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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】遊技用代用貨幣及び管理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 11/00 20060101AFI20241028BHJP
   A63F 9/00 20060101ALI20241028BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241028BHJP
【FI】
A63F11/00 D
A63F9/00 513
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022153678
(22)【出願日】2022-09-27
(62)【分割の表示】P 2017070704の分割
【原出願日】2017-03-31
(65)【公開番号】P2022188141
(43)【公開日】2022-12-20
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000103301
【氏名又は名称】エンゼルグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】230121430
【弁護士】
【氏名又は名称】安井 友章
(72)【発明者】
【氏名】重田 泰
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/022767(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0313777(US,A1)
【文献】特開2009-176002(JP,A)
【文献】特開2009-066172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 1/00- 5/04
9/00- 9/20
9/26-11/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用代用貨幣であって、
平らな表面の中央部分に凹部が形成され、
前記凹部内に、赤外線吸収材料による真偽認識マークが印刷された第1印刷層と、前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示を有する第2印刷層とが形成され
前記真偽認識マークは、赤外線カメラを用いて、前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示が印刷された側から赤外線照射をすることにより、前記真偽認識マークが前記遊技用代用貨幣の真贋を判断するのに用いられる、遊技用代用貨幣。
【請求項2】
前記遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、赤外線照射をすることにより判別可能で、通常カメラを用いて読み取った前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示との間の関連が判定可能なものである、請求項に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項3】
前記遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、透明又は半透明の赤外線吸収材料により印刷されている、請求項又はに記載の遊技用代用貨幣。
【請求項4】
前記遊技用代用貨幣は、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成した構成である、請求項からのいずれかに記載の遊技用代用貨幣。
【請求項5】
前記真偽認識マークは、文字又は模様である、請求項からのいずれかに記載の遊技用代用貨幣。
【請求項6】
前記真偽認識マークは、少なくとも前記着色層により特定される遊技用代用貨幣の種類とデータベースにより関連付けられている、請求項に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項7】
前記遊技用代用貨幣にはRFタグ情報を記憶したRFタグが内蔵されている、請求項からのいずれかに記載の遊技用代用貨幣。
【請求項8】
前記真偽認識マークは、少なくとも前記RFタグ情報とデータベースにより関連付けられている、請求項に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項9】
前記遊技用代用貨幣は、前記薄色層の外周表面にUVインク又はカーボンブラックインクによるIDマークが設けられている、請求項に記載の遊技用代用貨幣。
【請求項10】
前記真偽認識マークは、少なくとも前記IDマークとデータベースにより関連付けられている、請求項に記載の遊技用代用貨幣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用代用貨幣及びそれを用いたテーブルゲームの管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カジノ等の遊技場では、遊技用代用貨幣を用いたテーブルゲームが行われる。遊技用代用貨幣は換金可能であるので、その偽造は厳しく管理される。偽造された偽物の遊技用代用貨幣を真正の遊技用代用貨幣と判別するために、種々の技術が提案され、採用されている。例えば、遊技用代用貨幣に識別情報を記録した無線タグを内蔵させて、当該識別情報をリーダで読み取ることにより、真贋を判定する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、遊技用代用貨幣にはその種類ごとに異なる価値が定義されており、テーブルゲームを自動化するために、遊技用代用貨幣の価値を検知する技術も提案されている。例えば、遊技用代用貨幣に種類ないし価値の情報を記録した無線タグを内蔵させて、当該情報をリーダで読み取ることにより、真贋を判定する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-246103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、撮影によって得られる画像に基づいて真贋の判定が可能な新規な遊技用代用貨幣を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、遊技テーブルを用いたテーブルゲームの管理システムであり、遊技用代用貨幣の画像を記録する記録装置と、前記記録装置の記録結果を用いて、前記遊技用代用貨幣の種類と真贋とを判定する検査装置と、を有し、前記遊技用代用貨幣は、複数のプラスチックの層を熱圧着により積層した多層構造を有し、前記複数のプラスチックの層において外側の層には表示プラスチック層が配置され、前記表示プラスチック層の外側には前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示が印刷されており、かつ前記表示プラスチック層の裏側又は前記表示プラスチック層より内側のプラスチックの層には赤外線吸収材料による真偽認識マークが印刷され、前記記録装置は、前記表示プラスチック層の外側に印刷された前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示を記録・判別するための通常カメラと、前記表示プラスチック層の外側に印刷された前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示の印刷された側から赤外線照射をすることにより、前記表示プラスチックの層の裏側又は前記表示プラスチック層より内側のプラスチックの層に印刷した赤外線吸収材料による真偽認識マークを記録・判別するための赤外線カメラと、に接続された構成を有し、前記検査装置は、前記通常カメラと、前記赤外線カメラとを用いて、前記遊技用代用貨幣の種類と真贋とを判定する構成とした。
【0007】
この構成により、表面の印刷の内容のみでなく、内部に赤外線吸収材料によって印刷された内容にも基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定することができる。赤外線吸収材料による印刷は遊技用代用貨幣の内部にあるので、外から目視で確認されることがなく、また、使用によって剥がれたり薄れたりすることもない。
【0008】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、透明又は半透明の赤外線吸収材料により印刷されていてよい。
【0009】
この構成により、内部印刷に用いる赤外線吸収材料をより外部から目視で確認されにくくできる。
【0010】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣は、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成した構成であってよく、前記検査装置は、前記通常カメラを用いて、前記着色層により遊技用代用貨幣の種類を特定する構成を有していてよい。
【0011】
この構成により、側面の縞模様によって遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0012】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、文字又は模様であってよい。
【0013】
この構成により、文字又は模様によって真偽認識マークを構成できる。
【0014】
上記の管理システムにおいて、前記真偽認識マークと前記遊技用代用貨幣の種類とを関連付けて記憶するデータベースをさらに備えていてよい。
【0015】
この構成により、真偽認識マークを読み取ってデータベースを参照することで遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0016】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣にはRFタグ情報を記憶したRFタグが内蔵されていてよい。
【0017】
この構成により、遊技用代用貨幣からRFタグ情報を読み取ることができる。
【0018】
上記の管理システムにおいて、前記真偽認識マークと前記RFタグ情報とを関連付けて記憶するデータベースをさらに備えていてよい。
【0019】
この構成により、真偽認識マークとRFタグ情報とが関連付けられる。
【0020】
上記の管理システムにおいて、前記検査装置は、前記真偽認識マークと、少なくとも前記着色層で特定される種類とが前記データベースにより関連付けられているか否かを検査してよい。
【0021】
この構成により、真偽認識マークと着色層で特定される種類との組み合わせが正しいか否かを判断することで遊技用代用貨幣の真贋を判定する。
【0022】
上記の管理システムにおいて、前記検査装置は、前記真偽認識マークと、前記RFタグ情報とが前記データベースにより関連付けられているか否かを検査してよい。
【0023】
この構成により、真偽認識マークとRFタグ情報との組み合わせが正しいか否かによって遊技用代用貨幣の真贋を判定できる。
【0024】
本発明の一態様は、遊技用代用貨幣であって、複数のプラスチックの層を熱圧着により積層した多層構造を有し、前記複数のプラスチックの層において外側の層には表示プラスチック層が配置され、前記表示プラスチック層の外側には前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示が印刷されており、かつ前記表示プラスチックの層の裏側又は前記表示プラスチック層より内側のプラスチックの層には、赤外線吸収材料による真偽認識マークが印刷され、前記真偽認識マークは、赤外線カメラを用いて、前記表示プラスチック層の外側に印刷された前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示が印刷された側から赤外線照射をすることにより、前記表示プラスチックの層の裏側又は前記表示プラスチック層より内側のプラスチックの層に印刷した赤外線吸収材料による真偽認識マークを記録・判別することが許容される印刷である。
【0025】
この構成によっても、表面の印刷の内容のみでなく、内部に赤外線吸収材料によって印刷された内容にも基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定することができる。赤外線吸収材料による印刷は遊技用代用貨幣の内部にあるので、外から目視で確認されることがなく、また、使用によって剥がれたり薄れたりすることもない。
【0026】
上記の遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、赤外線照射をすることにより判別可能で、通常カメラを用いて読み取った前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示との間の関連が判定可能なものであってよい。
【0027】
この構成により、紫外線照射により判別可能な真偽認識マークと通常カメラで読み取った遊技用代用貨幣の種類との関連を判定できる。
【0028】
上記の遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、透明又は半透明の赤外線吸収材料により印刷されていてよい。
【0029】
この構成により、内部印刷に用いる赤外線吸収材料をより外部から目視で確認されにくくできる。
【0030】
上記の遊技用代用貨幣は、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成した構成であってよい。
【0031】
この構成により、側面の縞模様によって遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0032】
上記の遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、文字又は模様であってよい。
【0033】
この構成により、文字又は模様によって真偽認識マークを構成できる。
【0034】
上記の遊技用代用貨幣において、前記真偽認識マークは、少なくとも前記着色層により特定される遊技用代用貨幣の種類とデータベースにより関連付けられていてよい。
【0035】
この構成により、真偽認識マークを読み取ってデータベースを参照することで遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0036】
上記の遊技用代用貨幣にはRFタグ情報を記憶したRFタグが内蔵されていてよい。
【0037】
この構成により、遊技用代用貨幣からRFタグ情報を読み取ることができる。
【0038】
上記の遊技用代用貨幣において、前記真偽認識マークは、少なくとも前記RFタグ情報とデータベースにより関連付けられていてよい。
【0039】
この構成により、真偽認識マークとRFタグ情報とが関連付けられる。
【0040】
上記の遊技用代用貨幣は、前記薄色層の外周表面にUVインク又はカーボンブラックインクによるIDマークが設けられていてよい。
【0041】
この構成により、側面にIDマークを付与することができる。
【0042】
上記の遊技用代用貨幣において、前記真偽認識マークは、少なくとも前記IDマークとデータベースにより関連付けられていてよい。
【0043】
この構成により、真偽認識マークとIDマークとが関連付けられる。
【0044】
本発明の一態様は、遊技テーブルを用いたテーブルゲームの管理システムであり、遊技用代用貨幣の画像を記録する記録装置と、前記記録装置の記録結果を用いて、前記遊技用代用貨幣の種類と真贋とを判定する検査装置と、を有し、前記遊技用代用貨幣は、表面には前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示が印刷されており、かつ前記遊技用代用貨幣の表面でかつ前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示の印刷よりも内側には赤外線吸収材料による真偽認識マークが印刷され、前記記録装置は、前記遊技用代用貨幣の表面に印刷された前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示を記録・判別するための通常カメラと、前記遊技用代用貨幣の表面に印刷された前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示の印刷された側から赤外線照射をすることにより、前記遊技用代用貨幣の表面でかつ前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示の印刷よりも内側に印刷した赤外線吸収材料による真偽認識マークを記録・判別するための赤外線カメラと、に接続された構成を有し、前記検査装置は、前記通常カメラと、前記赤外線カメラとを用いて、前記遊技用代用貨幣の種類と真贋とを判定する構成とした。
【0045】
この構成によっても、表面の印刷の内容のみでなく、内部に赤外線吸収材料によって印刷された内容にも基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定することができる。赤外線吸収材料による印刷は遊技用代用貨幣の内部にあるので、外から目視で確認されることがなく、また、使用によって剥がれたり薄れたりすることもない。
【0046】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、透明又は半透明の赤外線吸収材料により印刷されていてよい。
【0047】
この構成により、内部印刷に用いる赤外線吸収材料をより外部から目視で確認されにくくできる。
【0048】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣は、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成した構成であってよく、前記検査装置は、前記通常カメラを用いて、前記着色層により遊技用代用貨幣の種類を特定する構成を有していてよい。
【0049】
この構成により、側面の縞模様によって遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0050】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、文字又は模様であってよい。
【0051】
この構成により、文字又は模様によって真偽認識マークを構成できる。
【0052】
上記の管理システムにおいて、前記真偽認識マークと遊技用代用貨幣の種類とを関連付けて記憶するデータベースをさらに備えていてよい。
【0053】
この構成により、真偽認識マークを読み取ってデータベースを参照することで遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0054】
上記の管理システムにおいて、前記遊技用代用貨幣にはRFタグ情報を記憶したRFタグが内蔵されていてよい。
【0055】
この構成により、遊技用代用貨幣からRFタグ情報を読み取ることができる。
【0056】
上記の管理システムにおいて、前記真偽認識マークと前記RFタグ情報とを関連付けて記憶するデータベースをさらに備えていてよい。
【0057】
この構成により、真偽認識マークとRFタグ情報とが関連付けられる。
【0058】
上記の管理システムにおいて、前記検査装置は、前記真偽認識マークと、少なくとも前記着色層で特定される種類とがデータベースにより関連付けられているか否かを検査してよい。
【0059】
この構成により、真偽認識マークと着色層で特定される種類との組み合わせが正しいか否かを判断することで遊技用代用貨幣の真贋を判定する。
【0060】
上記の管理システムにおいて、前記検査装置は、前記真偽認識マークと、前記RFタグ情報とが前記データベースにより関連付けられているか否かを検査してよい。
【0061】
この構成により、真偽認識マークとRFタグ情報との組み合わせが正しいか否かによって遊技用代用貨幣の真贋を判定できる。
【0062】
本発明の一態様は、遊技用代用貨幣であって、前記遊技用代用貨幣の表面には前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示が印刷されており、かつ前記遊技用代用貨幣の表面でかつ前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示の印刷よりも内側には、赤外線吸収材料による真偽認識マークが印刷され、前記真偽認識マークは、赤外線カメラを用いて、前記遊技用代用貨幣の表面に印刷された前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示が印刷された側から赤外線照射をすることにより、前記遊技用代用貨幣の表面でかつ前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示の印刷よりも内側に印刷した赤外線吸収材料による真偽認識マークを記録・判別することが許容される印刷である。
【0063】
この構成によっても、表面の印刷の内容のみでなく、内部に赤外線吸収材料によって印刷された内容にも基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定することができる。赤外線吸収材料による印刷は遊技用代用貨幣の内部にあるので、外から目視で確認されることがなく、また、使用によって剥がれたり薄れたりすることもない。
【0064】
上記の遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、赤外線照射をすることにより判別可能で、通常カメラを用いて読み取った前記遊技用代用貨幣の種類を表す表示との間の関連が判定可能なものであってよい。
【0065】
この構成により、紫外線照射により判別可能な真偽認識マークと通常カメラで読み取った遊技用代用貨幣の種類との関連を判定できる。
【0066】
上記の前記遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、透明又は半透明の赤外線吸収材料により印刷されていてよい。
【0067】
この構成により、内部印刷に用いる赤外線吸収材料をより外部から目視で確認されにくくできる。
【0068】
上記の遊技用代用貨幣は、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成した構成であってよい。
【0069】
この構成により、側面の縞模様によって遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0070】
上記の遊技用代用貨幣の真偽認識マークは、文字又は模様であってよい。
【0071】
この構成により、文字又は模様によって真偽認識マークを構成できる。
【0072】
上記の遊技用代用貨幣において、前記真偽認識マークは、少なくとも前記着色層により特定される遊技用代用貨幣の種類とデータベースにより関連付けられていてよい。
【0073】
この構成により、真偽認識マークを読み取ってデータベースを参照することで遊技用代用貨幣の種類を特定できる。
【0074】
上記の遊技用代用貨幣にはRFタグ情報を記憶したRFタグが内蔵されていてよい。
【0075】
この構成により、遊技用代用貨幣からRFタグ情報を読み取ることができる。
【0076】
上記の遊技用代用貨幣において、前記真偽認識マークは、少なくとも前記RFタグ情報とデータベースにより関連付けられていてよい。
【0077】
この構成により、真偽認識マークとRFタグ情報とが関連付けられる。
【0078】
上記の遊技用代用貨幣は、前記薄色層の外周表面にUVインク又はカーボンブラックインクによるIDマークが設けられていてよい。
【0079】
この構成により、側面にIDマークを付与することができる。
【0080】
上記の遊技用代用貨幣において、前記真偽認識マークは、少なくとも前記IDマークとデータベースにより関連付けられていてよい。
【0081】
この構成により、真偽認識マークとIDマークとが関連付けられる。
【0082】
本発明の一態様は、遊技用代用貨幣であって、内部に赤外線吸収材料で内部印刷がされ、前記内部印刷によって赤外線像を表す。
【0083】
この構成により、内部に赤外線吸収材料で赤外線像を表す内部印刷が施されているので、少なくともこの赤外線像の有無によって遊技用代用貨幣の真贋を判定することができる。
【0084】
上記の遊技用代用貨幣において、外表面に、可視光像を表す表面印刷がされていてよい。
【0085】
この構成により、内部印刷が表す赤外線像と表面印刷が表す可視光像に基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定できる。
【0086】
上記の遊技用代用貨幣において、前記内部印刷は、前記表面印刷の下にされていてよい。
【0087】
この構成により、内部印刷は表面印刷によって覆われるので、内部印刷を外部から視認しにくくできる。
【0088】
上記の遊技用代用貨幣は、複数の層からなっていてよく、前記内部印刷はいずれかの層の表面にされていてよい。
【0089】
この構成により、内部印刷は複数の層のいずれかの表面にされる。
【0090】
本発明の一態様は、上記の遊技用代用貨幣を用いたテーブルゲームの管理システムであって、前記内部印刷が表す赤外線像を撮影して赤外線画像を生成する赤外線カメラと、前記赤外線画像に基づいて、前記遊技用代用貨幣の真贋を判定する検査装置とを備えた構成を有している。
【0091】
この構成により、内部に赤外線吸収材料で内部印刷が施され、赤外線カメラで内部印刷が表す赤外線像を撮影するので、少なくともこの赤外線像の有無によって遊技用代用貨幣の真贋を判定することができる。
【0092】
上記の管理システムは、前記遊技用代用貨幣の可視光像を撮影して可視光画像を生成する可視光カメラをさらに備えていてよく、前記検査装置は、さらに前記可視光画像にも基づいて、前記遊技用代用貨幣の真贋を判定してよい。
【0093】
この構成により、内部印刷が表す赤外線像と表面印刷が表す可視光像に基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定できる。
【0094】
上記の管理システムにおいて、前記検査装置は、前記可視光画像に対して画像認識を行って前記表面印刷の内容を認識し、前記赤外線画像に対して画像認識を行って前記内部印刷の内容を認識してよい。
【0095】
この構成により、可視光画像から表面印刷の内容を認識でき、赤外線画像から内部印刷の内容を認識できる。
【0096】
上記の管理システムにおいて、前記検査装置は、認識された前記内部印刷の内容と前記表面印刷の内容とが対応しない場合に、当該遊技用代用貨幣を偽物であると判定してよい。
【0097】
この構成により、内部印刷の内容と表面印刷の内容との比較により遊技用代用貨幣の真贋を判定できる。
【発明の効果】
【0098】
本発明によれば、内部に赤外線吸収材料によって印刷された内容にも基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
図1】本発明の実施の形態における遊技用代用貨幣の平面図
図2図1のA-A断面図
図3A】本発明の実施の形態における内部印刷の模様の種類の例を示す図
図3B】本発明の実施の形態における内部印刷の模様の種類の例を示す図
図4】本発明の実施の形態における管理システムの構成を示す図
図5】本発明の実施の形態における管理システムのブロック図
図6A】本発明の実施の形態における可視光カメラの撮影によって生成された可視光画像の例を示す図
図6B】本発明の実施の形態における赤外線カメラの撮影によって生成された赤外線画像の例を示す図
図6C】本発明の実施の形態における可視光カメラの撮影によって生成された可視光画像の例を示す図
図7】本発明の実施の形態の変形例における遊技用代用貨幣の内部印刷を示す図
図8】本発明の実施の形態の変形例における遊技用代用貨幣の内部印刷を示す図
図9】本発明の実施の形態の変形例における遊技用代用貨幣の構成を示す断面図
図10】本発明の実施の形態のさらに他の変形例における遊技用代用貨幣の構成を示す断面図
図11】本発明の実施の形態のさらに他の変形例における遊技用代用貨幣の構成を示す断面図
図12】本発明の実施の形態のさらに他の変形例における遊技用代用貨幣の構成を示す断面図
図13】本発明の実施の形態の変形例における遊技用代用貨幣の側面図
図14】本発明の実施の形態の変形例における遊技用代用貨幣で構成されるコードを説明する図
図15】本発明の実施の形態のサイドIDの複数の変形例を示す図
図16】本発明の実施の形態の側面情報のさらに他の変形例を示す図
図17】本発明の実施の形態における管理システムの構成が採用された検査システムの構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0100】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0101】
まず、遊技用代用貨幣について説明する。図1は本実施の形態の遊技用代用貨幣の平面図であり、図2図1のA-A断面図である。なお、以下では、表裏対称の遊技用代用貨幣10を説明するが、本発明の遊技用代用貨幣は表裏対称のものに限らず、表と裏が非対称であってもよい。
【0102】
遊技用代用貨幣10は、テーブルゲームにおいて、ベット、支払いに用いられる。カジノ等の遊技場において、遊技用代用貨幣10は、購入可能であり、換金可能である。遊技用代用貨幣10には複数の種類があり、種類ごとにその価値が異なる。遊技用代用貨幣10が有する価値としては、例えば、10ドル、20ドル、100ドル、1000ドルがある。
【0103】
図1に示すように、本実施の形態の遊技用代用貨幣10は、円板状の形状を有する。なお、遊技用代用貨幣10は、ゲーミングチップ、ゲーム用トークン等とも呼ばれ、形状も円板形状に限られず、矩形板形状であってもよく、板状形状以外の形状(例えば、立体形状)であってもよい。
【0104】
本実施の形態の遊技用代用貨幣10は、図2に示すように、複数の色の異なるプラスチック層が積層されて形成されている。遊技用代用貨幣10は、少なくとも中間に特定色の層(着色層)11を備え、この着色層11の両側に薄色の層(薄色層)12a、12bを積層した多層(本実施の形態では3層)構造を有する。
【0105】
着色層11の両面には、赤外線を吸収する材料、具体的にはカーボンブラックで印刷がされている。このように、遊技用代用貨幣10の内部にされている印刷を内部印刷という。着色層11の両面に内部印刷をすることによって、着色層11と上下の薄色層12とのそれぞれの間には、内部印刷層14a、14bが構成されている。なお、内部印刷層14a、14bの印刷は、赤外線を吸収する透明又は半透明の材料でされていてもよい。透明の赤外線吸収材料としては、例えば、スズ酸化インジウム、アンチモン酸化スズ、六ホウ化ランタン、セシウム酸化タングステンを採用できる。
【0106】
上側の薄色層12aの上側、及び下側の薄色層12bの下側には、通常のインクで印刷がされている。このように、遊技用代用貨幣10の2つの表面にされる印刷を表面印刷という。遊技用代用貨幣10の表面に表面印刷をすることによって、薄色層12a、12bは、その表面には表面印刷層13a、13bが構成されている。このように表面印刷がされる層を表示プラスチック層という。なお、表面印刷層13a、13bの外側にさらに透明の保護層を設けてもよい。
【0107】
なお、図2では、表面印刷層13a、13b及び内部印刷層14a、14bが、所定の厚みを持つように描かれているが、実際にはこれらの印刷層は非常に薄く、遊技用代用貨幣10を側面から観察してもほとんど視認できない厚さである(他の図についても同様である)。なお、これらの表面印刷及び内部印刷は印刷対象面の全面にわたってされていても、印刷対象面に部分的にされていてもよい。
【0108】
本実施の形態では、表面印刷層13a、13b及び薄色層12a、12bは、赤外線を透過することができる素材及び厚さで構成される。なお、表面印刷層13a、13b及び薄色層12a、12bは、赤外線を100%透過する必要はなく、ある程度は赤外線を反射又は吸収してもよい。この構成により、遊技用代用貨幣10の外側から遊技用代用貨幣10に向けて赤外線を照射すると、赤外線は表面印刷層13a(又は13b)及び薄色層12a(又は12b)をこの順で透過して、内部印刷層14a(又は14b)に達する。
【0109】
内部印刷層14a(又は14b)に達した赤外線のうち、カーボンブラックがある領域では赤外線が吸収され、カーボンブラックがない領域では赤外線が反射する。反射した赤外線は、内部印刷の像の情報をもって、薄色層12a(又は12b)及び表面印刷層13a(又は13b)をこの順で透過して、遊技用代用貨幣10の外部に伝搬する。このように遊技用代用貨幣10の外部に伝搬する赤外線は、内部印刷に対応した像となっており、この像を赤外線像という。
【0110】
内部印刷がされた着色層11の下面と下側の薄色層12bとの間には、無線タグであるRFタグ(RFチップ、非接触タグとも言われる)15が埋め込まれている。これにより、RFタグ15は、遊技用代用貨幣10に内蔵される。
【0111】
[遊技用代用貨幣の製造方法]
遊技用代用貨幣10を製造する際には、複数のプラスチック製の板材を積層して熱圧着した後に打ち抜き加工をすることで複数の遊技用代用貨幣10を得る。具体的には、まず、下側の薄色層12bとなる薄色のプラスチック製の板材の下側の表面に表面印刷をし、着色層11となる特定色のプラスチック製の板材の両面にカーボンブラックで内部印刷をし、かつ、上側の薄色層12aとなるプラスチック製の板材の上側の表面に表面印刷をし、これらをこの順に積層して、複数のプラスチックの層からなる積層構造体を形成する。このとき、複数の遊技用代用貨幣10を得るための各打ち抜き加工のほぼ中心に、RFタグ15を埋め込む。具体的には、着色層11と下側の薄色層12bとの間にRFタグ15を置く。
【0112】
そして、積層構造体の各層を加熱して熱溶着させて圧着することで遊技用代用貨幣原板を作成する。このとき、RFタグ15と重なる部分については、プラスチック製の板材が熱によりRFタグ15に対応して変形するので(また、図2では、RFタグ15の厚みを実際より厚く描いているが実際にはこれよりも薄いので)、各層が熱圧着された後の遊技用代用貨幣10の上面及び下面は、RFタグ15によって盛り上がることはなく、平面状に形成される。
【0113】
このようにしてできた遊技用代用貨幣原板を金型により打ち抜き加工して、所定の形状の複数の遊技用代用貨幣10を得る。この打ち抜き加工の際に、金型により遊技用代用貨幣10の外側の上下の角をR加工する。なお、表面印刷は、打ち抜き加工の後に行ってもよい。
【0114】
[遊技用代用貨幣が有する情報]
次に、遊技用代用貨幣10が有する情報について説明する。
【0115】
(表面印刷情報)
表面印刷が表す情報を表面印刷情報という。図1に示すように、遊技用代用貨幣10の2つの表面には、表面印刷として、それぞれ当該遊技用代用貨幣10の種類ないし価値を示す数字(図1の例では、100ドルを示す「100」)が印刷されている。また、図示は省略するが、遊技用代用貨幣10の2つの表面には、数字の他に、模様や使用されるカジノのマーク等が表面印刷として印刷されている。
【0116】
(内部印刷情報)
内部印刷が表す情報を内部印刷情報という。内部印刷として、遊技用代用貨幣10の種類に対応した模様が印刷される。この模様は、真偽認識をするためのマーク(真偽認識マーク)としても機能する。すなわち、この真偽認識マークがない遊技用代用貨幣10は偽物であると判断でき、あるいは、遊技用代用貨幣10のいずれの種類も表さない模様である場合にも、当該遊技用代用貨幣10が偽物であると判断できる。
【0117】
図3A及び図3Bは、内部印刷層14aの内部印刷の模様(真偽認識マーク)の種類の例を示す図である。図3Aは、格子状の模様であり、この模様で、例えば、当該遊技用代用貨幣10の価値が10ドル又は20ドルであることを示すことができる。図3Bは、縞模様であり、この模様で、例えば、当該遊技用代用貨幣10の価値が100ドル又は1000ドルであることを示すことができる。
【0118】
このように、本実施の形態では、内部印刷の模様の種類と遊技用代用貨幣10の種類とは一対一に対応していない。これに代えて、内部印刷の模様の種類と遊技用代用貨幣10の種類とが一対一に対応しており、内部印刷の模様によって遊技用代用貨幣10の種類を特定できるようにしてもよいし、あるいは、すべての種類の遊技用代用貨幣10が同一の模様の内部印刷を有し、内部印刷に真偽認識マークとしての機能のみを持たせてもよい。
【0119】
なお、本実施の形態では、図2に示すように内部印刷として印刷される真偽認識マークは、表面と裏面の両面、即ち、着色層11の両面に印刷されるが、本発明は必ずしもこれに限られず、片面のみに内部印刷がされていてもよい。また、内部印刷が両面にされる場合において、両面の内部印刷の内容(模様)が異なるものであってもよい。
【0120】
(側面情報)
遊技用代用貨幣10の側面が表す情報を側面情報という。上記のように遊技用代用貨幣10を着色層11と薄色層12a、12bとを積層した多層構造とすることで、図2に示すように、側面に着色層11が薄色層12aと薄色層12bとで挟まれてなる積層方向の縞模様が形成される。ここで、上記のとおり、各印刷層は側面視ではほとんど視認できない。
【0121】
遊技用代用貨幣10の着色層11の色(特定色)は、遊技用代用貨幣10の種類(価値)ごとに異なる。例えば、10ドルの遊技用代用貨幣10の特定色を赤色とし、20ドルの遊技用代用貨幣10の特定色を緑色とし、100ドルの遊技用代用貨幣10の特定色を黄色とし、1000ドルの遊技用代用貨幣10の特定色を青色とすることができる。
【0122】
薄色層12a、12bの色は、各種類の遊技用代用貨幣10について共通に用いられる。すなわち、いずれの種類の遊技用代用貨幣10でも薄色層12a、12bの色は同じである。なお、薄色層12a、12bの色は、いずれの特定色よりも薄ければ(明度が大きければ)よく、白色であってもよい。すなわち、薄色層12a、12bは白色の層であってもよい。
【0123】
このように、遊技用代用貨幣10は、側面に軸方向(厚さ方向)の縞模様を形成するよう、少なくとも外観において着色層11と薄色層12a、12bを有し、着色層11の色により遊技用代用貨幣10の種類を特定することが可能な構成を有している。これにより、複数の遊技用代用貨幣10が重ねられたときにも、その側面を観察することで、薄色層12a、12bに挟まれた着色層11の色によってその種類を判別できる。なお、遊技用代用貨幣10の側面に、側面情報として、上記に加え、又は、上記に代えて、他の情報が表記されていてもよい。
【0124】
(RFタグ情報)
RFタグ15に記憶された情報をRFタグ情報という。本実施の形態では、RFタグ15には、RFタグ情報として、遊技用代用貨幣10を唯一に特定する識別情報、遊技用代用貨幣10の種類(価値)、及び製造年月日の情報が記憶されている。なお、RFタグ情報として、上記に加え、又は、上記に代えて、他の情報が記憶されていてもよい。
【0125】
[遊技用代用貨幣が有する情報の読取方法]
以上のように、遊技用代用貨幣10は、複数の読み取り可能な情報、即ち、表面印刷情報、内部印刷情報、側面情報、及びRFタグ情報を有している。以下、それぞれの情報を外部から読み取る方法について説明する。
【0126】
図4は、本発明の実施の形態の管理システムの構成を示す図であり、図5は、本実施の形態の管理システムのブロック図である。図4に示すように、管理システム100は、支持台である遊技テーブルTに置かれた遊技用代用貨幣10から情報を読み取るように構成される。遊技テーブルTにはポールP1、P2が立設されており、ポールP1の高所には赤外線カメラ51が取り付けられ、ポールP2の高所には通常のカメラである可視光カメラ52が取り付けられ、ポールP2の可視光カメラ52より低い位置に通常のカメラである可視光カメラ53が取り付けられている。また、遊技テーブルTのテーブル面の下方にはRFリーダ54が埋設されている。
【0127】
赤外線カメラ51及び可視光カメラ52は、遊技テーブルTに水平に置かれた遊技用代用貨幣10の上方から遊技用代用貨幣10の表面をよく撮影できるように、比較的高所に下向きに設置されている。可視光カメラ53は、遊技テーブルTに水平に置かれた遊技用代用貨幣10の側方から遊技用代用貨幣10の側面をよく撮影できるように、比較的低所に横向きに設置されている。
【0128】
図5に示すように、管理システム100は、図4に示した赤外線カメラ51と、可視光カメラ52と、可視光カメラ53と、RFリーダ54とを含み、さらに、記録装置55と、検査装置56と、データベース57と、出力装置58とを備える。赤外線カメラ51は、赤外線照射ライト511と、レンズ、絞り、シャッタ等を含む撮像光学系512とを備えている。赤外線照射ライト511は、撮像光学系512の視野領域に赤外線を照射する。赤外線カメラ51は、赤外線検出素子を備えている。赤外線検出素子は、撮像光学系512を通して被写体からの赤外線像を検出して、赤外線画像を生成する。
【0129】
可視光カメラ52、53は、通常カメラとして、それぞれレンズ、絞り、シャッタ等を含む撮像光学系521、531を備えている。可視光カメラ52、53は、可視光を検出する撮像素子を備えている。撮像素子は、撮像光学系521、531を通して被写体からの可視光像を検出して、可視光画像を生成する。
【0130】
RFリーダ54は、遊技用代用貨幣10に埋め込まれたRFタグ15に電波を送り、RFタグ15から電波を受信するためのアンテナ541を備えている。RFリーダ54は、RFタグ15からの電波を受信することで、RFタグ15に記憶された情報(RFタグ情報)を読み取る。
【0131】
図6Aは、可視光カメラ52の撮影によって生成された可視光画像の例を示す図であり、図6Bは、赤外線カメラ51の撮影によって生成された赤外線画像の例を示す図であり、図6Cは、可視光カメラ53の撮影によって生成された可視光画像の例を示す図である。図6Aに示すように、可視光カメラ52によって得られる可視光画像では、遊技用代用貨幣10の表面印刷の内容がよく観察でき、図6Bに示すように、赤外線画像では、遊技用代用貨幣10の内部印刷の内容がよく観察でき、図6Cに示すように、可視光カメラ53によって得られた可視光画像では、遊技用代用貨幣10の側面がよく観察できる。
【0132】
記録装置55は、赤外線カメラ51にて生成された赤外線画像と、可視光カメラ52、53のそれぞれで生成された可視光画像と、RFリーダ54で読み取ったRFタグ情報を記録する。検査装置56は、記録装置55に記録された赤外線画像、可視光画像に対して画像認識処理を行うことで、画像の識別を行う。
【0133】
具体的には、検査装置56は、ニューラルネットワーク等の機械学習の技術を用いて、遊技用代用貨幣10の種類のラベルが付されたクラスへの分類を行うことで遊技用代用貨幣10の種類等の識別を行うことができる。検査装置56には、赤外線カメラ51の赤外線画像、可視光カメラ52の可視光画像、及び可視光カメラ53の可視光画像のそれぞれについて、クラスに分類するための機械学習モデルが実装されている。より具体的には、検査装置56は、ニューラルネットワークを用いてクラス分類を行うことができる。
【0134】
データベース57には、各遊技用代用貨幣10について、RFタグ情報(識別情報、遊技用代用貨幣10の種類(価値)の情報、及び製造年月日の情報)が記憶されている。また、データベース57には、内部印刷情報(赤外線画像が示す模様)と、それに対応する遊技用代用貨幣10の種類とが関連付けられて記憶されている。本実施の形態では、図3Aに示す内部印刷の模様に対して10ドル、20ドルという遊技用代用貨幣10の種類が関連付けられており、図3Bに示す内部印刷の模様に対して、100ドル、1000ドルという遊技用代用貨幣10の種類が関連付けられている。
【0135】
さらに、データベース57には、表面印刷情報と、それに対応する遊技用代用貨幣10の種類とが関連付けられて記憶されており、側面情報とそれに対応する遊技用代用貨幣10の種類の情報とが関連付けられて記憶されている。
【0136】
検査装置56は、データベース57を参照することで、認識された内部印刷情報、表面印刷情報、側面情報のそれぞれに対応する遊技用代用貨幣10の種類を特定する。なお、上述のように、内部印刷情報は遊技用代用貨幣10の種類と一対一に対応していないので、図3Aの内部印刷については遊技用代用貨幣10の種類が10ドル又は20ドルであると特定し、図3Bの内部印刷については遊技用代用貨幣10の種類が100ドル又は100ドルであると特定する。
【0137】
検査装置56は、さらに、画像認識の結果、及び/又はRFタグ情報を用いて遊技用代用貨幣10の検査を行うことで、遊技用代用貨幣10の真贋を判定する。真贋判定については後述する。
【0138】
出力装置58は、検査装置56における検査の結果を出力する。出力装置58は、例えば検査結果を表示するモニタであってよく、検査結果を外部の装置に送信する通信モジュールであってよく、その他の方式で検査結果を出力する装置であってもよい。
【0139】
[遊技用代用貨幣の真贋判定方法]
まず、検査装置56は、遊技用代用貨幣10から内部印刷情報、表面印刷情報、側面情報、RFタグ情報のいずれかが、読み取られない場合には当該遊技用代用貨幣10が偽物であると判断する。また、検査装置56は、遊技用代用貨幣10から内部印刷情報、表面印刷情報、側面情報、RFタグ情報のいずれかについて、何らかの情報が読み取れたが読みられた情報がデータベース57に記憶されていない場合にも、当該遊技用代用貨幣10が偽物であると判定する。
【0140】
さらに、検査装置56は、同一の遊技用代用貨幣10について、その可視光カメラ52の可視光画像が示す遊技用代用貨幣10の種類と、可視光カメラ53の可視光画像が示す遊技用代用貨幣10の種類と、RFリーダ54で読み取られた遊技用代用貨幣10の種類とがすべて一致するかを検査し、この3つのうちの少なくとも1つの情報が他の情報と一致しない場合に、当該遊技用代用貨幣10を偽物であると判定する。
【0141】
検査装置56は、内部印刷情報、表面印刷情報、側面情報、RFタグ情報のすべてから遊技用代用貨幣10の種類が特定でき、かつ、特定された4つの遊技用代用貨幣10の種類がすべて一致ないし対応する場合に、当該遊技用代用貨幣10が真正であると判定する。検査装置56は、例えば、内部印刷情報から遊技用代用貨幣10の種類が10ドル又は20ドルであると特定され、表面印刷情報、側面情報、及びRFタグ情報から遊技用代用貨幣10の種類が10ドルと特定された場合には、当該遊技用代用貨幣10が真正であると判定する。検査装置56は、例えば、内部印刷情報として何らかの模様が読み取られたが、それが図3A及び図3Bのいずれの模様にも該当しない場合には、当該遊技用代用貨幣10を偽物であると判定する。
【0142】
以上のように、本実施の形態の遊技用代用貨幣10は、内部印刷として赤外線によって赤外線像が表される印刷を施してあるので、目視で確認できる表面の模様ないし表記を模倣して偽物の遊技用代用貨幣10を作ったとしても、内部印刷までも模倣しない限り偽物と判定されることになる。また、そのような印刷を遊技用代用貨幣10の内部にすることで、使用によって印刷が剥がれたり薄れたりすることを防止でき、かつ、内部印刷情報の内容及び内部印刷の存在を目視で視認できないようにできる。また、本実施の形態の管理システム100によれば、遊技用代用貨幣10の内部印刷情報と当該遊技用代用貨幣10が有する他の情報とを比較して照合するので、目視で確認できない内部印刷情報を用いて遊技用代用貨幣10の真贋を判定できる。
【0143】
本発明の遊技用代用貨幣10及び管理システム100は上記の実施の形態に限られず、種々の変形が可能である。例えば、遊技用代用貨幣10の構造、遊技用代用貨幣10が有する情報、遊技用代用貨幣10における内部印刷層の位置等は、上記の実施の形態に限られない。また、管理システム100の構成、管理システムにおける真贋判定の方法等も上記の実施の形態に限られない。以下、変形例を説明する。
【0144】
図7及び図8は、それぞれ変形例の遊技用代用貨幣10の内部印刷層14aの内部印刷の模様(真偽認識マーク)を示す図である。この例では、内部印刷として、模様ではなく、遊技用代用貨幣10の種類(価値)を示す記号及び数字が4か所に表記されている。4つの表記は、周囲に沿って表記されており、それらの角度は互いに90度ずれている。遊技用代用貨幣10の種類(価値)を示す記号及び数字は、図7の例では、種類は楕円枠内に表記されており、図8の例では、黒塗りの楕円内に白抜きで表記されている。
【0145】
図7及び図8の例では、内部印刷情報が遊技用代用貨幣10の種類を表しており、内部印刷情報と表面印刷情報と側面情報とが一対一に対応しているので、検査装置56は、内部印刷情報が示す遊技用代用貨幣10の種類と、表面印刷情報が示す遊技用代用貨幣10の種類、側面情報、及び/又はRFタグ情報が示す遊技用代用貨幣10の種類とを比較して一致するか否かを判断することで当該遊技用貨幣10の真贋を判定できる。
【0146】
図9は、変形例の遊技用代用貨幣10の構成を示す断面図である。上記の実施の形態では、内部印刷層は複数のプラスチック製の板材の間に位置していたが、本実施の形態では、積層された着色層11とそれを挟む薄色層12a、12bからなる積層構造体の外側に内部印刷層14a、14bが設けられ、その上に表面印刷層13a、13bが設けられている。このように、内部印刷層14a、14bは、必ずしもプラスチック層の内部になくてもよく、表面印刷層13a、13bより内側にあればよい。
【0147】
この遊技用代用貨幣10を製造する際には、RFタグ15を挟み込んで複数のプラスチック製の板材を熱圧着した後に、その表面に内部印刷をし、その上から表面印刷をする。なお、内部印刷及び表面印刷は熱圧着の前に行ってもよいし、打ち抜き加工の後に行ってもよい。この構成によっても、内部印刷層14a、14bは表面に露出せず、表面印刷層13a、13bによって覆われて、外部から視認できず、かつ、表面印刷層13a、13bによって保護される。
【0148】
図10は、さらに他の変形例の遊技用代用貨幣10の構成を示す断面図である。上記の実施の形態では、遊技用代用貨幣10は、複数のプラスチック製の板材を積層して構成されていたが、本変形例では、図10に示すように、遊技用代用貨幣10は樹脂を射出成型することによって遊技用代用貨幣本体16として一体的に構成されている。そして、図9の例と同様に、内部印刷層14a、14bは、遊技用代用貨幣本体16と表面印刷層13a、13bとの間に設けられている。
【0149】
本例の遊技用代用貨幣10も、図9の例と同様に、遊技用代用貨幣本体16の表面に内部印刷をして内部印刷層14a、14bを形成した後に、その上から表面印刷をすることで、表面印刷層13a、13bを内部印刷層14a、14bの上に形成して、図10に示す構成とする。
【0150】
図11は、さらに他の変形例の遊技用代用貨幣10の構成を示す断面図である。本変形例では、図10の例と同様に、遊技用代用貨幣本体16が一体的に構成されるが、その2つの表面の中央部分には凹部161a、161bが形成され、当該凹部161a、161bに内部印刷層14a、14b及び表面印刷層13a、13bがこの順に形成される。
【0151】
本変形例の遊技用代用貨幣10も、図10の例と同様に、遊技用代用貨幣本体16の凹部161に内部印刷をして内部印刷層14a、14bを形成した後に、その上から表面印刷をすることで表面印刷層13a、13bを内部印刷層14a、14bの上に形成して、図11に示す構成とする。
【0152】
図12は、さらに他の変化例の遊技用代用貨幣10の構成を示す断面図である。本変形例では、上記の実施の形態と同様に、遊技用代用貨幣10は、3層のプラスチック層で構成されている。ただし、本変形例の遊技用代用貨幣10では、着色層11と薄色層12aとの間にのみ内部印刷層14aが設けられ、着色層11と薄色層12bとの間には内部印刷層14bが設けられていない。すなわち、上記の実施の形態及びその変形例の遊技用代用貨幣10では、上下対称となるように2層の内部印刷層14aを設けたが、本変形例では、上下方向に非対称に内部印刷層14aが設けられている。
【0153】
本変形例の遊技用代用貨幣10は、着色層11を、赤外線を透過しない層とすることで、図12の上側からのみ内部印刷層14aによる内部印刷が赤外線カメラ51によって観察できるように構成してもよいし、薄色層12a、12bに加えて着色層11も赤外線を透過する層として構成することで、1層の内部印刷層14aの内部印刷を両面から赤外線カメラ51によって観察できるようにしてもよい。
【0154】
なお、上記の実施の形態及びその変形例の遊技用代用貨幣10では、内部印刷層14a、14bに、遊技用代用貨幣10の種類(価値)ごとに異なる模様ないし表記が付されていたが、これに代えて、又はこれに加えて、内部印刷として、すべての種類の遊技用代用貨幣10において真偽認識マーク同じ内容が印刷されてもよい。この場合には、データベースには、内部印刷情報として真偽認識マークが記憶されており、検査装置56は、データベース57を参照することで、当該真偽認識マークの有無によって遊技用代用貨幣10の真贋を判定できる。
【0155】
また、内部印刷の印刷内容(内部印刷情報)がその他の情報を有するものであってもよい。例えば、内部印刷層14a、14bに内部印刷として、識別情報を示す二次元バーコードが印刷されてよい。この場合には、検査装置56は、二次元バーコードリーダの機能を備える。あるいは、内部印刷として、識別情報を示す数字や文字が表記されてもよい。この場合には、検査装置56は、機械学習モデルを用いて内部印刷層に表記されている数字や文字を認識することで識別情報を認識する。
【0156】
このように、内部印刷情報として、識別情報を示す印刷がされる場合に、その識別情報は、RFタグ情報の識別情報と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。内部印刷情報の識別情報とRFタグ情報の識別情報とが異なる場合には、その対応関係がデータベース57に記憶される。検査装置56は、データベース57を参照することにより、内部印刷情報の識別情報とRFタグ情報の識別情報とが対応したものであるかを判断して、遊技用代用貨幣10の真贋を判定できる。
【0157】
次に、側面情報についての変形例を説明する。図13は、本変形例の遊技用代用貨幣10の側面図である。遊技用代用貨幣10は、上記の実施の形態と同様に、複数の色の異なる板状のプラスチックの層が積層され、熱圧着等の手段で一体にされた後、円形や四辺形に打ち抜きされて形成される。このようにして製造された遊技用代用貨幣10は、少なくとも中間に着色層11を備え、この中間の着色層11の両側(図13では上下)に薄色層12a、12b(図示しないが着色層11より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。
【0158】
このように着色層11を備え、この中間の着色層11の両側に薄色層12a、12bを積層した多層構造とすることで図13に示すように側面から見ると(積層方向の)縞模様が形成され、遊技用代用貨幣10の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)ごとに着色層11の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより、遊技用代用貨幣10の種類を特定できるようにしている。
【0159】
さらに、本変形例の遊技用代用貨幣10では、図13に示すように、遊技用代用貨幣10には、薄色層12a、12bの側面に、遊技用代用貨幣10の識別情報を表すIDマークとしてのサイドID126が施されている。2つの表面には、内側から順に内部印刷層14a、14b、表面印刷層13a、13b、及び最外層としての透明層124a、124bが設けられている。
【0160】
この遊技用代用貨幣10を製造する際には、まず、内部印刷14aと表面印刷13aがされ、さらに、透明層124aが塗装された薄色層12aとなる薄色のプラスチック製の板材と、内部印刷14bと表面印刷13bがされ、さらに、透明層124bが塗装された薄色層12bとなる薄色のプラスチック製の板材と、着色層11となる特定色のプラスチック製の板材とが熱圧着されて密着した状態を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。
【0161】
プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層124の端にR加工(丸い角)が施される。透明層124はニスの塗装層であってもよい。サイドID126は、遊技用代用貨幣10の側面に、周方向に間隔を空けて少なくとも3か所に付されている。サイドID126は、可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されている。
【0162】
特に本変形例では、サイドID126が複数行複数列のマークCの有無で構成され付されている。複数行複数列のマークCは、図13で示すように、上下のマークCがペアになってコードを構成し、図13では10桁のコードとしている。上下のマークCがペアになってコード(4種)を構成する構成を図14に示す。
【0163】
マークCの横のYの字は、マークの上側と下側を識別するための識別マークである。マークCで構成されるコードは、マークCの所定の組み合わせが特定できるように構成している。結果として、図14に示す変形例で、上下2列のマークCの組み合わせとして4種、これを10列印刷すると、4種の10乗通りのコードが構成可能となる。このようにサイドID126は4の10乗通りの情報を表すことができるので、十分な量の遊技用代用貨幣10に対して再度ID126による識別情報を付与できる。
【0164】
遊技用代用貨幣10は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも一層に着色層11を備え、着色層11より外側に薄色層12a、12bを積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層11により遊技用代用貨幣10の種類が特定可能な構成を有する。サイドID126は、薄色層12a、12bの側面の少なくとも3か所(望ましくは6か所)に設けられる。本変形例では6個のサイドID126が回転方向(周方向)に60度の所定のピッチで設けられている。
【0165】
遊技用代用貨幣10は、個別に識別可能な(一個毎に異なる)サイドID126が付され、側方から必ずサイドID126が見えるように回転方向(周方向)に60度の所定のピッチで設けられている。遊技用代用貨幣10に付されたサイドID126は、検査装置56により読み取られる。検査装置56でサイドID126を読み取ることにより、遊技用代用貨幣10の識別情報を特定可能で、サイドID126をデータベース57上で管理可能な構成となっている。
【0166】
データベース57には、内部印刷情報とサイドID126とが関連付けて記憶されており、検査装置56は、データベース57を参照して、読み取った内部印刷情報とサイドID126とがデータベース57において関連付けられて記憶されているか否かによって、遊技用代用貨幣10の真贋を判定する。
【0167】
本変形例では、サイドID126が可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されているが、サイドID126は、可視光で見えないインク(例えば、赤外線を吸収するインク、UVインク等)あるいは少なくとも可視光で見えるインク(非常に小さくて見えにくいものも含む)のいずれかにより印刷されていてもよい。また、サイドID126は、これらの複数種類のインクを複数組み合わせて印刷されていてもよい。
【0168】
管理システム100は、サイドID126の印刷に用いられるインクに対応したカメラ(即ち、インクが可視インクである場合は可視光カメラ、インクが赤外反応インクである場合は赤外線カメラ、インクがUVインクである場合は紫外線カメラ(UV照射機と可視光カメラ))の少なくとも複数個を備えるか、インクに対応したカメラ(可視光カメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ(UV照射機と可視光カメラ等))の複数機能を切り替え可能なカメラを備えている。
【0169】
図15は、サイドID126の複数の変形例を示す図である。なお、図15では、表面印刷層及び内部印刷層は図示を省略している。遊技用代用貨幣10-1ではサイドID126は可視光で見えないインク(赤外線を吸収するインク)で印刷されている。遊技用代用貨幣10-2では複数行複数列のマークCが可視光では黒く見えるインクで印刷されている。遊技用代用貨幣10-3ではさらに、サイドID126どうしの間にも可視光では黒く見えるインクでマークCを印刷し、サイドID126をデザインに溶け込ませて目立たなくしている。
【0170】
遊技用代用貨幣10-4では端を示すマークCfによって、サイドID126の始点と終点を示している。遊技用代用貨幣10-1~4は赤外線カメラで見ると、赤外線を吸収するインクは赤外線を吸収して黒く見え、サイドID126が読取可能な状態(遊技用代用貨幣10-5として示す)で撮像可能である。また、上下を示すマークCLによってサイドID126の上下を示している。マークの上下の関係は図13に示す通りである。なお、サイドID126が、可視光で見えるインクと赤外線吸収インクの組み合わせにより印刷されてもよい。
【0171】
図13~15の例では、データベース57には、サイドID126の識別情報と内部印刷情報とが関連付けられて記憶されている。検査装置56は、データベース57を参照して、サイドID126から読み取った識別情報と内部印刷の赤外線画像から読み取った種類の情報とが対応しているかを検査し、対応していない場合に当該遊技用代用貨幣10を偽物であると判断する。
【0172】
図16は、側面情報のさらに他の変形例を示す図である。本変形例では、遊技用代用貨幣10では、上記の実施の形態と同様に3層の積層構造を有するが、中央に薄色層12が設けられ、薄色層12を挟んで両側に着色層11a、11bが設けられている。着色層11aの上面には、内部印刷層14a、表面印刷層13a、及び透明層124aがこの順で設けられ、着色層12bの下面には、内部印刷層14b、表面印刷層13b、及び透明層124bがこの順で設けられる。
【0173】
遊技用代用貨幣10の側面には、サイドID126として数字が7桁印刷されている。具体的には、中央の薄色層12にマークとしての数字が印刷されサイドID126を構成している。数字の組み合わせとして10種、これを7桁印刷すると、10の7乗通りのコードが構成可能となるので遊技用代用貨幣10のサイドID126が十分付与できる。
【0174】
上記の実施の形態及びその変形例において、例えば可視光カメラ52によって遊技テーブルTの比較的広い範囲を撮影することで、検査装置56において、遊技テーブルT上に置かれた遊技用代用貨幣10の種類の他に、置かれた遊技テーブルT上の位置(例えば、バカラにおけるプレイヤ、バンカー、ペア等の遊技用代用貨幣10を賭けた位置)及びその枚数を認識するようにしてよい。この場合にも、この認識のために検査装置56において、機械学習の技術を用いてよい。
【0175】
また、上記の実施の形態及びその変形例の遊技用代用貨幣10において、重量を増すための加重層が設けられてもよい。この加重層には、金属やセラミックが含まれてよい。また、着色層11の層の中の層の材料に、例えば、重量増加用に金属粉末(例えば、酸化亜鉛、酸化チタンの内の1又は複数の金属酸化物)を含有させて、着側層11を加重層としてもよい。
【0176】
また、上記の実施の形態では、赤外線吸収材料を用いて内部印刷がされていたが、内部印刷には、赤外線反射材料や、赤外線に反応して励起する蛍光材料を用いてもよい。
【0177】
また、上記の実施の形態では、管理システム100が遊技テーブルTにおいて構成され、検査装置56は、遊技テーブルT上の遊技用代用貨幣10の真贋を判定したが、本発明の管理システム100は、遊技用代用貨幣10の真贋を判定するための検査システムに適用されてもよい。この検査システムは、例えば、カジノ遊技場でのバックヤード、現金と遊技用代用貨幣10とを交換するキャッシャ、各遊技テーブルTのディーラサイドにおいて用いることができる。
【0178】
図17は、本発明の実施の形態の管理システムの構成が採用された検査システムの構成を示す図である。検査システム300は、表面印刷を撮影するための可視光カメラ52と、内部印刷を撮影するための赤外線カメラ51(赤外線照射ライトを含む)と、側面の縞模様及び/又はサイドID126を撮影するための可視光カメラ53と、遊技用代用貨幣10のRFタグ(図示せず)の情報を読み取るRFリーダ54と、記録装置55、検査装置56、データベース57、及び出力装置58を含む制御装置207と、を備える。
【0179】
この検査システム300は、押出部301を矢印Z方向に動かす押出装置302を備え、押出装置302によって押出部301を矢印Z方向に動かすことで、積み重ねられた遊技用代用貨幣10を一枚ずつ読取ステージ309に供給する。読取ステージ309では、可視光カメラ52、赤外線カメラ51、及び可視光カメラ53によって、それぞれ表面印刷、内部印刷、及び側面が撮影されるとともに、遊技用代用貨幣10に内蔵されているRFタグ15がRFリーダ54で読み取られる。読取りが終了した遊技用代用貨幣10は、次の遊技用代用貨幣10によって押し出されて、矢印X方向に落ち、矢印X方向に落とされた遊技用代用貨幣10は保持ステージ310に保持される。
【0180】
検査装置56における真贋判定の方法は、上記の実施の形態等同様であってよい。なお、この検査システム300において、遊技用代用貨幣10の内部印刷層が表裏非対称に設けられる場合には、赤外線カメラ51は表側と裏側の両方に設けられてよい。これにより、表側と裏側の少なくともいずれかの赤外線カメラ51によって内部印刷を撮影できる。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明は、内部に赤外線吸収材料によって印刷された内容にも基づいて遊技用代用貨幣の真贋を判定することができ、遊技用代用貨幣及びそれを用いたテーブルゲームの管理システム等として有用である。
【符号の説明】
【0182】
10 遊技用代用貨幣
11 着色層
12a、12b 薄色層
124a、124b 透明層
126 サイドID
13a、13b 表面印刷層
14a、14b 内部印刷層
15 RFタグ
16 遊技用代用貨幣本体
161a、161b 凹部
100 管理システム
51 赤外線カメラ
511 赤外線照射ライト
512 撮像光学系
52 可視光カメラ
521 撮像光学系
53 可視光カメラ
531 撮像光学系
54 RFリーダ
541 アンテナ
55 記録装置
56 検査装置
57 データベース
58 出力装置
207 制御装置
300 検査システム
301 押出部
302 押出装置
309 読取ステージ
310 保持ステージ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17