(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04W 4/80 20180101AFI20241029BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241029BHJP
H04W 48/08 20090101ALI20241029BHJP
H04M 1/72415 20210101ALI20241029BHJP
【FI】
H04W4/80
G03G21/00 396
H04W48/08
H04M1/72415
(21)【出願番号】P 2020198809
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2023-10-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂 涼司
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-085968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0052474(US,A1)
【文献】特開2008-210368(JP,A)
【文献】特開2010-274105(JP,A)
【文献】特開2015-125716(JP,A)
【文献】特開2013-167918(JP,A)
【文献】特開2015-230539(JP,A)
【文献】特開2011-133935(JP,A)
【文献】井上 晃,先取り2 ホーム画面に最大のアップデート!“できること”がますます増えたiPhoneの体験を大幅に刷新 iOS 14,Mac Fan 第28巻 第9号 ,日本,株式会社マイナビ出版,2020年08月05日,第28巻第9号,30,35ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G21/00
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-1/82
99/00
H04N1/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
携帯端末が前記画像形成装置へ指示するために前記携帯端末で実行される第1アプリケーションを前記携帯端末にダウンロードして前記携帯端末で起動するために必要なダウンロード情報を前記携帯端末へ提供するように構成された情報提供部を備え、
前記第1アプリケーションは、前記携帯端末にインストールすることにより独立したアプリケーションとして前記携帯端末で動作可能な第2アプリケーションの一部であり、前記携帯端末にインストールすることなく前記携帯端末で動作可能なアプリケーションで
あり、
前記携帯端末は、前記第1アプリケーションを起動した後に、前記画像形成装置と接続するための接続画像を表示し、
前記ダウンロード情報は、前記画像形成装置の装置識別情報を含み、
前記接続画像は、前記装置識別情報に対応する前記画像形成装置と接続するための画像であり、
前記接続画像は、通信インターフェースの種類に応じて互いに異なる複数の画像が設定され、
前記携帯端末は、前記装置識別情報が第1通信インターフェースで使用される識別情報である場合には、前記第1通信インターフェースを介して前記画像形成装置と接続するための前記接続画像を表示し、前記装置識別情報が第2通信インターフェースで使用される識別情報である場合には、前記第2通信インターフェースを介して前記画像形成装置と接続するための前記接続画像を表示する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記情報提供部は、前記ダウンロード情報として、前記画像形成装置の外部に設置された第1外部装置にアクセスするためのURLを示す第1URL情報を提供し、
前記携帯端末は、前記第1URL情報に基づいて前記第1外部装置にアクセスすることによって、前記第1外部装置から、前記画像形成装置の外部に設置された第2外部装置にアクセスするためのURLを示す第2URL情報を取得し、
前記携帯端末は、前記第2URL情報に基づいて前記第2外部装置にアクセスすることによって、前記第2外部装置から前記第1アプリケーションをダウンロードする画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置であって、
携帯端末が前記画像形成装置へ指示するために前記携帯端末で実行される第1アプリケーションを前記携帯端末にダウンロードして前記携帯端末で起動するために必要なダウンロード情報として、前記画像形成装置の外部に設置された第1外部装置にアクセスするためのURLを示す第1URL情報を提供するように構成されたURL提供部を備え、
前記携帯端末は、前記第1URL情報に基づいて前記第1外部装置にアクセスすることによって、前記第1外部装置から、前記画像形成装置の外部に設置された第2外部装置にアクセスするためのURLを示す第2URL情報を取得し、
前記携帯端末は、前記第2URL情報に基づいて前記第2外部装置にアクセスすることによって、前記第2外部装置から前記第1アプリケーションをダウンロード
し、
前記携帯端末は、前記第1アプリケーションを起動した後に、前記画像形成装置と接続するための接続画像を表示し、
前記ダウンロード情報は、前記画像形成装置の装置識別情報を含み、
前記接続画像は、前記装置識別情報に対応する前記画像形成装置と接続するための画像であり、
前記接続画像は、通信インターフェースの種類に応じて互いに異なる複数の画像が設定され、
前記携帯端末は、前記装置識別情報が第1通信インターフェースで使用される識別情報である場合には、前記第1通信インターフェースを介して前記画像形成装置と接続するための前記接続画像を表示し、前記装置識別情報が第2通信インターフェースで使用される識別情報である場合には、前記第2通信インターフェースを介して前記画像形成装置と接続するための前記接続画像を表示する画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記第2URL情報は、前記携帯端末の種類に応じて互いに異なる複数の前記URLが設定され、
前記第1外部装置は、前記第1URL情報に基づいて前記携帯端末が前記第1外部装置にアクセスすると、前記携帯端末が第1種の携帯端末であるか否かを判断し、前記携帯端末が前記第1種の携帯端末である場合に、前記第1種の携帯端末に応じた前記URLを示す前記第2URL情報を前記携帯端末へ送信する画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置であって、
前記第1種の携帯端末は、第1のオペレーティングシステムを有する携帯端末である画像形成装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記携帯端末は、前記装置識別情報に対応する前記画像形成装置と接続することができなかった場合に、前記装置識別情報に対応する前記画像形成装置以外の装置との接続を促す画像を表示する画像形成装置。
【請求項7】
請求項1~
請求項6の何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記第1アプリケーションは、App ClipまたはInstant Appsである画像形成装置。
【請求項8】
請求項1~
請求項7の何れか1項に記載の画像形成装置であって、
前記第1アプリケーションは、通信可能な前記画像形成装置に画像形成を実行させることが可能である画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置であって、
前記携帯端末は、前記第1アプリケーションが前記画像形成装置に前記画像形成を実行させた後に、前記携帯端末にインストールすることにより独立したアプリケーションとして前記携帯端末で動作可能な第2アプリケーションのインストールを促す通知を行う画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アプリケーションを携帯端末にダウンロードして画像形成装置を利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯端末を画像形成装置に近付けると、画像形成装置が携帯端末へアプリケーション情報を送信することが記載されている。アプリケーション情報を受信した携帯端末は、アプリケーション情報が示すアプリケーションのダウンロードサイトを表示し、利用者に対してアプリケーションのインストールを誘導する。そして携帯端末は、利用者の操作に従ってアプリケーションをダウンロードしてインストールする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
携帯端末からの指示によって画像形成装置に画像印刷を実行させようとする場合には、画像形成装置に対応したアプリケーションをダウンロードして携帯端末にインストールする必要がある。このため、例えば、利用者が画像形成装置に画像印刷を実行させようとしてから画像印刷が完了するまでに要する時間が長くなってしまい、画像形成装置の利便性が損なわれてしまう恐れがあった。
【0005】
本開示は、アプリケーションを携帯端末にダウンロードして画像形成装置を利用する場合における利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、画像形成装置であって、携帯端末が画像形成装置へ指示するために携帯端末で実行される第1アプリケーションを携帯端末にダウンロードして携帯端末で起動するために必要なダウンロード情報を携帯端末へ提供するように構成された情報提供部を備える。
【0007】
第1アプリケーションは、携帯端末にインストールすることにより独立したアプリケーションとして携帯端末で動作可能な第2アプリケーションの一部であり、携帯端末にインストールすることなく携帯端末で動作可能なアプリケーションである。
【0008】
このように構成された本開示の画像形成装置は、第1アプリケーションを携帯端末にインストールすることなく、携帯端末からの指示によって画像形成装置に画像印刷を実行させることができ、アプリケーションを携帯端末にダウンロードして画像形成装置を利用する場合における利便性を向上させることができる。
【0009】
本開示の別の態様は、画像形成装置であって、URL提供部を備える。URL提供部は、携帯端末が画像形成装置へ指示するために携帯端末で実行される第1アプリケーションを携帯端末にダウンロードして携帯端末で起動するために必要なダウンロード情報として、画像形成装置の外部に設置された第1外部装置にアクセスするためのURLを示す第1URL情報を提供するように構成される。
【0010】
そして携帯端末は、第1URL情報に基づいて第1外部装置にアクセスすることによって、第1外部装置から、画像形成装置の外部に設置された第2外部装置にアクセスするためのURLを示す第2URL情報を取得する。
【0011】
また携帯端末は、第2URL情報に基づいて第2外部装置にアクセスすることによって、第2外部装置から第1アプリケーションをダウンロードする。
このように構成された本開示の画像形成装置は、第1アプリケーションが変更された場合に、画像形成装置から送信される第1URL情報を変更せずに、第1外部装置から送信される第2URL情報を変更することで対応することができる。すなわち、本開示の画像形成装置は、例えば、第1アプリケーションが変更された場合に、1つの第1外部装置について第2URL情報を変更するという作業を行えば、複数の画像形成装置のそれぞれについて第1URL情報を変更するという作業を不要とすることができる。これにより、本開示の画像形成装置は、アプリケーションを携帯端末にダウンロードして画像形成装置を利用する場合における利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】携帯端末および画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】リダイレクトサーバおよびアプリケーションサーバの構成を示すブロック図である。
【
図4】リダイレクトURL送信処理を示すフローチャートである。
【
図5】アプリケーション起動処理を示すフローチャートである。
【
図6】アプリケーションURL送信処理を示すフローチャートである。
【
図8】画像形成システムの動作の具体例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本開示の実施形態を図面とともに説明する。
(1)画像形成システム1の構成
本実施形態の画像形成システム1は、
図1に示すように、複数の携帯端末2と、複数の画像形成装置3と、リダイレクトサーバ4と、アプリケーションサーバ5とを備える。
図1では、図示の簡略化のために1台の携帯端末2が示されている。
【0014】
携帯端末2、リダイレクトサーバ4およびアプリケーションサーバ5は、WAN6を介して互いに通信可能に構成されている。WANは、Wide Area Networkの略である。本実施形態のWAN6は、インターネットである。
【0015】
携帯端末2および画像形成装置3は、無線LAN、または、Bluetooth規格に準拠した方式の近距離無線通信(以下、BT無線通信)によって互いに通信可能に構成されている。LANは、Local Area Networkの略である。Bluetoothは登録商標である。
【0016】
携帯端末2は、画像形成装置3を利用した作業を行う作業者毎に割り当てられており、作業者によって携帯される。
携帯端末2は、
図2に示すように、制御部11と、通信部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15と、NFC通信部16とを備える。NFCは、Near Field Communicationの略である。
【0017】
制御部11は、CPU21およびメモリ22を備える。CPU21は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行し、これにより、携帯端末2の各種機能が実現される。なお、制御部11により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
【0018】
メモリ22は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備える。メモリ22は、オペレーティングシステム(以下、OS)プログラム31を記憶する。OSプログラム31は、携帯端末2の基本的な機能を提供するプログラムである。
【0019】
通信部12は、WAN6を介してリダイレクトサーバ4およびアプリケーションサーバ5との間でデータ通信を行う。また通信部12は、無線LANまたはBT無線通信によって、画像形成装置3との間でデータ通信を行う。
【0020】
表示部13は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部14は、表示部13の表示画面上に設置されたタッチパネルと、表示部13の表示画面の周囲に設置されたスイッチとを備える。そして入力部14は、上記の作業者がタッチパネルおよびスイッチを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。記憶部15は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。HDDは、Hard Disk Driveの略である。SSDは、Solid State Driveの略である。
【0021】
NFC通信部16は、NFCの通信規格に準拠した方式の近距離無線通信(以下、NFC無線通信)によって、画像形成装置3との間でデータ通信を行う。
画像形成装置3は、制御部41と、通信部42と、表示部43と、入力部44と、印刷部45と、読取部46と、NFC通信部47とを備える。
【0022】
制御部41は、CPU51およびメモリ52を備える。CPU51は、メモリ52に記憶されたプログラムを実行し、これにより、画像形成装置3の各種機能が実現される。なお、制御部41により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。メモリ52は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
【0023】
通信部42は、無線LANまたはBT無線通信によって、携帯端末2との間でデータ通信を行う。
表示部43は、図示しない表示装置を備え、表示装置に各種画像を表示する。入力部44は、表示部43の表示画面上に設置されたタッチパネルと、表示部43の表示画面の周囲に設置されたスイッチとを備える。そして入力部44は、上記の作業者がタッチパネルおよびスイッチを介して行った入力操作を特定するための入力操作情報を出力する。
【0024】
印刷部45は、インクジェット技術または電子写真技術の印刷機構を有し、記録用紙に画像を印刷することができる。読取部46は、イメージセンサを備え、原稿に記録された画像を読み取り、読み取った画像を示す画像データを生成する。
【0025】
NFC通信部47は、NFC無線通信によって、携帯端末2との間でデータ通信を行う。NFC通信部47は、後述するリダイレクトURL56を記憶している。
リダイレクトサーバ4は、
図3に示すように、制御部61と、通信部62と、記憶部63とを備える。
【0026】
制御部61は、CPU71およびメモリ72を備える。CPU71は、メモリ72に記憶されたプログラムを実行し、これにより、リダイレクトサーバ4の各種機能が実現される。なお、制御部61により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。メモリ72は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
【0027】
通信部62は、WAN6を介して携帯端末2との間でデータ通信を行う。記憶部63は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。そして記憶部63は、後述するアプリケーションURL76,77を記憶している。
アプリケーションサーバ5は、制御部81と、通信部82と、記憶部83とを備える。
【0028】
制御部81は、CPU91およびメモリ92を備える。CPU91は、メモリ92に記憶されたプログラムを実行し、これにより、アプリケーションサーバ5の各種機能が実現される。なお、制御部81により実現される各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部または全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。メモリ92は、非遷移的実体的記録媒体である半導体メモリ(例えば、ROM、RAMおよびフラッシュメモリ)を備え、プログラムおよびデータを記憶する。
【0029】
通信部82は、WAN6を介して携帯端末2との間でデータ通信を行う。記憶部83は、例えばHDDおよびSSD等の補助記憶装置を備え、各種データを記憶する。そして記憶部63は、後述するミニアプリケーションプログラム96およびフルアプリケーションプログラム97を記憶している。
(2)画像形成装置3において実行される処理
次に、画像形成装置3のCPU51が実行するリダイレクトURL送信処理の手順を説明する。リダイレクトURL送信処理は、制御部41の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0030】
リダイレクトURL送信処理が実行されると、CPU51は、
図4に示すように、まずS10にて、携帯端末2のNFC通信部16から画像形成装置3のNFC通信部47に対してアクセスがあったか否かを判断する。ここで、携帯端末2のNFC通信部16からアクセスがない場合には、CPU51は、リダイレクトURL送信処理を終了する。
【0031】
一方、携帯端末2のNFC通信部16からアクセスがあった場合には、CPU51は、S20にて、NFC通信部47から携帯端末2のNFC通信部16へリダイレクトURL56を送信し、リダイレクトURL送信処理を終了する。URLは、uniform resource locatorの略である。本実施形態では、リダイレクトURL56は、例えば「https://server.com/launch?XXXX」である。リダイレクトURL56における「XXXX」は、画像形成装置3の識別情報であり、本実施形態では画像形成装置3のMACアドレスである。
【0032】
(3)携帯端末2において実行される処理
次に、携帯端末2のCPU21が実行するアプリケーション起動処理の手順を説明する。アプリケーション起動処理は、制御部11の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0033】
アプリケーション起動処理が実行されると、CPU21は、
図5に示すように、まずS110にて、画像形成装置3からリダイレクトURLを取得したか否かを判断する。ここで、リダイレクトURL56を取得していない場合には、S110の処理を繰り返すことにより、リダイレクトURL56を取得するまで待機する。
【0034】
そして、リダイレクトURL56を取得すると、CPU21は、S120にて、表示部13の表示画面に、許可ボタンおよびキャンセルボタンを表示する。
そしてCPU21は、S130にて、キャンセル操作が行われたか否かを判断する。具体的には、CPU21は、キャンセルボタンをタップする操作が行われたか否かを判断する。ここで、キャンセル操作が行われた場合には、CPU21は、アプリケーション起動処理を終了する。
【0035】
一方、キャンセル操作が行われていない場合には、CPU21は、S140にて、アクセス操作が行われたか否かを判断する。具体的には、CPU21は、許可ボタンをタップする操作が行われたか否かを判断する。ここで、アクセス操作が行われていない場合には、CPU21は、S130に移行する。一方、アクセス操作が行われた場合には、CPU21は、S150にて、取得したリダイレクトURL56にアクセスする。
【0036】
そしてCPU21は、S160にて、リダイレクトサーバ4からアプリケーションURL76を取得したか否かを判断する。ここで、アプリケーションURL76を取得していない場合には、S160の処理を繰り返すことにより、アプリケーションURL76を取得するまで待機する。本実施形態では、アプリケーションURL76は、例えば「https://appclip.com/launch?XXXX」である。アプリケーションURL76における「XXXX」は、リダイレクトURL56と同様に、画像形成装置3の識別情報であり、本実施形態では画像形成装置3のMACアドレスである。
【0037】
そして、アプリケーションURL76を取得すると、CPU21は、S170にて、アプリケーションURL76にアクセスし、アプリケーションURL76によって特定されるミニアプリケーションプログラム96をアプリケーションサーバ5からダウンロードする。
【0038】
なお、S170でダウンロードされるミニアプリケーションプログラム96により実行されるアプリケーションは、携帯端末2にインストールすることにより独立したアプリケーションとして携帯端末2で動作可能なフルアプリケーションの一部であり、携帯端末2にインストールすることなく携帯端末2で動作可能なミニアプリケーションである。なお、ミニアプリケーションは、携帯端末2に搭載されたOSがiOSである場合にはApp Clipであり、携帯端末2に搭載されたOSがAndroidである場合にはInstant Appsである。iOSは登録商標である。Androidは登録商標である。
【0039】
このミニアプリケーションは、少なくとも、携帯端末2に記憶されている画像データ、または、携帯端末2において作成された画像データを、携帯端末2と通信可能な画像形成装置3に印刷させる機能を有している。
【0040】
ミニアプリケーションプログラム96のダウンロードが終了すると、CPU21は、S180にて、ダウンロードしたミニアプリケーションプログラム96を起動し、アプリケーション起動処理を終了する。
【0041】
(4)リダイレクトサーバ4において実行される処理
次に、リダイレクトサーバ4のCPU71が実行するアプリケーションURL送信処理の手順を説明する。アプリケーションURL送信処理は、制御部61の動作中において繰り返し実行される処理である。
【0042】
アプリケーションURL送信処理が実行されると、CPU71は、
図6に示すように、まずS310にて、携帯端末2の通信部12からリダイレクトサーバ4の通信部62に対してアクセスがあったか否かを判断する。ここで、携帯端末2の通信部12からアクセスがない場合には、CPU71は、アプリケーションURL送信処理を終了する。
【0043】
一方、携帯端末2の通信部12からアクセスがあった場合には、CPU71は、S320にて、アクセスした携帯端末2からエージェント情報を取得する。エージェント情報は、携帯端末2に搭載されたOSの種類(すなわち、iOSまたはAndroid)を示す情報を含む。
【0044】
そしてCPU71は、S330にて、取得したエージェント情報に基づいて、アクセスした携帯端末2のOSがiOSであるか否かを判断する。
ここで、OSがiOSである場合には、CPU71は、S340にて、iOSに対応したアプリケーションURL76を、アクセスした携帯端末2へ送信し、アプリケーションURL送信処理を終了する。iOSに対応したアプリケーションURL76は、本実施形態では、例えば「https://appclip.com/launch?XXXX」である。
【0045】
一方、OSがiOSでない場合には、CPU71は、OSがAndroidであると判断し、S350にて、Androidに対応したアプリケーションURL77を、アクセスした携帯端末2へ送信し、アプリケーションURL送信処理を終了する。
【0046】
(5)アプリケーションプログラムにおいて実行される処理
次に、S180で起動したミニアプリケーションプログラム96において実行される接続処理の手順を説明する。接続処理は、S180におけるミニアプリケーションプログラム96の起動によって開始される処理である。
【0047】
接続処理が実行されると、CPU21は、
図7に示すように、まずS410にて、通信部12を介した無線通信(すなわち、無線LANまたはBT無線通信)によって接続することができる画像形成装置3を検索する装置検索処理を開始する。なお、CPU21は、リダイレクトURL56内の識別情報(すなわち、「https://server.com/launch?XXXX」における「XXXX」)が無線LANで使用される識別情報である場合には、無線LANによって接続することができる画像形成装置3を検索する。一方、CPU21は、リダイレクトURL56内の識別情報がBT無線通信で使用される識別情報である場合には、BT無線通信によって接続することができる画像形成装置3を検索する。
【0048】
さらにCPU21は、S420にて、接続中であることを示す接続画像を表示部13の表示画面に表示する。なお、CPU21は、無線LANによって接続することができる画像形成装置3を検索している場合には、無線LANによる接続を実行中であることを示す接続画像を表示する。一方、CPU21は、BT無線通信によって接続することができる画像形成装置3を検索している場合には、BT無線通信による接続を実行中であることを示す接続画像を表示する。
【0049】
そしてCPU21は、S430にて、検索が成功したか否かを判断する。具体的には、CPU21は、検索した1または複数の画像形成装置3の中に、リダイレクトURL56内の識別情報に対応する画像形成装置3が含まれているか否かを判断する。そしてCPU21は、リダイレクトURL56内の識別情報に対応する画像形成装置3が含まれている場合に、検索が成功したと判断する。
【0050】
ここで、検索が成功した場合には、CPU21は、S440にて、通信部12を介した無線通信によって、リダイレクトURL56内の識別情報に対応する画像形成装置3と接続する。
【0051】
さらにCPU21は、S450にて、画像形成装置3との接続が完了したことを示す接続完了画像を表示部13の表示画面に表示する。
次にCPU21は、S460にて、印刷処理を実行する。
【0052】
具体的には、CPU21は、まず、印刷設定を選択するための印刷設定選択画像を表示部13の表示画面に表示する。印刷設定選択画像は、作業者がタッチパネルおよびスイッチを介して行った入力操作に基づいて、表示されている複数の印刷設定の中から1つの印刷設定を選択することが可能に構成されている。
【0053】
印刷設定が選択されると、CPU21は、印刷対象となる画像データを選択するための印刷対象選択画像を表示部13の表示画面に表示する。印刷対象選択画像は、作業者がタッチパネルおよびスイッチを介して行った入力操作に基づいて、表示されている1または複数の画像データの中から1つの画像データを選択することが可能に構成されている。
【0054】
画像データが選択されると、CPU21は、選択された画像データを、選択された印刷設定で印刷させる印刷指示を、接続されている画像形成装置3へ送信して、印刷処理を終了する。
【0055】
そしてCPU21は、S470にて、画像形成装置3による印刷が終了したか否かを判断する。具体的には、CPU21は、画像形成装置3から印刷終了通知を受信した場合に、印刷が終了したと判断する。
【0056】
ここで、画像形成装置3による印刷が終了していない場合には、CPU21は、S470の処理を繰り返すことにより、画像形成装置3による印刷が終了するまで待機する。そして、画像形成装置3による印刷が終了すると、CPU21は、S480にて、フルアプリケーションをインストールすることができることを示すインストール可能画像を表示し、接続処理を終了する。
この後、フルアプリケーションプログラム97をダウンロードしてインストールを実行すると、次回以降、フルアプリケーションが起動して実行される。一方、フルアプリケーションプログラム97をインストールしなかった場合には、次回以降もミニアプリケーションプログラム96をダウンロードして起動することになる。
【0057】
またS430にて、検索が成功しなかった場合には、CPU21は、S490にて、画像形成装置3との接続が失敗したことを示す接続失敗画像を表示部13の表示画面に表示し、接続処理を終了する。なお、接続失敗画像は、接続に失敗した画像形成装置3以外の画像形成装置3との接続の検討を促すメッセージを含む。
なお、
図7に示す接続処理におけるS410~S460,S490の処理は、ミニアプリケーションとフルアプリケーションとで共通である。
【0058】
(6)画像形成システム1の動作例
次に、画像形成システム1の動作の具体例を説明する。
携帯端末2を所持する作業者が、携帯端末2を画像形成装置3に近付けると、携帯端末2は、
図8の処理P1で示すように、NFC無線通信によって画像形成装置3にアクセスする。
【0059】
画像形成装置3は、携帯端末2からのアクセスを検出すると、処理P2で示すように、リダイレクトURL56を携帯端末2へ送信する。
リダイレクトURL56を受信した携帯端末2は、処理P3で示すように、リダイレクトURL56に対応するリダイレクトサーバ4にアクセスする。
【0060】
リダイレクトサーバ4は、携帯端末2からのアクセスを検出すると、処理P4で示すように、アプリケーションURL76を携帯端末2へ送信する。
アプリケーションURL76を受信した携帯端末2は、処理P5で示すように、アプリケーションURL76に対応するアプリケーションサーバ5にアクセスする。そして携帯端末2は、処理P6で示すように、ミニアプリケーションプログラム96をアプリケーションサーバ5からダウンロードする。
【0061】
ミニアプリケーションプログラム96のダウンロードが終了すると、携帯端末2は、ダウンロードしたミニアプリケーションプログラム96を起動する。
(7)効果
このように構成された画像形成システム1の画像形成装置3は、携帯端末2が画像形成装置3へ指示するために携帯端末2で実行されるミニアプリケーションを携帯端末2にダウンロードして携帯端末2で起動するために必要なリダイレクトURL56を携帯端末2へ提供する。
【0062】
ミニアプリケーションは、携帯端末2にインストールすることにより独立したアプリケーションとして携帯端末2で動作可能なフルアプリケーションの一部であり、携帯端末2にインストールすることなく携帯端末2で動作可能なアプリケーションである。
【0063】
このように画像形成装置3は、ミニアプリケーションを携帯端末2にインストールすることなく、携帯端末2からの指示によって画像形成装置3に画像印刷を実行させることができ、アプリケーションを携帯端末2にダウンロードして画像形成装置3を利用する場合における利便性を向上させることができる。
【0064】
また画像形成装置3は、携帯端末2が画像形成装置3へ指示するために携帯端末2で実行されるミニアプリケーションを携帯端末2にダウンロードして携帯端末2で起動するために必要なダウンロード情報として、画像形成装置3の外部に設置されたリダイレクトサーバ4にアクセスするためのリダイレクトURL56を提供する。
【0065】
携帯端末2は、リダイレクトURL56に基づいてリダイレクトサーバ4にアクセスすることによって、リダイレクトサーバ4から、画像形成装置3の外部に設置されたアプリケーションサーバ5にアクセスするためのアプリケーションURL76を取得する。また携帯端末2は、アプリケーションURL76に基づいてアプリケーションサーバ5にアクセスすることによって、アプリケーションサーバ5からミニアプリケーションをダウンロードする。
【0066】
これにより、画像形成装置3は、ミニアプリケーションが変更された場合に、画像形成装置3から送信されるリダイレクトURL56を変更せずに、リダイレクトサーバ4から送信されるアプリケーションURL76,77を変更することで対応することができる。すなわち、画像形成装置3は、ミニアプリケーションが変更された場合に、1つのリダイレクトサーバ4についてアプリケーションURL76,77を変更するという作業を行えば、複数の画像形成装置3のそれぞれについてリダイレクトURL56を変更するという作業を不要とすることができる。これにより、画像形成装置3は、アプリケーションを携帯端末2にダウンロードして画像形成装置3を利用する場合における利便性を向上させることができる。
【0067】
また、アプリケーションURL76,77は、携帯端末2のOSに応じて互いに異なる複数のURLが設定されている。そしてリダイレクトサーバ4は、リダイレクトURL56に基づいて携帯端末2がリダイレクトサーバ4にアクセスすると、携帯端末2のOSがiOSであるか否かを判断し、携帯端末2のOSがiOSである場合に、iOSに応じたアプリケーションURL76を携帯端末2へ送信する。これにより、画像形成装置3は、携帯端末2のOSに応じた適切なアプリケーションURL76,77を携帯端末2に取得させることができる。
【0068】
携帯端末2は、ミニアプリケーションを起動した後に、画像形成装置3と接続するための接続画像を表示する。これにより、携帯端末2は、画像形成装置3に接続する場合に、画像形成装置3に接続することを作業者に認識させることができる。なお、フルアプリケーションを起動した後には、接続画像は表示されず、例えば、「プリント」、「スキャン」および「ファックス」等の機能を選択するための機能選択画像が表示される。そして例えば、作業者が機能選択画像において「接続」機能を選択する場合に、携帯端末2は、ミニアプリケーションを起動した場合と同様に接続画像を表示し、接続処理を開始する。
【0069】
リダイレクトURL56は、画像形成装置3のMACアドレスを含み、接続画像は、MACアドレスに対応する画像形成装置3と接続するための画像である。これにより、携帯端末2は、MACアドレスに応じた適切な方法(すなわち、無線LAN)で画像形成装置3に接続することができる。
【0070】
また接続画像は、通信インターフェースの種類(すなわち、無線LANのインターフェース、または、BT無線通信のインターフェース)に応じて互いに異なる複数の画像が設定されている。
【0071】
携帯端末2は、リダイレクトURL56内の識別情報が無線LANのインターフェースで使用される識別情報である場合には、無線LANを介して画像形成装置3と接続するための接続画像を表示し、リダイレクトURL56内の識別情報がBT無線通信のインターフェースで使用される識別情報である場合には、BT無線通信のインターフェースを介して画像形成装置3と接続するための接続画像を表示する。これにより、携帯端末2は、通信インターフェースの種類に応じた適切な方法で画像形成装置3に接続することができる。
【0072】
携帯端末2は、リダイレクトURL56内の識別情報に対応する画像形成装置3と接続することができなかった場合に、リダイレクトURL56内の識別情報に対応する画像形成装置3以外の画像形成装置3との接続を促す接続失敗画像を表示する。これにより、携帯端末2は、リダイレクトURL56内の識別情報に対応する画像形成装置3以外の画像形成装置3によって画像形成を実行させる選択肢も存在することを作業者に認識させることができる。
【0073】
携帯端末2は、ミニアプリケーションが画像形成装置3に画像形成を実行させた後に、フルアプリケーションのインストールを促す通知を行う。これにより、携帯端末2は、フルアプリケーションのインストールも可能であることを作業者に認識させることができる。
【0074】
以上説明した実施形態において、S20は情報提供部およびURL提供部としての処理に相当し、リダイレクトURL56はダウンロード情報に相当し、ミニアプリケーションは第1アプリケーションに相当し、フルアプリケーションは第2アプリケーションに相当する。
【0075】
また、リダイレクトURL56は第1URL情報に相当し、リダイレクトサーバ4は第1外部装置に相当し、アプリケーションURL76,77は第2URL情報に相当し、アプリケーションサーバ5は第2外部装置に相当する。
【0076】
また、iOSを搭載した携帯端末2は第1種の携帯端末に相当し、iOSは第1のオペレーティングシステムに相当し、リダイレクトURL56内の識別情報(すなわち、MACアドレス)は装置識別情報に相当し、無線LANのインターフェースは第1通信インターフェースに相当し、BT無線通信のインターフェースは第2通信インターフェースに相当する。
【0077】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができる。
[変形例1]
例えば上記実施形態では、画像形成装置3が携帯端末2へリダイレクトURL56を送信する形態を示したが、リダイレクトURL56を表すQRコードを画像形成装置3の表示部43の表示画面に表示するようにしてもよい。画像形成装置3において表示されたQRコードを携帯端末2で撮影することにより、携帯端末2はリダイレクトURL56を取得することができる。QRコードは登録商標である。
【0078】
[変形例2]
上記実施形態では、携帯端末2に搭載されたOSに応じたアプリケーションURL76,77を送信する形態を示したが、OSのバージョンに応じたアプリケーションURLを送信するようにしてもよい。
[変形例3]
上記実施形態では、S460の印刷処理において、まず、印刷設定選択画像が表示される形態を示した。しかし、フルアプリケーションにおける機能選択画像が表示されることにより各種機能の選択が可能で、選ばれた機能が実行されるようにしてもよい。
【0079】
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加または置換してもよい。
【0080】
上述した画像形成装置3の他、当該画像形成装置3を構成要素とするシステム、当該画像形成装置3としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、情報提供方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0081】
2…携帯端末、3…画像形成装置、41…制御部、56…リダイレクトURL、76,77…アプリケーションURL、96…ミニアプリケーションプログラム、97…フルアプリケーションプログラム