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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】フード持ち上げ装置用アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/19 20060101AFI20241029BHJP
   B60R 21/38 20110101ALI20241029BHJP
【FI】
F15B15/19
B60R21/38 320
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020209382
(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公開番号】P2022031089
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2020133155
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】318002149
【氏名又は名称】Joyson Safety Systems Japan合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(72)【発明者】
【氏名】村上 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩隆
(72)【発明者】
【氏名】根本 大地
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-162136(JP,A)
【文献】特表2010-538228(JP,A)
【文献】特開2008-056112(JP,A)
【文献】特開2016-022795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 15/00-15/28
B60R 21/38
B62D 25/10;25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ内に配置されたピストンロッドをガス圧によって移動させて車両のフードを持ち上げるフード持ち上げ装置用アクチュエータであって、
該ピストンロッドの基端側に設けられたテーパ面と前記シリンダの内周面との間にピストンロッド退動阻止用の介在体が配置されており、
前記テーパ面はピストンロッド突出方向に向かって拡径する形状であり、
該テーパ面のピストンロッド突出方向先端側からピストンロッド軸心線と垂直方向に延在する平面が設けられており、
前記フード持ち上げ後の前記ピストンロッド退動時に前記介在体が前記平面に当接する、フード持ち上げ装置用アクチュエータ。
【請求項2】
シリンダ内に配置されたピストンロッドをガス圧によって移動させて車両のフードを持ち上げるフード持ち上げ装置用アクチュエータであって、
該ピストンロッドの基端側に設けられたテーパ面と前記シリンダの内周面との間にピストンロッド退動阻止用の介在体が配置されており、
前記テーパ面はピストンロッド突出方向に向かって拡径する形状であり、
該テーパ面のピストンロッド突出方向先端側から放射方向に延在する傾斜面が設けられており、
前記傾斜面は、放射方向外周側ほどピストンロッド突出方向と反対方向となる、フード持ち上げ装置用アクチュエータ。
【請求項3】
シリンダ内に配置されたピストンロッドをガス圧によって移動させて車両のフードを持ち上げるフード持ち上げ装置用アクチュエータであって、
該ピストンロッドの基端側に設けられたテーパ面と前記シリンダの内周面との間にピストンロッド退動阻止用の介在体が配置されており、
前記テーパ面はピストンロッド突出方向に向かって拡径する形状であり、
該テーパ面のピストンロッド突出方向先端側から放射方向に延在する傾斜面が設けられており、
前記傾斜面は、ピストンロッド突出方向と反対方向に向かって凸に湾曲している、フード持ち上げ装置用アクチュエータ。
【請求項4】
前記ピストンロッドの前記テーパ面又は前記平面にコーティングが施されている、請求項1のフード持ち上げ装置用アクチュエータ。
【請求項5】
前記ピストンロッドの前記テーパ面又は前記傾斜面にコーティングが施されている、請求項2又は3のフード持ち上げ装置用アクチュエータ。
【請求項6】
シリンダ内に配置されたピストンロッドをガス圧によって移動させて車両のフードを持ち上げるフード持ち上げ装置用アクチュエータであって、
該ピストンロッドの基端側に設けられたテーパ面と前記シリンダの内周面との間にピストンロッド退動阻止用の介在体が配置されており、
前記テーパ面はピストンロッド突出方向に向かって拡径する形状であり、
該テーパ面のピストンロッド突出方向先端側から放射方向に延在する、ピストンロッド軸心線と垂直な平面又はピストンロッド軸心線と垂直方向に対して傾斜した傾斜面が設けられており、
前記シリンダの外周面に、シリンダ変形抑制部材が取り付けられており、
前記介在体は、前記ピストンロッドが突出する際、前記シリンダを介して前記シリンダ変形抑制部材の内側の領域を通過し、
前記介在体は複数設けられており、
前記シリンダ変形抑制部材は、前記シリンダの周方向に間隔をおいて複数取り付けられている、フード持ち上げ装置用アクチュエータ。
【請求項7】
前記介在体は、ボール又はリングである、請求項1~のいずれかのフード持ち上げ装置用アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者等との衝突が検知又は予知されたときに、自動車のフード(ボンネットフード)を押し上げるためのフード持ち上げ装置用アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のフード持ち上げ装置に用いられるアクチュエータとして、ガス発生装置と、シリンダと、ピストンロッドとを備えたものがある。このアクチュエータにあっては、ガス発生装置が作動すると、シリンダからピストンロッドが突出することによりフードが持ち上げられる。
【0003】
突出したピストンロッドが後退することを阻止するために、ピストン部分の周面にテーパ面が設けられ、該テーパ面とシリンダ内周面との間にボールが配置されている。ピストンロッドが後退しようとすると、ボールがテーパ面とシリンダ内周面との間に噛み込まれる。そして、後退しようとするピストンロッドのテーパ面からの分力により、ボールがシリンダ内周面に押し付けられ、ボールがシリンダ内周面に食い込む。これにより、ピストンロッドの後退が阻止される。
【0004】
このテーパ面は、ピストンロッドの軸心線と垂直な断面において円形となっている。ボールは、この断面円形のテーパ面を取り巻くように複数個配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-162136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ピストンロッド後退阻止用のボール等がシリンダ内周面に食い込む深さを規制するよう構成されたピストンロッドを備えたフード持ち上げ装置用アクチュエータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフード持ち上げ装置用アクチュエータは、シリンダ内に配置されたピストンロッドをガス圧によって移動させて車両のフードを持ち上げるフード持ち上げ装置用アクチュエータであって、該ピストンロッドの基端側に設けられたテーパ面と前記シリンダの内周面との間にピストンロッド退動阻止用の介在体が配置されており、前記フード持ち上げ後に該ピストンロッドが該フードに与える反力を規制する手段が前記ピストンロッドに設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様では、前記介在体は、ボール又はリングである。
【0009】
本発明の一態様では、前記テーパ面はピストンロッド突出方向に向かって拡径する形状であり、前記反力を規制する手段は、該テーパ面のピストンロッド突出方向先端側から略放射方向に延在する規制面である。
【0010】
本発明の一態様では、前記規制面は、ピストンロッド軸心線と垂直方向の平面よりなる。
【0011】
本発明の一態様では、前記規制面は、少なくとも一部がピストンロッド軸心線と垂直方向に対して傾斜した傾斜面よりなる。この傾斜面は、放射方向外周側ほどピストンロッド突出方向となる傾斜面であってもよく、放射方向外周側ほどピストンロッド突出方向と反対方向となる傾斜面であってもよい。
【0012】
本発明の一態様では、前記規制面は、ピストンロッド突出方向と反対方向に向かって凸となっている。本発明の別の一態様では、前記規制面は、ピストンロッド突出方向に向かって凹となっている。
【0013】
本発明の一態様では、前記ピストンロッドの前記テーパ面又は前記規制面にコーティングが施されている。
【0014】
本発明の一態様では、前記シリンダの外周面に、シリンダ変形抑制部材が取り付けられている。
【0015】
本発明の一態様では、前記介在体は、前記ピストンロッドが突出する際、前記シリンダを介して前記シリンダ変形抑制部材の内側の領域を通過する。
【0016】
本発明の一態様では、前記シリンダ変形抑制部材の上面側で、前記介在体の後退が阻止される。
【0017】
本発明の一態様では、前記シリンダ変形抑制部材は金属で構成される。
【0018】
本発明の一態様では、前記シリンダ変形抑制部材は、前記シリンダの外周面を取り囲むように設けられている。
【0019】
本発明の一態様では、前記介在体は複数設けられており、前記シリンダ変形抑制部材は、前記シリンダの周方向に間隔をおいて複数取り付けられている。
【0020】
本発明の一態様では、前記シリンダ変形抑制部材は、前記フード持ち上げ装置用アクチュエータを車体に取り付けるためのブラケットと一体になっている。
【発明の効果】
【0021】
本発明のフード持ち上げ装置用アクチュエータでは、ガス発生装置が作動すると、ピストンロッドが突出し、フードを押し上げる。その後、フードからの押圧力によりピストンロッドが後退しようとした場合、ピストンロッドとシリンダ内周面との間に介在した介在体によりピストンロッドの後退が阻止され、下降しようとするフードに対し反力が与えられる。本発明では、この反力を規制する規制手段がピストンロッドに設けられているので、シリンダの構成が簡易となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施の形態に係るアクチュエータの作動前の状態における長手方向の断面図である。
図2図1のII部分の拡大図である。
図3】作動後の図1のアクチュエータの断面図である。
図4】別の実施の形態に係るアクチュエータの断面図である。
図5】別の実施の形態に係るアクチュエータの断面図である。
図6】別の実施の形態に係るアクチュエータの断面図である。
図7】別の実施の形態に係るアクチュエータの断面図である。
図8】別の実施の形態に係るアクチュエータの断面図である。
図9】別の実施の形態に係るアクチュエータの断面図である。
図10】変形抑制部材の斜視図である。
図11】作動後の図9のアクチュエータの断面図である。
図12】変形抑制部材の斜視図である。
図13】変形抑制部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は実施の形態に係るフード持ち上げ装置用アクチュエータ1を示す。このフード持ち上げ装置は、車両が歩行者に衝突した際にフード後部を持ち上げて歩行者の衝撃を緩和するためのものである。
【0025】
なお、以下の説明では、ピストンロッドの突出方向の端部を上端又は先端、突出方向とは反対方向の端部を下端又は後端と称する。
【0026】
このアクチュエータ1は、シリンダ2、及びピストンロッド3を有する直動型のアクチュエータである。シリンダ2の後端にはガス発生装置4が設けられている。ガス発生装置4は、図示しないECU(電子制御ユニット)に接続されており、ECUの指令に基づいて作動し、高圧ガスを発生させる。この高圧ガスにより、ピストンロッド3を押し上げてシリンダ2から突出させる。
【0027】
シリンダ2の先端側には、中央に孔部を有したフランジ状のエンドメンバ5が固定設置されている。エンドメンバ5の内周縁側は、シリンダ2の内周縁よりも中央側に張り出している。
【0028】
ピストンロッド3の先端側はエンドメンバ5の中央孔部を通って上方へ突出している。エンドメンバ5の内周面に溝が周回して設けられており、この溝にリング状のストッパリング6が係合している。
【0029】
図示は省略するが、ストッパリング6の外周縁から外方(放射方向)に爪片が突設されており、該爪片がエンドメンバ5の内周面の溝に係合している。爪片は、ストッパリング6の周方向に間隔をおいて複数個設けられている。
【0030】
ストッパリング6は、定常時(ガス発生装置非作動時)におけるピストンロッド3の上方への突出を阻止している。ピストンロッド3の先端にはカバーキャップ7が装着されている。
【0031】
図2にも明示の通り、ピストンロッド3の後端部はピストン部8となっている。該ピストン部8の外周面には溝9が周設されている。Oリング10が溝9内に配置され、シリンダ2の内周面に気密にかつ摺動自在に接している。
【0032】
ピストン部8よりも上方側は小径部11となっており、該小径部11よりも上方側は大径部12となっている。大径部12の直径は、シリンダ2の内径よりもごく僅かに小さいものとなっている。
【0033】
小径部11は略逆円錐台形状となっている。小径部11の側周面は、上方ほどシリンダ2の内周面との間隔が小さくなるテーパ面13となっている。小径部11の下端部とシリンダ2内周面との間隔は、ボール15の直径よりも若干大きい。また、小径部11の上端部とシリンダ2内周面との間隔は、ボール15の直径よりも小さい。
【0034】
大径部12の下面側すなわちテーパ面13と大径部12との境界部の段差面は、放射方向に延在する平面よりなる規制面14となっている。この実施の形態では、規制面14は、ピストンロッド3の軸心線と垂直方向に延在する平面よりなる。
【0035】
テーパ面13とシリンダ2内周面との間にボール15が配置されている。アクチュエータ1が作動する前の状態では、ボール15はピストンロッド3の小径部11側の段差面(小径部11の上面)に当接している。また、この状態では、ボール15は、シリンダ2の内周面に摺動可能に接しているか、又は両者間に僅かな間隙が存在する状態となっている。
【0036】
ボール15及びピストンロッド3は、シリンダ2よりも剛性の高い材料で構成されている。
【0037】
次に、このアクチュエータ1の動作を説明する。検知システムにより、車両と歩行者との衝突が検知又は予知されると、ガス発生装置4がECUの指令に基づいて作動し、高圧ガスを発生させる。高圧ガスがシリンダ2内に供給され、ピストンロッド3を上方に移動させる。
【0038】
ピストンロッド3は、ストッパリング6の爪片(図示略)を変形させて上方に突出し、ボンネットフードの後部を押し上げる。ピストンロッド3は、大径部12がエンドメンバ5に当たるまで上方移動する。
【0039】
ピストンロッド3が上方移動する間は、ボール15は小径部11の上面に当接しており、ピストンロッド3の移動を拘束しない。
【0040】
押し上げられたボンネットフードに歩行者等から荷重が加えられ、ボンネットフード後部及びピストンロッド3が下方移動しようとすると、ボール15は、ピストンロッド3に対し相対的に上方移動し、シリンダ2の内周面とテーパ面13との間に噛み込まれた状態となる。ピストンロッド3に加えられる下向き荷重Fにより、ボール15はテーパ面13から放射方向に分力を受け、シリンダ2内周面に押し付けられ、シリンダ2内周面に食い込む。
【0041】
ボール15のシリンダ2内周面への食い込みは、ボール15が規制面14に当接するよりも前の段階で開始する。ピストンロッド3は、ボール15でシリンダ2内周面を変形させながら下方へ移動する。シリンダ2内周面に食い込んだボール15は、ピストンロッド3に対し相対的に上方移動し、図3の通り、規制面14に当接し、その後は、ピストンロッド3と一体となって下方移動する。
【0042】
その後、上方からの荷重Fが、ピストンロッド3からの反力よりも小さくなると、ピストンロッド3の下方移動が停止する。
【0043】
この実施の形態では、ボール15が規制面14に当接した後は、ボール15はピストンロッド3に対しそれ以上相対的に上方移動しないので、ピストンロッド3がボンネットフード3に与える反力はそれ以上増大しない。即ち、規制面14を設けたことにより、ピストンロッド3がボンネットフードに与える反力が所定値以下に規制される。
【0044】
この実施の形態では、規制面14がピストンロッド3に設けられており、シリンダ2の構成が簡易である。
【0045】
上記実施の形態では、規制面14はピストンロッドの軸心線と垂直方向に延在する平面よりなるが、本発明はこれに限定されない。
【0046】
例えば、図4のように、下方に向って凸に湾曲する曲面よりなる規制面14Aとしてもよく、図5のように凹に湾曲する曲面よりなる規制面14Bとしてもよい。なお、規制面14A、規制面14Bは、湾曲する曲面ではなく、V字形断面形状であてもよい。
【0047】
また、図6のように、放射方向外周側に向って下り勾配の傾斜面よりなる規制面14Cとしてもよく、図7のように、放射方向外周側に向って上り勾配の傾斜面よりなる規制面14Dとしてもよい。なお、図6,7では、規制面14C,14Dの全体が傾斜面となっているが、一部のみが傾斜面であってもよい。
【0048】
本発明では、ボール以外の介在体を用いてもよく、例えば図8のように小径部11を取り巻くリング16を介在体として用いてもよい。リング16は、周方向の途中で切れている形状のCリングであってもよい。また、介在体としてローラを用いてもよい。
【0049】
図4~8のアクチュエータのその他の構成は図1~3のアクチュエータと同様であり、同一符号は同一部分を示している。
【0050】
上記各実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の形態とされてもよい。
【0051】
例えば、本発明では、ピストンロッドの少なくとも一部、例えばテーパ面や規制面に、摩擦係数を調整するためのコーティングを施してもよい。
【0052】
上記実施の形態において、上方移動したピストンロッド3が下方移動する際、ボール15がシリンダ2の側壁を変形させながらピストンロッド3と一体となって下方移動することがある。そのため、図9図10に示すように、シリンダ2の外周面に、シリンダ側壁の変形を抑制する変形抑制部材20を取り付けてもよい。
【0053】
ボール15がシリンダ2の側壁を変形させながらピストンロッド3と一体となって下方移動する場合でも、図11に示すように、変形抑制部材20の位置でシリンダ側壁の変形が抑制され、ボール15及びピストンロッド3の下方移動が停止する。例えば、ボール15及びピストンロッド3は、変形抑制部材20の上面側で下方移動が停止する(阻止される)。
【0054】
このように、変形抑制部材20を設けることで、ピストンロッド3の下方移動を所望の位置で停止させることができる。また、ピストンロッド3の下方移動停止位置に応じて変形抑制部材20の取り付け位置を変えればよく、シリンダ2については、肉厚、外径が一定のシリンダを使用できる。シリンダの種類を増やす必要がなく、コストを削減できる。
【0055】
変形抑制部材20は、金属で構成され、例えば、SS400を用いることができる。変形抑制部材20の厚みは特に限定されず、シリンダの厚みと同程度でもよいし、シリンダの厚みより大きくてもよいし、シリンダの厚みより小さくてもよい。シリンダ外周面への変形抑制部材20の取付方法は特に限定されないが、例えばロウ付け、接着剤、溶接等で取り付けることができる。
【0056】
図10は、変形抑制部材20がシリンダ外周面を取り囲む構成を示しているが、ボール15の位置に合わせて部分的に設けてもよい。例えば、ボール15の数と同数の変形抑制部材20をシリンダ2の周方向に間隔をおいて設けてもよい。ボール15は、ピストンロッド3と共に上方移動する際、シリンダ2を介して変形抑制部材20の内側(ピストンロッド軸心側)の領域を通過する。
【0057】
図10に示す変形抑制部材20は側壁が曲面の円柱状の構成となっているが、図12に示すように、側壁が複数の平面からなる変形抑制部材20Aとしてもよい。
【0058】
図13に示すように、フード持ち上げ装置用アクチュエータ1を車体メンバに取り付けるためのブラケット30と一体となった変形抑制部材20Bとしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 アクチュエータ
2 シリンダ
3 ピストンロッド
4 ガス発生装置
8 ピストン部
11 小径部
12 大径部
13 テーパ面
14,14A~14D 規制面
15 ボール
16 リング
20,20A,20B 変形抑制部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13