IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アールティー インダストリーズ リミテッドの特許一覧

特許7577743トファシチニブの製造のためのプロセスおよびその中間体
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】トファシチニブの製造のためのプロセスおよびその中間体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20241028BHJP
【FI】
C07D487/04 140
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022525786
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 IN2020050910
(87)【国際公開番号】W WO2021084556
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】201921044239
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】520478460
【氏名又は名称】アールティー ファーマラブズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】デサイ、パリマル ハスムクラル
(72)【発明者】
【氏名】パトラヴァール、バラトゥクマール スレンドラ
(72)【発明者】
【氏名】サルンケ、チェタン リラダール
(72)【発明者】
【氏名】ポルシェッティ、ニティン ジャナルダン
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/102826(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108794491(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108948020(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108997355(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105693728(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107793418(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104530053(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108358929(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109516991(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のトファシチニブおよびその塩の製造のためのプロセスであって、
【化1】

以下の工程:
(a)0.2-1.2モル当量のシアノ酢酸を、式(II-S)の化合物に添加する工程、
【化2】

(b)カップリング剤の存在下、0-40℃で、反応混合物を、式(III)のカルボジイミド、またはそのハロゲン化水素もしくはアルキルハロゲン化物の付加塩と反応させる工程、
【化3】

(式中、Rは、シクロヘキシル、イソプロピル、エチル、3-ジメチルアミノプロピルから選ばれる。)
を含む、プロセス。
【請求項2】
工程(a)が、室温で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
工程(a)が、非プロトン性溶媒、炭化水素、エステル、エーテル、ハロゲン化溶媒およびケトンを含む群から選ばれる溶媒中で行われる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
式(III)のカルボジイミドが、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN,N’-ジイソプロピルカルボジイミドを含む群から選ばれる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
カップリング剤が、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-endo-2,3-ジカルボキシイミド(HONB)、N-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)および2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウム テトラフルオロボレート(TBTU)を含む群から選ばれる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
工程(b)で形成されるトファシチニブを、クエン酸と反応させて、トファシチニブ クエン酸塩を得る、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
式(II-S)の化合物の製造のためのプロセスであって、
【化4】

以下の工程:
(ia)無機塩基の存在下、80-100℃で、式(VI)の化合物を式(VII)の化合物と反応させて、式(V)の化合物を形成する工程;
【化5】

(iia)式(V)の化合物をアルカリ金属水酸化物と反応させ、ここで、当該反応は、溶媒系中、30-65℃で行い、式(IV)の化合物を形成する工程;
【化6】

(iiia)pH3-5の条件下、25-60℃で、金属触媒を用いて、式(IV)の化合物を水素化して、式(II)の化合物を形成する工程;
【化7】

(iva)有機塩基を用いて、反応マスのpHを調整する工程;
(va)反応マスから、溶媒を用いて、式(II)の化合物を抽出する工程;
(via)シアノ酢酸を添加して、式(II-S)の化合物を形成する工程;
を含む、プロセス。
【請求項8】
化合物VIが、塩酸、酒石酸、ジトルオイル酒石酸、酢酸および硫酸を含む群から選ばれる酸との塩である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
有機塩基が、アルカリ金属炭酸塩である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
アルカリ金属水酸化物が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを含む群から選ばれる、請求項7に記載のプロセス。
【請求項11】
溶媒系が、水と、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールを含む群から選ばれるアルコールとの混合物である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項12】
溶媒系が、水とメタノールとの混合物である、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
金属触媒が、パラジウム(0)、Pd炭素、Pd(OH)、酢酸パラジウム、酸化白金、白金ブラックおよびラネーニッケルを含む群から選ばれる、請求項7に記載のプロセス。
【請求項14】
工程(iiia)におけるpHが、塩酸、酢酸および硫酸を含む群から選ばれる酸を用いて調整される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項15】
有機塩基が、アンモニア、モノ-、ジ-およびトリアルキルアミンを含む群から選ばれる、請求項7に記載のプロセス。
【請求項16】
有機塩基が、含水アンモニア、ガス状のアンモニアおよび液体アンモニアを含む群から選ばれるアンモニアである、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
工程(va)における溶媒が、水非混和性溶媒である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項18】
溶媒が、アルコール、炭化水素、エステルおよびエーテルを含む群から選ばれる、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
工程(iiia)が、常圧下で行われる、請求項7に記載のプロセス。
【請求項20】
水素ガスが、反応混合物にパージされる、請求項19に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に、プロセス化学の分野に関し、特に、N-メチル不純物の形成を低減する、トファシチニブの製造のためのプロセスに関する。本発明はまた、トファシチニブを製造するプロセスで使用される新規な中間体に関する。
【0002】
発明の背景
3-[(3R,4R)-4-メチル-3-[メチル(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミノ]ピペリジン-1-イル]-3-オキソプロパンニトリルは、一般的にトファシチニブとして知られ、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤の薬効分類に属し、中等度から重度の関節リウマチ、および中等度から重度の潰瘍性大腸炎の治療用の、ゼルヤンツ(登録商標)の商品名で市販されている。
【0003】
トファシチニブは、式I
【0004】
【化1】
【0005】
として構造的に表され、そのモノクエン酸塩と共に、インド特許No.241773で報告され、開示されているが、トファシチニブの立体化学についての詳細を何も述べていない。インド特許出願No.737/MUMNP/2011は、以下に概略的に示すように、4-クロロ-ピロロピリミジンを、(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチル-ピペリジン-3-アミンの酒石酸塩との反応させることによる、キラルなトファシチニブの製造を開示している。
【0006】
【化2】
【0007】
4-クロロ-ピロロピリミジンと、(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチル-ピペリジン-3-アミンの酒石酸塩とのカップリングで得られた収率は54%で、反応に要した時間は約90hrsであり、工業的スケールアップに適用することは困難である。
【0008】
また、(3R,4R)-(1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-3-イル)-メチル-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-アミンの脱ベンジル化は、20%パラジウム炭素を用いて行われる。報告された反応時間は2日である。さらに、メチル-((3R,4R)-4-メチル-ピペリジン-3-イル)-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-アミンの精製には、フラッシュクロマトグラフィーが必要である。
【0009】
インド特許出願No.270/DELNP/2008は、炭酸カリウムおよび水の存在下、95-105℃で、ビス-(3R,4R)-(1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-3-イル)-メチルアミン ジ-p-トルオイル-L-酒石酸を、4-クロロ-7-(4-メチル-ベンゼンスルホニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンと反応させることによる、トファシチニブを製造するためのプロセスを開示している。カップリングした生成物をアセトニトリル中で単離し、塩基として水酸化ナトリウムを用いて、水中で脱トシル化を行い、[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-3-イル]-メチル-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-アミンが形成された。
【0010】
また、酢酸の存在下、20%水酸化パラジウム-炭素を用いて、水-IPA混合物中で脱ベンジル化を行い、メチル-[(3R,4R)-4-メチル-ピペリジン-3-イル]-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-アミンが単離された。さらに、トファシチニブは、トリエチルアミンの存在下、メチル-[(3R,4R)-4-メチル-ピペリジン-3-イル]-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-アミンを、エチルシアノアセテートと反応させることにより製造される。
【0011】
‘270出願は、(1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-3-イル)-メチル-[7-(トルエン-4-スルホニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-アミンの水系溶媒中での脱トシル化を述べているが、本発明者らは、実質的に水性媒体中では、反応が全く生じないことを確認した。従って、スムーズに生じ、かつ純粋な[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-3-イル]-メチル-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-アミンを生成する反応に適切な溶媒を提供することが必要である。
【0012】
【化3】
【0013】
また、遊離塩基[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-3-イル]-メチル-[7-(4-メチル-ベンゼンスルホニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミンの単離には、多くの理由による収率損失という大きな問題がある。水酸化ナトリウムなどの水酸化物を用いてpH調整を行うので、[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-ピペリジン-3-イル]-メチル-[7-(4-メチル-ベンゼンスルホニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]アミンのナトリウム塩が形成され、これが水層に移行し、よって、遊離塩基の単離での収率に損失がある。また、当該遊離塩基は、本質的に吸湿性が高く、濾過中に水分を吸収し、上層が油状となり、遊離塩基固体の単離が困難になる。
【0014】
従って、アルカリ金属塩形成による収率損失を回避し、かつ定量的収率で高純度のトファシチニブを与える固体塩の単離を提供する、代替の改善されたプロセスが必要である。
【0015】
Org.Process Res.Dev.2014,18(12),1714-1720は、(3R,4R)-(1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル)メチル-(7-トシルピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミンのアルコール溶媒中での脱トシル化を述べている。溶媒としてメタノールを用いる反応では、反応マスを冷却し、留去なしで直接ろ過して、96%純度の(3R,4R)-(1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル)メチル-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミンが得られた。
【0016】
【化4】
【0017】
しかし、メタノール中での実際の粗反応では、上記構造で示されるN-メチル不純物が最大で6%形成され、これは除去が困難で、最終生成物であるクエン酸トファシチニブに持ち越されることが確認されている。
【0018】
従って、N-メチル不純物の形成を低減し、かつ高純度の(3R,4R)-(1-ベンジル-4-メチルピペリジン-3-イル)メチル-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アミンを提供する、代替のプロセスを開発することが必要である。
【発明の概要】
【0019】
上記先行技術の欠点を解消するために、本発明は、低合成コストで高収率の、環境に優しく、工業的スケールアップに適した、高純度トファシチニブの製造のための工業的に実行可能なプロセスを提供する。
【0020】
本発明は、トファシチニブの製造過程でのN-メチル不純物の形成を低減するプロセスを提供する。
【0021】
本発明の一態様では、トファシチニブ(I)の製造のための改善されたプロセスであって、
【0022】
【化5】
【0023】
以下の工程:
0.2-1.2モル当量のシアノ酢酸を、式(II-S)の化合物に添加し、
【0024】
【化6】
【0025】
次いで、式(III)のカルボジイミドカップリング剤を添加する工程、
【0026】
【化7】
【0027】
任意で、トファシチニブ塩基をクエン酸と反応させる工程
を含む、プロセスが提供される。
【0028】
本発明の他の態様では、式(II-S)の化合物を製造するためのプロセスが提供される。
【0029】
本発明のこれらおよび他の態様は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明およびそこに含まれる実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0030】
発明の詳細な説明
本発明は、N-メチル不純物の形成を低減することによる、高純度トファシチニブの製造のためのプロセスを提供する。
【0031】
一実施形態では、本発明は、式(I)のトファシチニブおよびその塩の製造のためのプロセスであって、以下の工程:
(a)0.2-1.2モル当量のシアノ酢酸を、式(II-S)の化合物に添加する工程、
【0032】
【化8】
【0033】
(b)反応混合物を、式(III)のカルボジイミドカップリング剤(またはそのハロゲン化水素もしくはアルキルハロゲン化物の付加塩)と反応させる工程
【0034】
【化9】
【0035】
(c)任意で、形成したトファシチニブ塩基をクエン酸と反応させる工程、
(式中、Rは、シクロヘキシル、イソプロピル、エチル、3-ジメチルアミノプロピルから選ばれる。ここで、式(III)のR置換基は、共に同じであるか、上記の基の組み合わせであり得る。)
を含む、プロセスを提供する。
【0036】
当該プロセスでは、工程(a)は室温で行われ、反応は適切な溶媒中で行われ、当該溶媒は、非プロトン性溶媒類、エステル類、エーテル類、炭化水素類、ハロゲン化溶媒類およびケトン類であり得るが、限定されるものではない。
【0037】
例えば、使用される非プロトン性溶媒は、好ましくは、アセトニトリルである。エステル類は、酢酸エチルおよび酢酸ブチルを含み得るが、これらに限定されない。エーテル類は、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtertブチルエーテル(MTBE)およびジ-イソプロピルエーテル(DIPE)を含み得るが、これらに限定されない。炭化水素溶媒類は、トルエン、キシレンおよびシクロヘキサンを含み得るが、これらに限定されない。ハロゲン化炭化水素類は、メチレンジクロリド(MDC)、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンおよびクロロベンゼンを含み得るが、これらに限定されない。ケトン溶媒類は、アセトンおよびメチルイソブチルケトン(MIBK)を含み得るが、これらに限定されない。
【0038】
プロセスのステージ(ii)で使用されるカルボジイミドカップリング剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドおよびN,N’-ジイソプロピルカルボジイミドを含み得るが、これらに限定されない。
【0039】
当該反応は、カップリング剤の存在下で行ってもよく、カップリング剤は、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-endo-2,3-ジカルボキシイミド(HONB)、N-ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)および2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウム テトラフルオロボレート(TBTU)を含み得るが、これらに限定されない。
【0040】
当該反応は、0-40℃、好ましくは15-20℃で行われる。
【0041】
工程(c)における形成したトファシチニブ塩基は、単離され得るか、またはクエン酸と反応させることにより、その場でトファシチニブ クエン酸塩に変換され得る。
【0042】
他の実施形態では、本発明は、式(II-S)の化合物の製造のためのプロセスであって、以下の工程:
(ia)適切なアルカリの存在下、式(VI)の化合物を式(VII)の化合物と反応させて、式(V)の化合物を形成する工程;
【0043】
【化10】
【0044】
(iia)式(V)の化合物を、適切なアルカリ金属水酸化物と反応させ、ここで、当該反応は、上記で定義した溶媒系中で行い、式(IV)の化合物を形成する工程
【0045】
【化11】
【0046】
(iiia)pH3-5下、適切な金属触媒を用いて、式(IV)の化合物を水素化して、式(II)の化合物を形成する工程、
【0047】
【化12】
【0048】
(iva)式(II)の化合物を単離せずに、反応マスのpHを、アンモニアのような有機塩基を用いて調整する工程。適切な溶媒を用いて、反応マスから、化合物(II)を抽出し、シアノ酢酸を添加して、式(II-S)のシアノ酢酸塩を形成し、単離する工程
を含む、プロセスを提供する。
【0049】
使用される有機塩基は、アンモニア、メチルアミン、エチレンジアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどのモノ、ジまたはトリアルキルアミン類、ピリジンおよびN,N-ジメチルアニリンなどの芳香族のアミン類から選択され得るが、これらに限定されない。好ましい塩基は、アンモニアである。抽出およびシアノ酢酸塩形成のために使用される溶媒は、1-ブタノールなどの高級アルコール類、炭化水素類(トルエン、シクロヘキサン)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル)およびエーテル類(ジイソプロピルエーテル、メチル第三級ブチルエーテル)のような水非混和性溶媒を含み得るが、これらに限定されない。
【0050】
塩は、NMRによりにより特徴付けられる。
【0051】
1H NMR (300 MHz, D2O): 7.747 (1H), 6.871-6.861 (1H), 6.168 (1H), 4.420 (1H), 3.463-3.387 (1H), 3.320-3.182 (3H), 3.092-3.031 (2H), 2.909 (3H), 2.015 (1H), 1.879-1.819 (1H), 1.554-1.505 (1H), 0.784-0.761 (3H).
【0052】
13C APT (300 MHz, D6-DMSO): 166.04 (C), 156.91 (C), 152.13 (C), 150.95 (CH), 121.57 (CH), 118.86 (C), 102.72 (C), 102.01 (CH), 52.67 (CH3), 41.14 (CH2), 38.68 (CH2), 34.23 (CH), 30.18 (CH), 28.89 (CH2), 27.30 (CH2), 12.81 (CH3).
【0053】
プロセスの工程(ia)で使用される化合物VIは、塩酸、酒石酸、ジトルオイル酒石酸、酢酸および硫酸から選ばれる適切な酸との塩である。工程(ia)で使用されるアルカリは、アルカリ金属炭酸塩などの無機塩基であり、好ましくは、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムから選ばれる。
【0054】
当該反応は、80-100℃、好ましくは85-95℃、特に90-95℃で行われる。
【0055】
プロセスの工程(iia)で使用されるアルカリ金属水酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを含み得るが、これらに限定されない。
【0056】
反応が、水中または実質的に水性溶媒中で行われる場合、反応が全く進行しないことが、発明者らにより確認された。
【0057】
従って、メタノール、エタノールまたはイソプロパノールのような様々なアルコール溶媒を用いて、アルコール-水溶媒系を試した。使用する溶媒に依存して、N-アルキル不純物が反応で形成されることが確認されている。メタノール-水溶媒系は、他のアルコール溶媒よりもうまく作用することが分かった。
【0058】
メタノール溶媒を用いた、工程(iia)における反応の一般的な過程では、約6~8%のN-メチル不純物が形成される。このN-メチル不純物は以下の構造で表される。
【0059】
【化13】
【0060】
当該不純物は、LCMSおよびNMRで確認される。
【0061】
LCMSでは、分子イオン[M+H]+が(350m/z)で検出されることが示され、これは分子量(349)に対応する。
【0062】
プロトンNMRでは、δ=3.7でシングレットが示され、これはN-7メチル基に対応する。
【0063】
工程(iia)で使用される溶媒系はメタノールと水である。メタノールと水の比率が、N-メチル不純物の形成に重要な役割を果たすことが確認されている。
【0064】
メタノールと水の様々な比率で反応を検討する。下表は、N-メチル不純物の形成に対するメタノールと水の比率の影響を示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1から、メタノール:水比が4:1のとき、最良の結果が得られることが明らかである。当該反応は、30-65℃、好ましくは35-45℃で行われる。
【0067】
工程(iiia)で使用される金属触媒は、パラジウム(0)、Pd炭素、Pd(OH)、酢酸パラジウム、酸化白金、白金ブラック、ラネーニッケル等を含み得るが、これらに限定されない。金属触媒を添加する前に、適切な酸を用いて、反応混合物のpHを3-5、好ましくは3.5-4.5に調整する。
【0068】
工程(iiia)で使用される適切な酸は、好ましくは塩酸、酢酸および硫酸を含み得るが、これらに限定されない。
【0069】
当該反応は、25-60℃、好ましくは45-55℃で行われる。
【0070】
当該反応は、不活性雰囲気中、水素圧力下で行い得る。当該反応は、常圧条件で十分に進行する。これは、反応マスに水素ガスをパージすることにより実現する。
【0071】
水素をパージすることの追加の利点は、反応におけるジヒドロ不純物を最少化することである。このジヒドロ不純物は、以下の構造で表される。
【0072】
【化14】
【0073】
圧力下の水素化でこのジヒドロ不純物が形成されることが、文献で報告され、また発明者らにより確認されている。少なくとも1%の当該不純物が反応で形成され、次工程に持ち越される。当該不純物は、次工程でも除くことが困難である。除去のために、余分な精製が必要となり、結果的に最終生成物の収率に影響を与える。
【0074】
水素パージが行われ、かつ反応が常圧条件下で行われる場合、ジヒドロ不純物の形成は、0.5%未満に最少化される。次工程で、1回の精製で容易に制御できる。
【0075】
プロセスの工程(iva)で使用されるアンモニアは、含水アンモニア、ガス状アンモニアまたは液体アンモニアである。アルカリ金属水酸化物の代わりにアンモニアを使用することにより、アルカリ金属塩の形成による収率損失が回避される。
【0076】
工程(iva)は、1-ブタノールなどの高級アルコール類、トルエンおよびシクロヘキサンなどの炭化水素類、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどのエステル類、およびジイソプロピルエーテルおよびメチル第三級ブチルエーテルなどのエーテル類のような、適切な水非混和性溶媒中で行われる。
【実施例
【0077】
次に、本発明の具体的な実施形態を、以下の実施例を参照することにより実証する。これらの実施例は、単に本発明を説明するために開示されたものであり、いかなる形でも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0078】
実施例1
N-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7-(p-トリルスルホニル)ピロール[2,3-d]ピリミジン-4-アミンの製造
(3R,4R)-1-ベンジル-N,4-ジメチルピペリジン-3-アミン 二塩酸塩(100g)を水(100ml)に入れ、反応混合物を攪拌した。炭酸カリウム(376gm)をロットで混合物に入れた。混合物を15-20分間攪拌した。4-クロロ-7-[(4-メチルフェニル)スルホニル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(132gm)を反応マスに入れ、温度を90-95℃まで上昇させた。マスを90-95℃で18-19時間攪拌した。マスを30-35℃まで冷却し、マスを1-1.5時間さらに攪拌した。マスをろ過し、吸引乾燥した。
MDC(1000ml)を化合物に入れ、攪拌して、透明溶液を得た。層を水(500mlx2)で抽出した。層を分離し、MDCを大気中で留去した。アセトニトリル(50 ml)を入れ、温度を60-65℃まで上昇させて、1-1.5時間攪拌した。スラリーを30-35℃まで冷却し、1時間攪拌し、次いで、ろ過し、6-7時間真空下で乾燥して、N-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7-(p-トリルスルホニル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(155gm)を単離した。
純度:99.28%
【0079】
実施例2
N-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンの製造
実施例1で得られたN-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7-(p-トリルスルホニル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100g)をメタノール(400ml)に入れ、混合物を15-20分間攪拌した。水酸化カリウム(100ml)の6M溶液を別途調製し、温度を維持しながら反応混合物にゆっくりと入れた。マスを1-1.5時間攪拌し、温度を40℃まで上昇させた。マスを40-45℃で19-20時間さらに攪拌した。30-35℃まで冷却後、水(500ml)を反応マスに入れ、1-1.5時間攪拌した。マスをろ過し、生成物を水(100ml)で洗浄した。
5%炭酸水素ナトリウム水溶液(500ml)を湿固体に入れ、マスを1-1.5時間攪拌し、ろ過した。湿固体を60-65℃で水(500ml)に懸濁し、熱時ろ過した。湿固体をアセトニトリル(300ml)に入れ、1-1.5時間攪拌した。マスをろ過し、50-55℃で6-7時間真空下で乾燥した。N-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(65gm)を単離した。
純度:97.13%
【0080】
実施例3
N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン シアノ酢酸塩
実施例2で得られたN-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100g)を、水(450ml)および酢酸(89.45gm)の混合物に入れた。混合物を50-60分間攪拌し、ろ過し、水(50ml)で洗浄した。不活性雰囲気中、5%pd/C(20gm)をろ液に入れ、混合物を水素下、40-50℃で18-24時間攪拌した。マスを20-25℃まで冷却し、ろ過し、pHをアンモニアで9に調整した。温度を30-35℃まで上昇させて、n-ブタノール(500ml)を入れた。層を分離し、シアノ酢酸(25.36gm)を有機層に入れた。マスを攪拌し、溶媒を真空下で留去した。マスを30-35℃まで冷却し、アセトニトリル(300ml)を入れた。温度を55-60℃まで上昇させ、マスを30-35℃まで冷却し、1時間攪拌し、次いで1-1.5時間攪拌し、ろ過し、50-55℃で7-8時間真空下で乾燥した。N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン シアノ酢酸塩(86.5gm)を単離した。
純度:99.50%
【0081】
実施例4
N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン シアノ酢酸塩
実施例2で得られたN-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(500g)を、水(450ml)の混合物に入れ、反応混合物のpHを、塩酸を用いて室温で3.5-4.5に調整した。反応混合物を30-60分間攪拌した。マスをろ過し、水で洗浄した。5%pd/C(10gm)をろ液に入れた。水素ガスをマスにパージし、温度を40-45℃まで上昇させた。マスを40-45℃で12-18時間攪拌した。マスを20-25℃まで冷却し、ろ過し、pHをアンモニアで9に調整した。温度を30-35℃まで上昇させ、n-ブタノール(500ml)を入れた。層を分離し、有機層にシアノ酢酸(25.36gm)を入れた。マスを攪拌し、溶媒を真空下留去した。マスを30-35℃まで冷却し、アセトニトリル(300ml)を入れた。温度を55-60℃まで上昇させ、マスを1-1.5時間攪拌した。マスを30-35℃まで冷却し、1時間攪拌し、次いで、ろ過し、50-55℃で7-8時間真空下で乾燥した。N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン シアノ酢酸塩(43.3gm)を単離した。
純度:99.50%
N-メチル不純物-0.5%
【0082】
実施例5
N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
実施例2で得られたN-[(3R,4R)-1-ベンジル-4-メチル-3-ピペリジル]-N-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(100g)を水(450ml)に入れ、反応混合物のpHを、塩酸を用いて室温で3.5-4.5に調整した。反応混合物を30-60分間攪拌した。マスをろ過し、水で洗浄した。5%pd/C(10gm)をろ液に入れた。水素ガスをマスにパージし、温度を45-50℃まで上昇させた。マスを45-50℃で10-12時間攪拌した。マスを30-35℃まで冷却し、ろ過し、15ないし20℃まで冷却した。反応マスのpH、アンモニアで9に調整した。温度を30-35℃まで上昇させ、n-ブタノール(500ml)を入れた。マスを攪拌し、層を分離した。有機層を真空下で留去し、マスを冷却した。
アセトニトリル(300ml)を反応マスに入れ、温度を60-65℃まで上昇させた。マスを1-1.5時間攪拌した。マスを25-30℃まで冷却し、2-3時間攪拌した。マスをろ過し、アセトニトリル(100ml)で洗浄した。生成物を吸引乾燥し、N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンを湿固体として単離した。
N-メチル不純物:1%
ジヒドロ不純物-検出されず
【0083】
実施例6
N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンの精製
アセトニトリル(100ml)を、30-35℃で、実施例5で得られたN-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンに入れた。反応混合物の温度60-65℃まで上昇させ、混合物を1-1.5時間攪拌した。マスを25-30℃まで冷却し、2-3時間攪拌した。マスをろ過し、アセトニトリル(100ml)で洗浄した。N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンを湿固体として単離した。
N-メチル不純物:0.5%
ジヒドロ不純物-検出されず
【0084】
実施例7
N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d] ピリミジン-4-アミン シアノ酢酸塩
アセトニトリル(200ml)を、30-35℃で、実施例6で得られたN-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミンに入れた。反応混合物を1-1.5時間攪拌した。シアノ酢酸溶液(25.36gmのシアノ酢酸を100mlのアセトニトリルに溶解させることにより調製された)を上記反応混合物に入れた。温度を60-65℃まで上昇させ、マスを1.5-2時間攪拌した。混合物を25-30℃まで冷却し、2-3時間攪拌した。マスをろ過し、アセトニトリル(100ml)で洗浄し、吸引乾燥した。生成物を真空下で5-6時間乾燥した。
N-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン シアノ酢酸塩(79gm)を単離した。(収率80%)
N-メチル不純物-検出されず
ジヒドロ不純物-検出されず
【0085】
実施例8
トファシチニブ クエン酸塩
実施例4から得られたN-メチル-N-[(3R,4R)-4-メチル-3-ピペリジル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン シアノ酢酸塩(100gm)をアセトニトリル(400ml)に入れた。シアノ酢酸(12.87g)を反応混合物に入れ、反応マスを15-20℃まで冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC(93.66gm)のアセトニトリル(300ml)溶液を15-20℃で入れ、反応マスを同温度で1-1.5時間攪拌した。
反応終了後、含水アンモニア(30ml)を反応マスに加え、1-1.5hr攪拌した。次いで、反応マスをろ過し、アセトニトリル(200ml)で洗浄した。ろ液を、炭素処理を用いて脱色し、きれいな丸底フラスコ(RBFに入れた。温度を70-75℃まで上昇させ、クエン酸(140gm)の水(150ml)溶液を反応マスに加えた。マスを1-1.5時間攪拌した。マスを25-30℃まで冷却し、マスを2-2.5時間さらに攪拌した。マスをろ過し、析出物をアセトニトリル(1470ml)に入れ、溶液に水(630ml)を加えた。温度を70-75℃まで上昇させ、2-2.5時間攪拌した。反応マスを20-30℃まで冷却し、この温度で1-1.5時間攪拌した。マスをろ過し、生成物をアセトニトリル(150ml)で洗浄し、真空下65-70℃で7-8時間乾燥した。
トファシチニブ クエン酸塩(125g)を、白色からオフの白色粉末として単離した。
純度:99.90%
N-メチル不純物-検出されず
ジヒドロ不純物-検出されず