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  • 特許-カテーテルシャフト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】カテーテルシャフト
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20241028BHJP
【FI】
A61M25/00 600
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021058327
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022155015
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2024-01-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月10日に、株式会社カネカメディックスが、村中医療器株式会社にカテーテルシャフトを販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市村 想生
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健太郎
【審査官】黒田 暁子
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-518368(JP,A)
【文献】国際公開第2019/059003(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/141440(WO,A1)
【文献】特開2007-175440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チューブと、
前記第1チューブの外径よりも外径が小さい第2チューブと、
前記第2チューブの外方であって前記第1チューブの近位端よりも近位側に配置されている第3チューブと、
前記第2チューブの内方であって前記第1チューブの近位端よりも近位側に配置されている第4チューブと、を有しており、
前記第2チューブの遠位端は、前記第1チューブの内腔に配されており、
前記第4チューブの遠位端は、前記第3チューブの近位端よりも遠位側に位置しているカテーテルシャフト。
【請求項2】
前記第4チューブの遠位端は、前記第3チューブの遠位端よりも近位側に位置している請求項1に記載のカテーテルシャフト。
【請求項3】
前記第1チューブと前記第2チューブとは、接着によって固定されており、
前記第2チューブと前記第3チューブとは、溶着によって固定されている請求項1または2に記載のカテーテルシャフト。
【請求項4】
前記第3チューブの近位端は、前記第2チューブに溶着によって固定されており、
前記第3チューブの遠位端は、前記第2チューブに溶着によって固定されていない請求項1~3のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【請求項5】
溶着による前記第2チューブと前記第3チューブとの固定部は、前記第4チューブの遠位端よりも近位側にある請求項4に記載のカテーテルシャフト。
【請求項6】
前記第4チューブを構成する材料は、熱硬化性樹脂を含んでいる請求項1~5のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【請求項7】
前記第4チューブを構成する材料の融点は、前記第2チューブを構成する材料の融点よりも高い請求項1~5のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【請求項8】
前記第3チューブを構成する材料の融点は、前記第4チューブを構成する材料の融点よりも低い請求項1~7のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【請求項9】
前記第3チューブを構成する材料の融点は、前記第2チューブを構成する材料の融点よりも低い請求項1~8のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【請求項10】
前記第1チューブの長手方向における前記第3チューブの長さは、前記第1チューブの近位端から前記第2チューブの遠位端までの最短距離よりも長い請求項1~9のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【請求項11】
前記第1チューブの長手方向における前記第1チューブの近位端から前記第2チューブの遠位端までの最短距離は、前記第3チューブの近位端から前記第4チューブの遠位端までの最短距離よりも長い請求項1~10のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【請求項12】
前記第1チューブの長手方向における前記第3チューブの長さは、前記第1チューブの長さ、前記第2チューブの長さ、および前記第4チューブの長さよりも短い請求項1~11のいずれか一項に記載のカテーテルシャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルシャフトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
胆管や膵管等の消化管、冠動脈、頸動脈、腸骨動脈、大腿膝窩動脈等の血管等の生体内管腔が狭窄または閉塞することにより生じる様々な疾患を治療するために医療用カテーテルを用いることがある。通常、医療用カテーテルは、血管や消化管、尿管等の体内の管腔部に挿入するためのカテーテルチューブと、カテーテルチューブの近位側に設けられたハブやハンドル等とから構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、第一の接続部材の端面と第二の接続部材の管状連結部の端面を突き合わせて密着させ、第一の接続部材と前記第二の接続部材の管状連結部の接合面の外周を密着部材で被覆して密着させ、さらに加熱処理することにより密着部材の内層と第二の接続部材の管状連結部および第一の接続部材の外層を自着させることにより、第一の接続部材と第二の接続部材の管状連結部を接続したことを特徴とする医療用具構成部品が開示されている。特許文献2には、可撓性材料からなる第一管状部材と第二管状部材とを接着剤を用いて接合すると共に、接合部において一方の部材端部を他方の部材に嵌め込み可能な程度の小径部とし、他方の大径部端部に嵌め込み構成として、その嵌め込み部に接着剤を塗布した後で、外側から均一な圧力を付加して所定の接着範囲まで接着剤を拡散し、硬化することを特徴とするカテーテルの加工方法が開示されている。特許文献3には、近位チューブに少なくとも一部が重複するように配置されると共に重複部の遠位端が近位チューブに接着された接合用樹脂チューブと、近位チューブと接合用樹脂チューブの接着部の遠位端から近位側で接合用チューブの表面に溶着された遠位チューブと、を有することを特徴とするカテーテルが開示されている。特許文献4には、内管と第1の外管と牽引ワイヤとを備える自己拡張型ステントデリバリーシステムであって、第1の外管の基端側に近接するように配置される第2の外管を有し、第2の外管の内腔には牽引ワイヤを固定する固定部材と係止部材とが配置され、固定部材は第2の外管に対して遊嵌状態で配置される自己拡張型ステントデリバリーシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-320037号公報
【文献】特開2007-175440号公報
【文献】特開2011-72439号公報
【文献】特開2016-159048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~4のようなカテーテルシャフトでは、カテーテルシャフトの内腔に他の部材を配置する場合等において、この他の部材とカテーテルシャフトとの位置関係が調節しにくく、製造に手間がかかるといった問題があった。
【0006】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造の効率がよいカテーテルシャフトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決することができたカテーテルシャフトは、第1チューブと、第1チューブの外径よりも外径が小さい第2チューブと、第2チューブの外方であって第1チューブの近位端よりも近位側に配置されている第3チューブと、第2チューブの内方であって第1チューブの近位端よりも近位側に配置されている第4チューブと、を有しており、第2チューブの遠位端は、第1チューブの内腔に配されており、第4チューブの遠位端は、第3チューブの近位端よりも遠位側に位置していることを特徴とするものである。
【0008】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第4チューブの遠位端は、第3チューブの遠位端よりも近位側に位置していることが好ましい。
【0009】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第1チューブと第2チューブとは、接着によって固定されており、第2チューブと第3チューブとは、溶着によって固定されていることが好ましい。
【0010】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第3チューブの近位端は、第2チューブに溶着によって固定されており、第3チューブの遠位端は、第2チューブに溶着によって固定されていないことが好ましい。
【0011】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、溶着による第2チューブと第3チューブとの固定部は、第4チューブの遠位端よりも近位側にあることが好ましい。
【0012】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第4チューブを構成する材料は、熱硬化性樹脂を含んでいることが好ましい。
【0013】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第4チューブを構成する材料の融点は、第2チューブを構成する材料の融点よりも高いことが好ましい。
【0014】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第3チューブを構成する材料の融点は、第4チューブを構成する材料の融点よりも低いことが好ましい。
【0015】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第3チューブを構成する材料の融点は、第2チューブを構成する材料の融点よりも低いことが好ましい。
【0016】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第1チューブの長手方向における第3チューブの長さは、第1チューブの近位端から第2チューブの遠位端までの最短距離よりも長いことが好ましい。
【0017】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第1チューブの長手方向における第1チューブの近位端から第2チューブの遠位端までの最短距離は、第3チューブの近位端から第4チューブの遠位端までの最短距離よりも長いことが好ましい。
【0018】
本発明のカテーテルシャフトにおいて、第1チューブの長手方向における第3チューブの長さは、第1チューブの長さ、第2チューブの長さ、および第4チューブの長さよりも短いことが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のカテーテルシャフトは、第1チューブと、第2チューブと、第3チューブと、第4チューブと、を有しており、第2チューブの遠位端が第1チューブの内腔に配されており、第4チューブの遠位端が第3チューブの近位端よりも遠位側に位置していることにより、カテーテルシャフトの内腔に他の部材を配置する際に、この他の部材と、第1チューブ、第2チューブ、第3チューブ、および第4チューブとのそれぞれの位置関係を調節することが可能である。そのため、カテーテルシャフトの製造が行いやすく、製造効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施の形態におけるカテーテルシャフトの長手方向に沿った断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0022】
図1は本発明の実施の形態におけるカテーテルシャフト1の長手方向に沿った断面図である。本発明において、近位側とはカテーテルシャフト1の延在方向に対して使用者の手元側を指し、遠位側とは近位側の反対側、すなわち処置対象側の方向を指す。また、カテーテルシャフト1の延在方向を長手方向と称する。長手方向は、カテーテルシャフト1の遠近方向と言い換えることができる。径方向とは第1チューブ10の半径方向を指し、径方向において内方とは第1チューブ10の軸中心側に向かう方向を指し、径方向において外方とは内方と反対側に向かう方向を指す。なお、図1において、図の右側が近位側であり、図の左側が遠位側である。
【0023】
本発明のカテーテルシャフト1は、医療用のカテーテル全般のシャフトに用いることができる。医療用のカテーテルとしては、例えば、バルーンカテーテル、マイクロカテーテル、貫通カテーテル、吸引カテーテル、ステント等を体内に搬送するステントデリバリーシステム等が挙げられる。
【0024】
図1に示すように、カテーテルシャフト1は、第1チューブ10と、第1チューブ10の外径よりも外径が小さい第2チューブ20と、第2チューブ20の外方であって第1チューブ10の近位端10pよりも近位側に配置されている第3チューブ30と、第2チューブ20の内方であって第1チューブ10の近位端10pよりも近位側に配置されている第4チューブ40と、を有しており、第2チューブ20の遠位端20dは、第1チューブ10の内腔に配されており、第4チューブ40の遠位端40dは、第3チューブ30の近位端30pよりも遠位側に位置している。
【0025】
第1チューブ10は、長手方向を有し、長手方向に延在する内腔を有している。第1チューブ10の長手方向の長さは、適宜、適切な長さを選択することができる。例えば、第1チューブ10の長手方向の長さは、50mm以上300mm以下とすることができる。
【0026】
第1チューブ10の外径は、0.5mm以上であることが好ましく、0.7mm以上であることがより好ましく、1mm以上であることがさらに好ましい。第1チューブ10の外径の下限値を上記の範囲に設定することにより、第1チューブ10が配置されているカテーテルシャフト1の遠位側の剛性を高めることができ、プッシャビリティを向上することができる。また、第1チューブ10の外径は、3.5mm以下であることが好ましく、3.3mm以下であることがより好ましく、3.0mm以下であることがさらに好ましい。第1チューブ10の外径の上限値を上記の範囲に設定することにより、カテーテルシャフト1の遠位側の外径が大きくなりすぎることを防止し、低侵襲性を高めることができる。さらに、カテーテルシャフト1の遠位側の剛性が大きくなりすぎることを防ぎ、体内への送達時におけるカテーテルシャフト1の操作性を向上させることが可能となる。
【0027】
第1チューブ10の肉厚は、10μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることがさらに好ましい。第1チューブ10の肉厚の下限値を上記の範囲に設定することにより、第1チューブ10の剛性を高めることができ、カテーテルシャフト1の挿通性を向上させることができる。また、第1チューブ10の肉厚は、350μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましい。第1チューブ10の肉厚の上限値を上記の範囲に設定することにより、第1チューブ10の内腔を広くすることができる。その結果、例えば、カテーテルシャフト1をステントデリバリーシステムに用いる場合、第1チューブ10の内腔に収納することができるステントの径の種類を増やすことができ、様々な種類のステントをカテーテルシャフト1によって搬送することが可能となる。
【0028】
第2チューブ20は、外径が第1チューブ10の外径よりも小さい。カテーテルシャフト1が第2チューブ20を有していることにより、長手方向における第1チューブ10の長さを短くすることができ、カテーテルシャフト1の製造において、カテーテルシャフト1の内腔に配置される部品の位置が調整しやすくなる。また、第2チューブ20の外径が第1チューブ10の外径よりも小さいことにより、第1チューブ10よりも近位側の剛性が高まり、カテーテルシャフト1のプッシャビリティを向上させることが可能となる。
【0029】
第2チューブ20の遠位端20dは、第1チューブ10の内腔に配されている。つまり、第2チューブ20の遠位端20dは、第1チューブ10の内方であって、第1チューブ10の近位端10pよりも遠位側に配されている。第2チューブ20の遠位端20dが第1チューブ10の内腔に配されていることにより、カテーテルシャフト1を生体内管腔の目的部位へ送り込む際に、第1チューブ10と第2チューブ20との境界部分が生体内管腔の内壁等に引っ掛かりにくくなる。そのため、カテーテルシャフト1の挿通性を高めることができる。
【0030】
第3チューブ30は、第2チューブ20の外方であって第1チューブ10の近位端10pよりも近位側に配置されている。カテーテルシャフト1が、第2チューブ20の外方であって第1チューブ10の近位端10pよりも近位側に配置されている第3チューブ30を有していることにより、第1チューブ10と第2チューブ20との外径の差による、長手方向における第1チューブ10と第2チューブ20との段差を第3チューブ30によって緩和することができる。その結果、カテーテルシャフト1の外表面が滑らかなものとなり、カテーテルシャフト1を術者の手元側に引いて移動させる際に、第1チューブ10と第2チューブ20との段差が他物に引っ掛かりにくくなり、カテーテルシャフト1を円滑に操作することが可能となる。
【0031】
第3チューブ30の外径は、第1チューブ10の外径と同じであるか、第1チューブ10の外径よりも小さいことが好ましい。第3チューブ30の外径が第1チューブ10の外径と同じであるか、第1チューブ10の外径よりも小さいことにより、カテーテルシャフト1を生体内管腔に挿入して目的の部位へ送り込む際に、第3チューブ30の遠位端30dが他物に引っ掛かりにくくなり、カテーテルシャフト1を目的の部位まで円滑に送達させることが可能となる。
【0032】
第4チューブ40は、第2チューブ20の内方であって第1チューブ10の近位端10pよりも近位側に配置されている。カテーテルシャフト1が、第2チューブ20の内方であって第1チューブ10の近位端10pよりも近位側に配置されている第4チューブ40を有していることにより、第4チューブ40によってカテーテルシャフト1の第1チューブ10が存在していない箇所の剛性を高めることができる。その結果、カテーテルシャフト1を目的の部位まで送り込むためにカテーテルシャフト1を遠位側に押す力や、カテーテルシャフト1を術者の手元側に引くためにカテーテルシャフト1を近位側に引く力がカテーテルシャフト1の遠位端まで伝わりやすく、操作性のよいカテーテルシャフト1とすることができる。
【0033】
第4チューブ40の遠位端40dは、第3チューブ30の近位端30pよりも遠位側に位置している。第4チューブ40の遠位端40dが第3チューブ30の近位端30pよりも遠位側に位置していることにより、第2チューブ20と第3チューブ30との接合箇所を第4チューブ40によって補強することができ、第3チューブ30が配置されている部分の強度を高めることが可能となる。
【0034】
第4チューブ40の遠位端40dは、第3チューブ30の遠位端30dよりも近位側に位置していることが好ましい。第4チューブ40の遠位端40dが第3チューブ30の遠位端30dよりも近位側に位置していることにより、第4チューブ40が第1チューブ10の内方には存在しないこととなり、カテーテルシャフト1の遠位端部の剛性が高まりすぎることを防止する。そのため、カテーテルシャフト1による穿孔等が起こりにくくなり、安全性を高めることができる。
【0035】
第1チューブ10と第2チューブ20とは、接着によって固定されており、第2チューブ20と第3チューブ30とは、溶着によって固定されていることが好ましい。第1チューブ10と第2チューブ20とが、接着剤等の接着によって固定されていることにより、第1チューブ10と第2チューブ20との固定を容易に行うことができ、かつ、第1チューブ10と第2チューブ20との固定箇所の剛性を高めてカテーテルシャフト1のプッシャビリティを高めることが可能となる。また、第2チューブ20と第3チューブ30とが、熱溶着等の溶着によって固定されていることにより、第2チューブ20と第3チューブ30との固定を強固なものとしつつ、第2チューブ20と第3チューブ30との固定箇所の柔軟性を維持することができる。つまり、第2チューブ20において、遠位側である第1チューブ10との固定箇所の剛性は高めつつ、近位側である第3チューブ30との固定箇所の柔軟性は維持することができ、カテーテルシャフト1の遠位端部において、プッシャビリティを高めながら屈曲しやすいものとすることができる。
【0036】
第1チューブ10と第2チューブ20とを接着によって固定する場合、第1チューブ10の近位端10pから接着剤を流し込むことが好ましい。あるいは、第2チューブ20の遠位端20dに予め接着剤を塗布した状態で、第1チューブ10の近位端10pに挿入することも好ましい。このように第1チューブ10と第2チューブ20とを固定することにより、第1チューブ10と第2チューブ20との接着を迅速に行うことができ、また、接着剤が他の意図していない箇所に付着しにくくなる。そのため、第1チューブ10と第2チューブ20とを接着する工程を効率的に行うことが可能となる。
【0037】
第3チューブ30の近位端30pは、第2チューブ20に溶着によって固定されており、第3チューブ30の遠位端30dは、第2チューブ20に溶着によって固定されていないことが好ましい。第3チューブ30の近位端30pが第2チューブ20に溶着によって固定されていることにより、第3チューブ30と第2チューブ20とを溶着によって十分に固定しつつ、かつ、第3チューブ30の遠位端30dが第2チューブ20に溶着によって固定されていないことにより、第3チューブ30の遠位端30dを溶着することによる第2チューブ20の外径や肉厚の変化等が生じにくく、第3チューブ30の遠位端30dよりも遠位側にある第1チューブ10と第2チューブ20との固定に影響を与えにくくなる。そのため、第1チューブ10と第2チューブ20との固定が行いやすくなり、カテーテルシャフト1の製造効率を高めることができる。また、第3チューブ30の近位端30pが第2チューブ20に熱溶着によって固定されていることにより、第3チューブ30の近位端30pの段差を解消して、外部との引っ掛かりや干渉の発生を抑制できる。さらに、第3チューブ30の遠位端30dが第2チューブ20に熱溶着によって固定されていないことにより、第3チューブ30の遠位端30dの外径を第1チューブ10の近位端10pの外径に近づけることができるため、第1チューブ10の近位端10pから第3チューブ30の外径変化を連続的に推移させることができ、第1チューブ10の近位端10pでの外部との引っ掛かりや干渉の発生を抑制できる。
【0038】
溶着による第2チューブ20と第3チューブ30との固定部は、第4チューブ40の遠位端40dよりも近位側にあることが好ましい。つまり、第2チューブ20と第3チューブ30は、第4チューブ40の遠位端40dよりも近位側の領域でのみ熱溶着によって固定されていることが好ましい。溶着による第2チューブ20と第3チューブ30との固定部が第4チューブ40の遠位端40dよりも近位側にあることにより、溶着によって第3チューブ30に熱が加わった際に、第3チューブ30の内腔が変形することを第4チューブ40によって防ぐことができる。
【0039】
第1チューブ10を構成する材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、PEEK等の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、PTFE、PFA、ETFE等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。中でも、第1チューブ10を構成する材料は、フッ素系樹脂であることが好ましく、PTFEであることがより好ましい。第1チューブ10を構成する材料がフッ素系樹脂であることにより、摺動性のよい第1チューブ10とすることができる。第1チューブ10の摺動性を向上させることによって、第1チューブ10を生体内管腔の目的の部位まで円滑に挿通しやすくなる。
【0040】
第1チューブ10は、単層構造であってもよく、複層構造であってもよい。第1チューブ10が複層構造である場合、例えば、第1チューブ10を構成する樹脂チューブの中間層として、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属編組を用いた構造とすることができる。また、第1チューブ10は、内層にフッ素系樹脂を用い、外層にポリアミド系樹脂を用いた2層構造であってもよい。第1チューブ10が内層にフッ素系樹脂を用いる2層構造である場合、第1チューブ10の近位端10p付近は外層のポリアミド系樹脂のみの単層構造とすることで、第2チューブ20との接続が容易になるため、より好ましい。
【0041】
第2チューブ20を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、PEEK等の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、PTFE、PFA、ETFE等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。中でも、第2チューブ20を構成する材料は、ポリアミドエラストマー等のポリアミド系樹脂であることが好ましい。第2チューブ20を構成する材料がポリアミド系樹脂であることにより、第2チューブ20が柔軟なものとなり、湾曲した生体内管腔であっても第2チューブ20が屈曲して目的の部位まで挿通しやすいカテーテルシャフト1とすることができる。また、第2チューブ20は、第4チューブ40上で樹脂の種類を切り替えてもよい。第2チューブ20の剛性や外径を適宜調節することによって、より操作性の高いカテーテルシャフト1を容易に製造することができる。
【0042】
第3チューブ30を構成する材料としては、例えば、ポリアミドエラストマーやナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、PEEK等の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。中でも、第3チューブ30を構成する材料は、ポリアミドエラストマー等のポリアミド系樹脂であることが好ましい。第3チューブ30を構成する材料がポリアミド系樹脂であることにより、第3チューブ30の柔軟性が高まり、屈曲しやすいカテーテルシャフト1とすることができる。
【0043】
第4チューブ40を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、PET等のポリエステル系樹脂、PEEK等の芳香族ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、PTFE、PFA、ETFE等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。中でも、第4チューブ40を構成する材料は、熱硬化性樹脂を含んでいることが好ましい。第4チューブ40を構成する材料が熱硬化性樹脂を含んでいることにより、第2チューブ20と第3チューブ30とを熱溶着した際に、第4チューブ40は熱による溶融や変形等の影響を受けにくく、第4チューブ40の内径が維持される。そのため、カテーテルシャフト1の製造において、カテーテルシャフト1を構成する部材を熱溶着する際に、内腔の確保のために部材の内腔に配置する芯材を準備する必要がなく、カテーテルシャフト1の製造が効率的となる。
【0044】
第4チューブ40を構成する材料は、ポリイミド系樹脂であることがより好ましい。第4チューブ40を構成する材料がポリイミド系樹脂であることにより、第4チューブ40が熱溶着の熱による影響を受けにくくしつつ、第4チューブ40の強度が高まり、カテーテルシャフト1を遠位側に押す力や近位側に引く力がカテーテルシャフト1の遠位端まで伝わりやすくなる。
【0045】
第4チューブ40は、内層と外層を有する複層構造であることが好ましい。第4チューブ40が複層構造である場合、内層にポリイミド系樹脂を用い、外層に熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。第4チューブ40が、内層にポリイミド系樹脂を用い、外層に熱可塑性樹脂を用いる構成であることにより、第2チューブ20と第3チューブ30とを熱溶着することによって、第4チューブ40の外層も一緒に溶着されて第4チューブ40も第3チューブ30に固定されるが、第4チューブ40の内層は熱の影響を受けにくく、内腔を十分に確保することが可能となる。第4チューブ40は、外層に熱可塑性樹脂、内層にフッ素系樹脂を有する構成であることがより好ましく、外層に熱硬化性樹脂、内層にフッ素系樹脂、中間層に金属の補強体を有する構成であることがさらに好ましい。
【0046】
第4チューブ40を構成する材料の融点は、第2チューブ20を構成する材料の融点よりも高いことが好ましい。第4チューブ40を構成する材料の融点が第2チューブ20を構成する材料の融点よりも高いことにより、第2チューブ20と第3チューブ30とを溶着する場合等、第2チューブ20に熱を加えた際に、この熱によって第4チューブ40が変形して内腔が潰れることや、第4チューブ40の肉厚が減少して強度が低下すること等の第4チューブ40への影響を軽減することが可能となる。なお、第4チューブ40が複層構造である場合、第4チューブ40の外層を構成する材料の融点が、第2チューブ20を構成する材料の融点よりも高いことが好ましい。
【0047】
第3チューブ30を構成する材料の融点は、第4チューブ40を構成する材料の融点よりも低いことが好ましい。第3チューブ30を構成する材料の融点が第4チューブ40を構成する材料の融点よりも低いことにより、第2チューブ20および第3チューブ30を溶着する場合等において、第3チューブ30へ加えた熱が第4チューブ40に伝わった際に、第4チューブ40が変形して内腔が潰れることや肉厚が減少して強度が低下することを防止することができる。なお、第4チューブ40が複層構造である場合、第3チューブ30を構成する材料の融点は、第4チューブ40の外層を構成する材料の融点よりも低いことが好ましい。
【0048】
第3チューブ30を構成する材料の融点は、第2チューブ20を構成する材料の融点よりも低いことが好ましい。第3チューブ30を構成する材料の融点が第2チューブ20を構成する材料の融点よりも低いことにより、第2チューブ20と第3チューブ30とを溶着する際に、第2チューブ20よりも先に第3チューブ30が溶融し始める。そのため、第3チューブ30を第2チューブ20上で溶融固定しやすくなり、第2チューブ20と第3チューブ30との位置関係を定めやすく、カテーテルシャフト1の製造が行いやすくなる。
【0049】
第3チューブ30を構成する材料の融点は、第2チューブ20を構成する材料の融点よりも低く、かつ、第2チューブ20を構成する材料の融点は、第4チューブ40を構成する材料の融点よりも低いことが好ましい。つまり、第2チューブ20を構成する材料、第3チューブ30を構成する材料、および第4チューブ40を構成する材料の中で、第3チューブ30を構成する材料の融点が最も低く、第4チューブ40を構成する材料の融点が最も高いことが好ましい。なお、第4チューブ40が複層構造である場合、第2チューブ20を構成する材料、第3チューブ30を構成する材料、および第4チューブ40の外層を構成する材料の中で、第3チューブ30を構成する材料の融点が最も低く、第4チューブ40の外層を構成する材料の融点が最も高いことが好ましい。第3チューブ30を構成する材料の融点が最も低いことにより、第2チューブ20および第3チューブ30を溶着するために加熱した際に、第3チューブ30が第2チューブ20よりも早く融け始めるため、第2チューブ20上における第3チューブ30の位置を定めやすくなる。また、第4チューブ40を構成する材料の融点が最も高いことにより、第2チューブ20と第3チューブ30とを加熱した際に第4チューブ40は熱による形状の変化等の影響を受けにくく、内腔を維持することができる。さらに、第4チューブ40に熱硬化性樹脂を用いることで、同様の効果を容易に発揮できる。
【0050】
第1チューブ10の長手方向における第3チューブ30の長さD1は、第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2よりも長いことが好ましい。第3チューブ30の長さD1とは、第1チューブ10の長手方向における第3チューブ30の近位端30pから遠位端30dまでの最短距離を示す。第3チューブ30の長さD1が、第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2よりも長いことにより、第3チューブ30の長さD1を十分なものとすることができる。そのため、第1チューブ10と第2チューブ20との外径の差による第1チューブ10と第2チューブ20との段差を滑らかに緩和することができ、カテーテルシャフト1の外表面が他物に引っ掛かりにくく、円滑な操作が可能となる。さらに、第2チューブ20の遠位端20dから第3チューブ30の近位端30pまでの剛性変化を連続的に推移させることができるため、操作性が高まる。
【0051】
第1チューブ10の長手方向における第3チューブ30の長さD1は、第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2の1.1倍以上であることが好ましく、1.15倍以上であることがより好ましく、1.2倍以上であることがさらに好ましい。第3チューブ30の長さD1と最短距離D2との比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、第3チューブ30の長さD1が十分なものとなり、第1チューブ10と第2チューブ20との段差を緩和しつつ、外表面を滑らかにして他物に引っ掛かりにくくすることができる。また、第1チューブ10の長手方向における第3チューブ30の長さD1は、第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2の3倍以下であることが好ましく、2.5倍以下であることがより好ましく、2倍以下であることがさらに好ましい。第3チューブ30の長さD1と最短距離D2との比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、第3チューブ30の長さD1が長くなりすぎることを防ぎ、第3チューブ30の全体を溶着等によって固定しなくても、第2チューブ20と第3チューブ30との固定強度を高めることができる。
【0052】
第1チューブ10の長手方向における第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2は、第3チューブ30の近位端30pから第4チューブ40の遠位端40dまでの最短距離D3よりも長いことが好ましい。第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2が、第3チューブ30の近位端30pから第4チューブ40の遠位端40dまでの最短距離D3よりも長いことにより、第1チューブ10の内表面と第2チューブ20の外表面とが互いに重なり合う面積を十分に確保することができ、固定強度を高めることができる。
【0053】
第1チューブ10の長手方向における第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2は、第3チューブ30の近位端30pから第4チューブ40の遠位端40dまでの最短距離D3の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、2.5倍以上であることがさらに好ましい。最短距離D2と最短距離D3との比率の下限値を上記の範囲に設定することにより、第1チューブ10の内表面と第2チューブ20の外表面とが互いに重なり合う面積が十分なものとなり、屈曲させても第1チューブ10と第2チューブ20とが外れないカテーテルシャフト1とすることができる。また、第1チューブ10の長手方向における第1チューブ10の近位端10pから第2チューブ20の遠位端20dまでの最短距離D2は、第3チューブ30の近位端30pから第4チューブ40の遠位端40dまでの最短距離D3の5倍以下であることが好ましく、4.5倍以下であることがより好ましく、4倍以下であることがさらに好ましい。最短距離D2と最短距離D3との比率の上限値を上記の範囲に設定することにより、第2チューブ20と第3チューブ30との熱溶着等の固定によって内腔が狭くなることを第4チューブ40が防ぐ効果を高めることができる。
【0054】
第1チューブ10の長手方向における第3チューブ30の長さD1は、第1チューブ10の長さ、第2チューブ20の長さ、および第4チューブ40の長さよりも短いことが好ましい。つまり、第1チューブ10、第2チューブ20、第3チューブ30、および第4チューブ40の中で、第3チューブ30の長さが最も短いことが好ましい。なお、第1チューブ10の長さとは、第1チューブ10の長手方向における第1チューブ10の近位端10pから遠位端10dまでの最短距離を示し、第2チューブ20の長さとは、第1チューブ10の長手方向における第2チューブ20の近位端から遠位端20dまでの最短距離を示し、第4チューブ40の長さとは、第1チューブ10の長手方向における第4チューブ40の近位端から遠位端40dまでの最短距離を示す。第3チューブ30の長さD1が、第1チューブ10の長さ、第2チューブ20の長さ、および第4チューブ40の長さよりも短いことにより、第3チューブ30を第2チューブ20の外方に配置する工程が行いやすく、また、第4チューブ40の遠位端40dを第3チューブ30の近位端30pよりも遠位側に配置する工程が行いやすくなる。その結果、カテーテルシャフト1の製造の工程を効率的にすることができる。
【0055】
以上のように、本発明のカテーテルシャフトは、第1チューブと、第1チューブの外径よりも外径が小さい第2チューブと、第2チューブの外方であって第1チューブの近位端よりも近位側に配置されている第3チューブと、第2チューブの内方であって第1チューブの近位端よりも近位側に配置されている第4チューブと、を有しており、第2チューブの遠位端は、第1チューブの内腔に配されており、第4チューブの遠位端は、第3チューブの近位端よりも遠位側に位置している。カテーテルシャフトがこのような構成であることにより、カテーテルシャフトの内腔に他の部材を配置する際に、この他の部材と、第1チューブ、第2チューブ、第3チューブ、および第4チューブとのそれぞれの位置関係を調節することが可能である。そのため、カテーテルシャフトの製造が行いやすく、製造効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0056】
1:カテーテルシャフト
10:第1チューブ
10d:第1チューブの遠位端
10p:第1チューブの近位端
20:第2チューブ
20d:第2チューブの遠位端
30:第3チューブ
30d:第3チューブの遠位端
30p:第3チューブの近位端
40:第4チューブ
40d:第4チューブの遠位端
D1:第3チューブの長さ
D2:第1チューブの近位端から第2チューブの遠位端までの最短距離
D3:第3チューブの近位端から第4チューブの遠位端までの最短距離
図1