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特許7577808プログラム、商品販売データ処理装置およびプリンタ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】プログラム、商品販売データ処理装置およびプリンタ装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20241028BHJP
【FI】
G06Q30/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023136258
(22)【出願日】2023-08-24
(62)【分割の表示】P 2022167384の分割
【原出願日】2014-09-05
(65)【公開番号】P2023153360
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2014118666
(32)【優先日】2014-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 悠紀
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-056143(JP,A)
【文献】特開平06-004550(JP,A)
【文献】特開2001-175742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品販売データ処理装置のコンピュータを、
取引の内容を少なくとも含むレシート情報を、非構造化形式で生成する生成手段と、
前記レシート情報に顧客を特定するための顧客コードが含まれる場合に、当該レシート情報を、非構造化形式のレシート情報を前記非構造化形式とは異なる構造化形式に変換する変換規則を記述したレシート情報スキーマの変換規則に従い、構造化形式の電子レシート情報に変換する変換手段と、
前記電子レシート情報を外部装置に送信する送信手段と、
して機能させ、
前記変換手段は、前記レシート情報の前記電子レシート情報への変換に際して、前記レシート情報に含まれる所定の要素について報知が必要か否かの判定を行い、報知が必要と判定した場合には、報知用のフラグ情報を前記電子レシート情報に付加する、プログラム。
【請求項2】
前記変換手段は、前記レシート情報に、ポイントの有効期限切れを示す要素、値引き購入を示す要素、及びキャッシャの操作ミスを示す要素の何れかが含まれる場合に報知が必要と判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
取引の内容を少なくとも含むレシート情報を、非構造化形式で生成する生成手段と、
前記レシート情報に顧客を特定するための顧客コードが含まれる場合に、当該レシート情報を、非構造化形式のレシート情報を前記非構造化形式とは異なる構造化形式に変換する変換規則を記述したレシート情報スキーマの変換規則に従い、構造化形式の電子レシート情報に変換する変換手段と、
前記電子レシート情報を外部装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記変換手段は、前記レシート情報の前記電子レシート情報への変換に際して、前記レシート情報に含まれる所定の要素について報知が必要か否かの判定を行い、報知が必要と判定した場合には、報知用のフラグ情報を前記電子レシート情報に付加する、商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記変換手段は、前記レシート情報に、ポイントの有効期限切れを示す要素、値引き購入を示す要素、及びキャッシャの操作ミスを示す要素の何れかが含まれる場合に報知が必要と判定する、
請求項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
取引の内容を少なくとも含む非構造化形式のレシート情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記レシート情報に顧客を特定するための顧客コードが含まれる場合に、当該レシート情報を、非構造化形式のレシート情報を前記非構造化形式とは異なる構造化形式に変換する変換規則を記述したレシート情報スキーマの変換規則に従い、構造化形式の電子レシート情報に変換する変換手段と、
前記電子レシート情報を外部装置に送信する送信手段と、
を備え、
前記変換手段は、前記レシート情報の前記電子レシート情報への変換に際して、前記レシート情報に含まれる所定の要素について報知が必要か否かの判定を行い、報知が必要と判定した場合には、報知用のフラグ情報を前記電子レシート情報に付加する、プリンタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラム、商品販売データ処理装置およびプリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品決済時に店舗から買物客に渡されるレシートあるいは領収書を電子的に買物客の携帯端末等に受け渡す電子レシートという仕組みが知られている。
【0003】
このようにレシートを電子データ化した電子レシート情報にすることによって、家計簿も電子的に自動的に簿記ができるなど買物客にとって有益である。また、電子レシートという仕組みを導入することにより、レシート用紙の消費を減らすことができるため、導入店舗にとっても有益である。
【0004】
しかしながら、従来の電子レシートの仕組みによれば、携帯端末における電子レシート情報の表示フォーマットは、紙で発行されるレシートを文字情報(プレーンテキスト)のみで表示するものとなっており、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、消費者(顧客)に対して何らかの事象が生じていることを報知することができるプログラム、商品販売データ処理装置およびプリンタ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のプログラムは、商品販売データ処理装置のコンピュータを、取引の内容を少なくとも含むレシート情報を、非構造化形式で生成する生成手段と、前記レシート情報に顧客を特定するための顧客コードが含まれる場合に、当該レシート情報を、非構造化形式のレシート情報を前記非構造化形式とは異なる構造化形式に変換する変換規則を記述したレシート情報スキーマの変換規則に従い、構造化形式の電子レシート情報に変換する変換手段と、前記電子レシート情報を外部装置に送信する送信手段と、して機能させ、前記変換手段は、前記レシート情報の前記電子レシート情報への変換に際して、前記レシート情報に含まれる所定の要素について報知が必要か否かの判定を行い、報知が必要と判定した場合には、報知用のフラグ情報を前記電子レシート情報に付加する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。
図2図2は、POS端末の要部構成を示すブロック図である。
図3図3は、電子レシートサーバの要部構成を示すブロック図である。
図4図4は、電子レシート管理サーバの要部構成を示すブロック図である。
図5図5は、携帯端末の要部構成を示すブロック図である。
図6図6は、POS端末における電子レシート処理にかかる機能ブロック図であ る。
図7図7は、レシート情報の一例を模式的に示す図である。
図8図8は、電子レシート情報の一例を模式的に示す図である。
図9図9は、POS端末における電子レシート処理の流れを示すフローチャートである。
図10図10は、電子レシートサーバにおける電子レシート管理処理及び情報送信処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、電子レシート管理サーバにおける電子レシート管理処理及び情報送信処理にかかる機能ブロック図である。
図12図12は、電子レシート管理サーバにおける電子レシート管理処理及び情報送信処理の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、携帯端末における電子レシート受け取り処理及び電子レシート閲覧処理にかかる機能ブロック図である。
図14図14は、携帯端末における電子レシート受け取り処理及び電子レシート閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
図15図15は、携帯端末の表示部に表示された電子レシート情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施の一形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、実施形態にかかる電子レシートシステムの構成全体を示す構成図である。図1に示すように、電子レシートシステムは、POS(Point of Sales)端末1と、ストアサーバ2と、電子レシートサーバ3と、電子レシート管理サーバ4と、携帯端末7とを有する。
【0010】
POS端末1とストアサーバ2とは、店舗P1内に設けられる。POS端末1とストアサーバ2とは、LAN(Local Area Network)等の店舗内ネットワークN1を介して通信可能に接続される。また、POS端末1及びストアサーバ2は、店舗内ネットワークN1に接続されたルータ等のネットワーク機器(図示せず)を介して、店舗P1と本部P2とを繋ぐネットワークN2に接続することが可能である。ここで、ネットワークN2は、例えば、インターネットやVPN(Virtual Private Network)等の専用線である。
【0011】
POS端末1は、商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置である。POS端末1は、決済対象の商品の取引内容を含むレシート情報を生成し、当該レシート情報を後述するプリンタ13で印字することで紙レシートを出力する。また、POS端末1は、レシート情報のデータ形式を変換した電子レシート情報を、ネットワークN2を介して電子レシートサーバ3に出力(送信)する。電子レシート情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。なお、店舗P1に設けられるPOS端末1の個数は特に問わず、複数であってもよい。
【0012】
ストアサーバ2は、POS端末1で行われる商品販売データ処理等の管理を統括的に行う。例えば、ストアサーバ2は、POS端末1の商品販売データ処理で生成された商品販売データを記憶・管理したり、商品販売データ処理に用いる商品データファイル等を記憶・管理する。
【0013】
なお、店舗P1に配置されるPOS端末1の個数は特に問わず、複数であってもよい。また、本実施形態では、POS端末1が電子レシート情報を出力する構成を説明するが、これに限らず、POS端末1で生成されたレシート情報を、ストアサーバ2や図示しない変換装置がデータ形式を変換することで、電子レシート情報として電子レシートサーバ3に出力する構成としてもよい。
【0014】
電子レシートサーバ3は、店舗またはチェーン店舗(以下、店舗という)を運営する企業の本部P2に設けられており、店舗を運営する企業毎の電子レシート情報を管理する企業用のレシート管理サーバとして機能する。電子レシートサーバ3は、例えば、店舗を運営する企業の売上管理、売上分析、在庫管理などの機能を有する。
【0015】
また、電子レシートサーバ3は、POS端末1から送信された電子レシート情報を、ネットワークN2を介して受信する。また、電子レシートサーバ3は、受信した電子レシート情報を、本部P2と電子レシートセンターP3とを繋ぐネットワークN3を介して、電子レシート管理サーバ4に送信する。
【0016】
ここで、ネットワークN3は、例えば、インターネットやVPN等の専用線である。また、電子レシート情報の送信方法は特に問わず、HTTPやHTTPS等の汎用プロトコルを用いてもよい。
【0017】
電子レシート管理サーバ4は、電子レシートセンターP3に設けられる。電子レシートセンターP3は、例えば、電子レシートサーバ3で電子レシート情報を管理する企業以外の第三者機関である。なお、電子レシートサーバ3についても第三者機関等が管理してもよい。
【0018】
電子レシート管理サーバ4は、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に管理する顧客用レシート管理サーバとして機能する。電子レシート管理サーバ4は、後述する手順等により会員登録を行った各顧客(会員)の氏名や会員コード(受取先コード)、電子レシート情報の送信先となる携帯端末7の送信先情報(例えばメールアドレス)等の会員データを、データベースDBに保持された会員マスタに記憶・管理する。なお、電子レシート管理サーバ4とは別に、会員データの記憶・管理を行う会員管理サーバ等を設ける構成としてもよい。
【0019】
また、電子レシート管理サーバ4は、電子レシートサーバ3から送信された電子レシート情報を、ネットワークN3を介して受信し、この電子レシート情報をデータベースDBに保持された後述する電子レシート管理領域43aに記憶・管理する。より詳細には、電子レシート情報は、商品の取引内容(商品販売データ)の他、会員コード等の要素を含み、対応する会員の会員データと対応付けて管理される。
【0020】
また、電子レシート管理サーバ4は、データベースDBに電子レシート情報を記憶すると、この電子レシート情報の会員コードに対応付けされた送信先情報を参照することで、送信先(携帯端末7)を特定する。そして、電子レシート管理サーバ4は、後述するネットワークN5を介して、データベースDBに記憶した電子レシート情報をその送信先に送信する。
【0021】
また、電子レシート管理サーバ4は、後述するネットワークN5を介して接続される携帯端末7から、会員コードを指定する電子レシート情報の照会を受け付けると、当該会員コードに対応する電子レシート情報をデータベースDBから抽出し、携帯端末7に送信する。
【0022】
携帯端末7は、本システムの利用者(顧客)が使用する、例えばスマートフォン、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の端末装置である。携帯端末7は、ネットワークN5上で提供される各種情報を閲覧するためのWebブラウザ等のアプリケーションを実装する。なお、携帯端末7に代えて、PC等の端末装置を適用してもよい。
【0023】
携帯端末7は、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4にアクセスすることで、本システムへの会員登録を行う。ここで、ネットワークN5は、インターネットや、各種公衆網である。
【0024】
ところで、本システムでの顧客の会員登録は、例えば次のような手順で行われる。顧客は、携帯端末7からネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に対して空メールを送信する。電子レシート管理サーバ4は、受信したメールアドレスに会員登録のためのページを示すURL(Uniform Resource Locator)を送信する。顧客は、携帯端末7から会員登録のためのページを示すURLにアクセスして会員登録に必要な事項(氏名、送信先情報等)を入力させる入力画面を表示させる。顧客による必要事項の入力終了後、電子レシート管理サーバ4は、会員マスタに対する会員登録を実行する。その後、電子レシート管理サーバ4は、携帯端末7に対して会員コード(顧客コード)及びパスワードを含む会員登録完了メールを配信する。これにより、会員登録が終了する。
【0025】
上述のような会員登録後、携帯端末7は、顧客の会員コードを受取先コードとしてバーコードや二次元コード等のコードシンボルとして表示部73(図5参照)に表示する。顧客は、店舗P1における取引決済時に店員に対して携帯端末7に表示されたコードシンボルを提示する。店員は、携帯端末7に表示されたコードシンボルをPOS端末1に接続されたコードスキャナ15(図2参照)で読み取る。これにより、POS端末1における商品販売データ処理による決済後に生成される電子レシート情報に対して顧客の会員コード(受取先コード)を対応付けることが可能になっている。
【0026】
また、携帯端末7は、POS端末1での決済(取引)後、電子レシート管理サーバ4から送信される当該取引の電子レシート情報を、ネットワークN5を介して受信する。会員コードを指定する電子レシート情報の照会を、ネットワークN5を介して電子レシート管理サーバ4に送信することで、当該会員の電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4から受信する。また、携帯端末7は、受信した電子レシート情報を、表示部73に表示する。
【0027】
係る構成の電子レシートシステムにおいては、店舗P1のPOS端末1で商品販売データ処理が行なわれて生成された取引(決済)の内容を示す電子レシート情報が、電子レシートサーバ3を介して電子レシート管理サーバ4に伝送され、Web上に公開される。したがって、Webブラウザを実装してなる携帯端末7は、URL(Uniform Resource Locator)を指定することにより、Web上に公開された電子レシート情報を携帯端末7にダウンロードしてWebブラウザで閲覧することができる。なお、携帯端末7に電子レシート情報を閲覧するためのアプリケーションをインストールして閲覧するようにしてもよい。
【0028】
次に、本実施形態の電子レシートシステムを構築する主要な装置の構成について説明する。
【0029】
まず、商品販売データ処理装置であるPOS端末1について説明する。図2は、POS端末1の構成を示すブロック図である。図2に示すように、POS端末1は、各種演算やPOS端末1の各部を統括的に制御する制御部11を備えている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、各種プログラムやデータを記憶するROM(Read Only Memory)、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)、現在の日時を計時するRTC(Real Time Clock)部等によって構成されるコンピュータである。
【0030】
制御部11は、バス18を介して操作部12、プリンタ13、表示部14及びコードスキャナ15に接続されている。
【0031】
操作部12は、オペレータが操作入力を行うための各種の操作キーを有している。操作キーとしては、例えば、数値を入力するための置数キー、所定の項目を選択するためのカーソルキーや選択決定キー、取引における売上登録が行われる商品の合計出力を指示する小計キー、一取引の締め処理を行って代金を決済することを宣言する締めキー等が設けられている。
【0032】
プリンタ13は、レシートやジャーナル等の印字を行うプリンタ装置である。プリンタ13は、印字の対象となるロール紙等の用紙を切断するカット機構を具備し(図示せず)、後述するカットコマンドに従い用紙を切断する。
【0033】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイ等であり、販売登録された商品の品名、価格、決済が宣言された一取引の合計金額、釣銭額等の各種情報を表示する。表示部14は、キャッシャ向けに各種情報を表示するオペレータ用ディスプレイ14aと、顧客向けに各種情報を表示する客用ディスプレイ14bとを備える。なお、表示部14をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部12として機能する。
【0034】
コードスキャナ15は、バーコードや二次元コード等のコードシンボルを光学的に読み取るスキャナ装置である。コードスキャナ15は、例えば、商品に付されたコードシンボルや、携帯端末7に表示されたコードシンボル等を読み取り、当該コードシンボルに保持された情報を制御部11に出力する。なお、商品に付されたコードシンボルには、その商品を特定するための商品コード等が保持されているとする。また、携帯端末7に表示されるコードシンボルには、その携帯端末7を携帯する顧客を特定するための会員コード(顧客コード)等が保持されているとする。
【0035】
また、制御部11は、バス18を介して通信I/F(インターフェース)16に接続されており、この通信I/F16を介して店舗内ネットワークN1やネットワークN2に接続することが可能となっている。
【0036】
また、制御部11は、バス18を介して、記憶部17に接続されている。記憶部17は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。記憶部17は、商品販売データ処理を含む各種のPOS業務を実行するためのプログラムを記憶する。また、記憶部17は、各商品の商品名、商品コード及び単価等の商品データを格納した商品データファイルやポイントファイル等の商品販売データ処理に係る各種データファイルを記憶する。また、記憶部17は、商品販売データ処理やレシート情報に係る処理を行うためのレシート情報処理プログラム17aを記憶する。
【0037】
商品データファイルは、単品ごとに最大購入数や特売情報を記憶する。また、ポイントファイルは、会員コードに対応付けたポイントの有効期限を記憶する。
【0038】
また、記憶部17は、自己のPOS端末1を他のPOS端末1と識別するためのPOSナンバー、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、当該POS端末1が設置される店舗P1を示す店舗コード等を、識別コード管理領域17bに記憶する。ここで、業種・業態コードは、例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、薬局、レストラン、飲食店などとして、店舗の業種・業態を区別するコード(分類コード)である。なお、このような業種・業態は、ユーザの好みによって任意に変更可能である。また、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コードについては、電子レシートサーバ3に登録されていてもよい。
【0039】
また、記憶部17は、非構造化形式のレシート情報を、構造化形式の電子レシート情報に変換する際の、変換規則を記述したレシート情報スキーマ17cを記憶する。
【0040】
次に、企業用のレシート管理サーバとして機能する電子レシートサーバ3の構成を、図3のブロック図を用いて説明する。電子レシートサーバ3は、各種演算や電子レシートサーバ3の各部を統括的に制御する制御部31を備えている。制御部31は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
【0041】
制御部31は、バス34に接続された通信I/F32を介して、ネットワークN2やネットワークN3に接続することが可能となっている。また、制御部31は、バス34を介して記憶部33に接続されている。
【0042】
記憶部33は、店舗を運営する企業毎の電子レシート情報を電子レシート管理領域33aに記憶する。電子レシート情報は、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、業種・業態コード、店舗コード、買物客の会員コード、POS端末1のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データなどを含む。
【0043】
また、記憶部33は、電子レシート情報を電子レシート管理領域33aで管理するための電子レシート管理プログラム33bを記憶する。また、記憶部33は、電子レシート管理領域33aに管理されている電子レシート情報を、電子レシート管理サーバ4へ送信するための情報送信プログラム33cを記憶する。
【0044】
次に、顧客用レシート管理サーバとして機能する電子レシート管理サーバ4の構成を、図4のブロック図を用いて説明する。図4に示すように、電子レシート管理サーバ4は、各種演算や電子レシート管理サーバ4の各部を統括的に制御する制御部41を備えている。制御部41は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
【0045】
制御部41は、バス44に接続された通信I/F42を介して、ネットワークN3及びネットワークN5に接続することが可能となっている。また、制御部41は、バス44を介して、記憶部43に接続されている。
【0046】
記憶部43には、会員マスタを記憶・管理するための会員マスタ管理領域(図示せず)の他、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を一括に記憶するための電子レシート管理領域43aが確保されている。より詳細には、電子レシート管理領域43aは、店舗を運営する各種企業の電子レシート情報を会員毎に管理する。
【0047】
電子レシート情報は、会員コード、企業コード(店舗を運営する企業の識別コード)、店舗コード、POS端末1のPOSナンバー、レシートナンバー、商品販売データ(日時データを含む)などを含んでいる。したがって、例えば消費財メーカー等は、当該メーカーに関連する一意な購入商品の証明情報を、この電子レシート情報から特定条件の下(例えば、店舗を運営する特定の企業限定、特定の地域限定、特定の時間限定等)に取得することが可能になる。なお、消費財メーカーは、食料品、飲料、衣類、化粧品、薬品、生活雑貨などのメーカーである。
【0048】
また、記憶部43は、会員マスタを会員マスタ領域で管理するための会員管理プログラム(図示せず)の他、各企業の電子レシート情報を電子レシート管理領域43aで管理するための電子レシート管理プログラム43cを記憶する。また、記憶部43は、電子レシート情報を携帯端末7へ送信するための情報送信プログラム43dを記憶する。なお、会員マスタ管理領域、電子レシート管理領域43aは、図1で示したデータベースDBに対応する。
【0049】
次に、携帯端末7の構成を、図5のブロック図を用いて説明する。図5に示すように、携帯端末7は、各種演算や携帯端末7の各部を統括的に制御する制御部71を備えている。制御部71は、CPU、各種プログラムやデータを記憶するROM、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM、現在の日時を計時するRTC部等によって構成されるコンピュータである。
【0050】
制御部71は、バス76を介して操作部72及び表示部73に接続されている。操作部72は、ユーザ(顧客)が操作入力を行うための各種の操作キーや、ポインティングデバイスを有している。表示部73は、例えば液晶ディスプレイ等であり、後述する電子レシート情報等の各種情報を表示する。なお、表示部73をタッチパネル構成としてもよく、この場合、タッチパネルは操作部72として機能する。
【0051】
また、制御部71は、バス76を介して通信I/F74に接続されており、この通信I/F74を介してネットワークN5に接続することが可能となっている。なお、通信I/F74を介して、店舗内ネットワークN1に接続可能な構成としてもよい。
【0052】
また、制御部71は、バス76を介して、記憶部75に接続されている。記憶部75は、Web上に公開されている各種情報(コンテンツ)を閲覧するためのWebブラウザの他、電子レシート管理サーバ4から電子レシート情報を受け取るための電子レシート対応プログラム75aと、受け取った電子レシート情報を閲覧するための電子レシート閲覧プログラム75bとを記憶する。
【0053】
次に、本実施形態のシステムを構成する各部の動作について説明する。
【0054】
まず、POS端末1の制御部11がレシート情報処理プログラム17aに従って動作することにより実行される電子レシート処理について、図6図9を参照しつつ説明する。
【0055】
図6に示すように、POS端末1で実行されるレシート情報処理プログラム17aは、レシート情報生成手段として機能するレシート情報生成部111と、出力手段として機能するレシート情報出力部112とを含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部11のCPUが記憶部17からレシート情報処理プログラム17aを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、レシート情報生成部111、レシート情報出力部112がRAM上に生成されるようになっている。
【0056】
ここで、レシート情報生成部111は、商品販売データ処理及びレシートの印字用データ(レシート情報)の生成を主に行う、既存のアプリケーションに対応する機能部である。レシート情報生成部111は、コードスキャナ15を介して商品を特定する商品コードを取得すると、その商品コードに対応する商品データを商品データファイルから読み出し、この商品データが含む単価に基づいて決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する。そして、レシート情報生成部111は、商品販売データ処理の際に処理された商品販売データ、つまり、その商品の取引内容を含むレシート情報を生成する。
【0057】
また、レシート情報生成部111は、一取引中の何れかのタイミングにおいて、コードスキャナ15を介して顧客を特定する会員コードを取得すると、その会員コードを含むレシート情報を生成する。
【0058】
図7は、レシート情報の一例を模式的に示す図である。ここで、レシート情報は、非構造化形式のテキストデータ等であって、プリンタ13での印字に用いられるものである。図7に示すように、レシート情報は、上述した商品販売データD1や会員コードD2の要素を含んでいる。ここで、商品販売データD1は、決済の対象となった商品の商品名(商品コード)とその金額、各商品の合計金額、顧客が支払った預かり金額、お釣り金額等を有する。
【0059】
また、レシート情報は、取引日時D7、取引ナンバー(レシートナンバー)D8、レジナンバーD9、担当者名D10等の要素を含む。なお、レシート情報に含まれる要素は、図7の例に限らず、店舗を運営する企業を示す企業コード(企業名)、店舗コード(店舗名)、店舗の電話番号、住所、業種・業態コード等の他の要素を含んでもよい。
【0060】
また、レシート情報生成部111は、締めキーの押下を受け付けると、一取引分の商品販売データ処理が完了したと判断し、生成したレシート情報をカットコマンドとともにレシート情報出力部112に出力(発行)する。ここで、カットコマンドは、一般的に用いられるプリンタ制御コマンドの一つであって、レシート情報を印字する用紙のカット(切断)を指示する指示情報である。なお、レシート情報の生成は、締めキーの押下に伴い一括して生成してもよいし、商品コードや顧客コードを取得する毎に順次生成する形態としてもよい。
【0061】
レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111で一取引分のレシート情報が生成される毎に、当該レシート情報の出力先を決定する。より詳細には、レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111でカットコマンドが発行されると、一取引分のレシート情報が生成されたと判断する。そして、レシート情報出力部112は、生成されたレシート情報に会員コードが含まれるか否かを判定し、その判定結果に応じて定まる出力先にレシート情報を出力する。
【0062】
具体的に、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれないと判定した場合、そのレシート情報をカットコマンドとともにプリンタ13に出力する。これにより、プリンタ13では、レシート情報を用紙に印字した後、カットコマンドに従いその用紙を切断することで、一取引分の紙レシートを印字出力する。なお、印字出力の際には、レシート情報を構成する全ての要素を印字してもよいし、会員コード等を取り除いたり、広告等の他の情報を付加した状態で印字してもよい。
【0063】
また、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれると判定した場合、レシート情報スキーマ17cの変換規則に従い、そのレシート情報を所定のデータ形式に変換する。そして、レシート情報出力部112は、データ形式を変換したレシート情報、つまり電子レシート情報を、企業コードに応じた企業単位で管理する電子レシートサーバ3に送信(出力)する。
【0064】
ここで、図8は、電子レシート情報の一例を模式的に示す図である。図8に示すように、電子レシート情報は、XML、CSV、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)等の構造化形式のデータ(構造化文書)で構成される。なお、図8では、図7に示したレシート情報の各要素(D1~D2、D7~D10)を、JSON形式に変換した例を示している。
【0065】
レシート情報から電子レシート情報への変換は、レシート情報スキーマ17cに記述された変換規則に基づき行われる。具体的に、レシート情報スキーマ17cには、レシート情報を構成する所定の要素と、その要素の属性を示す属性情報(タグ等)とが定義されている。レシート情報出力部112は、レシート情報の各要素を対応する属性情報を用いて構造化することで、図8に示すような構造化形式の電子レシート情報を生成する。このような、構造化形式の電子レシート情報とすることで、当該電子レシート情報に含まれる要素を効率的に利用することができるため、データ管理の上で様々な利点を得ることができる。
【0066】
加えて、レシート情報出力部112は、レシート情報から電子レシート情報への変換に際して、レシート情報を構成する所定の要素について報知が必要か否かのチェックを行う。レシート情報を構成する所定の要素について報知が必要か否かのチェックの具体例としては、下記に示すものが挙げられる。
・付与ポイントの有効期限の期限切れ
・値引き購入
・キャッシャの操作ミス
【0067】
例えば、キャッシャの操作ミスは、キャッシャが商品の数量を誤って大量に登録してしまった場合などである。レシート情報出力部112は、商品データファイルに単品ごとに記憶されている最大購入数を参照し、電子レシート情報に含まれる商品の登録数量が最大購入数を上回った場合には、キャッシャの操作ミスと判断する。例えば、図7に示すように、実際に購入した数量は“1”であるがキャッシャの操作ミスにより数量の登録が“10”で行われた場合であって最大購入数が“5”である場合に、キャッシャの操作ミスと判断し、報知が必要であるとする。
【0068】
また、レシート情報出力部112は、ポイントファイルに記憶されているポイントの有効期限を参照し、会員コードに対応付けられたポイントの有効期限が1か月以内であれば期限切れが近いと判断し、報知が必要であるとする。
【0069】
また、レシート情報出力部112は、商品データファイルに単品ごとに記憶されている特売情報を参照し、電子レシート情報に含まれる商品が特売であれば、値引き購入であると判断し、報知が必要であるとする。
【0070】
以上のようなレシート情報を構成する所定の要素のチェック結果が肯定的である場合(報知が必要であると判断された場合)、レシート情報出力部112は、有効にした報知用(警告用)のフラグXを電子レシート情報に対して付加する。なお、有効にした報知用(警告用)のフラグXは、報知が必要であると判断された所定の要素に関連付けて付加するようにしても良い。
【0071】
このように、レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111によるカットコマンドの発行により、一取引分のレシート情報が生成されたことを判断し、当該レシート情報の出力を開始する。これにより、レシート情報生成部111から、一取引の終了を指示するための専用信号をレシート情報出力部112に通知する必要もないため、既存のアプリケーションに対応するレシート情報生成部111については、特段の変更を行わずに、一取引分のレシート情報の出力をレシート情報出力部112で行うことができる。また、レシート情報生成部111の変更部分を抑えることができるため、既存のアプリケーションを効率的に流用しつつ、電子レシート情報の出力機能を実現させることができる。
【0072】
また、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれるか否かに応じて、当該レシート情報の出力先を決定する。これにより、紙レシートの要否情報を顧客毎に用意することなく、紙レシート又は電子レシート情報の出力を行うことができるため、レシート情報の出力先を効率的に決定することができる。また、例えば、顧客(会員)は、取引毎に会員コードを入力又は非入力とすることで、紙レシート又は電子レシート情報の出力を選択することができるため、顧客の利便性を向上させることができる。
【0073】
さらに、レシート情報出力部112は、レシート情報を電子レシートサーバ3に出力する場合に、当該レシート情報に含まれる要素を構造化した電子レシート情報に変換し、当該電子レシート情報を出力する。これにより、電子レシート情報に含まれる要素を効率的に利用することができるため、当該電子レシート情報を管理する電子レシートサーバ3及び電子レシート管理サーバ4や、当該電子レシート情報の表示を行う携帯端末7において、電子レシート情報の利便性を向上させることができる。
【0074】
図9は、POS端末1における電子レシート処理の流れを示すフローチャートである。まず、POS端末1のレシート情報生成部111は、コードスキャナ15により、商品に付されたコードシンボル(商品コード)又は携帯端末7に表示されたコードシンボル(会員コード)が読み取られたか否かを判定する(ステップS11)。コードシンボルの読み取りが行われない場合(ステップS11;No)、レシート情報生成部111は、ステップS16に移行する。
【0075】
一方、レシート情報生成部111は、コードシンボルが読み取られたと判定すると(ステップS11;Yes)、その読み取りにより取得した情報が、商品コードか会員コードかを判別する(ステップS12)。
【0076】
ステップS12で、商品コードを取得した場合(ステップS12;商品コード)、レシート情報生成部111は、その商品コードで特定される商品について、商品データファイルから商品データを読み出すと、この商品データが含む単価に基づいて決済金額を算出する商品販売データ処理を実行する(ステップS13)。次いで、レシート情報生成部111は、商品販売データ処理の際に処理された商品販売データを含むレシート情報を生成する(ステップS14)。
【0077】
また、ステップS12で会員コードを取得した場合(ステップS12;会員コード)、レシート情報生成部111は、その会員コードを含むレシート情報を生成する(ステップS15)。
【0078】
ここで、会員コードをPOS端末1に入力するためには、例えば、会員である顧客が携帯端末7の表示部73に会員コード等を含むコードシンボルを表示し、店員または会員である顧客自らがPOS端末1のコードスキャナ15で読み取る。なお、レシート情報生成部111は、一取引の間に入力される会員コードが唯一となるよう排他処理等を施す形態としてもよい。
【0079】
続くステップS16において、レシート情報生成部111は、締めキーの押下等により締め処理の開始が指示されたか否かを判定する(ステップS16)。締め処理の開始が指示されない場合(ステップS16;No)、ステップS11に戻る。締め処理の開始が指示された場合(ステップS16;Yes)、レシート情報生成部111は、カットコマンドをレシート情報出力部112に発行(出力)する(ステップS17)。
【0080】
レシート情報出力部112は、レシート情報生成部111からカットコマンドを受け付けると、一取引分のレシート情報が生成されたと判断し、そのレシート情報に会員コードが含まれるか否かを判定する(ステップS18)。
【0081】
レシート情報に会員コードが含まれない場合(ステップS18;No)、レシート情報出力部112は、一取引分のレシート情報をカットコマンドとともにプリンタ13に出力することで、当該レシート情報を印字出力し(ステップS19)、本処理を終了する。これにより、プリンタ13では、レシート情報を用紙に印字した後、カットコマンドに従いその用紙を切断することで、一取引分の紙レシートを印字出力する。
【0082】
一方、レシート情報に会員コードが含まれる場合(ステップS18;Yes)、レシート情報出力部112は、非構造化形式であるレシート情報のデータ形式を、構造化形式に変換することで電子レシート情報を生成する(ステップS20)。
【0083】
なお、レシート情報出力部112は、レシート情報から電子レシート情報への変換に際して、レシート情報を構成する所定の要素について報知が必要か否かのチェックを行う。レシート情報を構成する所定の要素について報知が必要である場合、レシート情報出力部112は、有効にした報知用(警告用)のフラグXを電子レシート情報に対して付加する。
【0084】
そして、レシート情報出力部112は、通信I/F16を介して生成した電子レシート情報を電子レシートサーバ3に送信し(ステップS21)、本処理を終了する。
【0085】
なお、上記の処理ではレシート情報に会員コードが含まれる場合、当該レシート情報を電子レシートサーバ3に出力する形態としたが、これに限らず、プリンタ13及び電子レシートサーバ3の両方に出力してもよい。
【0086】
また、レシート情報に会員コードが含まれる場合には、そのレシート情報の出力先を選択可能な構成としてもよい。例えば、携帯端末7は表示するコードシンボルに、レシート情報の出力先を指定する出力区分情報を保持させ、この出力区分情報に基づいて出力先を選択する形態としてもよい。この形態の場合、レシート情報生成部111は、コードスキャナ15が読み取った出力区分情報を、会員コードとともにレシート情報に含める。そして、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれると判定し、且つ出力区分情報が存在すると判定した場合、その出力区分情報に基づいてレシート情報の出力先を決定する。なお、出力区分情報には、プリンタ13及び電子レシートサーバ3の何れか一方、又は両方を指定することが可能である。
【0087】
また、商品の決済時にレシート情報の出力先をその都度選択させる形態としてもよい。この形態を用いる場合、例えば、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれると判定した場合に、レシート情報の出力先を選択するための出力先選択画面を表示部14に表示する。
【0088】
なお、選択画面の表示は、オペレータ用ディスプレイ14aに限らず、客用ディスプレイ14bに表示してもよい。また、客用ディスプレイ14bがタッチパネル構成の場合には、顧客自身が出力先を選択する形態としてもよい。
【0089】
また、商品販売データ処理の処理中において、顧客にレシート情報の出力先を確認する形態としてもよく、この形態を用いる場合、レシート情報生成部111が、出力先選択画面等を表示部14に表示し、操作された操作子に対応する出力先を出力区分情報としてレシート情報に含める。そして、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コード及び出力区分情報が含まれると、その出力区分情報に基づいてレシート情報の出力先を決定する。
【0090】
このように、レシート情報出力部112は、レシート情報に会員コードが含まれる場合に、そのレシート情報の出力先を自動で選択、或いは当該出力先の手動による選択を受け付ける。これにより、出力先の決定方法を柔軟に切り替えることができるため、レシート情報の出力先を効率的に決定することができる。
【0091】
次に、電子レシートサーバ3の制御部31が、電子レシート管理プログラム33bに従って動作することにより実行される電子レシート管理処理及び情報送信プログラム33cに従って動作することにより実行される情報送信処理の流れを、図10に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0092】
電子レシートサーバ3の制御部31は、POS端末1から送信された電子レシート情報を通信I/F32を介して受信すると(ステップS31;Yes)、記憶部33の電子レシート管理領域33aに企業毎の電子レシート情報として記憶する(ステップS32)。そして、電子レシートサーバ3の制御部31は、ステップS32で記憶した電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS33)、ステップS31に戻る。
【0093】
また、電子レシートサーバ3の制御部31は、予め設定された送信タイミングになると(ステップS31;No→ステップS34;Yes)、電子レシート管理領域33aに記憶して管理されている電子レシート情報を電子レシート管理サーバ4に送信し(ステップS35)、ステップS31に戻る。このステップS35の送信により、例えばステップS33で送信の対象から漏れた電子レシート情報を、電子レシート管理サーバ4に送信することができる。なお、ステップS35では、未送信の電子レシート情報のみを送信するよう制御してもよい。
【0094】
次に、電子レシート管理サーバ4の制御部41が、電子レシート管理プログラム43cに従って動作することにより実行される電子レシート管理処理及び情報送信プログラム43dに従って動作することにより実行される情報送信処理の流れを、図11に示す機能ブロック図及び図12に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0095】
図11に示すように、電子レシート管理サーバ4で実行される電子レシート管理プログラム43c及び情報送信プログラム43dは、受信手段として機能する受信部411、管理手段として機能する電子レシート管理部412、電子レシート閲覧手段として機能する電子レシート送信部413を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部41のCPUが記憶部43から電子レシート管理プログラム43c及び情報送信プログラム43dを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、受信部411、電子レシート管理部412、電子レシート送信部413がRAM上に生成されるようになっている。
【0096】
受信部411は、店舗を運営する企業を示す企業コードを含み、商品販売データ処理の際に印字発行されるレシートあるいは領収書に代えて電子的に処理した企業単位の電子レシート情報を、電子レシートサーバ3から受信する。
【0097】
電子レシート管理部412は、受信部411により受信した企業単位の電子レシート情報を記憶部43の電子レシート管理領域43aに記憶して管理する。
【0098】
電子レシート送信部413は、所定の買物客の会員コードに対応付けられた携帯端末7に対し、当該会員コードに対応付けられていて少なくとも1以上の企業コードを含む電子レシート情報を電子レシート管理領域43aから取得して送信して閲覧可能にする。
【0099】
図12に示すように、電子レシート管理サーバ4の受信部411は、各企業の電子レシートサーバ3から送信された電子レシート情報を、通信I/F42を介して受信したか否かを判断する(ステップS41)。
【0100】
電子レシート情報を受信した場合(ステップS41;Yes)、電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理部412は、記憶部43の電子レシート管理領域43aに各種企業の電子レシート情報を記憶する(ステップS42)。続いて、電子レシート送信部413は、ステップS42で記憶した電子レシート情報を、当該電子レシート情報の会員コードに対応付けて管理されている送信先(携帯端末7)に送信して閲覧可能にし(ステップS43)、ステップS41に戻る。
【0101】
また、電子レシート管理サーバ4の電子レシート送信部413は、携帯端末7から電子レシート情報の照会があった場合(ステップS41;No→ステップS44;Yes)、電子レシート管理領域43aに記憶して管理されている電子レシート情報を、電子レシート情報の照会の内容に従って抽出した後(ステップS45)、照会があった携帯端末7に送信して閲覧可能にし(ステップS46)、ステップS41に戻る。
【0102】
次に、携帯端末7の制御部71が、電子レシート対応プログラム75aに従って動作することにより実行される電子レシート受け取り処理及び電子レシート閲覧プログラム75bに従って動作することにより実行される電子レシート閲覧処理の流れを、図13図15を参照しつつ説明する。
【0103】
図13に示すように、携帯端末7で実行される電子レシート対応プログラム75a及び電子レシート閲覧プログラム75bは、会員対応付け部711、電子レシート受信部712、電子レシート表示部713を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては制御部71のCPUが記憶部75から電子レシート対応プログラム75a及び電子レシート閲覧プログラム75bを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、会員対応付け部711、電子レシート受信部712、電子レシート表示部713がRAM上に生成されるようになっている。
【0104】
会員対応付け部711は、所定の買物客の会員コードを対応付ける。電子レシート受信部712は、電子レシート管理サーバ4から電子レシート情報を受信する。電子レシート表示部713は、電子レシート受信部712により受信した電子レシート情報を表示部73に表示する。
【0105】
図14に示すように、まず、携帯端末7の会員対応付け部711は、電子レシート管理サーバ4にアクセスして会員コード及びパスワードの入力によって認証処理を実行する(ステップS51)。これにより、携帯端末7と所定の買物客の会員コードとが対応付けられる。
【0106】
認証後、携帯端末7の電子レシート受信部712は、入力された当該会員コードに対応して電子レシート管理サーバ4の電子レシート管理領域43aに記憶され管理されている電子レシート情報を受信する(ステップS52)。なお、電子レシート情報の受信については、電子メールによって受信するものであってもよい。
【0107】
次に、携帯端末7の電子レシート表示部713は、電子レシート受信部712が受信した電子レシート情報等を表示部73に表示し(ステップS53)、処理を終了する。
【0108】
図15は、携帯端末7の表示部73に表示された電子レシート情報G2の一例を示す図である。電子レシート情報G2は、用紙に印字されるレシートと同様のレイアウトや内容で表示される。また、電子レシート情報G2内において、操作部72の入力に追従するカーソルにより、取引された商品を示す商品a等にフォーカスを当てることができる。また、図15では、電子レシート情報G2内に、店名のロゴを表示する店名ロゴ部G21や、広告等を表示するバナー表示部G22等を設けた例を示している。
【0109】
加えて、本実施形態においては、携帯端末7の電子レシート表示部713は、有効にした報知用(警告用)のフラグXが付加されている場合には、電子レシート情報G2の表示態様(例えば、背景の色)を変更して、購入商品の確認を促す。例えば、電子レシート情報G2の背景Yをオレンジ色で表示することにより、警告メッセージがあることを利用者(顧客)に報知する。
【0110】
なお、本実施形態においては、有効にした報知用(警告用)のフラグXが付加されている場合には、電子レシート情報G2の表示態様(例えば、背景の色)を変更して、購入商品の確認を促すようにしたが、これに限るものではない。例えば、報知が必要であると判断された所定の要素に関連付けて報知用(警告用)のフラグXが付加されている場合には、携帯端末7の電子レシート表示部713は、図15に示すような「キャッシャの操作ミス」の対象(図15に示す例では、商品Aの個数“10コ”)の文字色を表示態様として変えて表示することにより、警告メッセージがあることを利用者(顧客)に報知するようにしても良い。
【0111】
なお、携帯端末7の表示部73に表示態様(例えば、背景の色や文字色など)が変更された電子レシート情報G2を表示した状態で、タッチパネルである操作部72が操作された場合、操作者によって確認がなされたものとする。この場合、携帯端末7の電子レシート表示部713は、電子レシート情報G2において変更された表示態様(例えば、背景の色や文字色など)を消去するようにしても良い。
【0112】
なお、電子レシート情報の表示形態は、必ずしも用紙に印字されるレシートのイメージに合わせる必要はない。しかしながら、電子レシート情報は、紙のレシートに代わるものであり、商品を購入したことを証明する電子的な商品購入証明情報となるものである。そこで、図15では、商品購入証明情報として提示する場合に使用するため、以下の情報を表示した例を示している。
・店舗名
・購入日時
・購入商品明細
・売上合計額
・レジナンバー
・取引ナンバー
【0113】
なお、複数の電子レシート情報を受信した場合には、電子レシート情報に含まれる購入日、企業コード等に基づいて、電子レシート情報の各々を選択可能な選択画面を表示してもよい。この場合、電子レシート表示部713は、選択画面から選択された電子レシート情報を表示部73に表示する。
【0114】
このように本実施形態によれば、POS端末1においてレシート情報から電子レシート情報への変換に際して、当該レシート情報を構成する所定の要素について報知が必要である場合、報知用のフラグを有効にして電子レシート情報に対して付加し、電子レシート管理サーバ4において消費者の会員コードに対応付けられた携帯端末7に対し、当該会員コードに対応付けられている電子レシート情報に対して電子レシート情報を構成する所定の要素について報知が必要であるとして報知用のフラグが有効にされて付加されていた場合には、電子レシート情報の表示態様を変更して当該電子レシート情報を送信して閲覧可能にする。これにより、例えば、電子レシート情報G2の背景Yをオレンジ色で表示することで、消費者(顧客)に対して何らかの事象が生じていることを報知することができる。また、例えば、電子レシート情報G2の報知が必要であると判断された所定の要素の文字色を変更することで、消費者(顧客)に対して何らかの事象が生じていることを報知することができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0116】
例えば、上記実施形態では、POS端末1の制御部11(レシート情報出力部112)が、レシート情報から電子レシート情報へと変換するようにしたが、これに限らず、POS端末1のプリンタ13がレシート情報から電子レシート情報への変換処理を実行するようにしても良い。具体的には、プリンタ13に備えられた印字を制御する印字制御装置(図示せず)が、レシート情報出力部112として機能することになる。この場合、プリンタ13の印字制御装置は、POS端末1の制御部11(レシート情報生成部111)で生成されて入力されたレシート情報に会員コードが含まれないと判定した場合、そのレシート情報を印字出力する。一方、プリンタ13の印字制御装置は、POS端末1の制御部11(レシート情報生成部111)で生成されて入力されたレシート情報に会員コードが含まれると判定した場合、レシート情報から電子レシート情報へと変換するとともに、レシート情報を構成する所定の要素について報知が必要と判定した場合には、有効にした報知用(警告用)のフラグXを電子レシート情報に対して付加する。プリンタ13の印字制御装置は、生成した電子レシート情報を、POS端末1の通信I/F16を介して電子レシートサーバ3に送信する。
【0117】
また、例えば、上記実施形態では、コードスキャナ15を用いて会員コード等を取得する形態としたが、これに限らず、他の手法を用いて会員コード等を取得してもよい。具体的には、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信部をPOS端末1及び携帯端末7が備えることで、近距離無線通信により会員コード等を送受信可能な構成としてもよい。この場合、携帯端末7は、会員コード等を記憶部75や図示しないICタグ等に保持するものとする。
【0118】
また、上記実施形態では、携帯端末7から会員コード等を取得する形態としたが、これに限らず、ICカードや磁気カード等の会員コードを保持することが可能な媒体から取得してもよい。なお、ICカードを用いる場合には、POS端末1は、ICカードリーダライタ等の読取/書込部を備えるものとする。また、磁気カードを用いる場合には、POS端末1は、磁気カードのカードリーダ/カードライタ等を備えるものとする。
【0119】
また、上記実施形態では、本部P2に電子レシートサーバ3を設ける形態としたが、これに限らず、店舗P1内に、当該店舗用の電子レシートサーバ3を設ける形態としてもよい。この場合、POS端末1は、自店舗の店舗内ネットワークN1に接続された電子レシートサーバ3に電子レシート情報を出力し、電子レシートサーバ3は、店舗内ネットワークN1及びネットワークN2を介して電子レシート管理サーバ4に電子レシート情報を送信する。
【0120】
また、上記実施形態では、POS端末1で生成された電子レシート情報を、電子レシートサーバ3を介して電子レシート管理サーバ4に出力する形態としたが、これに限らず、POS端末1からネットワークN3を介して電子レシート管理サーバ4にアクセスすることで、電子レシート管理サーバ4に電子レシート情報を直接出力する形態としてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、携帯端末7は、電子レシート管理サーバ4を介して電子レシート情報を受信する形態としたが、これに限らず、POS端末1から電子レシート情報を直接受信する形態としてもよい。この場合、POS端末1は、店舗内ネットワークN1や図示しない近距離無線通信部を介して接続された携帯端末7に対し、生成した電子レシート情報を出力する。また、この場合、POS端末1で認証処理を行ってもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、商品データファイルをPOS端末1が記憶する形態としたが、これに限らず、ストアサーバ2が、POS端末1から参照可能に商品データファイルを記憶する形態としてもよい。
【符号の説明】
【0123】
1 商品販売データ処理装置
4 電子レシート管理サーバ
111 レシート情報生成手段
112 出力手段
411 受信手段
412 管理手段
413 電子レシート閲覧手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【文献】特開2009-42931号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15