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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】板バネ装置および板バネ・ダンパ組立体
(51)【国際特許分類】
   B60G 11/02 20060101AFI20241028BHJP
   F16F 1/368 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
B60G11/02
F16F1/368 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023549006
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2021079405
(87)【国際公開番号】W WO2022084535
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】102020127864.0
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】523152374
【氏名又は名称】ラインメタル インヴェント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(72)【発明者】
【氏名】ロス インゴ
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-126405(JP,A)
【文献】実開昭57-021847(JP,U)
【文献】特開平09-290680(JP,A)
【文献】特開平01-098716(JP,A)
【文献】特表平01-502770(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0084503(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00 - 99/00
F16F 1/00 - 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両用の板バネ装置であって、
繊維複合プラスチックからなる板バネユニットと、
前記板バネユニットの端に設けられた前記板バネユニットの端部に取り付けられた前記板バネユニットの変形に応じて電圧を発生させるように構成されている圧電素子構成体と
前記端部が受け入れられる支承ユニットと、を備え、
前記圧電素子構成体は前記支承ユニットと前記端部との間に配置されている板バネ装置。
【請求項2】
前記板バネユニットは、第1圧電素子構成体が取り付けられた第1端部と、第2圧電素子構成体が取り付けられた第2端部とを含むことを特徴とする請求項に記載の板バネ装置。
【請求項3】
前記板バネユニットは、複数の板バネ部と複数の撓み部とを含むこと、および、各場合において、1つの撓み部が、隣接する2つの板バネ部を互いに接続することを特徴とする請求項1または2に記載の板バネ装置。
【請求項4】
前記撓み部は、前記板バネ部よりも高い剛性を有することを特徴とする請求項に記載の板バネ装置。
【請求項5】
前記圧電素子構成体は、前記撓み部のうちの少なくとも1つに取り付けられていることを特徴とする請求項または請求項に記載の板バネ装置。
【請求項6】
前記圧電素子構成体は、前記少なくとも1つの撓み部の外径部に取り付けられていること、および/または前記圧電素子構成体は、前記少なくとも1つの撓み部の内径部であって、前記外径部とは反対側に向く内径部に取り付けられていることを特徴とする請求項に記載の板バネ装置。
【請求項7】
前記圧電素子構成体は、前記撓み部のうちの少なくとも1つの内部に配置されていることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の板バネ装置。
【請求項8】
前記圧電素子構成体は、マトリクス状に配置された複数の圧電素子を備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の板バネ装置。
【請求項9】
前記板バネユニットの前記変形を示すデータを生成するために、前記圧電素子構成体が発生させた前記電圧を検出し評価するように構成された検出評価装置を特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の板バネ装置。
【請求項10】
前記検出評価装置は、前記板バネユニットの載荷状態および/または変形を示すように構成されていることを特徴とする請求項に記載の板バネ装置。
【請求項11】
前記圧電素子構成体が発生させた前記電圧は、前記データを送信する機能を果たすことを特徴とする請求項または請求項10に記載の板バネ装置。
【請求項12】
ダンパと、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の板バネ装置とを備える板バネ・ダンパ構成体であって、前記圧電素子構成体は、前記ダンパのダンパ特性が前記電圧の関数として変化するように前記ダンパに連動連結されている板バネ・ダンパ構成体。
【請求項13】
前記圧電素子構成体および前記ダンパは、前記圧電素子構成体と前記ダンパとが自律的に協働するように連動連結されていることを特徴とする請求項12に記載の板バネ・ダンパ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両用の板バネ装置および係る板バネ装置を備える板バネ・ダンパ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両用のアクティブサスペンションは、能動制御されるダンパ、および適用可能な場合は、能動制御される空気バネを備え得る。このような自動車両において、制振は、快適性、通常あるいは動的といった所定の運転プロファイルに応じて調整可能であり、よって運転挙動に影響を及ぼし得る。同じことが空気バネにも当てはまる。この種のシステムによって動荷重を判定することは、不可能であるか、あるいは少なくとも限られた範囲でしか可能でない。これは、走行状況に対して荷重感知可能に介入することができないということも意味する。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1)特開2011-126405号公報
【0003】
本出願人は、荷重の変化を検出するために既存のシャーシ部品に加えて配置されたセンサに基づく社内の先行技術について認識している。これらのセンサは、通常、外部エネルギー源によって電源が供給され、自動車両に対する物理的結合を必要とする。当該センサは、電圧および信号の伝送を必要とする。追加部品は、追加の設置スペースを必要とし、通常、シャーシ制御システムのための入力パラメータを1つしか提供しない。これらの追加部品は、重量、具体的には、バネ下質量の増加をもたらし、このことは、乗り心地および安全性に対して悪影響を及ぼし得る。さらに、追加部品および既存のシャーシ部品とのその結合はまた、コストも大きくエラーも起こしやすい。
【0004】
これをふまえ、本発明の1つの目的は、改良された板バネ装置を提供することである。
【発明の概要】
【0005】
したがって、自動車両用の板バネ装置が提案される。板バネ装置は、繊維複合プラスチックからなる板バネユニットと、板バネユニットに取り付けられた圧電素子構成体とを備え、圧電素子構成体は、板バネユニットの変形に応じて電圧を発生させるように構成されている。
【0006】
圧電素子構成体は板バネユニット上に設けられているため、板バネ装置の荷重または変形を直接かつリアルタイムで検出することが可能である。これは、発生電圧を利用して行うことができる。したがって、例えば、自動車両の板バネ装置のバネ特性曲線およびダンパのダンパ特性曲線の両方に影響を及ぼす自動車両の荷重および載荷の両方を、このような板バネ装置を用いて、かつこのデータに基づいて判定することが可能である。これにより、運転の快適性が改善される。さらに、板バネユニットにかかる荷重を判定することに加え、エネルギーの回収も同時に可能となる。
【0007】
本文脈において、「板バネユニット」は、互いに接続され、それにより好ましくはジグザグまたは曲折状の形状を形成する複数の板バネ要素または板バネ部から構成されたバネまたはバネ要素であると理解される。個々の板バネ部は、リーフ状または板状の形状を有していてもよい。しかしながら、「リーフ状」または「板状」は、板バネ部が曲がっていること、あるいは任意の三次元形状を排除するものではない。板バネユニットとは異なり、円筒バネまたはコイルバネは、コイルバネが円筒状の形状を有するように螺旋状に形成された連続ワイヤを有する。
【0008】
板バネユニットは、好ましくは圧縮バネである。しかしながら、板バネユニットは、引張バネであってもよい。板バネ装置は、板バネ装置が板バネユニットおよび圧電素子構成体の両方を備える点で板バネユニットとは異なる。すなわち、板バネユニットおよび圧電素子構成は、板バネ装置の一部である。一方、圧電素子構成体は、板バネユニットの一部ではない。しかしながら、このことは、圧電素子構成体が板バネユニットに取り付けられていたり固定されていたりすることを排除するものではない。板バネ装置は、複数の板バネユニットを備えていてもよい。
【0009】
繊維強化プラスチック(FRP)は、繊維強化プラスチック材料とも称される場合がある。繊維強化プラスチックは、プラスチック材料、具体的には、例えば天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維が埋め込まれたプラスチック母材を含む。プラスチック材料は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂であってもよい。しかしながら、プラスチック材料は、熱可塑性樹脂であってもよい。繊維は、連続繊維であってもよい。しかしながら、繊維は、数ミリメートルから数センチメートルの繊維長を有する、長さの短い繊維または中程度の長さの繊維であってもよい。繊維は、プラスチック材料において、方向性を有するように配置されてもよく、方向性を有しないように配置されていてもよい。板バネユニットは、積層構造またはラミネート構造を有していてもよい。この目的で、例えば、プラスチック材料を繊維布帛または繊維スクリムの層に含侵させる。しかしながら、あるいは、いわゆるプリプレグ、すなわち、予め含浸させた繊維、繊維布帛または繊維スクリムを用いて板バネユニットを製造することができる。
【0010】
圧電素子構成体が板バネユニットに「取り付けられている」ということは、本例において具体的には、圧電素子構成体が好ましくは板バネユニットに強固に接続されているということを意味する。例えば、圧電素子構成体は、板バネユニットに接合されている。しかしながら、「取り付けられている」とは、圧電素子構成体が板バネユニットに単に当接または着座していることも意味する。本明細書において「取り付けられている」は、圧電素子構成体が板バネユニットの一体部分である実施形態も含む。本実施形態において、「一体」とは、圧電素子構成体が少なくとも部分において繊維複合プラスチック、具体的には、プラスチック材料またはプラスチック母材によって囲まれていることを意味する場合がある。圧電素子構成体は、繊維複合プラスチックの繊維層によって少なくとも部分的に覆われていてもよい。要するに、広義では、「取り付けられている」とは、板バネユニットと圧電素子構成体とが接触しており、したがって板バネユニットと圧電素子構成体との間で力を伝達され得ることを特に意味する。
【0011】
本文脈において、「圧電素子」は、電圧を印加することによって機械的動作を行うか、あるいは機械力が印加されたときに電圧を発生させるために、いわゆる圧電効果を利用する部品であると理解されるべきである。すなわち、圧電素子構成体に電流が印加されたときに、圧電素子構成体は、板バネユニットに対して、例えば、その剛性定数またバネ定数が変更されるように影響を及ぼし得る。反対に、圧電素子構成体における電圧の変化は、板バネユニットの変形から推定され得る。
【0012】
しかしながら、板バネユニットが変形したとき、好ましくは、圧電素子構成体も弾性変形し、したがって、板バネユニットの変形によって電圧が発生する。よって、圧電素子構成体は、変形エネルギーを電気エネルギーに変換する。板バネユニットに荷重または載荷があれば、少なくとも顕微鏡スケールでは板バネユニットが変形する。板バネユニットが変形すれば、さらには、圧電素子構成体は電圧を発生させる。任意の数の圧電素子構成体が設けられていてもよい。板バネユニットは、走行方向の加速時や、および制動プロセス時などの横方向の加速および減速時にも変形する。これは、圧電素子構成体を利用することにより、走行方向の加速、横加速および横減速も検出することができることを意味する
【0013】
一実施形態によれば、圧電素子構成体は、板バネユニットの端に設けられた、板バネユニットの端部に取り付けられている。
【0014】
例えば、圧電素子構成体は、端部に接着されている。しかしながら、圧電素子構成体は、板バネユニットの他の領域に取り付けられていてもよい。しかしながら、圧電素子構成体は、端部に固定取付されていなくてもよい。その結果、板バネユニットは、圧電素子構成体を交換することなく容易に交換が可能である。圧電素子構成体は、端部を受け入れる支承ユニットに固定接続されていてもよい。例えば、圧電素子構成体は、支承ユニット内に、具体的には、支承ユニットの受入ポケット内に接着されている。
【0015】
さらなる実施形態によれば、板バネユニットは、第1圧電素子構成体が取り付けられた第1端部と、第2圧電素子構成体が取り付けられた第2端部とを含む。
【0016】
第2圧電素子構成体は必要に応じて設けられる。すなわち、板バネユニットは、第1端部に設けられた第1圧電素子構成体を少なくとも備える。重力方向に対して、第1端部は、第2端部の上方に配置されていてもよい。この場合、第1圧電素子構成体は、重力方向視で第1端部の上方に配置されている。第2圧電素子構成体は、重力方向に対して、第2端部の下方に配置されている。この配置により、板バネ装置に作用する力が圧電素子構成体にも作用することが確実となる。
【0017】
さらなる実施形態によれば、板バネユニットは、端部が受け入れられる支承ユニットであって、圧電素子構成体は支承ユニットと端部との間に配置されている、支承ユニットをさらに備える。
【0018】
好ましくは、第1端部が関連付けられた第1支承ユニットが設けられている。それに応じて、第2端部が関連付けられた第2支承ユニットが設けられている。支承ユニットは、バネシューとも称される場合がある。端部は、それぞれの支承ユニット内に接着されてもよく、あるいはそれぞれの支承ユニットに固定接続されていてもよい。例えば、第1支承ユニットは、自動車両のフレームの一部であってもよい。第2支承ユニットは、自動車両の車軸ガイドの一部であってもよい。重力方向に対して、第1支承ユニットは、第2支承ユニットの上方に配置されている。
【0019】
さらなる実施形態によれば、板バネユニットは、複数の板バネ部と複数の撓み部とを含み、各場合において、1つの撓み部が、隣接する2つの板バネ部を互いに接続する。
【0020】
よって、板バネ部と撓み部とは交互に配置されている。板バネ部は、好ましくはS字状の断面形状を有する。板バネ部は、板バネユニットが上記のジグザグ形状または曲折形状を有するように配置されている。板バネ部は、互いに一体に接続されてもよく、具体的には、撓み部により、1つの材料で一体に形成されていてもよい。本例において「一体に」あるいは「1つに」とは、板バネ部と撓み部とが共通の部品を形成しており、異なる部品から構成されるものではないということを意味する。本例において、「1つの材料で一体に形成される」とは、具体的には、板バネ部および撓み部の全体が同じ材料から製造されているということを意味する。好ましくは、撓み部は、板バネ部よりも大きい断面積を有する。これにより、板バネユニットが圧縮するときに、弾性的に変形するのは実質的に板バネ部であって、撓み部ではないとうことが確実となる。あるいは、板バネ部、クリップ状の撓み部によって互いに接続されていてもよい。この場合、板バネユニットは、一体的に形成されておらず、1つの材料で一体に形成されてもいない。
【0021】
さらなる実施形態によれば、撓み部は、板バネ部よりも高い剛性を有する。
【0022】
具体的には、撓み部は、板バネ部に比べて高い剛性を有する。これは、例えば、撓み部の領域において断面を大きくすることにより実現される。これにより、板バネユニットが圧縮するときに撓み部が変形することが確実に防止される。したがって、バネ効果は、好ましくは板バネ部によってのみ実現される。したがって、撓み部は、板バネユニットの非作動ゾーンであるか、あるいはそのように設計されていてもよい。「剛性」は、弾性変形に対する、本体、この場合は、形成部分の抵抗を示す。
【0023】
さらなる実施形態によれば、圧電素子構成体は、撓み部のうちの少なくとも1つに取り付けられている。
【0024】
例えば、圧電素子組立体は、撓み部に接合されている。複数のこのような圧電素子構成体が設けられていてもよく、これらは複数の撓み部上に設けられている。個々の撓み部には、圧電素子構成体が選択的に備えられていてもよい。
【0025】
さらなる実施形態によれば、圧電素子構成体は、少なくとも1つの撓み部の外径部に取り付けられ、かつ/または、圧電素子構成体は、少なくとも1つの撓み部の内径部であって、外径部とは反対側に向く内径部に取り付けられている。
【0026】
外径部は、隣接する2つの板バネ部とは反対側に外方に向いている。内径部は、撓み部の内部に設けられ、隣接する2つの板バネ部に向いている。具体的には、外径部は内径部よりも大きい。例えば、厳密に1つの圧電素子構成体が外径部に設けられているか、厳密に1つの圧電素子構成体が内径部に設けられているか、あるいは外径部および内径部の両方に圧電素子構成体が設けられていてもよい。
【0027】
さらなる実施形態によれば、圧電素子構成体は、撓み部のうちの少なくとも1つの内部に配置されている。
【0028】
この場合における「内部」とは、圧電素子構成体が、少なくとも部分において、撓み部の材料によって囲まれていることを意味する。この場合、圧電素子構成体は、撓み部と一体化されている。換言すれば、圧電素子構成体は、少なくとも部分において、繊維複合プラスチックによって、具体的には繊維複合プラスチックのプラスチック材料またはプラスチック母材によって囲まれている。例えば、圧電素子構成体は、繊維複合プラスチックの最外周層または最内周層によって覆われている。この点で、圧電素子構成体は、外径部付近または内径部付近に配置されていてもよい。したがって、圧電素子構成体は、板バネユニット、具体的には、板バネユニットの撓み部内にラミネート形成されていてもよい。
【0029】
さらなる実施形態によれば、圧電素子構成体は、マトリクス状に配置された複数の圧電素子を備える。
【0030】
圧電素子の上記配置は、マット状配置とも称される場合がある。したがって、圧電素子構成体は、圧電素子マトリクスまたは圧電素子マットとも称される場合がある。本文脈における「マトリクス状」とは、複数の圧電素子が横並びかつ上下に行列状に配置されていることを意味する。個々の圧電素子は、相互接続されていてもよい。この目的で、例えば、圧電素子が少なくとも部分的に埋め込まれたプラスチック材料やゴムなどが使用されていてもよい。
【0031】
さらなる実施形態によれば、板バネユニットの変形を示すデータを生成するために、圧電素子構成体が発生させた電圧を検出し評価するように構成された検出評価装置をさらに備える。
【0032】
検出評価装置は、例えば、予め定義されたパラメータを生成されたデータと比較するのにも適しているので、例えば、板バネユニットがどんな荷重下で圧縮されているのか、あるいは板バネユニットがどの程度圧縮されているのかを、発生した電圧に基づいて理解することが可能である。検出評価装置は、自動車両、例えば、自動車両の蓄電素子に電圧を供給するのにも適し得る。この場合、回生を行うことができる。
【0033】
さらなる実施形態によれば、検出評価装置は、板バネユニットの載荷状態および/または変形を示すように構成されている。
【0034】
「載荷状態」とは、例えば、自動車両にかかる荷重などによって板バネユニットに作用する力を意味すると理解することができる。「バネの撓み」または「撓み」とは、板バネユニットが非載荷状態から載荷状態あるいはバネ上げ状態まで縮まる距離であると理解されるべきである。「示す」とは、例えば、板バネユニットがどれだけ圧縮されているかを検出評価装置が出力することであると理解される。
【0035】
さらなる実施形態によれば、圧電素子構成体が発生させた電圧は、データを送信する機能を果たす。
【0036】
これは、圧電素子構成体が、一方ではセンサとして、他方では電圧供給部として機能することを意味する。追加のエネルギー源を省略することができる。これは、板バネ装置が外部のエネルギー供給なしで自律的に動作することを意味する。
【0037】
さらに、ダンパと係る板バネ装置とを備える板バネ・ダンパ構成体が提案される。この場合、圧電素子構成体は、ダンパのダンパ特性が電圧の関数として変化するようにダンパに連動連結されている。
【0038】
例えば、ダンパのバルブは、電圧を利用して制御することができる。さらに、ダンパが含む電気粘性材料または磁気粘性材料の特性に影響を及ぼすために電圧を用いることができる。したがって、ダンパは、例えば、板バネユニットの変形に応じて硬くなったり柔らかくなったりすることができる。これにより、運転快適性が著しく向上する。
【0039】
一実施形態によれば、圧電素子構成体およびダンパは、圧電素子構成体とダンパとが自律的に協働するように連動連結されている。
【0040】
本文脈において、「自律的に」とは、板バネ・ダンパ構成体が、外部のエネルギーの供給を受けることがなく、ダンパ特性曲線に影響を及ぼすために中央車両制御システムからの信号やデータを使用する必要もないことを意味する。これにより、必要とされる配線の量が著しく減少する。
【0041】
本明細書で用いられる「1つ」とは、必ずしも厳密に1つの要素に限定されるものではないと理解されるべきである。むしろ、2つ、3つまたはそれ以上といった多数個の要素が設けられていてもよい。また、本明細書で用いられる他の計数語は、要素の数を厳密にその数に限定するものではないと理解されるべきである。むしろ、別段の表示がない限り、上方および下方への数値の変動が考えられる。
【0042】
板バネ装置および/または板バネ・ダンパ構成体の考えられるさらなる実施例は、実施形態に関して前述したあるいは後述する特徴または実施形態の明示されていない組合せも含む。この点で、当業者であれば、板バネ装置および/または板バネ・ダンパ構成体のそれぞれの基本形態に対する改良または追加として個々の態様も追加するであろう。
【0043】
板バネ装置および/もしくは板バネ・ダンパ構成体のさらなる有利な実施形態ならびに態様は、サブクレームの主題、ならびに板バネ装置および/もしくは後述の板バネ装置および/もしくは板バネ・ダンパ構成体の実施形態である。さらに、板バネ・ダンパ構成体について、添付の図面を参照して好適な実施形態によってより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】板バネ装置の実施形態の概略図を示す。
図2図1に係る板バネ装置の別の概略図を示す。
図3図1に係る詳細図IIIを示す。
図4図1に係る詳細図IVを示す。
図5図1に係る詳細図Vを示す。
図6図1に係る詳細図Vを再び示す。
図7図1に係る詳細図Vを再び示す。
図8図3の断面線IIX-IIXに係る板バネ装置の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図中、同一または機能的に同一の要素には、別段の表示がない限り、同じ参照符号が付されている。
【0046】
図1は、板バネ装置1の概略図を示す。板バネ装置1は、自動車両、具体的には車輪付き車両での使用に適している。板バネ装置1は、自動車両のホイールサスペンションの領域において使用され得る。
【0047】
板バネ装置1は、繊維強化プラスチック材料または繊維強化複合プラスチック(FRP)からなる板バネユニット2を備える。板バネ装置1は、複数の板バネユニット2を備えていてもよい。繊維強化プラスチックは、プラスチック材料、具体的には、例えば天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維などの繊維が埋め込まれたプラスチック母材を含む。プラスチック材料は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂であってもよい。しかしながら、プラスチック材料は熱可塑性樹脂であってもよい。繊維は、連続繊維であってもよい。しかしながら、繊維は、数ミリメートルから数センチメートルの繊維長を有する、長さの短い繊維または中程度の長さの繊維であってもよい。
【0048】
板バネユニット2は、曲折した形状を有する。板バネユニット2は、撓み部4において互いに接続された複数の板バネ部3を有する。板バネ部3の数は任意である。図1では、各場合において、1つの板バネ部3および1つの撓み部4のみに参照符号が付されている。個々の板バネ部3は、それぞれ、S字状の形状を有するか、あるいは側面図においてS字状の進路を有する。
【0049】
板バネ部3および撓み部4は、板バネユニット2が荷重を受けたときに、撓み部4に変形が全く生じないか、あるいは、少なくとも、目に見えるほどの変形が生じないように設計されている。一方、板バネ部3は、それぞれ、中央領域5において変形し、外側から作用する荷重に対抗するバネ力を発生させる。
【0050】
板バネユニット2の第1端部6は、第1支承ユニット7内で支持されている。板バネユニット2の第2端部8は、それに応じて第2支承ユニット9内で支持されている。第1支承ユニット7は、例えば、自動車両のフレームの一部であってもよい。第2支承ユニット9は、自動車両の車軸ガイドの一部であってもよい。支承ユニット7、9は、板バネ装置1の一部である。重力方向gに対し、第1支承ユニット7は、第2支承ユニット9の上方に配置されている。支承ユニット7、9は、バネシューであるか、あるいは、そのように称される場合がある。
【0051】
図1は、非載荷状態あるいは撓んだ状態にある板バネ装置1を示す。これに対し、図2は、圧縮状態にある板バネ装置1を示す。圧縮状態において、非載荷状態ではS字状である板バネ部3は平面形状を有している。
【0052】
図3は、図1に係る詳細図IIIを示す。図3から分かるように、第1支承ユニット7は、板バネユニット2の第1端部6をその中に受け入れるように構成されていてもよい。この目的で、第1支承ユニット7は、受入ポケット10を備えていてもよい。例えば、第1端部6は、受入ポケット10内に接着されている。しかしながら、第1端部6と第1支承ユニット7との接続は他の方法で実現されてもよい。
【0053】
重力方向g視で、圧電素子構成体11は、第1端部6の上方に配置されている。圧電素子構成体11は、マトリクス状またはマット状に配置された複数の圧電素子12を備える。したがって、圧電素子構成体11は、圧電素子マットとも称される場合がある。本文脈において、「圧電素子」は、電圧を印加することによって機械的動作を行うか、あるいは機械力が印加されたときに電圧を発生させるために、いわゆる圧電効果を利用する部品であると理解されるべきである。
【0054】
圧電素子構成体11は、板バネ装置1の一部である。圧電素子構成体11は、第1端部6と第1支承ユニット7との間に配置されており、したがって、板バネユニット2に作用する力Fは圧電素子構成体11にも作用する。好ましくは、圧電素子構成体11は、受入ポケット10内に接合されている。これにより、圧電素子構成体11を分解することなく、板バネユニット2を配置することができる。しかしながら、圧電素子構成体11は、端部6に固定接続されていてもよい。
【0055】
圧電素子構成体11は、電線14、15により圧電素子構成体11に結合された検出評価装置13に関連付けられている。検出評価装置13は、圧電素子構成体11が発生させた電圧を検出し、評価するのに適している。
【0056】
図4は、図1に係る詳細図IVを示す。図4から分かるように、第2支承ユニット9は、板バネユニット2の第2端部8をその中に受け入れるように構成されていてもよい。この目的で、第2支承ユニット9は、受入ポケット16を備えていてもよい。例えば、第2端部8は、受入ポケット16内に接着されている。しかしながら、第2端部8と第2支承ユニット9との接続は他の方法で実現されてもよい。換言すれば、第2支承ユニット9は、第1支承ユニット7と同様に構成されている。
【0057】
第2支承ユニット9は、当該第2支承ユニット9に関連付けられた、必要に応じて設けられる圧電素子構成体17を有していてもよく、圧電素子構成体17は圧電素子構成体11と構造的に同一である。板バネ装置1は、圧電素子構成体11のみ、圧電素子構成体17のみ、あるいは圧電素子構成体11、17の両方を備えていてもよい。圧電素子構成体11と同様、圧電素子構成体17は、マトリクス状またはマット状に配置された複数の圧電素子12を備える。したがって、圧電素子構成体17は、圧電素子マットとも称される場合がある。好ましくは、圧電素子構成体17は、受入ポケット16内に接合されている。これにより、圧電素子構成体17を分解することなく、板バネユニット2を配置することができる。しかしながら、圧電素子構成体17は、端部8に固定接続されていてもよい。
【0058】
重力方向g視で、圧電素子構成体17は、第2端部8の下方に配置されている。圧電素子構成体17は、第2端部8と第2支承ユニット9との間に配置されており、したがって、板バネユニット2に作用する力Fは圧電素子構成体17にも作用する。圧電素子構成体17は、線18、19により検出評価装置13に結合されている。あるいは、圧電素子構成体17は、自身の検出評価装置13に関連付けられていてもよい。
【0059】
図5は、図1に係る詳細図Vを示す。図5に示すように、圧電素子構成体20は、撓み部4のうちの1つまたは撓み部4のうちのいくつかに外装されていてもよい。圧電素子構成体20は、それぞれの撓み部4に接着されていてもよい。撓み部4は、圧電素子構成体20が取り付けられた外向きの外径部21と、外径部21とは反対側に向く内向きの内径部22とを含む。撓み部4は、ほとんど変形しない。それでもなお、撓み部のこのようなわずかな変形でさえも、圧電素子構成体20を変形させるのに十分である。
【0060】
しかしながら、圧電素子構成体20は、板バネユニット2の他の領域、例えば、板バネ部3のうちの1つに取り付けられていてもよい。圧電素子構成体20は、圧電素子構成体11、17と同様に構成されている。すなわち、圧電素子構成体20は、マトリクス状またはマット状に配置された複数の圧電素子12を備えていてもよい。圧電素子構成体20は、圧電素子構成体11、17に加えて、またはその代わりに設けられていてもよい。線23、24を用いて圧電素子構成体20を検出評価装置13に結合していてもよい。あるいは、圧電素子構成体20は、自身の検出評価装置13を有していてもよい。
【0061】
図6は、図1に係る詳細図Vを再び示すが、板バネ装置1のさらなる実施形態を共に示す。図6に示すように、図5とは異なり、圧電素子構成体25は、撓み部4のうちの1つまたは撓み部4のうちのいくつかの内部、すなわち内径部22に取り付けられていてもよい。圧電素子構成体25は、それぞれの撓み部4、具体的には内径部22に接着されていてもよい。しかしながら、圧電素子構成体25は、板バネユニット2の他の領域、例えば、板バネ部3のうちの1つに取り付けられていてもよい。圧電素子構成体25は、圧電素子構成体11、17、20と同様に構成されている。すなわち、圧電素子構成体25は、マトリクス状またはマット状に配置された複数の圧電素子12を備えていてもよい。
【0062】
圧電素子構成体25は、圧電素子構成体11、17、20に加えて、またはその代わりに設けられていてもよい。線26、27により、圧電素子構成体25は、検出評価装置13に結合されていてもよい。あるいは、圧電素子構成体25は、自身の検出評価装置13を有していてもよい。
【0063】
図7は、図1に係る詳細図Vを再び示すが、板バネ装置1のさらなる実施形態と共に示す。図7に示すように、図5および図6とは異なり、圧電素子構成体28は、板バネユニット2、具体的には撓み部4のうちの1つと一体化されていてもよい。本文脈における「一体化」とは、圧電素子構成体28が、少なくとも部分において、板バネユニット2の材料によって囲まれていることを意味する。例えば、圧電素子構成体28は、板バネユニット2を形成する繊維複合プラスチックの最外周層または最内周層によってのみ覆われていてもよい。
【0064】
好ましくは、圧電素子構成体28は、撓み部4のうち1つまたは複数に設けられている。しかしながら、圧電素子構成体28は、板バネユニット2の他の領域、例えば、板バネ部3のうちの1つに設けられていてもよい。圧電素子構成体28は、圧電素子構成体11、17、20、25と同様に構成されている。すなわち、圧電素子構成体28は、マトリクス状またはマット状に配置された複数の圧電素子12を備えていてもよい。
【0065】
圧電素子構成体28は、圧電素子構成体11、17、20、25に加えて、またはその代わりに設けられていてもよい。線29、30により、圧電素子構成体28は、検出評価装置13に結合されていてもよい。あるいは、圧電素子構成体28は、自身の検出評価装置13を備えていてもよい
【0066】
図8は、図3のIIXーIIX断面図を板バネ装置1のさらなる実施形態と共に示す。図8に示すように、端部6にさらなる圧電素子構成体34、35が設けられていてもよい。これらは、受入ポケット10内に接着されていてもよい。第2支承ユニット9は、対応する圧電素子構成体34、35を備えていてもよい。圧電素子構成体34、35は、必要に応じて設けられる。有利には、圧電素子構成体34、35は、横加速を検出するために使用することができる。各圧電素子構成体34、35は、マット状またはマトリクス状に配置された複数の圧電素子12を備える。
【0067】
この点において、図8に示すように、端部6が圧電素子構成体34、35間に配置されるように、2つの圧電素子構成体34、35が設けられていてもよい。しかしながら、1つの圧電素子構成体34、35のみが設けられていてもよい。圧電素子構成体34、35は、圧電素子構成体11、17、20、25、28に加えて設けられていてもよい。
【0068】
線36、37により、圧電素子構成体34は、検出評価装置13に結合されていてもよい。あるいは、圧電素子構成体34は、自身の検出評価装置13を有していてもよい。線38、39により、圧電素子構成体35は、検出評価装置13に結合されていてもよい。あるいは、圧電素子構成体35は、自身の検出評価装置13を備えていてもよい。
【0069】
圧電素子構成体11、17、20、25、28は、エネルギーの回収または回生に使用することができる。この目的で、圧電素子構成体11は、少なくとも、第1支承ユニット7に設けられている。これに加えて、またはこの代わりに、圧電素子構成体17は第2支承ユニット9に設けられていてもよい。板バネユニット2が圧縮するとき、あるいは板バネユニット2が移動するとき、圧電素子構成体11、17は弾性変形し、それにより、これらの変形エネルギーは電気エネルギーに変換される。これを、このような板バネ装置1を有する自動車両に供給することができる。
【0070】
特に、圧電素子構成体11、17は、変形による電圧または電流をそれぞれ発生させる。よって、圧電素子構成体11、17は、電圧源または電流源として使用することができる。発生させた電圧または電流は、例えば、回生プロセスの一部として自動車両に帰還させることができる。例えば、蓄電素子、具体的には、電池は充電することができる。この場合、検出評価装置13は、圧電素子構成体11、17が発生させた電気エネルギーを蓄電素子に供給するのに適していてもよい。検出評価装置13は、具体的には、充電器であってもよい。
【0071】
環境発電を高めるために、圧電素子構成体20、25、28、または圧電素子構成体20、25、28のうちの少なくとも1つが追加的に設けられていてもよい。しかしながら、これは必須ではない。好ましくは、圧電素子構成体20、25、28は、板バネユニット2の小さな動きまたは変形からエネルギーを発生させるために、板バネユニット2の低運動領域、すなわち、撓み部4に設けられている。
【0072】
圧電素子構成体11、17、20、25、28は、データ生成またはデータ取得のために、具体的には、板バネユニット2の動き、変形および載荷についてのデータを生成するか、あるいは取得するためにも使用されてもよい。ここでもまた、第1支承ユニット7に関連付けられた圧電素子構成体11が少なくとも設けられている。設けられる圧電素子構成体11、17、20、25、28の数が多いほど、データ量および板バネユニット2の動き検出の精度が良好となる。
【0073】
圧電素子構成体11、17、20、25、28が発生させたエネルギーを自動車両に帰還させることに加えて、当該エネルギーは、データ送信および/または自動車両のダンパ31(図1および図2)の制御のためにも使用することができる。後者の場合、ダンパ31の制御は、例えば、自動車両に結合することなく行うことができる。換言すれば、圧電素子構成体11、17、20、25、28とダンパ31とは、自律的に協働する。板バネ装置1およびダンパ31は、上述のように自動車両33の板バネ・ダンパ構成体32を共に形成しており、これは、図1および図2において、ごく模式的にのみ示されている。板バネ・ダンパ構成体32は、好ましくは、外部の電源または制御なしで自律的に動作する。
【0074】
板バネ装置1の動作中、例えば、自動車両33が走行しているときに、圧電素子構成体11、17、20、25、28の電圧および電流を監視し比較することにより、例えば、自動車両33の荷重および板バネユニット2の電流負荷に関する情報を得ることができる。これらは、例えば、ダンパ31のダンパ特性を動的に調整し、現在の走行状況に適合させるために使用することができる。圧電素子構成体11、17、20、25、28自体が電圧を発生させることで、追加の配線なしでデータ送信を実現することが可能である。これにより、コストが削減される。さらに、自動車両33からの電圧供給なしでダンパ31の可変特性を実現することができる。なぜなら、必要なエネルギーは、圧電素子構成体11、17、20、25、28によって供給されるからである。
【0075】
データ送信の場合、圧電素子構成体11、17、20、25、28は、データ送信のための適した装置に結合されていてもよい。検出評価装置13は、そのような装置であるか、あるいは装置を備えていてもよい。この結合は、圧電素子構成体11、17、20、25、28の装着場所および/または圧電素子構成体11、17、20、25、28の数に非依存であってもよい。この結合により、板バネ装置1の載荷についてのリアルタイムデータを取得することができる。自動車両33の複数の板バネ装置1データを比較することにより、自動車両33の荷重条件の導出を得ることができ、それにより、快適性の向上および/または走行安全性の向上のためにダンパ31の特性を調整することができる。
【0076】
有利には、自動車両33の1つまたは複数の板バネ装置1のうちの1つまたは複数の圧電素子構成体11、17、20、25、28の電圧および/または電流の比較は、自動車両33の載荷状態またはそれぞれの板バネ装置1の現在の圧縮行程を判定するために使用することができる。圧縮行程および/または載荷および/または供給された電圧の周波数に基づき、ダンパ31の特性曲線を荷重感知可能かつ動的に調整することができる。得られた電気エネルギーは、回生および/またはデータ送信に使用することができる
【0077】
さらに、圧電素子構成体11、17、20、25、28が発生させた電圧は、例えば、磁気粘性材料または電気粘性材料の特性を変更し、それにより、例えば、板バネ装置1と自動車両33との間で対応する材料を一体化することにより音響を改善するためにも使用することができる。有利には、磁気粘性材料または電気粘性材料の特性のこのような変更もまた、外部のエネルギー供給なしで、かつ動的かつ/または選択的に行うことができる。圧電素子構成体11、17、20、25、28のうちの1つまたは複数によって供給される電圧または電流から、自動車両33の荷重を判定することができるので、例えば、自動車両33が過荷重となった場合に、自動車両33は運転可能な状態ではなくなり、このことは、対応する信号により運転者に表示される。
【0078】
本発明について実施形態の例を参照して説明したが、本発明は様々に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 板バネ装置
2 板バネユニット
3 板バネ部
4 撓み部
5 領域
6 端部
7 支承ユニット
8 端部
9 支承ユニット
10 受入ポケット
11 圧電素子構成体
12 圧電素子
13 検出評価装置
14 線
15 線
16 受入ポケット
17 圧電素子構成体
18 線
19 線
20 圧電素子構成体
21 径部
22 径部
23 線
24 線
25 圧電素子構成体
26 線
27 線
28 圧電素子構成体
29 線
30 線
31 ダンパ
32 板バネ・ダンパ構成体
33 自動車両
34 圧電素子構成体
35 圧電素子構成体
36 線
37 線
38 線
39 線
g 重力方向
F 力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8