(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、管理装置、無人運転装置およびサーバ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20241028BHJP
【FI】
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2023122719
(22)【出願日】2023-07-27
(62)【分割の表示】P 2021188062の分割
【原出願日】2017-10-16
【審査請求日】2023-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100177390
【氏名又は名称】大出 純哉
(72)【発明者】
【氏名】幸田 敏宏
(72)【発明者】
【氏名】須崎 正士
(72)【発明者】
【氏名】豊崎 祐一郎
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0090484(US,A1)
【文献】特開2014-115478(JP,A)
【文献】国際公開第2016/188955(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0068264(US,A1)
【文献】国際公開第2017/115446(WO,A1)
【文献】米国特許第09786187(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステム
におけるユーザの端末のコンピュータプログラムであって、
無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた
前記無人運送装置の現在位置に対応する
、サーバに予め取得された画像を取得する機能と、
前記取得された画像をディスプレイに表示させる機能と、を
前記ユーザの端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記表示させる機能は、無人運送装置のルート、該無人運送装置の現在位置、該無人運送装置の目的地、のうちの少なくともひとつを含む電子地図に関連付けて前記画像を前記ディスプレイに表示させる機能を含む請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記画像は、無人運送装置の目的地を基準とする所定の範囲に該無人運送装置の現在位置が入ったことを条件のひとつとして表示される請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
ユーザと無人運送装置との間の物品の授受が完了すると、前記画像の表示を止める機能をさらに前記
ユーザの端末に実現させる請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記
サーバに予め取得された画像は
、無人運送装置が
予め位置に対応付けて周囲を撮像することにより得られた画像である請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記サーバに予め取得された画像は、
取得された画像に、プライバシーを保護するための処理を施すことで得られた画像である請求項1から
5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに
おけるユーザの端末であって、
無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた
前記無人運送装置の現在位置に対応する
、サーバに予め取得された画像を取得する取得手段と、
取得された画像をディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備える端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラム、管理装置、無人運転装置およびサーバに関し、特に無人運転装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のセンサの高精度化やAI技術の進歩により、自律的に移動可能な車両や飛翔体などの装置が実用化されている。そのような装置の用途は様々であるが、応用分野のひとつとして物流がある。例えば、非特許文献1に記載のシステムでは、ドラッグストアやスーパーマーケットから消費者へ商品を届けるために自律走行車両が用いられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】http://www.zmp.co.jp/products/carriro-delivery、(平成29年9月15日検索)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律的に移動可能な装置の物流への適用は始まったばかりであり、システムを実装するに当たり様々な課題が生じる。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムにおける課題を解決するか、または該システムを改良する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、コンピュータプログラムに関する。このコンピュータプログラムは、無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムにおけるユーザの端末のコンピュータプログラムであって、無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた前記無人運送装置の現在位置に対応する、サーバに予め取得された画像を取得する機能と、前記取得された画像をディスプレイに表示させる機能と、を前記ユーザの端末に実現させる。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムにおける課題を解決するか、または該システムを改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係るPDDシステムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1の携帯端末のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】PDDシステムにおける商品の注文から配送完了までの流れを示すチャートである。
【
図4】
図1のデータベースの一例を示すデータ構造図である。
【
図5】管理サーバの機能及び構成を示すブロック図である。
【
図6】
図5の敷地情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図7】携帯端末の機能及び構成を示すブロック図である。
【
図8】ディスプレイに表示される注文確認画面の代表画面図である。
【
図9】ディスプレイに表示される建物指定画面の代表画面図である。
【
図10】ディスプレイに表示される場所時刻表示画面の代表画面図である。
【
図11】ディスプレイに表示される会合場所絞り込み画面の代表画面図である。
【
図12】ディスプレイに表示される任意選択画面の代表画面図である。
【
図13】ディスプレイに表示されるNG理由表示画面の代表画面図である。
【
図14】ディスプレイに表示される会合場所設定画面の代表画面図である。
【
図15】登録モードを有するPDDにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】ディスプレイに表示される注文拒否画面の代表画面図である。
【
図17】管理サーバの機能及び構成を示すブロック図である。
【
図18】
図17の画像保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図19】
図17の注文制御情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図20】ディスプレイに表示されるトップ画面の代表画面図である。
【
図21】ディスプレイに表示される接近通知画面の代表画面図である。
【
図22】ディスプレイに表示される状況通知画面の代表画面図である。
【
図23】ディスプレイに表示される詳細テキスト画面の代表画面図である。
【
図24】ディスプレイに表示される再設定問い合わせ画面の代表画面図である。
【
図25】ディスプレイに表示される会合場所更新画面の代表画面図である。
【
図26】PDDと会合場所との距離が第1変更しきい値を下回るが第2変更しきい値以上であると判定された場合の状況通知画面の代表画面図である。
【
図27】PDDと会合場所との距離が第2変更しきい値を下回ると判定された場合の状況通知画面の代表画面図である。
【
図28】PDDが会合場所に到着したと判定された場合の状況通知画面の代表画面図である。
【
図29】ディスプレイに表示される取引完了画面の代表画面図である。
【
図30】ディスプレイに表示される管理画面の代表画面図である。
【
図31】携帯端末のディスプレイに表示される接近通知画面の代表画面図である。
【
図32】PDDシステムにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図33】管理サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図34】管理サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図35】管理サーバのディスプレイに表示される管理画面の代表画面図である。
【
図36】管理サーバの機能及び構成を示すブロック図である。
【
図37】
図36のユーザ情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図38】販促対象特定部における特定処理を説明するための説明図である。
【
図39】大きさマッチングテーブルの一例を示すデータ構造図である。
【
図40】携帯端末のディスプレイに表示されるレコメンド画面の代表画面図である。
【
図41】管理サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
(全体構成および動作)
図1は、実施の形態に係るPDD(Personal Delivery Devices)システム10の構成を示す模式図である。PDDシステム10は、PDDを介したユーザ14と店舗22側との間の商品24の授受を実現するシステムである。PDDシステム10は、PDDシステム10を管理する管理サーバ12と、ユーザ14の携帯端末16と、商品24を販売する店舗22と、商品24を運んだりユーザ14から荷物を預かったりするPDD20と、を備える。管理サーバ12、携帯端末16、店舗22、PDD20はそれぞれネットワーク18に接続され、互いに通信可能に構成される。
【0012】
ネットワーク18は、有線ネットワークまたは無線ネットワークもしくはそれらの組み合わせを含み、インターネット、イントラネット、LAN、WAN、WiFi、Bluetooth(登録商標)、無線電話網などを含んでもよい。例えば、携帯端末16は無線電話網を介して管理サーバ12と通信する。また携帯端末16は、PDD20との距離が近い場合にはBluetoothなどの近距離無線通信によりPDD20と通信する。
【0013】
店舗22は、コンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーマーケット、飲食店、百貨店、ディスカウントストア、小売店、露店などであってもよい。店舗22では、店舗22の店員がPDD20に商品24を積み込むことができ、また、PDD20がユーザ14から預かった荷物を店員が回収することができる。店舗22はPOS(Point Of Sale)端末などの端末(不図示)を備え、該端末はネットワーク18に接続される。店舗22には少なくともひとつのPDD20が配備され、店舗22はPDD20の拠点のひとつとなっている。なお、店舗22は物流倉庫や工場などの店舗22側の建物であってもよい。
【0014】
PDD20は、ユーザ14と店舗22側との間の物品の授受を仲介する。PDD20は、店舗22からユーザ14に配送すべき商品24やユーザ14から店舗22に渡すべき荷物などの物品を格納し、GPSやジャイロセンサや加速度センサなどの測位手段からの位置情報を用いて目的地へ自動的に移動する無人運送装置である。PDD20の自動的移動は、例えば非特許文献1に記載される自動走行可能な宅配ロボットで用いられる自動走行技術を用いて実現されてもよい。PDD20は、管理サーバ12による制御の下で自動的に移動してもよいし、そのような制御なしのスタンドアローンで移動してもよい。PDD20は、それぞれが商品24や荷物を収容可能な複数の収容スペース26を有する。
【0015】
なお、PDD20の代わりに、ドローンなどの空中運送装置や、(歩道ではなく)道路を走行可能な無人配送車などの無人運転車両が用いられてもよい。
【0016】
管理サーバ12は、PDDシステム10を管理するためのサーバであり、管理者が誰であるかによってデータセンタ内に設けられてもよいし店舗22に設けられてもよい。管理サーバ12は、PDD20を介して行われる取引に関する情報を取得し、データベース40に蓄積する。
【0017】
携帯端末16は、スマートフォン、携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチなどのユーザの端末である。携帯端末16のユーザ14は、ダウンロードサイトからネットワーク18を介して実施の形態に係るPDDアプリケーションプログラム(以下、PDDアプリと称す)を携帯端末16にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、PDDアプリは携帯端末16にプリインストールされていてもよい。PDDアプリはPDDシステム10の管理者により提供される。PDDアプリが携帯端末16により実行されることにより、携帯端末16はネットワーク18を介して管理サーバ12と通信し、各種機能を実現する。以下、携帯端末16(のCPU等の処理ユニット)がPDDアプリを実行することにより実現する機能を携帯端末16の機能として説明する。それらの機能は実際はPDDアプリが携帯端末16に実現させる機能である。なお、携帯端末16の代わりにデスクトップコンピュータなどの据え置き型の端末が用いられてもよい。
【0018】
図2は、
図1の携帯端末16のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。携帯端末16はPDDアプリをインストールして実行可能であればいかなる端末であってもよく、例えば公知の携帯端末であってもよい。携帯端末16は、メモリ28と、プロセッサ30と、通信インタフェース32と、ディスプレイ34と、入力インタフェース36と、を含む。これらの要素はそれぞれバス38に接続され、バス38を介して互いに通信する。
【0019】
メモリ28は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ28に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。特にメモリ28はPDDアプリを記憶する。プロセッサ30は、メモリ28に記憶されているプログラム、特にPDDアプリを実行することにより、携帯端末16における各種機能を実現するCPUであってもよい。通信インタフェース32は、ネットワーク18との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。ディスプレイ34は、各種情報を表示するためのデバイスであり、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。入力インタフェース36は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力インタフェース36は、例えば、ディスプレイ34上に設けられたタッチパネルや、各種入力キー等を含む。なお、管理サーバ12、POSはそれぞれ
図2に示されるハードウエア構成と同様のハードウエア構成を有してもよい。
【0020】
図3は、PDDシステム10における商品24の注文から配送完了までの流れを示すチャートである。ユーザ14は、携帯端末16を用いて、店舗22に注文可能な商品24のリストを閲覧する。ユーザ14は所望の商品24を選択し、PDD20と会合する会合場所(すなわち、PDD20の目的地)を指定し、支払い方法を選択する。携帯端末16は、選択された商品24の情報と、指定された会合場所の情報と、支払いに関する支払い情報と、を受け付け(S302)、それらの情報を含む注文情報を生成し、ネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する(S304)。管理サーバ12は注文情報を受信し、注文情報に含まれる支払い情報を用いて決済処理を行う(S306)。例えば、ユーザ14がクレジットカードによる支払いを選択した場合、支払い情報はクレジットカードの番号を含み、決済処理はクレジットカード会社から承認をとる処理を含む。
【0021】
決済処理が完了すると、管理サーバ12は、選択された商品24をPDD20に格納するための格納指示を、店舗22のPOSにネットワーク18を介して送信する(S308)。POSは格納指示を受信すると、POSのディスプレイに、選択された商品24を示す情報と、該商品24を格納すべきPDD20(および格納先の収容スペース26)を特定する情報と、を表示させる(S310)。店舗22の従業員はPOSのディスプレイを確認し、選択された商品24を特定されたPDD20に格納する。ここで、POSは携帯型POS端末でもよく、選択された商品24のバーコードを従業員が読み込むことで選択された商品24をPDD20に格納したとのステータスに変更してもよい。または、PDDにカメラ若しくはバーコード機能を備えさせ、そのカメラ若しくはバーコード機能で選択された商品24のバーコードを読み込んで同様にステータスの変更を実施してもよい。
【0022】
また、決済処理が完了すると、管理サーバ12は、注文情報に含まれる会合場所を目的地として含むPDD20の移動ルートを生成し、生成された移動ルートを含むルート情報をPDD20にネットワーク18を介して送信する(S312)。ルート情報は、格納先の収容スペース26を特定する情報を含んでもよい。
【0023】
PDD20はルート情報を受信すると、該ルート情報に基づいてルートを設定する(S314)。PDD20は、従業員によって収容スペース26に商品24が格納されるまで待機し、商品24の格納が確認されると(S316)、設定されたルートに沿って目的地まで移動する自動走行を開始する。自動走行(S318)中、PDD20は随時、自己の現在位置を測定して管理サーバ12およびPOSにネットワーク18を介して報告する(S320)。報告された現在位置は、管理サーバ12による自動走行の制御に用いられてもよいし、店舗22の従業員にPDD20の位置を知らせるためにPOSのディスプレイに表示されてもよい。また、管理サーバ12はPDD20の現在位置を携帯端末16に、ネットワーク18を介して提供してもよい。
【0024】
PDD20は、設定された会合場所に到着し、そこで待機する(S322)。待機している間、PDD20は近距離無線通信により自己の識別情報を周囲に報知する。ユーザ14は携帯端末16を持って会合場所に赴く。PDD20が会合場所に到着したことをユーザ14に知らせる方法は、例えば、携帯端末16のディスプレイ34にPDD20の現在位置を表示すること、ディスプレイ34にPDD20の予定到着時刻または到着までの残り時間を表示すること、PDD20から到着の報告を受けた管理サーバ12が携帯端末16にPDD20の到着を通知すること、のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよい。
【0025】
携帯端末16は、近距離無線通信を介してPDD20の識別情報を検出する(S324)。携帯端末16は、ユーザ14の認証情報をPDD20に、近距離無線通信を介して送信する(S326)。PDD20は認証情報を受信し、受信した認証情報を用いてユーザ認証を行う(S328)。このユーザ認証は、PDD20で行われてもよく、または管理サーバ12で行われてもよく、もしくはその両者が通信することで行われてもよい。
図3ではユーザ認証がPDD20で完結する例を示している。この場合、PDD20が管理サーバ12からステップS312で受信するルート情報はユーザ14の認証情報を含む。
【0026】
ユーザ認証に成功すると、PDD20はユーザ14宛の商品24が格納されている収容スペース26を開放する(S330)。ユーザ14が開放された収容スペース26から商品24を取り出すことで商品24の授受が行われる。商品24を取り出した後、ユーザ14は収容スペース26の蓋を閉める。PDD20は、蓋が閉まったことを検出すると、設定されたルートに沿って店舗22まで移動する自動走行を開始する。自動走行(S332)中、PDD20は随時、自己の現在位置を測定して管理サーバ12およびPOSにネットワーク18を介して報告する(S334)。PDD20は、店舗22に到着し、所定の停止位置で停止する(S336)。PDD20は、授受の完了を確認する確認情報を管理サーバ12およびPOSにネットワーク18を介して送信する(S338)。なお、確認情報はPDD20が目的地にいるときに生成、送信されてもよい。管理サーバ12は、確認情報を受信すると、今回の取引に係る取引情報をデータベース40に格納する(S340)。
【0027】
図3の例では電子的な先払い方式を採用する場合を説明したが、電子的な後払い方式が採用されてもよく、その場合は授受の完了が確認された後、管理サーバ12により決済処理が行われてもよい。あるいはまた、PDD20が商品24をユーザ14に渡し、代わりに商品24の代金をユーザ14から預かって店舗22に持って帰る方式が採用されてもよい。
【0028】
図3の例では、ユーザ14が商品24を注文する場合を説明したが、ユーザ14が荷物の集荷を依頼する場合にも同様の処理が適用されうる。この場合の
図3の例との主な違いは、PDD20が目的地に向かう際には収容スペース26は空であり、PDD20が目的地から店舗22に帰る際には収容スペース26はユーザ14の荷物を保持する点である。
【0029】
図3の例では、管理サーバ12がネットワーク18を介してPDD20にルート情報を送信する場合を説明したが、これに限られず、例えば店舗22のPOSが管理サーバ12からルート情報を格納指示と合わせて取得し、該POSが例えば近距離無線通信やWiFi経由でPDD20にルート情報を設定してもよい。
【0030】
図4は、
図1のデータベース40の一例を示すデータ構造図である。データベース40は、取引を行ったユーザ14の属性と、配送/集荷の別と、注文された商品24と、注文された商品24または集荷された荷物の個数と、注文が確定したときの日時と、注文が確定したときのユーザ14の携帯端末16の位置と、ユーザ14がPDD20から商品24を受け取ったときの日時と、ユーザ14がPDD20から商品24を受け取った位置(=指定された会合場所)と、PDD20が会合場所に到着してからユーザ14が商品24を取り出すまでの時間であるPDD待機時間と、会合の成功/失敗の別と、天気と、を対応付けて保持する。
【0031】
本実施の形態に係るPDDシステム10によると、商品24の注文や集荷の依頼があるたびに、管理サーバ12のデータベース40にその取引が行われた場所の情報(会合場所)や注文が行われた場所の情報が蓄積されていく。会合場所は、PDD20がユーザ14に直接商品24を渡した場所であるから、ユーザ14が商品24を受け取った場所としての精度は高い。管理サーバ12の管理者は、蓄積された場所の情報をビッグデータとして処理することで、より効果的な商品のレコメンドやマーケティングを実現できる。
【0032】
例えば、受け取りの成功や失敗と共に会合場所が蓄積されていることに着目すると、会合場所ごとに受け取りの成功率を算出できる。また、PDD待機時間と共に会合場所が蓄積されていることに着目すると、会合場所ごとに受け取りにかかる時間を算出できる。また、会合場所ごとに、受け取りの成功率と受け取りにかかる時間とに基づいてユーザの受け取りやすさの指標を算出できる。管理サーバ12は、この指標に基づいてユーザ14に会合場所の候補を提案できる。
【0033】
あるいはまた、蓄積された会合場所と注文時刻とから、注文する確率が高い場所と時刻とを算出することができる。管理サーバ12は、算出された場所および時刻に基づいて、商品24のレコメンドを行うことができる。例えば、あるオフィスビルのエントランスで、午前11時半から正午までの間におにぎりがユーザに渡された頻度が、他の場所や他の時間帯よりも高いことが判明した場合、そのオフィスビルにいるユーザに午前11時から午前11時半までの間におにぎりのクーポンを電子的に配布するのが効果的であると判断することができる。
【0034】
注文日時が蓄積されていることに着目すると、注文のピーク期間を予測することができる。この場合、予測されたピーク期間に基づいて、店舗22に配置するPDD20の台数やその待機場所を時間帯ごとに調整することができる。
【0035】
なお、管理サーバ12は、PDD20が会合場所に到着した場合にユーザ14がすぐに受け取りに来ることを動機付けるインセンティブをユーザ14に付与するインセンティブ処理を行ってもよい。インセンティブ処理は、例えばすぐに受け取りに来たユーザ14にクーポンを付与する処理や、該ユーザ14を優良ユーザとして優先的なレコメンドを行う処理であってもよい。
【0036】
本発明者は、上述のPDDシステム10について鋭意検討を重ねた結果、動作の様々なフェーズにおいて様々な課題があることを認識した。以下、各課題とその解決手段とを説明する。
【0037】
(例1)
フェーズ:注文受付
課題:待ち合わせ場所の特定
図2のステップS302に関連して説明した通り、ユーザ14は商品24を注文する際、PDD20と会合する会合場所を指定する。会合場所の指定を受け付けるためのユーザインタフェースとして、PDDアプリが携帯端末16のディスプレイ34に電子的な地図(以下、電子地図という)を表示させ、その電子地図上でユーザ14に指定させるものが考えられる。しかしながら、現在利用可能な電子地図では建物を指定することはできるが、建物の敷地内の特定の場所(エントランス、裏口、通用口、休憩所、喫煙所等)までは指定することができない。会合場所として比較的適しているのがエントランスであることから、建物が指定されると自動的にそのエントランスが会合場所として指定される実装も考えられるが、電子地図にはエントランスの場所を特定する情報が含まれていないので、そのような実装も現状では難しい。したがって、例えば「渋谷駅」ではなく、「ハチ公前」程度まで会合場所を絞り込める工夫が必要である。
【0038】
そこで、本例では、電子地図と、電子地図内の建物の敷地の地図と、を対応付けて管理サーバ12に登録する。PDDアプリは、ユーザ14が電子地図内の建物を会合場所として指定した場合、その建物の敷地の地図を管理サーバ12から取得し、取得された敷地の地図に会合場所の候補を付加してユーザ14に提示する。これにより、ユーザ14は建物の敷地内の特定の場所のレベルまで会合場所を絞り込むことができ、ユーザ14とPDD20との会合の確実性を高めることができる。
【0039】
図5は、例1に係る管理サーバ12の機能及び構成を示すブロック図である。
図5および他のブロック図に示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0040】
管理サーバ12は、電子地図保持部42と、敷地情報保持部44と、建物指定受付部46と、建物種別判定部48と、会合場所指定受付部50と、候補更新部52と、を備える。電子地図保持部42は電子地図を保持する。電子地図は例えば、株式会社ゼンリンが提供する広域・詳細地図データベースZMAPや、Google Inc.が提供するGoogle Mapであってもよい。電子地図保持部42の代わりに電子地図を他のサーバから取得するためのAPI(Application Programing Interface)が用いられてもよい。
【0041】
図6は、
図5の敷地情報保持部44の一例を示すデータ構造図である。敷地情報保持部44は、建物を特定する建物IDと、建物の種別と、建物の敷地の地図と、会合場所候補の座標、指定回数、画像の組と、NG領域の範囲と、NGの理由と、を対応付けて保持する。
【0042】
建物IDは電子地図に登録されている建物を特定する識別子である。建物の種別は、例えばオフィスビル、マンション、一軒家、アパート、学校、病院等である。建物の種別は、後述のユーザによる登録があるたびに更新されてもよい。敷地の地図は、ビットマップ形式やJPEG形式などの画像ファイルである。会合場所候補は、(1)PDDシステム10の管理者によって手動で設定されるか、または(2)ユーザ14とPDD20とが実際に会合したことがある場所が設定されるか、または(3)携帯端末16を介してユーザ14により登録される。会合場所候補の座標は、敷地の地図において会合場所の候補の位置を特定する情報であり、例えば敷地の地図における候補の座標である。会合場所候補の指定回数は、これまでにその候補が会合場所として選択された回数である。会合場所候補の画像は、その候補においてPDD20またはユーザ14の携帯端末16が撮像した、候補の周囲の画像である。NG領域の範囲は、敷地にユーザ14とPDD20との会合が制限または禁止されるNG領域が存在する場合、そのNG領域の範囲を特定する情報を示す。NGの理由は、NG領域においてなぜ会合が制限または禁止されるかを示す理由情報を示す。
図6の例では、建物ID「A11」の敷地には、「20<x<30、50<y<55」の範囲にNG領域が存在すること、および、そこは階段があるのでNGであることが示されている。
【0043】
図7は、例1に係る携帯端末16の機能及び構成を示すブロック図である。携帯端末16は、送受信部54と、入力受付部56と、表示制御部58と、を備える。
送受信部54はネットワーク18を介して管理サーバ12と情報をやりとりする。
入力受付部56は、入力インタフェース36に対してなされたユーザ14の入力を受け付ける。例えば、ユーザ14がディスプレイ34に表示されるオブジェクトをタップした場合、入力受付部56はディスプレイ34上に設けられたタッチパネルからタップの位置を取得し、取得された位置とオブジェクトの表示位置とを照合し、両者がマッチする場合は該タップを該オブジェクトの指定として受け付ける。また、入力受付部56はタッチパネルを介してユーザ14から各種指示を受け付ける。入力受付部56は、ユーザ14による指示や指定に係る情報を管理サーバ12に送受信部54を介して送信する。
表示制御部58は、送受信部54を介して管理サーバ12から画面を生成するための画面情報を取得し、取得された画面情報にしたがい所定の画面をディスプレイ34に表示させる。
【0044】
後述する例1以外の他の例に係る携帯端末の機能及び構成は、
図7に示される例1に係る携帯端末16の機能及び構成と共通とする。例1では、携帯端末16は基本的に情報の入出力を担当し、情報の処理は管理サーバ12によって行われるが、これに限られず、例1や他の例において、管理サーバ12における情報処理の全部または任意の一部を携帯端末16で行うようPDDシステム10が構成されてもよい。
【0045】
以下、
図8~
図14を参照して、ユーザ14から商品の注文を受け付ける際の会合場所の絞り込みについて説明する。
図8は、ディスプレイ34に表示される注文確認画面60の代表画面図である。携帯端末16の入力受付部56は、不図示の商品選択画面等でユーザ14から所望の商品の指定を受け付けると、指定された商品の情報をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12は、指定された商品に基づいて注文確認画面60の内容を決定し、注文確認画面60を生成するための画面情報である注文確認画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は注文確認画面情報を取得し、取得された注文確認画面情報にしたがい注文確認画面60をディスプレイ34に表示させる。
【0046】
注文確認画面60は、注文詳細表示領域62と、会合場所指定ボタン64と、会合予定時刻領域66と、を有する。注文詳細表示領域62には、ユーザ14が指定した商品の名前や個数や値段などの詳細が表示される。会合予定時刻領域66には、PDD20が指定された会合場所に到着する予定時刻が表示される。なお、会合場所がまだ決定されていない場合は、会合予定時刻領域66には、会合場所が指定された後に予定時刻が表示される旨が表示される。
【0047】
ユーザ14が会合場所指定ボタン64をタップすると、携帯端末16の入力受付部56はそれを会合場所を指定するための指示として受け付ける。入力受付部56はその指示をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12の建物指定受付部46は、その指示を受信すると、電子地図保持部42から携帯端末16の現在位置の周囲の電子地図を取得し、建物指定画面68を生成するための画面情報である建物指定画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は建物指定画面情報を取得し、取得された建物指定画面情報にしたがい建物指定画面68をディスプレイ34に表示させる。
【0048】
図9は、ディスプレイ34に表示される建物指定画面68の代表画面図である。建物指定画面68は、住所入力領域70と、建物種別指定領域72と、OKボタン76と、地図指定領域74と、を有する。住所入力領域70は、ユーザ14が会合場所として指定したい建物の住所を入力するための領域である。建物種別指定領域72は、ユーザ14が会合場所として指定したい建物の種別をユーザに指定または選択させるための領域である。建物種別指定領域72は、一軒家、オフィスビル、アパート、マンション、学校等の選択肢からなるプルダウン形式で構成される。建物種別指定領域72の選択肢は建物の種別に対応する。例えば、ユーザ14は、自分が働いているオフィスビルでの会合を希望する場合、住所入力領域70に該オフィスビルの住所を入力すると共に建物種別指定領域72のプルダウンメニューから「オフィスビル」を選択する。そしてユーザ14がOKボタン76をタップすると、携帯端末16の入力受付部56はそれを建物の住所および種別を指定するための指示として受け付ける。入力受付部56は住所入力領域70に入力された情報および建物種別指定領域72で選択された種別をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。
【0049】
あるいはまた、ユーザ14は、地図指定領域74に示される携帯端末16の現在位置の周囲の電子地図のなかから所望の建物を選択してもよい。地図指定領域74において、過去にユーザ14が会合場所として指定したことのある建物は強調して表示される(
図9では斜線のハッチングで示される)。ユーザ14が電子地図上の建物をタップすると、携帯端末16の入力受付部56はそれを建物を指定するための指示として受け付ける。入力受付部56は指定された建物の建物IDをネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。
【0050】
管理サーバ12の建物指定受付部46は、ネットワーク18を介して携帯端末16から(住所入力領域70に入力された情報および建物種別指定領域72で選択された種別)または(建物ID)を取得する。取得した情報が建物IDの場合、建物指定受付部46は敷地情報保持部44を参照し、該建物IDに対応する建物の種別を取得する。建物種別判定部48は、取得された種別が敷地の大きさに関する基準を満たすか否かを判定する。この基準は例えば敷地が広いか狭いかである。一軒家やアパートであれば敷地が狭いので会合場所を絞り込まなくてもユーザ14とPDD20との会合に成功する蓋然性は高い一方、オフィスビルやマンションや学校は敷地が広いので、会合場所の絞り込みが必要となる。したがって、建物種別判定部48は建物の種別を敷地が広いグループ(オフィスビル、マンション、学校、駅等)と狭いグループ(一軒家、アパート等)とに分類しておき、取得された種別が広いグループに該当する場合に基準が満たされたと判定し、狭いグループに該当する場合は基準が満たされないと判定する。
【0051】
建物種別判定部48は、基準が満たされないと判定された場合(=建物の敷地が狭い場合)、会合場所として指定された建物の位置に基づいて会合予定時刻を算出する。建物種別判定部48は、場所時刻表示画面78を生成するための画面情報である場所時刻表示画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は場所時刻表示画面情報を取得し、取得された場所時刻表示画面情報にしたがい場所時刻表示画面78をディスプレイ34に表示させる。
【0052】
図10は、ディスプレイ34に表示される場所時刻表示画面78の代表画面図である。場所時刻表示画面78は、注文詳細表示領域62と、確定会合場所表示領域80と、確定予定時刻表示領域82と、を有する。確定会合場所表示領域80には、ユーザ14が指定し管理サーバ12によって確認された会合場所および建物の種別が表示される。確定予定時刻表示領域82には、管理サーバ12によって算出された会合予定時刻が表示される。
【0053】
会合場所指定受付部50は、建物種別判定部48において基準が満たされると判定された場合(=建物の敷地が広い場合)、敷地情報保持部44を参照し、指定された建物に対応する敷地地図と、会合場所候補の情報と、NG領域の情報と、を取得する。会合場所指定受付部50は、取得した情報に基づいて、会合場所絞り込み画面84を生成するための画面情報である会合場所絞り込み画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は会合場所絞り込み画面情報を取得し、取得された会合場所絞り込み画面情報にしたがい会合場所絞り込み画面84をディスプレイ34に表示させる。
【0054】
図11は、ディスプレイ34に表示される会合場所絞り込み画面84の代表画面図である。会合場所絞り込み画面84は、敷地地図表示領域86と、候補画像表示領域88と、新たに設定ボタン90と、を有する。敷地地図表示領域86には、指定された建物の敷地地図が表示される。敷地地図表示領域86において、会合場所候補のそれぞれの位置には候補マーク94と実績指標92とが対応付けて表示される。候補マーク94はそこが会合場所として指定可能であることを示すアイコンまたはグラフィカルオブジェクトである。実績指標92は、その会合場所候補がこれまでに会合場所として指定された回数に対応し、該回数が多いほど多くの黒丸を表示するよう構成される。ユーザは、敷地地図表示領域86を見ることにより、一目で(1)どこが会合場所として指定可能なのか、および(2)それぞれの会合場所候補が選択される頻度を把握することができる。
【0055】
候補画像表示領域88には、敷地地図表示領域86において仮選択枠96で指定されている会合場所候補の周囲の画像が表示される。ユーザ14が敷地地図表示領域86上で候補をタップすると仮選択枠96がタップされた候補に移動する。ユーザ14は、仮選択枠96を候補の間で動かすことで各候補の周囲の画像を見ることができるので、誤った会合場所が指定される確率を低減できる。なお、他の実施の形態では、敷地地図表示領域86に表示される全ての候補の周囲の画像を一画面に表示させてもよい。この場合、一覧性が向上する。
【0056】
ユーザ14が敷地地図表示領域86上のひとつの候補をダブルタップすると、携帯端末16の入力受付部56はそれを会合場所を指定するための指示として受け付ける。入力受付部56は指定された候補をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12の会合場所指定受付部50は、指定された候補を受信して会合場所として取得する。合わせて候補更新部52は、敷地情報保持部44にアクセスし、指定された候補に対応する指定回数を更新(例えば+1)する。会合予定時刻の算出および場所時刻表示画面の表示については
図10の説明に準じる。
【0057】
会合場所絞り込み画面84においてユーザ14が新たに設定ボタン90をタップすると、携帯端末16の表示制御部58は会合場所の任意選択を可能とする任意選択画面98をディスプレイ34に表示させる。
【0058】
図12は、ディスプレイ34に表示される任意選択画面98の代表画面図である。任意選択画面98は、敷地地図表示領域100と、OKボタン104と、を有する。ユーザ14は、敷地地図表示領域100において指定マーカ102をスライド操作等により自己の所望の場所へ動かし、OKボタン104をタップする。携帯端末16の入力受付部56はそれを会合場所を指定するための指示として受け付ける。入力受付部56はOKボタン104がタップされたときの指定マーカ102の敷地地図における位置をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。会合場所指定受付部50は、指定マーカ102の位置を受信し、受信した位置とNG領域の範囲とを比較する。会合場所指定受付部50は、受信した位置がNG領域の範囲に入らない場合、受信した位置を会合場所として取得する。合わせて候補更新部52は、受信した位置を敷地地図に対応する新たな候補として敷地情報保持部44に登録する。会合予定時刻の算出および場所時刻表示画面の表示については
図10の説明に準じる。
【0059】
会合場所指定受付部50は、受信した位置がNG領域の範囲に入る場合、敷地情報保持部44を参照してNG理由を取得する。会合場所指定受付部50は、NG理由表示画面106を生成するための画面情報であるNG理由表示画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58はNG理由表示画面情報を取得し、取得されたNG理由表示画面情報にしたがいNG理由表示画面106をディスプレイ34に表示させる。
【0060】
図13は、ディスプレイ34に表示されるNG理由表示画面106の代表画面図である。NG理由表示画面106には、任意選択画面98で選択された会合場所の指定が制限または禁止されている理由が表示される。ユーザ14が戻るボタン108をタップすると、携帯端末16は任意選択画面98を再度ディスプレイ34に表示させる。
【0061】
図8~
図13の例では敷地地図が利用可能な場合について説明したが、建物によっては管理サーバ12に敷地地図が保持されていないものもある。
図9に示される建物指定画面68において指定された建物の敷地地図が管理サーバ12の敷地情報保持部44に登録されていない場合、かつ、建物種別判定部48において基準が満たされると判定された場合、会合場所指定受付部50は、敷地の周りにおける会合場所の任意選択を可能とする会合場所設定画面110を生成するための画面情報である会合場所設定画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は会合場所設定画面情報を取得し、取得された会合場所設定画面情報にしたがい会合場所設定画面110をディスプレイ34に表示させる。
【0062】
図14は、ディスプレイ34に表示される会合場所設定画面110の代表画面図である。会合場所設定画面110は、地図指定領域112と、OKボタン116と、を有する。地図指定領域112には指定された建物の周囲の電子地図(すなわち、敷地の周りの地図)が表示される。地図指定領域112において、指定された建物は強調して表示される(
図14では斜線のハッチングで示される)。ユーザ14は、地図指定領域112において指定マーカ114をスライド操作等により自己の所望の場所へ動かし、OKボタン116をタップする。携帯端末16の入力受付部56はそれを会合場所を指定するための指示として受け付ける。入力受付部56はOKボタン116がタップされたときの指定マーカ114の電子地図における位置をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。会合場所指定受付部50は、指定マーカ114の位置を受信し、受信した位置を会合場所として取得する。会合予定時刻の算出および場所時刻表示画面の表示については
図10の説明に準じる。
【0063】
あるいはまた、
図9に示される建物指定画面68において指定された建物の敷地地図が管理サーバ12の敷地情報保持部44に登録されていない場合、音声通信等によりユーザ14とPDDシステム10の管理者とが直接対話し、管理者が手動で会合場所を設定してもよい。
【0064】
図8~
図13の例では既に少なくともひとつの会合場所候補が敷地情報保持部44に登録されている場合について説明したが、敷地地図を取得したばかりの建物等については会合場所候補がまだ登録されていないこともある。
図9に関連して指定された建物の会合場所候補が敷地情報保持部44に登録されていない場合、携帯端末16の表示制御部58は
図11に示される会合場所絞り込み画面84の代わりに
図12に示される任意選択画面98をディスプレイ34に表示させる。
【0065】
図8~
図13の例において会合予定時刻を算出する際、PDD20が公道を走行するのにかかる時間は電子地図から算出される。建物の敷地内の移動時間は、過去の敷地内移動の情報に基づいて算出される。例えば、平均移動時間を算出し、それを敷地内の移動時間として用いてもよい。
【0066】
図8~
図14の例ではユーザ14が携帯端末16のディスプレイ34上で会合場所の新たな候補を設定できる場合を説明したが、これに限られない。例えば、PDD20が商品の配送または荷物の集荷のためにある建物でユーザ14と会合したときに、PDD20はユーザ14による会合場所候補の登録を受け付けてもよい。PDD20が会合場所候補の登録を受け付けるモードを登録モードと称す。
【0067】
図15は、登録モードを有するPDD20における一連の処理の流れを示すフローチャートである。店舗22を出発したPDD20は、設定された会合場所に到着したことを検出する(S102)。PDD20は、ユーザ14による登録モードの指定を待ち受ける(S104)。例えば、PDD20は不図示の表示部に登録モードに設定可能である旨を表示させる。または、PDD20は不図示の登録モード設定ボタンを有してもよい。PDD20が会合場所に到着してから所定の期間内に登録モードの指定がない場合(S104のN)、PDD20は次の目的地があればそこへ向けて出発し、なければ店舗22への帰投を開始する(S118)。登録モードの指定を受け付けた場合(S104のY)、PDD20は登録モードに移行し、ユーザ14による誘導に従い移動する(S106)。PDD20は、ユーザ14による候補設定の指示の有無を確認し(S108)、無ければ処理はステップS106に戻る。候補設定の指示に関して、例えば、PDD20は不図示の表示部に候補設定の指示を受け付けるための領域を表示させる。または、PDD20は不図示の候補設定ボタンを有してもよい。候補設定の指示を受け付けた場合(S108のY)、PDD20は自己に備わっているGPS等の測位手段により測位を行う(S110)と共に、自己に備わっているカメラ等の撮像手段により撮像を行う(S112)。PDD20は、ステップS110で得られた位置情報とステップS112で得られた画像とを、会合場所候補を特定する情報として、ネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12の候補更新部52は、受信した位置情報および画像を新たな候補の情報として敷地情報保持部44に登録する。PDD20は登録モードを解除する(S116)。PDD20は、次の目的地があればそこへ向けて出発し、なければ店舗22への帰投を開始する(S118)。
【0068】
このPDD20によると、例えば次回の配送を見越してユーザ14に会合場所の更新または変更を提案することができる。また、PDD20は、登録モードにおいて、ユーザ14に試しに連れて行って貰った場所を会合場所の候補として取得し、管理サーバ12に登録させる。この場合、会合場所の候補の位置をPDD20の測位手段で直接特定できるので、ユーザ14の携帯端末16の測位手段で特定する場合よりも候補の位置精度を高めることができる。
【0069】
(例2)
フェーズ:注文受付
課題:不自然な注文の排除
例1の
図9に示されるように、ユーザ14は基本的に任意の場所を会合場所として指定することができる。この場合、ユーザ14の思い違い等により、ユーザ14が今いる位置から相当離れた場所が会合場所として指定される虞がある。本例ではそのような状況に対するフェールセーフの仕組みを提供する。
【0070】
本例では、携帯端末16はGPSなどの測位手段を用いて測位し、測位の結果得られる現在位置を注文情報に含めて管理サーバ12に送信する。管理サーバ12は受信した注文情報から携帯端末16の現在位置と指定された会合場所の位置とを抽出する。管理サーバ12は、抽出された両位置が所定の基準よりも離れている場合、注文(商品24の配送または荷物の集荷)の拒否を示す注文拒否画面118を生成するための画面情報である注文拒否画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は注文拒否画面情報を取得し、取得された注文拒否画面情報にしたがい注文拒否画面118をディスプレイ34に表示させる。
【0071】
図16は、ディスプレイ34に表示される注文拒否画面118の代表画面図である。注文拒否画面118には、例えば例1の
図9に示される建物指定画面68で指定された会合場所の位置と携帯端末16の現在位置との距離がしきい値よりも大きい場合に、注文の拒否を示すメッセージが表示される。ユーザ14が戻るボタン120をタップすると、携帯端末16は建物指定画面68を再度ディスプレイ34に表示させる。
【0072】
距離のしきい値は、注文時に通常の交通手段で人が移動できない程度の距離であってもよい。例えば、現在位置が大阪を示し、会合場所として東京のある場所が指定され、注文時刻が11:45であり、注文内容がおにぎりである場合、その日の昼食の時間帯にユーザが会合場所に到着することはほぼ不可能であるから、その注文は拒否される。
【0073】
(例3)
フェーズ:商品配送中/目的地での待機中
課題:PDDの状態の通知
図2のステップS318、S320、S322に関連して説明した通り、PDD20は設定されたルートに沿って目的地まで移動する自動走行を行っている間、随時、自己の現在位置を測定して管理サーバ12にネットワーク18を介して報告する。PDD20は、設定された会合場所に到着すると、そこで待機する。ここで、ユーザ14にPDD20の接近を知らせると共に、PDD20が実際どの辺りにいるかを知らせることができると親切である。そうすることで、ユーザ14に時間通りに会合場所に来ることを促すことができ、会合場所でのPDD20の待機時間を低減することができる。
【0074】
図17は、例3に係る管理サーバ12の機能及び構成を示すブロック図である。管理サーバ12は、画像保持部138と、電子地図保持部42と、注文制御情報保持部152と、画像取得部198と、プライバシー処理部200と、キャンセル処理部190と、PDD位置取得部124と、距離判定部126と、通知制御部128と、状況通知画面生成部136と、会合場所変更処理部182と、を備える。
【0075】
PDD20は、店舗22を出発して会合場所に到着し、店舗22に帰投するまでの間に、随時、周囲の画像を取得し、取得された画像と現在位置とをネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。画像取得部198は、ネットワーク18を介してPDD20から送られてくる画像と現在位置とを取得し、画像保持部138に登録する。
【0076】
プライバシー処理部200は、画像保持部138から画像を読み出し、読み出された画像に所定のプライバシー処理を施し、処理済みの画像を画像保持部138に登録する。プライバシー処理はプライバシーを保護するための処理であり、例えば、画像に人が写っていることが認識された場合に、その人の全体または一部(例えば、頭部)を特定不能とする処理(例えば、ぼかし、黒塗り、モザイク等)でもよい。または、画像に家の表札やナンバープレートなどの個人を特定可能なオブジェクトが写っていることが認識された場合に、そのオブジェクトを特定不能とする処理であってもよい。
【0077】
図18は、画像保持部138の一例を示すデータ構造図である。画像保持部138は、位置(の座標)と、その位置でPDD20が周囲を撮像することで得られた画像である原PDD画像と、原PDD画像の取得日時と、その位置について他の画像ソースから得られる画像である他ソース画像と、原PDD画像をプライバシー処理することにより得られる処理済み画像と、プライバシー処理の処理日時と、を対応付けて保持する。原PDD画像はPDD20から受信した画像そのものである。他の画像ソースは、例えばGoogle Street Viewであってもよい。画像取得部198は他の画像ソースから画像を取得し、他ソース画像として画像保持部138に登録する。例えば画像取得部198は周期的に画像保持部138を参照し、原PDD画像がない位置に対応する他ソース画像を他の画像ソースから取得、登録してもよい。
【0078】
図19は、注文制御情報保持部152の一例を示すデータ構造図である。注文制御情報保持部152は、注文を特定する注文IDと、注文を受け付けた注文時刻と、注文を行ったユーザ14のIDと、注文された商品24を運ぶPDD20のIDと、注文された商品24をPDD20に積み込む店舗22のIDと、PDD20の目的地である会合場所と、接近しきい値と、会合場所の変更候補および変更しきい値の組と、PDD20の到着予定時刻と、PDD20の予定ルートと、注文された商品およびその個数と、キャンセルしきい値と、を対応付けて保持する。会合場所の変更候補および変更しきい値の組は、注文ごとに動的に設定されてもよいし、会合場所に対応付けて予め設定されたものが用いられてもよい。後者の場合、注文の会合場所が設定されると、不図示の会合場所-変更候補データベースを参照して注文の会合場所に対応する変更候補を決定してもよい。
【0079】
以下、
図20~
図29を参照して、PDD20の自動走行中および会合場所での待機中に、ユーザ14の携帯端末16に提供されるユーザインタフェースを説明する。PDD20が店舗22を出発してから会合場所の近くに来るまでは、携帯端末16の表示制御部58は基本的にトップ画面122をディスプレイ34に表示させる。
【0080】
図20は、ディスプレイ34に表示されるトップ画面122の代表画面図である。トップ画面122は後述のPDD20の現在位置の情報も、その現在位置に関連する画像も、含まない。管理サーバ12のPDD位置取得部124はPDD20からネットワーク18を介してPDD20の現在位置を取得する。距離判定部126は、PDD20の会合場所を基準とする所定の範囲にPDD20の現在位置が入ったか否かを判定する。具体的には、距離判定部126は、注文制御情報保持部152を参照し、接近しきい値と、変更候補に対応する変更しきい値と、キャンセルしきい値と、を取得する。距離判定部126は、取得されたPDD20の現在位置と会合場所の位置との間の距離(直線距離または道のり)を算出し、算出された距離と取得された各しきい値とを比較する。なお、本例では、接近しきい値>変更しきい値、接近しきい値>キャンセルしきい値とする。
【0081】
通知制御部128は、距離判定部126において算出された距離が接近しきい値以上であると判定されている間は、PDD20の接近通知は行わない。この場合、携帯端末16の表示制御部58はトップ画面122をディスプレイ34に表示させる。通常、PDD20が店舗22の近くにいるときのPDD20の位置や周囲の画像をユーザ14が見る必要はない。また、プライバシー保護の観点からも、不必要な画像の提示を制限するほうが望ましい。
【0082】
距離判定部126において算出された距離が接近しきい値を下回ったと判定されると、通知制御部128は、PDD20の接近をユーザ14に通知する接近通知画面130を生成するための画面情報である接近通知画面情報を生成し、該情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は接近通知画面情報を取得し、取得された接近通知画面情報にしたがい接近通知画面130をディスプレイ34に表示させる。
【0083】
図21は、ディスプレイ34に表示される接近通知画面130の代表画面図である。接近通知画面130にはユーザ14にPDD20の接近を知らせるためのメッセージ132が含まれる。ユーザ14が表示ボタン134をタップすると、携帯端末16の入力受付部56は表示指示をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12の通知制御部128はその表示指示を受信する。
【0084】
管理サーバ12の状況通知画面生成部136は、表示指示が受信されると、画像保持部138を参照し、PDD位置取得部124によって取得されたPDD20の現在位置に対応する処理済み画像を取得する。このようにして取得される処理済み画像は、現在位置に対応する現在の画像ではなく、現在位置に対応する過去の画像である。言い換えると、取得される処理済み画像は、当該注文においてユーザ14に商品24を配送しているPDD20が現在取得した画像ではなく、他のPDD20または当該PDD20が別の過去の注文等において運行中に取得した画像を処理したものである。状況通知画面生成部136は、現在位置に対応する処理済み画像が登録されていない場合、他ソース画像があればその他ソース画像を取得してもよい。現在位置に対応する処理済み画像も他ソース画像もない場合は、状況通知画面生成部136は現在位置に対応する原PDD画像を取得しプライバシー処理を施して用いてもよい。現在位置に対応する原PDD画像も処理済み画像も他ソース画像もない場合は、状況通知画面生成部136は画像を取得しなくてもよいし、PDD20に周囲の画像を撮像して送るよう指示を出してもよい。
【0085】
状況通知画面生成部136は、電子地図保持部42を参照し、PDD20の現在位置および会合場所の両方が入る大きさの電子地図の部分を取得する。状況通知画面生成部136は、PDD位置取得部124からPDD20の現在位置を取得する。状況通知画面生成部136は、注文制御情報保持部152を参照し、PDD20のID、予定ルート、会合場所、商品、個数、到着予定時刻、会合場所の変更候補、を取得する。
【0086】
状況通知画面生成部136は、上記のように取得された情報に基づいて、状況通知画面140を生成するための画面情報である状況通知画面情報を生成する。状況通知画面生成部136は、状況通知画面情報をネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は状況通知画面情報を取得し、取得された状況通知画面情報にしたがい状況通知画面140をディスプレイ34に表示させる。
【0087】
図22は、ディスプレイ34に表示される状況通知画面140の代表画面図である。状況通知画面140は、画像表示領域142と、位置表示領域144と、を有する。画像表示領域142には、PDD20の現在位置に対応する処理済み画像が表示される。位置表示領域144には、上記の電子地図の部分に合わせて、会合場所146と、PDD20の予定ルート148と、PDD20の現在位置150と、会合場所の変更候補156、158と、キャンセルボタン154と、が表示される。位置表示領域144において会合場所146と変更候補156、158とは異なる態様で表示される。
【0088】
ユーザ14は状況通知画面140を見ることにより、近くに来ているPDD20が実際今どこにいるかを詳細に把握することができ、特に画像表示領域142を見ることによりPDD20が今いるところの実感を得ることができる。また、画像表示領域142に表示される画像は処理済み画像であるから、プライバシーの問題も軽減または除去される。
【0089】
状況通知画面140においてユーザ14がキャンセルボタン154をタップすると、携帯端末16の入力受付部56はそれを注文をキャンセルするための指示として受け付ける。入力受付部56は、該指示をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12のキャンセル処理部190は、指示を受信すると、キャンセル料がかからない形でのキャンセル処理を実行する。
【0090】
状況通知画面140においてユーザ14が画像表示領域142をタップすると、携帯端末16の表示制御部58は注文の詳細をテキストで表示する詳細テキスト画面160をディスプレイ34に表示させる。
【0091】
図23は、ディスプレイ34に表示される詳細テキスト画面160の代表画面図である。詳細テキスト画面160は、テキスト表示領域162と、位置表示領域144と、を有する。テキスト表示領域162は画像表示領域142の代わりに表示され、PDD20のIDと、注文に係る商品名および個数と、会合場所(目的地)と、到着予定時刻と、をテキストで表示する。詳細テキスト画面160によると、ユーザ14は自分の注文の内容をワンタップで、すなわち少ない操作量で確認することができる。
【0092】
状況通知画面140においてユーザ14が第1変更候補156をタップすると、携帯端末16の表示制御部58は会合場所を再設定してもよいか問い合わせる再設定問い合わせ画面164をディスプレイ34に表示させる。第2変更候補158がタップされた場合も同様の処理が実行される。
【0093】
図24は、ディスプレイ34に表示される再設定問い合わせ画面164の代表画面図である。再設定問い合わせ画面164は、画像表示領域142と、位置表示領域144と、位置表示領域144に重畳表示される再設定問い合わせ領域166と、を有する。再設定問い合わせ領域166には、タップされた第1変更候補156を新たな会合場所として設定してよいか問い合わせるテキスト168と、YESボタン170と、NOボタン172と、が表示される。ユーザ14がNOボタン172をタップすると、画面は再び状況通知画面140に遷移する。ユーザ14がYESボタン170をタップすると、携帯端末16の表示制御部58は第1変更候補156を新たな会合場所として設定したことを示す会合場所更新画面174をディスプレイ34に表示させる。
【0094】
図25は、ディスプレイ34に表示される会合場所更新画面174の代表画面図である。会合場所更新画面174は、画像表示領域142と、位置表示領域144と、を有する。位置表示領域144において、もともと第1変更候補156であった表示が会合場所176に更新され、予定ルート178も対応するよう変更される。会合場所を変更したことを示すメッセージ180が位置表示領域144に重畳表示される。会合場所更新画面174をディスプレイ34に表示させることに合わせて、携帯端末16の入力受付部56はYESボタン170に対するタップを会合場所の変更のための指示として受け付ける。入力受付部56は、会合場所を第1変更候補156に変更するための指示をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12の会合場所変更処理部182は、その指示を受信すると、注文制御情報保持部152を更新する。すなわち、会合場所変更処理部182は、注文制御情報保持部152の該当する注文の会合場所を指示に含まれる新たな会合場所(第1変更候補156)に置き換え、予定ルートを新たな会合場所を目的地とする新たな予定ルートに置き換え、到着予定時刻を新たな会合場所に対応する新たな到着予定時刻に置き換える。会合場所変更処理部182は、新たな会合場所および新たな予定ルートを、ネットワーク18を介してPDD20に送信する。PDD20は、受信した新たな予定ルートにしたがい、受信した新たな会合場所に向けて自動走行を続ける。
【0095】
図22に戻り、管理サーバ12の状況通知画面生成部136は周期的に、例えば所定の時間間隔で(1秒間隔、10秒間隔または1分間隔等)、状況通知画面140の生成、送信を繰り返す。状況通知画面生成部136は二回目以降の状況通知画面140の生成の際、距離判定部126において算出された距離が変更しきい値以上であると判定されている間は、
図22に示される状況通知画面140の現在位置150の表示のみを更新する。携帯端末16の表示制御部58はそのように更新された現在位置150をディスプレイ34に表示させる。
【0096】
図22の例では第1変更候補156および第2変更候補158はそれぞれ第1変更しきい値および第2変更しきい値に対応し、第1変更しきい値>第2変更しきい値である。距離判定部126において算出された距離が第1変更しきい値以上であると判定されている間は、状況通知画面140において第1変更候補156および第2変更候補158の両方が新たな会合場所として指定可能となっている。
【0097】
図22の状態からPDD20が会合場所146に近づき、距離判定部126において算出された距離が第1変更しきい値を下回ると判定されたとする。この場合、状況通知画面生成部136は状況通知画面140における会合場所の再指定を制限または禁止する。状況通知画面生成部136は、距離判定部126において算出された距離が第1変更しきい値を下回るが第2変更しきい値以上であると判定された場合、第1変更候補156の指定を禁止するよう状況通知画面140を更新する。携帯端末16の表示制御部58はそのように更新された状況通知画面140をディスプレイ34に表示させる。
【0098】
図26は、PDD20と会合場所との距離が第1変更しきい値を下回るが第2変更しきい値以上であると判定された場合の状況通知画面140の代表画面図である。PDD20の現在位置150は
図22のそれよりも会合場所146に近づいており、それに伴い第1変更候補184は指定不可となっている。第1変更候補184が指定不可であることを示す態様としては、例えば第1変更候補184を、会合場所146とも第2変更候補158とも異なる態様で表示してもよい。あるいはまた、単に第1変更候補184の表示を止めてもよい。
【0099】
図26の状態からPDD20がさらに会合場所146に近づき、距離判定部126において算出された距離が第2変更しきい値を下回ると判定されたとする。この場合、状況通知画面生成部136は、第2変更候補158の指定を禁止するよう状況通知画面140を更新する。携帯端末16の表示制御部58はそのように更新された状況通知画面140をディスプレイ34に表示させる。
【0100】
図27は、PDD20と会合場所との距離が第2変更しきい値を下回ると判定された場合の状況通知画面140の代表画面図である。PDD20の現在位置150は
図26のそれよりも会合場所146に近づいており、それに伴い第1変更候補184に加えて第2変更候補186も指定不可となっている。
【0101】
図22の状況通知画面140ではPDD20の現在位置150が会合場所146から離れていたので、キャンセルボタン154に係るキャンセル処理は無料である。これに対して、
図27の状況通知画面140ではPDD20の現在位置150が会合場所146に近いので、キャンセルは有料となる。これに伴い
図27に示される状況通知画面140ではキャンセルボタン154は有料キャンセルボタン188に置き換えられる。
【0102】
状況通知画面生成部136は、距離判定部126において算出された距離がキャンセルしきい値を下回ると判定された場合、キャンセルボタン154を有料キャンセルボタン188に置き換えるよう状況通知画面140を更新する。そのように更新された状況通知画面140においてユーザ14が有料キャンセルボタン188をタップすると、携帯端末16の入力受付部56はそれを注文をキャンセルするための指示として受け付ける。入力受付部56は、該指示をネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。管理サーバ12のキャンセル処理部190は、指示を受信すると、キャンセル料がかかる形でのキャンセル処理を実行する。
【0103】
図27の状態からPDD20がさらに会合場所146に近づき、PDD20が会合場所146に到着したと判定されたとする。この場合、状況通知画面生成部136は、PDD20の会合場所146への到着を通知するよう状況通知画面140を更新する。携帯端末16の表示制御部58はそのように更新された状況通知画面140をディスプレイ34に表示させる。
【0104】
図28は、PDD20が会合場所146に到着したと判定された場合の状況通知画面140の代表画面図である。この状況通知画面140の位置表示領域144には、PDD20の到着を強調するための飾り表示192と、到着を知らせるメッセージ194と、が表示される。該メッセージ194は、PDD20の会合場所146での待機時間を合わせて表示する。
【0105】
ユーザ14は、
図28に示される状況通知画面140によりPDD20の到着を知ることができ、また画像表示領域142を見ることにより、会合場所がどこなのかをより正確に把握することができる。
【0106】
管理サーバ12は、商品24の受け渡しの完了を示す信号を、PDD20またはユーザ14の携帯端末16からネットワーク18を介して受信すると、取引完了画面196を生成するための画面情報である取引完了画面情報を生成し、ネットワーク18を介して携帯端末16に送信する。携帯端末16の表示制御部58は取引完了画面情報を取得し、状況通知画面140の表示を止めると共に取引完了画面情報にしたがい取引完了画面196をディスプレイ34に表示させる。
【0107】
図29は、ディスプレイ34に表示される取引完了画面196の代表画面図である。取引完了画面196により、ユーザ14はもはやPDD20の位置に関連付けられた画像を見ることができなくなるが、ユーザ14は通常PDD20の帰途については気にしないのでそれでよい。また、プライバシー保護の観点からも、不必要な画像の提示を制限するほうが望ましい。
【0108】
本例では、画像表示領域142に表示する画像として、PDD20の現在位置に対応する過去のプライバシー処理済み画像を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、状況通知画面生成部136はPDD20からネットワークを介して周囲の画像を取得し、取得された周囲の画像にリアルタイムでプライバシー処理を施してもよい。この場合、画像表示領域142には当該注文においてユーザ14に商品24を配送しているPDD20が現在取得した画像をプライバシー処理したものが表示される。
【0109】
本例では、PDDアプリを用いて状況通知画面140をディスプレイ34に表示させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、ユーザ14が管理サーバ12に電子メールアドレスを登録している場合、通知制御部128は、PDD20が会合場所に近づいたと判定されると、注文に係るユーザ14の電子メールアドレス宛にURLを含む電子メールを送信してもよい。該URLは状況通知画面140を表示するWebページを特定する。この場合、ユーザ14がPDDアプリを立ち上げていなくてもユーザ14にPDD20の接近を通知できる。
【0110】
(例4)
フェーズ:商品配送中
課題:配送トラックとの連携
図2のステップS318、S320、S322に関連して説明した通り、PDD20は設定されたルートに沿って目的地まで移動する自動走行を行っている間、随時、自己の現在位置を測定して管理サーバ12にネットワーク18を介して報告する。加えて、本例では、管理サーバ12は、在庫品を積んだ配送トラックからもその現在位置をネットワーク18を介して取得する。配送トラックは通常は倉庫と店舗22との間の商品24の輸送や、店舗22間の商品24の輸送に用いられる。配送トラックは、人手によりまたは自動で、PDD20との商品24の授受が可能なように構成される。
【0111】
管理サーバ12はディスプレイ202を有しており、該ディスプレイ202上には電子地図と、PDD20および配送トラックの運行状態と、を含む管理画面204が表示される。管理者はこのディスプレイ202に表示される管理画面204を見て、PDD20や配送トラックの運行を管理する。
【0112】
図30は、ディスプレイ202に表示される管理画面204の代表画面図である。管理サーバ12は、取得されたPDD20の現在位置と取得された配送トラックの現在位置とに基づいて、PDD20の運行状態と配送トラックの運行状態とを合わせて電子地図上に表示させる。管理サーバ12は、管理画面204において、PDD20と配送トラックとが会合する予定の場所の指定を受け付ける。
【0113】
管理画面204は、電子地図表示領域206と、詳細表示領域208と、を有する。電子地図表示領域206には、電子地図と共に、PDD20の現在位置210と、PDD20の予定ルート212と、PDD20の目的地(会合場所)214と、PDD20の帰投先の店舗216と、配送トラックの現在位置218と、配送トラックの予定ルート222と、PDD20と配送トラックとの会合場所の候補220と、が表示される。詳細表示領域208は、電子地図表示領域206に表示されているPDD20のIDおよび状態を表示するPDD情報表示領域224と、電子地図表示領域206に表示されている配送トラックのIDおよび状態を表示するトラック情報表示領域226と、PDD情報表示領域224で選択されているPDD20のIDと注文に係る商品名および個数と目的地と到着予定時刻とをテキストで表示するPDD詳細表示領域228と、を有する。トラック情報表示領域226は、配送トラックの在庫を示す画面へのリンクを含む。候補220は、PDD20の現在位置および予定ルートと配送トラックの現在位置および予定ルートと、に基づいて管理サーバ12により決定されてもよい。
【0114】
管理者は
図30に示される管理画面204を見ることで、PDD20と配送トラックとを会合させることが有益か否かを判断する。有益である場合は、PDD20と配送トラックとを会合させる場所を決定し、両者を決定された場所に誘導するための処理を行う。例えば、管理サーバ12は、対象のPDD20にネットワーク18を介して、新たな目的地(=決定された場所)を設定するための指示を送信してもよい。管理サーバ12は同様にネットワーク18を介して配送トラックに同様の情報を送信してもよいし、管理者が配送トラックの運転手に直接電話等で指示を出してもよい。それらの指示が完了すると、管理サーバ12は、PDD20と配送トラックとが会合する予定の場所の指定を受け付け、電子地図表示領域206の表示を更新する。
【0115】
あるいはまた、管理者は電子地図表示領域206に表示される候補220をマウス等で指定してもよい。この場合、管理サーバ12は指定された候補220をPDD20と配送トラックとが会合する予定の場所として受け付ける。対象のPDD20および配送トラックを指定された場所に誘導するための処理は上記と同様である。
【0116】
本例によると、管理者は、注文状況によっては在庫品を積んだ配送トラックを所定のポイントに誘導することができる。その結果、中継場所でPDD20に商品24を積み込むことで、より迅速な配送が可能となる。
【0117】
本例では、管理画面204を管理サーバ12のディスプレイ202に表示する場合について説明したが、これに限られず、例えば管理画面204は店舗22のPOSに表示されてもよいし、ユーザ14の携帯端末16のディスプレイ34に表示されてもよい。
【0118】
(例5)
フェーズ:目的地での待機中
課題:受け渡し時のPDDの特定
図2のステップS322に関連して説明した通り、PDD20は設定された会合場所に到着すると、そこで待機する。ここで、同じ会合場所、同じ時間帯に複数のPDD20がユーザ14との待ち合わせを行う場合、ユーザ14が自己のPDD20を特定できないという状況が発生しうる。そこで本例では、PDD20自体の色(塗装)やPDD20が備えるLED等の発光手段が発する光の色を、PDD20の識別情報として用いる。例えば、同じ時間帯に複数のPDD20が同じ会合場所で待機する場合、各PDD20の発する光の色は、所定の範囲(例えば、半径100mの範囲など)で重複しないよう調整される。
【0119】
図31は、携帯端末16のディスプレイ34に表示される接近通知画面230の代表画面図である。接近通知画面230は
図21に示される接近通知画面130に対応する。接近通知画面230には、ユーザ14にPDD20の接近を知らせるためのメッセージ132と、ユーザ14に対応するPDD20が発する光の色を知らせるためのメッセージ232と、が表示される。ユーザ14は接近通知画面230に示される情報を参照することにより、会合場所に複数のPDD20が待機している場合でも自分のPDD20を容易に特定することができる。
図31の例では、ユーザ14は会合場所で赤色の光を発しているPDD20を自己のPDD20として認識する。ここで、発光手段の色を識別方法に用いたが、点滅タイミングの種類で識別してもよい。
【0120】
なお、識別情報として音や形状など人が知覚可能な他の情報が用いられてもよい。
あるいはまた、会合場所において複数のPDD20同士が相互の距離を認識し、所定距離離れて停車することで、ユーザ14によるPDD20の特定を容易にしてもよい。この場合、PDD20は、目的地に到着したと判定された場合、該目的地にいる他のPDD20の待機位置を避けた位置に自己を待機させるための処理を行う手段を備える。例えば、PDD20はBluetooth(登録商標)や赤外線通信などのピアツーピア通信を行う手段を有する。PDD20はピアツーピア通信により他のPDD20と連携し、自己の待機位置を決定する。
【0121】
あるいはまた、複数のPDD20が同じ時間帯に同じ会合場所に到着する状況が発生しうる場合に、注文時刻が遅い方のPDD20の到着時刻をずらしてもよい。
【0122】
(例6)
フェーズ:目的地での待機中
課題:ユーザが受け渡しに来ない
図2のステップS322に関連して説明した通り、PDD20は設定された会合場所に到着すると、そこで待機する。ここで、何らかの事情により、注文したユーザ14が会合場所に来ない場合が生じうる。本例では、そのような場合にPDDシステム10がとる処置を説明する。
【0123】
図32は、PDDシステム10における一連の処理の流れを示すフローチャートである。PDD20は会合場所に到着する(S402)。PDD20は会合場所での待機時間を計時する。待機時間が第1しきい値を上回る前にPDD20とユーザ14とが会合した場合(S404のN)、通常の商品24の受け渡し処理(例えば、
図3のステップS328、S330)が発生する。会合が無いまま待機時間が第1しきい値を上回ると(S404のY)、PDD20は、ユーザ14宛の確認メッセージを、ネットワーク18を介して管理サーバ12経由で送信する(S406)。待機時間が第2しきい値(>第1しきい値)を上回る前にPDD20とユーザ14とが会合した場合(S408の「会合有り」)、通常の商品24の受け渡し処理が発生する。待機時間が第2しきい値を上回る前に確認メッセージに対するユーザ14からの応答があった場合(S408の「応答有り」)、PDD20または管理サーバ12は、その応答が待ち合わせに間に合わないことを示しているか否かを判定する(S410)。間に合う場合(S410のN)、PDD20は待機を続け、ユーザ14と会合する。間に合わない場合(S410のY)、PDD20または管理サーバ12は会合場所および会合時刻を再度設定するための処理を行う(S412)。あるいはまた、PDD20または管理サーバ12は、そのような再設定処理の代わりに注文のキャンセル処理を行ってもよい。再設定処理は、例えばPDD20に他の配送先がある場合にはそちらを先に廻り、その帰りに再度訪れるようPDD20の予定ルートを再設定する処理であってもよいし、別の日時に同じまたは別の会合場所で同じ商品を受け渡すための処理であってもよい。
【0124】
ステップS408において応答も会合も無いまま待機時間が第2しきい値を上回ると(S408のY)、PDD20は、ユーザ14宛の再確認メッセージを、ネットワーク18を介して管理サーバ12経由で送信する(S414)。待機時間が第3しきい値(>第2しきい値)を上回る前にPDD20とユーザ14とが会合した場合(S416の「会合有り」)、通常の商品24の受け渡し処理が発生する。待機時間が第3しきい値を上回る前に再確認メッセージに対するユーザ14からの応答があった場合(S416の「応答有り」)、PDD20または管理サーバ12は、その応答が待ち合わせに間に合わないことを示しているか否かを判定する(S410)。
【0125】
ステップS416において応答も会合も無いまま待機時間が第3しきい値を上回ると(S416のY)、PDD20または管理サーバ12はユーザ14の携帯端末16に自動的に架電する(S418)。架電に対する応答があった場合(S420のN)、処理はステップS410に移る。架電に対する応答が無かった場合(S420のY)、PDD20は会合場所での待機を止め、次の目的地があればそこに向けた自動的移動を開始し、なければ店舗22への帰投を開始する(S422)。管理サーバ12は、ユーザ14に金銭的または手続き的なペナルティを課すためのペナルティ処理を実行する(S424)。ペナルティ処理は、例えば事前連絡なしのキャンセルに対する割増しキャンセル料の徴収であってもよいし、ブラックリストにユーザを登録することにより、次回以降の注文を拒否するための処理であってもよい。
【0126】
なお、ステップS420において、自動架電に対する応答がない場合に、管理者に照会することで人手による確認をトリガしてもよい。この場合、管理者は注文状況等を見てPDD20が帰投したか否かを判断し、必要に応じて携帯端末16に架電する。
【0127】
(例7)
フェーズ:注文受付
課題:ギフトのPDD配送時の相手への通知
図2のステップS302に関連して説明した通り、ユーザ14は商品24を注文する際、PDD20と会合する会合場所を指定する。ここで、ギフト配送の場合のように、商品24の注文者と受取者とが異なることがある。この場合、配送がPDD20により行われることを受取者が知っているとは限らない。したがって、注文者とは異なる受取者に、配送がPDD20により行われることを知らせる仕組みが必要である。
【0128】
本例では、管理サーバ12は、注文者と受取者とが異なる注文を受け付けると、受取者に問い合わせを行い、PDD20による配送に対する同意を得た場合にPDD20による配送を行う。同意が無ければ通常の配送が行われる。
【0129】
図33は、管理サーバ12における一連の処理の流れを示すフローチャートである。管理サーバ12は、注文者とは異なる受取者を指定する注文情報を注文者の端末からネットワーク18を介して受信する(S502)。管理サーバ12は、決済処理の完了により注文が確定すると、受け取りに同意するか否かを問い合わせるための同意確認メッセージを、受取者の端末にネットワークを介して送信する(S504)。受取者の端末を特定する方法として、例えば受取者が既にPDDシステム10に登録されている場合は、その登録情報により受取者の端末が特定されてもよい。管理サーバ12は、受取者の端末がオンラインである場合には、受取者の端末に同意確認メッセージを送信してもよい。管理サーバ12は、受取者の端末の電子メールアドレスが登録されている場合は、そのアドレス宛に同意確認メッセージを送信してもよい。あるいはまた、受取者がPDDシステム10に登録されていない場合、管理サーバ12は、注文者の端末に受取者の電子メールアドレスを問い合わせてもよい。あるいはまた、注文者から注文情報を取得する際に、受取者の端末を特定するための情報を注文者に入力させてもよい。
【0130】
管理サーバ12は、同意確認メッセージに対する応答を、受取者の端末からネットワーク18を介して受信する。該応答が同意しないことを示す場合(S506のN)、または同意確認メッセージに対する応答が所定期間内に得られない場合、通常配送を行うための処理を実行する(S508)。通常配送は、PDD20を用いた配送以外の任意の配送方法であってもよい。
【0131】
同意確認メッセージに対する応答が同意することを示す場合(S508のY)、管理サーバ12はPDD20を受取者に対応する目的地に向かわせるための処理を開始する。管理サーバ12は、受取者が既にPDDシステム10に登録されているか否か、すなわちPDDシステム10による配送を受けたことがある受取者であるか否かを判定する(S510)。例えば、
図19に示される注文制御情報保持部152は注文の履歴を保持しているので、管理サーバ12は受取者のIDが注文制御情報保持部152に登録されているか否かを判定する。受取者が既に登録されている場合(S510のY)、管理サーバ12は登録されている受取者の情報を用いてPDD20による配送を行うための処理を実行する(S512)。受取者が登録されていない場合(S510のN)、管理サーバ12は配送検証を行う(S514)。その後、処理はステップS512に移る。
【0132】
(例8)
フェーズ:PDD故障時
課題:PDDの修理/回収、および故障したPDD内の商品の配送
PDD20は無人で自動的に走行するので、配送中または帰投中に故障したときの対応が問題となる。問題は二つあり、一つ目は故障したPDD20をどのように回収するかということであり、二つ目は故障したPDD20に積まれている商品24の配送をどのようにするかということである。
【0133】
本例に係るPDD20は、PDD20自身を監視し、故障を検出した場合には検出した故障箇所や故障内容を示す故障情報を生成し、ネットワーク18を介して管理サーバ12に送信する。
【0134】
図34は、管理サーバ12における一連の処理の流れを示すフローチャートである。管理サーバ12は、PDD20からネットワーク18を介して故障情報を受信する(S602)。管理サーバ12は、予め故障情報と故障レベルとを対応付けて保持する故障対応保持部(不図示)を備える。故障レベルは例えばレベル1~レベル4の四つのレベルで表される。レベル1は「業務継続可能」、レベル2は「帰投可能」、レベル3は「その場で退避可能」、レベル4は「まもなく電源停止」、である。管理者は想定される故障内容および故障箇所に対して、レベル1~レベル4のいずれかを割り当て、故障対応保持部に登録しておく。
【0135】
管理サーバ12は、故障対応保持部を参照し、受信した故障情報に対応する故障レベルを取得する(S604)。管理サーバ12は、取得された故障レベルに基づいて、故障したPDD20が自走可能か否かを判定する(S606)。例えば、管理サーバ12は、故障レベルがレベル1またはレベル2であれば、自走可能と判定する。管理サーバ12は、故障レベルがレベル3またはレベル4であれば、自走不可能と判定する。管理サーバ12は、自走可能と判定された場合(S606のY)、故障したPDD20にネットワーク18を介して帰投指示を送信する(S608)。管理サーバ12は、自走不可能と判定された場合(S606のN)、故障したPDD20を他のPDD20や配送トラックなどの回収手段により回収するための回収処理を行う(S610)。例えば、管理サーバ12は、店舗22で待機している他のPDD20に、故障したPDD20の位置を含む回収指示をネットワーク18を介して送信する。回収指示を受信したPDD20は、指定された位置まで自動走行し、故障したPDD20を連結し(ワイヤ接続等)、店舗22に連れて帰る。
【0136】
あるいはまた、管理サーバ12は、近くの配送トラックに故障したPDD20の位置を含む回収指示をネットワーク18を介して送信する。回収指示を受信した配送トラックは故障したPDD20の位置をナビゲーションシステム等により運転者に提示する。運転者は提示された位置に向かい、故障したPDD20を配送トラックに積み込む。
【0137】
管理サーバ12は、故障したPDD20に積まれていた商品24をユーザ14に配送するための代替配送処理を行う(S612)。例えば、管理サーバ12は、故障したPDD20に積まれていた商品24と同じ商品24を他のPDD20に積むための指示を店舗22にネットワーク18を介して送信する。合わせて管理サーバ12は、該他のPDD20にネットワーク18を介して、故障したPDD20の会合場所を送信する。店舗22の店員は該他のPDD20に商品24を積み込み、該他のPDD20は指定された会合場所への自動走行を開始する。
【0138】
あるいはまた、管理サーバ12は、店舗22で待機している他のPDD20に、故障したPDD20の位置および故障したPDD20の会合場所を含む代替配送指示をネットワーク18を介して送信する。代替配送指示を受信したPDD20は、故障したPDD20の位置まで自動走行し、故障したPDD20から商品24を受け取って格納し、故障したPDD20の代わりに指定された会合場所へ自動走行する。これは、故障したPDD20に積まれている商品24が欠品商品や唯一無二の商品の場合に特に有効である。
【0139】
なお、本例では管理サーバ12において故障レベルを判定したが、これに限られず、PDD20で故障レベルを判定した上で、PDD20が管理サーバ12に故障レベルを報告してもよい。
【0140】
(例9)
フェーズ:商品配送中または帰投中
課題:PDD同士の商品受け渡し
例8でも触れたが、PDD20同士で商品24の受け渡しを行うと、様々な場面で有利である。例えば、空の収容スペース26を有する帰投中のPDD20と、全ての収容スペース26に商品24を搭載して会合場所に向かっているPDD20と、がすれ違う場合、後者のPDD20から前者のPDD20に商品24をいくつか渡すことができれば、配送の効率が向上する。
【0141】
例8ではPDD20同士が自動で商品24を受け渡す場合を説明した。これには受け渡し専用の機構をPDD20に設ける必要があるので、コストとの兼ね合いとなる。本例では、例えばコンビニエンスストアなどの人がいる場所で、人によりPDD20間の商品24の受け渡しを行う場合を説明する。これにより、受け渡し可能な場所が制限される代わりに、コストの問題が軽減される。
【0142】
図35は、管理サーバ12のディスプレイ202に表示される管理画面234の代表画面図である。管理画面234は、
図30に示される管理画面204に対応する。管理画面234は、電子地図表示領域236と、詳細表示領域238と、を有する。電子地図表示領域236には、電子地図と共に、PDD20の現在位置240と、PDD20の予定ルート242と、PDD20の目的地(会合場所)244と、PDD20の帰投先の店舗246と、PDD20同士の会合場所の候補248と、候補248に関連付けられた受け渡し店舗254と、が表示される。詳細表示領域238は、電子地図表示領域236に表示されているPDD20のIDおよび状態を表示するPDD情報表示領域250と、PDD情報表示領域250で選択されているPDD20のIDと注文に係る商品名および個数と目的地と到着予定時刻とをテキストで表示するPDD詳細表示領域252と、を有する。
【0143】
管理サーバ12は、PDD20間での商品24の授受が可能な複数の受け渡し店舗254の場所を保持する授受可能場所保持部(不図示)を備える。管理サーバ12は、配送中のPDD20(No.63)および帰投中のPDD20(No.52)の両方からネットワーク18を介して、それぞれの現在位置を受信する。管理サーバ12は、取得された現在位置に基づいて、授受可能保持部に保持される複数の場所のなかから、二つのPDD20が会合すべき場所を選択する。例えば、管理サーバ12は、授受可能場所保持部に保持される場所のうち、受信された二つの現在位置の一方に最も近い受け渡し店舗254の場所を選択する。管理サーバ12は、授受可能場所保持部に保持される場所のうち、受信された二つの現在位置の他方に最も近い受け渡し店舗254の場所を選択する。管理サーバ12は、選択された二つの場所をPDD20同士の会合の場所の候補248として電子地図表示領域236に表示させる。
【0144】
表示された二つの場所の候補248のうちの一方が指定されると、管理サーバ12は、配送中のPDD20(No.63)および帰投中のPDD20(No.52)のそれぞれにネットワーク18を介して、指定された候補248へ向かうための指示を送信する。二つのPDD20が指定された候補248で会合すると、管理サーバ12は受け渡し店舗254のPOSにネットワーク18を介して、受け渡し対象商品を特定する情報を含む指示を送信する。POSは該指示を受信すると、ディスプレイに商品受け渡しを行うよう促す画面を表示させる。受け渡し店舗254の店員はその画面を見て、二つのPDD20の間の商品24の受け渡しを実行する。ここで、POSは携帯型POS端末でもよく、選択された商品24のバーコードを従業員が読み込むことで選択された商品24を受け渡し先のPDD20に格納したとのステータスに変更してもよい。または、PDDにカメラ若しくはバーコード機能を備えさせ、そのカメラ若しくはバーコード機能で選択された商品24のバーコードを読み込んで同様にステータスの変更を実施してもよい。
【0145】
(例10)
フェーズ:商品配送中/目的地での待機中
課題:効果的な販売促進
PDD20は、それぞれが商品24や荷物を収容可能な複数の収容スペース26を有する。ユーザ14から注文が有り、指定された会合場所に向かう際に、注文に係る商品24を収容する収容スペース26以外の収容スペース26を空のままにしておくのは無駄である。本例では、決定されたルート上で配送が可能なユーザに対して、空いている収容スペース26に合致した商品または対象ユーザの過去の注文履歴から導かれる商品を提案する。なお、以下では空いている収容スペース26にレコメンドに係る商品24を積み込む場合を説明するが、これに限られず、ユーザに集荷を提案し、空いている収容スペース26にユーザからの荷物を積み込んでもよい。
【0146】
図36は、例10に係る管理サーバ12の機能及び構成を示すブロック図である。管理サーバ12は、ユーザ情報保持部256と、注文制御情報保持部152と、目的地/ルート決定部258と、販促対象特定部260と、レコメンド生成部262と、レコメンド配信部264と、を備える。
【0147】
図37は、
図36のユーザ情報保持部256の一例を示すデータ構造図である。ユーザ情報保持部256は、ユーザ14のユーザIDと、ユーザ14の携帯端末16を特定する端末IDと、ユーザ14の電子メールアドレスと、ユーザ14の携帯端末16から受信した携帯端末16の最新位置と、ユーザ14の前回の注文における会合場所である前回会合場所と、ユーザ14の注文のなかで最も指定頻度が高い会合場所である頻出会合場所と、ユーザ14が過去に行った注文を特定する注文IDと、を対応付けて保持する。前回会合場所および頻出会合場所は、不図示の注文情報解析部が注文制御情報保持部152を解析することにより適宜追加、更新される。
【0148】
図36に戻り、目的地/ルート決定部258は、ユーザ14により選択された商品24の情報と指定された会合場所の情報とを含む注文情報を、携帯端末16からネットワーク18を介して受信する。目的地/ルート決定部258は、受信した注文情報から会合場所の情報を抽出し、PDD20の目的地に設定する。目的地/ルート決定部258は所定のナビゲーションアルゴリズムを用いて、PDD20が待機する店舗22と指定された会合場所との間のルートを決定する。
【0149】
販促対象特定部260は、ユーザ情報保持部256を参照し、目的地/ルート決定部258によって決定された目的地およびルートのうちの少なくともひとつの位置に基づいて、PDD20と会合可能なユーザ(以下、販促対象ユーザと称す)を特定する。
【0150】
図38は、販促対象特定部260における特定処理を説明するための説明図である。目的地/ルート決定部258が目的地268および予定ルート270を設定したとする。販促対象特定部260は、目的地268を基準とした所定の領域を設定する。
図38の例では販促対象特定部260は目的地268を中心とする円領域272を設定する。販促対象特定部260は、予定ルート270を基準とした所定の領域を設定する。
図38の例では販促対象特定部260は予定ルート270を中央とする帯領域274を設定する。販促対象特定部260は、ユーザ情報保持部256を参照し、ユーザの最新位置を取得する。最新位置が利用不可の場合は、販促対象特定部260は前回会合場所を取得する。前回会合場所が利用不可の場合は、販促対象特定部260は頻出会合場所を取得する。
図38において、白抜きの丸および黒塗りの丸はいずれも上記のように取得されたユーザの位置を示す。販促対象特定部260は、取得されたユーザの位置と円領域272および帯領域274とを比較する。販促対象特定部260は、ユーザの位置が円領域272および帯領域274の両方に入る場合、そのユーザを販促対象ユーザとして特定する。そうでない場合、販促対象特定部260は、そのユーザを販促対象ユーザとはしない。
図38の例では、黒塗りの丸で示される位置に対応するユーザが販促対象ユーザとして特定される。
【0151】
なお、販促対象特定部260は、ユーザの位置が円領域272および帯領域274のすくなくともひとつに入る場合、そのユーザを販促対象ユーザとして特定してもよい。あるいはまた、帯領域274を設定せずに円領域272に対する包含関係で販促対象ユーザが特定されてもよい。円領域272を設定せずに帯領域274に対する包含関係で販促対象ユーザが特定されてもよい。
【0152】
図36に戻り、レコメンド生成部262は、商品24の販売に係るレコメンド情報を生成する。レコメンドの基準として、本例では以下の二つを採用する。
(1)空の収容スペース26の大きさとのマッチング
(2)販促対象ユーザの注文履歴とのマッチング
【0153】
(1)空の収容スペース26の大きさとのマッチング、について、レコメンド生成部262は、空の収容スペース26に商品24が入るか否かを収容スペース26ごと、商品ごとにまとめた大きさマッチングテーブル276を生成する。
【0154】
図39は、大きさマッチングテーブル276の一例を示すデータ構造図である。
図39の例では、収容スペースは五つあり、そのうち収容スペース「2」に商品24が収容される。残りの収容スペース「1」、「3」、「4」、「5」は空である。レコメンド生成部262は空の収容スペースのそれぞれの大きさと、商品の大きさと、を比較し、前者がマージンを含めて後者よりも大きい場合に収容可能(「○」)を、そうでなければ収容不可(「×」)を、登録する。
図39の例では、商品「1」は小さいので収容スペース「1」、「3」、「4」、「5」の全てに収容可能である一方、商品「11」は大きいので収容スペース「1」、「3」、「4」、「5」のうち最も大きな収容スペース「5」にしか収容できない。レコメンド生成部262は、大きさマッチングテーブル276を参照し、収容可能となっている商品を販促対象の商品の候補として特定する。
【0155】
(2)販促対象ユーザの注文履歴とのマッチング、について、レコメンド生成部262は、販促対象特定部260によって特定された販促対象ユーザの過去の注文履歴を注文制御情報保持部152から取得する。レコメンド生成部262は、取得された注文履歴を解析する。レコメンド生成部262は、解析結果に基づいて、上で特定された販促対象の商品の候補のなかから、販促対象ユーザにマッチする販促対象の商品を特定する。例えば、レコメンド生成部262は注文履歴から、収容スペース「2」に収容された商品24の配送予定時刻までに販促対象ユーザが購入する蓋然性が高い商品を特定する。そのように特定された商品が販促対象の商品の候補となっている場合、レコメンド生成部262はその候補を販促対象の商品として特定する。その結果、特定された販促対象の商品は、空の収容スペース26に収容可能で有り、かつ、販促対象ユーザの嗜好に沿ったものとなる。
【0156】
レコメンド生成部262は、特定された販促対象の商品の情報をレコメンド情報に含める。レコメンド生成部262は、目的地/ルート決定部258によって決定された目的地およびルートに基づいて、販促対象の商品の異なる複数の配送予定時刻を算出する。目的地/ルート決定部258は、算出された複数の配送予定時刻のそれぞれについて配送料金を決定する。レコメンド生成部262は、算出された複数の配送予定時刻と決定された配送料金とをレコメンド情報に含める。
【0157】
レコメンド配信部264は、レコメンド生成部262によって生成されたレコメンド情報を、販促対象特定部260によって特定された販促対象ユーザの携帯端末にネットワーク18を介して送信する。販促対象ユーザの携帯端末がPDDアプリを立ち上げている場合、レコメンド配信部264はユーザ情報保持部256に登録されている端末IDを用いてレコメンド情報を送信してもよい。あるいはまた、レコメンド配信部264はユーザ情報保持部256に登録されている電子メールアドレス宛にレコメンド情報を含む電子メールを送信してもよい。
【0158】
図40は、携帯端末16のディスプレイ34に表示されるレコメンド画面278の代表画面図である。携帯端末16の送受信部54はネットワーク18を介してレコメンド情報を受信する。表示制御部58は、受信されたレコメンド情報に基づいてレコメンド画面278をディスプレイ34に表示させる。レコメンド画面278は、商品の注文を勧めるメッセージを表示するメッセージ表示領域280と、販促対象の商品の画像が表示される商品画像表示領域282と、販促対象の商品の値段や名称などの商品情報が表示される商品情報表示領域284と、配送予定時刻および配送料金の候補が表示される配送情報表示領域286と、他ユーザ情報表示領域288と、を有する。配送情報表示領域286に表示される候補は、レコメンド生成部262において得られた複数の配送予定時刻および配送料金に対応する。他ユーザ情報表示領域288には、レコメンド情報に対応して当該レコメンド画面278を参照している他のユーザの数が示される。これにより、ユーザは当該プロモーションは数に限りがあり、かつ時間も限られていることを理解することができる。
【0159】
図41は、管理サーバ12における一連の処理の流れを示すフローチャートである。管理サーバ12は、注文に係る目的地およびルートを決定する(S702)。管理サーバ12は、決定された目的地およびルートに基づいて、販促対象ユーザを特定する(S704)。管理サーバ12は、注文された商品24を配送するPDD20の空き収容スペース26を確認する(S706)。空き収容スペース26がある場合(S708のY)、管理サーバ12は確認した空き収容スペース26のサイズにマッチする商品を、販促対象の商品の候補として選択する(S710)。管理サーバ12は、販促対象ユーザの注文履歴を解析することで、ステップS710で得られた候補を絞り込む(S712)。管理サーバ12は、ステップS712の絞り込みの結果得られた販促対象の商品の情報を含むレコメンド情報を生成し、販促対象ユーザの携帯端末に送信する(S714)。管理サーバ12は、レコメンド情報に応じた注文を受信する(S716)。処理はステップS706に戻り、管理サーバ12は再度PDD20の空き収容スペース26を確認する。空き収容スペース26がある場合は上記の処理が繰り返され、無い場合(S708のN)は処理は終了する。
【0160】
本例によると、ユーザ14による商品の注文に合わせて、会合場所や予定ルートの周辺にいる他のユーザに効果的な販促を実施することができる。特に、他のユーザの意向に沿っている蓋然性の高い商品がプロモートされるので、受注の確率を高めることができる。また、管理者側としては、PDD20の空き収容スペース26を減らすことができる。
【0161】
なお、本例において、PDDの配送予定毎にプロモートすると煩雑になる虞があるので、原則の回数を決めておいてもよい。または、ユーザが主体的にアクセスして利用する態様としてもよい。
【0162】
また、本例では、PDD20が店舗22を出発する前に管理サーバ12がレコメンド情報を携帯端末16に送信する場合について説明したが、これに限られず、例えば、管理サーバ12は、レコメンド情報を、PDD20が出発した後に、販促対象ユーザの携帯端末にネットワーク18を介して送信してもよい。この場合、レコメンド情報に対する応答を待たずにPDD20を発進させることができるので、PDD20のオペレーションを迅速化することができる。この変形例は、まだ依頼されていないが、販促対象ユーザが購入する蓋然性の高い商品をPDD20に積んでPDD20を発進させるものである。発進後に、販促対象ユーザに、「5分後に水ようかんが到着します。値引き後100円です。配送無料です。いかがですか?」といった販促を行う。
【0163】
本例では、収容スペース26に空きがあるときにユーザ14にレコメンドする場合について説明したが、レコメンドの態様はこれに限られない。例えば、管理サーバ12はユーザ14の周囲の天気の情報を取得し、雨や雪であれば、よりユーザ14の現在位置に近い会合場所をより高い配送料金と共に提案してもよい。あるいはまた、管理サーバ12は、ユーザ14が注文した商品が基準よりも重い場合は、軽い場合よりも近くの会合場所をより高い配送料金と共に提案してもよい。あるいはまた、管理サーバ12は、注文制御情報保持部152の解析結果から、特定のユーザ14について該ユーザ14の現在位置および現在時刻から該ユーザ14が注文する蓋然性の高い商品を予測してもよい。管理サーバ12は、ユーザ14から注文がある前に、予測された商品のレコメンドを行ってもよい。例えば、注文制御情報保持部152の解析によりユーザ14が毎日11:30頃におにぎりを注文する傾向にあることが判明した場合、管理サーバ12は、11:25頃に該ユーザ14の携帯端末16に、おにぎりの購入を勧めるレコメンドを送信する。また、注文制御情報保持部152の解析によりユーザ14が毎月末に文房具をまとめて購入する傾向にあることが判明した場合、管理サーバ12は月末の数日前から該ユーザ14宛に文房具のクーポンを配布してもよい。
【0164】
本例では、販促対象ユーザにレコメンドを行う場合について説明したが、これに限られず、例えば、管理サーバ12は会社の同じ部署などにグループレコメンドを行ってもよい。この場合、受け取りはグループ内の特定の人物、例えば新人、が行えるよう管理サーバ12を構成してもよい。管理サーバ12は注文を受け付け、指定された受取人(新人)の端末に受け取りのための情報(会合場所、時刻)を送信する。この場合、商品をまとめて配送できるので効率が向上する。ここで、グループにレコメンドした場合でも、注文や決済はグループメンバそれぞれが行い、受取方法のみ、グループメンバのいずれか一人・グループメンバのうち今回注文したメンバのいずれか一人・グループメンバの特定人をグループで決定する。グループで決定するとは、例えば、一番目に注文した人が設定した受取人を次に注文した人が設定変更することができ、同様に、後続の注文者が受取人設定変更を行うことができる。受取人設定変更する際には、受取人に設定される人に対して事前確認を行う処理としてもよい。
【0165】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0166】
以上、実施の形態に係るPDDシステム10の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
【0167】
実施の形態は以下の項目により表現されてもよい。
(PDD基本動作0(待ち合わせ場所特定)、<依頼受付時動作>)
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するコンピュータプログラムであって、
無人運送装置の目的地の種別の指定をユーザから取得する機能と、
指定された種別が敷地の大きさに関する基準を満たす場合、ユーザと無人運送装置とが会合する場所をユーザが指定するための画面をディスプレイに表示させる機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
(項目2)
前記画面は、無人運送装置の目的地の敷地の地図と、該地図に関連して表示される少なくともひとつの会合する場所の候補と、を含む項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記画面は、前記候補に関連付けて、該候補が会合する場所として指定された回数を表す指標を含む項目2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記画面は、前記候補に関連付けて、該候補の周囲の画像を含む項目2または3に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
指定された種別が敷地の大きさに関する基準を満たし、かつ、無人運送装置の目的地の敷地の地図が利用可能でない場合、前記画面は、敷地の周りの地図を含む項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記画面は敷地の任意の場所を会合する場所として指定可能に構成され、
前記コンピュータプログラムはさらに、
前記画面においてユーザによって指定された場所が指定拒否に関する基準を満たす場合、該指定を拒否する機能を前記端末に実現させる項目1から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
ユーザと店舗側との間の物品の授受を仲介する無人運送装置であって、
測位手段からの位置情報を用いて目的地への自動的移動を実現する移動手段と、
ユーザによる登録モードの指定を受け付ける受付手段と、
登録モードにおいて、ユーザの誘導にしたがい到着した場所を特定する情報を、ユーザと無人運送装置とが会合する場所の候補を特定する情報として、取得する取得手段と、を備える無人運送装置。
(項目8)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
無人運送装置の目的地の種別の指定をユーザの端末からネットワークを介して取得する取得手段と、
指定された種別が敷地の大きさに関する基準を満たすか否かを判定する判定手段と、
満たすと判定された場合、ユーザと無人運送装置とが会合する場所をユーザが指定するための画面を生成するための画面情報を前記端末に前記ネットワークを介して送信する送信手段と、を備えるサーバ。
(項目9)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関する端末であって、
無人運送装置の目的地の種別の指定をユーザから取得する取得手段と、
指定された種別が敷地の大きさに関する基準を満たす場合、ユーザと無人運送装置とが会合する場所をユーザが指定するための画面をディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備える端末。
【0168】
(PDD基本動作1(PDD現在位置表示)、<依頼受付時動作>)
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するコンピュータプログラムであって、
ユーザの端末の現在位置を取得する機能と、
無人運送装置の目的地の指定を受け付ける機能と、
取得された現在位置と指定された目的地とが所定の基準よりも離れている場合、物品の授受の依頼の拒否を示す画面をディスプレイに表示させる機能と、を前記端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
(項目2)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関する端末であって、
ユーザの前記端末の現在位置を取得する取得手段と、
無人運送装置の目的地の指定を受け付ける受付手段と、
取得された現在位置と指定された目的地とが所定の基準よりも離れている場合、物品の授受の依頼の拒否を示す画面をディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備える端末。
(項目3)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
ユーザの前記端末の現在位置を該端末からネットワークを介して取得する取得手段と、
無人運送装置の目的地の指定を前記端末から前記ネットワークを介して受け付ける受付手段と、
取得された現在位置と指定された目的地とが所定の基準よりも離れているか否かを判定する判定手段と、
離れていると判定された場合、物品の授受の依頼を拒否するための情報を前記端末に前記ネットワークを介して送信する送信手段と、を備えるサーバ。
【0169】
(PDD基本動作1(PDD現在位置表示)、<運送中/目的地待機中動作>)
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するコンピュータプログラムであって、
無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた該無人運送装置の現在位置に対応する画像を取得する機能と、
取得された画像をディスプレイに表示させる機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
(項目2)
前記表示させる機能は、無人運送装置のルート、該無人運送装置の現在位置、該無人運送装置の目的地、のうちの少なくともひとつを含む電子地図に関連付けて前記画像を前記ディスプレイに表示させる機能を含む項目1に記載のコンピュータプログラム。
(項目3)
前記画像は、無人運送装置の目的地を基準とする所定の範囲に該無人運送装置の現在位置が入ったことを条件のひとつとして表示される項目1または2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
ユーザと無人運送装置との間の物品の授受が完了すると、前記画像の表示を止める機能をさらに前記端末に実現させる項目1から3のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記画像は、無人運送装置が現在位置において周囲を撮像することにより得られた画像に、プライバシーを保護するための処理を施すことで得られた画像である項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記画像は、無人運送装置の現在位置に対応する過去の画像である項目1から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関する端末であって、
無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた該無人運送装置の現在位置に対応する画像を取得する取得手段と、
取得された画像をディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備える端末。
(項目8)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
無人運送装置の現在位置に関する情報を、該無人運送装置からネットワークを介して取得する第1取得手段と、
プライバシーを保護するための処理が施された画像であって、無人運送装置の現在位置に対応する画像を取得する第2取得手段と、
取得された画像をユーザの端末に、ネットワークを介して送信する送信手段と、を備えるサーバ。
(項目9)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するコンピュータプログラムであって、
無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた該無人運送装置の現在位置と該無人運送装置の目的地とが所定の基準よりも離れている場合、該無人運送装置の目的地の再指定を可能とするインタフェースを提供する機能と、
前記インタフェースを介して指定された新たな目的地を取得する機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
(項目10)
前記インタフェースは、指定可能な目的地の候補を提示し、
前記取得する機能は、ユーザが指定した候補を新たな目的地として取得する機能を含む項目9に記載のコンピュータプログラム。
(項目11)
無人運送装置の現在位置と該無人運送装置の目的地とが前記所定の基準よりも近くなると、前記インタフェースにおける目的地の再指定を制限または禁止する機能をさらに前記端末に実現させる項目9または10に記載のコンピュータプログラム。
(項目12)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関する端末であって、
無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた該無人運送装置の現在位置と該無人運送装置の目的地とが所定の基準よりも離れている場合、該無人運送装置の目的地の再指定を可能とするインタフェースを提供する提供手段と、
前記インタフェースを介して指定された新たな目的地を取得する取得手段と、を備える端末。
(項目13)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
無人運送装置に設けられた測位手段を用いて得られた該無人運送装置の現在位置と該無人運送装置の目的地とが所定の基準よりも離れているか否かを判定する判定手段と、
離れていると判定された場合、無人運送装置の目的地の再指定を可能とするインタフェースを提供するための情報をユーザの端末に、ネットワークを介して送信する送信手段と、
前記インタフェースを介して指定された新たな目的地を前記端末から、ネットワークを介して取得する取得手段と、を備えるサーバ。
【0170】
(PDD基本動作2(配送トラックとの連携)、<管理装置>)
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムを管理するための管理装置であって、
無人運送装置の現在位置を該無人運送装置からネットワークを介して取得する第1取得手段と、
無人運送装置との物品の授受が可能な配送車両の現在位置を該配送車両からネットワークを介して取得する第2取得手段と、
取得された無人運送装置の現在位置と取得された配送車両の現在位置とに基づいて、無人運送装置の運行状態と配送車両の運行状態とを合わせて電子地図上に表示させる表示制御手段と、
無人運送装置と配送車両とが会合する予定の場所の指定を受け付ける受付手段と、を備える管理装置。
(項目2)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムを管理するための管理装置に、
無人運送装置の現在位置を該無人運送装置からネットワークを介して取得する機能と、
無人運送装置との物品の授受が可能な配送車両の現在位置を該配送車両からネットワークを介して取得する機能と、
取得された無人運送装置の現在位置と取得された配送車両の現在位置とに基づいて、無人運送装置の運行状態と配送車両の運行状態とを合わせて電子地図上に表示させる機能と、
無人運送装置と配送車両とが会合する予定の場所の指定を受け付ける機能と、を実現させるためのコンピュータプログラム。
【0171】
(PDD基本動作3(PDD受け渡し時問題)、<受け渡し待機動作>)
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するコンピュータプログラムであって、
無人運送装置の運行状態に関する情報をネットワークを介して取得する機能と、
取得された情報に合わせて、ユーザに対応する無人運送装置の識別情報をユーザに提供する機能と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
(項目2)
ユーザと店舗側との間の物品の授受を仲介する無人運送装置であって、
測位手段からの位置情報を用いて目的地への自動的移動を実現する移動手段と、
目的地に到着したと判定された場合、該目的地にいる他の無人運送装置の待機位置を避けた位置に前記無人運送装置を待機させるための処理を行う待機手段と、を備える無人運送装置。
(項目3)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関する端末であって、
無人運送装置の運行状態に関する情報をネットワークを介して取得する手段と、
取得された情報に合わせて、ユーザに対応する無人運送装置の識別情報をユーザに提供する手段と、を備える端末。
【0172】
(PDD基本動作4(PDD受け取り時不在問題)<受け渡し待機動作>)
(項目1)
ユーザと店舗側との間の物品の授受を仲介する無人運送装置であって、
測位手段からの位置情報を用いて目的地への自動的移動を実現する移動手段と、
目的地での待機時間を計時する計時手段と、
待機時間がしきい値を上回ると、ユーザに確認するための処理を行う確認手段と、を備える無人運転装置。
(項目2)
ユーザから確認が得られないと判定された場合、目的地での待機を止めるための処理を行う待機停止手段をさらに備える項目1に記載の無人運転装置。
(項目3)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
無人運送装置の目的地での待機時間を取得する取得手段と、
取得された待機時間がしきい値を上回ると、ユーザに確認するための処理を行う確認手段と、を備えるサーバ。
(項目4)
ユーザから確認が得られないと判定された場合、該ユーザに対してペナルティを課すための処理を行うペナルティ手段をさらに備える項目3に記載のサーバ。
(項目5)
確認に対するユーザからの応答を受け付けた場合、該目的地を再度訪れるよう無人運転装置のルートを変更する変更手段をさらに備える項目3または4に記載のサーバ。
【0173】
(PDD基本動作5(ギフトのPDD配送)<依頼受付時動作>)
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
受取側ユーザへの物品の配送の依頼を、依頼側ユーザの端末からネットワークを介して受け付ける受付手段と、
依頼の受け付けに応じて、受け取りに同意するか否かを問い合わせるためのメッセージを、受取側ユーザの端末へネットワークを介して送信する送信手段と、
送信されたメッセージに対する応答が同意である場合、無人運送装置を受取側ユーザに対応する目的地に向かわせるための処理を行う処理手段と、を備えるサーバ。
(項目2)
送信されたメッセージに対する応答がないと判定された場合または送信されたメッセージに対する応答が不同意である場合、無人運送装置を用いた配送以外の所定の配送方法を用いて物品を配送するための処理を行う手段をさらに備える項目1に記載のサーバ。
(項目3)
配送の履歴を保持する保持手段をさらに備え、
前記処理手段は、受取側ユーザが前記保持手段に登録されていない場合、配送検証を行う項目1または2に記載のサーバ。
【0174】
(PDD基本動作6(故障時の動作))
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
無人運送装置によって検出された該無人運送装置の故障を示す情報を、該無人運送装置からネットワークを介して受け付ける受付手段と、
受け付けられた情報に基づいて故障の程度を示すレベルを取得する取得手段と、
取得されたレベルに応じて、故障対応処理が必要か否かを判定する判定手段と、を備えるサーバ。
(項目2)
故障対応処理は、故障が検出された無人運送装置に積まれていた物品と同等の物品を他の無人運送装置によって運送するための処理を含む項目1に記載のサーバ。
(項目3)
故障対応処理は、故障が検出された無人運送装置に積まれていた物品を他の無人運送装置に移して運送するための処理を含む項目1に記載のサーバ。
【0175】
(PDD基本動作7(PDD同士の受け渡し))
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
無人運送装置間での物品の授受が可能な所定の複数の場所を保持する保持手段と、
二つ以上の無人運送装置から、それぞれの現在位置をネットワークを介して取得する取得手段と、
取得された現在位置に基づいて、前記保持手段に保持される複数の場所のなかから、前記二つ以上の無人運送装置が会合すべき場所を選択する選択手段と、を備えるサーバ。
【0176】
(PDD基本動作8(PDD配送決定ルート上の販売促進)<運送中/目的地待機中動作>)
(項目1)
無人運送装置を介したユーザと店舗側との間の物品の授受を実現するシステムに関するサーバであって、
無人運送装置の目的地およびルートを決定する決定手段と、
決定された目的地およびルートのうちの少なくともひとつの位置に基づいて、無人運送装置と会合可能なユーザを特定する特定手段と、
物品の販売または物品の集荷に係るレコメンド情報を、特定されたユーザの端末にネットワークを介して送信する送信手段と、を備えるサーバ。
(項目2)
無人運送装置はそれぞれが物品を収容可能な複数の収容スペースを有し、
無人運送装置の複数の収容スペースのうち空いている収容スペースに収容可能な物品を、販売対象の物品としてレコメンド情報に含める手段をさらに備える項目1に記載のサーバ。
(項目3)
決定された目的地およびルートのうちの少なくともひとつに基づいて、前記販売対象の物品の異なる複数の配送予定時刻を算出する手段と、
算出された複数の配送予定時刻をレコメンド情報に含める手段と、をさらに備える項目1または2に記載のサーバ。
(項目4)
算出された複数の配送予定時刻のそれぞれについて配送料金を決定する手段と、
決定された配送料金をレコメンド情報に含める手段と、をさらに備える項目3に記載のサーバ。
(項目5)
配送の履歴を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持される履歴に基づいて、特定されたユーザに対応する販売対象の物品を特定する手段と、をさらに備える項目1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目6)
前記送信手段は、特定された販売対象の物品に係るレコメンド情報を、該物品を収容した無人運送装置が出発した後に、特定されたユーザの端末にネットワークを介して送信する項目5に記載のサーバ。
【符号の説明】
【0177】
10 PDDシステム、 12 管理サーバ、 14 ユーザ、 16 携帯端末、 18 ネットワーク、 20 PDD、 22 店舗。