(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】ユーザのために最適化された警告を提供するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241028BHJP
【FI】
G16H20/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023067941
(22)【出願日】2023-04-18
(62)【分割の表示】P 2021113540の分割
【原出願日】2017-04-28
【審査請求日】2023-05-17
(32)【優先日】2016-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アナ・リー・デイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】スコット・エム・ベリヴォー
(72)【発明者】
【氏名】ナレシュ・シー・バヴァラジュ
(72)【発明者】
【氏名】レイフ・エヌ・ボウマン
(72)【発明者】
【氏名】リタ・エム・カスティーリョ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ・エレナ・コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・ドレガー
(72)【発明者】
【氏名】ローラ・ジェイ・ダン
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・ブライアン・ゲーブル
(72)【発明者】
【氏名】アルトゥロ・ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ホール
(72)【発明者】
【氏名】ハリ・ハンパプラム
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ロバート・ハンネマン
(72)【発明者】
【氏名】アナ・クレア・ハーレー-トロヒムチック
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・デイヴィッド・ハインツマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ジェイ・ジャクソン
(72)【発明者】
【氏名】ローレン・フルービー・ジェプソン
(72)【発明者】
【氏名】アプルヴ・ユラス・カマス
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン・イェール・ケーラー
(72)【発明者】
【氏名】アディチャ・マンダパカ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ジェリィ・マーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー・エー・モリス
(72)【発明者】
【氏名】スブライ・ギリシュ・パイ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・アッティラ・パル
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ポリタリディス
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・トーマス・プパ
(72)【発明者】
【氏名】イーライ・レイマン
(72)【発明者】
【氏名】アッシュリー・アン・リンドフライシュ
(72)【発明者】
【氏名】ソフィー・ウェルズ・シャンク
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・シー・シンプソン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・スミス
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・ジェイ・ヴァンスライク
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ティー・ヴォーゲル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・シー・ウォーカー
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・エルロッド・ウエスト
(72)【発明者】
【氏名】アティム・ジョセフ・ウィリー
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0289821(US,A1)
【文献】特表2013-529500(JP,A)
【文献】特表2010-524639(JP,A)
【文献】特表2012-529195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記非一時的コンピュータ可読媒体は、認識的気付きの判定に基づいてユーザ警告を動的に調節または調整し、それにより注意に値する糖尿病状態の治療に関するデータを提供する方法をコンピューティング環境に行わせる命令を備え、前記方法は、
現在または将来の注意に値する糖尿病状態を特定するステップであって、前記特定は、グルコース濃度値に少なくとも部分的に基づく、特定するステップと、
前記特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に、ユーザが認識的に気付いているかを推定または予測するステップと、
前記推定または予測の結果が、前記ユーザが前記特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いて前記ユーザに警告するステップであって、前記ユーザプロンプトは、前記注意に値する糖尿病状態を示す、警告するステップと、を含み、
それにより、前記ユーザが前記注意に値する糖尿病状態に気付いておらず、かつ前記警告が前記ユーザに対して有効である場合、かつこれらの時点でのみ、前記ユーザは、前記注意に値する糖尿病状態を警告され
、
監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いて前記ユーザに警告するステップは、
前記ユーザが第1の警告を無視した場合、前記監視デバイスの第2のユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いて、または第2のデバイスの第2のユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いて、前記ユーザに警告するステップ
を含む、媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照による組み込み
出願データシートにおいて特定されるいずれの、かつ全ての優先権主張、または該優先権主張に対するいずれの補正も、37 CFR 1.57の下、参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、2016年5月2日出願の米国特許仮出願第62/330,729号の利益を主張する。前述の出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本明細書において明示的に本明細書の一部をなす。
【0002】
特に生理学的パラメータが監視される医療分野における、ユーザのための警告が提供される。
【背景技術】
【0003】
真性糖尿病は、膵臓が十分なインスリンを作ることができない(I型もしくはインスリン依存性)、かつ/またはインスリンが有効ではない(2型もしくは非インスリン依存性)疾患である。糖尿病状態では、被害者は、高グルコースを患っており、これは、小血管の劣化に関連する一連の生理学的障害(例えば、腎不全、皮膚潰瘍、または眼の硝子体中への出血)を引き起こし得る。
【0004】
従来、糖尿病を有する人は、自己監視血糖(SMBG)モニタを持ち運び、該モニタは典型的には、測定のための血液試料を得るために、不快な指穿刺を必要とする。指穿刺に関連して快適さ及び便利さに欠けるため、糖尿病を有する人は通常、1日当たりわずか2~4回だけ自身のグルコースレベルを測定する。残念ながら、測定間の時間間隔は、糖尿病を有する個人が高血糖症または低血糖症の状態に気付くのが手遅れになる可能性があるほど離れている場合があり、時に危険な副作用を招く。糖尿病を有する人が時宜を得てSMBG値を測る可能性が低いというだけではなく、該人は、従来の方法に基づいて、自身の血糖値が上昇する(より高くなる)かまたは減少する(より低くなる)かわからない可能性も高い。したがって、糖尿病患者は、知識に基づいたインスリン療法の判断を下すことを妨げられる場合がある。
【0005】
一部の糖尿病患者が自身の血糖を監視するために使用する別のデバイスは、連続分析物センサである。連続的分析物センサは、典型的に、皮下的、経皮的(transdermally)(例えば、経皮的(transcutaneously))、または血管内に配置されるセンサを含む。該センサは、体内の所与の分析物の濃度を測定し、原信号を生成し、該信号がセンサと関連付けられた電子機器に送信される。原信号は、出力値に変換され、これがディスプレイに表示される。原信号の変換から生じる出力値は、典型的には、mg/dLで表されるグルコースなどの意味のある臨床情報をユーザに提供する形態で表される。
【0006】
分析物がグルコースであり、かつ連続グルコースモニタ(CGM)の場合、一部のCGMは、ユーザのグルコース値が危険または望ましくない範囲に入った時、様々な警告または警告の起動を生じる。例えば、多くのCGMは、ユーザのグルコース値が、軽度の低血糖症または高血糖症の範囲内へと逸れた場合、警告を提供し、状態がより差し迫ったものになった場合、警告を提供する。場合によってはそのような警告/警報は、予測アルゴリズムを使用して、ユーザが危険な状態に近づいているかどうか、したがって警告または警報が起動されるべきかどうかを判定する。
【0007】
有用ではあるが、そのような警告及び警報には問題がある。例えば、ユーザは、すぐにそのような警告及び警報に慣れ、「警告及び警報に耳を貸さなく」なり始めるか、またはさもなければ無視し始める。場合によっては、ユーザは、ユーザが既に認識している状態に対して、不必要に再警告される。これらの場合の多くにおいて、「警告疲労」が始まり、ユーザに、警告の原因または対処すべき潜在的ステップに関して十分に考慮せずに警告を無視するか、または警告をオフにするかのいずれかを行わせ得る。
【0008】
他の問題をこれより記載する。まず、「高」グルコース警告のカテゴリーの例を示す。食事後の時間枠において、ユーザは、多くの場合、ユーザが食べた後、かつ食事に対する投与の後に高血糖警告を受けたらいらいらする。そのような高血糖警告は、折々、インスリンが既に「働いている」時には、「積み上げ」またはインスリンの投与にさえも繋がる場合がある。そのような場合、ユーザは、ユーザが講じる必要のない措置に対して、またはユーザに不必要な措置を講じさせ得る警告を受けている。多くの場合、そのような食事後の不必要な警告に対する対応としては、ユーザが警告を無視し始めるか、より高い血糖警告閾値を設定する(したがって、ユーザが適切な閾値をユーザの標的範囲境界として使用することを妨げる)か、またはさらには、場合によってはユーザの高血糖警告をオフにすることが挙げられる。そのような修正は、ユーザに将来の予想外の高グルコースレベルを見逃させる。
【0009】
不必要な再警告は、高血糖警告問題の別の例である。この場合、ユーザは、ユーザが同じグルコース事象に対して複数の高血糖警告を受けるとイライラする。そのような状況は、多くの場合、グルコースレベルが該ユーザの高閾値の上下をうろつくことによって生じる。場合によっては、ユーザは、ある程度の効果など「スヌーズ」時間を有効にすることができる。しかしながら、食事後警告と同様、ユーザは、ユーザの設定したスヌーズ時間前に同じ高血糖事象に対して再警告されることを望まない。これらの状況に対する修正は、上記のものと類似しており、ユーザが警告を無視するか、またはこれらの高血糖警告をオフにすることが含まれ、この場合もやはり、将来の予想外の高グルコースレベルを見逃す。
【0010】
別の「高血糖警告」問題としては、ボーラス投与をやり損なうことが挙げられる。例えば、ユーザは、ユーザが食事に対して投与を忘れた場合、高血糖警告を受けとることが多い。この高血糖警告は、ユーザに投与を再認識させるが、これは、典型的には遅すぎ、さらなる上昇を防止しない。ボーラス投与の見逃しの修正には、ユーザがより低い高血糖警告閾値を設定するか、または上昇速度警告を設定することが挙げられる。しかしながら、そのような修正は、ユーザにとっては追加の誤った警告をもたらし得る。加えて、高血糖警告及び上昇速度警告は、時折、ボーラスの投与損ないをとらえるほど有効または正確ではない。
【0011】
別の「高血糖警告」問題は、ある特定のユーザ、例えば、より厳密なグルコース管理の目標を有するユーザは、彼らが長期間にわたって彼らの高い閾値に近いが、その閾値を下回る場合に警告されることを望むことである。そのようなユーザは、彼らの標的ゾーン境界に対して彼らの高血糖警告閾値を使用している場合があり、このような場合、ユーザは、どのようにして彼らの高血糖警告閾値を正確に設定または変更するかわからない場合がある。
【0012】
他の高血糖警告問題には、ユーザが彼らの最初の警告設定にどのようにして反応するかが変わらないことが挙げられる。さらに他の高血糖警告の問題も理解されるであろう。
【0013】
他の問題は、「低血糖警告」の使用する際に存在する。例えば、上述の警告疲労は、該システムへの不信に繋がり得る。例えば、ユーザは、重度の低血糖症事象を予防するための時間を自身により多く与えるために、より高い低血糖警告閾値を設定する場合がある。しかしながら、これは、より頻繁な警告及び結果として生じるいら立ちの元へと繋がり得る。例えば、そのようなユーザは、重度の低グルコースに繋がらない低グルコースレベルの多くの警告を受け得る。ユーザは重度の低グルコースに対するより多くの警鐘を望む一方で、より高い警告閾値での頻繁な低血糖警告は、システムへの不信を引き起こす。
【0014】
関連して、圧縮などの故障によって引き起こされる誤った警告も、システムへの不信を引き起こし得る。警告疲労を受けてユーザは時折、より低い警告閾値を設定する場合があるが、その結果、彼らは、緊急の低グルコースを防ぐ時間がより少なくなる。別の修正として、ユーザは低血糖警告をオフにして、代わりに下降速度警告または緊急低血糖警告を使用する場合がある。例えば、下降速度警告は、-2または-3mg/dLに設定される場合がある。さらに別の修正として、ユーザは、彼らの低血糖警告をオフにして、代わりに緊急低血糖警告に頼る場合がある。これらの場合の多くにおいて、ユーザの反応は、低血糖を防がない。
【0015】
別の「低血糖警告」の問題は、高血糖警告の問題に類似し、不必要な再警告の問題を構成する。つまり、ユーザは、彼らが同じ低グルコース事象に対して複数の低血糖警告を受けた時に、イライラする。多くの場合、そのような不必要な再警告は、ユーザのグルコースレベルが彼らの低閾値のすぐ上またはすぐ下をうろつくことによって引き起こされる。そのような状況は、ユーザが55を超えるが、依然として彼らの低閾値よりも低い時にも引き起こされ得る。不必要な再警告に対する反応において、ユーザは、時折、警告を無視し始めるか、もしくは彼らの警告をオフにする場合があるか、または彼らの病態の過度の治療、例えば炭水化物の積み上げ(これは多くの場合、夜に特に問題である)を行う場合がある。しかしながら、そのような修正は、ユーザに、将来の予想外の低グルコースレベルを見逃させる。
【0016】
他の低血糖警告問題としては、ユーザが彼らの低血糖警告閾値を、彼らの標的範囲の最低境界として設定する場合があることが挙げられる。他の低血糖警告の問題も、理解されるであろう。
【0017】
当分野における先行技術は、以下の方法である特定の警告問題に対応した。
【0018】
一手法では、2015年3月16日出願の米国特許出願公開第2015/0289821号、表題「GLYCEMIC URGENCY ASSESSMENT AND ALERTS INTEFFACE」に開示されるように、実行可能な警告は、グルコース値だけよりもユーザの糖尿病状態を表す値である血糖緊急指標に基づいて提供されると開示されている。別の公開である、2015年9月1日に米国特許第9,119,528号として付与された米国特許出願公開第2014/0118138号、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR PROVIDING SENSITIVE AND SPECIFIC ALARMS」は、ユーザにとってうっとうしくあり得る警報の発生を論じているが、特定の期間の待機または時間遅延の使用等の修正を対象とする。さらに別の公開である2014年10月28日出願の米国特許出願公開第2015/0119655号、表題「ADAPTIVE INTERFACE FOR CONTINUOUS MONITORING DEVICES」では、ユーザインターフェースが、ある特定の入力、例えば、目的、人口データなどに従って適合されている。しかしながら、警告自体を適合させる開示は存在しない。さらなる出願である、2013年3月13日出願の米国特許出願公開第2014/0012510号、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR LEVERAGING SMARTPHONE FEATURES IN CONTINUOUS GLUCOSE MONITORING」では、例えばユーザが会議に出席している場合、警告はサイレントになり得るような開示が提供されている。この参照は、警告のタイミングを変化させることを開示しているが、グローバル設定の一部としてのみであり、リアルタイムではない。さらに別の公開である、2016年2月1日出願の米国特許仮出願第62/289,825号、表題「SYSTEM AND METHOD FOR DECISION SUPPORT USING LIFESTYLE FACTORS」では、フィードバックが、意思決定支援の目的のためにユーザに提供され、例えば、ユーザに、彼ら及び彼らの治療に有用な何かを知らせる。
【0019】
上記の引用された出願の全ては、本出願の譲受人により所有され、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
この背景技術は、以下の発明の概要及び発明を実施するための形態のための簡潔な文脈を導入するために提供される。この背景技術は、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を決定するのを補助するよう意図されることも、特許請求の範囲に記載される主題を上記の不利点または問題のうちのいずれかまたは全てを解決する実装に限定するものと見なされることもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】米国特許出願公開第2015/0289821号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0118138号明細書(米国特許第9119528号明細書)
【文献】米国特許出願公開第2015/0119655号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0012510号明細書
【文献】米国特許仮出願第62/289825号
【文献】米国特許第6001067号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0027127号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0020187号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0137887号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0027385号明細書
【文献】米国特許出願第14/874188号
【文献】米国特許出願公開第2013/0035575号明細書
【文献】米国特許第8844007号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0078912号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0273821号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0123810号明細書
【文献】米国特許出願第15/001756号
【文献】米国特許仮出願第62/271880号
【文献】米国特許出願公開第2013/0325352号明細書
【文献】米国特許出願公開第2005/0027463号明細書
【文献】米国特許出願第11/543396号
【文献】米国特許出願第11/691426号
【文献】米国特許出願第11/675063号
【文献】米国特許第6565509号明細書
【文献】米国特許第6579690号明細書
【文献】米国特許第6484046号明細書
【文献】米国特許第6512936号明細書
【文献】米国特許第6477395号明細書
【文献】米国特許第6424847号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本原理に従うシステム及び方法は、いくつかの手法で上記の必要性を満たす。具体的には、本原理に従うシステム及び方法は、そのようにすることが理にかなう時にだけユーザに警告する(例えば、ユーザがまだ自身の現在の状態、例えば、特に現在の状態が、注意に値する糖尿病状態である状態に認識的に気付いていないとシステムが予測または推定することができる時にのみ、ユーザに警告する)。このようにして、警告または警報は、パーソナライズされ、そのユーザに特に有効になる。そのようなシステム及び方法は依然として、対応が必要な時、例えば、ボーラス投与量または一時的基礎速度が変わる時、ユーザに警告するか、または逃したボーラス投与に対する対応もしくは是正の必要性を提供するが、対応が不必要な時、例えば、ユーザが、既に注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていると推定もしくは予測される場合、または修正措置が既にとられている場合には、警告しない。
【0023】
第1の態様では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、該非一時的コンピュータ可読媒体は、認識的気付きの判定に基づいてユーザ警告を動的に調節または調整し、それにより注意に値する糖尿病状態の治療に関するデータを提供する方法をコンピューティング環境に行わせる命令を備え、該方法は、(a)現在または将来の注意に値する糖尿病状態を特定するステップであって、該特定は、グルコース濃度値に少なくとも部分的に基づく、特定するステップと、(b)特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態の、ユーザの認識的気付きを推定または予測するステップと、(c)推定または予測の結果が、ユーザが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップであって、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態を示す、警告するステップと、を含み、(d)それにより、ユーザが注意に値する糖尿病状態に気付いておらず、かつ通知がユーザに対して有効である場合、かつこれらの時点でのみ、ユーザは、注意に値する糖尿病状態を警告される。
【0024】
態様及び実施形態の実装は、以下のうちの1つ以上を含み得る。警告は、患者の認識的気付きのために最適化され得、それにより、最適化されていなければユーザの認識的気付きを考慮せずに提供される警告よりも少ない警告が発生する。監視デバイスは、スマートフォン、スマートウォッチ、専用の監視デバイス、またはタブレットコンピュータであり得る。本原理に従うシステム及び方法においては、過剰なプロンプトの表示、繰り返しプロンプト、または迷惑プロンプトが最小化または回避される。本原理に従うシステム及び方法において、システムがユーザのために最適化されているかまたは有効な通知に関してのみ警告すると、ユーザが信頼を構築することができる。ユーザの認識的気付きの推定または予測は、特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態が異常なグルコーストレース(glucose trace)を含むかどうかを判定することを含み得る。異常なグルコーストレースには、異常なパターンまたは異常なグルコース反応が含まれ得る。
【0025】
ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザが以前に、ユーザプロンプトなしで措置を講じることにより類似の特定された注意に値する糖尿病状態を治療したことがあるかどうかを判定することを含み得る。該措置は、薬剤の投与、食事をとること、または運動であり得る。ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザが食事もしくはボーラス投与量データを入力したかどうか、またはボーラス投与量計算を要求したかどうかを判定することを含み得る。ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザの挙動が認識的気付きと一致しているどうかを判定することを含み得る。ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザ入力を受信することと、推定または予測を受信された入力に少なくとも部分的に基づかせることとを含み得る。ユーザの認識的気付きの推定または予測は、時間に対するユーザのグルコース値の履歴データを分析することを含み得る。
【0026】
特定するステップ及び推定または予測するステップは、ユーザが特定された注意に値する糖尿病状態に認識的に気付くと推定または予測されるような時点まで反復され、次いで、ユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップを行う。ユーザの認識的気付きの推定または予測は、適切なAPIを介して、アプリケーションまたはウェブサイトからデータを受信することを含み得る。推定または予測は、位置データ、つまりGPSデータに基づき得る。位置データは、ユーザの位置データ、またはユーザのフォロワの位置データであり得る。
【0027】
ユーザの認識的気付きの推定または予測は、人口データ、挙動もしくは文脈情報に関連するデータ、ユーザの人生の目標に関連するデータ、ユーザプライバシー設定に関連するデータ、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づき得る。ユーザの認識的気付きの推定または予測は、リアルタイムデータに少なくとも部分的に基づき得、リアルタイムデータは、監視デバイスのGPSアプリケーションに関連するデータ、監視デバイスの加速度計に関連するデータ、挙動もしくは文脈情報に関連するデータ、ユーザのフォロワの位置に関連するデータ、ユーザの代謝率に関連するデータ、ユーザの血糖緊急性指標に関連するデータ、心拍データ、汗含有物データ、ユーザのウェアラブルセンサに関連するデータ、インスリンデータ、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。
【0028】
ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザに関連する1つ以上の個別化されたパターンを認識することを含み得る。個別化されたパターンは、事象の前または後に生じる特徴的な分析物濃度信号トレースの包絡線に対応し得る。事象は、食事、運動、または睡眠と関連付けられ得る。判定は、現在の信号トレースが特徴的分析物濃度信号トレースの包絡線の外側にあるかどうかをユーザが認識的に気付いていないことの判定であり得る。
【0029】
方法は、ユーザプロンプトに関連する信頼度を示すことをさらに含み得る。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、ユーザプロンプトを即座に表示することをさらに含み得る。推定または予測は、ユーザの位置情報にさらに基づき得、ここで、位置情報は、ユーザが、食料品店またはレストランの所定の閾値近傍内にいることを示す。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、ある時間遅延後にユーザプロンプトを用いてユーザに警告することをさらに含み得、時間遅延の持続時間は、少なくとも特定された注意に値する糖尿病状態、ならびにグルコース濃度値及び/またはグルコース濃度値の変化速度に基づく。
【0030】
ユーザプロンプトは、ユーザがデータを入力することに対するクエリを含み得る。クエリは、投与、食事、または運動に関してユーザが入力するデータを要求し得る。ユーザインターフェースからのデータまたは監視デバイスに関連付けられた加速度計からのデータによって、ユーザがユーザプロンプトを無視していると判定された場合、かつユーザプロンプトが、危険な状態に対応しない場合、本方法は、ユーザが先の条件下でユーザプロンプトを無視するという情報を記憶することと、記憶された情報をその後の推定または予測ステップの一部として使用することと、をさらに含み得る。
【0031】
現在または将来の注意に値する糖尿病状態の特定は、グルコース濃度の臨床値及び/またはグルコースの変化速度及び/または血糖緊急指数値の決定を含み得る。現在または将来の注意に値する糖尿病状態の特定は、グルコース信号シグネチャを測定することと、測定されたシグネチャを複数のビン化シグネチャと比較することと、比較に基づいて、複数のビンのうちの1つに注意に値する糖尿病状態を分類することと、を含み得る。現在または将来の注意に値する糖尿病状態の特定は、グルコース濃度値における1つ以上の時間ベースの傾向を判定することと、特定された状態を判定された傾向に基づかせることと、を含み得る。傾向は、グルコース濃度値がある範囲内でうろついているか、または上昇もしくは下降しているかに対応し得、ここで、うろつきは、5分超、または10分超、または15分超、または30分超の期間、所定の範囲内にとどまることに相当する。曖昧な境界が、該範囲を定義するのに用いられ得る。
【0032】
本方法は、薬剤ポンプに注意に値する糖尿病状態の指示を送信することをさらに含み得る。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、薬剤ポンプを起動して、薬剤ボーラス投与を生じさせることをさらに含み得る。該薬剤ボーラス投与は、インスリンの食事ボーラスであり得る。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、薬剤ポンプを起動して基礎速度を変えることをさらに含み得る。該薬剤はインスリンであり得る。薬剤ポンプが注意に値する糖尿病状態を完全にまたは部分的に治療することができるかどうかを判定することをさらに含み得、治療できると判定した場合、薬剤ポンプが糖尿病状態を治療できない場合と比較して、それぞれユーザに警告しないか、またはユーザプロンプトを変える。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、ユーザプロンプトを用いてユーザにいつ警告するかを判定することをさらに含み得る。ユーザプロンプトは、表示される場合、グルコース濃度値の代わりに、またはそれに加えて、色または矢印を含み得る。ユーザプロンプトは、表示される場合、グルコース濃度値の予測を含み得る。ユーザプロンプトは、表示される場合、可聴インジケータを含み得、ここで、可聴インジケータの音量は、監視デバイスまたは監視デバイスと信号通信するデバイスによって測定される周囲雑音に対して自動的に調節され、ここで、周囲雑音に対する調節は、信号対雑音比の閾値レベルに達するまで、周囲雑音に対して可聴インジケータの音量を上げることを含み得る。ユーザプロンプトは、ユーザが低血糖緊急指数を有する期間中に起こる注意に値する糖尿病状態に関連付けられている場合がある。
【0033】
推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、持続時間に基づいてではなく、特定された注意に値する糖尿病状態、ならびにグルコース濃度値及び/またはグルコース濃度値の変化速度に基づいて、ある遅延後にユーザプロンプトを用いてユーザに警告することをさらに含み得る。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、持続時間ではなく、監視デバイスによって学習された個別化されたパターンに基づいて、ある遅延後にユーザプロンプトを用いてユーザに警告することをさらに含み得る。
【0034】
特定された注意に値する糖尿病状態は、異常なグルコース反応または異常なパターンに対応し得、ここで、異常な反応または異常なパターンは、監視デバイスによって学習され、ユーザ入力によっては学習されない。ユーザプロンプトは、動的タイミングで、適合されたユーザインターフェース上にではなく、予め設計されたユーザインターフェース上に表示され得る。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、他の監視デバイスアプリケーションから受信された、ユーザプロンプトでユーザに警告しないという指示に関係なく、ユーザプロンプトを用いてユーザに即座に警告することをさらに含む。推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、本方法は、他のユーザが入力したデータまたは設定に基づくユーザプロンプトでユーザに警告しないという指示に関係なく、ユーザプロンプトを用いてユーザに即座に警告することをさらに含む。ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いているかどうかの推定または予測は、リアルタイムデータに少なくとも部分的に基づき、遡及データに完全には基づかない場合がある。
【0035】
第2の態様では、ユーザの注意に値する糖尿病状態に対応するスマート警告を提供するためのシステムが提供され、該システムは、モバイルデバイス上で実行されるCGMアプリケーションであって、少なくとも周期的にまたは時々センサからデータを受信し、臨床単位でのグルコース濃度データを校正及び表示するように構成されているCGMアプリケーションと、モバイルデバイス上で、CGMアプリケーション内でサブルーチンとして実行されるか、またはCGMアプリケーションとの並行プロセスとして実行され、CMGアプリケーションからデータを受信するスマート警告(smart alert)アプリケーションであって、請求項に記載の媒体に含まれている方法を行うように構成されているスマート警告アプリケーションと、を含む。
【0036】
第3の態様では、注意を必要とする糖尿病状態に対するユーザへの警告を安全に低減する方法をコンピューティング環境に行わせるための命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、該方法は、(a)現在または将来の注意に値する糖尿病状態を特定するステップであって、特定は、グルコース濃度値に少なくとも部分的に基づく、特定するステップと、(b)特定された注意に値する糖尿病状態がユーザにとって異常であるかどうかを判定するステップと、(c)判定の結果が、特定された糖尿病状態がユーザにとって異常であるという結果である場合、ユーザ監視デバイスのインターフェース上のユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップであって、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態を示す、警告するステップと、を含み、(d)それにより、ユーザは、特定された糖尿病状態がユーザにとって異常である場合にのみ、注意に値する糖尿病状態を通知される。
【0037】
態様及び実施形態の実行は、以下のうちの1つ以上を含み得る。特定された注意に値する糖尿病状態がユーザにとって異常であるかどうかの判定は、特定された糖尿病状態が、ユーザに関連する他のパターンの特徴を示さないパターンに従うグルコーストレースを含み得るかどうかの判定を含み得る。特定された注意に値する糖尿病状態がユーザにとって異常であるかどうかの判定は、特定された糖尿病状態が、ユーザに関連する他のパターンの特徴を示さないパターンに従うグルコーストレースを含み得るかどうかの判定を含み得る。
【0038】
第4の態様では、注意に値する糖尿病状態についてユーザにプロンプトを表示する方法をコンピューティング環境に行わせるための命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、コンピューティング環境は、薬剤送達デバイスと信号通信し、ユーザプロンプトは、その数が少なくとも部分的に低減されることによりユーザに対する有効性が最適化されており、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態の治療に関するデータを提供し、該方法は、(a)現在または将来の注意に値する糖尿病状態を特定するステップであって、特定は、グルコース濃度値に少なくとも部分的に基づく、特定するステップと、(b)特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に対する、ユーザの認識的気付きの第1の推定または予測を行うステップと、(c)第1の推定または予測の結果が、ユーザが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に対する、薬剤送達デバイスのコンピュータの気付きの第2の推定または予測を行うステップと、(d)第2の推定または予測の結果が、薬剤送達デバイスが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に気付いていないという結果である場合、監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップであって、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態を示す、警告するステップと、を含み、(e)それにより、ユーザ及び薬剤送達デバイスの両方が注意に値する糖尿病状態に気付いておらず、かつ通知がユーザに対して有効である場合、かつこれらの時点でのみ、ユーザは、注意に値する糖尿病状態を通知される。
【0039】
態様及び実施形態の実行は、以下のうちの1つ以上を含み得る。本方法は、薬剤送達デバイスが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態を治療することができるかどうかを判定するステップと、判定の結果が、薬剤送達デバイスが特定された糖尿病状態を治療することができないという結果である場合、ユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップと、をさらに含み得る。現在または将来の糖尿病状態は、低血糖症を含み得、薬剤送達デバイスは、インスリン送達デバイスであり得、該方法は、低血糖症の糖尿病状態に基づいて、インスリン送達デバイスの活動を停止するか、または減少させることをさらに含み得る。活動の停止または減少は、ユーザが低血糖症に認識的に気付いている場合、より早く起こり得る。第1の推定または予測を行うことは、薬剤送達デバイスとユーザとの対話に少なくとも部分的に基づき得る。
【0040】
さらなる態様及び実施形態において、様々な態様の上記の方法特徴は、様々な態様にあるようなシステムの観点から説明される。上記で言及された第1~4の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、態様のうちのいずれかの実施形態の特徴のいずれも、上記で言及された第1~4の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、本明細書で明らかにされる全ての他の態様及び実施形態に適用できる。さらに、上記で言及された第1~4の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、様々な態様の実施形態の特徴のいずれも、いかなる方法によっても、本明細書に記載される他の実施形態と部分的または全体的に独立して組み合わせ可能であり、例えば、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の実施形態が全体的または部分的に組み合わせ可能であり得る。さらに、上記で言及された第1~4の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、様々な態様の実施形態の特徴のいずれも、他の態様または実施形態に対して任意的なものにされ得る。方法のいかなる態様または実施形態も、別の態様または実施形態のシステムまたは装置によって実施され得、システムまたは装置のいかなる態様または実施形態も、上記で言及された第1~4の態様のうちのいずれかのいかなる実施形態も含むが、これらに限定されない、別の態様または実施形態の方法を実施するように構成され得る。
【0041】
糖尿病面を有する人々は、食物、インスリン、運動、ストレス、活動、ならびに他の生理学的条件及び環境条件の間の複雑な相互作用のために、自身のグルコースの制御において多くの問題に直面する。異なる条件が異なる個体にどのように影響を与えるか、またそれらの個体に対してどのような措置が有効かには、かなりのばらつきがあるため、グルコース管理の確立された原理は時折適合せず、上述のように、異なる状況に対して、異なる個体間で異なる措置が必要であるため、警告または警報の提供にさえも問題がある。したがって、ユーザに対してカスタマイズされた警告及び警報の提供、ならびにユーザが認識的に気付いていない状況の先読みは、ユーザにとって極めて有益であり、かつ望ましい。
【0042】
したがって、本原理に従うシステム及び方法は、ユーザの注意に値する糖尿病の状況または状態に関してユーザに警告及び/または警報を出すが、ただし、概して、該ユーザが依然としてそれらの状況に認識的に気付いていないと該システムが判定、例えば推定または予測した時にのみ警告/警報を行う技法を提供する。結果として、本原理に従うそのようなシステム及び方法は、糖尿病に典型的に関連した不確実性を低減し、生活の質を改善する。
【0043】
ある特定の態様または実施形態における利点には、以下のうちの1以上が挙げられる。特に、通知されなければユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付かない場合に、該糖尿病状態をユーザに有利に通知するために「スマート警告」が提供される。したがって、そのようなスマート警告は必要な時にのみ発生し、不必要な時には発生しないため(例えば、スマート警告機能は、ユーザが食事に対して適切な時間に適切な量のインスリンを投与した場合、ユーザに警告しないため)、ユーザをイライラさせない。そのようなスマート警告は、従来技術で警告する場合よりも効率的に、危険なまたは緊急の状態をユーザに警告し、より高い確実性及び信頼性をもたらす。そのような「スマート」警告は、警告疲労の問題をさらに回避する。具体的には、スマートフォン上で実行するCGMアプリケーションは、以前はユーザの認識状態を定量化することができなかったため、閾値に基づく警告アルゴリズムでは、警告疲労が一般的に起こる。本明細書に記載される実施形態では、生理学的及び非生理学的データをユーザの認識状態の推定または予測に変換することにより、認識状態のデータが推測され、よりスマートな警告及び警告疲労の低減をもたらす。その他の利点は、図面及び特許請求の範囲を含む以下の説明から理解される。
【0044】
この発明の概要は、簡略化された形態で概念の選択を導入するために提供される。概念は、発明を実施するための形態にさらに記載される。この発明の概要に記載されるもの以外の要素またはステップが考えられ、いかなる要素またはステップも必ずしも必要とされるわけではない。この発明の概要は、特許請求の範囲に記載される主題の主要な特徴または本質的な特徴を識別するよう意図することも、それが特許請求の範囲に記載される主題の範囲を決定することの補助としての使用のために意図されることもない。特許請求の範囲に記載される主題は、本開示のいかなる部分に記述されるいずれかまたは全ての不利点を解決する実装に限定されない。
【0045】
ここで、本実施形態が、有利な特徴を明らかにすることに重点を置いて詳細に考察される。これらの実施形態は、単に例示的な目的のために、添付の図面に示される本原理に従う新規かつ非明白なシステム及び方法を描写する。これらの図面は、以下の図を含み、これらの図において同様の数字は同様の部品を示す。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図2】本原理に従った第1の方法のフローチャートである。
【
図3】本原理に従ってスマート警告アプリケーションが実行し得るか、または具体例を挙げて示され得る図を模式的に例示する。
【
図4】本原理に従った第2の方法のフローチャートである。
【
図5】スマート警告機能またはアプリケーションへの入力、及びその結果として生じるスマート警告出力の論理図である。
【
図6】本原理に従った第3の方法のフローチャートである。
【
図7】スマート警告(
図7)及び上部にスマート警告が現れるグルコーストレースを示す。
【
図8】スマート警告(
図7)及び上部にスマート警告が現れるグルコーストレースを示す。
【
図9】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力の追加の実装例を例示する。
【
図10】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力の追加の実装例を例示する。
【
図11】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力の追加の実装例を例示する。
【
図12】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力の追加の実装例を例示する。
【
図13】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力の追加の実装例を例示する。
【
図14】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力の追加の実装例を例示する。
【
図15】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力のさらなる追加の実装例を例示する。
【
図16】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力のさらなる追加の実装例を例示する。
【
図17】本原理に従ったユーザインターフェース上のスマート警告出力のさらなる追加の実装例を例示する。
【
図18】スマート警告及び該スマート警告が重ね合わされたそれぞれのグルコーストレースの追加の実装例を例示する。
【
図19】スマート警告及び該スマート警告が重ね合わされたそれぞれのグルコーストレースの追加の実装例を例示する。
【
図20】スマート警告及び該スマート警告が重ね合わされたそれぞれのグルコーストレースの追加の実装例を例示する。
【
図21】スマート警告及び該スマート警告が重ね合わされたそれぞれのグルコーストレースの追加の実装例を例示する。
【
図22】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図23】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図24】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図25】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図26】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図27】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図28】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図29】本原理に従ったスマート警告の時間進行を例示する。
【
図30】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図31】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図32】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図33】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図34】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図35】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図36】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図37】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図38】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図39】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図40】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図41】スマートフォン上のロック画面の一部としてのスマート警告の実装例を例示する。
【
図42】送達デバイスからのデータを組み込んだ、本原理に従ったシステムの模式図である。
【
図43】本原理に従った第4の方法のフローチャートである。
【
図44】本原理に従った第5の方法のフローチャートである。
【
図46】センサ電子機器モジュールのより詳細な模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
同様の参照番号は、全体を通して同様の要素を指す。要素は、特に記載しない限り、縮尺通りではない。
【0048】
定義
好ましい実施形態の理解を容易にするために、いくつかの用語が以下に定義される。
【0049】
本明細書で使用される場合、用語「分析物」は概して、限定するものではないが、分析可能な生物流体(例えば、血液、間質液、脳脊髄液、リンパ液、または尿)中の物質または化学成分に関する。分析物には、自然発生物質、人工的物質、代謝産物、及び/または反応生成物が含まれ得る。いくつかの実施形態において、センサヘッド、デバイス、及び方法による測定のための分析物は、グルコースである。しかしながら、他の分析物も同様に企図され、他の分析物としては、アカルボキシプロトロンビン、アシルカルニチン、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ、アデノシンデアミナーゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン、アミノ酸プロファイル(アルギニン(クレブス回路)、ヒスチジン/ウロカニン酸、ホモシステイン、フェニルアラニン/チロシン、トリプトファン)、アンドレノステンジオン、アンチピリン、アラビニトールエナンチオマー、アルギナーゼ、ベンゾイルエクゴニン(コカイン)、ビオチニダーゼ、ビオプテリン、c反応性タンパク質、カルニチン、カルノシナーゼ、CD4、セルロプラスミン、ケノデオキシコール酸、クロロキン、コレステロール、コリンエステラーゼ、共役1-βヒドロキシコール酸、コルチゾール、クレアチンキナーゼ、クレアチンキナーゼMMアイソザイム、サイクロスポリンA、d-ペニシラミン、デ-エチルクロロキン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート、DNA(アセチル化多型、アルコール脱水素酵素、α1-抗トリプシン、嚢胞性線維症、デュシェンヌ型/ベッカー型筋ジストロフィー、分析物-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘモグロビンA、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE、ヘモグロビンF、Dパンジャブ、β-サラセミア、B型肝炎ウイルス、HCMV、HIV-1、HTLV-1、レーベル遺伝性視神経症、MCAD、RNA、PKU、三日熱マラリア原虫、性分化、21-デオキシコルチゾール)、デスブチルハロファントリン、ジヒドロプテリジン還元酵素、ジフテリア/破傷風抗毒素、赤血球アルギナーゼ、赤血球プロトポルフィリン、エステラーゼD、脂肪酸/アシルグリシン、遊離β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、遊離赤血球ポルフィリン、遊離チロキシン(FT4)、遊離トリ-ヨードチロニン(FT3)、フマリルアセトアセターゼ、ガラクトース/gal-1-リン酸塩、ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ、ゲンタマイシン、分析物-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルタチオン、グルタチオンペリオキシダーゼ、グリココール酸、グリコシル化ヘモグロビン、ハロファントリン、ヘモグロビン変異体、ヘキソサミニダーゼA、ヒト赤血球炭酸脱水酵素I、17-α-ヒドロキシプロゲステロン、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ、免疫反応性トリプシン、乳酸塩、鉛、リポタンパク質((a)、B/A-1、β)、リゾチーム、メフロキン、ネチルマイシン、フェノバルビトン、フェニトイン、フィタン酸/プリスタン酸、プロゲステロン、プロラクチン、プロリダーゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ、キニン、逆位トリ-ヨードチロニン(rT3)、セレン、血清膵臓リパーゼ、シソマイシン、ソマトメジンC、特異的抗体(アデノウイルス、抗核抗体、抗ゼータ抗体、アルボウイルス、オーエスキー病ウイルス、デング熱ウイルス、メジナ虫、単包条虫、赤痢アメーバ、エンテロウイルス、ランブル鞭毛虫、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV-1、IgE(アトピー性疾患)、インフルエンザウイルス、ドノバンリーシュマニア、レプトスピラ、麻疹/流行性耳下腺炎/風疹、らい菌、肺炎マイコプラズマ、ミオグロビン、回旋糸状虫、パラインフルエンザウイルス、熱帯熱マラリア原虫、ポリオウイルス、緑膿菌、呼吸系発疹ウイルス、リケッチア(ツツガムシ病)、マンソン住血吸虫、トキソプラズマ原虫、梅毒トレポネーマ、クルーズ/ランゲルトリパノソーマ、水疱性口炎ウイルス、バンクロフト糸状虫、黄熱病ウイルス)、特異的抗原(B型肝炎ウイルス、HIV-1)、スクシニルアセトン、スルファドキシン、テオフィリン、チロトロピン(TSH)、チロキシン(T4)、チロキシン結合グロブリン、トレース元素、トランスフェリン、UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ、尿素、ウロポルフィリノーゲンIシンターゼ、ビタミンA、白血球、及び亜鉛プロトポルフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。血液または間質液中で自然に発生する塩、糖、タンパク質、脂肪、ビタミン、及びホルモンもまた、ある特定の実施形態における分析物を構成し得る。分析物、例えば、代謝産物、ホルモン、抗原、抗体などは、生物流体中に自然に存在し得る。あるいは、分析物、例えば、画像診断のための造影剤、放射性同位体、化学薬剤、フッ化炭素ベースの人工血液、またはインスリン、エタノール、大麻(マリファナ、テトラヒドロカンナビノール、ハシシ)、吸入剤(亜酸化窒素、亜硝酸アミル、亜硝酸ブチル、クロロ炭化水素、炭化水素)、コカイン(クラックコカイン)、刺激剤(アンフェタミン、メタンフェタミン、Ritalin、Cylert、Preludin、Didrex、PreState、Voranil、Sandrex、Plegine)、抑制剤(バルビツレート、メタカロン、精神安定剤、例えば、Valium、Librium、Miltown、Serax、Equanil、Tranxene)、幻覚剤(フェンシクリジン、リゼルギン酸、メスカリン、ペヨーテ、サイロシビン)、麻薬(ヘロイン、コデイン、モルヒネ、アヘン、メペリジン、Percocet、Percodan、Tussionex、Fentanyl、Darvon、Talwin、Lomotil)、デザイナードラッグ(フェンタニル、メペリジン、アンフェタミン、メタンフェタミン、及びフェンシクリジンの類似体、例えば、Ecstasy)、アナボリックステロイド、ならびにニコチンが挙げられるが、これらに限定されない薬物もしくは医薬組成物が体内に導入され得る。薬物及び医薬組成物の代謝産物もまた、分析物として企図され得る。例えば、アスコルビン酸、尿酸、ドーパミン、ノルアドレナリン、3-メトキシチラミン(3MT)、3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、ホモバニリン酸(HVA)、5-ヒドロキシトリプタミン(5HT)、及び5-ヒドロキシインドール酢酸(FHIAA)など、体内で生成される神経化学物質及び他の化学物質などの分析物が分析され得る。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語「校正」は概して、限定するものではないが、リアルタイムで参照データを使用するかまたはしないかにかかわらず、センサデータと、対応する参照データとの間の関係を判定するプロセスに関し、これは、センサデータを参照データと実質的に同等の意味のある値に変換するために使用され得る。いくつかの実施形態において、すなわち、連続分析物センサにおいて、校正は、例えば、感度、ベースライン、輸送、代謝などの変化に起因して、センサデータと参照データとの間の関係に変化が生じるに従い、(工場で、リアルタイムで、及び/または遡及的に)経時的に更新または再校正され得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、用語「校正されたデータ」及び「校正されたデータストリーム」は概して、限定するものではないが、ユーザに意味のある値を提供するために、機能、例えば、変換機能を使用して未加工状態(例えば、デジタルまたはアナログ)から別の状態に変換されたデータに関する。
【0052】
本明細書で使用される場合、用語「アルゴリズム」は概して、限定するものではないが、例えば、コンピュータ処理を使用することによる、情報のある状態から別の状態への変換に関与する計算プロセス(例えば、プログラム)に関する。本明細書に記載される実装形態において、アルゴリズムは、センサ、コンピュータアプリケーション、またはユーザ入力から入力をとり、これらをユーザにユーザインターフェース上でまたは他のデバイスにレンダリングされる出力へと変換する決定支援アプリケーション/機能を実行し得る。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「センサ」は概して、限定するものではないが、分析物を定量化することができるデバイスの構成要素または領域に関する。
【0054】
用語「グルコースセンサ」は概して、限定するものではないが、グルコースを定量化することができる任意の機構(例えば、酵素または非酵素機構)に関する。例えば、いくつかの実施形態は、以下の化学反応によって例示される、酸素及びグルコースの過酸化水素及びグルコネートへの変換を触媒するグルコース酸化酵素を含有する膜を利用する。
グルコース+O2→グルコネート+H2O2
【0055】
代謝される各グルコース分子に対して、共反応物O2及び生成物H2O2の比例した変化があるため、電極を使用して、共反応物または生成物のいずれかの電流変化を監視して、グルコース濃度を決定することができる。
【0056】
本明細書で使用される場合、用語「操作可能に接続されている」及び「操作可能に連結されている」は概して、限定するものではないが、構成要素間で信号の伝送を可能にする様式で、1つ以上の構成要素が別の構成要素(複数可)に連結されていることに関する。例えば、1つ以上の電極を使用して、試料中のグルコースの量を検出し、その情報を信号、例えば、電気信号または電磁信号に変換してもよく、次いでこの信号を、電子回路に伝送してもよい。この場合、電極は、電子回路に「操作可能に連結」されている。これらの用語は、無線接続を含むのに十分広義である。
【0057】
本明細書で使用される場合、用語「変動」は概して、限定するものではないが、ある点、線、またはデータセットからの逸脱または変化量に関する。一実施形態において、推定分析物値は、例えば、既知の生理学的パターンに基づく可能性の範囲を表す、推定分析物値以外の値の範囲を含む変動を有し得る。
【0058】
本明細書で使用される場合、用語「生理学的パラメータ」及び「生理学的境界」は概して、限定するものではないが、ヒト及び/または動物における生理学的データの継続的研究から得られるパラメータに関する。例えば、ヒトにおける約4~5mg/dL/分のグルコースの最大持続変化速度及び約0.1~0.2mg/dL/分2の変化速度の最大加速度は、生理学的に可能性のある限度と見なされ、これらの限度外の値は、非生理学的と見なされる。別の例として、グルコースの変化速度は、患者治療において最大リスクの領域である毎日のグルコース範囲の最大値及び最小値において最低であり、したがって、生理学的に可能な変化速度は、グルコースデータの継続的な研究に基づく極大値及び最小値に設定され得る。さらなる例として、ある特定の期間(例えば、約20~30分間)にわたるグルコース信号データストリームに沿った任意の点における曲線の形状に対する最善の解は、直線であることが認められており、これは、生理学的限度を設定するために使用され得る。これらの用語は、いかなる分析物に関する生理学的とパラメータも含むのに十分広義である。
【0059】
本明細書で使用される場合、用語「測定された分析物値」は概して、限定するものではないが、分析物データが分析物センサによって測定された期間の分析物値または分析物値のセットに関する。この用語は、センサ及び/または受信機におけるデータ処理(例えば、データ平滑化、校正など)の前または後の分析物センサからのデータを含むのに十分広義である。
【0060】
本明細書で使用される場合、用語「推定分析物値」は概して、限定するものではないが、測定された分析物値からアルゴリズムで外挿した分析物値または分析物値のセットに関する。
【0061】
本明細書で用いられるように、以下の略語が適用される。Eq及びEqs(当量)、mEq(ミリ当量)、M(モル)、mM(ミリモル)、μM(マイクロモル)、N(規定)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、μmol(マイクロモル)、nmol(ナノモル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、Kg(キログラム)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、dL(デシリットル)、μL(マイクロリットル)、cm(センチメートル)、mm(ミリメートル)、μm(マイクロメートル)、nm(ナノメートル)、h及びhr(時間)、min(分)、ならびにsec.(秒)、℃(摂氏)。
【0062】
本明細書で使用される場合、語句「連続グルコースセンサ」は概して、限定するものではないが、例えば、秒の小数点以下から、例えば、最大1、2、または5分以上の範囲の時間間隔で、体液(例えば、血液、血漿、間質液など)のグルコース濃度を連続的または継続的に測定するデバイスに関する。
【0063】
本明細書において使用される場合、語句「連続グルコース感知」または「連続グルコース監視」は概して、限定するものではないが、宿主の体液(例えば、血液、血清、血漿、細胞外液、涙など)のグルコース濃度の監視を、例えば、最大1、2、または5分以上の範囲の時間間隔で、連続的または継続的に行う期間を指す。例示的な一実施形態では、宿主の細胞外液のグルコース濃度を、1、2、5、10、20、30、40、50、または60秒ごとに測定する。
【0064】
本明細書において使用される場合、用語「実質的に」は概して、限定するものではないが、50パーセント超の量、60パーセント超の量、70パーセント超の量、80パーセント超の量、90パーセント以上の量を含み得る、明示された、大部分ではあるが必ずしも完全にではないことに関する。
【0065】
本明細書において使用される場合、用語「プロセッサ」及び「プロセッサモジュール」は概して、限定するものではないが、コンピュータを駆動させる基本命令に対応し、かつ該命令を処理する論理回路を使用して、算術演算または論理演算を行うように設計されたコンピュータシステム、状態機械、プロセッサなどに関する。いくつかの実施形態では、該用語は、関連するROM及び/またはRAMを含み得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、用語「意思決定支援アプリケーション」及び「意思決定支援アプリケーション/機能」は概して、限定するものではないが、センサデータ及び/または他のデータ、例えば、ユーザ入力データ、派生データ、または他のアプリケーションまたはセンサからのデータを使用して、ディスプレイ上にユーザプロンプト及び/または機械デバイスへの命令を提供するアルゴリズムに関する。
【0067】
本明細書で使用される場合、用語「別個の」は概して、限定するものではないが、独立しており、他方に依存しないパラメータ及び/または変数に関する。逆に、本明細書で使用される場合、変数またはパラメータに関する、用語「関連する」は概して、限定するものではないが、何らかの点で互いに依存し、互いから導出可能なパラメータ及び/または変数に関する。例えば、センサ信号時間導関数は、センサ信号に関連する一方で、ユーザの性別及び現在の分析物濃度は、別個と見なされる。しかしながら、意思決定支援アプリケーション/機能で使用される複数のパラメータは、単一の行為または事象に関連し得る(例えば、該パラメータは、運動のタイミング及び持続時間に関係し得る)ことにここで留意されたい。用語「独立した」は、「別個の」と同じように使用され、同様に「依存した」は、「関連した」と同じように使用されるが、「独立した」は、機能において使用される変数のことも指す場合があり、その依存性は、基礎となる独立した変数に基づく。
【0068】
本明細書で使用される場合、用語「インスリン感受性」は概して、限定するものではないが、ある特定の量のグルコースを蓄積するためにどれだけの量のインスリンが生成される必要があるかの間の関係に関する。これは、誰もが有する生理学的尺度であり、糖尿病に限定されない。生理学的尺度は、人の一日を通して変化し、例えば、ホルモン、活動、及び食事によって左右され得る。生理学的尺度は、人の人生を通してさらに変化し得、例えば、病気、体重、肥満などによって左右され得る。これは、全体的な尺度、例えば、重量、血圧、心拍数などである。インスリン感受性には、健康的な範囲、及び不健康的な範囲がある。糖尿病管理において、ユーザは、ボーラス投与に関して意思決定をする時、一般にインスリン感受性因子(ISF)を知っている必要がある。用語「ISF」は時折、「補正因子」(CF)と互換的に使用される。例えば、ユーザが行う必要があり得る典型的な計算は、例えば、「私の血糖が100mg/dL高すぎる場合、その高い血糖を正して、血糖を100mg/dL下げるために、インスリンを何単位摂取する必要があるだろうか?」というものであり得る。 多くのユーザは、1:50のデフォルトCFを使用し、これは、インスリン1単位が、血糖を50mg/dL減少させることを意味する。インスリン感受性の判定、ならびに他の種類の感受性の判定は、以下でより詳細に考察されるが、インスリン感受性の知識は、例えば、CGMからのデータ、活動モニタ、及びインスリンポンプデータのリアルタイム分析、ならびにそれらのセンサの遡及的分析からのデータと、例えば、電子健康記録からのデータと、に基づき得ることにここで留意されたい。インスリン感受性またはISFに関連し得る他の因子としては、時間、疼痛、及び/または運動の相関;心拍変動性、一回拍出量、代謝問題に関連する他の心臓血管の健康;インスリン分配能力;体温;インスリン感受性尺度、プロファイル、ピーク、ピーク間の時間に基づくインスリンの種類;気圧(つまり、「航空機モード」が入力であり得る);患者またはユーザに最も影響を与えるあらゆる活動などが挙げられ得る。
【0069】
本明細書において使用される場合、用語「インスリン抵抗性」は概して、限定するものではないが、人体中の細胞が、細胞が血流からグルコース、または他の代謝産物を運び入れる正常なプロセスのために、インスリンを適切に使用することができない医学的状態に関する。インスリン抵抗性は、インスリン感受性を減少させる。全ての人がインスリン感受性を有するが、ある特定の人のみ、インスリン抵抗性の保有を患う。
【0070】
用語「ライフスタイル因子」は概して、限定するものではないが、一般的に生理学的センサで直接測定されていないが疾患管理に関連する定量的または定性的(ただし、何らかの形で定量的に変換可能)パラメータを指す。いくつかの場合において、「ライフスタイル因子」は、重要ではないが、本原理に従うシステム及び方法が療法プロンプトをユーザに提供するか、またはユーザへの療法プロンプトを変更もしくは変える際に判定または使用し得る傾向または繰り返し事象に関する。しかしながら、傾向情報は、必ずしもあるパターンに対応する必要はないが、一部のパターンは傾向情報を構成する。いくつかの実装形態では、ライフスタイル因子は、他の場所で考察される相関的パラメータと同一であってもよい。ライフスタイル因子(「ライフスタイル状況(lifestyle context)」とも呼ばれる)は、生理学的である特定の量、例えば、インスリン感受性に関し得るが、睡眠感受性、食事感受性、運動感受性などのより外部のパラメータに関連し得る。換言すれば、ライフスタイル因子は一般に、定量的に判定可能であるが、ほとんどの場合、センサによって直接測定されない。
【0071】
用語「状態」及び「状態モデル」は概して、限定するものではないが、例えば、意思決定支援またはスマート警告の目的のために患者をモデル化するのに有用なデータ構造を指す。一般に、患者の状態モデルは、様々なライフスタイル因子及び臨床因子に依存する複数の状態のうちの1つを満たすことを想定している。特定の例として、患者の状態は、現在のインスリン感受性プロファイルに対応し得る。次に、ユーザに治療的意思決定を支援するための療法プロンプトを提供するために、複数の状態または状態モデルが、例えば、時間、カレンダー、CGMグルコース値、変化の速度などのリアルタイム入力と組み合わせて用いられてもよい。一実装形態では、いくつかの糖尿病意思決定状態は、1つ以上の強く相関するパラメータによって定義され、これらのパラメータは、ライフスタイルパラメータであり得、ユーザインターフェースを通してユーザによって選択されてもよいか、または機械学習及び/もしくはクラウド分析によって経時的に学習されてもよい。
【0072】
用語「注意に値する糖尿病状態」は概して、措置を講じることが望ましい糖尿病ユーザの生物学的状態を指す。例えば、低血糖症または高血糖症の状態は、注意に値する糖尿病状態である。そのような状態が差し迫っているか、または起こる可能性が高いが、まだ起こっていない場合、このユーザもまた、注意に値する糖尿病状態にあると見なされる。注意に値する糖尿病状態は、その緊急性は様々であり得るが、概して、措置が推定可能または決定可能であり、ユーザにとって有益であり、概して正常血糖の状態の方に、またはグルコース値の標的範囲、例えば、正常血糖に対応する標的範囲の中心の方にユーザを導く、ユーザの状態を指す。
【0073】
本明細書に開示される例示的な実施形態は、グルコース、または別の分析物の濃度もしくは存在を示す物質を測定するグルコースセンサの使用に関する。いくつかの実施形態では、グルコースセンサは、連続デバイス、例えば皮下、経皮(transdermal)、経皮(transcutaneous,)、非侵襲性、眼内、かつ/または血管内(例えば、静脈内)デバイスである。いくつかの実施形態において、該デバイスは、複数の断続的血液試料を分析し得る。これらのグルコースセンサは、酵素、化学、物理、電気化学、光学、光化学、蛍光系、分光光度法、分光法(例えば、光学吸収分光法、ラマン分光法など)、偏光、熱量、イオン導入、放射などを含むグルコース測定の任意の方法を使用し得る。
【0074】
グルコースセンサは、侵襲性、低侵襲性、及び非侵襲性検知技法を含む任意の既知の検出方法を使用して、宿主内の分析物の濃度を示すデータストリームを提供し得る。データストリームは、典型的には、該センサを使用している場合がある患者またはヘルスケアの専門家(HCP、例えば、医者、医師、看護師、介護士)などのユーザに、分析物の有用な値を提供するために使用される未加工データ信号である。
【0075】
かなりの説明及び例は、宿主におけるグルコースセンサの濃度を測定することができるグルコースセンサに対して描かれているが、実施形態のシステム及び方法は、任意の測定可能な分析物に適用され得る。以下に記載されるいくつかの例示的な実施形態は、埋込み可能なグルコースセンサを利用する。しかしながら、本明細書に記載されるデバイス及び方法は、分析物の濃度を検出し、該分析物の濃度を表す出力信号を提供することができる任意のデバイスに適用できることを理解されたい。
【0076】
いくつかの実施形態において、分析物センサは、米国特許第6,001,067号及び米国特許出願公開第2011/0027127号を参照して記載されるセンサなどの、埋め込み可能なグルコースセンサである。いくつかの実施形態において、分析物センサは、米国特許出願公開第2006/0020187-A1号を参照して記載されるセンサなどの、経皮グルコースセンサである。さらに他の実施形態において、分析物センサは、米国特許出願公開第2009/0137887-A1号を参照して記載されるセンサなどの、二重電極分析物センサである。さらに他の実施形態では、該センサは、米国特許出願公開第2007/0027385-A1号に記載されるセンサなどの、宿主血管中、または体外に埋め込まれるように構成される。これらの特許及び参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
以下の説明及び例は、図面を参照して本実施形態を説明する。図面中、参照番号は、本実施形態の要素を表示する。これらの参照番号は、対応する図面特徴の考察に関連して以下で複製される。
【0078】
本原理に従うシステム及び方法は、分析物監視システム、具体的には、連続グルコース監視システム内に「スマート警告」を組み込む手法を提供する。一実装形態では、スマート警告は、概して、CGMアプリケーションと並行して実行する、スマート警告自体のアプリケーションまたはアルゴリズムによって提供され得る。別の実装形態では、スマート警告は、既存のアプリケーション、例えば、CGMアプリケーションに付加された付加的プログラム/命令によって実装され得る。この理由から本明細書では、スマート警告は、概して、スマート警告アプリケーション/機能と称される。
【0079】
ある特定の例示的な態様が、
図1に示される。この図では、患者102がセンサ10を装着し、該センサがセンサ電子機器12を使用して測定値を送信するシステム50が例示される。センサ電子機器は、スマートデバイス18、例えば、スマートフォン及び/もしくはスマートウォッチに、専用受信機16に、または他のデバイス、例えば、ラップトップ、インスリン送達デバイス、もしくは他のコンピューティング環境に、分析物測定値に対応するデータを送信し得る。現在測定されたデータ、履歴データ、分析などが、サーバ115及び/またはフォロワデバイス114’に送信され得る。そのようなデータは、医療専門家(HCP)デバイス117にも送信されてもよい。センサ自体及びセンサ電子機器のより詳細な態様は、
図45及び46に関して以下に記載される。
【0080】
図2のフローチャート101を参照すると、分析物監視システム内、例えば、連続グルコースモニタ内のスマート警告機能を有効にするための本原理の実装形態に従う方法が、見られる。第1のステップは、ユーザが注意に値する糖尿病状態にあるかどうかに関する判定である(ステップ13)。このステップは、糖尿病状態が注意に値しない場合、概して、スマート警告が与えられないほとんどの実装形態で行われる(ステップ11)。しかしながら、述べたように、ユーザが注意に値する糖尿病状態にある場合であっても、警告が必ずしも与えられるとは限らない。
【0081】
具体的には、推定または予測は、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いているかどうかに関して、過去の日付及び/またはリアルタイムデータであり得、センサ及び/または他の測定デバイスからのデータであり得る様々なデータを使用して本システムによって作成される(ステップ17)。推定または予測の結果が、ユーザが認識的に気付いているという結果である場合、重ねて、警告しないと判定される(ステップ11)。しかしながら、推定または予測の結果が、ユーザが認識的に気付いていないという結果の場合、スマート警告は提供され得る(ステップ19)。
【0082】
概して、推定または予測は、自動様式で行われ、記憶されたデータ、または受信または決定されたデータに基づく。様々な種類の入力データが以下に記載されるが、そのようなデータがパターンのシグネチャを有するデータ(ユーザがそのパターンを以前に何度も経験したことがある場合、ユーザは認識的に気付いていると推測され得る)、挙動データ、履歴データ(いくつかの実装形態では遡及的分析の使用を含む)などに関連し得ることに、ここで留意されたい。推定または予測の結果は、バイナリのはい/いいえであり得るが、多くの他の場合において、例えば、ユーザが認識的に気付いている可能性のパーセンテージでの、定量推定または予測のようなものになる。当然ながら、これは、このパーセンテージと単一の閾値とを比較することにより、はい/いいえの応答に変換され得る。しかしながら、様々な他の場合において、特に複数の閾値が関与する場合、可能性のパーセンテージの値に応じて、複数かつ異なる応答が生じ得る。
【0083】
他の代替的な実装形態は、ユーザ入力の使用を含み得る。例えば、スライダバーを使用することによって、ラジオボタンの選択を選ぶことによって、または他のユーザインターフェース機構によって、ユーザは、スマート警告機能の動作に影響を与えることができる。ユーザはまた、リマインダー及び警告に対してユーザが望むものに応じて、機能の感度にも影響を与えることができる。ユーザは、警告/事象の1つ以上のカテゴリーが発生したら、何の情報を見直したいかを選択することによって、リマインダーの内容にさらに影響を与えることができる。したがって、好適な選択を介して、ユーザは、スマート警告の動作、タイミング、及び表示に影響を与えることができる。
【0084】
上述の機能の詳細が、ここで記載される。
【0085】
図3を参照すると、スマート警告機能は、スマートデバイス18で一次分析物監視アプリケーション、例えば、一次CGMアプリケーションと並行して実行する二次アプリケーション25として動作し得るか、または該機能は、スマートデバイス18で実行するCGMアプリ(もしくは別のアプリ)内の機能として提供され得る。いずれの場合でも、他の機能は、そのような二次アプリケーションまたは機能の一部として実行され得る。一次監視アプリケーションと並行して実行する二次アプリケーションとして実行すると、付加的または後続の更新機能が、主CGMアプリケーションの機能に影響を与えることなく試験され得る。概して、より少ない警告が通常必要とされるため、スマート警告機能は、監視アプリケーションの動作に、より低い計算コスト、電池電力の節約等の技術改善をもたらす。加えて、デバイス自体が、以前のシステムが有しなかったデータ、例えば、ユーザが自身の糖尿病状態に認識的に気付いているかについてのデータに関連する技術機能を備える。
【0086】
次に
図4のチャート200を参照して、ステップ17、つまり、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いているかどうかを判定するために、システムが機械学習、ならびに保管されたデータ及び/またはリアルタイムデータを利用することに関してさらなる詳細が提供される。上述のように、いくつかの実装形態において、このステップは、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いているかを予測または推定するための機械またはシステム学習の構成と表現される可能性がある(ステップ22)。つまり、該システムは、ユーザの認識的気付きに関する予測または推定を提供するために、機械学習で使用されるが、何らかの形で他のデータと比較される、例えば、閾値と比較されるデータをリアルタイムで取得または判定するのにも使用されるメトリクスを決定し、次いで、このメトリクスは、スマート警告を提供するための判定で用いられる。
【0087】
そのような糖尿病状態のユーザの認識的気付きの予測または推定を可能にするそのようなメトリクスをシステムが決定することができる一手法は、糖尿病状態、または言い換えれば、経験した生理学的グルコース反応が、以前に見られ、かつ/またはユーザが経験したデータの特徴を示すかどうかについて、データを判定することによってである(ステップ24)。機械学習が、そのユーザにとっての典型的なデータであるデータを学習した場合、かつ得られたか、または決定されたメトリクスが、現在のリアルタイムデータがそのような典型的なデータに類似していると示した場合、多くの場合、システムの判定は、ユーザが既に認識的に気付いている、すなわち、推定または予測の結果が、ユーザは注意に値する糖尿病状態に気付いている可能性が高いという判定であり得るため、警告を与える必要はない。データのそのような類似性は、リアルタイムの現在グルコーストレースが、以前に判定された特性シグネチャ、例えば、持続時間、上昇時間、幅、FWHMなどと類似している特徴的なシグネチャを有するかどうかの判定を含むいくつかの手法で判定され得る。逆に、生理学的反応がそのユーザにとって異常的である場合、ユーザがそのような認識的気付きを有する定量的可能性は対応して減少し、この場合、スマート警告は、減少した定量的可能性のデータに基づいて生成され得、スマート警告は、注意に値する糖尿病状態の表示の、画面またはディスプレイ上へのレンダリングをもたらし、ここで、そのようなレンダリングはそのような画面またはディスプレイ上に描写されたユーザインターフェースを変えることをもたらすことを理解されたい。例えば、生理学的反応には、時間に対する一連の測定されたグルコース値が含まれ得る。一連の測定されたグルコース値が、例えば、同じまたは同様の期間にわたる遭遇した以前の一連の測定されたグルコース値と類似している、例えば、定量化された類似性が、所定の閾値基準よりも大きい場合、そのような類似性は、ユーザがそれらの注意に値する糖尿病状態を認識している可能性を上昇させる。
【0088】
特定の実装形態において、生理学的反応がユーザの確立されたパターンの一部であるかどうかが判定され得る(ステップ26)。ここで、用語「パターン」は、例えば、グルコース監視において受信したデータにおいて特定された繰り返しデータ配列に、そのユーザに一般的に起こる「夜間低血糖」の発生を関連付けるために使用される。生理学的反応が、ユーザが以前に遭遇したことのあるパターンの一部である場合、重ねて、ユーザ認識の可能性の推定もしくは予測は高くあり得るか、またはより定量的かつ/もしくは粒状計算では、上昇または高められ得る。高める程度または上昇の程度は、ユーザが以前にそのパターンを経験した頻度または回数に少なくとも部分的に基づき得る。確立されたパターンの特定は、概して、時間に対する一連の測定されたグルコース値に関連する以下のステップを含み得る。特定には、2つ以上の期間にわたって受信されたデータにおける類似性を定量化することと、定量化された類似性が所定の閾値基準よりも大きい場合、確立されたパターンとしての類似性を特定することと、が含まれる。典型的な特定されたパターンとしては、夜間低血糖、食事後高血糖、食事後低血糖、ある時刻の高血糖、ある時刻の低血糖、週末対平日の高血糖/低血糖、事象後高血糖/低血糖、及び最良の日が挙げられ得る。これらの特定されたパターンが所与の患者に起こる範囲では、認識的に気付いている可能性が高いため、スマート警告機能は、患者に警告を与えないようにするように構成され得る。多くの場合、事象が生理学的反応前に起こり、そのような事象は検出され、例えば、2つ以上のデータ配列に現れた、データ配列の半分に現れた、データ配列の75%に現れたなど、検出されたパターンを構成する繰り返しデータ配列に共通し、かつ/またはこれらの配列の前に起こると特定され得ることにさらに留意されたい。この意味で、用語「共通」は、パターンを構成する2つ以上のデータ配列に現れることを指すのに使用され、概して必ずしもそのユーザに共通しているとは限らない。事象の出現率は、パターンを構成するデータ配列の少なくとも25%、50%、75%、90%、95%、99%などに現れるなど、所定のパーセント比を参照して測定され得る。警告が事象の発生に関して予測される範囲、及び警告が原因として事象の列挙を含む範囲において、スマート警告機能は、重ねて、ユーザがその事象に認識的に気付いていると推定または予測され得るため、特定の事象に対しては止めるか、または警告しないようにさらに構成されてもよい。
【0089】
特定の実装形態において、過去のシステムは、ユーザが範囲の外に出ると警告が鳴らされる前に、グルコース警告閾値を超えたことに基づく警告の発令を予測していたことに留意されたい。予測的アルゴリズムが、予測アルゴリズムを使用して予測されたデータを発展させるのに用いられており、次いでこのデータは、ユーザが範囲の外に出るとユーザに事前警鐘を与えるための閾値と比較される。しかしながら、両方の場合において、システムは、ある程度の現在または予想されるグルコースの規定外変動が起こるまで、警告の発令を知らせる。
【0090】
しかしながら、本原理に従うシステム及び方法において、過去のデータ及び運動または食事などの事象に対するグルコース反応に対応する現在のリアルタイムデータは、ユーザにとって典型的な反応を特定するために機械学習によって活用され得る。ユーザが典型的な反応を有している時、システムは、警告の発令を抑制してもよいか、またはシステムは、最初から警告を生成しない場合がある。
【0091】
しかしながら、システムまたは方法が、現在のグルコーストレースが以前のグルコースとレースと比較して典型的ではない、すなわち、ユーザが異常な反応を有していることを特定した場合、ユーザは、適切な措置を講じるように警告される。例えば、ユーザは、昼食時に、1時間以内に2mg/dL上昇し、160~220mg/dLの高血糖になる異常なグルコース反応を有すると判定され得る。スマート警告機能が、異常な反応、例えば、グルコーストレースが30分以内に3mg/dL上昇したか、または160mg/dLを越える範囲に達したこと示した場合、システムは、スマート警告を異常なトレースに基づかせ、画面上にスマート警告の表示をレンダリングさせるかまたは表示させて、ユーザが高グルコースである可能性が高いことを警告させ得る。重要なことに、そのような通知は、以前のシステムのようにグルコーストレースが閾値または予測されたグルコース値を超えたことだけに基づくのではなく、むしろ、グルコース反応が異常または変則である、つまりまさにこの昼食後にグルコースレベルが独特に高くなった可能性が高いということに基づく。このように、スマート警告機能は、独特、かつ以前のシステムとは非常に異なるやり方で動作する。
【0092】
この実装形態の特有の利益は、単に、ユーザのグルコースが範囲外にあること、またはもうすぐ範囲の外に出ることをユーザに通知しないことだけではなく、むしろ、ユーザに追加情報、すなわち該ユーザのグルコース反応が彼らにとって典型的ではないことを通知することである。すなわち、判定または取得されたデータに基づいて、特有かつカスタマイズされたスマート警告通知は、ディスプレイまたは画面上にレンダリングされたユーザインターフェース上に描写され、これまで表示されておらず、かつさらにこれまで計算すらされていなかった種類のデータを表示する。このような通知は、このより独特なシナリオを管理及び治療するための、以前のシステムの技術を使用していてはわからなかった追加の予防策をユーザがとることを可能にする。
【0093】
次に
図5のフローチャート250を参照すると、適切なサブルーチンまたはモジュールで実行され得、かつ監視アプリケーションと並行して動作することができるか、または監視アプリケーション内に機能を提供するスマート警告機能28は、様々な種類の入力データ30を受け入れ、入力データに応じて、該データに応答してスマート警告32を生成する。その際、スマート警告機能またはモジュールは、相対的連続評価を行い得る。つまり、一般にアプリケーションは、ユーザにより便利な警告をレンダリングするために、警告の提供を単に所定時間遅延させない。むしろ、アプリケーションは、データ入力30を連続的に評価し、そのデータに基づいて、または他のデータに基づいて、いつ警告を生成するか、または警告を生成するかどうかを判定する。例えば、本システム及び方法が、特定のユーザが通常食事の45分後に「昼食後の高血糖」(食後高血糖)から抜け出すことを学習している場合、高血糖を示す実際に認められたグルコーストレースがパターンまたは典型的なユーザの反応と一致する限り警告を生成しない。生理学的反応がパターンまたは典型的なユーザの反応と矛盾する場合、例えば、グルコースセンサからの測定及び校正されたグルコースデータトレースのデータが、典型的なグルコースデータトレースと実質的に異なる、例えば、所定の閾値を超えて異なり、したがって反応を異常なものにしている場合、このシステムは、ユーザが認識的に気付いていないと推定または予測し、スマート警告が生成され、表示が画面またはディスプレイ上にレンダリングされる。個別化またはパーソナライズされたユーザ情報/データは、特に、この情報/データが通常ユーザの認識的気付きの推定または予測のために使用可能なデータに変換されたら、通常、スマート警告を生成するかどうか(またはいつ生成するか)を判定する際に用いられ、続いて、認識的気付きの推定及び予測のデータが、警告のタイミング、警告を提供する手法、警告の内容、警告の形式などの決定のために使用され得る。一般に、スマート警告の生成、及び/または警告の内容もしくは他の特徴は、ユーザに対してパーソナライズされるか、または動的に適合もしくは調整される。
【0094】
個々の入力が以下に記載され、これらの入力には、信号によって測定されるに従い受信されるデータ、校正されたデータ、監視デバイス(専用のデバイス及びスマートフォン/ウォッチを含む)のユーザインターフェースからのデータ、例えば、キーストローク、タップ、対話の頻度、使用されるアプリなどのデータが含まれ得る。ここで、認識的気付きの推定または予測の機構、すなわち、スマート警告の機能がどのように行われるかは、通常、基準との比較(ステップ34)を含み得ることに留意されたい。例えば、基準には、既知のパターン及びグルコーストレースを含み得、例えば、生理学的反応が典型的であるかどうかの判定において、注意に値する糖尿病状態に対応する生理学的反応が、既知のパターン(基準)と比較され得る。例えば、形状、上昇傾斜/時間、持続時間、時刻、曜日などにおける類似性が評価される。
【0095】
入力
分析物濃度
様々なメトリクスが、そのようなスマート警告機能を動作させるための適切なアルゴリズムの構築に用いられてもよく、そのようなメトリクスは別個にまたは組み合わせて注意に値する糖尿病状態の認識的気付きの推定または予測を導出することを示す。場合によってはそのようなメトリクスは、推定データまたは予測データに変換され、他の場合においては、アルゴリズムは、推定または予測データを導出するために使用される。そのようなメトリックスには、変化速度、グルコースレベル閾値までの時間(例えば、最初の20mg/dLがどれくらいの早さで変化するか)、残留インスリン量などが含まれる。スマート警告機能の一次ドライバは、リアルタイムの分析物濃度値、例えば、グルコースセンサによって測定されたグルコース値、及びセンサによって測定されたグルコース値から導出されたグルコース変化速度である。しかしながら、他の生理学的量も用いられ得る。場合によってはデータの受信/データの校正/データの表示が、単一の物理デバイスによって行われる一方で、他の場合においては、複数のデバイスが使用されてもよく、そのような場合、データは、必要に応じて、かつ適切なデータ送信プロトコルに従ってあるデバイスから別のデバイスに送信され得る。
【0096】
グルコースセンサデータから測定または導出された量以外に用いられ得る他の量は、本出願の譲受人によって所有され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2015年3月16日出願の米国特許出願公開第2015/0289821号、表題「GLYCEMIC URGENCY ASSESSMENT AND ALERTS INTERFACE」に記載される血糖緊急性指数である。
【0097】
ユーザ入力または挙動
本原理に従うシステムへのデータ入力によって収集されるユーザ入力または挙動も、認識的気付きの推定または予測で用いられ得る。例えば、ある特定のユーザ挙動が、注意に値する糖尿病状態のユーザの自己治療と一致するため、ユーザ挙動は、認識的気付きを示し得る。
【0098】
1つの特定の例では、そのユーザは最初の警告には反応するが、後続の警告には決して反応しないと学習するのに、ユーザインターフェースの使用に関するシステムデータと組み合わせた機械学習が用いられ得る。したがって、この実施例では、将来の警報が無視されることがわかっているため、最初の警報がよりはっきりとわかるようにされ得る。
【0099】
ユーザインターフェース使用データから判定されるユーザの「クリック」またはアイコンの「有効化」が、認識的気付きを判定するためにさらに用いられ得る。例えば、グルコーストレースデータが、ユーザが糖尿病状態に値する注意を入力したと示したが、ユーザがすぐにユーザの監視アプリケーションを確認、例えば、ボーラス投与量または救済炭水化物量(rescue carb amount)を計算し始めた場合、そのような活動は、そのユーザが自身の糖尿病状態に認識的に気付いていることを強く示し、すなわち、定量的推定または予測における認識的気付きの可能性をより高く上げる傾向がある。このような場合、スマート警告は、抑制または全く生成されない場合がある。
【0100】
同様に、ある特定の種類のデータの入力が、推定または予測アルゴリズムで使用され得る。例えば、ユーザが低血糖症の注意に値する糖尿病状態を有するが、ユーザが現在の食事データを入力した場合、ユーザ入力データは、低血糖症状態に認識的に気付いていること示し、したがって、スマート警告を抑制させるか、またはこの警告を生成させない。「間一髪の状況により近かった」一部の場合において、そのような計算は、そのユーザが低血糖を治療することを意図していたか、またはそのように意識せずに単に食べたかを判定するために、ユーザ入力データを炭水化物データに変換することを伴い得る。これは、高血糖症に対応してボーラス投与量データを入力することなどにも当てはまる。ボーラス投与量計算のための(ユーザによる)データの入力は、(ユーザによる)データの入力が、ユーザインターフェースのパラメータを設定、例えば、スライダバーの操作または調整をするため、ユーザの認識的気付きをさらに示し得る。パラメータ自体の値、例えば、低積極性、媒体積極性、高い積極性は、スマート警告機能への別々の入力としてそれら自体が使用され得る。したがって、これらの実装形態において、関連するデータには、(1)健康及び糖尿病管理に関するアプリケーションへのデータ入力と、それと共に(2)データ自体の値と、が含まれる。
【0101】
食事データの入力は、処理における他の変化を引き起こし得、これは、スマート警告の生成または抑制にさらに影響を与え得る。いくつかの実装形態では、これらの態様は、インスリン及び炭水化物の記録への誘因として機能する。例えば、ユーザが著しい量の炭水化物を記録した場合、監視アプリケーションは、警告閾値レベルを所定の持続時間、所定の量自動的に上昇させ得る(例えば、高血糖警告レベルを100mg/dL自動的に2時間上昇させ得る)。このようにして、このアプリケーションは、食後の食事スパイクに対する高血糖警告レベルの「感度を抑制する」。言い換えれば、注意に値する糖尿病状態の認識的気付きに基づく警告に基づかせる代わりに、この態様は、注意に値する糖尿病状態のシステム定義を修正する。実装形態において、警告レベルの増加量は、例えば、デフォルトレベルが100mg/dLで、25mg/dLの増加で0~200mg/dLに設定可能であり得る。レベル増加が0である場合、そのようなアプリケーションは、その機能を本質的にオフにする。持続期間は、例えば、デフォルトの期間が2時間で、15分刻みで30分~3時間に設定可能であり得る。感度抑制サブルーチンが開始する炭水化物の閾値レベルは異なり得るが、このレベルは、例えば、2つまたは3つの炭水化物単位であり得る。そのようなレベルは、通常、インスリン/炭水化物比に依存することを理解されたい。既知である場合、残留インスリン量及び残留炭水化物量などのパラメータは、感度抑制サブルーチンにおいて考慮され得る。そのような感度抑制サブチューブルーチンの利点は、何倍にもなり、それらの利点としては、1つの設定画面のみが追加されることと、デフォルト値が適用可能である場合、初期設定は必要ではないことと、が挙げられる。ユーザが、接続されたポンプを有し、インスリン/炭水化物比のデータがポンプのボーラス投与量計算機から適切な送信プロトコルを使用して通信される場合、設定は自動であり、追加的なデータ入力は必要ではない。システムまたは機械学習は、さらにこの機能の実装で有利に用いられ得、機械学習は、ユーザが典型的にいつ食事データを入力するか、に対していつ食事データが実際に消費されるか、例えば、炭水化物の消費後、炭水化物の消費前などを判定するために行われ得る。そのような記録は、潜在的な低血糖症状況を示すグルコースデータと組み合わせた時に分析され得、予想された食後の上昇で不必要に与えられ得るスマート警告の生成を抑制するために使用され得る。
【0102】
他の関連するデータには、ユーザが入力した内容データを含み得、これらのデータは、複数選択のラジオボタンなどから、またはそれらのボタンを使用して入力され得る。例えば、ユーザは、与えられた警告の有用性について直接コメントするように要求され得る。ユーザは、便利かつ容易に理解できるユーザインターフェースから選択されるボタンを押すことによって、警告の受信確認をするように促され得る。「有難う」または「消えてください」などボタンが、提供されてもよい。これらのような対応によって、ユーザが早急に警告の受信確認をすることができ得、さらに、スマート警告機能における将来の計算に極めて有用なデータに変換され得る。例えば、警告が食事から2時間後に提供されたが、ユーザが役に立つものではなかったと指摘した場合、次の反復は、ユーザに食事の2.5時間後(かつ他の警告基準が満たされた場合)に警告し得る。別の例として、警告が役に立たないと明示的に指摘された場合、警告は繰り返されない(すなわち、将来のスマート警告判定のための基準を定義する)。警告が無視された場合、糖尿病状態にユーザが気付いていることを示すために他のデータが使用され得る場合には、警告は意図的に無視されたと判定され得、警告は繰り返されない場合がある。無視が意図的なものであったかどうかが明らかでない場合、警告は繰り返され得る。本システム及び方法はまた、目的のある無視、またはユーザが「無視」ボタンを有効化することによるかのいずれかから、機械学習に基づいてデータを判定することもできる。例えば、本システム及び方法は、対応がないか、または「無視」ボタンの有効化がない場合、180mg/dLで(かつ上昇している時に)ユーザに複数回警告し得る。このような状況において、スマート警告機能を用いる監視アプリは、ユーザがこのレベルの警告を望まないかどうか、例えば、ユーザが同様の状況で再度警告を受けることを望まないかどうかをユーザに尋ねてもよい。次に、そのようなデータは、そのようなスマート警告がどのように出力されるかに変化を引き起こし得、すなわち、ユーザに追加の調整またはパーソナライゼーションをもたらす。換言すれば、そのようなデータは次に、ユーザインターフェースの対話により決定される)ユーザとの対話データまたは他の非生理的データ及び生理学的データを考慮に入れる計算を適用することによって、スマート警告の生成を最適化するアルゴリズムに用いられ得る。そのようなアルゴリズムは、スマートフォン型デバイス及び他のデバイス、例えば、スマートウォッチで動作し得る。
【0103】
例えば、ユーザが、自身のグルコース値に影響し得る事象を今まさに行おうとしているか、またはその事象に参加しようとしている場合、他の関連するユーザ入力データには、事象データが含まれ得る。例えば、ユーザが、自身のグルコースが自身の正常範囲外に出ることをわかっている運動、例えば、長時間のトレーニングを今まさにしようとしている場合、ユーザは、モニタ上で設定を有効化することができる(例えば、自身のスマートフォン上のボタンをクリックして、特別な「トレーニング」警告スケジュールを有効化することができる)。そのようなトレーニング警告スケジュールは、その事象の持続時間、異なる警告値を提供し得る。特別な警告スケジュールを有し得る他のそのような事象としては、食事、睡眠などが挙げられ得る。
【0104】
ユーザからのフィードバックに関するデータは、注意に値する糖尿病状態を解決している間、多様なタイミングで、例えば、事象の間、事象のかなり後などにユーザインターフェースから受信され得る。
【0105】
ユーザの対応を求めるプロンプトまたは他の質問が、ユーザの認識的気付きについて直接学習するか、またはユーザの認識的気付きを示す「印」について学習するために、多様なタイミングで提供されてもよい。より詳細には、特にデータ入力に関するプロンプトまたは他の求めが、特定の必要なデータ、すなわち、ユーザの認識を判定する上で特に有用であろうと判定される日付のあるものを収集するために提供されてもよい。そのようなデータは、ユーザ、またはユーザのグループ、例えば、ユーザのコホート、またはより大きな集団に特有であり得る。言い換えれば、機械学習を使用するシステムは、特に有用であると判定されるデータをシステムが受信するように、特定の種類のデータを入力するようにユーザに促してもよい。そのような受信データまたは送信データは、ユーザとの対話の存在だけでなく、ユーザとの対話の実際の内容及び値に関連する。
【0106】
直接入力されたユーザ情報の使用以外に、推測されたユーザ情報も、スマート警告機能で用いられ得る。例えば、ユーザの措置の欠如が使用され得る。例えば、ユーザが40mg/dLであり、1時間後にいかなる措置も行われていない場合、警告はより広範囲にわたり得る。この状況は、ユーザが危険なまたは望ましくない範囲内にある時間量を測定するように構成され、追加の入力としてユーザインターフェースからのキーストロークまたはタップデータを有するファームウェアまたはソフトウェアルーチンによって検出され得る。別の例として、ユーザが、高い対話の度合いで自身のディスプレイデバイスを確認し始めた場合、システムは、その時点でユーザが著しい量の対話及び情報を必要とするモードにあると学習し得るため、警告がより活発、対話的、または積極的になり得る。同様に、ユーザインターフェースからのデータを用いて、「正常」または「典型的な」量に対して、ユーザとの対話の「著しい」量とはどれくらいかを測定してもよい。例えば、正常な量または典型的な量は、経時的にユーザ入力データによって、例えば、1分または1時間当たりに開かれたかまたはタップされたアプリケーションの平均回数によって、決定されてもよい。その回数は、閾値の基準として用いられてもよく、さらに多くのそのようなタップが測定または検出されると、ユーザ「高対話」モードが定義され、使用され得る。言い換えれば、デバイスとユーザとの対話の増加は、ユーザが設定パラメータのスライダバーをより積極的な状態に移動させるのと同様の効果を有し得る。パラメータのそのような自動設定は、ユーザとの対話がユーザの認識的気付きをどの程度示すかに幾分左右され得る。ユーザとの対話は、例えば、ユーザが電子メールに対応しているか、またはビデオを観ている場合など、注意に値する糖尿病状態とは関係がない場合がある。したがって、ユーザとの対話は、例えば、CGM、ボーラス投与量計算などの分析物監視に関連する対話のみが考慮に入れられるという点において区別され得る。そのようなアプリケーションの無計画かつ慌ただしい対話は、ユーザの認識的気付き及び対話の所望を示し得る。いくつかの実装形態において、無計画かつ慌ただしい対話の測定は、例えば、デバイスが慌ただしい形で取り扱われている場合、加速度計データを考慮に入れ得る。この事例では、スマート警告が、生成されることになる。その一方で、ユーザが集中している対話、例えば、「許容される」または「普通」もしくは「典型的な」と見なされる範囲内での、例えば、特にそのユーザにとって普通のキーストロークまたはタップの頻度でのボーラス投与量計算の意図的かつ「典型的な」実施は、ユーザの認識的気付きを示し、したがって、スマート警告の生成をさせないことになる。加速度計信号変動の完全な欠如は、ユーザが倒れたかまたは意識を失ったことを示し得る。この場合、警告が受信確認されていないか、または動きの欠如が継続している場合、スマート警告機能は、フォロワまたはユーザに関連付けられた別の介護士に警告を送信するように構成されていてもよい。一般に、健康に関連するアプリケーションが実行するデバイスのユーザインターフェースからリアルタイムで判定可能または測定可能な任意のユーザとの対話は、特に、リアルタイムグルコースデータと組み合わせて使用される時、例えば、警告を与えるために、アプリケーションを使用してユーザインターフェースをいつ変えるか、かつ/または変えるかどうかを判定するのに使用され得、ユーザインターフェース上でユーザによってとられる挙動だけではなく、ユーザによってとられない挙動も、そのようなユーザの対話であると定義される。
【0107】
以前のまたは過去のユーザの反応(生理学的またはユーザインターフェースを通してのいずれか)は、例えば、ユーザの「行ったり来たり」の反応を取り除くかまたは低減するために、将来のスマート警告機能の発展、生成、または改善のために用いられ得る。より詳細には、そのような以前のまたは過去のユーザの反応は、典型的には、なんからの形のデータファイルに取り入れられ、そのような記憶されたデータの読み出し、例えば、送信及び分析は、過去にどのスマート警告が望ましい生理学的反応をもたらしたか(及び反対に、過去にどの種類のスマート警告が、望ましくない生理学的反応をもたらしたか)を判定するために、スマート警告機能を生成し、改善するために用いられ得る。そのような分析には、望ましい反応及び望ましくない反応の特性を決定するためのグルコーストレースデータ(及び必要に応じて付随する事象データ)の分析と、次いで、現在の注意に値する糖尿病状態の存在を判定するための現在の生理学的データの分析と、が含まれ得る。スマート警告が生成に適切であると判定された場合、スマート警告機能は、過去に望ましい生理学的反応をもたらした種類のスマート警告を選択させ得る。
【0108】
パターンの検出及び使用
グルコースにおけるパターンは、患者が自身の糖尿病管理及び医師がどのように自身の患者を管理するかを理解及び助けるのに有用であり得る。ユーザによる注意を必要とするか、または注意が必要な領域を強調するパターンの判定のための努力が行われてきた。
【0109】
2015年10月2日出願の米国特許出願第14/874,188号、表題「SYSTEM AND METHODS FOR DATA ANALYTICS AND VISUALIZATION」及び、2012年8月3日出願の米国特許出願公開第2013/0035575号、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR DETECTING GLUCOSE LEVEL DATA PATTERNS」は両方共、本出願の譲受人によって所有され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0110】
上述のように、ユーザがある特定の生理学的反応のパターンを有する場合、そのような生理学的反応が再び起こったら、ユーザがそのパターンを認識し、適切な措置を講じると推測され得るため、パターンデータは、糖尿病状態のユーザの認識の判定で用いられ得る。換言すれば、ユーザは、前に経験したパターンを認識し、ユーザの認識的気付きの推定または予測を上昇させると推測され得る。ささらに上述のように、パターンの再発は、以前のデータ、特に、パターンとして特定された(ただし、必ずしもパターンである必要はない)データを記憶及び分析し、これらのデータを現在測定されている(発生している)グルコーストレースと比較して、現在発生しているグルコーストレースが、以前特定されたトレースに類似した曲線またはシグネチャ特性を有するかどうかを判定することによって判定され得る。
【0111】
そのようなパターンを判定するか、またはパターンとは違うグルコース事象の発生を検出する一手法は、特定の特性によって定義されたある特定の事象を「ビン化」することによってである。つまり、ある特定の糖尿病の課題、例えば、リバウンド低血糖症を示す所定の基準を満たしたグルコーストレースの部分が検出されてもよく、次いで、そのパターンが、適宜「ビン化」されたこれらの事象の中にあるか探してもよい(またはそのようなビン化されたパターンの中にはないと判定されてもよい)。
【0112】
より詳細に、かつ
図6のフローチャート300を参照すると、グルコースセンサデータにおける「シグネチャ」または「フィンガープリント」は、いくつかの所定の基準に基づいて個々の患者内で特定または区別され得る(ステップ36)。そのような基準には、時間ベースの基準が含まれ得、かつ/または特定の制約内の検出された特定の出来事が含まれる。本システムにおいて、本原理に従って、ビンは異なる基準により区別され得る。より多くのビンが個々の特定のパターンに対して学習されることを可能にする監視された学習アルゴリズムが用いられ得る。例えば、ビンは、インスリンデータ、グルコースデータの変化速度(またはその加速度/減速)、以前特定され、データを特徴付けるのに使用されたデータのパターン、例えば、少量の食事の前に起こる事象、個体のグルコース情報に対する該個体の対応性などに基づき得る。
【0113】
次のステップは、例えば、減衰曲線または波形シグネチャなどに基づいて出来事を特徴付けるステップである(ステップ38)。例示的な出来事には、例えば、インスリンデータに基づく食事ボーラス投与インジケータが含まれ得、これは、小、中、及び大の食事ビンへと分類され得る。そのような出来事は、インスリンデータと相関し得る。異なる食事の種類も、特徴付けられ得、次いでこれは、異なる食事構成へとサブビン化され得る。これらは、加速/減速の変化速度と相関し得る。出来事はまた、出来事と食事前の事象との相関性を基準としても特徴付けられ得、そのような事象は、上述のデータのパターンに対応する。出来事は、挙動パターン、例えば、ユーザがどれくらいの頻度で自身のグルコースデータを見直すか、または警報に対応するか、にさらに基づき得、そのような出来事は、上述の対応性データと相関し得る。他のビンも用いられ得ることが理解されるであろう。したがって、出来事についてのデータだけではなく、ユーザの対応データもパターン化され得、そのような出来事及び/またはユーザの対応が再び起こった時、ユーザの認識的気付きを推定または予測するためのアルゴリズムで有用なデータをさらに提供し得る。
【0114】
次いで、特徴付けられた出来事が、ビンの中に入れられ得る(ステップ40)。次に、出来事ごとに同期することによって、特定の患者の生理機能に関してビンが調整され得る。次いで、ビンを正規化、すなわち、ビン内の出来事の正規分布が定義され得る(ステップ42)。
【0115】
次に、正規化されたビン情報が、例えば、ユーザ認識の推定または予測において、スマート警告機能へのデータ入力として積極的に使用され得る(ステップ44)。ビン化技術を用いて、挙動入力に基づいて、患者がいつ自身のデータに注意を払うかを判定してもよく、次いでこれは、ユーザの認識的気付きの推論、推定、または予測を可能にし得る。
【0116】
そのようなビン化技法の別の用途は、不良または失敗した警告シグネチャ、すなわち患者が無視した糖尿病状態及び警告の種類を表す警告シグネチャから(ステップ45)、良好なまたは成功した警告シグネチャ、例えば、患者がうまく反応した糖尿病状態及び警告種類を表す警告シグネチャを特定することである(ステップ43)。次に、スマート警告は、この情報に基づいて提供され得、すなわち、スマート警告は、良好な警告シグネチャとの比較により、いつ及びどのように警告するかを判定し得る(その糖尿病状態が、(グルコーストレースにおいて)良好な警告シグネチャの所定の近傍内にある場合、これが、スマート警告のトリガをもたらし得る)。この場合、良好な警告シグネチャの使用は、ユーザの認識的気付きの推定または予測に依存しないが、該シグネチャは、そのような推定または予測と組み合わせて使用されてもよい。
【0117】
パターンは、CGMの着用にわたって条件または事象が繰り返し発生していること認識することによっても、特定され得る。これらの繰り返しの発生を見つけ出すために、アルゴリズムは、各エポック(epoch)(日、週、または月)の、例えば、緩衝記憶装置またはデータファイル内に記憶されたCGMデータを同期させ、時間の関数としてのCGM値の平均または分布を計算してもよい。同期は、例えば、夜間低血糖または、早朝もしくは午後の高血糖/低血糖を探すために、絶対時間までに行われてもよい。このアプローチの1つの問題は、ユーザが必ずしも同じ時間に食べないか、または同じ時間にインスリンを摂取せず、したがって、パターンが明白にはっきりとわからない場合がある。したがって、本原理に従うシステム及び方法において、食品摂取またはインスリン投与の時間に対応するパターンが特定され得る。そのようなパターンは、上述の技法を使用して特定され得る。例えば、朝の所定の持続時間内のグルコースの突然の変化は、「朝食」と特定され得る。スマートフォン及びポンプと監視アプリケーション間のデータ通信を使用することによって、ポンプからの食事ボーラス投与前の通信に対応するデータが、スマートフォンなどの監視デバイスに送信され、食品摂取のインジケータとして使用されてもよい。他のそのようなインジケータとしては、例えば、行きつけのレストランで起こり得る、食物摂取に関するグルコースのありそうな変化を判定するGPSアプリからのデータ、CGMへの運動に関連する影響に関する加速度計データよって判定される運動の変化などが挙げられる。このように、パターンは、「時間的近接」において食事もしくは夜間に最も近い反応、または「地理的近接」、例えば、ユーザが自宅または食品原からどれくらい離れているかにおいて、最も近い反応にについて(機械)学習され得る。
【0118】
同期の特定の時間が選択されると、これらのエポックスの各々におけるCGMトレースに対応するデータは、互いにの上に重ね合わせられて、統計を生成することができる。例えば、トレースの平均は、ランダムな発生と本当の影響とを区別するために用いられ得る。反復している患者の生理機能に起因するあらゆる真のグルコースの影響は、恐らく強調され、他のランダムな影響は、恐らく削除されるかまたは平均される。
【0119】
経時的なCGMの分布に対応するデータは、同期事象の後の最も可能性の高いグルコース値、ならびに関連する最小値及び最大値を提供する。したがって、これらを用いて同期事象による、ある個体における典型的なグルコース変動を作成することができる。例えば、グルコースが昼食での食物摂取に基づいて同期された場合、昼食後のグルコース変化は、その個体に典型的な変化をとらえる。既定の閾値を超えるあらゆるグルコース変化は、予想される根本的原因を有し得る。例えば、不適切なまたは逃したボーラス投与、インスリンの積み上げの影響など。
【0120】
グルコースパターンの傾向(平均、高、または低)は、同様に検出及び警告され得る挙動の緩徐な変化も示し得る。例えば、機械学習により決定される平均グルコースまたは最小グルコースもしくは最大グルコースの緩徐な傾向は、インスリン投与に関連する生理学的パラメータの変化、例えば、インスリンに対する炭水化物の比率、またはインスリン感受性を示し得る。機械学習アルゴリズムを用いたこれらのパラメータの調整はまた、異なる時刻、週、または月に対して異なるパラメータが必要とされる場合、これらのパターンを使用して行われてもよい。例えば、食事データ、運動データ、ユーザインターフェース上で入力されたデータなどによって判定される、ユーザ挙動の対応する変化を伴わずにそのような傾向が起こっているとシステムによって決定された場合、アルゴリズムは、そのようなデータを使用してユーザが変化に認識的に気付いていないかどうかを推定または予測し得、認識していないと推定または予測されたら、スマート警告が生成及び表示され得る。例えば、推定または予測が、閾値基準レベルより高い認識的気付きの可能性を示す場合(これは、概して、本明細書に記載される全ての推定または予測に当てはまる)。
【0121】
これらの分析は、ユーザがスマートフォンの他の機能を楽しんでいる間にバックグラウンドでアルゴリズムルーチンによって実行され得、そのようなルーチンは、個々の患者データを使用して、監視された様式または監視されていない様式で経時的にデータから学習する。したがって、経時的に、パターン認識が行われ得、スマート警告により、より効果的な警告が可能かつ許容されるようになる。
【0122】
上述のように、スマート警告の実行は、該警告がユーザにとってより便利になるように、単に間に合うように警告をずらすかまたは遅延させることを越えることを必要とする。しかしながら、タイミング回路またはアルゴリズムによって決定される時間の尺度は、ユーザの認識的気付きの予測または推定において、及びスマート警告をいつ及びどのように提供するかの決定において、挙動または文脈情報などの追加情報と共に使用され得る。例えば、コンピューティング環境は、警告状態、例えば、注意に値する糖尿病状態を特定し得るが、挙動及び文脈データを含む他の入力変数に基づいていつスマート警告を提供するかを決め得、すなわち該入力変数は、多くの場合スマート警告機能の決定に参加する変数である。例えスマート警告がこの基準で遅延されるとしても、遅延の判定は、上述のように依然としてリアルタイムデータに少なくとも部分的に基づく。
【0123】
挙動及び文脈入力
様々な種類の挙動及び文脈情報も、ユーザの認識的気付きを判定、予測、または推定するための、スマート警告機能への入力として用いられ得る。
【0124】
文脈及び挙動情報は、概して、患者が自身のモバイルデバイス/監視アプリをどのように使用するかに対応し、したがって、デバイスによって決定されたある特定のデータに文脈を与えるデータである。挙動入力情報は、システムを介して得られ得、対話量、グルコース警告/警報状態、センサデータ、画面を叩いた数、警報分析、事象(例えば、ユーザの反応に関連する特性、反応するまでの時間、反応に関連する血糖制御、警報に関連するユーザフィードバック、警告または警報の受信確認、警告または警報をX分以内に受信確認しない、警告/警報の受信確認までの時間、警告状態の時間など)、糖尿病管理データ(例えば、CGMデータ、インスリンポンプデータインスリン感受性、パターン、活動データ、カロリーデータ)、脂肪酸に関するデータ、運動中の心拍数、IgG抗グリアリジン、皮膚パッチセンサからのストレスレベル(汗/発汗)、遊離アミノ酸、トロポニン、ケトン、アディポネクチン、発汗、体温、ユーザフィードバックなどが含まれる。入力は、監視デバイスとデータ通信するセンサによって提供され得る。いくつかの実装形態では、情報は、リモートデータ記憶装置等の中間体を通して得られ得る。ユーザとの対話に関連して上述したユーザデータは、挙動データの一例である。
【0125】
文脈情報には、例えばGPS、WiFiによって決定されるユーザの位置、または共有者及びフォロワの位置が含まれ得る。文脈情報は、人の生態、位置、周囲(例えば、光、音量)の感知、環境データ(例えば、天候、温度、湿度、気圧)に関し得る。これらの入力は、機械から機械への通信を介するピアツーピアまたは網状網を介して受信され得る。文脈情報には、カレンダーアプリケーションからの(特に平日と週末とで変化し得る)日々のルーチン情報が含まれ得る。文脈情報には、例え対話がない場合でも、例えば、デバイス内の加速度計及び/またはアプリケーションからのデバイスの感知された動きに基づく、監視デバイスを触ったかまたはつかんだ頻度が含まれ得る。
【0126】
ユーザのスマートフォンからの写真が、画像認識アルゴリズムを使用して文脈データに変換され得る。例えば、グルコースメータの測定値、インスリンペン、もしくはポンプIOB、位置(例えば、ジム、公園、家、イタリアンレストラン)、または食事のうちの1つ以上の写真を使用して、文脈情報を提供してもよい。写真は、例えば、写真に示される食事のカロリー摂取を特定するために、画像認識アルゴリズムを使用して処理されてもよい。スマートフォンのカメラによって画像化されたバーコードなどによって判定され得る使用されるインスリンの種類も、認識的気付きの推定または予測のための有用な入力として、監視システムに提供されてもよい。実際、特にユーザの認識的気付きに関する他のデータと組み合わせたそのようなインスリンの種類のデータの受信自体が、ユーザが認識的に気付いていることを示し得る。文脈はまた、監視デバイスによって提供または決定される基礎またはボーラス投与の設定によっても提供されてもよい。そのような設定は、既知のデータ送信方法及びプロトコル、例えば、Bluetooth(登録商標)を使用して監視デバイスに送信されてもよい。送信は、プッシュまたはプルベースで定期的に、または別のベースで生じ得る。
【0127】
挙動/文脈データはユーザの自身の糖尿病状態の認知を示し得るため、該データは、ユーザが認識的に気付いているかの予測または推定で使用され得る。1つの極端な例として、文脈GPSデータは、ユーザは診療所にいるため、ユーザは大いに認識的に気付いていることを暗示することを示し得る。別の極端な例で、挙動データは加速度計データによって睡眠を示し、したがって、大いに認識的に気付いていないことを示し得る。そのような時間の怠惰、警告及び警報は、適切に修正、例えば、自動的に有効化または無効化され得る。例えば、睡眠状態が判定された場合、警告/警報システムは、グルコースに関してはより控えめで、小さい警報に対してはより積極的な「夜間モード」または「睡眠モード」に入り得る。次いで、警告/警報システムは、警告/警報を含むシステムの挙動を調節し、標的範囲を動的にさらに調節し、ユーザの利便性を著しく向上させ得る。例えば、そのような一晩モードでは、低血糖症に対する警報がより積極的になる、例えば、「日中モード」よりもいくらか高くなるように、標的範囲が適応し得る。これらのモードを引き起こすかまたは開始すると、監視デバイスの処理が以前とは異なる様式で起き、コンピューティングデバイスの効率を向上させるように、監視デバイスがプログラム的に転換され得る。
【0128】
文脈/挙動データを構成する認識的気付きアルゴリズムの推定または予測への他の入力には、フィットネスバイクなどからの運動情報、または血糖センサ(BG)メーターまたはCGMからのグルコースセンサ情報もしくはインスリン送達デバイスからのインスリン送達量、該デバイスのための残留インスリン量の計算の結果、及び他のデバイスによって提供もしくは計算された情報などの他所で参照されるある特定のデータ型が含まれ得る。他の文脈/挙動データ入力には、水分補給レベル、心拍数、標的心拍数、内部温度、外部温度、外部湿度、体内の分析物、水分補給投入量、電力出力(サイクリング)、発汗速度、歩調、及びアドレナリンレベル、ストレス、疾病/病気、代謝/カロリー燃焼速度、脂肪分解速度、現在の重量、BMI、所望の体重、1日当たりの標的(消費)カロリー、1日当たりの標的(拡大)カロリー、位置、好きな食物、及び身体運動レベルが含まれ得る。
【0129】
例えば、高い外部温度に加えて低ストレス及び高カロリーの摂取は、ユーザが、一部の個体において糖尿病状態に対して注意が払われなくなることを示し得る休暇中であることと合致するとシステムによって判定され得る。この場合、システムは、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていない可能性が高いと判定し得、したがってスマート警告が生成されるべきであることを決定してもよい。
【0130】
これに関しては、ユーザの糖尿病の必要品が冷蔵された容器内にあり、高環境温度にさらされていないことを確実にすることに関して、高い外部温度がユーザにスマート警告をレンダリングさせ得ることにさらに留意されたい。
【0131】
上記の参照された挙動または文脈入力のいずれについても、システムは、入力に基づいて分析メトリクスを受信及び/または生成するように構成されてもよい。例えば、複合値が、グルコースレベル、温度、及びユーザのためのデータ生成指数の時間に基づいて生成され得る。次いで、複合値は、認識的気付きの推定または予測で考慮に入れられ得る。
【0132】
この情報は、加速度計、GPS、及びカメラデータ、ならびに睡眠サイクルアプリケーションを含む第三者の追跡アプリケーションなどのデバイス内部またはデバイスの外部の様々なセンサから収集され得、出力にも影響を与え得る。例えば、動いている自動車の中にいる場合、GPSは、モバイルデバイス上のスマート警告を抑制するように、移動速度を決定するために用いられてもよい。しかしながら、この文脈においては、スマート警告が送信されて、スマートウォッチ上にレンダリングされてもよい。したがって、リアルタイムで測定されたセンサ(グルコース)データは、注意に値する糖尿病状態を判定するのに使用され、他のデータは、リアルタイムであってもよいか、またはリアルアイムでなくてもよい(またはそれらの組み合わせであってもよい)他のデータは、スマート警告が生成されるべきかを否かを判定するために使用される。スマート警告が生成されるべきである場合、他のリアルタイムデータ、上記の例ではGPSデータが、スマート警告の形態と、特にデータが送信及びレンダリングされるデバイスと、をさらに決定するために使用されてもよい。
【0133】
述べたように、警告は、共有者及びフォロワの近接度に影響を受け得る。例えば、共有者がフォロワにごく近接している場合、警告は2つの位置、例えば、共有者のポンプ、受信機、またはスマートデバイス上、及びフォロワのスマートデバイス上で起動され得るため、警告はうっとうしくなり得る。一実装形態では、フォロワのアプリが、この状況を検出し、フォロワのデバイス上の警告を遅延させるかまたは抑制し得る。例えば、フォロワのアプリが警告を受信したら、該アプリは、無線周波数、例えば、Bluetooth(登録商標)を開始し、共有者のモバイルデバイス(または専用受信機またはポンプ)を走査してもよい。該アプリが、例えば、(Bluetooth(登録商標)が検出するための)30フィート以内にある共有者のデバイスを検出した場合、このアプリは、RSSI(受信信号強度)を検査して、このアプリが共有者のデバイスからどれだけ近い(例えば、非常に近い、近い、遠い)ところにあるかを判定することができる。フォロワのデバイスが、共有者の近くまたは非常に近くにあると判定した場合、フォロワのアプリケーションは、警告を1,2分遅延させて、共有者が反応する機会を与えてもよい。別の方法としては、フォロワのアプリは、警告を抑制することができる。いずれの場合も、共有者が所定の時間枠、例えば、1、2分内に反応した場合、警告は、フォロワのデバイス上で抑制されてもよい。例えば、2014年9月23日に認可された米国特許第8,844,007号、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR PROCESSING AND TRANSMITTING SENSOR DATA」、2012年9月21日出願の米国特許出願公開第2013/0078912号、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR PROCESSING AND TRANSMITTING SENSOR DATA」、2013年3月14日出願の同第2014/0273821号、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR PROCESSING AND TRANSMITTING SENSOR DATA」、2014年11月5日出願の同第2015/0123810号、表題「SYSTEMS AND METHODS FOR A CONTINUOUS MONITORING OF ANALYTE VALUES」、2016年1月20日出願の米国特許出願第15/001,756号、表題「CONTINUOUS GLUCOSE MONITOR COMMUNICATION WITH MULTIPLE DISPLAY DEVICES」、及び2015年12月28日出願の同第62/271,880号、表題「INTELLIGENT WIRELESS COMMUNICATION FOR CONTINUOUS ANLAYTE MONITORING」に開示されるビーコン技術もこの目的のために用いられてもよく、これらは全て本出願の譲受人が所有し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0134】
場合によっては、グルコーストレースの分析によって判定されるグルコースにおけるある特定の予想外の急上昇が、ユーザの恥を回避し、ユーザプライバシーの目標及び考慮を達成するために、共有者機能を一時的に無効化し得る。そのような予想外の急上昇には、ある特定の健康またはストレス事象が含まれ得る。一実装形態において、予想外の急上昇の閾値レベルが事前に定義され、予想外の急上昇のデータは閾値レベルと比較されて、共有者の機能が急上昇についてのデータを共有するために用いられるべきかどうかを判定する。
【0135】
心拍数センサによって測定される心拍数データは、ユーザの認識的気付きの推定または予測で用いられ得る。例えば、市販の心拍数センサが使用されてもよく、測定された結果は、適切な送信プロトコルによって監視デバイスまたはスマート警告機能を提供する他のデバイスに通信される。別の実装形態において、センサ電子機器または送信機(下記の
図45/46を参照されたい)は、心拍数を検出するための強い光及び光学センサ(図示せず)を備えていてもよい。そのような心拍数データはそれ自体で、ユーザの認識的気付きの推定または予測で使用され得るか、または該データは、ユーザが運動をしている時、ストレスを受けている時、眠っている時などを間接的に推測するために使用され得る(次いで、このデータは、推定または予測に用いられ得る)。そのような直接的使用において、ユーザは、注意に値する糖尿病状態にある場合がある。スマートデバイスの加速度計を使用して、デバイスがたった今操作され、その操作がグルコース監視アプリユーザインターフェースの閲覧を含んだことを判定してもよい。心拍数が急に上昇したように思われる場合、ユーザが注意に値する糖尿病状態を知らされ、スマート警告は与えられる必要はないと推測され得る。
【0136】
さらに、文脈及び挙動は、ユーザに関する利用可能なソーシャルネットワーキング情報の使用によっても判定され得、使用者に関連するソーシャルネットワーキングフィードは、スマート警告機能にデータのソースを提供するように構成される。ソーシャルネットワーキングフィード、例えば、ユーザの「血糖値が今低い」という投稿、または以前ユーザの血糖が低かった時に投稿された内容と同様の内容の投稿におけるそのようなデータの分析によって、場合によっては、ユーザ認識データが判定され得る。自然言語処理などの技法が、投稿の意味を判定するために用いられ得、したがって、以前の投稿との類似性の定量化可能な測定を可能にする。したがって、投稿は、それらの内容(「今血糖値が低い」)に関して直接用いられ得るだけではなく、ユーザが以前同様のコメントを投稿した時の状態と同様の状態にあることを推測するために用いられ得る。
【0137】
本原理に従うそのようなシステム及び方法を使用することにより、そのような文脈/挙動の側面を考慮に入れていなかった前の監視デバイスが直面する問題が、効果的に対処され得る。特に、文脈/挙動の側面を含むセンサ及び他のソースからの利用可能なデータが、注意に値する糖尿病状態にユーザが認識的に気付いているかの推定または予測を可能にする場合、監視デバイスは、警告が必要ではない時に警告を抑制するための手段として認識的気付きを使用することにより、大幅に改善され得、これは、警告を閾値のみ(またはさらには、閾値に加えて予測)に基づかせた監視デバイスに対して著しい技術的優位性をもたらす。したがって、監視デバイスは、そのような認識的気付きが全く考慮されなかった前の監視デバイスに対して著しい技術的優位性をもたらす。文脈及び挙動情報に関するさらなる詳細は、2014年10月28日出願の米国特許出願公開第2015/0119655号、表題「ADAPTIVE INTERFACE FOR CONTINUOUS MONITORING DEVICES」に見出され得、これは、本出願の譲受人によって所有され、その全体が参照により本明細書、具体的には
図4及び付随するテキストに組み込まれる。
【0138】
挙動及び文脈入力もまた、他の有用な警告機能を提供するために用いられてもよい。例えば、家庭に複数のCGM受信機が存在する場合、ユーザがそれぞれを個別に特定することができることが重要になる。個別に特定するために、異なるユニットを互いに区別するのを助けるために異なる色がつけられたケース以外には、視覚的補助は現在のところ存在しない。したがって、本原理に従うシステム及び方法は、新しい受信機、または新しいユーザによって使用される受信機の設定手順の一部として、ユーザに、CGM情報を表示する際、画面領域内に表示されるイニシャル、画面の背景、色テーマ、スクリーンセーバ、アニメーションなどの一意的な特定可能な印、またはこれらの組み合わせを選択するように要求してもよい。例えば、イニシャルが、画面の角または状態バーに表示されてもよい。スクリーンセーバは、画面がCGM情報を表示していない時に適用されてもよい。スクリーンセーバは、フォント、背景などのエンティティに適用されてもよい。アニメーションは、画面の様々な選択可能な領域内に表示されてもよい。これにより、CGM受信機またはCGMスマートフォンアプリケーションは、ユーザのCGMデータを表示する時に、属するユーザの兆候を表示することができ、したがって、複数のデータソース(例えば、センサを有するホスト)が実質的に共通の時間に共通の場所でデータを送信する時、混乱を回避することができる。
【0139】
また、設定手順の一部として、閾値も設定されてもよく、ユーザは自身が受信したい警告または警報の様々な種類、例えば、食事前に対して食事後に警告を受信することを望むことを指示してもよい。次に、スマート警告機能またはスマート警告アプリは、例えば、ユーザが、自身の設定の選択に満足しているかどうか、またはユーザが選択を変えたいかどうか、例えば、食事前に警告を受信するように選択したいかどうかを判定するために、設定後に折々または定期的にユーザにクエリを行うように構成されてもよい。該機能またはアプリは、ユーザのライフスタイルにより適合するように、ユーザに警告閾値を変えるように促すか、またはユーザが変えることができてもよい。
【0140】
他の入力
ユーザ入力、変化速度及びパターンデータなどの派生データを含むグルコースデータ、ならびに挙動/文脈データのソース以外の他のデータソースも、用いられてもよい。
【0141】
例えば、(パターン以外の)信号の傾向に関する派生データも、スマート警告機能で使用されてもよい。例えば、スマート警告は、例えば、「うろつき」とも呼ばれる警告可能なゾーンの、または該ゾーンの近くの近接性及び持続時間に基づいてもよい。すなわち、多くの場合、例えユーザが危険ゾーン内にいない場合であっても、ユーザが危険ゾーンの近くに長期間いる場合、ユーザは警告されるべきである。スマート警告機能は、この状況で警告を提供するために用いられ得る。換言すれば、うろついている状況において、ユーザが典型的に危険ゾーンに近いことを認識的に気付いていない場合、スマート警告が生成される。この場合、うろつきを示すデータは、測定データ、持続時間データ、及び閾値の位置の分析によって決定される。ユーザがゾーン閾値に近い、例えば、所定の持続時間の+/-10%である場合、かつ上述または下記の他のデータが、ユーザがうろついている状況を認識的に気付いていないことを示す場合、スマート警告機能はスマート警告を生成させ、ここで、スマート警告は、うろついている状況の存在を示す。
【0142】
別の信号の傾向において、危険なまたは望ましくない範囲がもはや問題ではなくなったら、通知が提供され、したがって、ユーザのストレスを潜在的に軽減し、ユーザに、ユーザが再び標的内にいることを通知してもよい。これは、調光器スイッチのホームオートメーションの態様と類似している。具体的には、調光器スイッチがオフにされた時、次のステップが含まれる。光はついており、ホームオートメーションが光を消すように命令を送信し、光が光を消し始めるという命令を送信し、最後に、光が、光が消えた時に命令を送信する。同様に、車庫のドアの状況では、車庫は開いており、次に、ホームオートメーションシステムが車庫を閉じるように命令を送信し、次に、車庫が、車庫が閉じ始めているという命令を送信し、最後に車庫が、車庫が閉じた時に命令を送信する。
【0143】
車庫については、この機能は、何かがセンサを妨害し、ドアを閉じさせない場合、車庫が閉じていないことに(ホームオートメーションシステムを通して)ユーザが気付いていることが重要であるため、重要である。この場合、ユーザが最後の命令を受信しなかったため、このような通知が生じ得る。この事例では、患者が低血糖症または高血糖症であり、医療措置を講じることによりこの状況を改善しようと試みる場合、センサ電子機器は、グルコースが屈曲し上昇(または降下)し始めていることを示す通知を送信してもよい。次に、センサ電子機器は、ユーザがもはや低血糖症(または高血糖症の範囲にいないという通知を送信し得る。患者が望ましくない範囲外にいるかどうかを判定するための定期的(例えば、5分毎の)測定を待つよりもむしろ、患者がもはや望ましくない範囲内にはいないと告知する通知をプッシュするように、より積極的なアプローチがとられてもよい。したがって、この場合、スマート警告は、第2の通知が受信されなかったかどうかに基づいてもよい。特に、システムが、「危険から脱した」状態が判定されることを厳密に待つ場合、そのような判定が生じなかった場合には、システムは、ユーザが依然として危険状況にあり、したがってスマート警告が生成されるべきであることを推測し得る。これは、ユーザが注意に値する糖尿病状態を治療することを意図した改善措置を講じた場合、特に当てはまる。後者の場合、ユーザは、さらなる考えることなく、危険状況から抜け出すのを待っていてもよい。これが生じない場合、スマート警告はさらに重要になり得る。この機能は、多数の手法で達成され得ることが理解されるであろう。例えば、「危険から脱した」という通知は、屈曲点が検出された後に設定されるフラグの形態をとり得る。既知の場合、改善措置の際にいた場所は、「危険から脱した」フラグの計算、判定、及び後続の設定にも用いられ得る。改善措置後にユーザが(ユーザ履歴及びパターンからの決定することができる)所定の持続時間内に危険な状況から抜け出さない場合、スマート警告が再度生成されてもよい。
【0144】
別の入力には、ユーザの人生の目標が含まれ得る。具体的には、糖尿病管理目標、例えば、低血糖症リスクの低減、範囲外の時間の低減、警告/警報の低減、食後最適化、リバウンドの低減などが、認識的気付きの予測及び推定への入力として使用され得る。ユーザは、目標を設定するか、またはさらには異なる時刻に対して複数の異なる目標を設定し、システムは、ユーザが自身の所望の目標をより容易に達成することができるように、設定を変えるか変更する。例えば、ある人は、夜間に低血糖症リスク低減の目標を使用し、システムは、より高い閾値設定で予測的な低血糖警告を使用し得る。これらの設定について、例えば、値が夜間に使用される場合、ユーザは寝ている可能性が高いため、ユーザは通常認識的に気付いていないと推定される。別の例として、そのようなユーザは、ユーザが認識的に気付いていないと推定もしくは予測される場合、自身の典型的な昼食時間の約30分前にボーラス投与を自身に再認識させるか、または自身の食事にタンパク質を含めるようにというリマイダーを提供する食後最適化設定も有し得る。
【0145】
他の入力には、インスリンセンサから、またはインスリンに関する他のデータソースからのデータ及び信号が含まれる。例えば、インスリンセンサデータは、インスリンの送達を検出するために使用することができ、これは次いで、いつインスリンが注入されたかの推定に基づいて、注意に値する糖尿病状態の認識的気付きを推定する手法を提供する。より詳細には、注意に値する高血糖症糖尿病状態が起こったが、スマート警告機能アプリが、ある程度の残留インスリン量が存在することを検出するのにインスリンセンサからのデータを使用した場合、現在のインスリンが超高血糖症をもはや制御することができず、ユーザがより多くのインスリンを必要としていることを認識的に気付いていないと判定される時点まで、スマート警告機能は、警告を抑制してもよい。インスリンセンサデータは、他の用途のためにも入れられ得る。例えば、残留インスリン量の他に、ボーラス投与のタイミングに関する情報が、低血糖症及び高血糖症の両方に対するスマート警告の挙動を修正するために用いられてもよい。例えば、ユーザがインスリンのボーラス投与を最近行った場合、起こりそうなユーザの認識的気付きの認識及び/または状況からのユーザの危険性の減少、例えば、「注意に値する糖尿病状態」の危険性の減少に基づいて、閾値警告が遅延され得るか、または予測警告がそれ自体の標的閾値を一時的に保留もしくは上昇させ得る。特定の例として、予測が200mg/dLで使用された場合、ボーラス投与の知識は、1時間、250mg/dLに警告を設定し得る。同様に、低グルコース警告に関して、インスリンの知識は、インスリンの量がより控えめまたは積極的グルコース降下を示唆することを計算が示唆する場合、警告の感度を増加または減少させ得る。
【0146】
この文脈でのインスリンセンサデータの使用は概して、特に各ユーザが異なるインスリン感受性を有し、この感度が経時的に変化し得るため、ある程度の機械学習が必要である。したがって、現在のインスリン感受性の知識は、特に高精度が必要とされる時に、インスリンセンサデータを使用するための必要条件であり得る。
【0147】
別の例として、残留インスリン量に関する情報またはデータが既知であるか、または患者によって続いて、または同時に入力される場合、これらの情報またはデータは、スマート警告をいつ提供するかの決定において使用され得る。残留インスリン量に関するそのような情報は、患者によって入力されるか、または薬剤送達デバイス、例えば、ポンプまたはペンから受信されてもよい。一実装形態において、ユーザは、インスリンをどれくらい摂取したかを入力してもよく、次いで、どれくらいのインスリンがユーザの器官系にこれから数時間にわたって残留するかに関して計算が行われてもよい。次いで、残留インスリン量の値を、いつ患者に通知するか、例えば、警告または警報するかを通知するのに用いてもよい。一実装形態において、患者が通常、自身が200mg/dLを超えた場合に警告を受けることを望み、システムが、ユーザがその値を上回っていることを検出するか、またはユーザがその値を超えると予測した場合、システムは、残留インスリン量に関するデータを決定するかまたは受信してもよい。ユーザが自身の器官系に多くの、例えば、5単位のインスリンを有する場合、そのインスリンが潜在的な高血糖症状態を治療するため、システムは、患者が即座に警告を受ける必要がないと判定し得る。患者の低血糖症へのアプローチとして、同様のステップがとられ得る。例えば、患者が80mg/dLを下回った時に通知されることを所望し、システムが、ユーザはこの値を超えているが、ユーザが自身の器官系にかなりのレベルのインスリンを有すると検出した場合、システムは、すなわち、スマート警告機能を用いて、ユーザが低血糖に向かっていることをより早くユーザに警告するように引き起こされてもよい。
【0148】
別の潜在的な入力には、所与のユーザの糖尿病の種類及び糖尿病の特定の発現が含まれる。I型患者の認識的気付きは、II型患者の認識的気付きとは異なり得る。したがって、スマート警告の生成は、これらの2つ間で異なり得、警告のタイミングも同様に異なり得る。一実装形態において、これらの2つの状況の差は、推定または予測が認識的気付きを判定する閾値レベルに限定される。換言すれば、閾値レベルは、これらの2つの種類の糖尿病間で変えられ、この閾値レベルは、推定または予測される認識的気付きと比較され、その結果がスマート警告の生成(または非生成)に繋がるものである。
【0149】
他の異なり、かつ個別化された生理学影響及びパターンの影響が見られ得る。例えば、ある患者は70mg/dLあたりをうろつくことが一般的であり得るが、その患者が、60mg/dLを超えた後に突然減速することは極めてまれであり得る。この例では、グルコース濃度値を決定し、このグルコース濃度値の変化速度を推定または予測に含めることによって、異常な反応が検出され、検出されたら警告され得る。
【0150】
ユーザに警告するかどうかの判定で認識的気付きを組み込む、本原理に従うシステム及び方法は、カスタマイズされ、かつ/または2つであり、それぞれの個々のユーザに対してであり、カスタマイゼーション/調整は、例えば、上述のデータ及びソースを使用して、機械学習により生じる。カスタマイゼーションまたは個別化の他の重要なソースには、患者の生理機能、年齢、正確な診断などに基づいて、スマート警告機能の動作を変えることが含まれる。したがって、本原理に従うシステム及び方法の実施は、例えば、場合によっては日常的に変動するために知ることすらできない警報及び警告閾値を設定する、ユーザまたは臨床医への負担の低減において著しい利益を提供するものである。すなわち、多くの場合、本システム及び方法、及びそれらに続く認識的気付きの予測または推定の技術進歩なくしては、ユーザの警告をどのようにカスタマイズするか、ユーザが考えつく簡単な手法は存在しない。
【0151】
他の変形例では、システム及び方法は、活動、病気、妊娠、月経、及び他のサイクルなどに応じて、一患者に対して複数のプロファイルを作成し得る。
【0152】
さらに他のデータソースには、テレメトリ及び代謝率などが含まれ得る。さらに他の潜在的なデータ及びデータソースには、(夜間に対する日中のユーザの認識などの)相関データ、疼痛データ、心拍数変動性、一回拍出量、心臓血管の健康、インスリンの分配能力、体温(これは、インスリン吸収速度に影響を与える)、インスリン型(インスリン感受性測定値、プロファイル、ピーク、ピーク間の時間に基づく)、大気圧(CGM及びインスリン吸収に影響を与える)、インスリン感受性、どちらの因子が所与のユーザに対して最も影響を与えるかについての判定、例えば、運動対食事、ある特定のパラメータに影響を与えることが知られている健康または生理学的状態、病気、スマートデバイスが航空機モード等の特定のモードになっているかどうか、例外管理、(例えば、特定の患者にとって何が正常かを特定することと、例外管理ルールを実行すること)、スマート警告機能を実行するスマートデバイスが訓練モードであるかどうか、臨床医が設定したパラメータ、反応誘発データなどが含まれ得る。したがって、ユーザの認識は、ユーザが高血糖または低血糖に気付いているかどうかだけではなく、状況に固有の複雑さのためにユーザが単純に認識的に気付くことができない極めて複雑な反応を伴う状況に、ユーザが遭遇しているかどうかにも関係し得る。
【0153】
任意の所与の入力について、曖昧な論理が、入力の値の決定で用いられ得る。場合によっては、曖昧な処理、及び曖昧な出力も用いられ得る。より詳細には、スマート警告及び警報を含む警告、または警報は、グルコース値が閾値を越えることに完全に依存しない手法で始動されてもよい。一実装形態において、閾値を超えていない場合であっても、所与の所定の持続時間、ユーザのグルコース値が、高血糖警告閾値の僅かに下、または低血糖警告閾値よりも僅かに上をうろついている時に、警告を始動させるアルゴリズムが用いられ得る。この実装形態は、上述のうろつきの実装形態と類似している。例えば、ユーザの高血糖警告閾値は、180mg/dLに設定されてもよく、ユーザの連続グルコース値は、178mg/dL、175mg/dL、177mg/dL、及び178mg/dLであってもよい。ユーザのグルコース値が180mg/dLに到達しなかったが、アルゴリズムは、グルコース値が閾値に近接していることを認識し、20分後(またはユーザによって構成可能であり得る他の持続時間後)にスマート警告をユーザに提供する。そのような実装形態は、促されなければユーザが自身のグルコース値に注意を払わなかったであろう時に、ユーザが修正措置、例えば、少量のボーラス投与または運動を行うように促され得るため有用である。別の実装形態において、ユーザのグルコース値が、警告閾値を行ったり来たりしながら超えているが、変化速度は遅い場合、警告/警報を弱めるアルゴリズムが用いられてもよい。一例として、ユーザの高血糖警告閾値は、180mg/dLに設定されてもよく、ユーザの連続グルコース値は、170mg/dL、178mg/dL、182mg/dL、179mg/dL、181mg/dL、178mg/dL、及び182mg/dLであり得る。警報は、178mg/dLから182mg/dLへの推移で始動されるが、ユーザがその警報の受信確認をしたか、または退けた場合、この警報は、179mg/dLから181mg/dLへのその後の推移では始動されない。そのような実装形態は、ユーザが境界にあるグルコース値に気付いており、繰り返しの警告を望まないか、所望しないか、または必要としない場合にユーザが直面する、うっとうしい状況を回避するのに役立つため、特に有用であり得る。いくつかの実装形態では、この技法の使用は、高血糖警告閾値で、次いで低血糖警告閾値でより安全に行われ得る。
【0154】
他の変動には、入力データが受信されるか、または出力データが表示される頻度での変動が含まれ得る。特に、本原理に従うシステム及び方法は、動的リスクが起こりかけている時、例えば、より頻繁に更新、例えば、5分毎の代わりに毎分更新することにより、追加のデータを受信するように構成され得る。例えば、差し迫っている低血糖が、現在のグルコースレベル及びグルコース変化速度に基づいて予測される場合、ディスプレイは、5分毎の代わりに毎分更新され得る。そのような実装形態において、グルコースの上昇または下降の傾向が加速しているかどうかに関する表示等のより高度な情報も表示されてもよい。より高度な視覚に訴えるものも、この推論、計算、推定、または予測された情報を示すために用いられてもよい。このようにして、ユーザには、より良好かつより頻繁な情報が、ユーザが最もそれらを必要とする時に提供される。また、例えば、危険な状況がそれ自体を治す場合、最も正確な情報を使用することによって、システムは警告をさらに抑制することが可能になり得る。このようにして、ユーザが不必要な警告にイライラすることが、さらに回避される。
【0155】
認識的気付きの推定または予測への入力の別の例として、信号メタデータが用いられ得る。例えば、決定されたら、屈曲領域への集中を引き起こす屈曲点が使用されてもよい。特定の例として、システムは、非屈曲点でよりも屈曲点でより頻繁にサンプリングし得る。そのような屈曲点には、グルコース信号が向きを変える点、または注意に値する糖尿病状態にユーザが認識しているかの判定で判定力があるかもしくは有用なパラメータを含む、ユーザに有用なパラメータの判定で細かい調整もしくは追加のデータが有用であり得るような他の点が含まれ得る。それらの利益は上述の通りである。これに関して、そのような点でより多くサンプリングすることによって、異なる点でのサンプリングを減らすことができ異なる点でのサンプリングの低減は、電池寿命の節減、電力要件の低減、センサ及びモニタの寿命などにおいて特に有用であり得ることに留意されたい。より頻繁なサンプリング及びレンダリングのためのデータの後続の送信はまた、ユーザが低血糖症または高血糖症に近づいているか、または低血糖症または高血糖症である状況においても用いられ得る。換言すれば、ゾーンなどが、上述の屈曲点として使用され得る。
【0156】
幾つかの実装形態では、入力は、ウェアラブルセンサから受信され得る。一実装形態において、スマートウォッチから利用可能なデータは、単独で、または他のデータの増大のためのいずれかで使用され得る。特定の例では、Appleウォッチ及びMicrosoft Bandなどのスマートウォッチによって収集されたセンサ及び信号は、低血糖症の検出を増大させるために用いられてもよい。そのような信号には、心拍数センサ、交感神経/副交感神経のバランス(心拍数から推測され得る)、コンダクタンスセンサからの発汗/感情/ストレス、及び加速度計からの動作データからの信号が含まれ得る。そのような信号は、CGM信号に加えて使用されてもよい。これらの補助信号を処理するために使用されるアルゴリズムは、訓練を補助するためのCGMを使用して、患者自身のデータによって訓練されてもよい。これらのアルゴリズムは、オフライン、例えば、クラウドで最適化されてもよい。次いで、検出基準が、患者のスマートフォン及び/またはスマートウォッチに送信され得る。CGMが低血糖症を検出することができない場合があり得るが、可能性のある低血糖症を示す補助信号で増大されると、患者は、疑われる低血糖症を警告され、それにより影響を回避することが可能になり得る。あるいは、補助信号を処理するために使用されるアルゴリズムが訓練された後、スマートウォッチ信号は、CGMを使用することなく、低血糖症を検出することを検出することができ得る。この使用例では、アルゴリズムの調節が感度または特殊性を最適化するために必要であり得る。
【0157】
他の実装形態において、スマートウォッチセンサ及び機械学習は、睡眠を検出及び定量化するために用いられ得る。例えば、加速度計からの運動データによって判定してユーザが眠っている場合、ユーザが、注意に値する糖尿病状態、またはそれどころかあらゆる糖尿病状態にも認識的に気付いていないと推測され得る。したがって、警報の変化は、ユーザが眠っているとシステムが推定または予測した場合、あらゆるスマート警告も抑制しないように構成され得る。他の睡眠センサも、認識的気付きの推定または予測において用いられ得る。
【0158】
代替の種類の睡眠センサの例として、患者が眠っているかどうかを判定するための機構として、温度を用いてもよい。例えば、そのような睡眠センサは、覚醒時間に対する睡眠に費やされた時間を観察するために使用され得る。実装形態において、別個の温度センサまたは患者に取り付けられた粘着パッチ内に実装されたセンサであってもよい、皮膚上に取設された温度センサは、温度データと睡眠に費やされた時間との間の強力な相関をうまく利用し得る。
【0159】
さらに他の入力は、2016年2月1日出願の米国特許出願第62/289,825号、表題「SYSTEM AND METHOD FOR DECISION SUPPORT USING LIFESTYLE FACTORS」に開示されているように理解され、この特許は、本出願の譲受人によって所有され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0160】
出力
スマート警告機能の出力は、概して表示された出力であるが、アルゴリズム自体が、ユーザ認識の計算、推定、または予測の意味で「出力」を有し得、したがって(例えば、ユーザが、注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていると推定または予測される場合に)警告を抑制すること、または単純に警告生成ステップが起こらないようにさせることは、この意味で「出力」とも見なされる。
【0161】
スマート警告機能の出力は、いくつかの形態、例えば、視覚ディスプレイ、可聴表示、及び触覚表示などでもあり得る。そのようなディスプレイ/表示は、スマート警告機能を支援するために、様々な手法で組み合わせられてもよい。例えば、視覚ディスプレイは、糖尿病状態の表示を提供するために用いられ得るが、可聴または触覚表示は、認識的気付きに基づいてスマート警告機能によって提供され得る。あるいは、視覚ディスプレイは、糖尿病状態の表示(例えば、値及びトレースグラフ)を提供するために用いられ得るが、例えば、最初のものの上に重ね合わせた別の視覚ディスプレイが、スマート警告を提供するために用いられてもよい。別の実装形態において、ディスプレイ上のプロンプトが、ユーザの認識的気付きを試験するために用いられ、使用され得、この試験が、ユーザが認識的に気付いていないと示した場合、スマート警告が生成され得る。プロンプト及びその反応が認識的気付きをどのように示すかは、異なり得る。ディスプレイ上のプロンプトは明示的で、ユーザが差し迫っている注意に値する糖尿病状態に気付いているかどうかを尋ねてもよいか、またはより巧妙または黙示的で、より少ない情報を要求するが、認識的気付きの推定または予測のために必要なデータを提供してもよい。そのような黙示的または巧妙なプロンプトまたは質問は、より若いユーザもしくはより経験が少ないユーザ、または洗練されたユーザ、あるいは、糖尿病状態の生物学的症状の経験をより有しないユーザにより適切であり得る。したがって、本原理に従うシステム及び方法は、ユーザインターフェースにどのような種類のプロンプトまたは質問をレンダリングするかの決定または計算において、ユーザプロファイル情報を使用し得る。
【0162】
スマート警告機能の出力の結果として生じるレンダリングされたユーザインターフェースは、ユーザの認識的気付きの計算された推定または予測に強く結び付いている。ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていると予測または推定される場合、ユーザインターフェースは通常、スマート警告を表示しない。逆に、ユーザが認識的に気付いていないと推定または予測される場合、スマート警告は通常表示され、これは通常、ユーザインターフェースの変化を伴う。そのような出力は通常、ユーザにはるかに有効かつ効率的であると考えられ、次いで、上記に与えられる理由、例えば、スマート警告は、より少ない再警告、及びより低い警告疲労などを引き起こすため、閾値にのみ基づいて変える。これは、電池電力及びコンピューティングサイクルの大幅な節約をさらに可能にする。
【0163】
所与のレンダリングされた出力において、スマート警告は、信頼性または不確実性の表現と共にさらに表示され得る。信頼性または不確実性のレベルは、データに関して計算されたエラーバー、既知または決定された校正範囲またはエラー、既知または決定されたセンサエラーなどに基づいて、本原理に従うシステム及び方法によって計算され得る。信頼性または不確実性は、ユーザとシステムとの間に信頼を育むために表現され得る。この信頼は、システムが追加の機械学習ステップを実施し、ユーザに正確かつ高度にパーソナライズされた提案及び提言を行うのに十分なデータを得た時に高められる。そのような時、本原理に従うシステム及び方法は、不確実性の表現の表示はもはや該当しないため、スマート警告出力における該表現の表示は低減されてもよい。特定の例として、起こり得るアーチファクトの間に起こる低血糖警告(例えば、「下降及び回復」障害)は、不確実度で表現され得る。インスリン用量の提言は、グルコース推定における不確かさを説明するために行われ得る。そのような提言は、例えば、CGMセッションの1日目に生じてもよい。システムは明確な提言をするよりもむしろ「推測」または予測することをユーザは分かっているため、この提言は、次に監視アプリ及びスマート警告機能に対する信頼を育む手法でこの不確かさをユーザに表現する。このようにして、スマート警告は、ユーザを引き込み、システムに対する信頼を育む。後に、障害がもはや存在しなくなった後、監視アプリ及びスマート警告機能は、ある程度の不確実さなしで、または低減された不確実度でデータを表現することができ、その正確さにおいてだけではなく、そのエラーの気付き及び処理において監視アプリに対する信頼性を高める。
【0164】
スマート警告が生成及び表現され、これはユーザに最小限にでしゃばるようにユーザインターフェース上に構成され得、例えば、ディスプレイまたは画面上に様々な矢印またはゾーンをレンダリングすることによって達成される傾向情報が強調されている間、グルコース値自体のレンダリングが強調を抑えられるようなものであり得る。これは、グルコース数がより見えない状態で、傾向または傾向矢印に焦点を当てるようにディスプレイのレンダリングを調節する、医師によってまたはユーザによって調節される制御設定によって実施され得る。
【0165】
スマート警告機能の積極性は、ユーザが構成可能な設定、例えば、スライダバーによって調整され得る。スライダバーは、入力だけでなく出力にも影響を与え得る。つまり、スライダバーは、入力側及び同様に出力側のスマート警告機能の動作に影響を与えるために用いられ得る。高い積極性の設定を所望するユーザについては、より多くのスマート警告が通常、より低い積極度を所望するユーザよりも提供される。言い換えれば、ユーザインターフェース設定が高積極度に設定されている場合、システムは、(スマート警告が基づく)認識的気付きの閾値レベルがより高くなるように自動的に制御し得る。認識的気付きの閾値レベルは、達成がより困難であるため、該閾値レベルがより高い場合、より多くのスマート警告が生成される。このように、システムはより積極的になる。逆に、ユーザインターフェース設定がより低い積極性レベルになるようにユーザが制御した場合、認識的気付きの閾値レベルは減少し、より少ないスマート警告を引き起こし得る。
【0166】
動的リスクは、どれくらい早く入力データが蓄積されるかに影響を与え得る。動的リスクはまた、どれくらいの頻度でデータが更新されるかにも影響を与え得、ユーザが自身のリスクの評価の通知を受信するより粒状かつ正確な手法を提供する。このリスクは、グルコース値及び変化速度に基づき好適な計算によって測定され得、上で参照によりに組み込まれる特許出願に記載される血糖緊急指数を含むなどの、より高度な計算を含み得る。すなわち、グルコース値、グルコース変化速度、及び(通常、これらのリアルタイム値のうちの1つ以上が関与する)他の複雑な派生値を含み得る動的リスク計算に基づいて、システムは、データ送信設定、例えば、頻度、プッシュされたかまたはプルされたデータを使用するかどうか、画面リフレッシュ速度、データ更新及び再計算速度、ならびに校正頻度などを自動的に調節し得る。
【0167】
スマート警告は、ディスプレイ上、より具体的にはディスプレイ上にレンダリングされたユーザインターフェース上に生成及びレンダリングされ、スマート警告は、様々なレベルの予測レベルを有することを含むいくつかの形態をとることができる。例えば、
図7を参照すると、スマート警告は、注意に値する糖尿病状態を示してもよく、現在のグルコース値、予想される、例えば、ある特定の時間枠内、例えば、20分内に予想されるグルコース値の詳細などをさらに提供してもよい。
図7に示されるスマート警告は、トレースグラフの上に重ね合わせられてもよく、該トレースグラフは、
図8に示される。見られるように、
図7のスマート警告は、自身の注意に値する糖尿病状態、この場合は(
図8の局所的最小値によって示される)差し迫っている低血糖を認識していないユーザに詳細な警告を提供する。
【0168】
図9~29は、インターフェースユーザビリティ及び他の要因の考慮に基づいて構築された例示的なユーザインターフェース及びスマート警告を例示する例えば、表示された矢印の使用は、時折ユーザに役立ち、矢印の意味は時々、不明確である。例えば、矢印は、緊急性または措置を講じる必要性を伝える傾向があるが、ユーザは、矢印が予測または傾向を指すかどうかに関して混乱する場合がある。したがって、一実装形態において、以下をユーザインターフェース上に表示することが有用であることが見出された。グルコースの現在値、閾値警告レベル、例えば、グルコースの現在値、例えば、「55」を考慮した最も関連する閾値警告または警報レベル、記号、及び色、例えば、ユーザが認識的に気付いていない注意に値する糖尿病状態の場合、黄色または赤であり、特定の色は状態の緊急性に依存する。
【0169】
記号は、
図9~14に示されているとおりでもよく、例えば、肉太の点で始まり、閾値で終了する点線(
図9)、方向を示す矢印を有する点線(
図10)、左から右に読んだ場合、方向を示す点線(
図11)、方向性を示す矢じりを有するラインセグメント
図12)でもよい。場合によっては、例えば、洗練されたユーザについては、警鐘のみが必要であり、これは、
図13に示される。傾向矢印及び色インジケータを伴う警鐘は、
図14の代替のユーザインターフェースとして示される。これらの要素の全て、及びこれらの組み合わせは、スマート警告に文脈を提供するのに有用である。記号は、即座に識別可能であり、両親とのやりとりが容易であるため、記号は子供と共に使用するのに特に便利であり得る。
【0170】
図9~14に見ることができるように、スマート警告は通常、典型的にCGM監視アプリケーションに関連付けられた別のユーザインターフェースの上のオーバーレイとして提供される。したがって、オーバーレイは、多くの場合、時折矢印または点線によって示される予測要素を含んでも含まなくてもよい傾向グラフの上にある。一般に、画面上に2つの異なる矢印が現れると、ユーザを混乱させ得、したがって傾向矢印がスマート警告に現れる場合、傾向矢印は、現れるべきではないか、または下層のグルコーストレースチャートを抑制するべきであることが見出された。
【0171】
また、傾向の終了点を示すことも有益であることが見出され、これは、
図15~17に示される。この終了点は、時間(「20分以内」などの定量的、もしくは「すぐに」などの定性的)、値、またはそれらの両方を示し得る。
図15~17において終了点の時間部分は、20分を示す時計上のセグメントによって、及びテキスト警鐘自体内に定性的または定量的に示される。終了点の値部分は、この場合、低血糖警告閾値、例えば、55mg/dLによって示される。現在値も、傾向矢印及び色インジケータと共に
図15~17に示す。色インジケータは通常、現在のグルコース値、その変化速度などによって決定されるスマート警告の緊急度に基づく。
【0172】
図18及び19は、グルコーストレースチャート(
図19)、及び該チャート上に重ね合わせられたスマート警告(
図18)を示し、同様に、
図20及び21は、グルコーストレースチャート(
図21)、及び該チャート上に重ね合わせられたスマート警告(
図20)を示す。これらの図は、有益であることが見出されたスマート警告を示し、この警告は、テキスト警鐘「緊急の低血糖が近い」、グルコースの現在値、すなわち、93mg/dL、傾向矢印、関連する閾値、すなわち、55の表示、及び時計セグメントによって示された時間表示を含む。
図20及び21は、スマート警告警鐘のテキスト部分内に時間終了点の表示をさらに含む。
【0173】
多くの場合、
図22~29により例示されるように、定性的警鐘よりもむしろ、定量的な時間ベースの警鐘を表示するが有益であることが見出された。
図22~29は、15分の期間にわたる時間進行を示すスマート警告の時間配列を例示する。
図23、25、27、及び29は、下層グルコーストレースグラフを示し、それらのそれぞれのスマート警告は、
図22、24、26、及び28によって示される。最初の時間点が、
図22、23によって示され、5分後の時間点が、
図24/25によって示される。10分後の時点が
図26/27によって示され、一番最初から15分の時点は、
図28/29によって示される。
【0174】
上述のように、赤色の使用は、スマート警告の提供において有益であることが見出された。しかしながら、赤色は、スマート警告の緊急度に基づいて修正されてもよい。より緊急ではないスマート警告に関しては、例えば、より明るい色調の赤色が用いられてもよい。
【0175】
別の実装形態では、スマート警告は、スマートフォンのロック画面上に提供されてもよい。
図30~41は、そのような実装形態を示し、これらは共に、概して低グルコース警告の文脈にあり、かつ低グルコース警告の文脈の中にある。見ることができるように、ユーザが自身のスマートフォン上の通知を見た時(
図30、34、及び38)、ユーザは、自身の電話をロック解除し、警告の「ポップオーバー」通知を見てもよい(
図31、35、及び39)。「OK」ボタンが示され、起動したら、傾向画面が表示されてもよい(
図32、36、及び40)。これらの図では、バナーがアプリケーション内の他のナビゲーションボタンを覆っており、そのようなナビゲーション機能にアクセスできないことは、その警告の重要性を再確認させる。ユーザは、Xボタンをタップすることによりバナー警告を閉じ、アプリケーションを使用し続けることができる。あるいは、ユーザが、自身のグルコース値を良好なレベルにまで上昇させるように自身のグルコースを是正したら、バナーは消える。代替的な実装形態では、警告バナーは、ナビゲーションペインの下に再配置され、警告が表示されても、ユーザがナビゲーション機能を使用することを可能にしてもよい。これは、警告の緊急度に基づくように構成され得る。
【0176】
表示されたユーザインターフェースの実装形態において、または任意の他の実装形態において、画面上に表示された適切なアイコン、例えば、虫眼鏡をタップすると、追加情報の表示を引き起こしてもよいか、または他の機能を呼び出してもよい。例えば、適切なアイコンをタップすると、様々なレベルの予測が表示される、例えば、これから10分または15分にわたって予想されるものがユーザに示されてもよい。そのような予測は、テキストインジケータ、グルコーストレースグラフ上の点線、矢印、時間及びグルコースを示す終了点などによって提供されてもよい。
【0177】
別の実施形態では、スマート警告機能は、警告音または警報音の音量が検出された周囲雑音レベルを考慮して適切になるように自動的に調節されるように、実装され得る。換言すれば、信号対雑音比が、ユーザが警告または警報を聞くことを可能にするのに十分であるように、検出された周囲雑音を考慮して、警告または警報の音量が調節されてもよい。そのような音量も、ユーザがカスタマイズすることができてもよい。周囲雑音レベルの検出は、周囲雑音レベルを検出するためのマイクロホンまたは他のセンサを含むことによって実行されてもよい。スマートフォンの実装形態では、電話のマイクロホンが使用され得る。言い換えれば、システムは、周囲雑音レベルを測定または検出し、所望の所定の信号対雑音比または代替的にSINRを達成するように、警告音または警報音の音量を自動的に調節する。
【0178】
推測される周囲雑音レベルよりも十分に大きいデフォルトの音量設定が、提供されてもよい。測定された騒音レベルが、デフォルトによって推測された騒音レベル、またはカスタマイゼーション中に検出または推測された騒音レベルよりも大きい場合、警告または警報がユーザに聞こえるようなレベルに、警告/警報の音量が徐々に、または急激に自動的に上げられてもよい。例えば、警告/警報のデシベルレベルは、周囲雑音レベルとの所定の関係を有するように、例えば、上述の所定の信号対雑音比を達成するように設定されてもよい。このような実装形態における騒音レベルは、警告/警報の発令の直前に、有利に測定され得る。
【0179】
ユーザが不快な事象、例えば、低血糖症、高血糖症、制御できないグルコースなどを経験している、出力の他の実装形態において、本原理に従うシステム及び方法は、ある程度のフォレンジックを示し、その事象がどのようにして起こったかに関してユーザに知らせ、将来そのような事象を予防するのに役に立つ助言を提供する、事象後のスマート警告を自動的に生成してもよい。フォレンジック情報のそのような自動生成は、信号特性または他の診断情報の決定または検出のおかげで、システムが不快な事象の原因を個別に特定することができる場合に特に提供され得る。そのようなフォレンジックを提供することにより、スマート警告機能がそのような不快な事象を追跡、検出するように構成され、警告するようにプログラムされていることをユーザはよく理解し、システムに対するユーザの信頼性及び信頼を上昇させる。加えて、そのような事象に関するデータは、機械学習アルゴリズムの使用により、スマート警告アプリケーション/機能の動作を改善するために有利に用いられ得る。
【0180】
システムは、スマート警告に関連する注意または他のモディファイア(modifider)を示すようにさらに構成されてもよい。例えば、システムは、「[既知の「働いている」治療面、例えば、インスリンもしくは食品または運動]が効くのを待っているので、警報を発する前に1時間待っています。しかし、この状態に関して近い将来警告または警報されるかもしれないので、ご留意ください。」などの表示を提供してもよい。そのような表示は、システムがユーザの認識的気付きの推定または予測にいくらかの自信を有し得るが、この自信は明確ではなく、同等に、推定または予測のレベルが、ユーザが認識的に気付いているかまたはユーザが認識的に気付いていないかを疑いなく確立するのに十分でない場合の妥協点を提供する。特定の実装形態において、認識的気付きの推定または予測が閾値レベルの5%以内である時はいつでも、そのような注意またはモディファイアが、(様々なストリング操作サブルーチンを介して)スマート警告と共に現れるように構成されてもよい。ストリング変更の内容は、スマート警告の種類及び内容に応じて変わることが理解されるであろう。
【0181】
ある特定のスマート警告機能は、センサのウォーミングアップ期間中でさえ、活用され得る。より詳細には、新しいセンサがインストールされたら、通常、情報が利用可能ではない期間が、例えば、2時間存在する。この時間中、血糖値は、正確であることが保証されない。しかしながら、傾向値は依然として得ることができ、これらの表示は、ユーザにとって有益である。指腹での採血での血糖値が、正確なグルコース値を得るためにこのウォームアップ期間中に用いられてもよく、場合によっては、ウォームアップ期間中に得られた傾向の表示のシステム分析が、そのような指腹での採血での値を得るためのトリガとして用いられてもよい。実装形態において、グルコース監視アルゴリズムが除去されたセンサからの最後の既知の測定値を使用した場合、アルゴリズムは、安全確認として、ユーザは指腹での採血を行うべきであることを示す表示またはユーザプロンプトを自動的に生じさせてもよい。例えば、除去されたセンサからの最後の既知のグルコース値が76であり、かつ下向きの傾向を有した場合、ウォームアップの間のイオン数の低下は、ユーザが低血糖症の事象に傾いていることを示し得る。ウォームアップ中に実際のグルコース値データが利用できない時、注意に値する糖尿病状態のユーザの認識的気付きの推定または予測は、それに応じてより低くなる。この状況では、ユーザが指腹での採血を行うべきであるというスマート警告が生成されてもよい。別の例では、除去されたセンサからの最後の既知のグルコース値が76であり、かつ比較的安定していたが、リアルタイムの低減したイオン数がウォームアップ中に測定された場合、これは重ねて、特にユーザは、前のセンサセッションの間に下向きの傾向の表示の恩恵にすらあずからなかったため、ユーザが潜在的な低血糖症の状況を認識的に気付いていないことを示し得る。要約すると、スマート警告機能は、スマート警告の生成で前のセンサセッションデータまたはリアルタイム傾向情報を用いてもよく、ここで、生成は通常、閾値基準と比較されるユーザの認識的気付きのレベルに基づき、この基準はそれ自体が1つ以上のデータ入力に依存し得る。
【0182】
さらなる実装形態において、ユーザが低血糖症の症状の発現を回避または最小限に抑えるための措置を講じることができるように、CGM及び低グルコース警告閾値が、ユーザが差し迫った低血糖症を特定する助けとなることに留意されたい。そのような機能は、患者が震え、発汗などの生理学的症状に基づいて低グルコースを特定することが困難である時に特に有用であり、これらは、低血糖症の気付きの低下を有するユーザに該当する。低血糖症の気付きは、症状の発現によって異なり得、最近の低血糖症の事象に影響を受けることが示された。とりわけ、最近の低血糖症事象は、後続の症状の発現にユーザが気付くのを低減させる。
【0183】
したがって、本原理に従うシステム及び方法のさらなる実装形態において、患者が自身の症状の結果として自身の低血糖症に気付く可能性が低い状況では、警告がより早く提供されるかまたはより目立つ可能性が高いように、警告の特性が、低血糖症の症状の発現の最近の履歴の関数として修正されてもよい。修正される典型的な警告特性には、例えば、閾値、強度、視覚ディスプレイなどが含まれる。そのような実装は、警告がより役立たない時は、迷惑警告(患者が低血糖症に既に気付いている時、または所望されるよりも頻繁に提供される警告)の数及び/または不快感を最小限に抑え、患者がそれだけ症状に頼ることができない時は、警告の感度及び/または警告が目立つことを最大化する。言い換えれば、ユーザの認識的気付きは、低血糖症の症状の発現が、ユーザが後続の症状の発現に気付くことを鈍らせることが示されているため、低血糖症の症状の発現の最近の履歴にさらに基づいてもよい。実装形態において、低血糖症の症状の発現の最近の履歴は、ユーザの認識的気付きの推定または予測で有用なデータ出力をもたらすように、過去または履歴データから収集され、リアルタイムデータ、例えば、グルコースデータ、グルコースの変化速度など、特に、潜在的な低血糖症を示すリアルタイムデータと組み合わせて使用されてもよい。ユーザの認識的気付きの推定または予測で有用なデータ出力は、例えば、ユーザが認識的に気付くと推定または予測される閾値を上げるか、または下げるために使用されてもよい。低血糖症の症状の発現の最近の履歴が存在する場合、閾値は上げられ、したがって追加のスマート警告をもたらしてもよい。ユーザデータが、例えば、ユーザによるより良好な糖尿病管理により、低血糖症の症状の発現の頻度が減少したことを示す場合、閾値は反対に上げられ、スマート警告の数を減少させてもよい。
【0184】
代替的な実装形態では、ユーザインターフェースに表示されたスマート警告は、本出願の譲受人によって所有され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2015/0289821号、表題「GLYCEMIC URGENCY ASSESSMENT AND ALERTS INTERFACE」に記載される任意の形態をとり得る出力を組み込んでもよいか、または有してもよい。
【0185】
ポンプ及び他の送達デバイスとの使用
スマート警告は、注入ポンプ及び他のそのような送達デバイスからデータと組み合わせて有益に用いられてもよい。ある程度、スマート警告の使用は、開ループシステム、閉ループシステム、または半閉ループシステムに関わらず、送達デバイスの使用に左右される。
【0186】
開ループシステムにおいて、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていると推定または予測さる場合、スマート警告は、上述のように使用され、例えば、ボーラス投与情報に関する警告を提供してもよい。例えば、食事ボーラスの場合、機械学習が、ユーザの食事パターンを決定するために用いられてもよく、典型的な食事パターンの一部ではない食事後に、あるグルコーストレースに遭遇した場合、スマート警告がそのようなデータに基づいて生成されて、ボーラス投与を提案してもよい。ボーラス投与が注入されるべきであることを判定する以外に、機械学習及びスマート警告は、好ましくは、遅過ぎないか、または早過ぎないタイミングを決定するためにさらに用いられてもよい。そのような学習には、典型的に、「食事の出来事」の間のどの時点で、ボーラス投与が送達されるべきかを学習するために、過去のデータの分析を伴う。この場合、過去のデータである食事の出来事データが、例えば、(時計データまたは事象データなどによって判定することができる)ユーザが今まさに食事をしようとしているか、または典型的な食事時間に近づいていることを示すリアルタイムデータと組み合わせて使用される。同様に、機械学習は、ユーザがしばしば過剰ボーラス投与、例えば、またはいわゆる「リバウンド」または「熱狂」ボーラス投与を行うことを判定するために使用されてもよい。これは、特にスマート警告アプリまたは機能がポンプまたはペンからデータを受信することに関連し得る。ユーザがそのような過剰ボーラス投与の傾向があるかそれに向かうパターンを有するとシステムが判定し得る場合、この傾向またはパターン情報は、過剰ボーラス投与をしないようにユーザに注意するためのスマート警告を提供するために用いられてもよい。より一般的には、この情報は、スマート警告機能に大まかに知らせるために使用されてもよい。ユーザは、上方に、例えば、高血糖症に傾向している時に過剰ボーラス投与の影響を特に受けやすいため、そのような使用は特に重要であり得る。
【0187】
送達デバイスの文脈におけるスマート警告の使用の別の例として、ユーザが注入セットを変える時、適切なインスリン吸収を有しないかまたは閉塞した注入部位またはカニューレをとる、通常より高いリスクが存在する。閉塞警報が存在するが、特にカニューレが完全に閉塞していない場合、この警報は、注入部位に関連する問題の検出に通常有用ではない。標準治療は、ユーザが自身の注入セットを変えてから2時間後に、ユーザが適切なインスリン送達を受けていることを確実にするために自身の血糖レベルを確認するように指示している。検出されないカニューレ問題は、高血糖症、さらには命に関わり得るケトアシドーシスに繋がり得、ポンプ療法の使用に対する複数の毎日の注射の主なリスクを構成する。
【0188】
本原理に従うシステム及び方法は、患者がケトンを発症する前の早い時期に注入セットに関する問題を検出することができ、スマート警告を用いて、そのような状況で通常その問題が存在することを完全に認識的に気付いていないユーザに、そのような注意に値する糖尿病状態に関する警告を提供することができる。例えば、患者がいつ彼らの注入セットを変えたかを知ることは、不良な注入部位の確率の決定のために使用され得、そのようなデータをさらに用いて、血糖における他の上昇と、注入セットの問題と、を区別することができる。特に、システムは、カニューレ充填、リザーバの変更、及びポンプへの誘い水差しについてのデータを用いて、ユーザが自身の注入セットの全てまたは一部を変えた出来事を判定し、そのようなデータは、ユーザの認識的気付きの推定または予測の一部としてCGMデータと組み合わせて使用され得、流体圧力データは可能性のある注入セットの問題に対する個別化された警報の学習に有用であり、同様に使用され得る。別々に使用されるCGMデータ及びポンプデータは通常、注入セットの問題の検出には不十分であるが、これらのデータは一緒になると、危険な事象、特に高血糖症の事象を防止することができるより具体的な警報を提供する。具体的には、これは、注入セットの問題の判定及び警告のために使用され得、ユーザにケトアシドーシスを含む医療的問題の発生前に問題に対処するように警告し得る。
【0189】
具体的には、
図42のシステム350を参照すると、
図1のシステムは、ポンプ52(またはポンプデータのソース)からもデータを受信するように例示されている。ポンプデータを、例えば、受信したポンプデータと、特にポンプの適切な動作を妨げる問題に関連する既知のポンプデータのパターンまたはシグネチャと比較することによる分析によって、CGMアプリは、カニューレ/注入セットの問題を検出し、それに関するスマート警告を提供することができる。そのような問題は、ユーザが検出するのが特に困難であり、かつ困難なことで有名であり、したがって注意に値する糖尿病状態のユーザの認識的気付きの予測または推定において、重視され得る。したがって、かつ(
図2のフローチャート101に基づく)
図43のフローチャート400を参照すると、スマート警告を提供する方法には、ポンプデータを受信するステップが含まれ得(ステップ54)、これは、ユーザの認識的気付きの推定または予測の計算に用いられ得る。
【0190】
ステップ54で受信されたポンプデータには、ボーラス投与情報、ポンプ停止データ、ポンプ警報、ポンプ巻き戻し(時間)、ポンプ差し水差し(時間)、カニューレ充填(タイミング及び量)、閉塞警告を生成するために用いられる流体圧力または他のデータなどに関するデータが含まれ得る。一実装形態において、そのようなデータへのアクセスを可能にするAPIが、監視アプリケーションで用いられてもよい。逆に、スマート警告機能は、送達デバイスの操作及び制御を行うアプリケーションの文脈内でも提供されてもよく、この場合、CGMアプリケーションまたは他の監視アプリからのデータは、送達デバイス上で実行するスマート警告機能に適切なAPIを介して用いられ得る。
【0191】
したがって、ユーザが閉塞などのポンプの問題を認識的に気付いていない場合、スマート警告は、ユーザに注意に値する糖尿病状態を知らせるために提供され、したがって、従来の警告よりもユーザにとってより有効な警告を提供することができる。
【0192】
ポンプ/ペンまたは他の送達デバイスの文脈におけるスマート警告の他の実装形態において、そのような送達デバイスのユーザインターフェースは、スマート警告の受信確認をするために用いられてもよく、逆に、監視デバイスのユーザインターフェースは、送達デバイスによって開始された警告の受信確認をするために用いられてもよい。言い換えれば、1つのデバイスによって生成されたスマート警告に関するデータは、適切な送信プロトコルを使用して別のデバイスに通信され、レンダリングされ、場合によっては別のデバイスによって受信確認され得る。受信確認された場合、この受信確認は、適切な送信プロトコルを使用して、生成デバイスに再び通信されてもよい。
【0193】
スマート警告機能は、開ループシステムで実行されると、ユーザの認識的気付きに基づいて、ユーザに様々な措置を講じるように促すスマート警告を提供してもよい。閉ループシステムまたは半閉ループシステムにおいて、ユーザの認識的気付き及び機械の認識的気付きの両方を考慮してもよく、ここで、後者は、機械が注意に値する糖尿病状態に気付づいているかに関する。この実装形態は、
図44のフローチャート450によって例示される。同様に
図2のフローチャート101に基づくフローチャート450で、ユーザの認識的気付きを判定するステップ(ステップ17)の後に、システムが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いているかどうかを判定するステップ(ステップ21)が用いられてもよい。機械がその状態に認識的に気付いている場合、重ねて、スマート警告の必要性はなく、スマート警告は抑制されるか、または生成されなくてもよい(ステップ11)。機械がその状態に認識的に気付いていない場合、スマート警告が提供され得る(ステップ19)。ユーザの認識的気付きの推定または予測自体が、機械によって行われるタスクであるが、これは、ステップ19の機械の認識的気付きとは異なり、これは、後者が、送達デバイスが接続され、糖尿病状態を治療しているか、または糖尿病状態の治療を準備しているかどうかに関するためであることに留意されたい。例えば、システムが、例えば、グルコース値及び変化速度に基づいて、ユーザが低血糖症になり得ると判定した場合、機械の認識的気付きは、ポンプを停止させ得る。これは、ユーザが差し迫っている低血糖症の潜在性に気付き、例えば、ユーザが炭水化物を消費することによって治療する典型的なパターンの一部である低血糖症を治療するステップをとっている、ステップ17の判定とは区別される。
【0194】
スマート警告が生成される前に追加のステップが提供されるにつれて、スマート警告は、閉ループシステムにおいて、開ループシステム、または半閉ループシステムで生成されるよりも低い頻度で、かつ通常システム自体が注意に値する糖尿病状態を治療することができない場合にのみ生成される。
【0195】
特定の実装形態が、ユーザが低血糖症の状況に近づいている文脈で記載される。インスリンポンプが低グルコース閾値を超えたら自動的に停止する、単に閾値を使用する代わりに、スマート警告機能によって行われるユーザの認識的気付きの推定または予測の結果が、ユーザは注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていると推定または予測されるような結果である場合、ポンプは、危険な低血糖症の状況を回避するために、ユーザが認識的に気付いていない場合よりも早く停止されてもよい。ユーザが気付いていない典型的な状況は、ユーザが眠っている夜間である。
【0196】
ユーザに従来の作品よりも有効な手法で注意に値する糖尿病状態を警告することができるようなスマート警告をユーザに提供するための、システム及び方法が記載される。
【0197】
変化形が理解されるであろう。例えば、システム及び方法は、他のアプリケーションと相互作用し、警告を提供するためにこれを用いてもよい。例えば、ユーザは差し迫った低血糖症の注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないとシステムによって推定または予測されたが、ユーザスマートデバイスのGPSアプリからのデータが、食物のソース、例えば、ガソリンスタンドまたは食品ストアに近接していることを示す場合、差し迫っている状態、及び改善措置を講じることができる場所に関する警告がGPSアプリ上に現れてもよい。概して、GPSアプリからのデータは、食物のソースの位置に関する情報を提供するデータであるが、他のアプリ、例えば、同様にレストランの位置に関する情報を提供することができる食事追跡アプリからのデータも活用されてもよい。そのような警告は、一般に、GPSアプリとCGMアプリとの間の適切なAPI、及び他の用いられるアプリ間のAPIを使用する。場合によってはGPSアプリからのデータは、ユーザが一般にアクセスされる食物ソース、例えば、ユーザがしばしば行くレストランに向かう方向に移動していることを示す。特に、その判定は、例えば、その方向に一般にしばしば行く場所は他にないとはっきりと下され得、次いで、潜在的な軽度の低血糖症の事象では、そのようなGPSデータを用いて、少なくとも一時的にスマート警告の生成を抑制してもよい。一般的に言えば、この手法で使用されるGPSデータは、ユーザの認識的気付きの推定または予測において有利に用いられ得る。
【0198】
スマート警告/機能を可能にする本原理に従うシステム及び方法の実装。
種々のシステムを用いて、本原理に従うスマート警告機能を実装してもよい。例えば、一実装形態において、健康及び糖尿病管理専用のモバイルコンピュータデバイス、例えば、スマートデバイス、例えば、スマートフォンが、用いられ得る。該モバイルコンピュータデバイスは、健康/糖尿病管理専用のデバイスであってもよいか、または健康及び糖尿病管理に特別に適合されたより一般的なデバイスであってもよい。デバイスは、ユーザによって自身のライフスタイル及び好みに合うように構成可能であってもよい。モバイルデバイスは、AndroidまたはiOS(または他の)オペレーティングシステムに基づいてもよく、タッチスクリーンインターフェースを利用してもよい。場合によっては、オペレーティングシステムは、例えば、クラウドにデータを提供し、ユーザ経験の要素を最適化/制御するための管理サービスに関して、カスタマイズまたは制御されてもよい。デバイスには、Bluetooth(登録商標)Low Energyなどの、1つ以上の共通の無線通信リンクが含まれていてもよい。デバイスには、リモート監視、データ転送、及びソフトウェア更新のためのWiFiまたは他のデータ接続技術も含まれていてもよい。
【0199】
モバイルコンピュータは、スマートウォッチなどのウェアラブルコンピューティングデバイスと共に(に「繋がれて」)使用されてもよい。該ウォッチは、モバイルデバイスに直接接続されなくても(繋がれなくても)有用に機能し得る。そのようなウォッチまたは他のそのようなウェアラブルには、心拍数モニタなどのセンサが含まれ得、そのようなモニタからのデータも、スマート警告機能に知らせるために用いられてもよい。例えば、そのようなモニタを用いて、(恐らく加速度計データと組み合わせて)ユーザが運動をしているかどうか、もし運動している場合、ユーザがより多いまたはより少ない警告/警報を所望し得るかどうかを判定してもよい。
【0200】
そのようなウェアラブルデバイスはまた、視覚ディスプレイをレンダリングするようにスマート警告機能を構成する可能性を可能にし得、社交場において大幅なプライバシー及び思慮を、及び例えば睡眠において有用性を提供する。スマート警告機能は、触覚ディスプレイを有するウェアラブルが検出された場合、まず、ウェアラブルに警告を提供し、ウェアラブルの警告または警報が無視された場合、その後に他のデバイス、例えば、スマートフォンに警告するように構成されてもよい。
【0201】
ユーザは、アプリのキュレートされたエコシステムから選択してもよい。この選択には、例えば、Databetes(食事のメモリ)、TrainingPeaks(活動/フィットネス)、Tidepool、MyFitnessPal、Nike+、Withingsからのアプリが含まれ得る。他のアプリには、療法の最適化を目指し、かつユーザの現在の注意に値する糖尿病状態にユーザが認識的に気付いているかを判定するための、遡及的洞察/パターン認識のためのアプリが含まれ得る。エコシステムには、新たにΙ型糖尿病と診断されたユーザ(またはユーザの親)のために基本的な糖尿病管理指示を提供するアプリがさらに含まれ得る。異なる命令セットが、新たにΙΙ型糖尿病と診断されたユーザのために含まれ得る。
【0202】
モバイルコンピュータは、EMR(例えば、Epic)を介して、ユーザ(患者)と臨床医との間のデータの接続性を可能にする。モバイルコンピュータプラットフォームは、ユーザ/プロバイダダイアログを可能にし、促進する。
【0203】
別の特定の実装形態では、モバイルコンピュータは、健康管理と無関係の機能を含まないように構成されてもよい。
【0204】
安全性設定は、一般に実装される。例えば、スマート警告機能は、CGMデータが収集されるまでの期間まで無効化され得る。このようにして、設定は、データ駆動型及びデータ検証型であってもよい。例えば、1週間分のデータが必要とされ得る、2週間分のデータが必要とされ得る、1ヶ月分のデータが必要とされ得るなど。上述のように、初期の設定または訓練は、データなしで、または(対象ユーザに関連する)従来のユーザのデバイスからのデータを使用して行われてもよい。これの後に後続の最適化が行われてもよく、具体的には、スマート警告機能は、スマート警告に関連する機能が、例えば、ユーザの認識的気付きの予測もしくは推定を可能にするのに十分なデータが収集されたかを判定するためにデータ分析サブルーチンもしくは診断サブルーチンを実行してもよいか、またはユーザもしくはHCPにこれを行うように警告してもよい。あるいは、スマート警告機能は、自動的に実施され得るが、ユーザまたはHCPからの確認を必要としてもよい。
【0205】
前述したように、ユーザは多くの場合、複数の警告または警報の通知を受信することによってイライラさせられるが、本原理に従うスマート警告機能は、そのようないら立ちの元を最小限に抑える働きをし得る。しかしながら、複数の通知が要求され提供された場合、スマート警告機能は、ユーザが実際のまたは潜在的警告の全ての集合体を受信するように、後続の通知が追加情報を含むことを可能するようにも構成されてもよい。例えば、最初の通知が、ユーザが低血糖に向かっているという表示を提供する場合、システムは、別の警告閾値に達するまで、スマート警告機能を介してユーザに再び警告しないか、または警告/警報を抑制することを理解し、次いで、後続の通知には、異なる本質的なメッセージ、例えば、「現時点で20分間低いです」が含まれ得る。
【0206】
本原理に従うシステム及び方法は、機会または措置の逃した好機を検出するためにさらに用いられ得る。具体的には、機械学習は、ユーザが典型的にいつ措置、特に良好な結果になる措置を講じるかを学習するために用いられ得る。同様の状況に遭遇したが、ユーザが良い方向に行動しない場合、例えば、ユーザがスマートデバイスなどから離れた場所におり、機会に気付いていない場合、続いてスマート警告が、逃した機会に関して提供されてもよい。
【0207】
特に、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いているかの推定また予想に基づくスマート警告を達成するためのシステム及び方法が記載される。上述のものの多数の変形が、この説明を前提として理解されるであろう。
【0208】
センサシステム
図45は、いくつかの例示的な実装に従った例示的なシステム100を示す。システム100は、センサ電子機器12と連続分析物センサ10とを含む、連続分析物センサシステム8を含む。システム100は、薬剤送達ポンプ2及びグルコースメータ4などの他のデバイス及び/またはセンサを含んでもよい。連続分析物センサ10は、センサ電子機器12に物理的に接続されてもよく、連続分析物センサ10と一体化であっても(例えば、解放不可能に取り付けられても)、または解放可能に取り付け可能であってもよい。センサ電子機器12、薬剤送達ポンプ2、及び/またはグルコースメータ4は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20などの1つ以上のデバイスと連結してもよい。
【0209】
いくつかの例示的な実装形態において、システム100は、宿主(ユーザまたは患者とも称される)と関連した、センサシステム8及びディスプレイデバイス14~20などの他のデバイスから、ネットワーク406を介して(例えば、有線、無線、またはこれらの組み合わせを介して)提供される、分析物データ(及び/または他の患者関連データ)を分析し、ある特定の時間枠にわたって測定された分析物に関する統計データなどの高レベルの情報を提供する報告を生成するように構成される、クラウドベースの分析物プロセッサ490を含んでもよい。クラウドベースの分析物処理システムを使用する本格的な考察は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2013年3月7日に出願され、米国特許出願公開第2013/0325352号として公開された米国特許出願第13/788,375号、表題「CALCULATION ENGINE BASED ON HISTOGRAMS」に見ることができる。いくつかの実装形態では、工場校正アルゴリズムの1つ以上のステップが、クラウドで行われ得る。
【0210】
いくつかの例示的な実装形態において、センサ電子機器12は、連続分析物センサ10によって生成されるデータの測定及び処理と関連した電子回路を含んでもよい。この生成された連続分析物センサデータはまた、連続分析物センサデータを処理及び校正するために使用され得るアルゴリズムを含んでもよいが、これらのアルゴリズムは、同様に他の方法でも提供され得る。センサ電子機器12は、連続グルコースセンサなどの連続分析物センサを介して分析物のレベルの測定値を提供するために、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。センサ電子機器12の例示的な実装形態は、
図46に関して以下にさらに記載される。
【0211】
一実装形態において、本明細書に記載される工場校正アルゴリズムは、センサ電子機器によって行われてもよい。
【0212】
センサ電子機器12は、記述通り、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20などの1つ以上のデバイスと(例えば、無線などで)連結されてもよい。ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20における表示のために、センサ電子機器12によって送信されるセンサ情報などの情報を提示する(かつ/またはその警報を出す)ように構成されてもよい。
【0213】
ディスプレイデバイスには、少なくとも情報(例えば、スマート警告、薬剤送達情報、別個の自己監視グルコース読み取り値、心拍数モニタ、カロリー摂取モニタなど)を提示するように構成される、比較的小さいキーフォブ型ディスプレイデバイス14、比較的大きい手持ち式ディスプレイデバイス16、携帯電話18(例えば、スマートフォン、タブレットなど)、コンピュータ20、及び/または任意の他のユーザ装置が含まれ得る。場合によっては、ディスプレイデバイスは、自動車が例えば、ユーザのスマートフォンと信号通信する場合、例えば、ユーザの自動車であり得る。例えば、自動車は、スマートフォンとBluetooth通信してもよいか、またはBluetoothでペアリングしていてもよい。他のディスプレイデバイスには、テレビ、スマート冷蔵庫などが含まれ得る。
【0214】
一実装形態において、工場校正アルゴリズムは、少なくとも部分的にディスプレイデバイスによって行われ得る。
【0215】
いくつかの例示的な実装形態において、比較的小さいキーフォブ型ディスプレイデバイス14には、リストウォッチ、ベルト、ネックレス、ペンダント、宝飾品、接着パッチ、ポケットベル、キーフォブ、プラスチックカード(例えば、クレジットカード)、識別(ID)カード、及び/または同類のものが含まれ得る。この小型のディスプレイデバイス14には、比較的小さいディスプレイ(例えば、大型ディスプレイデバイス16よりも小さい)が含まれてもよく、数値、矢印、またはカラーコードなどの、スマート警告を含むある特定の種類の表示可能なセンサ情報を表示するように構成されてもよい。
【0216】
いくつかの例示的な実装形態において、比較的大きい手持ち式ディスプレイデバイス16は、手持ち式受信機デバイス、パームトップコンピュータ、及び/または同類のものを含んでもよい。この大型ディスプレイデバイスは、比較的大きいディスプレイ(例えば、小型ディスプレイデバイス14よりも大きい)を含んでもよく、センサシステム8によって出力される現在及び履歴センサデータを含む連続センサデータのグラフ表示などのスマート警報を含む情報を表示するように構成されてもよい。
【0217】
いくつかの例示的な実装形態において、連続分析物センサ10は、分析物を検出及び/または測定するためのセンサを含み、連続分析物センサ10は、非侵襲的デバイス、皮下デバイス、経皮デバイス、及び/または血管内デバイスとして、分析物を連続的に検出及び/または測定するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装形態において、連続分析物センサ10は、複数の断続的血液試料を分析してもよいが、他の分析物も同様に使用され得る。
【0218】
いくつかの例示的な実装形態において、連続分析物センサ10には、酵素、化学、物理、電気化学、分光光度、偏光、熱量、イオン導入、放射、免疫化学などの1つ以上の測定技術を使用して、血液または間質液中のグルコースを測定するように構成される、グルコースセンサが含まれ得る。連続分析物センサ10がグルコースセンサを含む実装形態において、グルコースセンサは、グルコースの濃度を測定することが可能な任意のデバイスを含み得、侵襲的、低侵襲的、非侵襲的検知技術(例えば、蛍光モニタリング)を含む、グルコースを測定するための様々な技術を使用して、宿主内のグルコースの濃度を示すデータストリームなどのデータを提供してもよい。データ流は、センサデータ(生及び/またはフィルタリングされた)であってもよく、それらは、ユーザ、患者、または介護者(例えば、宿主の健康に関心がある親、親戚、保護者、教師、医者、看護師、または任意の他の個人)などの宿主にグルコースの値を提供するために使用される校正されたデータ流に変換されてもよい。さらに、連続分析物センサ10は、次の種類のセンサのうちの少なくとも1つとして埋め込まれてもよい。埋め込み可能なグルコースセンサ、宿主血管中に埋め込まれた、または対外の経皮グルコースセンサ、皮下センサ、差し替え可能な皮下センサ、血管内センサ。
【0219】
いくつかの例示的実装形態では、ユーザの糖尿病必要品が少なくなっている時、スマート警告がユーザに警告し、次いで、自動的にレンダリングするか、またはユーザに再注文するように促すために提供され得る。例えば、いくつかの状況において、システムは、ユーザが典型的に2日前に注文することを学習し得、システムは、センサが残り2日分の寿命を有するという事実に気付いてもよい。この場合、システムは、ユーザに新しい必要品を注文する時期であることを知らせるスマート警告情報を提供し得る。
【0220】
ユーザの受信確認が用いられる場合、受信確認は、受信機、モバイルデバイス、または他のそのようなデバイスで受信確認されてもよい。場合によっては警告または警報は、送信機で直接受信確認されてもよい。場合によっては、ユーザではない人が、ユーザの警告または警報の受信確認を有害に行い、それによりユーザにそのような警告または警報を潜在的に受信させないことを行わせないように、フィンガープリント認識が受信確認で用いられてもよい。
【0221】
本明細書の開示は、グルコースセンサを含む連続分析物センサ10を含むいくつかの実装形態に言及するが、連続分析物センサ10には、他の種類の分析物センサも同様に含まれ得る。さらに、いくつかの実装形態は、埋め込み可能なグルコースセンサとしてのグルコースセンサに言及するが、グルコースの濃度を検出し、グルコース濃度を表す出力信号を提供することが可能な他の種類のデバイスも同様に使用され得る。さらに、本明細書の記載は、測定、処理などされる分析物としてグルコースに言及するが、例えば、ケトン体(例えば、アセトン、アセト酢酸及びβ-ヒドロキシ酪酸、乳酸塩など)、グル力ゴン、アセチル-CoA、トリグリセリド、脂肪酸、クエン酸回路中の中間体、コリン、インスリン、コルチゾール、テストステロンなどを含む、他の分析物も同様に使用され得る。
【0222】
図46は、いくつかの例示的な実装形態に従ったセンサ電子機器12の一実施例を示す。センサ電子機器12は、センサデータなどのセンサ情報を処理し、例えば、プロセッサモジュールを介して変換されたセンサデータ及び表示可能なセンサ情報を生成するように構成された、センサ電子機器を含んでもよい。例えば、プロセッサモジュールは、センサデータを以下のうちの1つ以上に変換してもよい。フィルタリングされたセンサデータ(例えば、1つ以上のフィルタリングされた分析物濃度値)、未加工のセンサデータ、校正されたセンサデータ(例えば、1つ以上の校正された分析物濃度値)、変化速度情報、傾向情報、加速度/減速度情報、センサ診断情報、位置情報、警報/警告情報、例えば構成アルゴリズムによって判定され得る校正情報、センサデータの平滑化及び/もしくはフィルタリングアルゴリズム、ならびに/または同類のもの。
【0223】
いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、データ処理の全部ではないがかなりの部分を達成するように構成される。プロセッサモジュール214は、センサ電子機器12と一体的であってもよく、かつ/またはデバイス14、16、18、及び/もしくは20、ならびに/またはクラウド490のうちの1つ以上など、遠隔設置されてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、複数のより小さいサブコンポーネントまたはサブモジュールを含んでもよい。例えば、プロセッサモジュール214は、警告モジュール(図示せず)、または予測モジュール(図示せず)、またはデータを効率的に処理するために利用され得る任意の他の好適なモジュールを含んでもよい。プロセッサモジュール214が複数のサブモジュールで構成される場合、サブモジュールは、センサ電子機器12または他の関連デバイス(例えば、14、16、18、20、及び/もしくは490)内を含む、プロセッサモジュール214内に位置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサモジュール214は、少なくとも部分的にクラウドベースの分析物プロセッサ490内、またはネットワーク406内の別の場所に位置してもよい。
【0224】
いくつかの例示的な実装形態において、プロセッサモジュール214は、センサデータを校正するように構成されてもよく、データ記憶装置220は、変換されたセンサデータとして校正されたセンサデータ点を記憶してもよい。さらに、プロセッサモジュール214は、いくつかの例示的な実装形態において、デバイス14、16、18、及び/または20などのディスプレイデバイスからの校正情報を無線で受信して、センサ12からのセンサデータの校正を可能にするように構成されてもよい。さらに、プロセッサモジュール214は、センサデータ(例えば、校正及び/もしくはフィルタリングされたデータならびに/または他のセンサ情報)に追加のアルゴリズム処理を実施するように構成されてもよく、データ記憶装置220は、アルゴリズムと関連した変換されたセンサデータ及び/またはセンサ診断情報を記憶するように構成されてもよい。プロセッサモジュール214は、校正から決定された校正情報を記憶及び使用するようにさらに構成されてもよい。
【0225】
いくつかの例示的な実装形態において、センサ電子機器12は、ユーザインターフェース222に連結された特定用途向け集積回路(ASIC)205を備えてもよい。ASIC205は、ポテンショスタット210、センサ電子機器12から、デバイス14、16、18、及び/もしくは20などの1つ以上のデバイスにデータを送信するためのテレメトリモジュール232、ならびに/または信号処理及びデータ記憶のための他のコンポーネント(例えば、プロセッサモジュール214及びデータ記憶装置220)をさらに含んでもよい。
図46は、ASIC205を示すが、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、センサ電子機器12によって実施される処理の(全部ではないが)一部を提供するように構成される、1つ以上のマイクロプロセッサ、アナログ回路、デジタル回路、またはこれらの組み合わせを含む、他の種類の回路も同様に使用され得る。
【0226】
図46に示される例では、センサデータのための第1の入力ポート211を通して、ポテンショスタット210は、分析物からのセンサデータを生成するために、グルコースセンサなどの連続分析物センサ10に連結される。ポテンショスタット210はまた、データ回線212を介して連続分析物センサ10に電圧を提供して、宿主内の分析物濃度を示す値(例えば、電流値など)の測定のためにセンサにバイアスをかけてもよい(センサのアナログ部分とも称される)。ポテンショスタット210は、連続分析物センサ10の作用電極の数に応じて1つ以上のチャネルを有してもよい。
【0227】
いくつかの例示的な実装形態において、ポテンショスタット210が、センサ10からの電流値を電圧値に変換する抵抗器を含んでもよい一方で、いくつかの例示的な実装形態において、電流/周波数コンバータ(図示せず)もまた、例えば、電荷カウントデバイスを使用して、センサ10からの測定された電流値を連続的に組み込むように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装形態において、アナログ/デジタルコンバータ(図示せず)は、センサ10からのアナログ信号を、いわゆる「カウント」にデジタル化して、プロセッサモジュール214による処理を可能にしてもよい。得られたカウントは、ポテンショスタット210によって測定される電流に直接関連し得、それは、宿主内のグルコースレベルなどの分析物レベルに直接関連し得る。
【0228】
テレメトリモジュール232は、プロセッサモジュール214に操作可能に接続されてもよく、センサ電子機器12と、ディスプレイデバイス、プロセッサ、ネットワークアクセスデバイスなどの1つ以上の他のデバイスとの間の無線通信を可能にするハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアを提供してもよい。テレメトリモジュール232において実装され得る様々な無線技術としては、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)Low-Energy、ANT、ANT+、ZigBee、IEEE 802.11、IEEE 802.16、セルラ無線アクセス技術、無線周波数(RF)、インダクタンス(例えば、磁気)、近距離無線通信(NFC)、赤外線(IR)、ページングネットワーク通信、磁気誘導、衛星データ通信、スペクトル拡散通信、周波数ホッピング通信、近距離無線通信、及び/または同類のものが挙げられる。いくつかの例示的な実装形態において、テレメトリモジュール232は、Bluetooth(登録商標)チップを含むが、Bluetooth(登録商標)技術はまた、テレメトリモジュール232及びプロセッサモジュール214の組み合わせで実装されてもよい。
【0229】
プロセッサモジュール214は、センサ電子機器12によって実施される処理を制御してもよい。例えば、プロセッサモジュール214は、センサからのデータ(例えば、カウント)を処理するように、データをフィルタリングするように、データを校正するように、フェイルセーフチェックを実施するように、かつ/または同類のものを行うように構成されてもよい。
【0230】
いくつかの例示的な実装形態において、プロセッサモジュール214は、例えば、無限インパルス応答(IIR)または有限インパルス応答(FIR)フィルタなどのデジタルフィルタを備えてもよい。このデジタルフィルタは、センサ10から受信される未加工のデータ流を平滑化してもよい。概して、デジタルフィルタは、所定時間間隔でサンプリングされるデータをフィルタリングするようにプログラムされる(サンプリングレートとも称される)。いくつかの例示的な実装形態において、ポテンショスタット210が別々の時間間隔で分析物(例えば、グルコース及びまたは同類のもの)を測定するように構成される場合など、これらの時間間隔は、デジタルフィルタのサンプリングレートを決定する。いくつかの例示的な実装形態において、ポテンショスタット210は、例えば、電流/周波数コンバータを使用して、分析物を連続的に測定するように構成されてもよい。これらの電流/周波数コンバータ実装形態において、プロセッサモジュール214は、所定時間間隔(収集時間)で、電流/周波数コンバータの積分器からデジタル値を要求するようにプログラムされてもよい。積分器からプロセッサモジュール214によって取得されたこれらのデジタル値は、電流測定の連続性によって収集時間にわたって平均化されてもよい。したがって、収集時間は、デジタルフィルタのサンプリングレートによって決定されてもよい。
【0231】
プロセッサモジュール214は、ディスプレイデバイス14、16、18、及び/または20などのデバイスへの送信のためのデータパッケージを生成するように構成される、データジェネレータ(図示せず)をさらに含んでもよい。さらに、プロセッサモジュール214は、テレメトリモジュール232を介したこれらの外部供給源に送信するためのデータパケットを生成してもよい。いくつかの例示的な実装形態において、データパッケージは、記述通り、各ディスプレイデバイスのためにカスタマイズ可能であってもよく、かつ/またはタイムスタンプ、表示可能なセンサ情報、変換されたセンサデータ、センサ及び/もしくはセンサ電子機器12のための識別子コード、未加工のデータ、フィルタリングされたデータ、校正されたデータ、変化速度情報、傾向情報、誤差検出もしくは補正、ならびに/または同類のものなどの任意の利用可能なデータを含んでもよい。
【0232】
プロセッサモジュール214はまた、プログラムメモリ216及び他のメモリ218も含んでもよい。プロセッサモジュール214は、通信ポート238などの通信インターフェース及び電池234などの電力源に連結されてもよい。さらに、電池234は、電池充電器及び/または調整器236にさらに連結されて、電力をセンサ電子機器12に提供し、かつ/または電池234を充電してもよい。
【0233】
プログラムメモリ216は、連結されたセンサ10のための識別子(例えば、センサ識別子(ID))などのデータを記憶するための、かつ本明細書に記載される動作/機能のうちの1つ以上を実施するようにASIC205を校正するためのコード(プログラムコードとも称される)を記憶するための、擬似静的メモリとして実装されてもよい。例えば、プログラムコードは、データストリームまたはカウントを処理し、フィルタリングし、校正方法を実施し、フェイルセーフチェックを実施するなどのように、プロセッサモジュール214を構成してもよい。
【0234】
メモリ218はまた、情報を記憶するために使用されてもよい。例えば、メモリ218を含むプロセッサモジュール214は、システムのキャッシュメモリとして使用されてもよく、一時記憶装置がセンサから受信される最近のセンサデータのために提供される。いくつかの例示的な実装形態において、メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM、スタティックRAM、非スタティックRAM、容易に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、書き換え可能なROM、フラッシュメモリなどの記憶装置コンポーネントを含んでもよい。
【0235】
データ記憶装置220は、プロセッサモジュール214に連結されてもよく、様々なセンサ情報を記憶するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装形態において、データ記憶装置220は、1日以上の連続分析物センサデータを記憶する。例えば、データ記憶装置は、センサ10から受信される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、及び/もしくは30日(またはそれ以上)の連続分析物センサデータを記憶してもよい。記憶されたセンサ情報は、以下の内の1つ以上を含んでもよい。タイムスタンプ、未加工のセンサデータ(1つ以上の未加工の分析物濃度値)、校正されたデータ、フィルタリングされたデータ、変換されたセンサデータ、及び/または任意の他の表示可能なセンサ情報、校正情報(例えば、参照BG値及び/または例えば工場校正からの前の校正情報)、センサ診断情報など。
【0236】
ユーザインターフェース222は、1つ以上のボタン224、液晶ディスプレイ(LCD)226、バイブレータ228、オーディオ変換器(例えば、スピーカ)230、バックライト(図示せず)、及び/または同類のものなどの様々なインターフェースを含んでもよい。ユーザインターフェース222を含むコンポーネントは、ユーザ(例えば、宿主)と相互作用するための制御を提供してもよい。1つ以上のボタン224は、例えば、トグル、メニュー選択、オプション選択、状態選択、画面上の質問に対するはい/いいえ応答、「オフにする」機能(例えば、警報に対して)、「受信確認済み」機能(例えば、警報に対して)、リセット、及び/または同類のものを可能にしてもよい。LCD226は、ユーザに、例えば、視覚データ出力を提供してもよい。オーディオ変換器230例えば、スピーカ)は、現在の、かつ/または予測された高血糖症及び低血糖症の状態などのある特定の警告のトリガに応答して、可聴信号を提供してもよい。いくつかの例示的な実装形態において、可聴信号は、音色、音量、デューティサイクル、パターン、持続時間、及び/または同類のものによって区別されてもよい。いくつかの例示的な実装形態において、可聴信号は、センサ電子機器12上の1つ以上のボタン224を押すことによって、かつ/またはディスプレイデバイス上のボタンもしくは選択(例えば、キーフォブ、携帯電話、及び/もしくは同類のもの)を使用してセンサ電子機器12に信号を送ることによって、消音される(例えば、受信確認されるか、またはオフにされる)ように構成されてもよい。場合によっては、可聴警告が消音され得る一方で、視覚警告は依然としてレンダリングされる。特定の例として、ユーザが依然としてグルコーストレース及び/または閾値ラインを閲覧することができ得るが、可聴警報は消音され得る。このようにして、ユーザは、彼らが高いかまたは低いことを依然として知らされるが、可聴警告のいら立ちの元を回避することができる。
【0237】
音声及び振動警報が
図46に関して記載され、他の警報機構も使用され得る。例えば、いくつかの例示的な実装形態において、1つ以上の警報条件に応答して患者を「突く」か、または物理的に患者と接触するように構成されるポーキング機構を含む、触覚警報が提供される。
【0238】
一例示的な実装形態において、警告のデフォルトの方法、例えば、画面上のディスプレイが用いられてもよいが、デフォルトモードを使用した警告または警報が所定の期間内に受信確認されない場合、警告及び警報は、後続のリマインダー警告または警報で段階的に拡大してもよく、多くは薬剤送達デバイスなどの接続されたデバイスの使用を含む、通知の代替手段を用いる。例えば、元のまたは最初の警告及び警報の受信確認がされない場合、例えば5分後に起こってもよい次の後続のまたはリマインダー警告または警報で、モバイルデバイス及び/または接続された薬剤デバイスは、補助または付随的警告、例えば、可聴警告、例えば、携帯電話が、音を発してもよい。この警告または警報も受信確認されない場合、かつポンプまたはペンがモバイルデバイスに接続されている場合(例えば、
図45を参照すると、薬剤送達ポンプ2が、それぞれの処理を行うデバイス、例えば、モバイルデバイス18またはプロセッサ490、またはさらには場合によってはセンサ電子機器12に接続されている場合)、薬剤送達デバイス(ポンプまたはペン)は、例えば中程度の振幅、例えば中程度の音量を有する可聴または触覚または視覚警告または警報を所定の期間、例えば、20秒間発せさせ得る。同様に、これらの警告または警報の受信確認もされない場合、かつ再びポンプまたはペンがそれぞれの処理を行うデバイスに接続されている場合、これは、例えば、高い振幅、例えば、大きい音量を有する可聴または触覚または視覚警告または警報を、所定の期間、例えば、20秒間発せさせ得る。
【0239】
他の手段もまた、警告または警報をレンダリングするのに用いられ得る。例えば、イヌは、糖尿病警告イヌとして、またはコンパニオンアニマルとしてますます使用されている。いずれの場合でも、システムの構成要素は、ユーザのグルコース濃度値が危険な値に近づいている場合、超音波変換器が超音波パルスをレンダリングすることを引き起こされるように、超音波送信機と共に構成されてもよい。糖尿病警告イヌは、一般に、目前に迫った低血糖症または高血糖症の状況を検出するが、そのイヌが検出しなかった場合、超音波パルスがリマインダーを提供してもよい。同様に、糖尿病警告イヌとして訓練されていないコンパニオンアニマルは、パルスを、自身の飼い主に警告する理由として認識するように訓練されてもよい。このようなイヌが特に訓練されていない場合であっても、超音波パルスは、ユーザに何かがおかしいという警鐘を提供するある程度の扇動を引き起こしてもよい。超音波送信機は、システムの様々な部分、例えば、送信機、スマートフォン、受信機、または他のデバイスに信号的に結合されてもよい。危険の重大度が増加するにつれて、超音波トーンは、糖尿病コンパニオンが、変化に応じて反応するように訓練され得るように、変化してもよい。
【0240】
別の例では、ユーザは、スマートデバイスまたはウォッチにレンダリングされ得る特徴的な力覚または振動パターンを使用することにより、自身の監視デバイスを見ずに自身のグルコース警告、警報、及び通知を知らされてもよい。力覚/振動パターンは、聴覚または視覚警報及び警告の優先順位付けの同様の原理を使用して、相対的緊急性または安全性の懸念にしたがってレンダリング及び構築されてもよい。例えば、優先度がより高い警報には、より高い振動速度、振動間のより狭い間隔、より長い持続時間が用いられてもよく、優先度のより低い警報に関しては、その逆である。ユーザは、ユーザ自身の命令及び設計に従う特定の振動プロファイルまたは曲線に適合させることができてもよい。このようにして、ユーザは、警告または警報を知らされてもよく、さらにディスプレイ画面を見るか、または警報を聞く必要もなく(後者も、ユーザの近くにいる他者の邪魔をし得るため、イライラさせ得る)、警告の種類及び/または緊急性についての情報を受信してもよい。
【0241】
電池234は、プロセッサモジュール214(及び場合によってはセンサ電子機器12の他のコンポーネント)に機能的に接続され、センサ電子機器12のための必要な電力を提供してもよい。いくつかの例示的な実装形態において、電池は、二酸化マンガンリチウム電池であるが、任意の適切にサイズ決定され、電力供給された電池が使用され得る(例えば、AAA、ニッケルカドミウム、亜鉛炭素、アルカリ、リチウム、ニッケル水素、リチウムイオン、空気亜鉛、亜鉛水銀酸化物、銀亜鉛、または密閉形)。いくつかの例示的な実装形態において、電池は、再充電可能である。いくつかの例示的な実装形態において、複数の電池は、システムに電力供給するために使用され得る。さらに他の実装形態において、受信機は、例えば、誘導結合を介して経皮的に電力供給され得る。
【0242】
電池充電器及び/または調整器236は、内部及び/または外部充電器からエネルギーを受容するように構成されてもよい。いくつかの例示的な実装形態において、電池調整器(またはバランサ)236は、過剰電荷電流をブリードオフして、センサ電子機器12内の全てのセルまたは電池が、他のセルまたは電池を過剰充電することなく十分に充電されることを可能にすることによって、再充電プロセスを調整する。いくつかの例示的な実装形態において、電池234(複数可)は、誘導及び/または無線充電パッドを介して充電されるように構成されるが、任意の他の充電及び/または電力機構が同様に使用され得る。
【0243】
外部コネクタ(複数可)とも称される1つ以上の通信ポート238が、他のデバイスとの通信を可能にするために提供されてもよく、例えば、PC通信(com)ポートが、センサ電子機器12とは別個であるか、またはそれと一体的であるシステムとの通信を可能にするために提供され得る。例えば、通信ポートは、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバスまたは「USB」)通信ポートを含み、別のコンピュータシステム(例えば、PC、パーソナルデジタルアシスタントまたは「PDA」、サーバなど)と通信することを可能にしてもよい。いくつかの例示的な実装形態において、センサ電子機器12は、患者及び/またはHCPによる遡及的分析のために、履歴データをPCまたは他のコンピュータデバイスに送信することが可能である。データ送信の別の例として、工場情報もまた、センサから、またはクラウドデータソースから、アルゴリズムに送信されてもよい。
【0244】
これらの1つ以上の通信ポート238は、校正データが受信され得る第2の入力ポート237と、校正されたデータ、または校正されるデータを受信機またはモバイルデバイスに送信するために用いられ得る出力ポート239と、をさらに含み得る。
図46は、これらの態様を模式的に例示する。ポートは物理的に別個であり得るが、代替的な実装形態では、単一の通信ポートが、第2の入力ポート及び出力ポートの両方の機能を提供し得ることが理解される。
【0245】
例示的実施形態
非一時的コンピュータ可読媒体1:非一時的コンピュータ可読媒体であって、非一時的コンピュータ可読媒体は、認識的気付きの判定に基づいてユーザ警告を動的に調節または調整し、それにより注意に値する糖尿病状態の治療に関するデータを提供する方法をコンピューティング環境に行わせる命令を備え、該方法は、現在または将来の注意に値する糖尿病状態を特定するステップであって、特定は、グルコース濃度値に少なくとも部分的に基づく、特定するステップと、特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態の、ユーザの認識的気付きを推定または予測するステップと、推定または予測の結果が、ユーザが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップであって、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態を示す、警告するステップと、を含み、それにより、ユーザが注意に値する糖尿病状態に気付いておらず、かつ通知がユーザに対して有効である場合、かつこれらの時点でのみ、ユーザは、注意に値する糖尿病状態を警告される、媒体。
【0246】
非一時的コンピュータ可読媒体2:警告は、患者の認識的気付きのために最適化されており、それにより最適化されていなければユーザの認識的気付きを考慮せずに提供される警告よりも少ない警告が発生する、非一時的コンピュータ可読媒体1に記載の実施形態。
【0247】
非一時的コンピュータ可読媒体3:監視デバイスが、スマートフォン、スマートウォッチ、専用の監視デバイス、またはタブレットコンピュータである、非一時的コンピュータ可読媒体1または2に記載の実施形態。
【0248】
非一時的コンピュータ可読媒体4:過度のプロンプト表示、繰り返しプロンプト、または迷惑プロンプトが最小限に抑えられるか、または回避される、非一時的コンピュータ可読媒体1から3のいずれか一項に記載の実施形態。
【0249】
非一時的コンピュータ可読媒体5:ユーザがシステムに対して信頼を構築することができ、システムは、ユーザのために最適化されているかまたは有効な通知に関してのみ警告する、非一時的コンピュータ可読媒体1から4のいずれか一項に記載の実施形態。
【0250】
非一時的コンピュータ可読媒体6:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態が異常なグルコーストレースを含むかどうかを判定することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から5のいずれか一項に記載の実施形態。
【0251】
非一時的コンピュータ可読媒体7:異常なグルコーストレースは、異常なパターンまたは異常なグルコース反応を含む、非一時的コンピュータ可読媒体6に記載の実施形態。
【0252】
非一時的コンピュータ可読媒体8:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザが以前に、ユーザプロンプトなしで措置を講じることにより類似の特定された注意に値する糖尿病状態を治療したことがあるかどうかを判定することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から7のいずれか一項に記載の実施形態。
【0253】
非一時的コンピュータ可読媒体9:措置は、薬剤の投与である、非一時的コンピュータ可読媒体8に記載の実施形態。
【0254】
非一時的コンピュータ可読媒体10:措置は、食事をすることである、非一時的コンピュータ可読媒体8に記載の実施形態。
【0255】
非一時的コンピュータ可読媒体11:措置は、運動である、非一時的コンピュータ可読媒体8に記載の実施形態。
【0256】
非一時的コンピュータ可読媒体12:ユーザが、ユーザが食事またはボーラス投与データを入力したか、またはボーラス投与量計算を要求したかを決定することを含む、認識的気付きの推定または予測を含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から11のいずれか一項に記載の実施形態。
【0257】
非一時的コンピュータ可読媒体13:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザの挙動が認識的気付きと一致しているどうかを判定することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から12のいずれか一項に記載の実施形態。
【0258】
非一時的コンピュータ可読媒体14:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザ入力を受信することと、推定または予測を受信された入力に少なくとも部分的に基づかせることとを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から13のいずれか一項に記載の実施形態。
【0259】
非一時的コンピュータ可読媒体15:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、時間に対するユーザのグルコース値の履歴データを分析することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から14のいずれか一項に記載の実施形態。
【0260】
非一時的コンピュータ可読媒体16:特定するステップ及び推定または予測するステップは、ユーザが特定された注意に値する糖尿病状態に認識的に気付くと推定または予測されるような時点まで反復され、次いで、ユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップを行う、非一時的コンピュータ可読媒体1から15のいずれか一項に記載の実施形態。
【0261】
非一時的コンピュータ可読媒体17:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、適切なAPIを介して、アプリケーションまたはウェブサイトからデータを受信することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から16のいずれか一項に記載の実施形態。
【0262】
非一時的コンピュータ可読媒体18:推定または予測は、位置データ、すなわちGPSデータに少なくとも部分的に基づく、非一時的コンピュータ可読媒体1から17のいずれか一項に記載の実施形態。
【0263】
非一時的コンピュータ可読媒体19:位置データは、ユーザの位置データである、非一時的コンピュータ可読媒体18に記載の実施形態。
【0264】
非一時的コンピュータ可読媒体20:位置データは、ユーザのフォロアの位置データである、非一時的コンピュータ可読媒体18に記載の実施形態。
【0265】
非一時的コンピュータ可読媒体21:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、人口データ、挙動もしくは文脈情報に関連するデータ、ユーザの人生の目標に関連するデータ、ユーザプライバシー設定に関連するデータ、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づく、非一時的コンピュータ可読媒体1から20のいずれか一項に記載の実施形態。
【0266】
非一時的コンピュータ可読媒体22:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、リアルタイムデータに少なくとも部分的に基づき、リアルタイムデータは、監視デバイスのGPSアプリケーションに関連するデータ、監視デバイスの加速度計に関連するデータ、挙動もしくは文脈情報に関連するデータ、ユーザのフォロアの位置に関連するデータ、ユーザの代謝率に関連するデータ、ユーザの血糖緊急性指標に関連するデータ、心拍データ、汗含有物データ、ユーザのウェアラブルセンサに関連するデータ、インスリンデータ、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上を含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から21のいずれか一項に記載の実施形態。
【0267】
非一時的コンピュータ可読媒体23:ユーザの認識的気付きの推定または予測は、ユーザに関連する1つ以上の個別化パターンを認識することを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から22のいずれか一項に記載の実施形態。
【0268】
非一時的コンピュータ可読媒体24:個別化パターンは、事象の前または後に生じる特徴的な分析物濃度信号トレースの包絡線に対応する、非一時的コンピュータ可読媒体23に記載の実施形態。
【0269】
非一時的コンピュータ可読媒体25:事象が食事、運動、または睡眠に関連する、非一時的コンピュータ可読媒体24に記載の実施形態。
【0270】
非一時的コンピュータ可読媒体26:判定は、現在の信号トレースが特徴的分析物濃度信号トレースの包絡線の外側にあるかどうかをユーザが認識的に気付いていないことの判定である、非一時的コンピュータ可読媒体25に記載の実施形態。
【0271】
非一時的コンピュータ可読媒体27:方法は、ユーザプロンプトに関連する信頼度を示すことをさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から26のいずれか一項に記載の実施形態。
【0272】
非一時的コンピュータ可読媒体28:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、非一時的コンピュータ可読媒体1から27のいずれか一項に記載の実施形態。
【0273】
非一時的コンピュータ可読媒体29:推定または予測は、ユーザの位置情報にさらに基づき、位置情報は、ユーザが、食料品店またはレストランの所定の閾値近傍内にいることを示す、非一時的コンピュータ可読媒体1から28のいずれか一項に記載の実施形態。
【0274】
非一時的コンピュータ可読媒体30:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、ある時間遅延後にユーザプロンプトを用いてユーザに警告し、時間遅延の持続時間は、少なくとも特定された注意に値する糖尿病状態、ならびにグルコース濃度値及び/またはグルコース濃度値の変化速度に基づく、非一時的コンピュータ可読媒体1から29のいずれか一項に記載の実施形態。
【0275】
非一時的コンピュータ可読媒体31:ユーザプロンプトは、ユーザがデータを入力することに対するクエリを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から30のいずれか一項に記載の実施形態。
【0276】
非一時的コンピュータ可読媒体32:クエリは、投与、食事、または運動に関してユーザが入力するデータを要求する、非一時的コンピュータ可読媒体31に記載の実施形態。
【0277】
非一時的コンピュータ可読媒体33:ユーザインターフェースからのデータまたは監視デバイスに関連付けられた加速度計からのデータによって、ユーザがユーザプロンプトを無視していると判定された場合、かつユーザプロンプトが、危険な状態に対応しない場合、ユーザが先の条件下でユーザプロンプトを無視するという情報を記憶し、記憶された情報をその後の推定または予測ステップの一部として使用する、非一時的コンピュータ可読媒体1から32のいずれか一項に記載の実施形態。
【0278】
非一時的コンピュータ可読媒体34:現在または将来の注意に値する糖尿病状態の特定は、グルコース濃度の臨床値及び/またはグルコースの変化速度及び/または血糖緊急指数値の決定を含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から33のいずれか一項に記載の実施形態。
【0279】
非一時的コンピュータ可読媒体35:現在または将来の注意に値する糖尿病状態の特定は、グルコース信号シグネチャを測定することと、測定されたシグネチャを複数のビン化シグネチャと比較することと、比較に基づいて、複数のビンのうちの1つに注意に値する糖尿病状態を分類することと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から34のいずれか一項に記載の実施形態。
【0280】
非一時的コンピュータ可読媒体36:現在または将来の注意に値する糖尿病状態の特定は、グルコース濃度値における1つ以上の時間ベースの傾向を判定し、特定された状態を判定された傾向に基づかせる、非一時的コンピュータ可読媒体1から35のいずれか一項に記載の実施形態。
【0281】
非一時的コンピュータ可読媒体37:傾向は、グルコース濃度値がある範囲内でうろついているか、または上昇もしくは下降しているかに対応し、うろつきは、5分超、または10分超、または15分超、または30分超の期間、所定の範囲内にとどまることに相当する、非一時的コンピュータ可読媒体36に記載の実施形態。
【0282】
非一時的コンピュータ可読媒体38:曖昧な境界が、範囲を定義するのに用いられる、非一時的コンピュータ可読媒体37に記載の実施形態。
【0283】
非一時的コンピュータ可読媒体39:薬剤ポンプに注意に値する糖尿病状態の指示を送信することをさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から28のいずれか一項に記載の実施形態。
【0284】
非一時的コンピュータ可読媒体40:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、薬剤ポンプを起動して、薬剤ボーラス投与を生じさせることをさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体39に記載の実施形態。
【0285】
非一時的コンピュータ可読媒体41:薬剤ボーラス投与は、インスリンの食事ボーラスである、非一時的コンピュータ可読媒体40に記載の実施形態。
【0286】
非一時的コンピュータ可読媒体42:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、薬剤ポンプを起動して基礎速度を変えることをさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体42に記載の実施形態。
【0287】
非一時的コンピュータ可読媒体43:薬剤がインスリンである、非一時的コンピュータ可読媒体40に記載の実施形態。
【0288】
非一時的コンピュータ可読媒体44:薬剤ポンプが注意に値する糖尿病状態を完全にまたは部分的に治療することができるかどうかを判定することをさらに含み、治療できると判定した場合、薬剤ポンプが糖尿病状態を治療できない場合と比較して、それぞれユーザに警告しないか、またはユーザプロンプトを変える、非一時的コンピュータ可読媒体39に記載の実施形態。
【0289】
非一時的コンピュータ可読媒体45:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、ユーザプロンプトを用いてユーザにいつ警告するかを判定する、非一時的コンピュータ可読媒体1から44のいずれか一項に記載の実施形態。
【0290】
非一時的コンピュータ可読媒体46:ユーザプロンプトは、表示される場合、グルコース濃度値の代わりに、またはそれに加えて、色または矢印を含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から45のいずれか一項に記載の実施形態。
【0291】
非一時的コンピュータ可読媒体47:ユーザプロンプトは、表示される場合、グルコース濃度値の予測を含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から46のいずれか一項に記載の実施形態。
【0292】
非一時的コンピュータ可読媒体48:ユーザプロンプトは、表示される場合、可聴インジケータを含み、可聴インジケータの音量は、監視デバイスまたは監視デバイスと信号通信するデバイスによって測定される周囲雑音に対して自動的に調節され、周囲雑音に対する調節は、信号対雑音比の閾値レベルに達するまで、周囲雑音に対して可聴インジケータの音量を上げることを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から47のいずれか一項に記載の実施形態。
【0293】
非一時的コンピュータ可読媒体49:ユーザプロンプトは、ユーザが低血糖緊急指数を有する期間中に起こる注意に値する糖尿病状態に関連付けられている、非一時的コンピュータ可読媒体1から48のいずれか一項に記載の実施形態。
【0294】
非一時的コンピュータ可読媒体50:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、持続時間に基づいてではなく、特定された注意に値する糖尿病状態、ならびにグルコース濃度値及び/またはグルコース濃度値の変化速度に基づいて、ある遅延後にユーザプロンプトを用いてユーザに警告する、非一時的コンピュータ可読媒体1から49のいずれか一項に記載の実施形態。
【0295】
非一時的コンピュータ可読媒体51:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、持続時間ではなく、監視デバイスによって学習された個別化されたパターンに基づいて、ある遅延後に、ユーザプロンプトを用いてユーザに警告する、非一時的コンピュータ可読媒体1から50のいずれか一項に記載の実施形態。
【0296】
非一時的コンピュータ可読媒体52:特定された注意に値する糖尿病状態は、異常なグルコース反応または異常なパターンに対応し、異常な反応または異常なパターンは、監視デバイスによって学習され、ユーザ入力によっては学習されない、非一時的コンピュータ可読媒体1から51のいずれか一項に記載の実施形態。
【0297】
非一時的コンピュータ可読媒体53:ユーザプロンプトは、動的タイミングで、適合されたユーザインターフェース上にではなく、予め設計されたユーザインターフェース上に表示される、非一時的コンピュータ可読媒体1から52のいずれか一項に記載の実施形態。
【0298】
非一時的コンピュータ可読媒体54:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、他の監視デバイスアプリケーションから受信された、ユーザプロンプトでユーザに警告しないという指示に関係なく、ユーザプロンプトを用いてユーザに即座に警告する、非一時的コンピュータ可読媒体1から53のいずれか一項に記載の実施形態。
【0299】
非一時的コンピュータ可読媒体55:推定または予測の結果が、ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、他のユーザが入力したデータまたは設定に基づくユーザプロンプトでユーザに警告しないという指示に関係なく、ユーザプロンプトを用いてユーザに即座に警告する、非一時的コンピュータ可読媒体1から54のいずれか一項に記載の実施形態。
【0300】
非一時的コンピュータ可読媒体56:ユーザが注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いているかどうかの推定または予測は、リアルタイムデータに少なくとも部分的に基づき、遡及データに完全には基づかない、非一時的コンピュータ可読媒体1から55のいずれか一項に記載の実施形態。
【0301】
非一時的コンピュータ可読媒体57:監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いたユーザへの警告は、超音波パルスをレンダリングすること含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から56のいずれか一項に記載の実施形態。
【0302】
非一時的コンピュータ可読媒体58:監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いたユーザへの警告は、ユーザが第1の警告を無視した場合、監視デバイスの第2のユーザインターフェース上にプロンプトを生じさせる、非一時的コンピュータ可読媒体1から57のいずれか一項に記載の実施形態。
【0303】
非一時的コンピュータ可読媒体59:監視デバイスは、モバイルセルラーデバイスであり、第2のユーザインターフェースは、オーディオチャネルを含む、非一時的コンピュータ可読媒体58に記載の実施形態。
【0304】
非一時的コンピュータ可読媒体60:プロンプトは、可聴プロンプトであり、オーディオチャネルを通して再生される、非一時的コンピュータ可読媒体59に記載の実施形態。
【0305】
非一時的コンピュータ可読媒体61:監視デバイスは、モバイルセルラーデバイスであり、第2のユーザインターフェースは、振動性、力覚、または触覚レンダリングシステムを含む、非一時的コンピュータ可読媒体58に記載の実施形態。
【0306】
非一時的コンピュータ可読媒体62:プロンプトは、振動性プロンプトであり、振動性、力覚、または触覚レンダリングシステムを通して再生される、非一時的コンピュータ可読媒体61に記載の実施形態。
【0307】
非一時的コンピュータ可読媒体63:監視デバイスは、モバイルセルラーデバイスであり、第2のユーザインターフェースはオーディオチャネルを含み、プロンプトは、可聴プロンプトであり、オーディオチャネルを通して再生され、可聴プロンプトがユーザによって認知されない場合、振動性プロンプトのレンダリングが引き起こされる、非一時的コンピュータ可読媒体62に記載の実施形態。
【0308】
非一時的コンピュータ可読媒体64:監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いたユーザへの警告は、ユーザが第1の警告を無視した場合、第2のデバイスの第2のユーザインターフェース上にプロンプトを引き起こす、非一時的コンピュータ可読媒体1から63のいずれか一項に記載の実施形態。
【0309】
非一時的コンピュータ可読媒体65:第2のデバイスは、薬剤送達デバイスであり、プロンプトは、可聴または振動性である、非一時的コンピュータ可読媒体64に記載の実施形態。
【0310】
非一時的コンピュータ可読媒体66:監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いたユーザへの警告は、力覚または振動性信号をレンダリングすることを含む、非一時的コンピュータ可読媒体1から65のいずれか一項に記載の実施形態。
【0311】
非一時的コンピュータ可読媒体67:レンダリングは、監視デバイス上にある、非一時的コンピュータ可読媒体66に記載の実施形態。
【0312】
非一時的コンピュータ可読媒体68:レンダリングは、監視デバイスと信号通信するデバイス上にある、非一時的コンピュータ可読媒体66に記載の実施形態。
【0313】
非一時的コンピュータ可読媒体69:監視デバイスは、スマートフォンであり、監視デバイスと信号通信するデバイスは、スマートウォッチである、非一時的コンピュータ可読媒体68に記載の実施形態。
【0314】
非一時的コンピュータ可読媒体70:レンダリングは、あるパターンでユーザプロンプトをレンダリングすることを含み、パターンは、注意に値する糖尿病状態に対応する、非一時的コンピュータ可読媒体66に記載の実施形態。
【0315】
システム71:ユーザの注意に値する糖尿病状態に対応するスマート警告を提供するためのシステムであって、モバイルデバイス上で実行されるCGMアプリケーションであって、少なくとも周期的にまたは時々センサからデータを受信し、臨床単位でのグルコース濃度データを校正及び表示するように構成されているCGMアプリケーションと、モバイルデバイス上で、CGMアプリケーション内でサブルーチンとして実行されるか、またはCGMアプリケーションとの並行プロセスとして実行され、CGMアプリケーションからデータを受信するスマート警告アプリケーションであって、非一時的コンピュータ可読媒体1に記載の媒体に含まれている方法を行うように構成されているスマート警告アプリケーションと、を備えるシステム。
【0316】
非一時的コンピュータ可読媒体72:注意を必要とする糖尿病状態に対するユーザへの警告を安全に低減する方法をコンピューティング環境に行わせるための命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、該方法は、現在または将来の注意に値する糖尿病状態を特定するステップであって、特定は、グルコース濃度値に少なくとも部分的に基づく、特定するステップと、特定された注意に値する糖尿病状態がユーザにとって異常であるかどうかを判定するステップと、判定の結果が、特定された糖尿病状態がユーザにとって異常であるという結果である場合、ユーザ監視デバイスのインターフェース上のユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップであって、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態を示す、警告するステップと、を含み、それにより、ユーザは、特定された糖尿病状態がユーザにとって異常である場合にのみ、注意に値する糖尿病状態を通知される、方法。
【0317】
非一時的コンピュータ可読媒体73:特定された注意に値する糖尿病状態がユーザにとって異常であるかどうかの判定は、特定された糖尿病状態が、ユーザに関連する他のパターンの特徴を示さないパターンに従うグルコーストレースを含むかどうかの判定を含む、非一時的コンピュータ可読媒体72に記載の実施形態。
【0318】
非一時的コンピュータ可読媒体74:特定された注意に値する糖尿病状態がユーザにとって異常であるかどうかの判定は、特定された糖尿病状態が、ユーザに関連する他の傾向の特徴を示さない傾向に従うグルコーストレースを含むかどうかの判定を含む、非一時的コンピュータ可読媒体72または73に記載の実施形態。
【0319】
非一時的コンピュータ可読媒体75:注意に値する糖尿病状態についてユーザにプロンプトを表示する方法をコンピューティング環境に行わせるための命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体であって、コンピューティング環境は、薬剤送達デバイスと信号通信し、ユーザプロンプトは、その数が少なくとも部分的に低減されることによりユーザに対する有効性が最適化されており、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態の治療に関するデータを提供し、該方法は、現在または将来の注意に値する糖尿病状態を特定するステップであって、特定は、グルコース濃度値に少なくとも部分的に基づく、特定するステップと、特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に対する、ユーザの認識的気付きの第1の推定または予測を行うステップと、第1の推定または予測の結果が、ユーザが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に認識的に気付いていないという結果である場合、特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に対する、薬剤送達デバイスのコンピュータの気付きの第2の推定または予測を行うステップと、第2の推定または予測の結果が、薬剤送達デバイスが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態に気付いていないという結果である場合、監視デバイスのユーザインターフェース上のユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップであって、ユーザプロンプトは、注意に値する糖尿病状態を示す、警告するステップと、を含み、それにより、ユーザ及び薬剤送達デバイスの両方が注意に値する糖尿病状態に気付いておらず、かつ通知がユーザに対して有効である場合、かつこれらの時点でのみ、ユーザは、注意に値する糖尿病状態を通知される、媒体。
【0320】
非一時的コンピュータ可読媒体76:該方法は、薬剤送達デバイスが特定された現在または将来の注意に値する糖尿病状態を治療することができるかどうかを判定するステップと、判定の結果が、薬剤送達デバイスが特定された糖尿病状態を治療することができないという結果である場合、ユーザプロンプトを用いてユーザに警告するステップと、をさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体75に記載の実施形態。
【0321】
非一時的コンピュータ可読媒体77:現在または将来の糖尿病状態は、低血糖症を含み、薬剤送達デバイスは、インスリン送達デバイスであり、低血糖症の糖尿病状態に基づいて、インスリン送達デバイスの活動を停止するか、または減少させることをさらに含む、非一時的コンピュータ可読媒体75または76に記載の実施形態。
【0322】
非一時的コンピュータ可読媒体78:活動の停止または減少は、ユーザが低血糖症に認識的に気付いている場合、より早く起こる、非一時的コンピュータ可読媒体77に記載の実施形態。
【0323】
非一時的コンピュータ可読媒体79:第1の推定または予測を行うことは、薬剤送達デバイスとのユーザの対話に少なくとも部分的に基づく、非一時的コンピュータ可読媒体75から78のいずれか一項に記載の実施形態。
【0324】
いくつかの連続分析物センサシステムにおいて、センサ電子機器の皮膚上の部分は、皮膚上の電子機器の複雑性及び/またはサイズを最小限に抑えるように単純化されてもよく、例えば、未加工のデータ、校正されたデータ、及び/またはフィルタリングされたデータのみを、センサデータを表示するために必要とされる校正及び他のアルゴリズムを実行するように構成されるディスプレイデバイスに提供する。しかしながら、センサ電子機器12(例えば、プロセッサモジュール214を介して)は、変換されたセンサデータ及び/または表示可能なセンサ情報を生成するために使用される予測アルゴリズムを実行するように実装されてもよく、例えば、参照及び/もしくはセンサデータの臨床的受容性の評価し、組み入れ基準に基づき、最良の校正のための校正データを評価し、校正の質を評価し、予測された分析物値を、時間が対応する推定分析物値と比較し、推定分析物値の変動を分析し、センサ及び/もしくはセンサデータの安定性を評価し、信号アーチファクト(ノイズ)を検出し、信号アーチファクトを置き換え、センサデータの変化速度及び/もしくは傾向を決定し、動的及び知的分析物値推定を実施し、センサ及び/もしくはセンサデータに対する診断を実施し、動作のモードを設定し、異常に関してデータを評価し、かつ/またはユーザの認識的気付きを推定もしくは予測するなどを行う、アルゴリズムを含む。
【0325】
別々のデータ記憶及びプログラムメモリが
図46に示されるが、様々な構成も使用されてもよい。例えば、1つ以上のメモリが、センサ電子機器12におけるデータ処理及び記憶要件をサポートするための記憶空間を提供するために使用され得る。
【0326】
1つの好ましい実施形態において、分析物センサは、米国特許第6,001,067号及び米国特許出願公開第2005/0027463-A1号を参照して記載されるような、埋め込み可能なグルコースセンサである。別の好ましい実施形態において、分析物センサは、米国特許出願公開第2006/0020187-A1号を参照して記載されるセンサなどの、経皮グルコースセンサである。さらに他の実施形態において、センサは、米国特許出願公開第2007/0027385-A1号、2006年10月4日出願の同時係属の米国特許出願第11/543,396号、2007年3月26日出願の同時係属の米国特許出願第11/691,426号、及び2007年2月14日出願の同時係属の米国特許出願第11/675,063号に記載されるように、宿主血管内または対外に埋め込まれるように構成される。1つの代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Sayらの米国特許第6,565,509号に記載されるような経皮センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Bonnecazeらの米国特許第6,579,690号及びSayらの米国特許第6,484,046号を参照して記載されるような皮下センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Colvinらの米国特許第6,512,939号を参照して記載されるような差し替え可能な皮下センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、例えば、Schulmanらの米国特許第6,477,395号を参照して記載されるような血管内センサを含む。別の代替実施形態において、連続グルコースセンサは、Mastrototaroらの米国特許第6,424,847号を参照して記載されるような血管内センサを含む。
【0327】
図面に示される要素間の接続は、例示的な通信経路を示す。直接または中間体を介してのいずれかの追加の通信経路が、要素間の情報の交換をさらに促進するために含まれてもよい。通信経路は、要素が情報を交換することを可能にする双方向通信経路であってもよい。
【0328】
上記の方法の様々な操作は、様々なハードウェア及び/もしくはソフトウェアコンポーネント(複数可)、回路、ならびに/またはモジュール(複数可)など、操作を実施することが可能である任意の好適な手段によって実施されてもよい。概して、図面に示される任意の操作は、操作を実施することが可能な対応する機能手段によって実施されてもよい。
【0329】
本開示に関連して記載される様々な例示的論理ブロック、モジュール及び回路
(
図46のブロックなど)は、本明細書に記載される機能を実施するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ信号(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、別個のゲートもしくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実装または実施されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替方法において、プロセッサは、市販のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成の組み合わせとして実装されてもよい。
【0330】
1つ以上の態様において、記載される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。ソフトウェアで実行される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上で1つ以上の命令またはコードとして記憶または送信されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体、及び1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を促進する任意の媒体を含む、通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく一例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、様々な種類のRAM、ROM、CD-ROM、もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを運ぶか、もしくは記憶するために使用され得、かつコンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続が、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、WiFi、Bluetooth(登録商標)、RFID、NFC、及びマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義内に含まれる。ディスク(disk)及びディスク(disc)は、本明細書で使用される場合、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光学ディスク、デジタル多目的ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、及びBlu-ray(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)が通常、磁気的にデータを再生する一方で、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。したがって、いくつかの態様において、コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、有形的表現媒体)を含んでもよい。加えて、いくつかの態様において、コンピュータ可読媒体は、一時的なコンピュータ可読媒体(例えば、信号)を含んでもよい。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0331】
本明細書に開示される方法は、記載された方法を達成するための1つ以上のステップまたはアクションを含む。方法ステップ及び/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく互いと交換され得る。換言すれば、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップ及び/またはアクションの順序及び使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく修正され得る。
【0332】
ある特定の態様は、本明細書に提示される操作を実施するためのコンピュータプログラム製品を含んでもよい。例えば、そのようなコンピュータプログラム製品は、その上に記憶(及び/またはコード化)された命令を有するコンピュータ可読媒体を含んでもよく、命令は、本明細書に記載される操作を実施するために1つ以上のプロセッサによって実行可能である。ある特定の態様のために、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含んでもよい。
【0333】
ソフトウェアまたは命令はまた、送信媒体上で送信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者線(DSL)、または赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、及びマイクロ波などの無線技術は、送信媒体の定義内に含まれる。
【0334】
さらに、本明細書に記載される方法及び技術を実施するためのモジュール及び/または他の適切な手段が、適用できる場合、ユーザ端末及び/または基地局によってダウンロード及び/または別様に取得され得ることが理解されるべきである。例えば、そのようなデバイスは、本明細書に記載される方法を実施するための手段の転送を促進するために、サーバに連結され得る。あるいは、本明細書に記載される様々な方法が、記憶手段(例えば、RAM、ROM、コンパクトディスク(CD)またはフロッピーディスクなどの物理記憶媒体など)を介して提供され得るため、ユーザ端末及び/または基地局は、記憶手段をデバイスに連結または提供すると様々な方法を取得することができる。さらに、本明細書に記載される方法及び技術をデバイスに提供するための任意の他の好適な技術が利用され得る。
【0335】
特許請求の範囲が、上記に例示される正確な構成及びコンポーネントに制限されないことが理解されるものとする。特許請求の範囲から逸脱することなく、上記の方法及び装置の配列、操作、及び詳細に様々な修正、変化、及び変更が行われ得る。
【0336】
特に定義しない限り、全ての用語(専門用語及び科学用語を含む)は、その通常の、かつ慣例的な意味が当業者に示されるものであり、本明細書でそのように明示的に定義されない限り、特別な、またはカスタマイズされた意味に限定されるものではない。本開示のある特定の特徴または態様を記載する時の特定の用語の使用が、その用語が関連する本開示の特徴または態様の任意の特定の特性を含むように制限されると、その用語が本明細書で再定義されていることを暗示すると解釈されるべきではないことに留意されるべきである。特に添付の特許請求の範囲において、本出願で使用される用語及び句ならびにその変化形は、特に明示されない限り、限定的とは対照的に非限定的と解釈されるべきである。上記の例として、「含むこと」という用語は、「制限なく含むこと」、「挙げられるが、これらに限定されないこと」などを意味すると解釈されるべきであり、「備えること」という用語は、本明細書で使用される場合、「含むこと」、「含有すること」、または「特徴とすること」と同義的であり、包括的または非限定的であり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外せず、「有すること」という用語は、「少なくとも有すること」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「挙げられるが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「実施例」という用語は、考察における事項の包括的または限定的なリストではなく、その例示的な例を提供するために使用され、「既知の」、「通常の」、「標準的な」、及び同様の意味の用語などの形容詞は、記載される事項を所与の期間に、または所与の時点において利用可能な事項に制限すると解釈されるべきではなく、むしろ、現在または今後いかなる時でも利用可能であり得るか、または既知であり得る既知の、通常の、または標準的な技術を包含すると解釈されるべきであり、「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」、または「望ましい」、及び同様の意味の用語などの用語の使用は、ある特定の特徴が本発明の構造または機能にとって重大、本質的、または重要でさえあることを暗示すると理解されるべきではなく、むしろ、本発明の特定の実施形態で利用されても、またはされなくてもよい代替または追加の特徴を強調することを単に意図するべきである。同様に、「及び」という接続詞で連結された事項の群は、それらの事項の1つ1つがその群内に存在することを必要とすると解釈されるべきではなく、むしろ、特に明記しない限り、「及び/または」と解釈されるべきである。同様に、「または」という接続詞で連結された事項の群は、その群間の相互排他性を必要とすると解釈されるべきではなく、むしろ、特に明記しない限り、「及び/または」と解釈されるべきである。
【0337】
値の範囲が提供される場合、上限及び下限ならびにその範囲の上限及び下限の間の各介在値が実施形態内に包含されることが理解される。
【0338】
本明細書の実質的に任意の複数形及び/または単数形の用語に関して、当業者は、文脈及び/または用途に適切であるように、複数形から単数形に、及び/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置換は、明確にするために本明細書において明示的に記載され得る。不定冠詞「a」または「an」は、複数形を除外しない。単一のプロセッサまたは他のユニットが、特許請求の範囲に記述されるいくつかの事項の機能を達成し得る。ある特定の基準が相互に異なる独立した請求項に記述されるという単なる事実は、これらの基準の組み合わせが利益を得るために使用され得ないことを示さない。特許請求の範囲の引用符号は、範囲を制限すると解釈されるべきではない。
【0339】
導入された請求項の記述において特定の数が意図される場合、そのような意図が、その請求項中に明確に記述され、かつそのような記述がない場合は、そのような意図が存在しないことが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、理解を補助するために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記述を導入するために、導入句「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」の使用を含み得る。しかしながら、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」及び「a」または「an」などの不定冠詞を含む時でさえ、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記述の導入が、そのような導入された請求項の記述を包含する特定の請求項を、そのような記述を1つのみ含む実施形態に制限することを暗示すると解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきであり)、それは、請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の使用にも当てはまる。加えて、導入された請求項の記述の特定の数が明示的に記述される場合でさえ、当業者は、そのような記述が、典型的には、少なくともその記述された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語句なしの「2つの記述」の単なる記述は、典型的には、少なくとも2つの記述、または2つ以上の記述を意味する)。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、概して、そのような構造は、当業者がその慣習的表現を理解するであろうという意味で、例えば、単一の部材を含む列挙された事項の任意の組み合わせを含むものとして意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びB、A及びC、B及びC、ならびに/またはA、B、及びCなどを有するシステムを含むがこれらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似の慣習的表現が使用される場合、概して、そのような構造は、当業者がその慣習的表現を理解するであろうという意味で意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、A及びB、A及びC、B及びC、ならびに/またはA、B、及びCなどを有するシステムを含むがこれらに限定されない)。2つ以上の代替用語を示す実質的にいかなる離接語及び/または句も、説明、特許請求の範囲、または図面におけるかどうかにかかわらず、用語のうちの1つ、用語のうちのいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」または「B」または「A及びB」の可能性を含むと理解される。
【0340】
本明細書で使用される成分、反応条件などの量を表す全ての数が、いかなる場合も、「約」という用語によって修正されると理解されるものとする。したがって、反対の指示がない限り、本明細書に記載される数値パラメータは、取得されることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、かつ本願に対する優先権を主張する任意の出願における任意の請求項の範囲の同等物の原則の適用を制限する試みとしてではなく、各数値パラメータは、有意な桁の数及び通常の四捨五入法を考慮して解釈されるべきである。
【0341】
本明細書に列挙される全ての参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる出版物及び特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する程度まで、本明細書は、任意のそのような矛盾する材料に取って代わり、かつ/または優先するよう意図する。
【0342】
見出しは、参照のために、かつ様々な節の位置を見つける手助けをするために、本明細書に含まれる。これらの見出しは、それに関して記載される概念の範囲を制限するよう意図されない。そのような概念は、本明細書全体を通じた適用可能性を有し得る。
【0343】
さらに、上記が明確さ及び理解の目的で例示及び実施例としてある程度詳細に記載されてきたが、ある特定の変更及び修正が実施され得ることが、当業者には明らかである。したがって、説明及び実施例は、本発明の範囲を本明細書に記載される特定の実施形態及び実施例に制限すると解釈されるべきではなく、むしろ、本発明の真の範囲及び趣旨に入る全ての修正物及び代替物も包含すると解釈されるべきである。
【0344】
本システム及び方法は、任意の数のコンピューティングデバイスで完全に実行され得る。典型的には、命令は、一般に非一時的であるコンピュータ可読媒体上に配置され、これらの命令は、コンピューティングデバイスのプロセッサが態様及び実施形態の方法を実行するのに十分である。コンピュータ可読媒体は、実行された時、ランダムアクセスメモリ内に読み込まれる命令を有するハードドライブまたは固体記憶装置であってもよい。例えば、複数のユーザから、または任意の1人のユーザからのアプリケーションへの入力は、任意の数の適切なコンピュータ入力デバイスによるものであってもよい。例えば、ユーザは、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックパッド、他の指し示すグデバイス、または計算に関連するデータを入力するための任意の他のそのようなコンピュータ入力デバイスを用いてもよい。データはまた、挿入メモリチップ、ハードドライブ、フラッシュドライブ、フラッシュメモリ、光学媒体、磁気媒体、または任意の他の種類のファイルを記憶する媒体を手段として入力されてもよい。出力は、ユーザが見ることができるディスプレイに連結されたビデオグラフィックカードまたは統合グラフィックチップセットを手段としてユーザに送達されてもよい。あるいは、プリンタが、結果のハードコピーを出力するために用いられてもよい。この教示を考慮して、任意の数の他の有形出力も企図されることが理解される。例えば、出力は、メモリチップ、ハードドライブ、フラッシュドライブ、フラッシュメモリ、光学媒体、磁気媒体、または任意の他の種類の出力に記憶されてもよい。態様及び実施形態は、任意の数の異なる種類のコンピューティングデバイス、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ネットワークコンピュータ、手持ち式コンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、モバイル電話、スマートフォン、タブレットコンピュータで、かつこれらの目的のために特別に設計されたデバイスででも実行され得ることにも留意されたい。一実装形態において、スマートフォンまたはwi-fiに接続されたデバイスのユーザは、無線インターネット接続を使用して、サーバから自身のデバイスにアプリケーションのコピーをダウンロードする。適切な認証手順及びセキュアな取引プロセスは、販売者に支払われる支払いを提供することができる。アプリケーションは、モバイル接続で、またはWiFiもしくは他の無線ネットワーク接続を経由してダウンロードしてもよい。次いで、アプリケーションは、ユーザによって実行されてもよい。そのようなネットワーク化されたシステムは、複数のユーザがシステム及び方法に別個の入力を提供する、実行するのに好適なコンピューティング環境を提供してもよい。スマート警告が企図される以下のシステムにおいて、複数の入力が、複数のユーザが同時に関連するデータを入力することを可能にし得る。
【符号の説明】
【0345】
2 薬剤送達ポンプ
4 グルコースメータ
8 連続分析物センサシステム
10 センサ(連続分析物センサ)
12 センサ電子機器
14 キーフォブ型ディスプレイデバイス
16 手持ち式ディスプレイデバイス(専用受信機)
18 携帯電話(スマートデバイス)
20 コンピュータ
25 スマート警告アプリケーション
50 システム
52 ポンプまたはポンプデータのソース
100 システム
102 患者
114 フォロアのデバイス
115 サーバ
117 医療専門家(HCP)デバイス
205 特定用途向け集積回路(ASIC)
210 ポテンショスタット
214 プロセッサモジュール
216 プログラムメモリ
218 メモリ
220 データ記憶メモリ
222 ユーザインターフェース
224 ユーザボタン
226 液晶ディスプレイ
228 バイブレータモータ
230 オーディオ変換器
232 テレメトリモジュール
234 電池
236 電池充電器/調整器
238 通信ポート
350 システム
406 ネットワーク
490 クラウドベースの分析物プロセッサ