053】
一対のマグネット174は、カバー15の第2コイルばね取付部の先端と、胴部12の第2リンク機構173の先端とに取り付けられている。これら一対のマグネット174は、ネオジ・鉄・ボロン系焼結磁石、サマリウムコバルト磁石等の強力な磁石であり、S極とS極、あるいはN極とN極が対向するように配置されていることで、その反発力で胴部12とカバー15との接触を防止する。具体的に、一対のマグネット174は、互いに離れている状態では反発力は小さく、その小さい力の影響を受けつつ互いに動く。一方、一対のマグネット174は、カバー15が揺動して互いに近づいた状態では、反発力は大きくなり、その大きい力の影響を受けて互いにそれ以上近づかない。
【0054】
なお、
図4に示される例では、第1コイルばね161の振動方向である第1軸方向と第2コイルばね171の振動方向である第2軸方向は直交しているが、これに限定されない。第1軸方向と第2軸方向は互いに異なる方向であればよい。
【0055】
また、第1コイルばね161及び第2コイルばね171は、それぞれ、一端が胴部12に着脱自在に接続され、他端がカバー15に着脱自在に接続される構成としてもよい。この場合、第1リンク機構163及び第2リンク機構173は、それぞれ、カバー15に直接接続される。すなわち、第1リンク機構163及び第2リンク機構173は、それぞれ、第1コイルばね161と第2コイルばね171を介することなく、各モータの動力を直接カバー15に伝達する。また、この場合、コイルばねは、リンク機構の上方又は下方に配置される。
【0056】
次に、
図6及び
図7を用いて、ロボット1の動作について説明する。
図6は、ロボット1の側面図である。
図6の(A)は、基本姿勢を示す。
図6の(B)は、カバー15の下端が前方に傾くように当該カバー15を揺動させた姿勢を示す。
図6の(C)は、カバー15の下端が後方に傾くように当該カバー15を揺動させた姿勢を示す。
図7は、ロボット1の正面図である。
図7の(A)は、基本姿勢を示す。
図7の(B)は、カバー15の下端が右方に傾くように当該カバー15を揺動させた姿勢を示す。
図7の(C)は、カバー15の下端が左方に傾くように当該カバー15を揺動させた姿勢を示す。
【0057】
停止している場合、ロボット1は、カバー15を揺動させていない基本姿勢を保っている(
図6の(A)及び
図7の(A)参照)。
【0058】
停止している状態から単に前進する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11を動作させて前進する(
図6の(A)→
図6の(B)参照)。この場合、カバー15の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の前傾を開始させてもよい。
【0059】
停止している状態から前進且つ左旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11を動作させて前進且つ左旋回する(
図6の(A)及び
図7の(A)→
図6の(B)及び
図7の(B)参照)。この場合、カバー15の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の前傾を開始させてもよい。
【0060】
停止している状態から前進且つ右旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11を動作させて前進且つ右旋回する(
図6の(A)及び
図7の(A)→
図6の(C)及び
図7の(C)参照)。この場合、カバー15の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の前傾を開始させてもよい。
【0061】
停止している状態から単に後退する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11を動作させて後退する(
図6の(A)→
図6の(C)参照)。この場合、カバー15の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の前傾を開始させてもよい。
【0062】
停止している状態から後退且つ左旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11を動作させて後退且つ左旋回する(
図6の(A)及び
図7の(A)→
図6の(C)及び
図7の(B)参照)。この場合、カバー15の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の前傾を開始させてもよい。
【0063】
停止している状態から後退且つ右旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11を動作させて後退且つ右旋回する(
図6の(A)及び
図7の(A)→
図6の(C)及び
図7の(C)参照)。この場合、カバー15の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の前傾を開始させてもよい。
【0064】
単に前進している状態から停止する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を停止する(
図6の(B)→
図6の(C)参照)。停止する際、又は停止した後、ロボット1は、カバー15の揺動を止めて基本姿勢を保つ(
図6の(A)参照)。なお、停止する際に頭部14が前傾している場合には、頭部14を前傾していない状態に復帰させる。
【0065】
前進且つ左旋回している状態から停止する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を停止する(
図6の(B)及び
図7の(B)→
図6の(C)及び
図7の(C)参照)。停止する際、又は停止した後、ロボット1は、カバー15の揺動を止めて基本姿勢を保つ(
図6の(A)及び
図7の(A)参照)。なお、停止する際に頭部14が前傾している場合には、頭部14を前傾していない状態に復帰させる。
【0066】
前進且つ右旋回している状態から停止する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を停止する(
図6の(B)及び
図7の(C)→
図6の(C)及び
図7の(B)参照)。停止する際、又は停止した後、ロボット1は、カバー15の揺動を止めて基本姿勢を保つ(
図6の(A)及び
図7の(A)参照)。なお、停止する際に頭部14が前傾している場合には、頭部14を前傾していない状態に復帰させる。
【0067】
単に後退している状態から停止する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を停止する(
図6の(C)→
図6の(B)参照)。停止する際、又は停止した後、ロボット1は、カバー15の揺動を止めて基本姿勢を保つ(
図6の(A)参照)。なお、停止する際に頭部14が前傾している場合には、頭部14を前傾していない状態に復帰させる。
【0068】
後退且つ左旋回している状態から停止する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を停止する(
図6の(C)及び
図7の(B)→
図6の(B)及び
図7の(C)参照)。停止する際、又は停止した後、ロボット1は、カバー15の揺動を止めて基本姿勢を保つ(
図6の(A)及び
図7の(A)参照)。なお、停止する際に頭部14が前傾している場合には、頭部14を前傾していない状態に復帰させる。
【0069】
後退且つ右旋回している状態から停止する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を停止する(
図6の(C)及び
図7の(C)→
図6の(B)及び
図7の(B)参照)。停止する際、又は停止した後、ロボット1は、カバー15の揺動を止めて基本姿勢を保つ(
図6の(A)及び
図7の(A)参照)。なお、停止する際に頭部14が前傾している場合には、頭部14を前傾していない状態に復帰させる。
【0070】
単に前進している状態から前進且つ左旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(B)及び
図7の(A)→
図6の(B)及び
図7の(B)参照)。
【0071】
単に前進している状態から前進且つ右旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(B)及び
図7の(A)→
図6の(B)及び
図7の(C)参照)。
【0072】
前進且つ左旋回している状態から前進且つ右旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(B)及び
図7の(B)→
図6の(B)及び
図7の(C)参照)。
【0073】
前進且つ左旋回している状態から単に前進する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方だけに傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(B)及び
図7の(B)→
図6の(B)及び
図7の(A)参照)。
【0074】
前進且つ右旋回している状態から前進且つ左旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(B)及び
図7の(C)→
図6の(B)及び
図7の(B)参照)。
【0075】
前進且つ右旋回している状態から単に前進する場合、ロボット1は、カバー15の下端が後方だけに傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(B)及び
図7の(C)→
図6の(B)及び
図7の(A)参照)。
【0076】
単に後退している状態から後退且つ左旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(C)及び
図7の(A)→
図6の(C)及び
図7の(B)参照)。
【0077】
単に後退している状態から後退且つ右旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(C)及び
図7の(A)→
図6の(C)及び
図7の(C)参照)。
【0078】
後退且つ左旋回している状態から後退且つ右旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ左方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(C)及び
図7の(B)→
図6の(C)及び
図7の(C)参照)。
【0079】
後退且つ左旋回している状態から単に後退する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方だけに傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(C)及び
図7の(B)→
図6の(C)及び
図7の(A)参照)。
【0080】
後退且つ右旋回している状態から後退且つ左旋回する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方且つ右方に傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(C)及び
図7の(C)→
図6の(C)及び
図7の(B)参照)。
【0081】
後退且つ右旋回している状態から単に後退する場合、ロボット1は、カバー15の下端が前方だけに傾くように、カバー15の揺動を開始させてから、駆動部11の動作を変更する(
図6の(C)及び
図7の(C)→
図6の(C)及び
図7の(A)参照)。
【0082】
カバー15の傾く角度は、速度が小さいほど小さく、速度が大きいほど大きくなり、また、加速度が小さくほど小さく、加速度が大きいほど大きくなる。
【0083】
また、本実施形態に係るロボット1では、前進中に傾斜機構148を動作させて、頭部14を前傾させ、減速時には傾斜機構148を動作させて頭部14を後傾させてもよい。あるいは、前進中に速度が変化しない場合には、傾斜機構148を動作させて、頭部14を一定の角度で前傾させてもよい。さらには、斜め移動時に傾斜機構148を動作させて、頭部14を移動方向と反対方向に傾斜させてもよい。
【0084】
このようなロボット1によれば、カバー15を揺動させることで人間を模した動きが可能となる。結果として、人間らしい動きを実現できる。
【0085】
また、ロボット1によれば、カバー15の上端が首部13に当接した状態でカバー15が支持されるため、カバー15をより確実に支持でき、人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0086】
また、ロボット1によれば、カバー15の上端側内周面と首部13との間に隙間が無い状態でカバー15が支持されるため、カバー15をより確実に支持でき、人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0087】
また、ロボット1によれば、カバー15の下端部が支持されていないため、カバー15をより確実に揺動させることができるため、より人間らしい動きを実現できる。
【0088】
また、ロボット1によれば、カバー15が球状の首部13に被せられているので、球状の首部13を支点としてカバー15を滑らかに揺動させることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0089】
また、ロボット1によれば、駆動部11が備えるタイヤの外周、形状、及び回転中心の位置のうち少なくとも一つが左右で異なるため、走行するだけでカバー15を揺動させることができる。従って、ロボット1によれば、より人間らしい動きを実現できる。
【0090】
また、ロボット1によれば、胴部12とカバー15との間に配置される第1コイルばね161及び第2コイルばね171が外力を吸収するので、カバー15の無駄な揺れを抑えることができる。また、カバーが揺れたときに胴部とカバーが接触するのを回避できる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0091】
また、ロボット1によれば、弾性部材として、X軸方向に振動する第1コイルばね161と、Y軸方向に振動する第2コイルばね171と、を備えているので、前後、左右、斜めの複合的な揺動が可能となる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0092】
また、ロボット1によれば、動力源となる第1モータ162及び第2モータ172を備えているので、能動的にカバー15を揺動させることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0093】
また、ロボット1によれば、第1リンク機構163が第1コイルばね161を介して第1モータ162の動力をカバー15に伝達するものであり、第2リンク機構173が第2コイルばね171を介して第2モータ172の動力をカバー15に伝達するものであるため、各リンク機構と各コイルばねとを1か所にまとめて配置することができ、ロボット1をコンパクトな構成にできる。
【0094】
また、ロボット1によれば、簡単な構造で第1モータ162及び第2モータ172の動力をカバー15に伝達させることができる。すなわち、簡単な構造でカバー15を揺動させることができる。
【0095】
また、ロボット1の変形例によれば、各リンク機構が各コイルばねを介することなく各モータの動力をカバー15に伝達できる構造とすることができ、この場合には、人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0096】
また、ロボット1の変形例によれば、コイルばねがリンク機構の上方又は下方に配置される構造とすることができ、この場合には、各モータの動力をカバー15に確実に伝達でき、人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0097】
また、ロボット1によれば、第1コイルばね161及び第2コイルばね171が胴部12又はカバー15に対して着脱自在であるため、簡単な構造でカバー15を揺動させることができる。
また、ロボット1によれば、ユーザの音声の信号に基づいて、カバー15を揺動させることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0098】
また、ロボット1によれば、ユーザが話した時にカバー15を揺動させることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0099】
また、ロボット1によれば、ユーザが笑った時に、ユーザがしゃべった時と比較して、カバー15を小刻みに揺動させることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0100】
また、ロボット1によれば、駆動部11の進行方向又は旋回方向に基づいてカバー15を揺動させることで、人間を模した動きが可能となる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0101】
また、ロボット1によれば、駆動部11が進行し又は旋回する前にカバー15の揺動を開始することになるので、すなわち、カバー15が揺動を開始することを契機に駆動部11が進行し又は旋回するので、より人間らしい動きを実現できる。
【0102】
また、ロボット1によれば、カバー15の下端が、駆動部11の進行方向又は旋回方向と逆の方向に傾くように、カバー15を揺動させることで、人間を模した動きが可能となる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0103】
また、ロボット1によれば、駆動部11の速度又は加速度に基づく傾きとなるように、カバー15を揺動させることで、人間を模した動きが可能となる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0104】
また、ロボット1によれば、カバー15を揺動させる場合に、さらに胴部12又は頭部14を前傾させることで、人間を模した動きが可能となる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0105】
また、ロボット1によれば、前進中には胴部12又は頭部14を前傾させることができ、減速時には胴部12又は頭部14を後傾させることができるため、より人間らしい動きを実現できる。
【0106】
また、ロボット1によれば、前進中に速度が変化しない場合に胴部12又は頭部14を一定の角度で前傾させることができるため、より人間らしい動きを実現できる。
【0107】
また、ロボット1によれば、斜め移動時に胴部12又は頭部14を移動方向と反対方向に傾斜させることができるため、より人間らしい動きを実現できる。
【0108】
[第2実施形態]
次に、
図8を用いて、本発明の第2実施形態に係るロボット2の構成について説明する。
図8は、ロボット2の上面図であり、頭部14を省略して示す。
【0109】
図8に示すロボット2は、首部13に代えて首部23を備えている点で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。
【0110】
首部23は、楕円体状に形成されている。この首部23は、長さX1である短手方向がX軸方向に沿うように、且つ、長さY1である長手方向がY軸方向に沿うように配置されている。なお、後述する第3実施形態に係るロボット3と同じように、首部23とカバー15との間に軟質材を介在させていてもよい。
【0111】
このようなロボット2によれば、カバー15が楕円体状の首部23に被せられているので、楕円体状の首部23を支点としてカバー15を滑らかに揺動させることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。また、首部23が楕円体状であるので、カバー15が首部23回りに無駄に回転することを防止できる。
【0112】
[第3実施形態]
次に、
図9を用いて、本発明の第3実施形態に係るロボット3の構成について説明する。
図9は、ロボット3の一部分を示す側面図であり、左カバー151を外した状態を示す。
【0113】
図9に示すロボット3は、軟質材31を備えている点で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。このロボット3は、軟質材31によるフローティングマウントを実現する。
【0114】
軟質材31は、例えばゴムやスポンジ状の材料やジェル状の材料で環状に形成されており、首部13及びカバー15よりも軟質である。この軟質材31は、首部13とカバー15との間に介在している。カバー15は、軟質材31を介して首部13に支持されている。
【0115】
このようなロボット3によれば、首部13とカバー15との間に環状の軟質材31が介在しているので、前後、左右、斜めの複合的な揺動が可能となる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。また、軟質材31が外力を吸収するので、カバー15の無駄な揺れを抑えることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0116】
[第4実施形態]
次に、
図10を用いて、本発明の第4実施形態に係るロボット4の構成について説明する。
図10は、ロボット4の要部を示す拡大斜視図である。
【0117】
図10に示すロボット4は、リングステー41を備えている点で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。
【0118】
リングステー41は、首部13に対するカバー15の揺動を可能にする2軸回転機構である。具体的に、リングステー41は、首部13の周りに設けられ、且つ、首部13に対して、Y軸回りに回転可能に取り付けられていると共に、カバー15を、X軸回りに回転可能に取り付けている。カバー15は、リングステー41を介して首部13に支持されている。
【0119】
このようなロボット4によれば、リングステー41を介してカバー15が首部13に支持されているので、カバー15が直接首部13に支持されている場合と比較して摩擦が少なく、カバー15を滑らかに揺動させることができる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0120】
[第5実施形態]
次に、
図11を用いて、本発明の第5実施形態に係るロボット5の構成について説明する。
図11は、ロボット5の一部分を示す側面図であり、左カバー(図示省略)を外した状態を示す。
【0121】
図11に示すロボット5は、カバー15に代えてカバー55を備えている点等で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。このロボット5は、やじろべえ式マウントを実現する。
【0122】
カバー55は、例えば樹脂製であり、胴部12との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が胴部12と接触しない状態が保たれるように胴部12を覆う。
【0123】
胴部12は、胴部上部122における上端寄りの側方に、カバー55を支持する支持部122aを有している。支持部122aは、L字型のフックであり、先端が球状に形成されている。カバー55は、胴部12の支持部122aに嵌合する被支持部55aを有している。被支持部55aは、球状の支持部122aに対応する椀状に形成されている。この被支持部55aは、カバー55の内面における当該カバー55の重心よりも上方の位置に設けられ、支持部122aに載せられることで当該カバー55の支点として当該カバー55を揺動可能にしている。なお、カバー55は、後述する第6実施形態に係るロボット6と同じように、バランスウエイトを有していてもよい。
【0124】
また、ロボット5は、隠蔽部材51を備えている。隠蔽部材51は、例えば布製であり、首部13周りに配置されることで、カバー55の上端と胴部12との間の隙間を隠す。
【0125】
このようなロボット5によれば、カバー55を揺動させることで人間を模した動きが可能となる。結果として、人間らしい動きを実現できる。
【0126】
また、ロボット5によれば、隠蔽部材51を備えているので、カバー55の上端と胴部12との間の隙間を隠すことができる。結果として、意匠性を高めることができる。
【0127】
[第6実施形態]
次に、
図12を用いて、本発明の第6実施形態に係るロボット6の構成について説明する。
図12は、ロボット6を示す拡大斜視図である。
【0128】
図12に示すロボット6は、カバー15に代えてカバー65を備えている点、及び第1揺動機構16及び第2揺動機構17を備えていない点等で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。このロボット6は、ゆらゆらするカバー65の支持構造を実現する。
【0129】
カバー65は、例えば樹脂製であり、胴部12との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が胴部12と接触しない状態が保たれるように胴部12を覆う。
【0130】
胴部12は、胴部上部122における上端寄りの側方に、カバー65を支持する支持部122bを有している。支持部122bは、L字型のフックである。カバー65は、当該カバー65における内面の上端に、支持部122bに引っ掛けられる環状の被支持部65aを有している。被支持部65aは、カバー65の重心よりも上方の位置に設けられ、支持部122bに載せられることで当該カバー65の支点として当該カバー65を揺動可能にしている。
【0131】
また、カバー65は、リング651と、バランスウエイト652と、を有している。リング651は、適宜、カバー65の内面に水平となるように配置されている重りである。バランスウエイト652は、リング651に取り付けられているバランスをとるための重りである。具体的に、バランスウエイト652は、カバー65の重心よりも下方の位置に設けられている。
【0132】
このようなロボット6によれば、バランスウエイト652を有しているので、基本姿勢においてカバー65が傾くことを防止できる。
【0133】
[第7実施形態]
次に、
図13及び
図14を用いて、本発明の第7実施形態に係るロボット7の構成について説明する。
図13は、ロボット7の一部分を示す側面図であり、左カバー151を外した状態を示す。
図14は、ロボット7を示す拡大斜視図である。
【0134】
図13及び
図14に示すロボット7は、カバー15に代えてカバー75を備えている点、及び第1揺動機構16及び第2揺動機構17を備えていない点等で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。このロボット7は、ゆらゆらするカバー75の構造を実現すると共に、カバー75のストッパー構造を実現する。
【0135】
胴部12は、胴部上部122における上端寄りに、カバー75を支持する環状のストッパー122cを有している。カバー75は、カバー本体751と、支持体752と、リング753と、を備えている。カバー本体751は、カバー15と同じように左右で分割可能である。支持体752は、例えば布製であり、円筒状に形成されていて、ストッパー122cに引っ掛けられるリング752aが上端に縫い付けてあると共に、カバー本体751に接続されるリング752bが下端に縫い付けてある。リング753は、カバー75の内面に水平となるように配置されている重りである。
【0136】
このようなロボット7によれば、動いた場合にリング753の重みが慣性となって、カバー75が、動く方向とは逆の方向に傾く。結果として、人間らしい動きを実現できる。
【0137】
[第8実施形態]
次に、
図15及び
図16を用いて、本発明の第8実施形態に係るロボット8の構成について説明する。
図15は、ロボット8の一部分を示す側面図であり、左カバー151を外した状態を示す。
図16は、ロボット8の一部分を示す正面図であり、カバー15の前方半分を省略して示す。
【0138】
図15及び
図16に示すロボット8は、第1揺動機構16及び第2揺動機構17に代えて第1揺動機構86及び第2揺動機構87を備えている点で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。このロボット8は、一対の第1カム863及び一対の第2カム873によるカバー15の揺動を実現する。
【0139】
第1揺動機構86は、カバー15を左右方向に揺動させる機構である。具体的に、第1揺動機構86は、第1コイルばね861と、第1モータ862と、一対の第1カム863と、等を備えている。
【0140】
第1コイルばね861は、胴部12とカバー15とを接続する弾性部材であり、一端が胴部12における胴部上部122に接続されていると共に他端がカバー15に対して着脱可能に接続されている。この第1コイルばね861は、水平なX軸方向(左右方向、第1軸方向)に振動する。
【0141】
第1モータ862は、第1コイルばね861を振動させる動力源となる。この第1モータ862は、胴部12における胴部上部122を貫通するように固定されている。
【0142】
一対の第1カム863は、第1モータ862の動力をカバー15に伝達する動力伝達機構であり、第1モータ862の軸862aの両端に取り付けられている。この第1カム863は、第1モータ862と共に回転することで、第1モータ862の動力をカバー15に伝達する。
【0143】
第2揺動機構87は、カバー15を左右方向に揺動させる機構である。具体的に、第2揺動機構87は、第2コイルばね871と、第2モータ872と、一対の第2カム873と、等を備えている。
【0144】
第2コイルばね871は、胴部12とカバー15とを接続する弾性部材であり、一端が胴部12における胴部上部122に接続されていると共に他端がカバー15に対して着脱可能に接続されている。この第2コイルばね871は、X軸方向に直交する水平なY軸方向(前後方向、第2軸方向)に振動する。
【0145】
第2モータ872は、第2コイルばね871を振動させる動力源となる。この第2モータ872は、胴部12における胴部上部122を貫通するように固定されている。
【0146】
一対の第2カム873は、第2モータ872の動力をカバー15に伝達する動力伝達機構であり、第2モータ872の軸872aの両端に取り付けられている。この第2カム873は、第2モータ872と共に回転することで、第2モータ872の動力をカバー15に伝達する。
【0147】
このようなロボット8によれば、簡単な構造で第1モータ862及び第2モータ872の動力をカバー15に伝達させることができる。すなわち、簡単な構造でカバー15を揺動させることができる。
【0148】
[第9実施形態]
次に、
図17を用いて、本発明の第9実施形態に係るロボット9の構成について説明する。
図17は、ロボット9の一部分を示す外観斜視図である。
【0149】
図17に示すロボット9は、第1揺動機構16及び第2揺動機構17に代えて渦巻きばね91を備えている点で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。このロボット9は、ゆらゆらするカバー15の支持構造を実現する。
【0150】
渦巻きばね91は、胴部12とカバー15とを接続する弾性部材である。この渦巻きばね91は、一端が胴部上部122に接続されていると共に他端がカバー15に接続されている。
【0151】
このようなロボット9によれば、胴部12とカバー15とを接続する弾性部材が渦巻きばね91であるので、前後、左右、斜めの複合的な揺動が可能となる。結果として、より人間らしい動きを実現できる。
【0152】
[第10実施形態]
次に、
図18を用いて、本発明の第10実施形態に係るロボット10の構成について説明する。
図18は、ロボット10の内部を示す斜視図である。
【0153】
図18に示すロボット10は、カバー15に代えて105を備えている点等で、第1実施形態に係るロボット1と相違する。このロボット10は、やじろべえ式マウントを実現する。
【0154】
カバー105は、例えば樹脂製であり、胴部12との間に空間を有するように、且つ、上端及び下端が胴部12と接触しない状態が保たれるように胴部12を覆う。
【0155】
胴部12における胴部上部122は、上下一対の縦軸1221,1222と、支持部1223と、連結部材1224と、を有している。上下一対の縦軸1221,1222は、互いの間に空間を有するように配置されており、連結部材1224によって互いに連結されている。支持部1223は、カバー105を支持する台座である。連結部材1224は、上下一対の縦軸1221,1222の間に空間を有するように当該上下一対の縦軸1221,1222を互いに連結している。
【0156】
カバー105は、支持部1223に載せられる被支持部105aと、この被支持部105aをカバー105の内面と連結している連結部材105bと、この連結部材105bとカバー105との間に介在するリング105cと、を有している。被支持部105aは、カバー105の重心よりも上方の位置に設けられ、支持部1223に載せられることで当該カバー105の支点として当該カバー105を揺動可能にしている。
【0157】
このようなロボット10によれば、支持部1223及び被支持部105aが上下一対の縦軸1221,1222と同軸に位置しているので、基本姿勢においてカバー105が傾くことを防止できる。
【0158】
[第11実施形態]
次に、
図19を用いて、本発明の第11実施形態に係るロボット110の構成について説明する。
図19は、ロボット110を示す拡大斜視図である。
【0159】
図19に示すロボット110は、第7実施形態に係るロボット7に対して、弾性部材119を備えるものであり、その他の構成は第7実施形態に係るロボット7と同一である。なお、この弾性部材119を備える構成については、他の実施形態に係るロボットにも適宜適用可能である。
【0160】
図19に示されるように、弾性部材119は、カバー15の内側に配置されると共に、カバー15が揺動していない状態ではカバー15と接触しないように配置されている。また、弾性部材119は、カバー15の最下端部において、カバー15の内壁面上に配置され、カバー15の周方向に沿って配置される。弾性部材119は、環状の弾性部材であり、例えばスポンジ状の弾性部材で構成される。
【0161】
弾性部材119の断面形状については、真円等の円形状の他、内側(胴部12側)に頂点を有する三角形状や、四角形状でもよい。中でも、断面形状が三角形状である場合には、弾性部材119の先端側(胴部12側)と基端側(カバー15の外周側)とで変形のし易さ(潰れ易さ)が異なるため、加速度の大きさに応じてカバー15を揺動させることができ、より人間らしい動きを実現可能である。
【0162】
このようなロボット110によれば、弾性部材119が、カバー15の内側に配置されると共にカバー15が揺動していない状態ではカバー15と接触しないため、カバー15が揺動したときにはじめて弾性部材119がカバー15に接触することにより、より人間らしいカバー15の動きを実現できる。
【0163】
またロボット110によれば、弾性部材119がカバー15の周方向に沿って配置されるため、カバー15の揺動による人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0164】
またロボット110によれば、弾性部材119がカバー15の最下端部に配置されるため、より大きくカバー15を揺動させることができ、人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0165】
[第12実施形態]
次に、
図20を用いて、本発明の第12実施形態に係るロボット120の構成について説明する。
図20は、ロボット120を示す拡大斜視図である。
【0166】
図20に示すロボット120は、第11実施形態に係るロボット110に対して、弾性部材129の構成を変更したものであり、その他の構成は第11実施形態に係るロボット110と同一である。なお、この弾性部材129を備える構成については、他の実施形態に係るロボットにも適宜適用可能である。
【0167】
図20に示されるように、弾性部材129は、三角錐状の弾性部材である。弾性部材119は、カバー15の最下端部において、カバー15の内壁面上に配置され、カバー15の周方向に沿って断続的に複数配置されている。
図20では便宜上、弾性部材129を二つしか示していないが、その数と周方向の配置間隔は適宜設定される。弾性部材129は、例えばスポンジ状の弾性部材で構成される。
【0168】
弾性部材129は、弾性部材119と同様に、カバー15の内側に配置されると共に、カバー15が揺動していない状態ではカバー15と接触しないように配置されている。また、弾性部材119の断面形状が三角形状の場合と同様に、断面形状が三角形であるため、加速度の大きさに応じてカバー15を揺動させることができ、より人間らしい動きを実現可能である。
【0169】
このようなロボット120によれば、弾性部材129がカバー15の内側に断続的に複数配置されるため、カバー15の揺動による人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0170】
[第13実施形態]
次に、
図21を用いて、本発明の第13実施形態に係るロボット130の構成について説明する。
図21は、ロボット130を示す拡大斜視図である。
【0171】
図21に示すロボット130は、第11実施形態に係るロボット110に対して、弾性部材139の位置が異なるものであり、その他の構成は第11実施形態に係るロボット110と同一である。なお、この弾性部材139を備える構成については、他の実施形態に係るロボットにも適宜適用可能である。
【0172】
図21に示されるように、弾性部材139は、弾性部材119と比べて径が小さく、カバー15の上下方向の略中央部に配置されている。このようなロボット130によれば、カバー15の揺動による人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0173】
[第14実施形態]
次に、
図22を用いて、本発明の第14実施形態に係るロボット140の構成について説明する。
図22は、ロボット140を示す拡大斜視図である。
【0174】
図22に示すロボット140は、第12実施形態に係るロボット120に対して、弾性部材149の位置が異なるものであり、その他の構成は第12実施形態に係るロボット120と同一である。なお、この弾性部材149を備える構成については、他の実施形態に係るロボットにも適宜適用可能である。
【0175】
図22に示されるように、弾性部材149は、カバー15の上下方向の略中央部に配置されている。このようなロボット140によれば、カバー15の揺動による人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0176】
[第15実施形態]
次に、
図23を用いて、本発明の第15実施形態に係るロボット150の構成について説明する。
図23は、ロボット150を示す拡大斜視図である。
【0177】
図23に示すロボット150は、第7実施形態に係るロボット7に対して、弾性部材159を備えるものであり、その他の構成は第7実施形態に係るロボット7と同一である。なお、この弾性部材159を備える構成については、他の実施形態に係るロボットにも適宜適用可能である。
【0178】
図23に示されるように、弾性部材159は、コイルばねである。弾性部材159は、カバー15の最下端部において、カバー15の内壁面と胴部12とに接続されている。
図23に示されるように、例えば弾性部材159として、周方向に等間隔に4つのコイルばねが配置される。ただし、その数と周方向の配置間隔は限定されず、適宜設定される。
【0179】
このようなロボット150によれば、弾性部材159によりカバー15を揺動させることができ、人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0180】
[第16実施形態]
次に、
図24を用いて、本発明の第16実施形態に係るロボット160の構成について説明する。
図24は、ロボット160を示す拡大斜視図である。
【0181】
図24に示すロボット160は、第15実施形態に係るロボット150に対して、弾性部材169の位置が異なるものであり、その他の構成は第15実施形態に係るロボット150と同一である。なお、この弾性部材169を備える構成については、他の実施形態に係るロボットにも適宜適用可能である。
【0182】
図24に示されるように、弾性部材169は、カバー15の上下方向の略中央部に配置されている。このようなロボット160によれば、弾性部材169によりカバー15を揺動させることができ、人間らしい動きをより確実に実現できる。
【0183】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。例えば、各実施形態の構成及び各変形例は、可能な範囲で他の実施形態に適用してもよい。
【0184】
あるいは、上記各実施形態において、制御部141、送信部146及び受信部147は、頭部14が有している場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動部11又は胴部12が有していてもよい。
【0185】
あるいは、上記各実施形態において、傾斜機構148が頭部14を傾斜させる場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、胴部12を傾斜させるものであってもよい。
【0186】
あるいは、上記各実施形態において、傾斜機構148が頭部14を傾斜させる場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、傾斜機構148に加えて回転機構を備えさせることで、頭部14を左右に回転させるようにしてもよい。この場合において、左旋回する際、カバー15,55,65,75,105の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の左回転を開始させてもよい。同じように、右旋回する際、カバー15,55,65,75,105の揺動を開始させる際に、合わせて、頭部14の右回転を開始させてもよい。
【0187】
あるいは、上記各実施形態において、カバー15,55,65,75,105が左右で分割可能である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば
図25に示すように、前後で分割可能であってもよい。
図25は、ロボット1の変形例を示す側面図である。この変形例においてカバー15は、前後で分割可能であり、前カバー153と、後カバー154と、を備えている。なお、この構成は、上記各実施形態の全てに適用可能である。
【0188】
上述した通り、カバー15は、人間における胴に相当する部位であり、また、意匠性を有していると共に着脱可能で交換可能であることから着衣に相当する部位でもある。そのため、
図25に示す変形例のように、カバー15が前後で分割可能な場合には、ロボット1を前方から見たときと後方から見たときとで、異なる意匠のロボットとすることができる。
【0189】
図25に示す変形例において、前カバー153は、カバー15の前半分を構成している。この前カバー153は、後カバー154と当接する端縁に沿って、互いに間隔を空けて複数の穴(図示省略)を有しており、当該穴の中にマグネット(図示省略)を配置している。
【0190】
また、後カバー154は、カバー15の後半分を構成している。この後カバー154は、前カバー153と当接する端縁に沿って、互いに間隔を空けて複数の穴(図示省略)を有しており、当該穴の中から突出するようにマグネット(図示省略)を配置している。
【0191】
このように、前カバー153はマグネットダボ凹を有しており、また、後カバー154はマグネットダボ凸を有している。このような構成により、後カバー154のマグネットを前カバー153の穴に嵌入させてマグネットに貼り付かせることで、前カバー153及び後カバー154が合体し、カバー15を構成する。結果として、カバー15は、前後分割、及び強力マグネットによる着脱が可能となる。
【0192】
あるいは、上記各実施形態において、カバー15,55,65,75,105が樹脂製である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、カバー15,55,65,75,105の素材は、木、硬い紙、金属等の硬質のものでも、やわらかい布、あるいは金属等の硬質の素材を細かく針金状にしたりして編んだ構造にして柔らかく動く構造にしたものでも、あるいは柔らかい素材と硬質の素材とを組み合わせた構造のものでもよい。カバー15,55,65,75,105は、硬質の部分に穴が設けられることで、アームやLED等のライトを取り付けることも可能である。
【0193】
あるいは、上記第1~第5及び第10実施形態において、第1揺動機構16及び第2揺動機構17を備えている場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1揺動機構16及び第2揺動機構17を備えていないものであってもよい。この場合において、別途、コイルばね等の弾性部材を備えさせ、弾性部材によって、胴部12とカバー15,55とを接続させるようにしてもよい。
【0194】
あるいは、上記第1~第5及び第10実施形態において、第1揺動機構16が弾性部材として第1コイルばね161を備えていると共に、第2揺動機構17が弾性部材として第2コイルばね171を備えている場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第9実施形態に係るロボット9と同じように渦巻きばねや、ゴム紐等の弾性部材を備えているものであってもよい。
【0195】
また、第1コイルばね161及び第2コイルばね171、並びに一対のマグネット164及び一対のマグネット174を備えず、第1リンク機構163及び第2リンク機構173を拡張して配置してもよい。すなわち、第1リンク機構163は、基端が第1モータ162の軸162aに取り付けられていると共に、先端がカバー15に対して着脱可能に直接取り付けられてもよい。また、第2リンク機構173は、基端が第2モータ172の軸172aに取り付けられていると共に、先端がカバー15に対して着脱可能に直接取り付けられてもよい。
【0196】
あるいは、上記第6及び第7実施形態において、カバー65,75を揺動させる機構を備えていない場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1実施形態に係るロボット1と同じように、第1揺動機構16及び第2揺動機構17を備えているものであってもよい。あるいは、第8実施形態に係るロボット8と同じように、第1揺動機構86及び第2揺動機構87を備えているものであってもよい。
【符号の説明】
【0197】
1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,110,120,130,140,150,160 ロボット
11 駆動部
111 台座
112 駆動輪(車輪)
113 操舵輪(車輪)
12 胴部
121 胴部下部
122 胴部上部(縦軸)
122a,122b 支持部
122c ストッパー
1221,1222 縦軸
1223 支持部
1224 連結部材
13,23 首部
14 頭部
141 制御部
142 撮像部
143 マイク
144 ディスプレイ
145 スピーカ
146 送信部
147 受信部
148 傾斜機構
15,55,65,75,105 カバー
151 左カバー
1511 穴
1512 マグネット
152 右カバー
1521 穴
1522 マグネット
153 前カバー
154 後カバー
16,86 第1揺動機構
161,861 第1コイルばね(接続部材、弾性部材、第1弾性部材、コイルばね)
162,862 第1モータ(モータ)
162a,862a 軸
163 第1リンク機構(動力伝達機構、リンク機構)
164 マグネット
17,87 第2揺動機構
171,871 第2コイルばね(接続部材、弾性部材、第2弾性部材、コイルばね)
172,872 第2モータ(モータ)
172a,872a 軸
173 第2リンク機構(動力伝達機構、リンク機構)
174 マグネット
31 軟質材
41 リングステー
51 隠蔽部材
55a,65a,105a 被支持部
651 リング
652 バランスウエイト
751 カバー本体
752 支持体
752a,752b リング
753 リング
863 第1カム(カム)
873 第2カム(カム)
91 渦巻きばね(弾性部材)
105b 連結部材
105c リング