(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】配信システム、配信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/50 20220101AFI20241029BHJP
H04L 51/52 20220101ALI20241029BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20241029BHJP
H04N 21/6332 20110101ALI20241029BHJP
【FI】
H04L67/50
H04L51/52
H04N21/258
H04N21/6332
(21)【出願番号】P 2023570881
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2022046849
(87)【国際公開番号】W WO2023127596
(87)【国際公開日】2023-07-06
【審査請求日】2024-02-29
(31)【優先権主張番号】P 2021211812
(32)【優先日】2021-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】河村 敏和
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 高志
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-199506(JP,A)
【文献】特開2019-049992(JP,A)
【文献】特開2021-051549(JP,A)
【文献】特開2001-306941(JP,A)
【文献】特開2014-230126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00-67/75
H04L 51/00-51/58
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信装置と参加者が利用する端末とを含む配信システムであって、
前記参加者が満たすべき設定条件を記憶する記憶部と、
前記端末で取得した情報に基づいて、前記設定条件を満たす前記端末を利用している参加者を抽出する抽出部と、
前記参加者のうち、前記抽出部によって抽出されなかった前記端末を利用している非抽出者に前記設定条件に応じて行動変容を促すメッセージを配信する配信部と、
を有する、配信システム。
【請求項2】
前記端末は、前記参加者の操作に応じて、前記端末が備える発光素子の発光色を変更する変更部を有し、
前記端末で取得した情報は、前記発光素子の発光色の情報を含む、
請求項1に記載の配信システム。
【請求項3】
前記端末は、前記端末の加速度又は角速度を検出する第1の検出部を有し、
前記端末で取得した情報は、前記端末の加速度又は角速度の情報を含む、
請求項
1に記載の配信システム。
【請求項4】
前記端末は、前記端末が備えるボタンの押下を検出する第2の検出部を有し、
前記端末で取得した情報は、前記ボタンの押下、押下回数、又は押下速度の情報を含む、
請求項
1に記載の配信システム。
【請求項5】
前記端末は、生体情報を取得する第3の検出部を有し、
前記端末で取得した情報は、前記生体情報を含む、
請求項
1に記載の配信システム。
【請求項6】
前記端末で取得した情報と時間情報とを含む、前記参加者の状態を示す情報を生成する生成部を有し、
前記抽出部は、前記状態を示す情報が前記設定条件を満たす参加者を抽出する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項7】
前記抽出部は、前記参加者の状態と他の参加者の状態との一致度に基づいて、前記設定条件を満たす参加者を抽出する、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項8】
前記設定条件を満たす参加者に、前記参加者が保有するポイントに応じたサービスを提供する特典提供部を有する、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項9】
前記参加者が保有するポイントは、前記参加者の課金に応じて変化する、請求項8に記載の配信システム。
【請求項10】
前記設定条件を満たす参加者に、出演者のジェスチャ、又は前記出演者の視線に応じた演出を提供する特典提供部を有する、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項11】
前記配信部は、前記非抽出者が前記設定条件を満たすための情報を含む前記メッセージを配信する、請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項12】
前記配信部は、
前記設定条件に基づいて、前記非抽出者を複数のグループに分けて、
前記グループに応じた前記メッセージを配信する、
請求項1乃至
5のいずれか一項に記載の配信システム。
【請求項13】
配信装置と参加者が利用する端末とを含む配信システムにおいて、
前記参加者の設定条件を記憶する処理と、
前記端末で取得した情報に基づいて、前記設定条件を満たす前記端末を利用している参加者を抽出する抽出処理と、
前記参加者のうち、前記抽出処理で抽出されなかった前記端末を利用している非抽出者に前記設定条件に応じて行動変容を促すメッセージを配信する処理と、
をコンピュータが実行する、配信方法。
【請求項14】
請求項13に記載の配信方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システム、配信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して、例えば、音楽等のライブ配信、又はオンライン授業等のオンラインのイベントを開催することが行われている。
【0003】
また、ライブに参加する参加者等に装着したデバイスで生体情報を測定し、測定した生体情報と閾値とを比較した結果に基づいて演出効果を生成し、生成した演出効果を参加者に共有させるライブ演出システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、音楽等のライブをオンラインで開催することにより、ライブに参加する参加者と、他の参加者との一体感等が失われるという問題がある。
【0006】
特許文献1に開示された技術により、参加者の生体情報に基づく演出効果を参加者に共有させることができるが、この方法だけでは、ライブに参加する参加者と、他の参加者との一体感を向上させることには困難を伴っていた。
【0007】
なお、このような問題は、音楽等のライブ配信に限られず、例えば、オンライン講義、セミナー、トークイベント等のオンラインで開催される様々なイベントに共通に存在する。
【0008】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、オンラインで開催されるイベントにおいて、イベントに参加する参加者と、他の参加者との一体感を向上させる配信システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る配信システムは、配信装置と参加者が利用する端末とを含む配信システムであって、前記参加者の設定条件を記憶する記憶部と、前記端末で取得した情報に基づいて、前記設定条件を満たす前記端末を利用している参加者を抽出する抽出部と、前記参加者のうち、前記抽出部によって抽出されなかった前記端末を利用している非抽出者に前記設定条件に応じて行動変容を促すメッセージを配信する配信部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、オンラインで開催されるイベントにおいて、イベントに参加する参加者と、他の参加者との一体感を向上させる配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る配信システムのシステム構成の例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る端末の外観の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る端末のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る端末、及び情報端末の機能構成の例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係る配信システムの機能構成の例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図8A】第1の実施形態に係る配信システムが管理する情報の例を示す図(1)である。
【
図8B】第1の実施形態に係る配信システムが管理する情報の例を示す図(2)である。
【
図8C】第1の実施形態に係る配信システムが管理する情報の例を示す図(3)である。
【
図9】第1の実施形態に係る情報端末の表示画面の例を示す図である。
【
図10】第2の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図11】第2の実施形態に係る設定条件の例を示す図である。
【
図12】第3の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャート(1)である。
【
図13】第3の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャート(2)である。
【
図14】第4の実施形態に係る配信システムの機能構成の例を示す図である。
【
図15】第4の実施形態に係る参加者情報の例を示す図である。
【
図16】第4の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図17】第5の実施形態に係る配信システムの機能構成の例を示す図である。
【
図18】第5の実施形態に係る参加者情報の例を示す図である。
【
図19】第5の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図20】第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(1)である。
【
図21】第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(2)である。
【
図22】第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(3)である。
【
図23】第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(4)である。
【
図24】第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(5)である。
【
図25】第6の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。
【
図26A】第6の実施形態に係る設定条件の例を示す図(1)である。
【
図26B】第6の実施形態に係る設定条件の例を示す図(2)である。
【
図26C】第6の実施形態に係る設定条件の例を示す図(3)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0013】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る配信システムのシステム構成の例を示す図である。配信システム1は、少なくとも、配信装置100と、参加者が利用する端末10a、10b、10c、・・・とを含む。配信システム1は、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して、主催者側が提供する音楽等のライブ映像、又はオンライン授業等のコンテンツを、参加者(参加者A、参加者B、参加者C、・・・)に提供するシステムである。
【0014】
図1の例では、配信システム1は、主催者側がコンテンツを提供するための情報端末20、及び参加者側でコンテンツを視聴するための情報端末11a、11b、11c、・・・をさらに有している。なお、以下の説明において、情報端末11a、11b、11c、・・・のうち、任意の情報端末を示す場合、「情報端末11」を用いる。また、端末10a、10b、10c、・・・のうち、任意の端末を示す場合、「端末10」を用いる。さらに、参加者A、参加者B、参加者Cのうち、任意の参加者を示す場合、「参加者」を用いる。
【0015】
端末10は、参加者が、主催者側が提供するオンラインのイベントに参加する際に利用するデバイスである。端末10は、参加者がイベントに参加しているときに、例えば、参加者の動き、操作、脈拍等の情報を取得し、取得した情報(端末で取得した参加者の情報)を配信装置100に送信する。また、端末10は、配信装置100から配信される主催者側の演出等に応じて、発光又は振動する。
【0016】
図1の例では、端末10は、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信で情報端末11と接続し、情報端末11を介して、配信装置100と通信を行う。ただし、これに限られず、端末10は、例えば、無線LAN(Local Area Network)や無線WAN(Wide Area Network)等の無線通信、又は有線通信により、配信装置100と通信を行うものであってもよい。
【0017】
情報端末11は、参加者が利用する、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はPC(Personal Computer)等の情報端末である。
図1の例では、情報端末11は、配信装置100から配信されるコンテンツを表示するとともに、配信装置100から配信される視聴覚情報(例えば、端末10の発光色、振動等の情報)を、端末10に送信する。また、情報端末11は、端末10で取得した参加者の情報を、配信装置100に送信する。
【0018】
情報端末20は、主催者側が利用するPC等の情報端末である。情報端末20は、例えば、出演者の声や楽器の音等を収録した映像等のコンテンツ、及び運営スタッフ等が設定した設定条件等を、配信装置100に送信する。なお、情報端末20が配信装置100に送信するコンテンツには、オプションとして、例えば、振動、又は出演者が利用する端末10xで取得した情報(出演者の動き、操作、脈拍等の情報)等が含まれていてもよい。
【0019】
また、情報端末20は、配信装置100から配信される参加者の情報、又は視聴覚情報等に基づいて、参加者の反応を、例えば、画像、光、振動等で出演者にフィードバックしてもよい。
【0020】
配信装置100は、コンピュータの構成を有する情報処理装置、又は複数のコンピュータを含むシステムである。配信装置100は、例えば、主催者側の情報端末20から受信した映像等のコンテンツを、イベントに参加する参加者が利用する情報端末11に配信する。また、配信装置100は、主催者側の演出等に応じて、視聴覚情報(発光又は振動等の情報)を、情報端末11を介して端末10に配信してもよい。なお、配信装置100は、例えば、映像等のコンテンツを配信する情報処理装置(又はシステム)と、視聴覚情報を配信する情報処理装置(又はシステム)とに分かれていてもよい。
【0021】
また、本実施形態に係る配信装置100は、情報端末11から、端末10で取得した参加者の情報を受信し、受信した情報に基づいて、主催者の設定条件を満たす参加者を抽出する機能を有している。さらに、配信装置100は、抽出した参加者(以下、抽出者と呼ぶ)に、例えば、主催者側で用意した特典を提供し、抽出されなかった参加者(以下、非抽出者と呼ぶ)に、行動変容を促すためのメッセージを配信する機能を有している。このメッセージには、例えば、非抽出者が設定条件を満たすための情報等が含まれる。
【0022】
このように、本実施形態に係る配信システム1では、参加者が利用する端末10で取得した情報と、設定条件とに基づいて、参加者に特典、又は行動変容を促すためのメッセージを提供する。これにより、例えば、メッセージを受信した参加者は、特典を得るために、同様の行動をとることが期待できる。従って、本実施形態によれば、オンラインで開催されるイベントにおいて、イベントに参加する参加者と、他の参加者との一体感を向上させる配信システム1を提供することができる。
【0023】
なお、配信装置100に設定する設定条件には、参加者の設定条件が含まれていてもよい。例えば、知り合いに招待されてイベントに参加したが、イベントの雰囲気になじめない参加者、又は端末10のバッテリが切れた参加者等の行動変容を促すためのメッセージが不要な参加者は、当該メッセージの配信を「不要」として設定してもよい。
【0024】
また、
図1に示した配信システム1のシステム構成は一例である。例えば、配信システム1は、ライブ配信に限られず、収録済みのコンテンツを参加者に配信するものであってもよい。この場合、配信システム1は、主催者側の情報端末20を有していなくてもよい。
【0025】
配信装置100の少なくとも一部は、物理マシン(コンピュータ)に限られず、例えば、クラウド上の仮想マシン等によって実現されるものであってもよい。
【0026】
参加者は、情報端末11に代えて、テレビ等でコンテンツを視聴してもよい。この場合、配信システム1は、情報端末11を有していなくてもよい。この場合、端末10は、無線LANのアクセスポイント等を介して、配信装置100と通信してもよい。
【0027】
端末10は、専用の端末に限られず、例えば、テレビのリモコン、スマートフォン、又はウェアラブル端末等を利用するものであってもよい。
【0028】
<ハードウェア構成>
(情報端末、及び配信装置のハードウェア構成)
情報端末11、情報端末20、及び配信装置100は、例えば、
図2に示すようなコンピュータ200のハードウェア構成を有する。なお、配信装置100は、複数のコンピュータ200によって構成されるものであっても良い。
【0029】
図2は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ200は、例えば、プロセッサ201、メモリ202、ストレージデバイス203、通信装置204、入力装置205、出力装置206、及びバス207等を有する。
【0030】
プロセッサ201は、例えば、ストレージデバイス203、又はメモリ202等の記憶媒体に記憶した所定のプログラムを実行することにより、様々な機能を実現するCPU(Central Processing Unit)等の演算装置である。メモリ202は、例えば、プロセッサ201のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、及びプロセッサ201の起動用のプログラム等を記憶する不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等を含む。ストレージデバイス203は、OS(Operating System)、アプリケーション等のプログラム、及び各種のデータ、情報等を記憶する大容量の記憶装置であり、例えば、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)等によって実現される。
【0031】
通信装置204は、コンピュータ200を通信ネットワークに接続して、他の装置と通信するための、例えば、LAN、又はWAN等の通信デバイスである。なお、通信装置204は、無線通信を行うものであってもよいし、有線通信を行うものであってもよい。また、コンピュータ200が、情報端末11又は情報端末20である場合、通信装置204には、例えば、Bluetooth等の近距離無線通信を行う通信デバイスが含まれる。
【0032】
入力装置205は、例えば、タッチパネル、キーボード、又はポインティングデバイス等の外部からの入力を受け付ける入力デバイスである。出力装置206は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は発光素子等の外部への出力を行う出力デバイスである。なお、入力装置205、及び出力装置206は、例えば、タッチパネルディスプレイ等のように、入力装置205と出力装置206が一体化された構成であってもよい。
【0033】
バス207は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0034】
(端末の外観)
図3は、一実施形態に係る端末の外観の例を示す図である。参加者が利用する端末10は、一例として、
図3に示すようにスティック状の外観を有し、参加者が手で握れるように構成されている。
【0035】
また、端末10の外側には、例えば、フルカラーLED(Light Emitting Diode)301、色変更ボタン302、アピールボタン303、脈拍センサ304、マイク305、ディスプレイ306、及び電源ボタン307等が設けられている。
【0036】
フルカラーLED301は、端末10が備えるMCU(Micro Controller Unit)等からの制御に従って、任意の発光色で発光可能な発光素子の一例である。色変更ボタン302は、参加者による発光色の変更操作を受け付ける入力素子である。アピールボタン303は、利用者の押下を受け付ける入力素子である。例えば、参加者は、アピールボタン303を連打することにより、出演者等にアピールすることができる。
【0037】
脈拍センサ304は、利用者の脈拍、又は心拍等を検出するセンサである。なお、脈拍センサ304は、参加者の状態を示す生体情報を取得するセンサの一例である。端末10は、脈拍センサ304に代えて(又は加えて)、参加者の汗を検出する汗センサ、参加者の体温を検出する体温センサ、スティックを握る力を検出する圧電センサ、又は手の筋肉の動きを検出する筋電センサ等を有していてもよい。
【0038】
マイク305は、参加者の声や、周辺の音等を収音するマイクロフォンである。ディスプレイ306は、例えば、メッセージ等を表示する表示素子である。電源ボタン307は、参加者等による端末10の電源のオン、オフ操作を受け付ける入力素子である。
【0039】
(端末のハードウェア構成)
図4は、一実施形態に係る端末のハードウェア構成の例を示す図である。端末10は、例えば、
図4に示すように、MCU400、フルカラーLED301、色変更ボタン302、アピールボタン303、脈拍センサ304、マイク305、ディスプレイ306、電源ボタン307、加速度・角速度センサ401、振動デバイス402、及び通信デバイス403等を有する。
【0040】
MCU400は、1つの集積回路にコンピュータシステムを統合した、組み込み用のプロセッサであり、所定のプログラムを実行することにより、MCU400に接続された各構成要素を制御する。フルカラーLED301、色変更ボタン302、アピールボタン303、脈拍センサ304、マイク305、ディスプレイ306、及び電源ボタン307は、
図2で説明した各構成要素に対応している。
【0041】
加速度・角速度センサ401は、端末10の加速度、及び角速度を検出するセンサである。振動デバイス402は、多彩な感触を振動で再現する振動素子である。好ましくは、振動デバイス402は、2軸の自由度を持つ振動フィードバックデバイスである。通信デバイス403は、例えば、情報端末11、又は情報端末20等と近距離無線通信を行う無線モジュール、又は無線IC(Integrated Circuit)等である。或いは、通信デバイス403は、無線LAN通信、又は無線WAN通信等を行う無線モジュール等であってもよい。
【0042】
なお、
図3に示した端末10の外観、及び
図4に示した端末10のハードウェア構成は一例であり、様々な変形、又は応用が可能である。
【0043】
<機能構成>
図5は、一実施形態に係る端末、及び情報端末の機能構成の例を示す図である。
【0044】
(端末の機能構成)
端末10は、例えば、MCU400で所定のプログラムを実行することにより、例えば、変更部501、第1の検出部502、第2の検出部503、第3の検出部504、制御部505、近距離通信部506、及び表示部507等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0045】
変更部501は、参加者の操作に応じて、端末10が備える発光素子の発光色を変更する。例えば、変更部501は、色変更ボタン302に対する参加者の操作に応じて、フルカラーLED301の発光色を変更する。
【0046】
第1の検出部502は、端末10の加速度又は角速度を検出する。例えば、第1の検出部502は、加速度・角速度センサ401を用いて、端末10の加速度と角速度とを検出する。
【0047】
第2の検出部503は、端末10が備えるボタンの押下を検出する。例えば、第2の検出部503は、参加者によるアピールボタン303の押下、押下回数、又は押下速度等の押下情報を検出する。
【0048】
第3の検出部504は、参加者の状態を示す状態情報を取得する。例えば、第3の検出部504は、脈拍センサ304を用いて、参加者の脈拍数、又は心拍等の情報を取得する。
【0049】
制御部505は、端末10の全体の制御を行う。例えば、制御部505は、第1の検出部502が検出した加速度又は角速度、第2の検出部503が検出したボタンの押下情報、及び第3の検出部504が取得した生体情報等を、情報端末11を介して、配信装置100に送信する。また、制御部505は、情報端末11を介して、配信装置100から受信した視聴覚情報等に従って、フルカラーLED301の発光色、又は振動デバイス402の振動等を制御する。
【0050】
近距離通信部506は、例えば、参加者が利用する端末10を、当該参加者が利用する情報端末11に、近距離無線通信で接続し、情報端末11を介して、配信装置100と通信を行う。表示部507は、ディスプレイ306等を用いて表示画面を表示する。
【0051】
なお、
図5に示した、端末10の機能構成は一例である。例えば、端末10は、近距離通信部506に代えて(又は加えて)、無線LAN通信で情報端末11と通信する無線LAN通信部を有していてもよい。また、端末10は、無線LAN通信部を用いて、無線LAN通信のアクセスポイントに接続し、アクセスポイントを介して、配信装置100と通信してもよい。同様に、端末10は、近距離通信部506に代えて(又は加えて)、無線WAN通信で基地局に接続し、基地局を介して、配信装置100と通信する無線WAN通信部を有していてもよい。
【0052】
(参加者側の情報端末の機能構成)
参加者側の情報端末11は、例えば、プロセッサ201で所定のプログラムを実行することにより、通信部511、表示制御部512、転送部513、及び近距離通信部514等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0053】
通信部511は、通信装置204を用いて、情報端末11を、例えば、インターネットやLAN等の通信ネットワークNに接続し、配信装置100と通信する通信処理を実行する。
【0054】
表示制御部512は、様々な表示画面を、出力装置206に含まれるディスプレイ等に表示する表示制御処理を実行する。例えば、表示制御部512は、配信装置から配信される映像等のコンテンツを表示する。なお、表示制御部512は、コンテンツに音が含まれる場合、出力装置206に含まれるスピーカ等を用いて、音を出力する制御も行う。また、表示制御部512は、配信装置100から配信されるメッセージ等を、表示画面に表示する制御も行う。
【0055】
転送部513は、近距離通信部514が端末10から受信したデータを配信装置100に転送するとともに、通信部511が配信装置100から受信したデータを端末10に転送する転送処理を実行する。これにより、端末10は、情報端末11を介して、配信装置100と通信することができる。
【0056】
近距離通信部514は、通信装置204を用いて、端末10と近距離無線通信を行う。なお、
図5に示した情報端末11の機能構成は一例である。例えば、情報端末11は、近距離通信部514に代えて(又は加えて)、無線LAN通信で端末10と通信する無線LAN通信部を有していてもよい。
【0057】
(配信装置の機能構成)
図6は、一実施形態に係る配信システムの機能構成の例を示す図である。配信装置100は、例えば、1つ以上のコンピュータ200で所定のプログラムを実行することにより、通信部601、コンテンツ提供部602、情報管理部603、記憶部604、情報収集部605、生成部606、抽出部607、特典提供部608、及び配信部609等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0058】
通信部601は、例えば、通信装置204を用いて、配信装置100を通信ネットワークNに接続して、情報端末11a、11b、11c、・・・、及び情報端末20等と通信する通信処理を実行する。
【0059】
コンテンツ提供部602は、主催者側が提供するコンテンツを、情報端末11a、11b、11c、・・・に提供するコンテンツ提供処理を実行する。例えば、コンテンツ提供部602は、主催者側の情報端末20から受信する映像等のコンテンツを、情報端末11a、11b、11c、・・・に配信する。或いは、コンテンツ提供部602は、記憶部604、又は通信ネットワークN上のサーバ等に記憶した、収録済のコンテンツを、情報端末11a、11b、11c、・・・に配信するものであってもよい。
【0060】
情報管理部603は、主催者又は参加者の設定条件611、及び参加者情報612等を記憶部604に記憶して管理する。例えば、情報管理部603は、設定条件611、又は参加者情報612等を設定するウェブページを、情報端末11、又は情報端末20等に提供するウェブサーバの機能を有し、設定された設定条件611、又は参加者情報612等を、記憶部604等に記憶する。
【0061】
記憶部604は、一例として、プロセッサ201が実行するプログラム、及びストレージデバイス203等によって実現され、設定条件611、参加者情報612等の様々な情報を記憶する。別の一例として、記憶部604は、配信装置100の外部に設けられたストレージサーバ等によって実現されるものであってもよい。
【0062】
情報収集部605は、端末10a、10b、10c、・・・、及び端末10x等で取得した参加者の情報、及び出演者の情報等を、情報端末11a、11b、11c、・・・、及び情報端末20等から収集する。なお、端末10で取得した参加者の情報には、例えば、端末10が備える発光素子の発光色の情報、端末10の加速度又は角速度の情報、アピールボタン303の押下情報、又は参加者の状態を示す生体情報等が含まれる。なお、情報収集部605は、端末10で取得した参加者の情報を、情報端末11を介さずに無線LAN経由で収集してもよい。
【0063】
生成部606は、情報収集部605が収集した、端末10で取得した情報と時間情報とを含む、参加者の状態を示す状態情報を生成する。ここで、時間情報とは、端末10が参加者の情報を取得した時刻(タイムスタンプ)、端末10が参加者の情報を送信した時刻、又は配信装置100が参加者の情報を受信した時刻等の情報である。なお、情報収集部605が収集した情報に、既に時間情報(タイムスタンプ等)が含まれている場合、情報収集部605が収集した情報を、状態情報として用いてもよい。
【0064】
抽出部607は、情報収集部605が収集した、端末10で取得した情報に基づいて、設定条件611を満たす端末10を利用している参加者を抽出する抽出処理を実行する。
【0065】
特典提供部608は、抽出部607が抽出した参加者(抽出者)に、特典を提供する特典提供処理を実行する。
【0066】
配信部609は、参加者のうち、抽出部607によって抽出されなかった端末10を利用している参加者(非抽出者)に、設定条件に応じて行動変容を促すメッセージを配信する配信処理を実行する。
【0067】
なお、
図6に示した配信装置100の機能構成は一例である。例えば、主催者側が提供するコンテンツを、情報端末11a、11b、11c、・・・に提供するコンテンツ提供処理は、配信装置100とは異なる他の情報処理装置が実行してもよい。また、生成部606の機能は、情報収集部605、又は抽出部607に含まれていてもよい。さらに、抽出者に特典を提供する処理は、例えば、他の情報処理装置、又は主催者等が行ってもよい。
【0068】
(主催者側の情報端末の機能構成)
主催者側の情報端末20は、例えば、プロセッサ201で所定のプログラムを実行することにより、通信部621、コンテンツ送信部622、操作受付部623、出力制御部624、転送部625、及び近距離通信部626等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0069】
通信部621は、通信装置204を用いて、情報端末20を通信ネットワークNに接続し、配信装置100等と通信する通信処理を実行する。
【0070】
コンテンツ送信部622は、例えば、出演者の声や楽器の音等を収録した映像等のコンテンツを、配信装置に送信するコンテンツ送信処理を実行する。
【0071】
操作受付部623は、例えば、入力装置205等を用いて、運営スタッフ等による入力操作を受け付ける。出力制御部624は、例えば、出力装置206等を用いて、表示画面、画像等の表示、及び光、振動等の出力等を制御する。
【0072】
転送部625は、近距離通信部626が端末10xから受信したデータを配信装置100に転送するとともに、通信部621が配信装置100から受信したデータを端末10xに転送する転送処理を実行する。これにより、端末10xは、情報端末20を介して、配信装置100と通信することができる。なお、端末10xは、例えば、
図5の端末10と同様の機能構成を有しているものとする。
【0073】
近距離通信部626は、通信装置204を用いて、端末10xと近距離無線通信を行う。なお、
図6に示した、主催者側の情報端末20の機能構成は一例である。例えば、情報端末20は、近距離通信部626に代えて(又は加えて)、無線LAN通信で端末10xと通信する無線LAN通信部を有していてもよい。
【0074】
なお、運営スタッフ等が、設定条件等を設定する情報端末は、情報端末20とは別の情報端末であってもよい。また、コンテンツを配信装置100に送信する情報端末は、情報端末20とは別の情報端末であってもよい。
【0075】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る配信方法の処理の流れについて説明する。
【0076】
[第1の実施形態]
図7は、第1の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図6に示すような配信システム1において、音楽等のライブ映像等のコンテンツを配信中に、配信装置100が繰り返し実行する処理の一例を示している。
【0077】
ステップS701において、情報管理部603は、設定条件を入力する。例えば、情報管理部603は、主催者側の情報端末20に、設定条件を設定するウェブページを表示して、運営スタッフによる設定条件の入力を受け付けてもよい。或いは、情報管理部603は、記憶部604に予め記憶した設定条件611を読み出すことにより、設定条件を入力してもよい。
【0078】
図8Aは、情報管理部603が、記憶部604に予め記憶した設定条件の一例のイメージを示している。
図8Aに示す設定条件611aは、主催者側が設定する主催者の設定条件の一例である。
図8Aの例では、設定条件611aには、項目として、「内容」、「判定条件」、「判定」、「特典、又はメッセージ」等の情報が含まれる。
【0079】
「内容」は、設定条件611aの設定内容の概要を示す情報である。「判定条件」は、主催者の設定条件を満たしているか否かを判定するための判定条件である。「判定」は、主催者の設定条件を満たしているか否かの判定結果であり、判定「○」は判定条件を満たしていることを示す。判定「△」は判定条件を満たしていないが、判定結果「○」との差が比較的小さい(惜しい)ことを示す。判定「×」は、判定結果「○」との差が比較的大きい(惜しくない)ことを示す。
【0080】
図8Aの例では、出演者の歌い始めのタイミングと、端末10で発光色を白色に切り替えたタイミングとの誤差が0.2秒未満である場合、当該端末10が設定条件を満たしており、判定が「○」になることを示している。また、出演者の歌い始めのタイミングと、端末10で発光色を白色に切り替えたタイミングとの誤差が0.2秒以上、1秒未満である場合、当該端末10は、設定条件を満たしていないが判定「○」との差が比較的小さいため、判定が「△」になることを示している。さらに、出演者の歌い始めのタイミングと、端末10で発光色を白色に切り替えたタイミングとの誤差が1秒以上である場合、当該端末10は、設定条件を満たしておらず判定「○」との差が比較的大きいため、判定が「×」になることを示している。なお、端末10の発光色が白色以外である場合も、同様に判定が「×」になる。
【0081】
「特典、又はメッセージ」は、「判定」に対応する処理内容を示している。
図8Aの例では、端末10の判定が「○」である場合、当該端末10を利用する参加者の中から、抽選で特典を提供することを示している。また、端末10の判定が「△」である場合、当該端末10を利用する参加者に、行動変容を促すメッセージとして「○○が歌い始めるタイミングで白色に切り替えよう」を配信することを示している。なお、行動変容を促すメッセージは、例えば、判定「×」に示すように、判定条件によって異なるメッセージを設定してもよい。ここでは、情報管理部603が、
図8Aに示すような設定条件611aを入力したものとして、以下の説明を行う。
【0082】
ここで、
図7に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS702において、情報収集部605は、端末10で取得した情報を収集する。例えば、情報収集部605は、情報端末11から、端末10が取得した参加者の情報を取得する。この参加者の情報には、例えば、端末10が備える発光素子の発光色の情報、端末10の加速度又は角速度の情報、アピールボタン303の押下情報、又は参加者の状態を示す生体情報等が含まれる。
【0083】
ステップS703において、生成部606は、情報収集部605が収集した参加者の情報に基づいて、参加者の状態を生成する。ここでは、生成部606は、情報収集部605が収集した参加者の情報に基づいて、参加者が端末10の発光色を白色に切り替えた時刻を示す情報を生成する。
【0084】
ステップS704において、抽出部607は、生成部606が生成した参加者の状態が、設定条件を満たすか否かを判断する。例えば、抽出部607は、
図8Aに示すような設定条件611aを参照して、出演者の歌い始めのタイミング(時刻)と、参加者が端末10の発光色を白色に切り替えたタイミング(時刻)の誤差が0.2秒未満であるか否かを判断する。
【0085】
参加者の状態が設定条件を満たす場合、抽出部607は、処理をステップS705に移行させる。一方、参加者の状態が設定条件を満たさない場合、抽出部607は、処理をステップS706に移行させる。
【0086】
ステップS705に移行すると、抽出部607は、参加者の状態が設定条件を満たした参加者を抽出者として抽出する。抽出者には、例えば、
図8Aに示すような設定条件611aに従って、特典提供部608(又は主催者等)が、抽選で特典を提供する。
【0087】
特典の例としては、例えば、出演者との1対1のファンサービス(会話等)、グッズのプレゼント(サイン入りグッズ、公認のデジタル写真等)、別のイベントへの招待(別の日のライブ、アフタートーク等)が考えられる。ただし、これに限られない。
【0088】
ステップS706に移行すると、配信部609は、参加者の状態が設定条件を満たしていない参加者(非抽出者)に、行動変容を促すメッセージを送信する。例えば、配信部609は、
図8Aに示すような設定条件611aに従って、行動変容を促すメッセージを配信する。
【0089】
具体的な一例として、配信部609は、
図9に示すように、配信映像901を表示している情報端末11の表示画面900に、例えば、「LEDを白色切り替えよう」等の行動変容を促すメッセージ902を表示してもよい。
【0090】
好ましくは、配信部609は、例えば、
図8A示すような設定条件611aに基づいて、非抽出者を複数のグループに分けて、グループに応じたメッセージを配信する。
【0091】
なお、配信システム1は、配信システム1に含まれる端末10の各々に対して、
図7の処理を個別に実行してもよいし、複数の端末10に対して、
図7の処理をまとめて実行してもよい。
【0092】
上記の処理により、行動変容を促すメッセージを見た参加者は、特典を得るために、他の参加者と同様の行動をとることが期待できる。これにより、本実施形態によれば、イベントに参加する参加者と、他の参加者(出演者を含む)との一体感を向上させることができる。
【0093】
なお、
図8Aに示した設定条件611aは一例であり、様々な変形や応用が可能である。例えば、
図7のステップS701において、情報管理部603は、
図8Bに示すような、他の設定条件611bを入力してもよい。
【0094】
図8Bに示す設定条件611bでは、参加者の状態が「所定の期間内のアピールボタンの連打回数」となり、「アピールボタンの連打回数が最も多い参加者」が、設定条件を満たす抽出者として抽出される。この場合、抽選は不要なので、設定条件を満たす抽出者に特典を提供すればよい。
【0095】
なお、
図8Aに示した設定条件611a、及び
図8Bに示した設定条件611bは、主催者側が設定した主催者の設定条件の一例である。情報管理部603は、主催者の設定条件に加えて、参加者の設定条件を、例えば、
図8Cに示すような参加者情報614等で管理してもよい。
【0096】
図8Cは、情報管理部603が、記憶部604に記憶して管理する参加者情報612の一例のイメージを示している。
図8Cの例では、参加者情報612には、項目として、「参加者ID」、「端末ID」、「参加者種別」、「参加者の設定情報」等の情報が含まれる。
【0097】
「参加者ID」は、参加者を識別する識別情報である。「端末ID」は、参加者が利用する端末10、又は情報端末11を識別する識別情報である。「参加者種別」は、参加者の種別を示す情報である。
図8Cの例では、「参加者種別」は、「出演者」と「観客」とがある。「参加者の設定条件」には、参加者が予め設定した設定条件として、「特典の受取」の要否、及び「メッセージ配信」の要否等が設定されている。例えば、参加者は、特典の受取が困難であることが分かっている場合等に、「特典の受取」を不要に設定してもよい。この場合、
図7のステップS704において、抽出部607は、利用者の設定条件を満たさないと判断し、当該利用者を非抽出者としてもよい。
【0098】
また、参加者は、行動変容を促すメッセージが不要である場合、「メッセージの配信」を不要に設定してもよい。この場合、
図7のステップS706において、配信部609は、当該参加者への行動変容を促すメッセージの配信を禁止してもよい。
【0099】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、出演者が、参加者と同様の端末10xを持ってパフォーマンスを行う際に、配信システム1が実行する処理の例について説明する。
【0100】
図10は、第2の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図6に示すような配信システム1において、音楽等のライブ
配信中に、出演者が参加者と一緒になって端末10を振っている場合に、配信装置100が繰り返し実行する処理の例を示している。なお、基本的な処理内容は、
図7で説明した第1の実施形態に係る配信システムの処理と同様なので、ここでは、第1の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0101】
ステップS1001において、情報管理部603は、設定条件を入力する。一例として、情報管理部603は、
図11に示すような設定条件611cを記憶部604から読み出し、設定条件とする。
【0102】
図11は、第2の実施形態に係る設定条件の例を示す図である。
図11に示すように、設定条件611cは、第1の実施形態に係る設定条件611a、611bと同様に、項目として、「内容」、「判定条件」、「判定」、「特典、又はメッセージ」等の情報を含む。
【0103】
図11の例では、参加者が端末10を振るタイミングと、出演者が端末10を振るタイミングの誤差がX%未満である場合、参加者の端末10が設定条件を満たしており、判定が「○」になることを示している。なお、X%、Y%は、主催者側が予め設定した値(X<Y)である。
【0104】
また、参加者が端末10を振るタイミングと、出演者が端末10を振るタイミングの誤差がX%以上、Y%未満である場合、参加者の端末10は、設定条件を満たしていないが判定「○」との差が比較的小さいため、判定が「△」になることを示している。さらに、参加者が端末10を振るタイミングと、出演者が端末10を振るタイミングの誤差がY%以上である場合、参加者の端末10は、設定条件を満たしておらず判定「○」との差が比較的大きいため、判定が「×」になることを示している。
【0105】
ここで、
図10に戻り、フローチャートの説明を続ける。ステップS1002において、情報収集部605は、参加者の端末10で取得した情報と、出演者の端末10で取得した情報とを収集する。この参加者の情報には、例えば、端末10が備える発光素子の発光色の情報、端末10の加速度又は角速度の情報、アピールボタン303の押下情報、又は参加者の状態を示す生体情報等が含まれる。
【0106】
ステップS1003において、生成部606は、情報収集部605が収集した情報に基づいて、参加者の状態と、出演者の状態とを生成する。ここでは、生成部606は、情報収集部605が収集した情報に基づいて、所定の期間内における、参加者の端末10の加速度及び角速度の情報と、出演者の端末10の加速度及び角速度の情報とを、同じ時間軸上に統合した情報を生成する。
【0107】
ステップS1004において、抽出部607は、生成部606が生成した、参加者の状態(端末10を振るタイミング)と、出演者の状態(端末10を振るタイミング)との一致度(又は誤差)を算出する。例えば、抽出部607は、
図11の設定条件611cに合わせて、参加者が端末10を振るタイミングと、出演者が端末10をタイミングとの誤差を算出する。なお、参加者が端末10を振るタイミングと、出演者が端末10をタイミングとの誤差は、参加者の状態と出演者の状態との一致度の一例である。
【0108】
ステップS1005において、抽出部607は、算出した一致度が閾値以上であるかを判断する。例えば、抽出部607は、
図11の設定条件611cに合わせて、参加者が端末10を振るタイミングと、出演者が端末10をタイミングとの誤差が、X%未満であるか否かを判断する。この場合、抽出部607は、参加者が端末10を振るタイミングと、出演者が端末10をタイミングとの誤差が、X%未満であるときに、一致度が閾値以上であると判断する。
【0109】
一致度が閾値以上である場合、抽出部607は、処理をステップS1006に移行させる。一方、一致度が閾値以上でない場合、抽出部607は、処理をステップS1007に移行させる。
【0110】
ステップS1006に移行すると、抽出部607は、参加者の状態が設定条件を満たした参加者を抽出者として抽出する。抽出者には、例えば、
図11に示すような設定条件611cに従って、特典提供部608(又は主催者等)が、抽選で特典を提供する。なお、特典の提供方法については、第1の実施形態と同様でよい。
【0111】
ステップS1007に移行すると、配信部609は、参加者の状態が設定条件を満たしていない参加者(非抽出者)に、行動変容を促すメッセージを送信する。例えば、配信部609は、
図11に示すような設定条件611cに従って、行動変容を促すメッセージを配信する。なお、行動変容を促すメッセージの配信方法については、第1の実施形態と同様でよい。
【0112】
上記の処理により、行動変容を促すメッセージを見た参加者は、特典を得るために、他の参加者と同様の行動をとることが期待できる。これにより、本実施形態においても、イベントに参加する参加者と、他の参加者(出演者を含む)との一体感を向上させることができる。
【0113】
[第3の実施形態]
第1、2の実施形態に示した配信システムの処理は一例であり、様々な変形及び応用が可能である。
【0114】
図12、13は、第3の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図6に示すような配信システム1において、音楽等のライブ映像等のコンテンツを配信中に、配信装置100が繰り返し実行する処理の別の一例を示している。なお、ここでは、第1の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0115】
ステップS1201において、情報管理部603は、設定条件を入力する。例えば、情報管理部603は、
図8Aに示すような設定条件611a、又は
図8Bに示すような設定条件611bを記憶部604から読み出すことにより、設定条件を入力する。
【0116】
ステップS1202において、情報収集部605は、端末10で取得した情報を収集する。この参加者の情報には、例えば、端末10が備える発光素子の発光色の情報、端末10の加速度又は角速度の情報、アピールボタン303の押下情報、又は参加者の状態を示す生体情報等が含まれる。
【0117】
ステップS1203において、生成部606は、情報収集部605が収集した参加者の情報に基づいて、参加者の状態を生成する。
【0118】
ステップS1204において、抽出部607は、生成部606が生成した参加者の状態が、設定条件を満たすか(判定が「○」であるか)否かを判断する。
【0119】
参加者の状態が設定条件を満たす場合、抽出部607は、処理をステップS1205に移行させる。一方、参加者の状態が設定条件を満たさない場合、抽出部607は、処理をステップS1206に移行させる。
【0120】
ステップS1205に移行すると、抽出部607は、参加者の状態が設定条件を満たした参加者に所定の点数M点(M>N)を加点する。
【0121】
ステップS1206に移行すると、抽出部607は、参加者の状態と、設定条件との差が閾値以下であるか(判定が「△」であるか)否かを判断する。設定条件との差が閾値以下である場合(判定が「△」である場合)、抽出部607は、処理をステップS1207に移行させる。一方、設定条件との差が閾値以下でない場合(判定が「×」である場合)、抽出部607は、処理をステップS1209に移行させる。
【0122】
ステップS1207に移行すると、配信部609は、設定条件との差が閾値以下の参加者(判定が「△」の参加者)に、具体的なヒントを含む行動変容を促すメッセージAを配信する。例えば、配信部609は、
図8A、
図8Bに示すような判定条件611a、611b等を参照して、判定「△」に対応するメッセージを、設定条件との差が閾値以下の参加者に配信する。また、ステップS1208において、抽出部607は、設定条件との差が閾値以下の参加者に所定の点数N点(N<M)を加点する。
【0123】
一方、ステップS1206からステップS1209に移行すると、配信部609は、設定条件との差が閾値以下でない参加者(判定が「×」の参加者)に、抽象的なヒントを含む行動変容を促すメッセージBを配信する。例えば、配信部609は、
図8A、
図8Bに示すような判定条件611a、611b等を参照して、判定「×」に対応するメッセージを、設定条件との差が閾値以下でない参加者に配信する。この場合、抽出部607は、例えば、設定条件との差が閾値以下でない参加者に加点を行わない。
【0124】
ステップS1210に移行すると、抽出部607は、ステップS1202~S1209の処理を所定の回数、実行したか否かを判断する。処理を所定の回数実行していない場合、抽出部607は、処理をステップS1202に戻す。一方、処理を所定の回数実行した場合、抽出部607は、処理を
図13のステップS1211に移行させる。
【0125】
ステップS1211に移行すると、特典提供部608は、当選条件を入力する。例えば、特典提供部608は、主催者側の情報端末20に、設定条件を設定するウェブページを表示して、運営スタッフによる当選条件の入力を受け付けてもよい。或いは、情報管理部603は、記憶部604に予め記憶した当選条件を読み出すことにより、設定条件を入力してもよい。当選条件は、例えば、
図12の処理で加点された合計点に応じた特典が得られるもの等であってよい。
【0126】
ステップS1212において、特典提供部608は、当選条件を満たす参加者がいるか否かを判断する。当選条件を満たす参加者がいる場合、特典提供部608は、処理をステップS1213に移行させる。一方、当選条件を満たす参加者がいない場合、特典提供部608は、
図12、13の処理を終了する。
【0127】
ステップS1213に移行すると、特典提供部608は、当選条件を満たす参加者に特典を提供する。例えば、主催者側のスタッフが、当選者を発表し、当選者用のイベントを実施してもよい。
【0128】
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、配信システム1が、設定条件を満たす参加者に、参加者が保有するポイントに応じたサービスを提供する場合の例について説明する。第4の実施形態では、参加者が、例えば、ライブチケット、CDやDVD等のコンテンツ、又はオフィシャルグッズ等の購入等により、対価を支払うこと(以下、課金と呼ぶ)等によって付与されたポイントを保有しているものとする。また、このポイントは、対価を支払うこと以外にも、例えば、出演者にメリットが生じるSNS(Social networking service)での交流等の行為によって付与されるものであってもよい。ここで、出演者にメリットが生じるSNSでの交流には、例えば、出演者による新規イベント、又は新商品の投稿に対して、参加者が広報するような行為(リツイート等)が含まれる。
【0129】
<機能構成>
図14は、第4の実施形態に係る配信システムの機能構成の例を示す図である。第4の実施形態に係る配信システム1は、例えば、
図6で説明した配信システム1と同様の機能構成を有しているが、一部の機能が変更されている。ここでは、
図6で説明した配信システム1に対して変更された機能について説明する。
【0130】
情報管理部603は、例えば、
図15に示すような参加者情報612を設定するウェブページを、情報端末11等に提供するウェブサーバの機能を有し、設定された参加者情報612を、記憶部604等に記憶する。また、情報管理部603は、1つ以上の外部システム1401と連携して、参加者の保有ポイントを管理する機能を有している。
【0131】
外部システム1401は、例えば、出演者が提供するウェブサイト、出演者のファンクラブ、出演者に関する商品(CD、DVD、又はオフィシャルグッズ等)を販売するオンラインストア、又はSNS等のシステムである。参加者(ファン)は、外部システム1401で、出演者に課金すること、又は出演者にメリットが生じるSNSでの交流を行うこと等により付与されたポイントを保有している。
【0132】
図15は、第4の実施形態に係る参加者情報の例を示す図である。
図15に示すように、第4の実施形態に係る参加者情報612は、
図8Cで説明した第1の実施形態に係る参加者情報612に対して、項目として、「要求するファンサービス」1501、及び「保有ポイント」1502等の情報が追加されている。
【0133】
第4の実施形態では、例えば、出演者のライブ等に参加する参加者は、ライブの前に、情報端末11を用いて、「要求するファンサービス」1501の内容を配信システム1に登録しておくものとする。ここで、「要求するファンサービス」1501の情報は、参加者が保有しているポイントを使用して、出演者に要求する特別なファンサービスの内容である。なお、参加者が出演者に要求できる特別なファンサービスは、参加者が保有するポイント、又は参加者が使用するポイントによって変化する。
【0134】
例えば、出演者に要求できる特別なファンサービスの内容は、100ポイントで「振動を加えた特別な演出」、500ポイントで「出演者との会話」、又は600ポイントで「出演者とのハイタッチ」等、ポイントによって異なるファンサービスが設定されている。参加者は、自分が保有している保有ポイントの範囲内で、「要求するファンサービス」1501を設定することができる。
【0135】
「保有ポイント」1502の情報は、情報管理部603は、例えば、参加者ID等に基づいて、外部システム1401から、参加者が保有しているポイントを取得し、取得したポイントを参加者情報612に記憶する。例えば、情報管理部603は、外部システム1401と同じ参加者IDを用いて参加者を管理し、参加者IDを用いて、外部システム1401から、参加者が保有するポイントの情報を取得する。
【0136】
特典提供部608は、抽出部607が抽出した参加者(抽出者)に、参加者が予め設定した「要求するファンサービス」1501に基づいて、参加者に特別なファンサービスを提供する。例えば、特典提供部608は、
図8Aに示すような判定条件611a、又は
図8Bに示すような判定条件611b等で判定が「○」となった参加者(以下、当選者と呼ぶ)に対して、ポイントを利用して、当選者が予め設定した特別なファンサービスを提供する。また、特典提供部608は、判定条件611a、611b等で判定が「○」となっていない参加者に対して、通常のファンサービス(対象が選択されていない映像と音のみのファンサービス)を提供する。
【0137】
なお、上記以外の機能構成については、
図6で説明した配信システム1の機能構成と同様でよい。
【0138】
<処理の流れ>
図16は、第4の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。この処理は、配信システム1が、複数の参加者に出演者のライブコンテンツを配信しているときに、配信装置100が実行する処理の一例を示している。なお、ここでは、第1の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0139】
ステップS1601において、配信装置100の情報管理部603は、主催者側のスタッフによる設定条件の入力を受け付ける。具体的な一例として、情報管理部603は、スタッフ等が入力した「5秒間に○○回スティックを振る」等の設定条件を受け付けて、例えば、
図8A、又は
図8Bに示すような設定条件611の判定条件に記憶する。
【0140】
ステップS1602において、配信装置100の情報収集部605は、参加者による応援入力を受け付けるアピールタイム(例えば5秒間)を開始する。好ましくは、配信装置100は、情報端末11に配信している映像コンテンツ上に、例えば、「スティックを振って応援してね!」等のアピールタイムが開始することを示すメッセージを表示する、或いは音声で伝える。
【0141】
ステップS1603において、情報収集部605は、参加者による端末10への応援入力を受け付ける。例えば、情報収集部605は、アピールタイムの期間に、参加者が端末10を振った回数を端末10から取得する。また、ステップ1604において、情報収集部605は、所定の時間(例えば、5秒間)を経過すると、アピールタイムを終了する。
【0142】
なお、ステップS1602のアピールタイムを開始する処理、及びステップS1603において、所定の時間を経過後にアピールタイムを終了する処理は一例である。例えば、配信装置100は、
図7のステップS702、S703に示すように、生成部606を用いて、端末10で取得した情報と時間情報とを含む、参加者の状態を示す状態情報を生成してもよい。
【0143】
ステップS1605において、配信装置100の抽出部607は、参加者の行動を判定する。例えば、抽出部607は、例えば、
図8A、又は
図8Bに示すような設定条件611の判定条件に基づいて、参加者の行動が「○」、「△」、「×」のいずれに該当するかを判定する。
【0144】
ステップS1605において、判定が「×」である場合、配信装置100の特典提供部608は、ステップS1606、S1607の処理を実行する。ステップS1606、S1607において、特典提供部608は、判定「×」に該当する参加者に、例えば、「次は頑張ろう」等のコメントを送信し、通常のファンサービス(対象が選択されていない映像と音のみのファンサービス)を提供する。なお、「次は頑張ろう」等のコメントは、行動変容を促すメッセージの一例である。
【0145】
ステップS1605において、判定が「△」である場合、配信装置100の特典提供部608は、ステップS1608、S1609の処理を実行する。ステップS1608、S1609において、特典提供部608は、判定「△」に該当する参加者に、例えば、「惜しい。次は頑張ろう」等のコメントを送信し、通常のファンサービス(対象が選択されていない映像と音のみのファンサービス)を提供する。なお、「惜しい。次は頑張ろう」等のコメントは、行動変容を促すメッセージの別の一例である。
【0146】
ステップS1605において、判定が「○」である場合、特典提供部608は、ステップS1610~S1615の処理を実行する。ステップS1610において、特典提供部608は、当選者(判定「○」に該当する参加者)に、当選通知を送信する。
【0147】
ステップS1611において、特典提供部608は、出演者に、当選者の情報、及び当選者が要求するファンサービスを通知する。
【0148】
ステップS1612、S1613において、特典提供部608は、当選者の端末10をファンサービス専用回線に接続し、当選者によって要求された特別なファンサービスを提供する。
【0149】
ステップS1614において、情報管理部603は、特別なファンサービスに対応する当選者のポイントを消費する。このとき、情報管理部603は、消費したポイントの情報を外部システム1401が管理するポイントにも反映させる。
【0150】
ステップS1615において、特典提供部608は、ファンサービス専用回線を切断する。
【0151】
図16の処理により、配信システム1は、設定条件を満たす参加者に、参加者が保有するポイントに応じたサービスを提供することができる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、配信システム1が、設定条件を満たす参加者に、出演者のジェスチャ又は視線等の出演者の行動に応じた演出を提供する場合の例について説明する。
【0152】
<機能構成>
図17は、第5の実施形態に係る配信システムの機能構成の例を示す図である。
【0153】
(主催者側の情報端末の機能構成)
図17に示すように、第4の実施形態に係る情報端末20は、
図6で説明した情報端末20の機能構成に加えて、行動検知部1701を有している。
【0154】
行動検知部1701は、例えば、プロセッサ201で実行される所定のプログラム等によって実現される。行動検知部1701は、例えば、1つ以上のカメラで撮影した出演者の映像、及び端末10xが備えるセンサ等により、出演者のジェスチャ又は視線等の出演者の行動を検知する。また、行動検知部1701は、検知した出演者の行動を配信装置100に送信する。なお、情報端末20の他の機能構成は、例えば、
図6で説明した情報端末20の機能構成と同様でよい。
【0155】
(配信装置の機能構成)
第5の実施形態に係る配信装置100は、例えば、
図6で説明した配信装置100と同様の機能構成を有しているが、一部の機能が変更されている。ここでは、
図6で説明した配信装置100の機能構成に対して変更された機能を中心に説明する。
【0156】
情報管理部603は、例えば、
図18に示すような参加者情報612を設定するウェブページを、情報端末11等に提供するウェブサーバの機能を有し、設定された設定条件611を、記憶部604等に記憶する。
【0157】
図18は、第5の実施形態に係る参加者情報の例を示す図である。
図18に示すように、第5の実施形態に係る参加者情報612は、
図8Cで説明した第1の実施形態に係る参加者情報612に対して、項目として、「参加者名」1801の情報が追加されている。第4の実施形態では、参加者は、情報端末11を用いて、参加者の名前を配信システム1に登録することができる。
【0158】
特典提供部608は、情報端末20の行動検知部1701が検知した出演者のジェスチャ又は視線等の出演者の行動を取得する。また、特典提供部608は、抽出部607が抽出した参加者(抽出者)に、出演者のジェスチャ、又は出演者の視線等に応じた演出を提供する。
【0159】
なお、上記以外の機能構成については、
図6で説明した配信システム1の機能構成と同様でよい。
【0160】
<処理の流れ>
図19は、第5の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。この処理は、配信システム1が、複数の参加者に出演者のライブコンテンツを配信しているときに、配信装置100が実行する処理の一例を示している。なお、ここでは、第1の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0161】
ステップS1901において、配信装置100の情報管理部603は、主催者側のスタッフ等による設定条件の入力を受け付ける。例えば、情報管理部603は、スタッフ等が入力した「○○回以上スティックを振る」等の設定条件を受け付ける。
【0162】
ステップS1902において、配信装置100の情報収集部605は、ディスプレイに、テキストメッセージ、及びゲージを表示して、参加者による応援入力の受付を開始する。例えば、配信装置100は、情報端末11に配信している映像コンテンツ上に、「応援してね!」等のメッセージを表示するとともに、参加者による応援入力のレベルを示すゲージ等を表示する。
【0163】
ステップS1903において、情報収集部605は、参加者による端末10への応援入力を受け付ける。例えば、情報収集部605は、参加者が端末10のボタンを連打した回数、又は端末10を振った回数等を端末10から取得する。また、ステップ1904において、情報収集部605は、所定の時間を経過すると、応援入力の受付を終了する。
【0164】
ステップS1905において、配信装置100の抽出部607は、参加者の応援入力が、スタッフ等が設定した設定条件を満たしているかを判断する。設定条件を満たしている場合、配信装置100は、ステップS1906~S1908の処理を実行する。一方、設定条件を満たしていない場合、配信装置100は、ステップS1906、S1909の処理を実行する。
【0165】
ステップS1906において、配信部609は、応援入力に対する出演者のジェスチャ、又は視線等の行動をディスプレイに表示する。
【0166】
ステップS1907において、特典提供部608は、情報端末20の行動検知部1701が検知した出演者の行動を取得し、出演者の行動に合わせて参加者の端末10を振動させる。なお、端末10を振動させる処理は、出演者の行動に応じた演出の一例である。出演者の行動に応じた演出は、例えば、端末10を発光させる、発熱させる、音を出す等の別の演出であってもよい。
【0167】
ステップS1908において、特典提供部608は、ディスプレイに参加者に対するメッセージを表示する。なお、特典提供部608は、参加者に対するメッセージを、例えば、端末10、又は情報端末11等から音声出力させてもよい。
【0168】
一方、ステップS1905、S1906からステップS1909に移行すると、配信部609は、参加者に行動変容を促すメッセージを送信する。
【0169】
図16の処理により、配信システム1は、設定条件を満たす参加者に、出演者のジェスチャ又は視線等の出演者の行動に応じた演出を提供することができる。なお、出演者のジェスチャ又は視線等の出演者の行動に応じた演出は、特別なファンサービスの一例である。
【0170】
(具体的な処理の例)
図20は、第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(1)である。
図20の(応援入力のイメージ)に示すように、配信装置100は、応援入力時に、情報端末11等のディスプレイに、応援入力を促すメッセージ2001、及び参加者による応援入力のレベルを示すゲージ2002等を表示させるとよい。なお、応援入力を促すメッセージには、例えば、「ボタンを連打して下さい」、又は「端末を振って下さい」等の具体的な応援内容を示すメッセージが含まれていてもよい。
【0171】
これにより、参加者は、ディスプレイに表示されたメッセージ2001、及びゲージ2002を見ながら、例えば、端末10のボタン連打、端末10を振る等の応援入力を行うことが容易になる。
【0172】
また、
図20の(提供する演出のイメージ)に示すように、配信装置100は、参加者の応援入力に応じて対して、手を振る等のジェスチャ2003を行う出演者の映像を、情報端末11等のディスプレイ等に表示させる。また、配信装置100は、設定条件を達成した参加者の端末10に、例えば、振動、発光、発熱等の演出を行うとともに、設定条件を達成した参加者の情報端末11のディスプレイに、「ありがとう」等のメッセージ2004を表示させる。
【0173】
図21は、第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(2)である。配信装置100は、出演者がカメラ目線になったときに、応援入力の受付を開始してもよい。例えば、
図21の(応援入力の受付前)に示すように、情報端末11等のディスプレイに表示された出演者の視線2101が、カメラ目線になっていない場合、配信装置100は、参加者による応援入力を受け付けない。また、例えば、
図21の(応援入力の受付開始)に示すように、情報端末11等のディスプレイに表示された出演者の視線2102が、カメラ目線になったとき、配信装置100は、参加者による応援入力の受付を開始する。
【0174】
図22は、第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(3)である。配信装置100は、出演者がカメラ目線でジェスチャを行ったときに、参加者に演出を行うものであってもよい。例えば、
図22の(出演者がカメラ目線でないとき)に示すように、手を振る等のジェスチャ2202を行う出演者の目線2201がカメラ目線でない場合、配信装置100は、参加者に演出を提供しない。また、例えば、
図22の(出演がカメラ目線のとき)に示すように、ジェスチャ2204を行う出演者の目線2203がカメラ目線になったとき、配信装置100は、参加者に演出を提供する。
【0175】
好適な一例として、配信装置100は、情報端末11等のディスプレイに表示するメッセージ2205に、参加者が登録した、参加者の名前を表示することができる。
【0176】
図23は、第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(4)である。配信装置100は、出演者の表情等に基づいて、端末10の発光色を変化させてもよい。例えば、
図23の(出演者の表情が暗いとき)に示すように、手を振る等のジェスチャ2301を行う出演者の表情2302が暗いとき(又は落ち着いているとき)、配信装置100は、端末10を寒色系の発光色で発光させる。また、例えば、
図23の(出演者の表情が明るいとき)に示すように、ジェスチャ2303を行う出演者の表情2304が明るいとき(又は興奮しているとき)、配信装置100は、端末10を暖色系の発光色で発光させる。なお、寒色系の発光色、及び暖色系の発光色は一例であり、他の色で発光させてもよい。
【0177】
図24は、第5の実施形態に係る処理のイメージを示す図(5)である。配信装置100は、参加者の応援入力に応じて、ディスプレイに表示させる出演者の映像、又は演出の有無等を変化させてもよい。例えば、
図24の(応援しないとき)に示すように、参加者が応援入力をしていない場合、配信装置100は、参加者が利用する情報端末11等のディスプレイに、カメラ目線ではない出演者の映像を表示し、参加者への演出も行わない。また、例えば、
図24の(応援したとき)に示すように、参加者が応援入力をした場合、配信装置100は、参加者が利用する情報端末11等のディスプレイに、カメラ目線の出演者の映像を表示し、参加者への演出を行う。
【0178】
このように、第5の実施形態によれば、配信システム1が、設定条件を満たす参加者に、出演者のジェスチャ又は視線等の出演者の行動に応じた演出を提供することができる。
【0179】
このように、本実施形態に係る配信システムの処理は、様々な変形及び応用が可能である。
【0180】
[第6の実施形態]
第1~5の実施形態では、オンラインのイベントが音楽等の配信である場合の例について説明したが、配信システム1が配信するオンラインのイベントは、例えば、オンライン講義のような他のイベントであってもよい。
【0181】
第6の実施形態では、配信システム1が配信するオンラインのイベントが、オンライン講義である場合の処理の例について説明する。なお、第6の実施形態における配信システム1のシステム構成、ハードウェア構成、及び機能構成は、基本的に、第1~3の実施形態と同様である。ただし、ここでは、主催者側は、講師の講義映像等を配信し、参加者は、講義を受講する受講者であるものとする。
【0182】
<処理の流れ>
図25は、第6の実施形態に係る配信システムの処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図6に示すような配信システム1において、オンライン講義等のコンテンツを配信中に、配信装置100が繰り返し実行する処理の一例を示している。なお、基本的な処理の流れは、
図7で説明した第1の実施形態に係る配信システムの処理と同様なので、ここでは、第1の実施形態と同様の処理に対する詳細な説明は省略する。
【0183】
ステップS1401において、情報管理部603は、設定条件を入力する。例えば、情報管理部603は、主催者側の情報端末20に、設定条件を設定するウェブページを表示して、運営スタッフによる設定条件の入力を受け付けてもよい。或いは、情報管理部603は、記憶部604に予め記憶した設定条件を読み出すことにより、設定条件を入力してもよい。なお、第6の実施形態に係る設定条件の例については後述する。
【0184】
ステップS1402において、情報収集部605は、端末10で取得した情報を収集する。例えば、情報収集部605は、情報端末11から、端末10が取得した受講者(参加者)の情報を取得する。この受講者の情報には、例えば、端末10が備える発光素子の発光色の情報、端末10の加速度又は角速度の情報、アピールボタン303の押下情報、又は受講者の状態を示す生体情報等が含まれる。
【0185】
ステップS1403において、生成部606は、情報収集部605が収集した情報に基づいて、受講者(参加者)の状態を生成する。例えば、生成部606は、ステップS1401で入力した設定条件に応じて、受講者が端末10の発光色を切り替えた時刻と発光色の情報、受講者が端末10を振った時間、又は所定時間内のアピールボタンの連打回数等の情報を生成する。
【0186】
ステップS1404において、抽出部607は、生成部606が生成した受講者の状態が、ステップS1401で入力した設定条件を満たすか否かを判断する。受講者の状態が設定条件を満たす場合、抽出部607は、処理をステップS1405に移行させる。一方、受講者の状態が設定条件を満たさない場合、抽出部607は、処理をステップS1406に移行させる。
【0187】
ステップS1405に移行すると、抽出部607は、受講者の状態が設定条件を満たした受講者を抽出者として抽出する。抽出者には、後述する設定条件に従って、講師、又は特典提供部608が特典を提供する。
【0188】
一方、ステップS1406に移行すると、配信部609は、受講者の状態が設定条件を満たしていない受講者(非抽出者)に、後述する設定条件に従って、行動変容を促すメッセージを配信する。
【0189】
(判定条件の例)
図26Aは、
図25のステップS1401において、情報管理部603が入力する判定条件の一例を示している。
図26Aに示すように、第6の実施形態に係る設定条件は、第1の実施形態に係る設定条件611a、611bと同様に、項目として、「内容」、「判定条件」、「判定」、「特典、又はメッセージ」等の情報を含む。
【0190】
図26Aの判定条件611dでは、講師が出題した問題の解答が「白色」であり、講師の合図から10秒以内に、端末10で白色の発光色を選択した場合、当該端末10が設定条件を満たしており、判定が「○」になることを示している。また、講師の合図から10秒以内に、端末10で白色以外の発光色を選択した場合、当該端末10が設定条件を満たしておらず、判定が「△」になることを示している。さらに、講師の合図から10秒以内に端末10からの反応がない場合、当該端末10は、設定条件を満たしておらず、判定が「×」になることを示している。
【0191】
また、
図26Aの判定条件611dでは、端末10の判定が「○」である場合、当該端末10を利用する受講者(参加者)に、特典を提供することを示している。なお、提供する特典の一例として、受講者が内容を理解していると判断し、宿題を軽減するもの等であってもよい。ただし、これに限られない。また、端末10の判定が「△」である場合、当該端末10を利用する受講者に、行動変容を促すメッセージとして「正解は白色です。××を復習しよう」を配信することを示している。さらに、端末10の判定が「×」である場合、当該端末10を利用する受講者に、行動変容を促すメッセージとして「制限時間内に回答しよう」を配信することを示している。
【0192】
図26Bは、
図25のステップS1401において、情報管理部603が入力する判定条件の別の一例を示している。
【0193】
図26Bの判定条件611eでは、受講者が質問をしたいときに端末10を振って合図をするものとする。また、受講者が端末10を所定の時間振った場合、当該端末10が設定条件を満たしており、判定が「○」になることを示している。また、受講者が端末10を振った時間が所定の時間に満たない場合、当該端末10が設定条件を満たしていないが、判定が「○」との差が比較的小さいため、判定が「△」になることを示している。さらに、端末10からの反応がない場合、当該端末10は、設定条件を満たしておらず判定「○」との差が比較的大きいため、判定が「×」になることを示している。
【0194】
また、
図26Bの判定条件611eでは、端末10の判定が「○」である場合、特典として、当該端末10を利用する受講者からの質問を受け付けることを示している。また、端末10の判定が「△」である場合、当該端末10を利用する受講者に、行動変容を促すメッセージとして「5秒以上端末を振ろう」を配信することを示している。さらに、端末10の判定が「×」である場合、当該端末10を利用する受講者に、行動変容を促すメッセージとして「不明点があれば端末を振ろう」を配信することを示されている。
【0195】
なお、応用例として、予め設定された許容時間を超えて端末10から反応がない場合、講師、又は特典提供部608は、例えば、講義を聞いていない、席を外している、又は睡眠中等と判断して、受講者にネガティブな特典(宿題等)を与えることも可能である。
【0196】
図26Cは、
図25のステップS1401において、情報管理部603が入力する判定条件の別の一例を示している。
【0197】
図26Cの判定条件611fでは、講師が回答を求めたとき等に、受講者がアピールボタン303を連打して、回答できることをアピールするものとする。また、所定の時間内のアピールボタンの連打回数が最も多い受講者が、設定条件を満たしており、判定が「○」になることを示している。また、所定の時間内のアピールボタンの連打回数が最も多い受講者との連打回数の差が10回未満の受講者が、設定条件を満たしていないが、判定が「○」との差が比較的小さいため、判定が「△」になることを示している。さらに、所定の時間内のアピールボタンの連打回数が最も多い受講者との連打回数の差が10回以上の受講者が、設定条件を満たしておらず、判定「○」との差が比較的大きいため、判定が「×」になることを示している。
【0198】
また、
図26Cの判定条件611fでは、受講者の判定が「○」である場合、特典として、当該受講者の回答を受け付けることを示している。また、受講者の判定が「△」である場合、当該受講者に、行動変容を促すメッセージとして「惜しい!あと10回で1番」を配信することを示している。さらに、受講者の判定が「×」である場合、当該受講者に、行動変容を促すメッセージとして「もっと講師にアピールしよう」を配信することを示されている。
【0199】
このように、本実施形態に係る配信システム1は、設定条件の設定により、様々な利用シーンに適用することができる。
【0200】
以上、本発明の各実施形態によれば、オンラインで開催される様々なイベントにおいて、イベントに参加する参加者と、他の参加者との一体感を向上させるシステムを提供することができる。
【0201】
本願は、日本特許庁に2021年12月27日に出願された基礎出願2021-211812号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0202】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、又は応用が可能である。例えば、端末10の形状は、スティック状以外にも、指又は腕にはめる、手の中に収まる、等のような他の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0203】
1 配信システム
10、10a~10c、10x 端末
11、11a~11c 情報端末
20 情報端末
200 コンピュータ
301 フルカラーLED(発光素子)
100 配信装置
501 変更部
502 第1の検出部
503 第2の検出部
504 第3の検出部
604 記憶部
606 生成部
607 抽出部
609 配信部
611、611a~611f 設定条件
902 メッセージ