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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】壁搭載可能なブラケットアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/41 20060101AFI20241028BHJP
   E04B 1/38 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
E04B1/41 502B
E04B1/41 502D
E04B1/38 400Z
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2023526018
(86)(22)【出願日】2021-11-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 US2021058082
(87)【国際公開番号】W WO2022098888
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/109,930
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サン, コン
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-035900(JP,U)
【文献】実開昭59-182502(JP,U)
【文献】実開昭53-111620(JP,U)
【文献】実開昭53-042834(JP,U)
【文献】特開2020-002657(JP,A)
【文献】特開平11-081487(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0031279(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0138735(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0258632(US,A1)
【文献】カナダ国特許出願公開第2755749(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/38-1/61
E04B 2/56
E04F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁上に搭載可能なブラケットアセンブリであって、前記ブラケットアセンブリは、
外側表面と、反対側に配置されている裏側表面とを有す基部プレートと、
前記裏側表面に取り付けられている少なくとも1つのレセプタクルであって、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記外側表面から離れる方向に延在し、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記基部プレートに対して横方向に配向されているレセプタク側壁と、前記レセプタクル側壁に対して横方向に配向されているレセプタク後壁とを備え、前記レセプタク側壁および前記レセプタク後壁は、空洞を画定する、少なくとも1つのレセプタクルと、
前記基部プレートと被覆関係において位置付けられている搭載プレートと、
前記搭載プレートから突出しているボスであって、前記ボスは、ボ側壁後壁とを備え、前記ボ側壁および前記ボ後壁は、陥凹部を画定し、前記ボスは、前記空洞内に受容され、かつ、前記レセプタク側壁と前記ボ側壁との間に側隙間を有する、ボスと、
前記空洞の中に延在し、かつ前記陥凹部の中に延在す第1の端部を有す締結具であって、前記締結具は、前記外側表面から離れるよう前記レセプタク後壁から突出している第2の端部を有し、前記締結具は、前記搭載プレートを前記基部プレートに固着する、締結具と
を備える、ブラケットアセンブリ。
【請求項2】
前記締結具は、前記第2の端部において、拡大された頭部を含む、請求項1に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項3】
前記締結具の前記第1の端部は、前記ボス内の第1のボス孔を通して、前記陥凹部の中に延在し、前記第1のボス孔は、ボス孔径を有し、
前記締結具は、締結具径を有し、前記締結具径と前記ボス孔径との間の差異は、締結隙間を含み、
前記側隙間は、前記締結隙間よりも小さく前記搭載プレートの平面において作用する外部荷重は、主に、前記ボ側壁と前記レセプタク側壁との間の接触を通して相殺される、請求項2に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項4】
前記側隙間は、実質的にゼロである、請求項3に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記レセプタクル後壁内に第1のレセプタクル孔をさらに含み、前記第1のレセプタクル孔は、レセプタクル孔径を有し、
前記締結具の前記第1の端部は、ねじ山付きシャフトを備え、
前記ねじ山付きシャフト上の第1のナットは、前記レセプタク後壁に係合し、
前記ねじ山付きシャフト上の第2のナットは、前記陥凹部内の前記ボ後壁に係合し、前記レセプタク後壁および前記ボ後壁は、前記第1のナットと第2のナットとの間に捕捉される、請求項3に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項6】
前記ブラケットアセンブリは、前記第2のナットと前記ボ後壁との間に位置付けられている低摩擦ワッシャをさらに備える、請求項5に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項7】
前記ボスは、円筒形状を有し、前記少なくとも1つのレセプタクルは、円筒形状を有する、請求項1に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項8】
前記搭載プレートは前記外側表面に取り付けられている固定具をさらに備える、請求項1に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項9】
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出しているつまみを備える、請求項8に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項10】
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出している梁を備える、請求項8に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項11】
前記固定具は、前記搭載プレートから横方向に突出している支持支柱を備える、請求項8に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項12】
壁上に搭載可能なブラケットアセンブリであって、前記ブラケットアセンブリは、
外側表面と、反対側に配置されている裏側表面とを有す基部プレートと、
前記裏側表面に取り付けられている複数のレセプタクルであって、前記複数のレセプタクルは、前記外側表面から離れる方向に延在し、前記複数のレセプタクルそれぞれは、前記基部プレートに対して横方向に配向されているレセプタク側壁と、前記レセプタク側壁に対して横方向に配向されているレセプタク後壁とを備え、前記複数のレセプタクルのそれぞれの前記レセプタク側壁および前記レセプタク後壁は、個別の空洞を画定する、複数のレセプタクルと、
前記基部プレートと被覆関係において位置付けられている搭載プレートと、
前記搭載プレートから突出している複数のボスであって、前記複数のボスのそれぞれは、ボ側壁後壁とを備え、前記ボ側壁および前記ボ後壁は、陥凹部を画定し、前記複数のボスのそれぞれは、前記空洞のうちの1つの中に受容され、かつ、前記レセプタク側壁と前記ボ側壁との間に側隙間を有する、複数のボスと、
複数の締結具であって、前記複数の締結具のそれぞれは、第1のレセプタクル孔を通し前記空洞のうちの1つの中に延在し、かつボス孔を通し前記陥凹部のうちの1つの中に延在す第1の端部を有し、前記複数の締結具のそれぞれは、締結具径を有し、前記複数の締結具のそれぞれは、前記外側表面から離れるよう前記レセプタク後壁のうちの1つから突出している第2の端部を有し、前記複数の締結具は、前記搭載プレートを前記基部プレートに固着する、複数の締結具と
を備え、
前記複数のボスのそれぞれは、前記空洞の中に前記複数のボスのそれぞれが受容されるように前記空洞関連してサイズ設定されており、前記複数のボスのそれぞれにおける前記ボス孔は、前記締結具径関連してサイズ設定されており、前記搭載プレートの平面において作用する外部荷重は、主に、前記ボスと前記レセプタク側壁との間の接触を通して相殺される、ブラケットアセンブリ。
【請求項13】
前記ボス孔のそれぞれは、ボス孔径を備え、
前記締結具径と前記ボス孔径との間の差異は、締結隙間を含み、
前記側隙間は、前記締結隙間よりも小さい、請求項12に記載のブラケットアセンブリ
【請求項14】
前記複数のボスのそれぞれ1つにおける前記ボス孔のそれぞれ1つは、前記締結具径よりも大きいボス孔径を有する、請求項13に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項15】
前記複数のボスのそれぞれは、円筒形状を有し、前記複数のレセプタクルのそれぞれは、円筒形状を有する、請求項12に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項16】
前記複数のボスのそれぞれは、ボス外径を有し、
前記複数のレセプタクルのそれぞれは、レセプタクル内径を有し、
前記ボス外径のそれぞれは、前記ボスを受容す前記空洞の前記レセプタクル内径のそれぞれに実質的に等しい、請求項15に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項17】
前記複数のレセプタクルのそれぞれは前記レセプタクル後壁内に第1のレセプタクル孔をさらに含み、前記第1のレセプタクル孔は、レセプタクル孔径を有し、
前記締結具の前記第1の端部は、ねじ山付きシャフトを備え、
前記ねじ山付きシャフト上の第1のナットは、前記レセプタク後壁に係合し、
前記ねじ山付きシャフト上の第2のナットは、前記陥凹部内の前記ボ後壁に係合し、前記レセプタク後壁および前記ボ後壁は、前記第1のナットと第2のナットとの間に捕捉される、請求項12に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項18】
前記ブラケットアセンブリは、前記第2のナットと前記ボ後壁との間に位置付けられている低摩擦ワッシャをさらに備える、請求項17に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項19】
前記搭載プレートは前記外側表面に取り付けられている固定具をさらに備える、請求項12に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項20】
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出しているつまみを備える、請求項19に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項21】
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出している梁を備える、請求項19に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項22】
前記固定具は、前記搭載プレートから横方向に突出している支持支柱を備える、請求項19に記載のブラケットアセンブリ。
【請求項23】
設備であって、前記設備は、
壁と、
前記壁上に搭載されている少なくとも1つのブラケットアセンブリと
を備え、
前記少なくとも1つのブラケットアセンブリは、
外側表面と、反対側に配置されている裏側表面とを有す基部プレートと、
前記裏側表面に取り付けられている少なくとも1つのレセプタクルであって、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記外側表面から離れる方向に延在し、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記基部プレートに対して横方向に配向されているレセプタク側壁と、前記レセプタクル側壁に対して横方向に配向されているレセプタク後壁とを備え、前記レセプタク側壁および前記レセプタク後壁は、空洞を画定する、少なくとも1つのレセプタクルと、
前記基部プレートと被覆関係において位置付けられている搭載プレートと、
前記搭載プレートから突出しているボスであって、前記ボスは、ボ側壁後壁とを備え、前記ボ側壁および前記ボ後壁は、陥凹部を画定し、前記ボスは、前記空洞内に受容され、かつ、前記レセプタク側壁と前記ボ側壁との間に側隙間を有する、ボスと、
前記空洞の中に延在し、かつ前記陥凹部の中に延在す第1の端部を有す締結具であって、前記締結具は、前記外側表面から離れるよう前記レセプタク後壁から突出している第2の端部を有し、前記締結具は、前記搭載プレートを前記基部プレートに固着する、締結具と
を備える、設備。
【請求項24】
前記締結具の前記第1の端部は、前記ボス内の第1のボス孔を通して、前記陥凹部の中に延在し、前記ボス孔は、第1のボス孔径を有し、
前記締結具は、締結具径を有し、前記締結具径と前記ボス孔径との間の差異は、締結隙間を含み、
前記側隙間は、前記締結隙間よりも小さく前記搭載プレートの平面において作用する外部荷重は、主に、前記ボ側壁と前記レセプタク側壁との間の接触を通して相殺される、請求項23に記載の設備。
【請求項25】
前記基部プレートは、前記壁の表面とぴったり重なって位置付けられている、請求項23に記載の設備。
【請求項26】
前記壁は、コンクリートを含み、前記基部プレートは、前記壁の現場打設の際に、前記コンクリート内に埋設される、請求項23に記載の設備。
【請求項27】
前記搭載プレートは前記搭載プレートに対して横方向に突出しているつまみ、または、前記搭載プレートに対して横方向に突出している梁、または前記搭載プレートから横方向に突出している支持支柱のうちの1つをさらに備える、請求項23に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その出願が参照することによって本明細書に組み込まれる、2020年11月5日に出願された、米国仮出願第US63/109,930号に基づいており、その優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、構造上の構成要素を支持するためのブラケットに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
建物内の壁および天井スラブ等の鉄筋コンクリートの構造要素上の配管要素または重電もしくは機械的機器等の支持構成要素は、種々の課題を提示する。本課題は、構造要素が、鉄筋および現場打設コンクリートを備えるとき、より困難である。鉄骨構造(すなわち、ブラケット)をコンクリートに接続するために、2つの一般的な方法が、存在する。1つの方法は、コンクリートが、構築された後に、係留具を配設することである。しかしながら、そのような後配設コンクリート係留具は、コンクリート内に係留具ボルト孔を穿設するとき、鉄筋に衝打するリスクを冒すであろう。後配設コンクリート係留具は、概して、低容量かつ複雑な配設手順を有する。加えて、そのような穿設は、コンクリート要素を容認不可能なほどに弱化し、可能性として、建物の構造的完全性を損なわせ得る。他の鉄骨とコンクリートとの接続方法は、コンクリートが、固まった後に、コンクリート内に鋼板を埋設し、暴露された鋼板にブラケットを溶接するものである。しかしながら、本方法は、現場での膨大な量の溶接を要求するであろう。溶接からの熱は、潜在的に、鋼鉄が埋設された板の後方のコンクリートを損傷させ得る。現場打設後のブラケットの追加を回避するために、型枠と一体化されたブラケットを用いて、コンクリートを現場打設することが、検討され得るが、しかしながら、型枠を通して何も突出し得ないため、これは、概ね、非実践的であると見なされる。鉄筋コンクリート構造のためのブラケットを改良するための機会が、明確に存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
一側面では、本発明は、壁上に搭載可能なブラケットアセンブリに関する。例示的実施形態では、ブラケットアセンブリは、外側表面と、反対側に配置される裏側表面とを有する、基部プレートを備える。少なくとも1つのレセプタクルは、裏側表面に取り付けられ、外側表面から離れる方向に延在する。少なくとも1つのレセプタクルは、基部プレートに対して横方向に配向される、レセプタクルの側壁と、レセプタクルの側壁に対して横方向に配向される、レセプタクルの後壁とを備える。レセプタクルの側壁およびレセプタクルの後壁は、空洞を画定する。搭載プレートが、基部プレートと被覆関係において位置付けられる。ボスは、搭載プレートから突出する。ボスは、搭載プレートに対して横方向に配向される、ボスの側壁と、ボスの側壁に対して横方向に配向される、ボスの後壁とを備える。ボスの側壁およびボスの後壁は、陥凹部を画定する。ボスは、空洞内に受容され、その中で、ボスの側壁とレセプタクルの側壁との間に側壁の隙間を画定する。締結具は、空洞の中に、かつ陥凹部の中に延在する、第1の端部を有する。締結具は、レセプタクルの後壁から、外側表面から離れる方向に突出する、第2の端部を有する。締結具は、搭載プレートを基部プレートに固着する。締結具の第1の端部は、レセプタクルの後壁内の第1のレセプタクル孔を通して、空洞の中に、かつボスの後壁内の第1のボス孔を通して、陥凹部の中に延在する。締結具は、第1のボス孔内に位置付けられるとき、締結具と第1のボス孔との間の締結具の隙間を画定する。側壁の隙間は、締結具の隙間よりも小さく、したがって、搭載プレートに平行な外部荷重は、主に、ボスの側壁とレセプタクルの側壁との間の接触を通して、相殺されるであろう。
【0005】
例示的実施形態では、第1のボス孔は、締結具の第1の端部の締結具径よりも大きいボス孔径を有する。さらに、実施例として、ボス外径は、空洞のレセプタクル内径に実質的に等しい。特定の実施例では、締結具の第1の端部は、ねじ山付きシャフトを備える。ねじ山付きシャフト上の第1のナットは、レセプタクルの後壁に係合する。ねじ山付きシャフト上の第2のナットは、陥凹部内のボスの後壁に係合する。レセプタクルの後壁およびボスの後壁は、第1のナットと第2のナットとの間に捕捉される。
【0006】
例示的実施形態では、空洞は、円筒形状を有する。さらに、実施例として、ボスは、円筒形状を有する。ある実施例では、締結具の第2の端部は、拡大された頭部を備える。また、実施例として、搭載プレートはさらに、それに取り付けられる固定具を備えてもよい。固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、つまみを備えてもよく、または固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、梁を備えてもよい。加えて、固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、支持支柱を備えてもよい。
【0007】
本発明はさらに、壁上に搭載可能なブラケットアセンブリを包含する。ある実施例では、ブラケットアセンブリは、外側表面と、反対側に配置される裏側表面とを有する、基部プレートを備える。複数のレセプタクルは、裏側表面に取り付けられ、外側表面から離れる方向に延在する。各レセプタクルは、基部プレートに対して横方向に配向される、レセプタクルの側壁と、レセプタクルの側壁に対して横方向に配向される、レセプタクルの後壁とを備える。各レセプタクルのレセプタクルの側壁およびレセプタクルの後壁は、個別の空洞を画定する。搭載プレートが、基部プレートと被覆関係において位置付けられる。複数のボスは、搭載プレートから突出する。各ボスは、搭載プレートに対して横方向に配向される、ボスの側壁と、ボスの側壁に対して横方向に配向される、ボスの後壁とを備え、陥凹部を画定する。各ボスは、空洞のうちの1つの中に受容される。各締結具は、空洞のうちの1つの中に、かつ陥凹部のうちの1つの中に延在する、第1の端部を有する。各締結具は、後壁のうちの個別の1つから、外側表面から離れた方向に突出する、第2の端部を有する。締結具は、搭載プレートを基部プレートに固着する。
【0008】
さらに、実施例として、締結具のそれぞれの第1の端部は、レセプタクルの後壁のうちの個別の1つの中のレセプタクル孔のうちの個別の1つを通して、空洞のうちの個別の1つの中に延在する。各第1の端部は、ボスのそれぞれの中のボス孔のうちの個別の1つを通して、陥凹部のうちの個別の1つの中に延在する。各ボスは、その中にそれが受容される、空洞と関連してサイズ指定され、各ボス内の各ボス孔は、ボスの陥凹部の中に延在する、締結具の第1の端部と関連してサイズ指定され、それにより、搭載プレートの平面において作用する外部荷重は、主に、ボスとレセプタクルの側壁との間の接触を通して、相殺されるであろう。
【0009】
特定の実施例では、ボスのそれぞれ1つの中のボス孔のそれぞれ1つは、各ボスの中に延在する、締結具の締結具径よりも大きいボス孔径を有する。さらに、実施例として、各ボスのボス外径は、ボスを受容する、空洞のレセプタクル内径に実質的に等しい。特に、実施例として、締結具のそれぞれ1つの第1の端部は、ねじ山付きシャフトを備える。各締結具に関して、ねじ山付きシャフト上の第1のナットは、その中に締結具が延在する、レセプタクルのレセプタクルの後壁に係合し、各締結具に関して、ねじ山付きシャフト上の第2のナットは、その中に締結具が延在する、陥凹部内のボスの後壁に係合する。各レセプタクルの後壁およびボスの後壁は、各締結具上の第1のナットと第2のナットとの間に捕捉される。
【0010】
例示的実施形態では、各空洞は、円筒形状を有し、各ボスは、円筒形状を有する。さらなる実施例では、各締結具の第2の端部は、拡大された頭部を備える。実施例として、搭載プレートはさらに、それに取り付けられる固定具を備えてもよい。特定の実施例では、固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、つまみを備える。別の実施例では、固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、梁を備える。固定具はさらに、搭載プレートに対して横方向に突出する、支持支柱を備えてもよい。
【0011】
本発明はまた、設備も包含する。ある実施例では、設備は、壁を備える。少なくとも1つのブラケットアセンブリが、壁に搭載される。実施例として、少なくとも1つのブラケットアセンブリは、外側表面と、反対側に配置される裏側表面とを有する、基部プレートを備える。少なくとも1つのレセプタクルは、裏側表面に取り付けられ、外側表面から離れる方向に延在する。少なくとも1つのレセプタクルは、基部プレートに対して横方向に配向される、レセプタクルの側壁と、レセプタクルの側壁に対して横方向に配向される、レセプタクルの後壁とを備える。レセプタクルの側壁およびレセプタクルの後壁は、空洞を画定する。搭載プレートが、基部プレートと被覆関係において位置付けられる。ボスは、搭載プレートから突出する。ボスは、搭載プレートに対して横方向に配向される、ボスの側壁と、ボスの側壁に対して横方向に配向される、ボスの後壁とを備え、陥凹部を画定する。ボスは、空洞内に受容される。締結具は、空洞の中に、かつ陥凹部の中に延在する、第1の端部を有する。締結具は、レセプタクルの後壁から、かつ壁の中に突出する、第2の端部を有する。締結具は、搭載プレートを基部プレートに、かつ基部プレートを壁に固着する。ある実施例では、基部プレートは、壁の表面とぴったり重なって位置付けられる。さらに、実施例として、搭載プレートは、壁の表面とぴったり重なって位置付けられる。例示的実施形態では、壁は、コンクリートを備え、基部プレートは、壁の現場打設の際に、コンクリート内に埋設される。
【0012】
例示的設備では、締結具の第1の端部は、レセプタクルの後壁内のレセプタクル孔を通して、空洞の中に、かつボスの後壁内のボス孔を通して、陥凹部の中に延在する。ボスは、空洞と関連してサイズ指定され、ボス内のボス孔は、締結具径と関連してサイズ指定され、それにより、搭載プレートに対して平行に作用する外部荷重は、主に、ボスの側壁とレセプタクルの側壁との間の接触を通して、相殺されるであろう。ある例示的実施形態では、ボス孔径は、締結具径よりも大きい。ボス外径は、実施例として、空洞のレセプタクル内径に実質的に等しい。さらに、実施例として、締結具の第1の端部は、ねじ山付きシャフトを備える。ねじ山付きシャフト上の第1のナットが、レセプタクルの後壁に係合する。ねじ山付きシャフト上の第2のナットが、陥凹部内のボスの後壁に係合する。レセプタクルの後壁およびボスの後壁は、第1のナットと第2のナットとの間に捕捉される。例示的施形態では、空洞は、円筒形状を有する。さらに、実施例として、ボスは、円筒形状を有する。特定の実施例では、締結具の第2の端部は、拡大された頭部を備える。
【0013】
本発明による例示的設備では、搭載プレートはさらに、それに取り付けられる固定具を備えてもよい。実施例として、固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、つまみを備えてもよく、または固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、梁を備えてもよい。別の実施例では、固定具は、搭載プレートに対して横方向に突出する、支持支柱を備えてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
壁上に搭載可能なブラケットアセンブリであって、前記ブラケットアセンブリは、
外側表面と、反対側に配置される裏側表面とを有する、基部プレートと、
前記裏側表面に取り付けられ、前記外側表面から離れる方向に延在する、少なくとも1つのレセプタクルであって、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記基部プレートに対して横方向に配向される、レセプタクルの側壁と、前記側壁に対して横方向に配向される、レセプタクルの後壁とを備え、前記レセプタクルの側壁および前記レセプタクルの後壁は、空洞を画定する、少なくとも1つのレセプタクルと、
前記基部プレートと被覆関係において位置付けられる、搭載プレートと、
前記搭載プレートから突出するボスであって、前記ボスは、ボスの側壁と、ボスの後壁とを備え、前記ボスの側壁および前記ボスの後壁は、陥凹部を画定し、前記ボスは、前記空洞内に受容され、前記レセプタクルの側壁と前記ボスの側壁との間に側壁の隙間を有する、ボスと、
前記空洞の中に、かつ前記陥凹部の中に延在する、第1の端部を有する、締結具であって、前記締結具は、前記外側表面から離れるように、前記レセプタクルの後壁から突出する、第2の端部を有し、前記締結具は、前記搭載プレートを前記基部プレートに固着する、締結具と
を備える、ブラケットアセンブリ。
(項目2)
前記締結具は、前記第2の端部において、拡大された頭部を含む、項目1に記載のブラケットアセンブリ。
(項目3)
前記締結具の前記第1の端部は、前記ボス内の第1のボス孔を通して、前記陥凹部の中に延在し、前記第1のボス孔は、ボス孔径を有し、
前記締結具は、締結具径を有し、前記締結具径と前記ボス孔径との間の差異は、締結具の隙間を含み、
前記側壁の隙間は、前記締結具の隙間よりも小さく、それにより、前記搭載プレートの平面において作用する外部荷重は、主に、前記ボスの側壁と前記レセプタクルの側壁との間の接触を通して、相殺されるであろう、項目2に記載のブラケットアセンブリ。
(項目4)
前記側壁の隙間は、実質的にゼロである、項目3に記載のブラケットアセンブリ。
(項目5)
前記ボスはさらに、前記ボスの後壁上に、第1のレセプタクル孔を含み、前記第1のレセプタクル孔は、レセプタクル孔径を有し、
前記締結具の前記第1の端部は、ねじ山付きシャフトを備え、
前記ねじ山付きシャフト上の第1のナットは、前記レセプタクルの後壁に係合し、
前記ねじ山付きシャフト上の第2のナットは、前記陥凹部内の前記ボスの後壁に係合し、前記レセプタクルの後壁および前記ボスの後壁は、前記第1のナットと第2のナットとの間に捕捉される、項目3に記載のブラケットアセンブリ。
(項目6)
前記第2のナットと前記ボスの後壁との間に位置付けられる、低摩擦ワッシャをさらに備える、項目5に記載のブラケットアセンブリ。
(項目7)
前記ボスは、円筒形状を有し、前記少なくとも1つのレセプタクルは、円筒形状を有する、項目1に記載のブラケットアセンブリ。
(項目8)
前記搭載プレートはさらに、前記外側表面に取り付けられる、固定具を備える、項目1に記載のブラケットアセンブリ。
(項目9)
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出する、つまみを備える、項目8に記載のブラケットアセンブリ。
(項目10)
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出する、梁を備える、項目8に記載のブラケットアセンブリ。
(項目11)
前記固定具は、前記搭載プレートから横方向に突出する、支持支柱を備える、項目8に記載のブラケットアセンブリ。
(項目12)
壁上に搭載可能なブラケットアセンブリであって、前記ブラケットアセンブリは、
外側表面と、反対側に配置される裏側表面とを有する、基部プレートと、
前記裏側表面に取り付けられ、前記外側表面から離れる方向に延在する、複数のレセプタクルであって、複数のレセプタクルはそれぞれ、前記基部プレートに対して横方向に配向される、レセプタクルの側壁と、前記レセプタクルの側壁に対して横方向に配向される、レセプタクルの後壁とを備え、各前記レセプタクルの前記レセプタクルの側壁および前記レセプタクルの後壁は、個別の空洞を画定する、複数のレセプタクルと、
前記基部プレートと被覆関係において位置付けられる、搭載プレートと、
前記搭載プレートから突出する複数のボスであって、前記複数のボスのそれぞれは、ボスの側壁と、ボスの後壁とを備え、前記ボスの側壁および前記ボスの後壁は、陥凹部を画定し、前記複数のボスのそれぞれは、前記空洞のうちの1つの中に受容され、前記レセプタクルの側壁と前記ボスの側壁との間に側壁の隙間を有する、複数のボスと、
複数の締結具であって、各前記締結具は、第1のレセプタクル孔を通して、前記空洞のうちの1つの中に、かつ第1のボス孔を通して、前記陥凹部のうちの1つの中に延在する、第1の端部を有し、前記複数の締結具のそれぞれは、締結具径を有し、前記複数の締結具のそれぞれは、前記外側表面から離れるように、前記レセプタクルの後壁のうちの1つから突出する、第2の端部を有し、前記締結具は、前記搭載プレートを前記基部プレートに固着する、複数の締結具と
を備え、
前記ボスのそれぞれは、その中にそれが受容される、前記空洞と関連してサイズ指定され、前記複数のボスのそれぞれにおける前記ボス孔は、前記締結具径と関連してサイズ設定され、それにより、前記搭載プレートの平面において作用する外部荷重は、主に、前記ボスと前記レセプタクルの前記側壁との間の接触を通して、相殺されるであろう、ブラケットアセンブリ。
(項目13)
前記ボス孔のそれぞれは、ボス孔径を備え、
前記締結具径と前記ボス孔径との間の差異は、締結具の隙間を含み、
前記側壁の隙間は、前記締結具の隙間よりも小さい、項目12に記載のブラケットアセンブリ
(項目14)
前記ボスのそれぞれ1つにおける前記ボス孔のそれぞれ1つは、前記締結具径よりも大きいボス孔径を有する、項目13に記載のブラケットアセンブリ。
(項目15)
前記複数のボスのそれぞれは、円筒形状を有し、前記複数のレセプタクルのそれぞれは、円筒形状を有する、項目12に記載のブラケットアセンブリ。
(項目16)
前記複数のボスのそれぞれは、ボス外径を有し、
前記複数のレセプタクルのそれぞれは、レセプタクル内径を有し、
前記ボス外径のそれぞれは、前記ボスを受容する、前記空洞の前記レセプタクル内径のそれぞれに実質的に等しい、項目15に記載のブラケットアセンブリ。
(項目17)
前記複数のボスのそれぞれはさらに、前記ボスの後壁上に、第1のレセプタクル孔を含み、前記第1のレセプタクル孔は、レセプタクル孔径を有し、
前記締結具の前記第1の端部は、ねじ山付きシャフトを備え、
前記ねじ山付きシャフト上の第1のナットは、前記レセプタクルの後壁に係合し、
前記ねじ山付きシャフト上の第2のナットは、前記陥凹部内の前記ボスの後壁に係合し、前記レセプタクルの後壁および前記ボスの後壁は、前記第1のナットと第2のナットとの間に捕捉される、項目12に記載のブラケットアセンブリ。
(項目18)
前記第2のナットと前記ボスの後壁との間に位置付けられる、低摩擦ワッシャをさらに備える、項目17に記載のブラケットアセンブリ。
(項目19)
前記搭載プレートはさらに、前記外側表面に取り付けられる、固定具を備える、項目12に記載のブラケットアセンブリ。
(項目20)
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出する、つまみを備える、項目19に記載のブラケットアセンブリ。
(項目21)
前記固定具は、前記搭載プレートに対して横方向に突出する、梁を備える、項目19に記載のブラケットアセンブリ。
(項目22)
前記固定具は、前記搭載プレートから横方向に突出する、支持支柱を備える、項目19に記載のブラケットアセンブリ。
(項目23)
設備であって、前記設備は、
壁と、
前記壁上に搭載される、少なくとも1つのブラケットアセンブリと
を備え、
前記少なくとも1つのブラケットアセンブリは、
外側表面と、反対側に配置される裏側表面とを有する、基部プレートと、
前記裏側表面に取り付けられ、前記外側表面から離れる方向に延在する、少なくとも1つのレセプタクルであって、前記少なくとも1つのレセプタクルは、前記基部プレートに対して横方向に配向される、レセプタクルの側壁と、前記側壁に対して横方向に配向される、レセプタクルの後壁とを備え、前記レセプタクルの側壁および前記レセプタクルの後壁は、空洞を画定する、少なくとも1つのレセプタクルと、
前記基部プレートと被覆関係において位置付けられる、搭載プレートと、
前記搭載プレートから突出するボスであって、前記ボスは、ボスの側壁と、ボスの後壁とを備え、前記ボスの側壁および前記ボスの後壁は、陥凹部を画定し、前記ボスは、前記空洞内に受容され、前記レセプタクルの側壁と前記ボスの側壁との間に側壁の隙間を有する、ボスと、
前記空洞の中に、かつ前記陥凹部の中に延在する、第1の端部を有する、締結具であって、前記締結具は、前記外側表面から離れるように、前記レセプタクルの後壁から突出する、第2の端部を有し、前記締結具は、前記搭載プレートを前記基部プレートに固着する、締結具と
を備える、設備。
(項目24)
前記締結具の前記第1の端部は、前記ボス内の第1のボス孔を通して、前記陥凹部の中に延在し、前記ボス孔は、第1のボス孔径を有し、
前記締結具は、締結具径を有し、前記締結具径と前記ボス孔径との間の差異は、締結具の隙間を含み、
前記側壁の隙間は、前記締結具の隙間よりも小さく、それにより、前記搭載プレートの平面において作用する外部荷重は、主に、前記ボスの側壁と前記レセプタクルの側壁との間の接触を通して、相殺されるであろう、項目23に記載の設備。
(項目25)
前記基部プレートは、前記壁の表面とぴったり重なって位置付けられる、項目23に記載の設備。
(項目26)
前記壁は、コンクリートを含み、前記基部プレートは、前記壁の現場打設の際に、前記コンクリート内に埋設される、項目23に記載の設備。
(項目27)
前記搭載プレートはさらに、前記搭載プレートに対して横方向に突出するつまみ、前記搭載プレートに対して横方向に突出する梁、または前記搭載プレートから横方向に突出する支持支柱のうちの1つを備える、項目23に記載の設備。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明による、例示的ブラケットアセンブリの等角図である。
【0015】
図2図2は、図1に示される、ブラケットアセンブリの分解等角図である。
【0016】
図3図3は、下から見た、図2に示される、ブラケットアセンブリの分解等角図である。
【0017】
図4図4は、図2および3に示される、基部プレートおよび締結具の分解図である。
【0018】
図5図5は、下から見た、図1に示される、例示的ブラケットアセンブリの等角図である。
【0019】
図6図6は、本発明による、例示的ブラケットアセンブリの断面図である。
【0020】
図7図7は、図6に示される、断面図の詳細である。
【0021】
図8図8は、本発明による、例示的設備の断面図である。
【0022】
図9図9は、本発明による、例示的設備のアセンブリを図示する、断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(詳細な説明)
図1-5は、本開示による、例示的ブラケットアセンブリ10を示す。ブラケットアセンブリ10は、外側表面14(図2)と、相互から反対側に配置される裏側表面16(図3)とを有する、基部プレート12を備える。本例示的ブラケットアセンブリ10では、複数のレセプタクル18が、裏側表面16に取り付けられる。レセプタクル18は、外側表面14から離れる方向に延在する。図3に示されるように、各レセプタクル18は、基部プレート12に対して横方向に配向される、レセプタクルの側壁20と、レセプタクルの側壁20に対して横方向に配向される、レセプタクル後壁22とを備える。レセプタクルの側壁20およびレセプタクルの後壁22は、空洞24を画定する。本実施例では、図1-4に示されるように、レセプタクルの側壁20は、連続的であり、円筒形状を有する、空洞24を画定する。他の形状も、実現可能であるが、円筒形状は、その縦軸を中心とする、その対称性に起因して、有利であると見なされる。空洞24の本対称性は、剪断荷重の方向にかかわらず、基部プレート12の平面において課される、剪断荷重の均一な分散を可能にする。複数のレセプタクル18のそれぞれは、空洞24の内部幅を表す、レセプタクル内径25を画定する。複数のレセプタクル18が円筒形でない実施例では、レセプタクル内径25は、空洞24のレセプタクル内部幅によって画定されることができる。
【0024】
搭載プレート26が、基部プレート12と被覆関係において位置付けられる。図2および3に示されるように、少なくとも1つのボス(但し、本実施例では、複数のボス)28が、搭載プレート26から突出する。図1、5、および6に示されるように、各ボス28は、基部プレート12の個別の空洞24内に受容される。各ボス28は、個別の陥凹部30を画定する、ボスの側壁27と、ボスの後壁29とを含む。レセプタクル18によって画定される、空洞24と同様に、各ボス28は、有利なこととして、円筒形断面形状を有し、この場合も先と同様に、下記に解説されるように、基部プレート12の平面における剪断荷重を分散させる。複数のボス28のそれぞれは、ボス28の外部幅を表す、ボス外径31を画定する。複数のボス28が円筒形ではない実施例では、ボス外径31は、ボス外部幅によって画定されることができる。
【0025】
図1-6に示されるように、アセンブリ10はまた、複数の締結具32も備える。各締結具32は、個別のレセプタクル18の空洞24の中に、かつさらに空洞内に受容される、ボス28によって画定される、陥凹部30の中に延在する、第1の端部34を有する。各締結具32はまた、レセプタクル18の後壁22から、基部プレート12の外側表面14から離れる方向に突出する、第2の端部36も有する。各締結具はまた、締結具32のシャフト幅を備える、締結具径33によっても画定される。有利なこととして、各締結具32の第2の端部36は、拡大された頭部38を備え得、下記に説明されるように、締結具32が、アセンブリ10を壁等の構造に固着することをより良好に可能にする。締結具32はまた、搭載プレート26を基部プレート12にも固着する。基部プレート12への搭載プレート26の取付は、本実施例では、各締結具32の第1の端部34を備える、ねじ山付きシャフト40を使用して達成される。各ねじ山付きシャフト40上の第1のナット42が、各レセプタクル18のレセプタクルの後壁22に係合し、各ねじ山付きシャフト40上の第2のナット44が、各陥凹部30内のボスの後壁29に係合する。後壁22およびボス28は、したがって、各シャフト40上の第1および第2のナット42と44との間に捕捉される。
【0026】
本開示によるブラケットアセンブリ10の目的は、ブラケットアセンブリが、壁ならびに配管要素および同等物等の支持構成要素上に搭載されるときに課される、剪断力および引張力のための別個の荷重経路を提供することである。本開示によるブラケットアセンブリは、締結具32が、引張力(搭載プレートおよび基部プレート26および12に対して法線の力)のみを被り、剪断力(搭載プレートおよび基部プレート26および12の平面における力)が、ボス28とレセプタクル18との間の相互作用によって相殺されるように設計される。締結具32を剪断荷重から隔離することによって、本開示によるブラケットアセンブリ10は、締結具が剪断および張力の両方における組み合わせ応力を受ける、ブラケットと比較したとき、より小さいかつより軽い構成要素を使用して、より大きい荷重をより効率的に担持することができるであろう。本開示によるブラケットアセンブリ10は、実践的な設計において、締結具によって被られる、任意の剪断荷重が、重要性が低いものにすぎないものとして大部分が無視され得る、二次効果であるであろうため、剪断荷重からの締結具32の完全な隔離が、実践的に達成不可能である場合であっても、有効であろう。
【0027】
図6および7に示されるように、本目的を達成するために、各締結具32の第1の端部34は、各レセプタクルの後壁22内の第1のレセプタクル孔46を通して、各レセプタクル18の空洞24の中に延在する。各レセプタクル孔46は、レセプタクル孔径47によって画定される。第1端部34はまた、各ボス内の第1のボス孔48を通して、各ボス28の陥凹部30の中にも延在する。各第1のボス孔48は、ボス孔径49によって画定される。各ボス28は、その中にそれが受容される、空洞24と関連してサイズ指定される。各ボス内の第1のボス孔48は、それを通して延在する、締結具32の第1端部34と関連してサイズ指定される。ボス28および第1のボス孔48のサイズ指定は、搭載プレート26の平面において作用する、外部荷重が、主に、ボス28とレセプタクル18の側壁20との間の接触を通して、相殺されるであろうようにある。本効果は、各締結具32の第1の端部34の直径よりも大きい直径を有するために、各第1のボス孔48をサイズ指定することによって達成される。ボス孔径49と締結具径33との間の差異は、締結具の隙間51を画定する(図7参照)。本効果は、各ボス28の外径(ボス外径31)が、その中にそれが受容される、空洞24の内径(レセプタクル内径25)に実質的に等しい場合、さらに拡張されるであろう。一実施例では、レセプタクル孔径47は、ボス孔径49に等しい。ボス外径31とレセプタクル内径25との間の差異は、側壁の隙間53を含む。本明細書において使用されるように、用語「実質的に等しい(substantially equal)」は、ボス28が、レセプタクル18の個別の空洞24内に受容されることを阻止されないように、直径が、十分に近似し得ることを意味する。側壁の隙間53は、締結具の隙間51よりも小さく、それにより、搭載プレート26の平面において作用する外部荷重は、主に、ボスの側壁27とレセプタクルの側壁20との間の接触を通して相殺されるであろう。また、低摩擦材料を備える、またはポリテトラフルオロエチレン等の低摩擦コーティングを有する、低摩擦ワッシャ45等の低摩擦要素を、第2のナット44とボスの後壁29との間に位置付け、ボルト締結界面における剪断荷重の伝達をさらに低減させることも有利である。
【0028】
図6および8は、本発明による、搭載プレート26に取り付けられる、種々のタイプの固定具を備える、ブラケットアセンブリ10のさらなる実施形態を図示する。図6に示されるように、搭載プレート26はさらに、搭載プレートに対して横方向に突出する、つまみ50を備えてもよい。図8では、固定具は、本発明による、1つのブラケットアセンブリ10の搭載プレートに対して横方向に突出する、梁52と、第2のブラケットアセンブリの搭載プレートに対して横方向に突出する、支持支柱54とを備える。他のタイプの固定具も、当然ながら、ブラケットアセンブリ10に取り付けられてもよい。
【0029】
図8および9はさらに、本発明によってまた包含される、設備56を図示する。設備56は、上記に説明されるようなブラケットアセンブリ10と、壁58、例えば、建物の剪断壁(図示せず)とを備える。図9に示される例示的設備では、壁58は、コンクリートを含み、基部プレート12は、壁58の現場打設の際に、コンクリート内に埋設される。締結具32の拡大された頭部38は、コンクリートとの強化された係合を提供し、最大許容可能締結具の張力を増加させる。締結具32は、現場打設の間、第2のナット44を使用して、基部プレート12に保定され、これらのナットは、搭載プレート26のボス28が、レセプタクル18の空洞24の中に挿入され、アセンブリ10を壁58上に搭載する前に、除去される。低摩擦要素、すなわち、ワッシャ45が、次いで、ねじ山付きシャフト40上に設置され、第2のナット44が、次いで、ボスの陥凹部30内のねじ山付きシャフト40上で下方へとトルク付与され、搭載プレート26を基部プレート12に固着する。基部プレート12を、壁58の表面60とぴったり重なって位置付けること(図9)は、有利である。図9に示される実施例はさらに、コンクリート壁58が、現場打設される間、基部プレート12を型枠(図示せず)に固設するために、型枠ねじ61を含んでもよい。図8に示される実施形態では、搭載プレート26は、壁58の表面60とぴったり重なって位置付けられる。
【0030】
本開示は、以下の詳細な説明、実施例、図面、および請求項、ならびにそれらの前述および以下の説明を参照することによって、より容易に理解されることができる。しかしながら、本デバイス、システム、および/または方法が、開示および説明される前に、本発明は、別様に規定されない限り、開示される具体的なデバイス、システム、および/または方法に限定されない、したがって、当然ながら、変動し得ることが理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の側面のみを説明する目的のためにあり、限定的であることを意図しないことも理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9