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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】万能モジュール式試験固定具
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/04 20060101AFI20241028BHJP
【FI】
G01N3/04 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022516387
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-16
(86)【国際出願番号】 US2020051079
(87)【国際公開番号】W WO2021055483
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】62/901,122
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/914,274
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597160510
【氏名又は名称】リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】REGENERON PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ハンター、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ、ルチカ
(72)【発明者】
【氏名】マフニク、ウェズリー
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-035045(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0234845(US,A1)
【文献】特開平04-009739(JP,A)
【文献】特開昭56-047733(JP,A)
【文献】特開2003-329558(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0120199(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験機で試験中のサンプルを支持するために使用される試験固定具であって、
前記試験機に連結されるように構成される第1のプラットフォームと、
第2のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる第1の開口部を有する第1の空洞を含む第2のプラットフォームであって、前記第1の空洞は前記第1の開口部から第2のプラットフォームの中心に向かって延びるとともに、前記第1の空洞内に前記サンプルの一部を挿入可能に構成される、第2のプラットフォームと、
第3のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる第2の開口部を有する第2の空洞を含む第3のプラットフォームであって、前記第2の空洞は前記第2の開口部から第3のプラットフォームの中心に向かって延びるとともに、前記第2の空洞内に前記サンプルの他の一部を挿入可能に構成される、第3のプラットフォームと、を備え、
前記第2のプラットフォームは、
前記第1のプラットフォームと前記第3のプラットフォームとの間に配置され、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して移動可能であり、
前記試験固定具は、前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して前記第2のプラットフォームを移動させるように構成された移動アセンブリをさらに含む、試験固定具
【請求項2】
前記移動アセンブリは、第1の長手方向軸を有し、前記移動アセンブリは、前記第1のプラットフォーム、前記第2のプラットフォーム、及び前記第3のプラットフォームの各々に連結され、前記第1の長手方向軸の周りの前記移動アセンブリの回転により、前記第2のプラットフォームが前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して移動する、請求項1に記載の試験固定具
【請求項3】
前記第1の空洞及び前記第2の空洞の各々の少なくとも一部は、前記移動アセンブリの前記第1の長手方向軸に平行である第2の長手方向軸に沿って配置される、請求項2に記載の試験固定具
【請求項4】
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、同じ方向を向いており、前記同じ方向は、前記試験固定具の前方を向く、請求項1に記載の試験固定具
【請求項5】
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームは、互いに実質的に平行であり、前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームは、互いに実質的に平行である、請求項1に記載の試験固定具
【請求項6】
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームは、互いに対して固定される、請求項1に記載の試験固定具
【請求項7】
前記移動アセンブリは、エンドレスネジを含み、前記第2のプラットフォームは、前記エンドレスネジを受けるネジ状留め具を含む、請求項1に記載の試験固定具
【請求項8】
前記第1のプラットフォームは、前記移動アセンブリの端部を受けるように構成された駆動アセンブリを含み、前記駆動アセンブリは、前記移動アセンブリを前記第1の長手方向軸の周りで回転させるように構成されたサムホイールを含み、前記駆動アセンブリは、前記サムホイールによって囲まれたカラーを含み、前記移動アセンブリは、前記カラーを貫通して延びる、請求項2に記載の試験固定具
【請求項9】
前記第2のプラットフォームは、第1のトラック及び第2のトラックを含み、前記第1のトラックは、第1のバネ式ホルダを受けるように構成され、前記第2のトラックは、第2のバネ式ホルダを受けるように構成され、前記第1のバネ式ホルダは第1のフィンガー及び第1のバネを含み、前記第1のフィンガーは前記第1のバネによって前記第3のプラットフォームに向かって付勢され、前記第2のバネ式ホルダは第2のフィンガー及び第2のバネを含み、前記第2のフィンガーは、前記第2のバネによって前記第3のプラットフォームに向かって付勢される、請求項1に記載の試験固定具
【請求項10】
前記第1のトラック及び前記第2のトラックは、同一直線上にある、請求項9に記載の試験固定具
【請求項11】
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに固定されたスパインをさらに含み、前記第2のプラットフォームは、前記スパインが貫通して延びる第3の開口部を含み、前記スパインは、前記第1の空洞及び前記第2の空洞の閉じた端部に隣接し、前記スパインは、ポリマーと、前記ポリマー内に配置された1つ以上の金属シートと、を含む、請求項1に記載の試験固定具
【請求項12】
前記第2の空洞によって取り外し可能に受けられるU字形のブラケットをさらに含み、前記第2の空洞は、1つ以上のスロットを含み、前記U字形のブラケットは、前記1つ以上のスロットによって受けられるように構成された1つ以上の突起を含む、請求項1に記載の試験固定具
【請求項13】
前記第2のプラットフォームは、前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面と実質的に平行な第2の側端面を含み、
前記試験固定具は、前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームに連結された第1の支持体及び第2の支持体を含み、前記第1の支持体及び前記第2の支持体は、前記第2のプラットフォームの前記第2の側端面よりも前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面の近くに配置され、
前記移動アセンブリは、前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面よりも前記第2のプラットフォームの前記第2の側端面の近くに配置される、請求項1に記載の試験固定具
【請求項14】
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームに連結された第3の支持体をさらに含み、前記第3の支持体は、前記第1の支持体及び前記第2の支持体の各々よりも大きい直径を有し、前記第3の支持体は、前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面よりも前記第2のプラットフォームの前記第2の側端面の近くに配置される、請求項13に記載の試験固定具
【請求項15】
200Nの荷重が前記第3のプラットフォームに加えられたときに、前記第3のプラットフォームは、0.40mm以下の変位を示す、請求項1に記載の試験固定具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、サンプルの様々な機械的試験に使用することができる、異なる構成を有するモジュール式試験固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
試験固定具は、試験機(例えば、万能試験機やUTM等)で試験中のサンプルを支持するために使用される。試験されるサンプルが同様の構成又は形状を有する場合(例えば、ロッドの引張試験)、同様の形状のサンプルのみを支持する(例えば、ロッドをつかむ)ように構成された試験固定具が試験機で使用される。しかし、異なる構成のサンプル及び/又は異なるタイプの試験(例えば、針キャップ除去力テスト、フランジ破壊強度テスト等)を実行する場合は、通常、サンプル及び/又は試験の異なる構成に対応するには、試験中のサンプルを支持する試験固定具(グリップ等)を交換しなければならない。試験の間に試験固定具を交換又は再構成するには時間がかかり、効率が低下する。そのような場合、試験固定具の変更を最小限にしつつ、サンプルに所望のタイプの力を加えることができる構成で、サイズの異なるサンプルを支持するように構成された試験固定具を使用することが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態は、試験機で異なるタイプの試験を受けるサンプルの異なる構成を支持するように、容易に適合又は構成され得るモジュール式試験固定具を含む。しかし、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義され、特定の問題を解決する機能によって定義されるものではない。
【0004】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、その説明と一緒に、本開示の原理を説明する役割を果たす。本明細書に開示される実施形態の各々は、他の開示される実施形態のいずれかに関連して記載される特徴の1つ以上を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】本開示の例示的な試験固定具の異なる図である。
図1B】本開示の例示的な試験固定具の異なる図である。
図1C】本開示の例示的な試験固定具の異なる図である。
図1D】本開示の例示的な試験固定具の異なる図である。
図2A図1Aの試験固定具の上部プレートのサンプルブラケットを取り外した状態の上部プレートの上面図である。
図2B】サンプルブラケットが連結された図2Aの上部プレートを示す図である。
図3図3は、例示的なサンプルブラケットの斜視図である。
図3A】例示的なサンプルブラケット及び上部プレートの分解図である。
図3B】例示的なサンプルブラケット及び上部プレートの分解図である。
図4A図1A図1Dの例示的な試験固定具で使用されるフィンガーアセンブリの異なる図である。
図4B図1A図1Dの例示的な試験固定具で使用されるフィンガーアセンブリの異なる図である。
図4C図1A図1Dの例示的な試験固定具で使用されるフィンガーアセンブリの異なる図である。
図5A】例示的な交換部品を示す図である。
図5B】例示的な交換部品を示す図である。
図5C】例示的な交換部品を示す図である。
図5D】例示的な交換部品を示す図である。
図5E】例示的な交換部品を示す図である。
図6図6は、本開示の例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、例えば、Instron(登録商標)試験機等の万能試験機(UTM)と組み合わせて使用され得る例示的な試験固定具について説明する。本開示の原理は、UTMの試験固定具を参照して説明されるが、開示はそれに限定されないことを理解されたい。むしろ、開示された試験固定具は、単独で、又は任意のタイプの装置又は機械(任意の用途で使用される)と組み合わせて使用され得る。一般に、本開示で使用される「約」、「実質的に」、又は「大体」等の相対的な用語は、表示値の±10%の可能な変動を示すために使用される。本明細書で例示として説明されている実装は、他の実装よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。むしろ、「例示的」という用語は、例又は例示の意味で使用される。
【0007】
図1A図1Cは、本開示の例示的な試験固定具(試験装置)100の異なる斜視図を示し、図1Dは、試験固定具100の底面図を示す。以下の説明では、図1A図1Dを参照する。これらの図に示される実施形態では、試験固定具100は、z方向に離間された、上部プレート10、中間プレート30、及び下部プレート50を含む(図1A図1CのXYZトライアドを参照)。以下の説明では、z方向を垂直方向と称し、「A」とマークされた端部を試験固定具100の前端と称し、「B」とマークされた端部をその後端と称する。ただし、「前」、「後」、「上」、「下」等の言及は、単に便宜上のものであり、必須ではないことに留意されたい。
【0008】
図1A図1Dに示されるように、上部、中間、及び下部プレート10,30,50は、概ねxy平面内に延びる平面構造であり得るため、それぞれが互いに実質的に平行であり得る。必須ではないが、いくつかの実施形態では、上部、中間、及び下部のプレート10,30,50は、図示されるように、(XY平面において)概ね長方形の形状を有し得る。上部、中間、及び下部のプレート10,30,50は、任意の材料で形成され得、任意の適切な方法で形成され得る。必須ではないが、いくつかの実施形態では、これらのプレート10,30,50は、プラスチック又はポリマー材料(例えば、ナイロン、ガラス充填ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等)を含み得る。これらのプレートは、任意の適切な方法(機械加工、成形等)で形成又は製造され得る。いくつかの実施形態では、これらのプレートのいくつか又はすべては、3Dプリントを使用して製造してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の補強材のシートを、上部プレート10、中間プレート30、及び/又は下部プレート50内に埋め込んでもよい。例えば、プレートの1つ以上は、他の3Dプリントされたポリマープレート内にプリントされた金属又はガラス繊維のシートを含んでもよい。
【0009】
上部、中間、及び下部のプレート10,30,50は、支柱12,14,16及び移動(例えば、回転ネジ)アセンブリ20によって、例えばそれらの角に近接して一緒に連結され得る。図示されるように、支柱12,14は、試験固定具100の前端Aでプレート10,30,50を一緒に連結し得、支柱16及び移動アセンブリ20は、試験固定具100の後端Bでプレート10,30,50を一緒に連結し得る。図1Cに最もよく示されるように、後端Bにおいて、上部及び下部プレート10,50も、スパイン(spine)60によって一緒に連結されている。移動アセンブリ20及びスパイン60については、後述する。支柱12,14,16は、(XY平面内において)直径を有する円筒形の柱状構造として示されているが、これは単なる例示である。一般に、これらの支柱12,14,16は、任意の適切な構成又は形状(長方形、正方形等)を有し得る。いくつかの実施形態では、図1Aに最もよく示されるように、試験固定具100の前端Aに配置された支柱12,14は、その後端Bに配置された支柱16よりも小さい直径(又はこれらの支柱が円筒形でない実施形態では幅)を有し得る。小さな直径の支柱12,14を前端Aに配置すると、これらの支柱12,14の間のクリアランスが大きくなるため、サンプル(注射器、ビーカー等)をより容易に試験固定具100に装填することを可能にし得る。必須ではないが、いくつかの実施形態では、支柱12,14は、実質的に同じ直径又は幅を有し得るが、他の実施形態では、支柱12,14は、異なる直径及び/又は幅(各々が支柱16の対応する直径及び/又は幅よりも小さい)を有し得る。支柱12,14,16は、一般に、任意の適切な材料で形成され得、任意の適切な方法で形成され得る。いくつかの実施形態では、これらの支柱12,14,16は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属材料で形成されてもよいが、他の実施形態では、支柱12、支柱14、及び/又は支柱16は、ポリマー材料又は金属とポリマーの組み合わせから形成されてもよいことが企図される。いくつかの実施形態では、支柱12、支柱14、及び/又は支柱16は、3Dプリントによって形成されてもよい。試験固定具100は、Instron又はZwickRoellによって製造されたUTM等の万能試験機(UTM)に連結され得ることが企図される。例えば、下部プレート50は、UTMのボルトを受けるように構成されたボア50C図1参照)を介してUTMに連結され得る。ボルトは、例えば、M6ボルト又はM10ボルト等の任意の適切なサイズであり得る。
【0010】
支柱12,14,16は、上部及び下部プレート10,50に固定的に連結され得、中間プレート30にスライド可能に連結され得る。換言すると、上部及び下部プレート10,50は、支柱12,14,16に対して固定され、中間プレート30は、支柱12,14,16上で支柱12,14,16に対して垂直方向にスライド可能である。支柱12,14,16は、任意の方法で上部及び下部プレート10,50に固定的に連結され得る。いくつかの実施形態では、これらの支柱12,14,16は、上部及び下部プレート10,50に圧入されてもよい。追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、ネジ又は他のタイプの留め具(fastener)を使用して、支柱12,14,16を上部及び下部プレート10,50に連結してもよい(例えば、図1D図2A、及び図2B参照)。いくつかの実施形態では、ベアリング18A,18B,18C(例えば、直線運動ベアリング)を中間プレート30に連結することで、中間プレート30が支柱12,14,16上で比較的容易にスライドできるようにしてもよい。これらのベアリング18A,18B,18Cはまた、これらの支柱12,14,16が貫通する中間プレート30上の対応する貫通孔又は空洞で支柱12,14,16を中心に置くことを可能にし、又は支援し得る。いくつかの実施形態では、図示されるように(例えば、図1A図1C参照)、ベアリング18A~18Cは、それぞれの支柱12,14,16の周りに実質的に対称に配置された留め具(例えば、4つの留め具)を使用して中間プレート30に連結される。支柱12,14,16上の中間プレート30をスライド可能に連結するために使用され得る適切なベアリング18A,18B,18Cは、当業者に知られているため、それらは本明細書では詳細に説明しない。ベアリング18A,18B,18Cは、図示の実施形態では、中間プレート30の下側(すなわち、上部プレート10よりも下部プレート50に近い)に固定されたものとして示されている。この構成は、中間プレート30上にサンプルのための追加のスペースを作り出すのに役立ち得る。しかし、ベアリング18A、ベアリング18B、及び/又はベアリング18Cのうちの1つ以上は、中間プレート30の上部(すなわち、下部プレート50よりも上部プレート10に近い)に配置され得ることが企図される。
【0011】
上部プレート10は、前端Aに第1の側端面10Aを有し、後端Bに第2の側端面10Bを有し得る。第1の側端面10Aは、第2の側端面10Bと実質的に平行であり得る。同様に、中間プレート30は、前端Aに第1の側端面30Aを有し、後端Bに第2の側端面30Bを有し得る。第1の側端面30Aは、第2の側端面30Bと実質的に平行であり得る。側端面10A、側端面10B、側端面30A、及び/又は側端面30Bは、互いに実質的に平行であり得ることもまた企図される。いくつかの実施形態では、支柱12,14は、第2の側端面10B,30Bよりも第1の側端面10A,30Aの近くに配置され得る。いくつかの実施形態では、支柱16、スパイン60、及び移動アセンブリ20の各々は、第1の側端面10A,30Aよりも第2の側端面10B,30Bの近くに配置され得る。
【0012】
上部プレート10及び中間プレート30の各々は、試験固定具100の前端Aからその後端Bに向かって延びる中央空洞又は凹部15,32を有し得る。特に、空洞15は、上部プレート10の第1の側端面10Aにおける開口部10Cから第2の側端面10Bに向かって延び得る。同様に、空洞32は、中間プレート30の第1の側端面30Aにおける開口部30Cから第2の側端面30Bに向かって延び得る。いくつかの実施形態では、開口部10C,30Cが同じ方向を向いている(すなわち、試験装置100の前端Aを向いている)ことが企図される。しかし、空洞15が第2の側端面10Bから上部プレート10の中心に向かって延びるように、開口部10Cが第2の側端面10Bを貫通して延び得ることが企図されるので、これは必須ではない。代替実施形態では、開口部15Cは後端Bを向いていてもよい。必須ではないが、いくつかの実施形態では、図示されるように、中央空洞15は、上部プレート10の幅の実質的に中央に配置され得、中央空洞32は、中間プレート30の幅の実質的に中央に配置され得る。上部プレート10上の中央空洞15は、前端Aから(閉じた)後端15Aまで延び得(図2A参照)、中間プレート30上の中央空洞32は、前端Aから(閉じた)後端32Aまで延び得る(図1A図2A参照)。上部プレート10上の中央空洞15及び中間プレート30上の中央空洞32は、それらが垂直に整列するようにそれぞれのプレート上に配置され得る。すなわち、試験固定具100の上部から見た場合、中央空洞15は、中央空洞32の真上に配置され得る(図2A図2B参照)。換言すると、1つ以上の長手方向軸(実質的にZ軸に平行)は、空洞15,32の各々と交差し得る。交差する長手方向軸は、支柱12,14,16、スパイン60、及び移動アセンブリ20の長手方向軸と実質的に平行であり得る。後述するように、ブラケット80(例えば、異なるタイプのサンプルを支持するU字形のブラケット)は、上部プレート10上の中央空洞15に連結され得る。試験中にサンプルを支持するために試験固定具100が使用される場合、サンプルは、中央空洞15,32の一方又は両方を介して試験固定具100内に配置され得る(又は挿入され得る)。中央空洞15,32は、任意の形状及びサイズを有してもよい。一般に、中央空洞15,32の形状及びサイズは、試験固定具100で使用されることが意図されているサンプルのサイズ及び構成に依存し得る。いくつかの実施形態では、中央空洞15,32の一方又は両方は、概ね長方形又はU字形を有し得る。一般に、中央空洞15,32は、これらの空洞15,32が試験固定具100の前端Aから後端Bまで完全に延びることがないようなサイズにし得る。すなわち、図1A図1C図2A、及び図2Bに示されるように、上部プレート10及び中間プレート30は、それぞれの中央空洞15,32の後端15A,32Aから試験固定具100の後端Bまで延びる帯状の材料を含み得る。さらに、(閉じた)後端15A,32Aは、第1の側端面10A,30Aよりも第2の側端面10B,30Bの近くに配置され得る。
【0013】
上部及び下部プレート10,50を連結するスパイン60は、中央空洞32の後端34と試験固定具100の後端B(図1Cを参照)との間に配置された垂直に延びる空洞36(又は貫通孔)を介して中間プレート30を貫通して延び得る。空洞36は、スパイン60が中間プレート30の垂直方向の動き(これについては後述する)を妨げることなく中間プレート30を貫通して延びるようなサイズにされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、空洞36は、スパイン60が中間プレートに物理的に接触することなく中間プレート30を貫通して延び得るようなサイズにされてもよい。スパイン60は、例えば留め具を使用して、上部及び下部プレート10,50に固定的に連結され得る。例えば、図1Cに示されるように、留め具52A,52Bは、スパイン60を下部プレート50に連結するために、スパイン上の空洞を貫通して延び得る。同様の留め具(図示略)は、スパイン60を上部プレート10に連結するために、上部プレート10上の空洞16A,16Bを貫通して延び得る。スパイン60を上部プレート10に連結するために使用されるこれらの留め具は、空洞16A,16Bを貫通し、中央空洞15の後端14を貫通して(上部プレート10の)中央空洞15内に延び得る。中央空洞15内に延びるこれらの留め具の部分は、ブラケット80(又は別の適切なブラケット、交換部品等)を中央空洞15に取り付けるために使用され得る。スパイン60は長方形の部品として図示されているが、これは単なる例示である。一般に、スパイン60は、試験固定具100に十分な剛性を付与する任意の適切な形状及びサイズ(例えば、幅、厚さ等)を有し得る。いくつかの実施形態では、スパイン60は、試験中に生じる可能性のあるねじり力及び/又は曲げ力(例えば、試験固定具によって支持されているサンプルから試験固定具100に生じるねじり力及び曲げ力)に耐えるために、試験固定具100に十分な安定性を付与するような、サイズ及び材料を含んでもよい(もしくは構成されてもよい)。スパイン60は、任意の適切な方法で形成され得る。いくつかの実施形態では、スパイン60は、長さ方向に追加の剛性を付与するように構成された3Dプリントされた構成要素であってもよい。より具体的には、スパイン60は、一般に、ポリマーの3Dプリントされた構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の補強材のシートをスパイン60内に埋め込んでもよい。例えば、スパイン60は、その中に1つ以上の補強材、例えば、金属ストランドを有するプラスチック複合材料からプリントし得る。別の例では、スパイン60は、他の3Dプリントされたポリマープレート内にプリントされた金属又はガラス繊維のシートを含んでもよい。3Dプリントされた補強材を含めることで、スパイン60が、要望に応じて迅速かつ簡単に製造されながら、試験中に発生する可能性のあるねじり力及び/又は曲げ力に耐えるのに十分な剛性を有することを補償できるようになる。上述のように、スパイン60は、固定具100全体を貫通して延びるボルトに十分なトルクが加わるのを助けるために、その中に一体化されたプレートを有し得る。固定具100を単一の連続ユニットにする上部貫通ボルトは、いくつかの実施形態では、固定具100の剛性に影響を及ぼし得る構成要素間に緩みを導入することがある。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、正確な試験結果を得るために、単一の連続ユニット-固定具100-が剛的であることが望ましい。
【0014】
反復試験を用いて、補強の有無にかかわらず、スパイン60の有効性を実証した。反復試験中に、荷重が上部プレート10に加えられた。荷重は約200Nであり、荷重を加えている間の上部プレート10のたわみを経時的に測定した。このおおよその荷重は、例えば、1)摺動降伏摺動平衡応力(break loose glide force)試験(例えば、約1N未満から約20Nまで)、2)ロックアウト機構のオーバーライド力試験(例えば、約50Nから約100N)、3)自動注入器の注入力試験(例えば、約50Nから100N)、及び4)キャップ除去力試験(例えば、約50Nから約100N)、を含む様々な医療用注射器試験における試験固定具100の使用中に加えられる荷重よりも著しく高い。摺動降伏摺動平衡応力試験中、単位力あたりの変位は、例えば約15mmから約20mmの変位で測定され得る。これらの試験は、一般に約3秒から約5秒、又は最大で約10秒に及ぶ。しかし、これらの継続時間は単なる例示であり、他の継続時間も企図される。このおおよその荷重で、上記のようにスパイン60を金属プレートで補強した後、約200Nの荷重で測定された上部プレート10の変位は、約0.225から0.242mm(データのサンプリングは、下表1の「変位-サポートあり」の列に示される)、標準偏差は0.0049mmであった。さらに別の試験では、いかなるスパイン60も有なさい固定具で、同じ約200Nの負荷で測定された上部プレート10の変位は1.164nmから1.193mmの範囲(データのサンプリングは、表1の「変位-サポートなし」の列に示される)、標準偏差は.0068mmであった。本明細書で説明する反復試験は、2019年4月に実施された。反復試験では、ElectroPuls Instron機を使用して、200Nの荷重を上方向に、次いで下方向に、上部プレート10に周期的に加えた。各サイクル(力の上下両方の印加を含む)の継続時間は1秒で、各固定具の試験は72時間(259200サイクル又は259200秒)実施された。上部プレート10の変位は、5サイクル(秒)ごとに測定された。表1は、反復試験中に収集されたデータのサンプリングを反映している。サポートありの固定具及びサポートなしの固定具の試験は、異なる日に行われた。2つの試験間の等価サイクルの変位の差は0.927mmから0.964mmの範囲、標準偏差は0.0349であった。反復試験中に収集された変位データの(比較的小さな)偏差の多くは、試験領域の温度変化に起因することが観察された。表1に示されていないさらに別の試験では、スパイン60はプラスチックのみからなり、補強材は含まれていなかったが、上部プレート10の変位は約0.35から0.40mmであった。
【0015】
【表1】
したがって、スパイン60を追加することにより、負荷(200N)の下で上部プレート10が示す変位は、スパイン60のない試験固定具と比較して減少した。さらに、スパイン60にプリントされた金属サポートを追加することにより、負荷(200N)の下で上部プレート10が示す変位は、プリントされたプラスチックのみからなるスパイン60を有する試験固定具と比較して減少した。特定の実施形態では、試験固定具100は、200Nの荷重が72時間にわたって上部プレート10に加えられたときに、上部プレート10が約0.40mm、約0.35mm、約0.25mm、約0.24mm、又は約0.23mm以下の変位を示し得るように構成されてもよい。上部プレート10は、200Nの荷重が72時間にわたって上部プレート10に加えられたときに、上部プレート10が約0.40mm、約0.35mm、約0.25mm、約0.24mm、又は約0.23mm以下の変位を示し得るように、下部プレート50に物理的に連結してもよい。
【0016】
さらに、本開示によれば、スパイン60は強化されてもされなくてもよい。いくつかの実施形態では、スパイン60が、動作中(例えば、注入医療機器の試験)に加えられると予期される負荷に耐えるように構成されている場合、補強は必要ないことがある。換言すると、注入医療機器の試験中に企図される荷重の下で、上部プレート10が許容できる程度の小さな変形を示す、又は変形を示さないようにスパイン60が上部プレート10を支持することが可能な場合、補強は必要ないことがある。例えばスパイン60を含む固定具100の構成要素が、同じ日に単一の3Dプリント機でプラスチックから(補強なしで)製造されるとき、そのようなスパイン60の性能(すなわち、上部プレート10のたわみの欠如)は、その中に補強材を有するスパイン60の性能と同等であろうと考えられる。
【0017】
中間プレート30はまた、中央空洞32に対して横方向(又は実質的に垂直)のX-Y平面内に延びる凹状空洞又はトラック38を含み得る(図1Aを参照)。トラック38は、中央空洞32の一方の側に延びる第1の部分38Aと、中央空洞32の反対側に延びる第2の部分38Bとを含み得る。第1の部分38Aは、第2の部分38Bと同一直線上にあり得る。トラック38は、その中の1つ以上の構成要素をスライド可能に支持するように構成されたスロット付き空洞であり得る。フィンガーアセンブリ40は、トラック38の各部分38A、38B上でスライド可能に支持され得る(1つのフィンガーアセンブリ40(第1の部分38A上)のみが図1Aに示されている)。各フィンガーアセンブリ40は、トラック38上を中央空洞32に向かって、及び中央空洞32から離れるようにスライドするような構成とされ得る。必須ではないが、いくつかの実施形態では、各フィンガーアセンブリ40は、中央空洞32に向かって付勢されたバネ式構成要素(又は構成要素のアセンブリ)であり得る。つまり、トラック38の2つの部分38A,38B上のフィンガーアセンブリ40は、互いに向かって付勢され得る。
【0018】
各フィンガーアセンブリ40は、トラック38上を中央空洞32に向かって、及び中央空洞32から離れるようにスライドするような構成とされたベース42又はキャリッジを含み得る。必須ではないが、いくつかの実施形態(図示略)では、つまみネジ(又は、例えばスロット等のような別の機構)を提供して、ベース42をトラック38上の所望の位置にロックしてもよい。フィンガー部材、すなわちフィンガー46は、つまみネジ48を使用して、各フィンガーアセンブリ40のベース42に連結され得る。図1Aに最もよく示されるように、フィンガー46は、つまみネジ48に近接する端部から中央空洞32に向かって反対側の端部まで延びる細長い構成要素であり得る。フィンガー46は、フィンガー46の長さがベース42と角度をなすように、ベース42に連結されている。つまり、フィンガー46は、ベース42に対して角度を付けられ得る。フィンガー46がベース42となす角度は、つまみネジ48を使用して変更することができる。例えば、つまみネジ48を緩めると(例えば、つまみネジ48を回すことによって)、フィンガー46をつまみネジ48の周りで回転させることができ、フィンガー46とベース42との間の角度が変更される。
【0019】
フィンガーアセンブリ40がバネ式である実施形態では、バネ45は、フィンガー46を上方向に(すなわち、上部プレート10に向かい、かつ下部プレート50から離れるように)付勢し得る。バネ45は、フィンガー46の下側に配置されたペグ46aに連結され得る。特に、バネ45は、ペグ46a上又はペグ46aに隣接する溝(図示せず)に受けられ得る。バネ45はまた、ネジ又は他の留め具46bに連結され得る。留め具46bは、ベース42を、トラック38のスロット又は凹部によって受けられる突起に連結し得る。したがって、(サンプル又は試験機器によって)下向きの力がフィンガー46に加えられると、バネ45が圧縮されて、フィンガー46が下向きに枢動することを可能にし得る。下向きの力が解放されると、バネ45はその静止状態に拡張し、フィンガー46はそれ自体の元の及び/又は静止位置に戻り得る。いくつかの実施形態では、バネ45の存在により、サンプルをクランプすることなくサンプルの試験が可能になり得る。例えば、いくつかの実施形態では、サンプルは、張力によってのみ固定され得る。
【0020】
中央空洞32に向かって配置されたフィンガー46の端部は、試験中に試験固定具100のサンプルに接触して支持するように構成され得る。例えば、注射器が試験のために試験固定具100上で支持される実施形態では、注射器の本体は、注射器が中央空洞32を介して下部プレート50に向かって延びるように、中央空洞32のいずれかの側のフィンガーアセンブリ40のフィンガー46によって垂直に支持され得る。この構成では、UTMのローディングアームは、上部プレート10の中央空洞15を介して試験固定具100内に降下し、所望のタイプの力(引張力、圧縮力等)を注射器の所望の位置に加え得る。トラック38上で(例えば、図1AのX方向に)フィンガーアセンブリ40を並進させる機能により、フィンガー46を使用して、異なるサイズのサンプル(例えば、注射器、ビーカ等)を試験固定具100上で支持することができる。さらに、中央空洞32に向かって配置されたフィンガー46の端部は、試験される注入器又は注射器のフランジ(例えば、注射器のフィンガーフランジ等)を支持するために使用され得る内向きの凹部46cを含み得る。フィンガー46を有するフィンガーアセンブリ40の特定の構成が図示されているが、これは単なる例示であることに留意されたい。一般に、フィンガーアセンブリ40及びフィンガー46は、任意の構成を有し得る。
【0021】
前述したように、試験固定具100の中間プレート30は、支柱12,14,16にスライド可能に連結されている。移動アセンブリ20を使用して、支柱12,14,16上で中間プレート30をスライドさせ、中間プレート30を垂直方向(すなわち、上部又は下部プレート10,50に向かって又は離れるように)移動させ得る。図1Cを参照すると、移動アセンブリ20は、下部プレート50に設けられた分割クランプ56(例えば、McMaster分割クランプ)等のカラーに支持されるネジ22を含む。いくつかの実施形態では、図1Cに示されるように、分割クランプ56は、下部プレート10上に形成されたサムホイール54上に形成された対応する形状の空洞に設けられ得る、又は埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、図1Cに示されるように、サムホイール54は、分割クランプ56を支持する中央空洞を含む下部プレート50上のタイヤ形状の突起である。
【0022】
当業者によって認識されるように、サムホイール54をアセンブリ20の長手方向(Z)軸の周りで回転させることにより、ネジ22(例えば、エンドレスネジ(endless screw))が下部プレート50上で回転することができる。ネジ22は、自己ブレーキ式であり、中間プレート30を押すことによって中間プレート30が垂直に並進しないようなネジ形状を有し得る。代わりに、移動アセンブリ20は、サムホイール54を回すことによってのみ中間プレート30を垂直に動かすことができるように構成され得る。例えば、中間プレート30は、ネジ22のネジ山を受けるネジ山を有するベアリング、留め具(例えば、ナット)24を含み得る。ネジ52の上端は、それに取り付けられたベアリング26を含む。いくつかの実施形態では、ベアリング26は、ネジ52の上端がスナップ止めされる半球形のボアを有し得る。いくつかの実施形態では、ベアリング26は上部レート10に取り付けられていない。いくつかの実施形態では、ベアリング26の上部は、ベアリング26が上部プレート10上で(XY平面において)スライドして、試験固定具100上の移動アセンブリ20、例えば回転ネジアセンブリ20のずれの影響を最小限に抑えることができるように、上部プレート10の裏面に接触し得る。サムホイール54が回される(又は回転される)と、ネジ22(及びベアリング26)は、上部及び下部プレート10,50に対して回転する。ネジ22は、中間プレート30に固定されたベアリング24を介して中間プレート30を貫通して延びる。当業者によって認識されるように、ベアリング24は、ネジ22の回転運動を、それに取り付けられた中間プレート30の直線運動に変換する。図示されていないが、いくつかの実施形態では、中間プレート30はまた、ネジ22が延びる空洞内に配置されたベアリング(例えば、真鍮ベアリング、青銅ベアリング等)を含み得る。サムホイール54を回すと、ボールネジ22が上部及び下部プレート10,50を中心に回転し、中間プレート30が垂直方向(Z方向)に上下に並進する。サムホイール54を一方向に回転させると、中間プレート30が一方向に(例えば、上部プレート10に向かって、又は下部プレート50に向かって)移動し、サムホイールを反対方向に回転させると、中間プレート30が反対方向に移動する。中間プレート30を上下に移動させる機能は、異なるタイプ及びサイズのサンプルが試験固定具100で支持されることを可能にする。
【0023】
移動アセンブリ20は、上部プレート10及び下部プレート50に対してY軸に沿って中間プレート30を並進させるように構成された任意の適切な直線運動構成要素であり得ることもまた企図される。例えば、移動アセンブリ20は、滑車システム等を含み得る。
【0024】
前述したように、上部プレート10の中央空洞15は、ブラケット80を支持し得る(図1A図1B図2A図2B参照)。上部プレート10で支持され得る例示的なブラケット80が図3に示されている。図1A及び図1Bに最もよく示されるように、中央空洞15の側壁は、スロット82A(例えば、長方形状の凹部等)を含み得る。いくつかの実施形態では、スロット82Aは、試験固定具100の前端Aから中央空洞15の後端14まで、中央空洞15の長さに沿って(すなわち、Y軸に沿って、図2A参照)延びている。中央空洞15の側壁上のスロット82Aは、ブラケット80の側面上の対応する形状の突起82Bをスライド可能に受けるように構成されている。ブラケット80は、突起82Bを中央空洞15のスロット82Aと係合させ、ブラケット80の前面が上部プレート10の前面と同一平面になるようにブラケット80を中央空洞15内にスライドさせることによって、中央空洞15に取り付けることができる(図1A図1B参照)。次に、スパイン60を上部プレート10に連結するために使用される留め具を、空洞16A,16Bに挿入することができる(図1C参照)。これらの留め具は、スパイン60及びブラケット80を上部プレート10に取り付けるために、ブラケット80の後面のネジ穴86A,86B(図3参照)内に上部プレート10を貫通して延び得る。
【0025】
ブラケット80はまた、試験固定具100内で試験のサンプルを支持するために使用され得る。ブラケット80の内端は、サンプルと係合し、ブラケット80上でサンプルを支持するように構成された構造84を含み得る。図3に示されるブラケット80及び構造84は、単なる例示であることに留意されたい。一般に、使用されるブラケットとブラケット上に設けられる構造のタイプは、支持されるサンプルのタイプに依存する。いくつかの実施形態では、第1のブラケット(例えば、ブラケット80)を使用して、1つの試験中に1つのタイプのサンプルを支持し得る。その試験の後、別の試験の異なるサンプルを支持するために、ブラケットが取り外され、別のブラケットが中央空洞15に取り付けられ得る。異なるタイプのサンプルを支持するように構成されたブラケットをすばやく切り替える機能により、試験固定具の適応性が向上する。
【0026】
いくつかの実施形態では、ブラケット80に設けられる構造は、別のブラケットを支持するように構成され得る。例えば、図3図3A、及び図3Bのブラケット80を参照すると、いくつかの実施形態では、ブラケット80の内面上の構造84は、サンプルを支持するように構成された別のブラケット80Aと係合して支持するように構成され得る(例えば、ブラケット80に嵌合し、いくつかの試験サンプルを支持するように構成される内側ブラケット80A)。そのような実施形態では、上部プレート10に取り付けられたブラケット(例えば、ブラケット80)は、異なるように構成された試験サンプルを支持するために交換されなくてもよい。代わりに、上部プレートに取り付けられたブラケット80によって支持されている内側ブラケット80Aを、新しい試験サンプルを支持するように構成された別の内側ブラケットと置き換えてもよい。ブラケット及び/又は内側ブラケットを迅速に交換して異なるサンプル構成を支持する機能により、試験固定具100を使用して多くの異なる構成の試験サンプルを支持することができる。
【0027】
内側ブラケット80Aは、円形の開口部、及び例えば注射器等の試験サンプルを支持するように構成された他の適切な構造を含み得る。いくつかの実施形態では、内側ブラケット80Aは、UTMによって実施される試験で使用される1つ以上の注射器アダプタ又はパックを受けるように構成され得る。注射器アダプタ又はパックは、市販のもの又はカスタムメイドであってもよく、異なるサンプル、注射器、容器等を支持するように個別に設計され得る。例えば、アダプタ又はパックは、様々な注射器の直径、形状、構成等を収容又は支持するように構成され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、上部プレート10のブラケット(例えば、ブラケット80)及び中間プレート30のフィンガーアセンブリ40は、試験用のサンプルを協働で支持するように構成され得る。例えば、(上部及び中間プレート10,30の)空洞12,32の両方を貫通して延びる(例えば、垂直に貫通する)注射器は、上部プレート10のブラケット80及び中間プレート30のフィンガーアセンブリ40のフィンガー46の両方によって支持され得る。サムホイール54を使用して中間プレート30を垂直に移動させることによって上部及び中間プレート10,30との間の間隔を変更する機能により、固定具を変更することなく、異なる構成及びサイズのサンプルを試験固定具100上で容易に支持することができる。異なる試験サンプルを試験するために試験固定具100を容易に再構成する能力により、時間及び費用を節約しながら効率が高められる。
【0029】
図5A及び図5Bは、センタープレート30に装着可能な例示的な交換部品を示す。例えば図5Aは、プラットフォーム502上でサンプル収集容器を支持するために使用することができるサンプル保持アーム500を示す。例えば、保持アーム500は、張力で試験される「バルク(bulk)」主容器(すなわち、注射器)を支持するために使用されてもよく、又は保持アーム500は、サンプルの計量が必要でない場合、廃棄物収集カップを保持するために使用されてもよい。これらの使用は非限定的であり、保持アーム500は他の試験の用途でも同様に使用され得ることが企図される。サンプル収集容器は、試験中に注射器又は試験装置から排出された液体を収集し得る。同様に、図5Bは、遠心分離管等を支持又は保持するために使用することができるホルダ510を示す。図5A及び図5Bに示される交換部品又はアダプタは、フィンガーアセンブリ40を利用しない特定の試験で使用され得る。保持アーム500及び/又はホルダ510は、保持アーム500及び/又はホルダ510の開口を貫通し、センタープレート30の開口を貫通して延びる1つ以上の留め具(例えば、ボルト)によって、センタープレート30に連結され得る。
【0030】
図5C図5Eは、例えば、ISOバイアル又は他の同様の容器で試験を実施するために上部プレート10と一緒に使用することができる例示的な交換部品を示す。図5Cは、(上述した内側ブラケット80Aの代わりに)内側ブラケット80Bと一緒に使用されるブラケット80を示す。内側ブラケット80Bは、穿刺試験用のバイアルを支持するために使用され得る。内側ブラケット80Bは、内側ブラケット80Bをブラケット80に連結するために、ブラケット80の上面に載るように構成された嵌合フランジ80Cを含み得る。内側ブラケット80Bはまた、嵌合フランジ80Cからオフセットされた(異なる平面にある)底面80Dを含み得るが、少なくともいくつかの実施形態では、嵌合フランジ80C及び底面80Dは同一平面上にあってもよいことが企図される。側壁80Eは、嵌合フランジ80Cと底面80Dとの間に配置され得、いくつかの実施形態では、嵌合フランジ80C及び底面80Dの両方に対して実質的に垂直であってもよい。側壁80Eは、両端部が側壁80Eの実質的に平行な部分に接続される部分的に円筒形の部分を含み得る。側壁80Eの部分的に円筒形の部分は、試験されるサンプル容器又はバイアルの半径に近似する、又はそれよりわずかに大きい半径を有し得る。さらに、側壁80Eの実質的に平行な部分の間の距離は、試験されるサンプル容器又はバイアルの半径に近似し得る、又はそれよりわずかに大きくし得る。試験中、サンプル容器又はバイアルの下部は、底面80D及び側壁80Eによって支持され得る。
【0031】
図5Dは、例えば突起82Bを使用して、本明細書で述べたブラケット80と実質的に同様の方法で上部プレート10に挿入され得るブラケット80Fを示す。ブラケット80Fは、突起82Bの上に配置され、かつ突起82Bからオフセットされた上面80Gを含み得るが、いくつかの実施形態では、これらは同一平面上にあってもよい。ブラケット80Fは、上面80Gから上方に向かって離れるように延びる1つ以上の支柱80Hを含み得る。図示される実施形態では、ブラケット80Fは3つの支柱80Hを含むが、この数は限定的ではなく、ブラケット80Fはより多い又はより少ない支柱80Hを含んでもよい。各支柱80Hは、それを貫通して延びる管腔を含み得、かつ留め具(ボルト又はネジ等)の補完的な構造を受けるために、ネジ山、レール等のような1つ以上の嵌合構造を含み得る。ブラケット80Fは、上面80Gよりも低く配置され、かつ上面80Gからオフセットされた底面80Iを含み得る。側壁80Jは、上面80Gと底面80Iとの間に配置され、かつ上面80G及び底面80Iに対して実質的に垂直であり得る。上述した側壁80Eと同様に、側壁80Jは、両端部が側壁80Jの実質的に平行な部分に接続される部分的に円筒形の部分を含み得る。
【0032】
図5Eは、サンプル容器又はバイアルでキャップ除去力試験(試験力がサンプル容器又はバイアルの側面から回転する)を実施するためにブラケット80Fに連結されて使用され得る保持プレート80Kを示す。保持プレート80Kは、ブラケット80Fからの対応する支柱80Hと整列するようにそれぞれ構成された、保持プレート80Kを貫通して延びる1つ以上の開口部80Lを含み得る。図示される実施形態では、保持プレート80Kは、3つの開口部80Lを含むが、これは限定的ではなく、保持プレート80kは、追加の又はより少ない開口部80Lを含んでもよい。保持プレート80Kは、ブラケット80Fの底面80Iに少なくとも部分的に形状が対応する凹部80Mを含み得る。追加的に、側壁80Nは、凹部80Mを取り囲んでもよく、側壁80Nの一部は、形状及び幾何学的にブラケット80Fの側壁80Jに対応してもよい。保持プレート80Kがブラケット80Fに連結されるときに、側壁80J,80Nの部分的に円筒形の部分は、垂直に整列され得る。
【0033】
保持プレート80Kは、開口部80Lを支柱80Hの管腔の開口部と整列させることによってブラケット80Fに連結され得る。留め具(ネジ又はボルト等)をそれぞれの開口部80L/支柱80Hに挿入して、保持プレート80Kをブラケット80Fに固定し得る。保持プレート80K及びブラケット80Fの対応する形状は、保持プレート80K及びブラケット80Fの両方が、同じサンプル容器又はバイアルの異なる部分を支持することを可能にし得る。例えば、底面80I及び側壁80Jは、サンプル容器又はバイアルの下部を支持しつつ、側壁80Nは、同じサンプル容器又はバイアルの上部又は中間部分を支持し得る。
【0034】
図5C図5Eの構成要素は、本明細書に記載されている他の交換部品と同様に、同じ試験を実施するために使用される既存の構成要素よりも実質的に短い時間で設計及び製造され得る。例えば、図5C~5Eの構成要素は、3時間未満で設計でき、10時間未満でプリントできる。上記のようにこれらの交換部品は、ISOバイアルの試験に使用され得、試験固定具100は、サンプルと交換部品とを同心に保ち、サンプル容器又はバイアルをシステムの最小試験高さに配置するのに役立ち得る。試験固定具100、及びそのさまざまな交換部品は、異なる構成要素(例えば、充填済み注射器及びISOバイアル)の試験に対応するために試験固定具100を迅速に変更することを可能にするが、既存の試験構成は、はるかに多くのハードウェア及びセットアップ時間/コストを必要とする。
【0035】
本開示の実施形態は、任意の適切な試験構成で使用され得る。例えば、本開示の実施形態は、注射器又は自動注入器の試験において、力対時間の日付(date)を収集するために使用され得る。開示された装置は、例えば、離脱力(breakaway force)試験(プランジャを最初に押し下げるのに必要な力を判定する)又は摺動持続/摺動平衡力(sustaining/glide force)試験(プランジャを移動させ続けるのに必要な力を判定する)等の注射器/プランジャ力試験で使用することができる。開示された装置はまた、(1)針キャップ又は他の引き抜き試験(例えば、針/安全キャップを取り除く力)、(2)活性化力及び変位試験、(3)針ガードを変位させるのに必要な力を判定するための試験、(4)針の貫通及び引き抜き試験、(5)Luer cone破損試験、において使用することができる。開示された装置はまた、ブリスターパック試験、ピルクラッシュ試験、あるいは新たな支持構造の開発又は購入を必要とするUTMによって実施される他の試験に使用され得る。したがって、開示された装置は、試験される装置を特定の向きに固定する又は締め付ける必要がある、医療装置等の装置、サンプル容器、又はバイアルの任意の引張又は圧縮試験で使用され得る。開示された装置は、体積が約0.5mLから約5mL以上の範囲の多種多様な試験構造物を固定するために使用され得る。例えば約0.5mL以下の容量を有する容器、例えば約0.4mL以下、約0.3mL以下、約0.2mL以下、又は約0.1mL以下を含む、より小さく、より大きな容量の容器もまた企図される。さらに、例えば約10mL以上、約20mL以上、約30mL以上等の容量を有する容器を含む、約5mLより大きい容器が試験され得る。試験される容器は、円筒形、円錐形、長方形、ピラミッド形、不規則な形状であり得、及び/又は他の任意の適切な形状又は形状の組み合わせを有し得る。
【0036】
図6は、例示的な方法600を示す。方法600は、ステップ602で開始し得、試験装置100は、例えば上記のような万能試験機等の試験機に連結される、又は固定され得る。次に、方法600は、ステップ604に進み、ユーザは、所望の第1の試験のために、適切な挿入物(insert)又は交換部品を選択し、試験固定具100に固定し得る。例えば、ユーザは、ブラケット80、内側ブラケット80A、フィンガーアセンブリ40、保持アーム500、ホルダ510、及び/又は第1の試験に必要な他の任意の適切な交換部品のうちの1つ以上を選択し得る。方法600はまた、試験固定具100及び選択された交換部品がさらに構成され得るステップ606を含み得る。これには、例えば第1の試験で必要な場合に垂直方向にセンタープレート30を移動すること、フィンガーアセンブリ40の張力を調整すること、又は他の必要なセットアップ作業が含まれ得る。ステップ606は、ステップ604の前、途中、又は後に行われてもよい。次に、方法600は、第1の試験が実施されるステップ608に進み得る。場合によっては、ユーザは試験固定具100を使用して別の試験を実施することを望むことがある。したがって、方法600は、ステップ610に進み得、ユーザは、第2の試験又は後続の試験中に使用する新しい挿入物又は交換部品を選択し得る。ステップ610から、方法600は、ステップ612,614に進み得、これらのステップは、それぞれ、ステップ604,606と実質的に同様であり得、第1の試験と第2又は後続の試験との間の差異に起因して必要に応じて変更される。ステップ604,606と同様に、ステップ612は、ステップ610の前、途中、又は後に行われてもよい。ステップ614の後、方法600は完了してもよく、又は追加の後続の試験のためにステップ610に戻ってもよい。
【0037】
第2又は後続の試験は、第1の試験と同じタイプの試験(例えば、摺動平衡(glide)試験)であり得るが、異なるサンプル又は装置(例えば、異なる注射器)で実施され得る。第2又は後続の試験はまた、第1の試験で使用されたものと同じサンプル又は装置での異なるタイプの試験、又は第1の試験で使用されたものと異なるサンプル/装置での異なるタイプの試験であり得る。しかし、第2又は後続の試験で使用が企図される試験又はサンプルのタイプに関係なく、同じ試験固定具100が使用され得、新しい構成の交換部品及び/又は挿入物が単に必要とされ得る。例えば、新しいブラケット80及び/又は新しい内側ブラケット80Aが試験で使用され得る。いくつかの例では、新しい内側ブラケット80Aのみが利用されてもよく、又は内側ブラケット80Aが取り外されてもよい。他の例では、保持アーム500及び/又はホルダ510は、フィンガーフランジ40を使用する代わりに、第2の試験でセンタープレート30上で使用されてもよく、又はその逆もあり得る。いくつかの実施形態では、方法のステップ610は、試験固定具100を万能試験機から分離することなく行われ得る。しかし、これは限定的ではなく、実際、いくつかの実施形態では、試験固定具100は、異なる試験間でいくらかの分離/再結合を必要としながら、異なる万能試験機と一緒に又は同じ万能試験機と一緒に使用され得ることが企図される。
【0038】
本開示の実施形態は、既存の試験解決策と比較して、最小の諸経費で試験を実施することを可能にし得る。例えば、既存の試験設備の費用は100ドルから1,000ドルを超える範囲である。さらに、新しい試験を実施するために新しい設備を購入しなければならず、その結果、資本コスト及び従業員の人件費(多くの場合、資本コストよりも大幅に高い)の両方が支出されることになる。さらに、既存の設備では、新しい試験装置の設計、製造、及び/又は出荷の際に生産性の損失が生じる。しかし、本開示のモジュラー試験固定具は、これらの問題を軽減するのに役立ち得る。例えば、初期モジュールや、例えば3Dプリンタ(約300ドルから約250,000ドル以上の範囲)に投資した後、特に多くのユーザが既に適切な3Dプリンタに投資している可能性があるため、新しい試験を大幅に低いコストで実施することができる。一部の3Dプリンタは、挿入物又は交換部品を最終的なすぐに使用できる形式でプリントするように構成され得るが、他のプリンタは、さらなる変更が必要な中間構成要素をプリントすることがある。例えば、特定のプリンタでは、追加の支持体(例えば、鋼棒)が必要になることがあり、又は中間構成要素をさらにフライス加工又は機械加工することが必要になることがある。例えば、新しい挿入物や交換部品には、10~100ドル程度の材料費が含まれ得る。モジュール全体ではなく、設計する必要があるのが挿入物/交換部品のみであるため、設計時間(したがって従業員の人件費)が削減される。さらに、挿入物/交換部品を作成するための設計及び製造の専門知識をあまり必要としないため、試験機器の作成に十分な経験がない可能性のある個人(例えば化学者、化学技術者、生物医学技術者、生物科学者等)でも、適切な挿入物/交換部品を作成できることがある。さらに、エンジニアリング/設計/製造の専門家に追加の支援を要請する場合、そのような支援は、まったく新しい試験の設備が必要な場合と比較して限定的であり得る。さらに、本開示の挿入物/交換部品の多くは、現場で(例えば、3Dプリンタによって)プリントされ得る。これにより、カスタムの挿入物/交換部品は数時間/日で使用できるため、新しい試験設備を構築して出荷するために必要な長いタイムフレームと比較して、生産性の損失を低減し得る。さらに、新しい挿入物又は交換部品の設計後、そのような挿入物又は交換部品の3Dプリントは、約400米ドルから約700米ドルの範囲のユーザの費用で、第三者の3Dプリンタに委託され得ることが企図される。
【0039】
本開示の実施形態では、新しい交換部品の必要性が第1の時点で特定され得、そして新しい交換部品が、すぐに使用できる構成要素に設計及び製造(例えば、3Dプリントによって)され得、その後、引張試験又は圧縮試験で、約12時間以内(第1の時点から測定)に使用されることが企図される。特に特定の構成要素の複雑さを考慮すると、他の時間期間もまた企図される。他の実施形態では、新しい交換部品はすぐに使用でき、交換部品は、第1の時点から測定して、約18時間以内又は約24時間以内に、引張又は圧縮試験で実際に使用され得る。さらに、本開示の少なくともいくつかの実施形態では、新しい交換部品は、3Dプリント(すなわち、プリント指示を3Dプリンタに送信し、完全な、すぐに使用できる構成要素を、他の任意のフライス加工、機械加工等の必要なしにプリントすること)によってのみ製造されてもよい。
【0040】
本明細書で使用される場合、挿入物又は交換部品は、サンプル又は容器に対して圧縮及び/又は引張試験を実施するために、モジュール式試験固定具を使用して試験サンプル又は容器を支持及び/又は配向するために必要とされる任意の構成要素であり得る。構成要素は、試験サンプル又は容器に直接又は間接的に接触し得、ブラケット、プラットフォーム、支持面、支柱、フランジ、留め具等の任意の構造を含み得るが、これらに限定されない。
【0041】
本開示の原理は、別の装置(例えば、UTM)と組み合わせて使用され得る試験固定具を参照して本明細書に記載されているが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。むしろ、本明細書に記載のシステムは、任意の用途の電池に使用することができる。また、当業者及び本明細書で提供される教示へのアクセスを有する者は、追加の変更、適用、実施形態、及び均等物の置換がすべて本明細書に記載の実施形態の範囲内にあることを認識する。したがって、本開示は、前述の説明によって限定されるものとはみなされない。例えば、特定の特徴が様々な実施形態に関連して説明されてきたが、本明細書に開示される任意の実施形態に関連して説明される任意の特徴は、本明細書に開示される任意の他の実施形態とともに使用され得ることが理解されるべきである。
以下、上記実施形態から把握できる技術的思想について記載する。
[付記1]
試験装置であって、
第1のプラットフォームと、
第2のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる第1の開口部を有する第1の空洞を含む第2のプラットフォームであって、前記第1の空洞は前記第1の開口部から第2のプラットフォームの中心に向かって延びる、第2のプラットフォームと、
前記第2のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる第2の開口部を有する第2の空洞を含む第3のプラットフォームであって、前記第2の空洞は前記第2の開口部から第3のプラットフォームの中心に向かって延びる、第3のプラットフォームと、を備え、
前記第2のプラットフォームは、
前記第1のプラットフォームと前記第3のプラットフォームとの間に配置され、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して移動可能であり、
前記試験装置は、前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して前記第2のプラットフォームを移動させるように構成された移動アセンブリをさらに含む、試験装置。
[付記2]
前記移動アセンブリは、第1の長手方向軸を有し、前記移動アセンブリは、前記第1のプラットフォーム、前記第2のプラットフォーム、及び前記第3のプラットフォームの各々に連結され、前記第1の長手方向軸の周りの前記移動アセンブリの回転により、前記第2のプラットフォームが前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して移動する、付記1に記載の試験装置。
[付記3]
前記第1の空洞及び前記第2の空洞の各々の少なくとも一部は、前記移動アセンブリの前記第1の長手方向軸に平行である第2の長手方向軸に沿って配置される、付記2に記載の試験装置。
[付記4]
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、同じ方向を向いている、付記1に記載の試験装置。
[付記5]
前記同じ方向は、前記試験装置の前方を向く、付記4に記載の試験装置。
[付記6]
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームは、互いに実質的に平行である、付記1に記載の試験装置。
[付記7]
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームは、互いに実質的に平行である、付記6に記載の試験装置。
[付記8]
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームは、互いに対して固定される、付記1に記載の試験装置。
[付記9]
前記移動アセンブリは、エンドレスネジを含む、付記1に記載の試験装置。
[付記10]
前記第2のプラットフォームは、前記エンドレスネジを受けるネジ状留め具を含む、付記9に記載の試験装置。
[付記11]
前記第1のプラットフォームは、前記移動アセンブリの端部を受けるように構成された駆動アセンブリを含み、前記駆動アセンブリは、前記移動アセンブリを前記第1の長手方向軸の周りで回転させるように構成されたサムホイールを含む、付記2に記載の試験装置。
[付記12]
前記駆動アセンブリは、前記サムホイールによって囲まれたカラーを含み、前記移動アセンブリは、前記カラーを貫通して延びる、付記11に記載の試験装置。
[付記13]
前記試験装置は、圧縮試験及び引張試験の少なくとも一方で使用される、付記1に記載の試験装置。
[付記14]
前記第2のプラットフォームは、第1のトラック及び第2のトラックを含み、前記第1のトラック及び前記第2のトラックの各々は、バネ式ホルダを受けるように構成される、付記1に記載の試験装置。
[付記15]
前記第1のトラック及び前記第2のトラックは、同一直線上にある、付記14に記載の試験装置。
[付記16]
前記第1のトラックによって受けられるように構成された第1のバネ式ホルダと、前記第2のトラックによって受けられるように構成された第2のバネ式ホルダと、をさらに含む、付記14に記載の試験装置。
[付記17]
前記第1のバネ式ホルダは第1のフィンガー及び第1のバネを含み、前記第1のフィンガーは前記第1のバネによって前記第3のプラットフォームに向かって付勢され、第2のバネ式ホルダは第2のフィンガー及び第2のバネを含み、前記第2のフィンガーは、前記第2のバネによって前記第3のプラットフォームに向かって付勢される、付記16に記載の試験装置。
[付記18]
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに固定されたスパインをさらに含み、前記第2のプラットフォームは、前記スパインが貫通して延びる第3の開口部を含み、前記スパインは、前記第1の空洞及び前記第2の空洞の閉じた端部に隣接する、付記1に記載の試験装置。
[付記19]
前記スパインは、ポリマーと、前記ポリマー内に配置された1つ以上の金属シートと、を含む、付記18に記載の試験装置。
[付記20]
前記第2の空洞によって取り外し可能に受けられるU字形のブラケットをさらに含む、付記1に記載の試験装置。
[付記21]
前記第2の空洞は、1つ以上のスロットを含み、前記U字形のブラケットは、前記1つ以上のスロットによって受けられるように構成された1つ以上の突起を含む、付記20に記載の試験装置。
[付記22]
前記第2のプラットフォームは、前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面と実質的に平行な第2の側端面を含み、
前記試験装置は、前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームに連結された第1の支持体及び第2の支持体を含み、前記第1の支持体及び前記第2の支持体は、前記第2のプラットフォームの前記第2の側端面よりも前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面の近くに配置される、付記1に記載の試験装置。
[付記23]
前記第1のプラットフォーム及び前記第2のプラットフォームに連結された第3の支持体をさらに含み、前記第3の支持体は、前記第1の支持体及び前記第2の支持体の各々よりも大きい直径を有し、前記第3の支持体は、前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面よりも前記第2のプラットフォームの前記第2の側端面の近くに配置される、付記22に記載の試験装置。
[付記24]
前記移動アセンブリは、前記第2のプラットフォームの前記第1の側端面よりも前記第2のプラットフォームの前記第2の側端面の近くに配置される、付記22に記載の試験装置。
[付記25]
試験装置であって、
第1のプラットフォームと、
第2のプラットフォームであって、第2のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる開口部を有する空洞と、第1のトラック及び第2のトラックと、を含む、第2のプラットフォームと、
第3のプラットフォームと、を備え、
前記第2のプラットフォームは、
前記第1のプラットフォームと前記第3のプラットフォームとの間に配置され、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して移動可能であり、
前記試験装置は、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して前記第2のプラットフォームを移動させるように構成された移動アセンブリと、
前記第1のトラックによって受けられるように構成された第1のバネ式ホルダであって、第1のフィンガー及び第1のバネを含み、前記第1のフィンガーは前記第1のバネによって前記第3のプラットフォームに向かって付勢される、第1のバネ式ホルダと、
前記第2のトラックによって受けられるように構成された第2のバネ式ホルダであって、第2のフィンガー及び第2のバネを含み、前記第2のフィンガーは前記第2のバネによって前記第3のプラットフォームに向かって付勢される、第2のバネ式ホルダと、をさらに含む、試験装置。
[付記26]
試験装置であって、
第1のプラットフォームと、
第2のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる開口部を有する空洞を含む第2のプラットフォームと、
第3のプラットフォームと、を備え、
前記第2のプラットフォームは、
前記第1のプラットフォームと前記第3のプラットフォームとの間に配置され、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して移動可能であり、
前記試験装置は、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して前記第2のプラットフォームを移動させるように構成された移動アセンブリと、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに固定されたスパインであって、前記第2のプラットフォームはスパインが貫通して延びる開口部を含み、スパインは、ポリマー、及びポリマー内に配置された1つ以上の金属シートを含む、スパインと、をさらに含む試験装置。
[付記27]
試験装置であって、
第1のプラットフォームと、
第2のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる第1の開口部を有する第1の空洞を含む第2のプラットフォームであって、前記第1の空洞は前記第1の開口部から第2のプラットフォームの中心に向かって延びる、第2のプラットフォームと、
前記第2のプラットフォームの第1の側端面を貫通して延びる第2の開口部を有する第2の空洞を含む第3のプラットフォームであって、前記第2の空洞は前記第2の開口部から第3のプラットフォームの中心に向かって延びる、第3のプラットフォームと、を備え、
前記第2のプラットフォームは、
前記第1のプラットフォームと前記第3のプラットフォームとの間に配置され、
前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して移動可能であり、
前記試験装置は、前記第1のプラットフォーム及び前記第3のプラットフォームに対して前記第2のプラットフォームを移動させるように構成された移動アセンブリをさらに含み、
約200Nの荷重が前記第3のプラットフォームに加えられたときに、前記第3のプラットフォームは、約0.40mm以下の変位を示す、試験装置。
[付記28]
前記荷重が加えられたときに、前記第3のプラットフォームは、約0.23mm以下の変位を示す、付記27に記載の試験装置。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6