(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】圧電アクチュエータ、及び、液体吐出ヘッド
(51)【国際特許分類】
B41J 2/14 20060101AFI20241029BHJP
H10N 30/20 20230101ALI20241029BHJP
H10N 30/87 20230101ALI20241029BHJP
【FI】
B41J2/14 611
B41J2/14 305
H10N30/20
H10N30/87
(21)【出願番号】P 2020161790
(22)【出願日】2020-09-28
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】王 鋭
(72)【発明者】
【氏名】蔵 圭司
(72)【発明者】
【氏名】相羽 貴司
【審査官】高松 大治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-189017(JP,A)
【文献】特開2011-212865(JP,A)
【文献】特開2019-064156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
H10N 30/20
H10N 30/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、
前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、
前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、
前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含み、
前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、
前記第3電極層は、さらに、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において前記第1補助電極と前記第1方向に重なる第2補助電極を含み、
前記第2補助電極は、第1部分と、前記第2方向において前記第3圧電層の前記端部の縁との間に前記第1部分を挟む第2部分とに、分割されており、
前記第1部分は、電位が付与されない浮き電極であることを特徴とする、圧電アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1補助電極及び前記第2補助電極の前記第2部分は、前記高電位電極と電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項3】
前記第3電極層は、さらに、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する平面の角部において、前記第2補助電極の前記第1部分と前記第2部分との間に配置された、電位が付与されない浮き電極である第3補助電極を含むことを特徴とする、請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項4】
前記第2補助電極の前記第2部分は、電位が付与されない浮き電極であることを特徴とする、請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項5】
前記第2補助電極の前記第1部分は、互いに分離した複数の電極部で構成されることを特徴とする、請求項4に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項6】
前記複数の電極部は、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に互いに離隔していることを特徴とする、請求項5に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項7】
第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、
前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、
前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、
前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含み、
前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、
前記第3電極層は、さらに、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において前記第1補助電極と前記第1方向に重なる第2補助電極を含み、
前記第1補助電極は、前記第2方向の一端部と、前記第2方向の他端部であって、前記第2方向において前記第3圧電層の前記端部の縁との間に前記一端部を挟む他端部と、を有し、
前記第2補助電極は、前記第1補助電極の前記一端部と前記第1方向に重ならないことを特徴とする、圧電アクチュエータ。
【請求項8】
前記第1補助電極及び前記第2補助電極は、前記高電位電極と電気的に接続されていることを特徴とする、請求項7に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項9】
前記第2補助電極は、電位が付与されない浮き電極であることを特徴とする、請求項7に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項10】
前記第2電極層は、前記第1補助電極及び前記第2補助電極と前記第1方向に重なる重複部を有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項11】
第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、
前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、
前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、
前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含み、
前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、
前記第2電極層の前記高電位電極は、前記第1補助電極と前記第1方向に重なる重複部を有し、
前記第1補助電極及び前記重複部は、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において、互いに前記第1方向に重なり、かつ、前記第1圧電層に形成された前記第2方向に並ぶ複数の貫通孔を介して互いに電気的に接続されて
おり、
前記第3電極層は、さらに、前記第1補助電極及び前記重複部と前記第1方向に重なり、電位が付与されない浮き電極を含むことを特徴とする、圧電アクチュエータ。
【請求項12】
第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含む、圧電アクチュエータと、
前記第1方向において前記第3圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された前記低電位に保持されるプレートを有し、複数のノズルが形成された流路ユニットと、を備えた液体吐出ヘッドであって、
前記圧電アクチュエータと前記流路ユニットとは、前記プレートと前記第3圧電層との間に配置された絶縁性接着剤により互いに接着され、
前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、
前記第3電極層は、さらに、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において前記第1補助電極と前記第1方向に重なる第2補助電極を含み、
前記第2補助電極は、第1部分と、前記第2方向において前記第3圧電層の前記端部の縁との間に前記第1部分を挟む第2部分とに、分割されており、
前記第1部分は、電位が付与されない浮き電極であることを特徴とする、液体吐出ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の圧電層及び複数の電極層で構成される圧電アクチュエータ、及び、圧電アクチュエータを有する液体吐出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1圧電層の表面に個別電極(駆動電極)、第2圧電層の表面に第1導電部(高電位電極)、絶縁層(第3圧電層)の表面に第2導電部(低電位電極)がそれぞれ配置された圧電アクチュエータが示されている。さらに、特許文献1の変形例2では、絶縁層(第3圧電層)の表面に配置された補助電極(第2補助電極)が、第1圧電層の表面に配置された表面電極(第1補助電極)と、圧電層の走査方向又は搬送方向(第2方向)の端部において、各圧電層の厚み方向に沿った方向(第1方向)に重なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-157079号公報(
図15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、圧電アクチュエータと流路ユニットとを、絶縁性接着剤を介して互いに接着することが考えられる。これは、流路ユニットにおいて圧電アクチュエータと接着されるプレートが低電位(GND電位等)に保持された場合に、当該プレートと、圧電アクチュエータの高電位に保持される電極(高電位電極、第1補助電極、第2補助電極等)との間で電界が生じ、絶縁破壊が生じるという問題を抑制するためである。
【0005】
しかしながら、接着剤を均一に塗布するのは困難であり、例えば、第3圧電層の裏面の中央に接着剤を滴下して接着工程を行った場合には、圧電アクチュエータの端部にまで接着剤が拡がらず、当該端部に接着剤がない状態となり得る。また、圧電アクチュエータと流路ユニットとを接着する際に、圧電アクチュエータの端部に応力が集中すると、圧電アクチュエータの端部の接着剤が薄くなり、ひいては当該端部に接着剤がない状態となり得る。
【0006】
このように圧電アクチュエータの端部に絶縁性接着剤がない状態では、上記変形例2の圧電アクチュエータにおける、絶縁層(第3圧電層)の表面に配置された補助電極(第2補助電極)と、流路ユニットの上記プレートとの間に、絶縁性接着剤が介在しない部分が生じ得る。この場合、第3圧電層における上記絶縁性接着剤が介在しない部分に電界が生じ、絶縁破壊が生じてしまう。
【0007】
本発明の目的は、圧電アクチュエータの端部に絶縁性接着剤が介在しない部分が生じた場合でも絶縁破壊を抑制できる、圧電アクチュエータ及び液体吐出ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1観点に係る圧電アクチュエータは、第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含み、前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、前記第3電極層は、さらに、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において前記第1補助電極と前記第1方向に重なる第2補助電極を含み、前記第2補助電極は、第1部分と、前記第2方向において前記第3圧電層の前記端部の縁との間に前記第1部分を挟む第2部分とに、分割されており、前記第1部分は、電位が付与されない浮き電極であることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2観点に係る圧電アクチュエータは、第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含み、前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、前記第3電極層は、さらに、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において前記第1補助電極と前記第1方向に重なる第2補助電極を含み、前記第1補助電極は、前記第2方向の一端部と、前記第2方向の他端部であって、前記第2方向において前記第3圧電層の前記端部の縁との間に前記一端部を挟む他端部と、を有し、前記第2補助電極は、前記第1補助電極の前記一端部と前記第1方向に重ならないことを特徴とする。
【0010】
本発明の第3観点に係る圧電アクチュエータは、第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含み、前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、前記第2電極層の前記高電位電極は、前記第1補助電極と前記第1方向に重なる重複部を有し、前記第1補助電極及び前記重複部は、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において、互いに前記第1方向に重なり、かつ、前記第1圧電層に形成された前記第2方向に並ぶ複数の貫通孔を介して互いに電気的に接続されていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る液体吐出ヘッドは、第1圧電層と、前記第1圧電層に対して前記第1圧電層の厚み方向に沿った第1方向に積層された第2圧電層と、前記第1圧電層及び前記第2圧電層に対して前記第1方向に積層され、前記第1圧電層との間に前記第2圧電層を挟む第3圧電層と、前記第1方向において前記第1圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された第1電極層と、前記第1方向において前記第1圧電層と前記第2圧電層との間に配置された第2電極層と、前記第1方向において前記第2圧電層と前記第3圧電層との間に配置された第3電極層と、を備えた圧電アクチュエータであって、前記第1電極層は、それぞれ高電位及び前記高電位よりも低い電位である低電位のいずれかが選択的に付与される複数の駆動電極を含み、前記第2電極層は、前記高電位に保持される高電位電極を含み、前記第3電極層は、前記低電位に保持される低電位電極を含む、圧電アクチュエータと、前記第1方向において前記第3圧電層の前記第2圧電層と反対側の面に配置された前記低電位に保持されるプレートを有し、複数のノズルが形成された流路ユニットと、を備えた液体吐出ヘッドであって、前記圧電アクチュエータと前記流路ユニットとは、前記プレートと前記第3圧電層との間に配置された絶縁性接着剤により互いに接着され、前記第1電極層は、さらに、前記高電位に保持される第1補助電極を含み、前記第3電極層は、さらに、前記第3圧電層における前記第1方向と直交する第2方向の端部において前記第1補助電極と前記第1方向に重なる第2補助電極を含み、前記第2補助電極は、第1部分と、前記第2方向において前記第3圧電層の前記端部の縁との間に前記第1部分を挟む第2部分とに、分割されており、前記第1部分は、電位が付与されない浮き電極であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータ及びヘッド3を含むプリンタ1の全体構成図である。
【
図6】
図5の断面におけるアクチュエータ部90の動作を示す図である。
【
図7】
図2の圧電アクチュエータ22を構成する3つの圧電層41~43のうち、最も上方の圧電層41の上面を示す平面図である。
【
図8】
図2の圧電アクチュエータ22を構成する3つの圧電層41~43のうち、中間の圧電層42の上面を示す平面図である。
【
図9】
図2の圧電アクチュエータ22を構成する3つの圧電層41~43のうち、最も下方の圧電層43の上面を示す平面図である。
【
図11】(a)は、
図10のXIA-XIA線に沿った断面図である。(b)は、
図10のXIB-XIB線に沿った断面図である。
【
図12】(a),(b)は、それぞれ、本発明の第2実施形態に係る圧電アクチュエータ222を示す
図11(a),(b)相当の図である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係る圧電アクチュエータ322を示す
図11(a)相当の図である。
【
図14】本発明の第4実施形態に係る圧電アクチュエータ422を示す
図11(a)相当の図である。
【
図15】本発明の第5実施形態に係る圧電アクチュエータ522を示す
図9相当の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明において、Z方向は鉛直方向であり、X方向及びY方向は水平方向である。X方向及びY方向は共にZ方向と直交する。X方向はY方向と直交する。Z方向が本発明の「第1方向」に該当し、Y方向が本発明の「第2方向」に該当し、X方向が本発明の「第3方向」に該当する。
【0014】
<プリンタの全体構成>
先ず、
図1を参照し、本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータ及びヘッド3を含むプリンタ1の全体構成について説明する。
【0015】
プリンタ1は、本発明の「液体吐出ヘッド」の第1実施形態に係るヘッド3と、キャリッジ2と、2つの搬送ローラ対4とを備えている。
【0016】
キャリッジ2は、Y方向に延びる2本のガイドレール5に支持され、ガイドレール5に沿ってY方向に移動可能である。
【0017】
ヘッド3は、シリアル式であって、キャリッジ2に搭載され、キャリッジ2と共にY方向に移動可能である。ヘッド3の下面(Z方向において下方を向く面)には、複数のノズル15が形成されている。
【0018】
2つの搬送ローラ対4は、X方向にキャリッジ2を挟んで配置されている。搬送ローラ対4が用紙Pを挟持した状態で回転することで、用紙PがX方向に沿った搬送方向に搬送される。
【0019】
プリンタ1の制御部(図示略)は、キャリッジ2と共にヘッド3をY方向に移動させながらノズル15からインクを吐出させる吐出動作と、搬送ローラ対4によって用紙Pを搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。これにより、用紙Pに画像が記録される。
【0020】
<ヘッドの構成>
ヘッド3は、
図2に示すように、流路ユニット21と、圧電アクチュエータ22とを有する。流路ユニット21及び圧電アクチュエータ22は、共に、Z方向から見て、X方向の長さがY方向の長さよりも長い、矩形状である。
【0021】
<流路ユニットの構成>
流路ユニット21は、
図4に示すように、Z方向に積層された金属製の4枚のプレート31~34で構成されている。
【0022】
プレート31には、複数の圧力室10が形成されている。プレート32には、圧力室10毎に、連通路12,13が形成されている。連通路12,13は、それぞれ、対応する圧力室10のY方向の一端及び他端とZ方向に重なっている。プレート33には、連通路13毎に、連通路14が形成されている。連通路14は、対応する連通路13とZ方向に重なっている。プレート33には、さらに、12本のマニホールド流路11が形成されている。マニホールド流路11は、X方向に配列された圧力室10の列10R(
図2参照)毎に設けられている。各マニホールド流路11は、X方向に延び、対応する列10Rに属する複数の圧力室10と連通路12を介して連通している。プレート34には、複数のノズル15が形成されている。各ノズル15は、連通路14とZ方向に重なっている。
【0023】
プレート31の上面において、圧電アクチュエータ22が配置されない領域に、4つのインク供給口8が形成されている(
図2参照)。各インク供給口8は、インクカートリッジ(図示略)と連通し、かつ、3本のマニホールド流路11と連通している。インクカートリッジから各インク供給口8に供給されたインクは、3本のマニホールド流路11に供給される。各マニホールド流路11から、各列10Rに属する複数の圧力室10に、連通路12を介してインクが供給される。そして後述のように圧電アクチュエータ22が駆動することで、圧力室10内のインクに圧力が付与され、連通路13,14を通ってノズル15からインクが吐出される。
【0024】
<圧電アクチュエータの構成>
圧電アクチュエータ22は、
図4に示すように、流路ユニット21の上面に配置されている。圧電アクチュエータ22は、3つの圧電層41~43と、複数の駆動電極51と、高電位電極52と、低電位電極53とを有する。
【0025】
3つの圧電層41~43は、それぞれZ方向を厚み方向として、Z方向に積層されている。圧電層42は、圧電層41に対してZ方向に積層されている。圧電層43は、圧電層41及び圧電層42に対してZ方向に積層され、圧電層41との間に圧電層42を挟む。圧電層41が本発明の「第1圧電層」に該当し、圧電層42が本発明の「第2圧電層」に該当し、圧電層43が本発明の「第3圧電層」に該当する。
【0026】
各圧電層41~43の厚みは互いに同じ(略4μm)であり、圧電層41~43全体の厚みは略13μmである。
【0027】
各圧電層41~43は、チタン酸ジルコン酸鉛等を主成分とする圧電材料からなる。
【0028】
圧電層43は、プレート31の上面に配置され、プレート31に形成された全ての圧力室10を覆っている。プレート31は、Z方向において圧電層43の圧電層42と反対側の面に配置されており、低電位(GND電位)に保持される。
【0029】
圧電アクチュエータ22と流路ユニット21とは、圧電層43とプレート31との間に配置された絶縁性接着剤A(
図4及び
図5参照)により、互いに接着されている。絶縁性接着剤Aは、例えば、エポキシ樹脂系接着剤であってよい。
【0030】
複数の駆動電極51は、
図3に示すように、圧電層41の上面に、圧力室10のそれぞれに対応して配置されている。各駆動電極51は、主部51aと、突出部51bとを有する。主部51aは、対応する圧力室10の略全域とZ方向に重なっている。突出部51bは、主部51aからY方向に突出し、対応する圧力室10とZ方向に重なっていない。突出部51bには、COF(Chip On Film)(図示略)と電気的に接続される接点が設けられている。COFに実装されたドライバIC(図示略)は、制御部の制御により、COFの配線を介して各駆動電極51に対して個別に、高電位(VDD電位)及び低電位(GND電位)のいずれかを選択的に付与する。
【0031】
複数の駆動電極51は、
図7に示すように、圧電層41の上面の中央領域(圧電層41におけるX方向の両端及びY方向の両端を除く領域)において、X方向に配列されており、圧力室10の列10R(
図2参照)のそれぞれに対応する、複数の駆動電極列51Rを形成している。複数の駆動電極列51Rは、Y方向に並んでいる。
【0032】
各駆動電極列51Rに対し、X方向の一方(
図7の上方)及び他方(
図7の下方)のそれぞれに、ダミー電極59が設けられている。ダミー電極59は、対応する駆動電極列51Rに属する駆動電極51と、サイズ及び形状が同じであり、当該駆動電極51と共にX方向に等間隔で並んでいる。ダミー電極59は、COFと電気的に接続されず、電位が付与されない。ダミー電極59を設けることで、X方向に沿ったスクリーン印刷による電極形成時に、X方向の端部にあるダミー電極59の厚みが小さくなった場合でも、駆動電極51の厚みには影響が出ず、駆動電極51を適切に形成できる。また、各駆動電極列51RにおいてX方向の中央にある駆動電極51とX方向の端部にある駆動電極51とにおける電極形成による収縮量の差を抑制でき、ひいては各駆動電極列51Rに対応する複数のノズル15からの吐出量のばらつきを抑制できる。
【0033】
圧電層41の上面には、駆動電極51及びダミー電極59に加え、接続電極54,55が配置されている。接続電極54,55は、COF23と電気的に接続されている。ドライバICは、制御部の制御により、COF23の配線を介して、接続電極54に高電位(VDD電位)を付与し、かつ、接続電極55に低電位(GND電位)を付与する。
【0034】
接続電極54,55は、駆動電極51の配置領域外である圧電層41のY方向の一端(
図7の左端)及び他端(
図7の右端)のそれぞれにおいて、X方向に並んでいる。
【0035】
圧電層41のY方向の一端(
図7の左端)において、接続電極54は、圧電層41におけるX方向の一方側(
図7の上側)に配置され、接続電極55は、圧電層41におけるX方向の他方側(
図7の下側)に配置されている。
【0036】
圧電層41のY方向の他端(
図7の右端)において、接続電極54は、圧電層41におけるX方向の他方側(
図7の下側)に配置され、接続電極55は、圧電層41におけるX方向の一方側(
図7の上側)に配置されている。
【0037】
接続電極54は、X方向に互いに離隔して配置された8つの電極54aで構成されている。接続電極55は、X方向に互いに離隔して配置された8つの電極55aで構成されている。電極54a,55aは、サイズ及び形状が互いに略同じであり、圧電層41のY方向の一端(
図7の左端)及び他端(
図7の右端)のそれぞれにおいて、X方向に等間隔で並んでいる。
【0038】
高電位電極52は、
図4に示すように、圧電層42の上面に配置され、Z方向において圧電層41と圧電層42との間に配置されている。
【0039】
高電位電極52は、
図8に示すように、Y方向に延びる2つの幹部521と、各幹部521から分岐してX方向に延びる複数の枝部523と、X方向に配列されかつ枝部523によって連結された複数の個別部52aと、それぞれ接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)とZ方向に重なる2つの重複部524とを含む。各個別部52aは、各圧力室10に対応するものであり、各圧力室10のX方向の中央部分とZ方向に重なっている(
図5参照)。各幹部521は、複数の枝部523を連結している。
【0040】
2つの幹部521のうち、一方は、圧電層42のX方向の一端(
図8の上端)かつY方向の一方側(
図8の左側)に配置され、他方は、圧電層42のX方向の他端(
図8の下端)かつY方向の他方側(
図8の右側)に配置されている。一方の幹部521からは、3つの枝部523が、圧電層42のX方向の一端(
図8の上端)から他端(
図8の下端)に向かって、X方向に延びている。他方の幹部521からは、4つの枝部523が、圧電層41のX方向の他端(
図8の下端)から一端(
図8の上端)に向かって、X方向に延びている。つまり、2つの幹部521において、枝部523が延びる方向は互いに逆である。
【0041】
2つの重複部524のうち、一方は、圧電層42のX方向の一方側(
図8の上側)かつY方向の一端(
図8の左端)に配置され、他方は、圧電層42のX方向の他方側(
図8の下側)かつY方向の他端(
図8の右端)に配置されている。一方の重複部524は、一方の幹部521に接続し、かつ、一方の幹部521から分岐した複数の枝部523のうち圧電層42においてY方向の最も外側(
図8の左側)に位置する枝部523に接続している。他方の重複部524は、他方の幹部521に接続し、かつ、他方の幹部521から分岐した複数の枝部523のうち圧電層42においてY方向の最も外側(
図8の右側)に位置する枝部523に接続している。
【0042】
各重複部524は、接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)と電気的に接続されている。
【0043】
圧電層42の上面には、高電位電極52に加え、接続電極56と、浮き電極64,65とが配置されている。これらのうち、接続電極56は、圧電層41に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極55の3つの電極55a(
図7参照)と電気的に接続されている。一方、浮き電極64,65は、接続電極54,55(
図7参照)のいずれとも電気的に接続されず、電位が付与されない。
【0044】
接続電極56及び浮き電極64は、圧電層42のY方向の一端(
図8の左端)及び他端(
図8の右端)のそれぞれにおいて、重複部524と共に、X方向に並んでいる。
【0045】
圧電層42のY方向の一端(
図8の左端)において、接続電極56は、圧電層42におけるX方向の他方側(
図8の下側)に配置され、浮き電極64は、X方向において重複部524と接続電極56との間に配置されている。
【0046】
圧電層42のY方向の他端(
図8の右端)において、接続電極56は、圧電層42におけるX方向の一方側(
図8の上側)に配置され、浮き電極64は、X方向において接続電極56と重複部524との間に配置されている。
【0047】
接続電極56は、X方向に互いに離隔して配置された、3つの電極56aで構成されている。浮き電極64は、X方向に互いに離隔して配置された10個の電極64aで構成されている。10個の電極64aのうち、重複部524に近い5個の電極64aは、接続電極54の電極54a(
図7参照)とZ方向に重なり、残り5個の電極64aは、接続電極55の電極55a(
図7参照)とZ方向に重なる。電極56a,64aは、サイズ及び形状が互いに略同じであり、圧電層42のY方向の一端(
図8の左端)及び他端(
図8の右端)のそれぞれにおいて、X方向に等間隔で並んでいる。
【0048】
浮き電極65は、Y方向に互いに離隔して配置された、複数の電極65aで構成されている。電極65aは、圧電層42のX方向の一端(
図8の上端)及び他端(
図8の下端)のそれぞれにおいて、幹部521とY方向に並び、Y方向に等間隔で配置されている。
【0049】
低電位電極53は、
図4に示すように、圧電層43の上面に配置され、Z方向において圧電層42と圧電層43との間に配置されている。
【0050】
低電位電極53は、
図9に示すように、Y方向に延びる2つの幹部531と、各幹部531から分岐してX方向に延びる複数の枝部533と、X方向に配列されかつ枝部533によって連結された複数の個別部53aと、それぞれ接続電極55の3つの電極55a(
図7参照)とZ方向に重なる2つの重複部534とを含む。X方向に配列された複数の個別部53aのうち、X方向の一端及び他端に位置する個別部53aを除き、各個別部53aは、X方向に互いに隣接する2つの圧力室10に跨り、当該2つの圧力室10とZ方向に重なる部分を有する(
図5参照)。上記X方向の一端及び他端に位置する個別部53aは、1つの圧力室10とZ方向に重なる部分を有する。各幹部531は、複数の枝部533を連結している。
【0051】
2つの幹部531のうち、一方は、圧電層43のX方向の一端(
図9の上端)かつY方向の他方側(
図9の右側)に配置され、他方は、圧電層43のX方向の他端(
図9の下端)かつY方向の一方側(
図9の左側)に配置されている。一方の幹部531からは、4つの枝部533が、圧電層43のX方向の一端(
図9の上端)から他端(
図9の下端)に向かって、X方向に延びている。他方の幹部531からは、3つの枝部533が、圧電層43のX方向の他端(
図9の下端)から一端(
図9の上端)に向かって、X方向に延びている。つまり、2つの幹部531において、枝部533が延びる方向は互いに逆である。
【0052】
なお、一方の幹部531から分岐した複数の枝部533のうち、最もY方向の一方側(
図9の左側)に位置する枝部533は、他方の幹部531に接続している。換言すると、一方の幹部531から分岐した4つの枝部533のうち、最もY方向の一方側(
図9の左側)に位置する枝部533と、他方の幹部531から分岐した3つの枝部533のうち、最もY方向の他方側(
図9の右側)に位置する枝部533とは、同じである。当該枝部533は、X方向の一端が一方の幹部531に接続し、X方向の他端が他方の幹部531に接続している。
【0053】
2つの重複部534のうち、一方は、圧電層43のX方向の一方側(
図9の上側)かつY方向の他端(
図9の右端)に配置され、他方は、圧電層43のX方向の他方側(
図9の下側)かつY方向の一端(
図9の左端)に配置されている。一方の重複部534は、一方の幹部531に接続している。他方の重複部534は、他方の幹部531に接続している。
【0054】
各重複部534は、圧電層42に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極56の3つの電極56a(
図8参照)と電気的に接続されている。接続電極56は、上述のように、圧電層41に形成された貫通孔(図示略)を介して、接続電極55の3つの電極55a(
図7参照)と電気的に接続されている。したがって、各重複部534は、接続電極56(
図8参照)を介して、接続電極55の3つの電極55a(
図7参照)と電気的に接続されている。
【0055】
圧電層43の上面には、低電位電極53に加え、2つのL字電極57と、浮き電極66とが配置されている。これらのうち、2つのL字電極57は、それぞれ、圧電層42に形成された貫通孔42x(
図11(a)参照)を介して、高電位電極52の重複部524(
図8参照)と電気的に接続されている。重複部524は、上述のように、圧電層41に形成された貫通孔41x(
図11(a)参照)を介して、接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)と電気的に接続されている。したがって、2つのL字電極57は、それぞれ、重複部524を介して、接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)と電気的に接続されている。一方、浮き電極66は、接続電極54,55(
図7参照)のいずれとも電気的に接続されず、電位が付与されない。
【0056】
2つのL字電極57のうち、一方は、圧電層43のX方向の一端(
図9の上端)かつY方向の一端(
図9の左端)の角部に配置され、他方は、圧電層43のX方向の他端(
図9の下端)かつY方向の他端(
図9の右端)の角部に配置されている。2つのL字電極57は、それぞれ、Y方向に延びる部分57aと、X方向に延びる部分57bとを有する。
【0057】
浮き電極66は、圧電層43のY方向の一端(
図9の左端)及び他端(
図9の右端)のそれぞれにおいて、L字電極57の部分57bと重複部534との間に配置されている。浮き電極66は、X方向に互いに離隔して配置された10個の電極66a,66bで構成されている。10個の電極66a,66bのうち、5個の電極66aは、接続電極54の電極54a(
図7参照)及び浮き電極64の電極64a(
図8参照)とZ方向に重なり、5個の電極66bは、接続電極55の電極55a(
図7参照)及び浮き電極64の電極64a(
図8参照)とZ方向に重なる。電極66a,66bは、圧電層43のY方向の一端(
図9の左端)及び他端(
図9の右端)のそれぞれにおいて、X方向に等間隔で並んでいる。
【0058】
圧電層41の上面(Z方向において圧電層41の圧電層42と反対側の面)に配置された、駆動電極51、ダミー電極59、接続電極54,55が、第1電極層71を構成する(
図7参照)。圧電層42の上面(Z方向において圧電層41と圧電層42との間)に配置された、高電位電極52、接続電極56及び浮き電極64,65が、第2電極層72を構成する(
図8参照)。圧電層43の上面(Z方向において圧電層42と圧電層43との間)に配置された、低電位電極53、L字電極57及び浮き電極66が、第3電極層73を構成する(
図9参照)。第1電極層71、第2電極層72及び第3電極層73を構成する各電極のZ方向の厚みは、0.5~1.5μmである。
【0059】
接続電極54(
図7参照)は、高電位(VDD電位)に保持され、本発明の「第1補助電極」に該当する。L字電極57の部分57b、及び、浮き電極66の電極66a(
図9参照)は、それぞれ、圧電層43におけるY方向の端部において接続電極54(
図7参照)と重なり、本発明の「第2補助電極」に該当する。圧電層43の上面においてL字電極57よりもY方向の外側には、電極が存在しない。圧電層43の上面において浮き電極66よりもY方向の外側には、電極が存在しない。
【0060】
L字電極57の部分57bは、
図10及び
図11(a)に示すように、第1部分571と、Y方向において圧電層43の端部の縁43aとの間に第1部分571を挟む第2部分572と、に分割されている。第1部分571の幅(Y方向の長さ)は、第2部分572の幅よりも小さく、略300μmである。第1部分571と第2部分572とのY方向の間隔Dは、略10μmである。
【0061】
第2部分572は、圧電層42に形成された貫通孔42x(
図11(a)参照)を介して、高電位電極52の重複部524と電気的に接続されている。一方、第1部分571は、いずれの電極とも電気的に接続されず、電位が付与されない浮き電極である。
【0062】
浮き電極66の電極66aは、
図10及び
図11(b)に示すように、第1部分661と、Y方向において圧電層43の端部の縁43aとの間に第1部分661を挟む第2部分662と、に分割されている。第1部分661の幅(Y方向の長さ)は、第2部分662の幅よりも小さく、略300μmである。第1部分661と第2部分662とのY方向の間隔Dは、略10μmである。
【0063】
第1部分661及び第2部分662は、いずれの電極とも電気的に接続されず、電位が付与されない浮き電極である。
【0064】
第1部分661は、さらに、
図10に示すように、互いに分離した2つの電極部661a,661bで構成される。2つの電極部661a,661bは、互いに同じサイズ及び形状を有し、X方向に互いに離隔している。
【0065】
圧電アクチュエータ22のY方向の端部において、
図11(a)に示すように、接続電極54、重複部524、及び、L字電極57の部分57bがZ方向に積層されており、また
図11(b)に示すように、接続電極54及び電極64a,66aがZ方向に積層されている。つまり、重複部524は、接続電極54及び部分57bとZ方向に重なっている。電極64aは、接続電極54及び電極66aとZ方向に重なっている。重複部524及び電極64aは、本発明の「重複部」に該当する。
【0066】
<アクチュエータ部>
図5に示すように、圧電層41のうち、Z方向において駆動電極51と高電位電極52の個別部52aとに挟まれた部分を、第1活性部91という。圧電層42,43のうち、Z方向において駆動電極51と低電位電極53の個別部53aとに挟まれた部分を、第2活性部92という。第1活性部91は主に上向きに分極され、第2活性部92は主に下向きに分極されている。圧電アクチュエータ22は、圧力室10毎に、1つの第1活性部91と、X方向に第1活性部91を挟む2つの第2活性部92とから構成される、アクチュエータ部90を有する。
【0067】
ここで、
図6を参照し、あるノズル15からインクを吐出させる際の、当該ノズル15に対応するアクチュエータ部90の動作について説明する。
【0068】
プリンタ1が記録動作を開始する前は、
図6(a)に示すように、各駆動電極51に低電位(GND電位)が付与されている。このとき、駆動電極51と高電位電極52との電位差によって、第1活性部91にその分極方向に等しい上向きの電界が生じ、第1活性部91が面方向(X方向及びY方向に沿った方向)に収縮している。これにより、圧電層41~43からなる積層体における圧力室10とZ方向に重なる部分が、圧力室10に向かって(下向きに)凸となるように撓んでいる。このとき圧力室10は、上記積層体がフラットな場合と比べ、容積が小さくなっている。
【0069】
プリンタ1が記録動作を開始し、あるノズル15からインクが吐出させる際には、先ず、
図6(b)に示すように、当該ノズル15に対応する駆動電極51の電位が低電位(GND電位)から高電位(VDD電位)に切り替えられる。このとき、駆動電極51と高電位電極52との電位差がなくなることで、第1活性部91の収縮が解消される。一方、駆動電極51と低電位電極53との電位差が生じることで、第2活性部92にその分極方向に等しい下向きの電界が生じ、第2活性部92が面方向に収縮する。ただし、第2活性部92は、クロストーク(ある圧力室10におけるアクチュエータ部90の変形に伴う圧力変動が、当該圧力室10にX方向に隣接する別の圧力室10に伝わる現象)を抑制する機能を有するものであり、アクチュエータ部90の変形にほとんど寄与しない。つまり、このとき上記積層体は、圧力室10とZ方向に重なる部分が圧力室10から離れる方向に(上向きに)凸となるように撓まず、フラットな状態となる。これにより、圧力室10の容積は、
図6(a)に比べて大きくなる。
【0070】
その後、
図6(a)に示すように、当該ノズル15に対応する駆動電極51の電位が高電位(VDD電位)から低電位(GND電位)に切り替えられる。このとき、駆動電極51と低電位電極53との電位差がなくなることで、第2活性部92の収縮が解消される。一方、駆動電極51と高電位電極52との電位差が生じることで、第1活性部91にその分極方向に等しい上向きの電界が生じ、第1活性部91が面方向に収縮する。これにより、上記積層体における圧力室10とZ方向に重なる部分が、圧力室10に向かって(下向きに)凸となるように撓む。このとき、圧力室10の容積が大きく減少することで、圧力室10内のインクに大きな圧力が付与され、ノズル15からインクが吐出される。
【0071】
以上に述べたように、本実施形態によれば、L字電極57の部分57bは、
図10及び
図11(a)に示すように、第1部分571と、Y方向において圧電層43の端部の縁43aとの間に第1部分571を挟む第2部分572と、に分割されている。また、浮き電極66の電極66aは、
図10及び
図11(b)に示すように、第1部分661と、Y方向において圧電層43の端部の縁43aとの間に第1部分661を挟む第2部分662と、に分割されている。第1部分571,661は、いずれも、電位が付与されない浮き電極である。この場合、
図11(a),(b)に示すように、圧電アクチュエータ22の端部に絶縁性接着剤Aが介在しない部分Rが生じたとしても、圧電層43の上面における部分RとZ方向に重なる領域に浮き電極(第1部分571,661)が配置されているため、当該領域に高電位に保持される電極が配置されている場合に比べ、部分Rの電界強度が弱まり、絶縁破壊を抑制できる。
【0072】
また、本実施形態では、後述の第2実施形態(第1部分571,661がない構成:
図12参照)に比べ、第1部分571,661があることで、圧電アクチュエータ22の端部の剛性が向上し、圧電アクチュエータ22の端部の反りを抑制できる。
【0073】
接続電極54、及び、L字電極57の第2部分572は、高電位電極52と電気的に接続されている(
図11(a)参照)。この場合、高電位電極52(
図8参照)に大電圧が付与された場合に、高電位電極52において接続電極54(
図7参照)に近い個別部(Y方向両端にある個別部)52aと遠い個別部(Y方向中央にある個別部)52aとの間で起こる電圧降下を抑制することができる。
【0074】
電極66aの第1部分661及び第2部分662は、いずれも、電位が付与されない浮き電極である(
図11(b)参照)。この場合、圧電アクチュエータ22の端部に浮き電極である電極66aが配置されたことで、圧電アクチュエータ22の端部の剛性が向上し、圧電アクチュエータ22の端部の反りを抑制できる。
【0075】
電極66aの第1部分661は、互いに分離した2つの電極部661a,661bで構成される(
図10参照)。この場合、第1部分661を分割したことで、部分R(
図11(b)参照)の電界強度がさらに弱まり、絶縁破壊をより確実に抑制できる。
【0076】
電極部661a,661bは、X方向に互いに離隔している(
図10参照)。第1部分661と第2部分662とのY方向の分離により、第1部分661のY方向の長さは短くなる(
図10及び
図11(b)参照)。そのため、第1部分661をさらにY方向に複数に分離すると、各電極部661a,611bの幅(Y方向の長さ)が短くなってしまう。一方、第1部分661のX方向の長さは、第1部分661と第2部分662との分離の影響を受けないため、第1部分661をX方向に分離しても、各電極部661a,661bの幅を確保することができる(
図10参照)。ひいては、各電極部661a,661bの幅を確保することで、各電極部661a,661bによる剛性向上効果を実現できる。
【0077】
第2電極層72(
図8参照)は、接続電極54及びL字電極57の部分57bとZ方向に重なる重複部524を有する(
図11(a)参照)。また、第2電極層72(
図8参照)は、接続電極54及び浮き電極66の電極66aとZ方向に重なる電極64aを有する(
図11(b)参照)。つまり、圧電アクチュエータ22の端部において、
図11(a)に示すように、接続電極54、重複部524、及び、L字電極57の部分57bがZ方向に積層されており、また
図11(b)に示すように、接続電極54及び電極64a,66aがZ方向に積層されている。当該構成により、圧電アクチュエータ22の端部の剛性が向上し、圧電アクチュエータ22の端部の反りを抑制できる。
【0078】
<第2実施形態>
続いて、
図12を参照し、本発明の第2実施形態に係る圧電アクチュエータ222について説明する。
【0079】
本実施形態に係る圧電アクチュエータ222は、本発明の「第2補助電極」に該当するL字電極の部分57b及び浮き電極の電極66aの構成が第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。
【0080】
本実施形態において、L字電極の部分57bは、第1実施形態(
図11(a)参照)の第1部分571を有さず、第1実施形態の第2部分572のみで構成されている(
図12(a)参照)。同様に、本実施形態において、浮き電極の電極66aは、第1実施形態(
図11(b)参照)の第1部分661を有さず、第1実施形態の第2部分662のみで構成されている(
図12(b)参照)。
【0081】
接続電極54の各電極54aは、Y方向の一端部54axと、Y方向において圧電層43の端部の縁43aとの間に上記一端部を挟む、Y方向の他端部54ayとを有する。L字電極の部分57b(第2部分572)、及び、浮き電極の電極66a(第2部分662)は、それぞれ、上記一端部54axとZ方向に重ならない。換言すると、L字電極の部分57b(第2部分572)の縁43aからのY方向の距離は、接続電極54の各電極54a(
図7参照)の縁43aからのY方向の距離よりも大きい。浮き電極の電極66a(第2部分662)の縁43aからのY方向の距離は、接続電極54の電極54aの縁43aからのY方向の距離よりも大きい。
【0082】
以上に述べたように、本実施形態によれば、L字電極の部分57bは、
図12(a)に示すように、電極54aの一端部54axとZ方向に重ならない。また、浮き電極の電極66aは、
図12(b)に示すように、電極54aの一端部54axとZ方向に重ならない。この場合、
図12(a),(b)に示すように、圧電アクチュエータ222の端部に絶縁性接着剤Aが介在しない部分Rが生じたとしても、圧電層43の上面における部分RとZ方向に重なる領域に電極が存在しないため、当該領域に高電位に保持される電極が配置されている場合に比べ、部分Rの電界強度が弱まり、絶縁破壊を抑制できる。
【0083】
また、上述の第1実施形態(第1部分571,661がある構成:
図11参照)では、第1部分571,661は、浮き電極であるものの、その上方に高電位に保持される接続電極54が配置されているため、低電位(GND電位)よりも若干高い電位を持つ。そのため、絶縁性接着剤Aが介在しない部分Rにおいて、低電位(GND電位)に保持されたプレート31と第1部分571,661との間で、ある程度の電界が生じ得る。本実施形態(第1部分571,661がない構成:
図12参照)では、プレート31と、圧電アクチュエータ222においてGND電位よりも若干高い電位を持つ電極(
図12(a)に示す高電位電極52や、
図12(b)に示す、その上方に高電位に保持される接続電極54が配置されているために低電位(GND電位)よりも若干高い電位を持つ電極64a)との、Z方向の距離を大きくできるため、部分Rの電界強度をより一層弱めることができ、絶縁破壊をより確実に抑制できる。
【0084】
接続電極54、及び、L字電極の部分57bは、圧電層41に形成された貫通孔41x、及び、圧電層42に形成された貫通孔42xをそれぞれ介して、高電位電極52と電気的に接続されている(
図12(a)参照)。この場合、高電位電極52(
図8参照)に大電圧が付与された場合に、高電位電極52において接続電極54(
図7参照)に近い個別部(Y方向両端にある個別部)52aと遠い個別部(Y方向中央にある個別部)52aとの間で起こる電圧降下を抑制することができる。
【0085】
電極66aは、電位が付与されない浮き電極である(
図12(b)参照)。この場合、圧電アクチュエータ22の端部に浮き電極である電極66aが配置されたことで、圧電アクチュエータ22の端部の剛性が向上し、圧電アクチュエータ22の端部の反りを抑制できる。
【0086】
<第3実施形態>
続いて、
図13を参照し、本発明の第3実施形態に係る圧電アクチュエータ322について説明する。
【0087】
本実施形態に係る圧電アクチュエータ322は、接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)と、高電位電極52の重複部524とが、圧電層41に形成されたY方向に並ぶ複数の貫通孔41xを介して互いに電気的に接続されている点、及び、圧電層43の上面における接続電極54の3つの電極54a及び高電位電極52の重複部524とZ方向に重なる領域に、電極が配置されていない点において、第1実施形態と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。
【0088】
本実施形態によれば、接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)と、高電位電極52の重複部524とが、圧電層43におけるY方向の端部において、互いにZ方向に重なり、かつ、圧電層41に形成されたY方向に並ぶ複数の貫通孔41xを介して互いに電気的に接続されている(
図13参照)。この場合、圧電アクチュエータ322の端部に絶縁性接着剤Aが介在しない部分Rが生じたとしても、圧電層43の上面における部分RとZ方向に重なる領域に電極が存在しないため、当該領域に高電位に保持される電極が配置されている場合に比べ、部分Rの電界強度が弱まり、絶縁破壊を抑制できる。
【0089】
また、本実施形態では、接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)と、高電位電極52の重複部524との、Y方向に並ぶ複数の貫通孔41xを介した電気的接続により、高電位電極52の電気抵抗を下げることができる。これにより、高電位電極52に大電圧が付与された場合に生じ得る電圧降下の抑制効果を維持できる。
【0090】
<第4実施形態>
続いて、
図14を参照し、本発明の第4実施形態に係る圧電アクチュエータ422について説明する。
【0091】
本実施形態に係る圧電アクチュエータ422(
図14)は、第3実施形態に係る圧電アクチュエータ322(
図13)において、圧電層43の上面における接続電極54の3つの電極54a及び高電位電極52の重複部524とZ方向に重なる領域に、電位が付与されない浮き電極58を配置したものである。
【0092】
本実施形態(
図14)によれば、第3実施形態(
図13)に比べ、浮き電極58があることで部分Rの電界強度が大きくなり得るが、浮き電極58は高電位に保持される電極ではないため、部分Rの電界強度を抑えることができ、絶縁破壊を抑制できる。また、第3実施形態(
図13)と同様、接続電極54の3つの電極54a(
図7参照)と、高電位電極52の重複部524との、Y方向に並ぶ複数の貫通孔41xを介した電気的接続により、高電位電極52の電気抵抗を下げることができ、高電位電極52に大電圧が付与された場合に生じ得る電圧降下の抑制効果を維持できる。さらに、本実施形態では、圧電アクチュエータ22の端部に浮き電極58を配置したことで、圧電アクチュエータ22の端部の剛性が向上し、圧電アクチュエータ22の端部の反りを抑制できる。
【0093】
<第5実施形態>
続いて、
図15を参照し、本発明の第5実施形態に係る圧電アクチュエータ522について説明する。
【0094】
本実施形態に係る圧電アクチュエータ522(
図15)は、L字電極57の構成が第1実施形態(
図9)と異なり、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。
【0095】
L字電極57は、
図15に示すように、Y方向に延びる部分57aと、X方向に延びる部分57bとを有する。部分57bは、第1実施形態(
図9)と同様、第1部分571と第2部分572とに分割されている。さらに本実施形態では、第1部分571が、X方向に互いに離隔した複数の電極で構成される。また、部分57aは、第1実施形態(
図9)では分割されていないが、本実施形態では、第1部分573と、X方向において圧電層の端部の縁43bとの間に第1部分573を挟む第2部分574とに分割されている。第2部分574は、部分57bの第2部分572と接続し、高電位電極52と電気的に接続されている。一方、第1部分573は、部分57bの第1部分571と同様、いずれの電極とも電気的に接続されず、電位が付与されない浮き電極である。
【0096】
L字電極57は、さらに、Z方向と直交する平面において三角形状の、電位が付与されない浮き電極57cを有する。浮き電極57cは、圧電層43におけるZ方向と直交する平面の角部(
図15において左上の角部及び右下の角部)において、部分57bの第1部分571と第2部分572との間、かつ、部分57aの第1部分573と第2部分574との間に配置されている。浮き電極57cは、本発明の「第3補助電極」に該当する。
【0097】
本実施形態によれば、接着剤が特に行き渡り難い圧電アクチュエータ522の角部において、L字電極57をさらに分離し、浮き電極57cを含む構成とすることで、電界強度を弱めることができ、絶縁破壊を抑制できる。
【0098】
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0099】
圧電アクチュエータを構成する圧電層の数は、上述の実施形態(
図11参照)では3つであるが、4つ以上であってもよい。また、第3圧電層(上述の実施形態の圧電層43)と、流路ユニットのプレート(上述の実施形態のプレート31)との間に、別の圧電層が配置されてもよい。
【0100】
第1補助電極は、上述の実施形態(
図7参照)では複数の電極54aで構成されるが、これに限定されない。例えば、第1補助電極(
図7の接続電極54参照)は、X方向に延びる1つの電極で構成されてもよい。
【0101】
第2補助電極は、上述の実施形態(
図9参照)では第1部分571,661の幅が第2部分572,662の幅よりも小さいが、これに限定されない。例えば、第1部分571,661の幅が第2部分572,662の幅以上であってもよい。
【0102】
第2補助電極の第1部分を構成する複数の電極部(
図10の電極部661a,661b)は、X方向に互いに離隔しているが、これに限定されず、Y方向に互いに離隔してもよい。
【0103】
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。また、本発明は、画像の記録以外の用途で使用される液体吐出装置(例えば、基板に導電性の液体を吐出して導電パターンを形成する液体吐出装置)にも適用可能である。さらに、本発明に係る圧電アクチュエータは、液体吐出装置以外の任意の装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
3 ヘッド(液体吐出ヘッド)
15 ノズル
21 流路ユニット
22;222;322;422;522 圧電アクチュエータ
31 プレート
41 圧電層(第1圧電層)
41x 貫通孔
42 圧電層(第2圧電層)
43 圧電層(第3圧電層)
51 駆動電極
52 高電位電極
524 重複部
53 低電位電極
54 接続電極(第1補助電極)
57b 部分(第2補助電極)
57c 浮き電極(第3補助電極)
571 第1部分
572 第2部分
58 浮き電極
64a 電極(重複部)
66a 電極(第2補助電極)
661 第1部分
661a 電極部
661b 電極部
662 第2部分
71 第1電極層
72 第2電極層
73 第3電極層
A 絶縁性接着剤