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特許7577598成果報酬決定サーバ、成果報酬決定方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】成果報酬決定サーバ、成果報酬決定方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241028BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20241028BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20241028BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20241028BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20241028BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y20/10
G16Y20/40
G16Y40/10
G16Y40/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021070574
(22)【出願日】2021-04-19
(65)【公開番号】P2022055299
(43)【公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-07-18
(31)【優先権主張番号】P 2020162076
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 真也
(72)【発明者】
【氏名】林 イラン
(72)【発明者】
【氏名】藤木 秀明
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1621915(KR,B1)
【文献】特表2020-502673(JP,A)
【文献】成果連動型民間委託による飯塚市版官民連携まちづくり事業可能性調査 報告書,成果連動型民間委託による飯塚市版官民連携まちづくり事業可能性調査 報告書,日本,ケイスリー株式会社,2020年03月,pp1-61,https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanminrenkei/content/001349100.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 20/10
G16Y 20/40
G16Y 40/10
G16Y 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定地域への移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定する成果報酬決定サーバであって、
前記ユーザの居住地の位置を記憶する記憶部と、
前記ユーザのユーザ端末から位置情報を取得する取得部と、
所定の期間に取得した前記ユーザの位置情報と前記居住地の位置とに基づき前記ユーザの定住を判定する判定部と、
前記判定の結果が定住と判定されたユーザを成果報酬の対象に決定する決定部と、
前記ユーザに前記移住施策に基づく生活支援施策を提供する生活支援施策提供部と、
を備える、成果報酬決定サーバ。
【請求項2】
前記取得部は前記ユーザ端末から生活活動量を取得し、
前記成果報酬決定サーバは、
生活活動量に基づき定住度を導出する導出部
をさらに備え、
前記判定部は、前記定住度にさらに基づき前記ユーザの定住を判定する、請求項1に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項3】
前記導出部は、前記生活活動量に含まれる前記居住地の位置の所定の範囲の店舗における購入情報に基づき定住度を導出する、請求項2に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項4】
前記導出部は、前記生活活動量に含まれる前記居住地に関連するSNS情報に基づき定住度を導出する、請求項2又は請求項3に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項5】
前記生活支援施策提供部は、前記移住施策に基づく生活支援施策を受ける前記ユーザの生活活動量に基づき、提供する生活支援施策を決定する、請求項1に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項6】
前記生活支援施策提供部は、前記判定部が所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて複数のグループに分類し、定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供する、請求項1に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項7】
前記生活支援施策提供部は、前記判定部が所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を生活活動量の高低に基づいて複数のグループに分類し、生活活動量の高いグループに含まれる一又は複数のユーザに対して、生活活動量の低いグループに含まれる一又は複数のユーザへの支援を促す通知を行う、請求項1に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項8】
前記生活支援施策提供部は、前記判定部が所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて、所定の地域毎に複数のグループに分類し、所定の前記地域毎に定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供する、請求項1に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項9】
前記判定部が判定した前記定住に基づいて前記ユーザを前記所定地域へ移住させた事業者に対する報酬を決定する報酬決定部
をさらに備える、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項10】
前記報酬決定部は、ユーザが定住している度合いを示す指標である定住度に基づき前記ユーザを前記所定地域へ移住させた事業者に対する報酬を決定する、請求項9に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項11】
前記報酬決定部が決定した前記報酬に基づいて前記所定地域に移住した前記ユーザへ分配する報酬を決定する報酬分配部
をさらに備える、請求項9又は請求項10に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項12】
前記報酬分配部は、所定の条件に基づいて前記所定地域に移住した前記ユーザへ分配する前記報酬を決定する、請求項11に記載の成果報酬決定サーバ。
【請求項13】
所定地域への移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定する成果報酬決定サーバが実行する成果報酬決定方法であって、
前記ユーザの居住地の位置を記憶するステップと、
前記ユーザのユーザ端末から位置情報を取得するステップと、
所定の期間に取得した前記ユーザの位置情報と前記居住地の位置とに基づき前記ユーザの定住を判定するステップと、
前記判定の結果が定住と判定されたユーザを成果報酬の対象に決定するステップと、
前記ユーザに前記移住施策に基づく生活支援施策を提供するステップと、
を有する、成果報酬決定方法。
【請求項14】
所定地域への移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定する成果報酬決定サーバのコンピュータに、
ユーザの居住地の位置を記憶するステップと、
前記ユーザのユーザ端末から位置情報を取得するステップと、
所定の期間に取得した前記ユーザの位置情報と前記居住地の位置とに基づき前記ユーザの定住を判定するステップと、
前記判定の結果が定住と判定されたユーザを成果報酬の対象に決定するステップと、
前記ユーザに前記移住施策に基づく生活支援施策を提供するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成果報酬決定サーバ、成果報酬決定方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自治体等からの特定の課題解決の委託に基づき事業者が施策を行い、施策の成果に応じて設定された報酬を自治体等から得る成果報酬型の業務委託方法がある。成果報酬型の業務委託方法の一つに地方への移住施策が考えられている。移住施策が実行された場合に、ユーザは所定の地域に移住する。居住地や通勤通学場所を分析する技術に関して、特定アプリの利用に氏名及び住所は登録されず、ユーザIDが登録された利用者に対して行動ログのパターンを分析し、更に店舗におけるメンバー登録が為されている場合に、メンバー登録された顧客と特定アプリの利用者とを結び付けて行動ログを分析できる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-142383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移住施策が実行されたことで、所定の地域へ移住したユーザがその後どの程度定住し続け生活の基盤を得ているかがわからない。このため、当該施策による効果として、移住施策の成功可否に基づく成果報酬の判断が困難であった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定できる成果報酬決定サーバ、成果報酬決定方法、及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明の一態様は、所定地域への移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定する成果報酬決定サーバであって、前記ユーザの居住地の位置を記憶する記憶部と、前記ユーザのユーザ端末から位置情報を取得する取得部と、所定の期間に取得した前記ユーザの位置情報と前記居住地の位置とに基づき前記ユーザの定住を判定する判定部と、前記判定の結果が定住と判定されたユーザを成果報酬の対象に決定する決定部と、前記ユーザに前記移住施策に基づく生活支援施策を提供する生活支援施策提供部と、を備える、成果報酬決定サーバである。
(2)本発明の一態様は、上記(1)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記取得部は前記ユーザ端末から生活活動量を取得し、前記成果報酬決定サーバは、生活活動量に基づき定住度を導出する導出部を、をさらに備え、前記判定部は、前記定住度にさらに基づき前記ユーザの定住を判定する。
(3)本発明の一態様は、上記(1)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記導出部は、前記生活活動量に含まれる前記居住地の位置の所定の範囲の店舗における購入情報に基づき定住度を導出する。
(4)本発明の一態様は、上記(2)又は上記(3)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記導出部は、前記生活活動量に含まれる前記居住地に関連するSNS情報に基づき定住度を導出する。
(5)本発明の一態様は、上記(1)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記生活支援施策提供部は、前記移住施策に基づく生活支援施策を受ける前記ユーザの生活活動量に基づき、提供する生活支援施策を決定する。
(6)本発明の一態様は、上記(1)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記生活支援施策提供部は、前記判定部が所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて複数のグループに分類し、定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供する。
(7)本発明の一態様は、上記(1)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記生活支援施策提供部は、前記判定部が所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を生活活動量の高低に基づいて複数のグループに分類し、生活活動量の高いグループに含まれる一又は複数のユーザに対して、生活活動量の低いグループに含まれる一又は複数のユーザへの支援を促す通知を行う。
(8)本発明の一態様は、上記(1)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記生活支援施策提供部は、前記判定部が所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて、所定の地域毎に複数のグループに分類し、所定の前記地域毎に定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供する。
(9)本発明の一態様は、上記(1)から上記(8)のいずれか一項に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記判定部が判定した前記定住に基づいて前記ユーザを前記所定地域へ移住させた事業者に対する報酬を決定する報酬決定部をさらに備える。
(10)本発明の一態様は、上記(9)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記報酬決定部は、ユーザが定住している度合いを示す指標である定住度に基づき前記ユーザを前記所定地域へ移住させた事業者に対する報酬を決定する。
(11)本発明の一態様は、上記(9)又は上記(10)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記報酬決定部が決定した前記報酬に基づいて前記所定地域に移住した前記ユーザへ分配する報酬を決定する報酬分配部をさらに備える。
(12)本発明の一態様は、上記(11)に記載の成果報酬決定サーバにおいて、前記報酬分配部は、所定の条件に基づいて前記所定地域に移住した前記ユーザへ分配する前記報酬を決定する。
(13)本発明の一態様は、所定地域への移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定する成果報酬決定サーバが実行する成果報酬決定方法であって、前記ユーザの居住地の位置を記憶するステップと、前記ユーザのユーザ端末から位置情報を取得するステップと、所定の期間に取得した前記ユーザの位置情報と前記居住地の位置とに基づき前記ユーザの定住を判定するステップと、前記判定の結果が定住と判定されたユーザを成果報酬の対象に決定するステップと、前記ユーザに前記移住施策に基づく生活支援施策を提供するステップと、を有する、成果報酬決定方法である。
(14)本発明の一態様は、所定地域への移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定する成果報酬決定サーバのコンピュータに、ユーザの居住地の位置を記憶するステップと、前記ユーザのユーザ端末から位置情報を取得するステップと、所定の期間に取得した前記ユーザの位置情報と前記居住地の位置とに基づき前記ユーザの定住を判定するステップと、前記判定の結果が定住と判定されたユーザを成果報酬の対象に決定するステップと、前記ユーザに前記移住施策に基づく生活支援施策を提供するステップと、を実行させる、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定できる成果報酬決定サーバ、成果報酬決定方法、及びコンピュータプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態の成果報酬決定システムの構成例を示す図である。
図2】本実施形態の成果報酬決定システムに含まれる成果報酬決定サーバと、ユーザ端末と、端末装置との詳細を示す図である。
図3】本実施形態の成果報決定システムの動作の一例を示す図である。
図4】本実施形態の変形例1の成果報酬決定システムに含まれる成果報酬決定サーバと、ユーザ端末と、端末装置との詳細を示す図である。
図5】生活支援プラットフォームの一例を説明するための概要図である。
図6】ユーザUに提供するアプリの一例を説明するための図である。
図7】生活活動量の例1を説明するための図である。
図8】生活活動量の例2を説明するための図である。
図9】実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の一例を示すフロー図である。
図10】実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例1を示す図である。
図11】実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例2を示す図である。
図12】実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例3を示す図である。
図13】実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例4を示す図である。
図14】実施形態の変形例2の成果報酬決定サーバの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本実施形態の成果報酬決定サーバ、成果報酬決定方法、及びコンピュータプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0009】
(実施形態)
(成果報酬決定システム)
図1は、本発明の実施形態の成果報酬決定システムの構成例を示す図である。図1において、成果報酬決定システム1は、成果報酬決定サーバ100を備える。図1には、成果報酬決定サーバ100に加え、成果報酬の対象のユーザU1~ユーザUn(nは、n>0の整数)と、ユーザU1~ユーザUnの各々が使用するユーザ端末200-1~ユーザ端末200-nと、自治体などの成果報酬支払組織が使用する端末装置300とが示されている。成果報酬決定サーバ100とユーザ端末200-1~ユーザ端末200-nと端末装置300とは、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む。
ユーザU1~ユーザUnのうち任意のユーザをユーザUと記載し、ユーザ端末200-1~ユーザ端末200-nのうち任意のユーザ端末をユーザ端末200と記載する。
【0010】
成果報酬決定システム1において、成果報酬決定サーバ100は、所定の地域への移住施策によって所定の地域へ移住したユーザUのユーザIDと居住地の位置を特定する情報とを関連付けて記憶する。ユーザUの一例は、自治体等からの特定の課題解決の委託に基づき事業者が行った地方への移住施策に応じた者である。ユーザUは、ユーザ端末200を使用する。ユーザ端末200は、定期又は不定期に位置情報を成果報酬決定サーバ100へ送信する。成果報酬決定サーバ100は、ユーザ端末200が送信した位置情報を受信する。成果報酬決定サーバ100は、受信した位置情報を、ユーザ端末200を使用するユーザUのユーザIDと関連付けて記憶する。
成果報酬決定サーバ100は、所定の期間に取得したユーザUの位置情報と記憶しているユーザUの居住地の位置を特定する情報とに基づいて、ユーザUが、移住した所定の地域に定住しているか否かを判定する。成果報酬決定サーバ100は、定住していると判定したユーザUを成果報酬の対象に決定する。成果報酬決定サーバ100は、成果報酬の対象に決定したユーザUのユーザIDを含む、端末装置300を宛先とする決定結果通知を作成する。成果報酬決定サーバ100は、作成した決定結果通知を、端末装置300へ送信する。
端末装置300は、成果報酬決定サーバ100が送信した決定結果通知を受信する。端末装置300は、受信した決定結果通知に含まれる決定結果を取得し、取得した決定結果を出力する。成果報酬支払組織は、出力された決定結果に基づいて、移住施策を実行した事業者に成果報酬を与える。
【0011】
本実施形態では、成果報酬決定サーバ100が、所定の周期でユーザUが、移住した所定の地域に定住しているか否かを判定する場合について説明を続ける。定住しているか否かを判定するタイミングの一例は、自治体等からの特定の課題解決の委託に基づき事業者が成果連動型民間委託契約方式による事業(PFS(Pay for Success)事業)などの施策を行った場合に、その施策の成果の評価を行う期間であってもよい。
以下、成果報酬決定システム1に含まれる成果報酬決定サーバ100と、ユーザ端末200と、端末装置300との各々について、順次説明する。図2は、本実施形態の成果報酬決定システムに含まれる成果報酬決定サーバと、ユーザ端末と、端末装置との詳細を示す図である。
【0012】
(成果報酬決定サーバ100)
成果報酬決定サーバ100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。成果報酬決定サーバ100は、例えば、通信部102と、取得部103と、判定部104と、決定部105と、出力部108と、記憶部110とを備える。
通信部102は、通信モジュールによって実現される。通信部102は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部102は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。また、通信部102は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。通信部102は、ユーザ端末200が送信した居住地登録要求と、位置情報通知とを受信する。通信部102は、取得部103が出力した居住地登録応答を取得し、取得した居住地登録応答を、ユーザ端末200へ送信する。通信部102は、決定部105が出力した決定結果通知を取得し、取得した決定結果通知を、端末装置300へ送信する。
【0013】
記憶部110は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。記憶部110には、ユーザ情報DB110aが記憶される。ユーザ情報DB110aがクラウド上に記憶されていてもよい。ユーザ情報DB110aは、一又は複数のユーザUのユーザIDと、一又は複数のユーザIDの各々について、ユーザUの居住地の位置を特定する情報と、一又は複数の位置情報と、一又は複数の位置情報の各々を取得した日時を特定する情報とを関連付けたテーブル形式の情報である。
取得部103は、通信部102が受信した居住地登録要求と位置情報通知とを取得する。取得部103は、取得した居住地登録要求に含まれるユーザIDと居住地の位置を特定する情報とを取得する。取得部103は、取得したユーザIDと居住地の位置を特定する情報とを関連付けて、記憶部110のユーザ情報DB110aに記憶させる。取得部103は、記憶させた後に、ユーザ端末200を宛先とする居住地登録応答を作成し、作成した居住地登録応答を通信部102へ出力する。取得部103は、取得した位置情報通知に含まれるユーザIDと位置情報と位置情報を取得した日時を特定する情報とを取得する。取得部103は、取得したユーザIDと位置情報と位置情報を取得した日時を特定する情報とを関連付けて、記憶部110のユーザ情報DB110aに記憶させる。
【0014】
判定部104は、記憶部110のユーザ情報DB110aに記憶されているユーザIDと、居住地の位置を特定する情報と、一又は複数の位置情報と、一又は複数の位置情報の各々を取得した日時を特定する情報を関連付けた情報を取得する。判定部104は、取得した居住地の位置を特定する情報と、一又は複数の位置情報と、一又は複数の位置情報の各々を取得した日時を特定する情報とに基づいて、ユーザIDに該当するユーザUが、移住した所定の地域へ定住しているか否かを判定する。
具体的には、判定部104は、一又は複数の位置情報に該当する位置が、居住地の位置に対して所定の範囲に含まれるか否かを判定する。判定部104は、一又は複数の位置情報に該当する位置のうち、居住地の位置に対して所定の範囲に含まれる割合が所定の割合閾値以上である場合にユーザIDに該当するユーザUが、移住した所定の地域へ定住していると判定する。判定部104は、一又は複数の位置情報に該当する位置のうち、居住地の位置に対して所定の範囲に含まれる割合が所定の割合閾値未満である場合にユーザIDに該当するユーザUが、移住した所定の地域へ定住していないと判定する。
決定部105は、判定部104によるユーザUが移住した所定の地域へ定住しているか否かの判定結果を取得する。決定部105は、取得した判定結果に基づいて、定住していると判定したユーザUを成果報酬の対象に決定する。決定部105は、定住していると判定したユーザUのユーザIDを特定する情報を含む、端末装置300を宛先とする決定結果通知を作成し、作成した決定結果通知を、通信部102へ出力する。
出力部108は、表示部とスピーカとのいずれか一方又は両方によって構成される。出力部108は、決定部105から成果報酬の対象に決定したユーザUを特定する情報を取得し、取得した成果報酬の対象に決定したユーザUを特定する情報を出力する。
【0015】
取得部103、判定部104、決定部105、及び出力部108は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0016】
(ユーザ端末200)
ユーザ端末200は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、腕時計型端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。
ユーザ端末200は、例えば、通信部202と、処理部203と、操作部205と、測位部207と、記憶部206とを備える。
通信部202は、通信モジュールによって実現される。通信部202は、ネットワークNWを介して、外部の通信装置と通信する。通信部202は、例えば、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)又はLTE(登録商標)などの無線通信方式で通信してもよい。また、通信部202は、例えば有線LANなどの通信方式で通信してもよい。通信部202は、成果報酬決定サーバ100へ居住地登録要求と、位置情報通知とを送信する。通信部202は、成果報酬決定サーバ100が送信した居住地登録応答を受信する。
操作部205は、入力デバイスを備え、ユーザUの操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。ユーザUは、操作部205を操作することで、居住地の位置を特定する情報を入力する。居住地の位置を特定する情報の一例は、移住施策によってユーザUが移住した所定の地域の位置を特定する情報であり、例えば緯度と経度とで表される。
記憶部206は、HDD、フラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。記憶部206には、位置情報206aが記憶される。位置情報206aがクラウド上に記憶されていてもよい。
測位部207は、全地球測位システム(GPS)及び/もしくは他の衛星航法システムなどの衛星航法システム、セルラーネットワークによって提供され得る位置サービス、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)アクセスポイントから取得され得る位置情報を取得する。
【0017】
処理部203は、操作部205が受け付けた居住地の位置を特定する情報を取得し、取得した居住地の位置を特定する情報と、その居住地に移住したユーザUのユーザIDとを含む、成果報酬決定サーバ100を宛先とする居住地登録要求を作成する。処理部203は、作成した居住地登録要求を、通信部202へ出力する。処理部203は、通信部202が受信した居住地登録応答を取得し、取得した居住地登録応答を出力する。処理部203は、測位部207が取得した位置情報を取得し、取得した位置情報と、ユーザ端末200を使用するユーザUのユーザIDとを含む、成果報酬決定サーバ100を宛先とする位置情報通知を作成し、作成した位置情報通知を、通信部202へ出力する。
処理部203は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部206に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0018】
(端末装置300)
端末装置300は、スマートフォン、携帯端末、又はパーソナルコンピュータ、タブレット端末装置、あるいはその他の情報処理機器として実現される。端末装置300は、成果報酬決定サーバ100が送信した決定結果通知を受信する。端末装置300は、受信した決定結果通知に含まれる決定結果を出力する。端末装置300は、決定結果を、表示部(図示なし)に表示するようにしてもよい。
【0019】
(成果報酬決定システム1の動作)
図3は、本実施形態の成果報酬決定システムの動作の一例を示す図である。
(ステップS1-1) 事業者は、成果報酬プログラムを開始する。ユーザ端末200において、処理部203は成果報酬プログラムを開始する。成果報酬決定サーバ100において、判定部104は成果報酬プログラムを開始する。
(ステップS2-1) ユーザ端末200において、操作部205は、ユーザUが操作部205を操作することで入力した居住地の位置を特定する情報を受け付ける。処理部203は、操作部205が受け付けた居住地の位置を特定する情報を取得し、取得した居住地の位置を特定する情報と、その居住地に移住したユーザUのユーザIDとを含む、成果報酬決定サーバ100を宛先とする居住地登録要求を作成する。処理部203は、作成した居住地登録要求を、通信部202へ出力する。
(ステップS3-1) ユーザ端末200において、通信部202は、処理部203が出力した居住地登録要求を取得し、取得した居住地登録要求を成果報酬決定サーバ100へ送信する。
(ステップS4-1) 成果報酬決定サーバ100において、通信部102は、ユーザ端末200が送信した居住地登録要求を受信する。取得部103は、通信部102が受信した居住地登録要求を取得する。取得部103は、取得した居住地情報登録要求に含まれるユーザIDと居住地の位置を特定する情報とを取得する。取得部103は、取得したユーザIDと居住地の位置を特定する情報とを関連付けて、記憶部110に記憶させる。
(ステップS5-1) 成果報酬決定サーバ100において、取得部103は、ユーザ端末200を宛先とする居住地登録応答を作成し、作成した居住地登録応答を通信部102へ出力する。
(ステップS6-1) 成果報酬決定サーバ100において、通信部102は、取得部103が出力した居住地登録応答を取得し、取得した居住地登録応答をユーザ端末200へ送信する。
(ステップS7-1) ユーザ端末200において、通信部202は、成果報酬決定サーバ100が送信した居住地登録応答を受信する。処理部203は、通信部202が受信した居住地登録応答を取得する。処理部203は、取得した居住地登録応答を表示部(図示なし)に表示する。測位部207は、位置情報を取得する。処理部203は、測位部207が取得した位置情報を取得し、取得した位置情報と、ユーザ端末200を使用するユーザUのユーザIDとを含む、成果報酬決定サーバ100を宛先とする位置情報通知を作成する。処理部203は、作成した位置情報通知を、通信部202へ出力する。
【0020】
(ステップS8-1) ユーザ端末200において、通信部202は、処理部203が出力した位置通知情報を取得し、取得した位置通知情報を成果報酬決定サーバ100へ送信する。
(ステップS9-1) 成果報酬決定サーバ100において、通信部102は、ユーザ端末200が送信した位置通知情報を受信する。取得部103は、通信部102が受信した位置情報通知を取得する。取得部103は、取得した位置情報通知に含まれるユーザIDと位置情報と位置情報を取得した日時を特定する情報とを取得する。取得部103は、取得したユーザIDと位置情報と位置情報を取得した日時を特定する情報とを関連付けて、記憶部110に記憶させる。
(ステップS10-1) ユーザ端末200において、処理部203は、成果報酬対象期間が満了したか否かを判定し、成果報酬対象期間が満了していない場合にはステップS7-1へ移行し、成果報酬対象期間が満了した場合にはステップS1-1へ移行する。
(ステップS11-1) 成果報酬決定サーバ100において、決定部105は、成果報酬対象期間が満了したか否かを判定し、成果報酬対象期間が満了していない場合にはステップS9-1へ移行し、成果報酬対象期間が満了した場合にはステップS12-1へ移行する。
(ステップS12-1) 成果報酬決定サーバ100において、判定部104は、記憶部110に記憶されているユーザIDと、居住地の位置を特定する情報と、一又は複数の位置情報と、一又は複数の位置情報の各々を取得した日時を特定する情報を関連付けた情報を取得する。判定部104は、取得した情報に基づいて、成果報酬対象期間にユーザIDに該当するユーザUが、移住した所定の地域へ定住しているか否かを判定する。
(ステップS13-1) 成果報酬決定サーバ100において、決定部105は、判定部104によるユーザUが移住した所定の地域へ定住しているか否かの判定結果を取得する。決定部105は、取得した判定結果に基づいて、定住していると判定したユーザUを成果報酬の対象に決定する。決定部105は、定住していると判定したユーザUのユーザIDを特定する情報を含む、端末装置300を宛先とする決定結果通知を作成し、作成した決定結果通知を、通信部102へ出力する。
(ステップS14-1) 成果報酬決定サーバ100において、通信部102は、決定部105が出力した決定結果通知を取得し、取得した決定結果通知を、端末装置300へ送信する。その後、ステップS1-1へ移行する。
図3では、ステップS1-1からS12-1において、ユーザUが、移住した所定の地域へ定住しているか否かを判定する場合について説明するが、ユーザU1からユーザUnの各々について同様の処理が行われる。
【0021】
前述した実施形態では、成果報酬決定システム1に一台のユーザ端末200が含まれる場合について説明したがこの限りでない。例えば、成果報酬決定システム1に複数のユーザ端末200が含まれてもよい。実施形態では、成果報酬決定システム1に一台の端末装置300が含まれる場合について説明したがこの限りでない。例えば、成果報酬決定システム1に複数の端末装置300が含まれてもよい。実施形態では、自治体等からの特定の課題解決の委託に基づき事業者が行う施策の一例として、地方への移住施策を適用した場合について説明したがこの例に限られない。自治体等からの特定の課題解決の委託に基づき事業者が行う施策について広く適用できる。
実施形態では、成果報酬決定サーバ100が、ユーザIDに該当するユーザUが、移住した所定の地域へ定住しているか否かを判定する場合に一又は複数の位置情報に該当する位置が居住地の位置に対して所定の範囲に含まれるか否かを判定する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、成果報酬決定サーバ100は、深夜などの所定の時間に取得された位置情報に該当する位置が居住地の位置に対して所定の範囲に含まれるか否かを判定してもよい。この場合、決定部105は、深夜などの所定の時間に取得された位置情報に該当する位置のうち居住地の位置に対して所定の範囲に含まれる割合が所定の割合閾値以上である場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していると判定し、所定の割合閾値未満である場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していないと判定する。例えば、成果報酬決定サーバ100は、一又は複数の位置情報に基づいて、居住地の位置に対して所定の範囲の滞在時間を推定し、滞在時間の推定結果が所定の滞在時間以上であるか否かを判定してもよい。この場合、決定部105は、滞在時間の推定結果が所定の滞在時間以上である場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していると判定し、所定の滞在時間未満である場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していないと判定する。
【0022】
実施形態の成果報酬決定システム1によれば、成果報酬決定サーバ100は、所定地域への移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定する。成果報酬決定サーバ100は、ユーザの居住地の位置を記憶する記憶部110と、ユーザのユーザ端末200から位置情報を取得する取得部103と、所定の期間に取得したユーザの位置情報と居住地の位置とに基づきユーザの定住を判定する判定部104と、判定の結果が定住と判定されたユーザを成果報酬の対象を決定する決定部105と、を備える。このように構成することで、成果報酬決定システム1は、所定の期間に取得したユーザの位置情報と居住地の位置とに基づき定住を判定できるため、移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定できる。移住施策により移住したユーザの定住に基づき成果報酬を決定できるため、移住を促すことができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを」に貢献することが可能となる。
【0023】
(実施形態の変形例1)
本発明の実施形態の変形例1の成果報酬決定システム1aの構成例は、図1を適用できる。ただし、成果報酬決定サーバ100の代わりに成果報酬決定サーバ100aを備える。成果報酬決定システム1aは、所定の地域への移住施策によって所定の地域へ移住したユーザUに対して、各種サービスを提供することで、ユーザUに対して所定の地域への定住度合いを高める。具体的には、成果報酬決定システム1aは、生活支援プラットフォーム(PF: PlatForm)を通じて、ユーザUに各種アプリサービスを提供することで、生活支援を行う。
成果報酬決定サーバ100aは、ユーザUに提供した各種アプリサービスに基づいて、ユーザUの各アプリのデータ(履歴)を活用して、移住継続の把握と地域との関わり度合いとを把握する。換言すれば、成果報酬決定サーバ100は、ユーザUの各アプリのデータ(履歴)を活用して、ユーザUの生活活動量を把握する。生活活動量とは、ユーザUが、移住した地域で生活するために活動した量を示す。成果報酬決定サーバ100aは、生活活動量に基づいて、定住度を導出する。定住度は、ユーザUが定住している度合いを示す指標である。成果報酬決定サーバ100aは、導出した定住度に基づいて、ユーザUが、移住した所定の地域に定住しているか否かを判定する。
【0024】
以下、成果報酬決定システム1aに含まれる成果報酬決定サーバ100aと、ユーザ端末200と、端末装置300とのうち、実施形態と異なる成果報酬決定サーバ100aについて、説明する。図4は、本実施形態の変形例1の成果報酬決定システムに含まれる成果報酬決定サーバと、ユーザ端末と、端末装置との詳細を示す図である。
(成果報酬決定サーバ100a)
成果報酬決定サーバ100aは、成果報酬決定サーバ100を適用できる。成果報酬決定サーバ100aは、例えば、通信部102と、取得部103と、判定部104aと、決定部105と、導出部106と、生活支援施策提供部107と、出力部108と、記憶部110とを備える。
生活支援施策提供部107は、生活支援PFを通じて、ユーザUに各種アプリサービスを提供する。図5は、生活支援プラットフォームの一例を説明するための概要図である。生活支援PFの一例は、ユーザUにキャッシュレス決済を提供するアプリAP01と、ユーザUに生活インフラを提供するアプリAP02と、ユーザUにモビリティを提供するアプリAP03と、ユーザUにスケジューラを提供するアプリAP04と、ユーザUにSNS(social networking service)/コミュニケーションを提供するアプリAP05とを含んで構成される。さらに、生活支援PFの一例は、ユーザUに乗換検索を提供するアプリAP06と、ユーザUに飲食店レビュー/予約を提供するアプリAP07と、ユーザUに電子商取引(EC: Electronic Commerce)を提供するアプリAP08と、ユーザUにWiFi(登録商標)スポットを提供するアプリAP09と、ユーザUにウェブ(WEB)を提供するアプリAP10とを含んで構成される。
【0025】
ユーザUがアプリAP01を利用することで、生活活動量として地域の店舗の利用履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏とユーザUの利用金額とを把握できる。ユーザUがアプリAP02を利用することで、生活活動量としてインフラサービスの利用履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏とユーザUの利用金額とを把握できる。ユーザUがアプリAP03を利用することで、生活活動量としてモビリティサービスの利用履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏とユーザUの利用金額とを把握できる。ユーザUがアプリAP04を利用することで、生活活動量として地域活動への参加スケジュールを把握できるため、ユーザUの生活圏とユーザUの活動時間とを把握できる。
ユーザUがアプリAP05を利用することで、生活活動量として地域活動への参加スケジュールと、フォロー数及びフォロワー数とを把握できるため、ユーザUの生活圏とユーザUの活動時間とユーザUの人間関係とを把握できる。ユーザUがアプリAP06を利用することで、生活活動量として乗換の検索履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏を把握できる。ユーザUがアプリAP07を利用することで、生活活動量としてレビュー/予約履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏を把握できる。ユーザUがアプリAP08を利用することで、生活活動量として宅配の受取履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏を把握できる。ユーザUがアプリAP09を利用することで、生活活動量としてWiFi(登録商標)スポットの接続履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏を把握できる。ユーザUがアプリAP10を利用することで、生活活動量としてWEBのアクセス履歴を把握できるため、ユーザUの生活圏を把握できる。
【0026】
図6は、ユーザUに提供するアプリの一例を説明するための図である。図6に示されるユーザUに提供するアプリの一例には、アプリAP01からアプリAP10の各々について、アプリ名と、サービス名と、把握可能な地域への関わり度合いと、地域への関わり度合いの算出方法とが関連付けられる。
例1として、ユーザUがアプリAP01を利用することで把握されるユーザUの生活活動量について説明する。図7は、生活活動量の例1を説明するための図である。アプリAP01を利用して決済が行われることで、ユーザ端末200は成果報酬決定サーバ100aへ決済情報を送信する。決済情報には、決済が行われた年月日と店舗の名称と店舗の住所と品目と金額とが含まれる。成果報酬決定サーバ100aにおいて、通信部102は、ユーザ端末200が送信した決済情報を受信する。取得部103は、通信部102が受信した決済情報を取得し、取得した決済情報を、記憶部110の決済情報DB110bへ記憶させる。
導出部106は、生活活動量として、決済情報DB110bに記憶された一又は複数の決済情報を取得する。導出部106は、取得した一又は複数の決済情報をオンラインで決済されたものと、オフラインで決済されたものとに分類する。例えば、導出部106は、一又は複数の決済情報に基づいて、住所を含む決済情報はオフラインで決済されたものと判定し、住所を含まない決済情報はオンラインで決済されたものと判定する。
【0027】
導出部106は、オフラインで決済された決済情報について、店舗の住所と品目とに基づいて、店舗が位置する地域ごとに全品目(日常品目と非日常品目との和)に対する日常品目の割合を導出する。日常品目は日用品、食品などの日常の生活に使用されるものである。非日常品は、宿泊、航空機/新幹線移動、お土産などの日常の生活に使用されないものである。導出部106は、店舗が位置する地域ごとに導出した全品目に対する日常品目の割合に基づいて、ユーザUの定住度を導出する。導出部106は、全品目に対する日常品目の割合が高い値となるにしたがって定住度が高い値となるように評価し、全品目に対する日常品目の割合が低い値となるにしたがって定住度が低い値となるように評価する。
判定部104aは、導出部106が導出したユーザUの定住度を取得する。判定部104aは、取得したユーザUの定住度に基づいて、ユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住しているか否かを判定する。具体的には、判定部104aは、ユーザUの定住度のうち最も値が高い定住度に該当する店舗が位置する地域が居住地の位置を含むか否かを判定する。判定部104aは、最も値が高い定住度に該当する店舗が位置する地域が居住地の位置を含む場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していると判定する。判定部104aは、最も値が高い定住度に該当する店舗が位置する地域が居住地の位置を含まない場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していないと判定する。
【0028】
例2として、ユーザUがアプリAP05を利用することで把握されるユーザUの生活活動量について説明する。図8は、生活活動量の例2を説明するための図である。所定の地域に移住したユーザUは、自治体職員、所定の地域のボランティア、NPO(Nonprofit Organization)法人、所定の地域の商店街組合などのその所定の地域の活動に関わる人たちと、アプリAP05を利用して、SNS上でコミュニケーションを行う。ユーザUは、所定の地域の活動に関わる人たちのアカウントを登録することでフォローし、所定の地域の活動に関わる人たちの各々は、ユーザUのアカウントを登録することでフォローする。ユーザUにとって、所定の地域の活動に関わる人たちの各々はフォロワーである。ユーザUは、SNS上で地域活動への従事に関する情報を発信する。
成果報酬決定サーバ100aにおいて、通信部102はユーザ端末200が送信したフォロー属性情報通知を受信する。フォロー属性情報通知は、ユーザUをフォローしている者の属性情報SN01が含まれる。フォローしている者には、所定の地域の活動に関わる人たちが含まれる。通信部102は、ユーザ端末200が送信したフォロワー属性情報通知を受信する。フォロワー属性情報通知には、ユーザUにとって、フォロワーである者の属性情報SN02が含まれる。フォロワーである者には、所定の地域の活動に関わる人たちが含まれる。通信部102は、ユーザ端末200が送信した従事時間情報通知を受信する。従事時間情報通知には、ユーザUが発信した地域活動への従事に関する情報が含まれる。その地域活動への従事に関する情報には、地域活動の従事時間に関する情報SN03が含まれる。地域活動の従事時間に関する情報SN03には、発信日時を特定する情報と、発信のタイトルと、発信された文章、画像などの内容にタグ付けされた者(付された者)を特定する情報とが関連付けられる。タグ付けされた者には通知が届き、同じ発信内容が自分のタイムラインに表示される。
【0029】
取得部103は、通信部102が受信したフォロー属性情報通知とフォロワー属性情報通知と従事時間情報通知とを取得する。取得部103は、取得したフォロー属性情報通知とフォロワー属性情報通知と従事時間情報通知との各々から、生活活動量として、ユーザUをフォローしている者の属性情報SN01と、ユーザUにとってフォロワーである者の属性情報SN02と、地域活動の従事時間に関する情報SN03とを取得する。
導出部106は、取得部が取得した生活活動量を分析することで、地域毎に、地域活動への従事時間と、地域活動に関わる人とのフォロー数と、フォロワー数とを導出する。導出部106は、地域毎に導出した地域活動への従事時間と、地域活動に関わる人とのフォロー数と、フォロワー数とに基づいて、ユーザUの定住度を導出する。導出部106は、地域活動への従事時間と、地域活動に関わる人とのフォロー数と、フォロワー数とが高い値(長い)となるにしたがって定住度が高い値となるように評価し、地域活動への従事時間と、地域活動に関わる人とのフォロー数と、フォロワー数とが低い値(短い)となるにしたがって定住度が低い値となるように評価する。
判定部104aは、導出部106が導出したユーザUの定住度を取得する。判定部104aは、取得したユーザUの定住度に基づいて、ユーザIDに該当するユーザUが、移住した所定の地域へ定住しているか否かを判定する。具体的には、具体的には、判定部104aは、ユーザUの定住度のうち最も値が高い定住度に該当する地域が居住地の位置を含むか否かを判定する。判定部104aは、最も値が高い定住度に該当する地域が居住地の位置を含む場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していると判定し、最も値が高い定住度に該当する地域が居住地の位置を含まない場合にユーザIDに該当するユーザUが移住した所定の地域へ定住していないと判定する。
取得部103、判定部104a、決定部105、導出部106、生活支援施策提供部107、及び出力部108は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサが記憶部110に格納されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSI やASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。コンピュータプログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0030】
(成果報酬決定システム1aの動作)
図9は、実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の一例を示すフロー図である。成果報酬決定システム1aの動作において、図3のステップS1-1からS11-1は共通するため、ステップS11-1以降の動作について説明する。一例として、ユーザUの生活活動量が、ユーザUがアプリAP05を利用することで把握される場合について説明する。
(ステップS1-2) ユーザ端末200において、処理部203は、ユーザUをフォローしている者の属性情報SN01を含む、成果報酬決定サーバ100aを宛先とするフォロー属性情報通知を作成する。
(ステップS2-2) ユーザ端末200において、処理部203は、作成したフォロー属性情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、処理部203が出力したフォロー属性情報通知を取得し、取得したフォロー属性通知を、成果報酬決定サーバ100aへ送信する。成果報酬決定サーバ100aにおいて、通信部102は、ユーザ端末200が送信したフォロー属性情報通知を受信する。
(ステップS3-2) ユーザ端末200において、処理部203は、ユーザUにとってフォロワーである者の属性情報SN02を含む、成果報酬決定サーバ100aを宛先とするフォロワー属性情報通知を作成する。
(ステップS4-2) ユーザ端末200において、処理部203は、作成したフォロワー属性情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、処理部203が出力したフォロワー属性情報通知を取得し、取得したフォロワー属性情報通知を、成果報酬決定サーバ100aへ送信する。成果報酬決定サーバ100aにおいて、通信部102は、ユーザ端末200が送信したフォロワー属性情報通知を受信する。
(ステップS5-2) ユーザ端末200において、処理部203は、ユーザUが発信した地域活動への従事に関する情報を含む、成果報酬決定サーバ100aを宛先とするフォロワー属性情報通知を作成する。
【0031】
(ステップS6-2) ユーザ端末200において、処理部203は、作成したフォロワー属性情報通知を、通信部202へ出力する。通信部202は、処理部203が出力した従事時間情報通知を取得し、取得した従事時間情報通知を、成果報酬決定サーバ100aへ送信する。成果報酬決定サーバ100aにおいて、通信部102は、ユーザ端末200が送信した従事時間情報通知を受信する。
(ステップS7-2) 成果報酬決定サーバ100aにおいて、取得部103は、通信部102が受信したフォロー属性情報通知と、フォロワー属性情報通知と、従事時間情報通知とを取得する。取得部103は、取得したフォロー属性情報通知と、フォロワー属性情報通知と、従事時間情報通知との各々から、生活活動量として、ユーザUをフォローしている者の属性情報SN01と、ユーザUにとってフォロワーである者の属性情報SN02と、地域活動の従事時間に関する情報SN03とを取得する。導出部106は、取得部103が取得した属性情報SN01と、属性情報SN02と、地域活動の従事時間に関する情報SN03とを取得する。導出部106は、取得した属性情報SN01と、属性情報SN02と、地域活動の従事時間に関する情報SN03とに基づいて、地域毎に、地域活動への従事時間と、地域活動に関わる人とのフォロー数と、フォロワー数とを導出する。導出部106は、地域毎に導出した地域活動への従事時間と、地域活動に関わる人とのフォロー数と、フォロワー数とに基づいて、ユーザUの定住度を導出する。
(ステップS8-2) 成果報酬決定サーバ100aにおいて、判定部104aは、導出部106が導出したユーザUの定住度を取得する。判定部104aは、取得したユーザUの定住度に基づいて、ユーザIDに該当するユーザUが、移住した所定の地域へ定住しているか否かを判定する。ステップS9-2からS10-2は、図3を参照して説明したステップS13-1からS14-1を適用できるため、説明を省略する。
【0032】
成果報酬決定システム1aにおいて、成果報酬決定サーバ100aは、所定の期間に取得したユーザの位置情報と居住地の位置とに基づき定住を判定することなしに、生活活動量に基づいて導出される定住度に基づいてユーザの定住を判定してもよいし、所定の期間に取得したユーザの位置情報と居住地の位置とに基づき定住と判定したユーザUに対して、生活活動量に基づいて導出される定住度に基づいてユーザの定住を判定してもよい。成果報酬決定システム1aにおいて、成果報酬決定サーバ100aは、決定結果通知にユーザUの定住度を特定する情報を含めてもよい。この場合、端末装置300を使用する成果報酬支払組織は、定住度に応じて、報酬額を決定してもよい。例えば、成果報酬支払組織は、定住度が低い値から高い値になるにしたがって、報酬額も低い値から高い値に決定する。
成果報酬決定システム1aにおいて、生活支援施策提供部107は、導出部106が導出した生活活動量に基づいて、ユーザUへ提供する生活支援施策を決定してもよい。図10は、実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例1を示す図である。生活支援施策提供部107は、地域毎に導出した生活活動量の各々が所定の条件を満たさない場合に、ユーザUが移住した地域で、ユーザUの活動を支援するために施策を決定する。例えば、ユーザUの生活活動量として取得した購買情報に含まれる購買回数が購買回数閾値未満である場合は、購買の際に使用できるクーポンの配信、おすすめのレストランの紹介などの施策を提供する。
また、例えば、ユーザUの生活活動量として取得した地域活動に関わる人とのフォロー数、フォロワー数などのSNS情報へのアクセス数がアクセス数閾値未満である場合は、ユーザUの関心のありそうなSNSの投稿記事を通知するなどの施策を提供する。このように施策を提供することで、ユーザUの生活活動量を向上させることができるため、定住度も向上させることができる。定住度が低い値から高い値になるにしたがって、報酬額も低い報酬から高い報酬に決定される場合に、事業者は、高い報酬を得ることができる。
【0033】
成果報酬決定システム1aにおいて、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を複数のグループに分類してもよい。生活支援施策提供部107は、複数のグループの各々に含まれる一又は複数のユーザの定住度の各々から、その定住度の導出に使用した生活活動量を取得する。生活支援施策提供部107は、複数のグループの各々に該当する一又は複数の生活活動量を分析する。生活支援施策提供部107は、一又は複数の生活活動量の分析結果に基づいて、ユーザUへ提供する生活支援施策を決定してもよい。例えば、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて二つのグループに分類してもよい。生活支援施策提供部107は、定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの定住度の各々から、その定住度の導出に使用した生活活動量を取得する。生活支援施策提供部107は、定住度の高いグループに該当する一又は複数の生活活動量を分析することで、高い値の生活活動量を抽出する。生活支援施策提供部107は、抽出した生活活動量に基づいて、その生活活動量を改善する施策を定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザへ提供する。例えば、定住度の高いユーザのグループに対して、どの生活活動量が一番高いかを分析し、定住度の低い人に対して、分析で得た一番高い生活活動量を改善する生活支援施策を優先的に実施する。このように構成することで、所定の地域に定住しているが、定住度が低いユーザの生活活動量を向上できるため、定住度も向上させることができる。
【0034】
図11は、実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例2を示す図である。例えば、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて二つのグループに分類してもよい。生活支援施策提供部107は、二つのグループの各々に含まれる一又は複数のユーザの定住度の各々から、その定住度の導出に使用した生活活動量を取得する。生活支援施策提供部107は、二つのグループの各々に該当する一又は複数の生活活動量を分析することで、定住度の高いグループに該当する一又は複数の生活活動量と、定住度の低いグループに該当する一又は複数の生活活動量との傾向の差を導出する。生活支援施策提供部107は、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザに対して、傾向の差が大きい生活活動量を改善する施策を提案する。このように構成することで、所定の地域に定住しているが、定住度が低いユーザの生活活動量を向上できるため、定住度も向上させることができる。
図12は、実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例3を示す図である。例えば、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて二つのグループに分類してもよい。生活支援施策提供部107は、二つのグループの各々に含まれる一又は複数のユーザの定住度の各々から、その定住度の導出に使用した生活活動量を取得する。生活支援施策提供部107は、二つのグループの各々に該当する一又は複数の生活活動量を分析することで、定住度の高いグループに該当する一又は複数の生活活動量と、定住度の低いグループに該当する一又は複数の生活活動量との傾向の差を導出する。生活支援施策提供部107は、定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザに対して、定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザへ、生活活動量の増加を促すために、移住者同士のコミュニケーションの促進を提案する。コミュニティー間で助け合いが行われることで、定住度の高いユーザが定住度の低いユーザに対して支援を促すことで、定住度の低いユーザの定住度を高めることができる。どのユーザがどのユーザに対してコミュニケーションを行うかは、居住地の近いもの同士選んでもよいし、ユーザの属性情報の類似度で選んでもよい。このように構成することで、所定の地域に定住しているが、定住度が低いユーザの生活活動量を向上できるため、定住度も向上させることができる。
【0035】
図13は、実施形態の変形例1の成果報酬決定システムの動作の例4を示す図である。例えば、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を地域に基づいて二つのグループに分類してもよい。生活支援施策提供部107は、二つのグループの各々に含まれる一又は複数のユーザの定住度の各々からその定住度の導出に使用した生活活動量を取得する。生活支援施策提供部107は、二つのグループの各々に該当する一又は複数の生活活動量を統計処理した結果を比較することで定住度の高いグループと低いグループとを特定する。生活支援施策提供部107は、二つのグループの各々に該当する一又は複数の生活活動量の各々に基づいて生活活動量の特徴を導出する。生活支援施策提供部107は、生活活動量の特徴に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザUに生活支援施策を提供する。
定住が進んでいる地域と定住がうまく進んでいない地域とが存在した場合にうまく定住が進んでいる地域の成功モデルを、定住がうまく進んでいない地域に適用する。定住度が高い地域のユーザの生活活動量を分析し、定住度が高くなる要因の生活活動量を特定し、その生活活動量を向上させる施策を定住度が低い地域に優先的に実施する。定住度が進んでいる地域とそうでない地域については、複数の地域の定住度の平均をとって、平均以上の地域を成功モデルとして分析してもよい。
【0036】
実施形態の変形例の成果報酬決定システム1aによれば、成果報酬決定サーバ100aは、成果報酬決定サーバ100において、取得部103はユーザ端末200から生活活動量を取得する。成果報酬決定サーバ100aは、生活活動量に基づき定住度を導出する導出部106をさらに備える。判定部104aは、定住度にさらに基づきユーザの定住を判定する。このように構成することで、成果報酬決定サーバ100aは、生活活動量に基づいて導出される定住度に基づいてユーザの定住を判定できるため、ユーザの定住の判定精度を向上できる。
また、ユーザに移住施策に基づく生活支援施策を提供する生活支援施策提供部をさらに備える。このように構成することで、ユーザに生活支援策を提供できるため、ユーザに定住を促すことができる。例えば、生活支援施策は、PFDプログラムに相当する。生活支援施策の一例は、キャッシュレス決済の場合には居住地域の店舗のクーポンの配布であり、生活インフラの場合には水道、光熱費などの利用料金等の閲覧サービスであり、モビリティ・乗り換えの場合には居住地域の交通機関利用クーポンの配布や乗り換え案内の提供であり、スケジューラの場合には居住地域行事・イベントの予定の通知であり、SNSの場合には居住地域に関連するSNSサービスの提供であり、飲食店予約・レビューの場合には居住地域の飲食店予約・レビューサービスの提供であり、ECの場合には居住地域へのEC販売の個配サービスであり、Wifiの場合には居住地域のローカルWifi利用サービスであり、Webの場合には居住地域に関連するWebサービスの提供である。
また、導出部106は、生活活動量に含まれる居住地の位置の所定の範囲の店舗における購入情報に基づき定住度を導出する。購入情報に含まれる店舗の位置情報から移住先の所定の範囲内の店舗を特定し、それらの店舗の店舗数(利用店舗数)、購買金額の合計、購入(利用)回数の合計が大きいほど、定住度を高く評価する。また、購入品は日常品(食品、日用品、衣類、家具)を対象として、宿泊等の非日常品目を除くようにしてもよい。
また、導出部106は生活活動量に含まれる居住地に関連するSNS情報に基づき定住度を導出する。SNS情報にはSNSアクセス数、フォロー数、投稿数、投稿内容から推定する地域活動時間等が含まれ、これらの数が多いほど、定住度を高く評価する。居住地に関連するSNSとは、事前に居住地ごとに定められたSNSであってもよいし、SNSに居住地の地名や居住地の周辺の地名が含まれることに基づき判断してもよい。SNSアクセス数は、居住地に関連するSNS情報へユーザがアクセスした回数である。フォロワー数は、ユーザのSNSのフォロワーであって、フォロワーの属性の住所がユーザの居住地また居住地周辺の地域の地名であるフォロワーの数である。投稿数は、ユーザが居住地に関連するSNSへの投稿数であってよいし、ユーザのSNSへのフォロワーからのメッセージ等の数であってもよい。過去の居住地は、フォロー/フォロワー数は多いが活動時間が短いことが想定される。
【0037】
また、生活支援施策提供部107は、移住施策に基づく生活支援施策を受けるユーザの生活活動量に基づき提供する生活支援施策を決定する。ユーザの生活活動量が所定の条件に満たない場合にユーザの地域での活動を支援するために施策を決定する。例えば、ユーザの購買情報で購買回数が低い場合は、クーポンの配信、おすすめのレストランを紹介するなどの施策を選択する。例えば、ユーザのSNS情報へのアクセス数が少ない場合は、ユーザの関心のありそうなSNSの投稿記事を通知する。本施策により、生活活動量が上がり定住度が高くなるため、事業者は高い報酬を得ることができる。また、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づき複数のグループに分類し、定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づき、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供する。このように構成することで、定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供できる。
また、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を生活活動量の高低に基づいて複数のグループに分類し、生活活動量の高いグループに含まれる一又は複数のユーザに対して、生活活動量の低いグループに含まれる一又は複数のユーザへの支援を促す通知を行う。このように構成することで、生活活動量の高いグループに含まれる一又は複数のユーザに対して、生活活動量の低いグループに含まれる一又は複数のユーザへの支援を促す通知を行うことができる。また、生活支援施策提供部107は、判定部104aが所定の地域へ定住していると判定した複数のユーザの各々を定住度の高低に基づいて、所定の地域毎に複数のグループに分類し、所定の前記地域毎に定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供する。このように構成することで、所定の地域毎に定住度の高いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々の生活活動量に基づいて、定住度の低いグループに含まれる一又は複数のユーザの各々へ生活支援施策を提供できる。
【0038】
(実施形態の変形例2)
本発明の実施形態の変形例2の成果報酬決定システム1bの構成例は、図1を適用できる。ただし、成果報酬決定サーバ100の代わりに成果報酬決定サーバ100bを備える。成果報酬決定サーバ100bは、成果報酬決定サーバ100の機能に加えて、報酬支払組織から移住施策を実行した事業者にフィードバックされる(成果)報酬を決定する機能と、報酬支払組織から移住施策を実行した事業者にフィードバックされた報酬のうち、移住したユーザUに分配する額を決定する機能を有する。
図14は、実施形態の変形例2の成果報酬決定サーバの詳細を示す図である。成果報酬決定サーバ100bは、成果報酬決定サーバ100と比較して、報酬決定部111と、報酬分配部112とを備える点で異なる。報酬決定部111は、移住施策を実行した事業者にフィードバックされる報酬を決定する。具体的には、報酬決定部111は、移住したユーザUの定住に基づいて報酬支払組織から移住施策を実行した事業者にフィードバックされる(支払われる)報酬を決定する。報酬決定部111は、定住と判定されたユーザUの定住度に基づいて報酬支払組織から移住施策を実行した事業者にフィードバックされる(支払われる)報酬を決定してもよい。報酬分配部112は、移住施策を実行した事業者にフィードバックされた報酬のうち、移住したユーザUに分配する額を決定する。具体的には、報酬分配部112は、移住したユーザUの定住に基づいて報酬支払組織から移住施策を実行した事業者に支払われる報酬の一部を移住したユーザUにフィードバックする報酬とする。報酬分配部112は、報酬から一律何%又は報酬から定額を分配する額としてもよい。また、分配する額の決定方法は、これらに限られない。
実施形態の変形例2の成果報酬決定システム1bによれば、成果報酬決定サーバ100bは、前述した成果報酬決定サーバ100において、判定部104が判定した定住に基づいてユーザを所定地域へ移住させた事業者に対する報酬を決定する報酬決定部111をさらに備える。報酬決定部111が決定した報酬に基づいて所定地域に移住したユーザへ分配する報酬を決定する報酬分配部112をさらに備える。報酬分配部112は、所定の条件に基づいて所定地域に移住したユーザへ分配する報酬を決定する。
このように構成することによって、移住施策を実行した事業者に対する報酬の一部を移住したユーザUにフィードバックされる仕組みを導入できるため、移住したユーザUが更に定住を継続するモチベーションに繋がり、定住を促すことができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してコンピュータプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0040】
1、1a…成果報酬決定システム、100、100a…成果報酬決定サーバ、102…通信部、103…取得部、104、104a…判定部、105…決定部、106…導出部、107…生活支援施策提供部、108…出力部、110…記憶部、110a…ユーザ情報DB、110b…決済情報DB、111…報酬決定部、112…報酬分配部、200…ユーザ端末、202…通信部、203…処理部、205…操作部、206…記憶部、206a…位置情報、300…端末装置
図1
図2
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図10
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