(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】ワークの搬送装置および、ワークの搬送方法
(51)【国際特許分類】
B65G 59/10 20060101AFI20241029BHJP
B65G 47/91 20060101ALI20241029BHJP
B65G 59/04 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
B65G59/10
B65G47/91 A
B65G59/04
(21)【出願番号】P 2021050921
(22)【出願日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石倉 祥平
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-037486(JP,U)
【文献】実公昭46-028357(JP,Y1)
【文献】特開2002-179247(JP,A)
【文献】中国実用新案第203497747(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 59/00 - 59/12
B65G 47/00 - 47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの搬送方法であって、
(a)それぞれが、一方の面に凸部を有し、他方の面の前記凸部と対応する部位に凹部を有する複数のワークを準備する工程であって、前記複数のワークのうち、隣接する二つのワークのうちの、一方のワークの前記凹部と、他方のワークの前記凸部とが互いに嵌り合った状態で、互いに接している前記複数のワークを準備する工程と、
(b)前記複数のワークの、端に位置するワークである第1ワークと前記第1ワークに隣接している第2ワークのうち、一方のワークの前記凸部を前記凹部に受け入れているワークの、前記凸部を加熱する工程と、
(c)上記工程(b)の後、前記複数のワークのうち前記第1ワーク以外を残して、前記第1ワークを搬送する工程と、
(d)前記工程(b)と、前記工程(c)を繰り返す工程と、
を備
え、
前記工程(d)は、
m回目(mは正の整数)に実行される前記工程(b)の加熱の温度を、n回目(nはmより小さい正の整数)に実行される前記工程(b)の加熱の温度よりも高く設定して実行される、
ワークの搬送方法。
【請求項2】
請求項1に記載のワークの搬送方法であって、
前記工程(a)において、前記第1ワークの前記凹部は、前記第2ワークの前記凸部を受け入れており、
前記工程(b)は、
前記第1ワークの前記凹部の、前記第2ワークの前記凸部と接触している部分である接触部と、接触していない部分である非接触部とのうち、前記非接触部を加熱する工程である、
ワークの搬送方法。
【請求項3】
請求項1に記載のワークの搬送方法であって、
前記工程(d)において、前記工程(b)は、前回の前記工程(b)における加熱の温度よりも高く設定して実行される、
ワークの搬送方法。
【請求項4】
請求項1に記載のワークの搬送方法であって、
前記工程(b)は、赤外線の放射によって、前記凸部を加熱する工程である、
ワークの搬送方法。
【請求項5】
請求項1に記載のワークの搬送方法であって、
前記工程(a)は、鉛直方向に重ねられた前記複数のワークを準備する工程であって、隣接する二つのワークのうち、鉛直方向の上のワークの前記凹部と、鉛直方向の下のワークの前記凸部とが互いに嵌り合った状態で重ね合わされた前記複数のワークを準備する工程であって、
前記工程(b)は、前記複数のワークのうち、鉛直方向の最も上に位置する第1ワークの前記凸部を加熱する工程である、
ワークの搬送方法。
【請求項6】
請求項1に記載のワークの搬送方法であって、
前記工程(a)は、鉛直方向に重ねられた前記複数のワークを準備する工程であって、隣接する二つのワークのうち、鉛直方向の上のワークの前記凸部と、鉛直方向の下のワークの前記凹部とが互いに嵌り合った状態で重ね合わされた前記複数のワークを準備する工程であって、
前記工程(b)は、前記複数のワークのうち、鉛直方向の最も上に位置する第1ワークと重なり合う第2ワークの前記凸部を加熱する工程である、
ワークの搬送方法。
【請求項7】
ワークの搬送装置であって、
前記ワークは、一方の面に凸部を有し、他方の面の前記凸部と対応する部位に凹部を有する複数のワークであって、前記複数のワークのうち、隣接する二つのワークの、一方のワークの前記凹部と、他方のワークの前記凸部とが互いに嵌り合った状態で、互いに接している前記複数のワークであり、
前記搬送装置は、
前記複数のワークのうち、端に位置するワークである第1ワークと前記第1ワークに隣接している第2ワークのうち、一方のワークの前記凸部を前記凹部に受け入れているワークの、前記凸部を加熱する加熱部と、
前記第1ワークを把持することができる把持部と、
前記搬送装置を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記把持部に、前記複数のワークのうち前記第1ワーク以外を残して、前記第1ワークを搬送さ
せ、
前記加熱部による前記凸部の加熱と、
前記凸部の加熱の後、前記把持部に、前記複数のワークのうち前記第1ワーク以外を残して、前記第1ワークを搬送させる処理と、
を繰り返す処理を実行し
前記繰り返しの処理において、m回目(mは正の整数)に実行される前記凸部の加熱の温度を、n回目(nはmより小さい正の整数)に実行される前記凸部の加熱の温度よりも高く設定する、
ワークの搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワークの搬送装置および、ワークの搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、積層された複数の板状のワークのうち、最も上に配置されている一枚のワークを他のワークと分離させて搬送する搬送装置が提示されている。この搬送装置において、ワークを搬送する搬送体の端部に、シーソー部材が揺動可能に設けられている。シーソー部材の中央部に、ワークの表面と接触する接触子が設けられている。シーソー部材の一方の端部に、ワークの端部の表面を吸着する第1吸着パッドが設けられている。シーソー部材の他方の端部に、第1吸着パッドよりも収縮量が大きい第2吸着パッドが設けられている。接触子をワークの表面に近接させた状態で、第1補助パッドと第2補助パッドによるワークの表面の吸着を開始すると、第2補助パッドが収縮し、シーソー部材の揺動によって第1補助パッドが持ち上げられるように構成されている。これにより、最上部のワークの端部が、第1補助パッドの吸着によって持ち上げられる。持ち上げられたワークは、他のワークと部分的に分離される。その後、搬送装置が上昇することにより、最上部のワークが、一枚ずつ搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方の表面に凹部を有し、他方の表面の、凹部と対応する位置に凸部を有するワークを取り扱う場合に、複数のワークが鉛直方向に重ねられた状態で、搬送の準備がされることがある。重ねられた複数のワークに含まれる、隣り合うワークおいては、鉛直方向の上に位置するワークの凹部と、鉛直方向の下に位置するワークの凸部が嵌り合っている場合がある。この場合、特許文献1の技術によって、鉛直方向の最も上側に位置するワークの端部が搬送装置の吸着によって持ち上げられても、吸着されたワークの凹部と、その下のワークの凸部との嵌り合いにより、吸着されたワークに加えてその下に位置する一つ以上のワークが、持ち上げられることがある。このため、それぞれのワークが、凹部と凸部と、を有する場合、一枚のワークを、より確実に他のワークと分離して搬送させる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、ワークの搬送方法が提供される。このワークの搬送方法は、(a)それぞれが、一方の面に凸部を有し、他方の面の前記凸部と対応する部位に凹部を有する複数のワークを準備する工程であって、前記複数のワークのうち、隣接する二つのワークの、一方のワークの前記凹部と、他方のワークの前記凸部とが互いに嵌り合った状態で、互いに接している前記複数のワークを準備する工程と、(b)前記複数のワークの、端に位置するワークである第1ワークと前記第1ワークに隣接している第2ワークのうち、一方のワークの前記凸部を前記凹部に受け入れているワークの、前記凸部を加熱する工程と、(c)上記工程(b)の後、前記複数のワークのうち前記第1ワーク以外を残して、前記第1ワークを搬送する工程と、を備える。
この形態のワークの搬送方法によれば、第1ワークと第2ワークのうち、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークの、凸部が、加熱されることによって膨張する。これにより、一方のワークの凸部と、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークの凹部の表面との間に、隙間が生じる。この結果、第1ワーク以外を残して、第1ワークを搬送することができる。
(2)上記形態のワークの搬送方法において、前記工程(a)において、前記第1ワークの前記凹部は、前記第2ワークの前記凸部を受け入れており、前記工程(b)は、前記第1ワークの前記凹部の、前記第2ワークの前記凸部と接触している部分である接触部と、接触していない部分である非接触部とのうち、前記非接触部を加熱する工程であってもよい。
この形態のワークの搬送方法によれば、第1ワークの加熱時に、接触部を加熱する工程に比べて、第2ワークが膨張することを抑制することができる。そのため、より容易に、第1ワーク以外を残して、第1ワークを搬送することができる。
(3)上記形態のワークの搬送方法において、さらに、(d)前記工程(b)と、前記工程(c)を繰り返す工程、を備え、前記工程(d)は、m回目(mは正の整数)に実行される前記工程(b)の加熱の温度を、n回目(nはmより小さい正の整数)に実行される前記工程(b)の加熱の温度よりも高く設定して実行されてもよい。
この形態のワークの搬送方法によれば、搬送の環境や状況に応じて、加熱の温度を上昇させることができる。
(4)上記形態のワークの搬送方法において、前記工程(d)において、前記工程(b)は、前回の前記工程(b)における加熱の温度よりも高く設定して実行されてもよい。
この形態のワークの搬送方法によれば、前回の(b)の工程に比べて、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークが、より大きく膨張する。そのため、前回の(b)の工程に比べて、より、第1ワーク以外を残して、第1ワークを搬送することができる。
(5)上記形態のワークの搬送方法において、前記工程(b)は、赤外線の放射によって、前記凸部を加熱する工程であってもよい。
この形態のワークの搬送方法によれば、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークに接触することなく、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークを加熱することができる。
(6)上記形態のワークの搬送方法において、前記工程(a)は、鉛直方向に重ねられた前記複数のワークを準備する工程であって、隣接する二つのワークのうち、鉛直方向の上のワークの前記凹部と、鉛直方向の下のワークの前記凸部とが互いに嵌り合った状態で重ね合わされた前記複数のワークを準備する工程であって、前記工程(b)は、前記複数のワークのうち、鉛直方向の最も上に位置する第1ワークの前記凸部を加熱する工程であってもよい。
この形態のワークの搬送方法によれば、第1ワークの凸部が、加熱されることによって膨張する。第1ワークの凸部が膨張することによって、第1ワークが搬送される際に、第1ワークの凹部の表面と、第2ワーク部の凸部の表面との間に隙間が生じる。そのため、第1ワーク以外を残して、第1ワークを搬送することができる。
(7)上記形態のワークの搬送方法において、前記工程(a)は、鉛直方向に重ねられた前記複数のワークを準備する工程であって、隣接する二つのワークのうち、鉛直方向の上のワークの前記凸部と、鉛直方向の下のワークの前記凹部とが互いに嵌り合った状態で重ね合わされた前記複数のワークを準備する工程であって、前記工程(b)は、前記複数のワークのうち、鉛直方向の最も上に位置する第1ワークと重なり合う第2ワークの前記凸部を加熱する工程であってもよい。
この形態のワークの搬送方法によれば、第2ワークの凸部が、加熱されることによって膨張する。第2ワークの凸部が膨張することによって、第1ワークが搬送される際に、第1ワークの凸部の表面と、第2ワーク部の凹部の表面との間に隙間が生じる。そのため、第1ワーク以外を残して、第1ワークを搬送することができる。
(8)本開示の他の形態によれば、ワークの搬送装置が提供される。このワークの搬送装置は、前記ワークは、一方の面に凸部を有し、他方の面の前記凸部と対応する部位に凹部を有する複数のワークであって、前記複数のワークのうち、隣接する二つのワークの、一方のワークの前記凹部と、他方のワークの前記凸部とが互いに嵌り合った状態で、互いに接している前記複数のワークであり、前記搬送装置は、前記複数のワークのうち、端に位置するワークである第1ワークと前記第1ワークに隣接している第2ワークのうち、一方のワークの前記凸部を前記凹部に受け入れているワークの、前記凸部を加熱する加熱部と、前記第1ワークを把持することができる把持部と、前記搬送装置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記把持部に、前記複数のワークのうち前記第1ワーク以外を残して、前記第1ワークを搬送させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図5】第3実施形態の搬送方法の一例を示す工程図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
A1.第1実施形態の構成:
図1は、ワーク10の搬送装置1を説明する概略模式図である。
図1のワーク10は、断面を示している。
図1に示すX軸は、ワーク10が搬送装置1によって搬送される方向である。Y軸は、X軸及び後述するZ軸と垂直な方向である。Z軸は、鉛直方向を表す。Z軸の正方向側が、鉛直方向の上側であり、Z軸の負方向側が、鉛直方向の下側である。
【0009】
ワーク10について説明する。本実施形態において、ワーク10は、後述する搬送ベルト20によって、X軸の負方向側から正方向側に向かって、搬送される。搬送ベルト20によって搬送されたワーク10は、後述する把持部23によって把持され、搬送される。搬送ベルト20によるワーク10の搬送を「第1搬送」とよぶ。把持部23によるワーク10の搬送を、「第2搬送」とよぶ。複数の同じ形状のワーク10が鉛直方向に重ねられている。なお、
図1において5枚のワークが示されているが、枚数は何枚であってもよい。一つのワーク10は、一方の面であるZ軸の上側の面に、一つの凸部11を有している。一つのワーク10は、他方の面であるZ軸の下側の面に、一つの凹部12を有している。凹部12は、ワーク10の他方の面の、凸部11と対応する部位に設けられている。対応する部位とは、ワーク10のX軸とY軸に平行な面に対し、垂直な方向であるZ軸方向からみたときに、凸部11と凹部12が重なる部位である。言い換えれば、一つのワーク10の凸部11と凹部12は、ワーク10自身の厚みを介して、互いに裏表の関係にある。
【0010】
鉛直方向の最も上側に位置するワーク10を、第1ワーク101とよぶ。第1ワーク101の凸部11を第1凸部111とよび、凹部12を第1凹部121とよぶ。第1ワーク101の、鉛直方向の下側に位置し、第1ワーク101と重ねられているワーク10を、第2ワーク102とよぶ。第2ワーク102の凸部11を第2凸部112とよび、凹部12を第2凹部122とよぶ。第1ワーク101と、第2ワーク102は、隣接している。第2ワーク102の、鉛直方向の下側に位置し、第2ワーク102と重ねられているワーク10を、第3ワーク103とよぶ。第3ワーク103の凸部11を第3凸部113とよび、凹部12を第3凹部123とよぶ。第2ワーク102と、第3ワーク103は、隣接している。
【0011】
図1に示すように、第1凹部121と、第2凸部112とが、互いに嵌り合った状態で、第1ワーク101と第2ワーク102が重ね合わされている。第2凸部112が、第1凹部121に受け入れている。さらに、第2凹部122と、第3凸部113とが、互いに嵌り合った状態で、第2ワーク102と第3ワーク103が重ね合わされている。このように、鉛直方向の上側のワーク10の凹部12と、下側のワーク10の凸部11とが嵌り合って重ねられた状態で、複数のワーク10が、搬送ベルト20によって第1搬送されている。
【0012】
本実施形態において、第1ワーク101は、第1凹部121の表面と、第2凸部112の表面との間に、第1凹部121と第2凸部112とが接触していない部分を有している。この部分を、非接触部130とよぶ。第1凹部121の表面と、第2凸部112の表面とが接触している第1ワーク101の部分を、接触部140とよぶ。ワーク10の素材は、鉄板である。ワーク10は、磁性体である。
【0013】
図1に示すように、搬送装置1は、搬送ベルト20と、3個の加熱部21と、温度取得部22と、把持部23と、重量センサ部24と、制御部25と、を備える。搬送ベルト20は、
図1のX軸の負方向側から正方向側に移動することにより、複数のワーク10を第1搬送する。搬送ベルト20は、X軸方向を長手方向とするベルトである。本実施形態において、搬送ベルト20の、ワーク10が配置される部位に、電磁石20aが設置されている。複数のワーク10のうち、最も鉛直方向の下側に位置するワーク10が、電磁石20aの磁力によって吸着されている。この際の磁力は、把持部23によって、電磁石20aの真上に第1ワーク101が配置されているときに、搬送ベルト20から、第1ワーク101が持ち上げられる程度の磁力である。これにより、搬送ベルト20によって搬送されている最中に、ワーク10がX軸方向またはY軸方向に倒れることを抑制することができる。
【0014】
加熱部21は、第1ワーク101の第1凸部111を加熱する。具体的には、接触部140を加熱せずに、非接触部130を加熱する。加熱部21による第1ワーク101の加熱は、赤外線の放射によって行われる(
図1の21a参照)。放射の中心点を含み、一秒間に予め定められた数値の温度を上昇させることができる範囲を、加熱されている範囲とする。加熱されている範囲に、非接触部130が含まれ、接触部140が含まれないように、加熱が行われる。非接触部130が加熱されることにより、非接触部130の熱が接触部140に伝わる。なお、非接触部130からの伝熱、輻射熱により接触部140の温度が昇温されることは、加熱に含まれない。
【0015】
赤外線の放射によって加熱が行われることで、熱源を第1ワーク101に接触させることなく、第1ワーク101を加熱させることができる。そのため、加熱の度に熱源を第1ワーク101に接触させる手間を省くことができる。加熱部21は、制御部25によって制御される。第1ワーク101の加熱の温度や時間や位置等は、制御部25によって、制御される。ユーザによって制御部25に対し予め入力されたワーク10の大きさや厚さや熱伝導率や素材や枚数や、第1ワーク101の非接触部130の表面積等から、制御部25によって加熱の温度や時間が決定される。加熱の温度とは、制御部25によって設定された加熱部21の設定温度である。
図1に示す加熱部21は、搬送装置1が設置されている部屋の、支柱に取り付けられている。
【0016】
温度取得部22は、第1ワーク101の温度を取得する。より具体的には、第1ワーク101の、非接触部130の温度を取得する。温度取得部22によって取得された温度の情報は、制御部25に送信される。温度取得部22が取得した温度が、予め定められた温度である場合、温度取得部22から制御部25に対し、その旨の信号が送信される。予め定められた温度は、第1ワーク101が、第2ワーク102から分離されて持ち上げられるために、十分な大きさに膨張する温度である。言い換えると、第1ワーク101の第1凹部121と、第2ワーク102の第2凸部112との、X軸とY軸平面に沿った方向の隙間300が、第1ワーク101が第2ワーク102から分離されて持ち上げられるために十分な大きさとなる程度に、第1ワーク101が膨張する温度である。本実施形態において、温度取得部22は、サーモカメラである。
図1に示す温度取得部22は、搬送装置1が設置されている室内の壁に取り付けられている。
【0017】
把持部23は、第1ワーク101を把持する。本実施形態において、把持部23は、第1ワーク101と接する部位に図示しない電磁石が設けられている。把持部23は、磁力によって、第1ワーク101を把持する。把持部23は、制御部25の制御によって、第1ワーク101を離すことができる。加熱部21によって加熱され、膨張した第1ワーク101に、把持部23が接することで、第1ワーク101が把持される。把持部23によって把持された第1ワーク101は、その後、把持部23によって他のワーク10とは別の場所に第2搬送される。
【0018】
重量センサ部24は、搬送ベルト20に配置されている複数のワーク10の総重量を取得する。重量センサ部24は、ワーク10の総重量が変化した際には、その旨の信号を制御部25に送信する。
【0019】
制御部25は、搬送装置1を制御する。制御部25は、論理演算を実行するCPUやROMやRAM、および各種入出力ポートを備えたコンピュータとして構成される。
【0020】
A2.ワーク10の搬送方法:
図2は、ワーク10の搬送方法の一例を示す工程図である。
図2のステップS100において、ワーク10が準備される。ステップS100において、制御部25によって、第1ワーク101に対し、第1搬送が実行される。ワーク10は、上述したように鉛直方向に向かって重ねられた状態で、準備される(
図1参照)。そして、搬送ベルト20によって、X軸の正方向側に向かって搬送される。制御部25によって、複数のワーク10が、加熱部21によって加熱される位置まで搬送されたと判断されると、制御部25によって搬送ベルト20が停止される。
【0021】
図2のステップS200において、制御部の25の制御によって、加熱部21により、第1ワーク101が加熱される。上述したように、第1ワーク101の非接触部130が加熱される。非接触部130が加熱されることにより、非接触部130の熱が接触部140に伝わる。
【0022】
ステップS300において、温度取得部22によって、第1ワーク101の非接触部130の温度が取得される。ステップS400において、非接触部130の温度が、予め定められた温度に達したか否かが、制御部25によって判断される。非接触部130の温度は、温度取得部22によって取得された、複数の非接触部130の箇所の温度の平均でもよく、一か所の非接触部130の温度であってもよい。非接触部130の温度が、予め定められた温度に達したと制御部25によって判断された場合、制御部25は、加熱部21に対し、加熱を停止するように指示をする。その後、処理はステップS500に移行する。なお、本実施形態において、温度取得部22によって、ステップS300移行後、常に非接触部130の温度が取得される。非接触部130の温度が、予め定められた温度に達したと制御部25によって判断されると、即座に制御部25によってステップS500に移行する。これにより、第1ワーク101が過剰に温められることを抑制することができる。非接触部130の温度が、予め定められた温度に達していないと制御部25によって判断された場合、処理はステップS300に移行する。
【0023】
図2のステップS500において、制御部25によって、第1ワーク101と第2ワーク102が分離されて搬送される。具体的には、制御部25によって、把持部23に第1ワーク101を把持し、第1ワーク101を、第2ワーク102と分離した状態で搬送するように指示がされる。つまり、複数のワーク10のうち、第1ワーク101以外を残して、第1ワーク101が搬送される。
【0024】
図3は、加熱による第1ワーク101の膨張を説明する図である。
図3の矢印Aが示すように、把持部23によって、第1ワーク101は鉛直方向の上側に持ち上げられる。上述したように、予め定められた温度は、第1ワーク101が、第2ワーク102から分離されて持ち上げられるために、十分な大きさに膨張する温度である。ステップS200の加熱の処理により、非接触部130と、接触部140が膨張する。把持部23によって第1ワーク101が把持され、第1ワーク101が持ち上げられた際に、第1凹部121の表面と、第2ワーク102の第2凸部112の表面との間に、隙間300が生じる。第1ワーク101の膨張によって、第1ワーク101のみが持ち上げられることが可能となる。
【0025】
本実施形態において、接触部140を、直接、加熱しないことにより、接触部140を加熱する工程に比べて、第1ワーク101と接触する第2ワーク102の第2凸部112に、熱が伝わり、第2ワーク102が膨張することを抑制することができる。第2ワーク102の膨張が抑制されることで、第1ワーク101と第2ワーク102との間に隙間300が生じやすくなる。そのため、より容易に、第1ワーク101と第2ワーク102とを分離させることができる。
【0026】
ステップS600において、重量センサ部24によって総重量が取得され、第1ワーク101のみが分離して搬送されているかの判断が、制御部25によって行われる。重量センサ部24によって取得された重量の数値は、重量センサ部24から制御部25に送信される。制御部25によって、総重量から、ワーク10の一枚分の重量が減少していると判断された場合、ステップS700に移行する。制御部25によって、ワーク10の一枚分以上の重量が減少していると判断された場合、第1ワーク101と第2ワーク102が分離されていない可能性がある。この場合、処理はステップS610に移行する。
【0027】
ステップS700において、処理を終了してもよいかの判断が、制御部25によって行われる。処理を終了してもよい場合とは、重量センサ部24によって取得された総重量の数値から、制御部25によって、全てのワーク10が、第2搬送によって搬送されたと判断された場合である。ステップS700においてYes判定だった場合、処理は終了する。ステップS700においてNo判定である場合、処理はS200に移行する。
【0028】
ステップS700の後に、処理がステップS200に移行されると、前回の工程において第2ワーク102であったワーク10が、「第1ワーク101」となる。そして、工程が進行される。
【0029】
処理がステップS610に移行すると、制御部25によって、把持部23による第1ワーク101の把持が中止され、再び、複数のワーク10と重ねられる。これにより、第1ワーク以外のワーク10が、第1ワーク101と共に把持部23によって把持され、搬送されることを防ぐことができる。その後、処理はステップS200に移行して、再度、加熱が行われる。この際、前回の工程において第1ワーク101であったワーク10を、「第1ワーク101」として、工程が進行される。
【0030】
上述した搬送方法において、第1ワーク101の第1凸部111が加熱されることによって、第1凹部121と第1凸部111とが膨張する。第1凸部111が加熱されると、第1凸部111がX軸及びY軸方向に膨張する。把持部23によって把持されていない状態においては、第1ワーク101の自重により、膨張した第1ワーク101の第1凹部121と第2ワーク102の第2凸部112が接触する。このとき、膨張する前の第1ワーク101の第1凹部121と、第2ワーク102の第2凸部112とが嵌め合っている状態よりも、第1ワーク101と第2ワーク102は、弱い力で嵌め合っている。これにより、第1ワーク101と第2ワーク102とが分離して搬送される際に、第1凹部121の表面と、第2ワーク102の第2凸部112の表面との間に隙間300が生じる。その結果、第1ワーク101以外を残して、第1ワークを搬送することができる。把持部23によって、予め定められた場所まで搬送された第1ワーク101は、制御部25によって把持部23による把持が停止されることにより、把持部23から離される。
【0031】
B.第2実施形態:
第2実施形態において、第1実施形態と、
図2のステップS200の加熱の方法が異なる。それ以外の構成と処理は第1実施形態と同様であるので、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0032】
第2実施形態において、制御部25により、ステップS200の加熱の温度が、前回のステップS200の温度よりも高く設定されて実行される。上述したように、加熱の温度とは、加熱部21の設定温度のことをいう。ステップS200からステップS700でNo判定となるまでの処理を、「一回の搬送工程」とよぶ。「一回の搬送工程」は、全てのワーク10に第2搬送が実行されるまで、繰り返し行われる。二回目の「一回の搬送工程」は、一回目の「一回の搬送工程」時の加熱の温度よりも高く設定して実行される。三回目の「一回の搬送工程」は、二回目の「一回の搬送工程」時の加熱の温度よりも高く設定して実行される。
【0033】
二回目のステップS400における予め定められた温度は、一回目のステップS400における予め定められた温度よりも高く設定される。同様に、三回目のステップS400における予め定められた温度は、二回目のステップS400における予め定められた温度よりも高く設定される。
【0034】
第2実施形態において、「一回の搬送工程」の回数が増加する度に、ステップS200の加熱の温度を上昇させることで、第1ワーク101がより大きく膨張する。そのため、前回の工程に比べて、より、第1ワーク101と第2ワーク102を分離させやすくなる。上述したように複数のワーク10は、鉛直方向に重ねられている。そのため、鉛直方向の最も下側に位置するワーク10は、鉛直方向の最も上側に位置するワーク10と比べて、他のワーク10の重量の影響を受けやすい。つまり、鉛直方向の下側に位置するワーク10は、上側に位置するワーク10と比べて、凹部12と凸部11が強く嵌り合っている可能性がある。第2実施形態において、凹部12と凸部11が強く嵌り合っている場合でも、第1ワーク101と第2ワーク102を分離させて搬送させることができる。つまり、第1ワーク101以外を残して、第1ワーク101を搬送させることができる。
【0035】
C.第3実施形態:
図4は、第3実施形態を説明する図である。第3実施形態において、第1実施形態と、複数のワーク10Cの重なりの状態と、加熱されるワーク10Cが異なる。第1実施形態と同一の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0036】
図4に示すように、複数のワーク10Cが、鉛直方向に重ねられている。鉛直方向の上のワーク10Cの凸部11Cと、鉛直方向の下のワーク10Cの凹部12Cとが、嵌り合った状態で重ね合わされている。鉛直方向の上のワーク10Cと、鉛直方向の下のワーク10Cは、隣接している。鉛直方向の最も上に位置するワーク10Cを、第1ワーク101Cとよぶ。第1ワーク101Cと重なり、第1ワーク101Cの鉛直方向の下に位置するワーク10Cを、第2ワーク102Cとよぶ。第3実施形態において、搬送装置1は2つの加熱部21を有している。
【0037】
図5は、第3実施形態の搬送方法の一例を示す工程図である。ステップS100Cにおいて、ワーク10Cが準備される。鉛直方向の上のワーク10Cの凸部11Cと、鉛直方向の下のワーク10Cの凹部12Cとが、嵌り合った状態で重ね合わされて準備される。ステップS200Cにおいて、第2ワーク102Cの第2凸部112Cが加熱される(
図4参照)。ステップS300Cにおいて、第2ワーク102Cの第2凸部112Cの温度が取得される。
【0038】
第2ワーク102Cの第2凸部112Cが加熱されることにより、第2ワーク102Cの第2凹部122CがX軸及びY軸方向に膨張する。それにより、第1ワーク101Cが把持部23によって分離して搬送される際に、第1ワーク101Cの第1凸部111Cの表面と第2ワーク102Cの第2凹部122Cの表面との間に、隙間が生じやすくなる。その結果、第1ワーク101C以外を残して、第1ワーク101Cを搬送させることができる。
【0039】
D.他の実施形態:
D1)上記第2実施形態のように、ステップS200の加熱の温度が、常に、前回のステップS200の温度よりも高い温度で実行されなくてもよい。例えば、5回のステップS200の加熱の処理が、同じ温度で実行された後、加熱の温度が上昇され、3回のステップS200の工程が実行されてもよい。具体的には、5回の「一回の搬送工程」が実行される。その後、制御部により、加熱の温度が上昇され、3回の「一回の搬送工程」が実行される。このように、同じ温度による複数回のステップS200の工程が実行された後に、加熱の温度を上昇させてステップS200が実行されてもよい。また、ステップS200を実行する度に加熱の温度を変化させる態様に比べて、加熱のためのエネルギーの消費を、抑えることができる。
【0040】
D2)このように、m回目(m正の整数)に実行されるステップS200の工程と、n回目(nはmより小さい正の整数)に実行されるステップS200の工程において、m回目に実行されるステップS200の加熱の温度が、n回目に実行されるステップS200の加熱の温度よりも高く設定されて実行されてもよい。これにより、搬送の環境や状況に応じて、加熱の温度を上昇させることができる。
【0041】
D3)上記第3実施形態の態様において、ステップS200Cの加熱の温度が、前回のステップS200Cの加熱の温度よりも高く設定して実行されてもよい。前回の工程に比べて、第2ワークがより大きく膨張する。そのため、前回の工程に比べて、より、第1ワーク以外を残して、第1ワークを搬送させることができる。
【0042】
D4)上記実施形態において、ワーク10、10Cは鉛直方向に重ねられている。なお、例えば複数のワークが水平方向に重ねられていてもよい。それぞれのワークの、一方の面に凸部を有し、他方の面に凹部を有し、隣接する二つのワークの、一方のワークの凹部と、他方のワークの凸部とが互いに嵌り合った状態で、互いに接していればよい。
【0043】
そして、複数のワークの、端に位置するワークである第1ワークと、第1ワークに隣接している第2ワークのうち、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークの、凸部が加熱され、複数のワークのうち第1ワーク以外を残して、第1ワークが搬送される。
【0044】
第1ワークと第2ワークのうち、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークの、凸部が、加熱されることによって膨張する。一方のワークの凸部と、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークの凹部の表面との間に、隙間が生じる。この結果、第1ワーク以外を残して、第1ワークを搬送することができる。
【0045】
D5)上記実施形態において、一つのワーク10は、一つの凸部11と凹部12とを有しており、複数のワーク10は、同じ形状を有している。なお、一つのワークは、一つ以上の、例えば二つや三つや四つの、任意の数の凹部と凸部とを有していてもよい。複数のワークは、異なる形状を有していてもよく、例えば、二つの凹部と凸部とを有するワークと、三つの凹部と凸部とを有するワークが混在して重ねられていてもよい。この際、隣接する二つのワークの、一方のワークの凹部と、他方のワークの凸部とが互いに嵌り合った状態で、互いに接している。
【0046】
D6)上記第1実施形態において、第1凹部121と第2凸部112とが接触していない非接触部130が加熱される。なお、ステップS200の加熱において、非接触部と、接触部の両方が加熱されてもよい。ワークの素材の熱伝導率によって、非接触部と接触部のいずれか一方が加熱されてもよい。第1凹部と第2凸部との嵌り合いの状態に応じて、加熱する箇所が制御部によって判断され、加熱されてもよい。また、温度取得部によって、非接触部の温度が取得される。なお、温度取得部は、非接触部ではなく接触部の温度を取得してもよく、第1ワークのどの部位の温度が取得されてもよい。
【0047】
D7)上記実施形態において、加熱は、赤外線の放射によって行われる。なお、加熱は赤外線の放射以外の方法で行われてもよい。例えば、加熱部が電熱ヒータであり、電熱線を直接的に、第1ワークと第2ワークのうち、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークの凸部に接触させることにより、加熱が行われてもよい。加熱部がコイルであり、コイルを、第1ワークと第2ワークのうち、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークの凸部に接触させ電流を発生させることにより、第1ワークと第2ワークのうち、一方のワークの凸部を凹部に受け入れているワークに熱を発生させてもよい。
【0048】
D8)上記実施形態において、ワーク10の素材は鉄板であり、ワーク10は磁性体である。なお、ワークの素材は、鉄板以外が使用されてもよい、例えば、アルミニウムや、チタンや、樹脂等が用いられてもよい。ワークは磁性体でなくてもよい。
【0049】
D9)上記実施形態において、搬送ベルト20の、ワーク10が配置される部位に、電磁石20aが設置されており、把持部23は、第1ワーク101と接する部位に図示しない電磁石が設けられている。なお、搬送ベルトには、電磁石が設置されていなくてもよい。例えば、搬送ベルトに、エアーによりワークを吸着する吸着装置が備えられており、ワークが吸着されることによって第1搬送されてもよい。また、搬送ベルトに、永久磁石が設置されていてもよい。
【0050】
把持部には、電磁石が設けられていなくてもよい。例えば、把持部に、エアーによりワークを吸着する吸着装置が備えられており、ワークが吸着されることによって把持されてもよい。
【0051】
D10)上記実施形態において、搬送ベルトによって複数のワークが搬送される。なお、例えばパレットによって複数のワークが搬送されるなど、搬送ベルト以外によって搬送されてもよい。
【0052】
D11)上記実施形態において、制御部25によって加熱の温度や時間が決定される。なお、加熱の温度や時間等は、ユーザによって判断され、ユーザによって制御部に加熱の温度や時間が入力されてもよい。
【0053】
ユーザによって、予め、第1ワーク101の大きさや厚さや熱伝導率等の情報が制御部25に対し入力される。なお、例えば搬送装置がカメラを備えており、カメラによって取得されたワークの情報を受信した制御部によって、第1ワークの大きさや厚さや熱伝導率等の情報が判断されてもよい。
【0054】
D12)上記実施形態において、温度取得部22は、サーモカメラである。なお、サーモカメラ以外の、例えば、第1ワークに接触する温度計により温度を取得してもよく、レーザーによって温度を取得してもよい。
【0055】
D13)上記実施形態において、重量センサ部24は、搬送装置1が備えていた。なお、重量センサ部は、把持部が備えていてもよい。この場合、制御部は、重量センサ部によって取得された重量が、ワークの一枚分の重量であるかが判断されてもよい。
【0056】
D14)上記実施形態において、把持部23による第1ワーク101の把持は、第1ワーク101の加熱後に行われている。なお、把持部による第1ワークの把持は、第1ワークの加熱前に行われてもよい。
【0057】
D15)上記第1実施形態において、搬送装置1は、3つの加熱部21を備えており、第3実施形態において、2つの加熱部21を備えている。なお、加熱部は1つや4つや5つなど、任意の数であってもよい。
【0058】
D16)加熱部は、制御部によって、
図1のX軸、Y軸、Z軸に移動可能であってもよい。例えば、第1ワークを加熱する際には、加熱部を第1ワークに接近させる。制御部によって第1ワークの温度が予め定められた温度に達したと判断されると、加熱部を第1ワークから離す方向に加熱部が移動されてもよい。
【0059】
D17)上記実施形態において、搬送装置1は、温度取得部22を備えている。なお、搬送装置は、温度取得部を備えていなくてもよい。この場合、ステップS300とステップS400の工程を省略し、制御部によって、加熱部によって予め定められた時間、第1ワークが加熱されたと判断された場合、次の処理に移行してもよい。
【0060】
D18)上記第1実施形態において、温度取得部22が取得した温度が、予め定められた温度である場合、温度取得部22から制御部25に対し、その旨の信号が送信される。そして、ステップS400において、非接触部130の温度が、予め定められた温度に達したか否かが、制御部25によって判断される。なお、温度取得部が取得した温度が、予め定められた温度以上である場合、温度取得部から制御部に対し、その旨の信号が送信されてもよく、ステップS400において、非接触部の温度が、予め定められた温度以上であるか否かが、制御部によって判断され、予め定められた温度以上である場合、ステップS500に移行してもよい。
【0061】
温度取得部によって、常に非接触部の温度が取得されなくてもよく、一定時間毎に、温度取得部によって、第1ワークの温度が取得されてもよい。
【0062】
本開示は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…搬送装置、10、10C…ワーク、11、11C…凸部、12、12C…凹部、20…搬送ベルト、20a…電磁石、21…加熱部、22…温度取得部、23…把持部、24…重量センサ部、25…制御部、101、101C…第1ワーク、102、102C…第2ワーク、103…第3ワーク、111、111C…第1凸部、112、112C…第2凸部、113…第3凸部、121、121C…第1凹部、122、122C…第2凹部、123…第3凹部、130…非接触部、140…接触部、300…隙間、A…矢印