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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】エアロゾル生成
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20241028BHJP
   A24D 1/20 20200101ALI20241028BHJP
【FI】
A24B15/16
A24D1/20
【請求項の数】 43
(21)【出願番号】P 2022544306
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 EP2021052103
(87)【国際公開番号】W WO2021152087
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】2001310.8
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アビ アウン, ワリド
(72)【発明者】
【氏名】ディミック, バリー
(72)【発明者】
【氏名】シーボルド, ヴァレリオ
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5101839(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第419974(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 15/16
A24D 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非晶質固体の約40~80重量%の量のエアロゾル形成材料、
ゲル化剤、
任意で、充填剤(ここで、ゲル化剤及び充填剤の量は合わせて、前記非晶質固体の約10~60重量%である)、及び
任意で、前記非晶質固体の最大約20重量%の量の活性物質
を備える非晶質固体と、
タバコ材料と、
を備えるエアロゾル生成組成物であって、
ここで、前記エアロゾル生成組成物が、前記エアロゾル生成組成物の約5~30重量%のエアロゾル形成材料含有量を有し、これらの重量は乾重量基準で計算される、エアロゾル生成組成物。
【請求項2】
前記エアロゾル形成材料含有量が、前記エアロゾル生成組成物の約10~20重量%である、請求項1に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項3】
前記非晶質固体が、エアロゾル生成組成物の約5~40重量%の量でエアロゾル生成組成物に含まれる、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項4】
前記充填剤が、前記非晶質固体の約1~15重量%の量で前記非晶質固体に含まれる、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項5】
前記非晶質固体が充填剤を備えない、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項6】
前記エアロゾル形成材料が、前記非晶質固体の50~70重量%の量で前記非晶質固体に含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項7】
前記ゲル化剤が、前記非晶質固体の約5~50重量%の量で前記非晶質固体に含まれる、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項8】
前記活性物質が香味料を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項9】
前記非晶質固体が活性物質を備えない、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項10】
前記エアロゾル形成材料がグリセロールを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項11】
前記ゲル化剤が、アルギン酸塩及び/又はペクチン及び/又はグアーガムを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項12】
前記アルギン酸塩が、前記ゲル化剤の少なくとも50重量%の量で存在する、請求項11に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項13】
前記タバコ材料がファインカットである、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項14】
前記タバコ材料がラミナタバコを備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項15】
前記タバコ材料が、前記タバコ材料の少なくとも約60重量%の量のラミナタバコを備える、請求項14に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項16】
前記タバコ材料が、前記タバコ材料の少なくとも約95重量%の量のラミナタバコを備える、請求項15に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項17】
前記タバコ材料がラミナタバコからなる、請求項16に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項18】
前記タバコ材料が、1重量%未満の再構成タバコを備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項19】
前記タバコ材料が、再構成タバコを実質的に備えない、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項20】
前記タバコ材料が刻みラグタバコを備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項21】
前記刻みラグタバコが、前記タバコ材料の少なくとも90重量%の量で存在する、請求項20に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項22】
前記タバコ材料が、前記タバコ材料の1~10重量%の量のエアロゾル形成材料を備える、請求項1~21のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項23】
前記非晶質固体が細断シートである、請求項1~22のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項24】
非晶質固体の前記細断シートが、前記タバコ材料とブレンドされる、請求項23に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項25】
前記タバコ材料が、カット幅を有する刻みラグタバコを備え、前記非晶質固体細断シートがカット幅を有し、前記非晶質固体の前記カット幅が、前記刻みラグタバコの前記カット幅の約90~110%である、請求項23又は24に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項26】
前記タバコ材料が面密度を有し、前記非晶質固体が面密度を有し、前記非晶質固体の前記面密度が、前記タバコ材料の前記面密度の約90~110%である、請求項1~25のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物。
【請求項27】
非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用される物品であって、請求項1~26のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物を備える、物品。
【請求項28】
非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用される物品であって、請求項1~22及び26のいずれか一項に記載のエアロゾル生成組成物を備え、前記非晶質固体が、シート形態で物品中に設置される、物品。
【請求項29】
前記タバコ材料が実質的に円柱形ロッドの形態であり、非晶質固体の前記シートが、タバコ材料の前記ロッドを取り囲む、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
実質的に円柱形ロッドの形態である、請求項27~29のいずれか一項に記載の物品。
【請求項31】
請求項27~30のいずれか一項に記載の物品と、非燃焼型エアロゾル供給デバイスとを備える非燃焼型エアロゾル供給システムであって、前記非燃焼型エアロゾル供給デバイスが、前記物品が前記非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用されるときに、前記物品からエアロゾルを生成するように構成されている、非燃焼型エアロゾル供給システム。
【請求項32】
前記非燃焼型エアロゾル供給デバイスが、前記物品を加熱するが燃焼させないように構成された加熱器を備える、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
エアロゾル生成組成物を作製する方法であって、
非晶質固体の約40~80重量%の量のエアロゾル形成材料、
ゲル化剤、
任意で、充填剤(ここで、ゲル化剤及び充填剤の量は合わせて、前記非晶質固体の約10~60重量%である)、及び
任意で、前記非晶質固体の最大約20重量%の量の活性物質
を備える非晶質固体を用意するステップと、
タバコ材料を用意するステップと、
前記非晶質固体及びタバコ材料を合わせて、エアロゾル生成組成物を得るステップであり、前記エアロゾル生成組成物が、前記エアロゾル生成組成物の約5~30重量%のエアロゾル形成材料含有量を有する、ステップと、
を備え、重量は乾重量基準で計算される、方法。
【請求項34】
前記非晶質固体を用意する前記ステップが、
ゲル化剤、エアロゾル形成材料、任意で充填剤、及び任意で活性物質を備えるスラリーを用意すること、
前記スラリーの層を形成すること、
前記スラリーを硬化させてゲルを形成すること、並びに
前記ゲルを乾燥させて前記非晶質固体を形成すること、
を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記硬化させることが、前記スラリーへ硬化剤を供給することを備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記硬化剤を供給することが、前記硬化剤を前記スラリーの表面上に噴霧することを備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記硬化剤がギ酸カルシウムを備える、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
前記非晶質固体を用意する前記ステップが、非晶質固体のシートを細断して、細断シートとして前記非晶質固体を用意することを備える、請求項33~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記非晶質固体が細断シートである、請求項33~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記タバコ材料がファインカットである、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記非晶質固体及びタバコ材料を合わせる前記ステップが、前記非晶質固体細断シート及び前記ファインカットタバコ材料をブレンドすることを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
請求項31又は32に記載の非燃焼型エアロゾル供給システムを使用してエアロゾルを生成する方法であって、前記エアロゾル生成組成物を350℃未満の温度に加熱するステップを備える、方法。
【請求項43】
請求項31又は32に記載の非燃焼型エアロゾル供給システムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルの生成に関する。
【背景】
【0002】
紙巻きタバコ、葉巻などの喫煙物品は、使用中にタバコを燃やしてタバコの煙を生成する。このような種類の物品に対する代替物は、燃焼させることなく加熱することによって基体材料から化合物を放出することにより、吸入可能なエアロゾル又は蒸気を放出する。これらは、非燃焼型の喫煙物品又はエアロゾル生成アセンブリと称されることがある。
【0003】
このような製品の一例は、固体のエアロゾル生成組成物を加熱するが燃焼させないことによって化合物を放出する加熱デバイスである。この固体のエアロゾル生成組成物は、幾つかの例では、タバコ材料を含んでもよい。加熱は、材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には吸入可能なエアロゾルを形成する。これらの製品は、非燃焼加熱式(heat not burn)デバイス、タバコ加熱デバイス、又はタバコ加熱製品と呼ばれることがある。固体のエアロゾル生成組成物の少なくとも1つの成分を揮発させるための様々な異なる構成が知られている。
【0004】
別の例として、電子タバコハイブリッドデバイスとしても知られる、電子タバコ/タバコ加熱製品ハイブリッドデバイスがある。これらのハイブリッドデバイスは、加熱によって気化して吸入可能な蒸気又はエアロゾルを生成する液体源(ニコチンを含んでいても含んでいなくてもよい)を含む。このデバイスは、固体のエアロゾル生成組成物(タバコ材料を含んでいても含んでいなくてもよい)を更に含み、この材料の成分は、吸入可能な蒸気又はエアロゾルに同伴されて吸入媒体を生成する。
【概要】
【0005】
本発明の第1の態様によると、エアロゾル生成組成物が提供される。このエアロゾル生成組成物は、
非晶質固体の約40~80重量%の量のエアロゾル形成材料、
ゲル化剤、
任意で、充填剤(ここで、ゲル化剤及び充填剤の量は合わせて、非晶質固体の約10~60重量%である)、及び
任意で、非晶質固体の最大約20重量%の量の活性物質
を備える非晶質固体と、
タバコ材料と、
を備え、
ここで、エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成組成物の約5~30重量%のエアロゾル形成材料含有量を有し、これらの重量は乾重量基準で計算される。
【0006】
本発明の第2の態様によると、非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用される物品が提供される。この物品は、本明細書に記載されるエアロゾル生成組成物を備える。
【0007】
本発明の第3の態様によると、本明細書に記載される物品と、非燃焼型エアロゾル供給デバイスとを備える非燃焼型エアロゾル供給システムが提供される。この非燃焼型エアロゾル供給デバイスは、物品が非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用されるときに、物品からエアロゾルを生成するように構成される。
【0008】
本発明の更なる態様によると、エアロゾル生成組成物を作製する方法が提供される。この方法は、
非晶質固体の約40~80重量%の量のエアロゾル形成材料、
ゲル化剤、
任意で、充填剤(ここで、ゲル化剤及び充填剤の量は合わせて、非晶質固体の約10~60重量%である)、及び
任意で、非晶質固体の最大約20重量%の量の活性物質
を備える非晶質固体を用意するステップと、
タバコ材料を用意するステップと、
非晶質固体及びタバコ材料を合わせて、エアロゾル生成組成物を得るステップであって、エアロゾル生成組成物が、エアロゾル生成組成物の約5~30重量%のエアロゾル形成材料含有量を有する、ステップと、
を備え、重量は乾重量基準で計算される。
【0009】
本発明のまた更なる態様によると、本明細書に記載される非燃焼型エアロゾル供給システムの使用が提供される。
【0010】
本発明の一態様に関連して本明細書に記載される特徴は、それらが組み合わせ可能である限り、他の各態様の各々と組み合わせて明示的に開示されている。
【0011】
本発明の更なる特徴及び利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。ここで、これらの説明は、添付の図面を参照した例示のためにのみ提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】エアロゾル生成物品の一例の断面図である。
図2図1の物品の斜視図である。
図3】エアロゾル生成物品の一例の断面立面図である。
図4図3の物品の斜視図である。
図5】エアロゾル生成アセンブリの一例の斜視図である。
図6】エアロゾル生成アセンブリの一例の断面図である。
図7】エアロゾル生成アセンブリの一例の斜視図である。
【詳細な説明】
【0013】
本明細書に記載されるエアロゾル生成組成物は、例えば、加熱、放射線照射又は任意の他の方法でエネルギー供給されたときにエアロゾルを生成することが可能な組成物である。エアロゾル生成組成物は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態の特徴を含んでいてもよく、ニコチン及び/又は香味料を含んでいても含んでいなくてもよい。エアロゾル生成組成物は「非晶質固体」を備える。非晶質固体は、「モノリシック固体」(すなわち、非繊維質)と称されることもある。幾つかの実施形態において、非晶質固体は、乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、その中に幾らかの流体、例えば液体、を保持しうる固体材料である。
【0014】
例において、エアロゾル生成組成物が提供される。このエアロゾル生成組成物は、非燃焼型エアロゾル供給デバイスと共に使用される物品に含まれるのに好適である。エアロゾル生成組成物は、非晶質固体及びタバコ材料を備える。エアロゾル生成組成物は、5~30重量%のエアロゾル形成材料含有量を有し、重量は乾重量基準で計算される。例において、エアロゾル生成組成物は、約10~20重量%、又は約13~17重量%の量のエアロゾル形成材料を備える。例において、エアロゾル生成組成物は、約15重量%の量のエアロゾル形成材料を備える。
【0015】
典型的には、紙巻きタバコなどの従来の燃焼型喫煙物品において単独で使用されうる刻みラグタバコブレンドは、非燃焼型エアロゾル供給デバイスにおける使用には適さないことが見出されている。理論に束縛されることを望むものではないが、紙巻きタバコにおいて使用される刻みラグタバコブレンドは、典型的には、非燃焼型エアロゾル供給デバイスによって加熱されたときに所望の吸入可能なエアロゾルを供給するのに十分なエアロゾル形成材料をローディングすることができないと考えられる。
【0016】
この問題に対処するこれまでの試みには、典型的な燃焼型タバコブレンドの刻みラグタバコの一部又は全てを紙再構成タバコなどの再構成タバコと置き換えることが含まれた。紙再構成タバコは、典型的には、より高い割合のエアロゾル形成材料を含有しうる。しかしながら、本発明者らは、高い割合の紙再構成タバコを備えるタバコブレンドは、非燃焼型エアロゾル供給デバイスによって加熱されたときに望ましくない知覚特徴を有しうることを特定した。
【0017】
本発明者らは、タバコ材料と組み合わせて高いエアロゾル形成材料含有量を有する非晶質固体を提供することによって、大量の再構成タバコの存在を必要としない(それによって、再構成タバコと関連する望ましくない知覚特徴を低減する)、許容可能なエアロゾルを生成することが可能であることを特定した。例において、タバコ材料は、ラミナタバコ(例えば、刻みラグタバコ)を備えるか、又はラミナタバコからなり、これは、所望の知覚特徴をもたらす。例において、タバコ材料は、タバコ材料の乾重量で約50重量%、30重量%、10重量%、5重量%、又は1重量%未満の量の再構成タバコを備える。例において、タバコ材料は、再構成タバコを実質的に備えない。
【0018】
タバコ材料は、典型的には、約50~95重量%、又は約60~90重量%、又は約70~90重量%、又は約75~85重量%の量でエアロゾル生成組成物中に存在する。
【0019】
タバコ材料は、任意の形態で存在してもよいが、典型的には、ファインカット(例えば、細かい破片に刻まれた)である。ファインカットタバコ材料は、有利には、非晶質固体とブレンドされて、エアロゾル生成組成物全体にタバコ材料及び非晶質固体が均一に分散したエアロゾル生成組成物が得られうる。
【0020】
例において、タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、再構成タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ以上を備える。驚くべきことに、本発明者らは、エアロゾル生成組成物において比較的大量のラミナタバコを使用し、非燃焼型エアロゾル供給システムによって加熱されたときに許容されるエアロゾルを更にもたらすことが可能であることを特定した。ラミナタバコは、典型的には、優れた知覚特徴を提供する。例において、タバコ材料は、タバコ材料の少なくとも約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、85重量%、90重量%、又は95重量%の量のラミナタバコを備える。特定の例において、タバコ材料は、タバコ材料の少なくとも約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、85重量%、90重量%、又は95重量%の量の刻みタバコを備える。
【0021】
タバコ材料を生成するために使用されるタバコは、バージニア及び/又はバーレイ及び/又はオリエンタルを含む、単一グレード又はブレンド、刻みラグ又は全葉などの任意の適切なタバコであってもよい。
【0022】
非晶質固体は、エアロゾル生成組成物の全エアロゾル形成材料含有量がエアロゾル生成組成物の約5~30重量%になるように、任意の量でエアロゾル生成組成物中に存在する。例において、非晶質固体は、約5~40重量%、10~30重量%、15~25重量%、又は17~23重量%の量でエアロゾル生成組成物に含まれる。例において、エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成組成物の約20重量%の量の非晶質固体を備える。驚くべきことに、非晶質固体を比較的高いエアロゾル形成材料含有量を有するように構成することによって、比較的少量の非晶質固体(例えば、約20重量%)をエアロゾル生成組成物において用い、非燃焼型エアロゾル供給システムと共に使用される所望のエアロゾルを更に実現することができる。
【0023】
非晶質固体は、ゲル化剤、エアロゾル形成材料、任意の充填剤、及び任意の活性物質を備える。例において、非晶質固体は、
非晶質固体の約40~80重量%の量のエアロゾル形成材料、
ゲル化剤、及び任意の充填剤(すなわち、幾つかの例では、充填剤が非晶質固体中に存在し、他の例では、充填剤は非晶質固体中に存在しない)(ここで、ゲル化剤及び充填剤の量は、合わせて、非晶質固体の約10~60重量%である(すなわち、ゲル化剤及び充填剤は、合わせて、非晶質固体の10~60重量%を占める))、並びに
任意で、非晶質固体の最大約20重量の量の活性物質(すなわち、非晶質固体は、≦20重量%の活性物質を備える)、
を備える。
【0024】
例において、非晶質固体は、合わせて、非晶質固体の約10重量%、20重量%、25重量%、30重量%、又は35重量%~約60重量%、55重量%、50重量%、又は45重量%の量のゲル化剤及び充填剤を備える。例において、非晶質固体は、合わせて、非晶質固体の約20~60重量%、25~55重量%、30~50重量%、又は35~45重量%の量のゲル化剤及び充填剤を備える。
【0025】
例において、非晶質固体は、非晶質固体の約5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、又は35重量%~約60重量%、55重量%、50重量%、又は45重量%の量のゲル化剤(すなわち、充填剤の量を考慮しない)を備える。例において、非晶質固体は、非晶質固体の約5~60重量%、20~60重量%、25~55重量%、30~50重量%、又は35~45重量%の量のゲル化剤(すなわち、充填剤の量を考慮しない)を備える。
【0026】
例において、ゲル化剤は親水コロイドを備える。幾つかの例において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、デンプン(及び誘導体)、セルロース(及び誘導体)、ガム、シリカ又はシリコーン化合物、クレイ、ポリビニルアルコール、及びこれらの組み合わせを含む群から選択される1つ以上の化合物を備える。例えば、幾つかの例において、ゲル化剤は、アルギン酸塩、ペクチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、アガロース、アカシアガム、フュームドシリカ、PDMS、ケイ酸ナトリウム、カオリン、及びポリビニルアルコールのうちの1つ以上を備える。幾つかの例において、ゲル化剤は、アルギン酸塩及び/又はペクチンを備え、非晶質固体の形成中に硬化剤(カルシウム源など)と結合させてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、カルシウム架橋アルギン酸塩及び/又はカルシウム架橋ペクチンを備えてもよい。
【0027】
ゲル化剤は、セルロース系ゲル化剤、非セルロース系ゲル化剤、グアーガム、アカシアガム、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の化合物を備えてもよい。
【0028】
幾つかの実施形態において、セルロース系ゲル化剤は、ヒドロキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0029】
幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、又はアカシアガムのうちの1つ以上を備える(又は、それらである)。
【0030】
幾つかの実施形態において、ゲル化剤は、これに限定されるものではないが、寒天、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ペクチン、カラギーナン、デンプン、アルギン酸塩、及びこれらの組み合わせを含む1種以上の非セルロース系ゲル化剤を備える(又は、それらである)。好ましい実施形態において、非セルロース系ゲル化剤は、アルギン酸塩又は寒天である。
【0031】
幾つかの例において、非晶質固体は、アルギン酸塩及び/又はペクチン及び/又はグアーガムを備える。
【0032】
幾つかの例において、アルギン酸塩は、非晶質固体の約5~40重量%、又は15~40重量%の量でゲル化剤に含まれる。つまり、非晶質固体は、非晶質固体の乾重量で約5~40重量%、又は15~40重量%の量でアルギン酸塩を備える。幾つかの例において、非晶質固体は、非晶質固体の約20~40重量%、又は約15重量%~35重量%の量のアルギン酸塩を備える。
【0033】
幾つかの例において、ペクチンは、非晶質固体の約3~15重量%の量でゲル化剤に含まれる。つまり、非晶質固体は、非晶質固体の乾重量で約3~15重量%の量のペクチンを備える。幾つかの例において、非晶質固体は、非晶質固体の約5~10重量%の量のペクチンを備える。
【0034】
幾つかの例において、グアーガムは、非晶質固体の約3~40重量%の量でゲル化剤に含まれる。つまり、非晶質固体は、非晶質固体の乾重量で約3~40重量%の量のグアーガムを備える。幾つかの例において、非晶質固体は、非晶質固体の約5~10重量%の量のグアーガムを備える。幾つかの例において、非晶質固体は、非晶質固体の約15~40重量%、又は約20~40重量%、又は約15~35重量%の量のグアーガムを備える。
【0035】
例において、アルギン酸塩は、ゲル化剤の少なくとも約50重量%の量で存在する。例において、非晶質固体は、アルギン酸塩及びペクチンを備え、アルギン酸塩対ペクチンの比は、1:1~10:1である。アルギン酸塩対ペクチンの比は、典型的には、>1:1であり、すなわち、アルギン酸塩は、ペクチンの量よりも多い量で存在する。例において、アルギン酸塩対ペクチンの比は、2:1~8:1、又は3:1~8:1、又は3:1~6:1、又はおよそ4:1である。
【0036】
非晶質固体は、充填剤を備えてもよい。まとめると、非晶質固体は、典型的には、非晶質固体の約10~60重量%の量のゲル化剤及び充填剤(存在する場合)を備える。例において、非晶質固体は、非晶質固体の1~15重量%、例えば、5重量%~15重量%、又は8~12重量%の量の充填剤を備える。例において、非晶質固体は、非晶質固体の1重量%、5重量%、又は8重量%超の量の充填剤を備える。例において、非晶質固体は、非晶質固体の40重量%、30重量%、20重量%、15重量%、12重量%、10重量%、5重量%、又は1重量%未満の量の充填剤を備える。他の例において、非晶質固体は充填剤を備えない。
【0037】
充填剤が存在する場合、充填剤は、1つ以上の無機充填材料、例えば炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、及び適切な無機吸着剤(モレキュラーシーブなど)を備えてもよい。充填剤は、1つ以上の有機充填材料、例えば木材パルプ、セルロース及びセルロース誘導体を備えてもよい。幾つかの例において、非晶質固体は、無機充填材料を備えない。特定の例において、非晶質固体は、チョークなどの炭酸カルシウムを備えない。
【0038】
充填剤を含む幾つかの例では、充填剤は繊維質である。例えば、充填剤は、繊維質有機充填剤材料、例えば木材パルプ、麻繊維、セルロース又はセルロース誘導体である。理論に束縛されることを望むものではないが、非晶質固体中に繊維質充填剤を含むことで、材料の引張強度を増加させうると考えられる。これは、非晶質固体がシートとして提供される例、例えば、非晶質固体シートがタバコ材料のロッドを取り囲むとき、において特に有利となりうる。
【0039】
例において、非晶質固体は、タバコ繊維を備えない。特定の例において、非晶質固体は、繊維質材料を備えない。
【0040】
非晶質固体は、典型的には、非晶質固体の最大約80重量%、例えば、約40~80重量%、40~75重量%、50~70重量%、又は55~65重量%の量のエアロゾル形成材料を備える。
【0041】
例において、タバコ材料は、エアロゾル形成材料を備える。典型的には、タバコ材料は、ファインカットであるタバコを備え、エアロゾル形成材料は、タバコの破片上にローディングされる。例において、タバコ材料は、タバコ材料の約1~10重量%、例えば、3~6重量%の量のエアロゾル形成材料を備える。
【0042】
例において、エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成組成物の約5~30重量%、例えば、10~20重量%、又は13~17重量%の量のエアロゾル形成材料を備える。例において、エアロゾル生成組成物は、エアロゾル生成組成物の約15重量%の量のエアロゾル形成材料を備える。この量は、エアロゾル生成組成物中に存在する任意のエアロゾル形成材料、例えば、非晶質固体中に供給されるエアロゾル形成材料及びファインカットタバコにローディングされたエアロゾル形成材料を含む。
【0043】
エアロゾル形成材料は、典型的には、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ以上を備える。特定の例において、エアロゾル形成材料は、グリセロールを備える。例えば、非晶質固体及び/又はタバコ材料は、グリセロールを備える。
【0044】
幾つかの実施形態において、エアロゾル形成材料は、1種以上の多価アルコール、例えば、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、及びグリセリン、多価アルコールのエステル、例えば、グリセロールモノ-、ジ-若しくはトリアセテート、並びに/又はモノ、ジ-、若しくはポリカルボン酸の脂肪族エステル、例えば、ドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチルを備える。
【0045】
例において、非晶質固体は、ゲル化剤、エアロゾル形成材料、活性物質及び水から本質的になるか、又はそれらからなる。例において、非晶質固体は、ゲル化剤、エアロゾル形成材料及び水から本質的になるか、又はそれらからなる。
【0046】
エアロゾル生成組成物は、1つ以上の活性物質を含むことができる。例において、非晶質固体は、例えば、非晶質固体の最大約20重量%の1種以上の活性物質を備える。例において、非晶質固体は、非晶質固体の約1重量%、5重量%、10重量%、又は15重量%~約20重量%、15重量%、15重量%、又は5重量%の量の活性物質を備える。
【0047】
例において、非晶質固体は、香味料を備えず、特定の例において、非晶質固体は、活性物質を備えない。
【0048】
活性物質は、エアロゾル生成組成物に含まれて生理学的及び/又は嗅覚応答を実現する生理学的及び/又は嗅覚活性物質を備えてもよい。活性物質は、例えば、機能性食品、向知性物質、及び精神作用物質から選択してもよい。活性物質は、天然に存在するものでもよいし、合成により得られるものでもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、又はそれらの成分、誘導体、若しくは組み合わせを備えてもよい。幾つかの実施形態において、活性物質はニコチンを備える。幾つかの実施形態において、活性物質はカフェイン、メラトニン又はビタミンB12を備える。活性物質は、タバコ又は大麻などの別の植物性物質の成分、誘導体又は抽出物、例えばカンナビノイド又はテルペン、を備えてもよい。幾つかの実施形態において、活性物質は生理学的に活性な物質であり、ニコチン、ニコチン塩(例えば、ニコチンジタートレート/ニコチンビタートレート)、ニコチン不含タバコ代替物、他のアルカロイド、例えば、カフェイン、カンナビノイド、又はそれらの混合物から選択してもよい。カンナビノイドは、脳内の神経伝達物質放出を抑制する細胞内のカンナビノイド受容体(すなわち、CB1及びCB2)に作用する天然又は合成化合物の一分類である。最も重要なカンナビノイドのうちの2つは、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)である。カンナビノイドは、大麻などの植物から天然に見つかるもの(フィトカンナビノイド)でもよいし、動物からのもの(内因性カンナビノイド)でもよいし、人工的に製造されたもの(合成カンナビノイド)でもよい。カンナビノイドは、血液脳関門を容易に横切る能力、弱い毒性、及び副作用がほとんどないことなどの特定の特性を示す環状分子である。大麻種は、少なくとも85の異なるフィトカンナビノイドを表し、複数の下位分類に分けられる。これらの下位分類には、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、及び他のカンナビノイドが含まれる。大麻中に見つかるカンナビノイドには、これらに限定されるものではないが、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)、及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)が含まれる。
【0049】
幾つかの実施形態において、活性物質は、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノール(CBN)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロムバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、及びカンナビエルソイン(CBE)、カンナビシトラン(CBT)からなる群から選択される1つ以上のカンナビノイド化合物を備える。
【0050】
活性物質は、カンナビジオール(CBD)及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)からなる群から選択される1つ以上のカンナビノイド化合物を備えてもよい。
【0051】
活性物質は、カンナビジオール(CBD)を備えてもよい。
【0052】
活性物質は、ニコチン及びカンナビジオール(CBD)を備えてもよい。
【0053】
活性物質は、ニコチン、カンナビジオール(CBD)、及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)を備えてもよい。
【0054】
幾つかの実施形態において、活性物質は嗅覚活性物質であり、現地の規制が許す場合に成人消費者向けの製品に所望の味、香り、又は他の体性感覚を作り出すために使用できる「香料」及び/又は「香味料」から選択してもよい。幾つかの例において、このような成分は、香料、香味料、冷却剤、加熱剤又は甘味剤と呼ばれることがある。それらは、天然に存在する香味材料、植物性材料、植物性材料の抽出物、合成により得られる材料、又はそれらの組み合わせ(例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、ユージノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローヴ、メープル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニスの実(アニス)、シナモン、ターメリック、インディアンスパイス、アジアンスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、ピーチ、アップル、オレンジ、マンゴー、クレメンティン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘類、ドランブイ(Drambuie)、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、カット(khat)、ナスワール(naswar)、キンマ(betel)、シーシャ(shisha)、パイン、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ミント属の任意の品種から得られるミント油、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、バラ、茶(緑茶、紅茶など)、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味増強剤、苦味受容体部位遮断薬、感覚受容体部位活性化剤、若しくは刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加剤、例えば、木炭、クロロフィル、ミネラル、植物性材料、又は呼気清涼化剤を含んでもよい。それらは、模造成分、合成成分、若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の適切な形態、例えば、液体(油など)、固体(粉末など)、又は気体とすることができる。
【0055】
幾つかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び/又はペパーミントを備える。幾つかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類果実、及び/又はレッドベリーの香味成分を備える。幾つかの実施形態において、香料はオイゲノールを備える。幾つかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香味成分を備える。幾つかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香味成分を備える。幾つかの実施形態において、香料は、嗅神経又は味覚神経に加えて、又はその代わりに、第5の脳神経(三叉神経)を刺激することによって通常化学的に誘起され、知覚される体性感覚を達成することを目的とした感覚剤を備えてもよく、これらは、加熱効果、冷却効果、ひりつき効果、麻痺効果を提供する薬剤を含んでもよい。適切な熱効果剤は、これに限定されるものではないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、適切な冷却剤は、これに限定されるものではないが、ユーカリプトールやWS-3であってもよい。
【0056】
植物性材料という用語は、植物に由来する任意の材料を含み、これらに限定されるものではないが、抽出物、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、皮などを含む。あるいは、この材料は、植物性材料中に天然に存在し、又は合成により得られる活性化合物を備えてもよい。この材料は、液体、気体、固体、粉末、粉塵、破砕粒子、顆粒、ペレット、断片、細片、シートなどの形態であってもよい。植物性材料の例は、タバコ、ユーカリノキ、スターアニス、麻、カカオ、大麻、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、亜麻、ショウガ、イチョウ葉エキス、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、甘草、抹茶、マテ、オレンジピール、パパイヤ、バラ、セージ、茶(緑茶、紅茶など)、タイム、クローヴ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ベイリーフ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモンピール、ミント、ジュニパー、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、サンダルウッド、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、マートル、カシス、バレリアン、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、マルベリー、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ、又はそれらの任意の組み合わせである。ミントは、以下のミント品種、すなわち、ヨウシュハッカ(Mentha arvensis)、グレープフルーツミント(Mentha c.v.)、エジプシャンミント(Mentha niliaca)、ペパーミント(Mentha piperita)、ライムミント(Mentha piperita citrata c.v.)、チョコレートミント(Mentha piperita c.v.)、カーリーミント(Mentha spicata crispa)、ワイルドミント(Mentha cordifolia)、ホースミント(Mentha longifolia)、パイナップルミント(Mentha suaveolens variegata)、ペニーロイヤルミント(Mentha pulegium)、イングリッシュスペアミント(Mentha spicata c.v.)、及びアップルミント(Mentha suaveolens)から選択してもよい。幾つかの実施形態において、植物性材料は、ユーカリノキ、スターアニス、カカオ、及び麻から選択される。幾つかの実施形態において、植物性材料は、ルイボス及びウイキョウから選択される。
【0057】
エアロゾル生成組成物又は非晶質固体は、酸を備えてもよい。酸は、有機酸であってもよい。これらの実施形態のうちの幾つかにおいて、酸は、一塩基酸、二塩基酸、及び三塩基酸のうちの少なくとも1つであってもよい。そのような幾つかの実施形態において、酸は、少なくとも1つのカルボキシル官能基を含んでもよい。そのような幾つかの実施形態において、酸は、アルファ-ヒドロキシ酸、カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、及びケト酸のうちの少なくとも1つであってもよい。そのような幾つかの実施形態において、酸は、アルファ-ケト酸であってもよい。
【0058】
そのような幾つかの実施形態において、酸は、コハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸、及びピルビン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0059】
好適には、酸は乳酸である。他の実施形態において、酸は安息香酸である。他の実施形態において、酸は無機酸であってもよい。これらの実施形態のうちの幾つかにおいて、酸は鉱酸であってもよい。そのような幾つかの実施形態において、酸は、硫酸、塩酸、ホウ酸、及びリン酸のうちの少なくとも1つであってもよい。幾つかの実施形態において、酸はレブリン酸である。
【0060】
酸の含有は、エアロゾル生成組成物又は非晶質固体がニコチンを備える実施形態において特に好ましい。そのような実施形態において、酸の存在は、エアロゾル生成組成物又は非晶質固体が形成されるスラリーに溶解した種を安定化させることができる。酸の存在は、スラリーの乾燥中にニコチンの蒸発を低減するか、又は実質的に防止することができ、それによって、製造中のニコチンの損失を低減する。
【0061】
ある特定の実施形態において、エアロゾル生成組成物又は非晶質固体は、セルロース系ゲル化剤及び/又は非セルロース系ゲル化剤を含むゲル化剤、活性物質、並びに酸を備える。
【0062】
非晶質固体は、着色料を備えてもよい。着色料の添加は、非晶質固体の視覚的外見を変化させることができる。非晶質固体中の着色料の存在は、非晶質固体及びエアロゾル生成組成物の視覚的外見を向上することができる。非晶質固体に着色料を添加することによって、非晶質固体は、エアロゾル生成組成物の他の成分又は非晶質固体を備える物品の他の成分と色を一致させることができる。
【0063】
非晶質固体の所望の色に応じて種々の着色料を使用してもよい。非晶質固体の色は、例えば、白、緑、赤、紫、青、茶、又は黒であってもよい。他の色もまた想定される。天然又は合成着色料、例えば、天然又は合成染料、食品グレードの着色料、及び医薬品グレードの着色料を使用してもよい。ある特定の実施形態において、着色料はカラメルであり、カラメルは、非晶質固体に茶色の外見を付与することができる。そのような実施形態において、非晶質固体の色は、非晶質固体を備えるエアロゾル生成組成物中の他の成分(例えば、タバコ材料)の色と同様であってもよい。幾つかの実施形態において、非晶質固体への着色料の添加は、非晶質固体をエアロゾル生成組成物中の他の成分と視覚的に区別できなくする。
【0064】
着色料は、非晶質固体の形成中(例えば、非晶質固体を形成する材料を備えるスラリーを形成する場合)に組み込まれてもよく、又は着色料は、その形成後に非晶質固体に付与されてもよい(例えば、着色料を非晶質固体上に噴霧することによって)。
【0065】
非晶質固体は、任意の適切な含水量、例えば、1重量%~15重量%を有してもよい。好適には、非晶質固体の含水量は、(WWBで)約5重量%、7重量%、又は9重量%~約15重量%、13重量%、又は11重量%である。非晶質固体の含水量は、例えば、Karl-Fischer滴定又は熱伝導度検出器を用いたガスクロマトグラフィー(GC-TCD)によって決定されてもよい。
【0066】
非晶質固体は、任意の適切な形態のエアロゾル生成組成物中に存在する。例において、非晶質固体は、シート形態で存在する。例において、非晶質固体は、細断シートとして存在する(例えば、エアロゾル生成組成物は、非晶質固体の破片を備える)。例において、非晶質固体は、細断シートとして存在し、ファインカットである及び/又は細断されているタバコ材料とブレンドされ、例えば、非晶質固体及びタバコ材料は、同様の形態にある。有利には、非晶質固体及びタバコ材料の両方を破片/ファインカット部分として提供することにより、エアロゾル生成組成物全体に非晶質固体及びタバコ材料が均一に分散したエアロゾル生成組成物ブレンドが可能になる。
【0067】
非晶質固体は、支持体上又は支持体中に存在して、基体を形成してもよい。支持体は、非晶質固体層がその上に形成される支持体として機能し、製造を容易にする。支持体は、非晶質固体層に剛性をもたらして、取り扱いを容易にしてもよい。
【0068】
支持体は、非晶質固体を支持するために使用することの可能な任意の適切な材料であってよい。幾つかの例において、支持体は、金属箔、紙、カーボン紙、耐油紙、セラミック、炭素同素体(例えばグラファイト及びグラフェン)、プラスチック、厚紙、木材、又はこれらの組み合わせから選択される材料から形成されてもよい。幾つかの例において、支持体は、タバコ材料(再構成タバコのシートなど)を備えるか、又はタバコ材料からなってもよい。幾つかの例において、支持体は、金属箔、紙、厚紙、木材、又はそれらの組み合わせから選択される材料から形成されてもよい。幾つかの例において、支持体は紙を備える。幾つかの例において、支持体自体は、前述のリストから選択される複数の材料の層を備える積層構造である。幾つかの例において、支持体は、香味支持体としても機能しうる。例えば、支持体に香味料又はタバコ抽出物を含浸させてもよい。
【0069】
好適には、支持層の厚さは、約10μm、15μm、17μm、20μm、23μm、25μm、50μm、75μm又は0.1mm~約2.5mm、2.0mm、1.5mm、1.0mm又は0.5mmの範囲であってもよい。支持体は、2つ以上の層を備えてもよく、本明細書に記載の厚さは、これらの層の合計厚さを指す。
【0070】
幾つかの例において、非晶質固体に当接する支持体の表面は、多孔質であってもよい。例えば、ある例では、支持体は紙を備える。本発明者らは、紙などの多孔質支持体が本発明に特に適しており、多孔質(例えば、紙)層が非晶質固体層に当接し、強い結合を形成することを見出した。非晶質固体は、ゲルを乾燥させることによって形成され、そして、理論によって限定されるものではないが、ゲルを形成するスラリーは、多孔質支持体(例えば、紙)に部分的に含浸し、その結果、ゲルが硬化して架橋を形成するときに支持体が部分的にゲルに結合されると考えられる。これは、ゲルと支持体との間(及び乾燥ゲルと支持体との間)に強い結合をもたらす。
【0071】
これに加えて、表面粗さが、非晶質材料及び支持体間の結合の強度に寄与しうる。本発明者らは、(支持体に当接する表面の)紙の粗さが、好適には50~1000ベック(Bekk)秒の範囲であって、好適には50~150ベック秒、好適には100ベック秒(50.66~48.00kPaの空気圧区間にわたって測定)でありうることを見出した(ベック平滑度試験機は、紙表面の平滑度を測定するために使用される機器である。この試験機では、平滑なガラス表面と紙試料との間に特定圧力の空気が侵入させられる。これらの表面の間に、ある固定体積の空気が浸透する時間(秒)が「ベック平滑度」である)。
【0072】
幾つかの例において、支持体は、金属箔(アルミニウム箔など)から形成されるか、又は金属箔を備える。金属の支持体は、非晶質固体への熱エネルギーのより良好な伝達を可能にしうる。加えて、又は代替として、金属箔は、誘導加熱システム内のサセプタとして機能してもよい。
【0073】
幾つかの例において、支持体は、約0.017mm~約2.0mm、好適には約0.02mm、0.05mm、又は0.1mmから約1.5mm、1.0mm、又は0.5mmまでの厚さを有してもよい。
【0074】
非晶質固体は、任意の適切な面密度、例えば、30g/m~120g/mを有してもよい。例において、非晶質固体は、約30~70g/m、又は約40~60g/mの面密度を有する。例において、非晶質固体は、約80~120g/m、又は約70~110g/m、又は特に約90~110g/mの面密度を有する。そのような面密度は、非晶質固体がエアロゾル生成物品/アセンブリにシート形態で、又は細断シートとして含まれる場合(以下で更に説明する)に特に好適となりうる。
【0075】
例において、非晶質固体は、タバコ材料の面密度の約90~110%である面密度を有する。つまり、非晶質固体及びタバコ材料は、同様の面密度を有する。本発明者らは、非晶質固体及びタバコ材料を、同様の面密度を有するように構成することにより、典型的には細断シートとして提供される場合に非晶質固体及びタバコ材料のより良好なブレンドが可能になることを特定した。例えば、同様の面密度を有する細断非晶質固体シートは及び刻みラグタバコは、ブレンドされて、より均質なエアロゾル生成組成物(例えば、エアロゾル生成組成物全体にわたる各成分のより良好な分布)をもたらすことができる。
【0076】
ファインカットタバコ(例えば、刻みラグタバコ)は、典型的にはCPI(1インチ当たりのカット数)として表され、タバコの刻み幅と呼ばれる、カット幅を有する。固体シートとして提供される非晶質固体は、カット幅を有する。タバコ材料がファインカットであり(例えば、タバコ材料が刻みラグタバコを備える場合)、非晶質固体が細断シートである幾つかの例において、非晶質固体のカット幅は、刻みラグタバコのカット幅の約90~110%である。つまり、非晶質固体及びタバコ材料は、カット幅又は細断幅を有する。本発明者らは、非晶質固体及びタバコ材料を、同様のカット幅を有するように構成することにより、非晶質固体及びタバコ材料のより良好なブレンドが可能になることを特定した。例えば、同様のカット幅を有する細断非晶質固体シート及び刻みラグタバコは、ブレンドされて、より均質なエアロゾル生成組成物(例えば、エアロゾル生成組成物全体にわたる各成分のより良好な分布)をもたらすことができる。
【0077】
幾つかの例において、シート形態の非晶質固体は、約150N/m~約1,200N/mの引張強度を有してもよい。非晶質固体が充填剤を備えない例など、幾つかの例において、非晶質固体は、150N/m~500N/m、又は200N/m~300N/m、又は約250N/mの引張強度を有してもよい。非晶質固体が充填剤を備える例など、幾つかの例において、非晶質固体は、600N/m~1,200N/m、又は700N/m~900N/m、又は約800N/mの引張強度を有してもよい。
【0078】
本発明の態様は、非燃焼型エアロゾル供給システムと共に使用される物品に関する。物品は、本明細書に記載されるエアロゾル生成組成物を備える。消耗品は、使用者による使用中にその一部又は全てが消費されることが意図される物品である。消耗品は、エアロゾル生成組成物を備えるか、又はエアロゾル生成組成物からなってもよい。消耗品は、1つ以上の他の要素、例えば、フィルター又はエアロゾル変性物質を備えてもよい。消耗品は、使用中に熱を発生してエアロゾル生成組成物からのエアロゾル生成を引き起こす加熱要素を備えてもよい。加熱要素は、例えば、可燃性材料を備えてもよく、又は変動磁場に通すことによって加熱可能なサセプタを備えてもよい。
【0079】
サセプタは、変動磁場、例えば交流磁場に通すことによって加熱可能な材料である。加熱材料は、電気伝導性材料であってもよく、この場合、それを変動磁場に通すことは、加熱材料の誘導加熱を引き起こす。加熱材料は、磁性材料であってもよく、この場合、それを変動磁場に通すことは、加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を引き起こす。加熱材料は、電気伝導性及び磁性の両方であってもよく、この場合、加熱材料は、両方の加熱機序によって加熱可能である。
【0080】
誘導加熱は、電気伝導性物体が、物体を変動磁場に通すことによって加熱されるプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって記載される。誘導加熱器は、電磁石及び電磁石を通して交流などの変動電流を通過させるデバイスを備えてもよい。電磁石によって生成される生じた変動磁場が物体を通るように電磁石及び加熱される物体が相対的に適切に配置されるとき、1つ以上の渦電流が物体の内部で生成される。物体は、電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、このような渦電流が物体中で生成されたとき、物体の電気抵抗に対するその流れにより物体の加熱が引き起こされる。このプロセスはジュール、オーム又は抵抗加熱と呼ばれる。
【0081】
例において、サセプタは、閉回路の形態である。サセプタが閉回路の形態であるとき、使用中のサセプタと電磁石との磁気結合は、強化され、その結果、ジュール加熱はより強くなる又は改善される。
【0082】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料で作製された物体が、物体を変動磁場に通すことによって加熱されるプロセスである。磁性材料は、多くの原子スケールの磁石又は磁気双極子を備えると考えることができる。磁場がそのような材料を通るとき、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、例えば電磁石によって生成されるような交流磁場などの変動磁場が磁性材料を通るとき、磁気双極子の配向は印加磁場の変動に伴って変化する。このような磁気双極子の再配向は、磁性材料において熱の発生を引き起こす。
【0083】
物体が、電気伝導性及び磁性の両方であるとき、物体を変動磁場に通すことで、物体においてジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を引き起こしうる。更に、磁性材料の使用は、磁場を強化することができ、これは、ジュール加熱を強くしうる。
【0084】
上記のプロセスの各々において、熱伝導による外部熱源によってではなく物体自体の内部で熱が発生すると、特に適切な物体材料及び幾何形状、並びに適切な変動磁場強度及び物体に対する配向の選択により、物体の急速な温度上昇及びより均一な熱分布が実現できる。更に、誘導加熱及び磁気ヒステリシス加熱は、変動磁場の供給源と物体との間に物理的接触を設ける必要がなく、設計の自由度及び加熱プロファイルに対する制御がより高くなりえ、コストが削減されうる。
【0085】
本発明の物品は、任意の適切な形状で提供されてもよい。幾つかの例において、物品は、ロッド(例えば、実質的に円柱形)として提供される。
【0086】
例において、エアロゾル生成組成物は、任意でタバコ材料(例えば、刻みタバコ)とブレンドされた、細断シートとして非晶質固体を含む。例において、タバコ材料とブレンドした細断シートとして非晶質固体を含むエアロゾル生成組成物を備える、実質的に円柱形状を有する物品が提供される。
【0087】
あるいは又は加えて、ロッドとして提供される物品は、シート、例えば、タバコ材料のロッドを取り囲むシートとして非晶質固体を含んでもよい。
【0088】
本発明の態様は、本明細書に記載されるものに係る物品と、エアロゾル生成物品を加熱するが燃焼させないように構成された加熱器を備える非燃焼型エアロゾル供給デバイスとを備える非燃焼型エアロゾル供給システムを提供する。非燃焼型エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成アセンブリと称されることもある。非燃焼型エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成装置と称されることがある。
【0089】
幾つかの例において、使用時、加熱器は、エアロゾル生成組成物を燃焼させることなく350℃以下、例えば120℃~350℃の温度に加熱してもよい。幾つかの例において、加熱器は、使用時にエアロゾル生成組成物を燃焼させることなく140℃~250℃、又は220℃~280℃に加熱してもよい。
【0090】
加熱器は、エアロゾル生成物品、したがってエアロゾル生成組成物を加熱するが燃焼させないように構成される。加熱器は、幾つかの例において、薄膜電気抵抗加熱器であってもよい。他の例では、加熱器は、誘導加熱器やその他の加熱器を備えてもよい。加熱器は、可燃性熱源であってもよいし、使用時に発熱反応を起こして熱を生成する化学的熱源であってもよい。エアロゾル生成アセンブリは、複数の加熱器を備えてもよい。これらの加熱器は、電池によって電力供給されてもよい。
【0091】
加熱器は、例えば、1つ以上のニクロム抵抗加熱器(複数可)及び/又は1つ以上のセラミック加熱器(複数可)を含む1つ以上の電気抵抗加熱器を備えてもよい。1つ以上の加熱器は、1つ以上のサセプタを備える構成体を含む1つ以上の誘導加熱器を備えてもよく、サセプタは、使用時に、エアロゾル化材料を備える物品が挿入されるか、又はそれ以外の方法で配置されるチャンバを形成しうる。あるいは又は加えて、1つ以上のサセプタが、エアロゾル化材料中に設けられてもよい。他の加熱構成体が使用されてもよい。
【0092】
エアロゾル生成物品は、冷却要素及び/又はフィルターを更に備えてもよい。冷却要素が存在する場合、冷却要素は、気体成分又はエアロゾル成分を冷却するように作用又は機能してもよい。幾つかの例において、冷却要素は、気体成分が凝縮してエアロゾルを形成するように気体成分を冷却するよう作用してもよい。冷却要素はまた、非燃焼型エアロゾル供給デバイスの非常に熱い部分を使用者から離間させるように作用してもよい。フィルターが存在する場合、フィルターは、セルロースアセテートプラグなど、当技術分野で公知の任意の適切なフィルターを備えてもよい。
【0093】
幾つかの例において、エアロゾル生成アセンブリは、非燃焼加熱式(heat-not-burn)デバイスであってもよい。すなわち、エアロゾル生成アセンブリは、固体のタバコ含有材料を含んでもよい(液体のエアロゾル生成材料は含まない)。幾つかの例において、非晶質固体は、タバコ材料を備えてもよい。非燃焼加熱式デバイスは、WO2015/062983A2に開示されており、その公報の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
エアロゾル生成物品(本明細書では、物品、カートリッジ、又は消耗品ということがある)は、THP、電子タバコハイブリッドデバイス、又は別のエアロゾル生成デバイスにおける使用に適合してもよい。幾つかの例において、この物品は、フィルター及び/又は冷却要素(これらについては上述した)を更に備えてもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成物品は、紙などの包装材料によって取り囲まれていてもよい。特定の例において、物品は、タバコ加熱製品と共に使用するために適合される。
【0095】
エアロゾル生成物品は、通気孔を更に備えてもよい。これらは、物品の側壁に設けられてもよい。幾つかの例において、通気孔は、フィルター及び/又は冷却要素に設けられてもよい。これらの孔は、使用中に冷たい空気が物品内に引き込まれることを可能にし、この冷たい空気は、加熱された揮発成分と混合し、それによってエアロゾルを冷却することができる。
【0096】
通気は、物品が使用時に加熱されるときに、物品から可視の加熱揮発成分が生成されることを促進する。加熱揮発成分は、加熱揮発成分の過飽和が生じるように加熱揮発成分を冷却する工程によって可視化される。加熱揮発成分は、この後、液滴形成(核形成としても知られる)を受け、最終的に、加熱揮発成分のエアロゾル粒子のサイズは、加熱揮発成分の更なる凝縮によって、及び加熱揮発成分から新たに形成された液滴の凝集によって、増大する。
【0097】
幾つかの例において、加熱揮発成分と冷たい空気との合計に対する冷たい空気の比率(通気比として知られる)は、少なくとも15%である。15%という通気比は、加熱揮発成分を上述の方法によって可視化することを可能にする。加熱揮発成分の可視性は、使用者が、揮発成分が生成されたことを識別できるようにし、喫煙体験の知覚体験を高める。
【0098】
別の例では、加熱揮発成分を更に冷却するために、通気比が50%~85%である。幾つかの例において、通気比は、少なくとも60%又は65%であってもよい。
【0099】
幾つかの例において、エアロゾル生成材料は、シート形態で物品/アセンブリに含まれてもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成材料は、平坦なシートとして含まれてもよい。幾つかの例において、エアロゾル生成材料は、平坦なシートとして、ひだ若しくはギャザーをつけたシートとして、波形のシートとして、又は巻かれたシートとして(すなわち、管の形態で)含まれてもよい。そのような例の幾つかにおいて、これらの実施形態の非晶質固体は、シートとして、例えばタバコ材料のロッドを取り囲むシートとして、エアロゾル生成物品/アセンブリに含まれてもよい。他の幾つかの例では、エアロゾル生成材料は、シートとして形成され、次いで細断され、物品に組み込まれてもよい。幾つかの例において、細断されたシートは、刻みラグタバコと混合され、物品に組み込まれてもよい。
【0100】
アセンブリは、一体化されたエアロゾル生成物品と加熱器を備えてもよく、あるいは使用時に物品が挿入される加熱デバイスを備えてもよい。
【0101】
図1及び2を参照すると、エアロゾル生成物品101の一例の部分破断断面図及び斜視図が示されている。物品101は、電源及び加熱器を有するデバイスと共に使用されるように適合されている。この実施形態の物品101は、以下に説明する図5図7に示すデバイス51と共に使用するのに特に適している。使用時には、物品101は、図5に示すデバイス51の挿入箇所20においてデバイスに取り外し可能に挿入することができる。
【0102】
一例の物品101は、エアロゾル生成材料体103と、ロッドの形態のフィルターアセンブリ105とを含む実質的に円柱形のロッドの形態をしている。エアロゾル生成材料は、本明細書に記載の非晶質固体材料を備える。幾つかの実施形態において、それはシート形態で含まれてもよい。幾つかの実施形態において、それは細断シートの形態で含まれてもよい。幾つかの実施形態において、本明細書に記載される非晶質固体は、シート形態と細断形態とで組み込まれてもよい。
【0103】
フィルターアセンブリ105は、冷却セグメント107、フィルターセグメント109、及び口側端セグメント111という3つのセグメントを含む。物品101は、口側端又は近位端としても知られる第1の端部113と、遠位端としても知られる第2の端部115を有する。エアロゾル生成材料体103は、物品101のうち遠位端115側に配置されている。一例では、冷却セグメント107は、冷却セグメント107がエロゾル生成材料103及びフィルターセグメント109と当接関係にあるように、エアロゾル生成材料体103とフィルターセグメント109との間において、エアロゾル生成材料体103に隣接して配置される。他の例では、エアロゾル生成材料体103と冷却セグメント107との間、及びエアロゾル生成材料体103とフィルターセグメント109との間に分離部があってもよい。フィルターセグメント109は、冷却セグメント107と口側端セグメント111との間に配置されている。口側端セグメント111は、物品101の近位端113側に配置され、フィルターセグメント109に隣接している。一例では、フィルターセグメント109は、口側端セグメント111と当接関係にある。一実施形態では、フィルターアセンブリ105の全長は37mm~45mmであり、より好ましくは、フィルターアセンブリ105の全長は41mmである。
【0104】
一例では、エアロゾル生成材料103のロッドは、34mm~50mmの長さを有し、好適には38mm~46mmの長さを有し、好適には42mmの長さを有する。
【0105】
一例では、物品101の全長は、71mm~95mmであり、好適には79mm~87mmであり、好適には83mmである。
【0106】
エアロゾル生成材料体103の軸方向の一端は、物品101の遠位端115で目視可能である。しかし、他の実施形態では、物品101の遠位端115は、エアロゾル生成材料体103の軸方向の一端を覆う端部材(図示せず)を備えてもよい。
【0107】
エアロゾル生成材料体103は、環状チッピングペーパー(図示せず)によってフィルターアセンブリ105に接合され、環状チッピングペーパーは、フィルターアセンブリ105を取り囲むように実質的にフィルターアセンブリ105の周囲に配置され、エアロゾル生成材料体103の長さに沿って部分的に延在する。一例では、チッピングペーパーは、58GSM標準チッピングベースペーパーから作製される。一例では、チッピングペーパーは、42mm~50mm、好適には46mmの長さを有する。
【0108】
一例において、冷却セグメント107は、環状の管であり、冷却セグメント内の空隙の周囲に配置されて、その空隙を画定する。この空隙は、エアロゾル生成材料体103から生成された加熱揮発成分が流れるチャンバを提供する。冷却セグメント107は、エアロゾル蓄積のためのチャンバを提供するように中空であるが、製造中及び物品101がデバイス51への挿入中に使用される間に生じうる軸方向圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有する。一例では、冷却セグメント107の壁の厚さは約0.29mmである。
【0109】
冷却セグメント107は、エアロゾル生成材料103とフィルターセグメント109との間に物理的変位を提供する。冷却セグメント107によって提供される物理的変位は、冷却セグメント107の長さ方向の両端間に熱勾配をもたらす。一例では、冷却セグメント107は、冷却セグメント107の第1の端部に入る加熱揮発成分と冷却セグメント107の第2の端部から出る加熱揮発成分との間に少なくとも摂氏40度の温度差をもたらすように構成される。一例では、冷却セグメント107は、冷却セグメント107の第1の端部に入る加熱揮発成分と冷却セグメント107の第2の端部から出る加熱揮発成分との間に少なくとも摂氏60度の温度差をもたらすように構成される。冷却要素107の長さ方向の両端間におけるこの温度差は、エアロゾル生成材料103がデバイス51によって加熱されたときに、感温性のフィルターセグメント109をエアロゾル生成材料103の高温から保護する。フィルターセグメント109と、エアロゾル生成材料体103及びデバイス51の加熱要素との間に物理的変位が設けられないとすれば、感温性のフィルターセグメント109は、使用中に損傷を受けて、その必要な機能を効果的に発揮しなくなる可能性がある。
【0110】
一例では、冷却セグメント107の長さは少なくとも15mmである。一例では、冷却セグメント107の長さは、20mm~30mm、より具体的には23mm~27mm、より具体的には25mm~27mm、好適には25mmである。
【0111】
冷却セグメント107は紙製であり、これは、冷却セグメント107が、使用時においてデバイス51の加熱器に隣接するときに、懸念のある化合物(例えば毒性化合物)を生成しない材料から構成されることを意味する。一例では、冷却セグメント107は、中空の内部チャンバを提供するが機械的剛性を維持する螺旋巻き紙管から製造される。螺旋巻き紙管は、管の長さ、外径、真円度及び真直度に関して、高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことができる。
【0112】
別の例では、冷却セグメント107は、堅いプラグラップ又はチッピングペーパーから作られた凹部である。堅いプラグラップ又はチッピングペーパーは、製造中及び物品101がデバイス51への挿入中に使用されている間に生じうる軸方向圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有するように製造される。
【0113】
フィルターセグメント109は、エアロゾル生成材料からの加熱揮発成分から1つ以上の揮発化合物を除去するのに十分な任意のフィルター材料から形成されてもよい。一例では、フィルターセグメント109は、セルロースアセテートなどのモノアセテート材料から作製される。フィルターセグメント109は、加熱揮発成分の量を使用者にとって不満足なレベルまで枯渇させることなく、加熱揮発成分の冷却と刺激低減をもたらす。
【0114】
幾つかの実施形態において、フィルターセグメント109内にカプセル(図示せず)を設けてもよい。このカプセルは、フィルターセグメント109の径方向及び長さ方向の双方において、フィルターセグメント109の実質的に中心に配置されてもよい。他の例では、カプセルを1つ以上の次元において中心からずらしてもよい。幾つかの例において、カプセルが存在する場合、そのカプセルは、香味料やエアロゾル生成剤などの揮発性成分を含有してもよい。
【0115】
フィルターセグメント109のセルロースアセテートトウ材料の密度は、フィルターセグメント109の両端間における圧力降下を制御し、ひいては物品101の吸引抵抗を制御する。したがって、フィルターセグメント109の材料の選択は、物品101の吸引抵抗を制御するうえで重要である。更に、フィルターセグメントは、物品101において濾過機能を果たす。
【0116】
1つの例では、フィルターセグメント109は、8Y15グレードのフィルタートウ材料で作製される。このフィルタートウ材料は、加熱揮発材料に対する濾過効果をもたらす一方で、加熱揮発材料から生じる凝縮エアロゾル液滴のサイズを低減する。
【0117】
フィルターセグメント109の存在は、冷却セグメント107を出る加熱揮発成分を更に冷却することによって断熱効果をもたらす。この更なる冷却効果は、フィルターセグメント109の表面に対する使用者の唇の接触温度を低下させる。
【0118】
一例では、フィルターセグメント109は、長さが6mm~10mm、好適には8mmである。
【0119】
口側端セグメント111は、環状管であり、口側端セグメント111内の空隙の周囲に配置されて、その空隙を画定する。この空隙は、フィルターセグメント109から流れる加熱揮発成分のためのチャンバを提供する。口側端セグメント111は、エアロゾル蓄積のためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中及びデバイス51への挿入中に物品が使用されている間に生じうる軸方向圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な剛性を有する。一例では、口側端セグメント111の壁の厚さは、約0.29mmである。一例では、口側端セグメント111の長さは、6mm~10mmであり、好適には8mmである。
【0120】
口側端セグメント111は、中空の内部チャンバを提供するが重要な機械的剛性を維持する螺旋巻き紙管から製造してもよい。螺旋巻き紙管は、管の長さ、外径、真円度及び真直度に関して、高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことができる。
【0121】
口側端セグメント111は、フィルターセグメント109の出口に蓄積する液体凝縮物が使用者と直接接触することを防止する機能をもたらす。
【0122】
一例では、口側端セグメント111及び冷却セグメント107が単一の管から形成され、フィルターセグメント109がその管内に配置されて、口側端セグメント111と冷却セグメント107を分離してもよいことを理解されたい。
【0123】
図3及び図4を参照すると、物品301の一例の部分破断断面図及び斜視図が示されている。図3及び図4に示される参照符号は、図1及び図2に示される参照符号と対応するが、その数字が200だけ増えている。
【0124】
図3及び図4に示す物品301の例では、通気領域317が物品301に設けられ、空気が物品301の外部から物品301の内部に流入することを可能にする。一例では、通気領域317は、物品301の外層を貫いて形成された1つ以上の通気孔317の形態をとる。この通気孔は、物品301の冷却を助けるために、冷却セグメント307に配置されてもよい。一例では、通気領域317は、孔の列を1つ以上備え、好ましくは、孔の各列は、物品301の長手方向軸に実質的に垂直な断面において、物品301の外周に沿って配置される。
【0125】
一例では、物品301に通気をもたらすために、1~4列の通気孔がある。通気孔の各列は、12~36個の通気孔317を有してもよい。通気孔317の直径は、例えば、100~500μmとすることができる。一例では、通気孔317の列間の軸方向間隔は、0.25mm~0.75mm、好適には0.5mmである。
【0126】
一例では、通気孔317は均一なサイズを有する。別の例では、通気孔317は様々なサイズを有する。通気孔は、任意の適切な技術、例えば、レーザ技術、冷却セグメント307の機械的穿孔、又は物品301に形成される前の冷却セグメント307の事前穿孔のうちの1つ以上を使用して作製することができる。通気孔317は、物品301を効果的に冷却するように位置決めされる。
【0127】
一例では、通気孔317の列は、物品の近位端313から少なくとも11mm、好適には物品301の近位端313から17mm~20mmに位置する。通気孔317の位置は、物品301の使用時に使用者が通気孔317を塞がないように決められる。
【0128】
物品301の近位端313から17mm~20mmに通気孔の列を設けることにより、図6及び7に見られるように、物品301がデバイス51に完全に挿入されたときに通気孔317をデバイス51の外側に配置することができる。通気孔をデバイスの外側に配置することによって、加熱されていない空気が、デバイス51の外側から通気孔を通って物品301に入り、物品301の冷却を助けることができる。
【0129】
冷却セグメント307の長さは、物品301がデバイス51に完全に挿入されたときに、冷却セグメント307がデバイス51に部分的に挿入されるような長さである。この冷却セグメント307の長さは、デバイス51の加熱装置と感熱性のフィルター装置309との間に物理的な間隙を提供する第1の機能と、物品301がデバイス51に完全に挿入されたときに、通気孔317が冷却セグメント内に配置される一方で、デバイス51の外側にも配置されることを可能にする第2の機能をもたらす。図6及び図7から分かるように、冷却要素307の大部分は、デバイス51内に配置されている。しかしながら、冷却要素307には、デバイス51の外に延びる部分がある。冷却要素307のうちデバイス51の外に延びるこの部分に、通気孔317が配置されている。
【0130】
ここで図5図7をより詳細に参照すると、エアロゾル生成材料を加熱して前記エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には吸入可能なエアロゾルを形成するように構成されたデバイス51の例が示されている。デバイス51は、エアロゾル生成材料を加熱するが燃焼させないことによって化合物を放出する加熱デバイスである。
第1の端部53は、本明細書では、デバイス51の口側端又は近位端53と呼ばれることがあり、第2の端部55は、本明細書では、デバイス51の遠位端55と呼ばれることがある。デバイス51は、オン/オフボタン57を有し、デバイス51全体を使用者が望むように起動/停止することができる。
【0131】
デバイス51は、デバイス51の様々な内部部品を配置及び保護するためのハウジング59を備える。図示の例では、ハウジング59は、デバイス51の外縁を取り巻く単一体スリーブ11を備えており、このスリーブ11は、デバイス51の「上部」を概ね形成するトップパネル17と、デバイス51の「底部」を概ね形成するボトムパネル19とで蓋をされている。別の例では、ハウジングは、トップパネル17及びボトムパネル19に加えて、フロントパネル、リアパネル、及び一対の対向するサイドパネルを備える。
【0132】
トップパネル17及び/又はボトムパネル19は、デバイス51の内部への容易なアクセスを可能にするために、単一体スリーブ11に取り外し可能に固定されてもよく、又は、例えば使用者がデバイス51の内部にアクセスすることを阻止するために、単一体スリーブ11に「永久的に」固定されてもよい。一例では、パネル17及び19は、プラスチック材料(射出成形によって形成されたガラス充填ナイロンなどを含む)で作られ、単一体スリーブ11はアルミニウムで作られるが、他の材料及び他の製造プロセスを使用してもよい。
【0133】
デバイス51のトップパネル17は、デバイス51の口側端53に開口部20を有しており、使用時に、使用者が、エアロゾル生成材料を含む物品101、301を、この開口部20を通して、デバイス51に挿入し、また、デバイス51から取り外すことができる。
【0134】
ハウジング59は、その中に加熱装置23、制御回路25、及び電源27を配置又は固定している。この例では、加熱装置23、制御回路25、及び電源27は横方向に近接(すなわち、一端から見たときに近接)し、制御回路25は、概ね加熱装置23と電源27との間に位置するが、他の配置も可能である。
【0135】
制御回路25は、以下で更に論じるように、物品101、301内のエアロゾル生成材料の加熱を制御するように構成及び配置された、マイクロプロセッサ装置などのコントローラを含んでいてもよい。
【0136】
電源27は、例えば、電池であってもよく、この電池は、充電式電池でも非充電式電池でもよい。好適な電池の例としては、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル電池(例えば、ニッケルカドミウム電池)、アルカリ電池などが挙げられる。電池27は、加熱装置23に電気的に結合され、必要なときに制御回路25の制御下で電力を供給して、物品内のエアロゾル生成材料を加熱する(前述のように、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料を揮発させる)。
【0137】
電源27を加熱装置23に横方向に近接させて配置する利点は、デバイス51全体を過度に長くすることなく、物理的に大きな電源25を使用できることである。当然のことながら、一般に、物理的に大きい電源25は、より高い容量(すなわち、供給可能な総電気エネルギー、しばしばアンペア時などで測定される)を有し、したがって、デバイス51の電池寿命をより長くすることができる。
【0138】
一例では、加熱装置23は、中空内部加熱チャンバ29を有する中空円筒管の形態を概ねしており、この中空内部加熱チャンバ29には、エアロゾル生成材料を備える物品101、301が、使用時に加熱のために挿入される。加熱装置23については様々な構成が可能である。例えば、加熱装置23は、単一の加熱要素を備えてもよいし、加熱装置23の長手方向軸に沿って整列された複数の加熱要素から形成されてもよい。加熱要素又は各加熱要素は、環状又は管状であってもよく、又は、その外周に沿って少なくとも部分的に環状又は少なくとも部分的に管状であってもよい。一例では、加熱要素又は各加熱要素は、薄膜ヒータであってもよい。別の例では、加熱素子又は各加熱素子は、セラミック材料から作製されてもよい。適切なセラミック材料の例としては、アルミナセラミック及び窒化アルミニウムセラミック、並びに窒化ケイ素セラミックが挙げられ、これらは積層して焼結してもよい。他の加熱構成も可能であり、これには、例えば、誘導加熱、赤外線加熱素子(これは赤外線を放射することによって加熱する)、抵抗電気巻線などによって形成される抵抗加熱素子が含まれる。
【0139】
1つの特定の例では、加熱装置23は、ステンレス鋼の支持管によって支持され、ポリイミド加熱要素を備える。加熱装置23は、物品101、301がデバイス51に挿入されたときに、物品101、301のうちエアロゾル生成材料103、303からなる本体の実質的に全体が加熱装置23に挿入されるような寸法を与えられている。
【0140】
加熱要素又は各加熱要素は、エアロゾル生成材料の選択された複数のゾーン(区域)を、例えば希望に応じて順次に(上述のように経時的に)又は一緒に(同時に)、独立して加熱できるように配置してもよい。
【0141】
この例における加熱装置23は、その長さの少なくとも一部に沿って断熱体31によって囲まれている。断熱体31は、加熱装置23からデバイス51の外部へ通過する熱を低減するのに役立つ。これは、一般に熱損失を低減するので、加熱装置23の電力要件を低く抑えるのに役立つ。断熱体31はまた、加熱装置23の動作中にデバイス51の外部を冷たく保つのに役立つ。一例では、断熱体31は、スリーブの2つの壁の間に低圧領域を設ける二重壁スリーブであってもよい。すなわち、断熱体31は、例えば、「真空」管、すなわち、伝導及び/又は対流による伝熱を最小限に抑えるように少なくとも部分的に真空排気された管であってもよい。断熱体31については他の構成も可能であり、これには、二重壁スリーブに加えて、又は二重壁スリーブに代えて、断熱材(例えば、適切な発泡タイプの材料を含む)を使用することが含まれる。
【0142】
ハウジング59は、加熱装置23と同様に、全ての内部部品を支持するための様々な内部支持構造37を更に備えてもよい。
【0143】
デバイス51は、開口部20の周囲に延在し、開口部20からハウジング59の内部に突出するカラー33と、カラー33と真空スリーブ31の一端との間に配置された略管状のチャンバ35とを更に備える。チャンバ35は、冷却構造35fを更に備えており、この冷却構造35fは、この例では、チャンバ35の外面に沿って離間した複数の冷却フィン35fを備え、各冷却フィンは、チャンバ35の外面を取り巻くように配置される。中空チャンバ35の長さの少なくとも一部にわたって物品101、301がデバイス51に挿入されるとき、中空チャンバ35と物品101、301との間には空隙36が存在する。空隙36は、冷却セグメント307の少なくとも一部にわたって物品101、301の外周全体を取り巻く。
【0144】
カラー33は、開口部20の外周を取り巻くように配置された複数の隆起部60を備えており、これらの隆起部は、開口部20内に突出する。隆起部60は、隆起部60の位置における開口部20の開放距離が、隆起部60のない位置における開口部20の開放距離よりも小さくなるように、開口部20内の空間を占める。隆起部60は、デバイス内に挿入された物品101、301と係合して、それをデバイス51内に固定するのを助けるように構成される。隆起部60の隣り合う対と物品101、301とによって画定される開放空間(図示せず)は、物品101、301の外面の周りに通気経路を形成する。これらの通気経路は、物品101、301から逃げた高温蒸気がデバイス51から出ることを可能にするとともに、空隙36内において物品101、301の周りでデバイス51に冷却空気が流れ込むことを可能にする。
【0145】
動作中、物品101、301は、図5~7に示されるように、デバイス51の挿入箇所20に取り外し可能に挿入される。特に図6を参照すると、一例において、エアロゾル生成材料体103、303(これは、物品101、301の遠位端115、315側に配置されている)は、デバイス51の加熱装置23内に完全に収容される。物品101、301の近位端113、313は、デバイス51から延び出て、使用者のためのマウスピースアセンブリとして機能する。
【0146】
動作中、加熱装置23は、物品101、301を加熱して、エアロゾル生成材料体103、303からエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させる。
【0147】
エアロゾル生成材料体103、303からの加熱揮発成分のための一次流路は、軸方向に沿って物品101、301を通り、冷却セグメント107、307の内側のチャンバを通り、フィルターセグメント109、309を通り、口側端セグメント111、313を通って使用者に至る。一例では、エアロゾル生成材料体から生成される加熱揮発成分の温度は、60℃~250℃であり、これは、使用者にとって許容可能な吸入温度を上回る可能性がある。加熱揮発成分は、冷却セグメント107、307を通って移動するにつれて冷却され、一部の揮発成分が冷却セグメント107、307の内面上に凝縮する。
【0148】
図3及び図4に示される物品301の例では、冷たい空気が、冷却セグメント307に形成された通気孔317を介して冷却セグメント307に入ることができる。この冷たい空気は、加熱揮発成分と混合して、加熱揮発成分を更に冷却する。
【0149】
本発明の別の態様は、本明細書に記載されるエアロゾル生成組成物を作製する方法を提供する。
【0150】
方法は、典型的には、本明細書の上記に記載される非晶質固体を用意するステップと、本明細書の上記に記載されるタバコ材料を用意するステップと、非晶質固体及びタバコ材料を、エアロゾル生成組成物の約5~30重量%のエアロゾル形成材料含有量を有するエアロゾル生成組成物が得られるような比で合わせるステップと、を備える。
【0151】
例において、非晶質固体は、細断シートとして用意される。特定の例において、非晶質固体を用意するステップは、非晶質固体のシートを細断して、細断シートとして非晶質固体を用意することを備える。例において、タバコ材料はファインカットであり、非晶質固体及びタバコ材料を合わせるステップは、非晶質固体の細断シートをファインカットタバコ材料とブレンドすることを備える。
【0152】
例において、非晶質固体を用意するステップは、(a)非晶質固体の成分又はそれらの前駆体を備えるスラリーを形成すること、(b)スラリーの層を形成すること、(c)スラリーを硬化させてゲルを形成すること、及び(d)乾燥させて非晶質固体を形成することを備える。
【0153】
スラリーの層を形成すること(b)は、典型的には、スラリーを噴霧する、キャストする、又は押出することを含む。例において、このスラリー層は、スラリーを静電噴霧することによって形成される。例において、このスラリー層は、スラリーをキャストすることによって形成される。
【0154】
幾つかの例において、(b)及び/又は(c)及び/又は(d)は、少なくとも部分的に、同時に(例えば、静電噴霧中に)行われる。幾つかの例において、(b)、(c)及び(d)は、順次に行われる。
【0155】
幾つかの例において、スラリーは支持体に付与される。スラリー層を支持体上に形成してもよい。
【0156】
例において、スラリーは、ゲル化剤、エアロゾル形成材料及び活性物質を備える。スラリーは、非晶質固体の組成に関して本明細書に示される割合のうちの任意の割合でこれらの成分を備えてもよい。例えば、スラリーは、(乾重量基準で)、
ゲル化剤、及び任意で充填剤(ここで、ゲル化剤及び充填剤の量は合わせて、スラリーの約10~60重量%である)と、
スラリーの約40~80重量%の量のエアロゾル形成材料と、
任意で、スラリーの最大約20重量%の量の活性物質と、
を備えてもよい。
【0157】
ゲルを硬化させること(c)は、スラリーへ硬化剤を供給することを含んでもよい。例えば、スラリーは、ゲル前駆体としてアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、又はアルギン酸アンモニウムを備えてもよく、カルシウム源(例えば、塩化カルシウム)を備える硬化剤をこのスラリーに添加して、アルギン酸カルシウムゲルを形成してもよい。
【0158】
例において、硬化剤は、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、又はそれらの組み合わせを備えるか、又はそれらからなる。幾つかの例において、硬化剤は、ギ酸カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを備えるか、又はそれらからなる。特定の例において、硬化剤は、ギ酸カルシウムを備えるか、又はそれからなる。本発明者らは、典型的には、ギ酸カルシウムを硬化剤として用いることで、より高い引張強度及びより高い伸び抵抗を有する非晶質固体が得られることを特定した。
【0159】
硬化剤、例えばカルシウム源、の総量は、0.5~5重量%(乾重量基準で計算)であってもよい。好適には、総量は、約1重量%、2.5重量%、又は4重量%~約4.8重量%、又は4.5重量%であってもよい。本発明者らは、硬化剤の添加量が少なすぎると、非晶質固体成分を安定化させずに、これらの成分が非晶質固体から脱落することを招くような非晶質固体が得られる可能性があることを見出した。本発明者らは、硬化剤の添加量が多すぎると、非常に粘着性で、結果として取り扱い性に乏しい非晶質固体が得られることを見出した。
【0160】
非晶質固体がタバコを含まないとき、より大量の硬化剤を付与する必要がありうる。幾つかの例において、したがって、硬化剤の総量は、乾重量基準で計算して0.5~12重量%、例えば、5~10重量%であってもよい。好適には、総量は、約5重量%、6重量%、又は7重量%~約12重量%、又は10重量%であってもよい。この例において、非晶質固体は、一般に、タバコを含まない。
【0161】
例において、スラリーへ硬化剤を供給することは、スラリー、例えば、スラリーの上面に硬化剤を噴霧することを含む。
【0162】
アルギン酸塩はアルギン酸の誘導体であり、典型的には高分子量重合体(10~600kDa)である。アルギン酸は、(1,4)-グリコシド結合で連結されて多糖を形成するβ-D-マンヌロン酸(M)及びα-L-グルロン酸(G)ユニット(ブロック)の共重合体である。カルシウムカチオンが添加されると、アルギン酸塩は架橋してゲルを形成する。本発明者らは、高いG単量体含有量を有するアルギン酸塩が、カルシウム源の添加時に、より容易にゲルを形成すると判断した。したがって、幾つかの例において、ゲル前駆体は、アルギン酸塩共重合体中の単量体ユニットの少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、又は70%がα-L-グルロン酸(G)ユニットであるアルギン酸塩を備えてもよい。
【0163】
例において、乾燥すること(d)は、スラリー中の(WWBで)約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、又は90重量%~約80重量%、90重量%、又は95重量%の水を除去する。
【0164】
例において、乾燥すること(d)は、キャスト材料厚を少なくとも80%、好適には85%、又は87%減少させる。例えば、スラリーが2mmの厚さにキャストされ、得られる乾燥非晶質固体材料が0.2mmの厚さを有する。
【0165】
スラリー自体も本発明の一部を形成する。幾つかの例において、スラリー溶媒は、水から本質的になるか、又は水からなる。幾つかの例において、スラリーは、(WWBで)約50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、又は90重量%の溶媒を備える。
【0166】
溶媒が水からなる例では、スラリーの乾重量含有量が、非晶質固体の乾重量含有量と一致してもよい。このように、固体の組成に関する本明細書での検討は、本発明のスラリー態様との組み合わせで明示的に開示されている。
【0167】
本発明の態様によると、本明細書に記載される非燃焼型エアロゾル供給システムを使用してエアロゾルを生成する方法が提供される。例において、方法は、エアロゾル生成組成物を、350℃以下の温度に加熱するステップを備える。方法は、エアロゾル生成組成物を、約220℃~約280℃の温度に加熱するステップを典型的に備える。幾つかの例において、方法は、エアロゾル生成組成物の少なくとも一部を、使用セッションにわたって約220℃~約280℃の温度に加熱するステップを備える。
【0168】
本明細書で使用するとき、「使用セッション」は、使用者による非燃焼型エアロゾル供給システムの使用の単一の期間を指す。使用セッションは、加熱アセンブリ中に存在する少なくとも1つの加熱ユニットに最初に電力が供給される時点に開始する。デバイスは、使用セッションの開始からある期間の時間が経過した後、使用の準備ができる。1回の使用セッションは、エアロゾル供給デバイスの加熱要素のいずれにも電力が供給されない時点で終了する。使用セッションの終了は、喫煙物品が枯渇された時点(使用者が各パフでの全微粒子物質収量(mg)を許容できないほど低いと考える時点)と合致しうる。セッションは、複数のパフの継続時間を有する。前記セッションは、7分間、又は6分間、又は5分間、又は4分30秒間、又は4分間、又は3分30秒間未満の継続時間を有してもよい。幾つかの実施形態において、使用セッションは、2~5分間、又は3~4.5分間、又は3.5~4.5分間、又は好適には4分間の継続時間を有してもよい。セッションは、使用者がデバイスのボタン又はスイッチを作動させ、少なくとも1つの加熱要素の温度上昇を開始させることによって開始されてもよい。
【0169】
本発明の態様によると、本明細書に記載される非燃焼型エアロゾル供給システムの使用が提供される。非燃焼型エアロゾル供給システムの使用は、非燃焼型エアロゾル供給デバイスと相互作用(例えば、アクチュエーターを作動させる)して喫煙セッションを開始することを備えてもよい。
【実施例
【0170】
実施例1
2つの非晶質固体(AS1及びAS2)を、本明細書に記載される方法に従って調製した。各非晶質固体を、水及び以下の成分を備えるスラリーから形成した。
【0171】
【表1】
【0172】
AS1は、硬化剤として乳酸カルシウムをスラリーへ供給することによって形成し、AS2は、硬化剤としてギ酸カルシウムをスラリーへ供給することによって形成した。組成物は、以下の物理特性を示した(測定値は、当業者に公知の標準プロトコルから得た)。
【0173】
【表2】
【0174】
実施例2
第3、第4及び第5の非晶質固体(AS3、AS4及びAS5)を、本明細書に記載される方法に従って調製した。非晶質固体を、水及び以下の成分を備えるスラリーから形成した。
【0175】
【表3】
【0176】
AS3は、硬化剤の添加なしに形成し、AS4は、硬化剤として乳酸カルシウムをスラリーへ供給することによって形成し、AS5は、硬化剤としてギ酸カルシウムをスラリーへ供給することによって形成した。組成物は、以下の物理特性を示した(測定値は、当業者に公知の標準プロトコルから得た)。
【0177】
【表4】
【0178】
実施例1及び2で調製した非晶質固体の各々を、刻みタバコとブレントして、エアロゾル生成組成物を用意し、これは、所望の知覚特徴及びエアロゾル生成を有することが見出された。
【0179】
本明細書に記載される全ての重量パーセンテージ(重量%と示される)は、別途明記されない限り、乾重量基準で計算される。全ての重量比も乾重量基準で計算される。乾重量基準で示される重量は、水以外の抽出物又はスラリー又は材料の全体を指し、グリセロールなどの、それ自体が室温及び圧力で液体である成分を含みうる。逆に、湿重量基準で示される重量パーセンテージは、水を含む全ての成分を指す。
【0180】
誤解を避けるために述べると、本明細書において用語「備える」が本発明又は本発明の特徴を定義する際に使用される場合、「備える」の代わりに「から本質的になる」又は「からなる」という用語を使用して本発明又は特徴を定義することができる実施形態も開示されている。特定の特徴を「備える」材料への言及は、それらの特徴がその材料に含まれる、材料に含有される、又は材料内に保持されることを意味する。
【0181】
本発明の一態様に関連して記載される任意の特徴は、本明細書に記載される任意の他の態様との組み合わせにおいて明示的に開示される。
【0182】
上記の実施形態は、本発明の例示として理解されるべきである。本発明の更なる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して説明される任意の特徴は、単独で、又は説明される他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、任意の他の実施形態、又は任意の他の実施形態の任意の組み合わせの1つ以上の特徴と組み合わせて使用されてもよいことを理解されたい。更に、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明されていない均等物及び変更形態も使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7