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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】ドア開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/643 20150101AFI20241028BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20241028BHJP
   B60J 5/06 20060101ALI20241028BHJP
   B61D 19/00 20060101ALI20241028BHJP
   E05B 81/06 20140101ALI20241028BHJP
   E05B 81/40 20140101ALI20241028BHJP
   E05B 83/04 20140101ALI20241028BHJP
【FI】
E05F15/643
B60J5/04 C
B60J5/06 A
B61D19/00 A
B61D19/00 C
E05B81/06
E05B81/40
E05B83/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021062965
(22)【出願日】2021-04-01
(65)【公開番号】P2022158215
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2024-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(72)【発明者】
【氏名】榊 源太
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-509559(JP,A)
【文献】特開昭53-116627(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0120262(US,A1)
【文献】特開2000-145284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00-85/28
E05F 15/00-15/79
B60J 5/04- 5/06
B61D 19/00-19/02
B66B 13/00-13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源から伝達された回転力を出力する出力軸を有する駆動体と、
前記出力軸の回転力を受けてドアを開閉移動させるために回転軸を有する回転体と、
前記ドアのロックを解除する解錠部に連結された連結部材と、
前記出力軸の出力を前記連結部材および前記回転体に伝達可能な伝達機構と、を備え、
前記伝達機構は、
前記出力軸を中心として回転可能であるとともに、前記出力軸に沿う軸方向に移動可能に前記出力軸に連結された雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材と、
前記回転軸を中心として回転可能に前記回転軸に連結された前記雌ねじ又は前記雄ねじの他方のねじ部材と、
前記ドアの全閉位置において、前記出力軸が出力する回転力を受けて、前記一方のねじ部材と前記他方のねじ部材とが互いに噛み合いながら移動する際の、前記一方のねじ部材の前進する力を前記連結部材に伝達して、前記解錠部を作動させる伝達部材と、
を備え、
前記伝達機構は、前記解錠部により前記ドアのロックが解除された後に、前記出力軸の回転を前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記回転軸に伝達することにより前記ドアを開動作させる
ドア開閉装置。
【請求項2】
前記伝達部材は、前記一方のねじ部材が前記軸方向に移動するときの力を、前記出力軸を中心とした回転方向の力に変換して前記連結部材に伝達する
請求項1に記載のドア開閉装置。
【請求項3】
前記伝達機構は、移動不能に固定された固定ピンを更に備え、
前記伝達部材は、前記出力軸を中心として前記一方のねじ部材に対して相対的に回転可能に前記一方のねじ部材に連結されており、
前記伝達部材は、前記軸方向に対して傾斜して延びる開口を有し、
前記固定ピンは、前記開口に嵌まっており、
前記一方のねじ部材が前記軸方向に前進して前記伝達部材を押し、前記伝達部材が前記一方のねじ部材に対して回転することで、前記一方のねじ部材が前記軸方向に移動するときの力を、前記出力軸を中心とした回転方向の力に変換する
請求項2に記載のドア開閉装置。
【請求項4】
前記伝達部材は、ベアリングを介して、前記一方のねじ部材に対して相対的に回転可能に前記一方のねじ部材に連結されており、
前記一方のねじ部材は、前記軸方向に前進するときに前記ベアリングを押す押圧部を備える
請求項1から3のいずれか一項に記載のドア開閉装置。
【請求項5】
前記回転軸は、前記ドアを開閉移動させるためのベルトを駆動する駆動プーリの駆動軸であり、
前記ドアのロックが解除された後、前記一方のねじ部材が前記駆動プーリに当たって前進移動不能になると、前記出力軸の回転が、前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記駆動軸に伝達されることで、前記駆動軸の回転が前記ベルトに伝達されることにより、前記ドアが開動作される
請求項1から4のいずれか一項に記載のドア開閉装置。
【請求項6】
前記連結部材は、
前記解錠部に接続されたシリンダと、
前記伝達部材に接続されたピストンと、を備え、
前記ピストンは、前記ピストンに弾性力を加える弾性部材に接続され、
前記ピストンが前記弾性力に抗して移動して前記シリンダに当たり、前記シリンダが前記ピストンと一体に所定以上移動することにより、前記ドアのロックが解除される
請求項1から5のいずれか一項に記載のドア開閉装置。
【請求項7】
前記回転軸は、前記ドアを開閉動作させるためのベルトを駆動する駆動プーリの駆動軸であり、
前記出力軸の回転方向が前記ドアの開動作時とは逆方向の回転になり、前記一方のねじ部材が前進移動する方向とは反対に移動して前記駆動体に当たると、前記出力軸の前記逆方向の回転が、前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記駆動軸に伝達されることで、前記駆動軸の前記ドアの開動作時とは逆方向の回転が前記ベルトに伝達されることにより、前記ドアが閉動作される
請求項1から6のいずれか一項に記載のドア開閉装置。
【請求項8】
前記回転軸は、前記出力軸と同軸上で回転し、
前記一方のねじ部材は、前記出力軸と同軸上で回転する前記雌ねじであり、
前記他方のねじ部材は、前記出力軸と同軸上で回転する前記雄ねじである
請求項1から7のいずれか一項に記載のドア開閉装置。
【請求項9】
駆動源から伝達された回転力を出力する出力軸を有する駆動体と、
前記出力軸の回転力を受けてドアを開閉移動させるために回転軸を有する回転体と、
前記ドアのロックを解除する解錠部に連結された連結部材と、
前記出力軸の出力を前記連結部材および前記回転体に伝達可能な伝達機構と、を備え、
前記伝達機構は、
前記出力軸を中心として回転可能に前記出力軸に連結された雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材と、
前記回転軸を中心として回転可能であるとともに、前記回転軸に沿う軸方向に移動可能に前記回転軸に連結された前記雌ねじ又は前記雄ねじの他方のねじ部材と、
前記ドアの全閉位置において、前記出力軸が出力する回転力を受けて、前記一方のねじ部材と前記他方のねじ部材とが互いに噛み合いながら移動する際の、前記他方のねじ部材の前進する力を前記連結部材に伝達して、前記解錠部を作動させる伝達部材と、
を備え、
前記伝達機構は、前記解錠部により前記ドアのロックが解除された後に、前記出力軸の回転を前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記回転軸に伝達することにより前記ドアを開動作させる
ドア開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアを開閉移動させることが可能なドア開閉装置が知られている。例えば、特許文献1には、フレームに固定された固定ビームと、ドアが接続され固定ビームに対して横方向に移動可能な移動ビームと、移動ビームに固定されドアを移動させるモータと、を備えた構成が開示されている。モータは、横方向に沿って延びている。モータのハウジング(駆動カム)は、固定ビームに固定されたピンが嵌まり合うスロットを有する。スロットは、ハウジングの外周に沿って螺旋状に形成されている。ドアをロックする際、固定ビームに固定されたピンは、バネの弾性力によって、スロットの定位置に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/154964号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、モータのハウジングが有するスロットに嵌まり合うピンを設け、モータ自体が回転してスロットにピンが嵌まり合うことでドアをロックする構成の場合、モータの選択自由度及び配置自由度には制限がある。そのため、モータ(駆動源)の選択自由度及び配置自由度を高める上で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、駆動源の選択自由度及び配置自由度を高めることができるドア開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係るドア開閉装置は、駆動源から伝達された回転力を出力する出力軸を有する駆動体と、前記出力軸の回転力を受けてドアを開閉移動させるために回転軸を有する回転体と、前記ドアのロックを解除する解錠部に連結された連結部材と、前記出力軸の出力を前記連結部材および前記回転体に伝達可能な伝達機構と、を備え、前記伝達機構は、前記出力軸を中心として回転可能であるとともに、前記出力軸に沿う軸方向に移動可能に前記出力軸に連結された雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材と、前記回転軸を中心として回転可能に前記回転軸に連結された前記雌ねじ又は前記雄ねじの他方のねじ部材と、前記ドアの全閉位置において、前記出力軸が出力する回転力を受けて、前記一方のねじ部材と前記他方のねじ部材とが互いに噛み合いながら移動する際の、前記一方のねじ部材の前進する力を前記連結部材に伝達して、前記解錠部を作動させる伝達部材と、を備え、前記伝達機構は、前記解錠部により前記ドアのロックが解除された後に、前記出力軸の回転を前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記回転軸に伝達することにより前記ドアを開動作させる。
【0007】
この構成によれば、一方のねじ部材の前進力が伝達部材及び連結部材を介して解錠部に伝達されることによりドアのロックが解除され、解錠部によりドアのロックが解除された後に出力軸の回転を一方のねじ部材及び他方のねじ部材を介して回転軸に伝達されることによりドアを開動作させることができるため、駆動源には何の工夫も必要ない。したがって、駆動源の選択自由度及び配置自由度を高めることができる。
【0008】
(2)上記(1)に記載のドア開閉装置では、前記伝達部材は、前記一方のねじ部材が前記軸方向に移動するときの力を、前記出力軸を中心とした回転方向の力に変換して前記連結部材に伝達してもよい。
【0009】
(3)上記(2)に記載のドア開閉装置では、前記伝達機構は、移動不能に固定された固定ピンを更に備え、前記伝達部材は、前記出力軸を中心として前記一方のねじ部材に対して相対的に回転可能に前記一方のねじ部材に連結されており、前記伝達部材は、前記軸方向に対して傾斜して延びる開口を有し、前記固定ピンは、前記開口に嵌まっており、前記一方のねじ部材が前記軸方向に前進して前記伝達部材を押し、前記伝達部材が前記一方のねじ部材に対して回転することで、前記一方のねじ部材が前記軸方向に移動するときの力を、前記出力軸を中心とした回転方向の力に変換してもよい。
【0010】
(4)上記(1)から(3)のいずれか一項に記載のドア開閉装置では、前記伝達部材は、ベアリングを介して、前記一方のねじ部材に対して相対的に回転可能に前記一方のねじ部材に連結されており、前記一方のねじ部材は、前記軸方向に前進するときに前記ベアリングを押す押圧部を備えてもよい。
【0011】
(5)上記(1)から(4)のいずれか一項に記載のドア開閉装置では、前記回転軸は、前記ドアを開閉移動させるためのベルトを駆動する駆動プーリの駆動軸であり、前記ドアのロックが解除された後、前記一方のねじ部材が前記駆動プーリに当たって前進移動不能になると、前記出力軸の回転が、前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記駆動軸に伝達されることで、前記駆動軸の回転が前記ベルトに伝達されることにより、前記ドアが開動作されてもよい。
【0012】
(6)上記(1)から(5)のいずれか一項に記載のドア開閉装置では、前記連結部材は、前記解錠部に接続されたシリンダと、前記伝達部材に接続されたピストンと、を備え、前記ピストンは、前記ピストンに弾性力を加える弾性部材に接続され、前記ピストンが前記弾性力に抗して移動して前記シリンダに当たり、前記シリンダが前記ピストンと一体に所定以上移動することにより、前記ドアのロックが解除されてもよい。
【0013】
(7)上記(1)から(6)のいずれか一項に記載のドア開閉装置では、前記回転軸は、前記ドアを開閉動作させるためのベルトを駆動する駆動プーリの駆動軸であり、前記出力軸の回転方向が前記ドアの開動作時とは逆方向の回転になり、前記一方のねじ部材が前進移動する方向とは反対に移動して前記駆動体に当たると、前記出力軸の前記逆方向の回転が、前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記駆動軸に伝達されることで、前記駆動軸の前記ドアの開動作時とは逆方向の回転が前記ベルトに伝達されることにより、前記ドアが閉動作されてもよい。
【0014】
(8)上記(1)から(7)のいずれか一項に記載のドア開閉装置では、前記回転軸は、前記出力軸と同軸上で回転し、前記一方のねじ部材は、前記出力軸と同軸上で回転する前記雌ねじであり、前記他方のねじ部材は、前記出力軸と同軸上で回転する前記雄ねじであってもよい。
【0015】
(9)本発明の態様に係るドア開閉装置は、駆動源から伝達された回転力を出力する出力軸を有する駆動体と、前記出力軸の回転力を受けてドアを開閉移動させるために回転軸を有する回転体と、前記ドアのロックを解除する解錠部に連結された連結部材と、前記出力軸の出力を前記連結部材および前記回転体に伝達可能な伝達機構と、を備え、前記伝達機構は、前記出力軸を中心として回転可能に前記出力軸に連結された雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材と、前記回転軸を中心として回転可能であるとともに、前記回転軸に沿う軸方向に移動可能に前記回転軸に連結された前記雌ねじ又は前記雄ねじの他方のねじ部材と、前記ドアの全閉位置において、前記出力軸が出力する回転力を受けて、前記一方のねじ部材と前記他方のねじ部材とが互いに噛み合いながら移動する際の、前記他方のねじ部材の前進する力を前記連結部材に伝達して、前記解錠部を作動させる伝達部材と、を備え、前記伝達機構は、前記解錠部により前記ドアのロックが解除された後に、前記出力軸の回転を前記一方のねじ部材および前記他方のねじ部材を介して前記回転軸に伝達することにより前記ドアを開動作させる。
【0016】
この構成によれば、他方のねじ部材の前進力が伝達部材及び連結部材を介して解錠部に伝達されることによりドアのロックが解除され、解錠部によりドアのロックが解除された後に出力軸の回転を一方のねじ部材及び他方のねじ部材を介して回転軸に伝達されることによりドアを開動作させることができるため、駆動源には何の工夫も必要ない。したがって、駆動源の選択自由度及び配置自由度を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、駆動源の選択自由度及び配置自由度を高めることができるドア開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態のドア開閉装置の斜視図である。
図2】第1実施形態のロック機構を含む周辺の斜視図である。
図3】第1実施形態の回転体及び支持体を含む周辺の斜視図である。
図4】第1実施形態の拘束部材の動作説明図である。
図5】第1実施形態の伝達機構をYZ面で切断した断面を含む周辺の斜視図である。
図6】第1実施形態の伝達機構をXY面で切断した断面を含む周辺の斜視図である。
図7】第1実施形態の固定ピンを含む周辺の斜視図である。
図8】第1実施形態のロッドの断面を含む斜視図である。
図9】第1実施形態の伝達機構の動作を説明するための斜視図である。
図10】第1実施形態の伝達機構の動作を説明するための他の斜視図である。
図11】第2実施形態の伝達機構をXY面で切断した断面を含む周辺の斜視図である。
図12】第2実施形態の固定ピンを含む周辺の斜視図である。
図13】実施形態の変形例の出力軸及び回転軸の配置説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、ドア開閉装置として鉄道車両(車両)の乗降口を開閉する両引き分けの一対のドアを備えた例を挙げて説明する。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を意味するのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も含むものとする。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0020】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態のドア開閉装置の斜視図である。
図1に示すように、ドア開閉装置1は、一対のドア2と、固定ベース3と、スライドベース4と、ガイドレール5(図2参照)と、駆動源6と、拘束部材7と、ロック機構8と、を備える。なお、図1においては、一対のドア2を二点鎖線で示している。図1においては、ドア2が全閉位置に位置する状態を示している。
【0021】
なお、以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。X方向は、車両の前後方向と一致している。Y方向は、車両の幅方向と一致している。Z方向は、X方向及びY方向に直交する車両の高さ方向(重力方向)を示している。以下の説明では、X方向、Y方向及びZ方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。+Y側は幅方向外側に相当し、-Y側は幅方向内側に相当する。+Z側は重力方向の上側に相当し、-Z側は重力方向の下側に相当する。
【0022】
ドア開閉装置1は、ドア2が全閉位置のとき、車体側壁の外面とドア2の外面とが面一となるようにドア2を支持している。ドア2は、ドアリーフ10と、ドアリーフ10に連結されたドアハンガ11と、を備える。ドア2は、スライドベース4に取り付けられている。ドアハンガ11は、スライドベース4に対して前後方向に移動可能な状態でスライドベース4に支持されている。
【0023】
固定ベース3は、車両の車体に固定されている。車体は、車両の骨格をなすフレームである。固定ベース3は、車両の乗降口15の上方に設けられている。固定ベース3は、乗降口15の上端縁を跨ぐように前後方向に延びている。固定ベース3の前後方向の両端には、幅方向に延びるレールベース9がそれぞれ連結されている。
【0024】
スライドベース4は、駆動源6からの駆動力によって固定ベース3に対して幅方向にスライドすることで、ドア2を幅方向に移動させる。スライドベース4は、固定ベース3の下方に設けられている。スライドベース4は、乗降口15の上端縁に沿うように前後方向に延びている。スライドベース4の前後方向の両端は、レールベース9に沿って幅方向に移動可能とされている。
【0025】
図2は、第1実施形態のロック機構を含む周辺の斜視図である。図3は、第1実施形態の回転体及び支持体を含む周辺の斜視図である。
図2に示すように、ガイドレール5は、車両の乗降口15(図1参照)を開閉するためのドア2の開閉経路20を画定している。ガイドレール5は、乗降口15の上方に設けられている。ガイドレール5は、固定ベース3(図1参照)に支持されている。ガイドレール5は、複数のボルト等の締結部材によって固定ベース3に取り付けられている。
【0026】
開閉経路20は、前後方向に沿う直線部分21と、直線部分21に対して傾斜する傾斜部分22と、を含む。直線部分21と傾斜部分22との接続部分23は、弧状に湾曲している。なお、図2においては、直線部分21の一部を二点鎖線で示している。
【0027】
図1に示すように、駆動源6は、ドア2を移動させるための駆動力を出力する。例えば、駆動源6は、モータである。モータの出力軸は、前後方向に沿う軸線まわりで回転する。例えば、モータの出力軸は、前後方向に沿う軸線まわりの一方と他方とに回転可能(正逆回転可能)とされる。駆動源6は、動くことが可能な電源ケーブル29、いわゆるケーブルベヤ(登録商標)に接続されている。駆動源6は、伝達機構等を介してスライドベース4に支持されている。駆動源6は、スライドベース4の幅方向への移動と共に幅方向に移動可能とされている。
【0028】
図5は、第1実施形態の伝達機構をYZ面で切断した断面を含む周辺の斜視図である。
図5に示すように、ドア開閉装置1は、駆動源6(図1参照)から伝達された回転力を出力する出力軸30を有する減速機31(駆動体の一例)と、出力軸30の回転を受けてドアを開閉移動させるために駆動軸33a(回転軸の一例)を有する駆動プーリ33(回転体の一例)と、ドアのロックを解除するラッチ9(解錠部の一例、図2参照)に連結されたロッド62(連結部材の一例、図1参照)と、出力軸30の出力をロッド62及び駆動プーリ33に伝達可能な伝達機構100と、を備える。
【0029】
図1に示すように、減速機31は、駆動源6からの駆動力を減速して出力する。減速機31は、駆動源6からの駆動力の向きを変換する動力変換機構としても機能する。減速機31は、モータの出力軸の前後方向に沿う軸線まわりの回転を、幅方向に沿う軸線まわりの回転へ変換する。図5に示すように、減速機31は、ブラケット80を介してスライドベース4に連結されている。
【0030】
駆動軸33aは、出力軸30と同軸上で回転する。駆動プーリ33は、出力軸30と同軸上の幅方向に沿う軸線まわりで回転可能である。駆動プーリ33は、スライドベース4の-X側部に設けられている。駆動プーリ33は、軸受82及びブラケット83を介して、出力軸30と同軸上の幅方向に沿う軸線まわりで回転可能にスライドベース4に連結されている。
【0031】
図1に示すように、スライドベース4の前後方向において駆動プーリ33とは反対側(すなわち、スライドベースの+X側部)には、被動プーリ34が設けられている。被動プーリ34は、駆動プーリ33の駆動軸線と平行な軸線(幅方向に沿う軸線)まわりで回転可能である。
【0032】
駆動プーリ33及び被動プーリ34には、ドア2を開閉動作させるためのベルト32が架け渡されている。ベルト32は、駆動プーリ33の回転に連動して駆動プーリ33及び被動プーリ34の周りを移動(周回)する。ベルト32には、ドアハンガ11が接続されている。ドアハンガ11は、ベルト32の移動と共に前後方向に移動する。ベルト32には、ベルト32の移動と共に移動する連結部材35が取り付けられている。図3に示すように、連結部材35には、回転体36及び支持体37が支持されている。
【0033】
例えば、回転体36は、開閉経路20に沿って転がるローラである。回転体36は、駆動源6(図1参照)からの駆動力によってドア2(図1参照)と一体に移動する。回転体36は、ドア2が開閉する際にガイドレール5に案内されながら開閉経路20に沿って転がる。回転体36は、連結部材35に対して高さ方向に延びる軸線回りに回転可能に連結されている。回転体36の形状は、高さ方向から見て円形状に形成されている。
【0034】
図1に示すように、一対のドア2のうち-X側のドア2は、ドアハンガ11を介して、連結部材35と共にベルト32の上側の部分に接続されている。これに対し、+X側のドア2は、ドアハンガ11を介して、ベルト32の下側の部分に接続されている。上述の通りベルト32は前後方向において互いに離間した位置にある駆動プーリ33及び被動プーリ34に架け渡されているため、ベルト32の上側の部分と下側の部分とは前後方向において互いに反対方向に移動する。このため、ベルト32が移動すると、-X側のドア2及び連結部材35と、+X側のドア2とは、前後方向においては互いに反対方向に移動する。
【0035】
一対のドア2は、図1に示す全閉位置(車体側壁の外面とドア2の外面とが面一となる位置)から、駆動源6からの駆動力がベルト32に伝達され、ベルト32に接続されたドアハンガ11及び連結部材35が移動することにより、全開位置まで移動する。ここで、全開位置は、一対のドア2が乗降口15を開放(全開)するとともに、一対のドア2が車両外部に出た位置を意味する。図1の例では、-X側のドア2は、全閉位置から最初は幅方向外側(具体的には幅方向を含む斜め)に移動し、その後、-X方向へ真っ直ぐ移動することにより全開位置に至る。一方、+X側のドア2は、全閉位置から最初は幅方向外側(具体的には幅方向を含む斜め)に移動し、その後、+X方向へ真っ直ぐ移動することにより全開位置に至る。
【0036】
なお、ドアの駆動方式は、ドア開閉装置が上述のベルト32を備える、いわゆるベルト式に限定されない。例えば、ドアの駆動方式は、ボルトに相当するスクリュー軸をモータで回転させ、ナットに相当するボールナットに取り付けられたドアを開閉する方式である、いわゆるスクリュー式であってもよい。または、ドアの駆動方式は、ラック・アンド・ピニオン機構のピニオンをモータで回転させ、ラックレールに取り付けられたドアを開閉する方式である、いわゆるラック・アンド・ピニオン方式であってもよい。例えば、ドアの駆動方式は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0037】
図3に示すように、支持体37は、連結部材35から上方に延びている。例えば、支持体37は、高さ方向に延びるピンである。支持体37は、駆動源6(図1参照)からの駆動力によってドア2(図1参照)と一体に移動する。支持体37は、ドア2が開閉する際にガイドレール5に接触しないように回転体36とは離間して設けられている。
【0038】
拘束部材7は、ドア2(図1参照)の全閉位置において回転体36を拘束する。拘束部材7は、ガイドレール5に対して高さ方向にずれて配置されている。拘束部材7は、ガイドレール5の下方に設けられている。拘束部材7は、高さ方向に延びる軸39を中心として回転可能に設けられている。
【0039】
軸39の上部は、ガイドレール5に固定されている。図2に示すように、軸39には、ねじりばね40(弾性部材)が巻き付けられている。以下、ドアを拘束しない位置を「非拘束位置」、ドアの全閉位置において回転体36を拘束する位置を「拘束位置」という。拘束位置は、ドアの全閉位置と同じ位置である。図1から図3に示す拘束部材7の位置及び図4の実線で示す拘束部材7の位置は、拘束位置を示している。図4の二点鎖線で示す拘束部材7の位置は、非拘束位置を示している。ねじりばね40は、拘束部材7が非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)に保たれるように拘束部材7に対して弾性力を加える。
【0040】
拘束部材7は、外力が作用しない状態においては、ねじりばね40からの弾性力によって非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)に保持される。以下、ドア2が閉じる方向を「閉方向」という。
【0041】
ここで、閉方向は、ドア2が全開位置から全閉位置に位置するまでの移動方向を意味する。ドア2は、全開位置から閉じる動作を行うとき、最初は前後方向に沿って真っ直ぐ移動するが、その後、幅方向内側(具体的には幅方向を含む斜め)に移動する。このようにドア2は、閉方向への移動の序盤と終盤とで移動方向が変わる。なお、各図においては、一対のドア2のうち-X側のドアが閉じる方向を閉方向として矢印Vc方向(具体的には閉方向のうち前後方向に沿う成分)で示している。
【0042】
拘束部材7は、回転体36が開閉経路20に沿って閉方向Vcに移動する際に回転体36によって押されることで、非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)から拘束位置(図4の実線の位置)に移動する。
【0043】
図2に示すように、拘束部材7は、閉方向Vcに順に配置された第1アーム41及び第2アーム42を備える。第1アーム41及び第2アーム42は、高さ方向から見てU字状をなすように一体に連結されている。拘束部材7が非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)に位置する場合、第1アーム41は開閉経路20を横断せず、かつ、第2アーム42は開閉経路20を横断する。拘束部材7が拘束位置(図4の実線の位置)に位置する場合、第1アーム41及び第2アーム42は開閉経路20を横断する。
【0044】
図4に示すように、拘束部材7が非拘束位置に位置する場合、第1アーム41は開閉経路20を避けた位置(図4の二点鎖線の位置)に配置される。拘束部材7が非拘束位置に位置する場合、第1アーム41の+Y側端は、開閉経路20よりも-Y側に配置される。第1アーム41は、拘束部材7が非拘束位置に位置する場合、高さ方向から見て閉方向Vcに向かって傾斜する拘束壁43を有する。拘束壁43は、ドアの全閉位置において支持体37(図3参照)を拘束する部分である。拘束壁43は、第1アーム41に形成された溝44の内面を構成している。
【0045】
第2アーム42は、第1アーム41に対して閉方向Vcに離間して配置されている。第2アーム42は、拘束部材7が非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)に位置する場合は傾斜部分22に対して垂直な第1の面45と、拘束部材7が拘束位置(図4の実線の位置)に位置する場合は傾斜部分22に対して垂直な第2の面46と、を有する。
【0046】
第1の面45は、高さ方向から見て第2の面46に対して+X方向へ向かって傾斜するように連なっている。第1の面45は、拘束部材7が非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)に位置する場合は傾斜部分22の+Y側の部分(第2の面46が横断しない部分)を横断する。第1の面45は、拘束部材7が拘束位置(図4の実線の位置)に位置する場合は傾斜部分22を横断しない。拘束部材7が拘束位置に位置する場合、第1の面45は傾斜部分22よりも+X側に配置される。
【0047】
第2の面46は、拘束部材7に形成されたU字開口47の内面を構成している。第2の面46は、拘束部材7が非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)に位置する場合は傾斜部分22の-Y側の部分(第1の面45が横断しない部分)を横断する。第2の面46は、拘束部材7が拘束位置(図4の実線の位置)に位置する場合は傾斜部分22を全体的に横断する。
【0048】
拘束部材7は、ロック機構8により保持される被保持部48を備える。被保持部48は、軸39を挟んで回転体36を拘束する部分(例えば第二アーム42が設けられた部分)とは反対側に設けられている。被保持部48は、高さ方向から見て軸39と直交する方向に沿って延びている。被保持部48は、拘束部材7が拘束位置(図4の実線の位置)に位置する場合は軸39寄りの部分から-X方向に向けて延びている。被保持部48は、拘束部材7と同一の部材により一体に形成されている。
【0049】
拘束部材7には、拘束部材7が拘束位置に位置する場合にスイッチ51を押す押し部材50が設けられている。例えば、スイッチ51は、ドアが全閉位置においてロックされていることを検知するスイッチである。押し部材50は、軸39よりも閉方向Vcの側に設けられている。押し部材50は、軸39を挟んで被保持部48とは反対側に設けられている。
【0050】
押し部材50は、拘束部材7に対して着脱可能に取り付けられている。押し部材50は、拘束部材7の回転方向(軸39の周方向)に沿う長孔52を有する。押し部材50は、長孔52に沿って並ぶ複数(例えば本実施形態では2本)のボルト53によって拘束部材7に取り付けられている。
【0051】
ロック機構8は、拘束位置(図4の実線の位置)に位置する拘束部材7を保持する。図2に示すように、ロック機構8は、駆動源6(図1参照)からの駆動力によって揺動するレバー59を備える。レバー59は、アーム61及びロッド62(図1参照)を含むリンク機構60を介して駆動源6につながっている。
【0052】
拘束部材7が拘束位置に移動すると、拘束部材7の被保持部48(具体的には被保持部48の先端部から上方に延びる部分)によってレバー59が押され、レバー59が図2の矢印Lm方向に移動する。すると、ロック機構8の内部のラッチ9が施錠され、拘束部材7の被保持部48がレバー59によって支持される。これにより、ドアの全閉位置において回転体36及び支持体37が拘束部材7によって拘束され、ドアがロックされる(ロック状態)。
【0053】
一方、駆動源6からの駆動力によってアーム61が引かれると、ロック機構8の内部のラッチ9が解錠され、レバー59が図2の矢印Lm方向とは反対方向に移動する。すると、拘束部材7の被保持部48はレバー59による支持から開放される。これにより、拘束部材7は、ねじりばね40の弾性力(復元力)によって非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)へ戻る。これにより、拘束部材7による回転体36及び支持体37の拘束が解除され、ドアのロックが解除される(アンロック状態)。
【0054】
図4は、第1実施形態の拘束部材7の動作説明図である。図4においては、拘束位置に位置する拘束部材7を実線で示し、非拘束位置に位置する拘束部材7を二点鎖線で示している。
拘束部材7には、ねじりばね40からの弾性力が常に加えられている。そのため、拘束部材7に対して外力が作用しない状態においては、拘束部材7は非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)に保持される。拘束部材7が非拘束位置に位置する場合、回転体36及び支持体37は、駆動源6(図1参照)からの駆動力によってドアと一体に移動可能とされる。
【0055】
回転体36(図3参照)は、ドアが開閉する際にガイドレール5に案内されながら開閉経路20に沿って転がる。具体的に、回転体36は、ドア2を全開位置から閉じる動作を行うとき、最初は直線部分21(図2参照)に沿って真っ直ぐ移動するが、その後、傾斜部分22に沿って幅方向内側(具体的には幅方向を含む斜め)に移動する。このように回転体36は、閉方向への移動の序盤と終盤とで移動方向が変わる。
一方、支持体37(図3参照)は、ドアが開閉する際にガイドレール5に接触しないように開閉経路20よりも下方に離間した経路に沿って移動する。
【0056】
回転体36が開閉経路20に沿って閉方向Vcに移動すると、回転体36は、まず、開閉経路20を横切る第2アーム42(図4の二点鎖線の第2アーム42)に接触する。そして、回転体36が開閉方向に沿って閉方向Vcに更に移動すると、回転体36は、ねじりばね40の弾性力に抗して第2アーム42を閉方向Vcへ押す。回転体36により第2アーム42が閉方向Vcへ押されることで、拘束部材7は非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)から拘束位置(図4の実線の位置)に移動(回転)する。
【0057】
拘束部材7が拘束位置(図4の実線の位置)に移動すると、拘束部材7の被保持部48によってレバー59が押される。これにより、レバー59が図2の矢印Lm方向に移動する。すると、ロック機構8の内部のラッチ9が施錠される。ラッチ9の施錠によって、ロック機構8は、レバー59(図2参照)により、ドアの全閉位置(拘束位置)に位置する拘束部材7の被保持部48を保持する。
【0058】
拘束部材7が拘束位置に位置する場合、第1アーム41及び第2アーム42のそれぞれが開閉経路20を横断する。図3に示すように、第1アーム41は、拘束部材7が拘束位置に位置する場合、回転体36及び支持体37が開閉経路20に沿って閉方向Vcとは反対方向へ移動することを制限する。第2アーム42は、拘束部材7が拘束位置に位置する場合、回転体36が開閉方向に沿って更に矢印Vc方向へ移動することを制限する。
第1アーム41の拘束壁43は、拘束部材7が拘束位置に位置する場合、支持体37が矢印Vcとは反対方向へ移動することを制限する。
【0059】
このようにして、回転体36及び支持体37は、ドアの全閉位置において拘束部材7により拘束される。回転体36及び支持体37が拘束部材7によって拘束されることで、ドアがロックされる(ロック状態)。なお、拘束部材7が拘束位置に位置する場合、スイッチ51が押し部材50により押される(図4参照)。これにより、ドアが全閉位置においてロックされていることが検知される。
【0060】
一方、ドアをロック状態からアンロック状態にする場合は、駆動源6からの駆動力によってアーム61(図2参照)が引かれる。すると、ロック機構8の内部のラッチ9が解錠され、レバー59が図2の矢印Lm方向とは反対方向に移動する。すると、拘束部材7の被保持部48はレバー59による支持から開放される。これにより、拘束部材7は、ねじりばね40の弾性力(復元力)によって非拘束位置(図4の二点鎖線の位置)へ戻る。回転体36及び支持体37(図3参照)は、拘束部材7による拘束が解除されることで、開閉経路20に沿う閉方向Vcとは反対方向へ移動可能となる。これにより、ドアのロックが解除される(アンロック状態)。
【0061】
図6は、第1実施形態の伝達機構100をXY面で切断した断面を含む周辺の斜視図である。図7は、第1実施形態の固定ピン107を含む周辺の斜視図である。
図6に示すように、伝達機構100は、雌ねじ101(雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材の一例)と、雄ねじ102(雄ねじ又は雌ねじの他方のねじ部材の一例)と、伝達部材103と、を備える。
【0062】
雌ねじ101は、出力軸30と同軸上で回転する。雌ねじ101は、出力軸30を中心として回転可能であるとともに出力軸30に沿う軸方向に移動可能に出力軸30に連結されている。雌ねじ101は、出力軸30に沿う軸方向に延びる筒状に形成されている。雌ねじ101の+Y側部の内周には、雄ねじ102に噛み合うねじ部101aが設けられている。
【0063】
出力軸30には、出力軸30に沿う軸方向に延びるボス104が固定されている。ボス104は、出力軸30に沿う軸方向に延びるボス本体104aと、ボス本体104aの-Y側部から径方向外側(軸方向と直交する方向の外側)に張り出すフランジ104bと、を備える。
【0064】
ボス104の外周とお101の内周とは、ボール105を介して、互いにスプラインにより嵌まり合っている。ボス104の外周においてフランジ104bよりも+Y側の部分には、出力軸30に沿う軸方向と平行に延び且つ周方向に並ぶ複数の溝104c(以下「ボス側溝104c」ともいう。)が設けられている。雌ねじ101の内周においてねじ部101aよりも-Y側の部分には、出力軸30に沿う軸方向と平行に延び且つ周方向に並ぶ複数の溝101c(以下「雌ねじ側溝101c」ともいう。)が設けられている。
【0065】
ボス側溝104cと雌ねじ側溝101cには、ボール105が嵌まっている。ボール105は、ボス104の外周と雌ねじ101の内周との間に複数(図6の例では、各溝において軸方向に並ぶ2つ)設けられている。ボール105において出力軸30側の部分は、ボス側溝104cに嵌まっている。ボール105において出力軸30とは反対側の部分は、雌ねじ側溝101cに嵌まっている。ボール105は、雌ねじ101が出力軸30を中心として回転する際、又は、雌ねじ101が出力軸30に沿う軸方向に移動する際に、各溝内で転がる。
【0066】
なお、ボス104の外周と雌ねじ101の内周とは、ボール105を介して、互いにスプラインにより嵌まり合っていることに限定されない。ボス104の外周と雌ねじ101の内周とは、ボール105を介さずに、互いにスプラインにより嵌まり合っていてもよい。例えば、出力軸30には、ボス104が固定されていなくてもよい。例えば、雌ねじ101は、出力軸30を中心として回転可能であるとともに、出力軸30に沿う軸方向に移動可能に出力軸30に連結されていればよい。
【0067】
雄ねじ102は、出力軸30と同軸上で回転する。雄ねじ102は、駆動プーリ33の駆動軸33aを中心として回転可能に駆動軸33aに連結されている。雄ねじ102は、駆動軸33aと同軸上に設けられている。雄ねじ102の外周には、雌ねじ101に噛み合うねじ部102aが設けられている。
【0068】
伝達部材103は、雌ねじ101が出力軸30に沿う軸方向に移動するときの力を、出力軸30を中心とした回転方向の力に変換してロッド62に伝達する。伝達部材103は、出力軸30を中心として雌ねじ101に対して相対的に回転可能に雌ねじ101に連結されている。伝達部材103は、出力軸30に沿う軸方向に延びる伝達部本体103aと、伝達部本体103aから径方向外側(軸方向と直交する方向の外側)に延びる伝達アーム103bと、を備える。
【0069】
伝達部本体103aは、出力軸30に沿う軸方向において減速機31と駆動プーリ33との間に配置されている。伝達部本体103aは、出力軸30に沿う軸方向において減速機31及び駆動プーリ33のそれぞれに対して間隔をあけて配置されている。伝達部本体103aは、ボス104のフランジ104bの外径よりも大きい内径を有する筒状に形成されている。
【0070】
伝達アーム103bは、伝達部本体103aの-Y側部から径方向外側に延びている。図6の状態では、伝達アーム103bは、伝達部本体103aの+Z側部から+Z側へ向かうに従って+X側に位置するように傾斜して延びている。伝達アーム103bの先端部(伝達部本体103aに対して径方向外側に最も離間した部分)には、Y方向に延びる伝達軸106の-Y側部が連結されている。
【0071】
図7に示すように、伝達部材103は、出力軸30に沿う軸方向に対して傾斜して延びる開口103cを有する。開口103cは、伝達部本体103aを径方向(軸方向と直交する方向)に開口する貫通孔である。図7の状態では、開口103cは、伝達部本体103aの+Y端近傍から-Y側へ向かうに従って伝達部本体103aの外周に沿う-X側に位置するように傾斜(湾曲)して延びている。
【0072】
図5に示すように、伝達機構100は、スライドベース4に対して移動不能に固定された固定ピン107を備える。固定ピン107は、Z方向に延びている。スライドベース4には、Y方向に延びるステー110の+Y側部が連結されている。固定ピン107の下部は、ステー110の-Y側部に連結されている。図7に示すように、固定ピン107の上部は、伝達部材103の開口103cに嵌まっている。
【0073】
図6に示すように、伝達部材103は、ベアリング108を介して、雌ねじ101に対して相対的に回転可能に雌ねじ101に連結されている。ベアリング108は、雌ねじ101の外周と伝達部本体103aの内周との間に設けられている。雌ねじ101は、出力軸30に沿う軸方向に前進するときにベアリング108を押す押圧部101bを備える。ここで、「出力軸30に沿う軸方向に前進」とは、出力軸30に沿う軸方向において雌ねじ101が駆動プーリ33に向かう移動(本実施形態では+Y側に向かう移動)を意味する。
【0074】
押圧部101bは、雌ねじ101の-Y端部から径方向外側(軸方向と直交する方向の外側)に張り出している。押圧部101bは、ボス104のフランジ104bと同じ大きさの外径を有する。図6の状態では、押圧部101bの-Y側面は、フランジ104bの+Y側面に接触している。
【0075】
ロッド62は、伝達部材103が有する伝達軸106とアーム61が有するアーム軸65(図2参照)とに前後方向の両端が接続されている。ロッド62は、伝達軸106とアーム軸65とをわたすように直線状に延びている。ロッド62の-X端部は、伝達軸106を回転中心として回転可能とされている。ロッド62の+X端部は、アーム軸65を回転中心として回転可能とされている。例えば、ロッド62には、伝達軸106とアーム軸65との間隔を調整可能な調整部材が設けられていてもよい。
【0076】
ロッド62は、伝達部材103又はアームの一方の回転力を他方へ十分に伝達し得る剛性を持つことが好ましい。例えば、ロッド62としては、金属製の軸部材が挙げられる。例えば、ロッド62は、理想的には剛体と見なすことができる部材であることが好ましい。なお、ロッド62は、どのような力を作用させても変形しない部材ではなく、一定以上の力が加わった場合に多少変形する部材であってもよい。
【0077】
図8は、第1実施形態のロッド62の断面を含む斜視図である。
図8に示すように、ロッド62は、アーム軸65等を介してラッチ9(図2参照)に接続されたシリンダ120と、伝達部材103(図6参照)に接続されたピストン121と、を備える。ピストン121は、ピストン121に弾性力を加えるスプリングピン122(弾性部材の一例)に接続されている。シリンダ120においてピストン121が入る部分には、蓋部材123が取り付けられている。
【0078】
シリンダ120は、ロッド62の長手方向に沿う筒状に形成されている。蓋部材123は、シリンダ120の内周に沿うとともに径方向内側(ロッド62の長手方向と直交する方向の内側)に突出する凸部(以下「シリンダ側凸部123a」ともいう。)を有する。
【0079】
ピストン121は、ロッド62の長手方向に沿って延びている。ピストン121は、ピストン121の先端部(シリンダ120の底部120aに最も近い部分)の外周から径方向外側(ロッド62の長手方向と直交する方向の外側)に突出する凸部(以下「ピストン側凸部121a」ともいう。)を有する。ピストン側凸部121aは、シリンダ120内に配置されている。
【0080】
ピストン121の先端部は、スプリングピン122を介してシリンダ120に連結されている。図8の状態では、ピストン側凸部121aは、ロッド62の長手方向においてシリンダ120の底部120a及びシリンダ側凸部123aのそれぞれに対して間隔をあけて配置されている。
【0081】
図9は、第1実施形態の伝達機構の動作を説明するための斜視図である。図10は、第1実施形態の伝達機構の動作を説明するための他の斜視図である。図9及び図10においては、ドアが全閉位置においてロックされている状態を示している。
【0082】
図9に示すように、ドアの全閉位置では、雌ねじ101の押圧部101bは、ボス104のフランジ104bに接触している。ドアの全閉位置において、出力軸30が回転すると、ボス104を介して雌ねじ101が回転する。雌ねじ101は、出力軸30が出力する回転力を受けて、雄ねじ102と噛み合いながら+Y側へ移動(前進移動の一例)する。なお、雌ねじ101が+Y側へ移動する際、雄ねじ102及び駆動プーリ33は、ドアがロック状態にあるため、回転しない。
【0083】
本実施形態では、雌ねじ101が+Y側へ移動して伝達部材103を押し、伝達部材103が雌ねじ101に対して回転することで、雌ねじ101が+Y側に移動するときの力を、出力軸30を中心とした回転方向の力に変換する。
【0084】
具体的に、雌ねじ101が+Y側へ移動すると、ベアリング108を介して伝達部材103が+Y側へ移動する。本実施形態では、図10に示すように、伝達部材103は出力軸30の軸方向に対して傾斜して延びる開口103cを有し、固定ピン107は開口103cに嵌まっているため、雌ねじ101の+Y側への移動により、伝達部材103は所定角度だけ回転する。ここで、「所定角度」は、伝達部材103が有する開口103cが出力軸30の軸方向に対して傾斜する度合いにより定まる角度を意味する。例えば、所定角度は、伝達部材103の回転によりラッチ9(図2参照)を解錠し得る程度の角度に設定されている。図10の例では、伝達部材103は、雌ねじ101(図9参照)の+Y側への移動により、+Y側から見て時計回り(図10の矢印R1方向)に回転する。
【0085】
伝達部材103は、ドアの全閉位置において、出力軸30が回転する回転力を受けて、雌ねじ101と雄ねじ102とが互いに噛み合いながら移動する際の、雌ねじ101の+Y側へ移動する力(前進する力の一例)をロッド62に伝達して、ラッチ9を作動させる。本実施形態では、図8に示すように、ピストン121がスプリングピン122の弾性力に抗して移動してシリンダ120に当たり、シリンダ120がピストン121と一体に所定以上移動することにより、ドアのロックが解除される。
【0086】
具体的に、図10に示すように、伝達部材103が矢印R1方向に回転すると、伝達アーム103b及び伝達軸106を介して、ロッド62が矢印M1方向に引かれる。本実施形態では、図8に示すように、ロッド62はラッチ9(図2参照)に接続されたシリンダ120と伝達部材103(図10参照)に接続されたピストン121とを備え、ピストン121はスプリングピン122に接続されているため、ロッド62が図10の矢印M1方向に引かれると、ピストン121はスプリングピン122の弾性力に抗して図8の矢印M2方向に移動する。ピストン121がスプリングピン122の弾性力に抗して移動し、蓋部材123を介してシリンダ120に当たると、シリンダ120がピストン121と一体に図8の矢印M2方向に移動する。シリンダ120がピストン121と一体に移動すると、上述の通りアーム61(図4参照)が引かれ、ラッチ9が解錠されることにより、ドアのロックが解除される。
【0087】
なお、図8に示すように、ロッド62の長手方向においてピストン側凸部121aはシリンダ側凸部123aに対して間隔をあけて配置されているため、この間隔はシリンダ120の図8の矢印M2方向への移動の余裕代となり、不用意なドアのロック解除を防止することができる。
【0088】
また、ロッド62の長手方向においてピストン側凸部121aはシリンダ120の底部120aに対して間隔をあけて配置されているため、非常解錠装置(不図示)によりドアのロックを解除する際は、ピストン121は動かず、シリンダ120が図8の矢印M2方向へ移動する。シリンダ120が図8の矢印M2方向へ移動することにより、ラッチ9が解錠され、ドアのロックが解除される。なお、ロッド62の長手方向におけるピストン側凸部121aとシリンダ120の底部120aとの間隔は、ドアのロック解除分よりも大きいため、ドアのロック解除分だけシリンダ120が移動してもピストン121によって動きが阻害されることはない。
【0089】
図9に示すように、伝達機構100は、ラッチ9によりドアのロックが解除された後に、出力軸30の回転を雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達することによりドアを開動作させる。本実施形態では、ドアのロックが解除された後、雌ねじ101が駆動プーリ33に当たって前進移動不能になると、出力軸30の回転が、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達されることで、駆動軸33aの回転がベルト32に伝達されることにより、ドアが開動作される。
【0090】
上述の通り、ドアのロックが解除されると、雄ねじ102及び駆動プーリ33は回転可能となる。雌ねじ101は、出力軸30が出力する回転力を受けて、雄ねじ102と噛み合いながら+Y側へ移動していくと、駆動プーリ33に当たる(図9の二点鎖線で示す雌ねじ101が位置する状態)。雌ねじ101は、駆動プーリ33に当たると、+Y側へ移動不能になる。すると、出力軸30が出力する回転力は、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達される。そして、駆動軸33aの回転がベルト32に伝達されることにより、ドアが開動作される。
【0091】
次に、ドアの全開位置においてドアのロックが解除されている状態から、ドアが閉動作される動きを説明する。ドアが閉動作されるときの動きは、上述のドアが開動作されるときの動きとは逆の動きとなる。
本実施形態では、出力軸30の回転方向がドアの開動作時とは逆方向の回転になり、雌ねじ101が前進移動する方向とは反対に移動して減速機31に当たると、出力軸30の逆方向の回転が、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達されることで、駆動軸33aのドアの開動作時とは逆方向の回転がベルト32に伝達されることにより、ドアが閉動作される。
【0092】
具体的に、図9に示すように、ドアの全開位置では、雌ねじ101の+Y端部は、駆動プーリ33に接触している(図9の二点鎖線で示す雌ねじ101が位置する状態)。ドアの全開位置において、出力軸30がドアの開動作時とは逆方向に回転すると、ボス104を介して雌ねじ101が回転する。雌ねじ101は、出力軸30が出力する回転力を受けて、雄ねじ102と噛み合いながら-Y側(前進移動する方向とは反対の一例)に移動する。
【0093】
雌ねじ101は、出力軸30が出力する回転力を受けて、雄ねじ102と噛み合いながら-Y側へ移動していくと、ボス104を介して減速機31に当たる。雌ねじ101は、減速機31に当たると、-Y側へ移動不能になる(図9の実線で示す雌ねじ101が位置する状態)。すると、出力軸30が出力する回転力は、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達される。そして、駆動軸33aのドアの開動作時とは逆方向の回転がベルト32に伝達されることにより、ドアが閉動作される。
【0094】
以上説明したように、本実施形態に係るドア開閉装置1は、駆動源6から伝達された回転力を出力する出力軸30を有する減速機31と、出力軸30の回転力を受けてドア2を開閉移動させるために駆動軸33a(回転軸)を有する駆動プーリ33と、ドア2のロックを解除するラッチ9に連結されたロッド62と、出力軸30の出力をロッド62および駆動プーリ33に伝達可能な伝達機構100と、を備える。伝達機構100は、出力軸30を中心として回転可能であるとともに、出力軸30に沿う軸方向に移動可能に出力軸30に連結された雌ねじ101(一方のねじ部材)と、駆動軸33aを中心として回転可能に駆動軸33aに連結された雄ねじ102(他方のねじ部材)と、ドア2の全閉位置において、出力軸30が出力する回転力を受けて、雌ねじ101と雄ねじ102とが互いに噛み合いながら移動する際の、雌ねじ101の前進する力をロッド62に伝達して、ラッチ9を作動させる伝達部材103と、を備える。伝達機構100は、ラッチ9によりドア2のロックが解除された後に、出力軸30の回転を雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達することによりドア2を開動作させる。伝達部材103は、雌ねじ101が軸方向に移動するときの力を、出力軸30を中心とした回転方向の力に変換してロッド62に伝達する。伝達機構100は、移動不能に固定された固定ピン107を備える。伝達部材103は、出力軸30を中心として雌ねじ101に対して相対的に回転可能に雌ねじ101に連結されている。伝達部材103は、軸方向に対して傾斜して延びる開口103cを有する。固定ピン107は、開口103cに嵌まっている。雌ねじ101が軸方向に前進して伝達部材103を押し、伝達部材103が雌ねじ101に対して回転することで、雌ねじ101が軸方向に移動するときの力を、出力軸30を中心とした回転方向の力に変換する。伝達部材103は、ベアリング108を介して、雌ねじ101に対して相対的に回転可能に雌ねじ101に連結されている。雌ねじ101は、軸方向に前進するときにベアリング108を押す押圧部101bを備える。回転軸33aは、ドア2を開閉移動させるためのベルト32を駆動する駆動プーリ33の駆動軸33aである。ドア2のロックが解除された後、雌ねじ101が駆動プーリ33に当たって前進移動不能になると、出力軸30の回転が、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達されることで、駆動軸33aの回転がベルト32に伝達されることにより、ドア2が開動作される。ロッド62は、ラッチ9に接続されたシリンダ120と、伝達部材103に接続されたピストン121と、を備える。ピストン121は、ピストン121に弾性力を加えるスプリングピン122に接続され、ピストン121が弾性力に抗して移動してシリンダ120に当たり、シリンダ120がピストン121と一体に所定以上移動することにより、ドア2のロックが解除される。出力軸30の回転方向がドア2の開動作時とは逆方向の回転になり、雌ねじ101が前進移動する方向とは反対に移動して減速機31に当たると、出力軸30の逆方向の回転が、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達されることで、駆動軸33aのドア2の開動作時とは逆方向の回転がベルト32に伝達されることにより、ドア2が閉動作される。駆動軸33aは出力軸30と同軸上で回転し、一方のねじ部材は出力軸30と同軸上で回転する雌ねじ101であり、他方のねじ部材は出力軸30と同軸上で回転する雄ねじ102である。
【0095】
この構成によれば、雌ねじ101の前進力が伝達部材103及びロッド62を介してラッチ9に伝達されることによりドア2のロックが解除され、ラッチ9によりドア2のロックが解除された後に出力軸30の回転を雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達されることによりドア2を開動作させることができるため、駆動源6には何の工夫も必要ない。したがって、駆動源6の選択自由度及び配置自由度を高めることができる。
加えて、伝達部材103は、雌ねじ101が軸方向に移動するときの力を、出力軸30を中心とした回転方向の力に変換してロッド62に伝達することで、単に雌ねじ101が軸方向に移動するときの力がロッド62に伝達される場合よりも、各部品の配置自由度を高めることができる。
加えて、伝達機構100は、移動不能に固定された固定ピン107を備える。伝達部材103は、出力軸30を中心として雌ねじ101に対して相対的に回転可能に雌ねじ101に連結されている。伝達部材103は、軸方向に対して傾斜して延びる開口103cを有する。固定ピン107は、開口103cに嵌まっている。雌ねじ101が軸方向に前進して伝達部材103を押し、伝達部材103が雌ねじ101に対して回転することで、雌ねじ101が軸方向に移動するときの力を、出力軸30を中心とした回転方向の力に変換する。
例えば仮に、複数のギア列を有する動力変換機構を設け、出力軸30に沿う軸方向に移動する力を回転方向の力に変換する場合、部品点数の増加により複雑な構成となる可能性がある。これに対し本構成によれば、開口103cを有する伝達部材103と固定ピン107とを備えた簡単な構成で伝達機構100を実現することができる。
加えて、伝達部材103は、ベアリング108を介して、雌ねじ101に対して相対的に回転可能に雌ねじ101に連結されている。雌ねじ101は、軸方向に前進するときにベアリング108を押す押圧部101bを備える。
例えば仮に、雌ねじ101と伝達部材103とが互いに直に接触している場合、雌ねじ101と伝達部材103との摩擦の増大により伝達部材103の回転が鈍くなる可能性がある。これに対し本構成によれば、雌ねじ101が軸方向に前進するときに押圧部101bがベアリング108を押すことより伝達部材103の回転をスムーズにすることができる。
加えて、回転軸33aは、ドア2を開閉移動させるためのベルト32を駆動する駆動プーリ33の駆動軸33aである。ドア2のロックが解除された後、雌ねじ101が駆動プーリ33に当たって前進移動不能になると、出力軸30の回転が、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達されることで、駆動軸33aの回転がベルト32に伝達されることにより、ドア2が開動作される。
この構成によれば、ベルト駆動式において、複数のギア列を有する動力変換機構を設けた場合と比較して、簡単な構成でドア2の開動作を実現することができる。
加えて、ロッド62は、ラッチ9に接続されたシリンダ120と、伝達部材103に接続されたピストン121と、を備える。ピストン121は、ピストン121に弾性力を加えるスプリングピン122に接続され、ピストン121が弾性力に抗して移動してシリンダ120に当たり、シリンダ120がピストン121と一体に所定以上移動することにより、ドア2のロックが解除される。
この構成によれば、スプリングピン122の弾性力に抗してシリンダ120をピストン121と一体に所定以上移動することにより、ドア2のロックを解除することができる。例えば、ピストン121を手で引っ張ることにより、伝達機構100を動かすことなく、手動で解錠することができる。
加えて、出力軸30の回転方向がドア2の開動作時とは逆方向の回転になり、雌ねじ101が前進移動する方向とは反対に移動して減速機31に当たると、出力軸30の逆方向の回転が、雌ねじ101及び雄ねじ102を介して駆動軸33aに伝達されることで、駆動軸33aのドア2の開動作時とは逆方向の回転がベルト32に伝達されることにより、ドア2が閉動作される。
この構成によれば、ベルト駆動式において、複数のギア列を有する動力変換機構を設けた場合と比較して、簡単な構成でドア2の閉動作を実現することができる。
加えて、駆動軸33aは出力軸30と同軸上で回転し、一方のねじ部材は出力軸30と同軸上で回転する雌ねじ101であり、他方のねじ部材は出力軸30と同軸上で回転する雄ねじ102である。この構成によれば、一方のねじ部材が雄ねじであり且つ他方のねじ部材が雌ねじである場合と比較して、駆動軸33aの工夫は少なくて済む(駆動軸33aに雄ねじ102を設ければ足りる)ため、簡単な構成で伝達機構100を実現することができる。
【0096】
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態の伝達機構200をXY面で切断した断面を含む周辺の斜視図である。図12は、第2実施形態の固定ピン107を含む周辺の斜視図である。
上述した第1実施形態では、伝達部材103が有する伝達軸106がロッド62に連結されている例(図9参照)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図11に示すように、伝達部材103が有する伝達軸106はリンク機構230を介してロッド62に連結されていてもよい。図11及び図12において、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0097】
図11に示すように、伝達機構200は、伝達部材103が有する伝達軸106とロッド62とを接続するリンク機構230を備える。リンク機構230は、リンクシャフト231及びリンク部材232を備える。
【0098】
リンクシャフト231は、伝達部材103が有する伝達軸106とリンク部材232が有する第1のリンク軸233とに前後方向の両端が接続されている。リンクシャフト231は、伝達軸106と第1のリンク軸233とをわたすように直線状に延びている。リンクシャフト231の-X端部は、伝達軸106を回転中心として回転可能とされている。リンクシャフト231の+X端部は、第1のリンク軸233を回転中心として回転可能とされている。例えば、リンクシャフト231には、伝達軸106と第1のリンク軸233との間隔を調整可能な調整部材が設けられていてもよい。
【0099】
リンク部材232は、Z方向から見てV字状に形成されている。リンク部材232は、Z方向に延びる固定軸235を回転中心として回転可能である。固定軸235の下部は、スライドベース4に連結されたブラケット240に対して固定されている。リンク部材232は、固定軸235に対して離間して配置され且つ固定軸235と平行にZ方向に延びる第1のリンク軸233及び第2のリンク軸234を有する。第1のリンク軸233及び第2のリンク軸234は、固定軸235まわりの周方向において互いに異なる位置に配置されている。
【0100】
ロッド62は、リンク部材232が有する第2のリンク軸234とアーム61が有するアーム軸65とに前後方向の両端が接続されている。ロッド62の-X端部は、第2のリンク軸234を回転中心として回転可能とされている。ロッド62の+X端部は、アーム軸65を回転中心として回転可能とされている。
【0101】
図12に示すように、伝達部材103は出力軸30の軸方向に対して傾斜して延びる開口103cを有し、固定ピン107は開口103cに嵌まっているため、雌ねじ101の+Y側への移動により、伝達部材103は所定角度だけ回転する。伝達部材103が図12の矢印R1方向に回転すると、伝達アーム103b及び伝達軸106を介して、リンクシャフト231が図12の矢印M21方向に引かれる。すると、第1のリンク軸233を介してリンクシャフト231の回転力がリンク部材232に伝達され、リンク部材232は固定軸235を回転中心として図12の矢印R21方向に回転する。すると、第2のリンク軸234を介してロッド62が図12の矢印M22方向に引かれる。ロッド62が図12の矢印M22方向に引かれると、上述の通りアーム61が引かれ、ラッチ9が解錠されることにより、ドア2のロックが解除される。ドア2のロックが解除された後は、上述の通りドア2が開動作される。なお、ドア2が閉動作されるときの動きは、上述のドア2が開動作されるときの動きとは逆の動きとなる。
【0102】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0103】
上述した実施形態では、伝達部材は、雌ねじが軸方向に移動するときの力を、出力軸を中心とした回転方向の力に変換してロッドに伝達する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、伝達部材は、単に雌ねじが軸方向に移動するときの力をロッドに伝達してもよい。例えば、伝達部材の力を伝達する態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0104】
上述した実施形態では、伝達機構は、移動不能に固定された固定ピンを備え、伝達部材は、出力軸を中心として雌ねじに対して相対的に回転可能に雌ねじに連結されており、伝達部材は、軸方向に対して傾斜して延びる開口を有し、固定ピンは、開口に嵌まっており、雌ねじが軸方向に前進して伝達部材を押し、伝達部材が雌ねじに対して回転することで、雌ねじが軸方向に移動するときの力を、出力軸を中心とした回転方向の力に変換する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、伝達機構は、固定ピンを備えていなくてもよい。例えば、伝達機構は定位置に設けられた固定孔を有する固定部材を備え、伝達部材は固定孔に嵌まり合う凸部を有していてもよい。例えば、複数のギア列を有する動力変換機構を設け、出力軸に沿う軸方向に移動する力を回転方向の力に変換してもよい。例えば、伝達機構の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0105】
上述した実施形態では、伝達部材は、ベアリングを介して、雌ねじに対して相対的に回転可能に雌ねじに連結されており、雌ねじは、軸方向に前進するときにベアリングを押す押圧部を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、伝達部材は、ベアリングを介さずに雌ねじと直に接触していてもよい。例えば、雌ねじは、軸方向に前進するときに、ベアリングを介さずに伝達部材を押す押圧部を備えていてもよい。例えば、伝達部材及び雌ねじの連結態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0106】
上述した実施形態では、回転軸は、ドアを開閉移動させるためのベルトを駆動する駆動プーリの駆動軸であり、ドアのロックが解除された後、雌ねじが駆動プーリに当たって前進移動不能になると、出力軸の回転が、雌ねじ及び雄ねじを介して駆動軸に伝達されることで、駆動軸の回転がベルトに伝達されることにより、ドアが開動作される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数のギア列を有する動力変換機構を設け、ギア列を介して駆動軸の回転をベルトに伝達してもよい。例えば、ドアの駆動方式が上述したベルト駆動式ではなく、スクリュー式(ボルトに相当するスクリュー軸をモータで回転させ、ナットに相当するボールナットに取り付けられたドアを開閉する方式)である場合、回転軸はスクリュー軸であってもよい。例えば、ドアの駆動方式がラック・アンド・ピニオン方式(ラック・アンド・ピニオン機構のピニオンをモータで回転させ、ラックレールに取り付けられたドアを開閉する方式)の場合、回転軸を有する回転体はピニオンであってもよい。例えば、回転軸及び回転体の態様は、ドアの駆動方式や要求仕様に応じて変更することができる。
【0107】
上述した実施形態ではロッド(連結部材の一例)は、解錠部に接続されたシリンダと、伝達部材に接続されたピストンと、を備え、ピストンは、ピストンに弾性力を加えるスプリングピン(弾性部材の一例)に接続され、ピストンが弾性力に抗して移動してシリンダに当たり、シリンダがピストンと一体に所定以上移動することにより、ドアのロックが解除される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ロッドは、シリンダ及びピストンを備えていなくてもよい。例えば、連結部材は、ロッドでなくてもよい。例えば、連結部材は、ワイヤーやスプロケット、シャフトであってもよい。例えば、ピストンは、スプリングピンに接続されていなくてもよい。例えば、ピストンは、コイルばねや板バネ、ねじりバネ等の他の弾性部材に接続されていてもよい。例えば、連結部材の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0108】
上述した実施形態では、出力軸の回転方向がドアの開動作時とは逆方向の回転になり、雌ねじが前進移動する方向とは反対に移動して減速機に当たると、出力軸の逆方向の回転が、雌ねじ及び雄ねじを介して駆動軸に伝達されることで、駆動軸のドアの開動作時とは逆方向の回転がベルトに伝達されることにより、ドアが閉動作される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、複数のギア列を有する動力変換機構を設け、ギア列を介して駆動軸のドアの開動作時とは逆方向の回転をベルトに伝達してもよい。例えば、出力軸の回転を駆動軸に伝達する態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0109】
上述した実施形態では、一方のねじ部材は雌ねじであり且つ他方のねじ部材は雄ねじである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、一方のねじ部材が雄ねじであり且つ他方のねじ部材が雌ねじであってもよい。例えば、伝達機構の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0110】
上述した実施形態では、駆動軸は出力軸と同軸上で回転し、一方のねじ部材は出力軸と同軸上で回転する雌ねじであり、他方のねじ部材は出力軸と同軸上で回転する雄ねじである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、駆動軸は出力軸とは異なる軸上で回転し、一方のねじ部材は出力軸と同軸上で回転する雌ねじであり、他方のねじ部材は出力軸とは異なる軸上で回転する雄ねじであってもよい。例えば、図13に示すように、減速機331の出力軸330及び駆動プーリ333の回転軸333aは互いに異なる軸上に設けられていてもよい。例えば、回転軸333aは、出力軸330と平行な軸上で回転してもよい。例えば、出力軸330の外周に設けられた出力側歯330bと、回転軸333aの外周に設けられた回転側歯333bとが、互いに噛み合うように設けられていてもよい。例えば、出力側歯330bは、出力軸330に沿って間隔をあけて複数(図13の例では3つ)設けられていてもよい。例えば、回転側歯333bは、回転軸333aに沿って間隔をあけて複数(図13の例では3つ)設けられていてもよい。例えば、出力軸及び回転軸の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0111】
上述した実施形態では、出力軸が減速機の出力軸である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、出力軸はモータの出力軸であってもよい。すなわち、出力軸を有する駆動体は、減速機に限らず、モータであってもよい。例えば、出力軸を有する駆動体の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。例えば、解錠部はラッチに限らず、ドアのロックを解錠する他の機構や部材であってもよい。
例えば、ドア開閉装置は、駆動源から伝達された回転力を出力する出力軸を有する駆動体と、出力軸の回転力を受けてドアを開閉移動させるために回転軸を有する回転体と、ドアのロックを解除する解錠部に連結された連結部材と、出力軸の出力を連結部材および回転体に伝達可能な伝達機構と、を備え、伝達機構は、出力軸を中心として回転可能であるとともに、出力軸に沿う軸方向に移動可能に出力軸に連結された雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材と、回転軸を中心として回転可能に回転軸に連結された雌ねじ又は雄ねじの他方のねじ部材と、ドアの全閉位置において、出力軸が出力する回転力を受けて、一方のねじ部材と他方のねじ部材とが互いに噛み合いながら移動する際の、一方のねじ部材の前進する力を連結部材に伝達して、解錠部を作動させる伝達部材と、を備え、伝達機構は、解錠部によりドアのロックが解除された後に、出力軸の回転を一方のねじ部材および他方のねじ部材を介して回転軸に伝達することによりドアを開動作させる構成であってもよい。
この構成によれば、一方のねじ部材の前進力が伝達部材及び連結部材を介して解錠部に伝達されることによりドアのロックが解除され、解錠部によりドアのロックが解除された後に出力軸の回転を一方のねじ部材及び他方のねじ部材を介して回転軸に伝達されることによりドアを開動作させることができるため、駆動源には何の工夫も必要ない。したがって、駆動源の選択自由度及び配置自由度を高めることができる。
【0112】
上述した実施形態では、減速機側の雌ねじが前進移動可能である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、駆動プーリ側の雌ねじが前進移動可能であってもよい。
例えば、ドア開閉装置は、駆動源から伝達された回転力を出力する出力軸を有する駆動体と、出力軸の回転力を受けてドアを開閉移動させるために回転軸を有する回転体と、ドアのロックを解除する解錠部に連結された連結部材と、出力軸の出力を連結部材および回転体に伝達可能な伝達機構と、を備え、伝達機構は、出力軸を中心として回転可能に出力軸に連結された雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材と、回転軸を中心として回転可能であるとともに、回転軸に沿う軸方向に移動可能に回転軸に連結された雌ねじ又は雄ねじの他方のねじ部材と、ドアの全閉位置において、出力軸が出力する回転力を受けて、一方のねじ部材と他方のねじ部材とが互いに噛み合いながら移動する際の、他方のねじ部材の前進する力を連結部材に伝達して、解錠部を作動させる伝達部材と、を備え、伝達機構は、解錠部によりドアのロックが解除された後に、出力軸の回転を一方のねじ部材および他方のねじ部材を介して回転軸に伝達することによりドアを開動作させる構成であってもよい。
この構成によれば、他方のねじ部材の前進力が伝達部材及び連結部材を介して解錠部に伝達されることによりドアのロックが解除され、解錠部によりドアのロックが解除された後に出力軸の回転を一方のねじ部材及び他方のねじ部材を介して回転軸に伝達されることによりドアを開動作させることができるため、駆動源には何の工夫も必要ない。したがって、駆動源の選択自由度及び配置自由度を高めることができる。
【0113】
上述した実施形態では、ドア開閉装置が鉄道車両の乗降口を開閉する両引き分けの一対のドアを備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ドア開閉装置は、鉄道車両以外の車両に設けられてもよい。例えば、ドア開閉装置は、片引きのドアを備えていてもよい。
【0114】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは可能である。また、上述した各変形例を組み合わせても構わない。
本明細書で開示した実施形態のうち、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成できるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0115】
1…ドア開閉装置、2…ドア、6…駆動源、9…ラッチ(解錠部)、30,330…出力軸、31,331…減速機(駆動体)、32…ベルト、33,333…駆動プーリ(回転体)、33a,333a…駆動軸(回転軸)、62…ロッド(連結部材)、100,200…伝達機構、101…雌ねじ(雄ねじ又は雌ねじの一方のねじ部材)、101b…押圧部、102…雄ねじ(雄ねじ又は雌ねじの他方のねじ部材)、103…伝達部材、103c…開口、107…固定ピン、108…ベアリング、120…シリンダ、121…ピストン、122…スプリングピン(弾性部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13