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  • 特許-測定装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 9/00 20060101AFI20241028BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
G01D9/00 A
G08C19/00 U
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021099181
(22)【出願日】2021-06-15
(65)【公開番号】P2022190767
(43)【公開日】2022-12-27
【審査請求日】2024-03-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】西村 欣大郎
(72)【発明者】
【氏名】山崎 寛明
(72)【発明者】
【氏名】西村 真次
(72)【発明者】
【氏名】倉島 孝行
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-67600(JP,A)
【文献】特開2020-80520(JP,A)
【文献】特開2019-153995(JP,A)
【文献】特開2008-211644(JP,A)
【文献】特開2006-65769(JP,A)
【文献】特開2002-330149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 9/00- 9/42
G08C 13/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のCANバスおよび第2のCANバスに接続可能に構成されたCAN通信部と、
予め規定された被測定量を測定して測定値を特定可能な測定値データを生成する測定処理を実行可能に構成された測定部と、
前記CAN通信部および前記測定部を接続可能に構成された測定装置本体とを備え、
前記CAN通信部は、予め規定された処理対象値を特定可能な第1のCANフレームを前記第1のCANバスから取得して当該処理対象値を示す処理対象値データを生成すると共に当該処理対象値データを前記測定装置本体に出力する第1の処理、前記測定装置本体によって入力された前記処理対象値データに基づいて前記処理対象値を特定可能な第2のCANフレームを生成すると共に当該第2のCANフレームを前記第2のCANバスに出力する第2の処理、および前記測定装置本体によって入力された前記測定値データに基づいて前記測定値を特定可能な第3のCANフレームを生成すると共に当該第3のCANフレームを前記第2のCANバスに出力する第3の処理を実行可能に構成され、
前記測定装置本体は、前記処理対象値データおよび前記測定値データを記憶可能な記憶部と、前記CAN通信部によって入力された前記処理対象値データを前記記憶部に記憶させる処理A、前記処理対象値データを前記CAN通信部に出力する処理B、前記測定部によって入力された前記測定値データを前記記憶部に記憶させる処理C、および前記測定値データを前記CAN通信部に出力する処理Dを実行可能な処理部とを備えている測定装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記CAN通信部によって入力されて前記記憶部に記憶させた前記処理対象値データとしての第1の処理対象値データに基づいて前記CAN通信部に出力する前記処理対象値データとしての第2の処理対象値データを生成する処理E、および前記測定部によって入力されて前記記憶部に記憶させた前記測定値データとしての第1の測定値データに基づいて前記CAN通信部に出力する前記測定値データとしての第2の測定値データを生成する処理Fの少なくとも一方を実行可能に構成されている請求項1記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CANバスからのCANフレームの取得、および取得したCANフレームや測定値データなどのCANフレームのCANバスへの出力を実行可能に構成された測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記の特許文献には、CANバスから観測データ(CANフレーム)を取得し、取得した観測データに基づいて特定される値の信号波形を表示部に表示させることが可能な波形測定器が開示されている。この波形測定器は、CANバスから観測データを取得する入力モジュールと、入力モジュールによって取得された観測データの記録や観測データに基づく信号波形の表示などを実行する波形測定器本体とを備えている。
【0003】
この波形測定器による信号波形の表示に際しては、まず、CANバスに接続された入力モジュールにおいて、CANバスを伝送されている観測データのプロトコル解析、予め設定されたID番号の観測データ(観測を希望する値の観測データ)の記録、および記録した観測データの波形測定器本体への転送などが行われる。また、波形測定器本体では、転送された観測データの記録、記録した観測データのデータ解析(値の特定)、および解析結果(特定した値)に基づく信号波形の表示などが行われる。これにより、波形測定器本体において表示部に表示される信号波形を参照することによって、CANバスを伝送されている観測データの値およびその変化を観測することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4385739号公報(第3-5頁、第1-3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献に開示されている波形測定器には、以下のような解決すべき問題点が存在する。具体的には、上記特許文献に開示の波形測定器では、CANバスから取得した観測データに基づいて観測を希望する値の信号波形を表示部に表示させる構成が採用されている。つまり、この波形測定器では、波形測定器が測定した値ではなく、CANバスに接続されているノード(外部装置)によって生成された観測データの値が信号波形として表示される構成が採用されている。
【0006】
具体的には、一例として、上記の波形測定器を用いて電気自動車の走行状態に応じた走行用モータの消費電力値(瞬時値)を観測しようとしたときには、波形測定器の入力モジュールを電気自動車のCANバスに接続し、走行用モータのコントローラ(上記の「CANバスに接続されたノード(外部装置)」)がCANバスに出力しているCANフレーム(コントローラが走行用モータに供給している電力の電圧値や電流値を記録したデータ:上記特許文献における「観測データ」)を取得し、取得したCANフレームに基づいて、電圧値および電流値の信号波形を表示させたり、電圧値や電流値に基づいて演算した電力値(瞬時値)の信号波形を表示させたりすることとなる。
【0007】
一方、電気自動車の開発者(自動車製造メーカ)や、自動車用のアフターパーツの開発者などは、上記の例におけるコントローラがCANフレームとして出力している電圧値および電流値、並びにそれらに基づいて演算される消費電力値と、実際に走行用モータの電力ラインに出力されている電力の正確な電圧値および電流値、並びにそれらに基づいて演算される電力値とが一致しているか否かや、一致していないときにどの程度の相違が生じているかなどを評価する作業を行っている。このような用途において、コントローラがCANフレームとして出力している電圧値および電流値については、上記の波形測定器を使用して電気自動車のCANバスからCANフレームを取得することで観測することができる。
【0008】
しかしながら、実際に電力ラインに出力されている電力の正確な電圧値および電流値については、波形測定器によって実測することができないため、波形測定器とは別個に用意した電圧測定装置や電流測定装置を電力ラインに接続して測定する必要がある。このため、上記特許文献に開示の波形測定器では、CANバスから取得するCANフレーム(観測データ)の値と共に他の任意の測定値を観測しようとしたときに、波形測定器以外の測定装置を別途用意して測定処理を実行させる必要がある。したがって、複数の機器(波形測定器および他の測定装置)を測定現場と保管場所との間で搬送したり、測定現場においてそれぞれ設置したりする作業が煩雑となっている現状がある。
【0009】
また、上記のような使用形態の例において、CANフレームに基づいて特定される電圧値および電流値と、電力ラインに出力されている電力について実測した電圧値および電流値との相違の有無や相違の度合いを特定するには、表示部に表示される信号波形等の目視による対比だけでなく、両電圧値および両電流値を解析装置などに入力して詳細に解析させる必要がある。この場合、電気自動車の開発者等が所有する解析装置は、評価対象の電気自動車におけるCANバスから解析対象のCANフレームを直接取得することが可能に構成されている。このため、コントローラがCANフレームとして出力している電圧値および電流値については、解析装置を電気自動車のCANバスに接続することで解析装置において利用することができる。しかしながら、CANフレームを解析装置に直接入力することとなり、波形測定器自体が不要となってしまう。
【0010】
また、電圧測定装置や電流測定装置の多くは、測定値をCANフレームとして出力可能な構成が採用されていない。このため、電圧測定装置や電流測定装置によって実測した電圧値や電流値については、解析装置をCANバスに接続するための信号ケーブル(解析装置がCANバスからCANフレームを取得するためのケーブル)とは別個に、電圧測定装置や電流測定装置を解析装置に接続するための信号ケーブルを接続して一般的なデジタルデータ形式の測定値データを電圧測定装置や電流測定装置から解析装置に入力したり、電圧測定装置や電流測定装置において生成される一般的なデジタルデータ形式の測定値データをデータ変換装置などによってCANフレームの形式に変換してから解析装置に入力したりする必要がある。したがって、各種の解析に用いられる使用機器の台数や信号ケーブルの本数が増加することとなり、解析作業が非常に煩雑となる。
【0011】
なお、電気自動車の分野における使用に際して生じる問題点を例に挙げて説明したが、電気自動車以外の各種自動車の分野や、自動車以外の各種の分野(例えば、CANバスを介して相互に接続された機械設備の制御・監視の分野)においても、上記の問題と同様の問題が生じている。
【0012】
本発明は、かかる解決すべき問題点に鑑みてなされたものであり、CANバスを伝送されているCANフレームの取得、取得したCANフレームの外部装置への出力、および取得したCANフレームの値とは別個に測定した測定値を特定可能なCANフレームの外部装置への出力を確実かつ容易に実行し得る測定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明にかかる測定装置では、第1のCANバスおよび第2のCANバスに接続可能に構成されたCAN通信部と、予め規定された被測定量を測定して測定値を特定可能な測定値データを生成する測定処理を実行可能に構成された測定部と、前記CAN通信部および前記測定部を接続可能に構成された測定装置本体とを備え、前記CAN通信部は、予め規定された処理対象値を特定可能な第1のCANフレームを前記第1のCANバスから取得して当該処理対象値を示す処理対象値データを生成すると共に当該処理対象値データを前記測定装置本体に出力する第1の処理、前記測定装置本体によって入力された前記処理対象値データに基づいて前記処理対象値を特定可能な第2のCANフレームを生成すると共に当該第2のCANフレームを前記第2のCANバスに出力する第2の処理、および前記測定装置本体によって入力された前記測定値データに基づいて前記測定値を特定可能な第3のCANフレームを生成すると共に当該第3のCANフレームを前記第2のCANバスに出力する第3の処理を実行可能に構成され、前記測定装置本体は、前記処理対象値データおよび前記測定値データを記憶可能な記憶部と、前記CAN通信部によって入力された前記処理対象値データを前記記憶部に記憶させる処理A、前記処理対象値データを前記CAN通信部に出力する処理B、前記測定部によって入力された前記測定値データを前記記憶部に記憶させる処理C、および前記測定値データを前記CAN通信部に出力する処理Dを実行可能な処理部とを備えている。
【0014】
したがって、この測定装置によれば、第1のCANバスから第1のCANフレームを取得するための装置と、所望の測定値を得るための装置とを別個に用意することなく、この測定装置だけを搬送して設置することで、CAN通信部による第1のCANバスからの第1のCANフレームの取得、および測定部による所望の測定値の測定などを実行することができるため、使用機器の搬送や設置を確実かつ容易に実施することができる。また、第1のCANバスから取得した第1のCANフレームに基づいて生成される第2のCANフレームや、測定部によって生成される測定値データに基づいて生成される第3のCANフレームをCAN通信部から第2のCANバスに出力することができるため、第2のCANフレームを外部装置に出力するための第2のCANバスとは別個に測定値データを外部装置に出力するための信号ケーブルを敷設したり、測定値データを第3のCANフレームに変換するデータ変換装置を別途用意したりすることなく、第1のCANバスから取得した第1のCANフレームに対応する第2のCANフレーム、および測定部によって生成される測定値データに対応する第3のCANフレームなどをCAN通信部から第2のCANバスを介して外部装置に出力することができる。したがって、第1のCANバスを伝送されている第1のCANフレームの取得、取得した第1のCANフレームに対応する第2のCANフレームの外部装置への出力、および取得した第1のCANフレームの処理対象値とは別個に測定部において測定した測定値を特定可能な第3のCANフレームの外部装置への出力を確実かつ容易に実行することができる。
【0015】
また、本発明にかかる測定装置では、前記処理部は、前記CAN通信部によって入力されて前記記憶部に記憶させた前記処理対象値データとしての第1の処理対象値データに基づいて前記CAN通信部に出力する前記処理対象値データとしての第2の処理対象値データを生成する処理E、および前記測定部によって入力されて前記記憶部に記憶させた前記測定値データとしての第1の測定値データに基づいて前記CAN通信部に出力する前記測定値データとしての第2の測定値データを生成する処理Fの少なくとも一方を実行可能に構成されている。
【0016】
したがって、この測定装置によれば、第1のCANバスから取得した第1のCANフレームに基づいて特定される処理対象値に基づいて他の任意の処理対象値を演算する処理や、測定部によって実測した測定値に基づいて他の任意の測定値を演算する処理を外部装置において別途実行することなく、測定装置(CAN通信部)から第2のCANバスに出力される第2のCANフレームや第3のCANフレームを取得することで、取得した第3のCANフレームに基づき、任意の処理対象値や任意の測定値を確実かつ容易に特定することができる。これにより、解析作業者は、各種の解析作業を一層容易に実施することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1のCANバスを伝送されている第1のCANフレームの取得、取得した第1のCANフレームに対応する第2のCANフレームの外部装置への出力、および取得した第1のCANフレームの処理対象値とは別個に測定部において測定した測定値を特定可能な第3のCANフレームの外部装置への出力を確実かつ容易に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】測定装置1の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0020】
図1に示す測定装置1は、「測定装置」に相当し、一例として、電気自動車の開発者やアフターパーツの開発者などが評価対象の電気自動車(図示せず)の評価に際して使用することができるように構成されている。なお、本例では、一例として、電気自動車の走行状態に応じた走行用モータの動作状態の評価を目的として、測定装置1による各種データの収集、および図示しない解析装置を利用したデータ解析を実行するものとする。
【0021】
この場合、電気自動車には、その搭載機器の間で各種のCANフレームFc1を伝送可能にCANバスCB1(「第1のCANバス」の一例)が敷設されている。具体的には、例えば、上記のCANバスCB1には、電気自動車を総括的に制御する主制御部や、走行用モータの動作を制御するコントローラなどの各種の機器(ノード)が接続されている。また、主制御部は、コントローラからCANバスCB1に出力されるCANフレームFc1に基づき、コントローラが電源ラインを介して走行用モータに供給している電力の電圧値や電流値を特定して電気自動車の走行状態を特定する処理を実行している。したがって、CANバスCB1を伝送されている各種CANフレームFc1のうちのコントローラが出力している上記のCANフレームFc1(「予め規定された処理対象値を特定可能な第1のCANフレーム」)を取得することで、CANバスCB1に接続された各種のノード(搭載機器:主制御部等)がCANフレームFc1に基づいて特定している電圧値や電流値を特定することができる。
【0022】
また、本例において使用する解析装置は、一例として、解析処理用のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータなどで構成されており、後述するように測定装置1と共にCANバスCB2(「第2のCANバス」の一例)に接続されて、CANバスCB2を伝送されている後述のCANフレームFc2やCANフレームFc3などを取得して各種の解析処理を実行することができるように構成されている。なお、この解析装置については、電気自動車に敷設されているCANバスCB1を伝送されているCANフレームFc1などを取得して解析可能に構成された一般的な解析装置と同様であるため、その構成等に関する詳細な説明や図示を省略する。
【0023】
一方、測定装置1は、測定装置本体2、測定モジュール3およびCANモジュール4を備えて構成されている。測定装置本体2は、「CAN通信部および測定部を接続可能に構成された測定装置本体」の一例であって、シリアル転送部11a,11b、操作部12、表示部13、処理部14および記憶部15を備えて構成されている。この測定装置本体2は、測定モジュール3やCANモジュール4などの各種増設モジュールを接続可能にシリアル転送部11aやシリアル転送部11b(以下、区別しないときには「シリアル転送部11」ともいう)が配設された複数の(一例として2つの)モジュール装着部を備えており、その用途に応じて、測定モジュール3などの「測定モジュール」を複数装着したり、本例の測定装置1のように、測定モジュール3とCANモジュール4とを装着したりすることができるように構成されている。
【0024】
シリアル転送部11は、上記したように任意の増設モジュールを装着可能なモジュール装着部に配設されており、装着された増設モジュール(本例では、測定モジュール3およびCANモジュール4)との間で各種のシリアルデータを入出力する。操作部12は、測定装置1の動作条件を設定する操作や、各種処理の開始/停止を指示する操作が可能な操作スイッチを備え、スイッチ操作に応じた操作信号を処理部14に出力する。表示部13は、処理部14の制御に従い、測定装置1の動作条件を設定する画面や、測定装置1の動作状態を表示する画面などを表示する。
【0025】
処理部14は、測定装置1(測定装置本体2、および測定装置本体2に装着された測定モジュール3やCANモジュール4などの増設モジュール)を総括的に制御する。この処理部14は、「処理部」の一例であって、後述するようにCANモジュール4によって入力される電圧値データDv1や電流値データDa1(「処理対象値データ」としての「第1の処理対象値データ」の一例)を記憶部15に記憶させる「処理A」、電圧値データDv1や電流値データDa1をCANモジュール4に出力する「処理B」、後述するように測定モジュール3によって入力される電圧値データDv2や電流値データDa2(「測定値データ」としての「第1の測定値データ」の一例)を記憶部15に記憶させる「処理C」、および電圧値データDv2や電流値データDa2をCANモジュール4に出力する「処理D」を実行可能に構成されている。
【0026】
また、処理部14は、電圧値データDv1や電流値データDa1に基づいて電力値データDp1(「処理対象値データ」としての「第2の処理対象値データ」の一例)を生成する「処理E」、および電圧値データDv2や電流値データDa2に基づいて電力値データDp2(「測定値データ」としての「第2の測定値データ」の一例)を生成する「処理F」を実行可能に構成されている(「処理A」~「処理D」に加えて「処理E」および「処理F」の双方を実行可能な構成の例)。記憶部15は、「記憶部」の一例であって、処理部14の動作プログラムや、処理部14の演算結果を記憶すると共に、上記の電圧値データDv1,Dv2、電流値データDa1,Da2および電力値データDp1,Dp2などを記憶する。
【0027】
測定モジュール3は、「予め規定された被測定量を測定して測定値を特定可能な測定値データを生成する測定部」の一例であって、A/D変換部21a,21b、バッファ22a,22bおよびシリアル転送部23を備え、測定装置本体2に装着(接続)された状態で予め規定された被測定量(本例では、電圧値および電流値)を測定する測定処理を実行可能に構成されている。この場合、本例では、A/D変換部21aが電力ラインに接続されて電圧検出信号SvをA/D変換処理することで電圧値データDv2を生成し、かつバッファ22aがA/D変換部21aから出力される電圧値データDv2を記憶すると共に、A/D変換部21bが電力ラインに接続されて電流検出信号SaをA/D変換処理することで電流値データDa2を生成し、かつバッファ22bがA/D変換部21bから出力される電流値データDa2を記憶し、シリアル転送部23がバッファ22a,22bに記憶された電圧値データDv2および電流値データDa2を測定装置1(シリアル転送部11a)に出力する。
【0028】
CANモジュール4は、「第1のCANバスおよび第2のCANバスに接続可能に構成されたCAN通信部」の一例であって、CANコントローラ31a,31b、バッファ32a,32bおよびシリアル転送部33を備えている。CANコントローラ31a,31bは、接続されたCANバスからのCANフレームの取得、および接続されたCANバスに対するCANフレームの出力を別個独立して実行可能に構成されている。この場合、CANコントローラ31a,31bがCANフレームの取得およびCANフレームの出力のいずれを実行するかは、測定装置1(CANモジュール4)の用途に応じて予め設定される。
【0029】
具体的には、本例では、CANコントローラ31aが、CANバスCB1からのCANフレームFc1の取得、および取得したCANフレームFc1に基づく電圧値データDv1や電流値データDa1の生成を実行するように予め設定される。また、本例では、CANコントローラ31bが、後述するように測定装置本体2によってCANモジュール4に入力される電圧値データDv1、電流値データDa1および電力値データDp1に基づくCANフレームFc2の生成、測定装置本体2によってCANモジュール4に入力される電圧値データDv2、電流値データDa2および電力値データDp2に基づくCANフレームFc3の生成、並びに生成したCANフレームFc2,Fc3のCANバスCB2への出力を実行するように予め設定される。
【0030】
バッファ32aは、CANコントローラ31aによって生成された電圧値データDv1および電流値データDa1を記憶する。バッファ32bは、後述するように測定装置本体2によってCANモジュール4に入力される電圧値データDv1,Dv2、電流値データDa1,Da2および電力値データDp1,Dp2などを記憶する。シリアル転送部33は、電圧値データDv1および電流値データDa1の測定装置本体2への出力、並びに電圧値データDv1,Dv2、電流値データDa1,Da2および電力値データDp1,Dp2の測定装置本体2からの取得などを実行する。
【0031】
なお、本例では、CANコントローラ31aによるCANバスCB1からのCANフレームFc1の取得、CANコントローラ31aによる電圧値データDv1および電流値データDa1の生成やバッファ32aへの記憶、並びにシリアル転送部33による電圧値データDv1および電流値データDa1の測定装置本体2への出力の処理が「第1の処理」に相当する。また、本例では、シリアル転送部33による電圧値データDv1、電流値データDa1および電力値データDp1の測定装置本体2からの取得やバッファ32bへの記憶、CANコントローラ31bによるCANフレームFc2の生成、並びにCANコントローラ31bによるCANバスCB2へのCANフレームFc2の出力の処理が「第2の処理」に相当する。さらに、本例では、シリアル転送部33による電圧値データDv2、電流値データDa2および電力値データDp2の測定装置本体2からの取得やバッファ32bへの記憶、CANコントローラ31bによるCANフレームFc3の生成、並びにCANコントローラ31bによるCANバスCB2へのCANフレームFc3の出力の処理が「第3の処理」に相当する。
【0032】
次に、電気自動車の評価の作業を例に挙げて、測定装置1の使用方法の一例について説明する。
【0033】
測定装置1を用いた電気自動車の評価に際しては、一例として、測定装置1および解析装置を評価対象の電気自動車に搭載すると共に、測定モジュール3のA/D変換部21a,21bを電力ラインにそれぞれ接続し、CANモジュール4のCANコントローラ31aをCANバスCB1に接続し、CANモジュール4のCANコントローラ31bをCANバスCB2に接続し、かつ解析装置をCANバスCB2に接続する。次いで、電気自動車を走行させる。この際には、電気自動車のコントローラが電力ラインを介して走行用モータに電力を供給することで走行用モータが回転させられる。また、前述したように、コントローラが、電力ラインを介して走行用モータに供給している電力の電圧値や電流値を特定可能なCANフレームFc1をCANバスCB1に出力する。
【0034】
この際に、CANバスCB1には、コントローラから出力される上記のCANフレームFc1だけでなく、CANバスCB1に接続されている各種のノード(電気自動車の搭載機器)から各種のCANフレームFc1が出力されて伝送されている。したがって、測定装置1(CANモジュール4)のCANコントローラ31aは、CANバスCB1を伝送されている各種のCANフレームFc1のなかから、コントローラが出力している上記のCANフレームFc1を抽出して電圧値データDv1や電流値データDa1を生成し、生成した電圧値データDv1および電流値データDa1をバッファ32aに記憶させる。また、シリアル転送部33は、バッファ32aに記憶された電圧値データDv1や電流値データDa1を測定装置本体2に転送(出力)する。
【0035】
これに応じて、測定装置本体2では、処理部14がシリアル転送部11bに入力された電圧値データDv1や電流値データDa1を記憶部15に記憶させる。これにより、CANバスCB1を伝送されているCANフレームFc1に基づいて特定された電圧値の電圧値データDv1やCANバスCB1を伝送されているCANフレームFc1に基づいて特定された電流値の電流値データDa1が記憶部15に蓄積される。
【0036】
また、本例では、CANバスCB1からのCANフレームFc1の取得および電圧値データDv1や電流値データDa1の蓄積と並行して、電力ラインを介して供給されている電力の電圧値や電流値が実測される。具体的には、測定モジュール3のA/D変換部21aが、電圧検出信号SvをA/D変換処理することにより、電力ラインを介して供給されている電力の電圧値を特定可能な電圧値データDv2を生成してバッファ22aに記憶させる。また、A/D変換部21bが、電流検出信号SaをA/D変換処理することにより、電力ラインを介して供給されている電力の電流値を特定可能な電流値データDa2を生成してバッファ22bに記憶させる。さらに、シリアル転送部23が、バッファ22aに記憶された電圧値データDv2、およびバッファ22bに記憶された電流値データDa2を測定装置本体2に転送(出力)する。
【0037】
これに応じて、測定装置本体2では、処理部14がシリアル転送部11aに入力された電圧値データDv2や電流値データDa2を記憶部15に記憶させる。これにより、測定モジュール3によって実測された電圧値の電圧値データDv2や実測された電流値の電流値データDa2が記憶部15に蓄積される。
【0038】
さらに、本例では、処理部14が、電圧値データDv1,Dv2や電流値データDa1,Da2の記憶部15への蓄積の処理と並行して、電圧値データDv1の値(電圧値)および電流値データDa1の値(電流値)に基づいて電力値(瞬時値)を演算して電力値データDp1を生成し、生成した電力値データDp1を記憶部15に記憶させると共に、電圧値データDv2の値(電圧値)および電流値データDa2の値(電流値)に基づいて電力値(瞬時値)を演算して電力値データDp2を生成し、生成した電力値データDp2を記憶部15に記憶させる処理を実行する。
【0039】
また、処理部14は、上記の各処理と並行して、電圧値データDv1に基づく「電圧値の変化を示す波形」、電流値データDa1に基づく「電流値の変化を示す波形」、電力値データDp1に基づく「電流値の変化を示す波形」、電圧値データDv2に基づく「電圧値の変化を示す波形」、電流値データDa2に基づく「電流値の変化を示す波形」、および電力値データDp2に基づく「電流値の変化を示す波形」をそれぞれ表示部13に表示させる。これにより、表示部13に表示される各波形を目視で比較することが可能となる。
【0040】
さらに、処理部14は、一例として、上記の電圧値データDv1,Dv2、電流値データDa1,Da2および電力値データDp1,Dp2の記憶部15への記憶の処理と並行して、これらのデータをCANモジュール4からCANバスCB2に出力させる。具体的には、シリアル転送部11bが処理部14の制御下で電圧値データDv1,Dv2、電流値データDa1,Da2および電力値データDp1,Dp2をCANモジュール4に出力する。
【0041】
これに応じて、CANモジュール4では、シリアル転送部33が、測定装置本体2によって入力された電圧値データDv1,Dv2、電流値データDa1,Da2および電力値データDp1,Dp2をバッファ32bに記憶させる。また、CANコントローラ31bが、電圧値データDv1に基づくCANフレームFc2の生成、電流値データDa1に基づくCANフレームFc2の生成、電力値データDp1に基づくCANフレームFc2の生成、電圧値データDv2に基づくCANフレームFc3の生成、電流値データDa2に基づくCANフレームFc3の生成、および電力値データDp2に基づくCANフレームFc3の生成を実行すると共に、生成した各CANフレームFc2,Fc3をCANバスCB2に出力する処理を実行する。
【0042】
これにより、CANバスCB2に接続されている解析装置が、測定装置1(CANモジュール4)から出力された上記の各CANフレームFc2,Fc3を取得し、取得した各CANフレームFc2,Fc3に基づいて特定される各種の値(本例では、電圧値、電流値および電力値)を用いて、予め規定された解析処理を実行する。これにより、解析装置による解析結果に基づいて電気自動車が評価される。
【0043】
なお、本例の測定装置1では、測定モジュール3による「測定処理」と、CANモジュール4による「第1の処理」、「第2の処理」および「第3の処理」と、測定装置本体2による「処理A」、「処理B」、「処理C」、「処理D」、「処理E」および「処理F」とを並行して実行させる使用形態を例に挙げて説明したが、測定モジュール3による「測定処理」および測定装置本体2による「処理C」と、CANモジュール4による「第1の処理」および測定装置本体2による「処理A」と、測定装置本体2による「処理B」およびCANモジュール4による「第2の処理」と、測定装置本体2による「処理D」およびCANモジュール4による「第3の処理」と、測定装置本体2による「処理E」およびCANモジュール4による「第2の処理」と、測定装置本体2による「処理F」およびCANモジュール4による「第2の処理」とを別個に実行させることもできる。
【0044】
このように、この測定装置1では、測定装置本体2、測定モジュール3およびCANモジュール4を備え、測定モジュール3が、予め規定された「被測定量(本例では、電圧値および電流値)」を測定して電圧値データDv2および電流値データDa2を生成する「測定処理」を実行可能に構成され、CANモジュール4が、予め規定された「処理対象値(本例では、電圧値および電流値)」を特定可能なCANフレームFc1をCANバスCB1から取得して電圧値データDv1および電流値データDa1を生成すると共に電圧値データDv1および電流値データDa1を測定装置本体2に出力する「第1の処理」、測定装置本体2によって入力された電圧値データDv1および電流値データDa1に基づいてCANフレームFc2を生成すると共にCANフレームFc2をCANバスCB2に出力する「第2の処理」、並びに測定装置本体2によって入力された電圧値データDv2および電流値データDa2に基づいてCANフレームFc3を生成すると共にCANフレームFc3をCANバスCB2に出力する「第3の処理」を実行可能に構成され、測定装置本体2が、CANモジュール4によって入力された電圧値データDv1および電流値データDa1を記憶部15に記憶させる「処理A」、電圧値データDv1および電流値データDa1をCANモジュール4に出力する「処理B」、測定モジュール3によって入力された電圧値データDv2および電流値データDa2を記憶部15に記憶させる「処理C」、および電圧値データDv2および電流値データDa2をCANモジュール4に出力する「処理D」を実行可能な処理部14を備えている。
【0045】
したがって、この測定装置1によれば、CANバスCB1からCANフレームFc1を取得するための装置と、所望の測定値を得るための測定装置とを別個に用意することなく、測定装置1だけを搬送して設置することで、CANモジュール4によるCANバスCB1からのCANフレームFc1の取得、および測定モジュール3による電圧値や電流値の測定などを実行することができるため、使用機器の搬送や設置を確実かつ容易に実施することができる。また、CANバスCB1から取得したCANフレームFc1に基づいて生成されるCANフレームFc2や、測定モジュール3によって生成される電圧値データDv2や電流値データDa2に基づいて生成されるCANフレームFc3をCANモジュール4からCANバスCB2に出力することができるため、CANフレームFc2を外部装置(本例では「解析装置」)に出力するためのCANバスCB2とは別個に電圧値データDv2や電流値データDa2を外部装置(解析装置)に出力するための信号ケーブルを敷設したり、電圧値データDv2や電流値データDa2をCANフレームFc3に変換するデータ変換装置を別途用意したりすることなく、CANバスCB1から取得したCANフレームFc1に対応するCANフレームFc2、および測定モジュール3によって生成される電圧値データDv2や電流値データDa2に対応するCANフレームFc3などをCANモジュール4からCANバスCB2を介して外部装置(解析装置)に出力することができる。したがって、CANバスCB1を伝送されているCANフレームFc1の取得、取得したCANフレームFc1に対応するCANフレームFc2の「外部装置(本例では、解析装置)」への出力、および取得したCANフレームFc1の値(電圧値データDv1の電圧値や、電流値データDa1の電流値)とは別個に測定モジュール3において測定した値(電圧値データDv2の電圧値や電流値データDa2の電流値)を特定可能なCANフレームFc3の「外部装置」への出力を確実かつ容易に実行することができる。
【0046】
また、この測定装置1では、処理部14が、CANモジュール4によって入力されて記憶部15に記憶させた電圧値データDv1および電流値データDa1に基づいてCANモジュール4に出力する電力値データDp1を生成する「処理E」、および測定モジュール3によって入力されて記憶部15に記憶させた電圧値データDv2および電流値データDa2に基づいてCANモジュール4に出力する電力値データDp2を生成する「処理F」の少なくとも一方(本例では、双方)を実行可能に構成されている。
【0047】
したがって、この測定装置1によれば、CANバスCB1から取得したCANフレームFc1に基づいて特定される値(電圧値データDv1の電圧値や電流値データDa1の電流値)に基づいて任意の「処理対象値(電力値データDp1の電力値)」を演算する処理や、測定モジュール3によって実測した値(電圧値データDv2の電圧値や電流値データDa2の電流値)に基づいて任意の「測定値(電力値データDp2の電力値)」を演算する処理を外部装置において別途実行することなく、測定装置1(CANモジュール4)からCANバスCB2に出力されるCANフレームFc2(電力値データDp1に対応するCANフレーム)やCANフレームFc3(電力値データDp2に対応するCANフレーム)を取得することで、取得したCANフレームFc3に基づき、任意の「処理対象値」や任意の「測定値」を確実かつ容易に特定することができる。これにより、解析作業者は、各種の解析作業を一層容易に実施することができる。
【0048】
なお、「測定装置」の構成は、上記の測定装置1の構成の例に限定されない。
【0049】
例えば、CANバスCB1からCANフレームFc1を取得すると共に、CANバスCB1とは相違するCANバスCB2にCANフレームFc2,Fc3を出力する使用形態を例に挙げて説明したが、「第1のCANフレーム」を取得する「第1のCANバス」と、「第2のCANフレーム」や「第3のCANフレーム」を出力する「第2のCANバス」とを同一の「CANフレーム」とする(「第1のCANフレーム」を取得した「CANバス」に「第2のCANフレーム」や「第3のCANフレーム」を出力する)こともできる。
【0050】
また、CANバスCB1から取得したCANフレームFc1に基づいて生成される電圧値データDv1および電流値データDa1に基づいて電力値データDp1を生成してCANフレームFc2としてCANバスCB2に出力すると共に、測定モジュール3において生成された電圧値データDv2および電流値データDa2に基づいて電力値データDp2を生成してCANフレームFc3としてCANバスCB2に出力する処理を実行する例を説明したが、このような処理に代えて(または、このような処理に加えて)、「CAN通信部」が取得した「第1のCANフレーム」に基づいて生成される「処理対象値データ」の値、および「測定部」によって生成された「測定値データ」の値に基づいて任意の「演算値」を特定可能な「演算値データ」を生成して「第2のCANバス」に出力する処理を実行可能に構成することもできる。
【0051】
一例として、前述の測定装置1の例におけるCANモジュール4がCANバスCB1から取得したCANフレームFc1に基づいて生成される電圧値データDv1の電圧値と、測定モジュール3によって生成された電圧値データDv2の電圧値に基づき、両電圧値の差(両電圧値の相違量:「演算値」の一例)を特定可能な差分値データ(「演算値データ」の一例)を生成し、生成した差分値データのCANフレームをCANバスCB2に出力する処理などを実行可能に構成することができる。このような構成を採用することにより、外部装置において両電圧値の差を演算する処理を実行することなく、電圧値データDv1の電圧値と電圧値データDv2の電圧値との差を確実かつ容易に特定することができるため、解析作業者は、各種の解析作業を一層容易に実施することができる。
【0052】
また、CANバスCB1からのCANフレームFc1の取得、およびCANバスCB2へのCANフレームFc2,Fc3の出力を1つのCANモジュール4によって実行する構成の測定装置1を例に挙げて説明したが、「第1のCANバス」から「第1のCANフレーム」を取得する「CAN通信部」と、「第2のCANバス」に「第2のCANフレーム」や「第3のCANフレーム」を出力する「CAN通信部」とを別個に構成してそれぞれ「測定装置本体」に接続することもできる。また、電圧検出信号Svに基づく電圧値データDv2の生成、および電流検出信号Saに基づく電流値データDa2の生成を1つの測定モジュール3によって実行する構成の測定装置1を例に挙げて説明したが、実行する「測定処理」毎に「測定部」を別個に構成してそれぞれ「測定装置本体」に接続することもできる。
【0053】
また、測定モジュール3やCANモジュール4を測定装置本体2のモジュール装着部に装着することにより、測定モジュール3と測定装置本体2との間において各種データを直接入出力(データ転送)すると共に、CANモジュール4と測定装置本体2との間において各種データの直接入出力(データ転送)する構成の測定装置1を例に挙げて説明したが、「測定部」および「測定装置本体」を信号ケーブルによって相互に接続して信号ケーブルを介して各種データの入出力(データ転送)を実行する構成や、「CAN通信部」および「測定装置本体」を信号ケーブルによって相互に接続して信号ケーブルを介して各種データの入出力(データ転送)を実行する構成を採用することもできる。また、「測定部」および「測定装置本体」に無線通信部をそれぞれ配設して無線通信によって各種データの入出力(データ転送)を実行する構成や、「CAN通信部」および「測定装置本体」に無線通信部をそれぞれ配設して無線通信によって各種データの入出力(データ転送)を実行する構成を採用することもできる。
【0054】
加えて、電気自動車の評価に際して測定装置1を使用する例について説明したが、電気自動車以外の各種自動車の分野や、自動車以外の各種の分野においても、測定装置1を好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 測定装置
2 測定装置本体
3 測定モジュール
4 CANモジュール
11a,11b,23,33 シリアル転送部
12 操作部
13 表示部
14 処理部
15 記憶部
21a,21b A/D変換部
22a,22b,32a,32b バッファ
31a,31b CANコントローラ
CB1,CB2 CANバス
Da1,Da2 電流値データ
Dv1,Dv2 電圧値データ
Dp1,Dp2 電力値データ
Fc1~Fc3 CANフレーム
Sa 電流検出信号
Sv 電圧検出信号
図1