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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】電気装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/392 20190101AFI20241028BHJP
   G01R 31/389 20190101ALI20241028BHJP
   G01R 31/3842 20190101ALI20241028BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241028BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
G01R31/392
G01R31/389
G01R31/3842
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02J7/00 Y
H02J7/00 302A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023550918
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2021036162
(87)【国際公開番号】W WO2023053352
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神野 達哉
(72)【発明者】
【氏名】柴田 健次
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/170585(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/145306(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリユニットと、
前記バッテリユニットの出力電圧を変換する電力変換器と、
前記電力変換器により変換された電圧に基づいて所定の機能を実現する機能部と、
前記バッテリユニットから前記電力変換器への電流を検出する電流検出部と、
前記電力変換器の駆動制御を行うプロセッサと、を備える電気装置であって、
前記プロセッサは、
前記電力変換器にAC電圧を出力させ且つ該AC電圧の周波数を順に変え、
前記順に変わる周波数の帯域において得られる前記電流検出部の検出結果に基づいて前記バッテリユニットの劣化度合いを評価し、
前記評価の結果に基づいて前記バッテリユニットの使用が制限されるべき環境を特定し、
前記電力変換器は、前記AC電圧を出力可能に構成された複数のトランジスタを含んでおり、前記評価は、更に、該複数のトランジスタを制御するための制御信号と前記AC電圧との位相差に基づいて行われる
ことを特徴とする電気装置。
【請求項2】
前記電流検出部の検出結果はAC電流であり、
前記プロセッサは、前記電力変換器が出力するAC電圧と、前記電流検出部が検出するAC電流との位相差に基づいて前記評価を行う
ことを特徴とする請求項1記載の電気装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記電流検出部の検出結果をフーリエ変換して前記バッテリユニットの内部インピーダンスを算出し、その算出結果に基づいて前記評価を行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記評価を行うのに際して所定のルックアップテーブルを参照する
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項記載の電気装置。
【請求項5】
前記バッテリユニットの温度を検出する温度検出部を更に備え、
前記ルックアップテーブルは、複数のルックアップテーブルの1つであり、
前記プロセッサは、前記複数のルックアップテーブルから前記温度検出部の検出結果に対応する1つを選択して参照する
ことを特徴とする請求項4記載の電気装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記評価の結果に基づいて前記バッテリユニットの交換が必要であることを通知する
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項記載の電気装置。
【請求項7】
前記電気装置は車両であり、前記機能部は走行機能を実現する
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項記載の電気装置。
【請求項8】
前記電気装置は作業機であり、前記機能部は作業機能を実現する
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項記載の電気装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記評価の結果に基づいて、前記電力変換器からの出力が制限されるべきAC電圧の周波数を特定する
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項記載の電気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に電気装置が備えるバッテリユニットの劣化度合いの評価に関する。
【背景技術】
【0002】
作業機、車両等の電気装置に搭載されうるバッテリユニットは、その劣化度合いに応じて交換が必要となる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5618575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリユニットの使用態様は、その搭載対象の電気装置の用途によって異なりうるため、バッテリユニットの劣化度合いをより適切に評価する技術が一般に求められうる。
【0005】
本発明は、バッテリユニットの劣化度合いについて適切な評価を比較的簡便に実現可能とすることを例示的目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面は電気装置に係り、前記電気装置は、
バッテリユニットと、
前記バッテリユニットの出力電圧を変換するインバータと、
前記インバータにより変換された電圧に基づいて所定の機能を実現する機能部と、
前記バッテリユニットから前記インバータへの電流を検出する電流検出部と、
前記インバータの駆動制御を行うプロセッサと、を備える電気装置であって、
前記プロセッサは、
前記インバータにAC電圧を出力させ且つ該AC電圧の周波数を順に変え、
前記順に変わる周波数の帯域において得られる前記電流検出部の検出結果に基づいて前記バッテリユニットの劣化度合いを評価し、
前記評価の結果に基づいて前記バッテリユニットの使用が制限されるべき環境を特定し、
前記電力変換器は、前記AC電圧を出力可能に構成された複数のトランジスタを含んでおり、前記評価は、更に、該複数のトランジスタを制御するための制御信号と前記AC電圧との位相差に基づいて行われる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記評価を適切に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電気装置の構成例を示すブロック図である。
図2】バッテリユニットの劣化度合いの評価方法の例を示すフローチャートである。
図3】評価用のルックアップテーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでするものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(システム構成)
図1は、実施形態に係る電気装置1の構成の一例を示すブロック図である。電気装置1は、バッテリユニット11、電力変換器12、機能部13、電圧検出部14、電流検出部15、温度検出部16およびプロセッサ17を備える。バッテリユニット11は典型的にはDC(Direct Current)電圧を出力する。バッテリユニット11には、例えばリチウムイオン電池等、充放電が可能な二次バッテリが用いられうる。バッテリユニット11は単にバッテリと表現されてもよい。
【0011】
電力変換器12は、バッテリユニット11の出力電圧を変換可能に構成される。本実施形態では、電力変換器12は、直列および並列に設けられた複数のトランジスタM1~M4を含み、其れらが個別に導通状態または非導通状態となることにより、バッテリユニット11の出力電圧をAC(Alternating Current)電圧に変換する。電力変換器12はインバータと表現されてもよい。トランジスタM1~M4には、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等、公知のスイッチ素子が用いられればよい。
【0012】
機能部13は、電力変換器12により変換された電圧に基づいて所定の機能を実現する。機能の概念には、電気装置1の用途を実現する機能が含まれ、該機能は電気装置1の主機能であってもよいし副機能であってもよい。このような機能部13は、電気装置1の内部負荷として電力変換器12に接続される。付随的に、不図示の外部負荷が外部接続用の端子T1により電力変換器12に接続可能であってもよい。
【0013】
本実施形態では、電気装置1は作業機とし、該機能は作業機能とする。作業の例には、芝刈作業、除雪作業、農作業等が挙げられる。他の実施形態として、電気装置1は車両であってもよく、その場合、該機能は走行機能となりうる。或いは、電気装置1は車輪を備えない移動体(例えば船舶等)であってもよく、その場合、該機能は移動機能ないし推進機能となりうる。即ち、電気装置1の概念には、電気エネルギーに基づいて所定の機能を実現する任意の装置が含まれうる。他の観点で、電気装置1は、CBU(Completely Built-Up)等とも表現されうる。
【0014】
詳細については後述とするが、電圧検出部14は、電力変換器12の出力電圧を検出可能に構成される。電圧検出部14には公知の電圧計が用いられうる。また、電流検出部15は、バッテリユニット11から電力変換器12への電流を検出可能に構成される。電流検出部15には公知の電流計が用いられうる。また、温度検出部16は、バッテリユニット11の温度を検出可能に構成される。温度検出部16には公知の温度センサが用いられうる。
【0015】
プロセッサ17は、電気装置1のシステム全体の制御を行うシステムコントローラ(或いは単にコントローラ)として機能し、電気装置1が備える要素の個々を駆動制御する。詳細については後述とするが、プロセッサ17は、例えばドライバ18により複数のトランジスタM1~M4のそれぞれに正弦波の制御信号を送出し、それにより電力変換器12を駆動制御する。
【0016】
プロセッサ17は、CPU(Central Processing Unit)171、メモリ172および通信インタフェース173を含む。ここで説明されるプロセッサ17の機能は、CPU171が所定のプログラムをメモリ172上に展開して実行することにより実現される。メモリ172の概念には、RAM(Random Access Memory)の他、ROM(Read Only Memory)が包含されうる。プログラムは、ROMから読み出されてもよいし、通信インタフェース173を介して読み出されてもよい。
【0017】
尚、プロセッサ17は、ASIC(特定用途向け集積回路)等の半導体装置で構成されてもよく、即ち、プロセッサ17の機能は、ハードウェア及びソフトウェアの何れによって実現されてもよい。
【0018】
(バッテリユニットの劣化度合いの評価について)
図2は、バッテリユニット11の劣化度合いの評価方法の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップは主にプロセッサ17により実行される。その概要は、電力変換器12が出力するAC電圧の周波数を変えながら、その間のバッテリユニット11の出力電流に基づいてバッテリユニット11の劣化度合いを評価する、というものである。
【0019】
ステップS1010(以下、単に「S1010」とする。後述の他のステップについても同様とする。)では、複数のトランジスタM1等を制御して電力変換器12にAC電圧を出力させ、その際、該AC電圧の周波数を順に変える(スイープさせる)。これに伴い、バッテリユニット11は、周波数を変えながらAC電流を電力変換器12に出力することとなる。尚、周波数は、低周波および高周波の一方から他方に変えられてもよいし、往復するように変えられてもよい。
【0020】
S1020では、上記S1010により順に変わる周波数の帯域について、電圧検出部14および電流検出部15の検出結果を取得する。電圧検出部14は、上記S1010で電力変換器12が周波数を変化させながら出力するAC電圧を検出し、その結果をコントローラ17に出力する。電流検出部15は、上記S1010でバッテリユニット11が周波数を変化させながら出力するAC電流を検出し、その結果をコントローラ17に出力する。
【0021】
ここで、図1に示されるように、電力変換器12が出力するAC電圧の周波数を順に変えている間、バッテリユニット11から電力変換器12への電流波形は変動し、その電流値は電流検出部15により検出されうる。これと共に、電力変換器12が出力する電圧波形は変動し、その電圧値は電圧検出部14により検出されうる。
【0022】
S1030では、周波数が変化するAC電圧(電圧検出部14の検出結果)と、その間のAC電流(電流検出部15の検出結果)とに基づいてバッテリユニット11の劣化度合いを評価し、該劣化度合いが基準を満たす場合には本フローチャートを終了とし、そうでない場合にはS1040に進む。評価方法の詳細については後述とする。
【0023】
S1040では、バッテリユニット11の劣化度合いが基準を満たさないと判定されたことに応じてバッテリユニット11の交換が必要であることを通知し、本フローチャートを終了とする。この通知は、電気装置1に設けられうる所定の通知部(例えば表示パネル、LED光源、音源など)を介してユーザに対して行われればよい。
【0024】
ここで、バッテリユニット11の充放電が繰り返されると、バッテリユニット11が劣化し、例えばバッテリユニット11が内蔵する電解液の変性等に起因して、その充電能力および放電能力は低下しうる。その度合いは、バッテリユニット11の内部インピーダンス(或る周波数における抵抗成分、リアクタンス成分およびキャパシタンス成分)が基準を満たすか否かに基づいて評価可能である。以下の説明において、バッテリユニット11の劣化度合いの評価は単に「評価」と表現する場合がある。
【0025】
一般に、劣化度合いの評価結果は環境によって変動しうる。例えば、電力変換器12により変換して出力されるAC電圧の周波数帯域によっては、バッテリユニット11は使用可能な場合もあるし、該使用が控えられるべき場合(バッテリユニット11の交換が必要な場合)もある。また、バッテリユニット11の温度によっては、バッテリユニット11は使用可能な場合もあるし、該使用が控えられるべき場合もある。そのため、評価は、多面的に行われることが求められうる。
【0026】
一例として、バッテリユニット11の内部インピーダンスを算出し、バッテリユニット11の交換の要否が判定されてもよい。
【0027】
図3は、評価の際に参照されるルックアップテーブルTb1の一例を示す。ルックアップテーブルTb1には、バッテリユニット11の出力許容電力(単位[W(ワット)])が個々の内部インピーダンスに対応して設定されうる。ルックアップテーブルTb1は、所定の温度範囲(例えば-40~+160[℃])に対応する複数のルックアップテーブルを含み、其れらのなかから温度検出部16の検出結果に対応する1つが選択して参照されればよい。このようなルックアップテーブルTb1によれば、例えば、機能部13の駆動に要する電力に基づいてバッテリユニット11の使用の可否が判定可能となる。
【0028】
このような態様によれば、評価は、電気装置1の用途に応じた態様で行われればよく、即ち、ルックアップテーブルTb1は個別に設定されればよい。また、このような態様によれば、上記算出された内部インピーダンスのみに基づいて評価が行われるわけではない。そのため、例えばバッテリユニット11の使用が制限されるべき環境(温度、周波数など)、劣化の詳細をも特定ないし推定可能となる。尚、ルックアップテーブルTb1は、参照テーブル、参照マップ等と表現されてもよい。
【0029】
代替的/付随的に、評価対象の周波数帯域における複数の周波数の其々について個別に評価が行われてもよい。例えば、バッテリユニット11の使用が制限されるべきと判定された周波数が基準より高い場合(所定の周波数以上の帯域ではバッテリユニット11の使用が制限されるべき場合など)には、バッテリユニット11の交換が必要であると判定されうる。このような演算処理の際、温度検出部16の検出結果に基づく補正が行われてもよい。
【0030】
他の例として、評価は、電流検出部15の検出結果をフーリエ変換することで算出されうるバッテリユニット11の内部インピーダンスに基づいて行われうる。これにより、評価対象の周波数帯域(例えば数[Hz(ヘルツ)]~数[MHz(メガヘルツ)])におけるバッテリユニット11の内部インピーダンスに基づいてバッテリユニット11の交換の要否を一律に判定可能となる。このような演算処理の際にも、温度検出部16の検出結果に基づく補正が行われてもよい。
【0031】
更に他の例として、バッテリユニット11の劣化度合いによっては、電力変換器12が出力するAC電圧と、電流検出部15が検出するAC電流との位相差が、初期値(例えばバッテリユニット11の交換直後の位相差)から変動してしまうことも考えられる。そのため、評価は、電力変換器12が出力するAC電圧と、電流検出部15が検出するAC電流との位相差に基づいて行われてもよい。代替的/付随的に、複数のトランジスタM1~M4の制御態様と上記AC電圧(又はAC電流)との位相差が初期値から変動してしまうことも考えられる。そのため、更に他の例として、評価は、電力変換器12の制御信号との位相差に更に基づいて行われてもよい。これらの場合においても、温度検出部16の検出結果に基づく補正が行われてもよい。
【0032】
本実施形態によれば、バッテリユニット11の劣化度合いの評価を比較的簡便にかつ多面的に実現可能であり、評価用の外部装置を用いる必要もなく、該評価を電気装置1自体で行うことが可能である。そのため、本実施形態によれば、電気装置1のユーザビリティの向上にも有利と云える。
【0033】
(その他)
上述の実施形態で説明された個々の要素の名称は、本明細書では主機能に基づいて表現されたが、副機能に基づいて表現されてもよい。よって、本発明は、その表現に厳密に限定されるものではない(該表現は同様の表現に置換え可能とする。)。同様の趣旨で、「部(unit)」という表現は、「部品(component, piece)」、「部材(member)」、「構造体(structure)」、「組立体(assembly)」、「回路(circuit, module)」、「手段(means)」等に置換されてもよいし、或いは省略されてもよい。
【0034】
(実施形態のまとめ)
実施形態の幾つかの特徴は以下のように纏められる:
第1の態様は電気装置(例えば1)に係り、前記電気装置は、バッテリユニット(例えば11)と、前記バッテリユニットの出力電圧を変換する電力変換器(例えば12)と、前記電力変換器により変換された電圧に基づいて所定の機能を実現する機能部(例えば13)と、前記バッテリユニットから前記電力変換器への電流を検出する電流検出部(例えば15)と、前記電力変換器の駆動制御を行うプロセッサ(例えば17)と、を備える電気装置であって、前記プロセッサは、前記電力変換器にAC電圧を出力させ且つ該AC電圧の周波数を順に変え、前記順に変わる周波数の帯域において得られる前記電流検出部の検出結果に基づいて前記バッテリユニットの劣化度合いを評価する
ことを特徴とする。第1の態様によれば、バッテリユニットの劣化度合いの評価を比較的簡便かつ多面的に実現可能となる。
【0035】
第2の態様では、前記電流検出部の検出結果はAC電流であり、前記プロセッサは、前記電力変換器が出力するAC電圧と、前記電流検出部が検出するAC電流との位相差に基づいて前記評価を行う
ことを特徴とする。第2の態様によれば、バッテリユニットの劣化度合いの評価をより適切に実現可能となる。
【0036】
第3の態様では、前記プロセッサは、前記電流検出部の検出結果をフーリエ変換して前記バッテリユニットの内部インピーダンスを算出し、その算出結果に基づいて前記評価を行う
ことを特徴とする。第3の態様によれば、バッテリユニットの劣化度合いの評価をより簡便に実現可能となる。
【0037】
第4の態様では、前記プロセッサは、前記評価を行うのに際して所定のルックアップテーブル(例えばTb1)を参照する
ことを特徴とする。第4の態様によれば、バッテリユニットの劣化度合いの評価をより適切に実現可能となる。
【0038】
第5の態様では、前記バッテリユニットの温度を検出する温度検出部(例えば16)を更に備え、前記ルックアップテーブルは、複数のルックアップテーブルの1つであり、前記プロセッサは、前記複数のルックアップテーブルから前記温度検出部の検出結果に対応する1つを選択して参照する
ことを特徴とする。第5の態様によれば、バッテリユニットの劣化度合いの評価をより適切に実現可能となる。
【0039】
第6の態様では、前記プロセッサは、前記評価の結果に基づいて前記バッテリユニットの交換が必要であることを通知する
ことを特徴とする。第6の態様によれば、ユーザはバッテリユニットの交換に対応可能となる。
【0040】
第7の態様では、前記電気装置は車両であり、前記機能部は走行機能を実現する
ことを特徴とする。第7の態様によれば、典型的な車両において上述の評価方式を採用可能となる。
【0041】
第8の態様では、前記電気装置は作業機であり、前記機能部は作業機能を実現する
ことを特徴とする。第8の態様によれば、典型的な作業機において上述の評価方式を採用可能となる。
【0042】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3