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特許7577859垂直NORフラッシュ薄膜トランジスタストリング及びその製造プロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】垂直NORフラッシュ薄膜トランジスタストリング及びその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20241028BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241028BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20241028BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2023531649
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 US2021064844
(87)【国際公開番号】W WO2022159232
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】63/139,435
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518109985
【氏名又は名称】サンライズ メモリー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラヤス、ヴィノード
(72)【発明者】
【氏名】大浜 健太
(72)【発明者】
【氏名】能生 陽介
【審査官】脇水 佳弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-504479(JP,A)
【文献】特開2010-130016(JP,A)
【文献】国際公開第2020/086566(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/00
H10B 43/00
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の平坦な面にVNORメモリストリングを形成するためのプロセスであって、
絶縁体層及び犠牲層を備えた複合層を複数設けるステップと、
前記複合層に第1のシャフト及び第2のシャフトを掘削するステップと、
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトの側壁に第2の絶縁体をライニングするステップと、
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトに第1の導電型の第1の半導体材料を充填するステップと、
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトの前記第1の半導体材料の一部を除去するようにして、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトの間の前記複合層を貫通するスロットを掘削するステップと、
前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の第2の半導体材料を前記スロットにコンフォーマルにライニングするステップと、
前記スロットに第3の絶縁体を充填するステップと、
複数の前記複合層を貫通するトレンチを作製するステップと、
前記複合層内において隣接する各絶縁体層の間に空間を設けるべく、前記トレンチを通じて前記犠牲層を除去するステップと、
隣接する前記絶縁体層の間の空間にコンフォーマルな記憶層をライニングするステップと、
隣接する前記絶縁体層の間の空間に導体を充填するステップとを含むプロセス。
【請求項2】
前記複合層における前記絶縁体層、前記第2の絶縁体、及び前記第3の絶縁体がそれぞれ酸化シリコンを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の半導体材料及び前記第2の半導体材料は、それぞれn+ポリシリコン及びp-ポリシリコンを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
前記記憶層が電荷トラップ層を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記電荷トラップ層が、酸化シリコン層、窒化シリコン層、及び酸化シリコン層を備える、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記導体が、窒化チタン(TiN)ライニングされた金属タングステン(W)を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記トレンチに第4の絶縁体を充填するステップをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフト上に分離層を設けるステップと、
前記分離層内に、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトのいずれかに接触する導体充填ビアを形成するステップとをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項9】
前記分離層に、前記導体充填ビアに接触する導体を設けるステップをさらに含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記導体充填ビアを形成する前に、隣接する前記絶縁体層の間の前記複合層内の導体層の上にエッチング停止層を設けるステップをさらに含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項11】
前記複合層の前記犠牲層を除去した後、次いで、前記複合層の前記犠牲層の除去によって空いた空間を拡張するようにして、前記複合層の各絶縁体層の一部を除去するステップをさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記スロットを前記第3の絶縁体で充填する前に、前記第2の半導体材料の側壁に絶縁体ライニングを実施する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
前記スロットの底部において、前記第2の半導体材料を除去するステップをさらに含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトを掘削するステップは、前記第1のシャフト及び前記第2のシャフトがそれぞれ前記半導体基板に到達するように実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
前記スロットを掘削するステップは、前記スロットが前記半導体基板の前記平坦な面の最も近傍の前記複合層の前記絶縁体層に到達するように実施される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項16】
前記複合層を設ける前に、前記半導体基板の前記平坦な面またはその近傍でメモリ動作をサポートするための回路を形成する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項17】
VNORメモリストリングであって、
各々が絶縁体層及び導体層を含む複数の複合層に埋め込まれ、かつ、第1の導電型の第1の半導体材料を含む第1のピラー及び第2のピラーと、
前記複合層に埋め込まれ第3のピラーの外側に設けられた、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の第2の半導体層であって、前記第2の半導体層は、前記第1のピラー及び前記第2のピラーの両方に接触し、かつ前記第3のピラーを前記第1のピラー及び前記第2のピラーの両方から分離する、該第2の半導体層と、
前記第2の半導体層及び前記複合層の各導体層の間に設けられた記憶層とを備える、VNORメモリストリング。
【請求項18】
前記第3のピラーが、前記第2の半導体層によって取り囲まれた第2の絶縁体層をさらに備える、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項19】
前記複合層内の前記絶縁体層はそれぞれ酸化シリコンを含む、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項20】
前記第1の半導体材料及び第2の半導体材料は、それぞれnポリシリコン及びpポリシリコンを含む、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項21】
前記記憶層が電荷トラップ層を含む、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項22】
前記電荷トラップ層は、酸化シリコン層、窒化シリコン層、及び酸化シリコン層を含む、請求項21に記載のVNORメモリストリング。
【請求項23】
前記複合層の前記導体層はそれぞれ、窒化チタン(TiN)ライニングされた金属タングステン(W)を含む、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項24】
分離層と、前記分離層に形成された導体充填ビアとをさらに備え、
前記導体充填ビアは、前記第1のピラー及び前記第2のピラーのいずれかの第1の半導体層に接触する、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項25】
前記複合層内の前記導体層の上にエッチング停止層をさらに備える、請求項24に記載のVNORメモリストリング。
【請求項26】
前記第3のピラーは、半導体基板の平坦な面に最も近傍の前記複合層の前記絶縁体層内に延在する、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項27】
前記第1のピラー及び前記第2のピラーはそれぞれ、半導体基板内に延在する、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【請求項28】
メモリ動作をサポートするための回路が、半導体基板の平坦な面またはその近傍に形成される、請求項17に記載のVNORメモリストリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高密度メモリ回路に関する。特に、本発明は、垂直NORメモリストリングの3次元アレイ、及びそのような3次元アレイの製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
2019年7月3日出願、2020年9月29日公開の「Three-dimensional vertical NOR Flash Thin film Transistor Strings」と題された米国特許第10,790,023号明細書(「'023特許」)は、半導体基板の平坦な面に形成された薄膜ストレージトランジスタの3次元アレイを開示する。'023特許のストレージトランジスタは、半導体基板の平坦な面に実質的に平行な直交方向(「水平」方向)に沿って行及び列に配置されたNORメモリストリングとして編成されている。'023特許の各NORメモリストリングは、共通ビット線及び共通ソース線を共有する多数のストレージトランジスタを含み、各ストレージトランジスタのゲート電極は異なるワード線によって制御される。'023特許に示す例では、各NORメモリストリングの共通ビット線及び共通ワード線は、半導体基板の平坦な面(「垂直」方向)に対して実質的に垂直方向に整列するポリシリコンピラーとして設けられている。該ワード線は垂直方向に沿って積層され、各ワード線は水平方向の一方に沿って縦方向に延在している。本明細書では、'023特許の共通ビット線、共通ワード線、及びワード線の構成を有するNORメモリストリングを「VNORメモリストリング」と称する。
【0003】
「Capacitive-Coupled Non-Volatile Thin-Film Transistor Strings in Three-Dimensional Arrays」と題された米国特許第10,748,629号明細書(以下「'629号特許」)、米国特許出願第16/107,118号明細書は、水平共通ビット線、水平共通ソース線及び垂直ワード線を有するNORメモリストリングを開示する。本明細書では、'629特許の共通ビット線、共通ワード線、及びワード線の構成を有するNORメモリストリングを「HNORメモリストリング」と称する。
【0004】
VNORメモリストリング及びHNORメモリストリングは、いずれも非常に高密度な不揮発性または準不揮発性メモリ回路である。ここでいう不揮発性メモリ回路とは、数十年以上のオーダーのデータ保持期間を有するものであり、準不揮発性メモリ回路とは、数秒から数年の間のデータ保持期間を有するものをいう。これらのメモリ回路を製造するための効率的で、信頼性が高く、かつ歩留まりの高い製造プロセスが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、半導体基板の平坦な面にVNORメモリストリングを形成するプロセスは、以下を含む。(a)絶縁体層及び犠牲層を備える複数の複合層を設けるステップ。(b)複合層に第1のシャフト及び第2のシャフトを掘削するステップ。(c)第1のシャフト及び第2のシャフトの側壁に第2の絶縁体をライニングするステップ。(d)第1のシャフト及び第2のシャフトに第1の導電型の第1の半導体材料を充填するステップ。(e)第1のシャフト及び第2のシャフトの第1の半導体材料の一部を除去するようにして、第1のシャフト及び第2のシャフトの間の複合層を貫通するスロットを掘削するステップ。(f)第1の導電型とは異なる第2の導電型の第2の半導体材料をスロットにコンフォーマルにライニングするステップ。(g)スロットに第3の絶縁体を充填するステップ。(h)複数の複合層を貫通するトレンチを作製するステップ。(i)複合層内において隣接する各絶縁体層の間に空間を設けるべく、トレンチを通じて犠牲層を除去するステップ。(j)隣接する絶縁体層の間の空間にコンフォーマルな記憶層をライニングするステップ。(k)隣接する絶縁体層の間の空間に導体を充填するステップ。複合層の絶縁体層、第2の絶縁体、及び第3の絶縁体は、それぞれ酸化シリコンを含む。第1の半導体材料及び第2の半導体材料は、それぞれnポリシリコン及びpポリシリコンであってもよい。導体は、窒化チタン(TiN)ライニングされた金属タングステン(W)であってもよい。
【0006】
本プロセスはさらに以下を含んでいてもよい。(a)第1のシャフト及び第2のシャフトの上に分離層を設けるステップと、分離層に、第1のシャフト及び第2のシャフトのいずれかに接触する導体充填ビアを形成するステップ。本プロセスは、分離層において、導体充填ビアに接触する導体をさらに設けてもよい。複合層の上部導体層へのショートを避けるため、導体充填ビアを形成する前に、上部導体層の上にエッチング停止層を設けてもよい。
【0007】
本発明の一実施形態によれば、VNORメモリストリングは、(a)絶縁体層及び導体層を含む複数の複合層に埋め込まれ、かつ、第1の導電型の第1の半導体材料を含む第1のピラー及び第2のピラーと、(b)複合層に埋め込まれ、かつ、第1のピラー及び第2のピラーの両方に接触する第3の柱の外側に設けられた、固有または第1の導電型とは異なる第2の導電型のいずれかを備えた第2の半導体層と、(c)第2の半導体層及び複合層の各導体層の間に設けられた記憶層とを備える。第3のピラーは、第2の半導体層によって取り囲まれた第2の絶縁体層を備えていてもよい。第1の半導体材料及び第2の半導体材料は、それぞれnポリシリコン及びpポリシリコンであってもよい。複合層の導体層はそれぞれ、窒化チタン(TiN)ライニングされた金属タングステン(W)を含む。
【0008】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することにより、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による、半導体基板の平坦な面に形成されたモジュール回路101-1及び101-2の上面図である。各モジュール回路は多数のVNORメモリストリングを備える。
図2A】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2B】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2C】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2D】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2E】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2E-1】図2Eに示す構造の他の構造を示す図である。
図2F】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2F-1】図2Fに示す構造の他の構造を示す図である。
図2G】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2G-1】図2Gに示す構造の他の構造を示す図である。
図2H】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2H-1】図2Hに示す構造の他の構造を示す図である。
図2I】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2I-1】図2Iに示す構造の他の構造を示す図である。
図2J】本発明の一実施形態による、モジュール回路101-1及び101-2を製造するためのプロセスを示す図である。
図2J-1】図2Jに示す構造の他の構造を示す図である。
図3A】本発明の他の実施形態による、4つのVNORメモリストリングを備えるユニットセル301を示す図である。
図3B】本発明の他の実施形態による、ユニットセル301をビルディングブロックとして用いて形成された、図3Aのモジュール回路302の上面図である。
【0010】
図の向きを明確にするために、直交座標系を採用した。この直交座標系の下では、Z方向は半導体基板の平坦な面に対して実質的に垂直であり、X方向及びY方向は互いに実質的に直交し、それぞれがZ方向に対して実質的に直交する(それぞれが半導体基板の平坦な面に対して実質的に平行である)。
【0011】
図間の相互参照を容易にするために、図中の同様の要素には同様の参照番号を付している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による、半導体基板の平坦な面に形成されたモジュール回路101-1及び101-2の上面図(すなわち、X-Y平面)であり、各モジュール回路は、多数のVNORメモリストリングを含む。図1に示すように、モジュール回路101-1及び101-2は、それぞれがX方向に沿って分離トレンチ(「スリットトレンチ」)112によって接しており、それぞれがアレイ部103及び階段部102A、102Bを備える。ここでは、アレイ部103は、多数のVNORメモリストリングを備え、階段部102A、102Bはそれぞれ、1以上の相互接続導体層から各VNORメモリストリングのストレージトランジスタを制御するワード線に接続するビア接続を介してVNORメモリストリングのストレージトランジスタにアクセスできる段を含む。ある実施形態では、階段部102Aは、偶数段(平坦な面から2、4、6、...段)のワード線へのビア接続を可能にする段を有し、階段部102Bは、奇数段(平坦な面から1、3、5、7、...段)のワード線へのビア接続を可能にする。図1は、VNORメモリストリングの2つのスタッガードカラム(すなわち、一方のカラムが他方のカラムから130nm程度の所定の距離だけオフセットされているもの)を示す図である。図1では、モジュール回路101-1及び101-2の各々は、ビルディングブロックとしてユニットセルによって実装され、ユニットセルは、Y方向に沿って幅160nm、X方向に沿って幅380nmを有していてもよい。ユニットセル内の各VNORメモリストリングは、半導体基板の平坦な面上の絶縁体層に設けられ、それぞれがZ方向に沿って3次元アレイの底部まで延在するnポリシリコンピラー104、105を備える。もちろん、VNORメモリストリングの数及びそれらの各々の寸法の両方は、例示の目的のみのために設定される。任意の実装は、アレイ部103における任意の適切な数のVNORメモリストリングと、各VNORメモリストリングの要素に対する任意の適切な寸法とを有していてもよい。
【0013】
コンフォーマル絶縁体層106(例えば酸化シリコン)は、nポリシリコンピラー104、105の側壁上に設けられてもよい。nポリシリコンピラー104、105の間には、3次元アレイの底部までZ方向に沿って延在する絶縁体を充填したチャネルスロット109(例えば、酸化シリコン)が設けられる。コンフォーマルに堆積されたpポリシリコン層108は、VNORメモリストリングのストレージトランジスタのチャネル領域となるように指定されており、絶縁体で充填されたチャネルスロット109の上に堆積される。コンフォーマルに堆積された記憶層(例えば、酸化物-窒化物-酸化物(「ONO」)電荷トラップ層)107は、コンフォーマルに堆積されたpポリシリコン層108上に設けられる。酸化物-窒化物-酸化物の3層構造により、トンネル層、電荷トラップ層、ブロッキング層がそれぞれ設けられる。nポリシリコンピラー104、105のいずれかは、相互接続導体層の50nm幅の導体111により80nm幅のビア接続110を介して電気的に接触している。導体111は、複数の選択されたnポリシリコンピラー105を接続するためのグローバルビット線を提供する。各VNORメモリストリングにおいて、nポリシリコンピラー104、105のうち接触した方は共通ビット線として機能し、nポリシリコンピラー104、105のうち非接触の方は共通ソース線として機能する。
【0014】
図2A図2Jは、本発明の一実施形態によるモジュール回路101-1及び101-2を製造するプロセスを示す。図2A~2Jの各々は、上面図(すなわち、X-Y平面)201-1及び断面図(すなわち、Z-X平面)202-2の両方を含む。断面図202-2は、上面図201-1の線B-B'に沿ったZ-X平面断面である。
【0015】
まず始めに、図2Aに示すように、酸化シリコン層204及び窒化シリコン層205の交互の層を、半導体基板202の平坦な面に堆積する。実施形態によっては、酸化シリコン層204及び窒化シリコン層205の堆積の前に、メモリ動作をサポートするための回路が、半導体基板202の平坦な面またはその近傍に既に形成されている。そのような回路は、例えば、様々な電圧源、センスアンプ、エラー検出及び訂正回路、レジスタ、ラッチ、並びに様々な他の論理回路を備えていてもよい。窒化シリコン層205は犠牲層として機能し、それぞれ導体(例えば、窒化チタン(TiN)接着ライニングされたタングステン(W))によって後の工程で置換される。
【0016】
次いで、図2Bに示すように、連続する酸化物及び窒化物のエッチングにより、各々が、例えば100nmの直径を有するソースシャフト及びドレインシャフト206を作成する。実施形態によっては、最終的なシリコンエッチングによって、ソースシャフト及びドレインシャフト206の底部が半導体基板202に到達することが可能となる。
【0017】
次に、絶縁体層(例えば、酸化ケイ素)106を、ソース及びドレインシャフト206の側壁及び底部にコンフォーマルに堆積し、その後、nポリシリコンを充填することにより、nポリシリコン104、105を作成する。化学機械研磨(CMP)ステップにより、上部酸化物層204から余分な絶縁体及びnポリシリコンを除去する。得られた構造を図2Cに示す。実施形態によっては、ソース及びドレインシャフト206にnポリシリコンを充填するのではなく、nポリシリコンライニングを用いて、ソース及びドレインシャフト206をライニングしてもよい。その場合、次いで、ソース及びドレインシャフト206に金属(たとえば、タングステンプラグ)を充填し、結果として得られる共通ビット線または結果として生じる共通ソース線の抵抗を低減する。化学機械研磨(CMP)ステップにより、上部酸化物層204から余分な絶縁体及びnポリシリコンを除去する。
【0018】
次いで、連続する酸化物及び窒化物のエッチングにより、楕円チャネルスロット109を作成し、各チャネルスロットは、例えば、長さ100nmの長軸を有する。チャネルスロット109は、図2Dに示すように、底部酸化物層204に達してもよい。
【0019】
次いで、コンフォーマル層108(真性ポリシリコンまたはpドープポリシリコンのいずれか)を、チャネルスロット109の各々の側壁及び底部に堆積し、次いで、絶縁体材料(例えば、酸化シリコン)を各チャネルスロットに充填する。コンフォーマル層108が十分に薄い場合、コンフォーマル層108は、イントリンシックポリシリコンによって実装される場合であっても、完全に空乏化されたチャネル領域として動作し得る。CMPステップにより、上部酸化物層204から余分な絶縁体及びpポリシリコンを除去する。その結果、得られた構造を図2Eに示す。
【0020】
次いで、各150nm幅のスリットトレンチ112を形成することにより、モジュール回路(例えば、モジュール回路101-1及び101-2)を互いに分離し、窒化シリコン205から導体への置換を容易にしてもよい。得られた構造を図2Fに示す。
【0021】
次いで、等方性窒化シリコンエッチングにより、スリットトレンチ112によって円滑化されながら、窒化シリコン層205を除去する。次いで、トリムステップ(例えば、酸化物トリムステップ)により、酸化シリコン層204の一部を除去して、窒化シリコン層205により設けられた空間が、導体交換(例えば、TiNライニングW層)のために十分に確保されるようにし、nポリシリコンピラー104、105の側壁の絶縁体層106が除去されないように注意する。得られた構造を図2Gに示す。
【0022】
その後、記憶層(例えば、ONO電荷トラップ層)107をコンフォーマルに堆積する。次いで、記憶層107上にTiNライニングをコンフォーマルに堆積する。次いで、導体(例えば、金属タングステン)211を、スリットトレンチ112の全部または一部と同様に、ワード線を形成する窒化シリコン層205によって設けられた空間に充填する。次に、異方性エッチバックステップにより、導体がスリットトレンチ112から除去され、ワード線を分離する。得られた構造を図2Hに示す。
【0023】
次いで、スリットトレンチ112に、例えば浅いトレンチ充填技術を使用して絶縁体材料(例えばシリコン酸化物)212を充填する。次いで、表面上の余分な酸化物をCMPによって除去してもよい。得られた構造を図2Iに示す。次いで、分離層(例えば、シリコン酸化物層)113を堆積する。次いで、nポリシリコンピラー105(すなわち、VNORメモリストリングの共通ビット線として機能するように指定されたnポリシリコンピラー)に接触するように、分離層113内に導体充填ビア110を作製する。次いで、分離層113上の相互接続導体層内の導体111を形成して、VNORメモリストリングの共通ビット線を接続するグローバルビット線を設ける。得られた構造を図2Jに示す。実施形態によっては、分離層113を堆積する前に、上部酸化物層204をエッチバックし、エッチング停止層を設けてもよい。エッチング停止層は、導体充填ビア110が、ビア接続110をワード線の上部導体層211にショートさせてしまうほど十分に深く形成されることを防止する。
【0024】
実施形態によっては、チャネルスロット109の各々の底部におけるpポリシリコンのリークを低減するために、pポリシリコン上に原子層堆積(ALD)によってリニア酸化物の層を堆積させることにより、側壁のpポリシリコン(すなわち、チャネル領域に指定されたpポリシリコン)を保護する。次いで、異方性エッチングステップにより、各チャネルスロット109の底部でALDライニングを除去し、次いで、湿式エッチングによりチャネルスロット底部のpポリシリコンを除去する。図2E-1~図2J-1は、図2E図2Jに示す構造の代替的な構造を示す。
【0025】
図3Aは、本発明の他の実施形態による、4つのVNORメモリストリングを含むユニットセル301の平面図を示す。ある実施形態では、ユニットセル301内の各VNORメモリストリングは、最大96本のワード線によって設けられてもよい。図3Aに示すように、各VNORメモリストリングはX方向に380nm、Y方向に160nm延在しており、隣接する列はX方向に80nmずつオフセットしている。図3Bは、140nm幅のスリットトレンチ212及びグローバルビット線として機能する40nm幅の導体111を備え、かつ直径60nmの導体充填ビアが各VNORメモリストリングに接触するモジュール回路302の上面図を示す。
【0026】
上記の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を例示するために提供されたものであり、限定することを意図したものではない。本発明の範囲内においては多くの変形及び修正が可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2E-1】
図2F
図2F-1】
図2G
図2G-1】
図2H
図2H-1】
図2I
図2I-1】
図2J
図2J-1】
図3A
図3B