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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】現像剤収容容器、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20241029BHJP
【FI】
G03G15/08 343
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021070500
(22)【出願日】2021-04-19
(65)【公開番号】P2022165231
(43)【公開日】2022-10-31
【審査請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】野原 佑太
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-221825(JP,A)
【文献】特開2001-042626(JP,A)
【文献】特開2000-310901(JP,A)
【文献】特開平07-261492(JP,A)
【文献】特開2020-046610(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0263146(US,A1)
【文献】中国実用新案第205263473(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0077100(US,A1)
【文献】米国特許第05495323(US,A)
【文献】中国特許出願公開第1938651(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が水平面に沿う姿勢で用いられる現像剤収容容器であって、
前記回転軸を中心に特定方向へ回転されることにより内部に収容された現像剤を前記回転軸に沿った搬送方向へ搬送する収容部と、
前記収容部における前記搬送方向の下流側の端部から前記搬送方向へ前記回転軸と同心の筒状に延出して設けられ、内周部が前記搬送方向に沿って径方向に広がるテーパー状に形成されており、前記搬送方向へ開口する開口部と前記収容部とを連通させる連通部と、
前記連通部の外周部に設けられ、外部から供給される回転駆動力を受けるギヤ部と、
を備える現像剤収容容器。
【請求項2】
前記連通部は、内周部において前記回転軸に沿って形成された突条部を備える、
請求項1に記載の現像剤収容容器。
【請求項3】
前記突条部は、前記特定方向の下流側を向く壁面を有する、
請求項2に記載の現像剤収容容器。
【請求項4】
前記突条部は、突出先端部が前記特定方向の下流側を向く爪状に形成される、
請求項3に記載の現像剤収容容器。
【請求項5】
前記突条部は、前記連通部の内周面から前記搬送方向へ延出する、
請求項2~4のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項6】
前記収容部、前記連通部、及び前記ギヤ部は、樹脂によって一体に形成される、
請求項1~5のいずれかに記載の現像剤収容容器。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の現像剤収容容器と、
前記現像剤収容容器から供給される前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤収容容器、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式で画像を形成可能なプリンターなどの画像形成装置は、トナーなどの現像剤を収容する現像剤収容容器を備える。前記現像剤収容容器は、筒状の収容部を備える。前記収容部は、水平面に沿った回転軸を中心に特定方向へ回転されることにより内部に収容された前記現像剤を前記回転軸に沿った搬送方向へ搬送する。
【0003】
また、前記収容部よりも前記搬送方向の下流側に、外部から供給される回転駆動力を前記収容部に伝達するギヤ部を設けた現像剤収容容器が関連技術として知られている(特許文献1参照)。この関連技術に係る現像剤収容容器は、前記ギヤ部を支持し、前記現像剤が前記搬送方向へ排出される開口部と前記収容部とを連通させる連通部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-221825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の関連技術に係る現像剤収容容器では、前記連通部に前記現像剤を搬送するための構成が設けられていない。そのため、前記現像剤収容容器の交換時において前記連通部に前記現像剤が残存する。
【0006】
本発明の目的は、現像剤収容容器の交換時に当該容器内に残存する現像剤を低減可能な現像剤収容容器、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一の局面に係る現像剤収容容器は、回転軸が水平面に沿う姿勢で用いられ、収容部と、連通部と、ギヤ部とを備える。前記収容部は、前記回転軸を中心に特定方向へ回転されることにより内部に収容された現像剤を前記回転軸に沿った搬送方向へ搬送する。前記連通部は、前記収容部における前記搬送方向の下流側の端部から前記搬送方向へ前記回転軸と同心の筒状に延出して設けられ、内周部が前記搬送方向に沿って径方向に広がるテーパー状に形成されており、前記搬送方向へ開口する開口部と前記収容部とを連通させる。前記ギヤ部は、前記連通部の外周部に設けられ、外部から供給される回転駆動力を受ける。
【0008】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記現像剤収容容器と、画像形成部とを備える。前記画像形成部は、前記現像剤収容容器から供給される前記現像剤を用いて画像を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現像剤収容容器の交換時に当該容器内に残存する現像剤を低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のトナー補給部の構成を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のトナー容器の構成を示す側面図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の容器本体の構成を示す側面図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の挿入口部の構成を示す正面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の駆動部の構成を示す斜視図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のロック機構周辺の構成を示す斜視図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のロック機構周辺の構成を示す斜視図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のロック解除部の構成を示す背面図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のロック解除部の構成を示す背面図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の把持部の構成を示す斜視図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の把持部の構成を示す正面図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の汲み上げ部の構成を示す斜視図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の汲み上げ部の構成を示す側面図である。
図15図15は、図14のX1-X1矢視断面図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の汲み上げ部の構成を示す平面図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の連通部周辺の構成を示す斜視図である。
図18図18は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の連通部周辺の構成を示す斜視図である。
図19図19は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の開口部の構成を示す背面図である。
図20図20は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の延出部の構成を示す断面図である。
図21図21は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の連通部周辺の構成を示す断面図である。
図22図22は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のトナー容器の構成を示す断面図である。
図23図23は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のギヤ部の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[画像形成装置100の構成]
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。
【0013】
なお、以下の説明では、画像形成装置100が設置された状態を基準として上下方向D1を定義する。また、画像形成装置100に対してトナー容器200が挿入される側を手前側(正面側)として前後方向D2を定義する。また、画像形成装置100を手前側(正面側)から見て左右方向D3を定義する。
【0014】
画像形成装置100は、少なくとも印刷機能を備えた装置である。画像形成装置100は、トナー(本発明の現像剤の一例)を含む現像剤を用いて、シート部材である印刷用紙に画像を印刷する。例えば、画像形成装置100は、カラープリンターである。なお、画像形成装置100は、モノクロプリンターであってもよいし、ファクシミリ装置、コピー機、及び複合機などであってもよい。
【0015】
画像形成装置100は、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置である。図1に示されるように、画像形成装置100は、複数の画像形成部1~4と、光走査装置5と、中間転写ユニット6と、二次転写装置7と、定着装置8と、制御部9と、操作表示部10と、給紙トレイ11と、排紙トレイ12と、トナー補給部13とを備えている。これらの構成要素は、画像形成装置100の外部フレーム(不図示)や内部フレームなどを構成する筐体14に取り付けられている。
【0016】
画像形成部1~4は、並設された複数の感光体ドラム21各々に色の異なるトナー像を所謂電子写真方式によって形成する。前記トナー像は、走行中(移動中)の中間転写ベルト6Aに順次重ね合わさるように転写される。図1に示されるように、画像形成部1~4は、中間転写ベルト6Aの移動方向D4の下流側から順に、黒色用の画像形成部1、イエロー用の画像形成部2、シアン用の画像形成部3、及びマゼンタ用の画像形成部4がその順番で一列に配置されている。
【0017】
画像形成部1~4各々は、中間転写ベルト6Aの下側に設けられている。画像形成部1~4各々は、トナー像を担持する感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、及び一次転写装置24などを備えている。感光体ドラム21の表面は帯電装置22によって帯電され、光走査装置5によって帯電された感光体ドラム21の表面が露光走査される。これにより、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。現像装置23は、前記静電潜像をトナーによって現像する。そして、一次転写装置24によって、感光体ドラム21上のトナー像が中間転写ベルト6Aに転写される。
【0018】
中間転写ユニット6は、中間転写ベルト6Aと、駆動ローラー6Bと、従動ローラー6Cと、ベルトクリーニング装置6Dとを有する。中間転写ベルト6Aは、複数色(本実施形態では4色)のトナー像からなるトナー像を担持する。中間転写ベルト6Aは、駆動ローラー6B及び従動ローラー6Cによって回転駆動可能に支持されることにより、その表面が各感光体ドラム21の表面に接しながら移動可能となる。中間転写ベルト6Aが回転駆動されると、その表面が感光体ドラム21と一次転写装置24との間を通過する。その際に、複数の感光体ドラム21に担持された各色のトナー像が重ね合わさるように順に中間転写ベルト6Aに転写される。
【0019】
中間転写ユニット6の上方には、トナー補給部13が設けられている。トナー補給部13は、画像形成部1~4各々に、対応する色のトナーを供給する。
【0020】
二次転写装置7は、中間転写ベルト6Aに転写されたトナー像を給紙トレイ11から搬送されてきた印刷用紙に転写する。トナー像が転写された印刷用紙は、図示しない搬送部によって定着装置8に搬送される。定着装置8は、加熱ローラー8Aと加圧ローラー8Bとを有する。定着装置8は、トナー像が転写された印刷シートに対して熱と圧力を加えながら搬送する。これにより、トナー像が溶融して印刷シートに定着される。トナー像が定着された印刷シートは、更に下流側へ搬送されて、中間転写ユニット6の上方に配置されたトレイ状の排紙トレイ12に排出されて保持される。
【0021】
ベルトクリーニング装置6Dは、中間転写ベルト6Aの表面に残存した廃トナーを除去して回収し、回収した廃トナーを廃トナー容器6Eに排出する。
【0022】
制御部9は、不図示のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM(登録商標)などの制御機器を備える。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。前記RAMは揮発性又は不揮発性の記憶装置である。前記EEPROMは不揮発性の記憶装置である。前記RAM及び前記EEPROMは、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。制御部9では、前記CPUにより前記ROMに予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置100が制御部9により統括的に制御される。なお、制御部9は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよく、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0023】
操作表示部10は、制御部9からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザー操作に応じて制御部9に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0024】
[トナー補給部13の構成]
次に、図1図10を参照して、トナー補給部13について説明する。
【0025】
図1に示されるように、トナー補給部13は、黒、イエロー、シアン、マゼンタの各色に対応するトナー容器200(本発明の現像剤収容容器の一例)と、トナー容器200各々が装着される装着部30とを備える。
【0026】
また、図2及び図5に示されるように、トナー補給部13は、挿入口部31と、駆動部32と、ロックカバー33とを備える。
【0027】
また、図7に示されるように、トナー補給部13は、ロック機構34と、ロック解除部35とを備える。
【0028】
トナー容器200は、現像装置23に補給されるトナーを収容する。本実施形態では、黒、イエロー、シアン、マゼンタの各色に対応する4つのトナー容器200がトナー補給部13に設けられている。図2では、イエロー用のトナー容器200だけが示されており、他の色のトナー容器200の図示が省略されている。図5では、イエロー用のトナー容器200に対応するロックカバー33及びロック機構34だけが示されており、他の色のトナー容器200に対応するロックカバー33及びロック機構34の図示が省略されている。各色のトナー容器200は、黒用のトナー容器200が他の色のトナー容器200に比べて外径が大きい点を除けば、共通の構成を備える。以下、特筆しない限り、図2に示されたイエロー用のトナー容器200、及びそのトナー容器200に対応する構成について説明する。
【0029】
図3に示されるように、トナー容器200は、容器本体201と、キャップ部202とを備える。
【0030】
容器本体201は、トナーを収容するとともに、トナーを搬送方向D5(図3参照)に沿って搬送する。搬送方向D5は、画像形成装置100の前面(正面)から後面(背面)へ向かう方向である。容器本体201は、ポリエチレンテレフタラート(PET樹脂)などの合成樹脂によって一体に形成される。例えば、容器本体201は、連通部214、ギヤ部215、及び開口部216(図4参照)が射出成型によって形成される。また、容器本体201は、収容部211、及び把持部212がインジェクションブロー成型によって形成される。
【0031】
図4に示されるように、容器本体201は、収容部211、把持部212、連通部214、ギヤ部215、及び開口部216を備える。
【0032】
収容部211は、トナー容器200の回転軸203(図3及び図4参照)と同心の筒状に形成される。具体的に、収容部211は円筒状に形成される。収容部211の内部には、補給用のトナーが収容される。
【0033】
トナー容器200では、容器本体201が回転軸203を中心に回転可能に設けられる。収容部211の内周部には、回転軸203に沿って螺旋状に形成された突起部211A(図4参照)が設けられている。図4には、突起部211Aに対応して収容部211の外周部に形成された螺旋状の凹部が示されている。収容部211は、内部に螺旋状の突起部211Aが形成されることにより、回転軸203を中心に第1方向D6(本発明の特定方向の一例)(図2参照)へ回転することで、内部に収容されたトナーを回転軸203に沿った搬送方向D5へ搬送可能である。
【0034】
把持部212は、容器本体201における搬送方向D5の上流側の端部に設けられる。把持部212は、トナー容器200が挿入口部31(図2及び図5参照)から前方向に引き抜かれる際にユーザーの手によって握られる部分である。トナー容器200は、搬送方向D5の先端部を先頭にして挿入口部31に挿入される。
【0035】
図4に示されるように、把持部212は、収容部211における搬送方向D5の上流側の端面211Bから搬送方向D5の上流側へ突出して設けられる。具体的に、把持部212は、端面211Bから回転軸203と同心の円柱状に突出して設けられる。把持部212は、内部が中空に形成されており、内部空間が収容部211に連通する。把持部212の内部には、補給用のトナーが収容される。
【0036】
把持部212は、突出先端部が突出基端部よりも回転軸203に直交する径方向に拡張して形成される。具体的に、把持部212は、図4に示されるように、小径部221、及び大径部222を有する。小径部221は、把持部212における突出基端部側に形成される。大径部222は、把持部212における突出先端部側に形成される。大径部222は、小径部221に隣接して設けられる。大径部222は、小径部221よりも径が大きい。把持部212がこのように形成されているため、ユーザーは、大径部222に指を引っかけて、挿入口部31からトナー容器200を引き抜くことが可能である。なお、把持部212は、突出基端部から突出先端部まで、前記径方向のサイズが任意の段数で段階的に拡張してもよい。また、把持部212は、突出基端部から突出先端部まで、前記径方向のサイズが連続的に拡張してもよい。
【0037】
開口部216は、容器本体201における搬送方向D5の下流側の端部に設けられる。開口部216は、回転軸203に沿った搬送方向D5へ向けて開口する。開口部216からは、容器本体201内部のトナーが搬送方向D5へ排出される。
【0038】
連通部214は、収容部211における搬送方向D5の下流側の端部から搬送方向D5へ、回転軸203と同心の筒状に延出して設けられる。具体的に、図4に示されるように、連通部214は、収容部211よりも径が小さい筒状に形成される。連通部214は、収容部211の内部空間と、開口部216とを連通させる。開口部216は、連通部214における搬送方向D5の下流側の端部と同サイズで形成される。開口部216は、連通部214における搬送方向D5の下流側の端部であるともいえる。
【0039】
ギヤ部215は、連通部214の外周部241(図13参照)に設けられる。ギヤ部215は、駆動部32から供給される回転駆動力を受ける。容器本体201は、ギヤ部215を含む各構成が一体に形成されている。そのため、ギヤ部215が駆動部32から供給される回転駆動力を受けると、容器本体201は回転軸203を中心に回転する。
【0040】
キャップ部202は、容器本体201における後端部、つまり開口部216に取り付けられる。キャップ部202は、開口部216を含む連通部214の一部を覆うことが可能なサイズで、一方向が開放された筒状に形成される。
【0041】
キャップ部202は、開口部216よりも搬送方向D5の下流側で、開口部216から排出されるトナーを下方へ案内する。キャップ部202の内部には、開口部216から排出されたトナーを下方へ案内するガイド空間202A(図22参照)が形成される。ガイド空間202Aは、キャップ部202の内周部、及び開口部216に対向する内壁面により形成される。キャップ部202の内部では、開口部216とキャップ部202との間に形成される隙間がシール部材202B(図22参照)によって埋められる。キャップ部202の内周部の底部には、トナーがキャップ部202の外部へ排出される排出口202C(図22参照)が形成されている。
【0042】
装着部30には、トナー容器200が装着される。装着部30は、トナー容器200各々に対応して設けられる。装着部30は、筐体14の内部において、前後方向D2に延在するトナー容器200の収容空間を形成する。トナー容器200は、回転軸203が水平面に沿う姿勢で、装着部30に装着される。
【0043】
挿入口部31は、画像形成装置100の筐体14の側面に設けられる。具体的に、挿入口部31は、筐体14の前面(正面)に設けられる。筐体14の前面には、左右方向D3に長尺なロックフレーム14A(図5参照)が設けられている。挿入口部31は、ロックフレーム14Aに形成される。挿入口部31は、装着部30各々に対応して設けられる。挿入口部31は、装着部30の前端部に位置しており、装着部30に通じている。挿入口部31には、トナー容器200が挿入される。
【0044】
駆動部32は、トナー容器200の容器本体201を回転させる。駆動部32は、装着部30各々に対応して設けられる。駆動部32は、装着部30の後端部に設けられる(図2参照)。
【0045】
図6に示されるように、駆動部32は、モーター41、第1ギヤ42、第2ギヤ43、シャフト44、及び第3ギヤ45を備える。第1ギヤ42は、モーター41の駆動軸に固定される。第2ギヤ43は、シャフト44における一方の端部に固定され、第1ギヤ42と噛合する。シャフト44は、筐体14内部の不図示の軸受けによって回転可能に支持される。第3ギヤ45は、シャフト44における他方側の端部に固定され、容器本体201のギヤ部215に噛合する。
【0046】
駆動部32では、モーター41で生成される回転駆動力が、第1ギヤ42、第2ギヤ43、シャフト44、及び第3ギヤ45を介してギヤ部215に伝達される。これにより、容器本体201は、回転軸203を中心に回転する。
【0047】
ロックカバー33は、挿入口部31を開閉する。ロックカバー33は、挿入口部31各々に対応して設けられる。図5に示されるように、ロックカバー33は、ロックフレーム14Aの前側に設けられる。
【0048】
図7に示されるように、ロックカバー33は、平板状部51と、軸受け部52と、揺動軸53とを備える。平板状部51は、挿入口部31を覆うカバーとして機能する。軸受け部52は、ロックカバー33を開閉可能に支持する。軸受け部52は、平板状部51の下部に設けられ、左右方向D3に沿った回転軸が挿通される。当該回転軸は、ロックフレーム14Aの下部において固定される。これにより、ロックカバー33は、当該回転軸を中心に回動して、挿入口部31を閉じる閉状態と、挿入口部31を開く開状態との間で状態移行することが可能である。揺動軸53は、平板状部51における内面(裏面)から前後方向D2に沿って突出して設けられる(図9及び図10参照)。
【0049】
ロック機構34は、ロックカバー33の閉状態から開状態への状態移行を制限する。ロック機構34は、ロックカバー33各々に対応して設けられる。図5に示されるように、ロック機構34は、ロックフレーム14Aの上部に設けられる。
【0050】
図7に示されるように、ロック機構34は、アーム支持部61と、アーム部62と、係合部63と、被係合部64とを備える。アーム支持部61は、ロックフレーム14Aの上部に固定される。アーム部62は、アーム支持部61から前方向に突出して設けられる。係合部63は、アーム部62における突出方向の先端から左方向に突出して設けられる。図8に示されるように、係合部63は、前斜め下方向を向く傾斜面63Aを有する。傾斜面63Aは、係合部63における前端部から後端部へ向けて下方へ傾斜して形成される。被係合部64は、ロックカバー33の揺動軸53を中心に揺動可能に設けられる。被係合部64は、係合部63と係合可能に形成される。図8に示されるように、被係合部64は、傾斜面64Aを有する。傾斜面64Aは、ロックカバー33が閉状態である場合に、後斜め上方向を向く。傾斜面64Aは、ロックカバー33が開状態から閉状態へ状態移行する際に、係合部63の傾斜面63Aと接触して被係合部64を下方へ揺動させる。これにより、被係合部64が係合部63の後ろ側へ案内されて、係合部63と被係合部64とが係合する。係合部63と被係合部64との係合によって、ロックカバー33の閉状態から開状態への状態移行が制限される。
【0051】
ロック解除部35は、ロック機構34によるロックカバー33の状態移行の制限を解除する。ロック解除部35は、ロック機構34各々に対応して設けられる。ロック解除部35は、ロックカバー33における平板状部51の内面(裏面)に設けられる。
【0052】
図7及び図9に示されるように、ロック解除部35は、第1レバー部71と、第2レバー部72とを備える。第1レバー部71は、回転軸203と平行な揺動軸53(図9参照)から回転軸203側へ向けて延出しており、延出基端部が揺動軸53によって揺動可能に支持される。図9に示されるように、第1レバー部71は、揺動軸53から把持部212へ向けて延出して設けられる。図9に示されるように、第1レバー部71は、揺動軸53に挿通される軸受け部71Aと、軸受け部71Aから揺動軸53に直交する方向へ延出する延出部71Bと、延出部71Bの左側に設けられた押圧部71Cとを備える。第2レバー部72は、揺動軸53を中心に揺動可能に設けられ、被係合部64を支持する。第2レバー部72は、第1レバー部71と平板状部51の内面(裏面)との間に設けられる。図9に示されるように、第2レバー部72は、揺動軸53に挿通される軸受け部72Aと、軸受け部72Aから右方向へ延出して被係合部64を支持する支持部72Bと、軸受け部72Aから左方向へ延出する被押圧部72Cとを備える。
【0053】
ロック解除部35は、第1レバー部71の、第1方向D6とは逆の第2方向D7(図9参照)側への揺動に応じて、ロック機構34によるロックカバー33の状態移行の制限を解除する。
【0054】
具体的に、第1レバー部71の延出部71Bは、装着部30に装着されたトナー容器200の把持部212と接触可能に設けられる。第1レバー部71は、容器本体201が第2方向D7へ回転すると、把持部212と接触して第2方向D7側へ揺動される。これにより、第1レバー部71の押圧部71Cが第2レバー部72の被押圧部72Cを上方向へ押圧し、第2レバー部72の支持部72B及び被係合部64が下方向へ揺動して、係合部63と被係合部64との係合が解除される。つまり、ロック機構34によるロックが解除される。なお、容器本体201が第1方向D6へ回転する場合、第1レバー部71は把持部212と接触して第1方向D6側へ揺動されるが、第2レバー部72は第1レバー部71の揺動に連動しない。そのため、容器本体201が第1方向D6へ回転されても、ロック機構34によるロックは解除されない。
【0055】
ところで、把持部212の外周面に設けられ、当該外周面から前記径方向の外側へ突出しており、収容部211と一体に回転して第1レバー部71と接触する突起部を備える画像形成装置が関連技術として知られている。
【0056】
しかしながら、上述の関連技術に係る画像形成装置では、前記突起部が把持部212の外周面から前記径方向の外側に突出して設けられるため、当該突出部と第1レバー部71とが接触する際に衝突音が発生する。
【0057】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、トナー容器200の駆動時に生じる衝突音を抑制することが可能である。
【0058】
[容器本体201の構成]
以下、図11図23を参照して、容器本体201について説明する。
【0059】
把持部212は、収容部211と一体に回転して第1レバー部71と接触する接触部224を備える。接触部224は、把持部212の外周部に設けられる。
【0060】
具体的に、接触部224は、回転軸203と同心であって第1レバー部71と交差しない基準円223(図9及び図12参照)における第1位置P1(図12参照)から基準円223における回転軸203を挟んで第1位置P1と対向する第2位置P2(図12参照)へ向けて基準円223の外側を通って湾曲する湾曲面224Aを有する。湾曲面224Aは、第1レバー部71と交差するように、つまり第1レバー部71と接触可能に形成される。
【0061】
図11及び図12に示されるように、把持部212の大径部222は、回転軸203と同心の楕円柱状に形成される。接触部224は、大径部222に含まれる基準円223からの膨出部である。つまり、大径部222には、回転軸203を挟んで対向する一対の接触部224が設けられる。なお、把持部212の小径部221も、大径部222と同様に、楕円柱状に形成される。
【0062】
以上に説明した接触部224を設けることにより、把持部212の外周部に設けられる第1レバー部71との接触面を可能な限り寝かせることが可能である。これにより、接触部224と第1レバー部71とが接触する際に生じる衝突音を抑制することが可能である。従って、画像形成装置100では、トナー容器200の駆動時に生じる衝突音を抑制することが可能である。
【0063】
なお、把持部212の外周部に設けられる接触部224の数は、一つ又は3つ以上であってもよい。この場合、小径部221は、接触部224を含む大径部222と同様の形状で形成されてもよいし、円柱状に形成されてもよい。また、把持部212は、突出基端部から突出先端部へ向けて前記径方向のサイズが拡張することなく形成されてもよい。また、接触部224は、収容部211の外周部に設けられてもよい。
【0064】
ところで、収容部211における搬送方向D5の下流側の端部を先細りに形成して連通部214に接続し、突起部211Aを搬送方向D5に沿って連通部214との接続部まで形成することにより、収容部211内のトナーを連通部214へ案内する現像剤収容容器が関連技術として知られている。
【0065】
しかしながら、上述の関連技術に係る現像剤収容容器では、前記接続部に形成された突起部211Aによってトナーに付与される搬送力が弱いため、当該容器の交換時において連通部214にトナーが残存する。
【0066】
また、連通部214にトナーを搬送するための構成が設けられていない場合においても、現像剤収容容器の交換時において連通部214にトナーが残存する。
【0067】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、トナー容器200の交換時に当該容器内に残存するトナーを低減することが可能である。
【0068】
具体的に、図13及び図14に示されるように、収容部211における搬送方向D5の下流側の端部には、汲み上げ部231、及びガイド部234が設けられる。また、連通部214は、内周部が搬送方向D5に沿って前記径方向に拡張するテーパー状に形成される(図21参照)。以下、これらの特徴を順に説明する。
【0069】
汲み上げ部231は、収容部211における搬送方向D5の下流側の端部であって、連通部214よりも前記径方向の外側で第1方向D6を向く汲み上げ面231A(図14及び図15参照)を有する。汲み上げ部231は、収容部211の第1方向D6への回転に応じて、汲み上げ面231Aに接するトナーを汲み上げる。なお、図15では、連通部214の内周部242における搬送方向D5の上流側の端部242Aが破線によって示されている。
【0070】
図14に示されるように、汲み上げ面231Aは、搬送方向D5に沿って第1方向D6の上流側に傾斜して形成される。これにより、汲み上げ面231Aによって汲み上げられたトナーは、搬送方向D5の下流側へ案内される。
【0071】
汲み上げ部231は、汲み上げ面231Aにおける搬送方向D5の下流側の端部で第1方向D6に立設され、前記径方向の内側の端部が前記径方向の外側の端部よりも搬送方向D5側に傾斜する壁部231B(図14及び図16参照)を有する。壁部231Bは、汲み上げ面231Aによって汲み上げられたトナーを前記径方向の内側、つまり連通部214側へ案内する。
【0072】
ガイド部234は、汲み上げ部231によって汲み上げられたトナーを連通部214へ案内する。具体的に、ガイド部234は、収容部211の第1方向D6への回転に伴って前記径方向の内側へ向けて下方へ傾斜する汲み上げ面231Aから滑落するトナーを、連通部214へ案内する。
【0073】
図13図16に示されるように、ガイド部234は、汲み上げ部231よりも前記径方向の内側で汲み上げ面231A及び連通部214の内周面と連続して設けられる。
【0074】
図14及び図15に示されるように、ガイド部234は、汲み上げ面231Aにおける前記径方向の内側の端部から連通部214の内周面に沿って傾斜して形成される。
【0075】
図16に示されるように、ガイド部234は、汲み上げ面231Aにおける搬送方向D5の上流側の端部から連通部214へ向けて末広がりに形成される。
【0076】
収容部211は、回転軸203を挟んで対向する一対の汲み上げ部231(図15参照)を備える。一対の汲み上げ部231のうち、第1汲み上げ部232は、突起部211Aにおける搬送方向D5の下流側の端部と連続して設けられる(図14参照)。また、一対の汲み上げ部231のうち、第2汲み上げ部233は、収容部211の突起部211Aと連続しない(図13参照)。
【0077】
また、収容部211は、一対の汲み上げ部231に対応する一対のガイド部234(図15参照)を備える。一対のガイド部234のうち、第1ガイド部235は第1汲み上げ部232に対応して設けられる。また、一対のガイド部234のうち、第2ガイド部236は第2汲み上げ部233に対応して設けられる。
【0078】
以上に説明した汲み上げ部231、及びガイド部234を設けることにより、収容部211内のトナーを回転軸203よりも上側の位置から連通部214へ向けて滑落させることが可能である。これにより、連通部214との接続部まで形成された突起部211Aを用いてトナーを連通部214へ搬送する構成と比較して、より強い搬送力でトナーを連通部214へ搬送することが可能である。従って、トナー容器200の交換時に当該容器内に残存するトナーを低減することが可能である。
【0079】
なお、収容部211に設けられる汲み上げ部231の数は3つ以上であってもよい。この場合、ガイド部234は、汲み上げ部231の数に対応して設けられればよい。また、収容部211に設けられる汲み上げ部231は、第1汲み上げ部232、及び第2汲み上げ部233のいずれか一つであってもよい。
【0080】
また、ガイド部234は、汲み上げ面231Aにおける搬送方向D5の上流側の端部よりも搬送方向D5の下流側から連通部214へ向けて末広がりに形成されてもよい。また、壁部231Bは、前記径方向の内側の端部が前記径方向の外側の端部よりも搬送方向D5側に傾斜していなくてもよい。また、汲み上げ面231Aは、搬送方向D5に沿って第1方向D6の上流側に傾斜していなくてもよい。
【0081】
図21に示されるように、連通部214の内周部242は、搬送方向D5に沿って前記径方向の外側へ特定角度Z1で傾斜して形成される。例えば、特定角度Z1は、10度までの範囲で任意に設定される角度である。
【0082】
また、連通部214は、内周部242において回転軸203に沿って形成された突条部243(図18参照)を備える。
【0083】
図18及び図19に示されるように、突条部243は、内周部242の内周に沿って間隔を空けて6つ設けられる。
【0084】
図18に示されるように、突条部243は、内周部242における搬送方向D5の上流側の端部242Aから下流側の端部、つまり開口部216まで延在する。
【0085】
図19に示されるように、突条部243は、連通部214の内周面から当該内周面と交差する搬送方向D5へ延出する。つまり、突条部243は、内周部242における搬送方向D5の上流側の端部242Aよりも前記径方向の外側に設けられる。例えば、突条部243の頂部は、端部242Aを通り、回転軸203に平行な直線に沿って形成される(図19参照)。この場合、突条部243は、搬送方向D5に沿って内周部242からの突出量が徐々に大きくなる。これにより、突条部243における搬送方向D5の上流側の端部と内周部242との間に段差が生じることを回避可能である。つまり、当該段差がトナーの搬送の妨げとなることを回避可能である。
【0086】
図19に示されるように、突条部243は、第1方向D6の下流側を向く壁面243Aを有する。壁面243Aは、収容部211の第1方向D6への回転に応じて、壁面243Aに接するトナーを汲み上げて、下方へ滑落させる。
【0087】
図19に示されるように、突条部243は、突出先端部が第1方向D6の下流側を向く爪状に形成される。つまり、突条部243は、壁面243Aにおける前記径方向の内側の端部から第1方向D6の上流側へ向けて内周部242へ傾斜する傾斜面を有する。これにより、突条部243が壁面243A及び第1方向D6の上流側を向く壁面を備える構成と比較して、突条部243のサイズを小型化可能である。
【0088】
以上に説明した内周部242を備えることにより、連通部214内のトナーを搬送方向D5の下流側へ滑落させることが可能である。また、突条部243によってトナーを汲み上げて落下させ、落下したトナーと内周部242とを接触させることにより、落下のエネルギーを搬送方向D5への搬送力に変換してトナーに付与することが可能である。
【0089】
なお、突条部243は、内周部242における搬送方向D5の上流側の端部242Aから開口部216までの間の任意の区間に設けられてもよい。また、突条部243は、内周部242からの突出量が一定で搬送方向D5に沿って延在して設けられてもよい。また、突条部243は、内周部242において回転軸203に沿って形成されているものであれば、任意の形状であってよい。また、内周部242に設けられる突条部243の数は、ゼロを含む任意の数であってよい。
【0090】
ところで、キャップ部202(図22参照)に付着するトナーの凝固を抑制するために、容器本体201内から開口部216を越えて搬送方向D5の下流側へ延出する撹拌部材を備える画像形成装置が関連技術として知られている。
【0091】
しかしながら、上述の関連技術に係る画像形成装置では、容器本体201と前記撹拌部材とが別々の部材によって構成されており、現像剤収容容器の製造時において容器本体201に前記撹拌部材を取り付ける手間が生じる。
【0092】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、トナー容器200の製造時に生じる手間を軽減することが可能である。
【0093】
図17に示されるように、容器本体201は、延出部217を備える。
【0094】
延出部217は、容器本体201と一体に形成される。延出部217は、容器本体201内から開口部216を越えて搬送方向D5の下流側へ延出する。
【0095】
図18及び図19に示されるように、延出部217は、連通部214の内周面に沿った平板状に形成されており、延出基端部が連通部214の内周部242によって支持される。これにより、内周部242における延出部217の延出基端部の支持面積を大きくすることが可能である。また、延出部217が連通部214におけるトナーの移動の妨げとなることを抑制可能である。
【0096】
図17及び図18に示されるように、延出部217のうち容器本体201の外部に露出する露出部261は、第1方向D6における下流側の端面261Aが搬送方向D5に沿って第1方向D6の上流側へ傾斜して形成される。例えば、露出部261は、側面視が略三角の形状で形成される(図17参照)。これにより、延出部217がキャップ部202の内壁に付着したトナーと接触した際に延出部217の延出基端部にかかる第1方向D6に沿った力を分散させることが可能である。従って、延出部217の耐久性を向上させることが可能である。
【0097】
図19及び図20に示されるように、延出部217は、突条部243と同様に、連通部214の内周面から当該内周面と交差する搬送方向D5へ延出する。つまり、延出部217は、内周部242における搬送方向D5の上流側の端部242Aよりも前記径方向の外側に設けられる。例えば、延出部217の上部は、端部242Aを通り、回転軸203に平行な直線に沿って形成される(図19参照)。また、延出部217は、開口部216から搬送方向D5の下流側へ、回転軸203と直交する方向に所定の厚みを持って延出する(図19及び図20参照)。これにより、延出部217における搬送方向D5の上流側の端部と内周部242との間に段差が生じることを回避可能である。つまり、当該段差がトナーの搬送の妨げとなることを回避可能である。
【0098】
以上に説明した延出部217を備えることにより、トナー容器200の製造時に生じる延出部217を取り付ける手間を省くことが可能である。従って、トナー容器200の製造時に生じる手間を軽減することが可能である。
【0099】
なお、延出部217は、内周部242からの突出量が一定で搬送方向D5に沿って延在して設けられてもよい。また、露出部261は、任意の形状で形成されてよい。また、延出部217は、連通部214の内周面に沿った平板状とは異なる形状で形成されてもよい。
【0100】
ところで、従来の画像形成装置では、装置本体の駆動によって発生する熱がギヤ部215を介して収容部211に伝達されることがある。この場合、収容部211内のトナーが温められて、当該トナーが固まりやすくなる。
【0101】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、ギヤ部215を介する本体側からの熱伝達を抑制することが可能である。
【0102】
図21及び図23に示されるように、ギヤ部215は、支持部251、歯部252、及びリブ253を備える。
【0103】
図21及び図23に示されるように、支持部251は、連通部214の外周部241において回転軸203と同心の円板状に形成される。
【0104】
図21及び図23に示されるように、歯部252は、支持部251における搬送方向D5に直交する支持面251Aの縁部に沿って設けられる。支持面251Aは、支持部251における搬送方向D5の上流側の面である。歯部252は、支持面251Aの縁部に沿って環状に形成された支持部と、当該支持部の外周面に形成された歯とを有する。歯部252は、駆動部32の第3ギヤ45と噛合する。
【0105】
図21及び図23に示されるように、リブ253は、支持面251Aにおいて連通部214の外周部241から前記径方向に沿って延出して設けられる。図21に示されるように、リブ253は、搬送方向D5に沿って前記径方向の外側に傾斜して形成される。図23に示されるように、リブ253の延出端は、歯部252まで達しない。これにより、歯部252からリブ253を伝って支持部251を介さずに連通部214に熱が伝達することを回避可能である。
【0106】
図23に示されるように、ギヤ部215は、連通部214の外周面に沿って等間隔に並ぶ8つのリブ253を有する。なお、ギヤ部215に設けられるリブ253の数は任意の数であってよい。
【0107】
ここで、ギヤ部215は、図12図14、及び図19に示されるように、歯先円直径が収容部211の径よりも大きいサイズで設けられる。これにより、歯先円直径が収容部211の径よりも小さいサイズで設けられる構成と比較して、収容部211の回転によって搬送方向D5に沿って発生する気流の移動経路にギヤ部215を介在させることが可能となり、当該気流によりギヤ部215を冷却することが可能である。また、前記気流がギヤ部215よりも搬送方向D5の下流側へ流れて、キャップ部202から漏れ出たトナーが舞い散るなどの不都合が生じることを抑制可能である。
【0108】
加えて、ギヤ部215では、歯部252及びリブ253が、支持部251における搬送方向D5の上流側の面である支持面251Aに設けられる。これにより、歯部252及びリブ253が支持部251における搬送方向D5の下流側の面に設けられる構成と比較して、前記気流とギヤ部215との接触面積を大きくすることが可能である。つまり、前記気流によるギヤ部215の冷却効果を高めることが可能である。また、支持面251Aに到達した前記気流をギヤ部215の形状に沿って搬送方向D5とは逆側へ案内することが可能となり、前記気流がギヤ部215よりも搬送方向D5の下流側へ流れることをより効果的に抑制可能である。
【0109】
以上に説明したギヤ部215を備えることにより、ギヤ部215を介する本体側からの熱伝達を抑制することが可能である。
【0110】
なお、ギヤ部215は、歯先円直径が収容部211の径よりも小さいサイズで設けられてもよい。また、支持面251Aは、支持部251における搬送方向D5の下流側の面であってもよい。また、リブ253は、支持面251Aにおいて歯部252から前記径方向に沿って延出して設けられてもよい。また、リブ253は、歯部252及び連通部214の外周部241の両方に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1~4 画像形成部
5 光走査装置
6 中間転写ユニット
7 二次転写装置
8 定着装置
9 制御部
10 操作表示部
11 給紙トレイ
12 排紙トレイ
13 トナー補給部
14 筐体
31 開口部
32 駆動部
33 ロックカバー
34 ロック機構
35 ロック解除部
71 第1レバー部
100 画像形成装置
200 トナー容器
201 容器本体
202 キャップ部
203 回転軸
211 収容部
212 把持部
214 連通部
215 ギヤ部
216 開口部
217 延出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23