(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20241029BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20241029BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G15/08 229
G03G21/16 104
G03G21/16 176
(21)【出願番号】P 2021062510
(22)【出願日】2021-04-01
【審査請求日】2024-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】王 裕ブン
(72)【発明者】
【氏名】橋本 淳一
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179131(JP,A)
【文献】特開2019-179128(JP,A)
【文献】特開2014-134780(JP,A)
【文献】特開2018-004892(JP,A)
【文献】特開平08-262872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1現像カートリッジであって、
第1方向に延びる第1現像軸について回転可能な第1現像ローラと、
前記第1方向に延びる第1シャフトであって、前記第1方向において、前記第1現像ローラに対して移動可能であり、前記第1方向に対して交差する第2方向において、前記第1現像ローラとともに移動可能な第1シャフトと、
前記第1シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第1カムと、
を有する第1現像カートリッジと、
第2現像カートリッジであって、
前記第1方向に延びる第2現像軸について回転可能な第2現像ローラと、
前記第1方向に延びる第2シャフトであって、前記第1方向において、前記第2現像ローラに対して移動可能であり、前記第2方向において、前記第2現像ローラとともに移動可能な第2シャフトと、
前記第2シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第2カムと、
を有する第2現像カートリッジと、
ドロワであって、
前記第1方向に延びる第1ドラム軸について回転可能な第1感光ドラムと、
前記第1方向に延びる第2ドラム軸について回転可能な第2感光ドラムと、
前記第1現像ローラの表面と前記第1感光ドラムの表面とが前記第2方向に向かい合う状態で、前記第1現像カートリッジが装着可能であり、かつ、前記第2現像ローラの表面と前記第2感光ドラムの表面とが前記第2方向に向かい合う状態で、前記第2現像カートリッジが装着可能なドロワフレームであって、前記第1カムと接触可能な第1接触面と、前記第2カムと接触可能な第2接触面と、を有するドロワフレームと、
を有するドロワと、
押圧機構であって、
前記第1シャフトを前記第1方向に押圧する第1押圧部と、
前記第2シャフトを前記第1方向に押圧する第2押圧部と、
を有する押圧機構と、
を備え、
前記第1押圧部が前記第1方向に移動すると、前記第1カムが前記第1接触面に接触することにより、前記第1カムが前記第2方向に移動し、前記第1カムとともに前記第1現像ローラが、前記第1感光ドラムから離れる向きに移動し、
前記第2押圧部が前記第1方向に移動すると、前記第2カムが前記第2接触面に接触することにより、前記第2カムが前記第2方向に移動し、前記第2カムとともに前記第2現像ローラが、前記第2感光ドラムから離れる向きに移動し、
前記第2カムの前記第2方向の長さが、前記第1カムの前記第2方向の長さよりも、小さいことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記第1現像カートリッジおよび前記第2現像カートリッジが前記ドロワフレームに装着された状態において、前記第1現像カートリッジと前記第2現像カートリッジは、第3方向に並び、前記第2現像カートリッジは、前記第1現像カートリッジよりも、前記第3方向における前記ドロワフレームの端部に近いことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記第2感光ドラムは、前記第1感光ドラムよりも、印刷用紙の搬送方向における下流側に位置することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記第2感光ドラムは、前記第1感光ドラムよりも、印刷用紙の搬送方向における上流側に位置することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記第1カムは、
前記第1方向における前記第1シャフトの一端に位置する第1一端カムと、
前記第1方向における前記第1シャフトの他端に位置する第1他端カムと、
を有し、
前記第2カムは、
前記第1方向における前記第2シャフトの一端に位置する第2一端カムと、
前記第1方向における前記第2シャフトの他端に位置する第2他端カムと、
を有し、
前記第2一端カムの前記第2方向の長さは、前記第1一端カムの前記第2方向の長さよりも、小さく、
前記第2他端カムの前記第2方向の長さは、前記第1他端カムの前記第2方向の長さよりも、小さいことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記第1カムは、前記第1方向に対して傾斜する第1傾斜面を有し、
前記第2カムは、前記第1方向に対して傾斜する第2傾斜面を有し、
前記第2シャフトの周面から前記第2傾斜面までの前記第2方向の長さが、前記第1シャフトの周面から前記第1傾斜面までの前記第2方向の長さよりも、小さいことを特徴とする、画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記第2現像カートリッジは、ブラックの現像剤を収容することを特徴とする、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置が知られている。従来の画像形成装置については、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の画像形成装置は、ドロワと、ドロワに装着可能な複数の現像カートリッジとを有する。ドロワは、感光ドラムを有する。現像カートリッジは、現像ローラを有する。ドロワに現像カートリッジが装着された場合、感光ドラムと現像ローラとが接触する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像形成装置は、離間動作を行う。離間動作は、現像ローラを、感光ドラムと接触する接触位置から、感光ドラムから離れた離間位置へ移動させる動作である。
【0005】
しかしながら、ある感光ドラム(第1感光ドラム)による印刷が実行されているときに、他の感光ドラム(第2感光ドラム)に対して現像ローラを移動させる場合、第2感光ドラムに対する現像ローラの移動に伴う振動によって、第1感光ドラムによる印刷画像にムラが生じる場合がある。
【0006】
本開示の目的は、第2感光ドラムに対する第2現像ローラの移動により、第1感光ドラムによる印刷画像にムラが生じることを抑制できる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の第1開示は、第1現像カートリッジであって、第1方向に延びる第1現像軸について回転可能な第1現像ローラと、前記第1方向に延びる第1シャフトであって、前記第1方向において、前記第1現像ローラに対して移動可能であり、前記第1方向に対して交差する第2方向において、前記第1現像ローラとともに移動可能な第1シャフトと、前記第1シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第1カムと、を有する第1現像カートリッジと、第2現像カートリッジであって、前記第1方向に延びる第2現像軸について回転可能な第2現像ローラと、前記第1方向に延びる第2シャフトであって、前記第1方向において、前記第2現像ローラに対して移動可能であり、前記第2方向において、前記第2現像ローラとともに移動可能な第2シャフトと、前記第2シャフトとともに前記第1方向に移動可能な第2カムと、を有する第2現像カートリッジと、ドロワであって、前記第1方向に延びる第1ドラム軸について回転可能な第1感光ドラムと、前記第1方向に延びる第2ドラム軸について回転可能な第2感光ドラムと、前記第1現像ローラの表面と前記第1感光ドラムの表面とが前記第2方向に向かい合う状態で、前記第1現像カートリッジが装着可能であり、かつ、前記第2現像ローラの表面と前記第2感光ドラムの表面とが前記第2方向に向かい合う状態で、前記第2現像カートリッジが装着可能なドロワフレームであって、前記第1カムと接触可能な第1接触面と、前記第2カムと接触可能な第2接触面と、を有するドロワフレームと、を有するドロワと、押圧機構であって、前記第1シャフトを前記第1方向に押圧する第1押圧部と、前記第2シャフトを前記第1方向に押圧する第2押圧部と、を有する押圧機構と、を備え、前記第1押圧部が前記第1方向に移動すると、前記第1カムが前記第1接触面に接触することにより、前記第1カムが前記第2方向に移動し、前記第1カムとともに前記第1現像ローラが、前記第1感光ドラムから離れる向きに移動し、前記第2押圧部が前記第1方向に移動すると、前記第2カムが前記第2接触面に接触することにより、前記第2カムが前記第2方向に移動し、前記第2カムとともに前記第2現像ローラが、前記第2感光ドラムから離れる向きに移動し、前記第2カムの前記第2方向の長さが、前記第1カムの前記第2方向の長さよりも、小さいことを特徴とする。
【0008】
本願の第2開示は、第1開示の画像形成装置であって、前記第1現像カートリッジおよび前記第2現像カートリッジが前記ドロワフレームに装着された状態において、前記第1現像カートリッジと前記第2現像カートリッジは、第3方向に並び、前記第2現像カートリッジは、前記第1現像カートリッジよりも、前記第3方向における前記ドロワフレームの端部に近いことを特徴とする。
【0009】
本願の第3開示は、第1開示または第2開示の画像形成装置であって、前記第2感光ドラムは、前記第1感光ドラムよりも、印刷用紙の搬送方向における下流側に位置することを特徴とする。
【0010】
本願の第4開示は、第1開示または第2開示の画像形成装置であって、前記第2感光ドラムは、前記第1感光ドラムよりも、印刷用紙の搬送方向における上流側に位置することを特徴とする。
【0011】
本願の第5開示は、第1開示から第4開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記第1カムは、前記第1方向における前記第1シャフトの一端に位置する第1一端カムと、前記第1方向における前記第1シャフトの他端に位置する第1他端カムと、を有し、前記第2カムは、前記第1方向における前記第2シャフトの一端に位置する第2一端カムと、前記第1方向における前記第2シャフトの他端に位置する第2他端カムと、を有し、前記第2一端カムの前記第2方向の長さは、前記第1一端カムの前記第2方向の長さよりも、小さく、前記第2他端カムの前記第2方向の長さは、前記第1他端カムの前記第2方向の長さよりも、小さいことを特徴とする。
【0012】
本願の第6開示は、第1開示から第5開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記第1カムは、前記第1方向に対して傾斜する第1傾斜面を有し、前記第2カムは、前記第1方向に対して傾斜する第2傾斜面を有し、前記第2シャフトの周面から前記第2傾斜面までの前記第2方向の長さが、前記第1シャフトの周面から前記第1傾斜面までの前記第2方向の長さよりも、小さいことを特徴とする。
【0013】
本願の第7開示は、第1開示から第6開示のいずれか一開示の画像形成装置であって、前記第2現像カートリッジは、ブラックの現像剤を収容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本願の第1開示~第7開示によれば、第2感光ドラムに対する第2現像ローラの第2方向の移動量を抑えることができる。これにより、第2感光ドラムに対する第2現像ローラの第2方向の移動により、第1感光ドラムによる印刷画像にムラが生じることを抑制できる。
【0015】
また、本願の第2開示によれば、押圧機構の押圧力でドロワフレームが撓んだ場合に、ドロワフレームに対する第1シャフトの第1方向における移動量が、ドロワフレームに対する第2シャフトの第1方向における移動量よりも小さくなる。しかしながら、本開示によれば、第1カムの第2方向の長さが、第2カムの第2方向の長さよりも、大きい。このため、第1感光ドラムに対する第1現像ローラの第2方向の移動量を、十分にとることができる。
【0016】
また、本願の第3開示によれば、第1感光ドラムによる印刷用紙への印刷中に、第2感光ドラムに対して第2現像ローラが離間位置から接触位置へ移動する場合でも、第1感光ドラムによる印刷画像にムラが生じることを抑制できる。
【0017】
また、本願の第4開示によれば、第1感光ドラムによる印刷用紙への印刷中に、第2感光ドラムに対して第2現像ローラが接触位置から離間位置へ移動する場合でも、第1感光ドラムによる印刷画像にムラが生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】1つの現像カートリッジが装着されたドロワの斜視図である。
【
図3】4つの現像カートリッジが装着されたドロワの平面図である。
【
図7】画像形成装置内における4つの現像カートリッジおよび4つの感光ドラムの概略図である。
【
図8】Yカートリッジ、Mカートリッジ、およびCカートリッジの一端カムと、Kカートリッジの一端カムとを示した図である。
【
図9】離間動作が行われるときにドロワフレームが撓む様子を、誇張して示した図である。
【
図10】画像形成装置内における4つの現像カートリッジおよび4つの感光ドラムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
なお、以下では、現像ローラの現像軸が延びる方向を「第1方向」と称する。また、ドロワフレームに現像カートリッジが装着された状態において、現像ローラと感光ドラムとが向かい合う方向を「第2方向」と称する。また、ドロワフレームに複数の現像カートリッジが装着された状態において、複数の現像カートリッジが並ぶ方向を「第3方向」と称する。
【0021】
第1方向と第2方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。第2方向と第3方向とは、互いに交差する。第3方向と第1方向とは、互いに交差(好ましくは直交)する。
【0022】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、画像形成装置100の概略図である。この画像形成装置100は、電子写真方式のプリンタである。具体的には、画像形成装置100は、レーザプリンタまたはLEDプリンタである。
図1に示すように、画像形成装置100は、本体フレーム101、ドロワ2、および4つの現像カートリッジ1を備える。
【0023】
図2は、1つの現像カートリッジ1が装着されたドロワ2の斜視図である。
図3は、4つの現像カートリッジ1が装着されたドロワ2の平面図である。
図1~
図3に示すように、ドロワ2は、ドロワフレーム91と、4つの感光ドラム92とを有する。4つの感光ドラム92は、第3方向に間隔をあけて並ぶ。各感光ドラム92は、第1方向に延びるドラム軸について回転可能である。
【0024】
4つの現像カートリッジ1は、ドロワフレーム91に装着可能である。4つの現像カートリッジ1がドロワフレーム91に装着された状態において、4つの現像カートリッジ1は、第3方向に並ぶ。また、現像カートリッジ1がドロワフレーム91に装着された状態において、現像カートリッジ1の後述する現像ローラ20の表面は、感光ドラム92の表面と、第2方向に向かい合う。また、4つの現像カートリッジ1が装着されたドロワ2は、画像形成装置100の本体フレーム101に装着可能である。
【0025】
4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックの各色)の現像剤を収容する。現像剤は、例えばトナーである。画像形成装置100は、現像カートリッジ1から供給される現像剤により、印刷用紙の表面に画像を印刷する。
【0026】
<2.現像カートリッジについて>
図4および
図5は、現像カートリッジ1の斜視図である。
図6は、現像カートリッジ1の分解斜視図である。
図4~
図6に示すように、現像カートリッジ1は、筐体10、現像ローラ20、ギア部30、および離間ユニット40を備える。
【0027】
筐体10は、現像剤を収容可能な容器である。筐体10は、第1外表面11と第2外表面12とを有する。第1外表面11は、第1方向における筐体10の一端に位置する。第2外表面12は、第1方向における筐体10の他端に位置する。第1外表面11と第2外表面12とは、第1方向において互いに離れている。筐体10は、第1外表面11と第2外表面12との間で第1方向に延びるとともに、第2方向にも延びる。
【0028】
筐体10の内部には、収容室13が設けられている。現像剤は、収容室13に収容される。また、筐体10は、開口14を有する。開口14は、第2方向における筐体10の一端に位置する。筐体10の外部空間と、収容室13とは、開口14を介して連通する。
【0029】
現像カートリッジ1は、筐体10の収容室13に位置するアジテータ(図示省略)を有する。アジテータは、羽根を有する。ギア部30のアジテータギア33は、第1方向におけるアジテータの端部に固定される。アジテータギア33が回転すると、アジテータは、第1方向に延びるアジテータ軸について回転する。そして、羽根の回転により、収容室13内の現像剤が攪拌される。
【0030】
また、筐体10は、第1貫通孔15、溝16、および第2貫通孔17を有する。第1貫通孔15、溝16、および第2貫通孔17は、筐体10の外表面に位置する。第1貫通孔15は、第1方向における筐体10の一端に位置する。第1貫通孔15は、筐体10の一部分を、第1方向に貫通する。第2貫通孔17は、第1方向における筐体10の他端に位置する。第2貫通孔17は、筐体10の一部分を、第1方向に貫通する。溝16は、第1貫通孔15と第2貫通孔17との間に位置する。溝16は、筐体10の外表面において、第1方向に延びる。
【0031】
現像ローラ20は、第1方向に延びる現像軸について回転可能なローラである。現像ローラ20は、筐体10の開口14に位置する。すなわち、現像ローラ20は、第2方向における筐体10の一端に位置する。現像ローラ20は、現像ローラ本体21と現像ローラシャフト22とを有する。現像ローラ本体21は、第1方向に延びる円筒状の部材である。現像ローラ本体21の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。現像ローラシャフト22は、現像ローラ本体21を貫通して第1方向に延びる円柱状の部材である。現像ローラ本体21は、現像ローラシャフト22に対して固定される。現像ローラシャフト22の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
【0032】
現像カートリッジ1は、第1軸受51と第2軸受52とを有する。第1軸受51は、筐体10の第1外表面11に固定される。第2軸受52は、筐体10の第2外表面12に固定される。第1方向における現像ローラシャフト22の一端は、第1軸受51に挿入される。これにより、第1方向における現像ローラシャフト22の一端が、第1方向に延びる現像軸について、回転可能に支持される。第1方向における現像ローラシャフト22の他端は、第2軸受52に挿入される。これにより、第1方向における現像ローラシャフト22の他端が、第1方向に延びる現像軸について、回転可能に支持される。
【0033】
また、ギア部30の現像ローラギア34は、第1方向における現像ローラシャフト22の他端に固定される。したがって、現像ローラギア34が回転すると、現像ローラシャフト22も回転し、現像ローラシャフト22とともに現像ローラ本体21も回転する。
【0034】
なお、現像ローラシャフト22は、現像ローラ本体21を第1方向に貫通していなくてもよい。例えば、現像ローラシャフト22が、第1方向における現像ローラ本体21の両端から、第1方向にそれぞれ延びていてもよい。
【0035】
また、現像カートリッジ1は、供給ローラ23を有する。供給ローラ23は、現像ローラ20とアジテータとの間に位置する。現像ローラ20の外周面と、供給ローラ23の外周面とは、互いに接触する。筐体10の収容室13内の現像剤は、供給ローラ23を介して、現像ローラ20へ供給される。その後、現像ローラ20の外周面の現像剤は、ドロワ2の感光ドラム92へ供給される。このとき、現像剤は、感光ドラム92の外周面に形成された静電潜像に応じて、現像ローラ20から感光ドラム92へ移動する。これにより、感光ドラム92の外周面に、現像剤による画像が形成される。
【0036】
ギア部30は、筐体10の第2外表面12に位置する。ギア部30は、ギアカバー31と、カップリング32と、複数のギアとを有する。ギアカバー31は、筐体10の第2外表面12に固定される。複数のギアは、上述したアジテータギア33および現像ローラギア34を含む。複数のギアの少なくとも一部は、第1方向において、第2外表面12とギアカバー31との間に位置する。
【0037】
カップリング32は、ギアカバー31から露出する。ドロワ2に装着された現像カートリッジ1が画像形成装置100に装着されると、画像形成装置100の駆動シャフトが、カップリング32に接続される。そして、駆動シャフトの回転が、カップリング32を介して、アジテータギア33および現像ローラギア34に伝達される。
【0038】
ギア部30の複数のギアは、歯の噛み合いによって回転力を伝達する。ただし、ギア部30の複数のギアは、摩擦によって回転力を伝達するものであってもよい。その場合、各ギアの外周面は、ゴム製であってもよい。
【0039】
ギアカバー31は、第3貫通孔36およびストッパ面37を有する。第3貫通孔36は、第1方向において、上述した第2貫通孔17と、後述する他端カム44との間に位置する。ストッパ面37は、筐体10の第2外表面12と、第1方向に向かい合う。また、ストッパ面37は、後述する他端カム44のストッパ突起443と、第1方向に向かい合う。
【0040】
現像カートリッジ1が、ドロワ2に装着された状態で画像形成装置100に装着された後、画像形成装置100は、各現像カートリッジ1に対して、離間動作を行うことが可能である。離間動作は、感光ドラム92に対して現像ローラ20を、感光ドラム92に接触する接触位置から、感光ドラム92から離れる離間位置へ、第2方向に移動させる動作である。画像形成装置100は、4つの現像カートリッジ1のうち、使用しない現像カートリッジ1に対して、離間動作を行う。これにより、使用しない現像カートリッジ1の現像ローラ20を、感光ドラム92から離れた状態とする。
【0041】
離間ユニット40は、現像ローラ20を、上述した接触位置と離間位置との間で切り替えるための機構である。
図4~
図6に示すように、離間ユニット40は、シャフト41、一端カム42、一端止め輪43、他端カム44、他端止め輪45、およびばね46を有する。
【0042】
シャフト41は、筐体10の外表面に位置する。シャフト41は、第1方向に延びる第1軸A1に沿って延びる。具体的には、シャフト41は、筐体10の溝16に沿って、第1方向に延びる。また、シャフト41は、第1貫通孔15、第2貫通孔17、および第3貫通孔36に挿入される。シャフト41は、例えば円柱状である。ただし、シャフト41は、角柱状であってもよい。シャフト41は、一端部411と他端部412とを有する。一端部411は、第1方向におけるシャフト41の一端に位置する。他端部412は、第1方向におけるシャフト41の他端に位置する。シャフト41の材料には、例えば、鉄などの金属が使用される。
【0043】
一端カム42は、シャフト41の一端部411に位置する。具体的には、一端カム42は、第1孔421を有する。第1孔421は、一端カム42の他端カム44と向かい合う面から、他端カム44から離れる方向へ向けて、第1方向に延びる。シャフト41の一端部411は、第1孔421に挿入される。一端カム42は、筐体10の第1外表面11に位置する。一端カム42の材料には、例えば、樹脂が使用される。
【0044】
一端カム42は、一端傾斜面422を有する。一端傾斜面422は、第1軸A1を中心とする一端カム42の周面の一部に位置する。一端傾斜面422は、第1方向に対して傾斜する。一端傾斜面422は、第1方向において他端カム44から離れるにつれて、第2方向において現像ローラ20から離れる。すなわち、一端傾斜面422は、第1方向においてシャフト41の他端部412から離れるにつれて、第1軸A1に対する径方向においてシャフト41に近づく。
【0045】
一端止め輪43は、シャフト41の一端部411から一端カム42が抜けることを防止するための部品である。一端止め輪43は、略C字状の板である。一端止め輪43は、シャフト41の一端部411の外周面に形成された円環状の溝(図示省略)に取り付けられる。一端止め輪43は、第1方向における一端カム42の一端部と他端部との間に位置する。第1方向における一端カム42の他端部と、一端止め輪43とは、第1方向に向かい合う。これにより、シャフト41の一端部411から、一端カム42が、第1方向に抜けることが防止される。
【0046】
他端カム44は、シャフト41の他端部412に位置する。具体的には、他端カム44は、第2孔441を有する。第2孔441は、他端カム44の一端カム42と向かい合う面から、一端カム42から離れる方向へ向けて、第1方向に延びる。シャフト41の他端部412は、第2孔441に挿入される。他端カム44は、筐体10の第2外表面12に位置する。他端カム44は、ギアカバー31の第3貫通孔36よりも、シャフト41の他端部412の近くに位置する。他端カム44の材料には、例えば、樹脂が使用される。
【0047】
他端カム44は、他端傾斜面442を有する。他端傾斜面442は、第1軸A1を中心とする他端カム44の周面の一部に位置する。他端傾斜面442は、第1方向に対して傾斜する。他端傾斜面442は、第1方向において一端カム42へ近づくにつれて、第2方向において現像ローラ20から離れる。すなわち、一端傾斜面422は、第1方向においてシャフト41の一端部411へ近づくにつれて、第1軸A1に対する径方向においてシャフト41に近づく。
【0048】
また、
図4に示すように、他端カム44は、ストッパ突起443を有する。ストッパ突起443は、他端カム44の外表面から、シャフト41の径方向外側へ向けて、突出する。ストッパ突起443と、ギアカバー31のストッパ面37とは、第1方向に向かい合う。また、ストッパ突起443とストッパ面37とは、第1方向に接触可能である。これにより、シャフト41の他端部412から、他端カム44が、第1方向に抜けることが防止される。
【0049】
他端止め輪45は、ばね46の押圧力を受けるための部品である。他端止め輪45は、第1方向において、ばね46と他端カム44との間に位置する。他端止め輪45は、略C字状の板である。他端止め輪45は、シャフト41の他端部412の外周面に形成された円環状の溝414に取り付けられる。
【0050】
シャフト41は、第1方向において、第1位置と第2位置との間で、筐体10および現像ローラ20に対して移動可能である。一端カム42、一端止め輪43、他端カム44、および他端止め輪45は、シャフト41とともに、筐体10および現像ローラ20に対して、第1方向に移動可能である。シャフト41が第1位置の場合の一端カム42は、シャフト41が第2位置の場合の一端カム42よりも、第1方向において、筐体10に近い。シャフト41が第1位置の場合の他端カム44は、シャフト41が第2位置の場合の他端カム44よりも、第1方向において、筐体10から遠い。すなわち、第1位置から第2位置への移動は、他端カム44から一端カム42へ向かう方向の移動である。第2位置から第1位置への移動は、一端カム42から他端カム44へ向かう方向の移動である。
【0051】
ばね46は、第1方向に伸縮可能な弾性部材である。ばね46は、シャフト41の他端部412に取り付けられる。ばね46は、第1方向において、筐体10の第2外表面12と、他端カム44との間に位置する。より詳細には、ばね46は、第1方向において、筐体10の第2外表面12と、ギアカバー31の第3貫通孔36との間に位置する。第1方向におけるばね46の一端は、筐体10の第2外表面12に接触する。第1方向におけるばね46の他端は、他端止め輪45に接触する。本実施形態のばね46は、螺旋状のコイルばねである。シャフト41の他端部412は、ばね46の内側に挿入される。
【0052】
ばね46は、第1状態と第2状態との間で、第1方向に伸縮可能である。シャフト41が第1位置に位置する場合、ばね46は第1状態となる。シャフト41が第2位置に位置する場合、ばね46は第2状態となる。第1状態におけるばね46の第1方向の長さは、第2状態におけるばね46の第1方向の長さよりも、長い。また、ばね46は、自然長よりも第1方向に圧縮されている。このため、ばね46の反発力により、シャフト41は、第2位置から第1位置へ向けて付勢される。
【0053】
<3.離間動作について>
画像形成装置100は、図示を省略した加圧機構を有する。現像カートリッジ1が装着されたドロワ2が、本体フレーム101に装着された場合、現像ローラ20は、加圧機構により、感光ドラム92へ向けて、第2方向に押圧される。これにより、現像ローラ20の表面が、感光ドラム92の表面と接触する。すなわち、現像ローラ20の位置が、上述した接触位置となる。
【0054】
また、
図3に示すように、画像形成装置100は、押圧機構60を有する。押圧機構60は、4つの押圧部61を有する。4つの現像カートリッジ1が装着されたドロワ2が、本体フレーム101に装着された状態において、各押圧部61は、現像カートリッジ1の他端カム44と第1方向に向かい合う。
【0055】
4つの押圧部61は、それぞれ、退避位置と、退避位置よりも現像カートリッジ1に近い突出位置との間で、第1方向に移動可能である。画像形成装置100は、離間動作を行う場合、押圧機構60の押圧部61を、退避位置から突出位置へ移動させる。これにより、押圧部61が、他端カム44に接触する。そして、押圧部61は、他端カム44を、第1方向において、他端カム44から一端カム42へ向かう方向に、押圧する。すなわち、押圧部61は、他端カム44とともにシャフト41を、第1方向において、他端カム44から一端カム42へ向かう方向に、押圧する。そうすると、ばね46が、第1状態から第2状態へ縮み、シャフト41が、第1位置から第2位置へ移動する。
【0056】
ドロワフレーム91は、一端接触面911と他端接触面912とを有する。シャフト41が、第1位置から第2位置へ移動すると、一端カム42の一端傾斜面422は、ドロワフレーム91の一端接触面911に接触しつつ、第1方向に移動する。このとき、一端カム42は、一端接触面911から第2方向の力を受ける。このため、一端カム42は、ドロワフレーム91に対して、第2方向において感光ドラム92から離れる向きに移動する。同様に、シャフト41が、第1位置から第2位置へ移動すると、他端カム44の他端傾斜面442は、ドロワフレーム91の他端接触面912に接触しつつ、第1方向に移動する。このとき、他端カム44は、他端接触面912から第2方向の力を受ける。このため、他端カム44は、ドロワフレーム91に対して、第2方向において感光ドラム92から離れる向きに移動する。
【0057】
これにより、筐体10および現像ローラ20は、シャフト41、一端カム42、および他端カム44とともに、ドロワフレーム91に対して、第2方向において、感光ドラム92から離れる向きに移動する。その結果、現像ローラ20が、感光ドラム92に接触する接触位置から、感光ドラム92から離れる離間位置へ、移動する。
【0058】
図7は、画像形成装置100内における4つの現像カートリッジ1および4つの感光ドラム92の概略図である。
【0059】
以下では、4つの現像カートリッジ1のうち、イエローの現像剤を収容する現像カートリッジ1を「Yカートリッジ1y」、マゼンタの現像剤を収容する現像カートリッジ1を「Mカートリッジ1m」、シアンの現像剤を収容する現像カートリッジ1を「Cカートリッジ1c」、ブラックの現像剤を収容する現像カートリッジ1を「Kカートリッジ1k」とする。
【0060】
また、以下では、ドロワ2の4つの感光ドラム92のうち、Yカートリッジ1yの現像ローラ20が接触する感光ドラム92を「Yドラム92y」、Mカートリッジ1mの現像ローラ20が接触する感光ドラム92を「Mドラム92m」、Cカートリッジ1cの現像ローラ20が接触する感光ドラム92を「Cドラム92c」、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が接触する感光ドラム92を「Kドラム92k」とする。
【0061】
また、以下では、押圧機構60の4つの押圧部61のうち、Yカートリッジ1yの他端カム44を押圧する押圧部61を「Y押圧部61y」、Mカートリッジ1mの他端カム44を押圧する押圧部61を「M押圧部61m」、Cカートリッジ1cの他端カム44を押圧する押圧部61を「C押圧部61c」、Kカートリッジ1kの他端カム44を押圧する押圧部61を「K押圧部61k」とする。
【0062】
ドロワ2において、4つの感光ドラム92は、Yドラム92y、Mドラム92m、Cドラム92c、Kドラム92kの順で、第3方向に並ぶ。また、4つの現像カートリッジ1は、ドロワ2に装着された状態において、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、Cカートリッジ1c、Kカートリッジ1kの順で、第3方向に並ぶ。画像形成装置100内における印刷用紙9の搬送方向において、Mドラム92mはYドラム92yよりも下流側に位置し、Cドラム92cはMドラム92mよりも下流側に位置し、Kドラム92kはCドラム92cよりも下流側に位置する。印刷用紙9は、Yドラム92y、Mドラム92m、Cドラム92c、およびKドラム92kに、この順に接触しながら、第3方向に搬送される。これにより、感光ドラム92から印刷用紙9に、イエローの印刷画像、マゼンタの印刷画像、シアンの印刷画像、およびブラックの印刷画像が、順次に転写される。その結果、印刷用紙9に多色の印刷画像が形成される。
【0063】
印刷処理が実行される前、押圧機構60の4つの押圧部61は、全て突出位置にある。したがって、4つの現像カートリッジ1の現像ローラ20は、全て離間位置にある。画像形成装置100に印刷の指示が入力されると、印刷用紙9の搬送が開始される。そして、押圧機構60のY押圧部61y、M押圧部61m、C押圧部61c、およびK押圧部61kが、順次に突出位置から退避位置へ移動する。これにより、Yカートリッジ1yの現像ローラ20が離間位置から接触位置へ移動し、次に、Mカートリッジ1mの現像ローラ20が離間位置から接触位置へ移動し、次に、Cカートリッジ1cの現像ローラ20が離間位置から退避位置へ移動し、次に、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が離間位置から接触位置に移動する。
【0064】
図7のように、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が離間位置から接触位置へ移動するときに、印刷用紙9の先頭は、既にMドラム92mを通過している。このため、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が離間位置から接触位置へ移動するときに、Yドラム92yおよびMドラム92mから印刷用紙9への印刷画像の転写が実行中である。したがって、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が離間位置から接触位置へ移動するときの振動によって、イエローおよびマゼンタの印刷画像にムラが生じる可能性がある。
【0065】
そこで、この画像形成装置100では、Kカートリッジ1kの一端カム42を、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの一端カム42と異なる形状にしている。また、この画像形成装置100では、Kカートリッジ1kの他端カム44を、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの他端カム44と異なる形状にしている。
【0066】
図8は、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの一端カム42と、Kカートリッジ1kの一端カム42とを示した図である。
図8に示すように、Kカートリッジ1kの一端カム42の第2方向の長さは、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの一端カム42の第2方向の長さよりも、小さい。より具体的には、Kカートリッジ1kにおけるシャフト41の周面から一端傾斜面422までの第2方向の長さd2は、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cにおけるシャフト41の周面から一端傾斜面422までの第2方向の長さd1よりも、小さい。
【0067】
同様に、Kカートリッジ1kの他端カム44の第2方向の長さは、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの他端カム44の第2方向の長さよりも、小さい。より具体的には、Kカートリッジ1kにおけるシャフト41の周面から他端傾斜面442までの第2方向の長さは、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cにおけるシャフト41の周面から他端傾斜面442までの第2方向の長さよりも、小さい。
【0068】
このようにすれば、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が接触位置と離間位置との間で移動する量(離間距離)が小さくなる。そのため、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が離間位置から接触位置へ移動するときの振動が小さくなる。したがって、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が離間位置から接触位置へ移動するときの振動により、イエローおよびマゼンタの印刷画像にムラが生じることを抑制できる。
【0069】
図9は、離間動作が行われるときに、ドロワフレーム91が撓む様子を、誇張して示した図である。ドロワフレーム91は、可撓性を有する樹脂により形成される。このため、離間動作時には、押圧機構60の押圧力により、ドロワフレーム91が変形する。具体的には、第3方向におけるドロワフレーム91の中央部が、第3方向におけるドロワフレーム91の一端および他端よりも、第1方向に大きく変位する。したがって、第3方向におけるドロワフレーム91の中央部は、第3方向におけるドロワフレーム91の一端および他端よりも、第1方向において、押圧機構60から離れる。
【0070】
また、4つの現像カートリッジ1のうち、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kは、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cよりも、第3方向におけるドロワフレーム91の端部の近くに位置する。したがって、離間動作の実行時には、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cは、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kよりも、第1方向において、押圧機構60から離れた位置へ移動する。本体フレーム101に対する4つの押圧部61の第1方向の移動量が同一の場合、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cのシャフト41の、ドロワフレーム91に対する第1方向の移動量は、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kのシャフト41の、ドロワフレーム91に対する第1方向の移動量よりも、小さくなる。
【0071】
しかしながら、本実施形態では、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの一端カム42および他端カム44の第2方向の長さが、Kカートリッジ1kの一端カム42および他端カム44の第2方向の長さよりも、大きい。このため、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの現像ローラ20が接触位置と離間位置との間で移動する量(離間距離)を、十分にとることができる。
【0072】
<4.変形例>
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0073】
<4-1.第1変形例>
上記の実施形態では、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの一端カム42の第2方向の長さよりも、Kカートリッジ1kの一端カム42の第2方向の長さを、小さくしていた。また、上記の実施形態では、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの他端カム44の第2方向の長さよりも、Kカートリッジ1kの他端カム44の第2方向の長さを、小さくしていた。すなわち、上記の実施形態では、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cが「第1現像カートリッジ」であり、Kカートリッジ1kが「第2現像カートリッジ」であった。
【0074】
したがって、上記の実施形態では、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの現像ローラ20が「第1現像軸について回転可能な第1現像ローラ」であり、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cのシャフト41が「第1シャフト」であり、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの一端カム42が「第1一端カム」であり、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの他端カム44が「第1他端カム」であり、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの一端傾斜面422および他端傾斜面442が「第1傾斜面」であった。また、上記の実施形態では、Kカートリッジ1kの現像ローラ20が「第2現像軸について回転可能な第2現像ローラ」であり、Kカートリッジ1kのシャフト41が「第2シャフト」であり、Kカートリッジ1kの一端カム42が「第2一端カム」であり、Kカートリッジ1kの他端カム44が「第2他端カム」であり、Kカートリッジ1kの一端傾斜面422および他端傾斜面442が「第2傾斜面」であった。
【0075】
また、上記の実施形態では、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの現像ローラ20と接触する感光ドラム92が「第1ドラム軸について回転可能な第1感光ドラム」であり、Kカートリッジ1kの現像ローラ20と接触する感光ドラム92が「第2ドラム軸について回転可能な第2感光ドラム」であった。また、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの一端カム42と接触する一端接触面911と、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、およびCカートリッジ1cの他端カム44と接触する他端接触面912とが「第1接触面」であり、Kカートリッジ1kの一端カム42と接触する一端接触面911と、Kカートリッジ1kの他端カム44と接触する他端接触面912とが「第2接触面」であった。
【0076】
また、上記の実施形態では、Y押圧部61y、M押圧部61m、およびC押圧部61cが「第1押圧部」であり、K押圧部61kが「第2押圧部」であった。
【0077】
しかしながら、
図9のようにドロワフレーム91が変形した場合、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cのシャフト41の、ドロワフレーム91に対する第1方向の移動量は、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kのシャフト41の、ドロワフレーム91に対する第1方向の移動量よりも、小さくなる。
【0078】
また、
図10のように、Yカートリッジ1yの現像ローラ20が接触位置から離間位置へ移動するときに、Cドラム92cおよびKドラム92kから印刷用紙9への印刷画像の転写が実行中である場合がある。この場合、Yカートリッジ1yの現像ローラ20が接触位置から離間位置へ移動するときの振動によって、シアンおよびブラックの印刷画像にムラが生じる可能性がある。
【0079】
そこで、Kカートリッジ1kと同様に、Yカートリッジ1yの一端カム42の第2方向の長さを、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの一端カム42の第2方向の長さよりも、小さくしてもよい。また、Kカートリッジ1kと同様に、Yカートリッジ1yの他端カム44の第2方向の長さを、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの他端カム44の第2方向の長さよりも、小さくしてもよい。
【0080】
このようにすれば、Yカートリッジ1yの現像ローラ20が接触位置と離間位置との間で移動する量(離間距離)が小さくなる。そのため、Yカートリッジ1yの現像ローラ20が接触位置から離間位置へ移動するときの振動が小さくなる。したがって、Yカートリッジ1yの現像ローラ20が接触位置から離間位置へ移動するときの振動により、シアンおよびブラックの印刷画像にムラが生じることを抑制できる。
【0081】
すなわち、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cを「第1現像カートリッジ」とし、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kを「第2現像カートリッジ」としてもよい。
【0082】
この場合、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの現像ローラ20が「第1現像軸について回転可能な第1現像ローラ」となり、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cのシャフト41が「第1シャフト」となり、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの一端カム42が「第1一端カム」となり、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの他端カム44が「第1他端カム」となり、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの一端傾斜面422および他端傾斜面442が「第1傾斜面」となる。また、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kの現像ローラ20が「第2現像軸について回転可能な第2現像ローラ」となり、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kのシャフト41が「第2シャフト」となり、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kの一端カム42が「第2一端カム」となり、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kの他端カム44が「第2他端カム」となり、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kの一端傾斜面422および他端傾斜面442が「第2傾斜面」となる。
【0083】
また、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの現像ローラ20と接触する感光ドラム92が「第1ドラム軸について回転可能な第1感光ドラム」となり、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kの現像ローラ20と接触する感光ドラム92が「第2ドラム軸について回転可能な第2感光ドラム」となる。また、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの一端カム42と接触する一端接触面911と、Mカートリッジ1mおよびCカートリッジ1cの他端カム44と接触する他端接触面912とが「第1接触面」となり、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kの一端カム42と接触する一端接触面911と、Yカートリッジ1yおよびKカートリッジ1kの他端カム44と接触する他端接触面912とが「第2接触面」となる。
【0084】
また、M押圧部61mおよびC押圧部61cが「第1押圧部」となり、Y押圧部61yおよびK押圧部61kが「第2押圧部」となる。
【0085】
<4-2.他の変形例>
上記の実施形態では、弾性部材として、コイルばねを使用していた。しかしながら、コイルばねに代えて、板ばね、ねじりばね等の他の種類のばねを使用してもよい。また、ばねに代えて、ゴム、スポンジ等の他の種類の弾性部材を使用してもよい。
【0086】
また、上記の実施形態では、4つの現像カートリッジ1が、ドロワ2に装着された状態において、Yカートリッジ1y、Mカートリッジ1m、Cカートリッジ1c、Kカートリッジ1kの順で、第3方向に並んでいた。しかしながら、4つの現像カートリッジ1は、他の順番で並んでいてもよい。また、現像カートリッジ1に収容される現像剤の色は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラック以外の色であってもよい。
【0087】
また、上記の実施形態では、ドロワフレーム91に装着可能な現像カートリッジ1の数が4つであった。しかしながら、ドロワフレーム91に装着可能な現像カートリッジ1の数は、2~3つであってもよく、あるいは5つ以上であってもよい。
【0088】
また、上記の実施形態および変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 現像カートリッジ
2 ドロワ
9 印刷用紙
10 筐体
20 現像ローラ
30 ギア部
40 離間ユニット
41 シャフト
42 一端カム
44 他端カム
60 押圧機構
61 押圧部
91 ドロワフレーム
92 感光ドラム
100 画像形成装置
422 一端傾斜面
442 他端傾斜面