(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】アプリケーションプログラム、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20241028BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2022069882
(22)【出願日】2022-04-21
【審査請求日】2022-06-17
【審判番号】
【審判請求日】2024-03-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.公然実施による公開および電気通信回線を通じた公開 公然実施日 :令和3年12月23日 ウェブサイトのURL:https://weather-report.yahoo.co.jp/map/ 2.公然実施による公開および電気通信回線を通じた公開 公然実施日 :令和3年12月23日 ウェブサイトのURL:https://apps.apple.com/jp/app/id481914139 3.公然実施による公開および電気通信回線を通じた公開 公然実施日 :令和3年12月23日 ウェブサイトのURL:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.yahoo.android.emg
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】諸岡 達也
(72)【発明者】
【氏名】榎田 宗丈
(72)【発明者】
【氏名】藤本 一成
(72)【発明者】
【氏名】米田 恵
【合議体】
【審判長】相崎 裕恒
【審判官】佐藤 智康
【審判官】間野 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-049338(JP,A)
【文献】スペクティ,「Yahoo!防災速報」向けに、SNSに投稿された災害情報の連携を開始,2022年01月11日,[online],<URL:Https://prtimes.jp/main/html/000000104.000016808.html>
【文献】森田 直志,他2名,ソーシャルメディア情報を活用した防災システム,FUJITSU,富士通株式会社,2017年11月01日,Vol.68,No.6,p.62-67
【文献】松山 茂,他6名,iPhoneおすすめアプリ・ランキング,初版,株式会社マイナビ出版,2016年12月17日,p.50,ISBN:978-4-8399-6079-7
【文献】山本 佳世子,情報共有・地域活動支援のためのソーシャルメディアGIS,初版,株式会社古今書院,2015年10月30日,p.85-101,123-141,ISBN:978-4-7722-4193-9
【文献】山本 愛海,田村 慶一,深層学習を用いたマルチラベル分類に基づく災害画像分析,電子情報通信学会2021年総合大会講演論文集 情報・システム1,2021年03月12日,p.33
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置に、
リアルタイムの自然現象の状況を示す自然現象マップを取得させ、
前記自然現象に関するソーシャルネットワーキングサービスのリアルタイムの投稿内容と、前記投稿内容が投稿された地理的な位置を示す位置情報とを含む投稿情報を取得させ、
前記自然現象マップを前記端末装置の表示部に表示させ、
前記自然現象マップにおける前記位置情報によって示される位置に、画像付きの投稿か否かを示すアイコンを表示させるとともに、前記投稿内容の少なくとも一部を表示させ、
予め機械学習を行うことによって生成された学習モデルを用いて、前記投稿内容から前記自然現象による危険度を判定させ、
前記自然現象による危険度に応じて、前記自然現象マップを地域ごとに色分けして前記表示部に表示させ、
前記自然現象の状況と、前記アイコンと、前記投稿内容の少なくとも一部とを含み、地域ごとに色分けされた前記自然現象マッ
プを、過去に遡って表示するために使用される時刻変更部を前記表示部に表示させる、
アプリケーションプログラム。
【請求項2】
前記自然現象は、大雨、降雪、雪崩、氾濫・洪水、浸水・冠水、土砂崩れ、高波・高潮、地震、津波、液状化、噴火、降灰、強風・暴風、竜巻・つむじ風、台風、落雷、降雹、崩落・倒壊、および倒木のうちの少なくとも一つの自然災害である、
請求項1記載のアプリケーションプログラム。
【請求項3】
前記端末装置に、
ユーザが前記アイコンを選択したことに応じて、前記アイコンを選択したことを示すピンを前記投稿内容の少なくとも一部に代えて表示させるとともに、選択された前記アイコンに対応する前記投稿内容の簡略表示を前記表示部に表示させる、
請求項1記載のアプリケーションプログラム。
【請求項4】
前記端末装置に、
前記ユーザが前記簡略表示を選択したことに応じて、選択された前記簡略表示に対応する前記投稿内容の詳細表示を前記表示部に表示させる、
請求項
3記載のアプリケーションプログラム。
【請求項5】
請求項1から
4のうちの何れか一項に記載のアプリケーションプログラムと、
前記端末装置と通信可能な情報処理装置と、
を備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記自然現象マップを生成するマップ生成部と、
前記投稿情報を収集する投稿情報収集部と、
前記自然現象マップおよび前記投稿情報を前記端末装置に送信する送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項6】
アプリケーションプログラムを実行する端末装置が、
リアルタイムの自然現象の状況を示す自然現象マップを取得し、
前記自然現象に関するソーシャルネットワーキングサービスのリアルタイムの投稿内容と、前記投稿内容が投稿された地理的な位置を示す位置情報とを含む投稿情報を取得し、
前記自然現象マップを前記端末装置の表示部に表示し、
前記自然現象マップにおける前記位置情報によって示される位置に、画像付きの投稿か否かを示すアイコンを表示するとともに、前記投稿内容の少なくとも一部を表示し、
予め機械学習を行うことによって生成された学習モデルを用いて、前記投稿内容から前記自然現象による危険度を判定し、
前記自然現象による危険度に応じて、前記自然現象マップを地域ごとに色分けして前記表示部に表示し、
前記自然現象の状況と、前記アイコンと、前記投稿内容の少なくとも一部とを含み、地域ごとに色分けされた前記自然現象マッ
プを、過去に遡って表示するために使用される時刻変更部を前記表示部に表示する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションプログラム、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自然災害などの自然現象の発生位置を地図上にリアルタイムに表示する技術が知られている。例えば、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上に投稿された情報に基づいて、災害の発生位置および災害の種別を判定し、地図上の災害の発生位置に災害の種別ごとに異なる表示態様でアイコンを表示する情報分析装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の情報分析装置によれば、災害の発生位置および災害の種別を表示することができるものの、災害に関するSNSのリアルタイムの投稿内容を表示することができないため、ユーザにとって災害の状況を把握することが難しい場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ユーザが自然災害などの自然現象の状況を容易に把握することができるアプリケーションプログラム、情報処理システム、および情報処理方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、端末装置に、リアルタイムの自然現象の状況を示す自然現象マップを取得させ、前記自然現象に関するソーシャルネットワーキングサービスのリアルタイムの投稿内容と、前記投稿内容が投稿された地理的な位置を示す位置情報とを含む投稿情報を取得させ、前記自然現象マップを前記端末装置の表示部に表示させ、前記自然現象マップにおける前記位置情報によって示される位置に、前記投稿内容の少なくとも一部を表示させる、アプリケーションプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ユーザが自然災害などの自然現象の状況を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】端末装置200の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】投稿内容が簡略表示された災害マップ500を示す図である。
【
図6】投稿内容の詳細表示画面550を示す図である。
【
図7】端末装置200の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】端末装置200の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明のアプリケーションプログラム、情報処理システム、および情報処理方法の実施形態について説明する。説明の便宜上、アプリケーションプログラムは防災アプリであるとして説明するが、自然現象に関する情報をリアルタイムで端末装置に表示させるアプリケーションであれば、防災アプリ以外でも構わない。自然現象は、例えば自然災害であってよい。自然災害は、例えば、大雨、降雪、雪崩、氾濫・洪水、浸水・冠水、土砂崩れ、高波・高潮、地震、津波、液状化、噴火、降灰、強風・暴風、竜巻・つむじ風、台風、落雷、降雹、崩落・倒壊、および倒木などのうちの少なくとも一つの災害であってよい。
【0010】
<1.システム構成>
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、情報処理装置100と、端末装置200-1~200-N(Nは2以上の自然数)と、SNSサーバ300とを備える。情報処理装置100、端末装置200-1~200-N、およびSNSサーバ300は、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうち一部または全部を含む。
【0011】
端末装置200-1~200-Nは、ユーザによって使用される、スマートフォンなどの携帯電話やタブレット端末などである。以下、いずれの端末装置であるかを区別しないときは、単に端末装置200と表記する。端末装置200は、情報処理装置100と連携する防災アプリが起動されることで、リアルタイムの災害の状況を示す災害マップを表示する。災害マップは、自然現象マップの一例である。災害マップの詳細については後述する。
【0012】
SNSサーバ300は、端末装置200によって投稿されたSNSの投稿情報を蓄積するコンピュータである。投稿情報は、SNSの投稿内容と、投稿内容が投稿された地理的な位置を示す位置情報とを含む。投稿内容は、例えば、テキストのみであってもよいし、画像のみであってもよいし、テキストと画像との組合せであってもよい。位置情報は、例えば、緯度情報と経度情報との組合せであってよい。
【0013】
また、SNSサーバ300は、蓄積したSNSの投稿情報から、災害に関する投稿情報を選別する機能を有する。例えば、SNSサーバ300は、予め機械学習を行うことによって生成された学習モデルを用いて、災害に関する投稿情報であるか否かを判定してもよい。なお、災害に関する投稿情報であるか否かの判定方法はこれに限らない。例えば、「洪水」や「土砂崩れ」などの災害に関する特定の単語が含まれているか否かに応じて、災害に関する投稿情報であるか否かを判定してもよい。
【0014】
情報処理装置100は、リアルタイムの災害の状況を示す災害マップを生成し、生成した災害マップを端末装置200に提供するコンピュータである。また、情報処理装置100は、SNSサーバ300から災害に関する投稿情報を収集し、収集した投稿情報を端末装置200に提供するコンピュータでもある。情報処理装置100は、通信部110と、マップ生成部120と、投稿情報収集部130と、記憶部170とを備える。
【0015】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0016】
マップ生成部120および投稿情報収集部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。マップ生成部120および投稿情報収集部130は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0017】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、情報処理装置100がネットワークNWを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、マップ情報171や、投稿情報172などの情報が格納される。マップ情報171は、地形、地名、道路、線路、建造物、河川、海、山脈などを含む地図に関する情報である。投稿情報172は、SNSに投稿された投稿内容に関連する情報である。投稿情報172の詳細については、
図3の説明で後述する。
【0018】
マップ生成部120は、記憶部170に記憶されたマップ情報171や気象庁のサーバなどから取得した気象データ等に基づいて、災害マップを生成する。災害マップの詳細については、
図4の説明で後述する。
【0019】
投稿情報収集部130は、通信部110を制御することで、災害に関するSNSの投稿情報172をSNSサーバ300から収集し、収集した投稿情報172を記憶部170に記憶する。通信部110は、災害マップおよび投稿情報172を端末装置200に送信する送信部として機能する。
【0020】
図2は、端末装置200の内部構成の一例を示すブロック図である。端末装置200は、通信部210と、表示部220と、操作部230と、測位部240と、撮像部250と、マップ取得部260と、投稿情報取得部270と、表示制御部280と、記憶部290とを備える。
【0021】
通信部210は、ネットワークNWに接続された無線基地局と無線通信を行う無線通信モジュールである。表示部220は、液晶表示装置などの表示装置である。操作部230は、ユーザからの操作指示を受け付ける装置である。なお、表示部220および操作部230は、タッチパネルディスプレイとして一体的に構成されてもよい。
【0022】
測位部240は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機である。測位部240は、衛星から受信した電波に基づく測位を行って、端末装置200の位置(すなわちユーザの位置)を特定する。例えば、測位部240は、緯度情報と経度情報との組合せを、端末装置200の位置を示す位置情報として出力してもよい。また、端末装置200は、通信部210が通信可能な無線基地局の位置から端末装置200の位置を推定してもよい。
【0023】
撮像部250は、ユーザの操作に応じて画像を撮影する装置である。撮像部250は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラである。
【0024】
マップ取得部260、投稿情報取得部270、および表示制御部280は、CPU等のプロセッサが、記憶部290に記憶されたアプリケーションプログラム(防災アプリ291)を実行することで実現される。なお、マップ取得部260、投稿情報取得部270、および表示制御部280は、プロセッサがプログラムを実行するのと同様の機能を有するLSI、ASIC、およびFPGA等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアが協働することで実現されてもよい。
【0025】
マップ取得部260は、通信部210を制御することで、情報処理装置100から災害マップを取得する。投稿情報取得部270は、通信部210を制御することで、災害に関するSNSの投稿情報172を情報処理装置100から取得する。表示制御部280は、表示部220を制御することで、災害マップなどの情報を表示部220に表示させる。
【0026】
記憶部290は、例えば、RAMやROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部290には、防災アプリ291や、SNSアプリ292などの情報が格納される。
【0027】
端末装置200は、SNSアプリ292を実行することにより、投稿情報をSNSに投稿することができる。例えば、端末装置200は、操作部230を用いてユーザが入力した文字(テキスト)や、撮像部250を用いてユーザが撮影した画像を含む情報を、投稿情報としてSNSに投稿する。
【0028】
図3は、投稿情報172の一例を示す図である。投稿情報172は、投稿ID、ユーザID、日時情報、投稿内容(テキスト)、投稿内容(画像URL(Uniform Resource Locator))、および位置情報が互いに対応付けられた情報である。
【0029】
投稿IDは、投稿情報を識別するための情報である。ユーザIDは、端末装置200からSNSの投稿情報を投稿したユーザを識別するための情報である。日時情報は、投稿情報を投稿した日時を示す情報である。投稿内容(テキスト)は、投稿内容に含まれる文字情報である。投稿内容(画像URL)は、投稿内容に含まれる画像のURLである。位置情報は、ユーザによりSNS投稿が行われた際の端末装置200の位置情報である。端末装置200の位置情報は、測位部240によって特定された緯度情報と経度情報との組合せであってよい。
【0030】
<2.災害マップ>
図4は、災害マップ500の一例を示す図である。災害マップ500は、端末装置200で防災アプリ291を起動することによって表示される、リアルタイムの災害の状況を示すマップである。災害マップ500は、情報処理装置100のマップ生成部120によって生成され、端末装置200の表示部220に表示される。
【0031】
情報処理装置100は、端末装置200からの要求に応じて災害マップ500を生成する。具体的に、情報処理装置100のマップ生成部120は、端末装置200から位置情報を受信し、受信した位置情報に基づいて端末装置200の位置を中心とした部分マップを、記憶部170に記憶されたマップ情報171に基づいて生成する。また、マップ生成部120は、気象庁のサーバなどから気象データ(降水量、降雪量、川の水位、土砂崩れの危険性のあるエリアなど)を取得する。そして、マップ生成部120は、端末装置200の位置を中心とした部分マップと、気象データとに基づいて災害マップ500を生成する。災害マップ500において、氾濫の危険性のある河川や土砂崩れの危険性のあるエリアが、危険度に応じて色分けされている。
【0032】
端末装置200のマップ取得部260は、情報処理装置100から災害マップ500を取得する。また、端末装置200の表示制御部280は、マップ取得部260によって取得された災害マップ500を、表示部220に表示する。
【0033】
災害マップ500には、日時情報501、危険エリア情報502、河川情報503、時刻変更部504、ボタン511~515、吹き出し521および522、およびアイコン523および524が含まれる。日時情報501は、災害マップ500によって示される状況の時刻を示す情報である。
【0034】
危険エリア情報502は、災害(例えば、土砂崩れなど)の発生する危険性のあるエリアを示す情報である。危険エリア情報502によって示されるエリアの色は、危険性のレベルに応じて変更してもよい。端末装置200は、危険性のレベルを、気象庁のサーバなどから取得した気象データに基づいて判定する。例えば、危険性のレベルが中程度のエリアを黄色で示してもよく、危険性のレベルが高いエリアを赤色で示してもよい。
【0035】
河川情報503は、河川の氾濫の危険性を表す情報である。河川情報503によって示される河川の色は、危険性のレベルに応じて変更してもよい。例えば、危険性のレベルが中程度の河川を黄色で示してもよく、危険性のレベルが高い河川を赤色で示してもよい。
【0036】
このように、防災アプリ291は、端末装置200に対し、自然災害による危険度に応じて、災害マップを地域ごとに色分けして表示部220に表示させる。これによって、ユーザは、自然災害の危険性のある地域を容易に把握することができる。
【0037】
なお、端末装置200は、SNSの投稿内容に基づいて、自然災害による危険度(危険性のレベル)を判定してもよい。例えば、端末装置200は、予め機械学習を行うことによって生成された学習モデルを用いて、SNSの投稿内容から自然災害による危険度を判定してもよい。これによって、端末装置200は、自然災害の危険度(危険性のレベル)を適切に判定することができる。
【0038】
時刻変更部504は、災害マップ500に表示される災害の状況を、過去に遡って表示するために使用される。例えば、ユーザが時刻変更部504を左にスライドさせることで、災害マップ500の時刻を過去に遡らせることができる。これによって、ユーザは、過去から現在に至るまでの災害の状況の変化を把握することができる。なお、本実施形態では、現在の時刻から12時間前まで遡らせることができる。
【0039】
ボタン511は、災害マップ500を最新の情報に更新する指示を行うためのボタンである。ボタン512は、日本全体を表示する広域表示となるよう、災害マップ500の縮尺を変更するためのボタンである。ボタン513は、端末装置200の現在位置を中心とした災害マップ500を表示するよう指示するためのボタンである。ボタン514は、災害マップ500を拡大するよう指示するためのボタンである。ボタン515は、災害マップ500を縮小するよう指示するためのボタンである。
【0040】
吹き出し521および522には、それぞれ、ユーザがSNSに投稿した内容の少なくとも一部が表示される。吹き出し521および522に投稿内容の全てを表示することとした場合、災害マップ500が吹き出しで隠れてしまうことにより、災害マップ500の視認性が悪くなってしまう。このため、災害マップ500には、投稿内容の一部のみを表示することが好ましい。
【0041】
アイコン523および524は、それぞれ、投稿内容(テキスト・画像・動画)の事象が発生した場所に表示される。例えば、投稿内容の事象が発生した場所とは、SNS投稿が行われた場所(例えば、SNS投稿が行われた際の端末装置200の位置)またはSNSに投稿された内容から推測される場所であってよい。ここで、「SNSに投稿された内容から推測される場所」としたのは、事象が発生した場所から移動した後にSNS投稿される場合や、事象が発生した地点から離れた場所で撮影される場合があるためである。「SNSに投稿された内容から推測される場所」は、情報処理装置100の投稿情報収集部130によって判定されてもよいし、SNSサーバ300で判定されてもよい。なお、SNSの投稿内容に応じて、災害マップ500に表示されるアイコンの種類が異なる。例えば、アイコン523は、画像を含む投稿内容を示すアイコンであり、アイコン524は、画像を含まずテキストだけの投稿内容を示すアイコンである。
【0042】
例えば、災害マップ500に対してユーザがドラッグ操作を行うことで、災害マップ500の位置を移動させることができる。また、災害マップ500に対してユーザがピンチアウト操作を行うか、ボタン514をタップすることで、災害マップ500を拡大することができる。また、災害マップ500に対してユーザがピンチイン操作を行うか、ボタン515をタップすることで、災害マップ500を縮小することができる。
【0043】
図5は、投稿内容が簡略表示された災害マップ500を示す図である。
図5において、アイコン523の周辺が拡大表示されているため、ユーザは土砂災害警戒区域532などの詳細な情報を把握することができる。また、ユーザがアイコン523をタップすることにより、アイコン523を選択したことを示すピン531が表示され、災害マップ500の下部に投稿内容の簡略表示533が表示される。
【0044】
投稿内容の簡略表示533は、閉じるボタン534と、テキスト情報535と、画像情報536とを含む。ユーザが閉じるボタン534をタップすると、投稿内容の簡略表示533を閉じることができる。テキスト情報535は、SNSの投稿内容の文字情報であるが、文字数制限のため一部の文字だけが表示されている。例えば、表示制御部280は、投稿内容の最初の30文字だけをテキスト情報535として表示部220に表示してもよい。画像情報536は、SNSの投稿内容に含まれる画像である。
【0045】
ユーザは、投稿内容の簡略表示533を災害マップ500中に表示させることで、投稿内容の概略を把握することができる。なお、ユーザは、投稿内容の簡略表示533中の「もっと見る」の部分をタップすることで、投稿内容の詳細表示画面を表示部220に表示させることができる。
【0046】
図6は、投稿内容の詳細表示画面550を示す図である。投稿内容の詳細表示画面550は、キーワード入力領域551と、投稿内容の詳細表示552と、閉じるボタン553とを含む。ユーザが閉じるボタン553をタップすると、投稿内容の詳細表示画面550を閉じることができる。投稿内容の詳細表示552は、SNSの投稿内容の全てが表示される領域である。ユーザは、投稿内容の詳細表示552を表示させることで、投稿内容の詳細を把握することができる。
【0047】
キーワード入力領域551は、ユーザがキーワードを入力する領域である。ユーザがキーワード入力領域551にキーワードを入力して検索ボタンをタップすると、端末装置200は、入力されたキーワードを情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、記憶部に蓄積された投稿情報172の中から、端末装置200から受信したキーワードを含む投稿情報を抽出し、抽出した投稿情報を端末装置200に送信する。端末装置200の表示制御部280は、受信した投稿情報を表示部220に表示する。これによって、ユーザは、キーワード入力領域551に入力したキーワードに関連するSNSの投稿内容を把握することができる。
【0048】
<3.端末装置の処理>
図7および
図8は、端末装置200の処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートによる処理は、端末装置200のプロセッサが記憶部290から防災アプリ291を読み出して実行することにより開始される。
【0049】
まず、
図7のフローチャートにおいて、端末装置200のマップ取得部260は、情報処理装置100から災害マップ500を取得する(S10)。次に、投稿情報取得部270は、災害に関するSNSの投稿情報172を情報処理装置100から取得する(S11)。その後、表示制御部280は、マップ取得部260によって取得された災害マップ500を、表示部220に表示する(S12)。
【0050】
次に、表示制御部280は、災害マップ500上に、SNSの投稿内容の少なくとも一部や、アイコンを表示する(S13)。例えば、表示制御部280は、
図4に示されるように、災害マップ500上に、SNSの投稿内容の少なくとも一部が表示される吹き出し521および522や、投稿場所および投稿内容の種類を示すアイコン523および524を表示させる。その後、端末装置200は、
図8のS20に処理を進める。
【0051】
図8のフローチャートにおいて、端末装置200は、災害マップ500上に表示されたアイコンがユーザによってタップされたか否かを判定する(S20)。災害マップ500上に表示されたアイコンがユーザによってタップされていないと判定された場合、端末装置200は、災害マップ500がユーザによって操作されたか否かを判定する(S21)。例えば、端末装置200は、災害マップ500に対するドラッグ操作、ピンチイン操作、ピンチアウト操作、各種ボタンのタップ操作などを検知することにより、災害マップ500がユーザによって操作されたか否かを判定する。
【0052】
災害マップ500がユーザによって操作されていないと判定された場合、端末装置200は、前述のS20に処理を戻す。一方、災害マップ500がユーザによって操作されたと判定された場合、ユーザの操作内容に応じて、災害マップ500の位置および縮尺を算出し、算出した災害マップ500の位置および縮尺を情報処理装置100に送信する(S22)。情報処理装置100のマップ生成部120は、端末装置200から受信した位置および縮尺に基づいて災害マップ500を作成し、作成した災害マップ500を端末装置200に送信する。その後、端末装置200は、
図7のS10に処理を戻す。これによって、端末装置200は、ユーザの操作に応じて位置や縮尺が変更された災害マップ500を表示することができる。
【0053】
一方、S20において、災害マップ500上に表示されたアイコンがユーザによってタップされたと判定された場合、端末装置200の表示制御部280は、SNSの投稿内容の簡略表示を行う(S23)。例えば、表示制御部280は、
図5に示されるように、災害マップ500の下部に投稿内容の簡略表示533を表示する。簡略表示533には、SNSの投稿内容の一部が表示される。ユーザは、投稿内容の簡略表示533を災害マップ500中に表示させることで、投稿内容の概略を把握することができる。
【0054】
次に、端末装置200は、投稿内容の簡略表示533がユーザによってタップされたか否かを判定する(S24)。例えば、端末装置200は、
図5に示される「もっと見る」の部分がユーザによってタップされたか否かを判定する。
【0055】
投稿内容の簡略表示533がユーザによってタップされていないと判定された場合、端末装置200は、
図5における閉じるボタン534がユーザによってタップされたか否かを判定する(S25)。閉じるボタン534がユーザによってタップされていないと判定された場合、端末装置200は、前述のS24に処理を戻す。一方、閉じるボタン534がユーザによってタップされたと判定された場合、表示制御部280は、投稿内容の簡略表示533を閉じる(S26)。その後、端末装置200は、前述のS20に処理を戻す。これによって、表示部220から投稿内容の簡略表示533が消去されることとなる。
【0056】
一方、S24において、投稿内容の簡略表示533がユーザによってタップされたと判定された場合、表示制御部280は、SNSの投稿内容の詳細表示を行う(S27)。例えば、表示制御部280は、
図6に示される投稿内容の詳細表示画面550を表示部220に表示させる。
【0057】
次に、端末装置200は、
図6における閉じるボタン553がユーザによってタップされたか否かを判定する(S28)。閉じるボタン553がユーザによってタップされていないと判定された場合、端末装置200は、再度S28の判定を行う。このため、端末装置200は、閉じるボタン553がユーザによってタップされるまで、S28の判定を繰り返し行うこととなる。
【0058】
一方、閉じるボタン553がユーザによってタップされたと判定された場合、表示制御部280は、投稿内容の詳細表示画面550を閉じる(S29)。その後、端末装置200は、前述のS24に処理を戻す。これによって、表示部220から詳細表示画面550が消去され、
図5に示される画面に戻ることとなる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態アプリケーションプログラム(防災アプリ291)は、端末装置200に、リアルタイムの自然現象(災害)の状況を示す自然現象マップ(災害マップ500)を取得させ、自然現象(災害)に関するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のリアルタイムの投稿内容と、投稿内容が投稿された地理的な位置を示す位置情報とを含む投稿情報172を取得させ、自然現象マップ(災害マップ500)を端末装置200の表示部220に表示させ、自然現象マップ(災害マップ500)における位置情報によって示される位置に、投稿内容の少なくとも一部(吹き出し521および522)を表示させる。これによって、ユーザは自然災害などの自然現象の状況を容易に把握することができる。
【0060】
また、本実施形態のアプリケーションプログラム(防災アプリ291)は、端末装置200に対し、災害マップ500における位置情報によって示される位置に、投稿内容の種類を示すアイコン523および524を表示させる。これによって、ユーザは、SNSの投稿内容の種類(例えば、画像付きの投稿か否か)を容易に把握することができる。
【0061】
また、本実施形態のアプリケーションプログラム(防災アプリ291)は、端末装置200に対し、ユーザがアイコン523または524を選択したことに応じて、選択されたアイコンに対応する投稿内容の簡略表示533を表示部220に表示させる。これによって、ユーザは、SNSの投稿内容の概略と、投稿内容が投稿された地理的な位置とを容易に把握することができる。
【0062】
また、本実施形態のアプリケーションプログラム(防災アプリ291)は、端末装置200に対し、ユーザが簡略表示533を選択したことに応じて、選択された簡略表示533に対応する投稿内容の詳細表示(詳細表示画面550)を表示部220に表示させる。これによって、ユーザは、SNSの投稿内容の詳細を容易に把握することができる。
【0063】
なお、SNSサーバ300は、SNSの投稿情報を収集して蓄積する機能や、災害に関する投稿情報を選別する機能などを有することとしたが、SNSサーバ300の機能の一部または全部は、情報処理装置100に組み込まれてもよい。
【0064】
また、災害マップ500は、防災アプリ291を起動することにより端末装置200に表示されるアプリ版の災害マップであることとしたが、これに限らない。例えば、災害マップ500は、ウェブブラウザなどを用いて端末装置200に表示されるWeb版の災害マップであってもよい。具体的に、端末装置200の通信部210は、情報処理装置100のサイトにアクセスして災害マップ500を受信し、表示制御部280は、受信した災害マップ500を、ウェブブラウザなどを用いてWeb版の災害マップ500として表示部220に表示させてもよい。
【0065】
また、Web版の災害マップ500は、スマートフォンなどの携帯電話やタブレット端末だけでなく、PC(Personal Computer)に表示させることもできる。PCでWeb版の災害マップ500を表示させる場合、投稿内容の詳細表示画面550の表示レイアウトや表示内容を、
図6と異ならせてもよい。
【0066】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 通信部
120 マップ生成部
130 投稿情報収集部
170 記憶部
200 端末装置
210 通信部
220 表示部
230 操作部
240 測位部
250 撮像部
260 マップ取得部
270 投稿情報取得部
280 表示制御部
290 記憶部
291 防災アプリ
300 SNSサーバ
500 災害マップ