(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】空調システム,空調プログラム,及び空調方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/80 20180101AFI20241028BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20241028BHJP
【FI】
F24F11/80
F24F11/64
(21)【出願番号】P 2023205621
(22)【出願日】2023-12-05
【審査請求日】2024-01-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000141060
【氏名又は名称】株式会社関電工
(74)【代理人】
【識別番号】100090413
【氏名又は名称】梶原 康稔
(72)【発明者】
【氏名】石川 誠司
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-161111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室内の空調を行う空調システムであって、
前記居室内の温湿度が予め定めた設定範囲となるように空調を行う空調手段,
前記居室内の温湿度の目標値に基づいて決定された比エンタルピーの目標値となるように、前記空調
手段を制御する温湿度制御手段,
を備え
ており、
前記居室内の温湿度の設定範囲を、冷房時と暖房時とで異なる範囲にそれぞれ設定するとともに、これらの範囲内となるように、前記居室内の温湿度の目標値を設定したことを特徴とする空調システム。
【請求項2】
前記温湿度制御手段は、
前記居室内の温湿度の目標値と、それに基づいて決定された比エンタルピーの目標値を、温湿度設定データとして保存するとともに、
前記居室内の温湿度を検出する温湿度検出手段と、
前記温湿度設定データと、前記温湿度検出手段による検出結果に基づいて、前記空調
手段による制御データを演算する演算手段と、
前記制御データに基づいて、前記空調
手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の空調システム。
【請求項3】
居室内の空調を行う空調システムであって、
室内機と外調機とによって構成されており、前記外調機の前記居室への給気側の温湿度が予め定めた設定範囲となるように空調を行う空調手段,
前記外調機の前記居室への給気側の温湿度の目標値に基づいて決定された比エンタルピーの目標値となるように、前記外調機を制御する温湿度制御手段,
を備え
ており、
前記外調機の前記居室への給気側の設定範囲を、冷房時と暖房時とで異なる範囲にそれぞれ設定するとともに、これらの範囲内となるように、前記外調機の前記居室への給気側の温湿度の目標値を設定したことを特徴とする空調システム。
【請求項4】
前記温湿度制御手段は、
前記外調機の前記居室への給気側の温湿度の目標値と、それに基づいて決定された比エンタルピーの目標値を、温湿度設定データとして保存するとともに、
前記外調機の前記居室への給気側の温湿度を検出する温湿度検出手段と、
前記温湿度設定データと、前記温湿度検出手段による検出結果に基づいて、前記外調機による制御データを演算する演算手段と、
前記制御データに基づいて、前記外調機を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3記載の空調システム。
【請求項5】
居室内の空調を行う空調システムであって、
室内機と外調機とによって構成されており、前記外調機が全熱交換器を備えており、前記全熱交換器の前記居室に対する給気側の温湿度が予め定めた設定範囲となるように空調を行う空調手段,
前記全熱交換器の前記居室に対する給気側の温湿度の目標値に基づいて決定された比エンタルピーの目標値となるように、前記外調機を制御する温湿度制御手段,
を備え
ており、
前記全熱交換器の前記居室への給気側の設定範囲を、冷房時と暖房時とで異なる範囲にそれぞれ設定するとともに、これらの範囲内となるように、前記全熱交換器の前記居室への給気側の温湿度の目標値を設定したことを特徴とする空調システム。
【請求項6】
前記温湿度制御手段は、
前記全熱交換器の前記居室に対する給気側の温湿度の目標値と、それに基づいて決定された比エンタルピーの目標値を、温湿度設定データとして保存するとともに、
前記全熱交換器の前記居室に対する給気側の温湿度を検出する温湿度検出手段と、
前記温湿度設定データと、前記温湿度検出手段による検出結果に基づいて、前記外調機による制御データを演算する演算手段と、
前記制御データに基づいて、前記外調機を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項5記載の空調システム。
【請求項7】
温湿度制御手段に、最適起動・停止制御部が設けられており、
該最適起動・停止制御部は、
居室の利用開始時に許容可能な比エンタルピーに達するまでの運転時刻を、過去の場合と比較し、より短い時刻を採用して空調
手段の運転を開始し、
居室の運転停止時に許容可能な比エンタルピーに達するまでの停止時刻を、過去の場合と比較し、より短い時刻を採用して空調
手段の運転を停止する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項8】
前記
温湿度設定データを、
冷房時は、温度28℃以下,相対湿度70%以下,
暖房時は、温度18℃以上,相対湿度40%以上,
の範囲内となるように設定したことを特徴とする請求項
2,4,6のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項9】
請求項2記載の
空調システムの温湿度制御手段で実行される温湿度制御プログラムであって、
前記温湿度設定データと、前記温湿度検出手段による検出結果に基づいて、前記空調
手段による制御データを演算するステップと、
前記制御データに基づいて、前記空調
手段を制御する制御ステップと、
を備えたことを特徴とする温湿度制御プログラム。
【請求項10】
請求項4又は6記載の
空調システムの温湿度制御手段で実行される温湿度制御プログラムであって、
前記温湿度設定データと、前記温湿度検出手段による検出結果に基づいて、前記外調機による制御データを演算するステップと、
前記制御データに基づいて、前記外調機を制御する制御ステップと、
を備えたことを特徴とする温湿度制御プログラム。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか一項に記載の空調システムによって、
前記居室内の温湿度の設定範囲を、冷房時と暖房時とで異なる範囲にそれぞれ設定するとともに、これらの範囲内となるように、前記居室内の温湿度の目標値を設定して前記居室内の空調を行うことを特徴とする空調方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムに関し、特に空調に要するエネルギーの節約に好適な空調手法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーを目的とした空調手法の背景技術としては、例えば、下記特許文献1記載の「温湿度制御システムおよび温湿度制御方法」がある。これは、空調対象のビル居室内の温度及び湿度の基準設定(例えば、24℃,50%RH)に対する±2℃、±10%RHの範囲(許容範囲)を設定ゾーンSとし、この設定ゾーンSの周囲に目標値決定ゾーンZ1~Z6を定める。そして、外気条件が位置する目標値決定ゾーンに応じ、処理熱量が一番少ないと考えられる設定ゾーンSにおける設定点として、室内温度設定値および室内湿度設定値を決定する。この決定した室内温度設定値および室内湿度設定値に室内温度および室内湿度が合致するように、空調制御対象室への給気の温湿度を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1記載の背景技術では、外気の温度・湿度によって目標値決定ゾーンが成り行きで変化し、このため、処理熱量が一番少ない設定ゾーンに外気条件に応じた温度や湿度を設定したとしても、設定値に曖昧さが生じ、結果的に必ずしも処理熱量が一番少ない制御が行われるとは限らないといった不都合がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、空調対象の居室内の温度及び湿度を、最小限のエネルギーで良好に設定範囲内に制御することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、居室内の空調を行うにあたって、前記居室内の温湿度の目標値に基づいて比エンタルピーの目標値を決定し、この比エンタルピーの目標値となるように、空調手段を制御することを特徴とする。あるいは、室内機と外調機を備えている場合に、外調機の前記居室への給気側の温湿度の目標値に基づいて比エンタルピーの目標値を決定し、この比エンタルピーの目標値となるように、外調機を制御することを特徴とする。更に、室内機と外調機を備えており、前記外調機に全熱交換器が設けられている場合に、全熱交換器の前記居室に対する給気側の温湿度の目標値に基づいて比エンタルピーの目標値を決定し、この比エンタルピーの目標値となるように、前記外調機を制御することを特徴とする。そして、冷房時と暖房時とで異なる温湿度の範囲を設定し、この範囲内となるように、前記比エンタルピーの目標値が設定される。
【0007】
比エンタルピーの目標値となるように制御を行うことで、結果的に比エンタルピーは一定となる。比エンタルピーは、室内の空気が持っている熱量であると考えることができ、これを変更しないように空調運転を行うことで、省エネルギー化を図ることができる。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、制御対象となる空気の温湿度が、冷房時・暖房時においてそれぞれ定めた比エンタルピーとなるように空調制御を行うことで、人が許容できる空気の熱量と温度の範囲内で空調の省エネルギー化を図ることができ、脱炭素社会の実現に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例1の空調システムの主要構成を示す図である。
【
図2】前記実施例1の室内の冷房時における制御の様子を示す図である。
【
図3】前記実施例1の室内の暖房時における制御の様子を示す図である。
【
図5】本発明の実施例2の空調システムの主要構成を示す図である。
【
図6】前記実施例2の外調機の冷房時における制御の様子を示す図である。
【
図7】前記実施例2の外調機の暖房時における制御の様子を示す図である。
【
図8】本発明の実施例3の空調システムの主要構成を示す図である。
【
図9】本発明の実施例4の主要部とその動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
最初に、
図1~
図4を参照しながら、本発明の実施例1について説明する。
図1は、本実施例の空調システム100の主要構成を示しており、セントラル空調方式のビル空調の例で、ビル内の多数の居室の一つを示している。また、熱源となるボイラや冷凍機をまとめて空調機として示している。同図において、空調システム100の空調対象ないし制御対象の居室110には、給気口112と、還気口114が設けられており、給気口112から供給される空気によって居室110内の温度や湿度が制御されるようになっている。
【0012】
空調機120は、前記居室110に対して給気を行う熱源として機能し、ファン122によって空調用の空気が給気ダクト130を介して前記居室110の給気口112に送られるようになっている。また、居室110の還気口114から還気された空気は、還気ダクト132から空調機120の吸入口124に還気され、一部は排気口134から排気されるようになっている。また、外気導入口136から導入された外気が吸入口124から空調機120に取り込まれるようになっている。吸入口124から吸入した還気もしくは外気の温度や湿度を空調機120で調整して居室110に供給することで、居室110内の空調が行われる。このような構成は公知である。
【0013】
ところで、本実施例では、温湿度制御装置150と、乾球温度及び相対湿度を計測するための温湿度検出器152,154,156が設けられている。これらのうち、温湿度検出器152は、室内設置型のもので、居室110内の乾球温度及び相対湿度を計測する。温湿度検出器154は、ダクト挿入型のもので、還気ダクト132内の乾球温度及び相対湿度を計測する。温湿度検出器156は、外気の乾球温度及び相対湿度を計測する。なお、以下の説明では、「乾球温度」を単に「温度」と表現し、「相対湿度」を単に「湿度」と表現する。
【0014】
次に、温湿度制御装置150には、温湿度設定データ160が予め保存されており、温湿度演算部162と、温湿度制御部164が設けられている。温湿度演算部162は、前記温湿度設定データ160や前記温湿度検出器152,154,156の検出結果に基づいて制御データを演算し、この演算結果に基づいて、前記温湿度制御部164により空調機120の動作が制御されるようになっている。これらは、例えばコンピュータシステムのデータ及びプログラムとして実現される。
【0015】
温湿度設定データ160は、本実施例では、冷房及び暖房の各運転モードに対応して設定されており、室内環境基準(建築物環境衛生管理基準)内となるように設定される。具体的には、
a,冷房時:温度28℃以下,湿度70%以下
b,暖房時:温度18℃以上,湿度40%以上
と定められているので、この範囲内となるように制御範囲が設定される。例えば、
a,冷房時:温度25~28℃,湿度70%以下
b,暖房時:温度18~22℃,湿度40%以上
といった具合である。
【0016】
そして、温湿度制御装置150では、上記制御範囲内において目標となる室内温湿度が更に設定される。例えば、
a,冷房時目標室内温湿度:温度25℃,湿度70%
b,暖房時目標室内温湿度:18℃,湿度40%
といった具合である。これら室内温湿度の目標値が決まると、空気線図から比エンタルピーの目標値が決定される。
【0017】
図2には、冷房時における範囲設定の様子が示されており、
a,空気線図の横軸の「温度25~28℃」によって、温度の範囲が決まる。
b,冷房時目標室内温湿度「温度25℃,湿度70%」から、目標比エンタルピーが60
.6kJ/kgとなる。
c,目標比エンタルピー60.6kJ/kgのグラフと前記温度25℃の交点から相対湿度は70%となり、前記温度28℃の交点から相対湿度は53%となる。
【0018】
以上のように、冷房時は、
(1)温度25~28℃
(2)湿度53~70%
(3)比エンタルピー60.6kJ/kg
が温湿度設定データ160として設定される。そして、前記比エンタルピーが前記目標値となるように、温湿度演算部162で演算が行われ、この演算結果に基づいて、温湿度制御部164で空調機120の制御が行われる。この制御範囲は、上述した環境基準内に収まっている。例えば、外気ないし還気ダクト132の温湿度が前記設定データの範囲を超えているときは、空調機120で、冷却及び除湿を行って居室110に給気するといった具合である。
【0019】
なお、相対湿度(空気線図の曲線)の代わりに、絶対湿度(空気線図の縦軸)を用いてもよい。絶対湿度は、温度と相対湿度から求めることができ、
図2の例は、0.0128~0.0142kg/kgとなる。
【0020】
図3には、暖房時における制御範囲設定の様子が示されており、
a,空気線図の横軸の「温度18~22℃」によって、温度の制御範囲が決まる。
b,暖房時目標室内温湿度「温度18℃,湿度40%」から、目標比エンタルピーが31kJ/kgとなる。
c,目標比エンタルピー31.1kJ/kgのグラフと前記温度18℃の交点から相対湿度は40%となり、前記温度22℃の交点から相対湿度は20%となる。
以上のようにして、暖房時は、
(1)温度18~22℃
(2)湿度20~40%
(3)比エンタルピー31.1kJ/kg
となるように、温湿度制御装置150で演算が行われ、この演算結果に基づいて、比エンタルピーが目標値となるように空調機120の制御が行われる。しかし、この制御範囲は、上述した湿度40%以上という環境基準内に収まっていない。そこで、本実施例では、
図3に示す湿度40%未満の領域R3Aにおいて、加湿を行うようにしている。すなわち、前記(2)の条件は「湿度40%」となる。
【0021】
なお、暖房時においても、相対湿度(空気線図の曲線)の代わりに、絶対湿度(空気線図の縦軸)を用いてよい。
図3の例では、0.0035~0.0056kg/kgとなる。
【0022】
次に、
図4も参照しながら、本実施例の全体の動作を説明する。
図4には、本実施例の空調システム100の全体の動作手順が示されている。同図の例では、動作モードとして、
a,居室110内に居る利用者が室内の温度や湿度の値を設定する手動運転モード,
b,本発明による比エンタルピーを考慮した自動運転モード,
があり、空調システムの運転に当たって、いずれかが選択される(ステップSA)。そして、手動運転モードが選択されたときは、居室110内が利用者によって設定された温湿度(例えば温度26℃,湿度50%)となるように、空調機120の運転が行われる(ステップSB)。この運転は、一般的な空調システムにおいて公知である。
【0023】
次に、自動運転モードが選択されたときは、冷房・暖房のいずれを行うのかによって、冷房・暖房に応じて(ステップSC)、上述した制御範囲が設定される(ステップSD,SE)。冷房・暖房の切り替えは、例えば季節毎に行われる。次に、居室110内,外気,還気ダクト132内の温湿度が温湿度検出器152,154,156でそれぞれ測定され(ステップSF)、これらが温湿度制御装置150に入力される。すると、温湿度制御装置150は、前記温湿度設定データ160を参照し、温湿度演算部162において、居室110内が設定された温湿度の範囲内であって、比エンタルピーが目標値となる給気の温度及び湿度を演算する(ステップSG)。そして、この演算結果に基づいて、温湿度制御部164で空調機120による冷暖房及び加湿除湿の制御が行われ、制御後の空気が居室110に供給される(ステップSH)。これらの動作を繰り返すことで、居室110内の温湿度は、予め設定された目標比エンタルピーであって、かつ、温湿度の制御範囲に制御されるようになる。なお、暖房時に、
図3に示す湿度40%未満の領域R3Aにおいて、加湿を行う点は、上述したとおりである。
【0024】
以上のようにして、居室110内の温湿度は、
図2ないし
図3に示した制御範囲であって比エンタルピーが目標値となるように制御される。すなわち、居室110内の比エンタルピーが目標値一定となるように保持される。比エンタルピーは、室内の空気が持っている熱量であると考えることができ、これを変更しないように空調運転が行われることになる。従来の手動運転(ステップSB)と比較すると、本実施例では目標値からの温湿度のずれが生ずるが、それでも環境基準内には収まっており、比エンタルピーを目標値一定とする制御の省エネルギー効果が得られる。
【0025】
また、冷房期であれば温度設定を上げ、暖房期であれば温度設定を下げるといった具合に、温度を所定範囲で変化させても、比エンタルピーが一定である以上、空気の熱量は一定であり、この点からも、省エネルギー化を図ることができ、空調環境品質の定量化を図ることができる。空調システム,特にビル空調においては、居室内温度を1℃緩和するだけで、約10%の節電・省エネの効果が得られることが知られており(関東経済産業局「省エネの進め方と現場で役立つ着眼点」2020年)、本発明を適用することで、大幅な省エネ効果が期待できる。
【実施例2】
【0026】
次に、
図5~
図7を参照して、本発明の実施例2について説明する。
図5は、本実施例の空調システム200の主要構成を示しており、外調機と室内機を備えた空調システムに対して本発明を適用した例で、ビル内の多数の居室の一つを示している。同図において、空調対象の居室210には、給気口212とファン214,室内機280が設けられている。室内機280としては、FCU(ファンコイルユニット)方式,PAC(パッケージエアコン)方式など、各種の公知の方式が適用される。給気口212から供給される空気と、室内機280による空調動作によって居室210内の温度や湿度が調整され、ファン214によって排気ダクト216及び排気口234から排気されるようになっている。外調機220は、前記居室210に対して給気を行う熱源として機能し、外気を外気導入口236から取り込むとともに、ファン222によって空調された空気を給気ダクト230から居室210の給気口212に供給するようになっている。これらの室内機280,外調機220の基本的な動作は、公知である。
【0027】
ところで、本実施例では、居室210の室内機280に室内制御部282が設けられており、室内制御部282は、室内設置型温湿度検出器284によって検出された室内の温湿度に基づいて制御用の信号が演算され、室内機280の動作が制御されるようになっている。これら、室内制御部282,室内型温湿度検出器284による室内機280の制御範囲の設定や動作は、上述した実施例1と同じである。
【0028】
一方、外調機220に対しては、温湿度制御装置250と、乾球温度及び相対湿度を計測するための温湿度検出器252,254,256が設けられている。これらのうち、温湿度検出器252は、ダクト挿入型のもので、給気ダクト230内の乾球温度及び相対湿度を計測する。温湿度検出器254は、ダクト挿入型のもので、排気ダクト216内の乾球温度及び相対湿度を計測する。温湿度検出器256は、外気の乾球温度及び相対湿度を計測する。
【0029】
前記温湿度制御装置250には、温湿度設定データ260が予め保存されており、温湿度演算部262と、温湿度制御部264が設けられている。温湿度演算部262は、前記温湿度設定データ260や前記温湿度検出器252,254,256の検出結果に基づいて制御データを演算し、この演算結果に基づいて、前記温湿度制御部264により外調機220の動作が制御されるようになっている。これらは、例えばコンピュータシステムのデータ及びプログラムとして実現される。
【0030】
温湿度制御装置250では、居室210に対する外調機220からの給気温湿度が、例えば以下のように設定され、温湿度設定データ260として保存される。
a,冷房時:温度19~28℃,湿度70%以下
b,暖房時:温度18~24℃,湿度40%以上
といった具合である。そして、温湿度制御装置250では、上記制御範囲内において目標となる給気温湿度が更に設定される。例えば、
a,冷房時目標温湿度:温度25℃,湿度70%
b,暖房時目標温湿度:温度18℃,湿度40%
といった具合である。これら給気温湿度の目標値が決まると、空気線図から比エンタルピーが決定される。
【0031】
図6には、冷房時における制御範囲設定の様子が示されている。
a,上述したように、居室210に対する外調機220からの給気温度が、冷房時は19~28℃の設定となっているので、空気線図の横軸の「温度19~28℃」によって、温度の制御範囲が決まる。
b,前記目標温湿度:温度25℃,湿度70%から、目標比エンタルピーが54.1kJ/kgとなる。
c,目標比エンタルピー54.1kJ/kgのグラフと前記温度19℃の交点から絶対湿度は0.014kg/kgとなり、前記温度28℃の交点から絶対湿度は0.0102kg/kgとなる。本実施例では、外調機220から居室210に供給される給気の比エンタルピーが上記目標値となるように、温湿度制御装置250による外調機220の制御が行われる。
【0032】
なお、
図6において、
a,領域R6A:温度25~28℃,湿度70%以下の室内温湿度領域,
b,領域R6B:真夏における晴天の日の外気の温湿度で多くみられる領域,
c,領域R6C:外調機220で除湿を行って、居室210に供給する給気温度を露点温度以下とする領域,
をそれぞれ示す(東京の場合)。
【0033】
以上のように、冷房時は、
(1)温度19~28℃
(2)比エンタルピー54.1kJ/kg
(3)湿度43~100%(絶対湿度0.0102~0.0138kg/kg)
となるように、温湿度制御装置250で制御データの演算が行われ、この演算結果に基づいて、比エンタルピーが目標値となるように外調機220の制御が行われる。
なお、上述した
図2と
図6を比較すると、冷房時目標温湿度は、温度25℃,湿度70%で同じであるが、室内の場合、座標上の比エンタルピーが給気温度の場合は、除湿のため、絶対湿度線上の露点温度が比エンタルピー決定時の基準となる。
【0034】
図7には、暖房時における制御範囲設定の様子が示されており、
a,上述したように、居室210に対する外調機220からの給気温度が、暖房時は温度18~24℃の設定となっているので、空気線図の横軸の「温度18~24℃」によって、温度の制御範囲が決まる。
b,前記基準室内温湿度:温度18℃,湿度40%から、比エンタルピーが31.1kJ/kgとなる。
c,比エンタルピー31.1kJ/kgのグラフと前記温度18℃の交点から絶対湿度は0.0054kg/kgとなり、前記温度24℃の交点から絶対湿度は0.003kg/kg(相対湿度16%)となる。本実施例では、外調機220から居室210に供給される給気の比エンタルピーが上記値となるように、温湿度制御装置250による外調機220の制御が行われる。
【0035】
なお、
図7において、
a,領域R7A:温度18~22℃,湿度40%以下の室内温湿度領域,
b,領域R7B:冬期における雨天の日の外気の温湿度領域,
c,領域R7C:外調機220から居室210に対する給気温度を下げられる領域,
d,領域R7D:湿度が低く加湿が必要な領域であり、給気温度の上昇によって加湿効率が向上する領域,
をそれぞれ示す。
【0036】
以上のように、暖房時は、
(1)温度18~24℃
(2)比エンタルピー31.1kJ/kg
(3)湿度16~40%(絶対湿度0.003~0.0054kg/kg)
となるように、温湿度制御装置250で制御データの演算が行われ、この演算結果に基づいて、比エンタルピーが目標値となるように外調機220の制御が行われる。
【0037】
次に、本実施例の全体の動作を説明すると、
図4に示した動作モードの選択や居室内の利用者による目標値の設定は上述した実施例1と同様であり、自動運転モードが選択されたときは、以下の動作が行われる。すなわち、冷房時は、
a,外調機220では、温湿度制御装置250による演算結果に基づいて、比エンタルピーが一定の空気が居室210に供給される。冷房時の
図6の例では比エンタルピー54.1kJ/kg,暖房時の
図7の例では比エンタルピー31.1kJ/kgである。
b,室内機280では、室内制御部282による演算結果に基づいて、比エンタルピーが一定となるように居室210の空調が行われる。冷房時の
図2の例では比エンタルピー60.6kJ/kg,暖房時の
図3の例では比エンタルピー31.1kJ/kgである。
【0038】
以上のように、本実施例によれば、室内機280及び外調機220のいずれにおいても、比エンタルピーが目標値一定となるように制御され、空気が持っている熱量を変更しないように空調運転が行われる。また、外調機220と室内機280の全体を見ても、
a,冷房時は、比エンタルピーが、給気54.1kJ/kg → 室内 60.6kJ/kg
b,暖房時は、比エンタルピーが、給気31.1kJ/kg → 室内 31.1kJ/kg
となり、除湿,加湿を必用としない状態において空気の比エンタルピーはほとんど変化せず、この点からも、余分なエネルギーの消費が低減される。
【実施例3】
【0039】
次に、
図8ならびに実施例2で使用した
図6,7を参照して、本発明の実施例3について説明する。
図8は、本実施例の空調システム300の主要構成を示しており、外調機310に全熱交換器350を設けた構成となっている。同図において、外調機310は、下段が給気側312,上段が排気側314となっている。給気側312には、全熱交換器350の吸込側352,直膨コイル(冷温水コイル)324,加湿器326,給気ファン328が設けられている。一方、外調機310の排気側314には、排気ファン338,全熱交換器350の排出側354が設けられている。
【0040】
外調機310と居室400とは、給気ファン328側が給気口410に給気ダクト412によって接続されており、排気ファン338側が排気口420が排気ダクト422によって接続されている。一方、外調機310と外気との間は、全熱交換器350の吸込側352が吸込口320に吸込ダクト322によって接続されており、全熱交換器350の排出側354が排出口330に排出ダクト332によって接続されている。
【0041】
すなわち、外気は吸込口320から外調機310側に吸い込まれ、全熱交換器350による熱交換が行われた後、直膨コイル324及び加湿器326による温湿度制御が行われ、給気ファン328によって給気口410から居室400内に供給される。一方、居室400内で空調に寄与した空気は、排気口420から外調機310側に排気ファン338によって排気され、全熱交換器350による熱交換が行われた後、排出口330から外気に排出される。このような仕組みは公知である。
【0042】
ところで、本実施例では、外調機310の温湿度制御を行う温湿度制御装置450が設けられており、乾球温度及び相対湿度を計測するための温湿度検出器360,362,364,366,368が設けられている。これらのうち、温湿度検出器360,364,366,368は、いずれもダクト挿入型のもので、ダクト内の乾球温度及び相対湿度を計測する。温湿度検出器362は、全熱交換器350の吸込側352の出口側に設けられており、全熱交換器350の吸込出口における乾球温度及び相対湿度を計測する。
【0043】
前記温湿度制御装置450には、温湿度設定データ460が予め保存されており、温湿度演算部462と、温湿度制御部464が設けられている。温湿度演算部462は、前記温湿度設定データ460や前記温湿度検出器360~368の検出結果に基づいて制御データを演算し、この演算結果に基づいて、前記温湿度制御部464により外調機310の動作が制御されるようになっている。
【0044】
本実施例では、給気口410への温湿度検出器364において、例えば、
a,冷房時目標温湿度:温度19~28℃,湿度70%以下
b,暖房時目標温湿度:温度18~24℃,湿度40%以上
といった具合に設定され、これら目標値に基づいて、上述した
図6,
図7に示すように、空気線図から比エンタルピーが決定される。
【0045】
例えば、
図6の冷房時においては、
(1)温度19~28℃
(2)比エンタルピー54.1kJ/kg
(3)湿度43~70%(絶対湿度0.0102~0.0138kg/kg)
となるように、温湿度制御装置450で演算が行われ、この演算結果に基づいて、比エンタルピーが設定値となるように外調機310の制御が行われる。
図6の領域R6Aは、除湿を行う領域である。
【0046】
一方、
図7の暖房時においては、
(1)温度18~24℃
(2)比エンタルピー31.1kJ/kg
(3)湿度14.8~40%(絶対湿度0.0027~0.0051kg/kg)
となるように、温湿度制御装置450で演算が行われ、この演算結果に基づいて、比エンタルピーが目標値となるように外調機310の制御が行われる。同図の領域R7Aは直膨コイル324の入口の温湿度領域である。
【0047】
なお、前記説明では、全熱交換器350の吸込側352の出口ないし直膨コイル324の入り口側において、目標となる温湿度を設定し、これら目標値に基づいて空気線図から目標となる比エンタルピーを決定したが、例えば、居室400に対する給気の温湿度の目標値を設定し、これら目標値に基づいて比エンタルピーを決定するようにしてもよい。
【0048】
以上のように、本実施例では、全熱交換器350を備えており、直膨コイル324の入口側もしくは居室400における給気側のいずれかで温湿度を検出し、その検出結果に基づいて、居室に対する給気が比エンタルピーの設定値となるように制御される。冷暖房により調整される比エンタルピーが一定となることから、本実施例によっても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例4】
【0049】
次に、
図9を参照しながら、本発明の実施例4について説明する。本実施例は、冷暖房の負荷状況に応じて空調機の起動時間ないし停止時間を調整することで、更なる省エネ化を図ったものである。なお、空調機の最適起動・停止の基本的な考え方については、例えば、財団法人省エネルギーセンター「平成19年度業務用ビルの省エネルギー対策推進事業,新版 省エネチューニングマニュアル」P91~P95(平成20年3月発行)に詳述されている。
【0050】
本実施例では、同図(A)に示すように、上述した実施例1の温湿度制御装置150に、最適起動・停止制御部500が追加して設けられる。この最適起動・停止制御部500は、予め設定されたスケジュールによる起動・停止時刻を、居室内の比エンタルピーを参照して前倒し起動ないし前倒し停止する。この動作も、コンピュータのプログラムとして実行される。
【0051】
まず、同図(B)を参照して起動時から説明すると、
a,最初は、予め設定されたスケジュールに基づく起動時刻に室温が目標温度に到達するように空調機を前倒し運転し、過去の室内の比エンタルピーを演算によって得る。
b,次に、前記演算により得られた過去の室内の比エンタルピーが、居室の利用開始時に許容可能な比エンタルピーに達するまでの運転時間を学習する(ステップS10)。
c,次に、当日の前倒し運転許可時刻以前の室内の比エンタルピーから前倒しに必要な運転時間を算出して、運転開始時刻を決定する(ステップS12)。
d,次に、前記cで決定した運転開始時刻と、前記スケジュールの前倒し起動時刻と比較し、より短い前倒し時刻を採用する(ステップS14)。
e,次に、採用した前倒し時刻になったら、前倒し起動運転を開始する(ステップS16)。
f,その後は、上述した目標となる比エンタルピー一定の運転を行う。
【0052】
次に、同図(C)を参照して停止時を説明すると、
a,最初は、予め設定されたスケジュールに基づく停止時刻に停止するように空調機を前倒し停止し、過去の室内の比エンタルピーを演算によって得る。
b,次に、前記演算により得られた過去の室内の比エンタルピーが、居室の運転停止時に許容可能な比エンタルピーに達するまでの運転時間を学習する(ステップS20)。
c,次に、当日の前倒し停止予定時刻以前の室内の比エンタルピーから、前倒し可能な停止時間を算出して、運転停止時刻を決定する(ステップS22)。
d,次に、前記(3)で決定した運転停止時刻と、前記スケジュールの前倒し停止時刻とを比較し、より短い前倒し停止時刻を採用する(ステップS24)。
e,次に、採用した前倒し停止時刻になったら、前倒し停止運転を開始する(ステップS26)。
【0053】
これらにより、最適起動・停止における前倒し運転の可能な時間の制限を行うことができる。最適起動・停止の前倒し運転中は、空調機120の利用状況に応じて、加湿の禁止を行ったり、外気冷房が無効な場合は外気導入を行わずに全還気による空調運転を行うといったことが可能となる。このような最適起動・停止の制御は、上述した他の実施例にも、同様に適用してよい。
【0054】
<他の実施例> なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)ビル空調としては、セントラル空調方式,個別空調方式など各種の方式があるが、いずれに対しても本発明は適用可能である。また、一般家庭用の空調装置にも適用可能である。
(2)前記実施例に示した空調システムの構成は一例であり、公知の各種の構成としてよい。
(3)前記実施例で示した温度・湿度などの数値も一例であり、実際の動作において状況に応じた設定としてよい。
(4)前記実施例では、乾球温度と相対湿度で説明したが、空気線図の縦軸の絶対湿度で考えることもできる。
【0055】
(5)空調開始時において、夏期は設定温度の上限値で、冬期は下限値で、それぞれ運転を開始し、所定の設定時間経過後に、上述した比エンタルピーが設定値となる制御を開始するようにしてもよい。例えば、
図6の冷房時の例では、温度制御範囲が19~28℃となっているが、運転開始時における外気温が例えば31℃であるとすると、
a,まず、運転開始から一定時間(インターバル時間)は、居室400への給気温度が28℃となるまで外調機310の運転を行い、
b,その後、比エンタルピーが目標値となるように、外調機310の運転制御を行う。
といった具合である。このとき、温度の上下限設定値とインターバル時間は、運転結果に応じて適宜調整する。暖房の場合についても同様である。温度に対する感覚には個人差があり、空調中の暑い寒いといった要求に対し温度設定を変更する手法として2通りの手法がある。一つは比エンタルピーの目標値を上下させることで温度設定を変化させ空気の熱量を変化させる手法であり、もう一つは温度の上下限設定値を同じ値とすることで希望する温度設定値に固定して空調を行う手法である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明によれば、制御対象となる空気の温湿度の目標値を、冷房時・暖房時においてそれぞれ定めた設定範囲で比エンタルピーを求め、これが設定値となるように居室内の空調制御を行うこととしたので、居室内の温度及び湿度を最小限のエネルギーで良好に設定範囲内に制御して省エネルギー化を図ることができ、ビルや工場、一般家庭における空調に好適である。
【符号の説明】
【0057】
100:空調システム
110:居室
112:給気口
114:還気口
120:空調機
122:ファン
124:吸入口
130:給気ダクト
132:還気ダクト
134:排気口
136:外気導入口
150:温湿度制御装置
152,154,156:温湿度検出器
160:温湿度設定データ
162:温湿度演算部
164:温湿度制御部
200:空調システム
210:居室
212:給気口
214:ファン
216:排気ダクト
220:外調機
222:ファン
230:給気ダクト
234:排気口
236:外気導入口
250:温湿度制御装置
252,254,256:温湿度検出器
260:温湿度設定データ
262:温湿度演算部
264:温湿度制御部
280:室内機
282:室内制御部
284:室内設置型温湿度検出器
300:空調システム
310:外調機
312:給気側
314:排気側
320:吸込口
322:吸込ダクト
324:直膨コイル
326:加湿器
328:給気ファン
330:排出口
332:排出ダクト
338:排気ファン
350:全熱交換器
352:吸込側
354:排出側
360,362,364,366,368:温湿度検出器
400:居室
410:給気口
412:給気ダクト
420:排気口
422:排気ダクト
450:温湿度制御装置
460:温湿度設定データ
462:温湿度演算部
464:温湿度制御部
500:最適起動・停止制御部
【要約】
【課題】 空調対象の居室内の温度及び湿度を、最小限のエネルギーで良好に設定範囲内に制御することで、SDGs,カーボンニュートラル,グリーンイノベーションに貢献できる空調装置を提供する。
【解決手段】 居室110内の温湿度が温湿度検出器152で測定され、これが温湿度制御装置150に入力される。温湿度制御装置150は、室内の温湿度の値から、予め定めた制御範囲であって、比エンタルピーが設定値となるように、温湿度の制御データを演算し、空調機120に出力する。これにより、空調機120は、入力された制御データに基づいて給気ダクト130から居室110に供給する空気の温湿度を調整する。比エンタルピーは、室内の空気が持っている熱量であると考えることができ、これが一定となるように空調運転が行われることになる。
【選択図】
図1