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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20241028BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241028BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
G07G1/12 331A
G07G1/00 301D
G07G1/00 311D
G07G1/01 301D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023144712
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2019104785の分割
【原出願日】2019-06-04
(65)【公開番号】P2023158126
(43)【公開日】2023-10-26
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】野寺 信朋
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購入対象の商品を収容する収容体と、
前記収容体を撮影する撮像手段と、
前記収容体を利用する客の操作により前記購入対象の商品の第1の数を特定する特定手段と、
前記撮像手段を用いて前記購入対象の商品を収容する前記収容体に対して商品を投入する行為が検出された場合、検出されたことを示す投入コマンドを送信する第1の送信手段と、
前記撮像手段を用いて前記収容体から前記商品を取り出す行為が検出された場合、検出されたことを示す取出しコマンドを送信する第2の送信手段と、
を備えたカート端末と、
前記特定手段により特定された前記第1の数を取得する取得手段と、
前記カート端末から前記投入コマンド又は取出しコマンドを受信する受信手段と、
前記投入コマンド又は前記取出しコマンドを受信する毎に、前記収容体に収容されている商品の数を示す第2の数を計数する計数手段、
前記取得手段により取得した前記第1の数と前記計数手段により計数した前記第2の数との比較により報知するかを決定する決定手段、及び、
前記決定手段により報知することが決定された場合に報知を制御する制御手段、
を備えたサーバと、
を含む
情報処理システム。
【請求項2】
前記サーバは、
前記取得手段により前記第1の数を取得する毎に、又は、前記計数手段により前記第2の数を計数する毎に、前記第1の数と前記第2の数とを比較する比較手段、
をさらに具備し、
前記決定手段は、前記比較手段による比較により報知するかを決定する、請求項記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記特定手段は、スキャナで読み取られたコードに基づき購入対象の商品を特定する手段であり、
前記カート端末は、
前記購入対象の商品に付されたコードを前記スキャナに読み取らせるための操作ガイダンスを表示する表示手段、
をさらに具備する請求項記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記カート端末は、
前記購入対象の商品の会計を指示する指示手段、
をさらに具備し、
前記サーバは、
前記カート端末からの会計指示を受け付ける受付手段、
をさらに具備し、
前記制御手段は、前記決定手段により報知することが決定されていた場合に、前記会計指示があった前記カート端末に対して報知を制御する、請求項記載の情報処理システム。
【請求項5】
アテンダントにより監視される監視端末、をさらに含み、
前記決定手段は、前記取得手段により取得した前記第1の数と前記計数手段により計数した前記第2の数とが一致しない場合に報知することを決定し、
前記制御手段は、前記監視端末に前記第1の数と前記第2の数とが一致しない旨を報知するように制御する、請求項記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記カート端末は、
前記購入対象の商品の会計を指示する指示手段、
をさらに具備し、
前記サーバは、
前記カート端末からの会計指示を受け付ける受付手段、
をさらに具備し、
前記決定手段は、前記取得手段により取得した前記第1の数と前記計数手段により計数した前記第2の数とが一致する場合に報知することを決定し、
前記制御手段は、前記決定手段により報知することが決定されていた場合に、前記会計指示があった前記カート端末に対して会計許可の報知を制御する、請求項記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及びコンピュータを当該情報処理装置として機能させるための制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店の売場で客が自らスキャナを操作し、購入対象の商品に付されているバーコード等を読み取ることによって商品の販売データを登録することで、レジ(会計場)での店員による登録操作を簡略化したセルフ登録システムが考えられている。
【0003】
小売店において、この種のセルフ登録システムを導入する場合、売場にて正しく登録されなかった商品が未会計のままレジを通過するのを防ぐ必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平02-212999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、売場にて正しく登録されなかった商品が未会計のままレジを通過するのを防ぐことができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、情報処理システムは、購入商品の商品を収容する収容体と、前記収容体を撮影する撮像手段と、前記収容体を利用する客の操作により前記購入対象の商品の第1の数を特定する特定手段と、前記撮像手段を用いて前記購入対象の商品を収容する収容体に対して商品を投入する行為が検出された場合、検出されたことを示す投入コマンドを送信する第1の送信手段と、前記撮像手段を用いて前記収容体から前記商品を取り出す行為が検出された場合、検出されたことを示す取出しコマンドを送信する第2の送信手段と、を備えたカート端末と、前記特定手段により特定された前記第1の数を取得する取得手段と、前記カート端末から前記投入コマンド又は取出しコマンドを受信する受信手段と、前記投入コマンド又は前記取出しコマンドを受信する毎に、前記収容体に収容されている商品の数を示す第2の数を計数する計数手段、前記取得手段により取得した前記第1の数と前記計数手段により計数した前記第2の数との比較により報知するかを決定する決定手段、及び、前記決定手段により報知することが決定された場合に報知を制御する制御手段、を備えたサーバと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るセルフ登録システムの全体構成図。
図2】セルフ登録システムを導入した小売店のレイアウト例を示す模式図。
図3】セルフ登録システムに組み込まれるカート端末の要部回路構成を示すブロック図。
図4】カート端末を備えたカートの一例を示す斜視図。
図5】セルフ登録システムに組み込まれるサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図6】サーバが備える取引ファイルの主要なデータ構造を示す模式図。
図7】サーバが備えるカート管理テーブルの主要なデータ構造を示す模式図。
図8】セルフ登録システムに組み込まれる監視端末の要部回路構成を示すブロック図。
図9】監視端末のタッチパネルに表示されるカート端末監視画像の一例を示す模式図。
図10】監視端末のタッチパネルに表示される登録商品リスト画像の一例を示す模式図。
図11】カート端末のプロセッサが制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図12図11における「処理1」の具体的な手順を示す流れ図。
図13図11における「処理2」の具体的な手順を示す流れ図。
図14】カート端末のカメラコントローラが制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
図15】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する登録開始コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図16】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する商品登録コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図17】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する返品登録コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図18】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する投入コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図19】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する取出しコマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図20】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する会計コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図21】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する会計開始コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図22】サーバのプロセッサが制御プログラムに従って実行する会計終了コマンド受信処理の要部手順を示す流れ図。
図23】サーバのプロセッサが実行するタイマ割込み処理の要部手順を示す流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、売場にて正しく登録されなかった商品が未会計のままレジを通過するのを防ぐことができる情報処理装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、本実施形態では、ショッピングカートを利用する客が、そのショッピングカートに備えられたカート端末を操作して、購入対象商品の販売データを自ら売場で登録するようにした小売店のセルフ登録システムに組み入れられた情報処理装置について例示する。
【0009】
図1は、本実施形態に係るセルフ登録システムの全体構成図である。セルフ登録システムは、カート端末10、監視端末20、アクセスポイント30、会計機40、サーバ50、及びネットワーク60を含む。ネットワーク60は、例えばLAN(Local Area Network)である。サーバ50、会計機40及びアクセスポイント30がネットワーク60に接続されている。カート端末10及び監視端末20は、いずれも無線ユニットを備えており、アクセスポイント30との間で無線通信を可能としている。アクセスポイント30は、カート端末10及び監視端末20と、ネットワーク60に繋がるサーバ50及び会計機40との間で授受されるデータ信号を中継する。
【0010】
カート端末10は、店内で使用される複数台のショッピングカートにそれぞれ備えられている。監視端末20は、アテンダントカウンタに備えられている。アクセスポイント30は、店内の所定の場所に備えられている。会計機40は、レジ(会計場)に設置されている。レジには、複数台の会計機40が設置されている。サーバ50は、例えば店舗事務室に備えられている。サーバ50の場所は、特に限定されるものではない。例えばインターネットを介して提供されるクラウドサービス上に置かれていてもよい。
【0011】
図2は、セルフ登録システムを導入した小売店のレイアウト例を示す模式図である。小売店としては、スーパーマーケット、百貨店の食品売場等のように、売場PとレジRとが分離され、購買者又は消費者である客M1がショッピングカートCを利用して買物を行う店舗が対象となる。なお、以下では、ショッピングカートCをカートCと称する。
【0012】
カートCを利用する客M1は、そのカートCに設けられたカート端末10のユーザとなる。客M1は、カートCとともに売場Pを回り、購入対象の商品をカートCに入れる。その際、客M1は、カート端末10を操作して商品の販売データを登録する。売場Pでの買物を終えると、客M1は、レジRへ行って会計を行う。会計は、会計機40を介して行われる。会計は、客M1が自ら会計機40を操作して行ってもよいし、店員が行ってもよい。本実施形態では、客M1が会計機40を操作するようにしたセルフ会計方式を採用する。会計終了後、客M1は、必要に応じてサッカー台SUで袋詰めを行う。
【0013】
店内には、アテンダントカウンタATが設けられている。アテンダントカウンタATは、レジRの近傍にある。アテンダントカウンタATには接客を担当する店員であるアテンダントM2が常駐する。アテンダントM2は、監視端末20を利用して、各カート端末10及び会計機40の状態を監視する。
【0014】
続いて、カート端末10、サーバ50及び監視端末20の構成について説明する。因みに、会計機40は、セルフ会計方式の機種として既に稼働している既存のPOS端末をそのまま適用できる。よって、会計機40の説明は省略する。
【0015】
図3は、カート端末10の要部回路構成を示すブロック図である。カート端末10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、無線ユニット14、タッチパネル15、スキャナ16、リーダ17、カメラ18、カメラコントローラ19及びシステム伝送路110を備える。システム伝送路110は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。カート端末10は、システム伝送路110に、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、無線ユニット14、タッチパネル15、スキャナ16、リーダ17及びカメラコントローラ19を接続する。カメラ18は、カメラコントローラ19に接続されている。カート端末10では、プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13と、これらを接続するシステム伝送路110とによってコンピュータが構成される。
【0016】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、カート端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0017】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域において、カートIDを記憶する。カートIDは、各カートCにそれぞれ備えられた複数のカート端末10を個々に識別するためにカート端末10毎に設定された一意のコードである。メインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データは、不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0018】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス13となり得る。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0019】
メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶されるアプリケーションプログラムには、カート端末10で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0020】
無線ユニット14は、アクセスポイント30との間で無線通信プロトコルに従いデータの無線通信を行う。
【0021】
タッチパネル15は、カート端末10の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル15は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ11に出力する。
【0022】
スキャナ16は、商品に付されたバーコード、二次元データコード等のコードシンボルを読み取る。商品には、その商品特有のコードシンボルが付されている。スキャナ16は、読み取ったコードシンボルのデータをプロセッサ11に出力する。スキャナ16は、レーザ光の走査によりコードシンボルを読み取るタイプであってもよいし、撮像デバイスで撮像した画像からコードシンボルを読み取るタイプであってもよい。
【0023】
リーダ17は、記録媒体に記録されたデータを読み取り、読み取ったデータをプロセッサ11に出力する。リーダ17は、記録媒体が磁気カードの場合には磁気カードリーダであり、接触式ICカードの場合にはICカードリーダである。非接触式ICカード又はスマートフォン等のようにRFID(Radio Frequency Identification)を使用した記録媒体の場合には、RFIDリーダがリーダ17として使用される。
【0024】
カメラ18は、カートCの籠受部に置かれた買物籠を撮影できるように、カートCに設けられている。カメラ18は、カートCのユーザである客が買上商品を買物籠に投入したり、取り出したりするのを監視するためのものである。
【0025】
カメラコントローラ19は、カメラ18の撮影オン、オフを制御する。カメラコントローラ19は、カメラ18によって撮影された画像をリアルタイムで取込み解析して、買物籠に投入された商品又は買物籠から取り出された商品を検出する機能を有している。
【0026】
以上のような回路構成要素を備えたカート端末10において、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、無線ユニット14及びタッチパネル15は、タブレット端末TMによって構成されている。そしてこのタブレット端末TMに、スキャナ16、リーダ17、カメラ18及びカメラコントローラ19を電気的に接続することで、カート端末10が構成されている。なお、スキャナ16とカメラ18及びカメラコントローラ19も、タブレット端末TMに備えられていてもよい。
【0027】
図4は、カート端末10を備えたカートCの一例を示す斜視図である。カートCは、移動用のキャスタ部C1と、ハンドルフレーム部C2と、籠受部C3とを備えている。キャスタ部C1は、床面上を円滑に移動させるための4輪の車輪C11を有している。またキャスタ部C1は、買物籠SBに入らないような大きな荷物を置くための受け部C12を備えている。ハンドルフレーム部C2は、キャスタ部C1の後輪側に立設された一対の縦フレームC21,C21と、これら縦フレームC21,C21の上端を連結するハンドルバーC22と、を含む。籠受部C3は、ハンドルフレーム部C2の中途部位から前方にある。カートCは、籠受部C3に、店備え付けの買物籠SBを載置することができる。
【0028】
買物籠SBは、商品を収容する収容体として機能する。なお、収容体は、買物籠SBに限定されない。例えば買物籠SBを籠受部C3に載置することなくカートCを使用する場合もあり得る。この場合、籠受部C3が収容体となる。
【0029】
スキャナ16は、ハンドルバーC22の中途部にある。スキャナ16は、手前側に読取窓16Aが位置するようにハンドルバーC22に取り付けられている。手前側は、ハンドルバーC22を持ってカートCを押す客が立つ側である。
【0030】
一方の縦フレームC21に、ポールC4が取り付けられている。ポールC4は、その先端がハンドルバーC22よりも上方に位置している。タブレット端末TMは、タッチパネル15の画面を手前側にしてポールC4の先端部に取り付けられている。リーダ17は、カードスリットが手前側に位置するようにタブレット端末TMのフレームに取り付けられている。図4においては、リーダ17を磁気カードリーダとしている。カメラ18は、籠受部C3に置かれた買物籠SBの全体を上方から撮影するように、ポールC4の中途部に取り付けられている。カメラ18は、撮像手段の一例である。
【0031】
バッテリBTは、ハンドルフレーム部C2の下端側に、縦フレームC21,C21にわたって取り付けられている。バッテリBTは、タブレット端末TM、スキャナ16、リーダ17もカメラ18及びカメラコントローラ19の駆動電源となる。
【0032】
図5は、サーバ50の要部回路構成を示すブロック図である。サーバ50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54及びシステム伝送路55を備える。システム伝送路55は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。サーバ50は、システム伝送路55に、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54を接続する。サーバ50では、プロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53と、これらを接続するシステム伝送路55とによってコンピュータが構成される。
【0033】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、サーバ50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPUである。
【0034】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0035】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス53となり得る。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ51での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス53は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0036】
メインメモリ52又は補助記憶デバイス53に記憶されるアプリケーションプログラムには、サーバ50で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ52又は補助記憶デバイス53にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ52又は補助記憶デバイス53にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0037】
通信インターフェース54は、ネットワーク60に接続される。通信インターフェース54は、プロセッサ51の制御により、ネットワーク60を介して接続される他の機器との間で通信プロトコルに従いデータ通信を行う。
【0038】
かかる構成のサーバ50は、補助記憶デバイス53において商品データベース531を記憶している。商品データベース531は、商品毎に作成された商品レコードを保存するための領域である。商品レコードは、商品コード、価格、商品名等のデータ項目を含む。商品コードは、商品を特定するために商品毎に設定された一意のコードである。商品に付されたコードシンボルには、少なくとも商品コードが情報として含まれている。
【0039】
サーバ50は、メインメモリ52の揮発性メモリ領域の一部を、取引ファイル521の領域と、カート管理テーブル522の領域としている。取引ファイル521の領域には、カートCを利用して買物を行っている客M1毎に取引ファイル521が作成される。
【0040】
図6は、取引ファイル521の主要なデータ構造を示す模式図である。図6に示すように取引ファイル521は、カートIDと、複数の商品販売データと、を記憶するための領域を有したデータファイルである。商品販売データは、購入対象として登録された商品の商品コード、商品名、単価、数量及び金額を含んだデータである。
【0041】
図7は、カート管理テーブル522の主要なデータ構造を示す模式図である。図7に示すようにカート管理テーブル522は、一連のテーブル番号1,2,3,4,5,…と関連付けて、カートID、ステータスST、会計機ID、第1カウンタN1、第2カウンタN2及び警告フラグF1を記憶するための領域を有している。カートIDの領域には、各カート端末10のカートIDがセットされている。
【0042】
ステータスSTは、カートIDで特定されるカート端末10の状態を示す。前述したようにカート端末10には、待機中、登録中、会計待ち、会計中の4つの状態がある。本実施形態では、待機中を示すステータスSTを“0”、登録中を示すステータスSTを“1”、会計待ちを示すステータスSTを“2”、会計中を示すステータスSTを“3”とする。
【0043】
会計機IDは、複数の会計機40を個々に識別するために会計機40毎に設定された一意のコードである。第1カウンタN1は、カートIDで特定されるカート端末10で登録された商品の数を計数するためのものである。第2カウンタN2は、同カート端末10が設けられたカートCの買物籠SBに投入された商品の数を計数するためのものである。警告フラグF1は、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致している状態では“0”にリセットされているが、一致しない状態になると“1”にセットされる1ビットデータである。
【0044】
図8は、監視端末20の要部回路構成を示すブロック図である。監視端末20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、無線ユニット24、タッチパネル25及びシステム伝送路26を備える。システム伝送路26は、アドレスバス,データバス,制御信号線等を含む。監視端末20は、システム伝送路26に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、無線ユニット24及びタッチパネル25を直接または信号入出力回路を介して接続する。監視端末20は、プロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23と、これらを接続するシステム伝送路26とによってコンピュータを構成する。
【0045】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、監視端末20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0046】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサが各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。上記データを不揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサによってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば不揮発性のメモリ領域はROMである。揮発性のメモリ領域はRAMである。
【0047】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM、HDD、あるいはSSD等が補助記憶デバイス23として使用される。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ21での処理によって作成されたデータを保存する。補助記憶デバイス23は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0048】
メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムには、監視端末20で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0049】
無線ユニット24は、アクセスポイント30との間で無線通信プロトコルに従い無線によるデータの送信または受信を行う。
【0050】
タッチパネル25は、監視端末20の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。監視端末20は、サーバ50で作成された画像データに基づきタッチパネル25に画像を表示するためのブラウザを実装している。
【0051】
図9及び図10は、タッチパネル25に表示される画像の一例を示す模式図である。具体的には、図9は、カート端末監視画像SC1の一例である。カート端末監視画像SC1には、カート端末10毎に作成されたタグ70(70A,70B,70C,70D,70E,…)が表示されている。なお、図9では5つのタグ70A,70B,70C,70D,70Eが一列に表示されたカート端末監視画像SC1を例示しているが、カート端末監視画像SC1に表示されるタグ70の数は5つに限定されない。複数のタグ70がマトリクス状に表示されていてもよい。
【0052】
タグ70には、会計機IDが表示される領域71と、カートIDが表示される領域72と、ステータスSTの情報が表示される領域73と、通信アイコン741が表示される領域74と、警告アイコン751が表示される領域75とがある。領域71には、領域72に表示されたカートIDで特定されるカート端末10が備えられたカートCを利用して買物を行った客が会計を行う会計機40の会計機IDが表示される。以下では、領域72に表示されたカートIDで特定されるカート端末10を当該カート端末10と称する。領域73には、当該カート端末10のステータスSTによって異なる情報が表示される。例えば、ステータスSTが“0”、すなわち待機中のときには「待機」と表示される。ステータスSTが“1”又は“2”、すなわち登録中又は会計待ちのときには「登録n点」と表示される。「登録n点」の“n”は、当該カート端末10で登録された商品の合計点数である。ステータスSTが“3”、すなわち会計中のときには「会計中」と表示される。領域74には、当該カート端末10がサーバ50と通信状態にあるとき、通信アイコン741が表示される。領域75には、当該カート端末10に対する警告フラグF1が“1”になると警告アイコン751が表示される。
【0053】
図10は、登録商品リスト画像SC2の一例である。カート端末監視画像SC1に表示されているいずれかのタグ70が選択されると、そのタグ70に割り当てられたカートIDのカート端末10で登録された商品のリストが登録商品リスト画像SC2としてタッチパネル25に表示される。登録商品リスト画像SC2には、カートIDが表示される領域81と、会計機IDが表示される領域82と、登録商品リストが表示される領域83と、警告メッセージが表示される領域84とがある。領域83には、領域81に表示されたカートIDで特定される取引ファイル521に記憶されている商品販売データを基に作成された登録商品リストが表示される。具体的には、商品販売データの商品名、単価、数量及び金額と、合計数量及び合計金額のリストが表示される。領域84には、警告フラグF1が“1”であることを表す警告メッセージが表示される。前述したように、警告フラグF1は、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致していない場合に“1”となる。したがって、警告メッセージとしては、例えば「カートに入れられた商品の数と、スキャンされた商品の数とが一致していません」等が考えられる。なお、警告メッセージの例はこれに限定されないのは言うまでもない。
【0054】
上述したような構成の監視端末20としては、例えばタブレット端末、ノートパソコン、ディスクトップパソコン等のコンピュータ機器をそのまま適用することができる。
【0055】
次に、本実施形態に係るセルフ登録システムの動作について、図11乃至図23の流れ図を用いて説明する。図11乃至図13は、カート端末10のプロセッサ11が、制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図14は、カート端末10のカメラコントローラ19が制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。図15乃至図23は、サーバ50のプロセッサ51が、制御プログラムに従って実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図である。なお、以下に説明する動作の手順及びその内容は一例である。同様な結果を得ることが可能であれば、その手順及び内容は特に限定されるものではない。
【0056】
はじめに、セルフ登録システムを導入した小売店では、使用されていないカートCがカート置場に置かれている。この未使用のカートCに備えられたカート端末10は、待機状態となっている。すなわち、カート管理テーブル522において、当該カート端末10のカートIDに関連付けられたステータスSTは“0”となっている。
【0057】
さて、来店した客M1は、カート置場からカートCを持ち出す。そして客M1は、例えばタッチパネル15の画面にタッチすることで、登録開始を指示する。なお、登録開始の指示操作はタッチパネル15の画面タッチ操作に限定されるものではない。例えば客M1が所持する会員カードのデータをリーダ17で読み取らせることによって、登録開始が指示されてもよい。
【0058】
図11に示すように、待機状態にあるカート端末10のプロセッサ11は、ACT1として登録開始の指示を待ち受けている。プロセッサ11は、登録開始の指示を受け付けると、ACT1においてYESと判定し、ACT2へと進む。プロセッサ11は、ACT2としてサーバ50に対して登録開始コマンドを送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14から登録開始コマンドが無線送信される。登録開始コマンドには、メインメモリ12に記憶されたカートIDが含まれている。登録開始コマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク60を介してサーバ50へと送られる。
【0059】
通信インターフェース54で登録開始コマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51は、図15の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ51は、ACT51として登録開始コマンドからカートIDを取得する。そしてプロセッサ51は、ACT52としてカート管理テーブル522を検索して、当該カートIDと関連付けられたステータスSTが、待機中を示す“0”であることを確認する。因みに、同ステータスSTが“0”以外であった場合には、待機中でないカート端末10から登録開始コマンドが送信されたエラーである。この場合、プロセッサ51は、ACT52においてNOと判定し、ACT53へと進む。プロセッサ51は、ACT53として登録開始コマンド送信元のカート端末10に対し、エラー応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、登録開始コマンドの受信処理を終了する。
【0060】
エラー応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。
【0061】
プロセッサ51は、ステータスが“0”であることを確認した場合には、ACT52においてYESと判定し、ACT54へと進む。プロセッサ51は、ACT54としてそのステータスSTを、登録中を示す“1”に変更する。プロセッサ51は、ACT55としてカート管理テーブル522の当該カートIDと関連付けられた第1カウンタN1、第2カウンタN2及び警告フラグF1を、いずれも“0”に初期化する。プロセッサ51は、ACT56としてメインメモリ52の所定領域に当該カートIDがセットされた取引ファイル521を作成する。プロセッサ51は、ACT57として登録開始コマンド送信元のカート端末10に対し、許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、登録開始コマンドの受信処理を終了する。
【0062】
許諾応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。
【0063】
このように、客M1が待機状態にあるカート端末10のタッチパネル15にタッチして登録開始を指示すると、サーバ50においては、そのカート端末10のカートIDに関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されているステータスが“0”から“1”に変更される。また、当該カートIDがセットされた取引ファイル521がメインメモリ52に作成される。そして、許諾応答コマンドが登録開始コマンド送信元のカート端末10に送信される。
【0064】
図11の説明に戻る。
登録開始コマンドを送信したカート端末10のプロセッサ11は、図11のACT3として許諾応答コマンドを待ち受けている。ここで、許諾応答コマンドではなくエラー応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、ACT3においてNOと判定し、エラー処理を実行する。エラー処理は、例えばカート端末10の使用を禁止するメッセージをタッチパネル25に表示する処理等が考えられる。
【0065】
プロセッサ11は、許諾応答コマンドを受信すると、ACT3においてYESと判定し、ACT4へと進む。プロセッサ11は、ACT4としてカメラコントローラ19に対してカメラ18の起動を指令する。起動の指令を受けたカメラコントローラ19の動作については後述する。
【0066】
プロセッサ11は、ACT5としてタッチパネル25に登録画面を表示する。登録画面は、商品販売データが登録された商品の商品名、単価等を表示するための画面である。登録画面の一部には、会計指示を受け付けるための会計ボタンの画像と、返品指示を受け付けるための返品ボタンの画像とが表示されている。登録画面の一部に、客M1に対する操作ガイダンスが表示されていてもよい。操作ガイダンスとしては、例えば「購入する商品を買物籠SBに入れる前に、その商品のバーコードをスキャナ16の読取窓16Aに翳してください」等が考えられる。
【0067】
プロセッサ11は、ACT4及びACT5の処理を終えると、ACT6として商品登録が行われたか否かを確認する。商品登録が行われていない場合、プロセッサ11は、ACT6においてNOと判定し、ACT7へと進む。プロセッサ11は、ACT7として返品指示を受け付けたか否かを確認する。返品指示を受け付けていない場合、プロセッサ11は、ACT7においてNOと判定し、ACT8へと進む。プロセッサ11は、ACT8として会計指示を受け付けたか否かを確認する。会計指示を受け付けていない場合、プロセッサ11は、ACT8においてNOと判定し、ACT6へと戻る。ここにプロセッサ11は、ACT6乃至ACT8の処理により、商品登録が行われるか、返品指示を受け付けるか、会計指示を受け付けるのを待ち受ける。
【0068】
カートCを利用して買物を行う客M1は、売場Pにおいて購入対象の商品を見付けると、その商品に付されているバーコード等のコードシンボルをスキャナ16の読取窓16Aに翳して読み取らせてから、その商品を買物籠SBに投入する。買物籠SBに投入した商品の購入を取り止める場合には、客M1は返品ボタンにタッチするとともにその商品を買物籠SBから取り出す。そして客M1は、その商品に付されているコードシンボルをスキャナ16の読取窓16Aに翳して読み取らせた後、商品を棚等に戻す。売場Pでの買い物を終えた客M1は、会計ボタンにタッチして、会計指示を行う。
【0069】
ACT6乃至ACT8の待ち受け状態において、スキャナ16を介してコードシンボルのデータが読み取られると、プロセッサ11は、商品登録が行われたことを検知する。プロセッサ11は、ACT6においてYESと判定し、ACT9へと進む。プロセッサ11は、ACT9として「処理1」を実行する。「処理1」の手順及びその内容については後述する。プロセッサ11は、「処理1」を実行し終えると、ACT6乃至ACT8の待ち受け状態に戻る。
【0070】
ACT6乃至ACT8の待ち受け状態において、返品ボタンがタッチされると、プロセッサ11は、返品指示が行われたことを検知する。プロセッサ11は、ACT7においてYESと判定し、ACT10へと進む。プロセッサ11は、ACT10として返品フラグRFを“1”にセットする。返品フラグRFは、メインメモリ12の揮発性領域に記憶されている。その後、プロセッサ11は、ACT6乃至ACT8の待ち受け状態に戻る。
【0071】
ACT6乃至ACT8の待ち受け状態において、会計ボタンがタッチされると、プロセッサ11は、会計指示が行われたことを検知する。プロセッサ11は、ACT8においてYESと判定し、ACT11へと進む。プロセッサ11は、ACT11として商品登録済か否かを確認する。プロセッサ11は、ACT9の「処理1」の処理を一度でも実行している場合、商品登録済であると認識する。商品登録済でない場合、プロセッサ11は、ACT11においてNOと判定し、ACT6乃至ACT8の待ち受け状態に戻る。商品登録済である場合には、プロセッサ11は、ACT11においてYESと判定し、ACT12へと進む。プロセッサ11は、ACT12として「処理2」を実行する。「処理2」の手順及びその内容については後述する。プロセッサ11は、「処理2」を実行し終えると、登録開始の指示に応じた処理を終了する。
【0072】
図12は、「処理1」の手順を示す流れ図である。図11のACT6において、商品登録が行われたことを検知すると、プロセッサ11は、「処理1」を開始する。先ず、プロセッサ11は、ACT21として返品フラグRFが“1”にセットされているか否かを確認する。返品フラグRFが“1”にセットされていない場合、プロセッサ11は、ACT21においてNOと判定し、ACT22へと進む。プロセッサ11は、ACT22としてサーバ50に対して商品登録コマンドを送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14から商品登録コマンドが無線送信される。商品登録コマンドには、カートIDとスキャニングデータとが含まれている。スキャニングデータとは、スキャナ16で読み取ったコードシンボルから得られたデータである。データには商品コードが含まれている。商品登録コマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク60を介してサーバ50へと送られる。
【0073】
一方、返品フラグRFが“1”にセットされていた場合には、プロセッサ11は、ACT21においてYESと判定し、ACT23へと進む。プロセッサ11は、ACT23として返品フラグRFを“0”にリセットする。プロセッサ11は、ACT24としてサーバ50に対して返品登録コマンドを送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14から返品登録コマンドが無線送信される。返品登録コマンドには、カートIDとスキャニングデータとが含まれている。返品登録コマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク60を介してサーバ50へと送られる。
【0074】
このように、客M1が商品に付されているバーコード等のコードシンボルをスキャナ16の読取窓16Aに翳して読み取らせると、カート端末10からサーバ50に対して商品登録コマンドが送信される。客M1が返品ボタンにタッチするとともに商品に付されているコードシンボルをスキャナ16の読取窓16Aに翳して読み取らせると、カート端末10からサーバ50に対して返品登録コマンドが送信される。商品登録コマンド及び返品登録コマンドには、スキャナ16で読み取られたコードシンボルによって特定された商品の商品コードが含まれている。ここに、カート端末10のプロセッサ11を主体とするコンピュータは、スキャナ16と協働して、購入対象の商品を特定する特定手段を構成する。
【0075】
通信インターフェース54で商品登録コマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51は、図16の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ51は、ACT61として商品登録コマンドからカートIDとスキャニングデータとを取得する。プロセッサ51は、ACT62としてスキャニングデータから商品コードを検出する。
【0076】
プロセッサ51は、ACT63として商品コードで商品データベース531を検索する。プロセッサ51は、ACT64として当該商品コードを含む商品レコードが商品データベース531に存在するか否かを確認する。当該商品コードを含む商品レコードが商品データベース531に存在しない場合、商品データベース531に設定されていない商品コードが読み取られたエラーである。この場合、プロセッサ51は、ACT64においてNOと判定し、ACT65へと進む。プロセッサ51は、ACT65として商品登録コマンド送信元のカート端末10に対し、エラー応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、商品登録コマンドの受信処理を終了する。
【0077】
エラー応答コマンドは、前記と同様にアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。
【0078】
当該商品コードを含む商品レコードが商品データベース531に存在する場合、プロセッサ51は、ACT64においてYESと判定し、ACT66へと進む。プロセッサ51は、ACT66として商品販売データを生成する。すなわちプロセッサ51は、ACT62において検出された商品コードと、その商品コードが含まれる商品レコードの商品名及び単価と、数量と、金額と、から商品販売データを生成する。因みに、数量は“1”である。金額は単価に数量を乗算した値である。
【0079】
プロセッサ51は、ACT66の処理を終えると、ACT67としてその商品販売データを取引ファイルに登録する。すなわちプロセッサ51は、ACT61において取得したカートIDがセットされた取引ファイル521を選択する。そしてプロセッサ51は、この取引ファイル521に商品販売データを登録する。
【0080】
プロセッサ51は、ACT67の処理を終えると、ACT68として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第1カウンタN1を“1”だけカウントアップする。プロセッサ51は、ACT69として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第1カウンタN1と第2カウンタN2とを比較する。ここで、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致する場合、プロセッサ51は、ACT69においてYESと判定し、ACT70へと進む。プロセッサ51は、ACT70として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“0”とする。
【0081】
プロセッサ51は、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致しない場合には、ACT69においてNOと判定し、ACT71へと進む。プロセッサ51は、ACT71として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“1”とする。
【0082】
ACT70又はACT71の処理を終えると、プロセッサ51は、ACT72として商品登録コマンド送信元のカート端末10に対し、許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、商品登録コマンドの受信処理を終了する。
【0083】
許諾応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。許諾応答コマンドには、ACT66において生成された商品販売データが含まれる。
【0084】
このように、客M1が購入対象商品のコードシンボルをスキャナ16で読み取らせると、当該客M1が操作するカート端末10のカートIDがセットされた取引ファイル521に、その商品の商品販売データが登録される。また、カート管理テーブル522の当該カートIDと関連付けられた第1カウンタN1が“1”だけカウントアップする。このとき、第1カウンタN1が、当該カートIDと関連付けられた第2カウンタN2とは不一致になると、警告フラグF1は“1”となる。第1カウンタN1が第2カウンタN2と一致した場合には、警告フラグF1は“0”となる。
【0085】
通信インターフェース54で返品登録コマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51は、図17の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ51は、ACT81として返品登録コマンドからカートIDとスキャニングデータとを取得する。プロセッサ51は、ACT82としてスキャニングデータから商品コードを検出する。
【0086】
プロセッサ51は、ACT83としてそのカートIDがセットされた取引ファイル521を検索する。プロセッサ51は、ACT84として、ACT82において検出された商品コードの商品販売データが取引ファイル521に存在するか否かを確認する。該当する商品販売データが存在しない場合、未登録の商品の返品が指示されたエラーである。この場合、プロセッサ51は、ACT84においてNOと判定し、ACT85へと進む。プロセッサ51は、ACT85として返品登録コマンド送信元のカート端末10に対し、エラー応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、返品登録コマンドの受信処理を終了する。
【0087】
エラー応答コマンドは、前記と同様にアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。
【0088】
プロセッサ51は、該当する商品販売データが取引ファイル521に存在することを確認したならば、ACT84においてYESと判定し、ACT86へと進む。プロセッサ51は、ACT86として取引ファイル521から該当する商品販売データを削除する。なお、該当する商品販売データが取引ファイル521に複数存在する場合には、プロセッサ51は、いずれか1つを選択して、取引ファイル521から削除する。
【0089】
プロセッサ51は、ACT86の処理を終えると、ACT87として、ACT81において取得したカートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第1カウンタN1を“1”だけカウントダウンする。プロセッサ51は、ACT87として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第1カウンタN1と第2カウンタN2とを比較する。ここで、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致する場合、プロセッサ51は、ACT87においてYESと判定し、ACT88へと進む。プロセッサ51は、ACT88として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“0”とする。
【0090】
プロセッサ51は、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致しない場合には、ACT87においてNOと判定し、ACT89へと進む。プロセッサ51は、ACT89として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“1”とする。
【0091】
ACT88又はACT89の処理を終えると、プロセッサ51は、ACT90として返品登録コマンド送信元のカート端末10に対し、許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、返品登録コマンドの受信処理を終了する。
【0092】
許諾応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信されて、返品登録コマンド送信元のカート端末10で受信される。許諾応答コマンドには、ACT85において取引ファイル521から削除された商品販売データが含まれる。
【0093】
このように、客M1が返品ボタンにタッチするとともに返品対象商品のコードシンボルをスキャナ16で読み取らせると、当該客が操作するカート端末10のカートIDがセットされた取引ファイル521から、その商品の商品販売データが削除される。また、カート管理テーブル522の当該カートIDと関連付けられた第1カウンタN1が“1”だけカウントダウンする。このとき、第1カウンタN1が、当該カートIDと関連付けられた第2カウンタN2とは不一致になると、警告フラグF1は“1”となる。第1カウンタN1が第2カウンタN2と一致した場合には、警告フラグF1は“0”となる。
【0094】
図12の説明に戻る。
商品登録コマンド又は返品登録コマンドの送信を制御したカート端末10のプロセッサ11は、ACT25として許諾応答コマンドを受信するのを待ち受ける。ここで、許諾応答コマンドではなくエラー応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ11は、ACT25においてNOと判定し、エラー処理を実行する。エラー処理は、例えば登録エラー又は返品エラーを示すメッセージをタッチパネル25に表示する処理等が考えられる。
【0095】
プロセッサ11は、許諾応答コマンドを受信すると、ACT25においてYESと判定し、ACT26へと進む。プロセッサ11は、ACT26として登録画面を更新する。すなわちプロセッサ11は、商品登録が行われた場合には、許諾応答コマンドに含まれる商品販売データの商品名、単価等を登録画面に表示する。プロセッサ11は、返品登録が行われた場合には、許諾応答コマンドに含まれる商品販売データの商品名、単価等を登録画面から削除する。
【0096】
ここで、カメラコントローラ19の動作について、図14の流れ図を用いて説明する。プロセッサ11からカメラ18の起動が指令されたカメラコントローラ19は、ACT41としてカメラ18を起動して撮影を開始させる。そしてカメラコントローラ19は、ACT42としてカメラ18で撮影された画像を解析する。
【0097】
カメラコントローラ19は、ACT43として客が買物籠SBに商品を投入する行為が画像に映し出されているか否かを確認する。画像に当該行為が映し出されていない場合、カメラコントローラ19は、ACT43においてNOと判定し、ACT44へと進む。カメラコントローラ19は、ACT44として客が買物籠SBから商品を取り出す行為が画像に映し出されているか否かを確認する。画像に当該行為が映し出されていない場合、カメラコントローラ19は、ACT44においてNOと判定し、ACT45へと進む。カメラコントローラ19は、ACT45としてカメラ18の停止が指令されたか否かを確認する。カメラ18の停止が指令されていない場合、カメラコントローラ19は、ACT42へと戻る。
【0098】
このようにカメラコントローラ19は、カメラ18の停止が指令されるまでの間、そのカメラ18で撮影された画像をリアルタイムで解析して、客M1が買物籠SBに商品を投入する行為、あるいは客M1が買物籠SBから商品を取り出す行為が映し出されるのを待ち受ける。
【0099】
カメラコントローラ19は、画像解析により客M1が買物籠SBに商品を投入する行為を検出すると、ACT43においてYESと判定し、ACT46へと進む。カメラコントローラ19は、ACT46としてその行為が検出された画像から商品の投入数量W1を検出する。そしてカメラコントローラ19は、ACT47としてサーバ50に対して投入コマンドを送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14から投入コマンドが無線送信される。投入コマンドには、カートIDとともに投入数量W1が含まれている。投入コマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク60を介してサーバ50へと送られる。
【0100】
カメラコントローラ19は、画像解析により客M1が買物籠SBから商品を取り出す行為を検出すると、ACT44においてYESと判定し、ACT48へと進む。カメラコントローラ19は、ACT48としてその行為が検出された画像から商品の取出し数量W2を検出する。そしてカメラコントローラ19は、ACT49としてサーバ50に対して取出しコマンドを送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14から取出しコマンドが無線送信される。取出しコマンドには、カートIDとともに取出し数量W2が含まれている。取出しコマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク60を介してサーバ50へと送られる。
【0101】
通信インターフェース54で投入コマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51は、図18の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ51は、ACT101として投入コマンドからカートIDと投入数量W1とを取得する。そしてプロセッサ51は、ACT102としてカート管理テーブル522を検索して、当該カートIDと関連付けられたステータスSTが“1”であることを確認する。ステータスSTが“1”でないときには、プロセッサ51は、ACT102においてNOと判定し、エラーとする。
【0102】
ステータスSTが“1”であった場合には、プロセッサ51は、ACT103として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第2カウンタN2を投入数量W1だけカウントアップする。プロセッサ51は、ACT104として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第1カウンタN1と第2カウンタN2とを比較する。ここで、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致する場合、プロセッサ51は、ACT104においてYESと判定し、ACT105へと進む。プロセッサ51は、ACT105として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“0”とする。
【0103】
プロセッサ51は、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致しない場合には、ACT104においてNOと判定し、ACT106へと進む。プロセッサ51は、ACT106として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“1”とする。
以上で、プロセッサ51は、投入コマンドの受信処理を終了する。
【0104】
このように、客M1が商品をカートCの買物籠SBに投入すると、そのカートCに設けられたカメラ18のカメラコントローラ19からサーバ50に対して投入コマンドが送信される。投入コマンドには、客M1が買物籠SBに投入した商品の数、いわゆる投入数量W1が含まれている。サーバ50では、カート管理テーブル522の当該カートCのカートIDと関連付けられた第2カウンタN2が投入数量W1だけカウントアップする。このとき、第2カウンタN2が、当該カートIDと関連付けられた第1カウンタN1とは不一致になると、警告フラグF1は“1”となる。第2カウンタN2が第1カウンタN1と一致した場合には、警告フラグF1は“0”となる。
【0105】
通信インターフェース54で取出しコマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51は、図19の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ51は、ACT111として取出しコマンドからカートIDと取出し数量W2とを取得する。そしてプロセッサ51は、ACT112としてカート管理テーブル522を検索して、当該カートIDと関連付けられたステータスSTが“1”であることを確認する。ステータスSTが“1”でないときには、プロセッサ51は、ACT112においてNOと判定し、エラーとする。
【0106】
ステータスSTが“1”であった場合には、プロセッサ51は、ACT113として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第2カウンタN2を取出し数量W2だけカウントダウンする。プロセッサ51は、ACT114として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている第1カウンタN1と第2カウンタN2とを比較する。ここで、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致する場合、プロセッサ51は、ACT114においてYESと判定し、ACT115へと進む。プロセッサ51は、ACT115として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“0”とする。
【0107】
プロセッサ51は、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致しない場合には、ACT114においてNOと判定し、ACT116へと進む。プロセッサ51は、ACT116として当該カートIDと関連付けられてカート管理テーブル522に記憶されている警告フラグF1を“1”とする。
以上で、プロセッサ51は、取出しコマンドの受信処理を終了する。
【0108】
このように、客M1がカートCの買物籠SBから商品を取り出すと、そのカートCに設けられたカメラ18のカメラコントローラ19からサーバ50に対して取出しコマンドが送信される。取出しコマンドには、客M1が買物籠SBから取り出した商品の数、いわゆる取出し数量W2が含まれている。サーバ50では、カート管理テーブル522の当該カートCのカートIDと関連付けられた第2カウンタN2が取出し数量W2だけカウントダウンする。このとき、第2カウンタN2が、当該カートIDと関連付けられた第1カウンタN1とは不一致になると、警告フラグF1は“1”となる。第2カウンタN2が第1カウンタN1と一致した場合には、警告フラグF1は“0”となる。
【0109】
図14の説明に戻る。
カメラコントローラ19は、カメラ18の停止が指令されると、カメラ18の撮影動作を停止させる。以上で、カメラコントローラ19の動作が終了する。
【0110】
ここに、サーバ50のプロセッサ51を主体とするコンピュータは、カート管理テーブル522と協働して図18のACT101及びACT103の処理並びに図19のACT111及びACT113の処理を実行することにより、第1の取得手段を構成する。すなわちコンピュータは、購入対象の商品を収容する収容体に収容されている商品の数を第2カウンタN2のカウント値として取得する。
【0111】
また同コンピュータは、カート管理テーブル522と協働して図16のACT68の処理並びに図17のACT87の処理を実行することにより、第2の取得手段を構成する。すなわちコンピュータは、購入対象の商品を特定する特定手段で特定された商品の数を第1カウンタN1のカウント値として取得する。
【0112】
さらに同コンピュータは、カート管理テーブル522と協働して図16のACT69乃至ACT71の処理、図17のACT88乃至ACTの処理、図18のACT104乃至ACT106の処理、及び、図19のACT114乃至ACT116の処理を実行することにより、決定手段を構成する。すなわちコンピュータは、第1の取得手段により取得した商品の数と第2の取得手段により取得した商品の数とが一致しない場合には、警告フラグF1を“1”にすることで報知することを決定する。コンピュータは、第1の取得手段により取得した商品の数と第2の取得手段により取得した商品の数とが一致した場合には、警告フラグF1を“0”にすることで報知しないことを決定する。
【0113】
このような構成をサーバ50が有することにより、セルフ登録システムでは以下の作用が働く。すなわち、客M1が購入対象商品のコードシンボルをスキャナ16で読み取らせてから、その商品を買物籠SBに投入する。そうした場合には、その客M1が使用するカート端末10のカートIDに関連付けられた第1カウンタN1と第2カウンタN2とがいずれも“1”だけカウントアップする。したがって、第1カウンタN1と第2カウンタN2とは一致するので、警告フラグF1は“0”となる。よって、報知は行われない。
【0114】
客M1が返品ボタンにタッチするとともに返品対象商品を買物籠SBから取り出し、その商品に付されているコードシンボルをスキャナ16で読み取らせてから商品を棚等に戻す。そうした場合には、その客M1が使用するカート端末10のカートIDに関連付けられた第1カウンタN1と第2カウンタN2とがいずれも“1”だけカウントダウンする。したがって、第1カウンタN1と第2カウンタN2とは一致するので、警告フラグF1は“0”となる。よって、報知は行われない。
【0115】
このように、カートCを使用する客M1が、そのカートCに設けられたカート端末10を正しく操作して、購入対象商品又は返品対象商品の登録を行っている間は、そのカート端末10のカートIDに関連付けられた第1カウンタN1と第2カウンタN2とは同じ値を有するので、報知は行われない。
【0116】
一方、商品のコードシンボルがスキャナ16で読み取られることなく、商品が買物籠SBに投入された場合には、第2カウンタN2だけカウントアップする。したがって、第1カウンタN1と第2カウンタN2とは不一致となるので、警告フラグF1は“1”となる。よって、報知が行われる。
【0117】
商品のコードシンボルがスキャナ16で読み取られたとしても、同時に2点以上の商品が買物籠SBに投入された場合には、やはり、第1カウンタN1と第2カウンタN2とは不一致となる。したがって、警告フラグF1は“1”となるので、報知が行われる。
【0118】
商品のコードシンボルがスキャナ16で読み取られることなく、買物籠SBから商品が取り出された場合には、第2カウンタN2だけカウントダウンする。したがって、第1カウンタN1と第2カウンタN2とは不一致となるので、警告フラグF1は“1”となる。よって、報知が行われる。
【0119】
客M1が返品ボタンにタッチすることなく商品を買物籠SBから取り出して、その商品に付されているコードシンボルをスキャナ16で読み取らせる場合もあり得る。この場合には、第1カウンタN1がカウントアップし、第2カウンタN2がカウントダウンするので、やはり第1カウンタN1と第2カウンタN2とは不一致となる。したがって、警告フラグF1は“1”となる。よって、報知が行われる。
【0120】
この他にも、客M1の不正な操作あるいは誤った操作により、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが不一致になると、警告フラグF1は“1”となって、報知が行われる。
【0121】
報知は、監視端末20のタッチパネル25に表示されるカート端末監視画像SC1を介して行われる。また、会計指示を行った客が使用するカート端末10を介しても行われる。
【0122】
図13は、「処理2」の手順を示す流れ図である。図11のACT10において会計指示が行われたことを検知し、ACT11において商品登録済であることを確認すると、プロセッサ11は、「処理2」を開始する。プロセッサ11は、ACT21としてサーバ50に対して会計コマンドを送信するように無線ユニット14を制御する。この制御により、無線ユニット14から会計コマンドが無線送信される。会計コマンドにはカートIDが含まれている。会計コマンドは、アクセスポイント30で受信され、ネットワーク60を介してサーバ50へと送られる。
【0123】
このように、売場Pでの買物を終えた客M1が会計ボタンにタッチすると、カート端末10からサーバ50に対して会計コマンドが送信される。
【0124】
通信インターフェース54で会計コマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51は、図20の流れ図に示す手順の情報処理を開始する。プロセッサ51は、ACT121として会計コマンドからカートIDを取得する。そしてプロセッサ51は、ACT122としてカート管理テーブル522を検索して、当該カートIDと関連付けられたステータスSTが、登録中を示す“1”であることを確認する。因みに、同ステータスSTが“1”以外であった場合には登録中以外のカート端末10から会計が指示されたエラーである。この場合、プロセッサ51は、ACT122においてNOと判定し、ACT123へと進む。プロセッサ51は、ACT123として会計コマンド送信元のカート端末10に対し、エラー応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、会計コマンドの受信処理を終了する。
エラー応答コマンドは、前記と同様にアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。
【0125】
プロセッサ51は、ステータスが“1”であることを確認したならば、ACT122においてYESと判定し、ACT124へと進む。プロセッサ51は、ACT124としてそのステータスSTを、会計待ちを示す“2”に変更する。
【0126】
プロセッサ51は、ACT125としてカート管理テーブル522をさらに検索して、当該カートIDと関連付けられた警告フラグF1を調べる。ここで、警告フラグF1が“0”、すなわち警告が発生していない場合には、プロセッサ51は、ACT125においてYESと判定し、ACT126へと進む。プロセッサ51は、ACT126として会計を行う会計機40を選択する。例えば3台の会計機40のうち1台しか空いていない場合には、プロセッサ51は、その会計機40を選択する。例えば2台または3台の会計機40が空いている場合には、プロセッサ51は、優先順位に従っていずれか1台の会計機40を選択する。全ての会計機40が使用されていた場合には、プロセッサ51は、最も早くに会計を開始した会計機40を選択する。なお、会計機40を選択するアルゴリズムは特に限定されるものではない。
【0127】
プロセッサ51は、会計機40を選択し終えると、ACT127としてカート管理テーブル522の当該カートIDと関連付けられた会計機IDのエリアに、選択した会計機40の会計機IDをセットする。プロセッサ51は、ACT128として会計コマンド送信元のカート端末10に対し、第1許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。
【0128】
第1許諾応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。第1許諾応答コマンドには、会計機IDが含まれる。
【0129】
一方、警告フラグF1が“1”、すなわち警告が発生している場合には、プロセッサ51は、ACT125においてNOと判定し、ACT129へと進む。プロセッサ51は、ACT129としてガイダンスデータを取得する。ガイダンスデータは、例えばセルフでの会計が許容されないため、アテンダントM2に申し出ることを客に案内する内容のデータである。ガイダンスデータは、例えば補助記憶デバイス53に記憶されている。
【0130】
プロセッサ51は、ガイダンスデータを取得したならば、ACT130として会計コマンド送信元のカート端末10に対し、第2許諾応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。
第2許諾応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信されて、登録開始コマンド送信元のカート端末10で受信される。第2許諾応答コマンドには、ガイダンスデータが含まれる。
【0131】
第1許諾応答コマンド又は第2許諾応答コマンドを送信し終えると、プロセッサ51は、会計コマンドの受信処理を終了する。
【0132】
このように、会計指示が行われたカート端末10のカートIDに関連付けられた警告フラグF1が“0”、すなわち、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致している場合には、サーバ50から当該カート端末10に対して第1許諾応答コマンドが送信される。これに対し、当該警告フラグF1が“1”、すなわち、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致していない場合には、サーバ50から当該カート端末10に対して第2許諾応答コマンドが送信される。第2許諾応答コマンドには、例えばセルフでの会計が許容されないため、アテンダントM2に申し出ることを客に案内する内容のガイダンスデータが含まれる。
【0133】
ここに、サーバ50のプロセッサ51を主体とするコンピュータは、通信インターフェース54と協働して図20のACT121及びACT122の処理を実行することにより、会計指示を受け付ける受付手段を構成する。
【0134】
また同コンピュータは、通信インターフェース54と協働して図20のACT125乃至ACT128の処理を実行することにより、許可手段を構成する。すなわちコンピュータは、警告フラグF1が“0”になっていることを条件に、第1許諾応答コマンドを送信して、会計を許可する。
【0135】
また同コンピュータは、通信インターフェース54と協働して図20のACT125、ACT129及びACT130の処理を実行することにより、制御手段を構成する。すなわちコンピュータは、警告フラグF1が“1”であり、報知することが決定されている場合に、ガイダンスデータをカート端末10に出力することで報知を制御する。
【0136】
図13の説明に戻る。
会計コマンドの送信を制御したカート端末10のプロセッサ11は、応答コマンドを待ち受ける。そして無線ユニット14を介して応答コマンドを受信したならば、プロセッサ11は、ACT22としてその応答コマンドが第1許諾応答コマンドであるか否かを確認する。応答コマンドが第1許諾応答コマンドでない場合には、プロセッサ11は、ACT22においてNOと判定し、ACT23へと進む。プロセッサ11は、ACT23として応答コマンドが第2許諾応答コマンドであるか否かを確認する。応答コマンドが第2許諾応答コマンドでもない場合、すなわちエラー応答コマンドであった場合には、プロセッサ11は、ACT23においてNOと判定し、エラー処理を行う。エラー処理は、会計ボタンの操作がエラーであることを示すガイダンスを表示する処理等を含む。
【0137】
プロセッサ11は、応答コマンドが第1許諾応答コマンドである場合には、ACT22においてYESと判定し、ACT24へと進む。プロセッサ11は、ACT24として第1許諾応答コマンドに含まれる会計機IDの会計機40で会計を行うように客に通知するためのガイダンスをタッチパネル15に表示する。プロセッサ11は、ACT25として会計開始コマンドを受信するのを待ち受ける。会計開始コマンドは、会計機IDで識別される会計機40で会計が開始されると、サーバ50から当該カート端末10に対して出力されるコマンドである。
【0138】
図21は、会計機40からの会計開始コマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。会計開始コマンドには、その会計機40の会計機IDとともに、当該会計機40で会計を行う客が使用していたカート端末10のカートIDが含まれている。
【0139】
プロセッサ51は、ACT141としてその会計開始コマンドからカートIDを所得する。そしてプロセッサ51は、ACT142としてカート管理テーブル522を検索して、当該カートIDと関連付けられたステータスSTが、会計待ちを示す“2”であることを確認する。因みに、同ステータスSTが“2”以外であった場合には、会計待ちでないカート端末10を使用する客M1が会計機40を使用しようとしたエラーなので、プロセッサ51は、ACT142においてNOと判定し、ACT143へと進む。プロセッサ51は、ACT143として会計開始コマンド送信元の会計機40に対し、エラー応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、会計開始コマンドの受信処理を終了する。
【0140】
エラー応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介して会計開始コマンド送信元の会計機40に送信される。
【0141】
プロセッサ51は、ステータスが “2”であることを確認したならば、ACT142においてYESと判定し、ACT144へと進む。プロセッサ51は、ACT144としてそのステータスSTを、会計中を示す“3”に変更する。プロセッサ51は、ACT145として会計開始コマンドから取得したカートIDがセットされている取引ファイル521のデータを、会計開始コマンド送信元の会計機40に送信するように通信インターフェース54を制御する。プロセッサ51は、ACT146として当該カートIDが設定されたカート端末10に対し、会計開始コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、会計開始コマンドの受信処理を終了する。
【0142】
会計開始コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信される。そして会計開始コマンドは、会計機40からの会計開始コマンドから取得したカートIDがセットされたカート端末10で受信される。
【0143】
一方、会計機40には、サーバ50から取引ファイル521のデータが送信される。会計機40では、この取引ファイル521のデータを基に会計処理が実行される。会計処理とは、取引データの合計金額に対して現金、クレジットカード、電子マネー等の決済方法で決済する処理である。
【0144】
図13の説明に戻る。
プロセッサ11は、会計開始コマンドを受信すると、ACT25においてYESと判定し、ACT26へと進む。プロセッサ11は、ACT26としてカメラコントローラ19に対してカメラ18の停止を指令する。プロセッサ11は、ACT27として会計終了コマンドを受信するのを待ち受ける。会計終了コマンドは、会計機IDで識別される会計機40で会計処理が終了すると、サーバ50から当該カート端末10に対して出力されるコマンドである。
【0145】
図22は、会計機40から会計終了コマンドを受信したサーバ50のプロセッサ51が実行する情報処理の手順を示す流れ図である。会計終了コマンドには、その会計機40の会計機IDとともに、当該会計機40で会計を終えた客が使用していたカート端末10のカートIDが含まれている。
【0146】
プロセッサ51は、ACT151としてその会計終了コマンドからカートIDを所得する。そしてプロセッサ51は、ACT152としてカート管理テーブル522を検索して、当該カートIDと関連付けられたステータスSTが、会計中を示す“3”であることを確認する。因みに、同ステータスSTが“3”以外であった場合には会計開始が許容されていない会計機40から会計終了コマンドが出力されたエラーである。この場合、プロセッサ51は、ACT152においてNOと判定し、ACT153へと進む。プロセッサ51は、ACT153として会計終了コマンド送信元の会計機40に対し、エラー応答コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、会計終了コマンドの受信処理を終了する。
【0147】
エラー応答コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介して会計終了コマンド送信元の会計機40に送信される。
【0148】
ステータスが“3”であることを確認したならば、プロセッサ51は、ACT152においてYESと判定し、ACT154へと進む。プロセッサ51は、ACT154としてそのステータスSTを、待機中を示す“0”に変更する。プロセッサ51は、ACT155として会計終了コマンドから取得したカートIDがセットされている取引ファイル521のデータを、会計済のデータとして、補助記憶デバイス13に保存する。プロセッサ51は、ACT156として当該カートIDが設定されたカート端末10に対し、会計終了コマンドを送信するように通信インターフェース54を制御する。以上で、プロセッサ51は、会計終了コマンドの受信処理を終了する。
【0149】
会計終了コマンドは、通信インターフェース54からネットワーク60を介してアクセスポイント30へと送信され、さらにアクセスポイント30から無線送信される。そして会計終了コマンドは、会計機40からの会計終了コマンドから取得したカートIDがセットされたカート端末10で受信される。
【0150】
図13の説明に戻る。
プロセッサ11は、会計終了コマンドを受信すると、ACT27においてYESと判定し、ACT28へと進む。プロセッサ11は、ACT28としてメモリ等の初期化を行う。初期化により、カート端末10は、待機状態となる。以上で、プロセッサ11は、「処理2」の処理を終了する。
【0151】
プロセッサ11は、応答コマンドが第2許諾応答コマンドである場合には、ACT23においてYESと判定し、ACT29へと進む。プロセッサ11は、ACT29としてその第2許諾応答コマンドに含まれているガイダンスデータを基に、アテンダントカウンタATへ行くように通知するためのガイダンスをタッチパネル15に表示する。また、プロセッサ11は、ACT30としてカメラコントローラ19に対してカメラ18の停止を指令する。以上でプロセッサ11は、「処理2」の処理を終了する。
【0152】
このように、警告フラグF1が“0”、すなわち第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致しているカートIDのカート端末10で会計ボタンがタッチされた場合には、サーバ50から会計機40が通知される。したがって客M1は、通知された会計機40の場所へ行って会計を行うことができる。
【0153】
これに対し、警告フラグF1が“1”、すなわち第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致していないカートIDのカート端末10で会計ボタンがタッチされた場合には、サーバ50からアテンダントカウンタATへ行くことが通知される。したがって客M1は、アテンダントカウンタATへ行って、アテンダントM2による照合作業を受けることとなる。照合作業とは、客自身によって登録された商品のデータと買物籠CBに入っている商品とを照合する作業である。
【0154】
ところで、図9に示したように、アテンダントカウンタATにある監視端末20には、タッチパネル25にカート端末監視画像SC1が表示されている。このカート端末監視画像SC1は、その画像データがサーバ50で作成され、監視端末20にダウンロードされてタッチパネル25に表示される。そこで次に、サーバ50のプロセッサ51が、カート端末監視画像SC1の画像データを作成する手順について、図23の流れ図を用いて説明する。
【0155】
図23は、サーバ50のプロセッサ51が実行するタイマ割込み処理の要部手順を示す流れ図である。プロセッサ51は、例えば1秒以下の周期で繰り返し発生するタイマ割込み信号を受信する毎に、図23の流れ図に示す手順の割込み処理を開始する。
【0156】
プロセッサ51は、ACT161として番号カウンタmを“0”にリセットする。番号カウンタmは、メインメモリ52の揮発性領域に設けられている。プロセッサ51は、ACT162として番号カウンタmを“1”だけカウントアップする。そしてプロセッサ51は、ACT163として番号カウンタmがカート管理テーブル522のテーブル番号最大値M以下であるか否かを確認する。
【0157】
番号カウンタmがテーブル番号最大値M以下である場合、プロセッサ51は、ACT163においてYESと判定し、ACT164へと進む。プロセッサ51は、ACT164としてタグ70のフォーマットデータを読込む。フォーマットデータは、例えば補助記憶デバイス53に記憶されている。
【0158】
プロセッサ51は、ACT165としてカート管理テーブル522からテーブル番号が番号カウンタmと一致するデータを取得する。そしてプロセッサ51は、ACT166としてタグ70のフォーマットデータに、このデータのカートIDと通信アイコン741とをセットする。
【0159】
プロセッサ51は、ACT167としてこのデータのステータスSTが“0”であるか否かを確認する。ステータスSTが“0”の場合、プロセッサ51は、ACT167においてYESと判定し、ACT168へと進む。プロセッサ51は、ACT168としてタグ70のフォーマットデータに、待機中を表すデータ「待機」をセットする。その後、プロセッサ51は、ACT162へと戻る。
【0160】
プロセッサ51は、ステータスSTが“0”でない場合には、ACT167においてNOと判定し、ACT169へと進む。プロセッサ51は、ACT169としてステータスSTが“1”であるか否かを確認する。ステータスSTが“1”の場合、プロセッサ51は、ACT169においてYESと判定し、ACT170へと進む。プロセッサ51は、ACT170としてタグ70のフォーマットデータに、登録中を表すデータ「登録k点」をセットする。ここで、“k”は、第1カウンタN1の値である。その後、プロセッサ51は、ACT174へと進む。ACT174以降の処理については後述する。
【0161】
プロセッサ51は、ステータスSTが“1”でない場合には、ACT169においてNOと判定し、ACT171へと進む。プロセッサ51は、ACT171としてステータスSTが“2”であるか否かを確認する。ステータスSTが“2”の場合、プロセッサ51は、ACT169においてYESと判定し、ACT170へと進む。プロセッサ51は、ACT172としてタグ70のフォーマットデータに、会計待ちを表すデータ「登録k点」をセットする。データ「登録k点」は、登録中を表すデータ「登録k点」と同一である。またプロセッサ51は、タグ70のフォーマットデータに、会計機IDをセットする。会計機IDは、図18のACT106の処理で決定された会計機IDである。その後、プロセッサ51は、ACT174へと進む。
【0162】
すなわちプロセッサ51は、ACT170においてタグ70のフォーマットデータに登録中を表すデータ「登録k点」をセットするか、ACT172及びACT173において同フォーマットデータに会計待ちを表すデータ「登録k点」と会計機IDとをセットすると、ACT174へと進む。プロセッサ51は、ACT174として警告フラグF1を調べる。警告フラグF1が“0”にリセットされている場合、プロセッサ51は、ACT174においてNOと判定し、ACT162へと戻る。
【0163】
警告フラグF1が“1”にセットされていた場合には、プロセッサ51は、ACT174においてYESと判定し、ACT175へと進む。プロセッサ51は、ACT175としてタグ70のフォーマットデータに警告アイコン751をセットする。その後、プロセッサ51は、ACT162へと戻る。
【0164】
ステータスSTが“2”でない、すなわち“3”の場合には、プロセッサ51は、ACT171においてNOと判定し、ACT176へと進む。プロセッサ51は、ACT176としてタグ70のフォーマットデータに、会計中を表すデータ「会計中」をセットする。またプロセッサ51は、ACT177としてタグ70のフォーマットデータに、会計機IDをセットする。会計機IDは、図18のACT106の処理で決定された会計機IDである。その後、プロセッサ51は、ACT162へと戻る。
【0165】
このようにプロセッサ51は、番号カウンタmを“1”ずつカウントアップする毎に、ACT164乃至ACT177の処理を繰り返し実行する。そして、番号カウンタmがテーブル番号最大値Mを超えたならば、プロセッサ51は、ACT163においてNOと判定し、ACT178へと進む。プロセッサ51は、ACT178として、ACT164乃至ACT177の処理によって作成された複数のタグ70を配置したカート端末監視画像SC1の画像データを作成し、監視端末20にダウンロードする。
【0166】
かくして、タッチパネル25には、各カート端末10にそれぞれ対応した複数のタグ70が配置されたカート端末監視画像SC1が表示される。このカート端末監視画像SC1には、警告フラグF1が“1”、すなわち第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致していないカート端末10のタグ70において、警告アイコン751が表示される。
【0167】
ここにサーバ50のプロセッサ51を主体とするコンピュータは、図23のACT174及びACT175の処理を実行することにより、報知手段を構成する。すなわちコンピュータは、警告フラグF1が“1”になっているカート端末10のタグ70に対して警告アイコン751を表示させることで、第1カウンタN1と第2カウンタN2とが一致していない旨の報知を制御する。
【0168】
カート端末監視画像SC1を監視しているアテンダントM2は、警告アイコン751が表示されているカート端末10において登録された商品の個数とカートCに収容されている商品の個数とが一致していない可能性があることを容易に知り得る。このようなカートCを使用する客に対しては、会計指示を行っても会計機が通知されず、アテンダントカウンタATへ行くように通知するためのガイダンスが表示されるので、アテンダントM2は、前述した照合作業を確実に行うことができる。したがって、売場にて正しく登録されなかった商品が未会計のままレジを通過するのを未然に防ぐことができる。
【0169】
なお、照合作業において、アテンダントM2は、当該客M1が使用するカート端末10のカートIDが設定されたタグ70を選択操作する。そうすると、サーバ50のプロセッサ51を主体とするコンピュータは、当該カート端末10で登録された商品のリスト画像SC2をタッチパネル25に表示させる(出力手段)。したがって、アテンダントM2は、リスト画像SC2の商品と買物籠SBに入っている商品とを照合すればよい。よって、照合作業は簡便であり、作業に要する負担は小さい。
【0170】
ところでサーバ50は、カートCに設けられたカメラ18によって撮影される画像から買物籠SBに収容されている商品の数を取得している。カメラ18は、元々は、客が商品を正しく買物籠SBに収容したか否かを確認するためにカートCに設けられている。したがって、買物籠SBに収容されている商品の数を取得するための格別のハードウェアをカートCに設ける必要はない。
【0171】
以上、売場にて正しく登録されなかった商品が未会計のままレジを通過するのを防ぐことができる情報処理装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0172】
前記実施形態では、第1の取得手段として、カメラ18により撮像された画像から収容体に収容されている商品の数を取得する場合を例示した。第1の取得手段は、これに限定されるものではない。例えば収容体に商品が収容される毎に、その収容体に収容されている商品の総重量が増加する。あるいは、収容体から商品が取り出される毎に、その収容体に収容されている商品の総重量が減少する。そこで、総重量の増加回数と減少回数とから収容体に収容されている商品の数を取得してもよい。
【0173】
前記実施形態では、客M1がカートCを利用して買物を行う店舗を対象とし、そのカートCに設けられたスキャナ16を特定手段の一例とし、カメラ18を撮像手段の一例とした。この点に関しては、行動追跡手段によって行動が追跡されている客M1がスマートフォン等の携帯端末を利用して買物を行う無人又は有人の店舗を対象としてもよい。この場合、携帯端末で登録された商品の数と、行動追跡によって買物袋などに収容したとされる商品の数とを比較することにより、警告を行うか否かを決定することとなる。
【0174】
前記実施形態では、第1の取得手段により取得した商品の数と第2の取得手段により取得した商品の数とが一致しない場合に報知することを決定した。この点に関しては、第1の取得手段により取得した商品の数と第2の取得手段により取得した商品の数とが一致する場合に、例えば会計許可を報知するようにしてもよい。この場合には、アテンダントM2は、会計許可が報知されている客について、照合処理を行うこととなる。
【0175】
前記実施形態では、サーバ50が情報処理装置としての機能を全て有しているものとして説明した。この点に関しては、サーバ50が情報処理装置としての機能を全て有していなくてもよい。例えば、第1カウンタN1と第2カウンタN2とをカート端末10がそれぞれ有することで、第1の取得手段及び第2の取得手段としての機能をカート端末10が有してもよい。あるいは、カート端末10が情報処理装置としての機能を全て有するように構成することも可能である。同様に、監視端末20に対して情報処理装置としての機能の少なくとも一部を持たせることも可能である。
【0176】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
購入対象の商品を収容する収容体に収容されている商品の数を取得する第1の取得手段と、
前記購入対象の商品を特定する特定手段で特定された商品の数を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得した商品の数と前記第2の取得手段により取得した商品の数との比較により報知するかを決定する決定手段と、
前記決定手段により報知することが決定された場合に報知を制御する制御手段と、
を具備する情報処理装置。
[C2]
前記特定手段で特定された商品のリストを出力する出力手段、
をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
[C3]
前記第1の取得手段は、撮像手段により撮像された画像から収容体に収容されている商品の数を取得する、請求項1又は2記載の情報処理装置。
[C4]
前記決定手段は、前記第1の取得手段により取得した商品の数と前記第2の取得手段により取得した商品の数とが一致していない場合に報知することを決定し、
前記制御手段は、前記決定手段により報知することが決定された場合に、表示デバイスに商品の数が一致していないことを警告する表示が行われるように制御する、請求項1又は2記載の情報処理装置。
[C5]
会計指示を受け付ける受付手段と、
前記会計指示を受け付けた際に前記第1の取得手段により取得した商品の数と前記第2の取得手段により取得した商品の数とが一致していることを条件に会計を許可する許可手段と、
をさらに具備する請求項4記載の情報処理装置。
[C6]
情報処理装置のコンピュータを、
購入対象の商品を収容する収容体に収容されている商品の数を取得する第1の取得手段、
前記購入対象の商品を特定する特定手段で特定された商品の数を取得する第2の取得手段、
前記第1の取得手段により取得した商品の数と前記第2の取得手段により取得した商品の数との比較により報知するかを決定する決定手段、及び、
前記決定手段により報知することが決定された場合に報知を制御する制御手段、
として機能させるための制御プログラム。
【符号の説明】
【0177】
10…カート端末、11,21,51…プロセッサ、12,22,52…メインメモリ、13,23,53…補助記憶デバイス、14,24…無線ユニット、15,25…タッチパネル、16…スキャナ、17…リーダ、18…カメラ、19…カメラコントローラ、20…監視端末、30…アクセスポイント、40…会計機、50…サーバ、54…通信インターフェース、60…ネットワーク、521…取引ファイル、522…カート管理テーブル、531…商品データベース。
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