(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-28
(45)【発行日】2024-11-06
(54)【発明の名称】自動駐車システム、自動駐車システムの制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20241029BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20241029BHJP
【FI】
G08G1/14 A
B60R99/00
(21)【出願番号】P 2021172164
(22)【出願日】2021-10-21
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】菅野 達也
(72)【発明者】
【氏名】丸岩 修嗣
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021221(JP,A)
【文献】特開2016-006605(JP,A)
【文献】特開2021-149703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
B60R 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムであって、
前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報及び前記自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記自動バレーパーキングの入庫対象となる前記自動運転車両である入庫車両の前記目標駐車スペースと前記駐車場の入口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、前記目標駐車スペースの周囲の前記駐車スペースの
中から注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部と、
前記注意対象スペースと前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、前記注意対象スペース
を対象とする入出庫
のために走行中の前記自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部と、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合、前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部と、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合に、前記完了判定部により全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、前記入庫車両に対する入庫開始指示を行う車両指示部と、
前記入庫車両の現在位置と前記入庫車両の前記目標駐車スペースと前記駐車場地図情報とに基づいて、前記入庫車両が前記駐車場の走行路を通って前記目標駐車スペースに至る入庫ルートを設定するルート設定部と、
を備え、
前記駐車スペースは、前記走行路沿いに隣り合って複数配置されており、
前記注意対象スペース設定部は、前記目標駐車スペースの左右に隣接する前記駐車スペースのうち前記入庫ルートに沿って前記入庫車両が近づく側の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定し、
前記車両指示部は、前記注意対象スペース以外の前記駐車スペースにおいて入出庫中の前記自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、前記注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、前記入庫車両に対する前記入庫開始指示を行う、自動駐車システム。
【請求項2】
前記注意対象車両には、前記注意対象スペースに一時的に退避する又は前記注意対象スペースから前記駐車場の走行路に一時的に退避する前記自動運転車両である退避車両が含まれる、
請求項1に記載の自動駐車システム。
【請求項3】
駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムであって、
前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報及び前記自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記自動バレーパーキングの出庫対象となる前記自動運転車両である出庫車両の駐車している出庫対象スペースと前記駐車場の出口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、前記出庫対象スペースの周囲の駐車スペースの
中から注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部と、
前記注意対象スペースと前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、前記注意対象スペース
を対象とする入出庫
のために走行中の前記自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部と、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合、前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部と、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合に、前記完了判定部により全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、前記出庫車両に対する出庫開始指示を行う車両指示部と、
前記出庫対象スペースと前記駐車場地図情報とに基づいて、前記出庫車両が前記駐車場の走行路を通って前記駐車場の出口に向かう出庫ルートを設定するルート設定部と、
を備え、
前記駐車スペースは、前記走行路沿いに隣り合って複数配置されており、
前記注意対象スペース設定部は、前記駐車場の前記走行路に接した前記出庫対象スペースに隣接する前記駐車スペースのうち、前記出庫ルートに沿う方向の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定し、前記出庫ルートに沿わない方向の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定せず、
前記車両指示部は、前記注意対象スペース以外の前記駐車スペースにおいて入出庫中の前記自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、前記注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、前記出庫車両に対する前記出庫開始指示を行う、自動駐車システム。
【請求項4】
前記注意対象車両には、前記注意対象スペースに一時的に退避する又は前記注意対象スペースから前記駐車場の走行路に一時的に退避する前記自動運転車両である退避車両が含まれる、
請求項3に記載の自動駐車システム。
【請求項5】
前記注意対象車両には、前記出庫車両の
前記出庫ルート上に位置し、前記出庫ルートから離れる方向に退避する前記退避車両を含まない、
請求項4に記載の自動駐車システム。
【請求項6】
駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムの制御方法であって、
前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報及び前記自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記自動バレーパーキングの入庫対象となる前記自動運転車両である入庫車両の前記目標駐車スペースと前記駐車場の入口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、前記目標駐車スペースの周囲の駐車スペースの
中から注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定ステップと、
前記注意対象スペースと前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、前記注意対象スペース
を対象とする入出庫
のために走行中の前記自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定ステップと、
前記注意対象車両判定ステップにおいて前記注意対象車両が存在すると判定された場合、前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定ステップと、
前記注意対象車両判定ステップにおいて前記注意対象車両が存在すると判定された場合に、前記完了判定ステップにおいて全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、前記入庫車両に対する入庫開始指示を行う車両指示ステップと、
前記入庫車両の現在位置と前記入庫車両の前記目標駐車スペースと前記駐車場地図情報とに基づいて、前記入庫車両が前記駐車場の走行路を通って前記目標駐車スペースに至る入庫ルートを設定するルート設定ステップと、
を備え、
前記駐車スペースは、前記走行路沿いに隣り合って複数配置されており、
前記注意対象スペース設定ステップにおいて、前記目標駐車スペースの左右に隣接する前記駐車スペースのうち前記入庫ルートに沿って前記入庫車両が近づく側の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定し、
前記車両指示ステップにおいて、前記注意対象スペース以外の前記駐車スペースにおいて入出庫中の前記自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、前記注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、前記入庫車両に対する前記入庫開始指示を行う、自動駐車システムの制御方法。
【請求項7】
駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムの制御方法であって、
前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報及び前記自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記自動バレーパーキングの出庫対象となる前記自動運転車両である出庫車両の駐車している出庫対象スペースと前記駐車場の出口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、前記出庫対象スペースの周囲の駐車スペースの
中から注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定ステップと、
前記注意対象スペースと前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、前記注意対象スペース
を対象とする入出庫
のために走行中の前記自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定ステップと、
前記注意対象車両判定ステップにおいて前記注意対象車両が存在すると判定された場合、前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定ステップと、
前記注意対象車両判定ステップにおいて前記注意対象車両が存在すると判定された場合に、前記完了判定ステップにおいて全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、前記出庫車両に対する出庫開始指示を行う車両指示ステップと、
前記出庫対象スペースと前記駐車場地図情報とに基づいて、前記出庫車両が前記駐車場の走行路を通って前記駐車場の出口に向かう出庫ルートを設定するルート設定ステップと、
を備え、
前記駐車スペースは、前記走行路沿いに隣り合って複数配置されており、
前記注意対象スペース設定ステップにおいて、前記駐車場の前記走行路に接した前記出庫対象スペースに隣接する前記駐車スペースのうち、前記出庫ルートに沿う方向の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定し、前記出庫ルートに沿わない方向の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定せず、
前記車両指示ステップにおいて、前記注意対象スペース以外の前記駐車スペースにおいて入出庫中の前記自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、前記注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、前記出庫車両に対する前記出庫開始指示を行う、自動駐車システムの制御方法。
【請求項8】
駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行うようにサーバを動作させるプログラムであって、
前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報及び前記自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部、
前記駐車場の入庫対象となる前記自動運転車両である入庫車両の前記目標駐車スペースと前記駐車場の入口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、前記目標駐車スペースの周囲の駐車スペースの
中から注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部、
前記注意対象スペースと前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、前記注意対象スペース
を対象とする入出庫
のために走行中の前記自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合、前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部、及び、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合に、前記完了判定部により全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、前記入庫車両に対する入庫開始指示を行う車両指示部、
前記入庫車両の現在位置と前記入庫車両の前記目標駐車スペースと前記駐車場地図情報とに基づいて、前記入庫車両が前記駐車場の走行路を通って前記目標駐車スペースに至る入庫ルートを設定するルート設定部、として前記サーバを動作させ、
前記駐車スペースは、前記走行路沿いに隣り合って複数配置されており、
前記注意対象スペース設定部は、前記目標駐車スペースの左右に隣接する前記駐車スペースのうち前記入庫ルートに沿って前記入庫車両が近づく側の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定し、
前記車両指示部において、前記注意対象スペース以外の前記駐車スペースにおいて入出庫中の前記自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、前記注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、前記入庫車両に対する前記入庫開始指示を行わせる、プログラム。
【請求項9】
駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行うようにサーバを動作させるプログラムであって、
前記駐車場内の前記自動運転車両の位置情報及び前記自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部、
前記駐車場の出庫対象となる前記自動運転車両である出庫車両の駐車している出庫対象スペースと前記駐車場の出口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、前記出庫対象スペースの周囲の駐車スペースの
中から注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部、
前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、前記注意対象スペース
を対象とする入出庫
のために走行中の前記自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合、前記駐車場地図情報と前記車両情報とに基づいて、全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部、及び、
前記注意対象車両判定部により前記注意対象車両が存在すると判定された場合に、前記完了判定部により全ての前記注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、前記出庫車両に対する出庫開始指示を行う車両指示部、
前記出庫対象スペースと前記駐車場地図情報とに基づいて、前記出庫車両が前記駐車場の走行路を通って前記駐車場の出口に向かう出庫ルートを設定するルート設定部、として前記サーバを動作させ、
前記駐車スペースは、前記走行路沿いに隣り合って複数配置されており、
前記注意対象スペース設定部は、前記駐車場の前記走行路に接した前記出庫対象スペースに隣接する前記駐車スペースのうち、前記出庫ルートに沿う方向の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定し、前記出庫ルートに沿わない方向の前記駐車スペースを前記注意対象スペースとして設定せず、
前記車両指示部において、前記注意対象スペース以外の前記駐車スペースにおいて入出庫中の前記自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、前記注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、前記出庫車両に対する前記出庫開始指示を行わせる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動駐車システム、自動駐車システムの制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動駐車システムに関する技術文献として、特開2020-079079号公報が知られている。この公報には、駐車場管制サーバ(インフラストラクチャ)により車両の自律駐車を行わせる自動バレーパーキングの方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数台の車両の自動バレーパーキングにおいて、車両が互いに接触することを避けるためには、入庫車両の駐車目標となる目標駐車スペースや出庫車両の駐車している出庫対象スペースの周囲における全ての車両の入出庫が完了するまで、新たな入出庫を開始しないことが考えられる。しかしながら、全ての車両の入出庫が完了するまで新たな入出庫を開始しないと、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を低下させてしまうため問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムであって、駐車場内の自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、自動バレーパーキングの入庫対象となる自動運転車両である入庫車両の目標駐車スペースと駐車場の入口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、目標駐車スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する駐車スペースである注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部と、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部と、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部と、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合に、完了判定部により全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、入庫車両に対する入庫開始指示を行う車両指示部と、を備え、車両指示部は、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、入庫車両に対する入庫開始指示を行う。
【0006】
本発明の一態様に係る自動駐車システムによれば、目標駐車スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する注意対象スペースを設定し、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに入庫車両に対する入庫開始指示を行うので、目標駐車スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【0007】
本発明の一態様に係る自動駐車システムにおいて、入庫車両の現在位置と入庫車両の目標駐車スペースと駐車場地図情報とに基づいて、入庫車両が目標駐車スペースに至る入庫ルートを設定するルート設定部を更に備え、注意対象スペース設定部は、入庫ルートと入庫車両の目標駐車スペースと駐車場地図情報とに基づいて、注意対象スペースを設定してもよい。
この自動駐車システムによれば、入庫車両の入庫ルートを考慮して注意対象スペースを設定するので、他車両の入出庫が入庫ルートと干渉しない駐車スペースを注意対象スペースに含めないことが可能となり、適切な注意対象スペースの設定を行うことができる。
【0008】
本発明の一態様に係る自動駐車システムにおいて、注意対象車両には、注意対象スペースに一時的に退避する又は注意対象スペースから駐車場の走行路に一時的に退避する自動運転車両である退避車両が含まれてもよい。
この自動駐車システムによれば、退避車両を注意対象車両に含めることで、注意対象スペースに関係する退避車両が入庫車両の入庫に影響を与えることを抑制することができる。
【0009】
本発明の他の態様は、駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムであって、駐車場内の自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部と、自動バレーパーキングの出庫対象となる自動運転車両である出庫車両の駐車している出庫対象スペースと駐車場の出口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、出庫対象スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する駐車スペースである注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部と、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部と、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合、車両情報に基づいて、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部と、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合に、完了判定部により全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、出庫車両に対する出庫開始指示を行う車両指示部と、を備え、車両指示部は、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、出庫車両に対する出庫開始指示を行う。
【0010】
本発明の他の態様に係る自動駐車システムによれば、出庫対象スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する注意対象スペースを設定し、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに出庫車両に対する出庫開始指示を行うので、出庫対象スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【0011】
本発明の他の態様に係る自動駐車システムにおいて、出庫対象スペースと駐車場地図情報とに基づいて、出庫車両が駐車場の出口に向かう出庫ルートを設定するルート設定部を更に備え、注意対象スペース設定部は、出庫ルート及び駐車場地図情報に基づいて、注意対象スペースを設定してもよい。
この自動駐車システムによれば、出庫車両の出庫ルートを考慮して注意対象スペースを設定するので、他車両の入出庫が出庫ルートと干渉しない駐車スペースを注意対象スペースに含めないことが可能となり、適切な注意対象スペースの設定を行うことができる。
【0012】
本発明の他の態様に係る自動駐車システムにおいて、注意対象スペース設定部は、駐車場の走行路に接した出庫対象スペースに隣接する駐車スペースのうち、出庫ルートに沿う方向の駐車スペースを注意対象スペースとして設定し、出庫ルートに沿わない方向の駐車スペースを注意対象スペースとして設定しなくてもよい。
この自動駐車システムによれば、駐車場の走行路に接した出庫対象スペースに隣接する駐車スペースのうち出庫ルートに対する影響が低いと考えられる出庫ルートに沿わない方向の駐車スペースを注意対象スペースとして設定しないので、影響が低い駐車スペースに関連する他の車両の入出庫の完了を待つ必要がなくなり、駐車場利用効率の向上を図ることができる。
【0013】
本発明の他の態様に係る自動駐車システムにおいて、注意対象車両には、注意対象スペースに一時的に退避する又は注意対象スペースから駐車場の走行路に一時的に退避する自動運転車両である退避車両が含まれてもよい。
この自動駐車システムによれば、退避車両を注意対象車両に含めることで、注意対象スペースに関係する退避車両が出庫車両の出庫に影響を与えることを抑制することができる。
【0014】
本発明の他の態様に係る自動駐車システムにおいて、注意対象車両には、出庫車両の出庫ルート上に位置し、出庫ルートから離れる方向に退避する退避車両を含まなくてもよい。
この自動駐車システムによれば、出庫ルートから離れる方向に退避する退避車両は退避車両が出庫車両の出庫に影響を与える可能性が低いと考えられることから、当該退避車両を注意対象車両に含めないことで駐車場利用効率の向上を図ることができる。
【0015】
本発明の更に他の態様は、駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムの制御方法であって、駐車場内の自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、自動バレーパーキングの入庫対象となる自動運転車両である入庫車両の目標駐車スペースと駐車場の入口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、目標駐車スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する駐車スペースである注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定ステップと、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定ステップと、注意対象車両判定ステップにおいて注意対象車両が存在すると判定された場合、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定ステップと、注意対象車両判定ステップにおいて注意対象車両が存在すると判定された場合に、完了判定ステップにおいて全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、入庫車両に対する入庫開始指示を行う車両指示ステップと、を備え、車両指示ステップにおいて、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、入庫車両に対する入庫開始指示を行う。
【0016】
本発明の更に他の態様に係る自動駐車システムの制御方法によれば、目標駐車スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する注意対象スペースを設定し、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに入庫車両に対する入庫開始指示を行うので、目標駐車スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【0017】
本発明の更に他の態様は、駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行う自動駐車システムの制御方法であって、駐車場内の自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、自動バレーパーキングの出庫対象となる自動運転車両である出庫車両の駐車している出庫対象スペースと駐車場の出口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、出庫対象スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する駐車スペースである注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定ステップと、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定ステップと、注意対象車両判定ステップにおいて注意対象車両が存在すると判定された場合、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定ステップと、注意対象車両判定ステップにおいて注意対象車両が存在すると判定された場合に、完了判定ステップにおいて全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、出庫車両に対する出庫開始指示を行う車両指示ステップと、を備え、車両指示ステップにおいて、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、出庫車両に対する出庫開始指示を行う。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る自動駐車システムの制御方法によれば、出庫対象スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する注意対象スペースを設定し、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに出庫車両に対する出庫開始指示を行うので、出庫対象スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【0019】
本発明の更に他の態様は、駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行うようにサーバを動作させるプログラムであって、駐車場内の自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部、駐車場の入庫対象となる自動運転車両である入庫車両の目標駐車スペースと駐車場の入口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、目標駐車スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する駐車スペースである注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部、及び、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合に、完了判定部により全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、入庫車両に対する入庫開始指示を行う車両指示部、としてサーバを動作させ、車両指示部において、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、入庫車両に対する入庫開始指示を行わせる。
【0020】
本発明の更に他の態様に係るプログラムによれば、目標駐車スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する注意対象スペースを設定し、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに入庫車両に対する入庫開始指示を行うので、目標駐車スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【0021】
本発明の更に他の態様は、駐車場内の複数の駐車スペースの中から設定された目標駐車スペースに自動運転車両を自動で駐車させる自動バレーパーキングを行うようにサーバを動作させるプログラムであって、駐車場内の自動運転車両の位置情報及び自動運転車両の入出庫情報を含む車両情報を取得する車両情報取得部、駐車場の出庫対象となる自動運転車両である出庫車両の駐車している出庫対象スペースと駐車場の出口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、出庫対象スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する駐車スペースである注意対象スペースを設定する注意対象スペース設定部、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象車両が存在するか否かを判定する注意対象車両判定部、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する完了判定部、及び、注意対象車両判定部により注意対象車両が存在すると判定された場合に、完了判定部により全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、出庫車両に対する出庫開始指示を行う車両指示部、としてサーバを動作させ、車両指示部において、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、出庫車両に対する出庫開始指示を行わせる。
【0022】
本発明の更に他の態様に係るプログラムによれば、出庫対象スペースの周囲の駐車スペースのうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する注意対象スペースを設定し、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに出庫車両に対する出庫開始指示を行うので、出庫対象スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の各態様によれば、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第一実施形態に係る自動駐車システムを説明するための図である。
【
図2】自動バレーパーキングが行われる駐車場の一例を示す平面図である。
【
図3】駐車場管制サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】駐車場管制サーバの機能的構成の一例を示す図である。
【
図5】入庫車両に対する注意対象スペースの設定の一例を説明するための図である。
【
図6】入庫車両に対する注意対象スペースの設定の他の例を説明するための図である。
【
図7】出庫車両に対する注意対象スペースの設定の一例を説明するための図である。
【
図8】出庫車両に対する注意対象スペースの設定の他の例を説明するための図である。
【
図9】注意対象車両に含まれる退避車両の例を説明するための図である。
【
図10】注意対象車両に含まれない退避車両の例を説明するための図である。
【
図11】入庫開始指示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】出庫開始指示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】注意対象車両設定ステップにおける退避車両判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は一実施形態に係る自動駐車システムを説明するための図である。
図1に示す自動駐車システム[AVPS:Automated Valet Parking System]1は、駐車場[Parking place]における複数台の自動運転車両2の自動バレーパーキング[AutomatedValet Parking]を行うためのシステムである。自動運転車両2は、自動駐車システム1からの指示により自動バレーパーキングを実行可能な自動運転機能を有する車両である。自動運転車両2には、車両を運搬可能な運搬用ロボット車両が含まれてもよい。運搬用ロボット車両は、例えば自動バレーパーキングの対象車両を持ち上げる又は牽引して運搬することにより、自動運転機能を有さない車両の自動バレーパーキングを実現することができる。
【0027】
自動バレーパーキングとは、駐車場における降車場でユーザ(乗員)が降りた無人の自動運転車両2を駐車場側からの指示によって目標ルート(入庫ルート、出庫ルート、退避ルートなど)を走行させ、駐車場内の目標駐車スペースに自動で駐車させるサービスである。目標駐車スペースとは、自動運転車両2の駐車位置として予め設定された駐車スペース[Parking space]のうち自動運転車両2ごとに割り振られたものである。目標ルートとは、自動運転車両2が目標駐車スペースに到達するために走行する駐車場内のルートである。なお、出庫ルートは、後述する乗車用スペースに到達するために走行するルートとなる。
【0028】
駐車場は、自動バレーパーキング専用の駐車場であってもよく、通信可能車両及び一般車両も使用可能な兼用の駐車場であってもよい。自動バレーパーキング用の駐車スペースとそれ以外の駐車スペースとを分け、走行する走行路を共通としてもよい。
【0029】
ここで、
図2は、自動バレーパーキングが行われる駐車場の一例を示す平面図である。
図2に、駐車場50、駐車エリア[Parking area]51、降車場[Drop-off area]52、及び乗車場[Pick up area]53を示す。駐車場50は、駐車エリア51、降車場52、及び乗車場53を含んでいる。なお、降車場52及び乗車場53は別々に設けられている必要はなく、一体の乗降場として設けられていてもよい。
【0030】
駐車エリア51は、自動バレーパーキングにより自動運転車両2が駐車する駐車スペース61が形成された場所である。駐車スペース61は、例えば
図2に示すように一方向(例えば駐車車両における車幅方向)に並んで複数形成されている。
【0031】
降車場52は、駐車場50の入口側に設けられ、入庫前の自動運転車両2からユーザを含む乗員が降車するための場所である。降車場52には、乗員の降車時に自動運転車両2が停車するための降車用スペース62が形成されている。降車場52は、入庫ゲート54を介して駐車エリア51に通じている。
【0032】
乗車場53は、駐車場50の出口側に設けられ、出庫してきた自動運転車両2に乗員が乗車するための場所である。乗車場53には、乗員の乗車のために自動運転車両2が待機するための乗車用スペース63が形成されている。乗車場53は、出庫ゲート55を介して駐車エリア51に通じている。駐車スペース61、降車用スペース62、及び乗車用スペース63は、自動運転車両2の駐車(停車を含む)の目標である目標駐車スペースの対象となる。また、乗車場53と駐車エリア51との間には、乗車場53から駐車エリア51に自動運転車両2を戻すためのリターンゲート56が設けられている。なお、リターンゲート56は必須ではない。
【0033】
また、
図2において、降車場52の降車用スペース62で停車中の自動運転車両2A、駐車場50内を走行中の自動運転車両2B、駐車エリア51の駐車スペース61に駐車中の自動運転車両2C、及び乗車場53の乗車用スペース63で停車中の自動運転車両2Dを示す。
【0034】
自動駐車システム1では、例えば、駐車場50に入場[Entering]した自動運転車両2が降車用スペース62で乗員を降ろした後(自動運転車両2Aに対応)、ユーザから自動運転車両2の指示権限を得て自動バレーパーキングを開始する。自動駐車システム1は、駐車エリア51に進入した自動運転車両2Bを走行させ、目標駐車スペースE1に自動運転車両2Bを自動駐車させる。自動駐車システム1は、ユーザから出庫要求を受けた場合、駐車していた自動運転車両2Bを乗車場53に向かって走行させ、乗車用スペース63に自動駐車させる(自動運転車両2Dに対応)。
【0035】
〈自動駐車システムの構成〉
以下、自動駐車システム1の構成について図面を参照して説明する。
図1に示すように、自動駐車システム1は駐車場管制サーバ10を備えている。駐車場管制サーバ10は駐車場を管理するためのサーバである。
【0036】
駐車場管制サーバ10は、自動運転車両2と通信可能に構成されている。駐車場管制サーバ10は、駐車場に設けられていてもよく、駐車場から離れた施設に設けられていてもよい。駐車場管制サーバ10は、異なる場所に設けられた複数のコンピュータから構成されていてもよい。駐車場管制サーバ10は、駐車場センサ3及び駐車場地図データベース4と接続されている。
【0037】
駐車場センサ3は、駐車場内の状況を認識するためのセンサである。駐車場センサ3には、例えば駐車場内の自動運転車両2の位置を検出するための監視カメラが含まれている。監視カメラは、駐車場の天井や壁に設けられ、駐車場内の自動運転車両2を撮像する。監視カメラは、撮像画像を駐車場管制サーバ10に送信する。
【0038】
駐車場センサ3には、駐車スペース内に駐車車両が存在するか否か(駐車スペースが満車であるか空車であるか)を検出するための空車センサが含まれてもよい。空車センサは、駐車スペースごとに設けられてもよく、天井などに設けられて複数の駐車スペースを一台で監視可能に構成されていてもよい。空車センサの構成は特に限定されず、周知の構成を採用することができる。空車センサは、圧力センサであってもよく、電波を用いるレーダセンサ又はソナーセンサであってもよく、カメラであってもよい。空車センサは、駐車スペースにおける空車情報を駐車場管制サーバ10に送信する。
【0039】
駐車場地図データベース4は、駐車場地図情報を記憶するデータベースである。駐車場地図情報には、駐車場における駐車スペースの位置情報及び駐車場における走行路の情報が含まれている。また、駐車場地図情報には、自動運転車両2が位置認識に用いられるランドマークの位置情報が含まれていてもよい。ランドマークには、白線、ポール、セーフティコーン、駐車場の柱などのうち少なくとも一つが含まれる。
【0040】
駐車場管制サーバ10のハードウェア構成について説明する。
図3は、駐車場管制サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、駐車場管制サーバ10は、プロセッサ10a、記憶部10b、通信部10c、及びユーザインターフェイス10dを備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
【0041】
プロセッサ10aは、各種オペレーティングシステムを動作させて駐車場管制サーバ10を制御する。プロセッサ10aは、制御装置、演算装置、レジスタなどを含むCPU[Central Processing Unit]などの演算器である。プロセッサ10aは、記憶部10b、通信部10c、及びユーザインターフェイス10dを統括する。記憶部10bは、例えばROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、HDD[Hard Disk Drive]、SSD[Solid State Drive]のうち少なくとも一つを含む記録媒体である。
【0042】
通信部10cは、ネットワークを介した無線通信を行うための通信デバイスである。通信部10cには、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードなどを用いることができる。駐車場管制サーバ10は、通信部10cを用いて自動運転車両2と通信を行う。ユーザインターフェイス10dは、駐車場管制サーバ10の管理者などに対する駐車場管制サーバ10の入出力部である。ユーザインターフェイス10dは、ディスプレイ、スピーカなどの出力器、及び、タッチパネルなどの入力器を含む。
【0043】
次に、駐車場管制サーバ10の機能的構成について説明する。
図4は、駐車場管制サーバ10の機能的構成の一例を示す図である。
図4に示すように、駐車場管制サーバ10は、車両情報取得部11、ルート設定部12、注意対象スペース設定部13、注意対象車両判定部14、完了判定部15、及び車両指示部16を有する。
【0044】
車両情報取得部11は、駐車場内の自動運転車両2との通信により自動運転車両2の車両情報を取得する。車両情報には、自動運転車両2の識別情報及び駐車場における自動運転車両2の位置情報が含まれる。識別情報は、個々の自動運転車両2を特定できる情報であればよい。識別情報は、ID番号[Identification Number]であってもよく、車両番号であってもよく、自動バレーパーキングの予約番号などであってもよい。車両情報には、自動運転車両2が入庫又は出庫に関する入出庫情報も含まれる。入出庫情報には、目標駐車スペースやルートに関する情報が含まれていてもよい。
【0045】
車両情報には、自動運転車両2の車種が含まれていてもよく、識別情報とは別に車両番号が含まれていてもよい。車両情報には、入庫予約時刻などの入庫予約情報が含まれていてもよく、出庫予定時刻が含まれていてもよい。車両情報には、自動運転車両2の旋回半径、大きさ、車幅などの車体情報が含まれていてもよく、自動運転車両2の自動運転機能に関する情報が含まれていてもよい。自動運転機能に関する情報には自動運転機能のバージョン情報が含まれていてもよい。
【0046】
車両情報には、自動運転車両2の走行状態(車速、加速度、ヨーレートなど)の認識結果及び外部環境(先行車との車間距離など)の認識結果が含まれていてもよい。走行状態及び外部環境の認識については後述する。車両情報には、自動運転車両2の残りの走行可能距離又は残燃料の情報が含まれていてもよい。
【0047】
車両情報取得部11は、自動バレーパーキングの間、自動運転車両2から車両情報を継続的に取得する。車両情報取得部11は、自動運転車両2が駐車中となった場合、車両情報の取得を中断してもよく、定期的に車両情報を取得してもよい。
【0048】
ルート設定部12は、自動運転車両2の目標駐車スペース、入庫ルート、及び出庫ルートを設定する。以下、自動バレーパーキングの入庫対象となる自動運転車両2を入庫車両、自動バレーパーキングの出庫対象となる自動運転車両2を出庫車両と呼ぶ。
【0049】
ルート設定部12は、自動運転車両2が入庫車両である場合、入庫車両が駐車するための目標駐車スペースを設定する。ルート設定部12は、駐車場地図データベース4の駐車場地図と車両情報とに基づいて、空いている駐車スペース61の中から入庫車両が駐車するための目標駐車スペースを設定する。目標駐車スペースの決め方は特に限定されない。
【0050】
ルート設定部12は、入庫車両の現在位置と入庫車両の目標駐車スペースと駐車場地図情報とに基づいて、入庫車両が目標駐車スペースに至る入庫ルートを設定する。入庫車両の現在位置としては駐車場の入口の位置を用いてもよい。ルート設定部12は、一例として、入庫車両が最短で目標駐車スペースに到達するルートを入庫ルートとして設定する。ルート設定部12は、入庫中又は出庫中の他の自動運転車両2のルートと干渉しないように入庫ルートを設定してもよい。ルート設定部12は、目標駐車スペースに駐車するための入庫車両の頭振りや切り返しの動作が必要な場合には、頭振りや切り返しの動作を含む入庫ルートを設定する。
【0051】
ルート設定部12は、自動運転車両2が出庫車両である場合、出庫車両がユーザを待つための乗車場53の乗車用スペース63のうち、空いている乗車用スペース63を出庫車両の目標駐車スペースとして設定する。なお、乗車用スペース63が一つしかない場合には、出庫車両の目標駐車スペースの設定は不要である。
【0052】
ルート設定部12は、出庫車両が駐車している駐車スペース61である出庫対象スペースと目標駐車スペースと駐車場地図情報とに基づいて、出庫車両が駐車場の出口に向かう出庫ルートを設定する。出庫ルートは入庫ルートと同様の手法で設定することができる。なお、乗車用スペース63が一つしかない場合には、出庫車両の目標駐車スペースの情報は不要である。
【0053】
注意対象スペース設定部13は、入庫車両と出庫取得のそれぞれについて注意対象スペースを設定する。まず、入庫車両の場合における注意対象スペースの設定について説明する。
【0054】
注意対象スペース設定部13は、入庫車両の目標駐車スペースに対して、目標駐車スペースの周囲の駐車スペース61のうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する駐車スペース61である注意対象スペースを設定する。
【0055】
目標駐車スペースの周囲の駐車スペースとは、目標駐車スペースから一定距離内の駐車スペース61であってもよく、目標駐車スペースの前後左右で隣り合う駐車スペース61であってもよく、目標駐車スペースに隣り合う駐車スペース61に更に隣り合う駐車対象スペース61まで含まれてもよい。目標駐車スペースに隣り合う駐車スペース61には、駐車場の走行路を挟んで隣り合う駐車スペース61が含まれてもよい。目標駐車スペースの周囲の駐車スペース61は、目標駐車スペースごとが予め範囲が決められていてもよい。
【0056】
注意対象スペース設定部13は、例えば、入庫車両の目標駐車スペースと入庫ルートと駐車場地図情報とに基づいて、注意対象スペースを設定する。注意対象スペース設定部13は、目標駐車スペースの周囲の駐車スペース61のうち入庫ルートに沿った駐車スペース61(入庫ルートに近接する駐車対象スペース61など)を注意対象スペースとして設定してもよい。
【0057】
図5は、入庫車両に対する注意対象スペースの設定の一例を説明するための図である。
図5に、入庫車両2Ba、入庫ルートR1、走行路P、目標駐車スペースE2、対面駐車スペースM、及び注意対象スペースWを示す。なお、
図5では分かりやすくするため入庫車両2Baを示しているが、注意対象スペースWが設定されるタイミングでは入庫車両2Baは駐車場50への入庫を開始していない。
【0058】
入庫ルートR1は、入庫車両2Baが頭振りを行い、目標駐車スペースE2に背面から駐車するルートである。対面駐車スペースMは、駐車場の走行路Pを挟んで目標駐車スペースE2の対面の駐車スペースである。
【0059】
図5に示す状況において、注意対象スペースWには、第一注意対象スペースW1、第二注意対象スペースW2、及び第三注意対象スペースW3が含まれている。第一注意対象スペースW1は、対面駐車スペースMと対面駐車スペースMの横方向に並ぶ複数の駐車スペース61とから構成されている。第二注意対象スペースW2は、目標駐車スペースE2の左隣りに位置する駐車スペース61である。第三注意対象スペースW3は、目標駐車スペースE2の右隣りに位置する駐車スペース61である。
【0060】
注意対象スペース設定部13は、入庫車両2Baが頭振りを行う場合、対面駐車スペースMから左側(目標駐車スペースE2に近づく入庫車両2Baから見て目標駐車スペースE2の向こう側)に位置する複数の駐車スペース61を含むように第一注意対象スペースW1を設定する。左側に追加される駐車スペース61の数は一つであってもよく二つであってもよく三つ以上であってもよい。なお、注意対象スペース設定部13は、入庫車両2Baが頭振りを行わない場合(対面駐車スペースMに近づかない場合)、対面駐車スペースMを含む第一注意対象スペースW1を設定することは必須ではない。
【0061】
注意対象スペース設定部13は、対面駐車スペースMの右側(目標駐車スペースE2に近づく入庫車両2Baから見て目標駐車スペースE2の手前側)の駐車スペース61を第一注意対象スペースW1に含んでもよく、含まなくてもよい。注意対象スペース設定部13は、入庫車両2Baが目標駐車スペースE2に駐車するための切り返し時に接近する場合、対面駐車スペースMの右側の駐車スペースを第一注意対象スペースW1に含めてもよい。
【0062】
注意対象スペース設定部13は、目標駐車スペースE2の左右の駐車スペース61を第二注意対象スペースW2及び第三注意対象スペースW3として設定する。注意対象スペース設定部13は、目標駐車スペースE2の左右の駐車スペース61のうち入庫車両2Baの接近方向の駐車スペース61のみを注意対象スペースWとして設定してもよい。
【0063】
なお、注意対象スペース設定部13は、目標駐車スペースE2が走行路Pに接する場合において、目標駐車スペースE2の奥に駐車スペース61が存在する場合(目標駐車スペースE2を通過しないと到達できない駐車スペースが存在する場合)には奥の駐車スペースを注意対象スペースWに含めてもよい。
【0064】
注意対象スペース設定部13による注意対象スペースの設定方法は特に限定されない。注意対象スペース設定部13は、入庫ルートからの距離に応じて注意対象スペースWの設定を行ってもよい。注意対象スペース設定部13は、目標駐車スペースE2の周囲の駐車スペース61のうち、入庫ルートR1から所定距離内の駐車スペースを注意対象スペースWとして設定してもよい。注意対象スペース設定部13は、各駐車スペース61に入出庫する車両のルートを仮定して入庫ルートR1との関係から接触リスクを演算し、接触リスクが一定閾値以上となる駐車スペースを注意対象スペースWとして設定してもよい。接触リスクは例えば互いのルートが近いほど高い値となり、ルートが交差する場合には最大値としてもよい。
【0065】
注意対象スペース設定部13は、目標駐車スペースE2と目標駐車スペースE2に対する入庫車両2の接近方向から注意対象スペースWの設定を行ってもよい。目標駐車スペースE2に対する入庫車両2の接近方向は、入庫ルートR1に基づいて認識してもよく、駐車場50の入口位置情報から認識してもよい。
【0066】
注意対象スペース設定部13は、入庫ルートR1を用いずに、入庫車両2Baの目標駐車スペースE2と駐車場地図情報とに基づいて注意対象スペースWを設定してもよい。注意対象スペース設定部13は、例えば、目標駐車スペースE2と注意対象スペースWとの位置関係を予め関連付けたテーブルデータを参照して、目標駐車スペースE2の周囲の駐車スペース61の中から注意対象スペースWを設定する。
【0067】
図6は、入庫車両に対する注意対象スペースの設定の他の例を説明するための図である。
図6に、入庫車両2Bb、入庫ルートR2、目標駐車スペースE3、通過対象スペースT、第四注意対象スペースW4、第五注意対象スペースW5、及び第六注意対象スペースW6を示す。入庫ルートR2も、入庫車両2Bbが頭振りを行ってから目標駐車スペースE3に駐車するルートである。通過対象スペースTは、目標駐車スペースE3と走行路Pとの間の駐車スペース61である。なお、
図6においても、分かりやすくするため入庫車両2Bbを示しているが、注意対象スペースWが設定されるタイミングでは入庫車両2Bbは駐車場50への入庫を開始していない。
【0068】
図6では、入庫車両2Bbの目標駐車スペースとして、走行路Rに接していない目標駐車スペースE3が設定されている。入庫車両2Bbが走行路Pから目標駐車スペースE3に至るためには、走行路Pに接している通過対象スペースTを通過する必要がある。
【0069】
図6に示す状況において、注意対象スペース設定部13は、
図5と同じ第一注意対象スペースW1に加えて、第四注意対象スペースW4、第五注意対象スペースW5、及び第六注意対象スペースW6を注意対象スペースとして設定する。第四注意対象スペースW4は、通過対象スペースTと通過対象スペースTの左右の駐車スペースを含んでいる。第五注意対象スペースW5は、目標駐車スペースE3の左側の駐車スペースである。第六注意対象スペースW6は、目標駐車スペースE3の右側の駐車スペースである。
図6は一例であり、注意対象スペースWの範囲は適宜変更することができる。
【0070】
次に、出庫車両の場合における注意対象スペースの設定について説明する。注意対象スペース設定部13は、出庫車両の出庫対象スペースに対して、出庫車両の駐車している出庫対象スペースの周囲の駐車スペース61のうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する駐車スペース61である注意対象スペースWを設定する。出庫対象スペースの周囲の駐車スペース61は、入庫車両における目標駐車スペースの周囲の注意対象スペースと同じ定義とすることができる。
【0071】
注意対象スペース設定部13は、例えば、出庫対象スペースと出庫ルートと駐車場の出口位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、注意対象スペースを設定する。注意対象スペース設定部13は、出庫対象スペースの周囲の駐車スペース61のうち出庫ルートに沿った駐車スペース61(出庫ルートに近接した駐車スペース61)を注意対象スペースとして設定してもよい。
【0072】
図7は、出庫車両に対する注意対象スペースの設定の一例を説明するための図である。
図7に、出庫車両2Bc、出庫ルートR3、出庫対象スペースN1、及び第七注意対象スペースW7を示す。出庫対象スペースN1は走行路Pに接しており、出庫ルートR3は出庫対象スペースN1から左側に曲がって走行路Pを進むルートである。
【0073】
図7に示す状況において、注意対象スペース設定部13は、駐車場50の走行路Pに接した出庫対象スペースN1に隣接する駐車スペース61のうち、出庫ルートR3に沿う方向の駐車スペース61を第七注意対象スペースW7として設定し、出庫ルートR3に沿わない方向の駐車スペース61を注意対象スペースとして設定しない。
【0074】
図8は、出庫車両に対する注意対象スペースの設定の他の例を説明するための図である。
図8に、出庫車両2Bd、出庫ルートR4、出庫対象スペースN2、第八注意対象スペースW8、及び第九注意対象スペースW9を示す。出庫対象スペースN2は、走行路Pに接しておらず、出庫車両2Bdは通過対象スペースTを通じて走行路Pに出ることができる。
【0075】
図8に示す状況において、注意対象スペース設定部13は、出庫対象スペースN2の前方の通過対象スペースTと通過対象スペースTの左側(出庫ルートR4に沿う方向)の駐車スペース61とを第八注意対象スペースW8として設定する。また、注意対象スペース設定部13は、出庫対象スペースN2の左側(出庫ルートR4に沿う方向)の駐車スペース61を第九注意対象スペースW9として設定する。なお、第九注意対象スペースW9の設定は必須ではない。
【0076】
注意対象車両判定部14は、注意対象スペースWと駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象車両が存在するか否かを判定する。注意対象車両とは、注意対象スペースWにおいて入出庫中の自動運転車両2である。
【0077】
注意対象車両には、一時的に退避中の自動運転車両2である退避車両のうち入庫車両又は出庫車両に影響を与えると考えられる車両が含まれてもよい。退避車両には、駐車スペース61から注意対象スペースWに一時的に退避する車両と駐車中の注意対象スペースWから駐車場の走行路Pに一時的に退避する車両が含まれる。
【0078】
注意対象車両判定部14は、例えば
図5に示す場合において、入庫車両2Baより先行して対面駐車スペースMに入庫する自動運転車両2が存在するときには、当該自動運転車両2を注意対象車両として判定する。注意対象車両判定部14は、目標駐車スペースE2に隣接する第二注意対象スペースW2に駐車している自動運転車両2Cが入庫車両2Baより先行して出庫する場合には、当該自動運転車両2Cを注意対象車両として判定する。
【0079】
注意対象車両判定部14は、例えば
図7に示す場合において、出庫車両2Bcより先行して、第七注意対象スペースW7に駐車している自動運転車両2Cが出庫するときには、当該自動運転車両2Cを注意対象車両として判定する。他の注意対象スペースWに入出庫する自動運転車両2についても同様である。
【0080】
図9は、注意対象車両に含まれる退避車両の例を説明するための図である。
図9に、退避車両2Da及び退避ルートR5を示す。退避車両2Daは、通過対象スペースTに駐車しているため、出庫車両2Bdが出庫するために一時的に退避する必要がある。退避ルートR5は、退避車両2Daが通過対象スペースTから左隣の駐車スペース61(第八注意対象スペースW8内の駐車スペース61)に退避するルートである。なお、
図9では図示を省略しているが、出庫車両2Bdは
図8で示したように走行路Pの左側に向かって出庫する出庫ルートR4に沿った出庫を予定している。
【0081】
注意対象車両判定部14は、
図9に示す場合において、退避車両2Daが第八注意対象スペースW8内に退避するため、退避車両2Daを注意対象車両として判定する。注意対象車両判定部14は、退避車両2Daが注意対象スペースW以外の駐車スペース61に退避する場合には、退避車両2Daを注意対象車両として判定しなくてもよい。
【0082】
図10は、注意対象車両に含まれない退避車両の例を説明するための図である。
図10に、退避車両2Db及び退避ルートR6を示す。退避車両2Dbも、通過対象スペースTに駐車しているため、出庫車両2Bdが出庫するために一時的に退避する必要がある。退避ルートR6は、退避車両2Dbが通過対象スペースTから右折して走行路P内に退避するルートである。退避車両2Dbは、出庫車両2Bdが離脱するまで待ってから元の通過対象スペースTに戻って駐車してもよく、通過対象スペースTに戻ることなく注意対象スペースW以外の駐車スペース61に駐車してもよい。なお、
図10においても、出庫車両2Bdは
図8で示したように走行路Pの左側に向かって出庫する出庫ルートR4に沿った出庫を予定している。
【0083】
注意対象車両判定部14は、
図10に示す状況において、出庫車両2Bdの出庫ルートR4上の退避車両2Dbが出庫ルートR4(
図8参照)から離れる方向に退避するため、退避車両2Dbを注意対象車両として判定しない。
【0084】
完了判定部15は、注意対象車両判定部14の判定した全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する。注意対象車両の入庫の完了とは、入庫対象の注意対象車両が当該注意対象車両に設定された目標駐車スペースに対する駐車が完了したことである。注意対象車両の入庫の完了には、退避するために駐車スペースに駐車又は一時的に停車する退避車両の駐車又は停車が完了した場合も含まれる。
【0085】
注意対象車両の駐車スペース離脱の完了とは、出庫対象の注意対象車両が駐車中の駐車スペースから発進して駐車スペースからの離脱が完了したことである。駐車スペース離脱の完了は、駐車中の駐車スペースから一定距離以上離れたときに完了したと判定されてもよい。駐車スペース離脱の完了は、注意対象車両の駐車スペース61ではなく、入庫車両の目標駐車スペース又は出庫車両の出庫対象スペースから一定距離以上離れたときに完了したと判定されてもよい。
【0086】
完了判定部15は、駐車場地図情報と車両情報(自動運転車両2の位置情報及び入出庫情報を含む)とに基づいて、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する。
【0087】
車両指示部16は、自動運転車両2に対して自動バレーパーキングを実行するための各種の指示を行う。車両指示部16は、入庫車両について、注意対象車両判定部14により注意対象車両が存在すると判定された場合、完了判定部15により全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、入庫車両に対する入庫開始指示を行う。
【0088】
車両指示部16は、注意対象スペース以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、入庫車両に対する入庫開始指示を行う。
【0089】
入庫開始指示とは、入庫車両に対して自動バレーパーキングによる入庫を開始するための指示である。入庫開始指示には、例えば入庫車両が駐車する目標駐車スペース及び/又は目標駐車スペースまでの入庫ルートが含まれる。入庫開始指示には、入庫ルート走行時における入庫車両の車速に関する目標値が含まれていてもよい。
【0090】
入庫開始指示には、駐車場内の自動運転車両2の位置などの車両情報が含まれていてもよい。或いは、入庫開始指示には、車両情報ではなく、駐車場内で駐車している自動運転車両2の輪郭等の情報のみを含む障害物情報が含まれていてもよい。障害物情報は、入庫ルートに沿ったエリアのみに限定されていてもよい。入庫開始指示には、注意対象車両以外の自動運転車両2の情報を含めなくてもよい。
【0091】
車両指示部16は、出庫車両について、注意対象車両判定部14により注意対象車両が存在すると判定された場合に、完了判定部15により全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されるまで待機してから、出庫車両に対する出庫開始指示を行う。車両指示部16は、注意対象スペースW以外の駐車スペースにおいて入出庫中の自動運転車両である注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに、出庫車両に対する出庫開始指示を行う。
【0092】
出庫開始指示とは、出庫車両に対して自動バレーパーキングによる出庫を開始するための指示である。出庫開始指示には、例えば出庫車両がユーザを待つための乗車用スペース63及び/又は乗車用スペース63までの出庫ルートが含まれる。出庫開始指示には、出庫ルート走行時における出庫車両の車速に関する目標値が含まれていてもよい。
【0093】
出庫開始指示には、駐車場内の自動運転車両2の位置などの車両情報が含まれていてもよい。或いは、出庫開始指示には、車両情報ではなく、駐車場内で駐車している自動運転車両2の輪郭等の情報のみを含む障害物情報が含まれていてもよい。障害物情報は、出庫ルートに沿ったエリアのみに限定されていてもよい。出庫開始指示には、注意対象車両以外の自動運転車両2の情報を含めなくてもよい。
【0094】
〈プログラム〉
プログラムは、駐車場管制サーバ10のプロセッサ10aを上述した車両情報取得部11、ルート設定部12、注意対象スペース設定部13、注意対象車両判定部14、完了判定部15、及び車両指示部16として機能(動作)させる。プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリなどの非一時的な記録媒体によって提供される。また、プログラムは、ネットワークなどの通信を介して提供されてもよい。
【0095】
〈自動駐車システムの制御方法〉
次に、一実施形態に係る自動駐車システム1の制御方法の一例について説明する。
図11は、入庫開始指示処理の一例を示すフローチャートである。入庫開始指示処理は、例えば駐車場管制サーバ10により駐車場50に入庫する入庫車両が認識された場合に実行される。駐車場管制サーバ10により入庫車両が認識された場合とは、例えばユーザが自動運転車両2を降車用スペース62に駐車させて降車し、駐車場管制サーバ10がユーザから入庫要求を受けた場合である。
【0096】
図11に示すように、自動駐車システム1の駐車場管制サーバ10は、S10として、車両情報取得部11により駐車場内の自動運転車両2の車両情報を取得する(車両情報取得ステップ)。
【0097】
S11において、駐車場管制サーバ10は、ルート設定部12により入庫車両の目標駐車スペース及び入庫ルートを設定する(ルート設定ステップ)。ルート設定部12は、駐車場地図と車両情報とに基づいて目標駐車スペース及び入庫ルートを設定する。
【0098】
S12において、駐車場管制サーバ10は、注意対象スペース設定部13により注意対象スペースWを設定する(注意対象スペース設定ステップ)。注意対象スペース設定部13は、入庫車両の目標駐車スペースに対して、目標駐車スペースの周囲の駐車スペース61のうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する駐車スペース61である注意対象スペースWを設定する。
【0099】
S13において、駐車場管制サーバ10は、注意対象車両判定部14により注意対象車両が存在するか否かを判定する(注意対象車両判定ステップ)。注意対象車両判定部14は、注意対象スペースWと駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象車両が存在するか否かを判定する。駐車場管制サーバ10は、注意対象車両が存在すると判定された場合(S13:YES)、S14に移行する。駐車場管制サーバ10は、注意対象車両が存在すると判定されなかった場合(S13:NO)、S16に移行する。
【0100】
S14において、駐車場管制サーバ10は、完了判定部15により全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する(完了判定ステップ)。完了判定部15は、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて上記判定を行う。駐車場管制サーバ10は、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定された場合(S14:YES)、S16に移行する。駐車場管制サーバ10は、全ての注意対象車両の入庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されなかった場合(S14:NO)、S15に移行する。
【0101】
S15において、駐車場管制サーバ10は、車両情報取得部11により駐車場内の自動運転車両2の車両情報を再取得する(車両情報再取得ステップ)。その後、駐車場管制サーバ10は、S14に戻って処理を繰り返す。
【0102】
S16において、駐車場管制サーバ10は、車両指示部16により入庫車両に対する入庫開始指示を行う(車両指示ステップ)。車両指示部16は、例えば目標駐車スペース、入庫ルート、及び障害物情報を含む入庫開始指示を入庫車両に対して送信する。その後、入庫開始指示処理を終了する。
【0103】
図12は、出庫開始指示処理の一例を示すフローチャートである。出庫開始指示処理は、例えば駐車場管制サーバ10に対してユーザが出庫要求を行った場合に実行される。
【0104】
図12に示すように、自動駐車システム1の駐車場管制サーバ10は、S20として、車両情報取得部11により駐車場内の自動運転車両2の車両情報を取得する(車両情報取得ステップ)。
【0105】
S21において、駐車場管制サーバ10は、ルート設定部12により出庫車両の向かう乗車用スペース63及び出庫ルートを設定する(ルート設定ステップ)。ルート設定部12は、駐車場地図と車両情報とに基づいて乗車用スペース63及び出庫ルートを設定する。
【0106】
S22において、駐車場管制サーバ10は、注意対象スペース設定部13により注意対象スペースWを設定する(注意対象スペース設定ステップ)。注意対象スペース設定部13は、出庫車両の出庫対象スペースに対して、出庫車両の駐車している出庫対象スペースの周囲の駐車スペース61のうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する駐車スペース61である注意対象スペースWを設定する。
【0107】
S23において、駐車場管制サーバ10は、注意対象車両判定部14により注意対象車両が存在するか否かを判定する(注意対象車両判定ステップ)。注意対象車両判定部14は、注意対象スペースWと駐車場地図情報と車両情報とに基づいて、注意対象車両が存在するか否かを判定する。駐車場管制サーバ10は、注意対象車両が存在すると判定された場合(S23:YES)、S24に移行する。駐車場管制サーバ10は、注意対象車両が存在すると判定されなかった場合(S23:NO)、S26に移行する。
【0108】
S24において、駐車場管制サーバ10は、完了判定部15により全ての注意対象車両の出庫又は駐車スペース離脱が完了したか否かを判定する(完了判定ステップ)。完了判定部15は、駐車場地図情報と車両情報とに基づいて上記判定を行う。駐車場管制サーバ10は、全ての注意対象車両の出庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定された場合(S24:YES)、S26に移行する。駐車場管制サーバ10は、全ての注意対象車両の出庫又は駐車スペース離脱が完了したと判定されなかった場合(S24:NO)、S25に移行する。
【0109】
S25において、駐車場管制サーバ10は、車両情報取得部11により駐車場内の自動運転車両2の車両情報を再取得する(車両情報再取得ステップ)。その後、駐車場管制サーバ10は、S24に戻って処理を繰り返す。
【0110】
S26において、駐車場管制サーバ10は、車両指示部16により出庫車両に対する出庫開始指示を行う(車両指示ステップ)。車両指示部16は、例えば乗車用スペース63、出庫ルート、及び障害物情報を含む出庫開始指示を出庫車両に対して送信する。その後、出庫開始指示処理を終了する。
【0111】
図13は、注意対象車両設定ステップにおける退避車両判定処理の一例を示すフローチャートである。退避車両判定処理は、S13及びS23の注意対象車両判定ステップで行われる。
【0112】
図13において、駐車場管制サーバ10は、S30として、注意対象車両判定部14により注意対象スペースWに関係する退避車両が存在するか否かを判定する(退避車両判定ステップ)。駐車場管制サーバ10は、注意対象スペースWに関係する退避車両が存在すると判定された場合(S30:YES)、S31に移行する。駐車場管制サーバ10は、注意対象スペースWに関係する退避車両が存在すると判定されなかった場合(S30:NO)、今回の退避車両判定処理を終了する。
【0113】
S31において、駐車場管制サーバ10は、注意対象車両判定部14により退避車両が出庫車両の出庫ルート上に位置し、出庫ルートから離れる方向に退避する車両であるか否かを判定する(退避方向判定ステップ)。駐車場管制サーバ10は、退避車両が出庫車両の出庫ルート上に位置し、出庫ルートから離れる方向に退避する車両であると判定された場合(S31:YES)、S32に移行する。駐車場管制サーバ10は、退避車両が出庫車両の出庫ルート上に位置し、出庫ルートから離れる方向に退避する車両であると判定されなかった場合(S31:NO)、S33に移行する。
【0114】
S32において、駐車場管制サーバ10は、注意対象車両判定部14により退避車両を注意対象車両として判定する(判定確定ステップ)。その後、駐車場管制サーバ10は、退避車両判定処理を終了する。S33において、駐車場管制サーバ10は、注意対象車両判定部14により退避車両を注意対象車両として判定しない(未判定確定ステップ)。その後、駐車場管制サーバ10は、退避車両判定処理を終了する。
【0115】
以上説明した一実施形態に係る自動駐車システム1によれば、目標駐車スペースの周囲の駐車スペース61のうち入出庫中の他車両が存在すると入庫車両の入庫に影響する注意対象スペースWを設定し、注意対象スペースW以外の駐車スペース61において入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに入庫車両に対する入庫開始指示を行うので、目標駐車スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【0116】
また、自動駐車システム1によれば、入庫車両の入庫ルートを考慮して注意対象スペースWを設定するので、他車両の入出庫が入庫ルートと干渉しない駐車スペースを注意対象スペースに含めないことが可能となり、適切な注意対象スペースの設定を行うことができる。更に、自動駐車システム1によれば、退避車両を注意対象車両に含めることで、注意対象スペースWに関係する退避車両が入庫車両の入庫に影響を与えることを抑制することができる。
【0117】
また、自動駐車システム1によれば、出庫対象スペースの周囲の駐車スペース61のうち入出庫中の他車両が存在すると出庫車両の出庫に影響する注意対象スペースWを設定し、注意対象スペースW以外の駐車スペース61において入出庫中の注意対象外車両が存在したとしても、注意対象外車両の入庫又は駐車スペース離脱の完了を待たずに出庫車両に対する出庫開始指示を行うので、出庫対象スペースの周囲の全ての入出庫が完了するまで入庫開始指示を行わない場合と比べて、自動バレーパーキングの駐車場利用効率を向上させることができる。
【0118】
更に、自動駐車システム1によれば、出庫車両の出庫ルートを考慮して注意対象スペースを設定するので、他車両の入出庫が出庫ルートと干渉しない駐車スペースを注意対象スペースに含めないことが可能となり、適切な注意対象スペースの設定を行うことができる。
【0119】
また、自動駐車システム1によれば、駐車場の走行路に接した出庫対象スペースに隣接する駐車スペースのうち出庫ルートに対する影響が低いと考えられる出庫ルートに沿わない方向の駐車スペースを注意対象スペースとして設定しないので、影響が低い駐車スペースに関連する他の車両の入出庫の完了を待つ必要がなくなり、駐車場利用効率の向上を図ることができる。
【0120】
また、自動駐車システム1によれば、退避車両を注意対象車両に含めることで、注意対象スペースに関係する退避車両が出庫車両の出庫に影響を与えることを抑制することができる。更に、自動駐車システム1によれば、出庫ルートから離れる方向に退避する退避車両は退避車両が出庫車両の出庫に影響を与える可能性が低いと考えられることから、当該退避車両を注意対象車両に含めないことで駐車場利用効率の向上を図ることができる。
【0121】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0122】
注意対象車両判定部14は、退避車両は注意対象車両として判定しなくてもよい。注意対象車両判定部14は、入出庫する自動運転車両2のみを注意対象車両としてもよい。
【0123】
注意対象スペース設定部13は、
図7に示す状況において、出庫ルートR3に沿わない方向の駐車スペース61を注意対象スペースWとして設定してもよい。また、注意対象車両判定部14は、
図10に示す状況において、退避車両2Dbを注意対象車両として判定してもよい。
【符号の説明】
【0124】
1…自動駐車システム、2…自動運転車両、10…駐車場管制サーバ、11…車両情報取得部、12…ルート設定部、13…注意対象スペース設定部、14…注意対象車両判定部、15…完了判定部、16…車両指示部、50…駐車場、61…駐車スペース、W…注意対象スペース。