IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-通信装置及びその制御方法、プログラム 図1
  • 特許-通信装置及びその制御方法、プログラム 図2
  • 特許-通信装置及びその制御方法、プログラム 図3
  • 特許-通信装置及びその制御方法、プログラム 図4
  • 特許-通信装置及びその制御方法、プログラム 図5
  • 特許-通信装置及びその制御方法、プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】通信装置及びその制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20241028BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20241028BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20241028BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241028BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/10 110
H04W84/12
H04N1/00 Z
B41J29/00 E
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2021117578
(22)【出願日】2021-07-16
(65)【公開番号】P2023013417
(43)【公開日】2023-01-26
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】財部 圭
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-022876(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0021133(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04N 1/00
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
情報処理装置から設定情報を受信するための所定のモードでの動作を前記通信装置に開始させる開始手段と、
前記所定のモードで動作中に、前記情報処理装置から前記設定情報が受信された場合、前記設定情報に基づいて前記通信装置の接続設定を実行する設定手段と、
ユーザ操作に基づいて完了される所定の処理を実行する実行手段と、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了しなかった場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく第1の時間が経過したことに基づいて、前記通信装置における前記所定のモードでの動作を終了し、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第1の時間よりも短い第2の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作を終了る制御手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてからの時間に対応する値をカウントするカウント手段と、
前記カウントされた値と所定の閾値とに基づいて、前記所定のモードでの動作を停止させるか否かを判定する判定手段と、をさらに有し、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了しなかった場合は、前記カウントされた値と前記第1の時間に対応する前記所定の閾値とに基づいて、前記所定のモードでの動作を終了させるか否かを判定する処理が実行され
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了した場合は、前記カウントされた値を大きくする変更及び前記所定の閾値を小さくする変更のうち少なくとも一方を含む変更処理及び、前記変更処理が行われた後の前記カウントされた値と前記所定の閾値とに基づいて、前記所定のモードでの動作を終了させるか否かを判定する処理が実行されることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了した場合、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第2の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作を終了するための所定の制御を実行するか否かが、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから経過した時間に基づいて制御されることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記所定のモードで動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し、且つ前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから経過した時間が特定の閾値より大きい場合、前記所定の制御が実行されず、
前記所定のモードで動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し、且つ前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから経過した時間が前記特定の閾値より大きくない場合、前記所定の制御が実行されることを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記所定のモードで動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し、且つ前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから経過した時間が特定の閾値より大きい場合、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第1の時間よりも長い第3の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作を終了ることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記所定のモードと異なるモードであり、且つ前記情報処理装置から設定情報を受信するためのモードである特定のモードでの動作を前記通信装置に開始させる第2開始手段と、
前記制御手段は、前記特定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了しなかった場合は、前記通信装置において前記特定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく第4の時間が経過したことに基づいて前記特定のモードでの動作を終了ることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記特定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了したとしても、前記通信装置において前記特定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第4の時間より短い第5の時間が経過したことに基づいて前記特定のモードでの動作を終了するための制御は実行されないことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記特定のモードで動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し、且つ前記通信装置において前記特定のモードでの動作が開始されてから経過した時間が特定の閾値より大きい場合、前記通信装置において前記特定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第4の時間よりも長い第6の時間が経過したことに基づいて前記特定のモードでの動作を終了ることを特徴とする請求項6又は7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記第1の時間と前記第4の時間は同じであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記所定のモードでの動作と前記特定のモードでの動作は、同じ条件に基づいて開始されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記所定のモードは、第1のプロトコルによって前記設定情報を通信するためのモードであり、前記特定のモードは、第2のプロトコルによって前記設定情報を通信するためのモードであることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記第1のプロトコルはHyper Text Transfer Protocol(HTTP)又はDevice Provisioning Protocol(DPP)であり、前記第2のプロトコルはSimple Network Management Protocol(SNMP)であることを特徴とする請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
前記所定のモードは、前記情報処理装置の第1のアプリケーションプログラムから、前記第1のアプリケーションプログラムに対するパスワードのユーザ入力無しに、前記パスワードを含む前記設定情報を受信するためのモードであり、
前記特定のモードは、前記情報処理装置の第2のアプリケーションプログラムから、前記第1のアプリケーションプログラムに対するパスワードのユーザ入力が行われた後に、前記パスワードを含む前記設定情報を受信するためのモードであることを特徴とする請求項6乃至12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
前記通信装置において前記所定の処理が完了されたことがない状態で前記通信装置の電源ボタンが押下されたことに基づいて、前記所定のモードでの動作を前記通信装置に開始させることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項15】
前記通信装置において前記所定の処理が完了されたことがない状態で前記通信装置の電源ボタンが押下され、且つ前記通信装置にUSB(Universal Serial Bus)ケーブルが接続されていないことに基づいて、前記所定のモードでの動作を前記通信装置に開始させ、
前記通信装置において前記所定の処理が完了されたことがない状態で前記通信装置の電源ボタンが押下され、且つ前記通信装置にUSBケーブルが接続されている場合、前記所定のモードでの動作を前記通信装置に開始させないことを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記制御手段は、前記通信装置において前記所定の処理が完了されたことがない状態で前記通信装置の電源ボタンが押下されたこととは異なる他の条件に基づいて前記所定のモードでの動作が開始された場合、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく、前記第1の時間及び前記第2の時間と異なる時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作を終了ることを特徴とする請求項14又は15に記載の通信装置。
【請求項17】
前記他の条件は、前記通信装置において前記所定の処理が完了されたことがある状態で前記通信装置の電源ボタンが押下されたこと、前記通信装置において前記所定のモードでの動作を開始するための操作であり前記電源ボタンの押下と異なる操作である所定の操作が行われたこと、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第1の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作が終了された後に前記所定の処理が完了したことのうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項16に記載の通信装置。
【請求項18】
前記所定の処理は、前記通信装置の初期設定を行うための初期設定処理であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項19】
前記初期設定処理は、前記通信装置が備える構成をクリーニングする処理、前記通信装置が表示に用いる言語設定のためのユーザ操作の受付処理、前記通信装置が使用される環境についてのユーザ操作の受付処理、レジ調整のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項18に記載の通信装置。
【請求項20】
前記通信装置の接続設定は、前記通信装置の外部且つ前記情報処理装置の外部のアクセスポイントと前記通信装置とを接続させる処理を含むことを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項21】
前記所定のモードは、前記通信装置の所定のアクセスポイントが有効化されているモードであることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項22】
前記所定のモードは、前記情報処理装置の所定のアプリケーションプログラムから、前記所定のアプリケーションプログラムに対するパスワードのユーザ入力無しに、前記パスワードを含む前記設定情報を受信するためのモードであることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項23】
前記所定のモードは、Hyper Text Transfer Protocol(HTTP)によって前記設定情報を受信するためのモードであることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項24】
前記所定のモードは、Device Provisioning Protocol(DPP)によって前記設定情報を受信するためのモードであることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項25】
前記第1の時間は60分であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項26】
印刷部によって印刷を実行する印刷手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項27】
前記通信装置の接続設定が完了した後、前記情報処理装置から印刷ジョブを受信する受信手段と、
をさらに有し、
前記印刷ジョブに基づいて印刷が実行されることを特徴とする請求項26に記載の通信装置。
【請求項28】
前記所定のモードは、前記所定のモードに対応する所定のビーコンを送信している状態であることを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項29】
前記通信装置の接続設定は、前記情報処理装置と前記通信装置とをPeer to Peerで接続させるための処理を含むことを特徴とする請求項1乃至28のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項30】
前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第1の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作が終了された後に、前記所定の処理が完了した場合、前記所定のモードでの動作を前記通信装置に再び開始させることを特徴とする請求項1乃至29のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項31】
ユーザが操作可能なメニューを表示するための、前記通信装置が有する表示部の表示制御を実行する表示手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1乃至30のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項32】
通信装置の制御方法であって、
情報処理装置から設定情報を受信するための所定のモードでの動作を前記通信装置に開始させる開始ステップと、
前記所定のモードで動作中に、前記情報処理装置から前記設定情報が受信された場合、前記設定情報に基づいて前記通信装置の接続設定を実行する設定ステップと、
ユーザ操作に基づいて完了される所定の処理を実行する実行ステップと、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了しなかった場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく第1の時間が経過したことに基づいて、前記通信装置における前記所定のモードでの動作を終了し、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第1の時間よりも短い第2の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作を終了る制御ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項33】
通信装置のコンピュータに、
情報処理装置から設定情報を受信するための所定のモードでの動作を前記通信装置に開始させる開始ステップと、
前記所定のモードで動作中に、前記情報処理装置から前記設定情報が受信された場合、前記設定情報に基づいて前記通信装置の接続設定を実行する設定ステップと、
ユーザ操作に基づいて完了される所定の処理を実行する実行ステップと、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了しなかった場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく第1の時間が経過したことに基づいて、前記通信装置における前記所定のモードでの動作を終了し、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第1の時間よりも短い第2の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作を終了る制御ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォン等の端末装置と通信する、プリンタ等の通信装置が知られている。このような通信装置は、例えば、WiFi(登録商標)等の所定の通信方式によって端末装置と通信するための接続設定処理を実行する。またその際、通信装置は、接続設定処理を実行するための状態である接続設定状態(接続設定モード)で動作する。
【0003】
特許文献1には、ソフトAPモードで動作する通信装置が、装置情報設定コマンドを受信し、受信したコマンドに基づいて動作モードを設定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-023440
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、ソフトAPモードのタイムアウト時間を適切に制御することについては考慮されていない。
【0006】
そこで本発明は、設定情報を受信するための状態での動作を停止させるための制御を適切に実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、通信装置であって、
情報処理装置から設定情報を受信するための所定のモードでの動作を前記通信装置に開始させる開始手段と、
前記所定のモードで動作中に、前記情報処理装置から前記設定情報が受信された場合、前記設定情報に基づいて前記通信装置の接続設定を実行する設定手段と、
ユーザ操作に基づいて完了される所定の処理を実行する実行手段と、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了しなかった場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく第1の時間が経過したことに基づいて、前記通信装置における前記所定のモードでの動作を終了し、
前記所定のモードでの動作中に前記通信装置において前記所定の処理が完了し場合は、前記通信装置において前記所定のモードでの動作が開始されてから前記接続設定が実行されることなく前記第1の時間よりも短い第2の時間が経過したことに基づいて前記所定のモードでの動作を終了る制御手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、設定情報を受信するための状態での動作を停止させるための制御を適切に実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】通信システムに含まれる情報処理装置と、通信装置の構成を示す図である。
図2】通信装置の操作表示部の一例を示す図である。
図3】通信装置が電源ボタンの押下を受け付けた場合に実行する処理を示すフローチャートである。
図4】通信装置が実行する初期設定処理を示すフローチャートである。
図5】情報処理装置が実行する、通信装置に接続設定処理を実行させるための処理を示すフローチャートである。
図6】情報処理装置が実行する、通信装置に接続設定処理を実行させるための処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に説明する。ただし、本発明については、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下に記載する実施形態に対して適宜変更、改良が加えられたものについても本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態の通信システムに含まれる情報処理装置及び通信装置について説明する。情報処理装置として、本実施形態ではスマートフォンを例示しているが、これに限定されず、携帯端末、ノートPC、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ等、種々のものを適用可能である。また、通信装置として、本実施形態ではプリンタを例示しているが、これに限定されず、情報処理装置と無線通信を行うことが可能な装置であれば、種々のものを適用可能である。例えば、プリンタであれば、インクジェットプリンタ、フルカラーレーザービームプリンタ、モノクロプリンタ等に適用することができる。また、プリンタのみならず複写機やファクシミリ装置、携帯端末、スマートフォン、ノートPC、タブレット端末、PDA、デジタルカメラ、音楽再生デバイス、テレビ、スマートスピーカ等にも適用可能である。その他、複写機能、FAX機能、印刷機能等の複数の機能を備える複合機にも適用可能である。
【0012】
まず、本実施形態の通信システムに含まれる情報処理装置と、当該情報処理装置と通信可能な通信装置の構成について図1のブロック図を参照して説明する。また、本実施形態では以下の構成を例に記載するが、特にこの図のとおりに機能を限定するものではない。
【0013】
情報処理装置101は、入力インタフェース102、CPU103、ROM104、RAM105、外部記憶装置106、出力インタフェース107、操作表示部108、通信部109、近距離無線通信部110、撮影装置111等を有する。
【0014】
入力インタフェース102は、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースであり、物理キーボードやボタン、タッチパネル等で構成される。なお、後述の出力インタフェース107と入力インタフェース102とを同一の構成とし、画面の出力とユーザからの操作の受け付けを同一の構成で行うような形態としても良い。
【0015】
CPU103は、システム制御部であり、情報処理装置101の全体を制御する。
【0016】
ROM104は、CPU103が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(以下、OSという。)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM104に格納されている各制御プログラムは、ROM104に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行う。
【0017】
RAM105は、バックアップ電源を必要とするSRAM(Static Random Access Memory)等で構成される。なお、RAM105は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、情報処理装置101の設定情報や情報処理装置101の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM105に設けられている。また、RAM105は、CPU103の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0018】
外部記憶装置106は、通信装置151に印刷ジョブを送信して印刷を実行させる機能を提供するアプリケーションプログラム(以降、印刷アプリと記載する)を備えている。なお本実施形態では、印刷アプリは、後述する通信装置151用セットアッププログラムとしても動作する。通信装置151用セットアッププログラムは、後述する設定情報を通信装置151に送信する機能を有するアプリケーションプログラムである。通信装置151用セットアッププログラムは、ユーザがストアアプリケーションプログラム等から情報処理装置101にインストールさせておくものであり、通信装置151のベンダーによって提供されるプログラムである。また、外部記憶装置106は、通信装置151が解釈可能な印刷情報を生成する印刷情報生成プログラム、通信部109を介して接続している通信装置151との間で送受信する情報送受信制御プログラム等の各種プログラムを備えている。これらのプログラムが使用する各種情報を保存している。また、通信部を介して他の情報処理装置やインターネットから得た画像データも保存している。
【0019】
出力インタフェース107は、操作表示部108がデータの表示や情報処理装置101の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0020】
操作表示部108は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示や情報処理装置101の状態の通知を行う。なお、操作表示部108上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等のキーを備えるソフトキーボードを設置することで、操作表示部108を介してユーザからの入力を受け付けても良い。
【0021】
通信部109は、通信装置151等の装置と接続して、データ通信を実行するための構成である。例えば、通信部109は、通信装置151内のアクセスポイント(AP)に接続可能である。通信部109と通信装置151内のアクセスポイントが接続することで、情報処理装置101と通信装置151は相互に通信可能となる。なお、通信部109は無線通信で通信装置151とダイレクトに通信しても良いし、情報処理装置101の外部且つ通信装置151の外部に存在するアクセスポイント131を介して通信しても良い。無線通信方式としては、例えば、IEEE802.11シリーズの通信規格やBluetooth(商標登録)等が挙げられる。なおIEEE802.11シリーズの通信規格とはすなわち、Wi-Fi(WirelessFidelity)(商標登録)である。また、アクセスポイント131としては、例えば、無線LANルーター等の機器などが挙げられる。なお、本実施形態において、情報処理装置101と通信装置151とが外部アクセスポイントを介さずにダイレクトに接続する方式をダイレクト接続方式という。また、情報処理装置101と通信装置151とが外部のアクセスポイント131を介して接続する方式をインフラストラクチャ(以下、インフラ)接続方式という。
【0022】
近距離無線通信部110は、通信装置151等の装置と近距離で無線接続して、データ通信を実行するための構成であり、通信部109とは異なる通信方式によって通信を行う。近距離無線通信部110は、通信装置151内の近距離無線通信部157と接続可能である。
【0023】
撮影装置111は撮影素子で撮影した画像をデジタルデータに変換する装置である。デジタルデータは一度RAM105に格納する。その後、CPU154が実行するプログラムで所定の画像フォーマットに変換し、画像データとして外部記憶装置106に保存する。
【0024】
ROM152は、CPU154が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。
【0025】
通信装置151は、ROM152、RAM153、CPU154、プリントエンジン155、通信部156、近距離無線通信部157、入力インタフェース158、出力インタフェース159、操作表示部160、等を有する。通信装置151は、接続モード(通信モード)が設定されることにより、設定された接続モードで動作することが可能である。
【0026】
通信部156は、通信装置151が他の装置と通信するための構成であり、本実施形態では、通信部156はIEEE802.11シリーズの通信規格によって通信するものとする。通信部156は、通信装置151内部のアクセスポイントとして、情報処理装置101等の装置と接続するためのアクセスポイントを有している。なお、該アクセスポイントは、情報処理装置101の通信部109に接続可能である。なお、通信部156は無線通信で情報処理装置101とダイレクトに通信しても良いし、アクセスポイント131を介して通信しても良い。また、通信部156は、アクセスポイントとして機能するハードウェアを備えていてもよいし、アクセスポイントとして機能させるためのソフトウェアにより、アクセスポイントとして動作してもよい。
【0027】
RAM153は、バックアップ電源を必要とするDRAM等で構成される。なお、RAM153は、図示しないデータバックアップ用の電源が供給されることによってデータが保持されているため、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、RAM153は、CPU154の主メモリとワークメモリとしても用いられ、情報処理装置101等から受信した印刷情報を一旦保存するための受信バッファや各種の情報を保存する。またRAM153には、電源投入後の最初の通信装置151の設定時(以下、初期設定時)か否かを示す情報等を格納するメモリエリアも設けられている。なお、初期設定時とは言い換えれば、通信装置151が後述の初期設定処理を一度も完了させていない初期設定状態である時である。初期設定処理は、ユーザ操作に基づいて進行される処理である。
【0028】
ROM152は、CPU154が実行する制御プログラムやデータテーブル、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM152に格納されている各制御プログラムは、ROM152に格納されている組み込みOSの管理下で、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウェア実行制御を行う。また、通信装置151の設定情報や通信装置151の管理データ等の電源供給がされていない場合も保持する必要があるデータを格納するメモリエリアもROM152に設けられている。
【0029】
CPU154は、システム制御部であり、通信装置151の全体を制御する。
【0030】
プリントエンジン155、RAM153に保存された情報や情報処理装置101等から受信した印刷ジョブに基づき、インク等の記録剤を用いて紙等の記録媒体上に画像形成し、印刷結果を出力する。この時、情報処理装置101等から送信される印刷ジョブは、送信データ量が大きく、高速な通信が求められるため、近距離無線通信部157よりも高速に通信可能な通信部156を介して受信する。
【0031】
入力インタフェース158は、ユーザからのデータ入力や動作指示を受け付けるためのインタフェースであり、物理キーボードやボタン、タッチパネル等で構成される。なお、後述の出力インタフェース159と入力インタフェース158とを同一の構成とし、画面の出力とユーザからの操作の受け付けを同一の構成で行うような形態としても良い。出力インタフェース159は、操作表示部160がデータの表示や通信装置151の状態の通知を行うための制御を行うインタフェースである。
【0032】
操作表示部160は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などの表示部から構成され、データの表示や通信装置151の状態の通知を行う。なお、操作表示部160上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等のキーを備えるソフトキーボードを設置することで、操作表示部160を介してユーザからの入力を受け付けても良い。
【0033】
<ダイレクト接続方式について>
ダイレクト接続とは、アクセスポイント131等の外部装置を介さずに装置同士が直接(すなわちPeer to Peerで)無線接続する形態を指す。通信装置151は、接続モードの1つとして、ダイレクト接続により通信するためのモード(ダイレクト接続モード)で動作可能である。Wi-Fi通信において、ダイレクト接続により通信するためのモードにはソフトAPモードやWi-Fi Direct(WFD)モード等の様に複数のモードが存在する。
【0034】
WFDによって、ダイレクト接続を実行するモードをWFDモードという。WFDはWi-Fi Allianceによって策定された規格である。WFDモードでは機器探索コマンドにより通信相手となる機器が探索された後に、P2Pのグループオーナと、P2Pのクライアントの役割を決定した上で、残りの無線接続の処理を行うことになる。この役割決定は、例えばP2PではGO Negotiationに対応する。具体的には、まず通信を行う機器との間で、一方の機器が、機器探索コマンドを発行し、WFDモードで接続する機器を探索する。通信相手となる他方の機器が探索されると、両者の間で、互いの機器で供給可能なサービスや機能に関する情報を確認する。なお、この機器供給情報確認はオプションであり、必須ではない。この機器供給情報確認フェーズは、例えばP2PのProvision Discoveryに対応する。次に、この機器供給情報を互いに確認することで、その役割として、どちらがP2Pのクライアントとなり、どちらがP2Pのグループオーナとなるかを決定する。次に、クライアントとグループオーナが決定したら、両者の間で、WFDによる通信を行うためのパラメータを交換する。交換したパラメータに基づいて、P2Pのクライアントとグループオーナとの間で残りの無線接続の処理、IP接続の処理を行う。なおWFDモードでは、通信装置151は、上述したGO Negotiationを実行せずに、通信装置151が必ずGOとして動作していても良い。すなわち通信装置151は、Autonomous GOモードであるWFDモードとして動作しても良い。また通信装置151がWFDモードで動作している状態とはすなわち例えば、WFDによる接続が確立されていないが通信装置151がGOとして動作している状態や、WFDによる接続が確立されており、且つ通信装置151がGOとして動作している状態である。
【0035】
ソフトAPモードでは、通信を行う機器(例えば、情報処理装置101と通信装置151)との間で、一方の機器(例えば、情報処理装置101)が、各種サービスを依頼する役割を果たすクライアントとなる。そして、もう一方の機器が、Wi-Fiにおけるアクセスポイントの機能をソフトウェアの設定により実現する。ソフトAPモードでは、クライアントは、機器探索コマンドによりソフトAPとなる機器を探索する。ソフトAPが探索されると、クライアントとソフトAPとの間で残りの無線接続の処理(無線接続の確立等)を経て、その後、IP接続の処理(IPアドレスの割当等)を行うことになる。なお、クライアントとソフトAPとの間で無線接続を実現する場合に送受信されるコマンドやパラメータについては、Wi-Fi規格で規定されているものを用いればよく、ここでの説明は省略する。また通信装置151がソフトAPモードで動作している状態とは例えば、Wi-Fiによる接続が確立されていないが通信装置151がソフトAPとして動作している状態や、Wi-Fiによる接続が確立されており、且つ通信装置151がソフトAPとして動作している状態である。
【0036】
本実施形態において、通信装置151がダイレクト接続で動作する場合、通信装置151が属するネットワーク内で、親局として動作する。なお、親局とは無線ネットワークを構築する装置であり、無線ネットワークへの接続に用いられるパラメータを子局に対して提供する装置である。無線ネットワークへの接続に用いられるパラメータとは、例えば、親局が利用する通信チャネルに関するパラメータである。子局は、当該パラメータを受信することで、親局が利用している通信チャネルを用いて、親局が構築している無線ネットワークに接続する。ダイレクト接続モードにおいては、通信装置151が親局として動作するため、ダイレクト接続モードにおける通信にいずれの通信チャネルを用いるのかを、通信装置151が決定することが可能である。通信装置151は、例えば、インフラ接続モードとダイレクト接続モードとで並行して動作する場合は、インフラ接続モードにおける通信に利用している通信チャネルを、ダイレクト接続モードにおける通信にも利用するように制御する。また、通信装置151は例えば、ダイレクト接続モードにおける通信に利用するチャネルとして、アクセスポイント131との接続に利用する通信チャネルを、その他のチャネルより優先的に選択しても良い。
【0037】
また、ダイレクト接続モードの通信装置151と接続するための接続情報(SSIDやパスワード)は、通信装置151が有する操作部に対するユーザ操作等によって任意に変更されても良い。
【0038】
<インフラストラクチャ(インフラ)接続方式について>
インフラ接続は、通信を行う機器(例えば、情報処理装置101と通信装置151)のネットワークを統括するアクセスポイント(例えば、アクセスポイント131)と接続し、機器同士がアクセスポイントを介して通信する形態である。通信装置151は、接続モードの1つとして、インフラ接続で通信するためのモード(インフラ接続モード)でも動作可能である。
【0039】
インフラ接続において、各機器は機器探索コマンドによりアクセスポイントを探索する。アクセスポイントが探索されると、機器とアクセスポイントとの間で残りの無線接続の処理(無線接続の確立等)を経て、その後、IP接続の処理(IPアドレスの割当等)を行うことになる。なお、機器とアクセスポイントとの間で無線接続を実現する場合に送受信されるコマンドやパラメータについては、Wi-Fi規格で規定されているものを用いればよく、ここでの説明は省略する。
【0040】
本実施形態において通信装置151がインフラ接続で動作する際はアクセスポイント131が親局、通信装置151が子機として動作する。通信装置151と情報処理装置101との間で、アクセスポイント131を介した通信が可能となる。なお、ここでのインフラ接続における通信に利用されるチャネルは、2.4Ghz以外の周波数帯域(5.0Ghz帯域等)であっても良い。なお、情報処理装置101は、通信装置151とアクセスポイント131を介して通信するためには、アクセスポイント131によって形成され、情報処理装置101が属するネットワーク上に、通信装置151が属していることを認識する必要がある。
【0041】
本実施形態では、単に情報処理装置101と通信装置151とが同一のアクセスポイントに接続している状態をインフラ接続状態とみなす。すなわち、インフラ接続状態において、情報処理装置101や通信装置151は、同一のアクセスポイントに接続していればよく、自身が属するネットワーク上に、相手装置が属していることを認識していなくても良い。なお、本実施形態では、通信装置151は、ダイレクト接続とインフラ接続とを並行して確立することが可能である。言い換えれば、通信装置151は、自身が子機となるWi-Fi接続と自身が親機となるWi-Fi接続とを並行して確立することが可能である。このように上述の2つの接続を並行して確立した状態で動作することを同時動作という。同時動作を実行する場合、通信装置151は、インフラ接続に用いる周波数帯や通信チャネルと、ダイレクト接続に用いる周波数帯や通信チャネルとを一致させる。しかしながら本実施形態においては、通信装置151は、インフラ接続に5GHzの周波数帯を用いている場合、ダイレクト接続として動作せず、同時動作を実行しない。これは、5GHzの周波数帯が用いられる場合、DFS(Dynamic Frequency Selection)等により、利用される通信チャネルが変更される可能性があるためである。
【0042】
<接続設定処理について>
本実施形態において情報処理装置101は、インフラ接続とダイレクト接続のうち少なくとも1つの通信方式で通信装置151を動作させるための設定(接続設定)を、通信装置151との無線通信を用いて実行する。本実施形態における接続設定処理は、無線通信によって実行されるためケーブルレスセットアップ(CLS)とも呼ばれる。なお、接続設定処理は、有線通信によって実行されても良い。
【0043】
通信装置151は、接続設定処理を実行するためのモードである接続設定モード(接続設定状態)で動作可能であり、接続設定モードで動作している状態で、接続設定処理を実行する。接続設定モードの詳細は後述する。
【0044】
情報処理装置101は、通信装置151をインフラ接続モードとして動作させる場合、インフラ接続モードとして動作させるための設定情報であるインフラ設定情報を通信装置151に無線送信する。インフラ設定情報には、アクセスポイント131に関する情報が含まれる。アクセスポイント131に関する情報とは、例えば、SSID(Service Set Identifier)やパスワード、周波数帯に関する情報等である。
【0045】
一方、情報処理装置101は、通信装置151をダイレクト接続モードとして動作させる場合、ダイレクト接続モードとして動作させるための設定情報であるダイレクト設定情報を通信装置151に無線送信する。ダイレクト設定情報には、WFD機能を有効化させGroup Ownerとして動作させたり、通信装置151のアクセスポイント設定を有効化させたりするための指示が含まれる。また、情報処理装置101は、通信装置151から通信装置151とダイレクト接続するために必要な接続情報を取得する。通信装置151とダイレクト接続するための接続情報には、例えば、通信装置151のSSIDやパスワード等の情報が含まれている。
【0046】
本実施形態では、接続設定処理における、インフラ設定情報やダイレクト設定情報の送信及び、通信装置151とダイレクト接続するための情報の取得には、情報処理装置101と通信装置151との間の接続設定用のダイレクト接続が用いられる。そして、本実施形態では接続設定用のダイレクト接続として、Wi-Fiを用いた接続設定処理を実行しているが、例えば、Bluetooth等のWi-Fi以外の無線通信規格が用いられても良いし、有線LANやUSB(Universal Serial Bus)等の有線通信規格が用いられても良い。
【0047】
接続設定処理によって、情報処理装置101と通信装置151との間に、Wi-Fiによるインフラ接続、またはダイレクト接続が確立した後は、確立した接続を介して、情報処理装置101と通信装置151との間で通信が可能となる。具体的には、例えば、情報処理装置101は、確立した接続を介して、通信装置151に印刷を実行させるための印刷ジョブや、通信装置151にスキャンを実行させるためのスキャンジョブを通信装置151に送信することが可能である。
【0048】
なお本実施形態では、接続設定処理により、通信装置151をインフラ接続モードで動作させることも通信装置151をダイレクト接続モードで動作させることも可能であるが、この形態に限定されない。例えば接続設定処理により、通信装置151をインフラ接続モードで動作させることのみ可能な(すなわち、通信装置151をダイレクト接続モードで動作させることはできない)形態であっても良い。
【0049】
また本実施形態では、後述する設定方法1による接続設定処理では、通信装置151をインフラ接続モードで動作させることも通信装置151をダイレクト接続モードで動作させることも可能である。言い換えれば、設定方法1では、インフラ設定情報が情報処理装置101から送信されてくることもダイレクト設定情報が情報処理装置101から送信されてくることもあるものとする。しかし、後述する設定方法2による接続設定処理では、通信装置151をインフラ接続モードで動作させることは可能だが、通信装置151をダイレクト接続モードで動作させることは可能でないものとする。言い換えれば、設定方法2では、インフラ設定情報が情報処理装置101から送信されてくることがあるが、ダイレクト設定情報が情報処理装置101から送信されてくることはないものとする。
【0050】
<接続設定モードについて>
上述したように、通信装置151は、接続設定モードで動作可能である。通信装置151が接続設定モードでの動作を開始するためのトリガーは、例えば、接続設定モード用ボタンをユーザが押下することであっても良いし、通信装置151が起動(ソフトオン状態に移行)することであっても良い。なお、接続設定モード用ボタンは、通信装置151が備えるハードウェアボタンであっても良いし、通信装置151が操作表示部160に表示するソフトウェアボタンであっても良い。通信装置151は、接続設定モードでの動作を開始すると、Wi-Fi通信を有効化する。具体的には、通信装置151を接続設定モード専用のAPとして動作させる。これにより、通信装置151は、情報処理装置101とWi-Fiによるダイレクト接続を確立可能な状態になる。接続設定モード専用のAPと接続するための接続情報(SSID等)は、情報処理装置101にインストールされた通信装置151用セットアッププログラムに予め保持されており、情報処理装置101は接続設定モード専用のソフトAPと接続するための接続情報を予め認識しているものとする。そのため、ダイレクト接続モードにおいて有効化されるアクセスポイントの接続情報と異なり、接続設定モード専用のソフトAPモードと接続するための接続情報の少なくとも一部(SSIDの少なくとも一部等)は、ユーザによって任意に変更できないものとする。また本実施形態では、接続設定モード専用のソフトAPと接続するためのパスワードは無く、情報処理装置101はSSIDさえ認識していれば、接続設定モードで動作する通信装置151とパスワード無しに接続することができるものとする。なおこの形態に限定されず例えば、接続設定モード専用のソフトAPと接続するためのパスワードも、通信装置151用セットアッププログラムに予め保持されており、パスワードが利用されて接続設定モードで動作する通信装置151との接続が行われる形態であっても良い。
【0051】
なお、接続設定モードにおいて、通信装置151は、通常のWi-Fiでなく、WFDによって情報処理装置101と接続しても良い。すなわち、通信装置151は、Group Ownerして動作し、WFDによる通信によって情報処理装置101から設定情報を受信しても良い。また接続設定モードにおいて、通信装置151は、Bluetoothによって情報処理装置101と接続しても良い。すなわち、通信装置151は、Bluetoothにおけるスレーブ装置して動作し、Bluetoothによる通信(Bluetooth接続を介した通信)によって情報処理装置101から設定情報を受信しても良い。なおBluetoothは、Bluetooth Classicであっても良いし、Bluetooth Low Energy(BLE)であっても良い。BLEが用いられる場合、通信装置が151は接続設定モードでの動作を開始すると、BLE規格に基づくアドバタイズ情報の送信を開始し、アドバタイズ情報を受信した情報処理装置101とのBLE接続を可能な状態になる。また接続設定モードは、Wi-FiとBluetoothどちらも利用可能な状態であっても良い。すなわち、接続設定モードで動作する通信装置151は、情報処理装置101からWi-Fiで接続要求を受け付けた場合は、Wi-Fi接続を介して設定情報を受信し、情報処理装置101からBluetoothで接続要求を受け付けた場合は、Bluetooth接続を介して設定情報を受信しても良い。
【0052】
なお本実施形態では、接続設定モードで動作する通信装置151は、少なくとも2つの方法(設定方法1と設定方法2)で、情報処理装置101から設定情報を受信することが可能である。
【0053】
まず、設定方法1について説明する。設定方法1は、設定方法2において利用される通信プロトコルとは異なる通信プロトコルを用いて情報処理装置101から設定情報を受信する方法である。設定方法1において利用される通信プロトコルは、具体的には例えば、SNMP(Simple Network Management Protocol)である。また上述したように本実施形態では、情報処理装置101は、通信装置151にインフラ接続モードを設定するためには、例えばアクセスポイント131と接続するためのインフラ設定情報を通信装置151に送信する。すなわち情報処理装置101は、通信装置151にインフラ接続モードを設定するためには、アクセスポイント131と接続するためのパスワードを取得する必要がある。しかしながら、本実施形態では、情報処理装置101は、通信装置151用セットアッププログラムにより設定方法1で設定情報を通信装置151に送信する場合は、情報処理装置101がアクセスポイント131と接続したことがあったり接続中であったとしても、ユーザから、通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面上で当該パスワードの入力を受け付けることにより当該パスワードを取得する。これは、通信装置151用セットアッププログラムは、設定方法1で設定情報を通信装置151に送信する場合は、情報処理装置101のOSからアクセスポイント131と接続するためのパスワードを取得することができないためである。そのため言い換えれば、設定方法1とは、通信装置151の接続モードの設定を行うための設定指示が通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面においてユーザから受け付けられた後に、通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面においてユーザからパスワードの入力を受け付ける方法である。さらに、そのようにして受け付けられたパスワードを含むインフラ設定情報を通信装置151に、通信装置151用セットアッププログラムにより送信することによって、通信装置151の接続設定処理を実行するための方法である。また、設定方法1は、APのセキュリティ方式が、WEP、WPA、WPA2、WPA3のいずれであっても、当該APと接続するためのインフラ設定情報を通信装置151に送信することが可能であるものとする。そして、設定方法1は、当該APのセキュリティ方式を示す情報を含むインフラ設定情報を送信するものとする。なお設定方法1において利用されるプロトコルは、SNMPに限定されず、他のプロトコルが用いられても良い。
【0054】
次に、設定方法2について説明する。設定方法2において利用される通信プロトコルは、具体的には例えば、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)である。本実施形態では、情報処理装置101は、設定方法2で設定情報を通信装置151に送信する場合は、情報処理装置101がアクセスポイント131と接続したことがあったり接続中であった場合には、ユーザから当該パスワードの入力を受け付けることなく、情報処理装置101のOSから当該パスワードを取得することが可能である。そのため言い換えれば、設定方法2とは、設定指示が通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面においてユーザから受け付けられた後に、通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面においてユーザからパスワードの入力を受け付けず、パスワードを情報処理装置101のOSから取得する方法である。さらに、そのようにして受け付けられたパスワードを含むインフラ設定情報を通信装置151に送信することによって、通信装置151の接続設定処理を実行するための方法である。なお、情報処理装置101は、最初にアクセスポイント131と接続する際には、アクセスポイント131との接続の前に、アクセスポイント131と接続するためのパスワードのユーザ入力を受け付けている。そして、設定方法2では、アクセスポイント131との接続の前にユーザ入力されたパスワードであり、OSによって保持されていたパスワードがOSから取得されることで、当該パスワードが送信される。そのため設定方法2はさらに言い換えれば、情報処理装置101がアクセスポイント131と接続した後の、該パスワードの情報処理装置101に対するユーザ入力無しに、当該パスワードが通信される方法である。また、設定方法2による設定情報の送信は、設定方法2によってインフラ設定情報を送信するための所定の設定アプリケーションプログラムにより実行される。所定の設定アプリケーションプログラムは、情報処理装置101に予めインストールされているプログラムであり、情報処理装置101のOSベンダーによって提供されるプログラムである。そのため、所定の設定アプリケーションプログラムは、OSから、他のアプリケーションプログラムでは取得することができない情報(例えばAPと接続するためのパスワード)を取得することができる。なお設定方法2による設定情報の送信は、通信装置151用セットアッププログラムにより行われても良い。この場合例えば、設定方法2用のAPIを通信装置151用セットアッププログラムが実行することにより、通信装置151用セットアッププログラムがパスワードをOSから取得しても良い。また、設定方法2は、APのセキュリティ方式が、WPA、WPA2である場合は、当該APと接続するためのインフラ設定情報を通信装置151に送信することが可能であるが、APのセキュリティ方式が、WEP、WPA3である場合は、当該APと接続するためのインフラ設定情報を通信装置151に送信することが可能でないものとする。そして、設定方法2は、当該APのセキュリティ方式を示す情報を含まないインフラ設定情報を送信するものとする。なお設定方法2において利用されるプロトコルは、HTTPに限定されない。例えば、Wi-Fi Allianceで策定されたDevice Provisioning Protocol(DPP)が用いられても良い。すなわち、設定方法2は、Wi-Fi Easy Connectと呼ばれる機能が用いられた設定方法であっても良い。なお情報処理装置101は、DPPを用いて送信するインフラ設定情報に含まれるパスワードも、設定指示が通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面においてユーザから受け付けられた後にユーザ入力を受け付けることなく、情報処理装置101のOSから取得することが可能である。また例えば、通信装置151は、設定方法1及び2とは異なる設定方法3でさらに設定情報を受信可能であっても良く、設定方法3においてDPPが用いられても良い。
【0055】
また本実施形態では、接続設定モードで動作中の通信装置151は、設定方法1で設定情報を受信することが可能な状態(設定方法1用状態)と、設定方法2で設定情報を受信することが可能な状態(設定方法2用状態)のうち少なくとも一方で動作するものとする。また、設定方法1用状態を終了するための条件(設定方法1用条件)と、設定方法2用状態を終了するための条件(設定方法2用条件)がそれぞれ別々に設定されることが可能であるものとする。すなわち通信装置151は例えば、設定方法1で設定情報を受信することも設定方法2で設定情報を受信することも可能な接続設定モードとして動作することもあれば、設定方法1で設定情報を受信することが可能だが、設定方法2で設定情報を受信することはしない接続設定モードとして動作することもあるものとする。
【0056】
そして本実施形態では、設定方法2用状態においては、通信装置151は、所定のビーコンを周囲に送信するものとする。そして情報処理装置101は、当該所定のビーコンを受信することで、通信装置151が、設定方法2用状態であることを認識するものとする。また、本実施形態では、情報処理装置101は、設定方法2に対応する所定のOSが搭載されている場合に、設定方法2により接続設定処理を通信装置151に実行させることができる。
【0057】
本実施形態において、設定方法1用条件や設定方法2用条件は、例えば、接続設定モードでの動作が終了されることを含む。なお接続設定モードでの動作が終了する条件は例えば、情報処理装置101から受信された設定情報に基づいて通信装置151の接続モード(ダイレクト接続モード又はインフラ接続モード)が設定されることである。また、設定方法1用条件は、設定方法1用状態の経過時間が閾値(タイムアウト時間)を超えることを含み、設定方法2用条件は、設定方法2用状態の経過時間がタイムアウト時間を超えることを含む。ここでは、設定方法1用条件に対して定められたタイムアウト時間を設定方法1用タイムアウト時間、設定方法2用条件に対して定められたタイムアウト時間を設定方法2用タイムアウト時間と呼ぶものとする。なおここで設定方法1用状態の経過時間とは、設定方法1用状態での動作が開始されてから、設定方法1用状態での動作が終了されることなく経過した時間である。すなわち、設定方法1用状態のモード経過時間のカウントは、設定方法1用状態での動作が終了された場合に停止される。また設定方法1用状態の経過時間と設定方法2用状態の経過時間の両方がそれぞれのタイムアウト時間を超えて、設定方法1用状態と設定方法2用状態が終了する場合は、接続設定モード自体も終了される。なお設定方法1用状態の経過時間は、この形態に限定されず、例えば、設定方法1用状態での動作が開始されてから、接続設定モード用のAPにより情報処理装置101と通信装置151が接続することなく経過した時間であっても良い。すなわち、設定方法1用状態の経過時間のカウントは、接続設定モード用のAPにより情報処理装置101と通信装置151が接続した場合に停止されても良い。また、設定方法1用状態の経過時間とは、接続設定モードでの動作が開始されてから、情報処理装置101から送信された設定情報が通信装置151によって受信されることなく経過した時間であっても良い。すなわち、設定方法1用状態の経過時間のカウントは、情報処理装置101から送信された設定情報が通信装置151によって受信された場合に停止されても良い。なお設定方法2用状態の経過時間の定義も設定方法1用状態の経過時間と同様である。タイムアウト時間が設定されている理由は、接続設定モードは、パスワード必要なしに接続可能なモードであったり、通信装置151用セットアッププログラムに予め保持されているパスワードで接続可能なモードであるためである。すなわち、接続設定モードは、接続の容易性が高いという利点があるが、セキュリティが低く、接続設定モードが長時間維持されてしまうと、通信装置151のユーザが意図しない接続が確立されてしまう可能性が高くなるためである。
【0058】
ところで上述したように、本実施形態では、設定方法1によって接続設定処理を通信装置151に実行させてインフラ接続モードを設定させる場合は、情報処理装置101は、設定指示受付の後にユーザからパスワードの入力を受け付ける必要がある。一方、設定方法2によって接続設定処理を通信装置151に実行させてインフラ接続モードを設定させる場合は、情報処理装置101は、設定指示受付の後にユーザからパスワードの入力を受け付ける必要がない。すなわち、ユーザからパスワードの入力を受け付ける必要がない分、設定方法2によって接続設定処理を通信装置151に実行させる場合のほうが、設定方法1によって接続設定処理を通信装置151に実行させる場合よりも、情報処理装置101は、通信装置151に早くインフラ設定情報を送信することができる。すなわち通信装置151は、設定方法2によって接続設定処理を実行する場合のほうが、設定方法1によって接続設定処理を実行する場合よりも、接続設定処理を早く完了させることができる。そしてセキュリティを向上させることと、設定方法2では接続設定処理を早く完了させることができることとを考慮すると、設定方法2用タイムアウト時間は短く設定されることが好ましい。そのため本実施形態では、少なくとも一部の期間において、設定方法1用タイムアウト時間より、設定方法2用タイムアウト時間が短く設定されるよう制御する。
【0059】
また、本実施形態で接続設定モードでの動作が開始する条件の1つは、例えば、通信装置151が初期設定を完了していない状態で電源ボタンの押下を受け付けることである。通信装置151は、この条件が満たされたことにより接続設定モードでの動作を開始した後、初期設定処理を実行する。しかしながら、初期設定処理は通信装置151がユーザ操作を受け付けることにより進行するので、初期設定処理が開始されてから完了するまでの時間は、操作を実行するユーザにより変化する。そしてユーザによっては、通信装置151が初期設定処理を完了した後に、接続設定処理のための情報処理装置101の操作を開始する。そして本実施形態では通信装置151は、初期設定処理が完了する前に接続設定モードでの動作を開始している。そのため、初期設定処理のためのユーザ操作に時間がかかり、通信装置151による初期設定処理の完了が遅れた場合、初期設定処理が完了したタイミングにおいて、それまでにカウントされた接続設定モード経過時間が大きい値であることがあるという課題がある。言い換えれば、接続設定モード経過時間がタイムアウト時間を超えてしまうまでの時間が、初期設定処理が完了した後に少ししか残されていいないことがある。
【0060】
そこで本実施形態では、初期設定処理が完了した後に、設定方法1用タイムアウト時間や設定方法2用タイムアウト時間を適切に制御する。具体的には本実施形態では、初期設定処理が完了したタイミングにおける各設定方法1の経過時間に応じて、各タイムアウト時間を制御する。これにより、通信装置151による初期設定処理の完了が遅れたとしても、ユーザに、接続設定処理のための操作を実行可能な時間を十分に確保することができる。
【0061】
<通信装置151の操作表示部160の構成について>
図2は、通信装置151の操作表示部160の構成の一例を模式的に示した図である。図2(a)において、パネル208はタッチ式であり、ユーザはパネル208をタッチすることで通信装置151を操作することが可能である。電源ボタン201は、パネル208の周辺に配置された物理ボタンであるものとする。通信装置151がソフトオフ状態であるときにユーザが電源ボタン201を押下することで通信装置151全体に電力が共有され、通信装置151がソフトオン状態に移行する。なおソフトオフ状態は、CPU154等、通信装置151の最小限の構成に電力が供給されているが、例えばプリントエンジン155や操作表示部160に含まれる表示部には電力が供給されていない状態である。ソフトオン状態は、プリントエンジン155や操作表示部160を含む通信装置151の構成全体に電力が供給されている状態である。
【0062】
通信装置151がソフトオン状態に移行すると、パネル208にはユーザが操作可能なメニューの最上位階層であるホーム画面が表示される。ホーム画面にはコピー処理の実行指示を受け付けるためにコピー領域205やスキャン処理の実行指示を受け付けるためのスキャン領域206、印刷処理の実行指示を受け付けるためのプリント領域207が含まれている。また、通信装置151のインフラ接続やダイレクト接続の設定や接続状態を示す状態表示領域202やユーザが任意のタイミングで接続設定モードの動作を開始させる接続設定モード領域203、各種設定を変更する設定領域204等も含まれている。
【0063】
図2(b)は、図2(a)より表示部が小さい形態における操作表示部160の構成の一例である。この例では、ボタン209~211、213~218が物理ボタンであるものとする。ユーザは電源ボタン210を押下することで通信装置151の電源を入れる。通信装置151の電源が入ると、パネル212にはユーザが操作可能なメニューの最上位階層であるホーム画面が表示される。ユーザは操作ボタン213、214を押下することでパネル212に表示されるカーソルを操作できる。ユーザが操作を実行したい場合はOKボタン216を押下し、1つ前のメニュー画面に戻りたい場合は戻るボタン215を押下する。また、パネル212は、QRボタン209が押下されると、通信装置151とダイレクト接続するために必要な情報が含まれるQRコード(登録商標)も表示することができる。このQRコードを情報処理装置101から読み取ると情報処理装置101と通信装置151がダイレクト接続し、相互に無線通信が可能になる。すなわち、QRコードに含まれる情報は、ダイレクト接続モードで動作する通信装置151と接続するための接続情報である。またQRボタン209が押下されると、通信装置151は、ダイレクト接続モードで動作を開始する。また、接続設定モードボタン211が押下されると、通信装置151は、接続設定モードでの動作を開始する。ストップボタン217が押下されると、通信装置151は、現在実行中の各種処理を実キャンセルする。コピー開始ボタン218が押下されると、通信装置151は、コピー処理を開始する。
【0064】
<本システムにおける各装置が実行する処理について>
図3は通信装置151が電源ボタンの押下を受け付けた場合に実行する処理を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートは、例えば、CPU154がROM152等に格納されたプログラムをRAM153に読み出して実行することにより実現される。また、図3に示すフローチャートは、ソフトオフ状態の通信装置151がユーザから電源ボタンの押下を受け付けたことに応じて開始される。
【0065】
まず、CPU154は、S301で、通信装置151全体への電力の供給を開始し、通信装置151をソフトオフ状態からソフトオン状態に移行させる。
【0066】
次にS302において、CPU154は、RAM153に保存されている初期設定時か否かを示す情報を参照して、初期設定時か否かを判定する。具体的には、ユーザが通信装置151を着荷後に初めて起動(電源ボタンの押下によるソフトオン状態への移行)をした場合、RAM153において初期設定時フラグがONとなっている。一方、初期設定処理が完了された後の起動であり2回目以降の起動をした場合、RAM153において初期設定時フラグがOFFとなっている。すなわちCPU154は、初期設定時フラグのONとOFFを参照することによりS302の判定を実現する。なおこの判定は、例えば、通信装置151が過去に初期設定処理を実行したか否かが判定されることにより実現されても良い。CPU154は、本判定がYESである場合、S303に進み、本判定がNOである場合、S326に進む。なお、本実施形態では初期設定時フラグのON、OFFを用いてS302の処理が実行されるがフラグ以外の情報を用いても良い。その場合例えば、着荷時からRAM153に初期設定時であることを示す情報を保存されているものとする。
【0067】
またCPU154は、S302がNOである場合、接続設定処理を実行することなく、本フローチャートの処理を終了しても良い。またCPU154はこのとき、ユーザに接続モードを設定する処理を行うか否かを問うUI等を表示し、ユーザの返答に応じて、S326に進むか本フローチャートの処理を終了するかを制御しても良い。
【0068】
また、CPU154は、S302がYESである場合は、S303において開始される初期設定処理により、初期設定処理用の画面を表示するが、S302がNOである場合には、例えばホーム画面を表示する。なおS302がNOであっても、接続設定モードでの動作がその後通信装置151によって開始された場合は、通信装置151が接続設定モードであることを示すような接続設定モード用画面が表示されても良い。
【0069】
S303において、CPU154は、初期設定処理を開始する。なおS304以降の処理は、初期設定処理の完了を待つことなく開始され、この時開始される初期設定処理と並行して実行されることとなる。初期設定処理の詳細を図4によって説明する。
【0070】
図4は、本実施形態における通信装置151が実行する初期設定処理を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、例えば、CPU154がROM152等に格納されたプログラムをRAM153に読み出して実行することにより実現される。また、図4に示すフローチャートは、S303が実行された場合に開始される。
【0071】
S401にて、CPU154は、通信装置151が備える不図示の検知部による検知結果に基づいて、通信装置151にインクカートリッジが取り付けられているか否かを判定する。なお、記録ヘッドとインクタンクとが別体として形成されている形態であれば、少なくとも記録ヘッドが通信装置151に取り付けられているか否かを判定する。CPU154は、本判定がYESである場合、S402に進み、本判定がNOである場合、S403に進む。なおインクカートリッジや記録ヘッドの取り付け操作は、ユーザが通信装置151に対して実行すべき操作である。
【0072】
そこで、S403にてCPU154は、操作表示部160のLED(発光ダイオード)を点滅させたり、操作表示部160に特定の画面を表示させたりすることにより、ユーザに対してインクカートリッジに関する通知を行う。具体的には、CPU154は、通信装置151がインクカートリッジの取り付け待ちの状態であることを通知したり、インクカートリッジの取り付け方法を通知したりする。なお、通知の方法は特に限定されず、例えばCPU154は、不図示のスピーカを用い音声によって通知を実行しても良い。
【0073】
その後、CPU154は、S404にて、通信装置151が備える不図示の検知部による検知結果に基づいて、通信装置151にインクカートリッジが取り付けられているか否かを判定する。なお、S401と同様、記録ヘッドとインクタンクとが別体として形成されている形態であれば、少なくとも記録ヘッドが通信装置151に取り付けられているか否かを判定する。CPU154は、本判定がYESである場合、S402に進み、本判定がNOである場合、S404の処理を再度実行する。なお、本実施形態においてS403の判定にタイムアウトはなく、ユーザによってインクカートリッジが取り付けられたり、通信装置151がソフトオフ状態に移行したりするまで、S403の判定は繰り返されるものとする。そのため、ユーザが正確にインクカートリッジの取り付けを完了するまでに時間がかかった場合、初期設定処理が完了するのにも時間がかかることとなる。なおCPU154は、ユーザによりインクカートリッジの取り付けをスキップするためのスキップ操作等が行われたことにより、S404でYESと判定しても良い。また、CPU154は、S404の判定がYESとなるまで、S403における通知を継続して実行していても良い。
【0074】
CPU154は、S402では、初期設定時クリーニング処理を開始する。具体的にはまず、CPU154は、廃インク吸収帯や、記録ヘッドの吐出口をキャッピングするキャッピング機構等のクリーニング部材が設置されている位置へ、キャリッジを移動させる。その後、CPU154は、キャッピング機構によって記録ヘッドの吐出口をキャッピングし、キャッピング機構に接続されているポンプを作動させる。これにより、CPU154は、キャッピング機構内部に負圧を発生させて吐出口から増粘インクや気泡等の異物を吸引排出することにより、吐出口内のインクをリフレッシュさせる。また、CPU154は記録ヘッドの吐出口面に付着したインク等の異物をワイパーによってワイピング(拭き取り清掃)する。なお、クリーニング処理は、例えば印刷開始前や、前回の印刷から所定の時間が経過した時、異常終了後のソフトオン時等、初期設定時以外のタイミングでも実行される。このような通常のクリーニング処理と初期設定時クリーニング処理とが異なっていても良い。具体的には、初期設定時には、ヘッドからノズル、またはインクタンクからヘッドまでの流路に対してインクを充填させることを目的として、通常のクリーニング動作よりも負圧吸引力を強くしたり、吸引量を多くしたり、吸引回数を多くしたりしても良い。あるいは、記録ヘッド内のインクを加熱して粘度を低下させても良い。
【0075】
なお、CPU154は、初期設定時クリーニング処理を実行する際に、通信装置151において生じているエラーを検出する。このとき検出されるエラーは、例えば、ヘッド不完全装着エラーやキャリッジ位置エラーである。
【0076】
ヘッド不完全装着エラーは、インクカートリッジ(記録ヘッド)が、キャリッジに不完全な形で取り付けられているエラーである。例えば、インクカートリッジがキャリッジに不完全な形で取り付けられていると、キャリッジの駆動経路にインクカートリッジがはみ出すことがある。この場合、キャリッジの移動時にインクカートリッジが通信装置151内部の所定の構成にぶつかり、キャリッジが当該構成の位置でストップしてしまう。CPU154は、例えば、キャリッジの移動量を検知し、検知した移動量が、カートリッジ取り付け位置から当該構成の位置までの移動量に相当すれば、ヘッド不完全装着エラーが発生していることを検知する。また、例えば、インクカートリッジがキャリッジに不完全な形で取り付けられていると、キャリッジの移動中やクリーニング処理中にインクカートリッジがキャリッジから外れることがある。CPU154は、例えば、カートリッジセンサによってインクカートリッジがキャリッジに取り付けられているかを検知する。そして、CPU154は、キャリッジの移動中やクリーニング処理中に、インクカートリッジがキャリッジに取り付けられていないことがカートリッジセンサによって検知されたら、ヘッド不完全装着エラーが発生していることを検知する。なお、ヘッド不完全装着エラーは、ユーザが再びカバーを開けてインクカートリッジを正しく取り付け直すことで解消される。
【0077】
キャリッジ位置エラーは、キャリッジの駆動経路に異物があるエラーである。例えば、キャリッジの駆動経路に異物があると、異物がキャリッジの移動を阻害するため、キャリッジの移動量が小さくなる。そのため、CPU154は、例えば、キャリッジの実際の移動量とキャリッジを駆動させるのに要した力(駆動力)を検知し、駆動力に対して実際の移動量が小さければ、キャリッジ位置エラーが発生していることを検知する。キャリッジ位置エラーは、ユーザによって異物が取り除かれることで解消される。
【0078】
CPU154は、エラーを検知すると、検知したエラーを通知するためのエラー通知処理を実行する。具体的には例えば、操作表示部160に、検知したエラーを通知するための画面を表示する。なお、エラーを検知した際に、接続設定処理が開始されたことにより通信装置151が情報処理装置101と接続している時は、CPU154は、検知したエラーを情報処理装置101が備える表示部に表示させるための情報を情報処理装置101に送信する。なお、CPU154は、通信装置151が接続している情報処理装置101から問い合わせがあった場合に、エラー通知処理を実行する形態であっても良い。
【0079】
続いて、CPU154は、S410にて、初期設定処理に含まれる各処理が完了したか否かを判定する。初期設定処理に含まれる各処理が完了していない場合、CPU154は、初期設定処理に含まれる各処理が終わるまでS410を繰り返し、初期設定処理に含まれる各処理が完了している場合、S411に進む。なお、上述したエラーが発生した場合は、初期設定処理には、エラーの解消を検知する処理が含まれる。そのためユーザ操作等によってエラーが解消された場合に、初期設定処理に含まれる処理のうち1つが完了したとみなされる。また本実施形態においては上述したように、初期設定処理には、インクカートリッジが取り付けられていることを検知する処理や初期設定時クリーニング処理が含まれるものとする。しかしこの形態に限定されない。例えば、初期設定処理に、通信装置151が表示に用いる言語設定のためのユーザ操作の受付や、通信装置151が使用される環境についてのアンケート回答のためのユーザ操作の受付、レジ調整等が含まれていても良い。また、初期設定処理に含まれる各処理が実行される順番は特に限定されない。
【0080】
なおCPU154は、S410がYESである場合、初期設定時か否かを示す情報を変更し、次回以降に通信装置151がソフトオン状態に移行した時が初期設定時でないことを示せるようにする。具体的には、CPU154は、初期設定時フラグの内容を変更する。また初期設定時か否かを示す情報が変更されるタイミングは、このタイミングに限定されず、初期設定時か否かの判定後であればいつ行われても良い。
【0081】
続いて、CPU154は、S406にて、操作表示部160のLED(発光ダイオード)を点滅させたり、操作表示部160に特定の画面を表示させたりすることにより、ユーザに対して初期設定処理が完了したことを示す通知を行う。具体的には例えば、CPU154は、ユーザに対して初期設定処理が完了したことを示す画面を、操作表示部160に表示する。なお、通知の方法は特に限定されず、例えばCPU154は、不図示のスピーカを用い音声によって通知を実行しても良い。
【0082】
続いて、CPU154は、S407にて、ホーム画面を操作表示部160に表示する。ホその後CPU154は、本フローチャートの処理を終了する。
【0083】
上述したように、初期設定処理が完了されるためには、ユーザはインクカートリッジの取り付け等の操作を実行する必要がある。またユーザは、通信装置151を開梱したばかりであれば、通信装置151の梱包材を取り除く必要もある。このように、初期設定処理の完了のためには種々のユーザ操作が必要となるため、初期設定処理が完了するまでの時間は、ユーザによってまちまちとなる。
【0084】
説明を図3に戻す。
【0085】
S304において、CPU154は、通信装置151にいずれかの接続モードが設定済みかどうかを判定する。なお通信装置151は、上述したダイレクト接続モードやインフラ接続モード以外の接続モードが設定可能であっても良く、例えば有線LAN接続モードが設定可能であっても良い。有線LAN接続モードとは、有線LANによって他の装置と接続するためのモードである。本実施形態では、有線LAN接続モードが通信装置151に設定されている状態では、ダイレクト接続モードやインフラ接続モードは設定できず、通信装置151は無線LAN通信(IEEE802.11シリーズの通信規格による通信)が実行できないものとする。なお有線LANが通信装置151に接続されていなくても、通信装置151には事前に有線LAN接続モードが設定されても良い。またさらにここでCPU154は、インフラ接続モードにより過去に通信装置151が外部アクセスポイントと接続したことがあるかどうかを判定しても良い。具体的には通信装置151は、過去に接続したことがある外部アクセスポイントの情報を所定の記憶領域に保存しておくものとする。そして、該当の記憶領域に過去に接続したことがある外部アクセスポイントの情報が保存されていた場合、本判定において過去に通信装置151が外部アクセスポイントと接続したことがあると判定される。また該当の記憶領域に過去に接続したことがある外部アクセスポイントの情報が保存されておらず、デフォルト値が保存されていた場合、本判定において過去に通信装置151が外部アクセスポイントと接続したことがないと判定される。なお該当の記憶領域に保存されている情報は、通信装置151に対して実行される、通信装置151の接続設定をリセットするための操作であり、電源ボタンの押下とは異なる操作であるリセット操作によってデフォルト値にリセットされて良い。なおリセット操作が実行された場合、通信装置151は、自身に設定されている接続モードをリセットし、いずれの接続モードも設定されていない状態に戻る。そして、本判定がYESである場合、通信装置151に既に接続モードが設定されている(あるいは接続モードが設定されていたことがある)ことになる。そのため、CPU154は、本判定がYESである場合、接続設定処理は不要と判断し、通信装置151に接続設定モードでの動作を開始させずにS317に進む。一方CPU154は、本判定がNOである場合、S305に進む。
【0086】
CPU154は、S305で、通信装置151にUSBケーブルが接続されているかどうかを判定する。USBケーブルが接続されている場合、通信装置151は他の装置との通信を無線ネットワーク経由ではなくUSB経由で実施する可能性が高い。そのため、CPU154は、本判定がYESである場合、接続設定処理は不要と判断し、通信装置151に接続設定モードでの動作を開始させずにS317に進む。なお、ここではUSBケーブルが接続されているかどうかが判定されているが、有線LANケーブルが接続されているかどうかが判定されても良い。また、USBケーブルが接続されているかどうかと、有線LANケーブルが接続されているかどうかの両方が判定されても良い。また有線LANケーブルが接続されていると判定された場合、通信装置151に有線LAN接続モードが設定されても良い。一方CPU154は、本判定がNOである場合、S306に進む。
【0087】
CPU154は、S306で、通信装置151に接続設定モードでの動作を開始させる。すなわち通信装置151は、電源ボタンの押下後、接続設定モード領域203の操作や接続設定モードボタン211の操作無しに、接続設定モードでの動作を自動で開始する。この時、CPU154は、接続設定モードが開始されているという状態を示す画面を操作表示部160に表示しても良い。また本実施形態では、このとき設定方法1用状態での動作と設定方法2用状態での動作は同時に開始されるものとする。
【0088】
CPU154は、S307で、設定方法1用状態の経過時間と設定方法2用状態の経過時間を測定(カウント)するためのタイマー計測を開始し、情報処理装置101から設定情報が送信されてくるのを待つ。なお本実施形態では、タイマー計測によってカウントされる値は、1分が経過するごとにインクリメントされるものとし、分単位の値であるものとするがこの形態に限定されない。例えば1秒が経過するごとにインクリメントされる、秒単位の値であっても良い。そして、CPU154は、S308で、情報処理装置101から設定情報を受信したか否かを判定する。なおここで設定情報を受信する方法は、設定方法1であっても良いし、設定方法2であっても良い。
【0089】
CPU154は、S308でYESと判定された場合、S309で、通信装置151の接続設定モードでの動作を終了させる。すなわち、設定方法1用状態での動作と設定方法2用状態での動作も終了される。そしてCPU154は、S310で、設定方法1用状態の経過時間を計測しているタイマー計測と設定方法2用状態の経過時間を計測しているタイマー計測の両方を停止する。なお情報処理装置101と通信装置151との接続が接続設定モード専用のAPによって確立されている状態で接続設定モードが終了された場合には、情報処理装置101と通信装置151との接続が切断される。そしてCPU154は、S311で、受信した設定情報に基づいて、通信装置151の接続設定処理を実行する。すなわち、CPU154は、受信した設定情報に基づく接続モードの設定を行う。以下に、通信装置151の接続設定処理について詳細を説明する。
【0090】
CPU154は、設定情報としてインフラ接続モードに対応する情報(AP情報等)を受信した場合、接続設定処理により、設定情報に対応するAPをインフラ接続モードで利用するAPとしてRAM153に登録し、当該APと通信装置151とを接続させる。また、APを利用するために暗号キーが必要な場合は、CPU154は、暗号キーの登録等を行う。そして、適切にAPの登録及び接続が終了したら、CPU154は、登録したAP経由での通信が可能なインフラ接続モードに通信装置151を設定する。これにより、通信装置151は、登録したAP経由での情報処理装置101との無線接続が可能な状態で動作する。またCPU154は、設定情報としてWFDモードやソフトAPモードに対応する情報を受信した場合は、WFDモードやソフトAPモードに対応するAPと接続するための接続情報を、情報処理装置101に、通信装置151の接続設定モードを終了する前に送信しているものとする。そのため、CPU154は、設定情報としてWFDモードやソフトAPモードに対応する情報を受信した場合は、接続設定モードを終了した後、接続設定処理により、WFDモードやソフトAPモードに対応するAPを有効化して、WFDモードやソフトAPモードに通信装置151を設定する。CPU154は、この状態で、設定情報の送信元の情報処理装置101から、接続設定モードを終了する前に送信した接続情報を含む接続要求を受信した場合、通信装置151と情報処理装置101とをP2P方式で接続させる。これにより、通信装置151は、情報処理装置101とP2Pによる無線接続が可能な状態で動作する。接続設定処理が完了した後、CPU154は、S317に進む。
【0091】
なお接続設定処理の内容は上述の形態に限定されない。例えば、情報処理装置101から受信される設定情報によっては、ダイレクト接続モードの設定は行われず、インフラ接続モードの設定のみ行われうる形態であっても良い。また例えば、設定情報としてインフラ接続モードに対応する情報(AP情報等)を受信した場合、インフラ接続モードに通信装置151を設定するだけでなく、それと同時に、WFDモードやソフトAPモードに通信装置151を設定しても良い。
【0092】
一方CPU154は、S308でNOと判定された場合、S312で、通信装置151にUSBケーブルが接続されているか否かを判定する。これは、通信装置151が接続設定モードで動作を開始した後に、ユーザが通信装置151をUSB通信によって利用するために通信装置151にUSBケーブルを接続させることがあるためである。なお本処理の詳細はS305と同様である。S312の判定がYESである場合、CPU154は、S315で、通信装置151の接続設定モードでの動作を終了させ、S316でタイマー計測を停止する。その後CPU154は、S317に進む。
【0093】
一方CPU154は、S312の判定がNOである場合、S313で、タイマー計測により計測された各経過時間が各タイムアウト時間を超えているかどうかを判定する。なお、設定方法1用状態と設定方法2用状態が同時に開始されているため、2つの経過時間は現時点では同じである。また本実施形態では後述のタイムアウト時間変更処理によって変更される前のタイムアウト時間は、設定方法1用のものも設定方法2用のものも60分であるものとする。しかし、この形態に限定されず、任意の値が用いられてよい。CPU154は、本判定がYESである場合、S315に進み、本判定がNOである場合、S314に進む。
【0094】
CPU154は、S314では、初期設定処理が完了したか否かを判定する。初期設定処理の完了については図4を用いて説明したとおりである。CPU154は、本判定がNOである場合、情報処理装置101から設定情報が送信されてくるのを待ち、S308に進む。一方、CPU154は、本判定がYESである場合、S318に進む。
【0095】
CPU154は、S317では、S314と同様、初期設定処理が完了したか否かを判定する。CPU154は、本判定がNOである場合、初期設定処理が完了するのを待ち、再びS317を実行する。一方、CPU154は、本判定がYESである場合、S318に進む。
【0096】
CPU154は、S318では、通信装置151が接続設定モードで動作しているか否を判定する。CPU154は、本判定がYESである場合、S319に進み、本判定がNOである場合、S326に進む。なお本判定がYESである場合とは、設定方法1用状態及び設定方法2用状態がタイムアウトせずに初期設定処理が完了した場合(S314の判定がYESの場合)である。また本判定がNOである場合とは例えば、設定方法1用状態及び設定方法2用状態がタイムアウトした後に初期設定処理が完了した場合や、接続設定モードでの動作が開始されずに初期設定処理が完了した場合(S317の判定がYESの場合)である。
【0097】
CPU154は、S319では、タイマー計測により計測された各経過時間が短いか否かを判定する。本処理は言い換えれば、設定方法1用状態及び設定方法2用状態がタイムアウトにより終了されるまでの残り時間が長いか否かを判定する処理である。CPU154は、具体的には、設定方法1用タイムアウト時間から設定方法1用状態の経過時間が減算された値が所定の閾値より小さいか否かを判定する。本実施形態では、この判定に用いられる所定の閾値は、15分であるものとするが、この形態に限定されず、任意の値が用いられてよい。また本判定は例えば、設定方法1用状態の経過時間がある閾値より大きいか否かが判定されても良い。なおここでは、設定方法1用タイムアウト時間や設定方法1用状態の経過時間が参照されて判定が行われていたが、現時点では設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間は同一である。また、設定方法1用状態の経過時間と設定方法2用状態の経過時間も同一である。そのため設定方法2用タイムアウト時間や設定方法2用状態の経過時間が参照されて判定が行われても良い。
【0098】
CPU154は、本判定がYESである場合、設定方法1用状態及び設定方法2用状態がタイムアウトにより終了されるまでの時間が十分に残されていることになる。そこで、S320に進み、タイムアウト時間変更処理1を実行する。本処理は、設定方法2用タイムアウト時間を変更前より小さくなるように変更する処理である。なおこのとき、設定方法1用タイムアウト時間は変更されてもされなくても良いが、設定方法2用タイムアウト時間は、設定方法1用タイムアウト時間より小さくなるように変更される。またさらに、設定方法2用タイムアウト時間は、設定方法2用状態の経過時間よりは大きくなるように変更される。具体的には例えば、CPU154は、変更前の設定方法2用タイムアウト時間が60分であり、設定方法2用状態の経過時間が30分である場合、設定方法2用タイムアウト時間を45分に変更する。なおこのとき、設定方法2用タイムアウト時間は、例えば、変更前の値から所定の値が減算されることで変更される。減算される値は、一定の値であっても良いし、設定方法2用状態の経過時間に応じて変化する値であっても良い。また設定方法2用タイムアウト時間は、例えば、設定方法2用状態の経過時間に所定の値が加算された値に変更されても良い。加算される値は、一定の値であっても良いし、設定方法2用状態の経過時間に応じて変化する値であっても良い。また本処理は、設定方法2用状態がタイムアウトにより終了されるまでの残り時間が短くなるように制御される処理であれば良い。そのため例えば本処理は、設定方法2用タイムアウト時間が変更される処理に限らず、設定方法2用状態がタイムアウトにより終了されるまでの残り時間が長くなるように設定方法2用状態の経過時間が変更される処理であっても良い。すなわち例えば、設定方法2用タイムアウト時間から設定方法2用状態の経過時間が減算された値が所定の値になるように設定方法2用状態の経過時間が変更されても良い。この形態では具体的には例えば、変更前の設定方法2用タイムアウト時間が60分であり、変更前の設定方法2用状態の経過時間が30分である場合、設定方法2用状態の経過時間を45分に変更する。また例えば、設定方法2用タイムアウト時間に基づかずに設定方法2用状態の経過時間を、変更前より大きくなるように変更する処理であっても良い。このとき例えば設定方法2用状態の経過時間にある値が加算されるが、このとき加算される値は、一定の値であっても良いし、設定方法2用状態の経過時間に応じて変化する値であっても良い。また例えば、設定方法2用タイムアウト時間と設定方法2用状態の経過時間の両方が変更される形態であっても良い。その後CPU154は、S322に進む。
【0099】
一方、本判定がNOである場合、設定方法1用状態及び設定方法2用状態がタイムアウトにより終了されるまでの残り時間があまり残されていないことになる。そのためCPU154は、S321に進み、タイムアウト時間変更処理2を実行する。本処理は具体的には例えば、設定方法1用タイムアウト時間から設定方法1用状態の経過時間が減算された値が所定の値になるように設定方法1用タイムアウト時間を変更する処理である。所定の値は例えば、15分であるものとするが、この形態に限定されず、任意の値が用いられてよい。この形態では具体的には例えば、設定方法1用タイムアウト時間が60分であり、設定方法1用状態の経過時間が50分である場合、設定方法1用タイムアウト時間を65分に変更する。また本処理は例えば、設定方法1用状態の経過時間に基づかずに設定方法1用タイムアウト時間を、変更前より大きくなるように変更する処理であっても良い。このとき例えば設定方法1用タイムアウト時間に値が加算されるが、加算される値は、一定の値であっても良いし、設定方法1用状態の経過時間に応じて変化する値であっても良い。なおこのとき設定方法2用タイムアウト時間も設定方法1用タイムアウト時間と同様にして変更される。また本処理は、設定方法1用状態及び設定方法2用状態がタイムアウトにより終了されるまでの残り時間が長くなるように制御される処理であれば良い。そのため例えば本処理は、タイムアウト時間が変更される処理に限らず、設定方法1用状態及び設定方法2用状態がタイムアウトにより終了されるまでの残り時間が長くなるように経過時間が変更される処理であっても良い。すなわち例えば、設定方法1用タイムアウト時間から設定方法1用状態の経過時間が減算された値が所定の値になるように設定方法1用状態の経過時間が変更されても良い。この形態では具体的には例えば、設定方法1用タイムアウト時間が60分であり、設定方法1用状態の経過時間が50分である場合、設定方法1用状態の経過時間を45分に変更する。また例えば、設定方法1用タイムアウト時間に基づかずに設定方法1用状態の経過時間を、変更前より小さくなるように変更する処理であっても良い。このとき例えば設定方法1用状態の経過時間からある値が減算されるが、このとき減算される値は、一定の値であっても良いし、設定方法1用状態の経過時間に応じて変化する値であっても良い。また例えば、設定方法1用状態の経過時間をリセットする(0にする)処理であっても良い。なおこのとき設定方法2用状態の経過時間も設定方法1用状態の経過時間と同様にして変更される。また例えば、設定方法1用タイムアウト時間と設定方法1用状態の経過時間の両方が変更される形態であっても良い。この形態では具体的には例えば、設定方法1用タイムアウト時間が60分であり、設定方法1用状態の経過時間が50分である場合、設定方法1用状態の経過時間をリセットし、設定方法1用タイムアウト時間を15分に変更する。このように、タイムアウト時間と経過時間の両方が変更される形態では、タイムアウト時間が変更前の値より小さくなるように変更されても良い。なおこのとき設定方法2用タイムアウト時間と設定方法2用状態の経過時間も設定方法1用タイムアウト時間と設定方法1用状態の経過時間と同様にして変更される。その後CPU154は、S322に進む。
【0100】
S302がNOの場合やS318がNOの場合に実行されるS326では、CPU154は、通信装置151にいずれかの接続モードが設定済みかどうかを判定する。本処理の詳細は、S304と同様である。CPU154は、本判定がYESである場合、通信装置151に接続設定モードでの動作を開始させずに本フローチャートの処理を終了する。一方CPU154は、本判定がNOである場合、S327に進む。
【0101】
CPU154は、S327では、通信装置151にUSBケーブルが接続されているかどうかを判定する。本処理の詳細は、S305と同様である。CPU154は、本判定がYESである場合、通信装置151に接続設定モードでの動作を開始させずに本フローチャートの処理を終了する。一方CPU154は、本判定がNOである場合、S328に進む。
【0102】
CPU154は、S328では、通信装置151に接続設定モードでの動作を開始させる。本処理の詳細は、S306と同様である。
【0103】
CPU154は、S329で、接続設定モード経過時間を測定するためのタイマー計測を開始し、情報処理装置101から設定情報が送信されてくるのを待つ。本処理の詳細は、S307と同様である。その後CPU154は、S322に進む。
【0104】
CPU154は、S322で、情報処理装置101から設定情報を受信したか否かを判定する。CPU154は、本判定がYESである場合、S330に進み、本判定がNOである場合、S323に進む。
【0105】
S330~S332の詳細は、S309~S311と同様である。S332の後、CPU154は、本フローチャートの処理を終了する。
【0106】
CPU154は、S323で、通信装置151にUSBケーブルが接続されているか否かを判定する。本処理の詳細は、S312と同様である。CPU154は、本判定がYESである場合、S333に進み、本判定がNOである場合、S324に進む。
【0107】
CPU154は、S324で、タイマー計測により計測された設定方法1用状態の経過時間が設定方法1用タイムアウト時間を超えているかどうかを判定する。なおこのとき、S321において設定方法1用タイムアウト時間が変更されていれば、変更後のタイムアウト時間に基づいて本判定が実行される。CPU154は、本判定がYESである場合、S333に進み、本判定がNOである場合、S325に進む。
【0108】
S333とS334の詳細は、S315とS316と同様である。S334の後、CPU154は、本フローチャートの処理を終了する。
【0109】
CPU154は、S325で、タイマー計測により計測された設定方法2用状態の経過時間が設定方法2用タイムアウト時間を超えているかどうかを判定する。なおこのとき、S320やS321において設定方法2用タイムアウト時間が変更されていれば、変更後のタイムアウト時間に基づいて本判定が実行される。CPU154は、本判定がYESである場合、S335に進み、本判定がNOである場合、S322に戻る。
【0110】
CPU154は、S335では、通信装置151に設定方法2用状態での動作を終了させる。なおこのとき、設定方法1用状態の経過時間は設定方法1用タイムアウト時間を超えていないので、設定方法1用状態での動作は継続されることとなる。
【0111】
CPU154は、S336では、設定方法2用状態の経過時間を計測しているタイマー計測を停止する。なおこのとき、設定方法1用状態の経過時間を計測しているタイマー計測は停止しない。その後、CPU154は、S322に戻る。
【0112】
このように本実施形態では、初期設定処理の完了に時間がかかったことにより、初期設定処理完了後の、接続設定モードでの動作が終了するまでの残りの時間が少ない場合(S319-NOの場合)は、タイムアウト時間が延ばされる。これによりユーザは、時間に余裕をもって、情報処理装置101と通信装置151とを接続させることができ、時間に余裕をもって通信装置151に接続モードを設定することができる。なお本実施形態では、初期設定処理が開始されずに接続設定モードが開始された場合(S302-NOのあとS328が実行された場合)は、設定方法1用タイムアウト時間も設定方法2用タイムアウト時間も延ばされない。
【0113】
また、このように本実施形態では、初期設定処理の完了に時間がかからなかったことにより、初期設定処理完了後の、接続設定モードでの動作が終了するまでの残りの時間が多い場合(S319-YESの場合)は、設定方法1用タイムアウト時間が短くされる。これにより、設定に時間がかからない可能性が高い設定方法2を用いる状態である設定方法2用状態が不必要に長く続いてしまうことを抑制し、通信装置151の接続に関するセキュリティを確保することができる。なお本実施形態では例えば、初期設定処理完了後の、接続設定モードでの動作が終了するまでの残りの時間が多い場合(S319-YESの場合)は、設定方法1用タイムアウト時間は変更されない。これによりユーザは、設定に時間がかかる可能性がある設定方法1を用いる場合、時間に余裕をもって、情報処理装置101と通信装置151とを接続させることができる。また例えば、初期設定処理が開始されずに接続設定モードが開始された場合(S302-NOのあとS328が実行された場合)は、設定方法1用タイムアウト時間も設定方法2用タイムアウト時間も短くされない。
【0114】
図5は、情報処理装置101が実行する、通信装置151に接続設定処理を実行させるための処理を示すフローチャートである。なお、該フローチャートは、CPU103が、ROM104や外部記憶装置(不図示)に格納されている通信装置151用セットアッププログラムをRAM105にロードし、その通信装置151用セットアッププログラムを実行することにより実現されるものとする。なお本フローチャートは、設定指示が通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面においてユーザから受け付けられたことにより開始される。
【0115】
まず、S501にて、CPU103は、設定方法2用状態で動作している装置の検索を実行する。なお上述したように設定方法2用状態で動作している装置は、所定のビーコンを送信している。そのため例えば、CPU103は、設定方法2用状態で動作している装置が送信している所定のビーコンを検索することで、設定方法2用状態で動作している装置を検索する。
【0116】
次にS502にて、CPU103は、S501の検索において、設定方法2用状態で動作している装置が発見されたか(所定のビーコンを受信したか)否かを判定する。本判定がYESである場合、S510に進み、本判定がNOである場合、S503に進む。なお本判定がYESである場合、設定方法2用状態で動作している装置として通信装置151が発見されたものとする。
【0117】
S503にて、CPU103は、設定方法1用状態で動作している装置の検索を実行する。なお上述したように、接続設定モーで動作している通信装置151は、接続設定モード専用のソフトAPを有効にしている。そのため例えば、CPU103は、設定方法1用状態で動作している通信装置151が有効化している接続設定モード専用のソフトAPが発するビーコンを検索することで、設定方法2用状態で動作している装置を検索する。
【0118】
次にS504にて、CPU103は、S503の検索において、設定方法1用状態で動作している装置が発見されたか否かを判定する。本判定がYESである場合、S505に進み、本判定がNOである場合、本フローチャートの処理を終了する。なお本判定がNOである場合、例えばCPU103は、接続設定処理を通信装置151に実行させるための方法を示すマニュアルを表示しても良い。
【0119】
S505にて、CPU103は、通信装置151に設定する接続モードを選択するための接続モード選択画面を表示する。そしてCPU103は、接続モード選択画面においてユーザから受け付けた入力に対応する接続モードを、通信装置151に設定する接続モードとして選択する。なお通信装置151に設定する接続モードは、情報処理装置101の通信環境に基づいてセットアッププログラムによって自動で選択されても良い。例えば、通信装置151に接続モードを設定する際に、情報処理装置101がいずれかのAPに接続している場合は、通信装置151に設定する接続モードとしてインフラ接続モードが選択される。また例えば、通信装置151に接続モードを設定する際に、情報処理装置101がいずれのAPにも接続していない場合は、通信装置151に設定する接続モードとしてWFDモードやソフトAPモード等のダイレクト接続モードが選択される。
【0120】
S506にて、CPU103は、S505にてインフラ接続モードが選択されたか否か(ダイレクト接続モードが選択されたか)を判定する。本判定がYESである場合、S507に進み、本判定がNOである場合、S509に進む。
【0121】
S506の判定がYESである場合に実行されるS507では、CPU103は、設定方法1により、通信装置151にインフラ設定情報を送信する。具体的には、まずCPU103は、情報処理装置101が現在(すなわち、所定の操作が受け付けられたとき)接続しているAPのAP情報を一時的にRAM105に保存しておく。そして、該当APと情報処理装置101との間の接続を切断する。なおこのとき、情報処理装置101が現在接続しているAPがない場合には、本処理はスキップされる。その後、情報処理装置101と、接続設定モード専用のAPとを接続させる。すなわち、情報処理装置101と、接続設定モードで動作する通信装置151とを接続させる。そして、CPU103は、一時的にRAM105に保存したAP情報をインフラ設定情報として、接続設定モード専用のAPを介して通信装置151に送信する。通信装置151は、該AP情報を受信することで、該AP情報に基づいたAP経由で接続可能なインフラ接続モードに設定される。なおここでは、一時的にRAM105に保存したAP情報以外のAP情報が送信されても良い。例えば、通信装置151が検索により発見したAPのリストから選択されたAP情報が送信されても良いし、情報処理装置101が検索により発見したAPのリストから選択されたAP情報が送信されても良い。また例えば、ユーザが入力したSSIDに対応するAP情報が送信されても良い。またS506では、CPU103は、送信されるAP情報に対応するパスワードの入力を、ユーザから受け付け、入力されたパスワードも、インフラ設定情報として送信されるものとする。また上述したように、設定方法1での通信において利用される通信プロトコルは、SNMPであるものとする。インフラ設定情報が送信された後、CPU103は、情報処理装置101と、接続設定モード専用のAPとの間の接続を切断する。
【0122】
S508では、CPU103は、接続設定モードの通信装置151と接続する直前に情報処理装置が接続していたAPであり、所定の操作が受け付けられたときに情報処理装置101が接続していたAPと再度接続する。なお当該APがない場合は、本処理は省略される。その後本フローチャートの処理を終了する。
【0123】
一方S506の判定がNOである場合に実行されるS509では、CPU103は、設定方法1により、通信装置151にダイレクト設定情報を送信する。具体的には、まずCPU103は、情報処理装置101が現在(すなわち、所定の操作が受け付けられたとき)接続しているAPと情報処理装置101との間の接続を切断する。なおこのとき、情報処理装置101が現在接続しているAPがない場合には、本処理はスキップされる。その後、情報処理装置101と、接続設定モード専用のAPとを接続させる。すなわち、情報処理装置101と、接続設定モードで動作する通信装置151とを接続させる。そしてCPU103は、通信装置151にダイレクト設定情報を送信する。その後CPU103は、通信装置151から、ダイレクト接続モードで動作する通信装置151と接続するための接続情報(SSIDやパスワード)を受信する。その後CPU103は、情報処理装置101と、接続設定モード専用のAPとの間の接続を切断し、受信した接続情報を用いて、ダイレクト接続モードで動作する通信装置151と情報処理装置101との間の接続を確立する。また上述したように、設定方法1での通信において利用される通信プロトコルは、SNMPであるものとする。その後CPU103は、本フローチャートの処理を終了する。
【0124】
S502の判定がYESである場合に実行されるS510では、CPU103は、通信装置151に設定する接続モードを選択するための接続モード選択画面を表示する。そしてCPU103は、接続モード選択画面においてユーザから受け付けた入力に対応する接続モードを、通信装置151に設定する接続モードとして選択する。本処理は、S505と同様である。
【0125】
S511にて、CPU103は、S510にてインフラ接続モードが選択されたか否か(ダイレクト接続モードが選択されたか)を判定する。本判定がYESである場合、S512に進み、本判定がNOである場合、S509に進む。
【0126】
S512にて、CPU103は、設定方法2によってインフラ設定情報を通信装置151に送信する。具体的には、まずCPU103は、情報処理装置101が現在(すなわち、所定の操作が受け付けられたとき)接続しているAPのAP情報を一時的にRAM105に保存しておく。なおこのとき、情報処理装置101が現在接続しているAPがない場合には、本処理はスキップされる。その後、CPU103は、所定の設定アプリケーションプログラムを起動し、当該プログラムの画面をフォアグラウンドに表示する。これにより、通信装置151用セットアッププログラムはバックグラウンドに移行する。所定の設定アプリケーションプログラムが起動された後は、通信装置151用セットアッププログラムは、所定の設定アプリケーションプログラムにおいて実行された処理の情報を適宜取得する。所定の設定アプリケーションプログラムは、通信装置151と接続させるAPを選択する画面が表示される。また当該画面には、情報処理装置101が現在接続しているAPがある場合は該当APが含まれる。そして、情報処理装置101が現在接続しているAPがユーザによって選択された場合、所定の設定アプリケーションプログラムは、当該APと接続するためのパスワードを、OSから取得する。すなわち、当該パスワードは、通信装置151用セットアッププログラムや所定の設定アプリケーションプログラムに対するパスワードのユーザ入力無しに取得される。なお、情報処理装置101が現在接続しているAP以外のAPがユーザによって選択された場合は、選択されたAPと接続するためのパスワードをOSが保持しているならば該当パスワードがOSから取得される。選択されたAPと接続するためのパスワードをOSが保持していないのならば該当パスワードが所定の設定アプリケーションプログラムに対するパスワードのユーザ入力によって取得される。そして、所定の設定アプリケーションプログラムは、情報処理装置101が現在(すなわち、所定の操作が受け付けられたとき)接続しているAPと情報処理装置101との間の接続を切断する。そしてその後、所定の設定アプリケーションプログラムは、設定方法2用状態で動作している通信装置151と情報処理装置101とを接続し、選択されたAPの接続情報(取得したパスワードや、SSID)が送信される。その後、所定の設定アプリケーションプログラムは、通信装置151と情報処理装置101との間の接続を切断し、選択されたAPと情報処理装置101との間の接続を確立する。その後、通信装置151用セットアッププログラムの画面が、フォアグラウンドに表示される。上述したように、設定方法2での通信において利用される通信プロトコルは、HTTPであるものとする。その後本フローチャートの処理を終了する。
【0127】
以上の構成により、ユーザが情報処理装置101を使用して通信装置151の接続設定を実行する場合において、接続設定モードのタイムアウト時間を設定させることができる。これにより、ユーザはより簡単に接続設定の変更を実行できる機会が増えることでユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0128】
なお上述したように本実施形態では、通信装置151は、さまざまな条件で、接続設定モードでの動作を開始することができる。具体的には例えば、通信装置151は、ソフトオン状態に移行し、且つ初期設定が完了していないこと(条件1)に基づいて、S306で接続設定モードでの動作を開始する。また例えば、通信装置151は、ソフトオン状態に移行し、且つ初期設定が完了していること(条件2)に基づいて、S326で接続設定モードでの動作を開始する。また例えば通信装置151は、接続設定モードを開始するための所定の操作(接続設定モード領域203の操作や接続設定モードボタン211の操作)を受け付けたこと(条件3)に基づいて、接続設定モードでの動作を開始する。また例えば、通信装置151が、リセット操作を受け付けたこと(条件4)に基づいて、接続設定モードでの動作を開始する。また例えば、条件1に基づいて開始された接続設定モードがタイムアウトにより停止された後に初期設定処理が完了したこと(条件5)に基づいて、接続設定モードでの動作を開始する。そこで通信装置151は、タイムアウト時間を、接続設定モードでの動作が開始された条件に応じて異ならせても良い。本実施形態では、条件1において接続設定モードが開始された場合に用いられる、変更前の設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間が、その他の条件において接続設定モードが開始される場合に用いられる設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間より長いものとする。例えば、条件1において接続設定モードが開始された場合に用いられる、変更前の設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間が60分に設定され、その他の条件において接続設定モードが開始された場合に用いられる、設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間が15分に設定される。なお、設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間は、接続設定モードでの動作の開始条件によらず一律同じであっても良い。また本実施形態では、条件1において接続設定モードが開始された場合に用いられる設定方法1用タイムアウト時間や設定方法2用タイムアウト時間は、タイムアウト時間変更処理によって変更されることがあるが、その他の条件において接続設定モードが開始された場合に用いられる設定方法1用タイムアウト時間や設定方法2用タイムアウト時間は変更されることがないものとする。なお上記ケースの全てで接続設定モードでの動作が開始される必要はなく、上記条件のうち、接続設定モードでの動作が開始されない条件があっても良い。また上述したように、本実施形態では、USBケーブルや有線LANケーブルが接続されているか否かに応じて、接続設定モードで通信装置151を動作させるか否かを切り替える切り替え処理が実行されている。例えば条件1、条件2、条件4、条件5で開始される接続設定モードでは切り替え処理が実行されるが、条件3で開始される接続設定モードでは切り替え処理が実行されず、接続設定モードを開始するための所定の操作が実行された場合に必ず接続設定モードで通信装置151を動作させる形態としても良い。
【0129】
(第2実施形態)
第2実施形態では、情報処理装置101が実行する、通信装置151に接続設定処理を実行させるための処理として、第1実施形態とは異なる形態の処理を実行する形態について説明する。なお通信装置151側の処理は、特記しない限り第1実施形態と同様である。
【0130】
図6は、情報処理装置101が実行する、通信装置151に接続設定処理を実行させるための処理を示すフローチャートである。なお、該フローチャートは、CPU103が、ROM104や外部記憶装置(不図示)に格納されている通信装置151用セットアッププログラムをRAM105にロードし、その通信装置151用セットアッププログラムを実行することにより実現されるものとする。なお本フローチャートは、設定指示が通信装置151用セットアッププログラムが表示する画面においてユーザから受け付けられたことにより開始される。
【0131】
まず、S601にて、CPU103は、情報処理装置101が現在(すなわち、所定の操作が受け付けられたとき)接続しているAPのAP情報を一時的にRAM105に保存しておく。なおこのとき、情報処理装置101が現在接続しているAPがない場合には、本処理はスキップされる。
【0132】
次に、S602では、CPU103は、通信部109を介して、情報処理装置101がアクセス可能なAPのサーチを行う。APのサーチは、セットアッププログラムの起動時に自動で実行されてもよいし、ユーザによる指示に応答して実行されてもよい。APのサーチは、各APが送出するビーコンを、通信部109が受信することによって行われる。
【0133】
S603では、CPU103は、操作表示部108に、S602のAPサーチによって発見されたAPの一覧(APサーチ結果)を表示させる。このとき、例えば、CPU103は、各APの持つSSIDの一覧を表示させる。なお、S603において、CPU103は、接続設定モード専用のAPのSSIDを構成する上述の規則に沿った形式のSSIDを有するAPを自動で抽出し、表示する構成としても良い。このとき、上述の規則に沿った形式のSSIDが複数あった場合、それら複数のSSIDを表示させ、そこからユーザに選択させる。また、この構成とする場合、後述のS605における処理は行わなくても良い。
【0134】
S603においてAPの表示が行われると、ユーザは、サーチ結果から、接続モードの設定対象となる通信装置に対応するAPを選択する。これによりCPU103は、APの選択を受け付ける。
【0135】
S604では、CPU103は、S603で選択されたAPが、セットアッププログラムによる設定対象の通信装置に対応するAPであるか否かを判定する。このとき、具体的には、CPU103は、選択されたAPが接続設定モード専用のAPのSSIDを構成する上述の規則に沿った形式のSSIDを有するAPであるか否かを判定する。設定対象の通信装置内のAPでないと判定された場合は、CPU103は、再度、ユーザによるAPの選択を検出するのを待つ。なお、このとき、CPU103は、適切でないAPが選択された旨をユーザに伝えるための画面を操作表示部108に表示してもいい。また、設定対象となる通信装置に対応するAPが存在しない、またはユーザの所望の通信装置内のAPが存在しない場合は、CPU103は、S603に戻るが、本フローチャートの処理を終了する構成としても良い。
【0136】
なお、上述では、S603~S604の処理により、接続モードの設定対象となる通信装置のAPをユーザに手動で選択させる構成を説明したが、この形態に限定されない。例えば、CPU103は、S602でサーチしたAPから、上述の規則に沿った形式のSSIDを有するAPを、接続モードの設定対象となる通信装置のAPとして自動で選択しても良い。
【0137】
S603で設定対象となる通信装置(ここでは通信装置151とする)が選択された場合、CPU103は、情報処理装置101と通信装置151とが無線接続を行うためのパラメータ(接続情報)の交換などを行う。なお、接続設定モード専用のAPと接続するための接続情報は、セットアッププログラムによって予め保持されている。そうすることで、情報処理装置101は、接続設定モード専用のAPに接続し、通信装置151との通信を確立する。
【0138】
続いて、S605にて、CPU103は、通信装置151に設定させる接続モードの選択をユーザから受け付ける接続モード選択画面を表示する。なお接続モード選択画面に表示される選択肢として、本実施形態では、インフラ接続モードとダイレクト接続モードとがあるものとする。また例えば、通信装置151に設定させる接続モードをインフラ接続モードとダイレクト接続モードからセットアッププログラムが自動で選択するためのボタンが接続モード選択画面に表示されても良い。そのボタンが押されたら、CPU103は、所定の操作が受け付けられたときに情報処理装置101がAPに接続していた場合にはインフラ接続モードを選択する。そしてCPU103は、所定の操作が受け付けられたときに情報処理装置101がAPに接続していなかった場合にはダイレクト接続モードを選択する。
【0139】
S606にて、CPU103は、接続モード選択画面においてインフラ接続モードが選択されたか否かを判定する。本判定がYESである場合、S607に進み、本判定がNOである場合、S610に進む。
【0140】
S607にて、CPU103は、通信装置151が設定方法2に対応しているか否かを判定する。なお上述したように通信装置151は、設定方法2用状態で動作しているときには、所定のビーコンを送信している。そのため例えば、CPU103は、通信装置151が送信している所定のビーコンを受信した場合に、通信装置151が設定方法2に対応しているものとして判定する。そして、通信装置151が送信している所定のビーコンを受信できなかった場合に、通信装置151が設定方法2に対応していないものとして判定する。なお本判定における判定方法はこの方法に限定されない。例えば、CPU103は、情報処理装置101と通信装置151との間の接続を介して、通信装置151から、通信装置151が設定方法2に対応しているかを示す情報を受信し、その情報の内容に基づいて本判定を実行しても良い。なお通信装置151が設定方法2に対応していることとは、通信装置151が設定方法2用状態で動作していることに対応する。そして、通信装置151が設定方法2に対応していないこととは、通信装置151が設定方法2用のプロトコルを利用できない機種であることや、通信装置151が設定方法2用のプロトコルを利用できるが、設定方法2用状態で動作していないことに対応する。本判定がYESである場合、S608に進み、本判定がNOである場合、S610に進む。
【0141】
S608にて、CPU103は、複数の設定方法(ここでは設定方法1と設定方法2)のうちいずれかを選択するための設定方法選択画面を表示する。その後ユーザは、設定方法選択画面においていずれかの設定方法を選択し、CPU103は、選択結果を受け付ける。
【0142】
S609にて、CPU103は、S608にて受け付けられた選択結果に基づいて、ユーザによって設定方法1が選択されたか否か(設定方法2が選択されたか)を判定する。本判定がYESである場合、S610に進み、本判定がNOである場合、S611に進む。
【0143】
S610にて、CPU103は、設定方法1によって、設定情報を通信装置151に送信する。具体的にはCPU103は、S601にて一時的にRAM105に保存したAP情報をインフラ設定情報として、S604後に接続した接続設定モード専用のAPを介して通信装置151に送信する。通信装置151は、該AP情報を受信することで、該AP情報に基づいたAP経由で接続可能なインフラ接続モードに設定される。なおここでは、S601にて一時的にRAM105に保存したAP情報以外のAP情報が送信されても良い。例えば、通信装置151が検索により発見したAPのリストから選択されたAP情報が送信されても良いし、情報処理装置101が検索により発見したAPのリストから選択されたAP情報が送信されても良い。また例えば、ユーザが入力したSSIDに対応するAP情報が送信されても良い。またS610では、CPU103は、送信されるAP情報に対応するパスワードの入力を、ユーザから受け付け、入力されたパスワードも、インフラ設定情報として送信されるものとする。なおここでは、インフラ設定情報ではなく、例えば、WFDモードやソフトAPモード等、他の接続モードを通信装置151に設定するための設定情報が送信されても良い。通信装置151に設定する接続モードは、例えば、セットアッププログラムによって表示される画面を介してユーザの選択を受け付けることで決定されても良いし、情報処理装置101の通信環境に基づいてセットアッププログラムによって自動で決定されても良い。例えば、通信装置151に接続モードを設定する際に、情報処理装置101がいずれかのAPに接続している場合は、通信装置151に設定する接続モードとしてインフラ接続モードが選択される。また例えば、通信装置151に接続モードを設定する際に、情報処理装置101がいずれのAPにも接続していない場合は、通信装置151に設定する接続モードとしてWFDモードやソフトAPモード等のP2P方式の接続モードが選択される。
【0144】
S611にて、CPU103は、設定方法2によって、設定情報を通信装置151に送信する。なおこのとき送信される設定情報に含まれるパスワードは、上述したように、通信装置151用セットアッププログラムがユーザ入力を受け付けることによって取得されるものではなく、OSから自動で取得されるものである。
【0145】
S612にて、CPU103は、接続設定モード専用のAPへの接続を切断して、S601にて一時的にRAM105に保存したAP情報に基づくAPに再度接続する。これにより、当該AP情報が通信装置151に送信されており、通信装置151が、当該AP情報に基づくAPに接続していたならば、通信装置151と該APを介して通信可能となる。通信可能となった場合、CPU103は、情報処理装置101が今後接続する通信装置として、通信装置151をRAM105に登録する。その後、CPU103は、セットアッププログラムを終了する。
【0146】
なお、S602からS604の処理は、セットアッププログラムによって行うとは限らず、情報処理装置101にインストール済みの他のアプリなどによって接続設定モード専用のAPをサーチし、セットアッププログラムがその結果を取得する構成としてもよい。
【0147】
また、上述では、CPU103は、接続設定モード専用のAPを介して通信装置151と通信しているため、IEEE802.11シリーズに準拠した通信規格(すなわち、Wi-Fi(登録商標))で、設定情報を通信装置151に送信していた。しかしながらこの形態に限定されず、CPU103は、例えば、IEEE802.11シリーズに準拠した通信規格と異なる通信規格で、設定情報を通信装置151に送信してもよい。このとき利用される通信規格は、例えば、Bluetooth Classic(登録商標)、Bluetooth Low Energy(登録商標)、Near Field Communication、Wi-Fi Aware等である。このような形態とすることで、CPU103は、インフラ接続モードで使用されるAPとのWi-Fiによる接続を維持したまま、他の通信規格で、通信装置151に設定情報を送信することができる。
【0148】
(その他の実施形態)
上述では、初期設定処理後にまだ接続設定モードで動作していた場合は、2つのタイムアウト時間変更処理のうち少なくとも一方が実行される形態を説明したが、この形態に限定されない。残り時間によっては変更処理が実行されないケースがあっても良い。具体的にはS319の判定がYESである場合に、タイムアウト時間変更処理1が実行されるが、S319の判定がNOである場合に、タイムアウト時間変更処理2が実行されずにS322に進む構成であっても良い。
【0149】
また上述では、タイムアウト時間変更処理が実行される前の設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間は同一であるものとしたが、この形態に限定されない。すなわち、設定方法1用タイムアウト時間と設定方法2用タイムアウト時間はそれぞれ異なる形態であっても良い。このとき設定方法2用タイムアウト時間が設定方法1用タイムアウト時間より小さくなるよう設定される形態であっても良い。
【0150】
また上述では、タイムアウト時間変更処理1において、設定方法2用タイムアウト時間と設定方法2の経過時間のうち少なくとも一方が変更され、設定方法1用タイムアウト時間と設定方法1の経過時間は変更されない形態を説明したが、この形態に限定されない。例えば、タイムアウト時間変更処理1において、設定方法1用タイムアウト時間と設定方法1の経過時間のうち少なくとも一方が変更され、設定方法2用タイムアウト時間と設定方法2の経過時間は変更されない形態であっても良い。また、設定方法1用タイムアウト時間と設定方法1の経過時間のうち少なくとも一方と、設定方法2用タイムアウト時間と設定方法2の経過時間のうち少なくとも一方が変更される形態であっても良い。なお設定方法1用タイムアウト時間と設定方法1の経過時間のうち少なくとも一方が変更される場合は、その変更方法は、タイムアウト時間変更処理1で説明した、設定方法2用タイムアウト時間と設定方法2の経過時間のうち少なくとも一方の変更方法と同様である。
【0151】
また上述では、通信装置151は、設定方法1用状態での動作と設定方法2用状態での動作両方を実行可能な形態を説明したが、この形態に限定されない。例えば、設定方法2用状態での動作のみ実行可能な形態であっても良い。その場合、設定方法1用経過時間はカウントされず、タイムアウト時間変更処理では、設定方法2用タイムアウト時間のみ変更されることになる。またその場合、S319の判定を実行せず、タイムアウト時間引く経過時間が必ず所定の値(例えば15分)になるように制御しても良い。 上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータで連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウェアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
【符号の説明】
【0152】
101 情報処理装置
151 通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6