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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-25
(45)【発行日】2024-11-05
(54)【発明の名称】保持装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20241028BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241028BHJP
   C04B 38/00 20060101ALI20241028BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
C04B38/00 303Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024523559
(86)(22)【出願日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 JP2023022899
(87)【国際公開番号】W WO2024009768
(87)【国際公開日】2024-01-11
【審査請求日】2024-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2022109776
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】臼井 俊
(72)【発明者】
【氏名】井上 志郎
(72)【発明者】
【氏名】太田 純雄
(72)【発明者】
【氏名】大原 穂波
(72)【発明者】
【氏名】佐成 巧
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/203680(WO,A1)
【文献】特表2017-538278(JP,A)
【文献】国際公開第2021/220943(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/009028(WO,A1)
【文献】特開2016-143744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
C04B 38/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を保持する第1表面を含み、セラミックスを主成分とする板状部材と、前記板状部材の内部に形成されたガス流路とを有するセラミック基板を備える保持装置であって、
前記ガス流路は、その一部に、セラミックスを主成分とし、多数の気孔を含むガス透過性の多孔質体が配置された箇所からなる多孔領域を有し、
前記多孔質体は、前記気孔として、中心粒径が20μmより大きく55μm以下である多数の大径気孔と、中心粒径が3μm以上20μm以下である多数の小径気孔とを含み、
前記多孔質体に含まれる前記大径気孔の体積割合は、前記多孔質体に含まれる前記小径気孔の体積割合よりも大きく、
前記多孔質体に含まれる前記大径気孔の体積割合は、60体積%以上90体積%以下であり、
前記多孔質体に含まれる前記小径気孔の体積割合は、10体積%以上40体積%以下である保持装置。
【請求項2】
前記多孔質体の気孔率は、60%以上である請求項1に記載の保持装置。
【請求項3】
前記多孔質体は、前記保持装置の前記第1表面に対して略直交する方向において前記気孔が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間を含まない請求項1又は請求項2に記載の保持装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を製造する際にウェハを保持する保持装置の一例として、例えば、特許文献1に示される静電チャックが挙げられる。この種の静電チャックは、絶縁性のセラミックス(例えば、アルミナ)を主体としたセラミック基板(チャック本体)を備えており、そのセラミック基板の表面上でウェハが静電引力により保持される。静電引力は、セラミック基板の内部に設けられたチャック電極に電圧が印加されることで、発生する。
【0003】
この種の静電チャックでは、プラズマエッチング等のプラズマプロセスにおいて、セラミック基板とウェハとの間に、ヘリウムガスを供給して、ウェハから熱を取り除くことが行われている。そのため、静電チャックのセラミック基板の内部には、外部から供給された熱伝導ガスを、ウェハに向かって流すための流路(管路)が形成されている。流路は、セラミック基板の裏面側から、ウェハが載せられる表面側まで延びている。そして更に、流路の内部には、絶縁性のセラミック材料(例えば、アルミナ)の多孔質体からなる多孔領域が設けられている。この多孔領域は、ヘリウムガスを通しつつ、プラズマプロセスにおける異常放電(流路へのプラズマ通過)の発生を抑制するために設けられている。多孔質体の内部には、ヘリウムガスを通過させる通気経路が網目状に形成されている。この通気経路は、多孔質体の製造時(焼成時)に、粒子状の造孔材(合成樹脂製のビーズや炭素粉末等)が焼失(消失)した痕である気孔により形成される。つまり、多孔質体内において、複数の気孔が網目状に繋がることで、通気経路が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4959905号公報
【0005】
(発明が解決しようとする課題)
近年、プラズマプロセスにおいて、エッチング速度を上げる等の理由で、プラズマパワーを高くすることが求められている。そのため、流路内の多孔質体に対して、高い耐プラズマ性が求められている。しかしながら、多孔質体内における気孔の配置状態によっては、多孔質体の絶縁性が低下する虞があり、問題となっていた。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、ガス流路の多孔領域を構成する耐プラズマ性に優れる多孔質体を備える保持装置を提供することである。
【0007】
(課題を解決するための手段)
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 対象物を保持する第1表面を含み、セラミックスを主成分とする板状部材と、前記板状部材の内部に形成されたガス流路とを有するセラミック基板を備える保持装置であって、前記ガス流路は、その一部に、セラミックスを主成分とし、多数の気孔を含むガス透過性の多孔質体が配置された箇所からなる多孔領域を有し、前記多孔質体は、前記気孔として、中心粒径が20μmより大きく55μm以下である多数の大径気孔と、中心粒径が3μm以上20μm以下である多数の小径気孔とを含み、前記多孔質体に含まれる前記大径気孔の体積割合は、前記多孔質体に含まれる前記小径気孔の体積割合よりも大きい保持装置。
【0008】
<2> 前記多孔質体の気孔率は、60%以上である前記<1>に記載の保持装置。
【0009】
<3> 前記多孔質体は、一方向に前記気孔が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間を含まない前記<1>又は<2>に記載の保持装置。
【0010】
(発明の効果)
本発明によれば、ガス流路の多孔領域を構成する耐プラズマ性に優れる多孔質体を備える保持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る保持装置の概略構成を模式的に表した説明図
図2】実施形態1に係る保持装置の内部構造を模式的に表した断面図
図3】基板側ガス流路の一部を拡大した保持装置の断面図
図4】多孔質体の内部構造の一部を模式的に表した説明図
図5】多孔質体の断面の2値化画像
図6】実施形態2に係る保持装置の基板側ガス流路の一部を拡大した断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る保持装置100を、図1図5を参照しつつ説明する。保持装置100は、対象物(例えば、ウェハW)を、所定の処理温度(例えば、50℃~400℃)に加熱しながら、静電引力によって吸着して保持する静電チャックである。静電チャックは、例えば減圧されたチャンバー内でプラズマを用いてエッチングを行うプロセスにおいて、ウェハWを載置するテーブルとして使用される。
【0013】
図1は、実施形態1に係る保持装置100の概略構成を模式的に表した説明図であり、図2は、実施形態1に係る保持装置100の内部構造を模式的に表した断面図である。保持装置100は、円板状のセラミック基板10と、セラミック基板10よりも大きな円板状のベース部材20とを備える。例えば、セラミック基板10が、直径300mm及び厚み3mmの円板状をなす場合、ベース部材20は、直径340mm及び厚み20mmの円板状に設定される。なお、セラミック基板10及びベース部材20には、それぞれ、互いの位置合わせを行うための位置決め部(凹凸等)が設けられてもよい。
【0014】
セラミック基板10及びベース部材20は、セラミック基板10が上側に配され、かつベース部材20が下側に配された状態で、上下方向で互いに重ねられる。セラミック基板10及びベース部材20は、それらの間に介在される接合材30により、互いに接合される。
【0015】
セラミック基板10は、上側に配される略円形状の第1表面S1と、その第1表面S1の反対側(つまり、下側)に配され、かつベース部材20と対向する略円形状の第2表面S2とを有する。ベース部材20は、上側に配され、かつセラミック基板10の第2表面S2と対向する略円形状の第3表面S3と、その第3表面S3の反対側(つまり、下側)に配される略円形状の第4表面S4とを有する。上述した接合材30は、セラミック基板10の第2表面とベース部材20の第3表面S3との間で挟まれつつ、層状に広がった状態となっている。
【0016】
セラミック基板10は、円板状の板状部材11と、その板状部材11の内部に形成された基板側ガス流路12とを備える。この板状部材11の上側の表面が、セラミック基板10の第1表面S1となる。また、板状部材11の下側の表面が、セラミック基板10の第2表面S2となる。
【0017】
板状部材11は、セラミックスを主成分とする板状(円板状)をなした絶縁性の部材である。本明細書において、「主成分」とは、含有割合の最も多い成分を意味する。本実施形態の板状部材11は、アルミナ(Al)からなる。なお、他の実施形態においては、板状部材11は、窒化アルミニウム(AlN)等の他のセラミックスからなるものであってもよい。
【0018】
基板側ガス流路(ガス流路の一例)12は、保持装置100が備える不活性ガス(例えば、熱伝導流体であるヘリウムガス)を流すための流路60の一部を構成するものである。基板側ガス流路12は、セラミック基板10の板状部材11の内部に形成される。基板側ガス流路12は、セラミック基板10の第2表面S2に開口した入口12aと、第1表面S1に開口した出口12bとを備える。基板側ガス流路12は、全体的には、入口12aから出口12bに向かって板状部材11の内部を貫通する形で、設けられている。そのため、入口12aから不活性ガスが供給されると、不活性ガスは、基板側ガス流路12を通って最終的に、出口12bから外部に排出される。このような基板側ガス流路12は、横流路121と、第1縦流路122と、第2縦流路123とを備える。
【0019】
横流路121は、板状部材11の内部において、板状部材11の厚み方向に垂直な方向(つまり、第1表面S1等に沿った方向、図2の左右方向)に延びた流路である。
【0020】
第1縦流路122は、板状部材11の内部において、板状部材11の厚み方向に延びつつ、入口12aと横流路121とを繋ぐ流路である。
【0021】
第2縦流路123は、板状部材11の内部において、板状部材11の厚み方向に延びつつ、出口12bと横流路121とを繋ぐ流路である。本実施形態の場合、1つの横流路121に対して、複数の第2縦流路123が接続されている。第2流路123は、後述するように、多孔質体が収容される収容室123aと、収容室123aと接続しつつ出口12bを含む排出路123bとを備える。
【0022】
セラミック基板10は、更に、チャック電極40、ヒータ電極50を備える。
【0023】
チャック電極40は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により層状(平面状)に形成される。チャック電極40は、図2に示されるように、セラミック基板10(板状部材11)の内部において、第1表面S1側に配されている。チャック電極40は、上下方向から見た際、全体として、略円形状をなしている。チャック電極40には電源(不図示)から直流高電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが、セラミック基板10の第1表面S1に吸着固定される。なお、チャック電極40には、図示されない周知の給電用端子が電気的に接続されている。
【0024】
ヒータ電極50は、電圧が印加されて電流が流れると発熱して、セラミック基板10の第1表面S1で保持されたウェハWを加熱する。ヒータ電極50は、図2に示されるように、セラミック基板10(板状部材11)の内部において、チャック電極40よりも下側(つまり、第2表面S2側)に配されている。ヒータ電極50は、複数個のものからなり、上下方向から見た際、全体として、同心円状又は渦巻状のパターンを形成する。ヒータ電極50は、導電性材料(アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス鋼等)により層状(平面状)に形成される。各ヒータ電極50には、周知の給電用端子(不図示)が電気的に接続されている。各ヒータ電極50に供給する電流を適宜、調整することにより、第1表面S1で保持された半導体ウェハWの温度を制御することができる。なお、セラミック基板10は、更に、測温素子(例えば、サーミスタ)等を備えてもよい。
【0025】
図1及び図2に示されように、セラミック基板10の第1表面S1には、複数の出口12bが設けられている。第1表面S1の外周縁部は、それよりも内側の部分と比べて僅かに上方に突出しつつ、円環状に形成されている。そのため、第1表面S1にウェハWが吸着保持されると、図2に示されるように、半導体ウェハWと第1表面S1の内側の部分との間に隙間(ギャップ)Gが形成される。
【0026】
ベース部材20は、例えば、金属(アルミニウム、アルミニウム合金等)、金属とセラミックスの複合体(Al-SiC)、又はセラミックス(SiC)を主成分として構成される。
【0027】
ベース部材20の内部には、冷媒流路21が設けられている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体、水等)が流されることで、プラズマ熱の冷却が行われる。また、冷媒流路21に冷媒が流されると、ベース部材20が冷却され、接合材30を介したベース部材20とセラミック基板10との間の伝熱(熱引き)により、セラミック基板10が冷却される。その結果、セラミック基板10の第1表面S1で保持されたウェハWが冷却される。冷媒流路21における冷媒の流量を適宜、調整することにより、第1表面S1で保持された半導体ウェハWの温度を制御することができる。
【0028】
ベース部材20の内部には、流路60の一部を構成するベース側ガス流路22が設けられている。ベース側ガス流路22は、全体的には、ベース部材20の厚み方向に延びた貫通孔状をなしており、ベース部材20の第4表面S4に開口した入口20aと、第3表面S3に開口した出口20bとを備える。入口20aは、ベース側ガス流路22の入口をなすと共に、保持装置100に設けられた流路60全体の入口をなす。
【0029】
接合材30は、例えば、シリコーン系の有機接合剤、無機接合剤、又はAl系の金属接着剤を含むボンディングシート等により構成される。接合材30としては、セラミック基板10及びベース部材20の双方に対して高い接着力を備えつつ、高い耐熱性及び熱伝導性を備えるものが好ましい。
【0030】
接合材30にも、流路60の一部を構成する接合側ガス流路31が形成されている。接合側ガス流路31は、層状の接合材30を厚み方向に貫通する孔からなる。
【0031】
流路60は、保持装置100の第1表面S1側に、不活性ガス(ヘリウムガス等)を供給するものである。第1表面S1には、流路60の出口12bが多数設けられており、各出口12bから不活性ガスが排出される形で、第1表面S1側に不活性ガスが供給される。このような流路60は、上述したように、ベース側ガス流路22と、接合側ガス流路31と、基板側ガス流路12とを備える。
【0032】
流路60の入口22aは、ベース部材20の第4表面S4に複数設けられている。各入口22aから不活性ガス(図2中の矢印H)が供給されると、その不活性ガスは、各入口22aに接続したベース側ガス流路22、接合側ガス流路31及び基板側ガス流路12を順次通過し、最終的に、第1表面S1に設けられた複数の出口12bから排出される。
【0033】
ベース側ガス流路22の出口22bは、接合側ガス流路31の下側(ベース部材20側)の開口部と接続する。また、接合側ガス流路31の上側(セラミック基板10側)の開口部は、基板側ガス流路12の入口12aと接続する。基板側ガス流路12の入口12aは、セラミック基板10の第2表面S2に複数設けられている。
【0034】
このような基板側ガス流路12の入口12aを、上流側に有する第1縦流路122は、その下流側で、横流路121と接続する。そして、その横流路121には、複数の第2縦流路123が接続されている。つまり、基板側ガス流路12は、セラミック基板10(板状部材11)の内部において、上流側から下流側に向かって、複数に分岐した形をなしている。
【0035】
図3は、基板側ガス流路12の一部を拡大した保持装置100の断面図である。図3に示されるように、基板側ガス流路12の第2縦流路123は、収容室123aと、排出路123bとを備える。
【0036】
収容室123aは、第2縦流路123の一部であり、それよりも上流側にある第2縦流路123よりも、内径が大きく設定されている。収容室123aは、セラミック基板10の板状部材11の内部に形成される。つまり、収容室123aは、板状部材11を構成するアルミナ(セラミックス)により形成されている。収容室123aは、その内部に略円柱状の空間を備えている。そして、その空間(つまり、収容室123a内)に、多孔質体70が隙間なく、配置された形となっている。このように、基板側ガス流路12のうち、第2縦流路123の収容室123aに多孔質体70が配置された箇所を、「多孔領域R」と称する。
【0037】
排出路123bは、収容室123aの下流側に接続する流路であり、セラミック基板10(板状部材11)の厚み方向に延びた貫通孔状をなしている。排出路123bは、1つの収容室123aに対して、複数のものが接続されている。各排出路123bは、収容室123aや、それよりも上流側にある第2縦流路123と比べて、細径(小径)である。このような各々の排出路123bの下流側の開口端が、流路60の出口12bとなっている。多孔領域Rは、第1表面S1側に形成されているため、第1表面S1を平面視した際、各出口12bから、多孔質体70が露出した状態となっている。
【0038】
多孔質体70は、絶縁性のセラミックスを主成分とする、多数の気孔71を含むガス透過性の部材である。図4は、多孔質体70の内部構造の一部を模式的に表した説明図である。多孔質体70は、全体的には円柱状をなしており、内部に不活性ガスを通過させる通気経路が網目状に形成されている。この通気経路は、多孔質体70内において、多数の気孔71が互いに連なったものからなる。気孔71は、多孔質体70の製造時(焼成時)に、粒子状の造孔材が焼失(消失)した痕として形成される。なお、本明細書において、多孔質体70のうち、気孔71以外の骨格部分を、骨材72と称する。
【0039】
本実施形態の場合、多孔質体70は、セラミック基板10の板状部材11と同様、アルミナ(Al)を主成分とする。なお、他の実施形態において、多孔質体70は、窒化アルミニウム(AlN)等の他のセラミックスを主成分とするものであってもよい。
【0040】
多孔質体70は、気孔71として、中心粒径が20μmより大きく55μm以下である多数の大径気孔71aと、中心粒径が3μm以上20μm以下である多数の小径気孔71bとを含んでいる。なお、大径気孔71aの中心粒径としては、25μm以上55μm以下が好ましい。また、小径気孔71bの中心粒径としては、10μm以上20μm以下が好ましい。
【0041】
本明細書において、気孔71の中心粒径は、「造孔材の中心粒径」を、割掛率で割った値として求められる。この割掛率は、多孔質体70を製造するためのセラミックス成形体(後述する未焼結成形物)が焼成時に収縮する割合である。造孔材の中心粒径は、光散乱法で測定した粒度分布の累積度数が、体積百分率で50%となる粒子径である。
【0042】
造孔材としては、例えば、合成樹脂製のビーズや炭素粉末等が利用される。また、粒子状の造孔材としては、例えば、球状(真球状)であってもよいし、多角形状であってもよい。なお、造孔材の中心粒径は、造孔材が真球状の場合と仮定して求められる。
【0043】
本実施形態において、多孔質体70に含まれる大径気孔71aの体積割合は、多孔質体70に含まれる小径気孔71bの体積割合よりも大きくなるように、設定されている。このように設定されていると、保持装置100の使用時(例えば、対象物を保持した状態で、対象物にプラズマエッチングが施される場合等のプラズマプロセス時)に、基板側ガス流路(ガス流路)12の多孔領域Rにおけるガス透過性が確保されつつ、多孔領域Rの絶縁性が確保される。
【0044】
多孔質体70に含まれる大径気孔71aの体積割合は、60体積%以上90体積%以下が好ましく、65体積%以上80体積%以下がより好ましい。多孔質体70に含まれる大径気孔71aの体積割合は、多孔質体70の製造時に、大径気孔71aを形成するための造孔材の使用量等を適宜、調整することで、所望の値に設定できる。
【0045】
多孔質体70に含まれる小径気孔71bの体積割合は、10体積%以上40体積%以下が好ましく、20体積%以上35体積%以下がより好ましい。多孔質体70に含まれる小径気孔71bの体積割合は、多孔質体70の製造時に、小径気孔71bを形成するための造孔材の使用量等を適宜、調整することで、所望の値に設定できる。
【0046】
多孔質体70に含まれる大径気孔71a及び小径気孔71bの各体積割合が、上述した範囲であると、多孔質体70内において、隣り合った大径気孔71aの間に、小径気孔71aが入り込み易くなり、その結果、複数の大径気孔71aが、一方向に直線的に過剰に繋がることが抑制される。多孔質体70に含まれる大径気孔71aの体積割合が大き過ぎると、多孔質体70内において、複数の大径気孔71aが連続して直線的に隣り合う可能性が高くなってしまう。また、多孔質体70に含まれる小径気孔71bの体積割合が大き過ぎると、多孔質体70内に十分な通気経路が形成されず、ガス透過量が低くなってしまう。
【0047】
「多孔質体70に含まれる大径気孔71aの体積割合」は、多孔質体70の全気孔の体積(100%)に対する、全ての大径気孔71aの体積の割合である。また、「多孔質体70に含まれる小径気孔71bの体積割合」は、多孔質体70の全気孔の体積(100%)に対する、全ての小径気孔71bの体積の割合である。なお、多孔質体70の全気孔の体積は、多孔質体70の気孔率と、多孔質体70の体積とから算出される。
【0048】
本実施形態において、多孔質体70の気孔率は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、60%以上が好ましい。多孔質体70の気孔率は、アルキメデス法を用いて求められる。多孔質体70の気孔率がこのような範囲であると、保持装置100の使用時(プラズマプロセス時)に、基板側ガス流路(ガス流路)12の多孔領域Rにおけるガス透過性が確保されつつ、多孔領域Rの絶縁性が確保される。
【0049】
また、本実施形態において、多孔質体70は、その内部において、一方向に気孔71が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間を含まないことが好ましい。ここで言う、「一方向」は、多孔質体70において任意に定められる1つの方向である。多孔質体70がこのような過大空間を含まないことにより、多孔質体70の絶縁性が高まり、その結果、保持装置100の使用時(プラズマプロセス時)に、過大空間に起因する多孔質体70の絶縁破壊が抑制される。
【0050】
なお、前記一方向としては、保持装置100の第1表面S1に対して略直交する方向(つまり、保持装置100の厚み方向)が好ましい。このような保持装置100の第1表面S1に対して略直交する方向(一方向)において、気孔71が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間を含まないように、多孔質体70が設定されると、より効果的に、保持装置100の使用時(プラズマプロセス時)における多孔質体70の絶縁破壊が抑制される。
【0051】
ここで、図5を参照しつつ、多孔質体70内における過大空間の有無の確認方法について説明する。図5は、多孔質体70の断面の2値化画像である。先ず、多孔質体70を任意の方向に切断し、得られた切断面を、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で撮影する(倍率:200倍)。得られたSEM画像を、市販の材料開発シミュレーションソフトウェアを利用して2値化処理し、得られた2値化画像から、一方向に気孔71が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間の抽出を行う。図5に示される2値化画像には、過大空間はなく、最大で、一方向(図5の上下方向)に111μmの長さの空間Xが見られるに留まった。なお、図5に示される2値画像は、保持装置100における多孔質体70を、第1表面S1に対して略直交する方向に切断して得られた切断面のSEM画像に対応する。図5の上下方向は、第1表面S1に対して略直交する方向に対応する。
【0052】
本実施形態の場合、多孔質体70内において、大径気孔71aと小径気孔71bとが互いに組み合わせられつつ、特定の方向に長く延びた空間(過大空間)が形成されないように、通気経路が形成される。
【0053】
ここで、本実施形態の保持装置100の製造方法を説明する。保持装置100の製造方法は、例えば、以下の通りである。先ず、セラミック基板10とベース部材20とを作製する。
【0054】
セラミック基板10の作製方法は、例えば以下の通りである。先ず、アルミナ粉末と、アクリル系バインダと、適量の分散剤及び可塑剤とを加えた混合物に、更に有機溶剤を加えたものを、ボールミルにて混合し、グリーンシート用スラリーを作製する。このグリーンシート用スラリーを、キャスティング装置でシート状に成形し、その後、得られた成形物を乾燥させて、グリーンシートを複数枚作製する。
【0055】
また、アルミナ粉末、アクリル系バインダ、有機溶剤の混合物に、タングステンやモリブデン等の導電性粉末を添加して混練することにより、メタライズペーストを作製する。このメタライズペーストを、例えばスクリーン印刷装置を用いて印刷することにより、特定の各グリーンシートに、後にヒータ電極やチャック電極等となる未焼結導体層を形成する。
【0056】
更に、特定の各グリーンシートに対して、基板側ガス流路12等となる孔部や溝部が形成される。この際、収容室123aを形成するための孔部が、特定のグリーンシートに形成される。
【0057】
また、アルミナ粉末、造孔材及びバインダの混合物を成形し、所定の大きさの多孔質体70用の未焼結成形物が得られる。造孔材としては、合成樹脂製のビーズや炭素粉末等が利用される。アルミナ粉末(セラミック粉末)の粒径は、適宜、調整される。そして、その未焼結成形物が、特定のグリーンシートに設けられている、収容室123aを形成するための孔部に充填される。その際、多孔質体70用の未焼結成形物は、グリーンシートの孔部に対して、接着剤等を使用して取り付けてもよい。
【0058】
続いて、上述したグリーンシートを複数枚(例えば、20枚)重ねた状態で熱圧着し、必要に応じて外周を切断して、グリーンシートの積層体を作製する。このグリーンシート積層体をマシニングによって切削加工して円板状の成形体を作製し、その成形体を脱脂し、更に脱脂後の成形体を焼成して、焼成体を作製する。このような成形体の焼成時に、上述した多孔質体70用の未焼結成形物も焼成されて、多孔質体70となる。未焼結成形物中の造孔材は焼成時に焼失(消失)することで、多孔質体70の内部に、3次元的に網目状に繋がった通気経路が形成される。
【0059】
次いで、得られた焼成体の表面に、凸状の外周縁部に対応する部分を遮蔽するマスクを配置し、例えばセラミックス等の粒体を投射するショットブラストを行うことにより、焼成体の表面に凸状の外周縁部を形成する。その後、この焼成体の表面を研磨加工することにより、セラミック基板10が得られる。
【0060】
なお、ベース部材20の作製方法は、基本的に従来品の製造方法と同じである。そのため、その詳細説明は省略する。
【0061】
セラミック基板10及びベース部材20がそれぞれ作製された後、それらを、接合材30を利用して接合する。接合材30によるセラミック基板10及びベース部材20の接合は、基本的には、従来品における接合と同じである。そのため、その詳細説明は省略するこのようにして、保持装置100が製造される。
【0062】
以上のように、本実施形態の保持装置100において、多孔質体70に含まれる大径気孔71aの体積割合は、多孔質体70に含まれる小径気孔71bの体積割合よりも大きくなるように、設定されている。このように設定されていると、保持装置100の使用時(例えば、対象物を保持した状態で、対象物にプラズマエッチングが施される場合等のプラズマプロセス時)に、基板側ガス流路(ガス流路)12の多孔領域Rにおけるガス透過性が確保されつつ、多孔領域Rの絶縁性が確保される。このような保持装置100は、基板側ガス流路(ガス流路)12の多孔領域Rを構成する耐プラズマ性に優れる多孔質体70を備える。
【0063】
また、本実施形態において、多孔質体70の気孔率が60%以上であると、保持装置100の使用時(プラズマプロセス時)に、基板側ガス流路(ガス流路)12の多孔領域Rにおけるガス透過性が確保されつつ、多孔領域Rの絶縁性が確保される。
【0064】
また、本実施形態において、多孔質体70は、その内部において、一方向に気孔71が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間を含まないことが好ましい。多孔質体70がこのような過大空間を含まないことにより、多孔質体70の絶縁性が高まり、その結果、保持装置100の使用時(プラズマプロセス時)に、過大空間に起因する多孔質体70の絶縁破壊が抑制される。
【0065】
<実施形態2>
次いで、実施形態2に係る保持装置100Bを、図6を参照しつつ説明する。図6は、実施形態2に係る保持装置100Bの基板側ガス流路12Bの一部を拡大した断面図である。本実施形態の保持装置100Bの基本的な構成は、実施形態1と同じである。そのため、図6では、実施形態1と対応する部分について、実施形態1と同一の符号に更に符号「B」を追加した符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0066】
本実施形態の保持装置100Bは、実施形態1と同様、円板状のセラミック基板10Bと、円板状のベース部材20Bと、それらの間に介在される層状の接合材30Bとを備える。セラミック基板10Bは、板状部材11Bと、その内部に形成される基板側ガス流路12Bと、チャック電極40Bと、ヒータ電極50Bとを備える。
【0067】
基板側ガス流路12Bは、不活性ガス(ヘリウムガス)が通される流路60Bの一部を構成するものであり、図6には、横流路121Bと、第1縦流路122Bと、第2縦流路123Bとが示されている。
【0068】
第2縦流路123ABには、多孔質体70Bが収容される収容室123Baと、収容室123Baと接続しつつ出口12Bbを含む排出路123Bbとが設けられている。出口12Bbは、セラミック基板10Bの第1表面SAB上に配置されている。また、収容室123Baに多孔質体70Bが配置された箇所が、多孔領域RBとなっている。
【0069】
本実施形態の場合、第1縦流路122Bにも、多孔領域RBが設けられている。この多孔領域RBは、第2表面SB2に開口した入口12Baの近くに設けられている。第1縦流路122Bには、多孔質体70Bが収容される収容室122Baが設けられており、その収容室122Baに多孔質体70Bが配置されえた箇所が、第1縦流路122Bにおける多孔領域RBとなっている。
【0070】
なお、本実施形態の多孔質体70Bは、実施形態1と同じである。そのため、本実施形態においても、多孔質体70Bに含まれる大径気孔の体積割合は、多孔質体70Bに含まれる小径気孔の体積割合よりも大きくなるように、設定されている。また、多孔質体70Bの気孔率は、60%以上に設定されている。
【0071】
また、本実施形態において、多孔質体70Bは、その内部において、一方向に気孔が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間を含まないように設定されている。
【0072】
以上のように、本実施形態の保持装置100Bにおいて、第2表面SB2側の近くに配される基板側ガス流路12Bの一部に、プラズマ対策用の多孔領域70Bが設けられていてもよい。
【0073】
本実施形態の保持装置100Bは、実施形態1と同様、基板側ガス流路(ガス流路)12Bの多孔領域RBを構成する耐プラズマ性に優れる多孔質体70Bを備える。
【0074】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0075】
(1)上記実施形態では、多孔質体のセラミックスと、セラミック基板における板状部材のセラミックスとが、互いに同じ種類のセラミックスから構成されていたが、本発明の目的を損なわない限り、例えば、多孔質体のセラミックスと、板状部材のセラミクスとが、互いに異なる種類のセラミックスから構成されてもよい。例えば、多孔質体がアルミナで構成され、かつ板状部材が窒化アルミニウムで構成されても良いし、多孔質体が窒化アルミニウムで構成され、かつ板状部材がアルミナで構成されても良い。
【0076】
(2)上記実施形態では、不活性ガスを通すための流路は、ベース部材にも形成されていたが、他の実施形態においては、ベース部材に形成されていなくてもよく、セラミック基板のみに形成されていてもよい。
【0077】
(3)上記実施形態で示した保持装置の製造方法は、一例であり、本発明の目的を損なわない限り、他の方法で製造されてもよい。
【0078】
以下、実施例に基づいて本発明を更に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0079】
〔実施例1〕
多孔質体用の未焼結成形物を、以下のような条件で形成すること以外は、基本的に、上述した実施形態1と同様の方法で、実施例1のセラミック基板を作製した。
【0080】
アルミナ粉末、造孔材及びバインダを混合し、それらの混合物を、所定の成形装置を利用して、円柱状をなした多孔質体用の未焼結成形物を得た。前記造孔材は、大径気孔用の造孔材(平均粒径40μm)と、小径気孔用の造孔材(平均粒径5μm)とからなる。大径気孔用の造孔材は、アルミナ粉末100体積部に対して、280体積部配合した。また、小径気孔用の造孔材は、アルミナ粉末100体積部に対して、120体積部配合した。得られた多孔質体用の未焼結成形物は、上述した実施形態1と同様、収容室を形成するための孔部を有するグリーンシートの前記孔部に充填した。
【0081】
〔実施例2〕
造孔材として、大径気孔用の造孔材(平均粒径27μm)と、小径気孔用の造孔材(平均粒径20μm)とを使用すると共に、大径気孔用の造孔材の配合量を280体積部、小径気孔用の造孔材の配合量を120体積部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のセラミック基板を作製した。
【0082】
〔実施例3〕
造孔材として、大径気孔用の造孔材(平均粒径240μm)と、小径気孔用の造孔材(平均粒径20μm)とを使用すると共に、大径気孔用の造孔材の配合量を280体積部、小径気孔用の造孔材の配合量を120体積部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のセラミック基板を作製した。
【0083】
〔透過率の測定〕
実施例1~3のセラミック基板が備える各多孔質体について、以下に示される方法で、透過率(ガス透過率)を測定した。
【0084】
グリーンシート上に加工された直径約3.5mm、深さ約5mmの孔部に、多孔質体用の未焼結成形物を射出成形し、所定のホルダーサイズに切り取った後、脱脂、焼成してサンプルを得た。その後、Heガス導入ユニットに前記サンプルをセットし、50Torrの圧力下におけるHeガスの透過率を測定した。
【0085】
測定の結果、実施例1の透過率は、3.9sccm、実施例2の透過率は、10.1sccm(実施例1に対して、透過率が159%上昇)、実施例3の透過率は、8.1sccm(実施例1に対して、透過率が109%上昇)であった。
【0086】
〔気孔率の測定〕
実施例1~3の多孔質体内の気孔率を測定した。具体的には、市販の材料開発シミュレーションソフトウェアを利用して、各実施例の多孔質体を上下方向に沿って切断して得られる切断面のSEM画像(2値化画像)をもとにして気孔率を測定した。その結果、実施例1の多孔質体の気孔率は、72%、実施例2の多孔質体の気孔率は、70%、実施例3の多孔質体の気孔率は、71%であった。
【0087】
〔気孔の体積割合〕
実施例1~3の多孔質体において、「多孔質体に含まれる大径気孔の体積割合」、及び「多孔質体に含まれる小径気孔の体積割合」は、以下のとおりである。
実施例1の場合、大径気孔の体積割合は、44体積%であり、小径気孔の体積割合は、19体積%である。
実施例2の場合、大径気孔の体積割合は、39体積%であり、小径気孔の体積割合は、16体積%である。
実施例3の場合、大径気孔の体積割合は、45体積%であり、小径気孔の体積割合は、19体積%である。
【0088】
〔過大空間の有無の確認〕
実施例1~3の多孔質体内における過大空間の有無を、上述したSEM画像を使用する方法を用いて確認した。ここでは、各実施例の多孔質体を、上下方向に沿って切断して得られる切断面のSEM画像(2値化画像)をもとにして、過大空間の抽出を行った。その結果、実施例1~3において、一方向に気孔が120μm以上の長さで繋がってなる過大空間は、検出されなかった。
【符号の説明】
【0089】
100…保持装置、10…セラミック基板、11…板状部材、12…基板側ガス流路(ガス流路)、12a…入口、12b…出口、121…横流路、122…第1縦流路、123…第2縦流路、20…ベース部材、21…冷媒流路、22…ベース側ガス流路、22a…入口、22b…出口、30…接合材、31…接合側ガス流路、40…チャック電極、50…ヒータ電極、60…流路、70…多孔質体、71…気孔、71a…大径気孔、71b…小径気孔、72…骨材、G…ギャップ、W…対象物(ウェハ)、R…多孔領域、S1…第1表面、S2…第2表面、S3…第3表面、S4…第4表面
図1
図2
図3
図4
図5
図6