(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】ガラス基板を加工する装置および方法
(51)【国際特許分類】
C03B 35/24 20060101AFI20241028BHJP
B65G 49/06 20060101ALI20241028BHJP
B65G 51/03 20060101ALI20241028BHJP
C03B 23/035 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
C03B35/24
B65G49/06 Z
B65G51/03 A
C03B23/035
(21)【出願番号】P 2023129891
(22)【出願日】2023-08-09
(62)【分割の表示】P 2021211984の分割
【原出願日】2017-09-11
【審査請求日】2023-09-01
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ フォーネル
(72)【発明者】
【氏名】アラン マーク フレドホルム
【審査官】三村 潤一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-523793(JP,A)
【文献】国際公開第2015/054329(WO,A1)
【文献】特開2013-232631(JP,A)
【文献】特開2007-191319(JP,A)
【文献】米国特許第03355275(US,A)
【文献】国際公開第2014/013934(WO,A1)
【文献】特開2011-124342(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 35/24
B65G 49/06
B65G 51/03
C03B 23/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面を有するガスベアリング装置であって、該支持面が複数の排気口を備えるガスベアリング装置
と、
前記ガスベアリング装置に接続された熱制御システムと、
を備え、
前記排気口は、少なくとも平方メートル当たり8,000という密度を有し、
前記ガスベアリング装置は、粘性のあるガラスを支持するように構成さ
れ、
前記熱制御システムは、前記ガスベアリング内の温度制御流路を介して温度制御流体を循環させることによって、該ガスベアリングの温度を制御するように構成される、ガラス加工装置。
【請求項2】
前記ガスベアリング装置は、前記ガラスに接触することなく、前記ガラスの流れを第一の方向から、該第一の方向とは異なる第二の方向に変えるように構成されたエアターンベアリングである、請求項1に記載のガラス加工装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、それぞれの内容全体が参照により依拠され、および本願明細書に組み込まれる、2016年9月13日に出願された米国仮出願第62/393,918号、2016年11月22日に出願された同第62/425,308号および2017年6月23日に出願された同第62/524,191号の米国特許法第119条の下での優先権の恩恵を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、基板を加工するための、および特に、ガラス基板の非接触加工のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
板ガラスは、ガラスリボンから形成され、ユーザインタフェース、制御部、ディスプレイ、アーキテクチャデバイス、電化製品および電子装置での用途に対して需要が高い。ガラスを柔らかい状態で加工しおよび形成できるようにすることは、多くの用途において興味を引くものである。
【発明の概要】
【0004】
本願明細書には、ガラス基板が支持装置上で搬送される際に、そのガラス基板を支持するのに適している非接触支持装置を備える装置が記載されている。非接触支持装置は、特に、例えば、初期成形中に、または初期成形の後に、加熱によって十分に柔らかくなっているため、従来の非接触支持装置によっては、ガラス基板の表面は完全性が損なわれ、変形され、または別様に損傷される可能性がある、ガラス基板を支持するのに適している。例えば、従来の支持装置は、支持装置とガラス基板との間にガスを排気するための個別のポート(例えば、ポイントソース)を用いることができる。それらの個別のガス排気口は、典型的には、排気口に直接隣接する、柔らかくなったガラス基板に対して強い圧力を発生させるが、個別の排気口の周囲には、より少ない圧力を発生させる。このことは、光学歪みとして見られる可能性があるものとは異なる、そのガラス基板の表面での人工物(例えば、ディンプル)の形成をもたらす可能性がある。
【0005】
本願明細書に記載されている非接触支持装置によれば、個々のガスベアリングが、各ガスベアリングに圧縮ガスを供給する共通の圧力ボックスに結合されている。ガスベアリングは、圧力ボックス上に複数の列で配列される。ガスベアリングは、ガスベアリングから開口する複数のスロットを含み、および、ガラス基板の搬送方向に直角に配置される。それらのスロットは、プレナムとスロットとの間に配設された一つ以上の計量(インピーダンス)オリフィスを介してガスベアリング内のプレナムと流体的に連通し、およびスロットの長さに沿ったガス圧力が実質的に均一であるように、そのガスベアリングの表面の各スロットの開口に対して配置される。例えば、インピーダンスオリフィスの出口開口と、そのインピーダンスオリフィスと流体的に連通している(ガスベアリングの表面における)スロットの開口部との間のガスの最短の経路長は、少なくとも約5ミリメートルであり、またいくつかの実施形態では、最短の経路長は、10ミリメートル以上とすることができる。この距離は、インピーダンスオリフィスの個別の配分による、スロットに沿った圧力変動が、ガスがスロットの出口に到達する時間までに取り除かれることを確実にする。
【0006】
いくつかの実施形態において、ガスベアリングは、ガスベアリングの長さが、そのガスベアリングの幅よりも長くなるような1以上の長さ対幅のアスペクト比を備え、そのガスベアリングは、その長さ方向が搬送方向に直交するように配置される。したがって、ガスベアリングの所定の列のガスベアリングは、端から端まで配置されている。さらに、ガスベアリングの端部は、ガスベアリングの端部間のギャップから漏出する可能性のあるガスが、搬送方向に平行な線状に配列されず、代わりに、隣接する端部(例えば、それらの間のギャップ)の角度によって決まる、ガラス基板が搬送される際のそのガラス基板の表面積にわたって拡散されるように、搬送方向に対して非直交角度になっていてもよい。
【0007】
したがって、搬送方向に移動する基板を支持する装置であって、圧縮ガス源と流体的に連通するチャンバを包囲する圧力ボックスと、その圧力ボックス上に配置されたガスベアリングとを備え、ガスベアリングが、チャンバと流体的に連通し、およびガスベアリングの長さ方向に延びているプレナムと、プレナムと中間通路との間のガスの流量を制限するようなサイズで形成されたインピーダンスオリフィスを介して、そのプレナムと流体的に連通している中間通路と、その中間通路と流体的に連通し、およびガスベアリングの長さ方向に沿って延びているスロットとを備え、そのスロットが、ガスベアリングの主面で開口し、およびスロットの長さに沿ってガスを排気するように構成されている装置が開示されている。スロットの幅は、スロットの長さに沿って均一にしてもよい。ガスベアリングは、ガスベアリングの主面を画定する複数のエッジをさらに備え、複数のエッジは、搬送方向に対して角度αで配列された対向する平行なエッジから成る第一のペアを含み、ただし、αは、約20度から約60度の範囲である。いくつかの実施形態において、上記装置は、圧力ボックス上に配置された複数のガスベアリングを備え、複数のガスベアリングは、搬送方向に対して直角に延びる複数の列で配列される。
【0008】
いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィスの出口開口と、スロットの開口部との間の距離は、約5ミリメートル以上、例えば、約5ミリメートルから約10ミリメートルの範囲、または、約10ミリメートルから約20ミリメートルの範囲内である。
【0009】
いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィスの中心の長手方向軸は、主面に直交している。
【0010】
いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィスの中心の長手方向軸は、主面に平行である。
【0011】
圧力ボックスは、冷却流体源と流体的に連通している冷却通路を備えることができる。
【0012】
別の実施形態では、ガラス基板を支持する装置であって、圧縮ガス源と流体的に連通しているチャンバを包囲する圧力ボックスと、圧力ボックスの表面に配置された複数のガスベアリングとを備え、複数のガスベアリングは、ガラス基板の搬送方向に直角に延びている複数の列で配列される装置が記載されている。複数のガスベアリングの各ガスベアリングは、チャンバと流体的に連通し、およびガスベアリングの長さ方向に延びているプレナムと、内部プレナムと中間通路との間のガスの流量を制限するようなサイズで形成されたインピーダンスオリフィスを介して、プレナムと流体的に連通している中間通路と、中間通路と流体的に連通し、およびガスベアリングの長さに沿って延びているスロットとを含むことができ、スロットは、ガスを、スロットの長さに沿ってスロット開口部から排出できるように、ガスベアリングの主面で開口している。スロットの幅は、スロットの長さに沿って均一にすることができる。
【0013】
ガスベアリングの主面は、少なくとも、搬送方向に対して角度αで配置された平行なエッジから成る第一のペアを備える複数のエッジによって画定され、この場合、αは、20度以上から60度以下の範囲内にある。
【0014】
いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィスの出口開口と、主面におけるスロットの開口部との間の距離は、約5ミリメートル以上、例えば、約5ミリメートルから約10ミリメートルの範囲内、例えば、約120ミリメートルから約20ミリメートルの範囲内である。
【0015】
いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィスの長手方向軸は、主面に直交している。
【0016】
いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィスの長手方向軸は、主面に平行である。
【0017】
さらに別の実施形態においては、ガラス基板を支持する方法が開示され、その方法は、支持装置上で、ガラス基板を搬送方向に搬送することを含み、非接触支持装置が、圧縮ガス源と流体的に連通するチャンバを包囲する圧力ボックスを備え、その圧力ボックスは、その圧力ボックス上に配置された複数のガスベアリングをさらに含み、それらの複数のガスベアリングは、搬送方向に直交して延びる複数の列で配列され、複数のガスベアリングの各ガスベアリングは、ガスベアリングの長さ方向に延びて流体的に連通するプレナムと、そのプレナムと中間通路との間のガスの流量を制限するようなサイズで形成されたインピーダンスオリフィスを介して、そのプレナムと流体的に連通している中間通路と、その中間通路と流体的に連通し、およびガスベアリングの長さに沿って延びているスロットとを備え、そのスロットは、ガスベアリングの主面において開口している。そのスロットの幅は、スロットの長さに沿って均一にすることができる。
【0018】
上記方法は、スロットの長さに沿って、そのスロットからガスを排出し、それによって、ガスベアリングの主面から離れた位置でガラス基板を支持することをさらに含み、この場合、ガスベアリングの主面は、搬送方向に対して角度αで配列された平行なエッジから成る第一のペアを少なくとも備える複数のエッジによって画定され、ただし、αは、20度以上から60度以下の範囲内にある。
【0019】
いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィスを介した圧力低下は、ガスベアリングとガラス基板との間のガス圧力の50倍以上、例えば、ガスベアリングとガラス基板との間のガス圧力の約50から約100倍の範囲である。
【0020】
上記方法は、ガラス基板が支持装置上で搬送される際に、そのガラス基板を、ガラス基板のアニール温度以上の温度まで加熱することをさらに含んでもよい。ガラス基板の幅は、少なくとも1メートルとすることができ、ガラス基板の主面の最大変動は、ガラス基板を支持装置上で搬送した後の基準面に対して、100マイクロメートルを超えない。その基準面は、例えば、ガラス基板の面とすることができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、ガラス基板はガラスリボンであり、上記方法は、ガラスリボンを、ガラスリボンを支持装置で支持する前に、成形体からガラスリボンを引張加工することをさらに含む。いくつかの実施形態では、その方法は、ガラス基板を支持装置で支持する前に、ガラス基板を第一の方向から、第一の方向とは異なる第二の方向へ向きを変えることをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、ガラス基板の縁部に隣接して配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力は、ガラス基板の中央部分の下に配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力よりも大きくすることができる。
【0023】
いくつかの実施形態は、柔らかくなったガラスを支持する方法に注力する。その方法は、ガスベアリング装置に近接してガラスを配置することを含む。ガスベアリング装置は、その中に配置された複数の排気口を備えた支持面を有している。その排気口は、平方メートル当たり少なくとも8,000の出口の密度を有している。また、その方法は、ガラスが支持基板に触れないように、その排気口を介してガスの流れを吐出することも含む。
【0024】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスを配置するステップが、ガラスの連続的な流れをガラス送給ユニットから供給することと、ガスベアリング装置に近接してガラスを配置することとも含むことをさらに含んでもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスを配置するステップが、ガラスのシートを供給することと、ガラスの粘性を約500から約1013ポアズの範囲内に維持しながら、ガラスのシートをガスベアリング装置に近接させて所定期間、維持することとを含むことをさらに含んでもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスを支持するガスの一部を、支持面に配置された複数のベント口を介して解放することをさらに含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、排気口の密度よりも小さい密度を有するアレイを形成するベント口をさらに含んでもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置がエアターンベアリング(air turn bearing)であり、上記方法は、ガラスがそのエアターンベアリングに近接して送給された後に、ガラスの流れを、そのエアターンベアリングがガラスに接触することなく、第一の方向から第二の方向に変えることをさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングがエアテーブルであり、上記方法は、ガラスの連続的な流れを、エアテーブルに近接して送給することと、ガラスの連続的な流れが水平面として通過する際に、エアテーブルがガラスに接触することなく、ガラスの連続的な流れを支持することとを含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記方法が、ガラスの連続的な流れが水平面を通過する際に、ガラスの流れにわたる張力を維持することを含むことをさらに含んでもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置がアキュムレータであり、上記方法は、ガラスの連続的な流れが、そのアキュムレータに近接して送給される際に、所望量の容積のガラスを蓄積することと、整形されたガラス面の少なくとも一部に接触することなく、その所望量の容積のガラスをアキュムレータで整形することとを含むことをさらに含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記方法が、アキュムレータと、整形されたガラス面との接触がない状態で、所望量の容積のガラスの表面を整形することを含むことをさらに含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置がエアモールド(air mold)であり、ガラスが板ガラスから成り、上記方法が、ガスベアリング装置に近接してガラスを配置することを含み、そのことは、その板ガラスをそのエアモールド上に配置することを含むことをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記方法が、エアモールドと、整形されたガラス面の少なくとも一部との接触がない状態で、ガラスを弛ませて、そのガラスの表面を、エアモールドの形状に整形することをさらに含むことをさらに含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記方法が、ガラスを弛ませて、エアモールドと、整形されたガラス面との接触がない状態で、そのガラスの表面を、エアモールドの形状に整形することを含むことをさらに含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置が、1cm2という最小面積を有することをさらに含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、排気口が、均一なサイズおよび間隔を有することをさらに含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、排気口が、平方メートル当たり少なくとも10,000の排気口という密度を有することをさらに含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、排気口は、最大限でも3ミリメートルのピッチを有するアレイを構成する。
【0039】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置が複数の調量パイプを備え、各調量パイプが、少なくとも二つの排気口にガスを供給することをさらに含んでもよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記方法が、ガラスがガスベアリング装置に近接している間に、ガラスを熱成形することを含むことをさらに含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置の温度が、そのガスベアリング内の温度制御流路を介して、温度制御熱流体を循環させることによって制御されることをさらに含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、熱流体が、温度制御流体を冷却するように構成された冷却回路によって制御されることをさらに含んでもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、加熱回路は、温度制御流体を加熱するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記方法が、排気口を介して吐出する前に、ガスをガス源からガスベアリング装置に送ることと、ガスがガスベアリング装置に到達する前に、そのガスを予め加熱することとを含むことをさらに含んでもよい。
【0045】
いくつかの実施形態は、複数の排気口がその中に配置されている支持面を有するガスベアリング装置を備えているガラス加工装置に注力している。それらの排気口は、平方メートル当たり少なくとも8,000の排気口という密度を有している。ガスベアリング装置は、粘性のあるガラスを支持するように構成されている。
【0046】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記装置が、ガラスの連続的な流れをガスベアリング装置に供給するように構成されたガラス送給ユニットを備えることをさらに含んでもよく、この場合、ガラスは、そのガラス送給ユニットによって供給されたときに溶融される。
【0047】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記装置が、ガラスの連続的な流れをガスベアリング装置から受け取るように構成された駆動コンベヤを備え、その駆動コンベヤは、ガスベアリング装置によって支持されたガラスの流れに張力を印加するように構成されることをさらに含んでもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置が、ガラスの流れを、そのガラスに接触することなく、第一の方向から、第一の方向とは異なる第二の方向に変えるように構成されたエアターンベアリングであることをさらに含んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置が、ガラスの流れを、そのガラスに接触することなく支持するように構成されたエアテーブルであることをさらに含んでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置が、アキュムレータと、整形されたガラス面の少なくとも一部との接触がない状態で、ある容積のガラスを受け入れて蓄積し、そのある容積のガラスの表面を整形するように構成されたアキュムレータであることをさらに含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、アキュムレータが、ある容積のガラスを受け入れて蓄積し、およびそのアキュムレータと、整形されたガラス面との接触がない状態で、そのある容積のガラスの表面を整形するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置が、そのガラスの少なくとも一部に接触することなく、板ガラスをスランピングさせるように構成されたエアモールドであることをさらに含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングが、ガラスに接触することなく、板ガラスをスランピングさせるように構成されたエアモールドであることをさらに含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、排気口が、平方メートル当たり少なくとも10,000という密度を有することをさらに含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリング装置が、複数の排気口と流体的に連通しているガスマニホールドから成ることをさらに含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記装置が、複数の調量パイプを備え、各調量パイプが、マニホールドと、少なくとも四つの排気口とに流体的に連通していることをさらに含んでもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、排気口が、最大限でも3ミリメートルのピッチを有するアレイを構成することをさらに含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングが、1cm2という最小面積を有することをさらに含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、排気口が、均一なサイズおよび間隔を有することをさらに含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記装置が、ガスベアリング装置に接続された熱制御システムを備え、その熱制御システムは、ガスベアリング内の温度制御流路を介して、温度制御流体を循環させることによって、そのガスベアリングの温度を制御するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、熱制御システムが、約500から約1013ポアズの範囲内のガラスの粘性を維持するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、熱制御システムが、熱交換器から成ることをさらに含んでもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、温度制御流体が冷却流体であることをさらに含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、温度制御流体が、予め加熱されたガスであることをさらに含んでもよい。
【0065】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、熱制御システムが、少なくとも一つの電気加熱素子を備えることをさらに含んでもよい。
【0066】
いくつかの実施形態は、ガラスの流れを連続的に運んで支持するように構成されたエアテーブルと、支持構造部によって支持された複数のモジュール装置とを備えているガラス加工装置に注力している。複数のモジュール装置は、エアテーブルの上に配置される。モジュール装置の少なくとも一つは、モジュール熱管理装置である。
【0067】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のモジュール装置が、支持構造部に可動的に取付けられ、各モジュール装置は、独立して移動可能であることをさらに含んでもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、支持構造部が、その支持構造部に可動的に取り付けられたアーム部材を備え、複数のモジュールが、そのアーム部材に取付けられていることをさらに含んでもよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、少なくとも一つのモジュール熱管理装置が、支持構造部に取り外し可能に取付けられていることをさらに含んでもよい。
【0070】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、少なくとも一つのモジュール熱管理装置が、フラットパネルヒータ、パッシブリフレクタパネル、エッジヒータ、エアナイフアセンブリ、ローラおよびこれらの任意の組合せから単独で選択されることをさらに含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のモジュール装置が、ロール位置決めアセンブリ、平坦化ロールアセンブリおよび駆動ローラのうちの少なくとも一つを含むことをさらに含んでもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、前記アームが、垂直方向に移動可能であることをさらに含んでもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、その支持構造部が、垂直部材に対して垂直方向にそのアームを移動させるように構成された電動リフトを備えることをさらに含んでもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、アームが、下方位置と上方位置との間で移動可能であることをさらに含んでもよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のモジュール装置が、水平方向軸に沿って移動可能であることをさらに含んでもよい。
【0076】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のモジュール装置が、垂直軸に沿って移動可能であることをさらに含んでもよい。
【0077】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、エアテーブルが、水平の5度以内の平面内で、ガラスの流れを支持するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、エアテーブルが、ガスベアリングモールドを備えることをさらに含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングがスランピングモールドであることをさらに含んでもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、エアテーブルが、ガラスの流れに接触することなく、そのガラスの流れを連続的に運んで支持するように構成された第一の部分をさらに備えていることをさらに含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、エアテーブルが、ガラスの流れに接触することによって、そのガラスの流れを支持するように構成されたローラを備えている第二の部分をさらに備えることをさらに含んでもよい。
【0082】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、エアテーブルの第二の部分が、ガラスの流れが進む方向におけるエアテーブルのローラの第一の部分の後ろに配置されることをさらに含んでもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、エアテーブルが、複数のテーブルモジュールを備えていることをさらに含んでもよい。
【0084】
いくつかの実施形態は、ガラスの流れの熱プロファイルを制御する連続ガラス成形プロセスのための方法に注力する。その方法は、溶融ガラスの流れを、ガラス送給ユニットから第一の方向に供給することを含む。その方法は、ガラスの流れをガスベアリングを介して送って、そのガラスの流れに接触することなく、そのガラスの流れを第一の方向から第二の方向に変えることを含む。その方法は、ガラスの流れを、そのガラスに接触することなく、エアテーブルの第一の部分を横切って運ぶことを含む。また、その方法は、ガラスを運んでいる間に、モジュール熱管理装置が、ガラスの流れの上に配置されるように、支持構造部によって支持された少なくとも一つの熱管理装置によって、そのガラスの流れの熱プロファイルを制御することも含む。
【0085】
いくつかの実施形態は、第一の主面を有する第一のガスベアリングアセンブリと、第二の主面を有する第二のガスベアリングアセンブリとを備えるガラス加工装置に注力し、この場合、第一の主面は、あるギャップによって第二の主面と離間されている。そのガラス加工装置は、第一の主面内に配置され、および第一のガス源と流体的に連通している第一の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せを有している。また、そのガラス加工装置は、第二のアセンブリ支持面内に配置され、および第二のガス源と流体的に連通している第二の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せも有している。また、そのガラス加工装置は、粘性のあるガラスの連続的な流れを上記ギャップに送り込むように配置された粘性のあるガラスのソースも有している。
【0086】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、粘性のあるガラスのソースが、第一のガスベアリングアセンブリと第二のガスベアリングアセンブリとの間のギャップにガラスが入ったときに、107から1010ポアズの範囲内の粘性を有するガラスの流れを供給するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0087】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のガスベアリングアセンブリが、複数の第一のガスベアリングをさらに備え、各第一のガスベアリングは、複数の第一のガスベアリングの第一のベアリング支持面が共同で第一の主面を構成するような第一のベアリング支持面を有し、また、第二のガスベアリングアセンブリは、複数の第二のガスベアリングをさらに備え、各第二のガスベアリングは、複数の第二のガスベアリングの第二のベアリング支持面が共同で第二の主面を構成するような第二のベアリング支持面を有することをさらに含んでもよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数の第一のガスベアリングを互いに隔てる第一の複数の通気流路と、複数の第二のガスベアリングを互いに隔てる第二の複数の通気流路とをさらに含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のベアリング支持面の各々が第一の多孔質材料から成り、および第二のベアリング支持面の各々が第二の多孔質材料から成ることをさらに含んでもよい。
【0090】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一の多孔質材料と第二の多孔質材料がともにグラファイトであることをさらに含んでもよい。
【0091】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第二のガスベアリングアセンブリが第一のガスベアリングアセンブリの上に配置され、および複数の第二のガスベアリングの各々が、第一および第二のガスベアリング間の一つ以上のガス膜によって支持されることをさらに含んでもよい。
【0092】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数の第一のガスベアリングの各々に接続された第一の支持フレームをさらに含んでもよく、この場合、第一の支持フレームは、冷却流体のソースと流体的に連通している冷却通路を備えている。
【0093】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のガスベアリングおよび第二のガスベアリングが、150Paから1000Paの圧力を、粘性のあるガラスの流れに印加するように構成されることをさらに含んでもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第二のガスベアリングが、下方のガスベアリングに対して移動可能であることをさらに含んでもよい。
【0095】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記装置が、粘性のあるガラスの連続的な流れを平坦化するように構成されることをさらに含んでもよい。
【0096】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数の第一のガスベアリングの各々に配置されたガス流路をさらに含んでもよい。
【0097】
いくつかの実施形態は、粘性のあるガラスを平坦化する方法であって、107から1010ポアズの範囲内の粘性を有するガラスの連続的な流れをガスベアリング装置に送り込むことを含む方法に注力する。そのガスベアリング装置は、第一の主面を有する第一のガスベアリングアセンブリと、第二の主面を有する第二のガスベアリングアセンブリとを備えている。第一の主面は、ギャップによって第二のアセンブリ面と隔てられている。また、ガスベアリング装置は、第一の主面に配置され、および第一のガス源と流体的に連通している第一の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、第二の主面に配置され、および第二のガス源と流体的に連通している第二の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せとを備えている。また、上記方法は、第一の主面の排気口または気孔を介してガスを吐出することにより、ガラスの第一の面に圧力を印加して、第一のガス膜を形成することと、第二の主面の排気口または気孔を介してガスを吐出することにより、第一の面に対向するガラスの第二の面に圧力を印加して、第二のガス膜を形成することと、そのガラスの第一の面に印加された圧力と、第二の面に印加された圧力との間に圧力均衡を生じさせることにより、ガラスに接触することなく、そのガラスを平坦化することとも含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のガスベアリングアセンブリが、複数の第一のガスベアリングをさらに備え、各第一のガスベアリングは、複数の第一のガスベアリングの第一の支持面が共同で第一の主面を構成するような第一のベアリング支持面を有し、また、第二のガスベアリングアセンブリが、複数の第二のガスベアリングをさらに備え、各第二のガスベアリングは、複数の第二のガスベアリングの第二のベアリング支持面が共同で第二の主面を構成するような第二のベアリング支持面を有することをさらに含んでもよい。
【0099】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のガスベアリングアセンブリが、複数の第一のガスベアリングを互いに隔てる第一の複数の通気流路をさらに備え、また、第二のガスベアリングアセンブリは、複数の第二のガスベアリングを互いに隔てる第二の複数の通気流路をさらに備えることをさらに含んでもよい。
【0100】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することと、第二のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することとをさらに含んでもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスの重量の5から50倍に等しい圧力を印加することをさらに含んでもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のガスベアリングアセンブリに対する第二のガスベアリングアセンブリの位置を調節することによって、第一のガス膜の厚さおよび第二のガス膜の厚さを調節することをさらに含んでもよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第二のガスベアリングアセンブリが、第二のガス膜によって支持されることをさらに含んでもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスを穴を介して、ガラスの流れの方向に直角に送り込むことをさらに含んでもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、冷却通路を介して冷却流体を流すことによって、ガスベアリングアセンブリを冷却することをさらに含んでもよい。
【0106】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスの粘性を、107から1013ポアズの範囲内に維持しながら、第一のガスベアリングアセンブリおよび第二のガスベアリングアセンブリに近接してガラスを所定期間、維持することをさらに含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施形態は、主面を有するガスベアリングアセンブリと、その主面に配置された複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、その主面に配置された複数のベントと、粘性のあるガラスの連続的な流れをガスベアリング装置に送り込むように配置された粘性のあるガラスのソースとを備えるガラス加工装置に注力する。そのガスベアリングアセンブリは、排気口または気孔を介してガラスシートに正の圧力を印加するように、およびベントを介してガラスシートに負の圧力を印加するように構成されている。それらの排気口または気孔は、ガス源と流体的に連通し、また、ガラスの粘性は、ガラスがガスベアリング装置に送り込まれる場合、107から1013ポアズの範囲内である。
【0108】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングアセンブリが、複数のガスベアリングをさらに備え、各ガスベアリングは、第一のガスベアリングのベアリング支持面が共同で主面を構成するようなベアリング支持面を有することをさらに含んでもよい。
【0109】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングアセンブリが、複数のガスベアリングを互いに隔てる複数の通気流路をさらに備えることをさらに含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、主面が、複数の排気口をその中に備えることと、それらの排気口が、平方メートル当たり少なくとも8,000の排気口という密度を有することとをさらに含んでもよい。
【0111】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、主面に配置された複数のベント口をさらに含んでもよく、この場合、それらのベント口は、排気口の密度よりも小さい密度を有している。
【0112】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ベアリング支持面が多孔質材料から成ることをさらに含んでもよい。
【0113】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、その多孔質材料がグラファイトであることをさらに含んでもよい。
【0114】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のガスベアリングの各々に接続された支持フレームをさらに含んでもよく、この場合、その支持フレームは、冷却流体のソースと流体的に連通している冷却通路を備えている。
【0115】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスの上に配置された熱管理装置をさらに含んでもよい。
【0116】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングが、ガラスの重量の2から25倍に等しい正の圧力を印加するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0117】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングが、ガラスの重量の2から25倍に等しい負の圧力を印加するように構成されることをさらに含んでもよく、この場合、その負の圧力は、その正の圧力よりも小さい。
【0118】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、上記装置は、粘性のあるガラスの連続的な流れを平坦化するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のガスベアリングの各々に配置されたガス流路をさらに含んでもよい。
【0120】
いくつかの実施形態は、粘性のあるガラスを平坦化する方法であって、ガラスの連続的な流れをソースから送り込むことであって、そのガラスが、当該ガラスがそのソースから送り込まれるときに、107から1013ポアズの範囲内の粘性を有することと、ガスベアリングアセンブリに近接してガラスを配置することと、排気口または気孔を介してガスを吐出することにより、そのガラスに正の圧力を印加することと、ベントを介して真空引きすることにより、そのガラスに負の圧力を印加することと、圧力均衡を生じさせることによって、ガラスに接触することなく、そのガラスを平坦化することとを含む方法に注力する。いくつかの実施形態において、そのガスベアリングアセンブリは、主面と、その主面に配置された複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、その主面に配置された複数のベントとを備えている。
【0121】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、そのガスベアリングアセンブリが、複数のガスベアリングをさらに含み、各ガスベアリングは、それらのガスベアリングのベアリング支持面が共同で主面を構成するようなベアリング支持面を有することをさらに含んでもよい。
【0122】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することと、第二のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することとをさらに含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスの重量の2から25倍に等しい正の圧力を印加することをさらに含んでもよい。
【0124】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスの重量の2から25倍に等しい負の圧力を印加することをさらに含んでもよい。
【0125】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスを穴を介して、ガスの流れの方向に対して直角に送り込むことをさらに含んでもよい。
【0126】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、冷却流体のソースと流体的に連通している冷却通路を介して冷却流体を流すことによって、ガスベアリング装置を冷却することをさらに含んでもよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラスの粘性を、107から1013ポアズの範囲内に維持しながら、ガスベアリングアセンブリに近接してガラスを所定期間、維持することをさらに含むことをさらに含んでもよい。
【0128】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、そのガスベアリング装置が、ガラスの上に配置され、およびその支持面に対向して配置された熱管理装置をさらに備えることをさらに含んでもよい。
【0129】
いくつかの実施形態は、溶融ガラスの流れを第一の方向に供給するように構成されたガラス送給ユニットを備えているガラス成形装置に注力する。いくつかの実施形態において、ガスベアリングは、そのガラス送給ユニットの下に配置され、そのガスベアリングは、溶融ガラスの流れを、溶融ガラスの流れに接触することなく、第一の方向とは異なる第二の方向に変えるように構成されている。いくつかの実施形態では、そのガラス成形装置は、少なくとも一つの熱管理装置を備えている。いくつかの実施形態では、その熱管理装置は、ガスベアリング内の流体冷却流路と、溶融ガラスの流れをガスベアリングに向かって押し込むガスを吐出するように構成されたノズルを備える対流冷却システムと、ガラス送給ユニットとガスベアリングとの間に配置された熱シールドとのうちの一つである。
【0130】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラス成形装置が、流体冷却流路と、対流冷却システムと、熱シールドとを備えることをさらに含んでもよい。
【0131】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラス成形装置が熱シールドを備えることをさらに含んでもよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラス成形装置が、流体冷却流路と対流冷却システムとを備えていることをさらに含んでもよい。
【0133】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、対流冷却システムが、ガスチャンバと、そのガスチャンバと流体的に連通している複数のノズルとを備え、複数のノズルの各ノズルが、ガスチャンバからガスを吐出するように構成されていることをさらに含んでもよい。
【0134】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のノズルの各ノズルは、先端部と、その先端部から出ていくガスの流量を制御するように構成されたレギュレータとを備えていることをさらに含んでもよい。
【0135】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、複数のノズルの各ノズルは、ガスを連続的に供給することをさらに含んでもよい。
【0136】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、第一の方向は垂直方向であり、第二の方向は水平方向であることをさらに含んでもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガスベアリングが、8cm未満の半径を有していることをさらに含んでもよい。
【0138】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、ガラス送給ユニットがヒータをさらに備え、そのガラス送給ユニットは成形容器であることをさらに含んでもよい。
【0139】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、溶融ガラスの流れに接触することなく、第二の方向に移動する溶融ガラスの流れを支持するように構成された支持ユニットと、その支持ユニットに接続され、および第二の方向において、その溶融ガラスの流れからガラスリボンを引張加工するように構成されたガラスリボン引張加工ユニットとをさらに含んでもよい。
【0140】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、出力経路を含むガラス送給ユニットと、その出力経路の近傍で、そのガラス送給ユニットの下に配置されたガスベアリングであって、流体冷却流路をさらに備えているガスベアリングと、そのガスベアリングに向かって方向付けられたノズルを備えている対流冷却システムと、ガラス送給ユニットとガスベアリングとの間に配置された熱シールドとをさらに含んでもよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、溶融ガラスの流れを第一の方向に供給することと、その溶融ガラスの流れに接触することなく、その溶融ガラスの流れを第一の方向とは異なる第二の方向に変えることと、溶融ガラスの流れの向きを変えながら、その溶融ガラスの流れの少なくとも一方の側で、少なくとも50mmの距離にわたって、少なくとも150W/m2‐Kの熱伝達係数を有する冷却装置を用いて、そのガラスを冷却することとをさらに含んでもよい。
【0142】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、溶融ガラスの流れの少なくとも一部の粘性が、25,000ポアズ未満であることをさらに含んでもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、その少なくとも一部の粘性が、10,000ポアズ未満であることをさらに含んでもよい。
【0144】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、少なくとも一部の粘性が、溶融ガラスの流れの送出ポイントと、その溶融ガラスの流れの送出ポイントから10cmの距離との間で、少なくとも50倍増加することをさらに含んでもよい。
【0145】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、溶融ガラスの流れの第一の主面にガス膜を形成することと、その第一の主面に対向する、溶融ガラスの流れの第二の主面に強制対流を作用させることとをさらに含んでもよい。
【0146】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、熱シールドを用いて、溶融ガラスの流れの温度を低下させることをさらに含んでもよい。
【0147】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、溶融ガラスの流れに接触することなく、第二の方向に移動するその溶融ガラスの流れを支持することと、第二の方向において、その溶融ガラスの流れからガラスリボンを引張加工することとをさらに含んでもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、先行の段落のいずれかの実施形態は、そのガラスリボンの厚さは、少なくとも0.1mmであることをさらに含んでもよい。
【0149】
本願明細書に開示されている実施形態のさらなる特徴および利点は、以下に続く詳細な説明に記載されており、また、当業者には、その説明からある程度、容易に明らかになるであろうし、または、以下に続く詳細な説明、クレームおよび添付図面を含めて、本願明細書に記載されている開示した実施形態を実施することによって正しく認識されるであろう。
【0150】
上記の概略説明および以下の詳細な説明はともに、クレームされた実施形態の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供することが意図された実施形態を提示していることを理解すべきである。添付図面は、理解を深めるために包含され、およびこの明細書に組み込まれ、および明細書の一部を構成している。図面は、本開示のさまざまな実施形態を図示し、および説明とともに本発明の原理および動作を説明するのに役に立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0151】
本願明細書に組み込まれている添付図面は、本願明細書の一部を構成し、および本開示の実施形態を図示している。これらの図面はさらに、説明とともに、開示されている実施形態の原理を説明するのに役に立つものであり、また、当業者が、それらの実施形態を実行しおよび利用することを可能にするものである。それらの図面は、限定的ではなく、例示的であることが意図されている。本開示は、それらの実施形態に照らして全般的に記載されているが、本開示の範囲が、これらの特定の実施形態に限定されることは意図されていないことを理解すべきである。図においては、同様の参照数字は、同一の要素、または、機能的に同様の要素を示している。
【
図1】ガラスリボンを形成するための例示的なガラス形成装置の概略図である。
【
図2】
図1の実施形態による、溶融ガラスからガラスリボンを成形するための成形体の断面図であり、そのガラスリボンは、本開示の実施形態による非接触支持装置によって支持されている。
【
図3】ガラスリボンの第一のスプールから巻き取られておらず、本開示の実施形態による非接触支持装置によって支持されているガラスリボンの断面図である。
【
図4】本開示の実施形態による非接触支持装置の断面図である。
【
図5B】
図5Aの非接触支持装置を備えるガスベアリングの端エッジの角度の付いた関係を説明する
図5Aの平面図の一部の拡大図である。
【
図6】本開示によるガスベアリングの実施形態の断面斜視図である。
【
図7】
図6に示すガスベアリングの一部の断面図である。
【
図8】本開示によるガスベアリングの別の実施形態の断面図である。
【
図9】ガラスリボンを引張加工するためのガラス製造装置を含む例示的なガラス加工システムの概略図である。
【
図11】
図2のガラス成形装置の一部の側面図である。
【
図12】
図2のガラス成形装置の一部の斜視図である。
【
図13】別の例示的なガラス成形装置の概略図である。
【
図14】さらに別の例示的なガラス成形装置の概略図である。
【
図15】ガラスリボンの形成物を予測する数値モデルのプロットを示す図である。
【
図16】
図10から
図14のガラス成形装置によって実行されるプロセスに対応するプロセスフローチャートを示す図である。
【
図17】例示的なガスベアリング装置の概略図である。
【
図18】例示的なガスベアリング装置の概略図である。
【
図19A】例示的なガスベアリング装置の概略図である。
【
図21】例示的なガスベアリング装置を示す図である。
【
図24】カバーがガスベアリング装置を包囲している状態の
図21のガスベアリング装置を示す図である。
【
図25】
図21に示すガスベアリング装置の断面を示す図である。
【
図26】例示的なアキュムレータガスベアリング装置の四半分の概略を示す図である。
【
図27】例示的なアキュムレータガスベアリング装置の半分を示す図である。
【
図28】
図27に示すアキュムレータガスベアリング装置の別の半分を示す図である。
【
図29】
図27に示すアキュムレータガスベアリング装置の別の図である。
【
図30】例示的なガスベアリング装置を流れるガスフローの概略を示す図である。
【
図31】ベント口を備えているスランピングモールドの概略を示す図である。
【
図32】
図31に示すスランピングモールドの表面の図である。
【
図33】別のスランピングモールドの概略を示す図である。
【
図34】
図33に示すスランピングモールドの表面の図である。
【
図35】柔らかくなったガラスを支持する方法の場合のプロセスフローチャートを示す図である。
【
図36】動作位置における例示的な支持構造部およびエアテーブルを示す図である。
【
図37】後退位置における
図36の支持構造部およびエアテーブルを示す図である。
【
図38】例示的な支持構造部の概略を示す図である。
【
図39】動作位置におけるエアテーブルの概略を示す図である。
【
図40】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図41】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図42】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図43】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図44】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図45】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図46】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図47】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図48】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図49】例示的なエアテーブルモジュールを示す図である。
【
図50】例示的な支持構造部およびエアテーブルを示す図である。
【
図51】例示的な支持構造部およびエアテーブルを示す図である。
【
図52】例示的なガスベアリング装置を示す図である。
【
図53】例示的なガスベアリング装置を示す図である。
【
図54A】例示的なガスベアリング装置を示す図である。
【
図54B】例示的なガスベアリング装置を示す図である。
【
図55】例示的なガスベアリング装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0152】
次に、本開示の実施形態に関して詳細に説明するが、それらの実施例は、添付図面に図示されている。可能な限り、同じ部材または類似の部材を指すために、同じ参照数字が図面全体にわたって使用されている。しかし、この開示は、多くの異なる形態で具体化することができ、および本願明細書に記載されている実施形態に限定されると解釈すべきではない。
【0153】
ガラス基板、例えば、ディスプレイ装置の製造に用いられるガラスシートの大量生産は、下流の成形プロセスにおいてガラス物品の形にすることができる加熱した粘性の塊(本願明細書においては、以後、「溶融ガラス」または「溶融物」と呼ぶ)を生成するための原材料の溶融から始まる。多くの用途において、ガラス物品は、個々のガラスシートをそれから切断することができるガラスリボンである。ガラスリボンからのガラスシートの切断は、典型的には、ガラスシートがそれから取り外される、そのガラスリボンまたはガラスリボンの少なくとも一部が弾性状態になっているときに実行される。したがって、切断後のガラスシートは、寸法安定性がある。すなわち、そのガラスシートの粘性は、ガラスシートの塑性変形が巨視的規模で起きないような十分な大きさになっている。より簡単に言えば、そのガラスシートは、例えば、力を受けて曲げられた後に、その力から解放されても、もはや新たな形状を呈することはない。
【0154】
いくつかの用途では、例えば、ガラス基板が依然としてリボン状の状態であるリボン形成プロセスの直接下流において、そのガラス基板が粘性状態または粘弾性状態になっている間に、または、後の再成形のために、弾性のガラスリボンまたはガラスシートを再加熱した後に、そのガラス基板を加工する必要がある可能性がある。いくつかの実施形態において、ガラスシートの徐冷点よりも高い温度までのガラスシートの再加熱が、そのガラスシートの熱強化のために必要である可能性がある。上記の例示的な事例の各々においては、その基板が、ガラスリボンの取扱いが完全性を損なったり、または、ガラス物品中に物理的な欠陥を生じさせたりするような十分な粘性状態になっている間に、そのガラスリボンおよび/またはガラスシートを処理することが必要である可能性がある。
【0155】
(例えば、1メートル以上の幅から成る)大きなサイズのガラス基板の安定した支持をもたらすために、従来のガスベアリングは、分散型ガス逃がし開口部を組み込んでいる。それらの開口部は、柔らかいガラスの非安定的な形状の形成を防ぎ、この場合、ガラス基板の中央部分は、ガス圧の蓄積の結果として、大きな膨らみを形成する可能性がある。そのような従来のデザインは、二つの主要な形状構成、すなわち、ガス送給装置が、途切れることなく、ガラス基板の全幅にわたって連続的に延び、およびガスの出口がガス排気口間に配置されている全幅デザインと、ガスを直接、排出口に供給する個別のガス送給通路を備えているデザインとをもたらしていた。
【0156】
大きなサイズのガラス基板を支持するために構成された最初のデザインタイプは、製造するのが複雑になる可能性があり、また、基板の平坦性に影響を与える可能性がある高温で基板を支持する場合に、熱負荷によって変形する可能性がある。さらに、異なる送給要素を位置合わせすることが問題になる可能性がある。第二のデザインタイプは、正確な位置決めおよび位置合わせを確保する、空気供給ボックスに取り付けられた個々のガスベアリング装置を備えることができる。しかし、その供給ボックスの歪みが起きる可能性があり、そのことが、ガラス基板の搬送方向で位置合わせされたガラスの光学的歪みを生じさせる可能性があり、およびそれらのガスベアリング上の給気口のピッチに、およびガスベアリングアセンブリ自体のピッチにも関係してくる可能性がある。
【0157】
したがって、ガラス基板を取り扱う装置および方法、例えば、ガラス基板の表面の完全性を損なうことなく、または、ガラス基板中に光学的歪みを招くことなく、ガラス基板を運ぶ装置および方法が望ましい。
ガラス製造装置
図1には、実施例のガラス製造装置10が図示されている。いくつかの実施例において、ガラス製造装置10は、溶融槽14を含むことができるガラス溶融炉12を備えることができる。ガラス溶融炉12は、溶融槽14に加えて、必要に応じて、原料を加熱して、その原料を溶融ガラスにするために構成された加熱要素(例えば、燃焼バーナーおよび/または電極)等の一つ以上の追加的な構成要素を含むことができる。例えば、溶融炉12は、電気ブースト溶融槽であってもよく、この場合、エネルギは、燃焼バーナーを介して、および直接加熱によって原料に加えられ、電流がその原料に流れ、それにより、原料のジュール加熱によってエネルギが加えられる。電気ブースト溶融槽は、本願明細書で用いられる場合、動作中に、直接的な電気伝導加熱(ジュール加熱)によって原料に伝えられるエネルギの量が、約20%以上である溶融槽である。
【0158】
さらなる実施例では、ガラス溶融炉12は、その溶融槽による熱損失を低減する熱管理装置(例えば、絶縁構成要素)を含んでもよい。さらに別の実施例では、ガラス溶融炉12は、原料のガラス溶融物への溶融を容易にする電子装置および/または電気機械装置を含んでもよい。さらに、ガラス溶融炉12は、支持構造部(例えば、支持シャーシ、支持部材等)または他の構成要素を含んでもよい。
【0159】
ガラス溶融槽14は、典型的には、耐火性材料、例えば、耐火性セラミック材料、例えば、アルミナまたはジルコニアから成る耐火性セラミック材料から形成されるが、他の耐火性材料を使用してもよい。いくつかの実施例において、ガラス溶融槽14は、耐火性セラミック煉瓦によって構成してもよい。
【0160】
いくつかの実施例において、溶融炉12は、ガラス物品、例えば、未確定の長さから成るガラスリボンを作製するために構成されたガラス製造装置の構成要素として組み込んでもよいが、さらなる実施形態では、ガラス製造装置は、他のガラス物品、例えば、これらに限定されないが、ガラスロッド、ガラスチューブ、ガラスエンベロープ(例えば、照明装置、例えば電球用のガラスエンベロープ)およびガラスレンズ等を形成するように構成してもよい。いくつかの実施例では、溶融炉は、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウンドロー装置(例えば、フュージョンダウンドロー装置)、アップドロー装置、プレス装置、圧延装置、チューブドロー装置、または、本願明細書に記載されている態様から利益を得るであろう他の何らかのガラス製造装置から成るガラス製造装置の構成要素として組み込んでもよい。例として、
図1は、後の個々のガラスシートへの加工またはスプールへの圧延のために、ガラスリボンをフュージョンドロー加工するためのフュージョンダウンドローガラス製造装置10の構成要素としてのガラス溶融炉12を概略的に示す。
【0161】
ガラス製造装置10(例えば、フュージョンダウンドロー装置10)は、ガラス溶融槽14に対して上流に配置された上流ガラス製造装置16を必要に応じて含むことができる。いくつかの実施例において、上流ガラス製造装置16の一部または全体は、ガラス溶融炉12の一部として組み込んでもよい。
【0162】
図示されている実施形態に示すように、上流ガラス製造装置16は、原料貯蔵ビン18と、原料送出装置20と、その原料送出装置に接続されたモータ22とを含むことができる。貯蔵ビン18は、矢印26で示すように、一つ以上の送給口を介して、ガラス溶融炉12の溶融槽14に送り込むことができる多量の原料24を貯蔵するように構成することができる。原料24は、典型的には、一つ以上のガラス成形金属酸化物と、一つ以上の改質剤とを含む。いくつかの実施例において、原料送出装置20には、原料送出装置20が所定量の原料24を貯蔵ビン18から溶融槽14へ送出するために、モータ22によって動力を供給することができる。さらなる実施例では、モータ22は、溶融ガラスのフロー方向に対して溶融槽14から下流で感知された溶融ガラスのレベルに基づく制御された速度で原料24を導入するように、原料送出装置20に動力を供給することができる。溶融槽14内の原料24は、その後、加熱して溶融ガラス28を形成することができる。典型的には、最初の溶融工程において、原料は、微粒子として、例えば、さまざまな「砂」を含むように、溶融槽に追加される。また、原料は、前の作業からの屑ガラス(すなわち、カレット)を含んでいてもよい。燃焼バーナーは、溶融プロセスを始めるのに用いられる。電気ブースト溶融プロセスでは、一旦、原料の電気抵抗が十分に低下すると(例えば、原料が液化し始めたときに)、その原料と接触して配置された電極間に電位を発生させ、それによって、その原料を通る電流を確立することによって、電気ブーストが開始され、その原料は、典型的にはこの時点で溶融状態に入るか、または、溶融状態である。
【0163】
また、ガラス製造装置10は、ガラス溶融炉12に対して下流に配置された下流ガラス製造装置30を必要に応じて含むことができる。いくつかの実施例において、下流ガラス製造装置30の一部は、ガラス溶融炉12の一部として組み込んでもよい。しかし、いくつかの事例では、以下で説明する第一の接続導管32、または、下流ガラス製造装置30の他の部分を、ガラス溶融炉12の一部として組み込んでもよい。第一の接続導管32を含む下流ガラス製造装置の要素は、貴金属から形成することができる。適当な貴金属は、プラチナ、イリジウム、ロジウム、オスミウム、ルテニウムおよびパラジウム(例えば、白金族金属)またはこれらの合金から成る金属群から選択された白金族金属を含む。例えば、上記ガラス製造装置の下流の構成要素は、約70から約90重量%のプラチナと、約10から約30重量%のロジウムとを含有するプラチナ‐ロジウム合金から形成することができる。しかし、他の適当な金属は、モリブデン、レニウム、タンタル、チタン、タングステンおよびこれらの合金を含むことができる。
【0164】
下流ガラス製造装置30は、第一の調整(すなわち、処理)槽、例えば、溶融槽14から下流に配置され、および上述の第一の接続導管32によって溶融槽14に結合された清澄槽34を含むことができる。いくつかの実施例において、溶融ガラス28は、第一の接続導管32によって溶融槽14から清澄槽34へ重力送りしてもよい。例えば、重力は、溶融ガラス28を、第一の接続導管32の内部経路を介して、溶融槽14から清澄槽34へ押し進めることができる。しかし、他の調整槽を、溶融槽14の下流に、例えば、溶融槽14と清澄槽34との間に配置してもよいことを理解すべきである。いくつかの実施形態において、調整槽は、溶融槽と清澄槽との間で用いてもよく、この場合、最初の溶融槽からの溶融ガラスは、溶融プロセスを続行するために第二の槽内でさらに加熱され、または、清澄槽に入る前に、最初の溶融槽内で、その溶融ガラスの温度よりも低い温度まで冷却される。
【0165】
清澄槽34内において、さまざまな技術的方法により、泡を溶融ガラス28から除去することができる。例えば、原料24は、加熱されたときに、化学還元を経て、酸素を放出する酸化スズ等の多価化合物(すなわち、清澄剤)を含んでいてもよい。他の適当な清澄剤は、限定するものではないが、ヒ素、アンチモン、鉄およびセリウムを含有するが、前述したように、ヒ素やアンチモンの使用は、いくつかの用途においては、環境上の理由で阻止される可能性がある。清澄槽34は、溶融槽の温度よりも高い温度まで加熱され、それによって清澄剤を加熱する。一つ以上の清澄剤の温度誘導の化学還元によって生成される酸素泡が、その清澄槽内の溶融ガラスを通って上昇し、この場合、溶融炉内で生成された溶融物中のガスが、その清澄剤によって生成された酸素泡に融合するか、または、酸素泡中に拡散する可能性がある。その結果、拡大して浮力が増した気泡は、清澄槽内の溶融ガラスの自由表面まで上昇した後、その清澄槽から抜け出すことができる。酸素泡はさらに、溶融物中を通って上昇する際に、清澄槽内の溶融ガラスの機械的混合を誘発することができる。
【0166】
下流ガラス製造装置30は、別の調整槽、例えば、清澄槽34から下流に流れる溶融ガラスを混合する混合装置36をさらに含むことができる。混合装置36は、均質なガラス溶融組成物を生成することができ、それによって、その清澄槽から出ていく清澄された溶融ガラス内に別様に存在する可能性のある化学的または熱的な非均一性を低減することができる。図示されているように、清澄槽34は、第二の接続導管38によって混合装置36に結合することができる。いくつかの実施例において、溶融ガラス28は、第二の接続導管38によって清澄槽34から混合装置36へ重力送りすることができる。例えば、重力は、溶融ガラス28を、第二の接続導管38の内部経路を介して、清澄槽34から混合装置36へ押し進めることができる。混合装置36は、溶融ガラスのフロー方向に対して清澄槽34の下流に図示されているが、他の実施形態では、混合装置36は、清澄槽34の上流に配置してもよいことに留意すべきである。いくつかの実施形態において、下流ガラス製造装置30は、複数の混合装置、例えば、清澄槽34の上流の混合装置と、清澄槽34の下流の混合装置とを含んでいてもよい。これらの複数の混合装置は同じ構造であってもよく、または、それらは、互いに異なる構造から成っていてもよい。いくつかの実施形態において、一つ以上の槽および/または導管は、その中に配置された、溶融材料の混合および後の均質化を促進するための静止状態の混合羽根を含んでいてもよい。
【0167】
下流ガラス製造装置30は、別の調整槽、例えば、混合装置の下流に配設することができる送出槽40をさらに含むことができる。送出槽40は、下流成形装置に送給される溶融ガラス28を調整することができる。例えば、送出槽40は、出口導管44を通って成形体42へ流れる溶融ガラス28の安定した流れを調節して供給するためのアキュムレータおよび/またはフローコントローラとして機能することができる。図示されているように、混合装置36は、第三の導管46によって送出槽40に結合することができる。いくつかの実施例では、溶融ガラス28は、第三の接続導管46によって混合装置36から送出槽40へ重力送りすることができる。例えば、重力は、溶融ガラス28を、第三の接続導管46の内部経路を介して、混合装置36から送出槽40へ押し進めることができる。
【0168】
さらに、下流ガラス製造装置30は、流入導管50を含む上述の成形体42を備える成形装置48を含むことができる。出口導管44は、溶融ガラス28を送出槽40から、成形装置48の流入導管50へ送り出すように配置することができる。
図2によって最も良く理解できるように、フュージョンダウンドローガラス形成装置内の成形体42は、その成形体の上面に配置されたトラフ52と、その成形体の底エッジ(底)56に沿ってドロー方向に収束する収束成形面54とを備えることができる。送出槽40、出口導管44および流入導管50を介して成形体トラフへ送り出された溶融ガラスは、そのトラフの壁部から溢れて、溶融ガラスの別々のフローとして、収束成形面54に沿って下降する。溶融ガラスの別々のフローは、下でおよび前記底に沿って一緒になって、ガラスが冷め、およびガラスの粘性が増加する際に、ガラスリボンの寸法を制御するために、ガラスリボンに張力を印加することにより、例えば、重力、エッジロールおよびプルロール(図示せず)によって、底56からドロー方向60に引き出される単一のガラスリボン58を生成する。したがって、ガラスリボン58は、粘弾性の変化を経て、ガラスリボン58に安定した寸法特性を与える機械的特性を得る。いくつかの実施形態において、ガラスリボン58は、そのガラスリボンの弾性領域において、ガラス分離装置(図示せず)により、個々のガラスシート62に分けてもよいが、別の実施形態では、ガラスリボンは、スプールに巻き取って、さらなる処理のために保管してもよく、または、粘性または粘弾性リボンとして、引出し動作から直接、処理してもよい。
【0169】
図2は、成形体42の断面図であり、溶融ガラス28がトラフ52に流入し、およびそのトラフから溢れて、その後、収束成形面54上を流れた後、ガラスリボン58として、その成形体の底エッジ56から下方向に引き出される。その場合、ガラスリボン58は、例えば、引出し方向から、その引出し方向とは異なる第二の方向、例えば、水平方向へ再方向付けをすることができ、そして、本願明細書において以下で説明するように、そのガラスリボンが第二の方向に搬送される際に、非接触支持装置100によって支持することができる。上記の事から、および以下の説明に照らして、他の装置により、および他の方法、例えば、他のダウンドロー法、アップドロー法およびフロート法によって引き出されたガラスリボンを、特定の製造方法の性質により、再方向付けを伴っていようがいまいが、同様に支持することができるであろうことは明白であるはずである。いくつかの実施形態において、ガラスリボン58は、成形プロセスから直接ではなく、ガラスリボンのスプールから生成してもよい。すなわち、上記の例示的なガラス製造方法のうちのいずれかによって既に引き出され、およびスプール、例えば、
図3に示すような供給スプール70に巻回されたガラスリボンは、後にスプールから取り外して、非接触支持装置100によって支持することができる。いくつかの実施形態において、スプールから取り外されたガラスリボンは、さらなる処理、例えば、再成形(例えば、プレス、エンボス加工、モールド成形等)のために、加熱、例えば、再加熱して、そのガラスリボンの粘性を低下させることができる。いくつかの実施形態において、ガラスリボンは、さらなる処理の後に、巻取りスプール72に再び巻き取ることができる。しかし、さらなる実施形態では、ガラスリボンは、さらなる処理の前か後のいずれかに、ガラスシート62を生成するのに役立つ可能性がある。
【0170】
したがって、いくつかの実施形態においては、ガラス基板は、支持されている間および/または非接触支持装置100の上を搬送されている間に、熱的に調整してもよい。例えば、
図2に示すように、ガラス基板98(例えば、ガラスリボン58またはガラスシート62)は、非接触支持装置100と、一つ以上の熱素子64との間に配置されている。熱素子64は、電気抵抗加熱素子とすることができ、この場合、電流は、一つ以上の抵抗加熱素子中に確立され、それによって、その抵抗加熱素子と、その抵抗加熱素子に隣接するガラス基板とを加熱するが、さらなる実施形態では、熱素子は、例えば、誘導加熱素子、または、例えば、ガラスリボンのアニール温度よりも高い温度まで熱的に調整するのに十分な熱を生じさせる他の何らかの素子から成っていてもよい。いくつかの実施形態において、ガラス基板98は、例えば、非接触支持装置100下流の型(図示せず)内でガラス基板をプレスすることによって、そのガラス基板を所望の形状に成形するのに適した温度まで加熱することができる。
【0171】
いくつかの実施形態において、熱素子64は、冷却素子、例えば、中空の冷却素子を含んでもよく、この場合、冷却流体が、その冷却素子内の通路を通って流される。いくつかの実施形態において、熱素子64は、加熱素子および冷却素子の両方を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、冷却は、例えば、流体源と流体的に連通している一つ以上のノズルからのガスの噴射による冷却流体のガラス基板98への直接的衝突によって行なってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス基板は、熱素子の第一のセットによって加熱してもよく、上述したようなさらなる処理をその後に行なってもよい。その後、ガラス基板の冷却を、熱素子の第二のセットによって実行してもよい。
【0172】
本願明細書に記載されている上記装置および方法は、約10
6ポアズ以上から約10
10ポアズの範囲の粘性、例えば、約10
6ポアズから約10
9ポアズの範囲、約10
6ポアズから約10
8ポアズの範囲、約10
6ポアズから約10
7ポアズの範囲、約10
7ポアズから約10
10ポアズの範囲、約10
7ポアズから約10
9ポアズの範囲、約10
7ポアズから約10
8ポアズの範囲、約10
8ポアズから約10
10ポアズの範囲、約10
8ポアズから約10
9ポアズの範囲、または、約10
9ポアズから約10
10ポアズの範囲の粘性を経て出てくるガラス基板の非接触支持および/または搬送に用いることができる。非接触支持装置100によって支持されている間のガラス基板98の温度は、約600℃から約1100℃の範囲、例えば、約600℃から約700℃の範囲、例えば、約600℃から約800℃の範囲、例えば、約600℃から約850℃の範囲、例えば、約700℃以上の温度で、例えば、約700℃から約1100℃の範囲、約800℃から約1100℃の範囲、約900℃から約1100℃の範囲、または、約1000℃から約1100℃の範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、ガラス基板の温度は、ガラス基板が、その支持装置によって支持されている際の、そのガラス基板を含むガラスのアニール温度以上にすることができる。しかし以下の説明は、弾性特性以外を呈する(例えば、粘性または粘弾性特性を呈する)ガラス基板の支持および/または搬送に関連しているが、本願明細書に記載されている装置および方法は、10
10ポアズより大きい粘性、例えば、約10
10ポアズから約10
11ポアズの範囲、約10
10ポアズから約10
12ポアズの範囲、約10
10ポアズから約10
13ポアズの範囲、約10
10ポアズから約10
14ポアズの範囲、またはそれ以上の範囲の粘性を備えているガラス基板とともに用いてもよいことも理解すべきである。いくつかの実施形態において、ガラス基板98の温度は、約23℃から約600℃の範囲、例えば、約23℃から約100℃の範囲、約23℃から約200℃の範囲、約23℃から約300℃の範囲、約23℃から約400℃の範囲、または、約23℃から約500℃の範囲にすることができる。ガラス基板98は、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲、例えば、約0.2ミリメートルから約8ミリメートルの範囲、約0.3ミリメートルから約6ミリメートルの範囲、約0.3ミリメートルから約1ミリメートルの範囲、約0.3ミリメートルから約0.7ミリメートルの範囲、約0.3ミリメートルから約0.7ミリメートルの範囲、または、約0.3ミリメートルから約0.6ミリメートルの範囲の厚さを含んでもよい。本願明細書に記載されている装置および方法は、大きなガラス基板、例えば、搬送方向と直交する方向において、1メートル以上、例えば、約1メートルから約2メートルの範囲、例えば、約1メートルから約1.1メートルの範囲、約1メートルから約1.2メートルの範囲、約1メートルから約1.3メートルの範囲、約1メートルから約1.4メートルの範囲、約1メートルから約1.5メートルの範囲、約1メートルから約1.6メートルの範囲、約1メートルから約1.7メートルの範囲、約1メートルから約1.8メートルの範囲、または、約1メートルから約1.9メートルの範囲の幅Wg(
図5Aを参照)を有するガラスシートまたはガラスリボンを支持および搬送するのに特に有用であるが、さらなる実施形態では、ガラス基板98は、1メートル未満、例えば、約0.25メートルから1メートル未満の範囲、約0.25メートルから約0.75メートルの範囲、または、約0.25メートルから約0.5メートルの範囲の幅を備えていてもよい。
【0173】
図4は、ガラス基板98(例えば、ガラスシート62またはガラスリボン58)を支持および/または搬送する際に用いられる例示的な非接触支持装置100を示す。非接触支持装置100は、複数の接続側壁104と、底部壁106および上部壁108と、複数の側壁とを含む圧力ボックス102を備え、底部壁と上部壁は、圧縮ガスのソース(図示せず)、例えば、コンプレッサまたは貯蔵フラスコからの圧縮ガス112を受け入れるように構成された内部チャンバ110を画定している。複数の接続側壁104は、ガラス基板98を支持しおよび/または搬送するのに適した任意の形状で配置することができるが、典型的な構成は矩形であり、この場合、圧力ボックスは、四つの側壁104を備えている。圧縮ガス112は、例えば、その圧縮ガス源と圧力ボックス102との間に流体的連通をもたらしている供給パイプ114を介して、圧力ボックス102に供給することができる。圧力ガス112は空気であってもよいが、さらなる実施形態では、その圧力ガスは主に、限定するものではないが、窒素、ヘリウムおよび/またはアルゴンまたはこれらの混合物を含む他のガスまたはガスの混合物であってもよい。
【0174】
必要に応じて、制御弁116によって一般的に示すように、弁、ゲージまたは他の制御構成要素を設けてもよい。制御弁116または他の制御構成要素は、必要に応じて、例えば、入力に応答して制御信号を例えば制御弁116に供給するコントローラ118によって遠隔制御してもよい。その入力は、例えば、供給パイプ114内または圧力ボックス102内のガス圧力を感知する圧力ゲージ120によって生成することができる。そして、コントローラ118は、圧力ボックス102内の実際のガス圧力を設定された(所定の)ガス圧力と比較することができ、すると、圧力差が測定されて、適切な制御信号が適当な構成要素、例えば、制御弁116へ供給され、必要に応じて、その制御弁を開閉することにより、ガス圧力を増減させて設定圧力を維持する。
【0175】
側壁104および/または上部壁108は、そこを通して冷却流体を運ぶように構成された冷却通路122を備えることができる。例えば、冷却通路122は、それぞれの壁部または複数の壁部(例えば、壁部104、106、108)内に埋め込んでもよいが、さらなる実施形態では、その冷却通路は、それぞれの壁部の表面に接触していてもよい。圧力ボックスの壁部の冷却は、高温で搬送されているガラス基板からの熱への圧力ボックスの近接による、および/または熱素子が加熱素子である場合の熱素子64の加熱の影響によるその圧力ボックスの歪みを防止する際に特に有益である可能性がある。その冷却流体は水を含有していてもよく、さらに添加物、例えば、壁部104、106および108の腐食を防止するために、または、熱伝導および熱除去の能力を高めるために選択された添加物、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらの混合物を含んでいてもよいが、さらなる実施形態では、冷却流体中に水が存在していなくてもよい。例えば、冷却流体は、全体がエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらの混合物、または、圧力ボックスの壁部を冷却することが可能な他の流体であってもよい。いくつかの実施形態において、冷却流体は、ガス、例えば空気とすることができるが、さらなる実施形態では、圧縮ガスは主に、限定するものではないが、窒素、ヘリウムおよび/またはアルゴン、またはこれらの混合物を含む他のガスまたはガスの混合物であってもよい。壁部(例えば壁部104、106および108)は、Inconel718またはInconel625等のコバルト‐クロム合金またはニッケル合金から成る金属製にすることができる。いくつかの実施形態において、それらの壁部は、セラミック材料、例えば、アルミナまたはジルコニアから成っていてもよく、または、さらに他の実施形態では、グラファイトから成っていてもよい。壁部を構成する材料は、例えば、その材料の熱伝導性に基づいて選択することができ、および異なる材料から成る混合物を含んでもいてもよい。例えば、一つの壁部、例えば、上部壁108は、一つの材料から形成してもよいが、側壁104は、異なる材料から形成してもよい。
【0176】
非接触支持装置100は、圧力ボックス102の壁部、例えば、
図4に示すような上部壁108に結合された複数のガスベアリング140をさらに備えている。各ガスベアリング140は、圧力ボックス102の隣接する壁部、例えば、上部壁108を通って延びている一つ以上のポート147を介して圧力ボックス102と流体的に連通している。
図5Aおよび
図5Bに図示されているように、複数のガスベアリング140は、直線状の配列で配置することができ、すなわち、個々のガスベアリングから成る複数の列が、ガラス基板98の搬送方向142に直交する軸144に平行に延びているが、他の実施形態では、ガスベアリングは、他のパターンで配列してもよい。ガスベアリング140は、一つの列の隣接するガスベアリング間のギャップ146が、搬送方向において、隣接する列におけるギャップ146から軸144に平行な方向にオフセットされるように配列してもよい。すなわち、一つの列におけるギャップ146は、隣接する列における任意のギャップ146の直線状の連続部分ではない。したがって、これらのガスベアリングは、隣接する列を互い違いにすることができる。
【0177】
複数のガスベアリングの各ガスベアリング140は、ガラス基板98が、搬送方向142に沿って支持装置上を搬送される際に、ガラス基板98に隣接するように方向付けられた主面148を備えている。主面148は、実質的に平坦(平ら)な面とすることができるが、他の実施形態では、主面148は、湾曲面であってもよい。主面148は、搬送方向142に直交する平行エッジ149a、149bから成る第一のペアと、エッジの第一のペアと接続するエッジ149c、149dから成る第二のペアとを含む複数の周エッジによって画定され、エッジから成る第二のペアは、搬送方向142に対して角度αで配置され、および互いに相補的になっている。エッジの第一および第二のペアは、ガスベアリングのエッジ面と、主面148との交差を表している。エッジ面は、主面148に対して直交していてもよい。角度が付けられたエッジ149c、149dと、特に関連する角度が付けられたエッジ面は、例えば、ガラス基板98が、本願明細書に記載されている粘性の範囲内の粘性または粘弾性である場合に、ガラス基板98の搬送中の、そのガラス基板の表面の窪み、波紋または他の物理的な損傷を最小限にする、例えばなくすことができる。上記の説明に基づいて、(軸144に平行な)長さ方向における隣接するガスベアリング間の境界またはギャップは、例えば、約20度から約60度の範囲内、例えば、約30度から約50度の範囲内で、搬送方向142に対して角度αが付けられている。ガスベアリング140は、従来の機械加工方法によって製造してもよいが、さらなる実施形態では、ガスベアリング140は、3Dプリンティングにより、モノリシック体として形成してもよい。
【0178】
次に、
図6および
図7を見ると、ガスベアリングの本体154の内部に配置されたプレナム152を備える例示的なガスベアリング140が記載されており、プレナム152は、ガスベアリングの長さ方向と平行な方向に延びている細長い空洞を備えている。いくつかの実施形態において、一つのガスベアリングのプレナム152は、隣接するガスベアリングのプレナムと直接的に接続されておらず、およびチャンバ110を介していることを除いて、隣接するどのプレナムとも流体的に連通していない。いくつかの実施形態において、ガスベアリング140は、複数のプレナム152を備えることができ、この場合、複数のプレナムの各プレナムは、同じガスベアリング本体内で、隣接するプレナム152と直接的には流体的に連通していない。
【0179】
プレナム152は、圧縮ガス112を一つ以上のスロット150に配給する中間通路156を介して、一つ以上のスロット150と流体的に連通し、さらに、上部壁108を通って延びている通路147を介してチャンバ110と流体的に連通している。
図6および
図7の実施形態では、中間通路156は、プレナム152とスロット150との間のガスの流れを実質的に制限しないようなサイズで形成されている。本実施形態では、中間通路156は、二つの隣接する平行なスロット150の間に延び、およびそれらのスロットと流体的に連通して図示されている。図示されているように、中間通路156は、円筒形状から成っていてもよいが、他の実施形態では、中間通路156は、他の中空管状から成っていてもよい。中間通路156の中心の長手方向軸138は、主面148と平行であってもよいが、さらなる実施形態では、長手方向軸138は、主面148に対して他の角度に成っていてもよい。
【0180】
インピーダンスオリフィス158は、プレナム152と中間通路156との間に配置され、およびプレナムおよび中間通路の両方と流体的に連通し、およびプレナム152と中間通路156との間の圧縮ガスの流れを制限する。したがって、インピーダンスオリフィス158は、いくつかの実施形態では、プレナム152を中間通路156と直接的に接続してもよい。いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィス158は、プレナム152と中間通路156との間に延びている概して円筒形の穴とすることができるが、さらなる実施形態では、インピーダンスオリフィス158は、他の形状を有していてもよい。インピーダンスオリフィス158の長手方向軸170は、主面148に直角に位置合わせすることができるが、他の実施形態では、長手方向軸170は、主面148に対して他の角度で位置合わせしてもよい。インピーダンスオリフィス158は、そのインピーダンスオリフィスの両端の圧力低下が、ガラス基板98が非接触支持装置100によって支持されているときの主面148とガラス基板98との間の空間内の圧力の約50倍から100倍の範囲であるようなサイズで形成されている。例示的な実施例において、インピーダンスオリフィスは、10リットル/分(毎分0.35立方フィート)のガス流量の場合に、約15ミリバール(0.218psi)(約1.5kPa)の圧力低下を生じるような寸法にすることができる。単一のインピーダンスオリフィス158のみが図示されているが、ガスベアリング140は、複数の中間通路156とプレナム152との間に延びている複数のインピーダンスオリフィスを備えていてもよい。
【0181】
ガスベアリング140は、そのガスベアリングの長さL、例えば、ガスベアリングの全長Lに沿って延びている一つ以上のスロット150をさらに備えている。いくつかの実施形態において、一つ以上のスロット150の幅Wsは、それらのスロットの長さに沿って実質的に均一にすることができる。一つ以上のスロット150は、軸144と平行な方向および搬送方向142に直交する方向に延びていてもよい。
図6および
図7は、二つのスロット150を備えているガスベアリング140を示しているが、ガスベアリング140は、二つ以上のスロットを含んでいてもよい。
【0182】
スロット150は、ガスベアリング140の主面148で開口しており、開口部162は、ガスベアリングの長さに沿って延びている連続的なスロット状開口部であり、ガスは、その開口部によって、ガスベアリングの動作中に、そのガスベアリングから排出される。本開示の実施形態によれば、インピーダンスオリフィス158の出口開口160は、スロット150の開口部162から少なくとも約5ミリメートルの距離に離間させることができる。例えば、一点鎖線円で示す
図6の断面Aの拡大図である
図7を参照すると、インピーダンスオリフィス158の出口開口160は、少なくとも距離dだけ(主面148の平面における)スロット150の開口部162から離されており、この場合、距離dは、主面148におけるその開口部と、インピーダンスオリフィスの出口開口160との間の最短の流路である。いくつかの実施形態において、距離dは、約10ミリメートル以上、例えば、約10ミリメートルから約20ミリメートルの範囲内であるが、さらなる実施形態では、距離dは、20ミリメートルよりも大きくすることができる。スロット150の開口部162からのインピーダンスオリフィス158の出口開口160の間隔は、スロット150の長さに沿って実質的に均一なガスフローを維持するのを補助する。
【0183】
いくつかの実施形態において、ガスベアリングの所定の列内に端から端まで配列された隣接するガスベアリング間のギャップ146は、スロット150を通るガスフローが、スロット150と、隣接するガスベアリングのスロットとの間のギャップから実質的に漏出しない程度まで最小化することができる。すなわち、ガスは、一つのガスベアリングのスロットから、別のガスベアリングの隣接するスロットへ流れる可能性があり、それらのガスベアリングは、スロットの主面開口部を通るガスを除いて、相当量のガスがいずれかのスロットから漏出することなく、第一のガスベアリングのスロットが、端から端までの隣接するガスベアリングのスロットと位置合わせされるように配列されている。したがって、実際には、二つ以上の位置合わせされたスロットが、実質的に一つの連続するスロットとして実行する。いくつかの実施形態においては、隣接するガスベアリング間からのガス漏れを防ぐために、ギャップ146内にガスケットを用いてもよい。
【0184】
図8は、
図6および
図7に示すガスベアリング140と同様のガスベアリング240の別の実施形態の断面図であり、ガスベアリング240は、通路157を介してチャンバ110と流体的に連通しているプレナム252と、スロット250と流体的に連通している中間通路256とを含む本体254を備えている。
図8に図示されているように、通路を介在させることなく、中間通路256に直接的に接続することができる。また、
図8によって図示されているように、中間通路256の容積は、スロット250の容積よりも大きくすることができる。隣接する二つのスロット250が
図8に図示され、個々の中間通路256と流体的に連通している各スロット250は、平行な方向性で、ガスベアリングの長さ方向に延びている。したがって、一つのスロット250ごとに一つの中間通路の割合で、二つの中間通路256が図示されている。しかし、複数のスロット250を個別の中間通路256に接続できることを理解すべきである。また、図示されているように、中間通路256は、間に延び、および中間通路256をプレナム252に接続しているインピーダンスオリフィス258を介してプレナム252と流体的に連通している。ガスベアリング240は、プレナム152と中間通路256との間に延びている複数のインピーダンスオリフィス258を、または、ガスベアリング140の長さに沿った複数のインピーダンスオリフィス256を備えていてもよい。
図8の実施形態では、インピーダンスオリフィス258は、いくつかの実施例では、主面248と平行であってもよい、中心の長手方向軸270を含む概して円筒形の穴として図示されているが、他の実施形態では、インピーダンスオリフィスは、他の形状を有していてもよく、また、中心の長手方向軸270は、主面248と平行である必要はない。
【0185】
インピーダンスオリフィス258は、プレナム252と中間通路256との間の圧縮ガスの流れを制限する。いくつかの実施形態において、プレナム252は、隣接するガスベアリングのプレナムと直接的には接続されておらず、およびチャンバ110を通るガスを除いて、隣接するプレナムと流体的に連通していなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、各ガスベアリングは、複数のプレナム252を備えていてもよく、この場合、複数のプレナムの各プレナムは、チャンバ110を通るガスを除いて、隣接するプレナム252と直接、流体的に連通していない。インピーダンスオリフィス258は、インピーダンスオリフィス258にわたる圧力低下が、ガラス基板98が非接触支持装置100によって支持されているときの、主面248とガラス基板98との間の空間内の圧力の約50から100倍の範囲になるようなサイズで形成されている。
【0186】
スロット250は、ガスベアリング240の主面248で開口しており、その開口部は、ガスベアリングの長さに沿って延びている連続的なスロット状の開口部である。本開示の実施形態によれば、インピーダンスオリフィス258の出口開口は、スロット250の主面の開口部から少なくとも約5ミリメートルの距離だけ離間させることができる。例えば、インピーダンスオリフィス258の出口開口は、少なくとも距離dだけ、(主面248の平面における)スロット250の出口開口から離されており、この場合、距離dは、主面248と、インピーダンスオリフィス258の出口開口との間の最短の流路である。いくつかの実施形態において、距離dは、約10ミリメートル以上、例えば、約10ミリメートルから約20ミリメートルの範囲内であるが、さらなる実施形態では、距離dは、20ミリメートルよりも大きくすることができる。
【0187】
本願明細書に記載されている非接触支持装置は、ガラス基板、特に、そのガラス基板のアニール温度以上の温度でのガラス基板の支持および/または搬送にとって有益であるが、その非接触支持装置は、他の材料、例えば、限定するものではないが、ポリマー材料、金属材料、ガラスセラミック材料およびセラミック材料から成る他の基板を支持および/または搬送するのに有用である可能性があることに留意すべきである。
【0188】
本開示によれば、ガラス基板98を支持する方法が開示されている。その方法は、上述されているような非接触支持装置100の上で、ガラス基板98を搬送方向に搬送することを含むことができる。非接触支持装置100は、圧縮ガス源と流体的に連通しているチャンバ110を取り囲んでいる圧力ボックス102、例えば、コンプレッサまたは圧縮ガスフラスコまたはシリンダを備えている。圧力ボックス102は、その圧力ボックス上に配置され、およびガラス基板98の搬送方向118に直交して延びている複数の列状に配列された複数のガスベアリング140をさらに含む。複数のガスベアリングの各ガスベアリング140は、チャンバ110と流体的に連通しているプレナム152を備え、およびそのガスベアリングの長さ方向に延びている。ガスベアリングは、プレナム152と中間通路156との間のガスの流れを制限するようなサイズで形成されたインピーダンスオリフィス158を介してプレナム152と流体的に連通している中間通路156と、中間通路156と流体的に連通し、およびそのガスベアリングの長さに沿って延びているスロット150とをさらに備え、そのスロットは、圧縮ガスから成る層の上でガラス基板98を支持するために、ガスベアリングの主面148で開口し、およびそこからガスを排出するように構成されている。そのスロットの幅Wsは、スロットの長さに沿って均一にすることができる。
【0189】
上記方法は、ガスをスロット150から、そのスロットの長さに沿って排出し、それによって、ガスベアリング140の主面148から離間した位置でガラス基板98を支持することをさらに含む。いくつかの実施形態において、インピーダンスオリフィス158を介した圧力低下は、ガスベアリング140とガラス基板98との間のガス圧力の50倍以上、例えば、ガスベアリングとガラス基板との間のガス圧力の約50から約100倍の範囲内である。
【0190】
上記方法は、ガラス基板が上記支持装置の上で搬送される際に、そのガラス基板のアニール温度以上の温度までガラス基板98を加熱することをさらに含んでもよい。ガラス基板の幅Wgは、少なくとも1メートルであり、また、そのガラス基板の主面の最大変動は、そのガラス基板が、その非接触支持装置100の上で搬送された後の基準面に対して、100マイクロメートルを超えない。その基準面は、例えば、そのガラス基板の面であってもよい。
【0191】
いくつかの実施形態において、ガラス基板はガラスリボンであり、上記方法は、そのガラスリボンを上記支持装置で支持する前に、ガラスリボンを成形体から引張加工することをさらに含む。いくつかの実施形態において、その方法は、そのガラス基板をその支持装置で支持する前に、そのガラスリボンの向きを第一の方向から、第一の方向とは異なる第二の方向に変えることをさらに含んでもよい。
【0192】
いくつかの実施形態において、ガラス基板の縁部に隣接して配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力は、そのガラス基板の中央部分の下に配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力よりも大きくすることができるが、他の実施形態では、上記基準面は、主面148とすることができる。
【0193】
いくつかの実施形態において、ガラス基板の縁部に隣接して配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力は、そのガラス基板の中央部分の下に配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力よりも大きくすることができる。例えば、第二のおよび/または第三の複数のガスベアリングを、ガラス基板98の縁部がその上で搬送される、圧力ボックス102の部分に沿って配列してもよい。第二のおよび/または第三の複数のガスベアリングのガスベアリングは、上記支持装置のエッジの近傍で発生する可能性のある何らかのガス圧力の低下を補正するために、インピーダンスオリフィスが、ガラス基板の中央部分の搬送経路に沿って配列されるように異なるサイズで形成されたそれらのインピーダンスオリフィスを有することができる。
【0194】
ガラスシートは、通常、溶融ガラスを成形体へ流すことによって製造され、それにより、ガラスリボンは、フロート、ダウンドロー(例えば、スロットドローおよびフュージョンドロー)、アップドロー、または、他の何らかの成形プロセスを含む幅広いリボン成形プロセスによって形成することができる。これは、例えば、米国特許第20150099618号明細書に記載されている圧延プロセスによって行うことができる。
個別化されたガスベアリング
ガラスに触れることなく、高温ガラスから成るリボンを、その柔らかくなった状態で加工できることは、多くの状況、例えば、ガラスリボンの向きを本質的に垂直の方向から、本質的に水平の方向に変える場合、ガラスを、粘性状態のままで、水平方向に動かすかまたは搬送する場合、接触を避けながら、ガラスを重力によってスランピングする場合、または、ガラスの流れから溶融ガラスの塊を蓄積する場合に興味深いことである。
【0195】
そして、これらのプロセスのいずれかによるガラスリボンは、その後、限定するものではないが、ディスプレイ用途を含む所望の用途へのさらなる加工に適した一つ以上のガラスシートに分けることができる。例えば、一つ以上のガラスシートは、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等を含むさまざまなディスプレイ用途に用いることができる。強化されたガラスシート、例えば、イオン交換プロセスを受けたガラスシート、または、熱強化ガラスシートは、いくつかのディスプレイ用途において、カバーガラスとして使用することができる。ガラスシートは、一つの場所から別の場所へ運搬することができる。ガラスシートは、ガラスシートから成るスタックを定位置に固定するように設計された従来の支持フレームによって運搬することができる。さらに、隣接するガラスシート間の接触を避けるのを補助するために、すなわち、ガラスシートの元の状態の表面を保護するのを補助するために、各隣接するガラスシートの間に挿入材を配置することができる。
【0196】
ガスベアリング技術は公知である。しかし、公知の技術には、限定するものではないが、一体化した熱制御、微細なガス送給ピッチ、および高い動作温度能力を含む、本願明細書に記載されている一つ以上の特徴がない。
【0197】
いくつかの実施形態において、そのガスベアリングは、個別化された排気口を備え、高温(例えば、最高で800℃から1000℃)で作動することが可能であり、および一体化した熱制御システム(例えば、冷却流体用の通路)を備えている。個別化された排気口は、小ピッチのパターン(例えば、平方メートル当たり少なくとも8,000の排気口)を備えている。内部ガス回路は、支持すべき、移動させるべき、または、向きを変えるべきガラスによって生じる圧力よりも著しく高い背圧を生成する小さな流路を形成する。
【0198】
その内部ガス回路は、例えば、冷却流体の通路のための内部流路、環境との熱交換の増加のための一体化フィンシステム、および挿入電気ヒータの通路を介して、その装置の温度範囲を制御する能力をもたらす。
【0199】
いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置は、3Dプリンティング法、または、(例えば、ロストワックス技術を用いた)インベストメント鋳造によって製造することができる。
【0200】
いくつかの実施形態の一つの利点は、細かく個別化したガスベアリング供給は、柔らかくなった材料、例えば、高温ガラスを支持することができるということである。大雑把に個別化したガスベアリングは、柔らかくなった材料のための適切な支持をもたらさない。また、そのガスベアリングは、そのベアリングへの圧力と、ガス膜中の圧力との所望の比を与える。
【0201】
柔らかくなったガラスに接触するガスベアリングと比較して、本願明細書に記載されているいくつかの実施形態は、その接触と関連する損傷または表面欠陥がないこと、ガラスの成形性を拡張することができる、ガラスと設備との間の熱伝達の著しい低減、および支持体と溶融ガラスとの間に摩擦がないこと等の利点をもたらす。
【0202】
ガスベアリングは、
図17に図示されているように、ガラスリボンの向きを垂直から水平に変えるのに用いることができる。ガスベアリング装置は、そのガラスとの何らかの接触を避けながら、その向きの変更中に、そのリボンの形状を画定する。このことは、ガラス表面への摩擦または損傷を確実になくす。
【0203】
図18に示すように、そのガスベアリング装置は、そのガスベアリングとガラスとの間に接触を伴うことなく、実質的に水平な面で、ガラスを搬送または支持することもできる。いくつかの実施形態において、柔らかくなったガラスリボンは、成形領域からロール搬送領域へ搬送されている間、実質的に水平な面上で支持されている。
【0204】
図19Aおよび
図19Bに示すように、ガスベアリング装置は、アキュムレータであってもよい。そのアキュムレータは、二つ以上の部材で形成することができ、この場合、ガラスは、そのアキュムレータとガラスとの間の接触を伴うことなく蓄積される。これらの二つ以上の部材は、所望の容積のガラスが蓄積されたときに分けてもよく、また、そのガラスの容積は、直接、モールド上に落下し、そこでそのガラスをさらに成形または加工することができる。そのガスベアリングは、溶融ガラスを熱制御された状態で予め整形するために、その溶融ガラスの流れを受け入れて蓄積するのに用いてもよい。このことは、この作業中のそのガラスの過剰な冷却を避けることができる。
【0205】
図20Aおよび
図20Bに示すように、そのガスベアリング装置は、ガラスが重力で垂れ下がる際に、そのガラスを支持することも可能である。このことは、モールドに接触することなく、ガラスシートの変形を可能にする。この構成では、ガラスは、まず、そのガスベアリング装置の上に装填され、その後、ガスベアリング装置は、そのガラスが垂れ下がる際に、そのガスベアリング装置と接触することなくそのガラスを支持する。
【0206】
図20は、一つのシートの湾曲したシートへの非接触変形を図示しているが、他の形状、例えば、チューブおよびより複雑な形状等にも同様に変形させることができる。
【0207】
上記ガスベアリング装置は、ガス通路も有していてもよい。また、ガスベアリング装置は、一体化した水冷回路を有していてもよい。そのガスベアリング装置は、
図23に示すようなピッチで配分された排気口を備えている。これらの排気口には、ガスが供給される。供給されたガスは、調量パイプを通って流れる。また、各調量パイプも同様に、少なくとも一つの排気口に供給する。特定の実施形態において、各調量パイプは、4つの排気口に供給し、排気口間のピッチは3mmである。例えば、
図23に示すように、各調量パイプ2152は、4つの排気口2151に供給し、各排気口間のピッチ2170は、3mmである。
【0208】
上記ガスベアリング装置は、排気口に加えて、
図31から
図34に示すように、支持面上に配置されたベント口を有していてもよい。これらのベント口は、ガスがガス膜から漏出することを可能にするポートのアレイを形成している。このことは、かなりのサイズから成る物品を支持する場合に興味を引く可能性があり、そのことは、ガスを供給する排気口のみが存在して、ベント口が存在していない場合に、「気泡効果」につながる可能性がある。
【0209】
本願明細書に開示されている実施形態は、以下のことによって特徴付けられる、どの面とも接触せずに、柔らかいまたは溶融したガラスを支持することができる装置を含んでいる。
【0210】
すなわち、上記ガスベアリングは、例えば、
図24に示すように、ガスがそこを通って供給される、細かく個別化した排気口から成るアレイを有することができる。これらの排気口は、円形の流路とすることができるが、円形流路からのかなりの流出も可能である。特定の態様は、ガスのための、断面がより小さな調量パイプが、そのガスが排気口に到達する前に設けられているということである。その調量パイプは、円形パイプとすることができるが、円形からのかなりの流出も可能である。いくつかの実施形態において、調量パイプは、スロットでもよい。調量パイプは、一つの単一の排気口に供給してもよいが、一つの調量パイプから、いくつかの排気口にガスフローを配分することが好適である。
【0211】
いくつかの実施形態において、ガスベアリングは、支持されている材料(例えば、ガラスリボン、ガラスシート)が印加する圧力に無関係に、ガスフローをガス膜に供給する。このことは、ガスベアリングのガス流入口に供給される圧力が、支持されている材料によって印加される圧力よりも著しく大きいことを必要とする。調量パイプは、対応する圧力低下を生じさせる。
【0212】
ベアリングのパフォーマンスの指数は、
【0213】
【0214】
のように定義される。ただし、Xは、調量パイプ間の平均間隔であり、または、X2は、メートルで表される、非正方形配分の場合の調量パイプに相当する面積であり、Zは、Pa.s/m3で表される、一つの調量パイプのガス回路のインピーダンスであり、μは、Pa.sで表されるベアリングガスの動的粘性である。その指数値は、調量パイプ間の平均間隔(X)と、一つの調量パイプのガス回路のインピーダンス(Z)の両方に直接的に比例している。その指数値は、動的粘性(μ)に逆比例している。したがって、その指数値は、Xが増加し、Zが増加し、または、μが減少するにつれて増加する。より大きな数値を有する指数は、単位がm-1であっても、より小さな数値を有する指数よりも「大きい」と考えられる。いくつかの実施形態において、2.5×106m-1より大きい指数値は許容可能である。好適な実施形態において、指数値は、5×106m-1より大きい。いくつかの実施形態において、ベント口のインピーダンスは、調量パイプのインピーダンスよりも小さい。
【0215】
いくつかの実施形態において、熱的流体の循環に用いられる独立した流路または冷却回路。その熱的流体は、冷却効果を得るためのガスまたは液体、または、熱エネルギを部材に与える予め加熱された流体とすることができる。また、電気加熱素子の挿入用の通路を用いてもよい。
【0216】
また、ガラスに接触することなく、溶融ガラスの流れを動かし、再配置し、または支持することも有用である可能性がある。細かく個別化されていないか、または、大雑把に個別化されたガスベアリング装置は、固い本体に対して適切な支持をもたらす可能性があるが、大雑把に個別化されたガスベアリングは、柔らかくなった本体、例えば、柔らかくなったガラスに対して適切な支持をもたらさない。このガスベアリング装置は、ガスを供給して薄いガス膜を生じさせる、細かく個別化した排気口を備えている。そのガスベアリング装置は、柔らかくなった本体に対して適切な支持も実行しながら、その装置とガラスとの間に接触を伴うことなく、そのガラスを動かし、再配置し、または支持するように構成することができる。また、そのガスベアリング装置は、一体化した熱制御システムも備えている。ガス膜は、接触による、ガラスの表面への損傷または表面欠陥を引き起こすことなく、ガラスを高温で処理することを可能にする。また、ガス膜は、ガラスからの熱伝達を低減し、そのことは、ガラスを形成することができる時間を延ばすことができる。さらに、ガス膜支持とガラスとの間に摩擦はない。
【0217】
図9に示すように、いくつかの実施形態において、ガラス製造装置10は、下流ガラス製造装置30、例えば、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウンドロー装置、アップドロー装置、プレス圧延装置、または、他のガラスリボン製造装置(以下でさらに詳細に説明する)によってガラスリボン903を形成する。
図9は、ガラス送給ユニット940の利用により、後にガラスリボンに加工するためにガラスリボン903を引張加工する例示的な下流ガラス製造装置を概略的に示す。
【0218】
下流ガラス製造装置30は、送出槽40および出口導管44をさらに含むことができる。送出槽40は、ガラス送給ユニット940に送り込まれる溶融ガラスを調整することができる。
【0219】
さらに図示されているように、出口導管44は、下流ガラス製造装置30のガラス送給ユニット940に溶融ガラス28を送り出すように配置することができる。以下で、より十分に説明するように、ガラス送給ユニット940は、溶融ガラス28を成形槽943の底945から引き出してガラスリボン28にすることができる。図示されている実施形態では、成形槽943には、送出槽40の出口導管44から溶融ガラス28を受け入れるように方向付けられた流入口941を設けることができる。
【0220】
ガラス送給ユニット940は、所望のサイズから成るガラスリボン903を送り出すように拡張可能にすることができる。いくつかの実施形態において、ガラスリボン903は、50mmから1.5メートル(m)の幅を有することができる。いくつかの実施形態において、ガラスリボン903は、50mmから500mmの幅を有することができる。ガラスリボン903は、150mmから300mmの幅を有することができる。いくつかの実施形態において、ガラスリボン903の幅は、20mmから4,000mm、例えば、50mmから4,000mmに、例えば、100mmから4,000mmに、例えば、500mmから4,000mmに、例えば、1,000mmから4,000mmに、例えば、2,000mmから4,000mmに、例えば、3,000mmから4,000mmに、例えば、20mmから3,000mmに、例えば、50mmから3,000mmに、例えば、100mmから3,000mmに、例えば、500mmから3,000mmに、例えば、1,000mmから3,000mmに、例えば、2,000mmから3,000mmに、例えば、2,000mmから2,500mmに、およびすべての範囲およびそれらの範囲の間のサブレンジとすることができる。
【0221】
下流ガラス製造装置30は、送給後ガラス成形装置950をさらに含むことができる。送給後ガラス成形装置950は、ガラス送給ユニット940によって送り込まれた溶融ガラスの流れを受け入れて、その溶融ガラスの流れからガラスリボンおよび/またはガラスシートを製造することができる。いくつかの実施形態において、例示的な送給後ガラス成形装置950は、以下において、
図10から
図14に詳細に記載されている。
【0222】
かなり低い粘性で不透明になるガラス組成物から初期状態のガラスシートを成形することは困難である。従来のフュージョンドロープロセスまたはスロットドロープロセスのいずれかにおいては、その限界は、これらの垂直プロセスでは、その送出ポイントで粘性を低下させることが、そのシートを引き出す際に発生する粘性力の低下につながるという事に関連している。いくつかの実施形態において、その送出ポイントは、溶融ガラスの流れが、自由落下する前に、固い面に触れる最後の場所、例えば、フュージョンプロセスの場合の成形体の底、または、スロットドロープロセスにおけるスロットの先端である。この引出し力は、そのシートの重量よりも小さくなる可能性がある。そして、そのシートは、もはや張力がかかっておらず、「バギーワープ(baggy warp)」として知られている平面的な運動から解放される。
【0223】
いくつかの実施形態において、本願明細書に記載されているガラス成形装置および方法は、薄いガラスシートを、かなり低い粘性で不透明になるガラス組成物、例えば、25,000ポアズ未満、例えば、10,000ポアズ未満、または、500ポアズから5,000ポアズの液相粘性を有するガラスから形成できるようにし、このことは、従来のフュージョンドロープロセスまたはスロットドロープロセスによって実現することは非常に困難である。さらに、そのプロセスは、大規模なフロートラインに関する巨額の資本支出を要することなく、中程度の規模で設定することができる。
【0224】
追加的な新規の特徴は、以下の説明にある程度記載されており、また、以下のことおよび添付図面を調べてみれば、当業者にはある程度明らかになるであろうし、または、実施例の製造または動作によって習得することができる。本開示の新規な特徴は、以下で説明する詳細な実施例に記載されている方法論、手段および組合せのさまざまな態様の実行または利用によって実感および取得することができる。
【0225】
図10は、例示的なガラス成形装置1000の概略図である。ガラス成形装置1000は、
図9に示すガラス送給ユニット940および送給後ガラス成形装置950を含むことができる。ガラス送給ユニット940は、溶融ガラスの流れ1002を第一の方向に、例えば、垂直方向に供給することができる。送給後ガラス成形装置950は、溶融ガラスの流れ1002を第一の方向で受け入れて、それを第二の方向、例えば、水平方向に案内することができる。いくつかの実施形態において、送給後ガラス成形装置950は、溶融ガラスの流れ1002の向きを変える間に、その溶融ガラスの温度を急速に低下させて、第二の方向において溶融ガラスの流れ1002からガラスリボンを引き出すことができる。この実施形態では、送給後ガラス成形装置950は、ガスベアリングユニット1010と、対流冷却システム1020と、熱シールド1030と、支持ユニット1040とを含んでいる。
【0226】
ガラス送給ユニット940は、成形槽であってもよい。特定の例示的な実施形態では、ガラス送給ユニット940は、フュージョンダウンドロー装置における成形体であってもよい。特定の例示的な実施形態において、ガラス送給ユニット940は、スロットドロー装置におけるスロットオリフィスユニットであってもよい。「オリフィス」という用語は、本願明細書中で用いる場合、流体フローを送るように構成されているガラス送給ユニット940のある部分における開口部を指す。オリフィスは、一つの開口、または、支持部によって離間された複数の開口を含むことができる。ガラス送給ユニット940は、溶融ガラスの流れ1002を供給することができる他の任意のタイプのガラス成形槽、例えば、フィッシュテールユニットであってもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態において、フィッシュテールは、スロット出口からの溶融ガラスの流れの送出を可能にする装置である。そのフィッシュテールは、流入管に接続することができ、そして、溶融ガラスの流れを配分して、この初期の管形状から、スロットから出ていく直線状の流れにする。
【0227】
ガラス送給ユニット940は、材料変形、すなわち、高温および高圧でのクリープに対して耐性がある材料で構成することができる。例えば、ガラス送給ユニット940は、溶融ガラスを、1,400セルシウス度(℃)から1,700℃の温度で送出するための材料で構成することができる。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、高温の溶融ガラスを送出する場合に、ガラス送給ユニット940を高温および高圧に適合できるようにするために、プラチナ、例えば、白金ロジウム(PtRh)合金で構成することができる。例えば、いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、少なくとも80%の白金と、最高で20重量%のロジウム、例えば、80/20PtRh合金で構成することができる。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、少なくとも90%の白金と、最高で10重量%のロジウム、例えば、90/10PtRh合金で構成することができる。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、本質的に純白金で形成することができる。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、ジルコンをドープした材質とすることができる。ガラス送給ユニット940は、溶融ガラスの流れ1002がその中で、あるガラスフロー密度で供給される出力経路を有していてもよい。ガラスフロー密度は、ガラス送給ユニット940の出口の幅に依存して変化する可能性がある。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、ガラスの連続的な流れをガスベアリング装置へ供給するように構成されている。いくつかの実施形態において、ガラスは、ガラス送給ユニットによって供給されたときに溶融される。
【0228】
いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940を通って流れる溶融ガラスの粘性は、25,000ポアズ未満、例えば、50ポアズから10,000ポアズである。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940を通って流れる溶融ガラスの粘性は、500ポアズから5,000ポアズである。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940を通って流れる溶融ガラスの粘性は、以下のうちの一つ以上、すなわち、溶融ガラス供給のフロー距離および圧力、溶融ガラス供給の温度、オリフィスの幅、およびオリフィスの開口距離のうちの一つ以上を調節することによって制御することができる。
【0229】
ガラス送給ユニット940内のある位置における、溶融ガラスの流れ1002の粘性は、その位置における、ガラス送給ユニット940の温度に基づいて判断することができる。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、一つ以上の位置において、溶融ガラスの粘性を判断するために、ガラス送給ユニット940に沿ったそれらの位置における温度を測定するための温度センサ(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態において、ガラス送給ユニット940は、ガラスがそこで不透明になる、溶融ガラスの流れ1002のコールドスポットを防ぐために、ガラス送給ユニット940の下方部分に対して能動的加熱を実行できるヒータ(図示せず)を含んでいてもよい。例えば、成形体の底、または、スロットオリフィスの底部は、ガラス送給ユニット940の形態と、良好な断熱機構を組み込むことができないこととにより、溶融ガラスの流れ1002の送出にとって望ましい温度よりも著しく冷める傾向がある。そのヒータは、溶融ガラスの流れ1002が送給後ガラス成形装置950へ送出される前に、その溶融ガラスの流れの局所的冷却を減らす、例えば、阻止することができる。そのヒータは、例えば、ガラス送給ユニット940の貴金属体を介した直接電気加熱、または、誘導加熱を実行してもよい。いくつかの実施形態において、そのヒータは、熱シールド1030を通過する前に、これらの値のいずれかが下限に接する任意の範囲、または、これらの値のうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲において、溶融ガラスの流れ1002の温度が、500℃より下に、例えば、600℃より下に、700℃より下に、800℃より下に、900℃より下に、1000℃より下に、1100℃より下に、1200℃より下に、1300℃より下に、1400℃より下に、1500℃より下に、または、1600℃、1700℃、1800℃、1900℃、2000℃より下に低下することを防ぐことができる。例えば、そのヒータは、溶融ガラスの流れ1002の温度を、ソーダ石灰ガラスの場合、600℃から850℃まで、または、固いガラスまたはガラスセラミック前駆体ガラスの場合、800℃から1100℃まで上昇させることができる。いくつかの実施形態において、そのヒータは、溶融ガラスの流れ1002の粘性を制御するために、ガラス送給ユニット940から出ていく溶融ガラスの流れ1002の温度を制御することもできる。したがって、そのヒータは、ガラス送給ユニット940上での不透明化を避けるのに十分な低さに、溶融ガラスの流れ1002の粘性を保持することに寄与することができる。ガスベアリングユニット1010は、ガラス送給ユニット940の下に、およびガラス送給ユニット940の出力経路の近傍に配置することができる。ガスベアリングユニット1010は、ガスの薄膜を用いて、面間の低摩擦境界を形成する何らかのベアリングとすることができる。ガスベアリングユニット1010は、ガスベアリングユニット1010と、溶融ガラスの流れ1002との間に物理的接触を伴うことなく、溶融ガラスの流れ1002の向きを変える。ガスベアリングユニット1010は、ガスベアリングユニット1010と、溶融ガラスの流れ1002との間の「ベアリングゾーン」内でガス膜を発生させることにより、接触することなく、この向きの変更を遂行する。
【0230】
ガスベアリングユニット1010は、ガスがそこから供給されてガス膜が生成される複数の出口スロットを含んでいてもよい。ガスベアリングユニット1010によって供給されるガスは、溶融ガラスの流れ1002の第一の主面1003上にガス膜(ベアリングゾーン)を形成することができる。いくつかの実施形態において、ガスベアリングユニット1010によって供給することができるガスは、空気、および不活性ガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等を含む。
図11および
図12に示すように、出口スロット1016は、結果として生じるベアリングゾーンが、溶融ガラスの流れ1002の第一の主面1003の凹面形状に一致するように、ガスベアリングユニット1010のガラスに対向する凸状側部に配置されている。そのベアリングゾーンは、溶融ガラスの流れ1002の向きを垂直から水平に強制的に変える。いくつかの実施形態において、ガスベアリング1010は、多孔質材料、例えば、グラファイト、ステンレススチールまたはセラミックで構成することができる。いくつかの実施形態において、ガスベアリングユニット1010は、個別のガス送給部によって形成してもよい。例えば、ガスベアリングユニット1010によってベアリングゾーンに供給されるガスは、ガス通路に対してインピーダンスを導入する複数の制限通路1014を含む。これらの制限部は、このガスの漏出が、漏出ルートに沿って実質的に均一になるようにガスがそこから漏出する出口スロット1016から十分に離して配置することができる。
【0231】
ガスベアリングユニット1010は、溶融ガラスの流れ1002の方向を、溶融ガラスの流れ1002に接触することなく、第一の方向から第二の方向に変えるように構成することができる。いくつかの実施形態において、第二の方向は、水平方向とすることができる。いくつかの実施形態において、ガスベアリングユニット1010は、溶融ガラスの流れ1002の方向を出力経路から変えるために、ガラス送給ユニット940のその出力経路に十分に近接している。いくつかの実施形態において、ガスベアリングユニット1010は、溶融ガラスの流れ1002の方向を短い距離にわたって、水平方向に変えることができるように、これらの値のいずれかが上限に接する任意の範囲、または、これらの値のうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲において、8センチメートル(cm)以下、例えば、1cm、2cm、3cm、5cm、6cm、7cm、8cmの半径を有していてもよい。例えば、ガスベアリングユニット1010は、高さ約5cmにわたって、溶融ガラスの流れ1002の方向を垂直から水平に変えることができるように、5cmの半径を有していてもよい。
【0232】
いくつかの実施形態において、ガスベアリングユニット1010は、一つ以上の流体冷却剤流路1012を含んでいてもよい。流体冷却剤流路1012は、ガスベアリングユニット1010によって供給されるガスを冷却することができる。その結果として、ガスベアリングユニット1010によって形成されるベアリングゾーンの温度を、溶融ガラスの流れ1002を冷却するように、周囲温度よりも低くすることができ、かつ溶融ガラスの流れ1002の温度よりも著しく低くすることができる。任意の適当な流体冷却剤、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、またはベタインを、流体冷却剤流路1012内で用いることができる。
【0233】
いくつかの実施形態において、対流冷却システム1020は、ガラス送給ユニット940の下に、およびガスベアリングユニット1010に対向する、溶融ガラスの流れ1002の他方の側に配置することができる。以下で詳細に説明するように、対流冷却システム1020は、ガスベアリングユニット1010に向かって方向付けられた一つ以上のノズル1024を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ノズル1024は、溶融ガラスの流れ1002を強制的にガスベアリングユニット1010に向けるガスを噴出するように構成することができる。この実施形態では、ノズル1024は、凹状を有する第一の主面1003の反対側の溶融ガラスの流れ1002の第二の主面1004の凸状に合うように、対流冷却システム1020の凹状側に配置することができる。ノズル1024によって噴出されたガスは、強制的な対流を第二の主面1004に印加して、溶融ガラスの流れ1002の温度を低下させる。また、他方においては、溶融ガラスの流れ1002の第一の主面1003と、ガスベアリングユニット1010との間のベアリングゾーンが縮小するように、ガスは、溶融ガラスの流れ1002を押して、ガスベアリングユニット1010に接近させ、それにより、溶融ガラスの流れ1002の第一の主面1003に対する冷却をさらに増強する。いくつかの実施形態において、対流冷却システム1020の幅は、溶融ガラスの流れ1002の幅により調節可能である。
【0234】
いくつかの実施形態においては、
図11および
図12に示すように、対流冷却システム1020は、ガスチャンバ1022と、ガスチャンバ1022と流体的に連通している複数のノズル1024とを含んでいる。ガスチャンバ1022は、共通の圧力下でガスを格納し、各ノズル1024は、ガスチャンバ1022からのガスを噴出するように構成されている。いくつかの実施形態において、各ノズル1024は、ガスチャンバ1022に接続された先端部1026と、ガス流出先端部1026の流量を制御するように先端部1026に関して移動可能なレギュレータ1028とを含んでいる。その流量は、1ノルマル立方メートル毎時(Nm
3/h)から20Nm
3/hのガス、例えば、2Nm
3/hから10Nm
3/hのガスとすることができる。各レギュレータ1028は、ガスチャンバ1022からのガス流入先端部1026の容積を制御するために、それぞれの先端部1026に向かう方向または先端部から離れる方向に移動することができる。例えば、レギュレータ1028が、対応する先端部1026に近付いて移動する際、ガス流出先端部1026の流量は、レギュレータ1028が、ガスチャンバ1022から先端部1026へ流入するガスを完全に遮断するまで減少する。いくつかの実施形態において、各レギュレータ1028は、各ノズル1024の流量が変化することができるように個別に制御してもよい。いくつかの実施形態において、各ノズル1024は、連続的にガスを供給する。複数のノズル1024は、あるパターンで、例えば、
図12に示すようなアレイ状に配列してもよい。他の実施形態では、複数のノズル1024のパターンが変わってもよいことを理解されたい。特定のパターンの複数のノズル1024を構成することにより、および/または各個別のノズル1024の流量を調節することにより、さまざまなガス噴出パターンを実現することができ、そのことが、溶融ガラスの流れ1002の形状および/またはサイズに影響を与えることができる。
【0235】
いくつかの実施形態において、熱シールド1030は、ガラス送給ユニット940とガスベアリングユニット1010との間に配置することができる。上述したように、熱シールド1030の上でガラス送給ユニット940に近接する領域は加熱されるが、熱シールド1030の下でガスベアリングユニット1010および対流冷却システム1020に近接する領域は冷却される。したがって、熱シールド1030は、加熱された上方領域と、冷却された下方領域との間の熱交換を低減することができ、その結果、冷却された下方領域における溶融ガラスの流れ1002の温度はさらに低下する。
【0236】
この実施形態では、ガラス成形装置1000は、三つの熱管理装置、すなわち、ガスベアリングユニット1010内の流体冷却剤流路1012と、対流冷却システム1020と、熱シールド1030とを含むことができる。いくつかの実施形態において、ガラス成形装置は、上述した三つの熱管理装置のうちの一つだけまたは二つだけを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ガラス成形装置は、ガスベアリング210内の流体冷却剤流路1012と、対流冷却システム1020とを含んでもよい。
【0237】
いずれの場合でも、熱管理装置は、溶融ガラスの流れ1002の方向が変えられる間にガラス送給ユニット940から出ていく溶融ガラスの流れ1002に対して急速な冷却をもたらすことができる。例えば、上述した一つ以上の熱管理装置を、溶融ガラスの流れ1002の向きが第二の方向に変えられているのと同時に、溶融ガラスの流れ1002の少なくとも一方の側に適用して、少なくとも50mmの距離にわたって、少なくとも150W/m2‐Kの熱伝達係数で熱抽出を実現することができる。その結果として、溶融ガラスの流れ1002は、ガラスリボンを溶融ガラスの流れ1002から引き出すことができるように水平方向に向きを変えられた後に、十分に高い粘性に急速に達することができる。熱伝達係数(heat transfer coefficient:HTC)は、熱抽出の大きさを示し、以下のように定義される。
Q=HTC×(T-Tamb)
ただし、Qは、溶融ガラスの流れ1002の一方の側で抽出された熱流束であり、Tは、考察する側での溶融ガラスの流れ1002の主面における局所温度である。溶融ガラスの流れ1002の二つの側は、異なる表面温度を有する可能性があり、Tambは、溶融ガラスの流れ1002に近接する(例えば、1インチ(25.4mm)または2インチ(50.8mm)離れた)周囲温度である。いくつかの実施形態において、熱伝達係数は、これらの値のいずれかが上限に接する任意の範囲、または、これらの値のうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲において、50mmの距離にわたって、150W/m2‐K、200W/m2‐K、250W/m2‐K、300W/m2‐K、350W/m2‐K、400W/m2‐K、450W/m2‐K、500W/m2‐K、600W/m2‐K、700W/m2‐K、800W/m2‐K、900W/m2‐K、1,000W/m2‐Kとすることができる。いくつかの実施形態において、熱伝達係数は、これらの値のいずれかが上限に接する任意の範囲、または、これらの値のうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲において、100mmの距離にわたって、150W/m2‐K、200W/m2‐K、250W/m2‐K、300W/m2‐K、350W/m2‐K、400W/m2‐K、450W/m2‐K、500W/m2‐K、600W/m2‐K、700W/m2‐K、800W/m2‐K、900W/m2‐K、1,000W/m2‐Kとすることができる。
【0238】
熱管理装置によって溶融ガラスの流れ1002にもたらされる強力な冷却効果は、溶融ガラスの流れ1002の粘性に関して説明することができる。いくつかの実施形態において、溶融ガラスの流れ1002の粘性は、溶融ガラスの流れ1002の送出ポイントと、溶融ガラスの流れ1002から引き出されるガラスリボンに沿ってその送出ポイントから10cmの距離との間で、少なくとも50倍増加する。その送出ポイントは、ガラス送給ユニット940の出口、例えば、成形体の底、または、スロットオリフィスの底部とすることができる。いくつかの実施形態において、溶融ガラスの流れ1002の粘性は、これらの値のいずれかが上限に接する任意の範囲、または、これらの値のうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲において、50、60、70、80、90、100、150、200倍増加する可能性がある。
【0239】
いくつかの実施形態において、支持ユニット1040は、溶融ガラスの流れ1002に接触することなく、第二の方向に移動する溶融ガラスの流れ1002を支持するように構成されている。この実施形態では、溶融ガラスの流れ1002は、第一の方向とは異なる第二の方向に移動し、支持ユニット1040は、ガスベアリングユニット1010と同様であるが、溶融ガラスの流れ1002に隣接する平坦な上面1042を備えているガスベアリングテーブルを含んでいる。したがって、ベアリングゾーンは、溶融ガラスの流れ1002の第一の主面および第二の主面が確実にきれいな状態であるように、第二の方向に移動する溶融ガラスの流れ1002を支持するように形成することができる。いくつかの実施形態において、支持ユニット1040に接続されたガラスリボン引張加工ユニット(図示せず)は、第二の方向において、溶融ガラスの流れ1002からガラスリボンを引き出すように設けることができる。そのガラスリボン引張加工ユニットは、所望の速度でガラスリボンを引き出して、個別のガラスシートに分けることができる。いくつかの実施形態において、ガラスリボンの厚さは、これらの値のいずれかが上限に接する任意の範囲、または、これらの値のうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲において、少なくとも0.5mm、例えば、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mmである。
【0240】
すべてのプロセスが完了した後のガラスリボンの特性は、溶融ガラスの流れ1002の向きが第二の方向に変えられた後の溶融ガラスの流れ1002の温度プロファイルによって影響を及ぼされる可能性がある。例えば、溶融ガラスの流れ1002が、支持ユニット1040のガスベアリングテーブルを横断する際の溶融ガラスの流れ1002の温度プロファイルは、ガラスの特性に影響を与える可能性がある。いくつかの実施形態において、この温度プロファイルは、さまざまな構成におけるヒータによって影響を与えられる可能性がある。
【0241】
図13は、別の例示的なガラス成形装置1300の概略図である。この実施形態では、送給後ガラス成形装置950は、ガスベアリングユニット1310と、対流冷却システム1320と、熱シールド1030と、支持ユニット1340とを含む。この実施形態では、ガスベアリングユニット1310は、
図10から
図12に図示されているガスベアリングユニット1010および対流冷却システム1020と比較して、溶融ガラスの流れ1002の異なる側に配置された流体冷却剤流路1312および対流冷却システム1320を備えている。すなわち、ガスベアリングユニット1310は、出口スロットが配置されている凹状側を備え、この場合、ベアリングゾーンは、ガスベアリングユニット1310の凹状側と、凸状形状を有する溶融ガラスの流れ1002の第二の主面1004との間に形成される。対流冷却システム1320は、凹状形状を有する溶融ガラスの流れ1002の第一の主面1003に合うようにノズルがその上に配置されている凸状側を備えている。いくつかの実施形態においては、二つのガスベアリングを、溶融ガラスの流れ1002の両側に配置してもよく、また、二つのベアリングゾーンを、溶融ガラスの流れ1002の第一の主面1003および第二の主面1004の各々に形成してもよい。それらのガスベアリングのうちの一方は、位置調節を伴う個別化したガスベアリングパッドを有していてもよい。この実施形態では、複数の水平ロールコンベアを備えている支持ユニット1340が、第二の方向において、溶融ガラスの流れ1002を受け入れるように設けられている。
【0242】
図14は、別の例示的なガラス成形装置1400の概略図である。この実施形態では、送給後ガラス成形装置950は、ガスベアリングユニット1010と、対流冷却システム1020と、熱シールド1030と、整形支持ユニット1440とを含む。この実施形態では、整形支持ユニット1440は、第二の方向において、溶融ガラスの流れ1002を受け入れるのに用いることができ、および少なくとも一つの初期状態の主面を有する整形ガラス物品を形成するのに用いることができる。例えば、支持ユニット1040の受け入れ面の少なくとも一部は、一つ以上のコンベア搬送モールドと置き換えてもよく、その結果、それらのモールドを真空垂下することによって、整形ガラス物品を形成することができる。
【0243】
図15は、ガラス送給ユニット940からのガラスリボンの形成を予測する数値モデルのプロットを示す。プロットは、溶融ガラスの流れから抽出された熱流束の強度を表している。その値が高ければ高いほど、より多くの熱が抽出される。そのプロットには、高い冷却強度領域と、中程度の冷却強度領域と、低い冷却強度領域とを含む、冷却強度に関する三つの領域が記載されている。プロットは、上述した熱管理装置によってもたらされる、意味のある冷却強度チューニングを示している。
【0244】
図16は、
図10から
図14におけるガラス成形装置1000、1300および1400によって実行されるプロセスに対応するプロセスフローチャートを示す。そのプロセスは、さらなるステップを含むことができ、または、さらなる実施例に示すステップを部分的に含んでもよい。図示されているように、そのプロセスは、溶融ガラスの流れを供給するステップ1610から始まる。溶融ガラスの流れは、第一の方向で供給することができる。いくつかの実施形態において、第一の方向は垂直方向である。いくつかの実施形態において、溶融ガラスの流れは、失透を回避するのに十分な溶融ガラスの流れの粘性を保持するように加熱することができる。「失透」とは、本願明細書で用いる場合、非晶質ガラスまたは溶融ガラス中の結晶の核生成を意味するものと理解されたい。溶融ガラスの流れの少なくとも一部は、25,000未満の粘性、例えば、50ポアズから10,000ポアズの粘性を有している可能性がある。上述したように、溶融ガラスの流れは、ガラス送給ユニット940によって供給することができる。
【0245】
その供給後、ステップ1620において、溶融ガラスの流れの方向が変えられる。溶融ガラスの流れの方向は、その溶融ガラスの流れに接触することなく、第一の方向とは異なる第二の方向に変えることができる。いくつかの実施形態において、第二の方向は、水平方向であってもよい。上述したように、溶融ガラスの流れの方向は、ガスベアリングユニット1010、1310によって変えることができる。
【0246】
方向が第二の方向に変えられる間、ステップ1630において、溶融ガラスの流れの温度は低下する。いくつかの実施形態においては、少なくとも50mmの距離にわたって、少なくとも150W/m2‐Kの熱伝達係数を有する冷却装置が、溶融ガラスの流れの少なくとも一方の側に施される。例えば、その冷却装置は、ガスベアリングユニット1010,1310内の流体冷却剤流路1012、1312、対流冷却システム1020、1320から成る群から選択された一つ以上の熱管理装置を含むことができる。熱シールド1030は、熱管理装置であるが、溶融ガラスの流れを能動的に冷却するのとは対照的に、その熱シールドの下流の溶融ガラスの流れの加熱を防ぎ、および冷却装置と見なされない。いくつかの実施形態において、溶融ガラスの流れの冷却は、溶融ガラスの流れの第一の主面上にガス膜(ベアリングゾーン)を形成することによって、少なくともある程度実現することができる。上述したように、このことも、ガスベアリングユニット1010、1310によって同様に実現することができる。加えて、または別法として、溶融ガラスの流れの冷却は、第一の主面と反対側の、溶融ガラスの流れの第二の主面に強制対流を作用させることによって、少なくともある程度実現することができる。上述したように、このことは、対流冷却システム1020、1320によって実現することができる。くわえて、または別法として、溶融ガラスの流れの冷却は、熱シールド(例えば、熱シールド1030)を用いて、その溶融ガラスの流れの温度を低下させることによって、少なくともある程度実現することができる。
【0247】
ステップ1640においては、第二の方向において、ガラスリボンが、溶融ガラスの流れから引き出される。いくつかの実施形態においては、ガラスリボンを引き出す前に、第二の方向に移動する溶融ガラスの流れを、二つの初期状態の主面を有するガラスリボンを形成するように接触することなく、支持することができる。上述したように、このことは、支持ユニット1040によって実現することができる。いくつかの実施形態において、第二の方向に移動する溶融ガラスの流れは、少なくとも一つの初期状態の主面を有する整形されたガラスリボンを形成するために、整形支持ユニット(例えば、整形支持ユニット640)によって支持することができる。いくつかの実施形態において、ガラスリボンの厚さは、これらの値のいずれかが下限に接する任意の範囲、または、これらの値のうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲において、少なくとも0.1mm、例えば、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mmである。
【0248】
図17は、例示的なガスベアリング装置1710の概略図である。ガスベアリング装置1710は、エアターンベアリングとすることができ、および複数の排出口を含むことができる。それらの排出口は、少なくとも平方メートル当たり少なくとも8,000個の密度を有していてもよい。いくつかの実施形態において、排出口は、平方メートル当たり少なくとも10,000個の密度を有する。いくつかの実施形態において、ガス膜1725は、ガスベアリング装置1710とガラスリボン1703との接触を伴うことなく、ガラスリボン1703を支持する。
図17に示すように、ガラスリボン1703は、ガラス送給方向1790に送り込むことができ、およびそのガラスは、ガラス引出し方向1795に引き出すことができる。ガラス送給方向1790は、ガラス引出し方向1795と異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、ガラス送給方向1790は、ガラス引出し方向1795と実質的に同じ方向であってもよい。
【0249】
図17に示すように、エアターンベアリング装置1710は、そのエアターンベアリング装置1710とガラスリボン1703との接触を伴うことなく、ガラスリボン1703の方向を第一の方向から第二の方向へ変えることができるようにする。いくつかの実施形態において、ガラスリボンの方向は、実質的に垂直な方向から、実質的に水平な方向へ変えることができる。いくつかの実施形態において、エアターンベアリング装置1710は、合金で形成してもよい。いくつかの実施形態では、合金はニッケル合金である。
【0250】
図18は、例示的なガスベアリング装置1810の概略図である。ガスベアリング装置1810は、エアテーブルとすることができる。ガスベアリング装置1810は、複数の排出口を備えることができる。それらの排出口は、平方メートル当たり少なくとも8,000個の密度を有することができる。いくつかの実施形態において、排出口は、平方メートル当たり少なくとも10,000個の密度を有する。いくつかの実施形態において、ガス膜1825は、ガスベアリング装置1810とガラスリボン1803との接触を伴うことなく、ガラスリボン1803を支持する。
【0251】
いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置1810は、水平な面とすることができる。水平な面は、実質的に水平な面を含むことを理解すべきである。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置1810は、角度を付けてもよく、または、傾斜させてもよい。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置1810は、ガラスリボンが、搬送方向1895において、一つの位置から別の位置へ搬送される間、ガラスリボン1803を支持する。例えば、ガスベアリング装置1810は、ガラスリボンが成形領域からロール搬送領域へ搬送される間、そのガラスリボンを支持することができる。
【0252】
図19Aおよび
図19Bは、例示的なガスベアリング装置1910の概略を示す。ガスベアリング装置1910は、アキュムレータであってもよい。ガスベアリング装置1910は、複数の排出口を備えることができる。それらの排出口は、平方メートル当たり少なくとも8,000個の密度を有することができる。いくつかの実施形態において、排出口は、平方メートル当たり少なくとも10,000個の密度を有する。いくつかの実施形態において、ガラスの流れ1903は、大量のガラス1904を形成するように蓄積する。いくつかの実施形態において、ガス膜1925は、ガスベアリング装置1910と、大量のガラス1904との接触を伴うことなく、大量のガラス1904を支持する。そのアキュムレータは、ガスベアリング装置1910の第一の部分1911と、ガスベアリング装置1910の第二の部分1912とを備えることができる。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置1910の第一の部分1911および第二部分1912は、大量のガラス1904がモールド1950内に落下して、大量のガラス1904を成形することを可能にするように分かれている。
【0253】
図20aおよび
図20bは、例示的なガスベアリング装置2010の概略を示す。ガスベアリング装置2010は、ガスベアリングモールドであってもよい。ガスベアリング装置2010は、スランピングモールドであってもよい。いくつかの実施形態において、ガラスシート2003は、ガスベアリング装置2010の上に配置される。ガスベアリング装置2010は、複数の排出口を備えることができる。それらの排出口は、平方メートル当たり少なくとも8,000個の密度を有することができる。いくつかの実施形態において、排出口は、平方メートル当たり少なくとも10,000個の密度を有する。いくつかの実施形態において、ガス膜2025は、ガスベアリング装置2010とガラスシート2003との接触を伴うことなく、ガラスシート2003を支持する。いくつかの実施形態において、ガラスシート2003がガスベアリング装置2010の上に配置された場合、重力がガラスシート2003をスランピングする。いくつかの実施形態において、ガス膜2025は、ガスベアリング装置2010に触れることなく、ガラスシート2003を支持する。
図20aは、スランピングする前のガラスシート2003を示す。
図20bは、スランピングした後のガラスシート2003を示す。
【0254】
いくつかの実施形態において、上記ガラス成形装置は、ガスベアリング装置1710、1810、1910または2010の任意の組み合わせを含む、一つ以上のガスベアリング装置を備えることができる。
【0255】
図21および
図22は、支持面2150を備えている例示的なガスベアリング装置2110の概略を示す。その支持面は、支持面2150内に配置された複数の排出口2151を有している。ガスベアリング装置2110は、一つ以上の冷却回路2153と、一つ以上のガス通路2154とを備えることができる。ガスベアリング装置2110は、マニホールド2155を備えていてもよい。ガスベアリング装置2110は、ガス流入口2160を備えることができる。
図21および
図22は、ガスベアリング装置1710と同様の例示的なガスベアリング装置を示している。
図21および
図22に示す構成は、ガスベアリング装置1710、1810、1910および2010のいずれかに適合させることができることを理解すべきである。支持面2150は、平坦な、凹状の、または凸状の形状を有することができる。例えば、
図18に示すように、ガスベアリング1810は、平坦な形状を有している。別の実施例として、
図19Aから
図20Bに示すように、ガスベアリング1910および2010は、凹状の形状を有している。別の実施例として、
図21および
図22に示すように、面2150は、凸状の形状を有している。
【0256】
図23は、例示的なガスベアリング装置2110の別の図を示す。ガスベアリング装置2110は、複数の調量パイプ2152を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、排出口2151には、調量パイプ2152を通過するガスが供給される。各調量パイプ2152は、少なくとも一つの排出口2151にガスを供給する。いくつかの実施形態において、各調量パイプは、少なくとも二つの排出口に接続されている。いくつかの実施形態において、各調量パイプは、四つの排出口に接続される。
【0257】
上記排出口は、隣接する排出口2151の中心間距離であると理解されるピッチにわたって配置することができる。いくつかの実施形態において、そのピッチは、最大で3ミリメートルである。これらの排出口は、均一なサイズおよび間隔を有していてもよい。「均一」なサイズおよび間隔は、本願明細書で用いる場合、製造に関連する変数、例えば、±5%を含むと理解されたい。
【0258】
図24は、例示的なガスベアリング装置2110の別の図を示す。
図24に示すように、ガスベアリング装置2110は、外側カバー2165を備えている。
図25は、平面2190におけるガスベアリング装置2110の断面を示す。
【0259】
図26から
図29は、例示的なアキュムレータ2610のさまざまなアングルを示す。アキュムレータ2610は、支持面2650と、排出口2651と、調量パイプ2652と、冷却回路2653と、ガス流入口2660とを備えることができる。
図26は、アキュムレータ2610の四半分を示す。
【0260】
図30は、例示的なガスベアリング装置を通るガスフローの概略を示す。ガラス3003は、ガス膜3025によって支持することができる。図示されているように、ガス膜3025を形成するために、ガスは、ガス通路3054から、調量パイプ3052、排出口3057へ流れる。必要に応じて、および
図30に示すように、ガスは、ベント口3055を通ってガス膜から流出してもよい。
【0261】
図31は、支持面3150を備えている例示的なスランピングモールド3110を示す。
図32は、排出口3251および複数のベント口3255を含む支持面3250を示す。ベント口3255は、支持面3250の全面に配置されている。いくつかの実施形態において、ベント口は、ガスがガス膜から漏出することを可能にするポートから成るアレイを形成している。このことは、かなりのサイズから成る物品を支持している場合に興味を引く可能性があり、そのことは、「気泡効果」につながる可能性がある。ガスを供給する排出口のみが存在し、およびベント口が存在していない場合、ガスは、単に両面から漏出することができる。より大きな物品の場合、ベント口がない場合には、ガスの漏出に対するこの限定された選択肢は、問題を引き起こす可能性がある。例えば、いくつかの実施形態において、ガスは、ガス通路から調量パイプへ流れた後、それらの調量パイプから排出口に流れる。いくつかの実施形態において、ガスは、ガス膜からベント口を通って流出してもよい。
【0262】
ベント口が
図33、
図34により詳細に図示されている。いくつかの実施形態において、排出口は、平方メートル(m
2)当たり少なくとも8,000個の排出口という密度を有している。いくつかの実施形態において、排出口は、平方メートル当たり少なくとも10,000個の排出口という密度を有している。いくつかの実施形態において、ベント口は、排出口3251の密度よりも小さい密度を有する。いくつかの実施形態において、ベント口は、ガスが、支持面とガスとの間のガス膜から漏出することを可能にするように、ガスベアリング装置の支持面内に配置されている。いくつかの実施形態において、ベント口は、ガスが、支持面の内部で、および支持面のエッジで漏出することを可能にしている。
図30から
図34に図示されているベント口および排出口の構成は、ガスベアリング装置1710、1810、1910、2010および2110のどれに対しても適合させることができることを理解すべきである。
【0263】
図33は、スランピングモールドであってもよい、別の例示的なガスベアリング装置3310を示す。ガスベアリング装置3310は、ガス流入口3360を備えることができる。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置3310は、流出口3351を備えることができる。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置3310は、ベント口3355を備えることができる。ガス通路3354は、ガス流入口3360から流出口3351へ流れるガスのための経路を形成している。
【0264】
図34は、ガスベアリング装置3410の支持面3450の別の図を示す。ガスベアリング装置3410は、複数の流出口3451および複数のベント口3455を備えている。
【0265】
図35は、柔らかくなったガラスを支持する方法のプロセスフローチャートを示す。図示されているように、そのプロセスは、支持面を有するガスベアリング装置に近接してガラスを配置するステップ3500で始まる。いくつかの実施形態において、そのガスベアリング装置は、
図17から
図34に示すようなガスベアリング装置のうちの一つ以上とすることができる。ガラスを配置するステップの後、ステップ3510において、ガラスと支持面との接触を伴うことなく、ガス膜によってガラスを支持するために、ガスが、ガスベアリング装置の流出口を通って噴出される。
【0266】
いくつかの実施形態では、ガラスが、ガスベアリング装置に近接して供給された後、ガラスの連続的な流れが駆動コンベアによって受け取られる。「駆動コンベア」は、本願明細書で用いる場合、ガラスリボンとの物理的接触を介して、そのガラスリボンを移動させるように構成された何らかの機構とすることができる。駆動コンベアの実施例は、ローラがそこで駆動されるローラテーブルおよびコンベアベルトを含む。
【0267】
ステップ3510の後、ステップ3520において、必要に応じて、ガスベアリング装置の温度が、温度制御された熱流体を、ガスベアリング内の温度制御流路を通して循環させることによって制御される。
【0268】
ステップ3520の後、ステップ3530において、ガスは、排出口を介してガスを噴出させる前に、ガス源からガスベアリング装置へ送ることができる。いくつかの実施形態において、ガスは、ガスベアリング装置に到達する前に、予め加熱される。
支持構造およびエアテーブル
上述したように、さまざまな用途のためにガラスを成形することができ、そのような用途は、そのような用途に適したガラスを成形するためのさまざまな処理ステップを必要とする可能性がある。支持構造は、モジュラー装置の利用による、ガラス成形装置の構成への変更を可能にする。モジュラー装置は、具体的な用途に基づいて、必要に応じて、追加または除去することができる。
【0269】
支持構造と同様に、エアテーブルもまた、エアテーブルモジュールの利用による、構成に関する変更を可能にする。また、エアテーブルは、作動位置から引込め位置へ引っ込め可能であり、そのことは、そのエアテーブル上およびエアテーブルの周辺を作業中の人の安全性を向上させることができる。エアテーブルのモジュール構造により、エアテーブルは、ガスベアリング、駆動コンベア等を含むことができる、モジュールの任意の組合せを組み込むことができる。
【0270】
支持構造モジュラー装置とエアテーブルモジュールとから成る構成を変更する能力は、滑らかなガラスの製造と、ガラスの熱プロファイルを有効に制御する能力とを可能にする。ガラスは、エアテーブルを横断して移動する際、または、支持構造の下を移動する際に、溶融状態から固いまたは弾性的な状態への連続的遷移を経る。ガラスが遷移する際、そのガラスの物理特性およびガラスの熱プロファイルは、具体的なプロセス要件に適合するようにモジュールを移動させ、追加し、または取り外すことによって、有効に制御することができる。
【0271】
図36は、作動位置における例示的な支持構造3600を示す。いくつかの実施形態において、支持構造は、直立部材3610と、アーム部材3620と、複数のモジュラー装置3630とを備えている。いくつかの実施形態において、モジュラー装置3630は、他の構造および機構が、溶融ガラスの流れによって加熱されるのを防ぐことができる熱輻射シールド3640を含んでいる。いくつかの実施形態において、支持構造3600は、エアテーブル3650に近接して配置されている。いくつかの実施形態において、アーム部材3620は、垂直方向に移動可能である。いくつかの実施形態において、アーム部材3620は、電動リフトを用いて、上方位置と下方位置との間で移動可能である。いくつかの実施形態において、エアテーブル3650は、エアテーブルシャーシ3652を備えることができる。エアテーブル3650は、複数のエアテーブルモジュール3660を備えていてもよい。エアテーブルモジュール3660は、エアテーブルシャーシ3652の上に配置することができる。いくつかの実施形態において、エアテーブルモジュール3660は、モジュラー装置3630と同じ幅である。いくつかの実施形態において、エアテーブルモジュール3660は、各々が、モジュラー装置3630と異なる幅になっている。いくつかの実施形態において、エアテーブルモジュールは、すべて同じ幅を有している。いくつかの実施形態において、エアテーブルモジュールは、異なる幅を有している。
図37は、引込め位置におけるエアテーブル3650を示す。
【0272】
いくつかの実施形態において、ガスベアリングは、支持構造3600およびエアテーブル3650に近接してガラスを配置する前に、そのガラスを移動させ、または向きを変えるのに用いられる。いくつかの実施形態において、ガスベアリングは、ガラスの向きを垂直から水平に変えるのに用いられる、金属製の、3D印刷されおよび水冷式のガスベアリングである。
【0273】
いくつかの実施形態において、モジュラー装置の少なくとも一つは、熱管理装置である。ガラスに直接接触する、または近接するものは何でも、熱的影響を及ぼすであろうし、および熱管理装置とすることができる。いくつかの実施形態において、熱管理装置は、ローラ、水冷式グラファイトガスベアリング、または水冷式駆動ローラを含む。
図38は、例示的な支持構造3600の別の図を示す。支持構造3600は、空気圧リフト3612を備えていてもよい。アーム部材3620は、空気圧リフト3612によって昇降することができる。
図38に図示されているように、アーム部材3620は、直立部材3610に対して実質的に直角になっている。
【0274】
図39は、作動位置における例示的なエアテーブル3650の別の図を示す。いくつかの実施形態において、エアテーブル3650は、エアテーブルモジュール3920を備えている。
【0275】
図40は、例示的なエアテーブルモジュール4020を示す。いくつかの実施形態において、エアテーブルモジュール4020は、合金のガスベアリングインサートを有するモジュールである。いくつかの実施形態において、その合金は、インコネル合金である。「インコネル」は、オーステナイト系のニッケル・クロムベースの超合金族を指す。
図41は、例示的なエアテーブルモジュール4120を示す。エアテーブルモジュール4120は、グラファイトのガスベアリングモジュールから成っていてもよい。
図42は、例示的なエアテーブルモジュール4220を示す。エアテーブルモジュール4220は、ローラアレイモジュールから成っていてもよい。
図43は、例示的なエアテーブルモジュール4320を示す。エアテーブルモジュール4320は、合金製のガスベアリングインサート4321およびロールアセンブリ4322を備えることができる。いくつかの実施形態において、ロールアセンブリ4322は、電動式平坦化ロールアセンブリである。
【0276】
いくつかの実施形態において、エアテーブルモジュール4020は、ガスベアリングアセンブリ4010から成っていてもよい。ガスベアリングアセンブリ4010は、複数のガスベアリング4040から成っている。ガスベアリング4040は、共同でガスベアリングアセンブリ4010を構成している。ガラスシートに対向するガスベアリング4040の表面4041は、共同で主面4048を構成する。いくつかの実施形態において、各ガスベアリング4040は、ガス源と流体的に連通している、複数の排出口、気孔またはそれらの組合せを備えている。ガスベアリング4040は、スロット4050を備えていてもよい。ガスベアリング4040の表面は、
図5Aから
図8により詳細に図示されている。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ4010は、支持フレーム4070を備えている。いくつかの実施形態において、ガスベアリング4040は、支持フレーム4070に取付けられている。支持フレーム4070は、支持フレーム4070を冷却してワーピングを防ぐ内部冷却流路を備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、第二のガスベアリングアセンブリが、ガスベアリングアセンブリ4010の上に設けられる。いくつかの実施形態においては、
図53に関連して説明するように、ガスベアリングアセンブリ4010の上に設けられた第二のガスベアリングアセンブリは、ガラスを平坦化するのに用いることができる。
【0277】
処理中に、粘性ガラスの流れは、ガスベアリングアセンブリ4010によって支持される。粘性ガラスの粘性および温度は、所望のガラス特性を得るために選択しなければならないプロセスパラメータである。ガスベアリングアセンブリ4010は、その粘性ガラスと近接し、および一般的に、その粘性ガラスの温度に近い、主面4048での温度を有していなければならない。所望の粘性を実現するのに必要な温度は、具体的なガラスに依存するが、通常は、ガスベアリングアセンブリ4010のある程度のワーピングを引き起こすのに十分な高さである。このワーピングは、ギャップによって離間された主面を備えた二つのガスベアリングアセンブリを有する実施形態においては、不均一なギャップサイズを引き起こす可能性があり、また、このようなギャップを伴わない実施形態においては、主面4048の所望の形状からの逸脱を引き起こす可能性がある。
【0278】
ワーピングによって引き起こされる絶対変位は温度の関数であり、また、部材サイズの変位はより顕著になり、より大きな部材に対して、より大きな絶対変位を引き起こす。そのため、ガスベアリングアセンブリ4010が単一の大きなガスベアリング、または、少数のガスベアリングである場合、特にエッジにおいて、ワーピングが、主面4048の許容できない大きな変位を引き起こす可能性があるであろう。しかし、共同で主面4048を構成する、より小さな表面4041を有する、より小さな多数のガスベアリング4040を用いることにより、ワーピングによる、ガスベアリング4040の各個別の表面の変位は、主面4048が、単一の物理的に隣接するガスベアリングの表面である場合に起きるであろう変位よりも著しく少なくなる。
【0279】
図40に示す構成は、支持フレーム4070に取付けられて、その支持フレームによって支持されている複数のより小さなガスベアリング4040を含む。ガスベアリング4040の比較的小さなサイズは、個々のガスベアリングに対するワープの影響を少なくする。いくつかの実施形態において、支持フレーム4070は、ガスベアリング4040を定位置で保持する。支持フレーム4070は大きく、および加熱された場合に、ワーピングの影響をかなり受ける可能性がある。しかし、支持フレーム4070は、ガスベアリング4040の表面4041よりも粘性ガラスからより遠く離れているため、支持フレーム4070は、ガスベアリング4040と同じ温度制限を受けず、すなわち、支持フレーム4070の温度は、粘性ガラスの温度と著しく異なっている可能性がある。また、支持フレーム4070は、気孔またはガスポートを有する必要はなく、そのことは、ガスベアリング4040に関連する支持フレーム4070のより大きな範囲の設計可能性をもたらす。いくつかの実施形態において、支持フレーム4070は、ガスベアリング4040が、溶融ガラスを処理するのに適した温度になっている間でも、支持フレーム4070の温度を、ワーピングを防ぐか、または最小限にするのに適した温度に維持する内部冷却通路を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、このような冷却通路は、放射冷却および/または支持フレーム4070の優れた構造的完全性等の他の要因により必要ない可能性がある。
【0280】
いくつかの実施形態において、複数のモジュラー装置は、ヒータ、反射パネル、ロールアセンブリ、エアナイフ、ガスベアリング、ロール位置決めアセンブリまたは駆動ローラのうちの任意の一つ以上を含んでいてもよい。
図44は、例示的なモジュラー装置4740を示す。モジュラー装置4740は、フラットパネルヒータ4450を備えることができる。
図45は、例示的なモジュラー装置4540を示す。モジュラー装置4540は、受動的反射パネル4550を備えることができる。
図46は、例示的なモジュラー装置4640を示す。モジュラー装置4640は、平坦化ロールアセンブリ4650を備えることができる。
図47は、例示的なモジュラー装置4740を示す。モジュラー装置4740は、エッジヒータおよびエアナイフアセンブリ4750を備えることができる。
図48は、例示的なモジュラー装置4840を示す。モジュラー装置4840は、水冷式グラファイトガスベアリング4850を備えることができる。
図49は、例示的なモジュラー装置4940を示す。モジュラー装置4940は、水冷式駆動ローラ4950を備えることができる。
【0281】
図50は、例示的な支持構造5000および例示的なエアテーブル5050を示す。支持構造5000は、複数のモジュラー装置5030を備えることができる。エアテーブル5050は、複数のエアテーブルモジュール5060を備えることができる。各モジュラー装置5030は、
図44から
図49に示すモジュラー装置のうちのいずれかを備えることができる。各エアテーブルモジュール5060は、
図40から
図43に示すモジュラー装置のうちのいずれかを備えることができる。いくつかの実施形態において、エアテーブルモジュール5060は、ガスベアリング、例えば、
図17から
図20Bに示すガスベアリングを備えることができる。いくつかの実施形態において、各モジュラー装置5030は、独立して移動可能である。いくつかの実施形態において、各モジュラー装置5030は、水平軸および/または垂直軸に沿って移動可能である。いくつかの実施形態において、各モジュラー装置5030は、その支持構造から取外し可能である。
【0282】
図51は、支持構造5000の別の図を示す。いくつかの実施形態において、支持構造5000は、直立部材5010およびアーム部材5020を備えている。いくつかの実施形態において、アーム部材5020は、実質的に水平である二つの実質的に平行なアームから成る。いくつかの実施形態において、モジュラー装置5030は、アーム部材5020に沿って、水平方向に移動可能である。いくつかの実施形態において、モジュラー装置5030は、トラック5035に沿って、垂直方向に移動可能である。
ガラス平坦化
いくつかの実施形態において、ガラスのシートは、著しいワープがないように、そのガラスシートが弾性または粘弾性状態にある間に平坦化される。真空に引かない片面ガスベアリングアセンブリまたはガスベアリングは、ガラスシートの有効な非接触支持または運搬を実行できるが、それらのガスベアリングアセンブリのガラスシートを平坦化する能力は、平坦化に向かう推進力が弱まる可能性があるため、ガラスシートの低重量によって制限される。
【0283】
いくつかの実施形態において、真空に引く両面ガスベアリングアセンブリまたは片面ガスベアリングアセンブリは、粘弾性または粘性のガラスシートが、高レベルの平坦化を実現することを可能にする。いくつかの実施形態において、ガラスは、粘性状態で、または、粘弾性領域において、十分な時間、熱機械的処理をガラスシートに施して、考慮するガラスリボンの形状に不可逆的な影響を及ぼすことによって平坦化される。
【0284】
いくつかの実施形態において、ガラスシートは、両面ガスベアリングアセンブリ、例えば、
図52および
図53に示すガスベアリングアセンブリを用いて平坦化される。両面ガスベアリングアセンブリは、上方ガスベアリングおよび下方ガスベアリングを有し、ガラスのシートは、ガラスシートの下に設けられたギャップの間を流れる。ガスベアリングアセンブリは、上方ガスベアリングおよび下方ガスベアリングの両方からガラスシートに圧力を印加し、それらの圧力は、ガラスリボンと両面ガスベアリングとの間の何らかの物理的接触を伴うことなく、ガラスシートの高レベルの平坦化を推進する。
【0285】
両面ガスベアリングシステムにおいては、流れているガラスシートを、その重量を維持するのに必要な圧力をはるかに超える圧力にさらすことが可能である。そのガラスシートは、印加された圧力によって、上方ガスベアリングと下方ガスベアリングとの間で圧力平衡に達し、そして、反った形状は、完全な平坦性を推進する圧力にさらされることになる。
【0286】
いくつかの実施形態において、ガラスシートは、片面ガスベアリングアセンブリ、例えば、
図54Aおよび
図54Bに示すガスベアリングアセンブリを用いて平坦化される。その片面ガスベアリングアセンブリは、ガス送給通路および駆動排気システムの両方を含む。ガス送給通路は、正の圧力をガラスシートに印加するガスを供給する。駆動排気システムは、大気圧以下の圧力を印加することにより、真空効果を生成する。正の圧力および大気圧以下の圧力の両方を印加することは、そのガスベアリングシステムを、完全な平坦性を推進する圧力を用いた強力な自己調節ギャップシステムへ導く。
【0287】
高度の平坦性を要する用途では、不均一な表面を有する反ったガラスシートは、平坦化から利益を得られる可能性がある。いくつかの実施形態において、反ったガラスシートが、ガスベアリングアセンブリ上を、またはガスベアリングアセンブリの中を通過する場合、そのガラスシートは、一定のギャップに向かって強力に推進される圧力にさらされることになる。圧力がガラスシートに印加されると、そのガラスシートと、ガスベアリングの表面との間のガス膜が平衡に達する。平衡時には、平衡ギャップが、そのガラスシートと、ガスベアリングアセンブリの表面との間に形成される。平衡ギャップは、ガラスシートと、ガスベアリングの表面との間の距離である。いくつかの実施形態において、平衡ギャップは、25μm、50μm、100μm、250μm、500μmまたは750μm、または、これらのエンドポイントのうちのいずれか二つによって定義される任意の範囲である。いくつかの実施形態において、平衡ギャップは、50μmから500μmである。いくつかの実施形態において、平衡ギャップは、75μmから250μmである。
【0288】
いくつかの実施形態において、両面ガスベアリングアセンブリまたは片面ガスベアリングアセンブリは、ガラスシートの幅にわたって、そのガラスに均一な熱伝達をもたらす。
【0289】
両面ガスベアリングアセンブリおよび片面ガスベアリングアセンブリの平坦化の能力は、薄いガラスシートを、高度の平坦性で、および反りが非常に少ない状態で製造できるようにする。両面ガスベアリングアセンブリまたは片面ガスベアリングアセンブリを用いて製造されたガラスシートは、高度の平坦性に達する前に、最小限の仕上げまたは処理しか必要としない。
【0290】
いくつかの実施形態において、両面ガスベアリングアセンブリまたは片面ガスベアリングアセンブリは、ガラスの連続シートまたはガラスリボンを処理する。いくつかの実施形態において、両面ガスベアリングアセンブリまたは片面ガスベアリングアセンブリは、薄いガラスシートの個別の一片または部分を処理する。いくつかの実施形態において、両面ガスベアリングアセンブリまたは片面ガスベアリングアセンブリは、ガラスに接触することなく、粘性または粘弾性状態でガラスを平坦化する。
【0291】
実施例として、ガラスシートが、平衡ギャップよりも大きい、ガラスシートとガスベアリングの表面との間のギャップを有するガスベアリングアセンブリに入った場合、そのガラスシートに印加される力は、そのガラスシートをその平衡ギャップに向けて推進して、そのガラスシートを平坦化する。ガラスシートの一部が平衡ギャップにあり、および一部が平衡ギャップにない場合、それらの平衡ギャップにない部分は、平坦化に向けた駆動力を受けない。
【0292】
ガラスシートは、そのガラスシートの平坦化された形状が永続的であるように、ガラスシートが応力を確実に緩和するのに十分な時間、ガスベアリングアセンブリにさらされる。その時間に影響を及ぼす要因は、ガラスの厚さ、ガスベアリングアセンブリを通って移動するガラスの速度、入ってくるガラスの温度および粘性、ガスベアリングアセンブリの長さ、およびガスベアリングアセンブリの熱的環境、例えば、そのアセンブリの温度、ガスの温度および所望の平衡ギャップ等を含む。
【0293】
いくつかの実施形態において、両面ガスベアリングアセンブリは、対称的な平衡ギャップを有する。いくつかの実施形態において、平衡ギャップは、90から120μmである。いくつかの実施形態において、平衡ギャップは、約105μmである。実施例として、および
図55に示すように、平衡ギャップが105μmである場合、ガス圧力とガラス重量の比は約27である。さらに、
図56に示すように、ガラスシートが、いくつかの部分が100μmのギャップを有し、およびいくつかの部分が110μmのギャップを有する、ガスベアリングアセンブリに入った場合、
図56に示すように、ガラスリボンは、それぞれ、それ自体の重量の約31倍および約24倍の圧力を受けることになる。その場合、10μmの形状のずれが、シートの重量の7倍という平衡ギャップに向かう力をもたらす。
【0294】
いくつかの実施形態において、両面ガスベアリングアセンブリは、一定の平衡ギャップを有するように構成することができる。いくつかの実施形態において、平衡ギャップは調節可能である。いくつかの実施形態において、上方ガスベアリングは固定され、および下方ガスベアリングは、一定の力をシステムに印加するように調節可能である。いくつかの実施形態において、下方ガスベアリングアセンブリは固定され、上方ガスベアリングは、一定の力をシステムに印加するように調節可能である。
【0295】
いくつかの実施形態において、下方ガスベアリングアセンブリは固定されている。いくつかの実施形態において、上方ガスベアリングアセンブリは固定されている。いくつかの実施形態において、上方ガスベアリングアセンブリは、下方ガスベアリングアセンブリに対して移動可能である。このような動作は、平衡ギャップを増加または減少させるガス圧力の変化の結果、または、機械的動作を介した結果である可能性がある。
【0296】
いくつかの実施形態において、上方ガスベアリングアセンブリは、第一のガスベアリングアセンブリであり、下方ガスベアリングアセンブリは、第二のガスベアリングアセンブリである。いくつかの実施形態において、下方ガスベアリングアセンブリは第一のガスベアリングアセンブリであり、上方ガスベアリングアセンブリは、第二のガスベアリングアセンブリである。
【0297】
いくつかの実施形態において、片面ガスベアリングアセンブリは、100Paの負の圧力を、片面ガスベアリングアセンブリの出口に印加することによって、平坦化力を作ることができ、そのことは、平坦化力を作ることを可能にする。実施例として、75μmのワープは、ガラスの重量の約2倍のギャップ低減力をもたらす。
【0298】
いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリは、多孔質材料、例えば、グラファイトで形成されている。いくつかの実施形態において、片面ガスベアリングアセンブリは、主面に設けられた個別化したガス通路を有するその主面を有している。いくつかの実施形態において、両面ガスベアリングアセンブリおよび片面ガスベアリングアセンブリは、ガスの制御された供給を実行し、出口を管理し、およびシステムを熱制御する手段も含むことができる。例えば、ガスベアリングシステムは、制御された方法で、ガラスシートの冷却を実行することができ、または、温度の変動を避けるような能動的加熱を実行することができる。
【0299】
図52は、例示的なガスベアリング装置5210を示す。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置5210は、下方ガスベアリング5211および上方ガスベアリング5212を含む。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置5210は、ガラスシート5203を、接触することなく平坦化する。いくつかの実施形態において、ガラスシート5203は、下方ガスベアリング5211と上方ガスベアリング5212との間を移動する。いくつかの実施形態において、ガラスシート5203は、ガスベアリングとガラスシート5203との接触を伴うことなく、下方ガスベアリング5211と上方ガスベアリング5212との間を移動する。下方ガスベアリング5211は、矢印5227で示す方向において、ガラスシート5203にガス圧力を印加する。上方ガスベアリング5212は、矢印5228で示す方向において、ガラスシート5203にガス圧力を印加する。
【0300】
二つのエアベアリングの間にギャップが、例えば、下方ガスベアリング5211と上方ガスベアリング5212との間にギャップが存在するいくつかの実施形態において、そのギャップは、支持構造によって機械的に固定することができる。また、いくつかの実施形態において、そのギャップは、可変であってもよく、および空気圧に依存してもよい。例えば、上方ガスベアリング5212は、ガス膜5226のサイズが、ガス圧力と、上方ガスベアリング5212の重量とに依存するように、ガス膜5226によって支持してもよい。上方ガスベアリング5212は、他の何か、例えば、空気をガス膜5226に供給するホース、または、ばねアセンブリによって部分的に支持されながら、ガス膜5226によって支持してもよい。
【0301】
図53は、例示的なガスベアリングアセンブリ5310を示す。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5310は、下方ガスベアリングアセンブリ5311および上方ガスベアリングアセンブリ5312を含む。いくつかの実施形態において、上方ガスベアリング5312および下方ガスベアリング5311は、それぞれ主面を有している。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5310は、ガラスシート5303を、接触することなく平坦化する。いくつかの実施形態において、ガラスシート5303は、下方ガスベアリングアセンブリ5311と上方ガスベアリングアセンブリ5312との間を移動する。いくつかの実施形態において、ガラスシート5303は、ガスベアリングの主面とガラスシート5303との接触を伴うことなく、下方ガスベアリングアセンブリ5311の主面と、上方ガスベアリングアセンブリ5312の主面との間を移動する。いくつかの実施形態において、第一のガス膜5325は、下方ガスベアリングアセンブリ5311とガラスシート5303との間に形成され、第二のガス膜5326は、上方ガスベアリングアセンブリ5312とガラスシート5303との間に形成される。いくつかの実施形態において、表面5320は、複数のガスベアリング、例えば、
図5Aにおける複数のガスベアリング140を備えている。いくつかの実施形態において、ガスベアリング5320は、多孔質グラファイトで形成されている。いくつかの実施形態において、ガスは、複数のガス流入穴5360を介してガスベアリングアセンブリ5310に供給される。
【0302】
図54Aは、例示的なガスベアリングアセンブリ5411の平面図を示す。
図54Bは、例示的なガスベアリングアセンブリ5411の正面図を示す。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5411は、両面ガスベアリング装置における下方ガスベアリングである。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5411は、両面ガスベアリング装置における上方ガスベアリングである。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5411は、片面ガスベアリング装置である。ガスベアリングアセンブリ5411は、複数の流入通路5460を有している。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5411は、複数の通気流路5465を有している。いくつかの実施形態において、ガスは、矢印5475で示す方向において、複数の流入通路5460を介してガスベアリングアセンブリ5411へ供給される。
【0303】
図55は、例示的なガスベアリングアセンブリ5510を示す。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5510は、ガラスシート5503を、接触することなく平坦化する。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5510は、ガス膜5525を形成する。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5510は、矢印5527で示す方向において、ガラスシート5503に正のガス圧力を印加して、矢印5528で示す方向において、ガラスシート5503に対して真空引きする。いくつかの実施形態において、ガスベアリングアセンブリ5510は、ガス膜5525中に圧力平衡を生じさせることにより、ガラスシート5503を平坦化する。
【0304】
図56は、両面ガスベアリングアセンブリの駆動力を平坦化する実施例を示す。
図56は、膜圧とガラス重量の比をy軸上に示し、および平衡ギャップのサイズ(μm)をx軸上に示す。実施例として、厚さ1mmのガラスを平坦化した。ガスは、平方メートル当たり0.01m
3/秒のガラス流量で、ガスベアリングを介して供給した。上方ガスベアリングアセンブリは、650Paの負荷をかけ、対称的な平衡ギャップは105μmとした。いくつかの実施形態において、上方ガスベアリングアセンブリは、それ自体の重量のみを用いて負荷をかける。いくつかの実施形態において、上方ガスベアリングアセンブリは、機械的システムを用いて負荷をかける。
ガスベアリング冷却
いくつかの実施形態において、上述したガスベアリング装置またはアセンブリのいずれかは、ガスベアリング装置の全体にわたって温度均一性を維持するのを補助することができる冷却通路を含んでいてもよい。ガスベアリング装置は、冷却流体をそれを介して搬送するように構成された冷却通路を備えていてもよい。例えば、冷却通路は、ガスベアリング装置の壁部に埋め込んでもよい。いくつかの実施形態において、冷却通路は、それぞれの壁部の表面に接触していてもよい。ガスベアリング装置の冷却は、高温で搬送され、平坦化され、または処理されるガラス基板からの熱に対するその近接性による、および/または熱管理装置が加熱要素である場合の、そのような熱管理装置の加熱効果による、ガスベアリングの歪みを阻止する際に特に有益である可能性がある。
【0305】
いくつかの実施形態において、冷却流体は、水から成っていてもよく、また、添加物、例えば、ガスベアリング装置の構成要素の腐食を防止するように、または、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらの混合物等の流体を用いて、熱伝導および/または熱除去の能力を高めるように選択された添加物をさらに含んでもよいが、さらなる実施形態では、水が冷却流体中に存在していなくてもよい。例えば、冷却流体は、全体がエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらの混合物、または、ガスベアリング装置を冷却することが可能な他の流体であってもよい。いくつかの実施形態において、冷却流体は、ガス、例えば、空気であってもよいが、さらなる実施形態では、加圧ガスは、主に他のガス、または、限定するものではないが、窒素、ヘリウムおよび/またはこれらの混合物を含むガスの混合物であってもよい。ガスベアリング装置は、Inconel718またはInconel625等のコバルト‐クロム合金またはニッケル合金から成る金属製の構成要素から成っていてもよい。いくつかの実施形態において、ガスベアリング装置は、セラミック材料、例えば、アルミナまたはジルコニアから成っていてもよく、または、さらに他の実施形態では、グラファイトから成っていてもよい。ガスベアリング装置を構成する材料は、例えば、材料の熱伝導性に基づいて選択してもよく、および異なる材料の混合物を含んでいてもよい。
【0306】
本願明細書において、さまざまな実施形態を説明してきたが、それらの実施形態は、単に実施例として提示されており、それらに限定されるものではない。改造や変更が、本願明細書において提示されている教示およびガイダンスに基づいて、開示されている実施形態の等価物の目的および範囲内に入ることが意図されていることは明らかであろう。当業者には正しく認識されるように、本願明細書において提示されている実施形態の要素は、必ずしも相互に排他的ではないが、さまざまな状況に合うように置換えてもよい。
【0307】
本開示の実施形態は、本願明細書において、添付図面に図示されているように、その実施形態に関連して詳細に記載されており、同一または機能的に同様の要素を示すのに類似の参照数字が用いられている。「一つの実施形態」、「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の実施形態」等に関する言及は、記載されている実施形態が、特定の機能、構造または特徴を含んでもよいが、すべての実施形態が、特定の機能、構造または特徴を必ずしも含んでいなくてもよいことを示している。また、このような表現は、必ずしも同じ実施形態を指してはいない。さらに、特定の機能、構造または特徴が、ある実施形態と関連して記載されている場合、明記されているか否かに関係なく、他の実施形態に関連するそのような機能、構造または特徴に影響を及ぼすことは、当業者の認識の範囲内にあると考えられる。
【0308】
「約」という用語は、本願明細書で用いる場合、量、サイズ、形成、パラメータならびに他の数量および特徴が正確ではなく、正確である必要はないが、要望通りに、近くおよび/またはより大きくまたはより小さくてもよく、許容値、変換係数、四捨五入、測定誤差等、および当業者には公知の他の係数を反映してもよいことを意味する。
【0309】
ある値、または、範囲のエンドポイントを説明する際に、「約」という用語を用いる場合、本開示は、言及される具体的な値またはエンドポイントを含むように理解すべきである。本明細書内におけるある範囲の数値またはエンドポイントが「約」を記述しているか否かに関わらず、ある範囲の数値またはエンドポイントは、二つの実施形態、すなわち、「約」によって修飾されたものと、「約」によって修飾されていないものとを含むことが意図されている。
【0310】
本願明細書において、範囲は、「約」一つの具体的な値から、および/または「約」別の具体的な値までのように表すことができる。このような範囲が表されている場合、別の実施形態は、一つの具体的な値からおよび/または他の具体的な値までを含む。同様に、値が、「約」という先行詞を用いて近似値として表されている場合、その具体的な値が別の実施形態を構成することは理解されるであろう。さらに、複数の範囲の各々のエンドポイントは、他方のエンドポイントに関連して、および他方のエンドポイントに無関係に重要であることが理解されるであろう。
【0311】
本願明細書で用いられている方向を示す用語、例えば、上方へ、下方へ、右、左、前、後、上部、底部は、単に、描かれている図面に関連して成立しているものであり、絶対的な方向性を意味することは意図されていない。
【0312】
明示的に記載されていない限り、本願明細書に記載されたどの方法も、そのステップが特定の順番で実行されることを必要とするように解釈されることも、いずれかの装置の場合に、具体的な方向性が必要であることも全く意図されていない。したがって、方法クレームが、そのステップが従うべき順番を実際に記述していない場合、または、いずれかの装置クレームが、個々の構成要素に関して順番または方向性を実際に記述していない場合、または、クレームまたは説明において、ステップが特定の順番に限定されることが明記されていない場合、または、装置の構成要素の具体的な順番または方向性が記述されていない場合、順番または方向性が、何らかの点において推論されることは全く意図されていない。このことは、ステップの構成に関する論理の事柄、動作フロー、構成要素の順番、または、構成要素の方向性を含む、解釈のための任意の可能性のある明示されていない基準に、文法構成または句読点から導き出される明白な意味に、および本明細書に記載されている実施形態の数または種類に対して成り立つ。
【0313】
「一つの(a)」、「一つの(an)」および「その(the)」という単数形は、本願明細書で用いる場合、文脈上例外が明記されていない限り、複数の指示対象を含むものとする。したがって、例えば、「一つの」構成要素に対する言及は、文脈上例外が明記されていない限り、二つ以上のそのような構成要素を備えている実施形態を含むものとする。
【0314】
本願明細書で用いる場合、相補的な形状構成は、互いの鏡像であり、かつ互いに係合することが可能である形状構成である。例えば、凸状面と凹状面は、これらの面の少なくとも一方に関してほぼ完全な接触状態で、一方の面が他方の面に当たって適合するような適切なサイズで形成されている場合に相補的になる可能性がある(例えば、ボールソケットジョイント)。鋭角を備える面は、180度からその鋭角を引いた角度に等しい鈍角を備える別の面と相補的である可能性がある(例えば、平行な面に対して、ある角度で切断された二つの対向する平行な主面を備えるボードは、相補的な切断面を生じる)。当業者は、上記のガイダンスから、相補的という意味を十分に理解するであろう。
【0315】
当業者には、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示の実施形態に関してさまざまな変更および変形を実行できることは明白であろう。したがって、そのような変更および変形が、添付クレームおよびそれらの等価物の範囲内にあれば、本開示は、それらの変更および変形もカバーすることが意図されている。
【0316】
本願明細書で用いられている「ガラス基板」、「ガラスリボン」および「ガラスシート」という用語は、本願明細書で用いる場合、置換え可能に用いることができる。例えば、ガラス基板を支持するのに用いられるガスベアリングは、ガラスリボンまたはガラスシートを支持するのにも用いることができる。
【0317】
本願明細書で用いられている「排気口」、「個別のポート」および「排出口」という用語は、置換え可能に用いることができる。例えば、排出口は、排気口または個別のポートであってもよい。
【0318】
本願明細書で用いられている「粘性ガラス」または「溶融ガラス」という用語は、50から1013ポアズの範囲内の粘性を有するガラスを意味する。「溶融ガラス」は、液体として、本願明細書に記載されているガラス処理装置および同様の装置を流れることができる十分に低い粘性を有している。「粘性ガラス」は、容易に恒久的に変形することができる十分に低い粘性を有している。粘性ガラスは、本願明細書において、「柔らかくなった」ガラスと呼ばれることもある。
【0319】
「または」という用語は、本願明細書で用いる場合、包含的であり、より具体的には、「AまたはB」という表現は、「A、BまたはAおよびBの両方」を意味する。排他的な「または」という用語は、本願明細書においては、例えば、「AまたはBのいずれか」、および「AまたはBの一方」という用語で示されている。ある要素または構成要素を説明する「一つの(a)」および「一つの(an)」という不定冠詞および「その(the)」という定冠詞は、特定の事例において明記されていない限り、これらの要素または構成要素のうちの少なくとも一つが存在していることを意味する。
【0320】
ガス膜「によって支持される」という用語は、本願明細書で用いる場合、支持される物品が、ガス膜によって、少なくとも部分的に支持されることを意味する。例えば、ガラスリボンが、そのガラスリボンに接触するローラ上に後に送られる場合であっても、そのガラスリボンは、ガス膜が、そのガラスリボンを支持するような力をそこで印加する非接触ガスベアリング上を通過する際に、ガス膜「によって支持される」。また、ガスベアリングは、ガス膜「によって支持」してもよい。
【0321】
本願明細書において、上限値および下限値を含むある範囲の数値が列挙されている場合は、具体的な状況において明記されていない限り、その範囲は、範囲のエンドポイントと、その範囲内のすべての整数および分数を含むことが意図されている。クレームの範囲が、ある範囲を定義する際に列挙された具体的な値に限定されることは意図されていない。さらに、量、濃度、または、他の値またはパラメータが、ある範囲、一つ以上の好適な範囲、または、好適な上限値および好適な下限値から成るリストとして記述されている場合、任意の範囲の上限または好適な値と、任意の範囲の下限または好適な値とから成る任意のペアが別々に開示されているか否かに関わらず、そのような任意のペアから構成されたすべての範囲を具体的に開示していると理解すべきである。
【0322】
「ガラス」という用語は、本願明細書で用いる場合、ガラスおよびガラスセラミックを含む、少なくとも部分的にガラスで形成された任意の材料を含むことが意図されている。
【0323】
「この場合(wherein)」という用語は、構造の一連の特徴の列挙を導入するための非限定型の移行句として用いられている。
【0324】
ガスベアリングに関連するガラスの動きを説明するのに用いられる際の「周りに(around)」という用語は、本願明細書で用いる場合、「周りに(around)」、「を通って(through)」、「上に(above)」、「下に(below)」または「近傍に(near)」を含むことが意図されている。
【0325】
「備えている(comprising)」は、本願明細書で用いる場合、非限定型の移行句である。後に「備えている」という移行句が続く要素のリストは、非排他的なリストであり、そのため、そのリストで具体的に列挙されている要素の他の要素も存在していてもよい。
【0326】
本開示を、特定の機能およびそれらの関係の実施を説明する機能的な基礎的要素の助けを借りて上記で説明してきた。本願明細書において、それらの機能的な基礎的要素の境界は、説明の便宜上、任意に定義されている。特定の機能およびそれらの関係が適切に実行される限り、代替的な境界を定義することができる。
【0327】
特定の実施形態に関する上記の説明は、他者が、当該技術の範囲内の知識を適用することにより、本開示全体の概念から逸脱することなく、過度の実験を要することなく、そのような特定の実施形態のさまざまな適用に対して容易に変更しおよび/または適応させることができる本開示の全体的な性質を十分に明らかにするであろう。したがって、このような適応および変更は、本願明細書において提示されている教示およびガイダンスに基づいて、開示されている実施形態の等価物の趣意および範囲に入ることが意図されている。本願明細書における表現または用語は、説明のためのものであり、限定するためのものではなく、そのため、本明細書の用語または表現は、当業者により、その教示およびガイダンスに照らして解釈されるべきであることを理解すべきである。
【0328】
本開示の幅および範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれかによって限定すべきではないが、以下のクレームおよびそれらの等価物によってのみ定義すべきである。
【0329】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0330】
実施形態1
搬送方向に移動する基板を支持する装置であって、
圧縮ガス源と流体的に連通しているチャンバを包囲する圧力ボックスと、
該圧力ボックス上に配置されたガスベアリングであって、該ガスベアリングが、
前記チャンバと流体的に連通し、および前記ガスベアリングの長さ方向に延びているプレナムと、
該プレナムと中間通路との間のガスの流量を制限するようなサイズで形成されたインピーダンスオリフィスを介して、該プレナムと流体的に連通している中間通路と、
前記中間通路と流体的に連通し、および前記ガスベアリングの前記長さ方向に沿って延びているスロットであって、該ガスベアリングの主面で開口し、および該スロットの長さに沿ってガスを排出するように構成されたスロットと、
を含むガスベアリングと、
を備える装置。
【0331】
実施形態2
前記ガスベアリングは、該ガスベアリングの主面を画定する複数のエッジを備え、該複数のエッジは、前記搬送方向に対して角度αで配列された対向する平行エッジから成る第一のペアを含み、ただし、αは、約20度から約60度の範囲内である、実施形態1に記載の装置。
【0332】
実施形態3
前記インピーダンスオリフィスの出口開口と、前記スロットの開口部との間の距離は、約5ミリメートル以上である、実施形態1に記載の装置。
【0333】
実施形態4
前記インピーダンスオリフィスの前記出口開口と、前記スロットの前記開口部との間の距離は、約5ミリメートルから約10ミリメートルの範囲内である、実施形態1に記載の装置。
【0334】
実施形態5
前記インピーダンスオリフィスの中心の長手方向軸は前記主面に対して直交する、実施形態2に記載の装置。
【0335】
実施形態6
前記インピーダンスオリフィスの中心の長手方向軸は前記主面に平行である、実施形態2に記載の装置。
【0336】
実施形態7
前記装置は、前記圧力ボックス上に配置された複数のガスベアリングを備え、該複数のガスベアリングは、前記搬送方向に直交して延びている複数の列で配列される、実施形態1に記載の装置。
【0337】
実施形態8
前記圧力ボックスは、冷却流体のソースと流体的に連通している冷却通路を備える、実施形態1に記載の装置。
【0338】
実施形態9
前記スロットの幅は、該スロットの長さに沿って均一である、実施形態1に記載の装置。
【0339】
実施形態10
ガラス基板を支持する装置であって、
圧縮ガス源と流体的に連通しているチャンバを包囲する圧力ボックスと、
該圧力ボックスの表面に配置された複数のガスベアリングであって、該複数のガスベアリングは、前記ガラス基板の搬送方向に直交して延びている複数の列で配列され、該複数のガスベアリングの各ガスベアリングは、
前記チャンバと流体的に連通し、および前記ガスベアリングの長さ方向に延びているプレナムと、
該内部プレナムと中間通路との間のガスの流量を制限するようなサイズで形成されたインピーダンスオリフィスを介して、該プレナムと流体的に連通している中間通路と、
該中間通路と流体的に連通し、および前記ガスベアリングの長さに沿って延びているスロットであって、ガスをガス開口部から該スロットの長さに沿って排出できるように、前記ガスベアリングの主面で開口しているスロットと、
を含む、複数のガスベアリングと、
を備え、前記主面は、前記搬送方向に対して角度αで配列された平行エッジから成る第一のペアを少なくとも備える複数のエッジによって画定され、ただし、αは、20度以上、60度以下の範囲内である装置。
【0340】
実施形態11
前記インピーダンスオリフィスの出口開口と、前記主面における前記スロットの開口部との間の距離dは、約5ミリメートル以上である、実施形態10に記載の装置。
【0341】
実施形態12
距離dは、約5ミリメートルから約10ミリメートルの範囲内である、実施形態11に記載の装置。
【0342】
実施形態13
前記インピーダンスオリフィスの長手方向軸は前記主面に直交している、実施形態10に記載の装置。
【0343】
実施形態14
前記インピーダンスオリフィスの長手方向軸は前記主面に平行である、実施形態10に記載の装置。
【0344】
実施形態15
前記スロットの幅は、該スロットの長さに沿って均一である、実施形態10に記載の装置。
【0345】
実施形態16
ガラス基板を支持する方法であって、
支持装置上で、ガラス基板を搬送方向に搬送することであって、前記非接触支持装置が、圧縮ガス源と流体的に連通するチャンバを包囲する圧力ボックスを備え、該圧力ボックスは、該圧力ボックス上に配置された複数のガスベアリングをさらに含み、該複数のガスベアリングは、前記搬送方向に直交して延びる複数の列で配列され、前記複数のガスベアリングの各ガスベアリングは、
前記ガスベアリングの長さ方向に延びるプレナムと、
該プレナムと中間通路との間のガスの流量を制限するようなサイズで形成されたインピーダンスオリフィスを介して、前記プレナムと流体的に連通している中間通路と、
前記中間通路と流体的に連通し、および前記ガスベアリングの長さに沿って延びているスロットであって、前記ガスベアリングの主面において開口しているスロットとを備える、搬送することと、
前記スロットの長さに沿って、該スロットからガスを排出し、それによって、前記ガスベアリングの前記主面から離間した位置で前記ガラス基板を支持することと、
を含み、前記ガスベアリングの前記主面は、前記搬送方向に対して角度αで配列された平行なエッジから成る第一のペアを少なくとも備える複数のエッジによって画定され、ただし、αは、20度以上から60度以下の範囲内にある、方法。
【0346】
実施形態17
前記インピーダンスオリフィスを介した圧力低下は、前記ガスベアリングと前記ガラス基板との間のガス圧力の50倍以上大きい、実施形態16に記載の方法。
【0347】
実施形態18
前記圧力低下は、前記ガスベアリングと前記ガラス基板との間のガス圧力の約50から約100倍以上の範囲である、実施形態17に記載の方法。
【0348】
実施形態19
前記ガラス基板が前記支持装置上で搬送される際に、前記ガラス基板を、前記ガラス基板のアニール温度よりも高い温度まで加熱することをさらに含む、実施形態16に記載の方法。
【0349】
実施形態20
前記ガラス基板の幅は、少なくとも1メートルであり、前記ガラス基板の主面の最大変動は、そのガラス基板を支持装置上で搬送した後に、その主面と平行な基準面に対して、100マイクロメートルを超えない、実施形態19に記載の方法。
【0350】
実施形態21
前記スロットの幅は、該スロットの長さに沿って均一である、実施形態16に記載の方法。
【0351】
実施形態22
前記ガラス基板はガラスリボンであり、前記方法は、該ガラスリボンを前記支持装置で支持する前に、成形体から前記ガラスリボンを引張加工することをさらに含む、実施形態16に記載の方法。
【0352】
実施形態23
前記ガラス基板を前記支持装置で支持する前に、前記ガラスリボンの向きを、第一の方向から、該第一の方向とは異なる第二の方向に変えることをさらに含む、実施形態22に記載の方法。
【0353】
実施形態24
前記ガラス基板の縁部に隣接して配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力は、前記ガラス基板の中央部分の下に配置されたガスベアリングから排出されるガス圧力よりも大きい、実施形態16に記載の方法。
【0354】
実施形態25
前記ガラス基板が前記支持装置上で搬送される際の該ガラス基板の温度は、該ガラス基板のアニール温度よりも大きい、実施形態16に記載の方法。
【0355】
実施形態26
前記ガラス基板が前記支持装置上で搬送される際の該ガラス基板の温度は、約700℃以上である、実施形態16に記載の方法。
【0356】
実施形態27
柔らかくなったガラスを支持する方法であって、
支持面を有するガスベアリング装置に近接して前記ガラスを配置することであって、該支持面が複数の排気口を備え、排気口は、少なくとも平方メートル当たり8,000の排気口という密度を有することと、
前記ガラスが、前記支持面に触れることなく、ガスによって支持されるように、前記排気口を介して該ガスの流れを吐出することと、
を含む方法。
【0357】
実施形態28
前記ガラスを配置することは、ガラスの連続する流れを、前記ガスベアリング装置に近接するガラス送給ユニットから送給することを含む、実施形態27に記載の方法。
【0358】
実施形態29
前記ガラスの粘性を、約500から約1013ポアズの範囲内に維持しながら、前記ガラスを前記ガスベアリング装置に近接させて、所定期間、維持することをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0359】
実施形態30
前記支持面に配置された複数のベント口を介して、前記ガラスを支持している前記ガスの一部を解放することをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0360】
実施形態31
前記ベント口は、前記排気口の密度よりも小さい密度を有するアレイを構成する、実施形態30に記載の方法。
【0361】
実施形態32
前記ガスベアリング装置は、エアターンベアリングであり、前記方法は、
前記ガラスの流れが、前記エアターンベアリングに近接して送給された後に、
前記ガラスの流れを、前記エアターンベアリングが前記ガラスに接触することなく、第一の方向から第二の方向に変えることをさらに含む、実施形態28に記載の方法。
【0362】
実施形態33
前記ガスベアリングはエアテーブルであり、
前記ガラスは、ガラスの連続的な流れから成り、
前記方法は、
前記ガラスの連続的な流れが、前記エアテーブルに近接して送給された後に、
前記ガラスの連続的な流れが水平面を通過する際に、前記エアテーブルが前記ガラスに接触することなく、前記ガラスの連続的な流れを支持することをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0363】
実施形態34
前記ガラスの連続的な流れが水平面を通過する際に、前記ガラスの流れにわたって張力を維持することをさらに含む、実施形態33に記載の方法。
【0364】
実施形態35
前記ガスベアリング装置はアキュムレータであり、前記方法は、
前記ガラスの連続的な流れが前記アキュムレータに近接して送給される際に、所望量の容積のガラスを蓄積することと、前記アキュムレータと、前記整形されたガラス面の少なくとも一部との接触がない状態で、前記アキュムレータによって、前記所望量の容積のガラスを整形することとをさらに含む、実施形態28に記載の方法。
【0365】
実施形態36
前記方法は、前記アキュムレータと、前記整形されたガラス面との接触がない状態で、前記アキュムレータによって、前記所望量の容積のガラスの表面を整形することをさらに含む、実施形態35に記載の方法。
【0366】
実施形態37
前記ガスベアリング装置はエアモールドであり、
前記ガラスは板ガラスからさらに成り、
前記ガラスを、ガスベアリング装置に近接して配置することは、前記板ガラスを前記エアモールド上に配置することを含み、
前記方法は、
前記ガラスを弛ませて、前記エアモールドと、前記整形されたガラス面の少なくとも一部との接触がない状態で、前記ガラスの表面を、前記エアモールドの形状に整形することをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0367】
実施形態38
前記方法は、前記ガラスを弛ませて、前記エアモールドと、前記整形されたガラス面との接触がない状態で、前記ガラスの表面を、前記エアモールドの形状に整形することをさらに含む、実施形態37に記載の方法。
【0368】
実施形態39
前記ガスベアリングは、1cm2という最小面積を有する、実施形態27に記載の方法。
【0369】
実施形態40
前記排気口は、均一なサイズおよび間隔を有する、実施形態27に記載の方法。
【0370】
実施形態41
前記排気口は、平方メートル当たり少なくとも10,000の排気口という密度を有する、実施形態27に記載の方法。
【0371】
実施形態42
前記ガスベアリング装置は、複数の調量パイプをさらに備え、各調量パイプは、少なくとも二つの排気口にガスを供給する、実施形態27に記載の方法。
【0372】
実施形態43
前記ガラスが前記ガスベアリング装置に近接している間に、前記ガラスを熱成形することをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0373】
実施形態44
前記ガスベアリング内の温度制御流路を介して、温度制御熱流体を循環させることによって、前記ガスベアリングの温度を制御することをさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0374】
実施形態45
前記温度制御熱流体の前記温度は、前記温度制御流体を冷却するように構成された冷却回路によって制御される、実施形態44に記載の方法。
【0375】
実施形態46
前記温度制御熱流体の前記温度は、前記温度制御流体を加熱するように構成された加熱回路によって制御される、実施形態44に記載の方法。
【0376】
実施形態47
前記排気口を介して前記ガスを吐出する前に、前記ガス源から前記ガスベアリング装置に前記ガスを送ることと、
前記ガスが前記ガスベアリング装置に到達する前に、前記ガスを予め加熱することと、
をさらに含む、実施形態27に記載の方法。
【0377】
実施形態48
支持面を有するガスベアリング装置であって、該支持面が複数の排気口を備えるガスベアリング装置を備え、
前記排気口は、少なくとも平方メートル当たり8,000という密度を有し、
前記ガスベアリング装置は、粘性のあるガラスを支持するように構成される、ガラス加工装置。
【0378】
実施形態49
ガラスの連続的な流れを前記ガスベアリング装置に供給するように構成されたガラス送給ユニットをさらに備え、前記ガラスは、該ガラス送給ユニットによって供給されたときに溶融される、実施形態48に記載の装置。
【0379】
実施形態50
ガラスの連続的な流れを前記ガスベアリング装置から受け取るように構成された駆動コンベアをさらに備え、該駆動コンベアは、前記ガスベアリング装置によって支持された前記ガラスの連続的な流れに張力を印加するように構成される、実施形態48に記載の装置。
【0380】
実施形態51
前記支持面に配置された複数のベント口をさらに備え、該ベント口は、前記排気口の密度よりも小さい密度を有する、実施形態48に記載の装置。
【0381】
実施形態52
前記排気口は、最大限でも3ミリメートルのピッチを有するアレイを構成し、前記ベント口は、前記排気口のピッチよりも大きいピッチを有するアレイを構成する、実施形態51に記載の装置。
【0382】
実施形態53
前記ガスベアリング装置は、前記ガラスに接触することなく、前記ガラスの流れを第一の方向から、該第一の方向とは異なる第二の方向に変えるように構成されたエアターンベアリングである、実施形態49に記載のガラス成形装置。
【0383】
実施形態54
前記ガスベアリング装置は、前記ガラスに接触することなく、前記ガラスの流れを支持するように構成されたエアテーブルである、実施形態49に記載のガラス成形装置。
【0384】
実施形態55
前記ガスベアリング装置は、ある容積のガラスを受け入れて蓄積し、およびアキュムレータと、整形されたガラス面の少なくとも一部との接触がない状態で、該ある容積のガラスの表面を整形するように構成された前記アキュムレータである、実施形態49に記載のガラス成形装置。
【0385】
実施形態56
前記アキュムレータは、ある容積のガラスを受け入れて蓄積し、および該アキュムレータと前記整形されたガラス面との接触がない状態で、前記ある容積のガラスの表面を整形するように構成される、実施形態55に記載のガラス成形装置。
【0386】
実施形態57
前記ガスベアリング装置は、前記ガラスの少なくとも一部に接触することなく、板ガラスをスランピングするように構成されたエアモールドである、実施形態48に記載のガラス成形装置。
【0387】
実施形態58
前記ガスベアリング装置は、前記ガラスに接触することなく、板ガラスをスランピングするように構成されたエアモールドである、実施形態57に記載のガラス成形装置。
【0388】
実施形態59
前記排気口は、平方メートル当たり少なくとも10,000という密度を有する、実施形態48に記載のガラス成形装置。
【0389】
実施形態60
前記ガスベアリング装置は、前記複数の排気口に流体的に連通しているガスマニホールドをさらに備える、実施形態48に記載の装置。
【0390】
実施形態61
複数の調量パイプをさらに備え、各調量パイプは、前記マニホールドおよび少なくとも四つの排気口と流体的に連通している、実施形態48に記載のガラス成形装置。
【0391】
実施形態62
前記排気口は、最大限でも3ミリメートルのピッチを有するアレイを構成する、実施形態48に記載のガラス成形装置。
【0392】
実施形態63
前記ガスベアリングは、1cm2という最小面積を有する、実施形態48に記載のガラス成形装置。
【0393】
実施形態64
前記排気口は、均一なサイズおよび間隔を有する、実施形態48に記載のガラス成形装置。
【0394】
実施形態65
前記ガスベアリング装置に接続された熱制御システムをさらに備え、該熱制御システムは、前記ガスベアリング内の温度制御流路を介して温度制御流体を循環させることによって、該ガスベアリングの温度を制御するように構成される、実施形態48に記載のガラス成形装置。
【0395】
実施形態66
前記熱制御システムは、前記ガラスの粘性を、約500から約1013ポアズの範囲内に維持するのに十分な温度までガラスを加熱するように構成される、実施形態65に記載のガラス成形装置。
【0396】
実施形態67
前記熱制御システムは熱交換器から成る、実施形態65に記載のガラス成形装置。
【0397】
実施形態68
前記温度制御流体は冷却流体である、実施形態65に記載のガラス成形装置。
【0398】
実施形態69
前記温度制御流体は予め加熱されたガスである、実施形態65に記載のガラス成形装置。
【0399】
実施形態70
前記熱制御システムは、少なくとも一つの電気加熱素子を備える、実施形態65に記載のガラス成形装置。
【0400】
実施形態71
ガラスの流れを第一の方向に供給するように構成されたガラス送給ユニットであって、該ガラスは、該ガラス送給ユニットによって供給されたときに溶融される、ガラス送給ユニットと、
前記ガラス送給ユニットの下に配置されたガスベアリングであって、前記ガラスの流れを、該ガラスの流れに接触することなく、前記第一の方向とは異なる第二の方向に変えるように構成された、ガスベアリングと、
前記ガラスの流れを連続的に運んで支持するように構成されたエアテーブルと、
支持構造部によって支持され、および前記エアテーブルの上に配置された複数のモジュール装置と、
を備え、
前記複数のモジュール装置のうちの少なくとも一つは、モジュール熱管理装置である、ガラス成形装置。
【0401】
実施形態72
前記複数のモジュール装置は、前記支持構造部に可動的に取付けられ、および
各モジュール装置は、独立して移動可能である、実施形態71に記載の装置。
【0402】
実施形態73
前記支持構造部は、
前記支持構造部に可動的に取付けられたアーム部材を備え、
前記複数のモジュール装置は、該アーム部材に取り付けられる、実施形態71に記載の装置。
【0403】
実施形態74
前記少なくとも一つのモジュール熱管理装置は、前記支持構造部に取り外し可能に取り付けられる、実施形態71、72または73に記載の装置。
【0404】
実施形態75
前記少なくとも一つのモジュール熱管理装置は、フラットパネルヒータ、パッシブリフレクタパネル、エッジヒータ、エアナイフアセンブリ、ローラおよびこれらの任意の組合せから単独で選択される、実施形態71、72、73または74に記載の装置。
【0405】
実施形態76
前記複数のモジュール装置は、ロール位置決めアセンブリ、平坦化ロールアセンブリおよび駆動ローラのうちの少なくとも一つを含む、実施形態71に記載の装置。
【0406】
実施形態77
前記アームは垂直方向に移動可能である、実施形態71に記載の装置。
【0407】
実施形態78
前記支持構造部は、垂直部材に対して垂直方向に前記アームを動かすように構成された電動リフトを備える、実施形態73に記載の装置。
【0408】
実施形態79
前記アームは、下方位置と上方位置との間で移動可能である、実施形態78に記載の装置。
【0409】
実施形態80
前記複数のモジュール装置は、水平方向軸に沿って移動可能である、実施形態72に記載の装置。
【0410】
実施形態81
前記複数のモジュール装置は、垂直軸に沿って移動可能である、実施形態72に記載の装置。
【0411】
実施形態82
前記エアテーブルは、水平の5度以内の平面内で、前記ガラスの流れを支持するように構成される、実施形態71に記載の装置。
【0412】
実施形態83
前記エアテーブルは、ガスベアリングモールドを備える実施形態71に記載の装置。
【0413】
実施形態84
前記ガスベアリングモールドは、スランピングモールドである、実施形態83に記載の装置。
【0414】
実施形態85
前記エアテーブルは、前記ガラスの流れに接触することなく、該ガラスの流れを連続的に運んで支持するように構成された第一の部分をさらに備える、実施形態71に記載の装置。
【0415】
実施形態86
前記エアテーブルは、前記ガラスの流れに接触することによって、該ガラスの流れを支持するように構成されたローラを備える第二の部分をさらに備える、実施形態85に記載の装置。
【0416】
実施形態87
前記エアテーブルの前記第二の部分は、前記ガラスの流れが進む方向において、前記エアテーブルのローラの前記第一の部分の後に配置される、実施形態86に記載の装置。
【0417】
実施形態88
前記エアテーブルは、複数のテーブルモジュールを備える、実施形態71、72または73に記載の装置。
【0418】
実施形態89
ガラス送給ユニットから、ガラスの流れを第一の方向に供給することであって、該ガラスは、該ガラス送給ユニットによって供給されたときに溶融されることと、
前記ガラスの流れに接触することなく、ガスベアリングを介して該ガラスの流れを送って、該ガラスの流れを前記第一の方向から第二の方向に変えることと、
前記ガスベアリングの周りに送った後、前記ガラスの流れを、該ガラスに接触することなく、エアテーブルの第一の部分を横切って運ぶことと、
前記ガラスの流れを運んでいる間に、モジュール熱管理装置が該ガラスの流れの上に配置されるように、支持構造部によって支持された少なくとも一つの該モジュール熱管理装置によって、該ガラスの流れの熱プロファイルを制御することと、
を含む連続ガラス成形プロセス。
【0419】
実施形態90
第一の主面を有する第一のガスベアリングアセンブリと、
第二の主面を有する第二のガスベアリングアセンブリであって、前記第一の主面が、ギャップによって該第二の主面と隔てられている、第二のガスベアリングアセンブリと、
前記第一の主面に配置され、および第一のガス源と流体的に連通している第一の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、
前記第二の主面に配置され、および第二のガス源と流体的に連通している第二の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、
粘性のあるガラスの連続的な流れを前記ギャップに送り込むように配置された、粘性のあるガラスのソースと、
を備えるガラス加工装置。
【0420】
実施形態91
前記粘性のあるガラスのソースは、該ガラスが、前記第一のガスベアリングアセンブリと前記第二のガスベアリングアセンブリとの間の前記ギャップに入ったときに、107から1010ポアズの範囲内の粘性を有するガラスの流れを生成するように構成される、実施形態90に記載の装置。
【0421】
実施形態92
前記第一のガスベアリングアセンブリは、複数の第一のガスベアリングをさらに備え、各第一のガスベアリングは、該複数の第一のガスベアリングの第一のベアリング支持面が共同で前記第一の主面を構成するような該第一のベアリング支持面を有し、
前記第二のガスベアリングアセンブリは、複数の第二のガスベアリングをさらに備え、各第二のガスベアリングは、該複数の第二のガスベアリングの第二のベアリング支持面が共同で前記第二の主面を構成するような該第二のベアリング支持面を有する、実施形態90に記載の装置。
【0422】
実施形態93
前記複数の第一のガスベアリングを互いに隔てる第一の複数の通気流路と、前記複数の第二のガスベアリングを互いに隔てる第二の複数の通気流路とをさらに備える、実施形態92に記載のガラス成形装置。
【0423】
実施形態94
前記第一のベアリング支持面の各々は第一の多孔質材料から成り、前記第二のベアリング支持面の各々は第二の多孔質材料から成る、実施形態92に記載のガラス加工装置。
【0424】
実施形態95
前記第一の多孔質材料および前記第二の多孔質材料はともにグラファイトから成る、実施形態94に記載のガラス加工装置。
【0425】
実施形態96
前記第二のガスベアリングアセンブリは、前記第一のガスベアリングアセンブリの上に配置され、前記複数の第二のガスベアリングの各々は、前記第一および第二のガスベアリング間の一つ以上のガス膜によって支持される、実施形態92に記載のガラス加工装置。
【0426】
実施形態97
前記複数の第一のガスベアリングの各々に接続された第一の支持フレームをさらに備え、該第一の支持フレームは、冷却流体のソースと流体的に連通している冷却通路を備える、実施形態92に記載のガラス加工装置。
【0427】
実施形態98
前記第一のガスベアリングおよび前記第二のガスベアリングは、150Paから1000Paの圧力を、前記粘性のあるガラスの流れに印加するように構成される、実施形態90に記載のガラス加工装置。
【0428】
実施形態99
前記第二のガスベアリングは、前記下方ガスベアリングに対して移動可能である、実施形態90に記載のガラス加工装置。
【0429】
実施形態100
前記装置は、前記粘性のあるガラスの連続的な流れを平坦化するように構成される、実施形態90に記載のガラス加工装置。
【0430】
実施形態101
前記複数の第一のガスベアリングの各々に配置されたガス流路をさらに備える、実施形態90に記載のガラス加工装置。
【0431】
実施形態102
粘性のあるガラスを平坦化する方法であって、
107から1010ポアズの範囲内の粘性を有するガラスの連続的な流れをガスベアリング装置に送り込むことであって、該ガスベアリング装置が、
第一の主面を有する第一のガスベアリングアセンブリと、
第二の主面を有する第二のガスベアリングアセンブリであって、前記第一の主面は、ギャップによって該第二のガスベアリングアセンブリと隔てられている、第二のガスベアリングアセンブリと、
前記第一の主面に配置され、および第一のガス源と流体的に連通している第一の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、
前記第二の主面に配置され、および第二のガス源と流体的に連通している第二の複数の排気口、気孔またはそれらの組合せとを備える、送り込むことと、
前記第一の主面の前記排気口または気孔を介してガスを吐出することにより、前記ガラスの第一の面に圧力を印加して、第一のガス膜を生成することと、
前記第二の主面の前記排気口または気孔を介してガスを吐出することにより、前記第一の面に対向する前記ガラスの第二の面に圧力を印加して、第二のガス膜を生成することと、
前記ガラスの前記第一の面に印加された圧力と、前記ガラスの第二の面に印加された圧力との間に圧力均衡を生じさせることにより、該ガラスに接触することなく、該ガラスを平坦化することと、
を含む方法。
【0432】
実施形態103
前記第一のガスベアリングアセンブリは、複数の第一のガスベアリングをさらに備え、各第一のガスベアリングは、該複数の第一のガスベアリングの第一のベアリング支持面が共同で前記第一の主面を構成するような該第一のベアリング支持面を有し、
前記第二のガスベアリングアセンブリは、複数の第二のガスベアリングをさらに備え、各第二のガスベアリングは、該複数の第二のガスベアリングの第二のベアリング支持面が共同で前記第二の主面を構成するような該第二のベアリング支持面を有する、実施形態102に記載の方法。
【0433】
実施形態104
前記第一のガスベアリングアセンブリは、前記複数の第一のガスベアリングを互いに隔てる第一の複数の通気流路をさらに備え、および前記第二のガスベアリングアセンブリは、前記複数の第二のガスベアリングを互いに隔てる第二の複数の通気流路をさらに備える、実施形態103に記載の方法。
【0434】
実施形態105
前記第一のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することと、前記第二のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することとをさらに含む、実施形態102に記載の方法。
【0435】
実施形態106
前記ガラスの重量の5から50倍に等しい圧力を印加することをさらに含む、実施形態102に記載の方法。
【0436】
実施形態107
前記第一のガスベアリングアセンブリに対する第二のガスベアリングアセンブリの位置を調節することにより、前記第一のガス膜の厚さおよび前記第二のガス膜の厚さを調節することをさらに含む、実施形態102に記載の方法。
【0437】
実施形態108
前記第二のガスベアリングアセンブリは、前記第二のガス膜によって支持される、実施形態102に記載の方法。
【0438】
実施形態109
ガスを穴を介して、ガラスの流れの方向に垂直に送り込むことをさらに含む、実施形態102に記載の方法。
【0439】
実施形態110
冷却通路を介して冷却流体を流すことによって、前記ガスベアリングアセンブリを冷却することをさらに含む、実施形態102に記載の方法。
【0440】
実施形態111
前記ガラスの粘性を、107から1013ポアズの範囲内に維持しながら、前記ガラスを前記第一のガスベアリングアセンブリおよび前記第二のガスベアリングアセンブリに近接して所定期間、維持することをさらに含む、実施形態102に記載の方法。
【0441】
実施形態112
主面を有するガスベアリングアセンブリと、
前記主面に配置された複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、
前記主面に配置された複数のベントと、
粘性のあるガラスの連続的な流れを前記ガスベアリング装置に送り込むように配置された粘性のあるガラスのソースと、
を備え、
前記ガスベアリングアセンブリは、前記排気口または気孔を介して正の圧力を前記ガラスシートに印加するように構成され、
前記ガスベアリングアセンブリは、前記ベントを介して負の圧力を前記ガラスシートに印加するように構成され、
前記排気口または気孔は、ガス源と流体的に連通し、および
前記ガラスの粘性は、該ガラスが前記ガスベアリング装置に送り込まれたときに、107から1013ポアズの範囲内である、ガラス加工装置。
【0442】
実施形態113
前記ガスベアリングアセンブリは複数のガスベアリングをさらに備え、各ガスベアリングは、前記第一のガスベアリングのベアリング支持面が共同で前記主面を構成するような該ベアリング支持面を有する、実施形態112に記載の装置。
【0443】
実施形態114
前記ガスベアリングアセンブリは、前記複数のガスベアリングを互いに隔てる複数の通気流路をさらに備える、実施形態112に記載の装置。
【0444】
実施形態115
前記主面は、複数の排気口をその中にさらに備え、該排気口は、平方メートル当たり少なくとも8,000の排気口という密度を有する、実施形態112に記載のガラス加工装置。
【0445】
実施形態116
前記主面に設けられた複数のベント口をさらに備え、該ベント口は、前記排気口の密度よりも小さい密度を有する、実施形態115に記載のガラス成形装置。
【0446】
実施形態117
前記ベアリング支持面は多孔質材料から成る、実施形態113に記載のガラス加工装置。
【0447】
実施形態118
前記多孔質材料はグラファイトから成る、実施形態117に記載のガラス加工装置。
【0448】
実施形態119
前記複数のガスベアリングの各々に接続された支持フレームをさらに備え、該支持フレームは、冷却流体のソースと流体的に連通している冷却通路を備える、実施形態112に記載のガラス加工装置。
【0449】
実施形態120
前記ガラスの上に配置された熱管理装置をさらに備える、実施形態112に記載のガラス加工装置。
【0450】
実施形態121
前記ガスベアリングは、前記ガラスの重量の2から25倍に等しい正の圧力を印加するように構成される、実施形態112に記載のガラス加工装置。
【0451】
実施形態122
前記ガスベアリングは、前記ガラスの重量の2から25倍に等しい負の圧力を印加するように構成され、該負の圧力は前記正の圧力よりも小さい、実施形態112に記載のガラス加工装置。
【0452】
実施形態123
前記装置は、前記粘性のあるガラスの連続的な流れを平坦化するように構成される、実施形態112に記載のガラス加工装置。
【0453】
実施形態124
前記複数のガスベアリングの各々に設けられたガス流路をさらに備える、実施形態112に記載のガラス加工装置。
【0454】
実施形態125
粘性のあるガラスを平坦化する方法であって、
ガラスの連続的な流れをソースから送り込むことであって、該ガラスは、該ガラスが該ソースから送り込まれるときに、107から1013ポアズの範囲内の粘性を有することと、
ガスベアリングアセンブリに近接して前記ガラスを配置することであって、該ガスベアリングアセンブリが、
主面と、
該主面内に設けられた複数の排気口、気孔またはそれらの組合せと、
該主面内に設けられた複数のベントとを備える、送り込むことと、
前記排気口または気孔を介してガスを吐出することにより、前記ガラスに正の圧力を印加することと、
前記ベントを介して真空引きすることにより、前記ガラスに負の圧力を印加することと、
圧力均衡を生じさせることにより、前記ガラスに接触することなく、該ガラスを平坦化することと、
を含む方法。
【0455】
実施形態126
前記ガスベアリングアセンブリは、複数のガスベアリングをさらに備え、各ガスベアリングは、該ガスベアリングのベアリング支持面が共同で前記主面を構成するような該ベアリング支持面を有する、実施形態125に記載の方法。
【0456】
実施形態127
前記第一のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することと、前記第二のガス膜の厚さを、50から500μmに維持することとをさらに含む、実施形態125に記載の方法。
【0457】
実施形態128
前記ガラスの重量の2から25倍に等しい正の圧力を印加することをさらに含む、実施形態125に記載の方法。
【0458】
実施形態129
前記ガラスの重量の2から25倍に等しい負の圧力を印加することをさらに含む、実施形態125に記載の方法。
【0459】
実施形態130
ガスを穴を介して、ガラスの流れの方向に直角に送り込むことをさらに含む、実施形態125に記載の方法。
【0460】
実施形態131
冷却流体のソースと流体的に連通している冷却通路を介して冷却流体を流すことによって、前記ガスベアリング装置を冷却することをさらに含む、実施形態125に記載の方法。
【0461】
実施形態132
前記ガラスの粘性を、107から1013ポアズの範囲内に維持しながら、前記ガスベアリングアセンブリに近接して該ガラスを所定期間、維持することをさらに含む、実施形態125に記載の方法。
【0462】
実施形態133
前記ガスベアリング装置は、前記ガラスの上に配置され、および前記支持面に対向している熱管理装置をさらに備える、実施形態125に記載の方法。
【0463】
実施形態134
溶融ガラスの流れを第一の方向に供給するように構成されたガラス送給ユニットと、
前記ガラス送給ユニットの下に配置されたガスベアリングであって、前記溶融ガラスの流れに接触することなく、該溶融ガラスの流れを前記第一の方向とは異なる第二の方向に変えるように構成されたガスベアリングと、
前記ガスベアリング内の流体冷却流路と、
ガスを吐出するように構成された、前記溶融ガラスの流れを前記ガスベアリングに向かって押し込むノズルを備える対流冷却システムと、
前記ガラス送給ユニットと前記ガスベアリングとの間に配置された熱シールドと、
から成る群から選択された少なくとも一つの熱管理装置と、
を備えるガラス成形装置。
【0464】
実施形態135
前記ガラス成形装置は、前記流体冷却流路と、前記対流冷却システムと、前記熱シールドとを備える、実施形態134に記載の装置。
【0465】
実施形態136
前記ガラス成形装置は前記熱シールドを備える、実施形態134に記載の装置。
【0466】
実施形態137
前記ガラス成形装置は、前記流体冷却流路と、前記対流冷却システムとを備える、実施形態134に記載の装置。
【0467】
実施形態138
前記対流冷却システムは、
ガスチャンバと、
前記ガスチャンバと流体的に連通している複数のノズルであって、該複数のノズルの各ノズルが、前記ガスチャンバからのガスを吐出するように構成された、複数のノズルと、
を備える、実施形態134に記載の装置。
【0468】
実施形態139
前記複数のノズルの各々は、
先端部と、
該先端部から出ていくガスの流量を制御するように構成されたレギュレータと、
を備える、実施形態138に記載の装置。
【0469】
実施形態140
前記複数のノズルの各ノズルは、前記ガスを連続的に供給する、実施形態138に記載の装置。
【0470】
実施形態141
前記第一の方向は垂直方向であり、前記第二の方向は水平方向である、実施形態134に記載の装置。
【0471】
実施形態142
前記ガスベアリングは、8cm以下の半径を有する、実施形態134に記載の装置。
【0472】
実施形態143
前記ガラス送給ユニットはヒータをさらに備え、および
前記ガラス送給ユニットは成形容器である、実施形態134に記載の装置。
【0473】
実施形態144
前記第二の方向に移動する前記溶融ガラスの流れを、該溶融ガラスの流れに接触することなく、支持するように構成された支持ユニットと、
前記支持ユニットに接続され、および前記第二の方向において、前記溶融ガラスの流れからガラスリボンを引張加工するように構成されたガラスリボン引張加工ユニットと、
をさらに備える、実施形態134に記載の装置。
【0474】
実施形態145
出力経路を含むガラス送給ユニットと、
該出力経路の近傍で、該ガラス送給ユニットの下に配置されたガスベアリングであって、流体冷却流路をさらに備えるガスベアリングと、
前記ガスベアリングに向かって方向付けられたノズルを備える対流冷却システムと、
前記ガラス送給ユニットと前記ガスベアリングとの間に配置された熱シールドと、
を備えるガラス成形装置。
【0475】
実施形態146
溶融ガラスの流れを第一の方向に供給することと、
該溶融ガラスの流れを、該溶融ガラスの流れに接触することなく、前記第一の方向とは異なる第二の方向に変えることと、
前記溶融ガラスの流れの向きを変える間に、該溶融ガラスの流れの少なくとも一方の側に、少なくとも50mmの距離にわたって、少なくとも150W/m2‐Kの熱伝達係数を有する冷却装置を用いて前記ガラスを冷却することと、
を含む、ガラス成形プロセス。
【0476】
実施形態147
前記溶融ガラスの流れの少なくとも一部の粘性が、25,000ポアズ未満である、実施形態146に記載のプロセス。
【0477】
実施形態148
前記少なくとも一部の粘性が、10,000ポアズ未満である、実施形態147に記載のプロセス。
【0478】
実施形態149
前記少なくとも一部の粘性は、前記溶融ガラスの流れの送出ポイントと、該溶融ガラスの流れの送出ポイントから10cmの距離との間で、少なくとも50倍増加する、実施形態147に記載のプロセス。
【0479】
実施形態150
前記溶融ガラスの流れの温度を低下させることは、
該溶融ガラスの流れの第一の主面にガス膜を形成することと、
該第一の主面に対向する前記溶融ガラスの流れの第二の主面に強制対流を印加することとを含む、実施形態146に記載のプロセス。
【0480】
実施形態151
熱シールドを用いて、前記溶融ガラスの流れの温度を低下させることをさらに含む、実施形態146に記載のプロセス。
【0481】
実施形態152
前記第二の方向に移動する前記溶融ガラスの流れを、該溶融ガラスの流れに接触することなく支持することと、
前記第二の方向において、前記溶融ガラスの流れからガラスリボンを引張加工することとをさらに含む、実施形態146に記載のプロセス。
【0482】
実施形態153
前記ガラスリボンの厚さは少なくとも0.1mmである、実施形態152に記載のプロセス。
【符号の説明】
【0483】
10 ガラス製造装置
12 ガラス溶融炉
14 溶融槽
16 上流ガラス製造装置
18 原料貯蔵ビン
20 原料送出装置
22 モータ
24 原料
26、5475、5527、5528 矢印
28 溶融ガラス
30 下流ガラス製造装置
32 第一の接続導管
34 清澄槽
36 混合装置
38 第二の接続導管
40 送出槽
42 成形体
44 出口導管
46 第三の接続導管
48 成形装置
50 流入導管
52 トラフ
54 収束成形面
56 底エッジ
58、903、1703、1803 ガラスリボン
60 ドロー方向
62、2003、5203、5303、5503 ガラスシート
64 熱素子
70 供給スプール
72 巻取スプール
98 ガラス基板
100 非接触支持装置
102 圧力ボックス
104 接続側壁
106 底部壁
108 上部壁
110 内部チャンバ
112 圧縮ガス
114 供給パイプ
116 制御弁
118 コントローラ
120 圧力ゲージ
122 冷却通路
138、270 長手方向軸
140、240、4040 ガスベアリング
142、1895 搬送方向
144 軸
146 ギャップ
147 通路
148、248、4048 主面
149a、b、c、d エッジ
150、250 スロット
152、252 プレナム
154、254 本体
156、256 中間通路
158、258 インピーダンスオリフィス
160 出口開口
162 開口部
940 ガラス送給ユニット
941 流入口
943 成形槽
945 底
950 送給後ガラス成形装置
1000、1300、1400 ガラス成形装置
1002 溶融ガラスの流れ
1003 第一の主面
1004 第二の主面
1010、1310 ガスベアリングユニット
1012、1312 流体冷却剤流路
1014 制限通路
1016 出口スロット
1020、1320 対流冷却システム
1022 ガスチャンバ
1024 ノズル
1026 先端部
1028 レギュレータ
1030 熱シールド
1040、1340 支持ユニット
1042 平坦な上面
1440 整形支持ユニット
1710 エアターンベアリング装置
1725、1825、1925、2025、3025、5226、5525 ガス膜
1790 ガラス送給方向
1795 ガラス引出方向
1810、1910、2010、2110、3310、3410、5210 ガスベアリング装置
1895 搬送方向
1903 ガラスの流れ
1904 大量のガラス
1911 第一の部分
1912 第二の部分
1950 モールド
2150、3150、3450 支持面
2151、3057、3251 排出口
2152、3052 調量パイプ
2154 ガス通路
2153 冷却回路
2155 マニホールド
2160、3360 ガス流入口
2170 ピッチ
2165 外側カバー
2610 アキュムレータ
3003 ガラス
3055、3255、3355、3455 ベント口
3110 スランピングモールド
3351、3451 流出口
3600、5000 支持構造
3610、5010 直立部材
3612 空気圧リフト
3620、5020 アーム部材
3630、4540、4640、4740、4840、4940、5030 モジュラー装置
3640 熱輻射シールド
3650、5050 エアテーブル
3652 エアテーブルシャーシ
3660、3920、4020、4120、4220、4320、5060 エアテーブルモジュール
4010、5310、5411、5510 ガスベアリングアセンブリ
4041、5320 表面
4070 支持フレーム
4321 ガスベアリングインサート
4322 ロールアセンブリ
4450 フラットパネルヒータ
4550 受動的反射パネル
4650 平坦化ロールアセンブリ
4750 エアナイフアセンブリ
4850 水冷式グラファイトガスベアリング
4950 水冷式駆動ローラ
5035 トラック
5211 下方ガスベアリング
5212 上方ガスベアリング
5311 下方ガスベアリングアセンブリ
5312 上方ガスベアリングアセンブリ
5325 第一のガス膜
5326 第二のガス膜
5360 ガス流入穴
5460 流入通路
5465 通気流路
d 距離
L ガスベアリングの長さ
Wg ガラス基板の幅
Ws スロットの幅
α 搬送方向に対する角度