(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241029BHJP
G06F 16/432 20190101ALI20241029BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 305
G06F16/432
H04N1/387
(21)【出願番号】P 2021052813
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】藤田 拓真
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-052581(JP,A)
【文献】特開2020-155030(JP,A)
【文献】特開2016-170465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06F 16/432
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置からチャットシステムに送信された画像及び前記画像を編集することを示すメッセージを受信するチャットボットモジュールと、
前記メッセージからキー値を抽出するメッセージ判断モジュールと、
複数の異なるキー値と、それぞれのキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、を登録するデータベースと、
前記データベースから、前記メッセージから抽出された前記キー値に対応する複数の異なるパラメータセットを読み出し、
前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成する
画像編集モジュールと、を具備し、
前記チャットボットモジュールは、
前記複数の異なる編集後画像を前記チャットシステムに送信し、
前記端末装置より前記チャットシステム上で選択された編集後画像を判断し、
前記端末装置から前記チャットシステムに送信された、前記編集後画像を出力することを示す投稿を受信すると、選択された前記編集後画像を出力する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記チャットボットモジュールは、前記複数の異なる編集後画像を1個の投稿に含めて送信する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記メッセージ判断モジュールは、
前記メッセージを形態素解析し、
前記形態素解析により得られた形容詞又は形状詞をキー値として抽出する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記メッセージ判断モジュールは、複数の形容詞及び/又は形状詞を検出した場合、前記複数の形容詞及び/又は形状詞を全て含む句をキー値として抽出する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記データベースに登録された、
第1のキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、
前記第1のキー値と異なる第2のキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、
前記第1のキー値と前記第2のキー値とを含む第3のキー値に対応する複数の異なるパラメータセット
とは、異なる
情報処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記メッセージ判断モジュールは、
複数の形容詞及び/又は形状詞を検出した場合、前記複数の形容詞及び/又は形状詞をそれぞれ複数のキー値として抽出し、
前記画像編集モジュールは、
前記データベースから、抽出された前記複数のキー値にそれぞれ対応する複数の異なるパラメータセットの少なくとも一部を読み出し、
少なくとも一部の前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記パラメータセットは、複数の編集項目に対するパラメータの組み合わせである
情報処理装置。
【請求項8】
端末装置からチャットシステムに送信された画像及び前記画像を編集することを示すメッセージを受信し、
前記メッセージからキー値を抽出し、
複数の異なるキー値と、それぞれのキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、を登録するデータベースから、前記メッセージから抽出された前記キー値に対応する複数の異なるパラメータセットを読み出し、
前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成し、
前記複数の異なる編集後画像を前記チャットシステムに送信し、
前記端末装置より前記チャットシステム上で選択された編集後画像を判断し、
前記端末装置から前記チャットシステムに送信された、前記編集後画像を出力することを示す投稿を受信すると、選択された前記編集後画像を出力する
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理装置のプロセッサを、
端末装置からチャットシステムに送信された画像及び前記画像を編集することを示すメッセージを受信するチャットボットモジュールと、
前記メッセージからキー値を抽出するメッセージ判断モジュールと、
複数の異なるキー値と、それぞれのキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、を登録するデータベースと、
前記データベースから、前記メッセージから抽出された前記キー値に対応する複数の異なるパラメータセットを読み出し、
前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成する
画像編集モジュールとして動作させ、
前記チャットボットモジュールは、
前記複数の異なる編集後画像を前記チャットシステムに送信し、
前記端末装置より前記チャットシステム上で選択された編集後画像を判断し、
前記端末装置から前記チャットシステムに送信された、前記編集後画像を出力することを示す投稿を受信すると、選択された前記編集後画像を出力する
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置から受信した画像を編集して出力する情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を編集するときには、画像がユーザの所望の明るさ等となるように、ハイライトやコントラスト等の編集項目それぞれについてパラメータの値をユーザが入力し、目的の画像を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-52507号公報
【文献】特開2019-207513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像を編集する際、目的の画像を得るためには、編集項目それぞれについてのパラメータの効果をユーザが予め知っておく必要があり、それを知らない場合には何度もパラメータを変更して確認する手間が掛かる。
【0005】
特許文献1は、同じ印刷設定をユーザに繰り返し設定させないために、ユーザの印刷設定を印刷制御装置(チャットボットサーバ)に保存する。この方法では、初めにユーザが設定値を設定する必要があるため、ユーザが設定する項目を知っておく必要がある。
【0006】
特許文献2は、チャットボットがユーザに設定項目を質問し、ユーザが質問に回答することで設定を登録するが、複数のパラメータを登録する手間が掛かる。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本開示の目的は、よりユーザフレンドリーに画像を編集することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一形態に係る情報処理装置は、
端末装置からチャットシステムに送信された画像及び前記画像を編集することを示すメッセージを受信するチャットボットモジュールと、
前記メッセージからキー値を抽出するメッセージ判断モジュールと、
複数の異なるキー値と、それぞれのキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、を登録するデータベースと、
前記データベースから、前記メッセージから抽出された前記キー値に対応する複数の異なるパラメータセットを読み出し、
前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成する
画像編集モジュールと、を具備し、
前記チャットボットモジュールは、
前記複数の異なる編集後画像を前記チャットシステムに送信し、
前記端末装置より前記チャットシステム上で選択された編集後画像を判断し、
前記端末装置から前記チャットシステムに送信された、前記編集後画像を出力することを示す投稿を受信すると、選択された前記編集後画像を出力する。
【0009】
本実施形態によれば、ユーザが画像に編集を加えて印刷するとき、チャットシステムに画像とメッセージを送ることで編集及び印刷ができる。即ち、ユーザがチャットシステム上でメッセージを送る際に、変更すべき設定項目及びパラメータの数値を考えて、指定する必要が無い。ユーザにとっては、目的とする画像を表す言語表現を含むメッセージを送るだけで、所望の編集後画像が作成される。情報処理装置は、メッセージを解析して画像に複数パターンの編集後画像を作成し、チャットシステムを介してユーザの端末装置に送信する。これにより、ユーザにとっては、目的とする画像を表す言語表現を含むメッセージを送るだけで複数の編集後画像が作成されるので、何度もメッセージを送ってその都度1パターンずつ編集を繰り返す手間が省ける。
【0010】
前記チャットボットモジュールは、前記複数の異なる編集後画像を1個の投稿に含めて送信してもよい。
【0011】
本実施形態によれば、複数パターンの編集後画像を1個の投稿に含めて並列的に表示されるので、ユーザはチャットシステム上で提案された複数パターンの編集後画像を容易に比較することができ、所望の編集後画像を出力できる。
【0012】
前記メッセージ判断モジュールは、
前記メッセージを形態素解析し、
前記形態素解析により得られた形容詞又は形状詞をキー値として抽出してもよい。
【0013】
本実施形態によれば、ユーザがチャットシステム上でメッセージを送る際に、変更すべき設定項目及びパラメータの数値を考えて、指定する必要が無い。ユーザにとっては、目的とする画像を表す言語表現を含むメッセージを送るだけで、所望の編集後画像が作成される。
【0014】
前記メッセージ判断モジュールは、複数の形容詞及び/又は形状詞を検出した場合、前記複数の形容詞及び/又は形状詞を全て含む句をキー値として抽出してもよい。
【0015】
これにより、ユーザが目的とする画像を表す言語表現により近いパラメータセットを細分化して登録することができ、ユーザが目的とする画像に近い編集後画像を作成することができる。
【0016】
前記データベースに登録された、
第1のキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、
前記第1のキー値と異なる第2のキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、
前記第1のキー値と前記第2のキー値とを含む第3のキー値に対応する複数の異なるパラメータセット
とは、異なってもよい。
【0017】
これにより、ユーザが目的とする画像を表す言語表現により近いパラメータセットを細分化して登録することができ、ユーザが目的とする画像に近い編集後画像を作成することができる。
【0018】
前記メッセージ判断モジュールは、
複数の形容詞及び/又は形状詞を検出した場合、前記複数の形容詞及び/又は形状詞をそれぞれ複数のキー値として抽出し、
前記画像編集モジュールは、
前記データベースから、抽出された前記複数のキー値にそれぞれ対応する複数の異なるパラメータセットの少なくとも一部を読み出し、
少なくとも一部の前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成してもよい。
【0019】
これにより、ユーザが目的とする画像に近い編集後画像を作成しつつ、幅広いバリエーションの編集後画像をユーザに提案することができる。
【0020】
前記パラメータセットは、複数の編集項目に対するパラメータの組み合わせである。
【0021】
これに対して、本実施形態によれば、ユーザが画像に編集を加えて印刷するとき、チャットシステムに画像とメッセージを送ることで編集及び印刷ができる。即ち、ユーザがチャットシステム上でメッセージを送る際に、変更すべき設定項目(コントラスト等)及びパラメータの数値を考えて、指定する必要が無い。ユーザにとっては、目的とする画像を表す言語表現(明るくして、鮮やかに等)を含むメッセージを送るだけで、所望の編集後画像が作成される。
【0022】
本開示の一形態に係る情報処理方法は、
端末装置からチャットシステムに送信された画像及び前記画像を編集することを示すメッセージを受信し、
前記メッセージからキー値を抽出し、
複数の異なるキー値と、それぞれのキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、を登録するデータベースから、前記メッセージから抽出された前記キー値に対応する複数の異なるパラメータセットを読み出し、
前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成し、
前記複数の異なる編集後画像を前記チャットシステムに送信し、
前記端末装置より前記チャットシステム上で選択された編集後画像を判断し、
前記端末装置から前記チャットシステムに送信された、前記編集後画像を出力することを示す投稿を受信すると、選択された前記編集後画像を出力する。
【0023】
本開示の一形態に係る情報処理プログラムは、
情報処理装置のプロセッサを、
端末装置からチャットシステムに送信された画像及び前記画像を編集することを示すメッセージを受信するチャットボットモジュールと、
前記メッセージからキー値を抽出するメッセージ判断モジュールと、
複数の異なるキー値と、それぞれのキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、を登録するデータベースと、
前記データベースから、前記メッセージから抽出された前記キー値に対応する複数の異なるパラメータセットを読み出し、
前記複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って前記画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成する
画像編集モジュールとして動作させ、
前記チャットボットモジュールは、
前記複数の異なる編集後画像を前記チャットシステムに送信し、
前記端末装置より前記チャットシステム上で選択された編集後画像を判断し、
前記端末装置から前記チャットシステムに送信された、前記編集後画像を出力することを示す投稿を受信すると、選択された前記編集後画像を出力する。
【発明の効果】
【0024】
本開示によれば、よりユーザフレンドリーに画像を編集することができる。
【0025】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示す。
【
図3】端末装置に表示されるチャット画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0028】
1.情報処理装置の構成
【0029】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成を示す。
【0030】
情報処理装置100は、端末装置200及び画像形成装置300とインターネット等のネットワークを介して通信可能である。端末装置200は、ユーザが使用するスマートフォン、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。画像形成装置300は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)である。情報処理装置100は、端末装置200から画像を受信して編集し、編集後画像を画像形成装置300に出力することが可能な印刷制御装置である。
【0031】
情報処理装置100の制御回路において、CPU等のプロセッサは、ROMが記憶する情報処理プログラムをRAMにロードして実行することにより、ャットボットモジュール101、メッセージ判断モジュール102及び画像編集モジュール103として動作する。情報処理装置100は、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶媒体が記憶するデータベース110を有する。
【0032】
2.情報処理装置の動作フロー
【0033】
図2は、情報処理装置の動作フローを示す。
図3は、端末装置に表示されるチャット画面の一例を示す。
【0034】
端末装置200は、ユーザが編集及び印刷したいと考える画像C210をチャットシステムに送信する。端末装置200のチャット画面には、画像C210が表示される。チャットシステムは、情報処理装置100により提供されてもよいし、外部のチャットアプリケーションサプライヤにより提供されてもよい。
【0035】
情報処理装置100のチャットボットモジュール101は、端末装置200からチャットシステムに送信された画像C210を受信する(ステップS101)。すると、チャットボットモジュール101は、画像C210を印刷するか編集するかを尋ねる投稿C110をチャットシステムに送信する。例えば、チャットボットモジュール101は、「@印刷」及び「@編集」を含む投稿C110をチャットシステムに送信する。
【0036】
端末装置200のチャット画面には、投稿C110が表示される。ユーザは、端末装置200のチャット画面に表示された投稿C110に含まれる「@印刷」又は「@編集」を操作する。本例では、ユーザは、投稿C110に含まれる「@編集」を選択し、さらに目的とする画像を表す言語表現である「明るくして」というメッセージを入力する。端末装置200は、「@編集」及び「明るくして」を含む投稿C220をチャットシステムに送信する。
【0037】
情報処理装置100のチャットボットモジュール101は、端末装置200からチャットシステムに送信された投稿C220を受信する。チャットボットモジュール101は、投稿C220が、チャットボットモジュール101が送信した投稿C110に含まれる「@印刷」又は「@編集」の何れを含むかを判断する(ステップS102)。チャットボットモジュール101は、投稿C220が「@編集」を含むと判断する。続いて、チャットボットモジュール101は、投稿C220が、画像C210を編集することを示すメッセージを含むか否かを判断する(ステップS103)。本例では、投稿C220は「明るくして」というメッセージを含むので、画像C210を編集することを示すメッセージを含むと判断する(ステップS103、YES)。
【0038】
情報処理装置100のメッセージ判断モジュール102は、投稿C220に含まれるメッセージからキー値を抽出する。具体的には、メッセージ判断モジュール102は、メッセージを形態素解析し、形態素解析により得られた形容詞又は形状詞をキー値として抽出する。本例では、メッセージ判断モジュール102は、メッセージ「明るくして」を形態素解析して、形容詞「明るく」、動詞「し」及び助詞「て」に分割する(ステップS104)。メッセージ判断モジュール102は、形態素解析により得られた形容詞「明るく」をキー値として抽出する(ステップS105、YES)。
【0039】
なお、メッセージ判断モジュール102は、複数の形容詞及び/又は形状詞を検出した場合、複数の形容詞及び/又は形状詞を全て含む句をキー値として抽出する。例えば、メッセージが「明るく鮮やかに」であると仮定する(不図示)。この例では、メッセージ判断モジュール102は、メッセージ「明るく鮮やかに」を形態素解析して、形容詞「明るく」、形状詞「鮮やか」及び助動詞「に」に分割する(ステップS104)。メッセージ判断モジュール102は、形態素解析により得られた形容詞「明るく」及び形状詞「鮮やか」をすべて含む句である「明るく鮮やか」をキー値として抽出する(ステップS105、YES)。
【0040】
【0041】
データベース110は、第1のテーブル114と、複数の第2のテーブル115とを含む。第1のテーブル114は、複数の異なるキー値111と、それぞれのキー値111に対応する設定値112と、を登録する。本例では、第1のテーブル114は、複数の異なるキー値111「明るく」及び「鮮やかに」と、キー値111「明るく」及び「鮮やかに」にそれぞれ対応する設定値112「a」及び「b」と、を登録する。
【0042】
複数の第2のテーブル115は、それぞれ、複数の設定値112「a」及び「b」に対応する。言い換えれば、1個の設定値112に対して1個の第2のテーブル115がある。1個の設定値112に関する第2のテーブル115には、複数の異なるパラメータセット113が登録される。例えば、キー値111「明るく」に対応する設定値112「a」に関する第2のテーブル115には、複数の異なるパラメータセット113a、113b、113c、113dが登録される。
【0043】
パラメータセット113は、複数の編集項目に対するパラメータの組み合わせである。例えば、1個のパラメータセット113aは、編集項目「コントラスト」に対するパラメータ「20」と、編集項目「明るさ」に対するパラメータ「30」と、編集項目「ハイライト」に対するパラメータ「20」との組み合わせである。1個の設定値112に対して登録される複数の異なるパラメータセット113a、113b、113c、113dは、全て異なる。
【0044】
つまり、1個の第2のテーブル115において、パラメータセットの編集項目の組み合わせ(コントラスト、明るさ及びハイライト)が同じだとしても、この3個の編集項目のパラメータ(数値)の組み合わせが全て異なる。あるいは、1個の第2のテーブル115において、パラメータセットの編集項目の組み合わせがそもそも異なっていてもよい。例えば、1個の第2のテーブル115において、或るパラメータセットの編集項目の組み合わせ(例えば、コントラスト及びハイライト)と、別のパラメータセットの編集項目の組み合わせ(例えば、明るさ及びハイライト)とが異なっていてもよい。
【0045】
データベース110に登録された、第1のキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、第1のキー値と異なる第2のキー値に対応する複数の異なるパラメータセットと、第1のキー値と第2のキー値とを含む第3のキー値に対応する複数の異なるパラメータセットとは、全て異なる。例えば、第1のキー値111「明るく」に対応する複数の異なるパラメータセット113と、第2のキー値111「鮮やか」に対応する複数の異なるパラメータセット113と、第3のキー値111「明るく鮮やか」に対応する複数の異なるパラメータセット113とは、全て異なる。これにより、ユーザが目的とする画像を表す言語表現により近いパラメータセットを細分化して登録することができ、ユーザが目的とする画像に近い編集後画像を作成することができる。
【0046】
この第1のテーブル114及び複数の第2のテーブル115を含む構造により、データベース110は、複数の異なるキー値111と、それぞれのキー値111に対応する複数の異なるパラメータセット113と、を登録する。例えば、データベース110は、キー値111「明るく」と、キー値111「明るく」に対応する複数の異なるパラメータセット113a、113b、113c、113dと、を登録する。
【0047】
情報処理装置100の画像編集モジュール103は、メッセージ判断モジュール102がメッセージ「明るくして」から抽出したキー値「明るく」に対応する複数の異なるパラメータセットを、データベース110から読み出す(ステップS106)。本例では、画像編集モジュール103は、データベース110の第1のテーブル114から、キー値111「明るく」に対応する設定値112「a」を読み出す。画像編集モジュール103は、データベース110から、読み出した設定値112「a」に対応する1個の第2のテーブル115を選択する。画像編集モジュール103は、選択した第2のテーブル115から、複数の異なるパラメータセット113a、113b、113c、113dを読み出す。
【0048】
情報処理装置100の画像編集モジュール103は、キー値「明るく」に対応する複数の異なるパラメータセット113a、113b、113c、113dにそれぞれ従って画像C210を編集する。これにより、画像編集モジュール103は、複数の異なる編集後画像121,122,123,124を生成する(ステップS107)。
【0049】
情報処理装置100のチャットボットモジュール101は、画像編集モジュール103が生成した複数の異なる編集後画像121,122,123,124を含む投稿C120をチャットシステムに送信する(ステップS108)。即ち、複数の異なる編集後画像121,122,123,124を、1個の投稿C120に含めて、並列的に表示する。
【0050】
端末装置200のチャット画面には、複数の異なる編集後画像121,122,123,124を含む投稿C120が表示される。ユーザは、編集後画像121,122,123,124を見比べて、目的とする画像に最も近い1個の画像を選択する。本例では、ユーザは、編集後画像122をチャットシステム上で選択する。選択された編集後画像122にチェックマークが表示される。
【0051】
情報処理装置100のチャットボットモジュール101は、端末装置200よりチャットシステム上で選択された編集後画像122を判断する。すると、チャットボットモジュール101は、編集後画像122を印刷するか編集するかを尋ねる投稿C130をチャットシステムに送信する。例えば、チャットボットモジュール101は、「@印刷」及び「@編集」を含む投稿C130をチャットシステムに送信する。例えば、投稿C130は、投稿C110と同じである。
【0052】
端末装置200のチャット画面には、投稿C130が表示される。ユーザは、端末装置200のチャット画面に表示された投稿C130に含まれる「@印刷」又は「@編集」を操作する。本例では、ユーザは、投稿C130に含まれる「@印刷」を選択する。端末装置200は、「@印刷」を含む投稿C230をチャットシステムに送信する。
【0053】
情報処理装置100のチャットボットモジュール101は、端末装置200からチャットシステムに送信された投稿C230を受信する。チャットボットモジュール101は、投稿C230が、チャットボットモジュール101が送信した投稿C130に含まれる「@印刷」又は「@編集」の何れを含むかを判断する(ステップS102)。チャットボットモジュール101は、投稿C230が「@印刷」を含むと判断する。これにより、チャットボットモジュール101は、端末装置200からチャットシステムに送信された、編集後画像122を出力(本例では、印刷)することを示す投稿を受信する。
【0054】
情報処理装置100は、画像形成装置300に、印刷命令及び編集後画像122を送信する(ステップS109)。画像形成装置300は、印刷命令及び編集後画像122を受信し、編集後画像122を印刷する。
【0055】
なお、情報処理装置100のチャットボットモジュール101は、複数の異なる編集後画像121,122,123,124を含む投稿C120を投稿した後、「@編集」を含む投稿C230を受信した場合には、ステップS103以下の動作を繰り返す。
【0056】
3.変形例
【0057】
メッセージが複数の形容詞及び/又は形状詞を含む場合の変形例を説明する。上記実施形態では、メッセージ判断モジュール102は、メッセージ「明るく鮮やかに」から、「明るく」及び「鮮やか」の2個のキー値ではなく、「明るく鮮やか」の1個のキー値を抽出する。データベース110には、キー値111として、「明るく」、「鮮やか」及び「明るく鮮やか」が登録される。画像編集モジュール103は、キー値111として「明るく鮮やか」に対応するパラメータセット113を読み出す。
【0058】
これに代えて、変形例に係るメッセージ判断モジュール102は、複数の形容詞及び/又は形状詞を検出した場合、複数の形容詞及び/又は形状詞をそれぞれ複数のキー値として抽出する。画像編集モジュール103は、データベース110から、抽出された複数のキー値にそれぞれ対応する複数の異なるパラメータセットの少なくとも一部を読み出し、少なくとも一部の複数の異なるパラメータセットにそれぞれ従って画像を編集することで、複数の異なる編集後画像を生成する。
【0059】
本例の場合、メッセージ判断モジュール102は、メッセージ「明るく鮮やかに」から、「明るく」及び「鮮やか」の2個のキー値を抽出する。画像編集モジュール103は、データベース110から、キー値111「明るく」に対応する例えば2個のパラメータセットを読み出し、キー値111「鮮やか」に対応する例えば2個のパラメータセットを読み出す。画像編集モジュール103は、読み出した4個のパラメータセットにそれぞれ従って画像を編集することで、4個の異なる編集後画像を生成する。これにより、ユーザが目的とする画像に近い編集後画像を作成しつつ、幅広いバリエーションの編集後画像をユーザに提案することができる。
【0060】
4.結語
【0061】
典型的な手法では、画像を編集する際、目的の画像を得るためには、編集項目それぞれについてのパラメータの効果をユーザが予め知っておく必要がある。ユーザが設定したパラメータに従って編集された画像が1パターンのみ表示される。編集項目それぞれについてのパラメータの効果の知識をユーザが持たない場合や、表示された編集後画像が所望の画像ではない場合は、ユーザは何度もパラメータを変更して編集を繰り返す。この方法では、確認する手間が掛かる上、編集後の画像を同時に並列的に見比べることが出来ない。
【0062】
これに対して、本実施形態によれば、ユーザが画像に編集を加えて印刷するとき、チャットシステムに画像C210とメッセージC220を送ることで編集及び印刷ができる。即ち、ユーザがチャットシステム上でメッセージC220を送る際に、変更すべき設定項目(コントラスト等)及びパラメータの数値を考えて、指定する必要が無い。ユーザにとっては、目的とする画像を表す言語表現(明るくして、鮮やかに等)を含むメッセージC220を送るだけで、所望の編集後画像が作成される。情報処理装置100は、メッセージを解析して画像に複数パターンの編集後画像を作成し、チャットシステムを介してユーザの端末装置200に送信する。これにより、ユーザにとっては、目的とする画像を表す言語表現(明るくして、鮮やかに等)を含むメッセージC220を送るだけで複数の編集後画像が作成されるので、何度もメッセージを送ってその都度1パターンずつ編集を繰り返す手間が省ける。特に、情報処理装置100は、複数パターンの編集後画像を1個の投稿に含めて、並列的に表示する。これにより、ユーザはチャットシステム上で提案された複数パターンの編集後画像を容易に比較することができ、所望の編集後画像を出力(印刷等)できる。
【0063】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0064】
100 情報処理装置
101 チャットボットモジュール
102 メッセージ判断モジュール
103 画像編集モジュール
110 データベース
111 キー値
112 設定値
113 パラメータセット
114 第1のテーブル
115 第2のテーブル
200 端末装置
300 画像形成装置