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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】点灯制御装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/06 20060101AFI20241028BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20241028BHJP
   F21S 41/141 20180101ALI20241028BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20241028BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20241028BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20241028BHJP
   F21W 102/13 20180101ALN20241028BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20241028BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20241028BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241028BHJP
【FI】
F21V23/06
F21V23/00 140
F21S41/141
F21S43/14
F21S45/00
H05B47/105
F21W102:13
F21W103:10
F21W103:55
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021077429
(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公開番号】P2022171050
(43)【公開日】2022-11-11
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中澤 勇一
(72)【発明者】
【氏名】内海 亮祐
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-113832(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0112198(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/06
F21V 23/00
F21S 41/141
F21S 43/14
F21S 45/00
H05B 47/105
F21W 102/13
F21W 103/10
F21W 103/55
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具に適用される点灯制御装置であって、
略四辺形の基板と、
前記基板に設けられ、前記車両用灯具に用いられる光源に電力を供給する第1コネクタと、
前記基板のうち前記基板の所定の辺に沿って設けられ、車両からの入力信号が入力される第2コネクタが装着可能な入力領域と、
前記光源を点灯させる複数の点灯回路と、
を備え、
前記第1コネクタは、前記入力領域と交差する長手方向と、短手方向と、を有し、
前記第1コネクタの前記短手方向の両外側には、前記長手方向に沿って複数の接続端子が設けられ
前記第1コネクタの前記短手方向の両外側には、前記複数の点灯回路のうち少なくとも1つずつ回路が配置される、
点灯制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の点灯制御装置であって、
前記第2コネクタが設けられた筐体を備え、
前記基板が前記筐体に装着されることによって、前記第2コネクタを介して、前記基板に前記入力信号が入力される、
点灯制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の点灯制御装置であって、
前記光源に含まれる第1~第3発光部のうちの前記第1発光部を、前記入力信号に基づいて点灯させる第1点灯回路と、
前記第1発光部よりも消費電力の小さい前記第2発光部を、前記入力信号に基づいて点灯させる第2点灯回路と、
前記第1発光部よりも消費電力の小さい前記第3発光部を、前記入力信号に基づいて点灯させる第3点灯回路と、
が前記基板に設けられており、
前記第1点灯回路は、前記第1コネクタの前記短手方向の一方側に配置されるとともに、前記一方側の前記複数の接続端子の少なくとも一部に接続され、
前記第2点灯回路及び前記第3点灯回路は、前記第1コネクタの前記短手方向の他方側に配置されるとともに、前記他方側の前記複数の接続端子の少なくとも一部に接続される、
点灯制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の点灯制御装置であって、
前記入力信号を受信するインターフェース回路が前記基板に設けられており、
前記長手方向において、前記インターフェース回路は、前記所定の辺と前記第1コネクタとの間に配置される、
点灯制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の点灯制御装置であって、
前記インターフェース回路から信号を受信して前記第1~第3点灯回路に指示を送信する指示回路をさらに備え、
前記第1点灯回路は、前記指示回路の指示に基づいて、前記第1点灯回路の動作を制御する第1制御回路を有し、
前記第2点灯回路は、前記指示回路の指示に基づいて、前記第2点灯回路の動作を制御する第2制御回路を有し、
前記第3点灯回路は、前記指示回路の指示に基づいて、前記第3点灯回路の動作を制御する第3制御回路を有し、
前記指示回路、及び、前記第1~第3制御回路は、前記基板の前記第1コネクタ、及び、前記インターフェース回路が設けられた面とは反対側の面に設けられる、
点灯制御装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の点灯制御装置であって、
前記基板の前記所定の辺の中点は、前記第1コネクタの前記短手方向の中点を通る前記長手方向に沿った軸上に位置している、
点灯制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具に適用される点灯制御装置として、電子部品から構成される回路(点灯回路)、及び、点灯回路から車両用灯具の光源に電力を供給するためのコネクタを、基板上に設けたものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-82147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したようなコネクタを、基板上に設ける場合、コネクタの長手方向を入力信号が入力される領域(入力領域)に平行に配置すると、回路とコネクタを繋ぐ配線のパターン長が長くなり、配線の引き回しや基板サイズの小型化が困難であった。
【0005】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、配線の効率化、及び、基板サイズの小型化を図ることのできる点灯制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した課題を解決する主たる本発明は、車両用灯具に適用される点灯制御装置であって、略四辺形の基板と、前記基板に設けられ、前記車両用灯具に用いられる光源に電力を供給する第1コネクタと、前記基板のうち前記基板の所定の辺に沿って設けられ、車両からの入力信号が入力される第2コネクタが装着可能な入力領域と、を備え、前記第1コネクタは、前記入力領域と交差する長手方向と、短手方向と、を有し、前記第1コネクタの前記短手方向の両外側には、前記長手方向に沿って複数の接続端子が設けられている点灯制御装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配線の効率化、及び、基板サイズの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態の点灯制御装置1を含むシステム構成の一例を示すブロック図である
図2】点灯制御装置1の分解斜視図である。
図3】点灯制御装置1とハーネス(車両側ハーネス300及びランプ側ハーネス400)との接続を示す概念図である。
図4図4Aは、点灯回路3の構成例を示す回路図である。図4Bは、点灯回路4の構成例を示す回路図である。図4Cは、点灯回路5の構成例を示す回路図である。
図5】基板10の+Z側面における部品等の配置の説明図である。
図6】基板10の-Z側面における部品等の配置の説明図である。
図7図7Aは、比較例のコネクタ配置を示す概念図である。図7Bは、本実施形態のコネクタ配置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
=====実施形態=====
<<システム構成>>
図1は、本実施形態の点灯制御装置1を含むシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
本実施形態の点灯制御装置1は、車両用灯具100に適用され、車両用灯具100の各光源(後述)の点灯を制御する装置である。
【0012】
点灯制御装置1には車両側からの入力信号が車両側ハーネス300を介して入力される。また、点灯制御装置1には、車両用のバッテリー200からの電源電圧Vbatの電源ラインや、接地レベルの電圧の接地ラインが入力される。点灯制御装置1において、接地されている部位は、バッテリー200の接地ラインに接続されていることを意味している。また、点灯制御装置1は、ランプ側ハーネス400を介して、車両用灯具100の光源に接続されている。
【0013】
点灯制御装置1について説明する前に、まず、車両用灯具100について説明する。
【0014】
本実施形態の車両用灯具100は、例えば車両の前端部に設けられる前照灯であり、複数(ここでは3つ)の光源(光源110,120,130)を備えている。本実施形態において、光源110は、「第1発光部」に相当し、光源120は、「第2発光部」に相当し、光源130は、「第3発光部」に相当する。なお、光源110と光源120は、光源ユニット100Aとして一体に設けられている。ただし、これには限られず、光源110と光源120が別体に設けられていてもよいし、光源110,120,130が一体に設けられていてもよい。
【0015】
光源ユニット100Aは、スイッチ回路101、インターフェース回路(以下I/F回路)102、光源110、及び、光源120を備えている。
【0016】
スイッチ回路101は、後述する光源110の複数(N個)の発光素子(D1_1~D1_N)のうち点灯させる素子を切り替えるための回路であり、複数(N個)のスイッチ(SW1~SWN)を備えている。
【0017】
スイッチSW1の一端は、発光素子D1_1のカソードに接続され、スイッチSW1の他端は、発光素子D1_1のアノードに接続されている。このため、スイッチSW1は、発光素子D1_1と並列に接続されている。同様に、スイッチSW2~SWNは、それぞれ、発光素子D1_2~D1_Nと並列に接続されている。
【0018】
I/F回路102は、点灯制御装置1の基板10のI/F回路7C(後述)と通信可能に接続されており、I/F回路7Cから信号(マイコン6からの指示を示す信号)を受信する。この信号に基づいて、スイッチ回路101の各スイッチ(SW1~SWN)のオンオフの切り替えが行われる。
【0019】
光源110は、ハイビーム用の光源である。ハイビームは、前方の広範囲および遠方を比較的高い照度で照明するものであり、主に対向車や先行車が少ない道路を高速走行する場合に用いられる。また、本実施形態の光源110は、複数の発光素子D1_1~D1_Nを直列に並べて配置し、各発光素子の点灯を切り替えることによって、配光パターンの配光を可変に制御する配光可変ヘッドランプ(ADB:Adaptive Driving Beam)である。なお、ADBとは、車載カメラ(撮像装置)により前走車や対向車、歩行者などを認識し、前方のドライバーや歩行者に眩しさを与えることなく、夜間におけるドライバーの前方視界を拡大する技術である。本実施形態では、点灯制御装置1のマイコン6(後述)からの指示に応じて、スイッチ回路101の各スイッチ(SW1~SWN)のオンオフが制御され、対応する発光素子が点灯するように構成されている。
【0020】
光源120は、ロービーム用の光源であり、発光素子D2を備えている。ロービームは、自車近傍を所定の照度で照明するものであって、対向車や先行車にグレアを与えないよう配光規定が定められており、主に市街地を走行する場合に用いられる。本実施形態では、ハイビーム用光源(光源110)は、ロービーム用光源(光源120)と合わせて(重畳して)点灯する。なお、図1では簡略化のため光源120を一つの発光素子D2で構成しているが、これには限られず、例えば、複数個の発光素子D2を直列に接続していてもよい。
【0021】
光源130は、DRL(Daytime Running Lamp:昼間走行灯)、及び、CLL(Clearance Lamp:車幅灯)の2つの機能を有しており、発光素子D3を備えている。DRLとは、昼間時に他車両のドライバーや歩行者に自車両の存在をより明確に視認させるために点灯されるライトであり、CLLとは、夜間時(ハイビームやロービーム等の非点灯時)に他車両や歩行者に自車両の車幅を示す目的で点灯されるライトである。本実施形態において、DRLとCLLは、同一光源(光源130)で構成されており、発光素子D3を調光する(発光量を変化させる)ことでそれぞれの機能が実現される。なお、図1では簡略化のため光源130を一つの発光素子D3で構成しているが、これには限られず、例えば、複数個の発光素子D3を直列に接続していてもよい。
【0022】
本実施形態において、光源110(ハイビーム)の消費電力は、光源120(ロービーム)の消費電力、及び、光源130(DRL/CLL)の消費電力よりも大きい。換言すると、光源120の消費電力、及び、光源130の消費電力は、光源110の消費電力よりも小さい。また、光源130の消費電力は、CLLの時よりもDRLの時の方が大きく、本実施形態において、DRLの時の消費電力は、光源120の消費電力以下である。
【0023】
<<点灯制御装置1の構成>>
次に、図1図2図3を用いて、本実施形態の点灯制御装置1について説明する。図2は、点灯制御装置1の分解斜視図である。また、図3は、点灯制御装置1とハーネス(車両側ハーネス300及びランプ側ハーネス400)との接続を示す概念図である。なお、図2図3において、互いに直交する3方向(X方向、Y方向、Z方向)を定めている。Z方向は、例えば上下方向(鉛直方向)であり、Y方向は、例えば車両の前後に沿った方向(前後方向)であり、X方向は、例えば車幅に沿った方向(左右方向)である。また、各方向において、矢印で示す側をプラス(+)側とし、その反対側をマイナス(-)側とする。そして、以下の説明では、例えば、X方向の+側のことを+X側といい、X方向の-側のことを-X側という。
【0024】
点灯制御装置1は、前述したように、車両用灯具100の各光源の点灯を制御する装置であり、例えば、車両用灯具100のハウジング(不図示)の底部に取り付けられる。
【0025】
本実施形態の点灯制御装置1は、図2に示すように、基板10、カバー20A、カバー20B、及び、ケース30を備えている。
【0026】
<基板10について>
基板10は、点灯制御装置1を構成する回路(電子部品)などを実装するための部材であり、回路の配線が形成されたプリント配線基板として構成されている。本実施形態の基板10は、X方向に沿った2辺(辺10A及び辺10B)と、Y方向に沿った2辺(辺10C及び辺10D)との四辺を有し、角が切り欠かれた略四辺形の形状である(図5図6参照)。なお、本実施形態の基板10は、角が直線状に切り欠かれているが、これには限られず、例えば、円弧状に切り欠かれていてもよい。あるいは、角が切り欠かれていなくてもよい(四辺形でもよい)。また、各辺において、内側に窪んだ部位や外側に突出した部位があってもよい。本実施形態の基板10の四辺のうち、辺10Aは、「所定の辺」に相当する。
【0027】
図1に示すように、基板10には、電源回路2、点灯回路3~5、マイコン6、I/F回路7A~7C、及び、電源供給回路8が設けられている。なお、図2では、便宜上、上記の回路(電源回路2等)の図示を省略している。
【0028】
電源回路2は、バッテリー200の電源電圧Vbatに基づいて、基板10に配置された各回路(マイコン6など)の駆動電圧を生成する回路である。
【0029】
点灯回路3は、車両用灯具100の光源110を点灯させる回路であり、「第1点灯回路」に相当する。本実施形態の点灯回路3は、電源電圧Vbatに基づいて、光源110に応じた駆動電圧を生成するスイッチングコンバータである。
【0030】
点灯回路4は、車両用灯具100の光源120を点灯させる回路であり、「第2点灯回路」に相当する。本実施形態の点灯回路4は、電源電圧Vbatに基づいて、光源120に応じた駆動電圧を生成するスイッチングコンバータである。
【0031】
点灯回路5は、車両用灯具100の光源130を点灯させる回路であり、「第3点灯回路」に相当する。本実施形態の点灯回路5は、電源電圧Vbatに基づいて、光源130に応じた駆動電圧を生成するスイッチングコンバータである。
【0032】
このように、本実施系定の点灯制御装置1では、基板10に点灯回路3~5(3つのスイッチングコンバータ)が設けられている。なお、点灯回路3~5の構成例については後述する。
【0033】
マイコン6は、点灯制御装置1及び車両用灯具100の各部の動作を制御する回路である。本実施形態において、マイコン6は、I/F回路7A及びI/F回路7Bから入力信号を受信して、点灯回路3~5に指示を送信する「指示回路」に相当する。この指示(換言すると入力信号)に基づいて、点灯回路3~5が、それぞれ、対応する光源を点灯させる。
【0034】
I/F回路7Aは、車両(運転席の操作部など)からの入力信号を、車両側ハーネス300を介して受信し、マイコン6に送信する回路である。
【0035】
I/F回路7Bは、車載カメラからの入力信号を、車両側ハーネス300を介して受信し、マイコン6に送信する回路である。なお、I/F回路7A及びI/F回路7Bのそれぞれは、車両からの入力信号を受信する「インターフェース回路」に相当する。
【0036】
I/F回路7Cは、マイコン6の出力信号を、ランプ側ハーネス400を介して、光源ユニット100AのI/F回路102に送信する回路である。
【0037】
電源供給回路8は、光源ユニット100Aの各回路(スイッチ回路101、I/F回路102)を駆動(動作)させるための電力を、光源ユニット100Aに供給する回路である。
【0038】
また、図2に示すように、基板10には、入力領域11、出力コネクタ12、アース部13A,13B,13Cが設けられている。
【0039】
入力領域11は、基板10の入力端子(孔)が複数設けられた部位であり、基板10に入力信号が入力される領域である。本実施形態において、入力領域11は、基板10における辺10Aの近傍においてX方向に沿って設けられている。そして、入力領域11には、後述するケース30の入力コネクタ31が装着可能である。
【0040】
また、出力コネクタ12は、複数の接続端子12aと、2つの接続部12bを有している。
【0041】
接続端子12aは、基板10に設けられた回路(電子部品)と電気的に接続するための端子であり、出力コネクタ12の短手方向(ここではX方向)の両外側において、長手方向(ここではY方向)に沿って複数設けられている。
【0042】
接続部12bは、ランプ側ハーネス400のコネクタ410と篏合する部位である。コネクタ410が出力コネクタ12の接続部12bに嵌まり込むことで、出力コネクタ12とランプ側ハーネス400が電気的に接続される。なお、本実施形態の出力コネクタ12では、接続部12bがY方向に2つ並んで設けられており、コネクタ410が2つ接続できるように構成されている。ただし、これには限られず、例えば、接続部12bが1つのみで、1つのコネクタ410が接続されるようになっていてもよい。
【0043】
アース部13A,13B,13Cは、カバー20Aと導通接触する箇所である。アース部13A,13B,13Cにはそれぞれ貫通孔が形成されているとともに、表面(各貫通孔周囲の基板表面)には、グランド(接地ライン)に接続された導体が露出している。そして、ネジ41により、基板10とカバー20Aがケース30に螺子止めされことにより、アース部13A,13B,13Cは、カバー20Aと導通接触する。より具体的には、アース部13Aは、カバー20Aの接続片23Aと導通接触し、アース部13Bは、カバー20Aの接続片23Bと導通接触し、アース部13Cは、カバー20Aの接続片23Cと導通接触する。
【0044】
<カバー20Aについて>
カバー20Aは、基板10に設けられた回路部品から発生する電磁ノイズの漏洩を防止し、また、外部から侵入する電磁ノイズを遮蔽するノイズシールド用の部材であり、導電性材料(例えば、アルミニウムなどの金属)で形成されている。カバー20Aは、平面視において基板10に対応した略四辺形で-Z側が開放された箱状の部材であり、基板10の+Z側に配置されてケース30内に収容される。
【0045】
また、カバー20Aは、開口部22、及び、接続片23A,23B,23Cを有している。
【0046】
開口部22は、基板10をカバー20Aとともにケース30に装着する際に、基板10の出力コネクタ12を挿通させる部位(開口)である。このため、開口部22は、出力コネクタ12と対応した位置、及び、形状に形成されている。開口部22を設けていることにより、ランプ側ハーネス400のコネクタ410を、出力コネクタ12の接続部12bに嵌め込むことができる。本実施形態のカバー20Aは、基板10の+Z側面において、少なくとも入力領域11及び出力コネクタ12を除く部分を覆っており、基板10の+Z側面に配置された点灯回路3~5の部品全体を覆っている。ただし、これには限られず、点灯回路3~5のそれぞれについて、少なくとも一部の部品を覆っていればよい。
【0047】
接続片23A,23B,23Cは、ネジ41により、カバー20Aを基板10とともにケース30に固定(装着)させるための部位である。接続片23A,23B,23Cは、それぞれ、基板10のアース部13A,13B,13Cと対応する位置において、カバー20Aの側面から側方に延出して設けられている。また、接続片23A,23B,23Cには、それぞれ、アース部13A,13B,13Cの貫通孔と対応する位置に、ネジ41を挿通させるための貫通孔が設けられている。
【0048】
<カバー20Bについて>
カバー20Bは、カバー20Aと同様に、ノイズシールド用の部材であり、導電性材料(例えば、アルミニウム)によって、基板10に対応した浅い箱状に形成されている。本実施形態では、ノイズシールド用のカバー20Bが、基板10の-Z側面を覆っている。これにより、基板10のZ方向の両側においてノイズの低減を図ることができる。また、カバー20Bは、係合孔24を有している。
【0049】
係合孔24は、カバー20Bをケース30に固定させるための孔であり、ケース30の係合凸部34(後述)と対応する位置に設けられている。
【0050】
係合孔24を、基板10及びカバー20Aが装着(螺子止め)された状態のケース30の係合凸部34に係合させることで、カバー20Bは、基板10の-Z側の面を覆いつつ、ケース30に固定される。これにより、基板10の-Z側においてもノイズを抑制(遮蔽)することができ、さらにノイズの低減を図ることができる。なお、カバー20Bは、ケース30の外縁とカバー20Bとの間に接着剤(不図示)を塗布し、その接着剤が硬化することにより、ケース30に固定される。そして、カバー20Bとケース30との間に接着剤が介在することにより、水の侵入を防ぐ防水構造も果たす。
【0051】
また、カバー20Bは、ケース30には収容されず露出している。これにより、カバー20Bは、基板10の発熱を、伝熱シート42を介して放熱する機能も有する。なお、伝熱シート42は、基板10とカバー20Bとの間に介在されており、基板10で発生した熱をカバー20Bに伝達させるとともに、振動を抑制させるための部材である。
【0052】
<ケース30について>
ケース30は、点灯制御装置1のカバー20A及び基板10を収容する筐体であり、例えば樹脂で形成されている。本実施形態のケース30は、入力コネクタ31、円筒開口部32、及び、係合凸部34を有している。
【0053】
入力コネクタ31は、車両側ハーネス300のコネクタ310と接続するためのコネクタであり、「第2コネクタ」に相当する。本実施形態の入力コネクタ31は、ケース30の-Y側の端部に設けられている。入力コネクタ31には複数のピン31aが設けられており、ピン31aはケース30の内部で-Z側に屈曲している。このため、基板10がケース30に装着されると、ピン31aは、入力領域11の対応する端子(孔)に挿入される。そして、入力領域11の各端子と、挿入されたピン31aとをそれぞれ半田付けすることにより、入力領域11の各端子と、入力コネクタ31のピン31aとが電気的に接続される。これにより、基板10の入力領域11に入力コネクタ31が装着されることになり、ケース30の入力コネクタ31を介して、基板10に信号(入力信号)が入力可能になる。なお、入力コネクタ31は、コネクタ310が接続されると、防水構造を果たす形状に設定される。
【0054】
円筒開口部32は、ランプ側ハーネス400をケース30内に挿通させるための開口であり、ケース30の+Z側の面において、基板10の出力コネクタ12、及び、カバー20Aの開口部22と対応した位置に設けられている。そして、ランプ側ハーネス400のコネクタ410は、ケース30の円筒開口部32を通して、出力コネクタ12の接続部12bに嵌め込まれる。また、円筒開口部32の縁は+Z側に円筒状に突出しており、この突出した部位が、車両用灯具100のハウジング(不図示)の例えば底部に嵌め込まれる。これにより、ケース30(換言すると点灯制御装置1)は、車両用灯具100のハウジングに取り付けられる。なお、点灯制御装置1の取り付けの際には、点灯制御装置1の各部位や各ハーネスとの接続部分に、例えばシーリング材や接着剤などで防水対策を施して、水が浸入しないようにしている。
【0055】
係合凸部34は、カバー20Bを固定するための凸状の部位であり、ケース30のX方向の両側部において外側に突出して設けられている。
【0056】
<点灯回路3,4,5について>
【0057】
前述したように、本実施形態の点灯回路3,4,5は、スイッチングコンバータで構成されている。
【0058】
図4Aは、点灯回路3の構成例を示す回路図である。図4Bは、点灯回路4の構成例を示す回路図である。図4Cは、点灯回路5の構成例を示す回路図である。なお、図4A図4Cの各トランジスタ(トランジスタM3Aなど)にはNMOSFETが用いられている。
【0059】
点灯回路3は、電源電圧Vbatに基づいて光源110に応じた駆動電圧を生成する回路である。図4Aに示すように、本実施形態の点灯回路3は、昇圧回路3Aと降圧回路3Bを含んでいる。
【0060】
昇圧回路3Aは、電源電圧Vbatを昇圧する回路であり、制御回路IC3A、コンデンサC3A1,C3A2、コイルL3A、トランジスタM3A、ダイオードD3A、抵抗R3A1,R3A2を含んでいる。
【0061】
コンデンサC31A1の一端は電源ラインに接続され、他端は接地ラインに接続(接地)されている。
【0062】
コイルL3Aの一端は、コンデンサC3A1の一端に接続され、コイルL3Aの他端はトランジスタM3Aのドレイン及びダイオードD3Aのアノードに接続されている。
【0063】
トランジスタM3Aのソースは接地され、ゲートには制御回路IC3Aからの信号が入力される。
【0064】
ダイオードD3Aのカソードは、コンデンサC3A2の一端に接続されており、コンデンサC3A2の他端は接地されている。なお、ダイオードD3AのカソードとコンデンサC3A2との接続点の電圧が昇圧回路3Aの出力電圧となる。
【0065】
抵抗R3A1と抵抗R3A2は、直列に接続されており、コンデンサC3A2と並列に設けられている。
【0066】
制御回路IC3Aは、マイコン6の指示に基づいて、点灯回路3(ここでは昇圧回路3A)の動作を制御する回路であり、「第1制御回路」に相当する。本実施形態において、制御回路IC3A(及び、後述する制御回路IC3B,IC4,IC5)は、集積回路(IC)で構成されている。制御回路IC3Aは、抵抗R3A1と抵抗R3A2との分圧電圧(抵抗R3A1と抵抗R3A2との接続点の電圧)に基づいて、昇圧回路3Aの出力電圧(コンデンサC3A2の電圧)が所定電圧となるようにトランジスタM3Aのオンオフを制御する。
【0067】
制御回路IC3AによってトランジスタM3Aがオンになると、コイルL3Aに電源からのエネルギーが蓄えられ、トランジスタM3Aがオフになると、コイルL3Aに蓄えられたエネルギーに相当する電圧が電源電圧Vbatに重畳される。このため、昇圧回路3Aの出力電圧は、電源電圧Vbatよりも高くなる。
【0068】
降圧回路3Bは、昇圧回路3Aの出力電圧を降圧して、光源110に応じた駆動電圧を生成する回路であり、制御回路IC3B、コンデンサC3B、コイルL3B1,L3B2、抵抗R3Bを含んで構成されている。
【0069】
制御回路IC3Bは、マイコン6の指示に基づいて、点灯回路3(ここでは降圧回路3B)の動作を制御する回路である。制御回路IC3Bは、トランジスタM3B1とトランジスタM3B2を含んでいる。
【0070】
トランジスタM3B1のドレインは、昇圧回路3AのコンデンサC3A1の一端に接続されている。すなわち、トランジスタM3B1のドレインには、昇圧回路3Aの出力電圧が印加される。また、トランジスタM3B1のソースは、トランジスタM3B2のドレイン及びコンデンサC3Bの一端に接続されており、トランジスタM3B2のソース及びコンデンサC3Bの他端は接地されている。
【0071】
コイルL3B1、抵抗R3B、コイルL3B2は直列接続されており。コイルL3B1の一端は、トランジスタM3B1とトランジスタM3B2とコンデンサC3Bの接続点に接続されている。
【0072】
制御回路IC3Bは、抵抗R3Bに流れる電流に基づいて、トランジスタM3B1とトランジスタM3B2のゲート電圧を制御(オンオフを制御)する。
【0073】
トランジスタM3B1がオン、トランジスタM3B2がオフの場合、コイルL3B1の一端には降圧回路3Bの入力電圧(昇圧回路3Aの出力電圧)が印加される。トランジスタM3B1がオフ、トランジスタM3B2がオンの場合、コイルL3B1の一端には接地ラインの電圧(接地電圧)が印加される。
【0074】
上記の動作が繰り返されることにより、降圧回路3Bの出力電圧は、入力電圧(昇圧回路3Aの出力電圧)よりも低くなる。そして、光源110の発光素子D1_1~D1_Nのうち点灯させる発光素子に所定の駆動電流が流れるように、制御回路IC3Bによって、降圧回路3Bの出力電圧(駆動電圧)が調整される。
【0075】
点灯回路4は、電源電圧Vbatに基づいて光源120に応じた駆動電圧を生成する回路である。図4Bに示すように、点灯回路4は、いわゆるHブリッジ型スイッチングコンバータの構成を有しており、トランジスタM41,M42,M43,M44、コイルL4、コンデンサC41,C42、抵抗R15、制御回路IC4を含んでいる。
【0076】
コンデンサC41の一端は電源ラインに接続され、他端は接地ラインに接続(接地)されている。
【0077】
トランジスタM41のドレインは、コンデンサC41の一端に接続され、ソースは、トランジスタM42のドレイン、及び、コイルL4の一端に接続されている。
【0078】
コイルL4の他端は、トランジスタM43のソース、及び、トランジスタM44のドレインに接続されている。また、トランジスタM42のソース、及び、トランジスタM44のソースは接地されている。
【0079】
コンデンサC42の一端は、トランジスタM43のドレインに接続され、他端は接地されている。そして、コンデンサC42の一端の電圧が抵抗R4を介して出力される。
【0080】
制御回路IC4は、マイコン6の指示に基づいて、点灯回路4の動作を制御する回路であり、「第2制御回路」に相当する。制御回路IC4は、抵抗R4(換言すると、光源120の発光素子D2)に流れる電流が目標値(所定の駆動電流)となるように、各トランジスタ(トランジスタM41,M42,M43,M44)のオンオフを制御する。
【0081】
このようなHブリッジ型の回路の動作は公知であるが、簡単に説明すると、トランジスタM43をオン、トランジスタM44をオフに固定し、トランジスタM41,M42をオンオフ制御することで、入力側から出力側に降圧しつつ電力供給できる(降圧モード)。
【0082】
また、トランジスタM41をオン、トランジスタM42をオフに固定し、トランジスタM43,M44をオンオフ制御することで、入力側から出力側に昇圧しつつ電力供給できる(昇圧モード)。
【0083】
このように降圧モードあるいは昇圧モードを行うことにより、電源電圧Vbatに基づいて負荷(ここでは光源120)に応じた駆動電圧を生成することができる。
【0084】
点灯回路5は、電源電圧Vbatに基づいて光源130に応じた駆動電圧を生成する回路である。図4Cに示すように、点灯回路5もHブリッジ型スイッチングコンバータの構成を有しており、トランジスタM51,M52,M53,M54、コイルL5、コンデンサC51,C52、抵抗R5、制御回路IC5を含んで構成されている。なお、制御回路IC5は、マイコン6の指示に基づいて、点灯回路5の動作を制御する回路であり、「第3制御回路」に相当する。
【0085】
点灯回路5の構成及び動作は、点灯回路4と同様であるので、説明を省略する。
【0086】
<<基板10における部品等の配置について>>
図5は、基板10の+Z側面における部品等の配置例の説明図である。図6は、基板10の-Z側面における部品等の配置例の説明図である。
【0087】
本実施形態の基板10は、前述したように略四辺形の基板であり、入力領域11、出力コネクタ12、及び、アース部13A,13B,13Cが設けられている。図5において、一点鎖線は、出力コネクタ12の短手方向の中点を通るY方向に沿った軸を示している。本実施形態では、基板10の辺10Aの中点は、この軸(一点鎖線)上に位置している。
【0088】
なお、アース部13Aは、基板10の辺10Aと辺10Dとの角部(一点鎖線よりも+X側)に設けられており、アース部13Bは、辺10Bにおいて一点鎖線よりも+X側に設けられている。またアース部13Cは、辺10Cと辺10Aとの角部(一点鎖線よりも-X側)に設けられている。また、入力領域11は、辺10Aの近傍において、X方向に沿って設けられている
【0089】
また、基板10には、図5及び図6に示すように、点灯制御装置1を構成する回路の電子部品などが実装されている。
【0090】
<点灯回路3,4,5の配置について>
本実施形態では、3つの点灯回路(点灯回路3,4,5)を同一の基板10上に配置している。これらの点灯回路3,4,5は、それぞれ、トランジスタ(スイッチ素子)、コイル、コンデンサを有するスイッチングコンバータで構成されている。このようなスイッチングコンバータは、リニアレギュレータ(シリーズレギュレータ)と比べて電磁ノイズが発生しやすい。特に、駆動能力(消費電力)の大きいスイッチングコンバータ(本実施形態では点灯回路3)の出力側の回路でノイズが発生しやすい。本実施形態では、基板10の+Z側面(点灯回路3~5)を覆うように、ノイズシールド用のカバー20Aを設けているが、消費電力の大きい点灯回路3においては、ノイズ低減の効果が得られないおそれがある。
【0091】
そこで、本実施形態では、図5に示すように、基板10におけるカバー20Aとの導通接触箇所であるアース部13Aとアース部13Bとの間に点灯回路3を配置するとともに、ノイズの発生しやすい出力側のコンデンサC3Bを、アース部13Bの近傍に配置している。これにより、ノイズの低減効果を高めることができ、ノイズの低減を図ることができる。
【0092】
また、点灯回路3のコイルL3B1,L3B2も、アース部13Bの近傍に配置している。これにより、さらにノイズの低減を図ることができる。
【0093】
また、本実施形態の点灯回路3は、電源電圧Vbatを昇圧する昇圧回路3Aと、昇圧回路3Aの出力電圧を降圧して光源110に応じた駆動電圧を生成する降圧回路3Bを備えており、コンデンサC3B及びコイルL3B1,L3B2は、降圧回路3Bに用いられている。このように降圧回路3BのコンデンサC3B及びコイルL3B1,L3B2をアース部13Bの近傍に配置することにより、ノイズを効率的に低減できる。
【0094】
なお、本実施形態において、アース部13Bの近傍とは、アース部13Bから降圧回路3Bの制御回路IC3B(制御回路IC3B内のトランジスタM3B1,M3B2)までの距離よりも短い範囲である。この範囲内に、点灯回路3のコンデンサC3B、コイルL3B1,L3B2を配置することで、ノイズを低減させる効果を高めることができる。
【0095】
また、本実施形態では、基板10のX方向の+側(一点鎖線よりも+X側)にアース部13A、アース部13B、点灯回路3を配置し、基板10のX方向の-側(一点鎖線よりも-X側)に、点灯回路4及び点灯回路5を配置している。これにより、発熱が均等化される。
【0096】
また、前述したように基板10のX方向の-側には、アース部13Cが設けられており、点灯回路5よりも点灯回路4の方がアース部13Cの近くに配置されている。図5に示すように、点灯回路3のコンデンサC3Bとアース部13Bとの距離は、点灯回路4の出力側のコンデンサC42とアース部13Cとの距離よりも短い。これにより、ノイズの低減を図りつつ、点灯回路4,5の配置性(レイアウトの自由度)の向上を図ることができる。
【0097】
<出力コネクタ12の配置について>
本実施形態の出力コネクタ12は、長手方向と短手方向を有する角形のコネクタである。また、出力コネクタ12の短手方向の両外側に、それぞれ、複数の接続端子12aが長手方向に沿って設けられている。
【0098】
仮に、この出力コネクタ12を、長手方向が辺10Aに平行となるように基板10に配置すると、配線パターンの長さが長くなり、基板10のサイズの小型化が困難になるおそれがある。
【0099】
図7Aは、比較例のコネクタ配置を示す概念図である。図7Bは、本実施形態のコネクタ配置を示す概念図である。
【0100】
なお、比較例(図7A)では、出力コネクタ14を2つ配置している。出力コネクタ14は、出力コネクタ12の接続部12bの1つ分に対応するコネクタであり、複数(片側10個)の接続端子14aと接続部14bを備えている。図7Aでは、2つの出力コネクタ14は、それぞれ、長手方向がX方向(入力領域11に沿った方向)と平行に配置されており、複数の接続端子14aは、出力コネクタ14の短手方向(ここではY方向)の両外側に、長手方向(ここではX方向)に沿って設けられている。
【0101】
この比較例(図7A)の場合、基板10に配置した部品と出力コネクタ14の接続端子14aとを繋ぐ配線パターンを図のように折り曲げて配線する必要があり、配線の引き回しが困難になる。このため、基板サイズの小型化が困難である。なお、図7Aでは、出力コネクタ14を2つ配置しているが、出力コネクタ12を、長手方向がX方向に沿うように配置した場合も、同様に、配線の引き回しが困難になり、基板サイズの小型化が困難になる。
【0102】
これに対し、本実施形態では、図7Bに示すように、出力コネクタ12の長手方向が辺10A(入力領域11)に交差するように配置している。なお、本実施形態では、出力コネクタ12の長手方向が、入力領域11(X方向)に直交しているが、これには限られず、略直交でもよい。
【0103】
これにより、出力コネクタ12の短手方向(X方向)の両側に回路(点灯回路など)を配置することができ、また、基板10に配置した部品と出力コネクタ12の接続端子12aとを繋ぐ配線の引き回しがしやすくなる。よって、比較例(図7A)と比べて、配線の効率化、及び、基板サイズの小型化を図ることができる。
【0104】
また、前述したように、図5において、消費電力の大きい点灯回路3は、一点鎖線よりも+X側に配置されている。この場合、図7Bに示すように、点灯回路3は、出力コネクタ12の+X側の複数の接続端子12aの少なくとも一部に接続できる。また、図5において、点灯回路4,5は、一点鎖線よりも-X側に配置されている。この場合、図7Bに示すように、点灯回路4,5は、出力コネクタ12の-X側の複数の接続端子12aの少なくとも一部に接続できる。これにより、3つの点灯回路についての配線の効率化を図ることができる。
【0105】
また、辺10A(入力領域11)と出力コネクタ12の間にI/F回路7A,7Bが配置されている(図5参照)。これにより、I/F回路7A,7Bから各点灯回路(点灯回路3~5)までの配線を短く形成することが可能であり、さらに配線の効率化を図ることができる。
【0106】
また、図5及び図6に示すように、出力コネクタ12、及び、I/F回路7A,7Bは、基板10の+Z側面に設けられており、マイコン6、点灯回路3の制御回路IC3、点灯回路4の制御回路IC4、点灯回路5の制御回路IC5は、基板10の-Z側面に設けられている。これにより、全ての部品を基板10の+X側に設ける場合と比べて、基板サイズの小型化を図ることができる。また、発熱しやすい回路(マイコン6、制御回路IC3、制御回路IC4、制御回路IC5)を、基板10の-Z側面(カバー20B側)に設けることにより、放熱性能の向上を図ることができる。
【0107】
また、前述したように、基板10の辺10Aの中点は、出力コネクタ12の短手方向(ここではX方向)の中点を通るY方向に沿った軸(一点鎖線)上に位置している。これにより、出力コネクタ12の短手方向の両側に回路(点灯回路3~5など)を配置しやすくなる。
【0108】
===まとめ===
以上、本実施形態の点灯制御装置1について説明した。点灯制御装置1は、略四辺形の基板10と、基板10に設けられ、車両用灯具100に用いられる光源に電力を供給する出力コネクタ12と、基板10のうちの辺10Aに沿って設けられ、車両からの入力信号が入力される入力コネクタ31が装着可能な入力領域11と、を備えている。また、出力コネクタ12は、入力領域11(本実施形態ではX方向)と交差する長手方向と、短手方向と、を有しており、出力コネクタ12の短手方向の両外側には、長手方向に沿って複数の接続端子12aが設けられている。これにより、出力コネクタ12を長手方向が入力領域と平行になるように配置した場合(図7A参照)と比べて、配線の効率化、及び、基板サイズの小型化を図ることができる。
【0109】
また、点灯制御装置1は、入力コネクタ31が設けられたケース30を備えており、基板10がケース30に装着されることによって、入力コネクタ31を介して、基板10に入力信号が入力される。これにより、基板10のサイズを小さくすることが可能である。
【0110】
また、車両用灯具100に含まれる光源のうちの光源110を、入力信号に基づいて点灯させる点灯回路3と、光源110よりも消費電力の小さい光源120を、入力信号に基づいて点灯させる点灯回路4と、光源110よりも消費電力の小さい光源130を、入力信号に基づいて点灯させる点灯回路5と、が基板10に設けられている。点灯回路3は、出力コネクタ12の短手方向の一方側(+X側)に配置されるとともに、+X側の複数の接続端子12aの少なくとも一部に接続され、点灯回路及4及び点灯回路5は、出力コネクタ12の短手方向の他方側(-X側)に配置されるとともに、-X側の複数の接続端子12aの少なくとも一部に接続されている。これにより、3つの点灯回路(点灯回路3,4,5)についての配線の効率化を図ることができる。
【0111】
また、入力信号を受信するI/F回路7A,7Bが基板10に設けられており、Y方向(出力コネクタ12の長手方向)において、I/F回路7A,7Bは、辺10Aと出力コネクタと12の間に配置されている。これにより、入力領域11から各点灯回路(点灯回路3~5)までの配線を短く形成することが可能であり、さらに配線の効率化を図ることができる。
【0112】
また、点灯制御装置1は、I/F回路7A,7Bから信号を受信して点灯回路3,4,5に指示を送信するマイコン6をさらに備えている。また、点灯回路3は、マイコン6の指示に基づいて、点灯回路3(具体的には昇圧回路3A)の動作を制御する制御回路IC3Aを有し、点灯回路4は、マイコン6の指示に基づいて、点灯回路4の動作を制御する制御回路IC4を有し、点灯回路4は、マイコン6の指示に基づいて、点灯回路5の動作を制御する制御回路IC5を有している。そして、出力コネクタ12、及び、I/F回路7A,7Bは、基板10の+X側面に設けられており、マイコン6、点灯回路3の制御回路IC3A、点灯回路4の制御回路IC4、点灯回路5の制御回路IC5は、基板10の-X側面に設けられている。これにより、全ての部品を基板10の+X側に設ける場合と比べて、基板サイズの小型化を図ることができる。また、発熱しやすい回路(マイコン6、制御回路IC3、制御回路IC4、制御回路IC5)を、基板10の-Z側面(カバー20B側)に設けることにより、放熱性能の向上を図ることができる。
【0113】
また、基板10の入力領域11近傍の辺10Aの中点は、出力コネクタ12の短手方向(ここではX方向)の中点を通るY方向に沿った軸(図の一点鎖線)上に位置している。これにより、出力コネクタ12の短手方向の両側に回路(点灯回路3~5など)を配置しやすくなる。
【0114】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0115】
1 点灯制御装置
2 電源回路
3 点灯回路
3A 昇圧回路
3B 降圧回路
4 点灯回路
5 点灯回路
6 マイコン
7A,7B,7C I/F回路
8 電源供給回路
10 基板
10A,10B,10C,10D 辺
11 入力領域
12 出力コネクタ
12a 接続端子
12b 接続部
13A,13B,13C アース部
14 出力コネクタ
14a 接続端子
14b 接続部
20A,20B カバー
22 開口部
23A,23B,23C 接続片
24 係合孔
30 ケース
31 入力コネクタ
32 円筒開口部
34 係合凸部
41 ネジ
42 伝熱シート
100 車両用灯具
100A 光源ユニット
101 スイッチ回路
110 光源
120 光源
130 光源
200 バッテリー
300 車両側ハーネス
310 コネクタ
400 ランプ側ハーネス
410 コネクタ
D1_1~D1_N,D2,D3 発光素子
SW1~SWN スイッチ
Vbat 電源電圧
D3A ダイオード
C3A1,C3A2,C3B,C41,C42,C51,C52 コンデンサ
L3A,L3B1,L3B2,L4,L5 コイル
R3A1,R3A2,R3B,R4,R5 抵抗
IC3A,IC3B,IC4,IC5 制御回路
M3A,M3B1,M3B2,M41~M44,M51~M54 トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7