(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】巻取式電極アセンブリ、電池セル、電池及び電気設備
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0587 20100101AFI20241028BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20241028BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20241028BHJP
H01M 50/538 20210101ALI20241028BHJP
【FI】
H01M10/0587
H01M10/04 W
H01M50/533
H01M50/538
(21)【出願番号】P 2023515864
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2021115572
(87)【国際公開番号】W WO2023028815
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】温 耀鈴
(72)【発明者】
【氏名】羅 忠平
(72)【発明者】
【氏名】林 文法
【審査官】川口 陽己
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-500734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0092926(US,A1)
【文献】国際公開第2021/251121(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106257710(CN,A)
【文献】特開2016-115422(JP,A)
【文献】特開2011-081964(JP,A)
【文献】特開2016-139596(JP,A)
【文献】特表2024-502427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0373546(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0084901(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0013823(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/05-10/0587
H01M 10/00-10/04;10/06-10/34
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取式電極アセンブリであって、
積層して設置された複数の第1極タブが設けられた巻取終了部を備える極片を含み、
複数の前記第1極タブにおける任意の隣接す
る前記第1極タブにおいて、前記巻取式電極アセンブリの巻取中心に近接する第1極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第1極タブの幅よりも大き
く、
前記第1極タブの数は、3つ以上である
巻取式電極アセンブリ。
【請求項2】
前記極片は、前記巻取終了部に接続された、複数の前記第1極タブと積層して配置された第2極タブが設けられた巻取開始部をさらに含み、
前記第2極タブの幅は、前記複数の第1極タブにおける前記巻取中心に最も近接する前記第1極タブの幅以上である、
請求項1に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項3】
前記第2極タブの数は複数であり、複数の前記第2極タブは積層して設置され、複数の前記第2極タブの幅は等しい、
請求項2に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項4】
前記第2極タブの数は25個以下である、
請求項3に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項5】
前記第2極タブの数は複数であり、
複数の前記第2極タブにおける任意の隣接す
る前記第2極タブにおいて、前記巻取中心に近接する第2極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第2極タブの幅よりも大きい、
請求項2に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項6】
前記第1極タブは、接続端と自由端を有し、前記極片の幅方向に沿って、前記接続端は、前記巻取終了部の一端に接続され、
前記接続端から前記自由端への方向に沿って、複数の前記第1極タブのうちのそれぞれの前記第1極タブの幅は、徐々に小さくなる、
請求項1~5の何れか1項に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項7】
複数の前記第1極タブの積層方向において、前記複数の第1極タブの前記巻取中心から離れる方向に沿って、隣接す
る前記第1極タブの幅の差は等しい、
請求項1~6の何れか1項に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項8】
複数の前記第1極タブの積層方向において、前記複数の第1極タブの前記巻取中心から離れる方向に沿って、隣接す
る前記第1極タブの幅の差は、徐々に大きくなる、
請求項1~6の何れか1項に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項9】
複数の前記第1極タブの積層方向において、前記複数の第1極タブの前記巻取中心から離れる方向に沿って、隣接す
る前記第1極タブの幅の差は0.5mm~4mmである、
請求項1~8の何れか1項に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項10】
複数の前記第1極タブの積層方向において、前記複数の第1極タブの前記巻取中心から離れる方向に沿って、複数の前記第1極タブの高さは、徐々に小さくなる、
請求項1~9の何れか1項に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項11】
複数の前記第1極タブのうちのそれぞれの前記第1極タブの幅と高さの比は同じである、
請求項10に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項12】
前記巻取式電極アセンブリの巻取方向に沿って、隣接す
る前記第1極タブの間の間隔は、徐々に大きくなる、
請求項1~11の何れか1項に記載の巻取式電極アセンブリ。
【請求項13】
ケースと、
前記ケース内に収容された請求項12に記載の巻取式電極アセンブリと、を含む、
電池セル。
【請求項14】
筐体と、
前記筐体内に収容された請求項13に記載の電池セルと、を含む、
電池。
【請求項15】
請求項13に記載の電池セルを含む、
電気設備。
【請求項16】
巻取式電極アセンブリの製造方法であって、
複数の第1極タブが設けられた巻取終了部を含む極片を提供することと、
複数の前記第1極タブが積層して設置されるように、前記極片を巻き取って設置することと、を含み、
複数の前記第1極タブにおける任意の隣接す
る前記第1極タブ
において、前記巻取式電極アセンブリの巻取中心に近接する第1極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第1極タブの幅よりも大き
く、
前記第1極タブの数は、3つ以上である
巻取式電極アセンブリの製造方法。
【請求項17】
巻取式電極アセンブリの製造設備であって、
複数の第1極タブが設けられた巻取終了部を含む極片を提供するように構成された提供装置と、
複数の前記第1極タブが積層して設置されるように、前記極片を巻取中心の周りに巻き取って設置するように構成された組立装置と、を含み、
複数の前記第1極タブにおける任意の隣接す
る前記第1極タブ
において、前記巻取式電極アセンブリの巻取中心に近接する第1極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第1極タブの幅よりも大き
く、
前記第1極タブの数は、3つ以上である
巻取式電極アセンブリの製造設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池技術分野に関し、具体的には、巻取式電極アセンブリ、電池セル、電池、電気設備、巻取式電極アセンブリの製造方法及び設備に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、リチウムイオンバッテリーは、車両、携帯電器、携帯電話、宇宙船などの分野で電気エネルギーを供給するために広く使用されている。
【0003】
電池技術の発展は、様々な設計要素を同時に考慮する必要がある。例えば、エネルギー密度、サイクル寿命、放電容量、充放電倍率などの性能パラメータに加えて、電池の安全性も考慮する必要がある。電池内部の短絡は、電池の安全性能に影響を与える重要な要素の1つである。そのため、電池内部での短絡リスクの低減は、解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池内部での短絡リスクを低減するように、本願の実施例は、巻取式電極アセンブリ、電池セル、電池、電気設備、巻取式電極アセンブリの製造方法及び設備を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願の実施例は、積層して設置された複数の第1極タブが設けられた巻取終了部を備える極片を含み、隣接する2つの前記第1極タブにおいて、前記巻取式電極アセンブリの巻取中心に近接する第1極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第1極タブの幅よりも大きい、巻取式電極アセンブリを提供する。
【0006】
上記技術的解決手段において、複数の第1極タブは、積層して配置され、隣接する2つの第1極タブにおいて、巻取中心に近接する第1極タブの幅は、巻取中心から離れる第1極タブよりも大きく、言い換えると、内から外へ、複数の第1極タブの幅は、徐々に小さくなり、巻取終了部の巻取が完了した後、第1極タブの幅方向に沿って、隣接する2つの第1極タブのズレ量が小さくなることで、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さくなり、第1極タブの幅方向における電極アセンブリの複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減し、電池セルの安全性能を向上させる。そして、複数の第1極タブに反映された総ズレ量は小さいため、同じ接続領域がより多くの第1極タブに対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向のサイズを増加させるのに役立ち、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0007】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、前記極片は、前記巻取終了部に接続され、複数の前記第1極タブと積層して配置された第2極タブが設けられた巻取開始部をさらに含み、前記第2極タブの幅は、前記複数の第1極タブにおける前記巻取中心に最も近接する前記第1極タブの幅以上である。
【0008】
上記技術的解決手段において、実際の巻取過程において、第2極タブの幅方向における電極アセンブリの巻取開始部の第2極タブのズレ量が小さいため、第2極タブの幅は、複数の第1極タブの幅以上であり、電極アセンブリの極タブの総ズレ量に影響を与えることなく、電極アセンブリの極タブに優れた過電流能力及び優れた放熱能力を付与できる。
【0009】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、前記第2極タブの数は複数であり、複数の前記第2極タブは積層して設置され、複数の前記第2極タブの幅は等しい。
【0010】
上記技術的解決手段において、複数の第2極タブの幅は等しいため、製造を容易にするだけでなく、極タブに優れた過電流能力及び放熱能力を付与できる。
【0011】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、前記第2極タブの数は25個以下である。
【0012】
上記技術的解決手段において、極片の巻取半径の増加に伴って、極タブのズレ量が大きくなるため、第2極タブの数を25個以下にすることで、第1極タブの幅方向に沿った第1極タブと第2極タブの総ズレ量を効果的に減少させ、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減することができる。
【0013】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、前記第2極タブの数は複数であり、複数の前記第2極タブは積層して設置され、隣接する2つの前記第2極タブにおいて、前記巻取中心に近接する第2極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第2極タブの幅よりも大きい。
【0014】
上記技術的解決手段において、複数の第2極タブは、複数の第1極タブの積層方向と同じ方向に沿って積層して配置され、隣接する2つの第2極タブの巻取中心に近接する第2極タブの幅は、巻取中心から離れる第2極タブより大きく、言い換えると、内から外へ、複数の第2極タブの幅は、徐々に小さくなり、第2極タブに優れた過電流能力及び優れた放熱能力を付与できる。
【0015】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、前記第1極タブは、接続端と自由端を有し、前記極片の幅方向に沿って、前記接続端は、前記巻取終了部の一端に接続され、前記接続端から前記自由端への方向に沿って、複数の前記第1極タブのうちのそれぞれの前記第1極タブの幅は、徐々に小さくなる。
【0016】
上記技術的解決手段において、第1極タブの接続端から自由端への方向に沿って、それぞれの第1極タブの幅は、徐々に小さくなるため、他の部品との干渉を回避することに加えて、第1極タブと他の部品との溶接面積を保証することにより、第1極タブと巻取終了部との接続強度を増加させることができる。
【0017】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、隣接する2つの前記第1極タブの幅の差は等しい。
【0018】
上記技術的解決手段において、隣接する2つの第1極タブの幅の差は等しく、即ち第1極タブの巻取中心から離れる方向に沿って、複数の第1極タブの幅は線形的に逓減するため、第1極タブの幅方向に沿った複数の第1極タブの総ズレ量を減少させ、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減することができる。
【0019】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、複数の前記第1極タブの積層方向において、前記複数の第1極タブの前記巻取中心から離れる方向に沿って、隣接する2つの前記第1極タブの幅の差は、徐々に大きくなる。
【0020】
上記技術的解決手段において、隣接する2つの第1極タブの幅の差は、徐々に大きくなるため、第1極タブの幅方向に沿った複数の第1極タブの総ズレ量を減少させ、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる電極アセンブリの短絡リスクを低減することができる。
【0021】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、複数の前記第1極タブの積層方向において、前記複数の第1極タブの前記巻取中心から離れる方向に沿って、隣接する2つの前記第1極タブの幅の差は0.5mm~4mmである。
【0022】
上記技術的解決手段において、隣接する2つの第1極タブの幅の差が0.5mm~4mmであることで、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを効果的に低減するだけでなく、第1極タブの過電流能力及び放熱能力を保証することもできる。隣接する2つの第1極タブの幅の差が0.5mmよりも小さい場合、隣接する2つの第1極タブのうち、巻取中心から離れる第1極タブの幅は、巻取中心に近接する第1極タブの幅と比較して明らかに減少せず、最終的に複数の第1極タブの総ズレ量が明らかに減少しないため、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを効果的に低減することができない。隣接する2つの第1極タブの幅の差が4mmよりも大きい場合、隣接する2つの第1極タブのうち、巻取中心から離れる第1極タブの幅は、巻取中心に近接する第1極タブの幅と比較して減少し過ぎるため、第1極タブの過電流能力及び放熱能力を保証しにくい。
【0023】
本願の幾つかの実施例において、複数の前記第1極タブの積層方向において、前記複数の第1極タブの前記巻取中心から離れる方向に沿って、複数の前記第1極タブの高さは、徐々に小さくなる。
【0024】
上記技術的解決手段において、複数の第1極タブの巻取中心から離れる方向に沿って、複数の第1極タブの高さは、徐々に小さくなり、即ち第1極タブの幅と高さは、同期して小さくなるため、第1極タブの幅の減少により折り畳みやすくなるリスクを低減できる。
【0025】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、複数の前記第1極タブのうちのそれぞれの前記第1極タブの幅と高さの比は同じである。
【0026】
上記技術的解決手段において、複数の第1極タブのうちのそれぞれの第1極タブの幅と高さの比は同じであるため、第1極タブの幅が減少した後、第1極タブの高さは、同期して小さくなるため、第1極タブの幅の減少により折り畳みやすくなるリスクを低減できる。
【0027】
本願の第1態様の幾つかの実施例において、前記巻取式電極アセンブリの巻取方向に沿って、隣接する2つの前記第1極タブの間の間隔は、徐々に大きくなる。
【0028】
上記技術的解決手段において、巻取式電極アセンブリの巻取方向に沿って、隣接する2つの第1極タブの間の間隔は、徐々に大きくなり、隣接する2つの第1極タブのズレ量を小さくすることができるため、第1極タブの幅方向に沿った複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減することができる。
【0029】
第2態様によれば、本願の実施例は、ケースと、ケース内に収容された第1態様の実施例により提供される巻取式電極アセンブリと、を含む電池セルを提供する。
【0030】
上記技術的解決手段において、内から外へ、巻取終了部の複数の第1極タブの幅は、徐々に小さくなり、巻取終了部の巻取が完了した後、第1極タブの幅方向に沿って、隣接する2つの第1極タブのズレ量が小さくなることで、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さくなり、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減できる。そして、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さいため、同じ接続領域がより多くの第1極タブに対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向のサイズを増加させ、電池セルのエネルギー密度を向上させるのに役立つ。
【0031】
第3態様によれば、本願の実施例は、筐体と、前記筐体内に収容された第2態様の実施例により提供される電池セルと、を含む電池を提供する。
【0032】
上記技術的解決手段において、内から外へ、巻取終了部の複数の第1極タブの幅は、徐々に小さくなり、巻取終了部の巻取が完了した後、第1極タブの幅方向に沿って、隣接する2つの第1極タブのズレ量が小さくなることで、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さくなり、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減するとともに、電池の安全性能を向上させることもできる。そして、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さいため、同じ接続領域がより多くの第1極タブに対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向のサイズを増加させ、電池のエネルギー密度を向上させるのに役立つ。
【0033】
第4態様によれば、本願の実施例は、第2態様の実施例により提供される電池セルを含む電気設備を提供する。
【0034】
上記技術的解決手段において、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さいため、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減するとともに、電池セルの安全性能を向上させ、電気設備の電気的安全性を向上させる。そして、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さいため、同じ領域がより多くの第1極タブに対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向のサイズを増加させ、電池セルのエネルギー密度を向上させるのに役立ち、それによって、より大きく、より長い時間の電気設備の電力需要を満たす。
【0035】
第5態様によれば、本願の実施例は、複数の第1極タブが設けられた巻取終了部を含む極片を提供することと、
複数の前記第1極タブが積層して設置されるように、前記極片を巻取中心の周りに巻き取って設置することと、を含み、
隣接する2つの前記第1極タブのうち、前記巻取式電極アセンブリの巻取中心に近接する第1極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第1極タブの幅よりも大きい、巻取式電極アセンブリの製造方法を提供する。
【0036】
上記技術的解決手段において、複数の前記第1極タブが積層して設置されるように、極片を巻取中心の周りに巻き取って設置することで、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さくなり、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減するとともに、電池セルの安全性能を向上させ、電気設備の電気的安全性を向上させることもできる。そして、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さいため、同じ領域がより多くの第1極タブに対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向のサイズを増加させ、電池セルのエネルギー密度を向上させるのに役立つ。
【0037】
第6態様によれば、本願の実施例は、提供装置と組立装置を含む巻取式電極アセンブリの製造設備を提供する。前記提供装置は、複数の第1極タブが設けられた巻取終了部を含む極片を提供するように構成されている。前記組立装置は、複数の前記第1極タブが積層して設置されるように、前記極片を巻取中心の周りに巻き取って設置するように構成されている。そのうち、隣接する2つの前記第1極タブのうち、前記巻取式電極アセンブリの巻取中心に近接する第1極タブの幅は、前記巻取中心から離れる第1極タブの幅よりも大きい。
【0038】
上記技術的解決手段において、複数の前記第1極タブが積層して設置されるように、組立装置は、極片を巻取中心の周りに巻き取るように設置することで、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さくなり、第1極タブの幅方向における複数の第1極タブのズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減するとともに、電池セルの安全性能を向上させ、電気設備の電気的安全性を向上させることもできる。そして、複数の第1極タブに反映された総ズレ量が小さいため、同じ領域がより多くの第1極タブに対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向のサイズを増加させ、電池セルのエネルギー密度を向上させるのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本願の実施例の技術的解決手段をより明らかに説明するために、以下に実施例で使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の図面は、本願の幾つかの実施例のみを示しており、範囲を限定するものと見なされるべきではなく、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に応じて他の関連図面を得ることもできると理解すべきである。
【0040】
【
図1】本願の幾つかの実施例により提供される車両の構成模式図である。
【
図2】本願の幾つかの実施例により提供される電池の構成模式図である。
【
図3】本願の幾つかの実施例により提供される複数の電池セルがバスバーを介して接続される構成模式図である。
【
図4】本願の幾つかの実施例により提供される電池セルの分解図である。
【
図5】本願の幾つかの実施例により提供される巻取式電極アセンブリの構成模式図である。
【
図7】本願の幾つかの実施例により提供される極片の展開模式図である。
【
図8】本願のさらなる実施例により提供される極片の展開模式図である。
【
図9】本願の別の実施例により提供される極片の展開模式図である。
【
図10】本願のさらなる実施例により提供される電極アセンブリの構成模式図である。
【
図12】本願のさらなる実施例により提供される電極アセンブリの構成模式図である。
【
図14】本願の幾つかの実施例により提供される巻取式電極アセンブリの製造方法のフローチャートである。
【
図15】本願の幾つかの実施例により提供される巻取式電極アセンブリの製造設備の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明らかにするために、以下、本願の実施例における図面に合わせて、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭に、完全に説明し、明らかなことだが、説明される実施例は、すべての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎない。通常、ここの図面に説明され、示されている本願の実施例のアセンブリは、様々な構成によって配置し、設計することができる。
【0042】
そのため、以下、図面により提供される本願の実施例に対する詳細な説明は、保護を求める本願の範囲を制限するものではなく、本願の選択された実施例のみを示すものである。本願の実施例に基づき、当業者は、創造的な労力を要することなく得られたすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0043】
説明すべきことは、矛盾がない限り、本願における実施例及び実施例の特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0044】
注意すべきことは、類似する符号やアルファベットは、以下の図面において類似する項目を示すため、ある項目が1つの図面で定義されていれば、後続の図面でそれをさらに定義したり解釈したりする必要はない。
【0045】
本願の実施例の説明において、説明すべきことは、指示される方向や位置関係は、図面に基づいた方向や位置関係、又は当該出願の製品を使用する際に通常配置される方向や位置関係、又は当業者に一般的に理解される方向や位置関係であり、それらは本願を説明し、説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は要素が特定の方向を有し、特定の方向で構成して操作しなければならないことを指示又は暗示するものではなく、それらは本願に対する制限として理解すべきではない。また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明を区別するためのものに過ぎず、相対的な重要性を示す又は暗示するものと理解すべきではない。
【0046】
巻取式電極アセンブリは、正極片、セパレータ及び負極片の積層と巻取によって形成されている。正極片の正極タブは、積層して配置され、各正極タブが完全に重ね合わさるか、又はズレ量を一定の範囲内に制御するように要求される。負極片の負極タブは、積層して設置され、各負極タブが完全に重ね合わさるか、又はズレ量を一定の範囲内に制御するように要求される。ところが、電極アセンブリを巻き取る過程において、極片の巻取半径は徐々に大きくなるため、正極タブ及び/又は負極タブに反映される総ズレ量も徐々に大きくなる。
【0047】
ところが、そのように極タブの総ズレ量が大きくなってしまうと、多くの問題を引き起こすおそれがある。例えば、極タブの総ズレ量が大きくなると、正負極タブの間の間隔が減少し、短絡リスクが増加し、電池セルの安全性に影響を与え得る。また、例えば、極タブの総ズレ量が大きくなると、各極タブの間の重複面積が少なくなり、他の部品(例えば、電極端子、エンドキャップ、集電部品などの部品)との溶接面積が減少し、それにより過電流面積が減少し、電池セルの安全性に影響を与える。
【0048】
これらに基づいて、極タブズレの問題を改善するために、発明者らは、徹底的な研究により、電極アセンブリを設計した。極片の巻取終了部の複数の第1極タブを積層して配置し、そして隣接する2つの第1極タブのうち、巻取式電極アセンブリの巻取中心に近接する第1極タブの幅を、巻取中心から離れる第1極タブの幅よりも大きくすることで、言い換えると、内から外へ、複数の第1極タブの幅が徐々に小さくなり、隣接する2つの第1極タブのズレ量が小さくなることで、複数の第1極タブに反映される総ズレ量が小さくなり、さらに短絡リスクを低減できる。そして、複数の第1極タブに反映される総ズレ量が小さいため、同じ接続領域がより多くの第1極タブに対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向のサイズを増加させるのに役立ち、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0049】
本願の実施例に説明される技術的解決手段は、電池及び電池を使用する電気設備に適用される。
【0050】
電気設備は、車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船、宇宙船、電気玩具及び電気工具などであってもよい。車両は、燃料自動車、ガソリン自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。宇宙船は、飛行機、ロケット、スペースシャトル、宇宙シャトルなどを含む。電気玩具は、ゲーム機、電気自動車玩具、電気船玩具、電気飛行機玩具などの固定式又は可動式の電気玩具を含む。電動工具は、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動スクリュードライバー、電動ハンマー、インパクトドリル、コンクリートバイブレーター、プレーナーなど、金属切削電動工具、研削電動工具、組立電動工具及び鉄道電動工具を含む。本願の実施例は、上記電気設備について特に限定しない。
【0051】
以下の実施例において、説明しやすくするために、例として、車両を電気設備として説明する。
【0052】
図1を参照し、
図1は、本願の幾つかの実施例により提供される車両1000の構成模式図である。車両1000は、燃料自動車、ガソリン自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純粋な電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよい。
【0053】
車両1000の内部に電池100が設置され、電池100は、車両1000の底部又は前部又は後部に設置されてもよい。電池100は、車両1000に電力を提供することができる。例えば、電池100は、車両1000の操作電源とすることができる。
【0054】
車両1000は、コントローラ200とモータ300を含んでもよい。コントローラ200は、電池100がモータ300に電力を提供するように制御するために用いられる。例えば、車両1000の起動、ナビゲーション及び走行時の作動電力需要に用いられる。
【0055】
本願の幾つかの実施例において、電池100は、車両1000の操作電源とするだけでなく、車両1000の駆動電源として、燃料や天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1000に駆動力を提供することもできる。
【0056】
図2を参照し、
図2は、本願の幾つかの実施例により提供される電池100の構成模式図である。電池100は、筐体10と、筐体10内に収容された電池セル20と、を含む。
【0057】
筐体10は、電池セル20に収容空間11を提供するために用いられる。幾つかの実施例において、筐体10は、電池セル20を収容するための収容空間11を限定するように互いに覆い合っている第1部分12と第2部分13を含んでもよい。当然ながら、第1部分12と第2部分13との接続部は、シールリング、シーラントなどの密閉部材(未図示)で密閉することができる。
【0058】
第1部分12と第2部分13は、直方体、円柱体など、様々な形状であってもよい。第1部分12は、一側が開放する中空構造であってもよく、第2部分13も、一側が開放する中空構造であってもよく、第2部分13の開放側は第1部分12の開放側を覆い合って、収容空間11を備える筐体10が形成される。当然ながら、第1部分12の一側は開放する中空構造であり、第2部分13は板状構造であり、第2部分13は第1部分12の開放側を覆い合って、収容空間11を備える筐体10が形成されてもよい。
【0059】
電池100において、電池セル20は1つであってもよく、複数であってもよい。電池セル20が複数である場合、複数の電池セル20の間は直列接続又は並列接続又は混合接続であってもよく、混合接続は、複数の電池セル20において直列接続と並列接続の両方が存在することを意味する。複数の電池セル20の間は、直接直列接続又は並列接続又は混合接続された後、複数の電池セル20からなる全体を筐体10内に収容してもよいが、当然ながら、まず、複数の電池セル20を直列接続又は並列接続又は混合接続して電池モジュールを構成した後、複数の電池モジュールを直列接続又は並列接続又は混合接続して全体を形成し、筐体10内に収容してもよい。電池セル20は、円柱体、扁平体、長方体又はその他の形状などであってもよい。
図2は、電池セル20が四角形の場合を例示的に示している。
【0060】
図3を参照し、
図3は、本願の幾つかの実施例により提供される複数の電池セル20がバスバー30を介して接続される構成模式図である。幾つかの実施例において、電池100は、バスバー30をさらに含んでもよい。複数の電池セル20の直列接続又は並列接続又は混合接続を実現するように、複数の電池セル20の間は、バスバー30によって電気的接続を実現することができる。
【0061】
図4を参照し、
図4は、本願の幾つかの実施例により提供される電池セル20の分解図である。電池セル20は、ケース21、エンドキャップアセンブリ22及び電極アセンブリ23を含んでもよい。ケース21は、開口211を有し、電極アセンブリ23は、ケース21内に収容され、エンドキャップアセンブリ22は、開口211を覆い合うために用いられる。
【0062】
ケース21は、円柱体、長方体など、様々な形状であってもよい。ケース21の形状は、電極アセンブリ23の具体的な形状に応じて決定することができる。例えば、電極アセンブリ23が円柱体構造である場合、ケース21は、円柱体構造を選択することができる。電極アセンブリ23が長方体構造である場合、ケース21は、長方体構造を選択することができる。
図5は、ケース21と電極アセンブリ23が四角形の場合を例示的に示している。
【0063】
ケース21の材質は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金など、様々であってもよく、本願の実施例は、これに対して特に限定しない。
【0064】
エンドキャップアセンブリ22は、密閉した収容チャンバ(未図示)を形成するように、ケース21の開口211を覆い合うために用いられ、収容チャンバは、電極アセンブリ23を収容するために用いられる。収容チャンバは、電解液などの電解質を収容するためにさらに用いられる。エンドキャップアセンブリ22は、電極アセンブリ23の電気エネルギーを出力する部品として、エンドキャップアセンブリ22内の電極端子は、電極アセンブリ23との電気的接続、即ち電極端子と電極アセンブリ23の極タブとの電気的接続に用いられる。幾つかの実施例において、電極端子と極タブは、集電部品224を介して接続され、それにより電極端子と極タブとの電気的接続を実現する。
【0065】
説明すべきことは、ケース21の開口211は1つであってもよく、2つであってもよい。ケース21の開口211が1つである場合は、エンドキャップアセンブリ22も1つであってもよい。エンドキャップアセンブリ22には2つの電極端子を設置することができ、2つの電極端子は、電極アセンブリ23の正極タブ2311及び負極タブ2312との電気的接続にそれぞれ用いられ、エンドキャップアセンブリ22内の2つの電極端子は、それぞれ正極電極端子と負極電極端子である。ケース21の開口211が2つである場合、例えば、2つの開口211がケース21の対向する両側に設置される場合、エンドキャップアセンブリ22は2つであってもよく、2つのエンドキャップアセンブリ22は、ケース21の2つの開口211にそれぞれ覆い合っている。この場合、一方のエンドキャップアセンブリ22内の電極端子は、電極アセンブリ23の正極タブ2311との電気的接続に用いられる正極電極端子であり、他方のエンドキャップアセンブリ22内の電極端子は、電極アセンブリ23の負極タブ2312との電気的接続に用いられる負極電極端子であってもよい。
【0066】
図4に示すように、電池セル20は、エンドキャップアセンブリ22を有し、エンドキャップ221に正極タブ2311との電気的接続に用いられる第1電極端子222及び負極タブ2312との電気的接続に用いられる第2電極端子223が設けられる。電池セル20は、第1集電部品224aと第2集電部品224bをさらに含み、正極タブ2311と第1電極端子222は、第1集電部品224aを介して電気的接続を実現し、負極タブ2312と第2電極端子223は、第2集電部品224bを介して電気的接続を実現する。
【0067】
エンドキャップアセンブリ22には、電池セル20の内部の温度又は圧力が閾値に達する時に作動して電池セル20の内部の圧力を逃がすための除圧機構225がさらに設けられている。除圧機構225は、防爆弁、防爆板、空気弁、減圧弁又は安全弁などの形を取ってもよく、感圧性又は感温性素子又は構造を具体的に使用してもよい。即ち、電池セル20の内部の圧力又は温度が所定の閾値に達する時、除圧機構225は作動するか、又は除圧機構225に設けられた弱い構造が破壊されて、内部の圧力又は温度を逃がすための開口又はチャネルを形成する。
【0068】
図5、
図6、
図7に示すように、
図5は、本願の幾つかの実施例により提供される巻取式電極アセンブリ23の構成模式図であり、
図6は、
図5のIでの拡大図であり、
図7は、本願の幾つかの実施例により提供される極片231の展開模式図である。幾つかの実施例において、電極アセンブリ23は、積層して設置された複数の第1極タブ2314が設けられた巻取終了部2313を備える極片231を含む巻取式電極アセンブリ23であり、隣接する2つの第1極タブ2314のうち、巻取式電極アセンブリ23の巻取中心に近接する第1極タブ2314の幅は、巻取中心から離れる第1極タブ2314の幅よりも大きい。
【0069】
巻取式電極アセンブリ23は、正極片、負極片及びセパレータを含んでもよい。巻取式電極アセンブリ23は、正極片、セパレータ及び負極片を巻き取って形成された巻取式構造であり、セパレータは、正極片と負極片を分離し、正極片と負極片との接触によって引き起こされる短絡のリスクを低減するために用いられる。
【0070】
巻取終了部2313の巻取末端から巻取方向の逆方向に沿って延伸する巻数はm、極片231の巻取の総巻数はn、m<n且つm>2、即ち巻取終了部2313の巻取末端から巻取方向Dの逆方向に沿って延伸する巻数は2より大きく、各巻取の巻取終了部2313は、少なくとも1つの第1極タブ2314を設置することができる。
【0071】
正極片は、正極集電体と、正極集電体の表面にコーティングされた正極活物質層と、を含み、正極活物質層がコーティングされていない正極集電体は、正極活物質層がコーティングされた正極集電体から突出し、正極活物質層がコーティングされていない正極集電体は、正極タブ2311とする。リチウムイオン電池と例として、正極集電体の材料は、アルミニウムであってもよく、正極活物質は、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム又はマンガン酸リチウムなどであってもよい。負極片は、負極集電体と、負極集電体の表面にコーティングされた負極活物質層と、を含み、負極活物質層がコーティングされていない負極集電体は、負極活物質層がコーティングされた負極集電体から突出し、負極活物質層がコーティングされていない負極集電体は、負極タブ2312とする。負極集電体の材料は、銅であってもよく、負極活物質は、炭素やシリコンなどであってもよい。溶断せずに大電流を確実に流すために、正極タブ2311の数は複数で積層され、負極タブ2312の数は複数で積層されている。セパレータの材質は、PP(polypropylene、ポリプロピレン)又はPE(polyethylene、ポリエチレン)などであってもよい。
【0072】
正極片は、正極タブ2311を有し、正極片において正極活物質層がコーティングされていない正極集電体を正極タブ2311とすることができる。負極片は、負極タブ2312を有し、負極片において負極活物質層がコーティングされていない負極集電体を負極タブ2312とすることができる。巻取式電極アセンブリ23の正極タブ2311と負極タブ2312は、電極アセンブリの軸方向Bの一端に位置してもよく、それぞれ電極アセンブリの軸方向Bの両端に位置してもよい。
図5に示されたのは、正極タブ2311と負極タブ2312が電極アセンブリの軸方向Bの同じ端に位置する構成模式図である。
図5において、正極片の正極タブ2311と負極片の負極タブ2312は、電極アセンブリの長さ方向Aに沿って間隔をおいて配置されている。
【0073】
そのため、本実施例に記載の「極片231」は、正極片であってもよく、負極片であってもよい。「極片231」が正極片である場合、第1極タブ2314は正極タブであり、「極片231」が負極片である場合、第1極タブ2314は負極タブである。
【0074】
「複数の第1極タブ2314は積層して設置される」とは、複数の第1極タブ2314が直線の方向に沿って順に配置され、隣接する2つの第1極タブ2314の少なくとも一部が重なり合うことを意味する。幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314は、電極アセンブリの厚さ方向Cに沿って積層して配置され、複数の第1極タブ2314は、電極アセンブリ23の厚さ中心面Pの一側に位置し、電極アセンブリ23の厚さ中心面Pとは、電極アセンブリ23の巻取中心の軸線と面一であるとともに、電極アセンブリの厚さ方向Cに垂直である平面を指す。別の幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314は、電極アセンブリ23の厚さ中心面Pの両側に位置してもよい。
【0075】
極片231が巻取状態にある場合、「第1極タブ2314の幅」は、第1極タブ2314の巻取方向Dに沿った最大サイズであり、第1極タブ2314のズレは、第1極タブ2314の積層方向に沿った隣接する2つの第1極タブ2314の投影の一部が重なり合うことを指し、複数の第1極タブ2314総ズレ量は、第1極タブ2314の積層方向に沿った複数の第1極タブ2314の投影の最大幅を指す。「第1極タブ2314の幅」は、極片231が展開状態にある場合、極片の長さ方向E(
図7に示される)に沿った第1極タブ2314の最大サイズを指す。
【0076】
複数の第1極タブ2314は、積層して配置され、隣接する2つの第1極タブ2314の巻取中心に近接する第1極タブ2314の幅は、巻取中心から離れる第1極タブ2314より大きく、言い換えると、内から外へ、複数の第1極タブ2314の幅は、徐々に小さくなり、巻取終了部2313の巻取が完了した後、第1極タブ2314の幅方向に沿って、隣接する2つの第1極タブ2314のズレ量が減少するため、複数の第1極タブ2314に反映された総ズレ量が小さくなり、第1極タブ2314の幅方向における電極アセンブリ23の複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを低減し、電池セル20の安全性能を向上させる。
【0077】
一般的には、電気エネルギーを導出するように、電極アセンブリ23の極タブは、他の部品(例えば、集電部品224)と溶接などによって電気的に接続されるが、集電部品224の接続用領域の面積が限られ、電極アセンブリ23の極タブの、集電部品224から超える接続領域の部分は、集電部品224と接続することができないため、電池セル20の内部短絡のリスクを引き起こしやすい。複数の第1極タブ2314に反映された総ズレ量が小さいため、同じ接続領域がより多くの第1極タブ2314に対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向Cのサイズを増加させるのに役立ち、電池セル20のエネルギー密度を向上させることができる。
【0078】
説明すべきことは、「内から外へ」は、第1極タブ2314が電極アセンブリ23の巻取中心に対して、電極アセンブリ23の巻取中心に沿って第1極タブ2314に向ける方向を指す。「内」は、電極アセンブリ23の巻取中心を指し、「外」は、電極アセンブリ23の外側を指す。
【0079】
図7を参照し続け、幾つかの実施例において、極片231は、巻取終了部2313に接続された、複数の第1極タブ2314と積層して配置された第2極タブ2316が設けられた巻取開始部2315をさらに含み、第2極タブ2316の幅は、複数の第1極タブ2314のうち、巻取中心に最も近接する第1極タブ2314の幅以上である。
【0080】
巻取過程において、巻取開始部2315は、巻取終了部2313よりも早く巻取を完了させ、第2極タブ2316は、巻取開始部2315に設けられる場合、第2極タブ2316は、複数の第1極タブ2314に対して電極アセンブリ23の巻取中心により近接する。
【0081】
巻取開始部2315は、極片231の巻取起始端から巻取方向Dに沿って少なくとも1巻延伸し、各巻取の巻取開始部2315は、少なくとも1つの第2極タブ2316を設置することができる。
【0082】
第2極タブ2316の数は、1つ又は複数であってもよい。第2極タブ2316の数が複数である実施例において、「第2極タブ2316は、複数の第1極タブ2314と積層して配置される」とは、複数の第2極タブ2316が積層して配置され、且つ複数の第2極タブ2316の積層配置の方向が複数の第1極タブ2314の積層配置の方向と同じであることを意味する。
【0083】
第1極タブ2314と第2極タブ2316は、同じ極片231に属する場合、第2極タブ2316と第1極タブ2314の極性が同じである。第1極タブ2314が正極タブ2311である実施例において、第2極タブ2316は正極タブ2311であり、第1極タブ2314が負極タブ2312である実施例において、第2極タブ2316は負極タブ2312である。
【0084】
幾つかの実施例において、それぞれの第2極タブ2316の幅は、複数の第1極タブ2314の最も内側にある第1極タブ2314の幅よりも大きい。別の幾つかの実施例において、それぞれの第2極タブ2316の幅は、複数の第2極タブ2316の最も内側にある第1極タブ2314の幅に等しい。
【0085】
実際の巻取過程において、第2極タブ2316の幅方向における電極アセンブリ23の巻取開始部2315上の第2極タブ2316のズレ量が小さいため、第2極タブ2316の幅は、複数の第1極タブ2314の幅以上であることで、極片231の総ズレ量に影響を与えることなく、電極アセンブリ23の極タブに優れた過電流能力及び優れた放熱能力を備えさせる。
【0086】
幾つかの実施例において、第2極タブ2316の数は複数であり、複数の第2極タブ2316は、積層して設置され、複数の第2極タブ2316の幅は等しい。
【0087】
複数の第2極タブ2316の幅は等しいため、製造を容易にするだけでなく、集電部品224の接続領域に適合する場合、極タブに優れた過電流能力及び放熱能力を備えさせることもできる。
【0088】
幾つかの実施例において、第2極タブ2316の数は25個以下である。
【0089】
第2極タブ2316の数が25個以下であることは、複数の第1極タブ2314と同じ側で、複数の第1極タブ2314と同じ方向に沿って積層される第2極タブ2316のみを含む。
【0090】
極片231の巻取半径の増加に伴って、極タブのズレ量が大きくなり、第2極タブ2316の数が25個以下の場合、第1極タブ2314の幅方向に沿った電極アセンブリ23の第1極タブ2314の総ズレ量を効果的に減少させ、第1極タブ2314の幅方向における複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことによって引き起こされる短絡リスクを低減することができる。
【0091】
幾つかの実施例において、第2極タブ2316の数は複数であり、第2極タブ2316は積層して設置され、隣接する2つの第2極タブ2316のうち、巻取中心に近接する第2極タブ2316の幅は、巻取中心から離れる第2極タブ2316の幅よりも大きい。
【0092】
複数の第2極タブ2316は、複数の第1極タブ2314の積層方向と同じ方向に沿って積層して配置され、隣接する2つの第2極タブ2316の巻取中心に近接する第2極タブ2316の幅は、巻取中心から離れる第2極タブ2316よりも大きく、言い換えると、内から外へ、複数の第2極タブ2316の幅は徐々に小さくなることで、第2極タブ2316に優れた過電流能力及び放熱能力を備えさせる。
【0093】
図7を参照し続け、幾つかの実施例において、第1極タブ2314は、接続端23141と自由端23142を有し、極片の幅方向Fに沿って、接続端23141は、巻取終了部2313の一端に接続され、接続端23141から自由端23142への方向に沿って、複数の第1極タブ2314のうちのそれぞれの第1極タブ2314の幅は、徐々に小さくなる。
【0094】
極片231を巻き取って電極アセンブリ23が形成される状態において、極片の幅方向Fは、電極アセンブリ23の軸方向Bと一致し、極片231が展開状態にある場合、極片の幅方向Fは、極片の長さ方向Eに垂直である。
【0095】
第1極タブ2314の自由端23142は、接続端23141に対向し、巻取終了部2313に接続されていない一端を指す。接続端23141から自由端23142への方向に沿って、複数の第1極タブ2314のうちのそれぞれの第1極タブ2314の幅が徐々に小さくなる構造は多くある。例えば、第1極タブ2314は、等脚台形、直角台形などである。
【0096】
第1極タブ2314の接続端23141から自由端23142への方向に沿って、それぞれの第1極タブ2314の幅は、徐々に小さくなるため、他の部品との干渉を回避することに加えて、第1極タブ2314と他の部品との溶接面積を保証することに基づいて、第1極タブ2314と巻取終了部2313との接続強度を増加させる。
【0097】
別の幾つかの実施例において、第1極タブ2314の接続端から自由端23142への方向に沿って、それぞれの第1極タブ2314の幅は等しい。
【0098】
図7を参照し続け、幾つかの実施例において、隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差は等しい。
【0099】
「隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差は等しい」とは、1つの第1極タブ2314を参照として、当該第1極タブ2314とその内側の第1極タブ2314との幅の差が、当該第1極タブ2314とその外側の第1極タブ2314との幅の差に等しいことを意味する。
【0100】
第1極タブ2314の巻取中心から離れる方向に沿って、複数の第1極タブ2314の幅は線形的に逓減するため、第1極タブ2314の幅方向に沿った複数の第1極タブ2314の総ズレ量を減少させ、第1極タブ2314の幅方向における複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを低減することができる。
【0101】
図8を参照し、
図8は、本願のさらなる実施例により提供される極片231の展開模式図である。幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314の積層方向において、複数の第1極タブ2314の巻取中心から離れる方向に沿って、隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差は、徐々に大きくなる。
【0102】
「隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差は、徐々に大きくなる」とは、1つの第1極タブ2314を参照として、当該第1極タブ2314とその内側の第1極タブ2314との幅の差は、当該第1極タブ2314とその外側の第1極タブ2314との幅の差よりも小さいことを意味する。幾つかの実施例において、第1極タブ2314の巻取中心から離れる方向に沿って、複数の第1極タブ2314の幅は二次的に増加し、それにより隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差は、徐々に大きくなるため、第1極タブ2314の幅方向に沿った複数の第1極タブ2314の総ズレ量を減少させ、第1極タブ2314の幅方向における複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを低減することができる。
【0103】
幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314の積層方向において、複数の第1極タブ2314の巻取中心から離れる方向に沿って、隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差は0.5mm~4mmである。隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差は0.5mm~4mmであることで、第1極タブ2314の幅方向に沿った複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを効果的に低減するだけでなく、第1極タブ2314の過電流能力と放熱能力を保証することもできる。隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差が0.5mmよりも小さい場合、隣接する2つの第1極タブ2314のうち、巻取中心から離れる第1極タブ2314の幅は、巻取中心に近接する第1極タブ2314の幅と比較して明らかに減少せず、最終的に複数の第1極タブ2314の総ズレ量が明らかに減少しないため、第1極タブ2314の幅方向における複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを効果的に低減することができない。隣接する2つの第1極タブ2314の幅の差が4mmより大きい場合、隣接する2つの第1極タブ2314のうち、巻取中心から離れる第1極タブ2314の幅は、巻取中心に近接する第1極タブ2314の幅と比較して減少し過ぎるため、第1極タブ2314の過電流能力及び放熱能力を保証しにくい。
【0104】
図8を参照し続け、幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314の積層方向において、複数の第1極タブ2314の巻取中心から離れる方向に沿って、複数の第1極タブ2314の高さは、徐々に小さくなる。
【0105】
「第1極タブ2314の高さ」とは、第1極タブ2314の自由端23142と第1極タブ2314の接続端23141との間の最大サイズを指す。巻取方向Dに沿って、第1極タブ2314の高さは、等しくてもよく、等しくなくてもよい。
【0106】
複数の第1極タブ2314の巻取中心から離れる方向に沿って、複数の第1極タブ2314の高さは、徐々に小さくなり、即ち第1極タブ2314の幅と高さは、同期して小さくなるため、第1極タブ2314の幅の減少による折り畳みやすいリスクを低減する。
【0107】
幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314のうちのそれぞれの第1極タブ2314の幅と高さの比は同じである。
【0108】
複数の第1極タブ2314のうちのそれぞれの第1極タブ2314の幅と高さの比は同じであり、言い換えると、第1極タブ2314の幅が減少した後、第1極タブ2314の高さは、同期して小さくなるため、第1極タブ2314の幅の減少による折り畳みやすいリスクを低減する。
【0109】
当然ながら、幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314の高さは同じであってもよい。別の幾つかの実施例において、複数の第1極タブ2314のうちのそれぞれの第1極タブ2314の幅と高さの比は異なってもよい。
【0110】
図8を参照し続け、幾つかの実施例において、巻取式電極アセンブリ23の巻取方向Dに沿って、隣接する2つの第1極タブ2314の間の間隔は、徐々に大きくなる。
【0111】
「巻取式電極アセンブリ23の巻取方向Dに沿って、隣接する2つの第1極タブ2314の間の距離」とは、巻取式電極アセンブリ23の巻取方向Dに沿って、第1極タブ2314の中心位置とその隣接する第1極タブ2314の中心位置との間の距離を指す。言い換えると、極片231が展開状態にある場合、「隣接する2つの第1極タブ2314の間の距離」とは、極片の長さ方向Eに沿って、隣接する2つの第1極タブ2314の中心位置とその隣接する第1極タブ2314の中心位置との間の距離を指す。当然ながら、他の実施例において、「巻取式電極アセンブリ23の巻取方向Dに沿って、隣接する2つの第1極タブ2314の間の距離」は、参考として他の定義を使用してもよいが、巻取方向Dに沿った任意の隣接する2つの第1極タブ2314の距離を定義する場合、同等の参考を使用する必要がある。
図8に示すように、図中、Q1、Q2及びQ3はそれぞれ、極片の長さ方向Eにおける3つの第1極タブ2314の中間位置であり、Q1とQ2との間の距離はL1、Q2とQ3との間の距離はL2であり、「隣接する2つの第1極タブ2314の間の間隔は、徐々に大きくなる」とは、L2がL1より大きいことを意味する。
【0112】
説明すべきことは、極片231が巻き取った後、巻取方向Dは、極片の長さ方向Eと一致している。
【0113】
巻取過程において、巻取の巻数が多いほど、極タブに反映された総ズレ量が大きくなり、特に外部巻取層の極タブの総ズレ量が大きくなる。そのため、巻取式電極アセンブリ23の巻取方向Dに沿って、隣接する2つの第1極タブ2314の間の間隔は、徐々に大きくなることで、隣接する2つの第1極タブ2314のズレ量を減少させ、それにより第1極タブ2314の幅方向における複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを低減することができる。
【0114】
図9を参照し、
図9は、本願の別の実施例により提供される極片231の展開模式図である。幾つかの実施例において、それぞれの第1極タブ2314の高さは同じである。
【0115】
幾つかの実施例において、巻取後、第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の小さい第1極タブ2314の投影は、第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の大きい第1極タブ2314の投影範囲内にあり、且つ第1極タブ2314の幅方向に沿って、幅の大きい第1極タブ2314の両端はいずれも、幅の小さい第1極タブ2314の両端を超えるとともに、幅の大きい第1極タブ2314の両端がいずれも幅の小さい第1極タブ2314の両端を超えた値は等しい。
【0116】
図10を参照し、
図10は、本願のさらなる実施例により提供される電極アセンブリ23の構成模式図であり、
図11は
図10のIIでの拡大図である。幾つかの実施例において、巻取後、第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の小さい第1極タブ2314の投影は、第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の大きい第1極タブ2314の投影範囲内にあり、第1極タブ2314の幅方向に沿って、幅の大きい第1極タブ2314の両端がいずれも幅の小さい第1極タブ2314の両端を超えた値は等しくない。別の幾つかの実施例において、第1極タブ2314の幅方向に沿って、第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の小さい第1極タブ2314の投影は、第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の大きい第1極タブ2314の投影範囲内にあり、幅の大きい第1極タブ2314の一端はいずれも、幅の小さい第1極タブ2314の一端を超え、幅の大きい第1極タブ2314の他端は幅の小さい第1極タブ2314の他端と位置合わせる。
【0117】
図12を参照し、
図12は、本願のさらなる幾つかの実施例により提供される電極アセンブリ23の構成模式図であり、
図13は、
図12のII
Iでの拡大図である。巻取後、極片231の一部の極タブが重なり合い、即ち第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の小さい第1極タブ2314の一部の投影は、第1極タブ2314の積層方向に沿った幅の大きい第1極タブ2314の投影範囲内にあり、第1極タブ2314の幅方向に沿って、幅の大きい第1極タブ2314の一端は、幅の小さい第1極タブ2314の一端を超え、幅の小さい第1極タブ2314の他端は、幅の大きい第1極タブ2314の他端を超えている。
【0118】
幾つかの実施例において、
図4、
図5を参照し、本願の実施例は、四角形電池100を提供する。電極アセンブリ23は、ケース21内に設けられ、電極アセンブリ23は、2つの極片231を含み、2つの極片231のうちの1つの極片231は正極片、もう1つは負極片であり、各極片231は、接続されている巻取終了部2313と巻取終了部2313を含み、巻取終了部2313に複数の第1極タブ2314が設けられ、巻取開始部2315に複数の第2極タブ2316が設けられ、複数の第1極タブ2314は、積層して配置され、複数の第2極タブ2316は、積層して配置され、複数の第1極タブ2314の積層方向は、複数の第2極タブ2316の積層方向と同じであり、隣接する2つの第1極タブ2314のうち、巻取中心に近接する第1極タブ2314の幅は、巻取中心から離れる第1極タブ2314の幅より大きく、それぞれの第2極タブ2316の幅は、最も内側にある第1極タブ2314の幅より大きく、複数の第2極タブ2316の幅は等しい。特定の巻取から、当該極片231の極タブの幅は減少し始め、外部巻取層のズレ量が大きい場合でも、極片231の極タブに反映された総ズレ量が小さくなり、ズレによる短絡リスクを低減するとともに、四角形ケースの電池100の厚さを増加させ、エネルギー密度を向上させるのに役立つ。
【0119】
複数の第1極タブ2314と複数の第2極タブ2316は、厚さ中心面Pの同じ側に位置し、各極片231の第1極タブ2314と第2極タブ2316は、電極アセンブリの軸方向Bの一端に位置する。2つの極片231の極タブは、電極アセンブリの軸方向Bの同じ端に位置する。
【0120】
本願の実施例は、ケース21と、上記の任意の実施例により提供される巻取式電極アセンブリ23と、を含む電池セル20をさらに提供する。
【0121】
本願の実施例は、筐体10と、筐体10内に収容された上記の実施例により提供される電池100と、を含む電池100をさらに提供する。
【0122】
本願の実施例は、上記の実施例により提供される電池セル20を含む電気設備をさらに提供する。
【0123】
図14を参照し、
図14は、本願の幾つかの実施例により提供される巻取式電極アセンブリ23の製造方法のフローチャートである。本願の実施例は、
複数の第1極タブ2314が設けられた巻取終了部2313を含む極片231を提供するステップS100と、
複数の第1極タブ2314が積層して設置されるように、極片231を巻取中心の周りに巻き取って設置するステップS200と、を含み、
そのうち、隣接する2つの第1極タブ2314のうち、巻取式電極アセンブリ23の巻取中心に近接する第1極タブ2314の幅は、巻取中心から離れる第1極タブ2314の幅よりも大きい、巻取式電極アセンブリ23の製造方法をさらに提供する。
【0124】
複数の前記第1極タブ2314が積層して設置されるように、極片231を巻取中心の周りに巻き取って設置するため、複数の第1極タブ2314に反映された総ズレ量が小さくなり、第1極タブ2314の幅方向における複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを低減するとともに、電池セル20の安全性能を向上させ、電気設備の電気的安全性を向上させることもできる。そして、複数の第1極タブ2314に反映された総ズレ量が小さいため、同じ領域がより多くの第1極タブ2314に対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向Cのサイズを増加させ、電池セル20のエネルギー密度を向上させるのに役立つ。
【0125】
図15を参照し、
図15は、本願の幾つかの実施例により提供される巻取式電極アセンブリの製造設備2000の構成概略図である。本願の実施例は、提供装置2100と組立装置2200を含む巻取式電極アセンブリの製造設備2000をさらに提供する。提供装置2100は、複数の第1極タブ2314が設けられた巻取終了部2313を含む極片231を提供するように構成されている。組立装置2200は、複数の第1極タブ2314が積層して設置されるように、極片231を巻取中心の周りに巻き取って設置するように構成されている。そのうち、隣接する2つの第1極タブ2314のうち、巻取式電極アセンブリ23の巻取中心に近接する第1極タブ2314の幅は、巻取中心から離れる第1極タブ2314の幅よりも大きい。
【0126】
組立装置2200は、複数の前記第1極タブ2314が積層して設置されるように、極片231を巻取中心の周りに巻き取って設置するため、複数の第1極タブ2314の総ズレ量が小さくなり、第1極タブ2314の幅方向における複数の第1極タブ2314のズレ量が大きいことにより引き起こされる短絡リスクを低減するとともに、電池セル20の安全性能を向上させ、電気設備の電気的安全性を向上させることもできる。そして、複数の第1極タブ2314に反映された総ズレ量が小さいため、同じ領域がより多くの第1極タブ2314に対応することができ、電極アセンブリの厚さ方向Cのサイズを増加させ、電池セル20のエネルギー密度を向上させるのに役立つ。
【0127】
以上、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を制限するものではない。当業者にとって、本願に対して様々な変更や変化を行うことができる。本願の精神や原則から逸脱することなく、行われた任意の修正、同等置換、改善などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0128】
1000 車両
100 電池
10 筐体
11 収容空間
12 第1部分
13 第2部分
20 電池セル
21 ケース
211 開口
22 エンドキャップアセンブリ
221 エンドキャップ
222 第1電極端子
223 第2電極端子
224 集電部品
224a 第1集電部品
224b 第2集電部品
225 除圧機構
23電極アセンブリ
231 極片
2311 正極タブ
2312 負極タブ
2313 巻取終了部
2314 第1極タブ
23141 接続端
23142 自由端
2315 巻取開始部
2316 第2極タブ
30 バスバー
200 コントローラ
300 モータ
2000 巻取式電極アセンブリの製造設備
2100 提供装置
2200 組立装置
A 電極アセンブリの長さ方向
B 電極アセンブリの軸方向
C 電極アセンブリの厚さ方向
D 巻取方向
E 極片の長さ方向
F 極片の幅方向
P 厚さ中心面。