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特許7577792エアロゾル化可能材料を包含するポーチ、容器及びそれらと共に使用するためのエアロゾル生成デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】エアロゾル化可能材料を包含するポーチ、容器及びそれらと共に使用するためのエアロゾル生成デバイス
(51)【国際特許分類】
   A24F 15/01 20200101AFI20241028BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20241028BHJP
【FI】
A24F15/01
A24F40/42
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023097457
(22)【出願日】2023-06-14
(62)【分割の表示】P 2022095928の分割
【原出願日】2019-02-01
(65)【公開番号】P2023116682
(43)【公開日】2023-08-22
【審査請求日】2023-06-14
(31)【優先権主張番号】1801655.0
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】スペンサー, アルフレッド ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】アウン, ワリド アビ
(72)【発明者】
【氏名】ブリック, ケヴィン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-133449(JP,U)
【文献】国際公開第2016/162446(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0251723(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 15/00-15/20
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポーチのチェーンを包含するための容器であって、各ポーチが、エアロゾル化可能材料を包含し、それぞれの弱化領域によって、前記チェーンの少なくとも1つの他のポーチに連結され、前記ポーチのチェーンが、各弱化領域において折り曲げ可能で破断可能に構成され、各ポーチが、エアロゾルが前記ポーチの細孔を介して前記ポーチを通って又は前記ポーチから外に流れることを可能にするために多孔性であり、前記容器が、
前記ポーチのチェーンを貯蔵するためのチャンバであって、前記チャンバへの使用者のアクセスを提供する開口を備えるチャンバと、
前記開口をカバーするためのカバーであり、使用時に、前記使用者が前記カバーを開いて、前記開口を通じて前記容器の前記チャンバにアクセスし得るように構成される、カバーと、
容器ボディであり、前記チャンバが、前記容器ボディによって少なくとも部分的に規定される、容器ボディと、
を備え、
前記容器ボディ及び前記カバーが、前記ポーチのチェーンを破断するためのあごを形成するように協働する、容器。
【請求項2】
前記容器ボディが、前記ポーチのチェーンを貫通するための鋸歯状部分を備える、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記鋸歯状部分が、前記チャンバに対する前記開口の近くに配置される、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記カバーが、前記ポーチのチェーンを貫通するための鋸歯状部分を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記容器が、少なくとも2つのポーチから成るポーチのチェーンを包含する、請求項1~4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
ポーチのチェーンを包含する容器から1つ又は複数のポーチを分配する方法であって、前記方法が、
前記容器内のチャンバから取り去られるべき数のポーチを前記ポーチのチェーンから選択するステップと、
開口を通じて前記チャンバから前記数のポーチを取り去るステップと、
前記ポーチのチェーンから前記数のポーチを分離するステップと、
前記開口を通じて前記チャンバから前記数のポーチを取り去った後で、前記チャンバに対する前記開口をカバーするカバーを動かすステップと、
を含み、
前記容器は容器ボディを備え、前記チャンバが、前記容器ボディによって少なくとも部分的に規定され、
前記容器ボディ及び前記カバーが、前記ポーチのチェーンを破断するためのあごを形成するように協働する、分配する方法。
【請求項7】
前記ポーチのチェーンから前記数のポーチを分離するステップが、弱化領域において前記チェーンを破断することを含む、請求項6に記載の分配する方法。
【請求項8】
前記ポーチのチェーンから前記数のポーチを分離するステップが、前記容器の鋸歯状部分を用いて、前記チェーンをカットすることを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
エアロゾル生成デバイスの区画に前記数のポーチを挿入するステップを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化可能材料を包含するポーチのチェーン、エアロゾル化可能材料を包含するポーチのチェーン用の容器、及び、ポーチのチェーンを受容するためのエアロゾル生成デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
シガレット、シガー及び同種のものなどの商品は、使用中にタバコを燃やして紫煙を作り出す。行われてきた試みは、タバコを燃やすこれらの商品に対して代案を提供することであり、燃焼させずに化合物を放出する製品を作り出している。そういった製品の例は、いわゆる非燃焼加熱式製品であり、タバコ加熱製品又はタバコ加熱デバイスとしても知られており、材料を燃焼させることではなく、加熱することによって化合物を放出する。材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品、或いは、ブレンド混合物などの組合せであってもよく、ニコチンを含有することもあれば、含有しないこともある。
【0003】
エアロゾル化可能材料をタバコ加熱デバイスなどのエアロゾル生成デバイスに手で挿入することは、結果として、挿入後にエアロゾル化可能材料が使用者側に残る場合があり、一般的な衛生上の問題を呈する場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、ポーチのチェーンであって、各ポーチがエアロゾル化可能材料を包含する複数のポーチを備え、チェーンの各ポーチは、それぞれの弱化領域によってチェーンの少なくとも1つの他のポーチに連結され、チェーンは、各弱化領域において折り曲げ可能で破断可能に構成され、各ポーチは、エアロゾルがポーチを通って又はポーチから外に流れることを可能にするために多孔性である、ポーチのチェーンが提供される。
【0005】
エアロゾル化可能材料を包含する各個別ポーチは、約0.03mm~0.15mmの平均細孔面積を有し得る。
【0006】
各個別ポーチは、アルミニウムメッシュ、フィルター材料、食品グレードプラスチック、絹酢酸セルロース、及びポリ乳酸のうちの少なくとも1つから作られ得る。
【0007】
各個別ポーチは、少なくとも約0.1~250mgのエアロゾル化可能材料を包含し得る。
【0008】
弱化領域のうちの少なくとも1つは、有孔領域であってもよい。
【0009】
弱化領域のうちの少なくとも1つは、折り曲げ領域であってもよい。
【0010】
エアロゾル化可能材料は、タバコ、タバコ含有材料、葉材料、ハーブ材料、又は、アロマセラピーにおいて使用されるような物質のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様に係るポーチのチェーンを包含するための容器であって、容器は、ポーチのチェーンを貯蔵するためのチャンバであり、チャンバへの使用者のアクセスを提供する開口を備える、チャンバと、開口をカバーするためのカバーと、を備え、使用時に、使用者がカバーを開いて、開口を通じて容器のチャンバにアクセスし得るように構成される、容器が提供される。
【0012】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1の態様に係るポーチのチェーンを包含する容器から1つ又は複数のポーチを分配する方法であって、方法は、容器から取り去られるべき数のポーチをポーチのチェーンから選択するステップと、開口を通じてチャンバから前記数のポーチを取り去るステップと、ポーチのチェーンから前記数のポーチを分離するステップと、を含む、方法が提供される。
【0013】
本発明の第4の態様によれば、エアロゾル生成デバイスであって、複数のポーチを受容するように構成された区画を備え、各ポーチは、エアロゾル化可能材料を包含し、エアロゾルがポーチを通って又はポーチから外に流れることを可能にするために多孔性であり、デバイスは、使用者による吸入のためにポーチを通じて又はポーチから流れるエアロゾルの流れを生成するように配置される、エアロゾル生成デバイスが提供される。
【0014】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面を参照して行われる、単なる例として与えられる、本発明の好適な実施形態の次の説明から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一例に係るポーチのチェーンの概略平面図である。
図2図1のポーチのチェーンの部分Aの概略側方断面図である。
図3】一例に係るポーチのチェーンの容器の概略側方断面図である。
図4】一例に係るポーチのチェーンの容器の概略斜視図である。
図5】一例に係るポーチのチェーンの容器の概略斜視図である。
図6】一例に係るポーチのチェーンの容器の概略斜視図である。
図7】一例に係るエアロゾル生成デバイスの縦断面図である。
図8a】一例に係るエアロゾル生成デバイスの区画の概略斜視図である。
図8b】一例に係るエアロゾル生成デバイスの区画の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、ポーチ110のチェーン100の概略平面図の例が示されている。チェーン100は、複数の個別のポーチ110を包含し、各個別のポーチ110は、エアロゾル化可能材料200を包含する。使用時に、1つ又は複数のポーチ110は、エアロゾル生成デバイス(図示せず)、例えば、タバコ加熱製品デバイス、の加熱チャンバの中に配置され、使用者による吸入のためにエアロゾル化可能材料200からエアロゾルの流れが生成されるように、加熱されることがある。ポーチ110の個々は、多孔性であり、エアロゾルがポーチ110を通って又はポーチから外に、流れることを可能にする。
【0017】
都合の良いことに、ポーチ110の個々が設定量のエアロゾル化可能材料200を包含するので、使用者にとって比較的容易なことは、所望量のエアロゾル化可能材料200を、エアロゾル生成デバイス(図示せず)の加熱チャンバの中に、装填することである。更に、エアロゾル化可能材料200がポーチ110の内部に包含されるので、加熱チャンバの中に比較的清潔な様式で装填することができる。
【0018】
チェーン100は、少なくとも2つのポーチ(110a~110b)を有し、示された例では、6つのポーチ110(110a~110n)を有する。
【0019】
チェーン100は、チェーン100内の任意の2つの連続するポーチ110の間に配置されたそれぞれの弱化領域120を有する。各弱化領域120は、使用者が、チェーン100をその弱化領域120で破断して、1つ又は複数のポーチ110をチェーン100の残部から取り除くのを可能にする。
【0020】
各弱化領域120は、例えば、有孔領域、折り曲げ領域又は刻み領域のいずれか、或いは、チェーン110をその領域120で破断することによって使用者による2つのポーチ(110a~110f)の分離を容易にする任意のそういった領域にされることがある。
【0021】
チェーン100は、アルミニウムメッシュ、フィルター材料、食品グレードプラスチック、絹、酢酸セルロース、ポリ乳酸のいずれかを含む任意の適切な材料(又は材料の組合せ)を含むことがある。材料は、可撓性である任意の耐熱性材料にされることがある。各個別ポーチ110は、全体としてチェーン100の材料を含み、弱化領域120は、個別ポーチ(110a~110f)間の材料に形成される。
【0022】
各ポーチ(110a~110f)は、ポーチ110の任意の加熱がエアロゾル化可能材料200を効率的に加熱するように、エアロゾル化可能材料200と外部環境との間に熱障壁を優先的に作成しない。各ポーチ110は、或る量のエアロゾル化可能材料、例えば、約250mgまでのエアロゾル化可能材料、を包含する。一例では、各ポーチは、0.1~250mgのエアロゾル化可能材料200を包含することがある。他の例では、ポーチ110は、約1mg~225mgのエアロゾル化可能な材料200、又は、約5mg~200mg、又は、約10mg~約100mgを包含する。
【0023】
図2図1のAで示されたチェーン100の一部の概略側方断面図である)に最良に示されたように、各ポーチ110は、ポーチ110を多孔性にするように、複数の細孔112(又は他のそういったアパーチャ)を含むことがある。各ポーチ110は、例えば、平均多孔率を有することがあり、従って、かなりの気流がポーチ110を通過することを可能にされるが、しかしながら、エアロゾル化可能材料200がポーチ110の内部に固定式に保持される。ポーチ110の細孔112の面積は、細孔サイズが最大0.7mm又は1.1mmであり得るが、典型的には約0.03~1.5mmであることがある。
【0024】
使用時に、1つのポーチ又は複数のポーチ110が、タバコ加熱製品デバイス又は同種のものの加熱チャンバで加熱されるとき、エアロゾル化可能材料200は、ポーチ110の細孔112を介してポーチ110から外に又はそこを通って流れることのできるエアロゾルを生成する。
【0025】
図2にも示されているように、各弱化領域120は、ポーチ110が連結されるポーチ110の高さの中間点付近に配置されることがあり、結合部114によってポーチ110に取り付けられることがある。他の例では、各弱化領域120は、ポーチ110が連結される各ポーチ110の全高又は全長に沿って配置されることがある。優先的には、各ポーチ110は、十分に頑丈であり、したがって、チェーン100からのポーチ110の取り外し中に、ポーチ110は、ポーチ110からエアロゾル化可能材料200が出るのを可能にし得る割れや裂けがない。これは、使用者の手に接触するエアロゾル化可能材料200を不所望に招くことがある。
【0026】
ここで図3を参照すると、一例に係るポーチ110のチェーン100の容器300の概略側方断面図が示されている。示された例の容器300は、弱化領域120によってリンク結合された20個のポーチ110のチェーン100を包含する。チェーン100は、本明細書では、それ自体の上に折り返されるように示され、以て、容器300内の空間を節約し、以て、容器300に包含され得るポーチ110の数を増加させる。容器300は、ポーチ110のチェーン100が中に配置されるチャンバ330を少なくとも部分的に規定する容器ボディ310を有する。容器300は、チャンバ330への開口340をカバーするためのカバー320も有する。カバー320が開口340を覆うことから動かされるとき、使用者は、ポーチ110のチェーン100を、例えば、取り去る又は投入するか、又は、複数のポーチ110をポーチ110のチェーン100から取り去る又は投入するために、チャンバ330にアクセスすることがある。
【0027】
使用時に、使用者は、開口340を明らかにするために、カバー320を動かすことがある。使用者は、次いで、開口340を通じてチャンバ330にアクセスして、開口340を通じてポーチ110のチェーン100の幾つかを又は全てを移動させることがある。使用者は、所望のユーザセッションに基づいて、チェーン100から複数のポーチ110を折り取り、チェーン100の残りのポーチ110を容器300の中に戻すことがある。カバー320は、次いで、開口340をカバーするために、動かされることがある。チェーン100から取り外されていたポーチ110は、次いで、エアロゾル生成デバイスの中に配置されることがある。
【0028】
一例では、容器300は、弱化領域120でポーチ110のチェーン100を破断するのを支援するための特徴部を有することがある。開口340の近くの容器ボディ310の縁部は、チェーン100を破断するのを支援するために鋸歯状部分(図示せず)を有することがある。代替的又は追加的に、カバー320は、チェーン100を破断するのを支援するために鋸歯状部分を有することがある。カバー320と、開口340の近くの容器ボディ310の縁部は、カバー320が閉じて容器ボディ310に接触するときに、チェーン100を破断するのを助けるために、あごのように共同して作用することがある。使用者は、それ故に、カバー320を開いて、意図されたエアロゾル生成セッションのための所望数のポーチ110が開口340を通過するように、チェーン100を引き出すことがあり、次いで、カバー320を閉じて、同時にチェーン100を破断し、チェーン100の残りのポーチ110を容器300の中に落して戻し、開口340をカバーする。
【0029】
ここで図4を参照すると、一例に係るポーチ110のチェーン100の容器400の概略斜視図が示されている。図4に示された容器400は、図3に示され上で説明された容器の例のように、容器ボディ410と、ボディ410への開口をカバーするためのカバー420と、を有する。容器400の中のポーチ110のチェーン100は、図3のポーチ110のチェーン100とは異なっている。チェーン100は、弱化領域120によって、端部対端部接合(先の図3のように)によって並びに側面対側面接合によって、チェーン100の他のポーチ110に結合される複数のポーチ110を有する。示されているチェーン100は、3行×4列の構成で12個のポーチ110から構成され、従って、各ポーチ110は、少なくとも1つの端部対端部接合及び少なくとも1つの側面対側面接合によって各ポーチ110に連結される少なくとも2つの他のポーチ110を有する。中央の行の2列目と3列目のポーチ110は、それぞれ4つの他のポーチ110に接合されるであろう。4つの他のポーチ110は、ポーチ100の両側及び両端の4つの弱化領域120によってポーチ110に接合されるであろう。図4のチェーン100は、それ故に、図1及び図3のチェーン100よりも多くの方向で共同して接合される。合計で、12個のポーチ120は、17個の弱化領域120によって接合されている。チェーン100の配置は、容器400のサイズに起因して、容器400の中へのポーチ110の詰め込みを最大化するように見ることができる。
【0030】
使用時に、図4のチェーン100は、容器400から取り外されることが可能であり、複数のポーチ110は、エアロゾル生成デバイスへの挿入のために、チェーン100から切り離されることが可能である。ポーチ110は、一列に(例えば、行若しくは列で)又は図4のチェーン100からの塊り、例えば、2×2の4つの塊り、として折られることがある。
【0031】
ここで図5を参照すると、一例に係るポーチ110のチェーン100の容器500の概略斜視図が示されている。図5に示された容器500は、図3及び図4に示され上で説明された容器の例のように、容器ボディ510及びカバー520を有する。容器500内のポーチ110のチェーン100は、図3のそれと比較して異なっている。チェーン100は、弱化領域120によって、端部対端部接合並びに側面対側面接合によって、チェーン100の他のポーチ110に結合される複数のポーチ110を有する。図5に示されたチェーン100は、図4について説明されたものと同じであり、それで説明は繰り返されないであろう。使用時に、容器500のカバー520は、ポーチ110のチェーン100を明らかにするために移動される。チェーン100は、次いで、容器500から移動され、複数のポーチ110は、チェーン100から移動されることが可能である。ポーチ110は、図5に示されたように、即ち、塊りとして、チェーン100から一列に折られることがある。チェーン100の配置は、容器500の中へのポーチ110の詰め込みを最大化するように見ることができる。チェーン100は、容器500内の詰め込みを最大化するために、それ自体の上に折り返されることがある。
【0032】
ここで図6を参照すると、一例に係るポーチ110のチェーン100の容器600の概略斜視図が示されている。図6に示された容器600は、図3、4及び5に示され上で説明された容器の例のように、容器ボディ610と、容器ボディ610への開口をカバーするためのカバー620と、を有する。容器600内のポーチ110のチェーン100は、図4及び5のチェーン100と比較して異なっているが、図1に示されたチェーン100と同様である。チェーン100は、弱化領域120によって、端部対端部でチェーン100の他のポーチ110だけに接合される複数のポーチ110を有する。図6に示されたチェーン100は、図1について説明されたものと同じであり、それで説明は繰り返されないであろう。使用時に、容器600のカバー620は、ポーチ110のチェーン100を明らかにするために移動される。チェーン100は、次いで、容器600から移動され、複数のポーチ110は、チェーン100から移動されることが可能である。ポーチ110は、上で説明されたように、手によって、又は、カバー620を弱化領域120の上に閉じることによって、チェーン100から移動されることがある。チェーン100は、容器600内のポーチ110の詰め込みを最大化するように、容器610内でそれ自体の上に折り返されることがある。
【0033】
ここで図7を参照すると、エアロゾル生成デバイス700が示されている。エアロゾル生成デバイス700は、動力ユニット710、加熱チャンバ720及びマウスピース730を有する。動力ユニット710は、バッテリー、動力回路、及び同種のものを包含することがある。加熱チャンバ720は、エアロゾル生成材料又はエアロゾル化可能材料200を包含するために、1つ又は複数のヒータ724、関連する回路、及び1つ又は複数の区画722を包含することがある。マウスピース730は、デバイス700内で生成されたエアロゾルがデバイス700を出て、使用者によって吸入され得るように、空気流路及び同種のものを含むことがある。デバイス700は、デバイス700の外部の環境からの空気が使用中にデバイス700の中を通れるように、空気入口(図示せず)も有する。
示された例の加熱チャンバ720は、移動可能区画722を有する。移動可能区画722は、加熱チャンバ720から移動されることがあり、ポーチ110のチェーン100から取られた1つ又は複数のポーチ110は、区画722の中に挿入されることがある。使用時に、所望のエアロゾル生成セッションに基づく複数のポーチ110は、区画722の中に挿入されることがある。区画722は、長いユーザセッションに適した特定の最大数のポーチ110が、区画722の中に挿入することができるように、サイズ決めされることがある。即ち、区画722は、複数のポーチ110を受容することができるようにサイズ決めされる。ポーチ110は、相互に接合されることがあり、ポーチ110が区画722内のより小さい空間を占有するように、区画422への挿入前に折り曲げられ又は区画722への挿入中に折り曲げられることがある。折り曲げは、弱化領域120に沿って生じることがある。代替的に、各ポーチは、相互に分離されることがあり、分離されたポーチは、その後に区画722の中に挿入される。
【0034】
区画722内へのポーチ110の挿入後に、区画722は、加熱室720の中に挿入して戻されることがある。区画722は、ヒータ724が、区画722を、従って、区画722内のポーチ110を、従って、ポーチ110内のエアロゾル化可能材料200を、直接過熱し得るように、加熱チャンバ720内のヒータ724の近くに配置されることがある。代替的に、ヒータ724は、空気流が区画722に入り、多孔性ポーチ110を通過する前に、空気流を加熱することがある。高温空気流は、使用者による吸入のためのマウスピース730に向けて区画722を出る前に、エアロゾル化可能材料200からの香味料を飛沫同伴することがある。
【0035】
別の例では、ヒータ724は、eリキッド又は同種のものなどのエアロゾル生成材料を加熱することがあり、エアロゾルは、使用者による吸入のためのマウスピース430に向けて区画722を出る前に、エアロゾル化可能材料200からの香味料を飛沫同伴するために、区画722を通過して多孔性ポーチ110を通過することがある。
【0036】
一例では、区画722は、移動可能カバー若しくは摺動可能カバー又は窓(図示せず)と貯蔵エリア(図示せず)で置き換えられることがある。カバー又は窓は、ポーチ110用の貯蔵エリアに入口を提供するために移動されることが可能である。この貯蔵エリアは、上で説明されたように区画722と同じように機能することがあるが、デバイス700から移動可能ではない。ポーチ110が貯蔵エリアに挿入された後、カバー又は窓は、閉じられることがある。気密シールは、マウスピース730ではなくエアロゾルが装置700から出るのを防止するために、区画722や貯蔵エリアのカバー又は窓のために必要とされるであろう。
【0037】
ここで図8a及び図8bを参照すると、一例に係るエアロゾル生成デバイスのための区画822の概略斜視図が示されている。区画822は、使用時に、図7に示されたもののようなエアロゾル生成デバイスから移動され、区画822の中に挿入された複数のポーチ110を有し、その後にエアロゾル生成デバイスに再取り付けされる。図8a及び図8bに示された区画822は、1つのポーチ110を収容するのに適した断面積を有するようにサイズ決めされる。この例では、複数のポーチ110が区画822の中に投入されることが望まれるとき、ポーチ110は、ポーチ110によって区画822に占有される空間を最適化するために、ポーチ110を連結する弱化領域120に沿って折り曲げられることがある。弱化領域120に沿ったこの折り曲げは、図8aに明確に見ることができる。
【0038】
ポーチ110のチェーン100は、チェーン100に複数のポーチ110を包含することがある。チェーン100の或る種のポーチ110は、チェーン100の他のポーチ110と異なっていることがある。例えば、複数のポーチ110は、第1のタイプのエアロゾル化可能材料200を包含することがあり、これに対して、他のポーチ110は、他のタイプのエアロゾル化可能材料200を包含することがある。一部のポーチ110は、或る種の平均多孔度を有することがあり、これに対して、他のポーチ110は、異なった平均多孔度を有することがある。平均多孔度の違いは、低めの多孔度を有するポーチ110よりも、ユーザセッションで早めにエアロゾルを放出する高めの多孔度を有するポーチ110をもたらすことがある。或る種のポーチ110は、他のポーチ110よりもユーザセッションで早めにエアロゾルを提供するように、他のポーチ110よりも高めの熱伝導性材料から形成されることがある。これらの変形例は、そのセッションのために選択されたポーチ110に基づいて特定のユーザセッションのために、使用者によってセッションプロファイルが選択されることを可能にすることがある。
【0039】
本明細書で使用されるとき、用語「エアロゾル生成材料」及び「エアロゾル化可能材料」という用語は、加熱するとエアロゾルの形態で揮発成分を提供する材料を指す。複数の実施形態では、エアロゾル生成材料は、タバコ成分を含むことがあり、タバコ成分は、タバコ又はその誘導体を含む任意の材料である。タバコ成分は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含むことがある。エアロゾル化可能の他のタイプは、アロマセラピー及び同種のもので使用されるような葉材料、ハーブ材料、又は、感覚受容性物質を含むことがある。複数の実施形態では、エアロゾル生成基質は、タバコ代替品を含むことがある。
【0040】
本明細書で使用されるとき、用語「香料」及び「香味料」は、地域の規制が許す場合に、成人消費者向けの製品に所望の味又は香りを作り出すために使用され得る材料を指す。それらは、抽出物(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、日本ミント、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、桃、林檎、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキ、スペアミント、ペパーミント、ラベンダ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン、生姜、アニス、コリアンダ、コーヒー、又は、メンタ属の任意の種に由来するミント油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、砂糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又は、マンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は、息清涼剤などの他の添加物、を含むことがある。それらは、模造品、合成成分若しくは天然成分、又は、それらの混合物であることがある。それらは、任意の適切な形態、例えば、油、液体、固体、又は、粉末であることがある。例えば、液体、油、又は、他のそういった流動性香味料は、多孔性固形材料に、この多孔性固形材料に香料及び/又は他の特性を分与するように、含浸されることがある。そういうことで、液体又は油は、それが含浸されている固形材料の成分である。
【0041】
上記の実施形態は、本発明の例証的な例として理解されるべきである。本発明の更なる実施形態が想定される。理解されるべきことは、任意の1つの実施形態に関連して説明された任意の特徴が、単独で、又は説明された他の特徴との組合せで使用されてもよいこと、及び他の任意の実施形態、又は他の任意の実施形態の任意の組合せの1つ又は複数の特徴との組合せで使用されてもよいことである。更に、上記で説明されていない均等物や修正例も、添付の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲から逸脱せずに、採用されることがある。
【0042】
以下の実施形態1~25が開示される。
(実施形態1)
ポーチのチェーンであって、
各ポーチがエアロゾル化可能材料を包含する複数のポーチを備え、
前記チェーンの各ポーチが、それぞれの弱化領域によって、前記チェーンの少なくとも1つの他のポーチに連結され、
前記チェーンが、各弱化領域において折り曲げ可能で破断可能に構成され、
各ポーチが、エアロゾルが前記ポーチを通って又は前記ポーチから外に流れることを可能にするために多孔性である、ポーチのチェーン。
(実施形態2)
エアロゾル化可能材料を包含する各個別ポーチが、約0.03mm~0.15mmの平均細孔面積を有する、実施形態1に記載のポーチのチェーン。
(実施形態3)
各個別ポーチが、アルミニウムメッシュ、フィルター材料、食品グレードプラスチック、絹酢酸セルロース、及びポリ乳酸のうちの少なくとも1つから作られる、実施形態1又は2に記載のポーチのチェーン。
(実施形態4)
各個別ポーチが、少なくとも約0.1~250mgのエアロゾル化可能材料を包含する、実施形態1~3のいずれか一項に記載のポーチのチェーン。
(実施形態5)
前記弱化領域のうちの少なくとも1つが、有孔領域である、実施形態1~4のいずれか一項に記載のポーチのチェーン。
(実施形態6)
前記弱化領域のうちの少なくとも1つが、折り曲げ領域である、実施形態1~5のいずれか一項に記載のポーチのチェーン。
(実施形態7)
前記エアロゾル化可能材料が、タバコ、タバコ含有材料、葉材料、ハーブ材料、又は、アロマセラピーにおいて使用されるような物質のうちの少なくとも1つである、実施形態1~6のいずれか一項に記載のポーチのチェーン。
(実施形態8)
実施形態1~7のいずれか一項に記載のポーチのチェーンを包含するための容器であって、前記容器が、
前記ポーチのチェーンを貯蔵するためのチャンバであって、前記チャンバへの使用者のアクセスを提供する開口を備えるチャンバと、
前記開口をカバーするためのカバーと、
を備え、
使用時に、前記使用者が前記カバーを開いて、前記開口を通じて前記容器の前記チャンバにアクセスし得るように構成される、容器。
(実施形態9)
容器ボディを備え、前記チャンバが、前記容器ボディによって少なくとも部分的に規定され、
前記容器ボディ及び前記カバーが、前記ポーチのチェーンを破断するためのあごを形成するように協働する、実施形態8に記載の容器。
(実施形態10)
前記容器ボディが、前記ポーチのチェーンを貫通するための鋸歯状部分を備える、実施形態9に記載の容器。
(実施形態11)
前記鋸歯状部分が、前記チャンバに対する前記開口の近くに配置される、実施形態10に記載の容器。
(実施形態12)
前記カバーが、前記ポーチのチェーンを貫通するための鋸歯状部分を有する、実施形態8~11のいずれか一項に記載の容器。
(実施形態13)
前記容器が、少なくとも2つのポーチから成るポーチのチェーンを包含する、実施形態8~12のいずれか一項に記載の容器。
(実施形態14)
実施形態1~7のいずれか一項に記載のポーチのチェーンを包含する容器から1つ又は複数のポーチを分配する方法であって、前記方法が、
前記容器から取り去られるべき数のポーチを前記ポーチのチェーンから選択するステップと、
開口を通じて前記チャンバから前記数のポーチを取り去るステップと、
前記ポーチのチェーンから前記数のポーチを分離するステップと、
を含む、分配する方法。
(実施形態15)
前記開口を通じて前記チャンバから前記数のポーチを取り去った後で、前記チャンバに対する前記開口をカバーするカバーを動かすステップを更に含む、実施形態14に記載の分配する方法。
(実施形態16)
前記ポーチのチェーンから前記数のポーチを分離するステップが、弱化領域において前記チェーンを破断することを含む、実施形態14又は15に記載の分配する方法。
(実施形態17)
前記ポーチのチェーンから前記数のポーチを分離するステップが、前記容器の鋸歯状部分を用いて、前記チェーンをカットすることを含む、実施形態14~16のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態18)
エアロゾル生成デバイスの区画に前記数のポーチを挿入するステップを含む、実施形態14~17のいずれか一項に記載の方法。
(実施形態19)
エアロゾル生成デバイスであって、
複数のポーチを受容するように構成された区画を備え、各ポーチが、エアロゾル化可能材料を包含し、エアロゾルが前記ポーチを通って又は前記ポーチから外に流れることを可能にするために多孔性であり、
前記デバイスが、使用者による吸入のために前記ポーチを通じて又は前記ポーチから流れるエアロゾルの流れを生成するように構成される、エアロゾル生成デバイス。
(実施形態20)
前記区画が、実施形態1~7のいずれか一項に記載のポーチのチェーンを受容するように構成される、実施形態19に記載のエアロゾル生成デバイス。
(実施形態21)
前記区画が、前記エアロゾル生成デバイスに取り外し可能に連結可能である、実施形態19又は20に記載のエアロゾル生成デバイス。
(実施形態22)
前記区画が、開口を備え、前記開口を通じて、前記区画にポーチのチェーンが挿入され得る、実施形態19~21のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
(実施形態23)
前記区画が前記デバイスに連結されていないときに前記デバイスの動作を防止するように構成される回路を備える、実施形態19~22のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイス。
(実施形態24)
実施形態19~23のいずれか一項に記載のエアロゾル生成デバイスと、実施形態1~7のいずれか一項に記載のポーチのチェーンと、を備える、エアロゾル生成システム。
(実施形態25)
前記ポーチのチェーンが、前記チェーンの前記ポーチが積み重ねて配置されるように、少なくとも1つの弱化領域において折り曲げられる、実施形態24に記載のエアロゾル生成システム。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b