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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】ガレクチン-3の低分子阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/14 20060101AFI20241028BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20241028BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20241028BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20241028BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20241028BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
C07D405/14
C07D417/14 CSP
C07D409/14
A61K31/428
A61K31/4709
A61K31/4192
A61K31/4439
A61P1/04
A61P1/16
A61P9/00
A61P11/00
A61P13/12
A61P17/00
A61P27/02
A61P35/00
A61P29/00
A61P19/02
C07D405/04
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021559883
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 US2020027203
(87)【国際公開番号】W WO2020210308
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】62/831,753
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【弁理士】
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【弁理士】
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チュンジアン
(72)【発明者】
【氏名】フォン,ジエンシン
(72)【発明者】
【氏名】デバステール,プラティク
(72)【発明者】
【氏名】ムルゲサン,ナテサン
(72)【発明者】
【氏名】エルズワース,ブルース エイ
(72)【発明者】
【氏名】レゲイロ-レン,アリシア
(72)【発明者】
【氏名】ナラ,スシール ジェタナンド
(72)【発明者】
【氏名】ジャラガム,プラサダ ラオ
(72)【発明者】
【氏名】パンダ,マノランジャン
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/209255(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/209276(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/067702(WO,A1)
【文献】特表2018-503660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 417/14
C07D 409/14
C07D 405/14
C07D 405/04
A61K 31/428
A61K 31/4709
A61K 31/4192
A61K 31/4439
A61P 1/04
A61P 1/16
A61P 9/00
A61P 11/00
A61P 13/12
A61P 17/00
A61P 27/02
A61P 35/00
A61P 29/00
A61P 19/02
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)または(II):
【化1】
[式中、
Xは、独立して、-C(O)-、-CH2-、および-CH2C(O)-から選択され;
Ar1は、独立して、フェニルまたはナフチルであり;ここで各環は、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから選択される1~5個の置換基で置換され;
R1は、独立して、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され;
R2は、独立して、HまたはC1-4アルキルであり;
R3は、独立して、Ar2、-(CH2)1-2Ar2、および-CH2CH2NR4Ar2から選択され;
Ar2は、独立して、9~10個の環原子を含み、ここで1~4個の環原子はそれぞれ独立してN、N(R5)、O、およびSから選択されるヘテロアリールであり;各環は、OH、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、N(C1-4アルキル)2、-SO2(C1-4アルキル)、-OPh、-OBn、C3-6シクロアルキル;およびシアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、-NH2、-NH(C1-4アルキル)、および-N(C1-4アルキル)2から選択される0~1個の置換基で置換されたフェニルから選択される0~4個の置換基で置換され;
R4は、独立して、HまたはC1-4アルキルであり;および
R5は、独立して、HまたはC1-4アルキルである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
化合物が式(Ia):
【化3】
である、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項3】
Ar1が、独立して、フェニルまたはナフチルであり;ここで各環は、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され;
R1が、独立して、C1-4アルキルであり;および
Ar2が、独立してベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、N-(C1-4アルキル)-インダゾリル、およびキノリニルから選択され;各環は、OH、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、N(C1-4アルキル)2、-SO2(C1-4アルキル)、-OPh、および-OBnから選択される0~4個の置換基で置換される、請求項1または請求項2の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項4】
Ar1が、独立して、
【化5】
から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項5】
R3が、独立して、Ar2、-(CH2)1-2Ar2、および-CH2CH2NR4Ar2から選択され;
Ar2が、独立して、
【化6】
から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項6】
R1が、独立して、CH3であり;
R2が、独立して、H、CH3、-CH2CH3、および-CH(CH3)2から選択され;および
R4が、独立して、HまたはCH3である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項7】





、および

から選択される、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項8】
治療上有効量の、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および1つ以上の医薬的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項9】
医薬として用いるための請求項8の組成物。
【請求項10】
臓器(肝臓、腎臓、肺、心臓および皮膚など)の線維症、肝臓疾患および病態(急性肝炎、慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、肝再生不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝機能低下、および肝血流障害など)、細胞増殖性疾患およびがん疾患(固形腫瘍、固形腫瘍転移、血管線維腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)およびがん細胞の湿潤転移など)、炎症性疾患および病態(乾癬、腎症、および肺炎など)、消化管疾患および病態(過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、および異常膵液分泌など)、腎臓疾患および病態、尿路関連疾患および病態(良性前立腺肥大症、または神経因性膀胱関連疾患、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄、および糖尿病関連症状など)、下部尿路疾患および病態(下部尿路閉塞など)、下部尿路炎症性疾患および病態(排尿障害および頻尿など)、膵臓疾患および病態、異常血管形成関連疾患および病態(動脈閉塞など)、強皮症、脳関連疾患および病態(脳梗塞および脳出血など)、神経障害性疼痛および末梢神経障害、眼疾患および病態(加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、および緑内障濾過手術後瘢痕など)を治療するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項11】
疾患または病状が、腎線維症、肺線維症、肝線維症、動脈性線維症、または全身性硬化症である、請求項10の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年4月10日出願の米国仮出願番号第62/831,753号に対する優先権を主張するものであって、その全てを参照により本明細書に組み込むものである。
【背景技術】
【0002】
ガレクチン-3(Gal-3)は、約30KDaのβ-ガラクトシド結合レクチン(Cell 76: 597-598)であり、炎症および繊維症過程の調整に関与している(Immunological Reviews 230: 160-171)。炎症および繊維症が制御されていない状態では、Gal-3は、線維芽細胞増殖および形質転換を促進し、コラーゲン産生を仲介する(Circulation 110:3121-3128)。
【0003】
Gal-3は、多くの細胞部位(例えば細胞質、核、および細胞表面)に局在する。また、Gal-3は、マクロファージおよび単球を中心に様々な細胞から血流中に分泌される(J Pharmacol Exp Ther 351:336-343)。多数の臓器(例えば肺(Am J. Respir. Crit. Care Med. 185: 537-546)、肝臓(PNAS 103:5060-5065)および腎臓(Am. J. Pathol. 172:288-298))での繊維症進行にGal-3が関与することを支持する文献において、複数の証拠が存在する。また、Gal-3は、心不全のバイオマーカーとしても知られており、Gal-3の調節が心不全の治療に利用できる可能性があることが示されている(Curr. Heart Fail. Rep. 7:1-8)。Gal-3は、血管新生、アポトーシス経路、および転移経路において重大な役割を果たす細胞増殖および分化に関与している(Galectin-3C: Human Lectin for Treatment of Cancer. ACS Symposium Series, Vol. 1115. Chapter 12, 195-23)ため、Gal-3の調節が、がんの治療に用いられ得る。近年、Gal-3抑制剤を免疫療法と組み合わせて用いると、良好な効果が得られることが証明された(Galectin Therapeutics. Press Release, February 7, 2017)。
【0004】
複数の文献および特許出願では、抗線維化剤として研究されているGal-3の合成抑制剤が記載されている。そのような研究の最近の例として、WO2005113568、WO2005113569、US2014067986、WO2014067986、WO2017080971、WO2016120403、US20140099319およびWO2014067986およびWO2018209255がある。
【0005】
(本発明の詳細)
本開示は、Gal-3を抑制する本発明の化合物に関するものであり、医薬的に許容される塩、そのような化合物を含む組成物、ならびにそのような化合物および組成物の使用法および製造法を含む。
【0006】
第1態様において、本発明は、とりわけ、式(I)または(II):
【化1】
[式中、
Xは、独立して、-C(O)-、-CH2-、および-CH2C(O)-から選択され;
Ar1は、独立して、フェニルまたはナフチルであり;ここで各環は、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、およびC1-4ハロアルコキシから選択される1~5個の置換基で置換され;
R1は、独立して、H、C1-4アルキル、およびC1-4ハロアルキルから選択され;
R2は、独立して、HまたはC1-4アルキルであり;
R3は、独立して、Ar2、-(CH2)1-2Ar2、および-CH2CH2NR4Ar2から選択され;
Ar2は、独立して、フェニル、
【化2】
、および5~10個の環原子を含み、ここで1~4個の環原子はそれぞれ独立してN、N(R5)、O、およびSから選択されるヘテロアリールから選択され;各環は、OH、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、N(C1-4アルキル)2、-SO2(C1-4アルキル)、-OPh、-OBn、C3-6シクロアルキル;およびシアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、-NH2、-NH(C1-4アルキル)、および-N(C1-4アルキル)2から選択される0~1個の置換基で置換されたフェニルから選択される0~4個の置換基で置換され;
R4は、独立して、HまたはC1-4アルキルであり;および
R5は、独立して、HまたはC1-4アルキルである]
の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0007】
第1態様の範囲内の第2態様において、式(Ia):
【化3】
の化合物またはその医薬的に許容される塩。
【0008】
第1態様または第2態様の範囲内の第3態様において、式中、
Ar1が、独立して、フェニルまたはナフチルであり;ここで各環は、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、およびC1-4アルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され;
R1が、独立して、HまたはC1-4アルキルであり;および
Ar2が、独立して、フェニル、
【化4】
、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、N-(C1-4アルキル)-インダゾリル、およびキノリニルから選択され;各環は、OH、シアノ、ハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルキル、C1-4ハロアルコキシ、N(C1-4アルキル)2、-SO2(C1-4アルキル)、-OPh、および-OBnから選択される0~4個の置換基で置換される、
式(I)または(Ia)の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
【0009】
第1態様~第3態様の範囲内の第4態様において、式中、
Ar1は、独立して、
【化5】
から選択される。
【0010】
第1態様~第4態様の範囲内の第5態様において、式中、
R3が、独立して、Ar2、-(CH2)1-2Ar2、および-CH2CH2NR4Ar2から選択され;
Ar2が、独立して、
【化6】
から選択される。
【0011】
第1態様~第5態様の範囲内の第6態様において、式中、
R1が、独立して、HまたはCH3であり;
R2が、独立して、H、CH3、-CH2CH3、および-CH(CH3)2から選択され;および
R4が、独立して、HまたはCH3である。
【0012】
第1態様~第6態様のいずれかの範囲内の別の態様において、R1は、Hである。
【0013】
別の態様において、第1態様~第6態様のいずれかの範囲内の、R1は、CH3である。
【0014】
別の態様において、本発明は、実施例から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0015】
別の態様において、本発明は、実施例1~44およびB1~B25から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0016】
別の態様において、本発明は、実施例1~44から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0017】
別の態様において、本発明は、実施例B1~B25から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
【0018】
特に断りのない限り、上記の用語は以下の意味を持つ。「アルキル」は、1~6個の炭素を有する直鎖または分岐鎖アルキル基を意味する。「シクロアルキル」は、3~7個の炭素を有する単環を意味する。炭化水素部分の用語(例えばアルコキシ)は、1~6個の炭素を有する炭化水素部分の直鎖および分岐鎖異性体を含む。「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。「ハロアルキル」および「ハロアルコキシ」は、モノハロゲンから過ハロゲンの全てのハロゲン化異性体を含む。「アリール」は、5~12個の炭素原子を有し、1個または両方の環が芳香族である単環または二環芳香環システムを意味する。アリール基の代表例には、以下に限らないが、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、およびテトラヒドロナフチルが挙げられる。「ヘテロアリール」は、窒素、酸素、および硫黄から独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する、5~7員の単環または8~11員の二環芳香環システムを意味する。結合位置が明記されていない場合、当該分野の専門家によって理解されるいずれかの適当な位置で結合が起こり得る。置換基および結合パターンの組み合わせは、当該分野の専門家によって理解される安定な化合物を生じるもののみである。括弧および複数の括弧でくくられた用語は、当業者に対して結合関係を明確にすることを目的としている。例えば、((R)アルキル)のような用語は、置換基Rでさらに置換されたアルキル置換基を意味する。
【0019】
本発明は、該化合物の全ての医薬的に許容される塩形態が含まれる。医薬的に許容される塩とは、対イオンが化合物の生理活性または毒性に有意に寄与せず、したがって薬理学的同等物として機能するものである。これらの塩は、市販の試薬を用いた一般的な有機化学技術に従って製造することができる。アニオン塩形態の一部として、酢酸塩、アシストレート、ベシル酸塩、臭化物塩、塩化物塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、臭化水素塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、およびキシナホ酸塩が挙げられる。カチオン塩形態の一部として、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ベンザチン塩、ビスマス塩、カルシウム塩、コリン塩、ジエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、リチウム塩、マグネシウム塩、メグルミン塩、4-フェニルシクロヘキシルアミン塩、ピペラジン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、トロメタミン塩、および亜鉛塩が挙げられる。
【0020】
本発明の化合物の一部は、立体異性体の形態で存在する。本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む、化合物の全ての立体異性体の形態を包含する。立体異性体を製造および分離する方法は、当該分野で公知である。本発明は、該化合物の全ての互変異性体形態を含む。本発明は、アトロプ異性体および回転異性体を含む。
【0021】
本発明は、本発明の化合物に含まれる原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体には、原子番号が同一であるが質量数が異なる原子が含まれる。一般的な例として、以下に限定されないが、水素の同位体には重水素およびトリチウムが含まれる。炭素の同位体には13Cおよび14Cが含まれる。同位体で標識された本発明の化合物は、一般に当業者に公知の従来の技法、または本明細書に記載されたものと類似の方法によって、他で用いられる非標識試薬の代わりに適当な同位体標識試薬を用いて製造することができる。そのような化合物は、例えば、生物活性の決定における標準物質および試薬として、様々な潜在的用途を有しうる。安定な同位体の場合、そのような化合物は、生物学的、薬理学的、または薬物動態学的特性を有利に修飾させる能力を有しうる。
【0022】
(生物学的メソッド)
Gal-3 HTRFアッセイ
アッセイ緩衝液組成物:
25mM HEPES、100mM NaCl、0.005%Tween20、無菌水に加えて調製した0.05%BSA(試薬は全てSigmaから購入)。

コントロール:
ポジティブコントロール: 100%DMSO(1μL)+HisタグhGal-3(20μL)+B-ASF(20μL)+抗Hisテルビウム抗体(5μL)+Strep d2抗体(5μL)
ネガティブコントロール: 100%DMSO(1μL)+HisタグhGal-3(20μL)+抗Hisテルビウム抗体(5μL)+Strep d2抗体(5μL)
【表1】
プロトコル:
Gal-3アッセイは、室温下、384白色OptiPlate中、250~300rpmで軽く揺すりながら3回反復して行った。ストック溶液の原液から、2.525倍希釈した実験用溶液でHisタグ組み換えヒトGal-3(hGal-3)溶液およびB-ASF溶液を調製した。実験用溶液で調整したhGal-3(20μL、15nM)およびB-ASF(20μL、15nM)をプレートに加えた。ネガティブコントロールでは、hGal-3のみを加えた。100%DMSOに溶解した化合物用に、実験用溶液の50倍希釈の範囲の濃度を調製した。1ウェルあたり20μLのhGal-3で予め30分間インキュベートしたウェルに、化合物の一部(1μL)を加えた。次いで20μLのB-ASFを加え、さらに1時間インキュベートした。シグナルを検出するために、5μL(最終濃度は1.0nM)のテルビウム標識抗His抗体を加え、30分間インキュベートし、続いて5μL(最終濃度は20nM)のストレプトアビジンd2を加え、さらに1時間インキュベートした。本アッセイのシグナルは、HTRFスクリーンプロトコル(励起波長=340nm、蛍光波長=615nm/665nm)を用いてEnvision 2104 Multilabel Readerで検出した。データはToolsetおよびCurve Masterを用いて分析した。結果(IC50(μM))は、実験セクションに記載されている。
【0023】
Gal-3 ELISAアッセイ
材料:
1. コーティング緩衝液: リン酸緩衝食塩水(1x)-PBS
この溶液は、Sigma Aldrichから購入したPBS(カタログ番号: P3813-5x10Pak)の1パックを1LのMilli-Q水に溶解して調製した。
2. アシアロフェツイン: 胎児ウシ血清由来、タイプII、Sigma Aldrich(カタログ番号: A1908-50MG)
3. 胎児ウシ血清: Invitrogen(カタログ番号: 26400-044-500mL)
4. Tween-20: Sigma Aldrich(カタログ番号: P1379-250mL)
5. OptEIA酵素試薬ストレプトアビジン-HRP: BD(カタログ番号: 554066)
6. 硫酸: Sigma Aldrich(カタログ番号: 25,810-5)
7. パラホルムアルデヒド: Sigma Aldrich(カタログ番号: P6148-500G)
8. TMB基質: BD Biosciences(カタログ番号: 555214)
9. ビオチン標識hGal-3-A 0.82mg/mLストック溶液(28.6kDa、28.6713μM): プロテオミクスグループにより室内合成
この溶液は、滴定に用いた。
10. TD-139(EXT-001109-01-001): 低分子室内合成
これは、hGal-3正規化結合アッセイにおいて低分子スクリーニングの内部標準として用いた。
【0024】
A.プロトコル:
a.プレートのコーティング:
濃度15nMのASFを1xPBSで調製し、プレートマップに従って96ウェル平底nuncプレート(Nuncイムノプレート、Maxisorp、カタログ番号: 439454)に注入し、トップシールで密封後、終夜4℃でインキュベートした。
b.プレートの固定およびブロッキング:
アッセイの日、コーティング溶液を除去し、プレートに100μLの2%パラホルムアルデヒド溶液を加えて固定し、37℃で30分間インキュベートした。300μLの洗浄用緩衝液(0.05%Tween-20含有PBS)で3回洗浄し、脱水乾燥し、ブロッキングに移った。10%FBSでプレートをブロッキングし、1時間室温でインキュベートした。その後、プレートを300μLの洗浄用緩衝液(0.05%Tween-20含有PBS)で3回洗浄した。
【0025】
B.インキュベーション:
洗浄したプレートを脱水乾燥後、100μLの試験化合物を、プレートマップで明示した様々な濃度で(濃度15nMのヒトガレクチン-3(hGal-3)またはマウスガレクチン-3(mGal-3)を1時間室温で予めインキュベート済みの)プレートに加えた。データの正確性および再現性を保証するためにプレート複数枚に対して行った。
これらのプレートを室温で1時間インキュベートし、洗浄用緩衝液で5回洗浄し、脱水乾燥し、100μLのストレプトアビジンHRP(1:1000希釈)を加え、1時間室温でインキュベートし、洗浄用緩衝液で7回洗浄した。
【0026】
C.検出:
洗浄したプレートを脱水乾燥後、100μLのTMB基質を各ウェルに加え、15分室温でインキュベートした。その後、反応を2N硫酸で停止させ、プレートをSpectraMax(450nm)で読み込んだ。
【0027】
結果:
コントロールの平均値で正規化後、コントロールウェルに対して得られた出力値(OD)をプロットし、プログラム化合物の50%阻害濃度の常用対数値(Log IC50)を分析した。
【0028】
まとめ:
プログラム化合物のIC50値を報告書に示した(Curve master編集から得たエクセル形式で添付)。コントロールプレートTD-139では、hGal-3およびmGal-3はそれぞれ10.3nMおよび108.12nMのIC50値であった。同じものを片対数グラフにプロットした。
【0029】
(医薬組成物および使用法)
本発明の化合物は、Gal-3を抑制する。したがって、本発明の別の態様は、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物である。
【0030】
本発明の別の態様は、臓器(例えば肝臓、腎臓、肺、心臓および皮膚)の線維症、肝臓疾患および病状(例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、肝再生不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝機能低下、および肝血流障害)、細胞増殖性疾患、およびがん疾患(例えば固形腫瘍、固形腫瘍転移、血管線維腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)およびがん細胞の湿潤転移)、炎症性疾患および病状(例えば乾癬、腎症、および肺炎)、消化管疾患および病状(例えば過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、および異常膵液分泌)、腎臓疾患および病状、尿路関連疾患および病状(例えば良性前立腺肥大症、または神経因性膀胱関連疾患、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄、および糖尿病関連症状)、下部尿路疾患および病状(例えば下部尿路閉塞)、下部尿路炎症性疾患および病状(例えば排尿障害および頻尿)、膵臓疾患および病状、血管形成異常関連疾患および病状(例えば動脈閉塞症)、強皮症、脳関連疾患および病状(例えば脳梗塞および脳出血)、神経障害性疼痛および末梢神経障害、眼疾患および病状(例えば加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、および緑内障濾過手術瘢痕)から選択される疾患または病状に罹患している患者を、本発明の化合物で治療する方法である。
【0031】
本発明の別の態様は、腎線維症、肺線維症、肝線維症、動脈線維症および全身性硬化症を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0032】
本発明の別の態様は、臓器(例えば肝臓、腎臓、肺、心臓および皮膚)の線維症を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0033】
本発明の別の態様は、肝臓の疾患および病状(例えば急性肝炎、慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、肝再生不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝機能不全、および肝血流障害)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0034】
本発明の別の態様は、細胞増殖性疾患、およびがん疾患(例えば固形腫瘍、固形腫瘍の転移、血管線維腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)およびがん細胞の湿潤転移)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0035】
本発明の別の態様は、炎症性疾患および病状(例えば乾癬、腎症、および肺炎)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0036】
本発明の別の態様は、消化管の疾患および病状(例えば過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、および膵臓分泌異常)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0037】
本発明の別の態様は、腎臓の疾患および病状を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0038】
本発明の別の態様は、尿路関連の疾患および病状(例えば良性前立腺肥大症、または神経因性膀胱、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症に関する症状、および糖尿病に由来する症状)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0039】
本発明の別の態様は、下部尿路の疾患および病状(例えば下部尿路閉塞)、下部尿路の炎症性疾患および病状(例えば排尿障害および頻尿)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0040】
本発明の別の態様は、膵臓の疾患および病状を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0041】
本発明の別の態様は、血管形成異常関連の疾患および病状(例えば動脈閉塞症)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0042】
本発明の別の態様は、脳関連疾患および病状(例えば脳梗塞および脳出血)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0043】
本発明の別の態様は、神経障害性疼痛および末梢神経障害を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0044】
本発明の別の態様は、眼疾患および病状(例えば加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、および緑内障濾過手術瘢痕)を治療する方法であって、患者に本発明の化合物を投与することを特徴とする方法である。
【0045】
本発明の化合物は、Gal-3が関係する病状の治療および/または予防に使用され得る。
【0046】
本発明の化合物は、Gal-3の生理活性の抑制が有用である病状(例えばGal-3受容体が関与する疾患)、Gal-3の生理活性の抑制が疾患の病因または病理に関与するか、または疾患の少なくとも1つの症状に関連する、病状の治療および/または予防薬の製造に使用され得る。
【0047】
本発明の化合物は、単体、本発明の他の化合物との組み合わせ、または1個以上、好ましくは1~2個の他の薬剤との組み合わせで用いられ得る。
【0048】
「治療上有効量」は、痛みの分野の専門家によって理解される有意な改善を、患者に提供するために必要な薬剤量を意味する。
【0049】
「患者」は、痛みに苦しむ人であり、その分野の専門家によって治療にふさわしいと理解される人を意味する。
【0050】
「治療」、「セラピー」、「レジメン」、およびこの分野の専門家に理解される関連用語が用いられる。
【0051】
本発明の化合物は、一般に、治療上有効量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物として提供され、従来の賦形剤を含み得る。治療上有効量とは、患者の有意な改善を得るのに必要な量である。医薬的に許容される担体とは、許容される安全性プロファイルを有する従来既知の担体である。組成物は、一般的な固体および液体形態(例えばカプセル、錠剤、ロゼンジ、および粉末ならびに液体懸濁液、シロップ、エリキシル剤、および溶液など)を全て包含する。組成物は、一般的な製剤技術を用いて製造され、従来の賦形剤(例えば結合剤および湿潤剤)およびビークル(例えば水およびアルコール)は、一般に組成物に用いられる。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、17th edition、Mack Publishing Company、Easton、PA(1985)を参照のこと。
【0052】
固形組成物は、通常、投与量あたり約1~1000mgの有効成分を有する投与単位および組成物で製剤化されるのが好ましい。投薬量の一部の例として1mg、10mg、100mg、250mg、500mg、および1000mgがある。一般に、他の抗レトロウイルス薬は、臨床的に使用される種類の薬剤に類似の単位範囲で存在する。それは、一般に0.25~1000mg/ユニットである。
【0053】
液体組成物は、通常、単位投与範囲で存在する。一般に、液体組成物は、1~100mg/mLの投与単位範囲となり得る。投薬量の一部の例として1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mL、および100mg/mLがある。
【0054】
本発明は、従来の投与方法を全て包含するが、経口および非経口の方法が好ましい。一般に、投薬レジメンは、臨床的に用いられる他の薬剤に類似する。一般に、一日量は、1-100mg/kg(体重)である。一般に、化合物は、より経口的であり、より非経口的でないものが求められている。しかしながら、特定の投薬レジメンは通常の医学的判断に従って医師が決定する。
【0055】
(化学的メソッド)
本開示が前述の実例に限定されないこと、および本開示の不可欠な特性から離れることなく他の特定の形態で具現化され得ることは当業者に明白である。それ故、実施例は、あらゆる点で限定ではなく例示として、前述の実施例よりむしろ本請求項に対する参考として考慮されるべきであり、それ故、意味および請求項の等価な範囲内の全ての変更が包含されることが意図される。
【0056】
セクションA
LCMS分析は、Waters TUVおよびSQ質量分析計を取り付けたWaters Acquity UPLCシステム(カラム: BEH C18 2.1 x 50mm; 移動相A: 水(0.05%TFA含有); 移動相B: アセトニトリル(0.05%TFA含有); グラジエント: 2~98%Bを1.6分かけて溶出; 流速: 0.8mL/分)を用いて行った。
HPLC分析は、SPD-10AV UV検知器を取り付けたShimadzu LC10-AT HPLCシステム(カラム YMC S5 Combiscreen ODS 4.6 x 50mm; 移動相A: 5:95 アセトニトリル:水(0.1%TFA含有); 移動相B: 95:5 アセトニトリル:水(0.1%TFA含有); グラジエント: 0~100%Bを40分かけて溶出後、次いで100%Bで1分間溶出; 流速: 1mL/分)を用いて行った。
分取HPLC精製は、SPD 20 UV検知器を取り付けたShimadzu LC-8分取HPLCシステムを用いて行った。詳細な条件は実験方法に記載する。
【0057】
(製造方法)
実施例1(方法Aの代表)
(2R,3R,4S,5R,6R)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
【化7】
【0058】
ステップ1. メチル(2S,4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート
メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-アジド-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(2.30g、6.10mmol)/DMF(20.73mL)および水(4.15mL)の溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(1.207g、6.10mmol)、硫酸銅(II)五水和物(1.370g、5.49mmol)、および5-エチニル-1,2,3-トリフルオロベンゼン(1.713g、10.97mmol)を加えた。この反応混合物を脱気し、次いで85℃で1.5時間加熱した。得られた反応混合物を氷に注ぎ、濾過した。濾過ケーキを水(50mL)およびDCM(30mL)で洗浄し、真空乾燥し、メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(3.4g、6.05mmol、99%収率)を薄黄色固体として得た。LCMS(M+H)+=534.0; 1H NMR(500MHz、DMSO-d6) δ 8.83 (br s, 1H), 7.83 (br s, 2H), 7.46-7.31 (m, 5H), 5.69 (br s, 2H), 5.65-5.57 (m, 1H), 4.59 (br s, 1H), 4.53-4.45 (m, 1H), 4.17 (br d, J=14.0Hz, 2H), 4.03 (br s, 1H), 3.66 (br s, 3H), 1.84 (br s, 3H)
【0059】
ステップ2. (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸
メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(356mg、0.667mmol)/THF(20mL)の溶液に、室温で水酸化リチウム(80mg、3.34mmol)/水(4mL)の溶液を2分かけて加えた。この混合物を室温で2.5時間撹拌した。反応が完了し、均一になった。この反応混合物を乾燥するまで減圧濃縮した。残渣に水(4mL)を加え、得られた混合物をHCl(1N)でpH 3~4に酸性化した。不溶性生成物、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(0.320g、0.670mmol、100%収率)を吸引濾過によりベージュ色固体として回収し、ドライライトで真空乾燥した。LCMS(M+H)+=478.0
【0060】
ステップ3. (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(200mg、0.419mmol)、2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-アミン(55mg、0.335mmol)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)(296mg、0.670mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.190mL、1.089mmol)の混合物をDMF(3.5mL)中、室温で16時間撹拌した。この混合物に、水(10mL)を加え、沈殿物質を吸引濾過により回収した。濾過ケーキをさらにフラッシュクロマトグラフィー(40gシリカゲル、まぶしカラム、1~10%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(96mg、0.154mmol、36.7%収率)をベージュ色固体として得た。LCMS(M+H)+=624.1
【0061】
ステップ4. (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(19mg、0.030mmol)およびヨードメタン(2N、t-ブチルエチルエーテル、0.061mL、0.122mmol)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%油中分散、4.87mg、0.122mmol)を1度に加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いでAcOH(0.5mL)でクエンチした。この混合物を酢酸(0.5mL)で希釈し、分取HPLCに注入した。回収したフラクションを減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(3 x 20mL)で抽出した。抽出物を合わせて無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(9mg、0.014mmol、45.3%収率)を白色固体として得た。1H NMR(600MHz、クロロホルム-d) δ 8.08 (s, 1H), 8.00 (d, J=8.5Hz, 1H), 7.83 (br s, 1H), 7.48-7.37 (m, 8H), 5.44 (s, 1H), 4.80 (dd, J=10.6, 3.4Hz, 1H), 4.42 (dd, J=10.6, 8.9Hz, 1H), 4.29 (dd, J=12.6, 1.2Hz, 1H), 4.22 (d, J=2.8Hz, 1H), 3.95 (dd, J=12.5, 1.7Hz, 1H), 3.79 (d, J=8.9Hz, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.11 (br s, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.90 (s, 3H)
【0062】
ステップ5. (2R,3R,4S,5R,6R)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(9mg、0.014mmol)/70%酢酸水溶液(1mL)の溶液を70℃で4時間加熱した。この混合物をメタノール(1mL)で希釈し、分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna AXIA 5u C18 21.2 x 100; 溶媒A: 90%H2O-10%メタノール-0.1%TFA、溶媒B: 10%メタノール-90%H2O-0.1%TFA; 始め: 25%B、最終: 100%B)に注入した。回収したフラクションを減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(3 x 25mL)で抽出した。抽出物を合わせて無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(2R,3R,4S,5R,6R)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(6.0mg、10.65μmol、77%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=564.0; 1H NMR(500MHz、メタノール-d4) δ 8.69 (s, 1H), 8.10 (d, J=1.4Hz, 1H), 8.00 (d, J=8.5Hz, 1H), 7.68 (dd, J=8.8, 6.6Hz, 2H), 7.56 (dd, J=8.5, 2.2Hz, 1H), 4.69 (dd, J=10.7, 3.0Hz, 1H), 4.50 (dd, J=10.7, 9.1Hz, 1H), 3.93 (d, J=2.5Hz, 1H), 3.81 (d, J=8.8Hz, 1H), 3.77 (dd, J=11.7, 7.3Hz, 1H), 3.64 (dd, J=11.7, 4.5Hz, 1H), 3.43 (s, 3H), 3.36-3.34 (m, 1H), 3.15 (s, 3H), 2.89 (s, 3H); hGal-3(HTRF) IC50=0.087μM
【0063】
実施例2(方法Bの代表)
(2R,3R,4S,5R,6R)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
【化8】
【0064】
ステップ1. (2S,4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-((2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)カルバモイル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(70mg、0.112mmol)/ジクロロメタン(5mL)の溶液に、0℃で塩化アセチル(0.016mL、0.225mmol)、続いてピリジン(0.023mL、0.281mmol)を加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、酢酸エチル(60mL)で希釈し、水(15mL)、飽和NaHCO3溶液(15mL)、および食塩水(15mL)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-((2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)カルバモイル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート(75mg、0.113mmol、100%収率)をベージュ色固体として得た。LCMS(M+H)+=666.1
【0065】
ステップ2. (2S,4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-(メチル(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)カルバモイル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート
(4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-((2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)カルバモイル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート(75mg、0.113mmol)およびヨードメタン(2N、t-ブチルエチルエーテル、0.085mL、0.169mmol)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%油中分散、9.01mg、0.225mmol)を1度に加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いでAcOH(0.5mL)でクエンチした。この混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(2 x 15mL)および食塩水(15mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。フラッシュクロマトグラフィー(24gシリカゲル、まぶしカラム、80~100%酢酸エチル/ヘキサン)により、所望の生成物、(4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-(メチル(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)カルバモイル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート(50mg、0.074mmol、65.3%収率)、を白色固体として単離した。LCMS(M+H)+=680.1
【0066】
ステップ3. (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-(メチル(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)カルバモイル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート(50mg、0.074mmol)/THF(2.5mL)の溶液に、室温で水酸化リチウム(8.81mg、0.368mmol)/水(0.5mL)の溶液を2分かけて加えた。この混合物を室温で2時間撹拌し、次いで乾燥するまで減圧濃縮した。この残渣に水(20mL)を加え、得られた混合物をHCl(2N)でpH 3~4に酸性化した。不溶性生成物、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(43mg、0.067mmol、92%収率)を吸引濾過によりベージュ色固体として回収し、50℃で真空乾燥した。LCMS(M+H)+=638.0
【0067】
ステップ4. (2R,3R,4S,5R,6R)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(43mg、0.067mmol)/70%酢酸水溶液(2mL)の溶液を70℃で5時間加熱した。この混合物をメタノールで希釈し、分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna AXIA 5u C18 21.2 x 100; 溶媒A: 90%H2O-10%メタノール-0.1%TFA、溶媒B: 10%メタノール-90%H2O-0.1%TFA; 始め: 20%B、最終: 100%B)に注入した。回収したフラクションを減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(3 x 25mL)で抽出した。抽出物を合わせて無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(2R,3R,4S,5R,6R)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチル-N-(2-メチルベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(20mg、0.036mmol、54.0%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=550.0; 1H NMR(500MHz、メタノール-d4) δ 8.54 (s, 1H), 8.10 (d, J=1.7Hz, 1H), 8.00 (d, J=8.5Hz, 1H), 7.65 (dd, J=8.7, 6.7Hz, 2H), 7.57 (dd, J=8.5, 2.2Hz, 1H), 4.76 (dd, J=11.0, 9.1Hz, 1H), 4.64 (dd, J=11.0, 3.0Hz, 1H), 3.97 (d, J=2.5Hz, 1H), 3.84 (d, J=9.1Hz, 1H), 3.75 (dd, J=11.6, 7.2Hz, 1H), 3.68-3.61 (m, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.38-3.34 (m, 1H), 2.89 (s, 3H); hGal-3(HTRF) IC50=0.109μM
【0068】
実施例3(方法Cの代表)
(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
【化9】
【0069】
ステップ1. メチル(2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(670mg、1.403mmol)およびヨードメタン(0.349mL、5.61mmol)/DMF(12mL)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%油中分散、281mg、7.02mmol)を1度に加えた。この混合物を室温で6時間撹拌し、次いで50℃で10時間撹拌した。再び0℃に冷却後、ヨードメタン(0.175mL、2.80mmol)および水素化ナトリウム(60%油中分散、140mg、2.31mmol)を追加した。この混合物を50℃でさらに4時間加熱した。これを0℃に冷却し、酢酸(1mL、17.47mmol)でクエンチし、水(150mL)で希釈し、pH 7になるまで調節した。不溶性物質を吸引濾過により回収し、続いてフラッシュクロマトグラフィー(80gシリカゲル、まぶしカラム、30-65%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、所望の生成物、メチル(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(236mg、0.467mmol、33.3%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=506.0
【0070】
ステップ2. (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸
メチル(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(234mg、0.463mmol)/THF(10mL)の溶液に、室温で水酸化リチウム(55.4mg、2.315mmol)/水(2mL)の溶液を2分かけて加えた。この混合物を室温で2時間撹拌し、次いで乾燥するまで減圧濃縮した。残渣に水(10mL)を加え、得られた混合物をHCl(1N)でpH 4~5に酸性化した。不溶性生成物、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(221mg、0.450mmol、97%収率)を白色固体として吸引濾過により回収し、50℃で真空乾燥した。LCMS(M+H)+=492.0
【0071】
ステップ3. (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(25mg、0.051mmol)、6-クロロキノリン-8-アミン(18.17mg、0.102mmol)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)(36.0mg、0.081mmol)、およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.036mL、0.203mmol)/DMF(0.5mL)の混合物を室温で7時間撹拌した。この混合物をメタノールで希釈し、分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna AXIA 5u C18 21.2 x 100; 溶媒A: 90%H2O-10%メタノール-0.1%TFA、溶媒B: 10%メタノール-90%H2O-0.1%TFA; 始め: 44%B、最終: 100%B)に注入した。回収したフラクションを合わせて減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(3 x 25mL)で抽出した。抽出物を合わせて無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(12mg、0.018mmol、36.2%収率)をベージュ色固体として得た。LCMS(M+H)+=652.0
【0072】
ステップ4. (2S,4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(12mg、0.018mmol)およびヨードメタン(2N、t-ブチルエチルエーテル、0.023mL、0.046mmol)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%油中分散、1.840mg、0.046mmol)を1度に加えた。この混合物を室温で30分間撹拌し、次いでAcOH(0.5mL)でクエンチした。この混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(15mL)、水(2 x 15mL)、食塩水(15mL)で洗浄した。有機層を無水MgSO4で乾燥し、減圧濃縮し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(12mg、0.018mmol、98%収率)をベージュ色固体として得た。LCMS(M+H)+=666.1
【0073】
ステップ5. (2R,3R,4S,5R,6R)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(12mg、0.018mmol)/70%酢酸(1mL)の溶液を70℃で6時間加熱した。この混合物をメタノールで希釈し、分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna AXIA 5u C18 21.2 x 100; 溶媒A: 90%H2O-10%メタノール-0.1%TFA、溶媒B: 10%メタノール-90%H2O-0.1%TFA; 始め: 25%B、最終: 100%B)に注入した。回収したフラクションを合わせて減圧濃縮し、K2HPO4溶液(1N)で塩基性化し、ジクロロメタン(3 x 25mL)で抽出した。抽出物を合わせて無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧除去し、(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(6-クロロキノリン-8-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(4.0mg、6.48μmol、36.0%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=578.0; 1H NMR(500MHz、メタノール-d4) δ 9.02-8.93 (m, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.46-8.36 (m, 1H), 8.14 (br d, J=2.2Hz, 1H), 8.03 (br s, 1H), 7.73-7.61 (m, 3H), 4.61-4.55 (m, 1H), 4.56-4.49 (m, 1H), 3.93 (br s, 1H), 3.82-3.74 (m, 1H), 3.72-3.64 (m, 1H), 3.48 (s, 3H), 3.44-3.39 (m, 1H), 3.30-3.26 (m, 1H), 3.21-3.13 (s, 3H); hGal-3(HTRF) IC50=0.057μM
【0074】
実施例4(方法Dの代表)
(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
【化10】
【0075】
ステップ1. ((4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)エチニル)トリメチルシラン
5-ブロモ-2-クロロ-1,3-ジフルオロベンゼン(27.3g、120mmol)、ヨウ化銅(I)(0.389g、2.041mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(1.432g、2.041mmol)の脱気した混合物/トリエチルアミン(120mL)に、室温でエチニルトリメチルシラン(17.30mL、122mmol)を窒素下で20分かけて滴下して加えた。この混合物を反応が完了するまで室温で撹拌した(HPLCでモニターした)。これをヘキサン(100mL)で希釈し、不溶性物質を濾過により除去した。濾液を減圧濃縮し、得られた残渣を220gシリカゲルフラッシュカラム(溶媒: ヘキサン)にロードし、((4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)エチニル)トリメチルシラン(29.23g、109mmol、91%収率)を油状物として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.03-7.10 (m, 2H), 0.22-0.29 (m, 9H)
【0076】
ステップ2. メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート
メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-アジド-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(0.200g、0.530mmol)/DMF(3.79mL)および水(1.514mL)の溶液に、(+)-アスコルビン酸ナトリウム(0.105g、0.530mmol)、硫酸銅(II)五水和物(0.119g、0.477mmol)、および((4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)エチニル)トリメチルシラン(0.259g、1.060mmol)を加えた。この反応混合物を脱気し、85℃で1.5時間加熱した。反応液を氷に注いだ。得られた不溶性物質を吸引濾過により回収し、真空乾燥した。この粗製生成物をさらにフラッシュクロマトグラフィー(24gシリカゲル、まぶしカラム、0~50%酢酸エチル/ジクロロメタン)で精製し、メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(286mg、0.520mmol、98%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=550.1; 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.08 (s, 1H), 7.42-7.46 (m, 5H), 7.39-7.41 (m, 1H), 7.37-7.39 (m, 1H), 5.88 (dd, J=9.46, 11.00Hz, 1H), 5.52 (s, 1H), 5.20 (dd, J=3.41, 10.89Hz, 1H), 4.45-4.51 (m, 2H), 4.23 (d, J=9.68Hz, 1H), 4.09-4.16 (m, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.79 (d, J=1.10Hz, 1H), 1.88 (s, 3H)
【0077】
ステップ3. (4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸
メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(286mg、0.520mmol)/THF(11.0mL)の溶液に、LiOH(1N水溶液、2.60mL、2.60mmol)を加えた。この反応混合物を室温で30分間撹拌し、水(10mL)で希釈し、HCl水溶液(1N)でpH 5に酸性化し、酢酸エチル(2 x 20mL)で抽出した。抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(241mg、0.488mmol、94%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=494.1; 1H NMR(400MHz、DMSO-d6) δ 8.93 (s, 1H), 7.84 (d, J=8.36Hz, 2H), 7.29-7.36 (m, 5H), 5.52 (s, 1H), 5.10 (td, J=3.52, 6.60Hz, 1H), 4.43 (br s, 2H), 4.04-4.21 (m, 2H), 3.87 (br s, 2H)
【0078】
ステップ4. (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(108mg、0.219mmol)およびベンゾ[d]チアゾール-6-アミン・2HCl(53.7mg、0.241mmol)/ジクロロメタン(5mL)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.153mL、0.875mmol)、続いて2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(50%EtOAc溶液、557mg、0.875mmol)を加えた。得られた溶液を室温で1時間撹拌し、次いで減圧濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(80gシリカゲル、まぶしカラム、0~90%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(106mg、0.169mmol、77%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=626.2; 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.98 (s, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.54 (d, J=2.20Hz, 1H), 8.12 (d, J=8.80Hz, 1H), 8.06-8.08 (m, 1H), 7.50 (dd, J=1.98, 8.80Hz, 1H), 7.41-7.46 (m, 2H), 7.38 (s, 4H), 5.55 (s, 1H), 5.14 (dd, J=3.08, 10.56Hz, 1H), 4.98 (br s, 1H), 4.69 (t, J=10.01Hz, 1H), 4.63 (d, J=2.64Hz, 1H), 4.56 (dd, J=1.21, 12.87Hz, 1H), 4.23 (d, J=9.46Hz, 2H), 3.95 (s, 1H
【0079】
ステップ5. (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(25mg、0.040mmol)/DMF(1.0mL)に、水素化ナトリウム(60%油中分散、7.99mg、0.200mmol)、続いてヨードメタン(0.012mL、0.200mmol)を加えた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL)で抽出した。有機溶液をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gシリカゲル、0~90%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(22mg、0.034mmol、84%収率)をベージュ色固体として得た。LCMS(M+H)+=654.2; 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.21 (d, J=8.58Hz, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.96-8.06 (m, 2H), 7.54 (dd, J=1.98, 8.58Hz, 1H), 7.38-7.48 (m, 7H), 5.44 (s, 1H), 4.81 (dd, J=3.30, 10.56Hz, 1H), 4.43 (dd, J=9.02, 10.56Hz, 1H), 4.30 (dd, J=1.21, 12.65Hz, 1H), 4.19-4.25 (m, 1H), 3.95 (dd, J=1.54, 12.76Hz, 1H), 3.80 (d, J=9.02Hz, 1H), 3.42 (s, 3H), 3.12 (s, 1H), 3.08 (s, 3H)
【0080】
ステップ6. (2R,3R,4S,5R,6R)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(22mg、0.034mmol)/酢酸(0.7mL)および水(0.3mL)の混合物を65℃で終夜加熱した。得られた反応液をメタノールで希釈し、分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna AXIA 5u 30 x 100; 溶媒A: 90%H2O-10%ACN-0.1%TFA、溶媒B: 90%ACN-10%H2O-0.1%TFA; 始め: 25%B、最終: 80%B)に注入した。回収したフラクションを合わせて、減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(2 x 25mL)で抽出した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(ベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(11mg、0.019mmol、56.6%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=566.1; 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 9.35 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 8.22-8.27 (m, 1H), 8.12-8.22 (m, 1H), 7.64-7.70 (m, 2H), 7.58-7.64 (m, 1H), 4.69 (dd, J=2.86, 10.78Hz, 1H), 4.50 (dd, J=9.13, 10.67Hz, 1H), 3.91 (d, J=2.42Hz, 1H), 3.78-3.83 (m, 1H), 3.73-3.78 (m, 1H), 3.63 (dd, J=4.51, 11.77Hz, 1H), 3.43 (s, 3H), 3.34 (br s, 1H), 3.14 (s, 3H); hGal-3(HTRF) IC50=0.033μM
【0081】
実施例5(方法Eの代表)
(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
【化11】
【0082】
ステップ1. (4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸
メチル(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキシレート(1.1g、2.000mmol)/THF(45.5mL)およびメタノール(4.55mL)の懸濁液に、水酸化リチウム水溶液(1N、2.000mL、2.000mmol)を滴下して加えた。この反応混合物を室温で終夜撹拌し、水(30mL)で希釈し、HCl水溶液(1M)でpH 3~4に酸性化し、EtOAc(2 x 50mL)で抽出した。抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(80gシリカゲル、まぶしカラム、0~15%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(215mg、0.401mmol、20%収率)を白色固体として得た。LCMS(M+H)+=536.2; 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 8.33 (s, 1H), 7.42-7.49 (m, 4H), 7.36-7.40 (m, 3H), 5.84 (t, J=10.23Hz, 1H), 5.58 (s, 1H), 5.40 (dd, J=2.97, 10.89Hz, 1H), 4.56 (d, J=3.08Hz, 1H), 4.39 (d, J=12.76Hz, 1H), 4.31 (d, J=9.68Hz, 1H), 4.17 (d, J=12.76Hz, 1H), 3.92 (s, 1H), 1.85 (s, 3H)
【0083】
ステップ2. (4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-((5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート
(4aR,6R,7R,8S,8aR)-7-アセトキシ-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(66mg、0.123mmol)および5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)アニリン(27.7mg、0.142mmol)/DCE(1.0mL)に、ピリジン(0.040mL、0.493mmol)、続いて2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(50%EtOAc溶液、314mg、0.493mmol)を加えた。得られた溶液を80℃で2時間撹拌した。この混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製(12gシリカゲル、0~5%メタノール/ジクロロメタン)し、(4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-((5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート(70mg、0.098mmol、80%収率)をフィルムとして得た。LCMS(M+H)+=713.3; 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 9.06 (br s, 1H), 8.29 (d, J=1.32Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.57 (d, J=8.58Hz, 1H), 7.41-7.45 (m, 5H), 7.37 (d, J=7.48Hz, 2H), 7.24 (dd, J=1.10, 8.36Hz, 1H), 5.83 (dd, J=9.68, 11.00Hz, 1H), 5.54 (s, 1H), 5.28-5.34 (m, 1H), 4.55 (d, J=3.08Hz, 1H), 4.49 (dd, J=1.43, 12.87Hz, 1H), 4.28 (d, J=9.68Hz, 1H), 4.18 (dd, J=1.54, 12.98Hz, 1H), 3.94 (d, J=0.66Hz, 1H), 1.98 (s, 3H)
【0084】
ステップ3. (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8S,8aR)-6-((5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)カルバモイル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-7-イルアセテート(35mg、0.037mmol)およびK2CO3(25.4mg、0.184mmol)/DMF(1.0mL)に、ヨードメタン(6.87μL、0.110mmol)を加えた。この混合物を90℃で1時間撹拌し、減圧濃縮し、揮発性物質を除去した。残った溶液に水酸化リチウム水溶液(1N、0.110mL、0.110mmol)を加え、この混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を乾燥するまで減圧濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gシリカゲル、0~4%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(19mg、0.028mmol、75%収率)をフィルムとして得た。LCMS(M+H)+=685.3
【0085】
ステップ4. (2R,3R,4S,5R,6R)-N-(5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-8-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-7-ヒドロキシ-N-メチル-2-フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(19mg、0.028mmol)/酢酸(0.7mL)および水(0.3mL)の混合物を90℃で2時間撹拌した。この混合物をメタノールで希釈し、分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna AXIA 30 x 100mm C18 5u; 溶媒A: 90%H2O-10%ACN-0.1%TFA、溶媒B: 90%ACN-10%H2O-0.1%TFA; 始め: 30%B、最終: 70%B)に注入した。回収したフラクションを合わせて減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(2 x 25mL)で抽出した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(5-クロロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル)-4-(4-(4-クロロ-3,5-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(5mg、7.95μmol、28.7%収率)を灰白色固体として得た。LCMS(M+H)+=597.2; 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 8.57 (d, J=5.06Hz, 1H), 7.86 (d, J=8.58Hz, 1H), 7.79 (d, J=1.76Hz, 1H), 7.68-7.74 (m, 1H), 7.65 (d, J=7.92Hz, 2H), 7.56 (d, J=1.54Hz, 1H), 4.68 (dd, J=2.75, 11.33Hz, 1H), 4.47-4.65 (m, 1H), 4.01 (d, J=2.86Hz, 1H), 3.80 (d, J=8.80Hz, 1H), 3.66-3.72 (m, 1H), 3.60-3.65 (m, 1H), 3.50-3.53 (m, 1H), 3.27 (d, J=5.28Hz, 3H); hGal-3(HTRF) IC50=0.051μM
【0086】
実施例6(方法Fの代表)
(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
【化12】
【0087】
ステップ1. (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(100mg、0.209mmol)およびベンゾ[b]チオフェン-6-アミン(34.4mg、0.230mmol)/DCM(3.0mL)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.146mL、0.838mmol)、続いて2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(50%EtOAc溶液、533mg、0.838mmol)を加えた。この溶液を室温で1時間撹拌し、減圧濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gシリカゲル、0~3%メタノール/ジクロロメタン)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(111mg、0.182mmol、87%収率)を灰白色固体として得た。LCMS(M+H)+=609.2; 1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.66 (s, 1H), 8.36 (d, J=1.98Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.81 (d, J=8.36Hz, 1H), 7.40-7.46 (m, 4H), 7.38-7.39 (m, 4H), 7.32 (dd, J=0.66, 5.28Hz, 1H), 5.54 (s, 1H), 5.09-5.17 (m, 1H), 5.05-5.09 (m, 1H), 4.65-4.74 (m, 1H), 4.51-4.63 (m, 2H), 4.22-4.25 (m, 1H), 4.17-4.22 (m, 1H), 3.90-3.96 (m, 1H)
【0088】
ステップ2. (2R,3R,4S,5R,6R)-N-(ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド
密封したチューブ中、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(55mg、0.090mmol)およびK2CO3(62.4mg、0.452mmol)/DMF(2.0mL)に、ヨードメタン(38.5mg、0.271mmol)を加えた。この混合物を60℃で1日間撹拌し、次いで90℃で2日間撹拌した。この混合物をメタノールで希釈し、分取HPLCに注入した(カラム: Phenomenex Luna AXIA 30 x 100mm C18 5u; 溶媒A: 90%H2O-10%ACN-0.1%TFA、溶媒B: 90%ACN-10%H2O-0.1%TFA; 始め: 30%B、最終: 60%B)。回収したフラクションを合わせて減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(2 x 25mL)で抽出した。溶媒を減圧除去し、所望の生成物、(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)-3,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(11mg、0.020mmol、21.63%収率)を黄褐色固体として得た。LCMS(M+H)+=535.1; 1H NMR(500MHz、メタノール-d4) δ 8.52 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.95 (d, J=8.25Hz, 1H), 7.70 (d, J=5.50Hz, 1H), 7.63 (dd, J=6.74, 8.67Hz, 2H), 7.45 (d, J=5.50Hz, 1H), 7.42 (dd, J=1.65, 8.53Hz, 1H), 4.74 (dd, J=9.08, 10.73Hz, 1H), 4.61 (dd, J=2.89, 10.87Hz, 1H), 3.95 (d, J=2.48Hz, 1H), 3.86 (d, J=9.08Hz, 1H), 3.71-3.77 (m, 1H), 3.61-3.66 (m, 1H), 3.40 (s, 3H), 3.33-3.37 (m, 1H)
【0089】
実施例7および8(方法Gの代表)
(2R,3R,4S,5R,6R)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(アトロプ異性体1および2)
【化13】
【0090】
ステップ1. (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
密封したチューブ中、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボン酸(30mg、0.061mmol)、2-(tert-ブチル)-5-クロロアニリン(13.46mg、0.073mmol)、ピリジン(0.020mL、0.244mmol)および2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド(50%EtOAc溶液、155mg、0.244mmol)/DCE(1.0mL)の混合物を90℃で1時間撹拌した。この混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gシリカゲル、0~60%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、所望の生成物、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(39mg、0.030mmol、48.6%収率)を灰白色固体として得た。LCMS(M+H)+=657.2
【0091】
ステップ2. (4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-7-メトキシ-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(39mg、0.030mmol)/DMF(1.0mL)に、水素化ナトリウム(60%油中分散、5.93mg、0.148mmol)、続いてヨードメタン(21.06mg、0.148mmol)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機溶液をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(12gシリカゲル、0~90%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(30mg、0.030mmol、99%収率)を灰白色固体として得た。LCMS(M+H)+=671.3
【0092】
ステップ3. (2R,3R,4S,5R,6R)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-メトキシ-N-メチル-4-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルボキサミド(アトロプ異性体 1および2)
(4aR,6R,7R,8R,8aR)-N-(2-(tert-ブチル)-5-クロロフェニル)-7-メトキシ-N-メチル-2-フェニル-8-(4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサヒドロピラノ[3,2-d][1,3]ジオキシン-6-カルボキサミド(30mg、0.030mmol)/酢酸(0.7mL)および水(0.3mL)の混合物を60℃で終夜撹拌した。この混合物をメタノールで希釈し、分取HPLC(カラム: Phenomenex Luna AXIA 30 x 100mm C18 5u; 溶媒A: 90%H2O-10%ACN-0.1%TFA、溶媒B: 90%ACN-10%H2O-0.1%TFA; 始め: 20%B、最終: 60%B)に注入した。2つの生成物を単離した。回収したそれぞれの生成物のフラクションを合わせて減圧濃縮し、飽和NaHCO3溶液で塩基性化し、ジクロロメタン(2 x 25mL)で抽出した。溶媒を減圧除去し、アトロプ異性体1(5mg、8.15μmol、27.6%収率)およびアトロプ異性体2(3mg、4.89μmol、16.57%収率)を白色固体として得た。
アトロプ異性体1: LCMS(M+H)+=583.2; 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 8.63-8.82 (m, 1H), 7.61-7.74 (m, 3H), 7.29-7.46 (m, 1H), 7.03-7.20 (m, 1H), 4.68-4.75 (m, 1H), 4.33-4.45 (m, 1H), 3.98 (d, J=2.64Hz, 1H), 3.85 (d, J=9.24Hz, 1H), 3.63-3.66 (m, 1H), 3.43-3.49 (m, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.12-3.17 (m, 3H), 1.35-1.45 (m, 9H); hGal-3(HTRF) IC50=0.166μM
アトロプ異性体2: LCMS(M+H)+=583.2; 1H NMR(400MHz、メタノール-d4) δ 8.72 (s, 1H), 7.66 (d, J=8.80Hz, 3H), 7.43 (dd, J=2.42, 8.80Hz, 1H), 7.35 (d, J=2.42Hz, 1H), 4.70 (dd, J=2.86, 10.78Hz, 1H), 4.52-4.59 (m, 1H), 3.98 (d, J=2.42Hz, 1H), 3.60-3.75 (m, 3H), 3.23 (s, 3H), 3.12-3.17 (m, 1H), 3.09 (s, 3H), 1.38-1.43 (m, 9H); hGal-3(HTRF) IC50=0.102μM
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0093】
セクションB
一般的な合成スキームB1
表B1に示すC2-ヒドロキシ誘導体の製造
【化14】
【表12】
【表13】
【0094】
一般的な合成スキームB2
表B2に示すC2-ヒドロキシ誘導体の製造
【化15】
【表14】
【0095】
一般的な合成スキームB3
表B3に示す誘導体の製造
【化16】
【表15】
【0096】
実施例B19
【化17】
【0097】
一般的な合成スキームB4
表B4に示す誘導体の製造
【化18】
【表16】
【0098】
実施例B24
【化19】
【0099】
実施例B25
【化20】
[請求項1]
式(I)または(II):
[化1]
[式中、
Xは、独立して、-C(O)-、-CH 2 -、および-CH 2 C(O)-から選択され;
Ar 1 は、独立して、フェニルまたはナフチルであり;ここで各環は、シアノ、ハロゲン、C 1-4 アルキル、C 1-4 アルコキシ、C 1-4 ハロアルキル、およびC 1-4 ハロアルコキシから選択される1~5個の置換基で置換され;
R 1 は、独立して、H、C 1-4 アルキル、およびC 1-4 ハロアルキルから選択され;
R 2 は、独立して、HまたはC 1-4 アルキルであり;
R 3 は、独立して、Ar 2 、-(CH 2 ) 1-2 Ar 2 、および-CH 2 CH 2 NR 4 Ar 2 から選択され;
Ar 2 は、独立して、フェニル、
[化2]
、および5~10個の環原子を含み、ここで1~4個の環原子はそれぞれ独立してN、N(R 5 )、O、およびSから選択されるヘテロアリールから選択され;各環は、OH、シアノ、ハロゲン、C 1-4 アルキル、C 1-4 ハロアルキル、C 1-4 アルコキシ、C 1-4 ハロアルコキシ、N(C 1-4 アルキル) 2 、-SO 2 (C 1-4 アルキル)、-OPh、-OBn、C 3-6 シクロアルキル;およびシアノ、ハロゲン、C 1-4 アルキル、C 1-4 ハロアルキル、C 1-4 アルコキシ、C 1-4 ハロアルコキシ、-NH 2 、-NH(C 1-4 アルキル)、および-N(C 1-4 アルキル) 2 から選択される0~1個の置換基で置換されたフェニルから選択される0~4個の置換基で置換され;
R 4 は、独立して、HまたはC 1-4 アルキルであり;および
R 5 は、独立して、HまたはC 1-4 アルキルである]
の化合物あるいはその医薬的に許容される塩。
[請求項2]
化合物が式(Ia):
[化3]
である、請求項1の化合物またはその医薬的に許容される塩。
[請求項3]
Ar 1 が、独立して、フェニルまたはナフチルであり;ここで各環は、シアノ、ハロゲン、C 1-4 アルキル、およびC 1-4 アルコキシから選択される1~3個の置換基で置換され;
R 1 が、独立して、HまたはC 1-4 アルキルであり;および
Ar 2 が、独立して、フェニル、
[化4]
、ピリジニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、N-(C 1-4 アルキル)-インダゾリル、およびキノリニルから選択され;各環は、OH、シアノ、ハロゲン、C 1-4 アルキル、C 1-4 アルコキシ、C 1-4 ハロアルキル、C 1-4 ハロアルコキシ、N(C 1-4 アルキル) 2 、-SO 2 (C 1-4 アルキル)、-OPh、および-OBnから選択される0~4個の置換基で置換される、請求項1または請求項2の化合物。
[請求項4]
Ar 1 が、独立して、
[化5]
から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
[請求項5]
R 3 が、独立して、Ar 2 、-(CH 2 ) 1-2 Ar 2 、および-CH 2 CH 2 NR 4 Ar 2 から選択され;
Ar 2 が、独立して、
[化6]
から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
[請求項6]
R 1 が、独立して、HまたはCH 3 であり;
R 2 が、独立して、H、CH 3 、-CH 2 CH 3 、および-CH(CH 3 ) 2 から選択され;および
R 4 が、独立して、HまたはCH 3 である、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
[請求項7]
実施例1~44およびB1~B25から選択される化合物またはその医薬的に許容される塩である、請求項1の化合物。
[請求項8]
治療上有効量の、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、および1つ以上の医薬的に許容される担体を含む、組成物。
[請求項9]
医薬として用いるための、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、または請求項8の組成物。
[請求項10]
臓器(肝臓、腎臓、肺、心臓および皮膚など)の線維症、肝臓疾患および病態(急性肝炎、慢性肝炎、肝線維症、肝硬変、門脈圧亢進症、肝再生不全、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、肝機能低下、および肝血流障害など)、細胞増殖性疾患およびがん疾患(固形腫瘍、固形腫瘍転移、血管線維腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)およびがん細胞の湿潤転移など)、炎症性疾患および病態(乾癬、腎症、および肺炎など)、消化管疾患および病態(過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、および異常膵液分泌など)、腎臓疾患および病態、尿路関連疾患および病態(良性前立腺肥大症、または神経因性膀胱関連疾患、脊髄腫瘍、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄、および糖尿病関連症状など)、下部尿路疾患および病態(下部尿路閉塞など)、下部尿路炎症性疾患および病態(排尿障害および頻尿など)、膵臓疾患および病態、異常血管形成関連疾患および病態(動脈閉塞など)、強皮症、脳関連疾患および病態(脳梗塞および脳出血など)、神経障害性疼痛および末梢神経障害、眼疾患および病態(加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、増殖性硝子体網膜症(PVR)、瘢痕性類天疱瘡、および緑内障濾過手術後瘢痕など)を治療するための使用であって、治療上有効量の、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩、または請求項8の組成物を患者に投与することを特徴とする、使用。
[請求項11]
疾患または病状が、腎線維症、肺線維症、肝線維症、動脈性線維症、または全身性硬化症である、請求項10の使用。