(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】活性物質の放出速度の制御を可能にする、前記活性物質を封入するための脂質組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 47/44 20170101AFI20241028BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20241028BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20241028BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20241028BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20241028BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20241028BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20241028BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20241028BHJP
【FI】
A61K47/44
A61K9/48
A61K9/20
A61K9/14
A61K47/26
A61K47/24
A61K47/10
A61K47/14
(21)【出願番号】P 2021520588
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(86)【国際出願番号】 FR2019052454
(87)【国際公開番号】W WO2020079367
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-08-23
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ファゲ、ソフィ
(72)【発明者】
【氏名】ルフェブル、サンドラ
【審査官】清野 千秋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第91/005548(WO,A1)
【文献】特表2000-504038(JP,A)
【文献】特開昭57-099170(JP,A)
【文献】特開昭54-110318(JP,A)
【文献】特開平07-136192(JP,A)
【文献】DRUG DEVELOPMENT AND INDUSTRIAL PHARMACY,1995年,21(7),pp.793-807
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 47/44
A61K 9/48
A61K 9/20
A61K 9/14
A61K 47/26
A61K 47/24
A61K 47/10
A61K 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮、コンパクティング、押出成形及びペレット化から選択される機械的応力を伴って形成されるガレノス製剤に用いる脂質組成物であって、その重量の100%あたり、
- 40重量%~99.9重量%の成分であって、その重量の100%あたり90重量%~100重量の蜜蝋及び最大で10重量%の少なくとも1つの他の脂質賦形剤を含む成分、
- 0.1重量%~60重量%の、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン及びモノオレイン酸ソルビタンから選択されるソルビタンエステル、及び、ジステアリン酸グリセロールから選択される少なくとも1つの親油性界面活性剤
を含む脂質組成物。
【請求項2】
前記脂質賦形剤は、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス又は水素化植物油から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の脂質組成物。
【請求項3】
前記親油性界面活性剤は、前記ソルビタンエステルから選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の脂質組成物。
【請求項4】
前記親油性界面活性剤は、モノステアリン酸ソルビタンからの親油性界面活性剤であることを特徴とする、請求項1又は3に記載の脂質組成物。
【請求項5】
0~20%の1つ以上の親水性界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の脂質組成物。
【請求項6】
1つ又は複数の前記親水性界面活性剤は、大豆レシチン、エトキシル化ソルビタンエステル、ポリエトキシル化アルコール、ポリエトキシル化酸、ポリグリセロールエステル、グルコースエーテル並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の脂質組成物。
【請求項7】
前記親油性界面活性剤は、前記ソルビタンエステルであり、且つ前記親水性界面活性剤は、ポリエトキシル化ソルビタンエステルから選択されることを特徴とする、請求項5に記載の脂質組成物。
【請求項8】
- 75%の蜜蝋、
- 20%のモノステアリン酸ソルビタン、及び
- 5%の、20モルのエチレンオキシドでポリエトキシル化されたオレイン酸ソルビタン(又はポリソルベート80)
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の脂質組成物。
【請求項9】
- 50%の蜜蝋、
- 45%のモノステアリン酸ソルビタン、及び
- 5%の、20モルのエチレンオキシドでポリエトキシル化されたオレイン酸ソルビタン(又はポリソルベート80)
を含むことを特徴とする、請求項7に記載の脂質組成物。
【請求項10】
0~20%の少なくとも1つのコーティング補助剤を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の脂質組成物。
【請求項11】
前記1つ又は複数のコーティング補助剤は、希釈剤、調味料、食欲促進剤、着色剤、酸化防止剤、可塑剤、消泡剤及び崩壊剤から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の脂質組成物。
【請求項12】
- 請求項1~11のいずれか一項に記載の少なくとも1つの脂質組成物、及び
- 少なくとも1つの活性製薬、予防又は食品物質
を含む徐放性組成物(C
A)を含むガレノス製剤を製造する方法であって、少なくとも、
a)請求項1~11のいずれか一項に記載の脂質組成物を調製するステップ、
b)活性製薬、予防又は食品物質を、ステップa)において調製された前記脂質組成物と混合及び封入して、前記組成物(C
A)を得るステップ、及び
c)機械的応力を伴って、ステップb)で調製された前記組成物(C
A)をガレノス形成するステップ
を含み、
機械的応力を伴う前記ガレノス形成ステップは、圧縮
、コンパクティング
、押出成
形及びペレット化から選択される、方法。
【請求項13】
前記混合及び封入ステップb)は、
- ステップa)において調製された前記脂質組成物を、前記脂質組成物の種々の成分の最高融点よりも10~15℃高い温度まで加熱して、前記脂質組成物を融解させる第1のサブステップ、
- 前記融解された脂質組成物を、分散又は融解された形態で前記活性物質と混合する第2のサブステップ、及び
- 前記第2のサブステップにおいて得られた前記組成物を周囲又は冷却空気中若しくは冷却液体中に噴霧して、組成物(C
A)の固体化された粒子を得る第3のサブステップ
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂質組成物、前記脂質組成物を含み、且つそれが含む活性物質の放出速度の制御を可能にする徐放性組成物及び徐放性組成物を含むガレノス製剤を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト及び獣医学的製薬製並びに補助食品産業からの製材において開発及び使用される有効成分は、関連するガレノス形態の製造中(特に特定のプロセスに使用される高温、酸化現象など)、及び/又は前記ガレノス形態の寿命中、及び/又はヒト若しくは動物体内での消費中であるかどうかにかかわらず、前記ガレノス形態が消費者の体内に存在する分解及び/又は消化分子と接触するとき、環境要因に影響されやすい。
【0003】
加えて、これらのガレノス形態に存在する有効成分の全部又は一部を構成する分子は、直接消費と相容れない感覚刺激特性:不快な味、不適切な臭いなどがあり得る。
【0004】
目標とされる栄養的又は治療的な利点をもたらすために、カプセル、ハードカプセル、タブレット又は食物に導入される分子は、同じ速度及び同じ環境で溶解するべきではない。
【0005】
多くの活性分子が、封入と言われるプロセスに関与することは、特にこれらの種々の理由のためである。封入プロセスの目的は、少なくとも1つの有効成分を含む組成物(CA)を調製することである。この封入プロセスは、少なくとも1つの有効成分を特定の外部環境との望ましくない相互作用から保護する機能と、その意図された治療的又は栄養的機能を達成するために活性成分の放出が可能な条件の別の環境に前記有効成分を輸送する機能とを有する。このプロセスは、当業者によって「直接機能化」と呼ばれるプロセスの特定の例である。
【0006】
「直接機能化」という用語は、特定の製剤の実施及び特定のプロセスによる、活性製薬成分の少なくとも1つの物理化学的特性の変更を意味することが理解される。
【0007】
最も有名な封入技術の中で、主に親水性化合物を利用する技術が挙げられ得るが、主に疎水性化合物を利用する技術、例えば「噴霧冷却(spray chilling)」又は「噴霧冷却(spray cooling)」とも呼ばれる「プリル化」技術、すなわち固体球形態を得るための少なくとも1つの活性剤を含有する脂質形態の霧化ステップを含む技術、凝固技術、ホットメルトコーティング技術、ホットメルト押出成形技術、融解粒状化技術、ペレット化技術、球形化技術、熱粒状化技術なども挙げられ得る。
【0008】
したがって、特に封入技術によるこのような「直接機能化」は、例えば、揮発性化合物などの本質的に不安定である特定の化合物の安定化、酸化現象の防止及び薬剤又は栄養的活性の全体的な保護の利点を示すことができる。
【0009】
特に封入技術による初期の「直接機能化」におけるこのようなステップは、ホスト有機体における活性剤の放出の動力学に影響を及ぼす可能性がある。この影響は、多くの場合、特に味、臭いを隠す目的のため又はヒト若しくは動物体内の目標とされる生物学的ゾーンにおいて活性剤の遅延徐放を得るために後に求められる。
【0010】
活性剤の放出プロフィールに対する、このような「直接機能化」ステップの影響は、治療的、又は予防的、又は栄養的組成物の開発段階中に考慮される。
【0011】
しかしながら、規模拡大段階中、ガレノス形態に対する機械的応力を含む産業的形成ツールが使用されており、当業者は、そのようなツールの使用を必要としない規模で最初に試験された製剤と比較して、徐放プロフィールの望ましくない変化の繰り返される課題に直面していることを認識している。
【0012】
一例として、「直接機能化」後の活性剤の放出プロフィールは、圧縮プロセスなどの有意な機械的応力を誘導するプロセスにおける使用に続いて、大幅に変更、促進又は遅延され得る。したがって、初期の「機能化」によって誘導される脂質保護は、圧縮中に「保護シェル」の弱化によって損なわれる可能性があり、それにより活性剤の促進された放出プロフィールが誘導され得る。
【0013】
これらの長期放出製剤をガレノス形成する下流のステップ中、機能化後に得られ、且つ実行される活性剤の放出プロフィールが有意に影響を受ける可能性があり、且つガレノス形成前の活性剤の放出プロフィールに対して有意差を示す可能性があることが観察された。したがって、機能化後の活性剤の放出プロフィールは、例えば、圧縮ステップなど、機能化された活性剤を調製するプロセスにおける有意な機械的応力と関係するステップの実施後、大幅に変更、促進又は遅延され得る。より詳細には、一例として、初期の機能化によって誘導される脂質保護は、圧縮中に「保護シェル」の弱化によって損なわれ得、それにより活性剤の促進された及び望ましくない放出プロフィールが誘導される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
現在まで且つ本出願人が知る限り、当業者は、有意な機械的応力を利用する少なくとも1つのステップを含むプロセスによって調製される前記製剤、及び/又はガレノス形態に対して有意な機械的応力を実施する少なくとも1つのステップを含む調製プロセスによってその放出プロフィールが変更されない、遅延されたか又は長期の様式で放出される有効成分を含む製剤を開発及び製造することを可能にする解決策を有さない。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の解決策は、脂質組成物であって、その重量の100%あたり、
- 40重量%~99.9重量%、より特に40重量%~98重量%、なおより特に40重量%~95重量%の成分であって、その重量の100%あたり90重量%~100重量%の蜜蝋及び最大で10重量%の少なくとも1つの他の脂質賦形剤を含む成分、
- 0.1重量%~60重量%、より特に2重量%~60重量%、なおより特に5重量%~60重量%の、ポリエトキシル化脂肪酸、脂肪二塩基酸及びポリエチレングリコールのエステル、ポリグリセロール及び脂肪酸のエステル、プロピレングリコール及び脂肪酸のエステル、プロピレングリコールのエステル及びグリセロールのエステルの混合物、脂肪酸ジグリセリド、ステロール及びステロールの誘導体、脂肪酸及びソルビタンのエステル、ソルビタン、ポリエチレングリコール及び脂肪酸のエステル、ポリエチレングリコール及びアルキルのエーテル、サッカロースエステル並びにポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマーから選択される少なくとも1つの親油性界面活性剤
を含む脂質組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による組成物は、周囲温度で固体である種々の形態(ビーズ、球、スケール、フレーク、パールなど)であり得る。それは、主に動物又はヒトの製薬、治療及び/又は予防産業領域、補助食品及び/又はヒト及び動物用食品産業において活性剤を形成するために意図される。
【0017】
本発明の目的に関して、「脂質賦形剤」という用語は、120℃以下、好ましくは100℃以下の融点を有し、周囲温度(15℃以上及び30℃以下)において固体であり、且つ水中で不溶性又は難溶性である賦形剤を意味するものとして理解される。
【0018】
本発明による組成物において使用される蜜蝋は、黄色又は白色であり、E901数によって示され、且つ60~67℃の融点を有する。
【0019】
親油性界面活性剤に関して、本明細書中、「親油性」及び「親水性」という用語が相対語であることが明示される。非イオン両親媒性化合物の相対的な親油性及び親水性を特徴付けけるために一般に使用される経験的なパラメーターは、親水性-親油性バランス(すなわち「HLB」として知られる値)である。
【0020】
したがって、より低いHLB値を有する界面活性剤は、より親油性であり、油中でより高い溶解度を有するが、それに対して、より高いHLB値を有する界面活性剤は、より親水性であり、水溶液中でより高い溶解度を有する。
【0021】
指標としてHLB値を使用して、親水性界面活性剤は、10以上のHLB値を有する化合物、更にHLBスケールが一般に適用できないアニオン、カチオン又は双性イオン化合物であるものとして一般に考えられる。同様に、親油性界面活性剤は、約10未満のHLB値を有する化合物である。両方の場合において、「約」という用語は、誘導される変動のために記載される。
【0022】
場合により、本発明による脂質組成物は、以下の特徴の1つ以上を有し得る:
- 脂質賦形剤は、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物性ワックス、合成ワックス又は水素化植物油から選択される;
- 親油性界面活性剤は、脂肪酸及び糖のエステルから選択される;
- 親油性界面活性剤は、ソルビタンエステルの系統群、より特にモノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン及びモノオレイン酸ソルビタンからなる群からの要素、なおより特にモノパルミチン酸ソルビタン又はモノステアリン酸ソルビタン、なおより特にモノステアリン酸ソルビタンからの親油性界面活性剤である;
- 前記組成物は、0~20重量%、より特に0重量%~10重量%の1つ以上の親水性界面活性剤を含む;
- 1つ又は複数の親水性界面活性剤は、大豆レシチン、ポリエトキシル化ソルビタンエステル、ポリエトキシル化アルコール、ポリエトキシル化酸、ポリグリセロールエステル、グルコースエーテル並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーから選択される;
- 親油性界面活性剤は、ソルビタンエステルであり、且つ親水性界面活性剤は、ポリエトキシル化ソルビタンエステルから選択される;
- 前記組成物は、80%の蜜蝋、20%のステアリン酸ソルビタンを含む;
- 前記組成物は、94%の蜜蝋、1%のステアリン酸ソルビタン及び5%の、20モルのエチレンオキシドでポリエトキシル化されたオレイン酸ソルビタン(ポリソルベート80とも呼ばれる)を含む;
- 前記組成物は、75%の蜜蝋、20%のステアリン酸ソルビタン及び5%の、20モルのエチレンオキシドでポリエトキシル化されたオレイン酸ソルビタン(ポリソルベート80とも呼ばれる)を含む;
- 前記組成物は、50%の蜜蝋、45%のステアリン酸ソルビタン及び5%の、20モルのエチレンオキシドでポリエトキシル化されたオレイン酸ソルビタン(ポリソルベート80とも呼ばれる)を含む;
- 前記組成物は、0~20重量%、より特に0~10重量%の少なくとも1つのコーティング補助剤を含む;
- 1つ又は複数のコーティング補助剤は、希釈剤、調味料、食欲促進剤、着色剤、酸化防止剤、可塑剤、消泡剤及び崩壊剤から選択される。
【0023】
脂質賦形剤に関して、
- 動物性ワックスとしては、52~55℃の融点を有する鯨蝋、37~44℃の融点を有するラノリン及び77~90℃の融点を有するセラックが挙げられ得;
- 植物性ワックスとしては、78~88℃の融点を有するカルナウバ蝋、67~79℃の融点を有するカンデリラ蝋及び78℃までの融点を有する米糠ワックスが挙げられ得;
- 鉱物性ワックスとしては、50~71℃の融点を有するパラフィン及び54~102℃の融点を有する微結晶ワックスが挙げられ得;
- 合成ワックスとしては、フィッシャー-トロプシュワックス、ポリエチレン(若しくはポリプロピレン)ワックス、ポリ(エチレンオキシド)又はポリ(プロピレンオキシド)ワックスなどが挙げられ得;
- 水素化植物油としては、58~62℃の融点を有するパーム油及び61~65℃の融点を有するステアリンが挙げられ得る。
【0024】
親油性界面活性剤の中で、以下が挙げられ得る。
- ステアリン酸、パルミチン酸、ケトステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸から選択される脂肪酸と、グリセロールとのエステル;
- ステアリン酸、パルミチン酸、ケトステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸のアルコールである脂肪アルコールと、例えば還元糖、より特にグルコース、キシロース、アラビノース、マンノース又はサッカロースである糖とのエーテル;
- ステアリン酸、パルミチン酸、ケトステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸のマグネシウム、亜鉛又はカルシウム塩などの脂肪酸の二価塩;
- プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドによって縮合される脂肪アルコール;
- プロピレン又はブチレンオキシドが豊富であるアルコキシド(エチレン、プロピレン、ブチレンなど)のブロックコポリマー;
- ステアリン酸、パルミチン酸、ケトステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸から選択される脂肪酸と、例えばグルコース、ソルビトール、マンニトース、マンニトール、サッカロース、マンノース、キシリトール又はキシロースである糖とのエステル;
- 脂肪酸及び糖のエステルの中で、脂肪酸及びソルビトールのエステル並びに脂肪酸及びソルビタンのエステルが挙げられ得る。
【0025】
本発明の主題である組成物と組み合わせることができるソルビタンエステルの中で、以下が挙げられ得る。
- 商標名Montane(商標)20でSEPPICにより、且つ商標名Span(商標)20でCrodaにより販売されるモノラウリン酸ソルビタン、及びそれにより、
- 商標名Montane(商標)40でSEPPICにより、且つ商標名Span(商標)40でCrodaにより販売されるモノパルミチン酸ソルビタン、
- 商標名Montane(商標)60でSEPPICにより、且つ商標名Span(商標)60でCrodaにより販売されるモノステアリン酸ソルビタン、
- 商標名Montane(商標)80でSEPPICにより、且つ商標名Span(商標)80でCrodaにより販売されるモノオレイン酸ソルビタン、
- 商標名Montane(商標)85でSEPPICにより、且つ商標名Span(商標)85でCrodaにより販売されるトリオレイン酸ソルビタン、
- 商標名Montane(商標)83でSEPPICにより、且つ商標名Crill(商標)43でCrodaにより販売されるセスキオレイン酸ソルビタン、及びそれにより、
- 商標名Montane(商標)65でSEPPICにより、且つ商標名Span(商標)65でCrodaにより販売されるトリステアリン酸ソルビタン、
- 商標名Montane(商標)70でSEPPICにより、且つ商標名Crill(商標)6でCrodaにより販売されるモノイソステアリン酸ソルビタン。
【0026】
本発明による組成物は、任意選択的に、0~20%の、大豆レシチン、エトキシル化ソルビタンエステル、ポリエトキシル化アルコール、ポリエトキシル化酸、ポリグリセロールエステル、グルコースエーテル並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーから選択される1つ以上の親水性界面活性剤を含む。
【0027】
本発明の主題である組成物と組み合わせることができるエトキシル化ソルビタンエステルの中で、以下が挙げられ得る。
- 商標名Montanox(商標)20でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)20でCrodaにより販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリン酸ソルビタン、
- 商標名Tween(商標)21で販売される、4モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリン酸ソルビタン、
- 商標名Nikkol(商標)GL-IでNikkoにより販売される、6モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリン酸ソルビタン、
- 商標名Montanox(商標)40でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)40でCrodaにより販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノパルミチン酸ソルビタン、
- 商標名Montanox(商標)60でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)60でCrodaにより販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸ソルビタン、
- 商標名Montanox(商標)65でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)65でCrodaにより販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたトリステアリン酸ソルビタン、
- 商標名Montanox(商標)80でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)80でCrodaにより販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレイン酸ソルビタン、
- 商標名Montanox(商標)85でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)85でCrodaにより販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたトリオレイン酸ソルビタン、
- 商標名Montanox(商標)70でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)120でCrodaにより販売される、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノイソステアリン酸ソルビタン、
- 商標名Tween(商標)61でCrodaにより販売される、4モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸ソルビタン、
- 商標名Montanox(商標)81でSEPPICにより、且つ商標名Tween(商標)81でCrodaにより販売される、5モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレイン酸ソルビタン。
【0028】
親水性界面活性剤として、本発明の主題である組成物と組み合わせることができるエトキシル化脂肪アルコールの中で、2モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたオレイルアルコール、3モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたオレイルアルコール、5モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたオレイルアルコール、10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたオレイルアルコール、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたオレイルアルコール、4モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコール、7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコール、9モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコール、23モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコール、2モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたセチルアルコール、10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたセチルアルコール、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたセチルアルコール、2モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたステアリルアルコール、10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたステアリルアルコール、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたステアリルアルコール又は100モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたステアリルアルコールが挙げられ得る。
【0029】
親水性界面活性剤として、本発明の主題である組成物と組み合わせることができるエトキシル化脂肪酸の中で、4~200モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、特に4モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、6モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、7モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、8モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、50モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、100モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸又は200モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノラウリル酸、4~200モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレイン酸、特に1モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、2モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、4モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、5モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、6モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、8モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、9モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、50モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、100モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸又は200モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノオレインル酸、4~200モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、特に1モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、2モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、4モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、5モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、6モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、8モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、9モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、10モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、50モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、100モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、200モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸、300モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸又は1000モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたモノステアリン酸が挙げられ得る。
【0030】
親水性界面活性剤として、本発明の主題である組成物と組み合わせることができる水素化エトキシル化ヒマシ油の中で、5モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、7モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、10モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、20モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、25モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、30モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、40モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、45モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、50モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、60モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油、80モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油又は100モルのエチレンオキシドでエトキシル化された水素化ヒマシ油が挙げられ得る。
【0031】
本発明による組成物は、任意選択的に、0~20%の、希釈剤、可塑剤、消泡剤及び崩壊剤から選択される少なくとも1つのコーティング補助剤を含む。
【0032】
本発明の主題である組成物と組み合わせることができる希釈剤の中で、ラクトース、サッカロース、マンニトール、ソルビトール、キシロース、キシリトール、イソマルト、タルク、天然でんぷん、シリカ、二酸化シリカ及びステアリン酸マグネシウムが挙げられ得る。
【0033】
本発明の主題である組成物と組み合わせることができる可塑剤の中で、グリセロール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又は脂肪酸若しくは脂肪アルコールによる縮合のそれらの誘導体、ステアリン酸及びその誘導体、アセチル化モノグリセリド、例えばクエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル若しくはクエン酸アセチルトリブチルなどのクエン酸のエステル、トリアセチン、ソルビトール又はジブチルセッケート(seccate)が挙げられ得る。
【0034】
本発明の主題である組成物と組み合わせることができる消泡剤の中で、シリコーン誘導体が挙げられ得る。
【0035】
本発明の主題である組成物と組み合わせることができる崩壊剤の中で、セルロース誘導体、クロスポビドン、ナトリウムクロスカルメロース及びナトリウムスターチグリコレートが挙げられ得る。
【0036】
芳香剤、調味料、食欲促進剤、着色剤、顔料及び酸化防止剤などの他の補助剤は、本発明の主題である組成物と組み合わされ得ることに留意されたい。
【0037】
- 本発明による少なくとも1つの脂質組成物、及び
- 少なくとも1つの活性製薬、予防又は食品物質
を含む徐放性組成物(CA)も本発明の主題である。
【0038】
本発明によるこの組成物(CA)は、好ましくは、ヒト又は動物への経口投与のために意図される。
【0039】
別の好ましい実施形態によると、本発明による組成物(CA)は、固体状態である。
【0040】
製薬有効成分の中で、非ステロイド性の抗炎症薬及び抗リウマチ薬(ケトプロフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、フェニルブタゾン、アロプリノールなど)、鎮痛薬(パラセタモール、フェナセチン、アスピリンなど)、鎮咳薬(コデイン、コデチリン、アリメマジンなど)、ステロール(ヒドロコルチゾン、コルチゾン、黄体ホルモン、テストステロン、トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン、フルオシノロン、ベクロメタゾンなど)、バルビツール剤(バルビタール、アロバルビタール、フェノバルビタール、ペントバルビタール、アモバルビタールなど)、抗生物質(ペフロキサシン、スパルフロキサシン及びキノロン、テトラサイクリン、シネルジスチン、メトロニダゾールの種類の誘導体など)、アレルギーの治療のために意図された薬剤、気管支喘息治療薬、ビタミン(ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、D群のビタミン、ビタミンK)、鎮痙薬及び抗分泌剤(オメプラゾール)、心臓血管作用剤及び脳血管拡張神経(キナカイノール、オクスプレノロール、プロパノロール、ニセルゴリンなど)、脳保護剤、肝臓保護剤、消化管の治療剤、ワクチン、高血圧治療薬及び心臓保護剤、例えばベータ受容体遮断薬及びニトロ誘導体が挙げられ得る。
【0041】
栄養剤の中で、栄養の分野において通常使用される有効成分、例えば生理活性脂質、水溶性又は水分散性微量元素塩、水溶性又は脂溶性ビタミン、プレバイオティクス、プロバイオティクス、ミルクタンパク質及び/又はミルクタンパク質濃縮物、植物又は動物性酵素、アミノ酸、ペプチド、糖、調味料、香料、植物成分(ショウガの植物性抽出物、クルクミンの植物性抽出物、オトギリソウの植物性抽出物、カノコソウの植物性抽出物、ブルーベリー抽出物、ザクロ抽出物、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)抽出物、アーティチョーク抽出物、ハイビスカス抽出物)が挙げられ得る。
【0042】
生理活性脂質の中で、フィトステロール、例えば植物油から抽出されたもの、より特にシーバックソーン油、トウモロコシ油又は大豆油の抽出物;植物油から単離されるフィトステロール、例えばカンプエステロール、スチグマステロール及びブラシカステロールからなるコレスタチン(cholestatin);フィトスタノール;藻、緑色植物、真菌又は細菌から抽出される、テルペノイドの系統群に属するカロテノイド;オメガ-3群の高度不飽和脂肪酸、例えばα-リノレン酸、エイコサペンタエン酸又はドコサヘキサン酸;オメガ-6群の高度不飽和脂肪酸、例えばリノール酸、γ-リノレン酸、酸が挙げられ得る。
【0043】
本発明の主題であるコーティング組成物でコーティングされている、摂取可能な固体形態で使用される水溶性又は水分散性微量元素塩の中で、炭化第一鉄、塩化第一鉄四水和物、塩化第二鉄六水和物、クエン酸第一鉄六水和物、フマル酸第一鉄、乳酸第一鉄四水和物、硫酸第一鉄一水和物、硫酸第一鉄七水和物、アミノ酸水和物の第一鉄キレート、鉄グリシンキレート;ヨウ素酸カルシウム六水和物、無水ヨウ素酸カルシウム;ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム;酢酸コバルト四水和物、塩基性炭酸コバルト一水和物、炭酸コバルト六水和物、硫酸コバルト七水和物、硫酸コバルト一水和物、硝酸コバルト六水和物;酢酸第二銅一水和物、塩基性炭酸銅一水和物、塩化第二銅二水和物、メチオニン酸銅、硫酸第二銅五水和物、アミノ酸水和物の第一銅キレート、グリシン水和物の第一銅キレート、メチオニンのヒドロキシ類似体の銅キレート;炭酸第一マンガン、塩化第一マンガン四水和物、リン酸水素マンガン三水和物、硫酸第一マンガン四水和物、硫酸第一マンガン一水和物、アミノ酸水和物のマンガンキレート、グリシン水和物のマンガンキレート、メチオニンのヒドロキシ類似体のマンガンキレート;モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、亜セレン酸ナトリウム、セレン酸ナトリウム;サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、セレノメチオニン(不活性セレンイースト)及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)によって産生されるセレノメチオニン(不活性セレンイースト)によって産生されるセレンの有機形態が挙げられ得る。
【0044】
無機塩の中で、金属カチオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、鉄、銅、コバルト、銀、バリウム、ジルコニウム及びストロンチウムカチオンの塩、有機アニオン、例えば、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸、乳酸、マンデル酸、アスコルビン酸、ピルビン酸、フマル酸、グリセロリン酸、レチノイン酸、安息香酸、コウジ酸、リンゴ酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、プロピオン酸、ヘプタン酸、4-アミノ安息香酸、桂皮酸、ベンザルマロン酸、アスパラギン酸及びグルタミン酸から誘導されるアニオンからなる群の要素から選択されるカルボキシレート型の少なくとも1つのカルボン酸官能基を有する食用の有機アニオンの塩が挙げられ得る。
【0045】
無機塩の中で、特にグルコン酸亜鉛、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マンガン、グルコン酸銅、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グリセロリン酸マグネシウムが挙げられ得る。
【0046】
水溶性又は脂溶性ビタミンの中で、ビタミンA、より特にレチノール、酢酸レチニル、パルミチン酸レチニル又はβ-カロチンの形態のビタミンA、ビタミンD2、より特にエルゴカルシフェロール又は-ヒドロキシカルシフェロールの形態のビタミンD2、ビタミンD3、より特にコレカルシフェロールの形態のビタミンD3、ビタミンK、より特にフィロキノン(フィトメナジオン)又はメナキノンの形態のビタミンK、ビタミンB1、より特に塩酸チアミン、一硝酸チアミン、チアミンリン酸クロリド又はチアミンピロリン酸クロリドの形態のビタミンB1、ビタミンB2、より特にリボフラビン又はリボフラビン5’-リン酸ナトリウムの形態のビタミンB2、ビタミンB6、より特に塩酸ピリドキシン、ピリドキシン5’-リン酸又はピリドキサール5’-リン酸の形態のビタミンB6、ビタミンB12、より特にシアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、5’-デオキシアデノシルコバラミン又はメチルコバラミンの形態のビタミンB12、ビタミンC、より特にL-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸カルシウム、L-アスコルビン酸カリウム、6-パルミトイル-L-アスコルビン酸のカルシウム塩又はアスコルビルモノリン酸塩ナトリウムの形態のビタミンC、パントテン酸、より特にD-パントテン酸カルシウム、D-パントテン酸ナトリウム、デクスパンテノール又はパンテチンの形態のパントテン酸、ビタミンPP、より特にニコチン酸、ナイアシン、ニコチンアミド又はイノシトールヘキサニコチネート(イノシトールヘキサニコチン酸エステル)の形態のビタミンPP、ビタミンB9、より特に葉酸又は葉酸塩の形態、より特にプテロイルモノグルタミン酸、L-メチル葉酸カルシウム又はグルコサミン塩の形態の(6S)-5-メチルテトラヒドロ葉酸の形態のビタミンB9、ビタミンH2、B7又はBW、より特にビオチン、コリンの形態、より特に塩化コリン、クエン酸二水素コリン又は酒石酸水素コリン、イノシトール、カルニチンの形態、より特にL-カルニチン又はL-カルニチンL-酒石酸又はタウリンの形態のビタミンH2、B7又はBWが挙げられ得る。
【0047】
プレバイオティクスの中で、イヌリン、トランスガラクトオリゴ糖、フルクタン及びマンノオリゴ糖が挙げられ得る。
【0048】
プロバイオティクスの中で、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、バチルス・セレウス・トヨイ株(Bacillus cereus var.toyoi)、枯草菌(Bacillus subtilis)単独若しくはバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)と組み合わせた枯草菌(Bacillus subtilis)の種々の株又はエンテロコッカス・フェシウム(Enteroccocus faecium)、乳酸菌、より特にラクトバチルス、ビフィドバクテリア及び連鎖球菌の株が挙げられ得る。微生物のこれらの株は、一般に固体担体、例えば炭酸カルシウム、デキストロース又はソルビトールと組み合わされる。
【0049】
タンパク質及び/又はタンパク質濃縮物の中で、ミルク分解から得られるミルクタンパク質、例えば凍結乾燥若しくは霧化された粉末形態の初乳、精製されたか、又はIgG、ラクトフェリン若しくはラクトペルオキシダーゼが豊富にされたフラクションの粉末形態の乳清が挙げられ得る。植物又は動物性酵素の中で、プロムターゼ(Promutase)、過酸化物ジスムターゼ(SOD)、3-フィターゼ、6-フィターゼ、エンド-1,4-β-グルカナーゼ、エンド-1,4-β-キシラナーゼ又は消化を改善若しくは促進する他の酵素が挙げられ得る。
【0050】
ペプチドの中で、アボカドペプチド、ルピンペプチド、キヌアペプチド、マカペプチド、発酵若しくは未発酵大豆ペプチド、米ペプチド、アカシアマクロスタチア種子抽出物中に存在するペプチド又はトケイソウ子抽出物中に存在するペプチドが挙げられ得る。
【0051】
アミノ酸の中で、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピロリシン、セレノシステイン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、サルコシン又はオルニチンが挙げられ得る。
【0052】
糖の中で、水溶性多糖類又は低分子量の糖、例えばオリゴ糖類又は単糖類又は二糖類、例えばグルコース、ラクトース又はデキストロースが挙げられ得る。
【0053】
化学調味料の中で、グルタミン酸塩、例えばグルタミン酸、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウム、二グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸アンモニウム又は二グルタミン酸マグネシウム;グアニル酸塩、例えばグアニル酸(グアノシン一リン酸)、グアニル酸二ナトリウム、グアニル酸二カリウム又はグアニル酸カルシウム、イノシン酸塩、例えばイノシン酸、イノシン酸二ナトリウム、イノシン酸二カリウム又はイノシン酸カルシウム又は強甘味料、例えばステビア抽出物又はレバウジオシドが挙げられ得る。
【0054】
ガレノス製剤中における、ヒト又は動物のための活性製剤、治療、予防又は食品物質の封入のための、本発明による脂質組成物の使用も本発明の主題である。
【0055】
本発明の目的に関して、「封入」という用語は、脂質組成物及び1つ以上の有効成分を一緒にすることを可能にする操作を意味するものとして理解される。活性剤は、この「冷却された」脂質組成物によって形成されるシェル内に位置し得るか、又は脂質組成物中に分散し得る。
【0056】
最後に、本発明の最後の主題は、本発明による組成物(CA)を含むガレノス製剤を製造する方法であって、少なくとも、
a)本発明による脂質組成物を調製するステップ、
b)活性製薬、予防又は食品物質を、ステップa)において調製された脂質組成物と混合及び封入して、本発明による組成物(CA)を得るステップ、及び
c)機械的応力を伴って、ステップb)で調製された組成物(CA)をガレノス形成するステップ
を含む方法である。
【0057】
「機械的応力」という用語は、材料に作用し、且つ前記材料の形状又は特性を変更し得る張力又は圧力を意味するものとして理解される。本発明に関して、これは、最終ガレノス形態の調製のためのその使用(ステップc)中に組成物CAに加えられる応力である。
【0058】
さらに、本発明に関して、最終ガレノス形態における活性物質の放出プロフィールは、組成物CAにおける活性物質の放出プロフィールと類似であるか、又は大いに異ならないことに留意されたい。特に、機械的応力に対する抵抗、したがって放出プロフィールの変化がほとんどないか又は変化がないことが観察されるのは、本発明による脂質組成物のためである。
【0059】
ステップb)で使用される封入プロセスの中で、プリル化、噴霧冷却(spray chilling)又は噴霧冷却(spray cooling)、噴霧凝固、ホットメルトコーティング、ホットメルト押出成形、融解粒状化、ペレット化、球形化又は熱粒状化技術などが挙げられ得る(可能な場合、フランス語翻訳を挿入する)。
【0060】
「プリル化」という用語は、融解した脂質組成物中で有効成分を溶解又は分散させ、次いでこれを周囲又は冷却空気中若しくは冷却液体中に噴霧することによるコーティングプロセスを意味する。
【0061】
「噴霧冷却(spray chilling)」、「噴霧冷却(spray cooling)」及び「噴霧凝固」プロセスは、プリルプロセスの特定のプロセスである。
【0062】
「ホットメルトコーティング」という用語は、活性剤又は活性剤の混合物からなる固体粒子上に融解した脂質組成物を噴霧することによるコーティングプロセスを意味する。
【0063】
場合により、本発明による製造プロセスは、以下の特徴の1つ以上を有し得る:
- 混合及び封入ステップb)は、ステップa)において調製された脂質組成物を、前記脂質組成物の種々の成分の最高融点よりも10~15℃高い温度まで加熱して、前記脂質組成物を融解させる第1のサブステップ、融解された脂質組成物を、分散又は融解された形態で活性物質と混合する第2のサブステップ、及び第2のサブステップにおいて得られた組成物を周囲又は冷却空気中若しくは冷却液体中に噴霧して、組成物(CA)の固体化された粒子を得る第3のサブステップを含む。「周囲空気」という用語は、一般に25℃付近の周囲温度にある空気を意味するものとして理解され;「冷却された空気」又は「冷却された液体」という用語は、周囲温度未満、換言すると25℃未満の温度にある空気又は液体を意味するものとして理解される。
- 機械的応力を伴うガレノス形成ステップは、固体経口剤形を与えるプロセス、例えば圧縮、ハードカプセルへの形成(カプセル充填/成形)、コンパクティング(圧密、ローラー圧密)、パッケージング、サシェ中への配置、スティックへの形成(スティック及びサシェ充填)、押出成形、粒状化及びペレット化から選択される。これらの技術により、(非包括的な)以下の形態の製造をもたらすことができる:経口粉末、ビーズ、ハードカプセル(カプセル)、顆粒、糖衣顆粒、パール、ペレット、球体(小球)、タブレット、サシェ、スティック、チュー(chew)、ガム、チュアブルタブレット、チューインガム。
【0064】
本発明による脂質組成物は、種々のコーティング技術によって活性物質を形成することを可能にし、機械的応力のステップを含むプロセスによってガレノス形態がこれまで得られなかった活性物質の放出プロフィールと比較して、そのようにコーティングされた活性物質の放出プロフィールの安定性を予想外に誘導する。
【0065】
換言すると、本発明の主題は、下流でガレノス形成プロセスが実行されるかどうかに関係なく、且つ活性剤を最終製品の形態にするために適用される機械的応力(混合、圧密、ハードカプセルへの形成、スティックへの形成、タブレット化など)に関係なく、最初に求められた活性物質の放出プロフィールを維持することを可能にする。
【0066】
本発明の目的に関して、「活性剤をコーティングするための技術によって形成する」という用語は、前記活性剤を含む組成物に物理的形態、好ましくは周囲温度において固体である形態を与えることを可能にするいずれかの主要技術又はいずれかのプロセスを意味するものとして理解される。
【0067】
以下に続く実施例は、限定することなく本発明を例示する。
【実施例】
【0068】
下流のガレノスステップの機械的応力に対する抵抗特性を誘導する、上記で詳述された封入組成物の制限は、下記のような分析を設定することによって確立される。
【0069】
活性剤は、主要なモデル活性剤として選択される。「活性剤」という用語が活性物質を意味するものとして理解されることに留意されたい。この活性物質は、周囲温度(25℃)の水中において20~25g/lの平均溶解度を有するカフェインである。
分子式:C8H10N4O2;分子量:194.194g/モル。
【0070】
この活性剤は、回転ディスクプリル化技術により、20%~30%の割合において、本発明の主題である組成物に封入される。
【0071】
回転ディスクプリル化技術:組成物M1を調製するプロセス
それぞれの試験に関して、ワックス状液体分散体を調製する。このワックス状液体分散は、以下:
・融解形態の本発明の主題である組成物;
・分散固体形態のモデル活性剤
からなる。一般的に、活性剤は、その融点値次第で分散された形態又は液体形態で存在し得ることに留意すべきである。
【0072】
これに関して、本発明の主題である組成物の種々の要素の融解及び/又は液体状態での混合の結果である「前分散」は、事前に実行される:混合物調製M0。
【0073】
この前分散、次いで再構成分散が保持される温度は、組成物の種々の成分の最高融点より10~15℃高くなるように調整されなければならない。製造プロセスを開始する前に、以前に確立された温度を維持しながら、機械的に撹拌することによって活性剤を添加、この場合には分散する。
【0074】
次いで、回転ディスクプリル化プロセスを実行する。断熱パイプにより、分散体を、スペース/塔に位置するスプレーノズルに送り、噴霧後、微細液滴が作成される。次いで、これらの微細液滴は、冷却周囲空気の流れ中で固体化され、これらのビーズの50体積%が300~500μmの直径を有することを特徴とする小球形ビーズの形成が導かれる。ビーズの粒径プロフィールは、1バールの圧力で乾燥ルートにおいて使用される、MalvernからのMastersizer 3000レーザー粒径測定器によって測定されることに留意されたい。
【0075】
二酸化ケイ素又は別の流動/固着防止剤を、その後の取扱いを容易にするために、そのようにして製造されるミクロビーズに事前に任意選択的に添加することができる。
【0076】
同様に、500μm以上の粒子直径を有する望ましくない凝集体/残基を除去するために、500μmシーブ上でのふるいがけが実行され得る。
【0077】
次いで、そのようにして得られるミクロビーズは、タブレット型ガレノス形成プロセスに適合性のある等級の賦形剤の混合物に組み込まれる。タブレット形態は、誘導された機械的応力に関して最も極端な場合の1つを示すため、モデル最終ガレノス形成プロセスとして選択される。
【0078】
タブレット化は、5~20kNで変動可能な圧縮力の適用とともに、装備されたDott Bonapace往復シングル-パンチプレス上又は装備されたRiva Piccolaロータリー8-パンチプレス上で実行され、そのようにして80~120Nの破壊強さを有する500mgのタブレットが製造される。
【0079】
技術的な影響の実証:
本発明の主題である組成物でコーティングされ、次いでタブレットフォーマットに組み込まれた活性剤の放出プロフィールは、European Pharmacopoeia、7.3版、パラグラフ2.9.3の推薦に従い、Erweka溶解試験機によって確立される。
【0080】
主に選択される溶解媒体は、37℃の温度に維持されたpH7.2のリン酸塩緩衝液である。試料を6時間まで定期的に採取する。次いで、それぞれの試料中に存在する活性剤の量を決定し、したがって評価される試料の溶解プロフィールを確立するために、UV検出を備えた逆相HPLC分析によって試料を分析する。
【0081】
組成物から組成物への又は機械的応力の適用前/後の比較における溶解プロフィールは、2つのプロフィールの互いに対する又は対照プロフィールに関する1つのプロフィールの差異の有無を決定するために比較される。
【0082】
そのようにして、2つのプロフィールは、類似であるか又はあまり異ならないと判断され、したがって、組成物は、次の場合、機械的応力に対する抵抗を向上させるものとして判断される。
【0083】
・時間対時間の差異、その計算は、以下の通りである:
abs[%放出(Txi)tab-%放出(Txi)μビーズ]≦y%
式中、
%放出(Txi)tab=製剤がタブレット化プロセスを受けたときの試料採取点Txiにおいて放出された活性剤の%。
%放出(Txi)μビーズ=製剤が機械的応力を受けないときの試料採取点Txiにおいて放出された活性剤の%。
また、値yに関して、2時間までの溶解時間に関して30+/-2%以下であり、且つ残りの評価時間において20+/-2%以下である。
【0084】
溶解試験を通して差異が15%以下である場合、プロフィールを類似であると判断することができる。
【0085】
・機械的応力の適用前後の値間の変化の割合は、3時間の溶解時間から30%以下である。計算は、以下の通りである。
【数1】
式中、
Txi>=180分
%放出(Txi)tab=製剤が(圧縮ステップを含む)タブレット化プロセスを受けたときの試料採取点Txiにおいて放出された活性剤の%。
%放出(Txi)μビーズ=製剤が機械的応力を受けないときの試料採取点Txiにおいて放出された活性剤の%。
【0086】
・実施例1
本実施例において、脂質組成物は、成分Aとして同一の蜜蝋、同一の量のポリソルベート80及び成分Bとしての同一の割合の種々の親油性界面活性剤を含有する。調製される脂質組成物の構成は、以下の表1中に報告される。これらの脂質組成物は、活性成分としてカフェインを用いる、上記で詳述されたプリル化プロセスによるコーティングに関して使用される。この実施例の目的は、場合により、それらが圧縮ステップを受ける前に、蜜蝋と親油性界面活性剤との適切な特定の組合せとして考えられないように、経時的に放出プロフィールの維持又は非維持を観察することによる、活性剤カフェインのプリル化プロセスによるコーティングに関する蜜蝋と特定の親油性界面活性剤との組合せの有効性を示すことである。
【0087】
【0088】
活性剤は、組成物中20%で分散する。プリル化プロセスを実施する。
【0089】
350~400μmの中央直径を有するミクロビーズが得られる。
【0090】
これらのミクロビーズは、光から保護されて周囲温度で最小28ヵ月の期間、安定である。
【0091】
製造プロセス後又は最小28ヵ月の貯蔵寿命後のミクロビーズの溶解プロフィールを研究する。種々の試料採取時間を実行し、120分の時点でプロフィールの比較を行う。
【0092】
以下の表2は、120分の試料採取点において放出されるカフェインのパーセンテージ値を示す。
【0093】
【0094】
以下の表3は、120分の試料採取点における時間対時間の差異*の値を示す。
【0095】
【0096】
(*):時間対時間の差異の特定の定義は、本明細書中、T0における放出プロフィール及び安定化期間後の放出プロフィールの比較の場合、留意されるべきである。したがって、時間対時間の差異は、本明細書中、以下の計算から得られる通りに再定義される。
abs[%放出(120x’i)μビーズ-%放出(120xi)μビーズ]y%
式中、
%放出(120x’i)μビーズ=製剤が、周囲温度において、定義された期間貯蔵されたときの120分の試料採取点において放出された活性剤の%。
%放出(120xi)μビーズ=製剤が貯蔵されないときの120分の試料採取点において放出された活性剤の%、すなわちミクロビーズの製造からT0における値。
【0097】
値yの時間対時間の差異が考察された試料採取点において、20+/-2%以下である場合、2つのプロフィールは、同程度であるものとして判断される。
【0098】
時間対時間の差異が15%以下である場合、プロフィールは、類似であると判断することができる。
【0099】
本実施例に関して、組成物CL1’及びCL2’は、プリル化プロセスから得られるミクロビーズに含まれる活性剤カフェインの放出プロフィールを経時的に維持することを可能にすることを観察できる。成分Bとしてモノステアリン酸グリセロールを含有する組成物CL3’は、すでに無視することができる。
【0100】
・実施例2
本実施例において、上記で詳述された活性剤カフェインのプリル化プロセスによるコーティングのために使用される種々の供給源からのワックス及び油を成分Aとして含有する脂質組成物である。本実施例の目的は、ガレノス形成プロセス/その後の機械的応力後のコーティングされた活性剤の類似/又は大きく異ならない放出プロフィールを維持することを可能にすることに関する、他の成分と組み合わされた蜜蝋の特異性を実証することである。
【0101】
したがって、以下の組成物が平行して使用される(表4)。
【0102】
【0103】
活性剤は、組成物中20%で分散する。プリル化プロセスを実施する。
【0104】
350~400μmの中央直径を有するミクロビーズが得られる。
【0105】
次いで、これらのミクロビーズをタブレットのための混合物中に導入する。11mmの直径を有する500mgのタブレットは、以下の組成に従って製造される。40重量%のミクロビーズに関して、27重量%の微結晶セルロース、29重量%のリン酸水素カルシウム二水和物、3重量%のクロスポビドン及び1重量%のステアリン酸マグネシウムが添加される。
【0106】
圧縮プロセス前及び後のミクロビーズの溶解プロフィールを調査する。試料採取時間は、以下の通りである:60、120、180、240、300及び360分。
【0107】
以下の表5は、時間の関数としての放出されたカフェインのパーセンテージ値を示す。
【0108】
【0109】
以下の表6は、180分以降の時間対時間の差異の値及び変化の割合を示す。
【0110】
【0111】
本実施例に関して、組成物CL1のみが機械的応力に対する抵抗の改善を可能にすることがわかる。この応力は、本明細書中、タブレット型ガレノス形成プロセスによって例示される。
【0112】
・実施例3
本実施例において、活性剤カフェインのプリル化プロセスによるコーティングのために使用される蜜蝋及びカンデリラ蝋の比率を成分Aとして含有する脂質組成物である。本実施例の目的は、ガレノス形成プロセス/その後の機械的応力後のコーティングされた活性剤の類似/又は大きく異ならない放出プロフィールを維持することを可能にしながら、他の成分と組み合わされた、特定の比率まで別の脂質化合物と蜜蝋とを混合することの可能性を実証することである。
【0113】
したがって、以下の組成物が平行して使用される。
【0114】
【0115】
活性剤は、組成物中20%で分散する。プリル化プロセスを実施する。
【0116】
350~400μmの中央直径を有するミクロビーズが得られる。
【0117】
次いで、これらのミクロビーズを、実施例2に記載の手順に従って調製されたタブレットのための混合物中に導入する。そのようにして、11mmの直径を有する500mgのタブレットが製造される。
【0118】
圧縮プロセス前及び後のミクロビーズの溶解プロフィールを調査する。試料採取時間は、以下の通りである:60、120、180、240、300及び360分。
【0119】
以下の表は、時間の関数としての放出されたカフェインのパーセンテージ値を示す。
【0120】
【0121】
以下の表は、180分以降の時間対時間の差異の値及び変化の割合を示す。
【0122】
【0123】
本実施例において、組成物CL1及びCL5は、組成物CL1と類似のプロフィール及び組成物CL5と大きく異ならないプロフィールで機械的応力に対する抵抗の改善を可能にすることがわかる。
【0124】
・実施例4
本実施例において、活性剤カフェインのプリル化プロセスによるコーティングのために使用される成分A(蜜蝋)及び成分B(ソルビタンエステル型の親水性界面活性剤)を有する脂質組成物である。
【0125】
本実施例の目的は、ガレノス形成プロセス/その後の機械的応力後のコーティングされた活性剤の類似/又は大きく異ならない放出プロフィールを維持することに関して、特定の比率で成分A及び成分Bを混合することの可能性を実証することである。
【0126】
したがって、以下の組成物が平行して使用される。
【0127】
【0128】
活性剤は、組成物中20%で分散する。プリル化プロセスを実施する。
【0129】
350~400μmの中央直径を有するミクロビーズが得られる。
【0130】
次いで、これらのミクロビーズを、実施例2に記載の手順に従って調製されたタブレットのための混合物中に導入する。そのようにして、11mmの直径を有する500mgのタブレットが製造される。
【0131】
圧縮プロセス前及び後のミクロビーズの溶解プロフィールを調査する。試料採取時間は、以下の通りである:30、60、120、180、240、300及び360分。
【0132】
以下の表11は、時間の関数としての放出されたカフェインのパーセンテージ値を示す。
【0133】
【0134】
以下の表は、180分以降の時間対時間の差異の値及び変化の割合を示す。
【0135】
【0136】
本実施例に関して、組成物CL8及びCL9が機械的応力に対する抵抗の改善を可能にすることがわかる。組成物CL7により、成分Bの最小量が必要とされることが観察される。